本開示は、複数の自動車両の動作を制御する自動車両配車システム等に関する。
特許文献1には、自動車が今いるところから呼出を受けたところまで、エリア内の地図から自動車の走行経路を決定し、経路によってその標識の内容を変更し、その標識を認識することで今後の運転経路を決め自動車に自律性を与えて自律走行制御することで、自動車を無人運転し、配車を行う自動配車システムが開示されている。
本開示は、複数の自動車両の配車および道路状況に応じた走行制御を行う自動車両配車システムを提供する。
本開示における自動車両配車システムは、複数の自動車両と、前記複数の自動車両と通信するサーバ装置とを備える自動車両配車システムであって、前記サーバ装置は、前記複数の自動車両と通信を行うサーバ通信部と、(i)所定エリアにおいて前記複数の自動車両が走行可能な走行経路を示す複数のパスポイントであって、前記走行経路上における自動車両の動作状態を示す走行属性をそれぞれが含む複数のパスポイントにより構成されるエリア情報、及び、(ii)前記複数の自動車両毎の車両属性を示す車両情報を格納しているサーバ記憶部と、前記複数の自動車両のそれぞれについて、前記エリア情報を構成する前記複数のパスポイントから、当該自動車両が走行する第1走行経路を示す、当該自動車両に対応する前記車両情報に応じて選択した複数のパスポイントにより構成される第1経路情報を生成する経路探索部と、を有し、前記複数の自動車両のそれぞれは、前記サーバ装置と無線通信を行うことにより、前記経路探索部により生成された、当該自動車両に対応する前記第1経路情報を取得する車両通信部と、前記車両通信部により取得された前記第1経路情報に基づいて自車両の走行を制御する走行制御部とを有し、前記走行属性は、前記パスポイントの位置、前記パスポイント通過時の車両速度、車両の進入角度、及び、車両の進行方向を含み、前記車両属性は、前記複数の自動車両毎に、当該自動車両の、車長、車幅、及び、重量を含む。
本開示におけるによれば、複数の自動車両の配車および道路状況に応じた走行制御を制御することが可能となる。
図1は、実施の形態1における自動車両配車システムを概略的に示す概念図である。
図2は、図1のサーバ装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図3は、図1の自動車両の構成を模式的に示すブロック図である。
図4は、サーバ装置の記憶部に記憶されているエリア情報とパスポイントを示す概念図である。
図5は、サーバ装置の記憶部に記憶されているエリア情報とパスポイントの一例を示す図である。
図6Aは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の一例を示す概念図である。
図6Bは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の他の一例を示す概念図である。
図7Aは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の一例を示す図である。
図7Bは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の他の一例を示す図である。
図8は、サーバ装置および自動車両の記憶部が記憶する車両情報の一例を示す図である。
図9は、サーバ装置の記憶部に記憶される車両状態情報の一例を示す図である。
図10Aは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の一例を示す概念図である。
図10Bは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の他の一例を示す概念図である。
図11Aは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の一例を示す図である。
図11Bは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の他の一例を示す図である。
図12は、サーバ装置による自動車両の経路探索動作の流れを示すフローチャートである。
図13は、サーバ装置による自動車両の経路探索動作の一例を示す図である。
図14Aは、経路探索部が生成した走行経路RA1の第1経路情報の一例を示す図である。
図14Bは、経路探索部が生成した走行経路RA2の第1経路情報の一例を示す図である。
図15は、利用者搬送時のサーバ装置及び自動車両の動作の流れを示すシーケンス図である。
図16は、自動車両がサーバ装置に送信する状態通知の一例を示す図である。
図17は、サーバ装置が自動車両に送信する車両制御情報の一例を示す図である。
図18は、サーバ装置の運行制御部の調停動作の流れを示すフローチャートである。
図19Aは、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合の一例を示す図である。
図19Bは、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合の一例を示す図である。
図20は、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合のサーバ装置の調停制御の一例を示すシーケンス図である。
図21は、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合のサーバ装置の調停制御の一例を示すシーケンス図である。
図22Aは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図22Bは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図22Cは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図22Dは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図23は、走行経路上に障害物がある場合のサーバ装置の制御の一例を示すシーケンス図である。
図24は、障害物がある場合の動作の一例を示す図である。
図25は、実施の形態2における自動車両配車システムを概略的に示す概念図である。
図26は、図25のステーションの構成を模式的に示すブロック図である。
図27は、ステーション、無線端末から配車要求された場合の動作を示すシーケンス図である。
図28は、他の実施の形態(A)における車両情報の一例を示す図である。
図29Aは、調停エリア内で幹線道路と生活道路との交差している場合を示す図である。
図29Bは、調停エリア内で幹線道路と生活道路との交差している場合を示す図である。
図30Aは、他の実施の形態(B)における同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路を示す図である。
図30Bは、他の実施の形態(B)における同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、以下の実施の形態において、位置とは、緯度(度)及び経度(度)の組合せを指すものとする。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しつつ、実施の形態1における自動車両配車システム1について説明する。
[1−1.自動車両配車システム1の構成]
[1−1−1.自動車両配車システム1の全体構成]
図1は、実施の形態1における自動車両配車システム1を概略的に示す概念図である。
図1を参照すると、自動車両配車システム1は、サーバ装置100と、複数の自動車両200と、少なくとも1つの基地局400とを備える。サーバ装置100と基地局400とは通信ネットワーク401に接続されている。基地局400は、中継局に相当する。
サーバ装置100は、通信ネットワーク401、基地局400を介して自動車両200と通信し、自動車両200の動作を制御する。自動車両200は、所定エリア内で利用者を搬送する車両であり、利用者を乗せ、目的地まで自動で走行する。自動車両200は、蓄電装置(図示せず)を有し、蓄電装置が供給するエネルギーにより動作する。基地局400は、自動車両200とサーバ装置100との間の通信を中継する機器である。基地局400は、無線通信を介して自動車両200と通信する。また、基地局400は、通信ネットワーク401を介して、サーバ装置100と通信する。
基地局400と自動車両200との間の無線通信には、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)が適用されてもよく、その他の無線通信が適用されてもよい。基地局400とサーバ装置100との間の通信ネットワーク401には、インターネットが適用されてもよい。基地局400及びサーバ装置100と通信ネットワーク401との間の通信には、無線LAN、有線LAN等の無線通信又は有線通信が適用されてもよい。
[1−1−2.サーバ装置100の構成]
本実施の形態におけるサーバ装置100の構成を説明する。サーバ装置100は、所定エリア内において複数の自動車両200各々が走行可能な走行経路を探索し、自動車両200毎の動作を管理する構成要素である。また、サーバ装置100は、各自動車両200から車両位置、充電残量、故障情報等を含む情報を定期的に受信し、受信した情報に基づき当該情報に対応する自動車両200が走行する走行経路の修正、当該自動車両200の動作の制御等を実施する。
図2は、図1のサーバ装置100の構成を模式的に示すブロック図である。
図1を参照すると、サーバ装置100は、通信部110、制御部120、及び、記憶部130を有する。制御部120は、経路探索部121を有する。制御部120は、さらに、運行制御部122を有していてもよい。また、記憶部130は、エリア情報131及び車両状態情報134を記憶している。記憶部130は、さらに、経路情報132及び車両情報133を記憶していてもよい。経路情報132は、全経路情報に相当する。サーバ装置100は、コンピュータ等の情報処理装置でもよい。サーバ装置100は、1つ以上のサーバ装置を含んでもよく、クラウドシステムを構成してもよい。
通信部110は、自動車両200等と通信する構成要素である。通信部110は、サーバ通信部に相当する。通信部110は、通信器、又は通信インタフェースを含む処理回路等であってよい。通信部110は、制御部120による制御に従って、通信ネットワーク401を介して、自動車両200等と通信する。具体的には、通信部110は、有線通信又は無線通信を介して通信ネットワーク401に接続し、通信ネットワーク401及び基地局400を介して、自動車両200と通信する。通信部110は、複数の自動車両200の位置を含む複数の自動車両の状態に関する車両状態情報を複数の自動車両から取得してもよい。通信部110は、受信した情報を制御部120及び記憶部130のいずれに送るように構成されてもよく、制御部120及び記憶部130のいずれから情報を受け取り、受け取った情報を送信するように構成されてもよい。
制御部120は、サーバ装置100の全体を制御する制御機能を備えるものであればよく、どのように実現されてもよい。例えば、制御部120は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また例えば、制御部120は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合、制御部120は、例えば、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが例示される。記憶部としては、メモリなどが例示される。なお、制御部120は、集中制御を行う単独の制御部で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御部で構成されていてもよい。
制御部120は、通信部110から送られる情報の受信、並びに、記憶部130への情報の格納、及び、記憶部130に格納された情報の取り出し等を実施することができる。具体的には、制御部120は、通信部110を制御して、通信ネットワーク401を介して基地局400との間で情報の送受信を行う。つまり、制御部120は、通信部110を制御して、通信ネットワーク401及び基地局400を介して、各自動車両200との間で情報の送受信を行う。制御部120は、各自動車両200から定期的に送られる情報を受信する、並びに、各自動車両200に対して生成した経路情報、自動車両200の動作指令など等の情報等を、自動車両200に随時送るように構成される。
制御部120は、各自動車両200から受け取る情報、経路探索部121によって探索されることで生成される自動車両200の経路情報等の情報を記憶部130に加えて記憶させることによって、記憶部130に格納されているエリア情報131、経路情報132及び車両状態情報134等を新たな情報に更新する。
制御部120は、経路探索部121を制御して、各自動車両200に設定すべき走行経路を経路探索部121に探索させる。経路探索部121は、通信部110を介して自動車両200の出発地の位置及び/又は目的地の位置が入力されると、エリア情報131に基づき、当該自動車両200が走行する走行経路を探索する。例えば、経路探索部121は、自動車両200の出発地の位置または自動車両200の現在位置から目的地までの走行経路を探索する。そして、経路探索部121は、探索した走行経路上における自動車両の動作状態を示す走行属性のパラメータを、車両情報133に応じて変更することで第1経路情報を生成する。経路探索部121は、生成した第1経路情報を、記憶部130の経路情報132に反映する。経路探索部121の経路探索に関する詳細な動作は後述する。
制御部120は、運行制御部122を制御して、記憶部130に格納されている経路情報132等に基づいて各自動車両200を動作させる。運行制御部122は、記憶部130の経路情報132を、自動車両200に送信する。なお、運行制御部122は、経路情報132のうち、送信する対象の自動車両200に対応する経路情報のみを自動車両200に送信してもよいし、経路情報132全部を自動車両200に送信してもよい。つまり、運行制御部122は、経路情報132のうち、少なくとも、送信する対象の自動車両200に対応する経路情報を含む経路情報を送信する。自動車両200は、受け取った経路情報に従って、走行(動作)する。運行制御部122は、後述する調停エリアに進入する前の自動車両200から調停要求を受信すると、車両状態情報134及び経路情報132に基づき、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得るか否かを判断し、干渉が生じ得ると判断した場合、干渉を生じ得る自動車両200の、調停エリアへの進入タイミングを制御してもよい。また、運行制御部122は、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得ないと判断した場合、調停要求を送信してきた自動車両200の調停エリアへの進入を許可してもよい。
また、運行制御部122は、自動車両の周囲における障害物の有無及び位置に関する障害物情報を自動車両200から受け取ると、自動車両200がなすべき動作を決定し、上記決定に基づき自動車両200に指示を送る。このとき、障害を回避できるように自動車両200の走行速度を変更する走行指示を、自動車両200に送ってもよい。上記の代わりに又は上記に加えて、運行制御部122は、経路探索部121に障害を回避可能な走行経路を新たに探索させることによって、走行経路を変更し、変更後の経路情報を自動車両200に送信してもよい。
記憶部130は、種々の情報を記憶する構成要素である。記憶部130は、サーバ記憶部に相当する。記憶部130は、半導体メモリ等から構成されてもよく、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等から構成されてよい。また、記憶部130は、読み取り専用のメモリ、つまり、書き換え不可のメモリでもよい。記憶部130は、サーバ装置100内に組み込まれるものであってもよく、サーバ装置100がアクセス可能なクラウドサーバ内に存在するものであってもよい。記憶部130は、後述する、自動車両が走行する所定エリアの走行経路に関するエリア情報131、自動車両200毎の車両属性を示す車両情報133を格納している。記憶部130は、経路探索部121により生成された複数の自動車両200それぞれの第1経路情報を経路情報132として格納してもよい。記憶部130は、通信部110により取得された車両状態情報134を格納してもよい。
[1−1−3.自動車両200の構成]
図3は、図1の自動車両200の構成要素の関係を模式的に示すブロック図である。
図3を参照すると、自動車両200は、通信部210及び制御部220を有する。自動車両200は、さらに、記憶部230、外界センサ240、自己位置推定部250、障害物検知部260、入力受付部270を有していてもよい。制御部220は、走行制御部221を有する。また、記憶部230は、走行情報231や車両情報232などを記憶する。
通信部210は、サーバ装置100等と通信する構成要素である。通信部210は、車両通信部に相当する。通信部210は、通信器、又は通信インタフェースを含む処理回路等であってよい。通信部210は、制御部220による制御に従って、基地局400を介して、サーバ装置100等と通信する。具体的には、通信部210は、無線通信を介して基地局400に接続し、通信ネットワーク401を介して、サーバ装置100と通信する。通信部210は、例えば、サーバ装置100と無線通信を行うことにより、経路探索部121により生成された、当該自動車両200に対応する第1経路情報を取得する。通信部210は、受信した情報を制御部220及び記憶部230のいずれに送るように構成されてもよく、制御部220及び記憶部230のいずれから情報を受け取り、受け取った情報を送信するように構成されてもよい。
制御部220は、自動車両200の全体を制御する制御機能を備えるものであればよく、どのように実現されてもよい。例えば、制御部220は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また例えば、制御部220は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合、制御部220は、例えば、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが例示される。記憶部としては、メモリなどが例示される。なお、制御部220は、集中制御を行う単独の制御部で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御部で構成されていてもよい。
制御部220は、通信部210、外界センサ240、自己位置推定部250、障害物検知部260、蓄電装置280の制御、入力受付部270から受け付ける入力の受信、並びに、記憶部230への情報の格納及び記憶部230に格納された情報の取り出し等を実施することができる。
具体的には、制御部220は、外界センサ240を制御して、自動車両200の進行方向を走査させる。外界センサ240は、検知結果を自己位置推定部250及び障害物検知部260に送る。外界センサ240は、検知結果を、自己位置推定部250及び障害物検知部260の代わりに制御部220及び記憶部230の少なくとも一方に送ってもよいし、自己位置推定部250及び障害物検知部260に加えて、制御部220及び記憶部230の少なくとも一方に送ってもよい。
制御部220は、外界センサ240の検知結果に基づき、自己位置推定部250に自動車両200の位置及び向きを推定させ、その推定結果を取得する。自己位置推定部250は、その推定結果を、制御部220の代わりに記憶部230に送ってもよいし、制御部220に加えて記憶部230に送ってもよい。
制御部220は、外界センサ240の検知結果等に基づき、障害物検知部260に自動車両200の周囲における障害物の有無及びその位置等に関する情報である障害物情報を生成させ、障害物情報を取得する。障害物検知部260は、障害物情報を、制御部220の代わりに記憶部230に送ってもよいし、制御部220に加えて記憶部230に送ってもよい。障害物情報の障害物には、他の自動車両200も含まれてもよい。また、制御部220は、自動車両200の走行経路又はその近傍に障害物を検知した場合、自動車両200を停止させてもよい。その後、制御部220は、外界センサ240により走行経路又はその近傍で障害物を確認できなくなれば、自動車両200の走行を開始してもよい。又は、制御部220は、サーバ装置100から受け取る経路情報に基づき、走行情報を生成して、自動車両200の動作を制御してもよい。
制御部220は、通信部210を制御して、基地局400と情報の送受信を行う。つまり、制御部220は、通信部210を制御して、基地局400を介して、サーバ装置100と情報の送受信を行う。制御部220は、例えば、通信部210を制御して、自動車両200の位置、向き、動作状態などの自動車両200の車両状態、並びに、自動車両200の周囲の障害物情報等を、例えば1秒毎等のように定期的にサーバ装置100に送るように構成される。
走行制御部221は、サーバ装置100から受信した当該自動車両200に対応する第1経路情報から後述する走行情報を生成し、記憶部230に記憶させる。つまり、走行制御部221は、通信部210により取得された第1経路情報に基づいて自車両の走行を制御する。例えば、走行制御部221は、記憶部230に記憶されている車両情報232に応じて、第1経路情報を構成する複数のパスポイントで示される第2走行経路上に、さらに、他のパスポイントを追加し、追加することで得られた走行情報に基づいて自車両の走行を制御してもよい。走行制御部221は、記憶部230に記憶させた走行情報に従って、自車両の走行を制御する。走行制御部221は、VCU(Vacuum Control Unit)や操舵、速度、ブレーキなどの制御を行うモータなどを含む。
また、走行制御部221は、第1経路情報を構成するパスポイントの調停属性(後述参照)が、調停エリア(後述参照)に侵入する前のパスポイントを示していると判断した場合、自車両を停止させ、サーバ装置100に調停要求を送信してもよい。
記憶部230は、種々の情報を記憶する構成要素である。記憶部230は、車両記憶部に相当する。記憶部230は、半導体メモリ等から構成されてもよく、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等から構成されてよい。また、記憶部230は、読み取り専用のメモリ、つまり、書き換え不可のメモリでもよい。記憶部230は、後述する走行情報231を記憶する。また、記憶部230は、自車両に対応する車両情報232を記憶している。
外界センサ240は、自動車両200の周囲の物体の有無を検知する構成要素である。外界センサ240は、例えば、ミリ波レーダである。
自己位置推定部250は、自動車両200の位置を推定する構成要素である。自己位置推定部250は、上述した制御部220のような構成を有してもよく、制御部220の一部に含まれてもよい。自己位置推定部250は、外界センサ240による検知結果より、自動車両200の位置及び方位を検出する。
なお、自動車両200は、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサとも呼ばれる)等も備えてもよく、自己位置推定部250は、上記センサの検知結果も使用して、自動車両200の位置及び方位を検出してもよい。これにより、自動車両200の位置及び方位の検出精度が向上する。なお、自己位置推定部250は、加速度センサ及び角速度センサの検知結果から、自動車両200の走行軌跡と姿勢角つまり旋回角を求めてもよい。又は、自動車両200は、GPS送受信機を備え、自身の位置情報を受信するように構成されてもよい。
障害物検知部260は、走行経路上に障害物を検知する構成要素である。障害物検知部260は、上述した制御部220の構成のような構成を有してもよく、制御部220の一部に含まれてもよい。障害物検知部260は、外界センサ240による検知結果と、自己位置推定部250による自動車両200の位置及び方位の検出結果とに基づき、外界センサ240が検知した物体の位置を検出する。障害物検知部260は、認知した障害物及びその位置情報を含む障害物情報を、制御部220及び記憶部230の少なくとも一方に送る。つまり、障害物検知部260は、外界センサ240の検知結果に基づき、当該自動車両200の周囲における物体の有無及び当該物体の位置を含む障害物情報を生成し、生成した障害物情報を出力する。そして、走行制御部221は、第1走行経路上に物体があることを障害物検知部260が検知すると自車両を停止させると共に、障害物情報をサーバ装置100に送信してもよい。なお、自己位置推定部250は、障害物検知部260により出力された障害物情報を取得し、自動車両200の位置及び方位の検出の際のフィードバック等に用いてもよい。
なお、外界センサ240は、自動車両200の周囲を撮像するカメラにより構成されており、障害物検知部260は、外界センサ240を構成するカメラにより撮像された画像を画像処理することで自動車両200の周囲の物体を検知する画像処理部により構成されていてもよい。
入力受付部270は、自動車両200に乗車する利用者が目的地等の入力を受け付ける構成要素である。本実施の形態では、入力受付部270は、タッチパネルやキーボードなどからなる構成を有していてもよい。なお、入力受付部270により受け付けられた入力が示す目的地などの情報は、通信部210によりサーバ装置100に送信される。
蓄電装置280は、自動車両200を駆動するエネルギーを供給する。
[1−1−4.エリア情報]
図4は、サーバ装置100の記憶部130に記憶されているエリア情報131を構成する複数のパスポイントを示す概念図である。図5は、サーバ装置100の記憶部130に記憶されているエリア情報131を構成する複数のパスポイント135の一例を示す図である。図4では、説明のために、走行経路における進行方向に矢印を付与している。
図4を参照すると、エリア情報131は、所定エリア内において自動車両200が走行可能な走行経路を示す情報である。エリア情報131は、自動車両200が走行可能な走行経路R1上に黒丸で示される複数のパスポイントの集合で構成されている。パスポイントは、走行経路R1上における自動車両200の動作の変化点を示す。パスポイントは、当該パスポイントの位置、パスポイント通過時の自動車両200の車両速度、当該自動車両200の進入角度、及び当該自動車両200の進行方向などの情報を含む。図4においては、走行経路R1のエリア情報131は、20個のパスポイントで構成されている。
図5を参照すると、複数のパスポイント135のそれぞれは、パスポイント通過時の進入角度[rad]、パスポイントの位置(緯度、経度)、パスポイント通過時の自動車両200の期待速度[km/h]、パスポイント通過時の進行方向(前進/後退)、乗客(乗車/降車)の有無、調停(確認/開始/終了)、停車(停止/一時停止/禁止)、車庫入れ(入庫/出庫)の有無、充電所の有無等を示す走行属性を含む。なお、図5において、進行方向はfwd(前進)で標記している。
図4及び図5において、特徴となるパスポイントを説明する。例えば、パスポイントIDがP0であるパスポイントP0は、一時停止して、乗客の乗場又は降場を行うパスポイントとして例示される。以下、パスポイントIDがPn(nは0以上の整数)であるパスポイントをパスポイントPnと表記する。
また、図4における点線領域は、調停エリアM1を表す。調停エリアM1とは、複数の自動車両200が走行する際に、自動車両間で互いの走行に干渉が生じ得る区間に設けられる。サーバ装置100は、調停エリアにおける複数の自動車両200の走行を制御する。ここで、互いの走行に干渉が生じ得るとは、例えば、自動車両200同士が衝突する可能性があることである。例えば、調停エリアM1の走行経路は、両側通行の1車線であり、当該調停エリアM1の走行経路を右側から走行してくる自動車両200と左側から走行してくる自動車両200とが衝突する可能性がある区間である。調停エリアM1に進入する前のパスポイントには、調停属性として「開始」が設定されている。また、調停エリアM1を通過後のパスポイントには、調停属性として「終了」が設定されている。
調停エリアM1の場合、パスポイントP2の調停属性に「開始」が設定されている。パスポイントP2は、サーバ装置100が走行の調停を開始するトリガとなるパスポイントである。また、パスポイントP3の調停属性に「終了」が設定されている。パスポイントP3は、サーバ装置100が走行の調停を終了するパスポイントである。また、パスポイントP2より手前のパスポイントの調停属性に「確認」が設定される。例えば、調停エリアM1の場合、パスポイントP1の調停属性に「確認」が設定される。この場合、自動車両200は、パスポイントP1において一時停止し、サーバ装置100に調停要求を送信する。自動車両200は、サーバ装置100から走行指示されるまで、パスポイントP1で待機する。このように、複数のパスポイントのそれぞれは、第1走行経路上の区間であって、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得る区間である調停エリアに進入する前のパスポイントであることを少なくとも示す調停属性を含む。
また、パスポイントP4は停車を禁止するパスポイントを示しており、パスポイントP5は、車庫に入庫し、走行を停止するパスポイントを示している。
[1−1−5.経路情報]
図6A及び図6Bは、サーバ装置100の記憶部130に記憶される経路情報132のうちの第1経路情報の一例を示す概念図である。図6Aは、図4に自動車両200が普通乗用車などの小型車である場合の第1経路情報の一例を示す概念図である。図6Bは、自動車両200がトラックやバスなどの大型車である場合の第1経路情報の一例を示す概念図である。図6A及び図6Bでは、説明のために、走行経路における進行方向に矢印を付与している。
図6A及び図6Bは、図4のエリア情報で示される走行経路R1のうちで、実際に自動車両200が走行する第1走行経路を示す第1経路情報を示している。図6Aに示す第1経路情報が示す第1走行経路は、図4のエリア情報における走行経路と同一である。これに対して、図6Bに示す第1経路情報が示す第1走行経路は、図4のエリア情報における走行経路と比較して、波線矩形で示す領域S1及び領域S2で囲まれたカーブの領域におけるパスポイントが異なっている。
これは、カーブを走行する場合、同じ走行速度や進入角度で制御しても、車長や車幅、車両の重量により、実際にカーブを走行する際の走行経路が異なるためである。例えば、大型車に対して図6Aで示す第1経路情報で自動車両200の走行制御を行うと、領域S1及び領域S2のカーブを曲がりきれない可能性がある。このような状況を回避するために、本開示のサーバ装置100は、複数の自動車両200それぞれの車両属性に応じて、パスポイントの設定を行う。
例えば、図6Aの領域S1においては、カーブ開始時に1つのパスポイントP30、カーブ終了時に1つのパスポイントP40が設定されている。これに対して、図6Bの領域S1においては、カーブ開始時に2つのパスポイントP31、P32、カーブ終了時に3つのパスポイントP41、P42、P43が設定されている。また、領域S2においては、カーブの開始時に、図6Aでは1つのパスポイントP10が設定されているのに対して、図6Bでは、3つのパスポイントP11、P12、P13が設定されている。
これは、大型車は小型車と比べ、車長や車幅が大きく、ブレーキがきき始めるまでに進む距離の違い、同じ速度でカーブを曲がった場合に生じる遠心力の違いなどを考慮して設定したことによる。図6Bに示す大型車の場合、カーブに対して設定されるパスポイントは図6Aに示す小型車の場合に比べて、カーブを大きく曲がるように設定されている。
図7A及び図7Bは、サーバ装置100の記憶部130に記憶される経路情報132のうちの第1経路情報の一例を示す図である。図7Aは、図6Aに示す小型車に対応する第1経路情報を示す図である。図7Bは、図6Bに示す大型車に対応する第1経路情報を示す図である。
図7A及び図7Bに示すように、第1経路情報は複数のパスポイントの集合である。また、経路情報132は同じ走行経路を走行する場合でも、車両情報に応じて、設定されるパスポイントの数、パスポイントが含む走行属性のパラメータが異なる。図7Bに示す大型車の第1経路情報では、カーブに対して設定されるパスポイントが、図7Aの小型車の第1経路情報よりも多く設定される。また、カーブに対して設定されるパスポイントにおいて、大型車の車両速度は小型車の車両速度より遅く設定されている。
[1−1−6.車両情報]
車両情報133及び車両情報232は、全ての自動車両200のそれぞれにおける、当該自動車両に関する情報を含む。車両情報133は、複数の自動車両200毎の車両属性を示す情報である。
図8は、サーバ装置100の記憶部130及び自動車両200の記憶部230が記憶する車両情報の一例を示す図である。
図8に示すように、車両情報には、車両を一意に識別する車両ID、車両の型番、車種名、車両番号、車長[mm]、車幅[mm]、車高[mm]、重量[kg]、車両情報を登録した登録日時、車両情報を更新した更新日などが、含まれる。また、車両情報は、操舵角など運転に関連する情報をさらに含んでいてもよい。
[1−1−7.車両状態情報]
車両状態情報134は、自動車両200からサーバ装置100に定期的に送られる自動車両200の現在位置及び現在状態などを示す情報であり、当該情報に対応する自動車両200を識別する車両IDなどの識別情報を含む。本実施の形態では、自動車両200は、上記情報を定期的(例えば1秒毎)にサーバ装置100に送る。これにより、サーバ装置100は、自動車両200の状態をほぼリアルタイムに取得することができる。
図9は、サーバ装置100の記憶部130に記憶される車両状態情報134の一例を示す図である。
図9に示すように、自動車両200の現在位置は、緯度(度)と経度(度)で示される。自動車両200の車両状態には、サーバ装置100が管理する車両状態、自動車両200がサーバ装置100に通知してきた車両状態、パスポイント通過時の進入角度[rad]、パスポイント通過時の速度[km/h]、パスポイント通過時の進行方向[前進/後退]、蓄電装置280の残量[0〜100%]、故障情報、最終通過パスポイントのパスポイントID、出発地のパスポイントのパスポイントID、目的地のパスポイントのパスポイントIDなどを含む。故障情報は、NULL(正常)、ギア故障、車輪故障などが含まれる。
サーバ装置100が管理している状態と自動車両200が報告してきた状態は、走行、停止、運搬、タイムアウト、降車完了、充電、緊急状態、配車などを含んでもよい。より詳細には、走行は、自動走行中、途中下車が指定された自動走行中、行先変更が指示された自動走行中、自律走行中、マニュアル走行中などを含んでもよい。また、停止は、待機、目的地到着、一時停止、障害物検知、入庫完了、出庫完了、非常停止などを含んでもよい。また、運搬は、乗車完了、降車完了などを含んでもよい。
[1−1−8.走行情報]
図10A及び図10Bは、自動車両200の記憶部230に記憶される走行情報231の一例を示す概念図である。図10Aは、自動車両200が普通乗用車などの小型車である場合の走行情報の一例を示す概念図である。図10Bは、自動車両200がトラックやバスなどの大型車である場合の走行情報の一例を示す概念図である。図10A及び図10Bでは、説明のために、走行経路における進行方向に矢印を付与している。
図10A及び図10Bは、それぞれ、図6A及び図6Bの第1経路情報から生成された走行情報を示している。図10A及び図10Bにおいて、波線矩形で示す領域S1〜S4における黒三角は、走行制御部221によって追加されたパスポイントを示す。領域S1〜S4は全てカーブの領域である。自動車両200は、サーバ装置100が生成した第1経路情報において、カーブのように、車両属性に応じて走行経路が異なるところでは、さらに細かい走行制御を行ってもよい。
例えば、図10Aの領域S1においては、2つのパスポイントP30、P40間に新たに3つのパスポイントP301、P302、P303が追加設定されている。また、図10Bの領域S1においては、パスポイントP32、P41間に3つのパスポイントP321、P322、P323が設定されている。同様に、図10A、図10Bの領域S2〜S4においても、経路情報におけるパスポイントのうち、カーブに設定された2つのパスポイント間に複数のパスポイントが追加設定されている。
図11A及び図11Bは、自動車両200の記憶部230に記憶される走行情報231の一例を示す図である。図11Aは、図10Aに示す走行情報を示す図である。図11Bは、図10Bの走行情報を示す図である。
図11A及び図11Bに示すように、走行情報は複数のパスポイントの集合である。図11A及び図11Bの走行情報は、それぞれ、図7A及び図7Bの経路情報に対して領域S1のパスポイントが追加されていることが分かる。具体的には、上述したように、走行制御部221によって、記憶部230に記憶されている車両情報232に応じて、第1経路情報を構成する複数のパスポイントで示される第2走行経路上に、さらに、パスポイントが追加される。
[1−2.自動車両配車システム1の動作]
[1−2−1.サーバ装置100による自動車両200の経路探索動作]
図12、図13、図14A及び図14Bを参照して、自動車両配車システム1の動作のうちのサーバ装置100による自動車両200の経路探索動作を説明する。
図12は、サーバ装置100による自動車両200の経路探索動作の流れを示すフローチャートである。
図12を参照すると、サーバ装置100の制御部120は、サーバ装置100の通信部110を介して、自動車両200の走行経路を設定する指示を受ける、又は、障害物情報等に基づき自動車両200の走行経路を設定する必要性があると判断すると、経路探索部121に経路探索を行わせる。
経路探索部121は、制御部120の制御に従い、まず、サーバ装置100の記憶部130に格納されるエリア情報131を読み込む(ステップS1201)。
次いで、経路探索部121は、記憶部130に格納される車両情報133及び車両状態情報134を読み込む(ステップS1202)。
次いで、経路探索部121は、走行経路の出発地及び目的地を、エリア情報131に含まれるパスポイントのパスポイントIDを用いて設定する(ステップS1203)。上記出発地及び目的地は、通信部110を介して出発地及び目的地の情報を受信した制御部120の指示に基づいて設定される。
次いで、経路探索部121は、エリア情報131を用いて、出発地及び目的地の間を結ぶパスポイントの配置に沿った走行経路を探索する(ステップS1204)。
図13は、サーバ装置100による自動車両200の経路探索動作の一例を示す図である。
図13において、黒丸は、進行方向に対して、左側車線を循環する走行経路R1に設定されたパスポイント、黒四角は、進行方向に対して、右側車線を循環する走行経路R2に設定されたパスポイントを示す。また、黒三角は、1車両のみ進入可能な走行経路R3のパスポイントを示す。図13では、パスポイントP41が出発地に設定され、パスポイントP47が目的地に設定されたとする。図13においては、説明に使用するパスポイントにのみ符号を付与している。また、図13には、説明のために進行方向に矢印を付与する。
経路探索部121は、出発地を示すパスポイントP41から目的地を示すパスポイントP47までの走行経路を探索する。この場合、経路探索部121は2つの走行経路を見つけ出す。1つ目の走行経路RA1は、パスポイントP41を出発し、パスポイントP47まで走行経路R1を走行する経路である。例えば、走行経路RA1は、P41→P42→P43→P44→P45→P46→P47で表せる。2つめの走行経路RA2では、パスポイントP41を出発し、パスポイントP42まで走行経路R1を走行し、パスポイントP42からは、走行経路R2のパスポイント51へ進み、走行経路3を走行する。その後、走行経路R2のパスポイントP53から走行経路R1のパスポイントP45へ進み、パスポイントP47まで再び走行経路R1を走行する経路である。走行経路RA2は、P41→P42→P51→P52→P53→P54→P45→P46→P47で表せる。このように、経路探索部121は、複数の自動車両のそれぞれについて、エリア情報131を構成する複数のパスポイント135から、当該自動車両200が走行する走行経路RA1を示す複数のパスポイントP41→P42→P43→P44→P45→P46→P47を選択する。また、経路探索部121は、複数の自動車両のそれぞれについて、エリア情報131を構成する複数のパスポイント135から、当該自動車両200が走行する走行経路RA2を示す複数のパスポイントP41→P42→P51→P52→P53→P54→P45→P46→P47を選択してもよい。
経路探索部121は、各走行経路及び他の自動車両200の状態などを考慮して、最適な走行経路を決定する。例えば、経路探索部121は、走行経路R3に障害物がある情報を受信した場合、走行経路RA1を選択する。
次いで、経路探索部121は、選択した走行経路の第1経路情報を生成する(ステップS1205)。経路探索部121は、当該自動車両200に対応する車両情報に応じて選択した前記複数のパスポイントにより構成される第1経路情報を生成する。具体的には、経路探索部121は、小型車に対応する車両情報、または、大型車に対応する車両情報に基づいて、第1経路情報を生成する。例えば、経路探索部121は、車両情報に応じて、(i)第1経路情報に、さらに、他のパスポイントを追加する、及び、(ii)選択した複数のパスポイントの走行属性のパラメータを変更する、の少なくとも一方を行う。このように、経路探索部121は、エリア情報131から選択したパスポイントを取得し、走行順に並べ、必要に応じて、各パスポイントの属性のパラメータを変更する。
この場合、経路探索部121は、エリア情報131に記憶されている走行経路R1、走行経路R2、走行経路R3のエリア情報を用いて第1経路情報を生成する。各走行経路のエリア情報には、各走行経路を走行する際の走行属性が予め設定されている。
走行経路RA1は、走行経路R1の一部を走行する走行経路である。経路探索部121は、エリア情報131に格納されている走行経路R1において、選択したパスポイントのを取得し、走行順に並べることで走行経路RA1の第1経路情報を作成する。
図14Aは、経路探索部121が生成した走行経路RA1の第1経路情報の一例を示す図である。
図14Aに示すように、走行経路RA1の第1経路情報は、走行順に、パスポイントP41、P42、P43、P44、P45、P46、P47が格納されている。この場合、経路探索部121は、各パスポイントの属性の変更を行わなくてもよい。
ここで、経路探索部121が走行経路RA2を選択した場合を説明する。経路探索部121は、エリア情報131に格納されている走行経路R1、走行経路R2、走行経路R3のエリア情報より、走行経路RB1を構成するパスポイントを取得し、走行順に並べる。ここで、パスポイントP42は走行経路R1における次のパスポイントはP43であるが、走行経路RA2における次のパスポイントはP51である。同様に、パスポイントP51、P54は、走行経路RA2と走行経路R2における次のパスポイントが異なっている。従って、パスポイントP42、P51、P54における進入角度を変更する必要がある。経路探索部121は、パスポイントP42、P51、P54の進入角度を修正する。また、経路探索部121は、パスポイントP42、P51、P54の車両速度も必要に応じて修正する。
さらに、経路探索部121は、走行経路RA2の走行経路R3において、走行経路RA2を走行する自動車両200と反対方向から走行してくる他の自動車両200との間で互いの走行に干渉が生じ得ると判断し、走行経路R3を調停エリアに設定する。経路探索部121は、走行経路R3に進入する前のパスポイントP42を調停の確認ポイント、走行経路R3の終了地点の次のパスポイントP53を調停の終了ポイントに設定する。また、経路探索部121は、パスポイントP51の直前のパスポイントP42を承認の確認ポイントとし、停車の属性に一時停止に設定する。
この場合、経路探索部121は、走行経路R2から走行経路R1に戻るパスポイントP53からパスポイントP45において、走行経路R1及び走行経路R2を走行している他の自動車両200との間で干渉が生じ得ると判断し、この区間も調停エリアに設定する。経路探索部121は、パスポイントP53の直前のパスポイントを調停の確認ポイント、パスポイントP53を調停の開始ポイント、パスポイントP45を調停の終了ポイントにそれぞれ設定する。また、経路探索部121は、パスポイントP53の直前のパスポイントを承認の確認ポイントとし、停車の属性に一時停止に設定する。この場合は、調停エリアが連続することになり、1つめの調停エリアが終了する前に次の調停エリアの調停要求を行うことになる。
図14Bは、経路探索部が生成した走行経路RA2の第1経路情報の一例を示す図である。
図14Bに示すように、走行経路RA2の第1経路情報には、走行順に、パスポイントP41、P42、P51、P52、P53、P54、P45、P46、P47が格納されている。図14Bにおいて、パスポイントP42、P45は、図14Aのパスポイントと比較して、走行属性が異なっていることが分かる。また、パスポイントP42、P51、P53には調停属性として「確認」、「開始」及び「終了」が設定されている。
経路探索部121は、作成した第1経路情報を経路情報132に記憶させ保存する(ステップS1206)。
[1−2−2.利用者を搬送する際のサーバ装置101及び自動車両200の動作]
利用者を搬送する際のサーバ装置100及び自動車両200の動作について、説明する。この場合、自動車両200は、走行が他の自動車両200及び障害物から干渉を受けない通常走行であるとする。
図15は、利用者搬送時の自動車両200のサーバ装置100及び自動車両200の動作の流れを示すシーケンス図である。図15は、自動車両200が利用者を乗車させ、利用者を設定された目的地まで搬送する場合のサーバ装置100と自動車両200の動作を示す。
図2、図3及び図15、図16、図17のうち図15を中心に参照すると、自動車両200は、稼働中、1秒毎のように定期的に車両の状態を示す状態通知をサーバ装置100に送信する。また、自動車両200は、サーバ装置の制御に応じた動作を行うと、動作の結果を報告する。
図16は、自動車両200がサーバ装置100に送信する状態通知の一例を示す図である。
図16に示すように、状態通知には、車両を一意に識別する車両ID、車両状態を示す状態、車両の現在位置を示す緯度と経度、進入方向[rad]、蓄電装置280の充電残量[%]、故障情報などが、含まれる。
ここで、状態には、走行、停止、乗車完了、降車完了、タイムアウト、充電、緊急状態などが含まれる。ここで、タイムアウトとは、例えば、自動車両200がドアを解錠してから所定時間経過しても利用者が乗車しなかった状態、利用者が乗車後、所定時間経過しても目的地設定を行わない状態、目的地に到着してから所定時間を経過しても利用者が乗車しない場合などを示す。また、充電残量は、0〜100%で表される、蓄電装置280充電残量を示す情報である。進入方向は、fwd(前進)、bwd(後退)が含まれる。故障情報は、NULL(正常)、ギア故障、車輪故障などが含まれる。
サーバ装置100の制御部120は、受信した状態通知を用いて、図9に示す記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS1501)。
次いで、サーバ装置100の制御部120は、ドア開放を指示する車両制御情報を自動車両200に送信する。
図17は、サーバ装置100が自動車両200に送信する車両制御情報の一例を示す図である。図17に示すように、車両制御情報には、車両を一意に識別する車両ID、制御内容、制御内容に応じたパラメータなどが、含まれる。制御内容には、車両の電源(ON/OFF)、充電(開始/停止)、ドアロック(解錠/施錠)、ドア(開/閉)、走行(許可/禁止)、停止(緊急/一時)、後退、駐車、障害物回避などが含まれる。
自動車両200の制御部220は、ドア開放の車両制御情報を受信すると、ドアを開放する。自動車両200の制御部220は、ドアが開放したことをサーバ装置100に報告する(ステップS1502)。
自動車両200の制御部220は、利用者が乗車したことを検知すると、サーバ装置100に乗車が完了したことを通知する(ステップS1503)。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両の状態を配車に更新する。自動車両の制御部220はドアを閉め、ドアを閉めたことをサーバ装置100に報告する(ステップS1504)。
利用者が例えば、自動車両200内に備えられた入力装置(図示せず)を用いて目的地を設定すると、自動車両200の制御部220は入力された目的地をサーバ装置100に送信する(ステップS1505)。この時、自動車両200は出発地の情報も送信してもよい。
サーバ装置100の制御部120は、目的地を含む情報を受信する。サーバ装置100の制御部120は、出発地の情報を受信していない場合は、現在の自動車両200の位置を出発地とし、出発地及び目的地を含む走行経路を、経路探索部121に上述したように探索させる。(ステップS1506、ステップS1507)。
次いで、サーバ装置100の制御部120は、経路探索部121に、探索された走行経路に関する経路情報を作成させ、記憶部130の経路情報132に保存させる(ステップS1508)。サーバ装置100の制御部120は、運行制御部122に、記憶部130の経路情報132に記憶されている経路情報を、自動車両200へ送信させる。
経路情報を受信した自動車両200の制御部220は、走行制御部221に、受信した経路情報を用いて、上述したように走行情報を作成させる(ステップS1509)。走行制御部221は作成した走行情報に従って、自動車両200の走行を制御する(ステップS1510)。
自動車両200は、走行経路上を出発点から目的点まで走行する間、1秒毎などのように定期的に状態通知をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100の制御部120は、受信した状態通知を用いて、記憶部130に格納される自動車両200の車両状態情報134をその都度更新する(ステップS1511)。サーバ装置100の制御部120は、自動車両200が利用者の搬送を始めると、車両状態を運搬に更新する。
自動車両200は、目的地に到着すると目的地に到着したことを示す情報を含む状態通知をサーバ装置100に送信する(ステップS1512)。
サーバ装置100の制御部120は状態通知を受信し、記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS1513)。その後、サーバ装置100の制御部120は、自動車両200にドア開放を指示する車両制御情報を送信する。
自動車両200の制御部220は、ドア開放の車両制御情報を受信すると、ドアを開放する。自動車両200の制御部220は、ドアが開放したことをサーバ装置100に報告する(ステップS1514)。
自動車両200の制御部220は、利用者が降車したことを検知すると、サーバ装置100に降車乗車が完了したことを通知する(ステップS1515)。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両の状態を待機に更新する。自動車両の制御部220はドアを閉め、ドアを閉めたことをサーバ装置100に報告する(ステップS1516)。
[1−2−3.複数の自動車両200が同じ調停エリアに進入する時のサーバ装置100の調停動作]
複数の自動車両200が同じ調停エリアに進入する時のサーバ装置100の調停動作について、説明する。
図18は、サーバ装置100の運行制御部122の調停動作の流れを示すフローチャートである。
運行制御部122は、調停要求を受信すると、ステップS1802に進む(ステップS1801)。運行制御部122は、同じ調停エリアに対して、調停要求を送信してきた他の自動車両200が存在するかを調べ、他の自動車両が存在する場合は、調停エリア内で各自動車両の走行経路が交差するかどうかを調べる。
運行制御部122は、走行経路が交差しないと判断した場合はステップS1803へ進み、走行経路が交差すると判断した場合は、ステップS1804へ進む(ステップS1802)。
ここで、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合と交差しない場合について説明する。
図19Aは、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合の一例を示す図である。図19Aは、交差点上で、自動車両201、202の走行経路が調停エリア内で交差していない場合を示す図である。図19Aでは点線領域が調停エリアM2に設定されている。また、パスポイントA1、B1は調停の確認ポイント、パスポイントA2、B2は調停の開始ポイント、パスポイントA3、B3は調停の終了ポイントが設定されている。
図19Aでは、自動車両201に対して、パスポイントA0を出発点とし、パスポイントA1、A2、A3、A4の順に走行する走行経路RB1が設定されているとする。また、自動車両202に対して、パスポイントB0を出発点とし、パスポイントB1、B2、B3、B4の順に走行する走行経路RB2が設定されているとする。図19Aでは、走行経路RB1と走行経路RB2は交差していない。すなわち、自動車両201、202間で互いの走行に干渉は生じ得ない。
図19Bは、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合の一例を示す図である。図19Bは、交差点上で、自動車両201、202及び203の間で互いの走行に干渉が生じる可能性がある例を示す図である。図19Bの場合、点線領域が調停エリアM3に設定されている。また、パスポイントA1、B1、C1は調停の確認ポイント、パスポイントA2、B2、C2は調停の開始ポイント、パスポイントA3、B3、C3は調停の終了ポイントが設定されている。
図19Bでは、自動車両201に対して、パスポイントA0を出発点とし、パスポイントA1、A2、A3、A4の順に走行する走行経路RC1が設定されているとする。また、自動車両202に対して、パスポイントB0を出発点とし、パスポイントB1、B2、B3、B4の順に走行する走行経路RC2が設定されているとする。さらに、自動車両203に対して、パスポイントC0を出発点とし、パスポイントC1、C2、C3、C4の順に走行する走行経路RC3が設定されているとする。図19Bでは、走行経路RC1と走行経路RC2と走行経路RC3が位置Dにて交差している。すなわち、自動車両201、202、203の間で互いの走行に干渉が生じる可能性がある。
運行制御部122は、走行経路が交差していないと判断した場合、調停要求を送信してきた各自動車両200に対して調停エリアへの進入を許可する(ステップS1804)。
運行制御部122は、走行経路が交差していると判断した場合は、調停要求を送信してきた各自動車両200に対して、調停エリアへの進入をロックする(ステップS1805)。
運行制御部122は調停要求を送信してきた自動車両200の走行順序を決定する(ステップS1803)。走行順序は、例えば、調停要求を受信した順序で決定する。
運行制御部122は、決定した送信順序で、自動車両200の調停エリアへの進入タイミングを制御する(ステップS1804)。
[1−2−4.調停エリア内で複数の走行経路が交差していない時のサーバ装置100の動作]
図20は、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合のサーバ装置100の調停制御の一例を示すシーケンス図である。図20は2台の自動車両200が、図19Aの状態にある場合の自動車両200及びサーバ装置100の動作を示す。
図2、図3、図19A及び図20のうち図20を中心に参照すると、自動車両201、202は、稼働中、1秒毎のように定期的に車両の状態を示す状態通知をサーバ装置100に送信する。また、自動車両200は、サーバ装置の制御に応じた動作を行うと、動作の結果を報告する。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両201、202から受信した状態通知を用いて、図9に示す記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS2001)。
自動車両201はパスポイントA1に到達すると一時停止し、調停要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2002)。
同様に、自動車両202はパスポイントB1に到達すると一時停止し、調停要求を送信する(ステップS2002)。サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両201と202からの調停要求を受信し、自動車両201と202の調停エリアM2内の走行経路が交差しているかどうかを判断する。
運行制御部122は自動車両201の走行経路RB1と自動車両202の走行経路RB2は交差していないと判断し、自動車両201、202に対して、一時停止を解除する車両制御情報を送信する(ステップS2004)。自動車両201、202は一時停止解除の制御に従って、一時停止を解除する。
自動車両201、202は、サーバ装置100に調停解除要求を送信し、走行を開始する(ステップS2005、ステップ2006)。
[1−2−5.調停エリア内で複数の走行経路が交差している時のサーバ装置100の動作]
調停エリア内で複数の走行経路が交差している場合のサーバ装置100の調停制御について、説明する。なお、本説明では、複数の自動車両200が自動車両201、202及び203の3台であるとする。ここでは、サーバ装置100と自動車両201、202及び203の動作についてのみ説明する。
図21は、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合の動作の一例を示すシーケンス図である。図21は3台の自動車両201、202、203が調停エリア内に同じタイミングで進入しようとした場合の各自動車両及びサーバ装置100の動作の一例を示すシーケンス図である。図22A〜図22Dは、図19Bの交差点上における自動車両201、202及び203の位置を示す図であり、サーバ装置100による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
以下、図2、図3、図19B、図21及び図22A〜Dのうち図21を中心に参照して説明する。自動車両201、202及び203は、稼働中、1秒毎のように定期的に状態通知情報をサーバ装置100に送信する。
自動車両201〜203は、稼働中、1秒毎のように定期的に状態通知をサーバ装置100に送信する。
サーバ装置100の制御部220は、状態通知を受信すると、受信した状態通知を用いて、記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS2101)。
自動車両201の走行制御部221は、確認ポイントであるパスポイントA1に到着すると一時停止し、状態通知をサーバ装置100に送信する。
また、自動車両201は、調停要求をサーバ装置100に送信する。(ステップS2102)。
次いで、自動車両202の走行制御部221は、確認ポイントであるパスポイントB1に到着すると一時停止し、状態通知をサーバ装置100に送信する。
また、自動車両202の走行制御部221は、調停要求をサーバ装置100に送信する。(ステップS2103)。
次いで、自動車両203の走行制御部221は、確認ポイントであるパスポイントB1に到着すると一時停止し、状態通知をサーバ装置100に送信する。
また、自動車両203の走行制御部221は、調停要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2104)。自動車両201、202、203が確認ポイントで停止している状態が図22Aに示されている。
サーバ装置100の制御部120は、運行制御部122に調停処理を行わせる(ステップS2105)。この場合、運行制御部122は、調停要求を受信した順、すなわち、自動車両201、202、203の順に走行順序を決定する。
サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両201へ一時停止を解除する車両制御情報を送信する。自動車両201の走行制御部221は、一時停止解除の車両制御情報を受信すると、走行を開始し、調停解除要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2106)。自動車両201が走行を開始した状態が図22Bに示されている。
サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両201が交差点を通過後、自動車両202へ一時停止を解除する車両制御情報を送信する。自動車両202の走行制御部221は、一時停止解除の車両制御情報を受信すると、走行を開始し、調停解除要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2107)。自動車両202が走行を開始した状態が図22Cに示されている。
サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両202が交差点を通過後、自動車両203へ一時停止を解除する車両制御情報を送信する。自動車両203の走行制御部221は、一時停止解除の車両制御情報を受信すると、走行を開始し、調停解除要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2108)。自動車両203が走行を開始した状態が図22Dに示されている。
サーバ装置100は、自動車両201、202、203の干渉を回避する一連の制御を終了する。
なお、上述では、3台の自動車両201、202及び203の間で互いの走行に干渉が生じる可能性がある場合について、説明したが、4台以上の自動車両200の間で互いの走行に干渉が生じ得る場合も本開示は適用できる。この場合、サーバ装置100は、4台以上の自動車両200の間で上述のような制御を実施してよい。
また、図21では自動車両200は、走行開始後に調停解除要求をサーバ装置100に送信しているが、図20のように、調停解除要求を送信後、走行を開始してもよい。逆に、図20において、自動車両200は、走行開始後に調停解除要求をサーバ装置100に送信してもよい。
[1−2−6.走行経路に障害物がある時のサーバ装置100の動作]
図23は、走行経路に障害物がある場合のサーバ装置100の動作の一例を示すシーケンス図である。図24は、障害物がある場合の動作の一例を示す図である。
以下、図2、図3、図23及び図24のうち図23を中心に参照して説明する。自動車両200は、稼働中、1秒毎のように定期的に状態通知情報をサーバ装置100に送信する。
自動車両200は、パスポイントA0、A1、A2、A3、A4の順に走行する走行経路RD1を走行するとする。自動車両200の障害物検知部260はパスポイントA2を通過した後、パスポイントA3に向かっている途中で、走行経路RD1上に障害物Eを検知する(ステップS2301)。
自動車両200の制御部220は障害物検知部260の通知を受け、走行制御部221に自動車両200の走行を停止させる(ステップS2302)。自動車両200の制御部220は、サーバ装置100にパスポイントA2とA3間で障害物Eを検知したことを示す障害物情報を送信する。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両200からの障害物検知情報を受信すると、車両状態情報を更新する(ステップS2303)。
サーバ装置100の制御部120は、経路探索部121にパスポイントA2からの経路を再検索させる(ステップS2304)。
経路探索部121は、パスポイントA2から目的地までの走行経路を再検索する(ステップS2304)。この場合、経路探索部121は、パスポイントA2、A30、A40の走行経路RD2を検索する。なお、パスポイントA40移行のパスポイントは省略する。つまり、この場合、経路探索部121は、障害物情報に基づき第1経路情報を構成する複数のパスポイントの少なくとも一部を変更することで、物体の位置を避ける第2走行経路としての走行経路RD2を示す複数のパスポイントで構成される第2経路情報を生成する。
サーバ装置100の制御部120は、運行制御部122に自動車両200をパスポイントA2まで後退させる車両制御情報を送信させる。
自動車両200の走行制御部221は、指定されたパスポイントA2まで後退し、後退が完了したことをサーバ装置100に送信する(ステップS2305)。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両200から後退完了の報告を受信すると、車両状態情報を更新する(ステップS2306)。
サーバ装置100の制御部120は、経路探索部121が再検索することにより生成した第2経路情報を自動車両200に送信する。
自動車両200の走行制御部221は、受信した第2経路情報から走行情報を作成する(ステップS2307)。
走行制御部221は、生成した経路情報に応じて走行を開始する(ステップS2308)。この場合、自動車両は、パスポイントA2からA30に進み、新しい走行経路RD2を走行する。
[1−3.効果等]
上述したように、本実施の形態における自動車両配車システム1は、複数の自動車両200と、自動車両200と通信するサーバ装置100とを備える。
サーバ装置100は、通信部110と、記憶部130と、経路探索部121とを有する。通信部110は、複数の自動車両200と通信を行う。記憶部130は、エリア情報131及び車両情報133を格納している。エリア情報131は、複数のパスポイントにより構成される。複数のパスポイントは、所定エリアにおいて複数の自動車両200が走行可能な走行経路を示す。また、複数のパスポイントのそれぞれは、走行経路上における自動車両200の動作状態を示す走行属性を含む。車両情報133は、複数の自動車両200毎の車両属性を示す。経路探索部121は、複数の自動車両200のそれぞれについて、エリア情報131を構成する複数のパスポイントから、当該自動車両200が走行する第1走行経路を示す、当該自動車両200に対応する車両情報133に応じて選択した複数のパスポイントにより構成される第1経路情報を生成する。
複数の自動車両200のそれぞれは、通信部210と、走行制御部221とを有する。通信部210は、サーバ装置100と無線通信を行うことにより、経路探索部121により生成された、当該自動車両200に対応する第1経路情報を取得する。走行制御部221は、通信部210により取得された第1経路情報に基づいて自車両の走行を制御する。走行属性は、パスポイントの位置、パスポイント通過時の車両速度、車両の進入角度、及び、車両の進行方向を含む。車両属性は、複数の自動車両200毎に、当該自動車両200の、車長、車幅、及び、重量を含む。
また、経路探索部121は、車両情報133に応じて、(i)第1経路情報に、さらに、他のパスポイントを追加する、及び、(ii)選択した複数のパスポイントの走行属性のパラメータを変更する、の少なくとも一方を行う。
これによれば、サーバ装置100は、エリア情報131及び車両情報133を用いて、複数の自動車両200に対して、各車両に適した第1経路情報を提供することができ、各車両は、自車両に適した走行制御を行うことが容易にできる。
従って、サーバ装置100は、複数の自動車両200への各車両に適した一元的な制御が可能となる。
また、パスポイントに進入角度及び進行方向を含むことで、直線やカーブの走行制御だけではなく、V字、スイッチバックなどの走行制御を行うことが可能となる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、複数の自動車両200のそれぞれは、さらに、記憶部230を有する。記憶部230は、当該自動車両200に対応する車両情報232を記憶している。走行制御部221は、記憶部230に記憶されている車両情報232に応じて、第1経路情報を構成する複数のパスポイントで示される第2走行経路上に、さらに、他のパスポイントを追加し、追加することで得られた走行情報に基づいて自車両の走行を制御する。
これにより、自動車両200は、受信した経路情報132と車両情報232を用いて、自身に適した走行制御を行うことが可能となる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、通信部110は、複数の自動車両200の位置を含む複数の自動車両200の状態に関する車両状態情報を複数の自動車両200から取得する。記憶部130は、通信部110により取得された車両状態情報134を格納し、かつ、経路探索部121により生成された複数の自動車両200それぞれの第1経路情報を経路情報132として格納する。複数のパスポイントのそれぞれは、さらに、第1走行経路上の区間であって、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じうる区間である調停エリアに進入する前のパスポイントであることを少なくとも示す調停属性を含む。走行制御部221は、第1経路情報を構成するパスポイントの調停属性が、調停エリアに進入する前のパスポイントを示していると判断した場合、自車両を停止させ、サーバ装置100に調停要求を送信する。サーバ装置は、さらに、運行制御部122を備える。運行制御部122は、調停要求を受信すると、車両状態情報134及び経路情報132に基づき、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得るか否かを判断し、干渉が生じ得ると判断した場合、干渉を生じ得る自動車両の、調停エリアへの進入タイミングを制御する。また、運行制御部122は、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得ないと判断した場合、調停要求を送信してきた自動車両の調停エリアへの進入を許可してもよい。
従って、サーバ装置100は、経路情報132及び車両状態情報134を用いて、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得るか否かを判断し、判断に応じた走行制御を行うことができる。
これにより、計画できない自動車両間で互いの走行に干渉が生じ得る場合も柔軟に対応することができる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、複数の自動車両200のそれぞれは、外界センサ240と、障害物検知部260とを有する。外界センサ240は、当該自動車両200の周囲の物体の有無を検知する。障害物検知部260は、外界センサ240の検知結果に基づき、当該自動車両200の周囲における物体の有無及び当該物体の位置に関する障害物情報を生成する。走行制御部221は、第1走行経路上に物体があることを障害物検知部260が検知すると自車両を停止させると共に、障害物情報をサーバ装置100に送信する。経路探索部121は、障害物情報に基づき第1経路情報を構成する複数のパスポイントの少なくとも一部を変更することで、物体の位置を避ける第2走行経路を示す複数のパスポイントで構成される第2経路情報を生成する。走行制御部221は、第2経路情報に基づいて自車両の走行を開始する。
これにより、自動車両200の走行経路に物体があったとしても、物体を避ける走行経路を自動車両200に走行させることができる。よって、計画できない物体と自動車両との間に干渉が生じ得る場合も柔軟に対応することができる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、複数の自動車両200のそれぞれは、さらに、入力受付部270を有する。入力受付部270は、当該自動車両200の目的地の入力を受け付ける。通信部210は、入力受付部270により受け付けられた入力が示す目的地をサーバ装置100に送信する。経路探索部121は、自動車両200から受信する目的地に基づき、複数のパスポイントから、第1経路情報を生成する。
これにより、入力された目的地に応じた走行経路を自動車両に走行させることができる。
(実施の形態2)
以下、図面を参照しつつ、実施の形態1における自動車両配車システム2について説明する。
[2−1.自動車両配車システム2の構成]
[2−1−1.自動車両配車システム2の全体構成]
図25は、実施の形態2における自動車両配車システム2を概略的に示す概念図である。
図25を参照すると、自動車両配車システム2は、サーバ装置101と、複数の自動車両200と、少なくとも1つの基地局400と、複数のステーション300と、無線端末500とを備える。サーバ装置101と基地局400とは通信ネットワーク401に接続されている。
図25において、サーバ装置101の構成は実施の形態1のサーバ装置100と同様であるため、説明を省略する。また、自動車両200、基地局400及び通信ネットワーク401の構成も実施の形態1と同じ構成及び動作を行うので、説明を省略する。
ステーション300は、所定のパスポイントに設置され、利用者が自動車両200に乗車、降車を行うところである。利用者はステーション300に自動車両200が待機していない場合、ステーション300からサーバ装置101へ配車要求を行う。ステーション300は、基地局400を介して、サーバ装置101と通信し、サーバ装置101へ自動車両200の配車を要求する。ステーション300には、自動車両200が充電を行う充電所が設定されてもよい。なお、充電所は、ステーション300が設置されていないパスポイントに設定されていてもよい。
無線端末500は、自動車両200を利用する利用者が携帯し、サーバ装置101等と通信可能な携帯端末である。利用者は、無線端末500を用いて、自動車両200の配車要求を、基地局400を介して、サーバ装置101に送信してもよい。無線端末500は、例えば、携帯電話であり、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、小型パーソナルコンピュータ等の携帯端末でもよい。
ステーション300及び無線端末500と基地局400との間の無線通信には、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)が適用されてもよく、その他の無線通信が適用されてもよい。
[2−1−2.ステーション300の構成]
本実施の形態におけるステーション300の構成を説明する。
図26は、図25のステーション300の構成を模式的に示すブロック図である。
図26を参照すると、ステーション300は、通信部310、制御部320、及び入力部330を備える。
通信部310は、サーバ装置101等と通信する構成要素である。通信部310は、通信器、又は通信インタフェースを含む処理回路等であってよい。通信部310は、制御部320による制御に従って、基地局400を介して、サーバ装置100等と通信する。具体的には、通信部310は、無線通信を介して基地局400に接続し、通信ネットワーク401を介して、サーバ装置101と通信する。通信部310は、受信した情報を制御部320及び記憶部(図示せず)のいずれに送るように構成されてもよく、制御部320及び記憶部のいずれから情報を受け取って送信するように構成されてもよい。
制御部320は、ステーション300の全体を制御する制御機能を備えるものであればよく、どのように実現されてもよい。例えば、制御部320は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また例えば、制御部320は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合、制御部320は、例えば、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが例示される。記憶部としては、メモリなどが例示される。なお、制御部320は、集中制御を行う単独の制御部で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御部で構成されていてもよい。
入力部330は、利用者が自動車両200の配車を入力するための構成要素である。入力部は、例えば、タッチパネル等で構成される。
[2−2.自動車両配車システム2の動作]
図27は、ステーション300、無線端末500から配車要求された場合の動作を示すシーケンス図である。
ステーション300又は無線端末500は利用者から配車要求が入力されると、サーバ装置101に送信する(ステップS2701)。
ステーション300から入力される場合、利用者は入力部330を用いて、配車要求を行う。
制御部320は、入力部から配車要求を受信すると、通信部310を介して、配車要求をサーバ装置101に送信する。無線端末500の場合、利用者は配車して欲しいステーション300の情報も送信する。
サーバ装置101の制御部120は配車要求を受信すると、車両状態情報134において、車両状態が「待機」の自動車両200の中から1台選択し、選択した自動車両200の車両状態を「配車設定中」に更新する(ステップS2702)。
制御部120は、自動車両200の現在位置を出発地、ステーション300が設定されているパスポイント、又は無線端末500が指定したステーション300のパスポイントを目的地とし、経路探索部121に経路を探索させ、経路情報を作成させる(ステップS2703)。
サーバ装置101の制御部120は、経路探索部121が作成した経路情報を自動車両200に送信する。
自動車両200の制御部220はサーバ装置101から経路情報を受信すると、走行制御部221に走行情報を作成させる。走行制御部221は走行情報を作成し(ステップS2704)、作成した走行情報にしたがって、走行を開始する(ステップS2705)。
自動車両200の制御部120は、定期的に状態通知を送信し、サーバ装置101は随時、車両状態情報134を更新する(ステップS2706)。
自動車両200は目的地となるステーション300に到着すると停止し、サーバ装置101に通知する(ステップS2707)。
サーバ装置101は、自動車両200の車両状態を「配車」に更新する(ステップS2708)。
ここで、サーバ装置101が自動車両200への利用者の乗車予定時間までに時間があることから、充電するよう制御したとする。自動車両200は、ステーションに設置されている充電所で蓄電装置280への充電を開始する(ステップS2709)。
自動車両200は、充電が完了すると、サーバ装置101に報告する(ステップS2711)。この場合、自動車両200は、利用者の到着を検知し、充電を途中で終了させても構わない。
[2−3.効果]
上述したように、本実施の形態における自動車両配車システム2は、サーバ装置101と通信し、サーバ装置101へ自動車両200の配車を要求することが可能であるステーション300を備える。また、サーバ装置と無線通信し、サーバ装置101へ自動車両200の配車を要求することが可能である無線端末500を備える。
これにより、ステーション300や無線端末500を用いて、サーバ装置101に配車に関する種々の設定が可能になる。
また、本実施の形態におけるサーバ装置101は、上述した構成の少なくともいくつかを含むサーバ装置である。これによって、サーバ装置101は、上述した効果と同様の効果を奏する。
なお、上述の構成の包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態及び下記の他の実施形態で説明する各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
(A)
各実施の形態では、言及していないが、車両情報は、車両属性として、さらに、車両タイプを含んでいてもよい。
図28は、他の実施の形態(A)における車両情報の一例を示す図である。
図28を参照すると、車両タイプとしては、例えば、一般車両、緊急車両が例示される。サーバ装置101の運行制御部122は、例えば、調停要求を受信すると、上記実施の形態では調停エリアに到着した順番が早い自動車両200を優先して、調停エリアへの進入を許可するとした。しかし、サーバ装置101は、車両タイプが緊急車両である自動車両からの調停要求を受信した場合、運行制御部122は、当該緊急車両である自動車両を早い順にするように優先して調停エリアへの進入順序を決定してもよい。このように、車両タイプが緊急車両である自動車両を車両タイプが一般車両である自動車両よりも優先して調停エリアへの進入を許可することで、緊急車両を目的地により早く到着させることができる。
また、さらに、各パスポイントは、各パスポイントにおける走行経路の種別を識別する道路属性を走行属性として含んでいてもよい。道路属性としては、例えば、交通量が多い道路である幹線道路、交通量が少ない道路である生活道路が例示される。
図29A及び図29Bは、調停エリア内で幹線道路と生活道路との交差点している場合を示す図である。図29A及び図29Bでは、走行経路RB1を示す複数のパスポイントA0、A1、A2、A3、A4の走行属性の道路属性が幹線道路であり、走行経路RB2を示す複数のパスポイントB0、B1、B2、B3、B4の道路属性が生活道路である場合を示している。なお、図29Aの場合は、自動車両201、202の車両タイプが両方とも一般車両である場合を示す。図29Bの場合は、自動車両201が一般車両であり、自動車両203が緊急車両である場合を示す。
図29Aの場合、サーバ装置101は、自動車両201、202からの調停要求を受信すると、自動車両201、202の走行経路の道路属性を判断し、道路属性が幹線道路である自動車両201を、道路属性が生活道路である自動車両202よりも早い順にするように優先して調停エリアへの進入順序を決定してもよい。この場合、サーバ装置101は、自動車両201、202の車両タイプの比較も行うが、いずれも車両タイプは一般車両であるので、調停には影響しない。
一方、図29Bの場合、サーバ装置101は、自動車両201、203からの調停要求を受信すると、自動車両201、202の走行経路の道路属性を判断し、かつ、自動車両201、203の車両タイプを判断する。これにより、自動車両203は、走行経路の道路属性が生活道路はあるが、車両タイプが緊急車両であるので、運行制御部122は、自動車両203を、自動車両201よりも早い順にするように優先して調停エリアへの進入順序を決定してもよい。つまり、運行制御部122は、道路属性の違いよりも、車両タイプの違いを優先して、調停エリアへの進入順序を決定してもよい。
(B)
各実施の形態では、言及していないが、経路探索部121は、同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路である場合、自動車両の車幅の大きさに応じて、自動車両の走行経路を変更してもよい。
図30A及び図30Bは、他の実施の形態(B)における同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路を示す図である。図30Aは、車幅が所定の幅よりも狭い自動車両201〜203が走行する場合を示し、図30Bは、車幅が所定の幅以上の自動車両204が走行する場合を示す図である。
図30Aでは、経路探索部121は、例えば、自動車両201〜203が同じ走行経路を同じタイミングで併走する場合、当該走行経路には第1〜第3レーンの3つのレーンがあり、かつ、3台の自動車両201〜203の車幅が所定の幅よりも狭いため、3台の自動車両201〜203のそれぞれを1レーンずつ割り当てるように走行経路を決定する。
図30Bでは、経路探索部121は、例えば、自動車両201、204が同じ走行経路を同じタイミングで併走する場合、当該走行経路には第1〜第3レーンの3つのレーンがあり、かつ、自動車両201の車幅が所定の幅よりも狭く、かつ、自動車両204の車幅が所定の幅以上であるため、自動車両201に1レーン(第1レーン)を割り当て、自動車両204に2レーン(第2レーン及び第3レーン)を割り当てるように走行経路を決定してもよい。
つまり、経路探索部121は、自動車両の車両情報の車幅に応じて、当該自動車両が走行するレーンの幅を決定し、決定したレーンの幅に応じた走行経路を示す複数のパスポイントで構成される経路情報を生成してもよい。経路探索部121は、自動車両の車幅が大きいほど、広い幅のレーンを走行するように走行経路を決定してもよい。
(C)
各実施の形態では、自動車両は走行前に設定した目的地へ走行する場合について説明したが、自動車両に乗車した利用者が、乗車途中で目的地を変更してもよい。この場合、自動車両はサーバ装置へ目的地を変更したことを通知し、サーバ装置は経路探索部に目的地を変更して経路情報を作成させ、自動車両は経路探索部が作成した経路情報に基づいて走行を行う。
(D)
各実施の形態では、自動車両は目的地まで利用者を搬送する場合について説明したが、利用者が自動車両に停止指示を行い、途中下車してもよい。この場合、自動車両は進行方向にある最寄りのパスポイントで停車して利用者を降車させる。また、自動車両は途中下車の要求があったことをサーバ装置に通知し、サーバ装置は自動車両の車両状態情報を更新する。
(E)
各実施の形態では、利用者は無線端末を用いて配車要求を行うと説明したが、配車要求時に、配車を希望する日時を指定してもよい。
(F)
本開示では、位置を緯度と経度の組合せとしてが、標高を含んでも構わない。
(G)
本開示では、調停属性が「確認」であるパスポイントでは自動車両が一時停止するように説明したが、一時停止せずに調停要求を出しても構わない。例えば、徐行運転するなどで対応してもよい。
(H)
実施の形態2では、配車要求を利用者がステーションや無線端末を用いて行ったが、これに限定しない。例えば、ステーションに人物センサなどを設置することで、利用者がステーションに居ることを検知し、利用者が操作せずとも、ステーションが配車要求を自動的に行ってもよい。
(I)
また、本開示では、自動車両200は、受信した経路情報と車両情報を用いて、走行情報を作成したが、サーバ装置100から送信された経路情報を走行情報としてそのまま使用し、サーバ装置100が生成した経路情報に従って走行してもよい。この場合、サーバ装置100の経路探索部121は、本開示において、自動車両200の走行制御部221が作成した図11A、図11Bに示すような走行情報と同等の内容の経路情報を作成してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、複数の自動車両を制御する自動車両配車システム及び複数の自動車両を制御するサーバ装置に適用可能である。
1、2 自動車両配車システム
100、101 サーバ装置
110、210、310 通信部
120、220、320 制御部
121 経路探索部
122 運行制御部
130、230 記憶部
131 エリア情報
132 経路情報
133、232 車両情報
134 車両状態情報
135 パスポイント
200、201、202、203 自動車両
221 走行制御部
231 走行情報
240 外界センサ
250 自己位置推定部
260 障害物検知部
270 入力受付部
300 ステーション
330 入力部
400 基地局
401 通信ネットワーク
500 無線端末
M1、M2、M3 調停エリア
本開示は、複数の自動車両の動作を制御する自動車両配車システム等に関する。
特許文献1には、自動車が今いるところから呼出を受けたところまで、エリア内の地図から自動車の走行経路を決定し、経路によってその標識の内容を変更し、その標識を認識することで今後の運転経路を決め自動車に自律性を与えて自律走行制御することで、自動車を無人運転し、配車を行う自動配車システムが開示されている。
本開示は、複数の自動車両の配車および道路状況に応じた走行制御を行う自動車両配車システムを提供する。
本開示における自動車両配車システムは、複数の自動車両と、前記複数の自動車両と通信するサーバ装置とを備える自動車両配車システムであって、前記サーバ装置は、前記複数の自動車両と通信を行うサーバ通信部と、(i)所定エリアにおいて前記複数の自動車両が走行可能な走行経路を示す複数のパスポイントであって、前記走行経路上における自動車両の動作状態を示す走行属性をそれぞれが含む複数のパスポイントにより構成されるエリア情報、及び、(ii)前記複数の自動車両毎の車両属性を示す車両情報を格納しているサーバ記憶部と、前記複数の自動車両のそれぞれについて、前記エリア情報を構成する前記複数のパスポイントから、当該自動車両が走行する第1走行経路を示す、当該自動車両に対応する前記車両情報に応じて選択した複数のパスポイントにより構成される第1経路情報を生成する経路探索部と、を有し、前記複数の自動車両のそれぞれは、前記サーバ装置と無線通信を行うことにより、前記経路探索部により生成された、当該自動車両に対応する前記第1経路情報を取得する車両通信部と、前記車両通信部により取得された前記第1経路情報に基づいて自車両の走行を制御する走行制御部とを有し、前記走行属性は、前記パスポイントの位置、前記パスポイント通過時の車両速度、車両の進入角度、及び、車両の進行方向を含み、前記車両属性は、前記複数の自動車両毎に、当該自動車両の、車長、車幅、重量、及び、車両の型番を含む。
本開示におけるによれば、複数の自動車両の配車および道路状況に応じた走行制御を制御することが可能となる。
図1は、実施の形態1における自動車両配車システムを概略的に示す概念図である。
図2は、図1のサーバ装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図3は、図1の自動車両の構成を模式的に示すブロック図である。
図4は、サーバ装置の記憶部に記憶されているエリア情報とパスポイントを示す概念図である。
図5は、サーバ装置の記憶部に記憶されているエリア情報とパスポイントの一例を示す図である。
図6Aは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の一例を示す概念図である。
図6Bは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の他の一例を示す概念図である。
図7Aは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の一例を示す図である。
図7Bは、サーバ装置の記憶部に記憶される経路情報のうちの第1経路情報の他の一例を示す図である。
図8は、サーバ装置および自動車両の記憶部が記憶する車両情報の一例を示す図である。
図9は、サーバ装置の記憶部に記憶される車両状態情報の一例を示す図である。
図10Aは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の一例を示す概念図である。
図10Bは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の他の一例を示す概念図である。
図11Aは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の一例を示す図である。
図11Bは、自動車両の記憶部に記憶される走行情報の他の一例を示す図である。
図12は、サーバ装置による自動車両の経路探索動作の流れを示すフローチャートである。
図13は、サーバ装置による自動車両の経路探索動作の一例を示す図である。
図14Aは、経路探索部が生成した走行経路RA1の第1経路情報の一例を示す図である。
図14Bは、経路探索部が生成した走行経路RA2の第1経路情報の一例を示す図である。
図15は、利用者搬送時のサーバ装置及び自動車両の動作の流れを示すシーケンス図である。
図16は、自動車両がサーバ装置に送信する状態通知の一例を示す図である。
図17は、サーバ装置が自動車両に送信する車両制御情報の一例を示す図である。
図18は、サーバ装置の運行制御部の調停動作の流れを示すフローチャートである。
図19Aは、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合の一例を示す図である。
図19Bは、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合の一例を示す図である。
図20は、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合のサーバ装置の調停制御の一例を示すシーケンス図である。
図21は、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合のサーバ装置の調停制御の一例を示すシーケンス図である。
図22Aは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図22Bは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図22Cは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図22Dは、図19Bにおける3台の自動車両の位置を示す図であり、サーバ装置による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
図23は、走行経路上に障害物がある場合のサーバ装置の制御の一例を示すシーケンス図である。
図24は、障害物がある場合の動作の一例を示す図である。
図25は、実施の形態2における自動車両配車システムを概略的に示す概念図である。
図26は、図25のステーションの構成を模式的に示すブロック図である。
図27は、ステーション、無線端末から配車要求された場合の動作を示すシーケンス図である。
図28は、他の実施の形態(A)における車両情報の一例を示す図である。
図29Aは、調停エリア内で幹線道路と生活道路との交差している場合を示す図である。
図29Bは、調停エリア内で幹線道路と生活道路との交差している場合を示す図である。
図30Aは、他の実施の形態(B)における同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路を示す図である。
図30Bは、他の実施の形態(B)における同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、以下の実施の形態において、位置とは、緯度(度)及び経度(度)の組合せを指すものとする。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しつつ、実施の形態1における自動車両配車システム1について説明する。
[1−1.自動車両配車システム1の構成]
[1−1−1.自動車両配車システム1の全体構成]
図1は、実施の形態1における自動車両配車システム1を概略的に示す概念図である。
図1を参照すると、自動車両配車システム1は、サーバ装置100と、複数の自動車両200と、少なくとも1つの基地局400とを備える。サーバ装置100と基地局400とは通信ネットワーク401に接続されている。基地局400は、中継局に相当する。
サーバ装置100は、通信ネットワーク401、基地局400を介して自動車両200と通信し、自動車両200の動作を制御する。自動車両200は、所定エリア内で利用者を搬送する車両であり、利用者を乗せ、目的地まで自動で走行する。自動車両200は、蓄電装置(図示せず)を有し、蓄電装置が供給するエネルギーにより動作する。基地局400は、自動車両200とサーバ装置100との間の通信を中継する機器である。基地局400は、無線通信を介して自動車両200と通信する。また、基地局400は、通信ネットワーク401を介して、サーバ装置100と通信する。
基地局400と自動車両200との間の無線通信には、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)が適用されてもよく、その他の無線通信が適用されてもよい。基地局400とサーバ装置100との間の通信ネットワーク401には、インターネットが適用されてもよい。基地局400及びサーバ装置100と通信ネットワーク401との間の通信には、無線LAN、有線LAN等の無線通信又は有線通信が適用されてもよい。
[1−1−2.サーバ装置100の構成]
本実施の形態におけるサーバ装置100の構成を説明する。サーバ装置100は、所定エリア内において複数の自動車両200各々が走行可能な走行経路を探索し、自動車両200毎の動作を管理する構成要素である。また、サーバ装置100は、各自動車両200から車両位置、充電残量、故障情報等を含む情報を定期的に受信し、受信した情報に基づき当該情報に対応する自動車両200が走行する走行経路の修正、当該自動車両200の動作の制御等を実施する。
図2は、図1のサーバ装置100の構成を模式的に示すブロック図である。
図1を参照すると、サーバ装置100は、通信部110、制御部120、及び、記憶部130を有する。制御部120は、経路探索部121を有する。制御部120は、さらに、運行制御部122を有していてもよい。また、記憶部130は、エリア情報131及び車両状態情報134を記憶している。記憶部130は、さらに、経路情報132及び車両情報133を記憶していてもよい。経路情報132は、全経路情報に相当する。サーバ装置100は、コンピュータ等の情報処理装置でもよい。サーバ装置100は、1つ以上のサーバ装置を含んでもよく、クラウドシステムを構成してもよい。
通信部110は、自動車両200等と通信する構成要素である。通信部110は、サーバ通信部に相当する。通信部110は、通信器、又は通信インタフェースを含む処理回路等であってよい。通信部110は、制御部120による制御に従って、通信ネットワーク401を介して、自動車両200等と通信する。具体的には、通信部110は、有線通信又は無線通信を介して通信ネットワーク401に接続し、通信ネットワーク401及び基地局400を介して、自動車両200と通信する。通信部110は、複数の自動車両200の位置を含む複数の自動車両の状態に関する車両状態情報を複数の自動車両から取得してもよい。通信部110は、受信した情報を制御部120及び記憶部130のいずれに送るように構成されてもよく、制御部120及び記憶部130のいずれから情報を受け取り、受け取った情報を送信するように構成されてもよい。
制御部120は、サーバ装置100の全体を制御する制御機能を備えるものであればよく、どのように実現されてもよい。例えば、制御部120は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また例えば、制御部120は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合、制御部120は、例えば、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが例示される。記憶部としては、メモリなどが例示される。なお、制御部120は、集中制御を行う単独の制御部で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御部で構成されていてもよい。
制御部120は、通信部110から送られる情報の受信、並びに、記憶部130への情報の格納、及び、記憶部130に格納された情報の取り出し等を実施することができる。具体的には、制御部120は、通信部110を制御して、通信ネットワーク401を介して基地局400との間で情報の送受信を行う。つまり、制御部120は、通信部110を制御して、通信ネットワーク401及び基地局400を介して、各自動車両200との間で情報の送受信を行う。制御部120は、各自動車両200から定期的に送られる情報を受信する、並びに、各自動車両200に対して生成した経路情報、自動車両200の動作指令など等の情報等を、自動車両200に随時送るように構成される。
制御部120は、各自動車両200から受け取る情報、経路探索部121によって探索されることで生成される自動車両200の経路情報等の情報を記憶部130に加えて記憶させることによって、記憶部130に格納されているエリア情報131、経路情報132及び車両状態情報134等を新たな情報に更新する。
制御部120は、経路探索部121を制御して、各自動車両200に設定すべき走行経路を経路探索部121に探索させる。経路探索部121は、通信部110を介して自動車両200の出発地の位置及び/又は目的地の位置が入力されると、エリア情報131に基づき、当該自動車両200が走行する走行経路を探索する。例えば、経路探索部121は、自動車両200の出発地の位置または自動車両200の現在位置から目的地までの走行経路を探索する。そして、経路探索部121は、探索した走行経路上における自動車両の動作状態を示す走行属性のパラメータを、車両情報133に応じて変更することで第1経路情報を生成する。経路探索部121は、生成した第1経路情報を、記憶部130の経路情報132に反映する。経路探索部121の経路探索に関する詳細な動作は後述する。
制御部120は、運行制御部122を制御して、記憶部130に格納されている経路情報132等に基づいて各自動車両200を動作させる。運行制御部122は、記憶部130の経路情報132を、自動車両200に送信する。なお、運行制御部122は、経路情報132のうち、送信する対象の自動車両200に対応する経路情報のみを自動車両200に送信してもよいし、経路情報132全部を自動車両200に送信してもよい。つまり、運行制御部122は、経路情報132のうち、少なくとも、送信する対象の自動車両200に対応する経路情報を含む経路情報を送信する。自動車両200は、受け取った経路情報に従って、走行(動作)する。運行制御部122は、後述する調停エリアに進入する前の自動車両200から調停要求を受信すると、車両状態情報134及び経路情報132に基づき、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得るか否かを判断し、干渉が生じ得ると判断した場合、干渉を生じ得る自動車両200の、調停エリアへの進入タイミングを制御してもよい。また、運行制御部122は、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得ないと判断した場合、調停要求を送信してきた自動車両200の調停エリアへの進入を許可してもよい。
また、運行制御部122は、自動車両の周囲における障害物の有無及び位置に関する障害物情報を自動車両200から受け取ると、自動車両200がなすべき動作を決定し、上記決定に基づき自動車両200に指示を送る。このとき、障害を回避できるように自動車両200の走行速度を変更する走行指示を、自動車両200に送ってもよい。上記の代わりに又は上記に加えて、運行制御部122は、経路探索部121に障害を回避可能な走行経路を新たに探索させることによって、走行経路を変更し、変更後の経路情報を自動車両200に送信してもよい。
記憶部130は、種々の情報を記憶する構成要素である。記憶部130は、サーバ記憶部に相当する。記憶部130は、半導体メモリ等から構成されてもよく、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等から構成されてよい。また、記憶部130は、読み取り専用のメモリ、つまり、書き換え不可のメモリでもよい。記憶部130は、サーバ装置100内に組み込まれるものであってもよく、サーバ装置100がアクセス可能なクラウドサーバ内に存在するものであってもよい。記憶部130は、後述する、自動車両が走行する所定エリアの走行経路に関するエリア情報131、自動車両200毎の車両属性を示す車両情報133を格納している。記憶部130は、経路探索部121により生成された複数の自動車両200それぞれの第1経路情報を経路情報132として格納してもよい。記憶部130は、通信部110により取得された車両状態情報134を格納してもよい。
[1−1−3.自動車両200の構成]
図3は、図1の自動車両200の構成要素の関係を模式的に示すブロック図である。
図3を参照すると、自動車両200は、通信部210及び制御部220を有する。自動車両200は、さらに、記憶部230、外界センサ240、自己位置推定部250、障害物検知部260、入力受付部270を有していてもよい。制御部220は、走行制御部221を有する。また、記憶部230は、走行情報231や車両情報232などを記憶する。
通信部210は、サーバ装置100等と通信する構成要素である。通信部210は、車両通信部に相当する。通信部210は、通信器、又は通信インタフェースを含む処理回路等であってよい。通信部210は、制御部220による制御に従って、基地局400を介して、サーバ装置100等と通信する。具体的には、通信部210は、無線通信を介して基地局400に接続し、通信ネットワーク401を介して、サーバ装置100と通信する。通信部210は、例えば、サーバ装置100と無線通信を行うことにより、経路探索部121により生成された、当該自動車両200に対応する第1経路情報を取得する。通信部210は、受信した情報を制御部220及び記憶部230のいずれに送るように構成されてもよく、制御部220及び記憶部230のいずれから情報を受け取り、受け取った情報を送信するように構成されてもよい。
制御部220は、自動車両200の全体を制御する制御機能を備えるものであればよく、どのように実現されてもよい。例えば、制御部220は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また例えば、制御部220は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合、制御部220は、例えば、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが例示される。記憶部としては、メモリなどが例示される。なお、制御部220は、集中制御を行う単独の制御部で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御部で構成されていてもよい。
制御部220は、通信部210、外界センサ240、自己位置推定部250、障害物検知部260、蓄電装置280の制御、入力受付部270から受け付ける入力の受信、並びに、記憶部230への情報の格納及び記憶部230に格納された情報の取り出し等を実施することができる。
具体的には、制御部220は、外界センサ240を制御して、自動車両200の進行方向を走査させる。外界センサ240は、検知結果を自己位置推定部250及び障害物検知部260に送る。外界センサ240は、検知結果を、自己位置推定部250及び障害物検知部260の代わりに制御部220及び記憶部230の少なくとも一方に送ってもよいし、自己位置推定部250及び障害物検知部260に加えて、制御部220及び記憶部230の少なくとも一方に送ってもよい。
制御部220は、外界センサ240の検知結果に基づき、自己位置推定部250に自動車両200の位置及び向きを推定させ、その推定結果を取得する。自己位置推定部250は、その推定結果を、制御部220の代わりに記憶部230に送ってもよいし、制御部220に加えて記憶部230に送ってもよい。
制御部220は、外界センサ240の検知結果等に基づき、障害物検知部260に自動車両200の周囲における障害物の有無及びその位置等に関する情報である障害物情報を生成させ、障害物情報を取得する。障害物検知部260は、障害物情報を、制御部220の代わりに記憶部230に送ってもよいし、制御部220に加えて記憶部230に送ってもよい。障害物情報の障害物には、他の自動車両200も含まれてもよい。また、制御部220は、自動車両200の走行経路又はその近傍に障害物を検知した場合、自動車両200を停止させてもよい。その後、制御部220は、外界センサ240により走行経路又はその近傍で障害物を確認できなくなれば、自動車両200の走行を開始してもよい。又は、制御部220は、サーバ装置100から受け取る経路情報に基づき、走行情報を生成して、自動車両200の動作を制御してもよい。
制御部220は、通信部210を制御して、基地局400と情報の送受信を行う。つまり、制御部220は、通信部210を制御して、基地局400を介して、サーバ装置100と情報の送受信を行う。制御部220は、例えば、通信部210を制御して、自動車両200の位置、向き、動作状態などの自動車両200の車両状態、並びに、自動車両200の周囲の障害物情報等を、例えば1秒毎等のように定期的にサーバ装置100に送るように構成される。
走行制御部221は、サーバ装置100から受信した当該自動車両200に対応する第1経路情報から後述する走行情報を生成し、記憶部230に記憶させる。つまり、走行制御部221は、通信部210により取得された第1経路情報に基づいて自車両の走行を制御する。例えば、走行制御部221は、記憶部230に記憶されている車両情報232に応じて、第1経路情報を構成する複数のパスポイントで示される第2走行経路上に、さらに、他のパスポイントを追加し、追加することで得られた走行情報に基づいて自車両の走行を制御してもよい。走行制御部221は、記憶部230に記憶させた走行情報に従って、自車両の走行を制御する。走行制御部221は、VCU(Vacuum Control Unit)や操舵、速度、ブレーキなどの制御を行うモータなどを含む。
また、走行制御部221は、第1経路情報を構成するパスポイントの調停属性(後述参照)が、調停エリア(後述参照)に侵入する前のパスポイントを示していると判断した場合、自車両を停止させ、サーバ装置100に調停要求を送信してもよい。
記憶部230は、種々の情報を記憶する構成要素である。記憶部230は、車両記憶部に相当する。記憶部230は、半導体メモリ等から構成されてもよく、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等から構成されてよい。また、記憶部230は、読み取り専用のメモリ、つまり、書き換え不可のメモリでもよい。記憶部230は、後述する走行情報231を記憶する。また、記憶部230は、自車両に対応する車両情報232を記憶している。
外界センサ240は、自動車両200の周囲の物体の有無を検知する構成要素である。外界センサ240は、例えば、ミリ波レーダである。
自己位置推定部250は、自動車両200の位置を推定する構成要素である。自己位置推定部250は、上述した制御部220のような構成を有してもよく、制御部220の一部に含まれてもよい。自己位置推定部250は、外界センサ240による検知結果より、自動車両200の位置及び方位を検出する。
なお、自動車両200は、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサとも呼ばれる)等も備えてもよく、自己位置推定部250は、上記センサの検知結果も使用して、自動車両200の位置及び方位を検出してもよい。これにより、自動車両200の位置及び方位の検出精度が向上する。なお、自己位置推定部250は、加速度センサ及び角速度センサの検知結果から、自動車両200の走行軌跡と姿勢角つまり旋回角を求めてもよい。又は、自動車両200は、GPS送受信機を備え、自身の位置情報を受信するように構成されてもよい。
障害物検知部260は、走行経路上に障害物を検知する構成要素である。障害物検知部260は、上述した制御部220の構成のような構成を有してもよく、制御部220の一部に含まれてもよい。障害物検知部260は、外界センサ240による検知結果と、自己位置推定部250による自動車両200の位置及び方位の検出結果とに基づき、外界センサ240が検知した物体の位置を検出する。障害物検知部260は、認知した障害物及びその位置情報を含む障害物情報を、制御部220及び記憶部230の少なくとも一方に送る。つまり、障害物検知部260は、外界センサ240の検知結果に基づき、当該自動車両200の周囲における物体の有無及び当該物体の位置を含む障害物情報を生成し、生成した障害物情報を出力する。そして、走行制御部221は、第1走行経路上に物体があることを障害物検知部260が検知すると自車両を停止させると共に、障害物情報をサーバ装置100に送信してもよい。なお、自己位置推定部250は、障害物検知部260により出力された障害物情報を取得し、自動車両200の位置及び方位の検出の際のフィードバック等に用いてもよい。
なお、外界センサ240は、自動車両200の周囲を撮像するカメラにより構成されており、障害物検知部260は、外界センサ240を構成するカメラにより撮像された画像を画像処理することで自動車両200の周囲の物体を検知する画像処理部により構成されていてもよい。
入力受付部270は、自動車両200に乗車する利用者が目的地等の入力を受け付ける構成要素である。本実施の形態では、入力受付部270は、タッチパネルやキーボードなどからなる構成を有していてもよい。なお、入力受付部270により受け付けられた入力が示す目的地などの情報は、通信部210によりサーバ装置100に送信される。
蓄電装置280は、自動車両200を駆動するエネルギーを供給する。
[1−1−4.エリア情報]
図4は、サーバ装置100の記憶部130に記憶されているエリア情報131を構成する複数のパスポイントを示す概念図である。図5は、サーバ装置100の記憶部130に記憶されているエリア情報131を構成する複数のパスポイント135の一例を示す図である。図4では、説明のために、走行経路における進行方向に矢印を付与している。
図4を参照すると、エリア情報131は、所定エリア内において自動車両200が走行可能な走行経路を示す情報である。エリア情報131は、自動車両200が走行可能な走行経路R1上に黒丸で示される複数のパスポイントの集合で構成されている。パスポイントは、走行経路R1上における自動車両200の動作の変化点を示す。パスポイントは、当該パスポイントの位置、パスポイント通過時の自動車両200の車両速度、当該自動車両200の進入角度、及び当該自動車両200の進行方向などの情報を含む。図4においては、走行経路R1のエリア情報131は、20個のパスポイントで構成されている。
図5を参照すると、複数のパスポイント135のそれぞれは、パスポイント通過時の進入角度[rad]、パスポイントの位置(緯度、経度)、パスポイント通過時の自動車両200の期待速度[km/h]、パスポイント通過時の進行方向(前進/後退)、乗客(乗車/降車)の有無、調停(確認/開始/終了)、停車(停止/一時停止/禁止)、車庫入れ(入庫/出庫)の有無、充電所の有無等を示す走行属性を含む。なお、図5において、進行方向はfwd(前進)で標記している。
図4及び図5において、特徴となるパスポイントを説明する。例えば、パスポイントIDがP0であるパスポイントP0は、一時停止して、乗客の乗場又は降場を行うパスポイントとして例示される。以下、パスポイントIDがPn(nは0以上の整数)であるパスポイントをパスポイントPnと表記する。
また、図4における点線領域は、調停エリアM1を表す。調停エリアM1とは、複数の自動車両200が走行する際に、自動車両間で互いの走行に干渉が生じ得る区間に設けられる。サーバ装置100は、調停エリアにおける複数の自動車両200の走行を制御する。ここで、互いの走行に干渉が生じ得るとは、例えば、自動車両200同士が衝突する可能性があることである。例えば、調停エリアM1の走行経路は、両側通行の1車線であり、当該調停エリアM1の走行経路を右側から走行してくる自動車両200と左側から走行してくる自動車両200とが衝突する可能性がある区間である。調停エリアM1に進入する前のパスポイントには、調停属性として「開始」が設定されている。また、調停エリアM1を通過後のパスポイントには、調停属性として「終了」が設定されている。
調停エリアM1の場合、パスポイントP2の調停属性に「開始」が設定されている。パスポイントP2は、サーバ装置100が走行の調停を開始するトリガとなるパスポイントである。また、パスポイントP3の調停属性に「終了」が設定されている。パスポイントP3は、サーバ装置100が走行の調停を終了するパスポイントである。また、パスポイントP2より手前のパスポイントの調停属性に「確認」が設定される。例えば、調停エリアM1の場合、パスポイントP1の調停属性に「確認」が設定される。この場合、自動車両200は、パスポイントP1において一時停止し、サーバ装置100に調停要求を送信する。自動車両200は、サーバ装置100から走行指示されるまで、パスポイントP1で待機する。このように、複数のパスポイントのそれぞれは、第1走行経路上の区間であって、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得る区間である調停エリアに進入する前のパスポイントであることを少なくとも示す調停属性を含む。
また、パスポイントP4は停車を禁止するパスポイントを示しており、パスポイントP5は、車庫に入庫し、走行を停止するパスポイントを示している。
[1−1−5.経路情報]
図6A及び図6Bは、サーバ装置100の記憶部130に記憶される経路情報132のうちの第1経路情報の一例を示す概念図である。図6Aは、図4に自動車両200が普通乗用車などの小型車である場合の第1経路情報の一例を示す概念図である。図6Bは、自動車両200がトラックやバスなどの大型車である場合の第1経路情報の一例を示す概念図である。図6A及び図6Bでは、説明のために、走行経路における進行方向に矢印を付与している。
図6A及び図6Bは、図4のエリア情報で示される走行経路R1のうちで、実際に自動車両200が走行する第1走行経路を示す第1経路情報を示している。図6Aに示す第1経路情報が示す第1走行経路は、図4のエリア情報における走行経路と同一である。これに対して、図6Bに示す第1経路情報が示す第1走行経路は、図4のエリア情報における走行経路と比較して、波線矩形で示す領域S1及び領域S2で囲まれたカーブの領域におけるパスポイントが異なっている。
これは、カーブを走行する場合、同じ走行速度や進入角度で制御しても、車長や車幅、車両の重量により、実際にカーブを走行する際の走行経路が異なるためである。例えば、大型車に対して図6Aで示す第1経路情報で自動車両200の走行制御を行うと、領域S1及び領域S2のカーブを曲がりきれない可能性がある。このような状況を回避するために、本開示のサーバ装置100は、複数の自動車両200それぞれの車両属性に応じて、パスポイントの設定を行う。
例えば、図6Aの領域S1においては、カーブ開始時に1つのパスポイントP30、カーブ終了時に1つのパスポイントP40が設定されている。これに対して、図6Bの領域S1においては、カーブ開始時に2つのパスポイントP31、P32、カーブ終了時に3つのパスポイントP41、P42、P43が設定されている。また、領域S2においては、カーブの開始時に、図6Aでは1つのパスポイントP10が設定されているのに対して、図6Bでは、3つのパスポイントP11、P12、P13が設定されている。
これは、大型車は小型車と比べ、車長や車幅が大きく、ブレーキがきき始めるまでに進む距離の違い、同じ速度でカーブを曲がった場合に生じる遠心力の違いなどを考慮して設定したことによる。図6Bに示す大型車の場合、カーブに対して設定されるパスポイントは図6Aに示す小型車の場合に比べて、カーブを大きく曲がるように設定されている。
図7A及び図7Bは、サーバ装置100の記憶部130に記憶される経路情報132のうちの第1経路情報の一例を示す図である。図7Aは、図6Aに示す小型車に対応する第1経路情報を示す図である。図7Bは、図6Bに示す大型車に対応する第1経路情報を示す図である。
図7A及び図7Bに示すように、第1経路情報は複数のパスポイントの集合である。また、経路情報132は同じ走行経路を走行する場合でも、車両情報に応じて、設定されるパスポイントの数、パスポイントが含む走行属性のパラメータが異なる。図7Bに示す大型車の第1経路情報では、カーブに対して設定されるパスポイントが、図7Aの小型車の第1経路情報よりも多く設定される。また、カーブに対して設定されるパスポイントにおいて、大型車の車両速度は小型車の車両速度より遅く設定されている。
[1−1−6.車両情報]
車両情報133及び車両情報232は、全ての自動車両200のそれぞれにおける、当該自動車両に関する情報を含む。車両情報133は、複数の自動車両200毎の車両属性を示す情報である。
図8は、サーバ装置100の記憶部130及び自動車両200の記憶部230が記憶する車両情報の一例を示す図である。
図8に示すように、車両情報には、車両を一意に識別する車両ID、車両の型番、車種名、車両番号、車長[mm]、車幅[mm]、車高[mm]、重量[kg]、車両情報を登録した登録日時、車両情報を更新した更新日などが、含まれる。また、車両情報は、操舵角など運転に関連する情報をさらに含んでいてもよい。
[1−1−7.車両状態情報]
車両状態情報134は、自動車両200からサーバ装置100に定期的に送られる自動車両200の現在位置及び現在状態などを示す情報であり、当該情報に対応する自動車両200を識別する車両IDなどの識別情報を含む。本実施の形態では、自動車両200は、上記情報を定期的(例えば1秒毎)にサーバ装置100に送る。これにより、サーバ装置100は、自動車両200の状態をほぼリアルタイムに取得することができる。
図9は、サーバ装置100の記憶部130に記憶される車両状態情報134の一例を示す図である。
図9に示すように、自動車両200の現在位置は、緯度(度)と経度(度)で示される。自動車両200の車両状態には、サーバ装置100が管理する車両状態、自動車両200がサーバ装置100に通知してきた車両状態、パスポイント通過時の進入角度[rad]、パスポイント通過時の速度[km/h]、パスポイント通過時の進行方向[前進/後退]、蓄電装置280の残量[0〜100%]、故障情報、最終通過パスポイントのパスポイントID、出発地のパスポイントのパスポイントID、目的地のパスポイントのパスポイントIDなどを含む。故障情報は、NULL(正常)、ギア故障、車輪故障などが含まれる。
サーバ装置100が管理している状態と自動車両200が報告してきた状態は、走行、停止、運搬、タイムアウト、降車完了、充電、緊急状態、配車などを含んでもよい。より詳細には、走行は、自動走行中、途中下車が指定された自動走行中、行先変更が指示された自動走行中、自律走行中、マニュアル走行中などを含んでもよい。また、停止は、待機、目的地到着、一時停止、障害物検知、入庫完了、出庫完了、非常停止などを含んでもよい。また、運搬は、乗車完了、降車完了などを含んでもよい。
[1−1−8.走行情報]
図10A及び図10Bは、自動車両200の記憶部230に記憶される走行情報231の一例を示す概念図である。図10Aは、自動車両200が普通乗用車などの小型車である場合の走行情報の一例を示す概念図である。図10Bは、自動車両200がトラックやバスなどの大型車である場合の走行情報の一例を示す概念図である。図10A及び図10Bでは、説明のために、走行経路における進行方向に矢印を付与している。
図10A及び図10Bは、それぞれ、図6A及び図6Bの第1経路情報から生成された走行情報を示している。図10A及び図10Bにおいて、波線矩形で示す領域S1〜S4における黒三角は、走行制御部221によって追加されたパスポイントを示す。領域S1〜S4は全てカーブの領域である。自動車両200は、サーバ装置100が生成した第1経路情報において、カーブのように、車両属性に応じて走行経路が異なるところでは、さらに細かい走行制御を行ってもよい。
例えば、図10Aの領域S1においては、2つのパスポイントP30、P40間に新たに3つのパスポイントP301、P302、P303が追加設定されている。また、図10Bの領域S1においては、パスポイントP32、P41間に3つのパスポイントP321、P322、P323が設定されている。同様に、図10A、図10Bの領域S2〜S4においても、経路情報におけるパスポイントのうち、カーブに設定された2つのパスポイント間に複数のパスポイントが追加設定されている。
図11A及び図11Bは、自動車両200の記憶部230に記憶される走行情報231の一例を示す図である。図11Aは、図10Aに示す走行情報を示す図である。図11Bは、図10Bの走行情報を示す図である。
図11A及び図11Bに示すように、走行情報は複数のパスポイントの集合である。図11A及び図11Bの走行情報は、それぞれ、図7A及び図7Bの経路情報に対して領域S1のパスポイントが追加されていることが分かる。具体的には、上述したように、走行制御部221によって、記憶部230に記憶されている車両情報232に応じて、第1経路情報を構成する複数のパスポイントで示される第2走行経路上に、さらに、パスポイントが追加される。
[1−2.自動車両配車システム1の動作]
[1−2−1.サーバ装置100による自動車両200の経路探索動作]
図12、図13、図14A及び図14Bを参照して、自動車両配車システム1の動作のうちのサーバ装置100による自動車両200の経路探索動作を説明する。
図12は、サーバ装置100による自動車両200の経路探索動作の流れを示すフローチャートである。
図12を参照すると、サーバ装置100の制御部120は、サーバ装置100の通信部110を介して、自動車両200の走行経路を設定する指示を受ける、又は、障害物情報等に基づき自動車両200の走行経路を設定する必要性があると判断すると、経路探索部121に経路探索を行わせる。
経路探索部121は、制御部120の制御に従い、まず、サーバ装置100の記憶部130に格納されるエリア情報131を読み込む(ステップS1201)。
次いで、経路探索部121は、記憶部130に格納される車両情報133及び車両状態情報134を読み込む(ステップS1202)。
次いで、経路探索部121は、走行経路の出発地及び目的地を、エリア情報131に含まれるパスポイントのパスポイントIDを用いて設定する(ステップS1203)。上記出発地及び目的地は、通信部110を介して出発地及び目的地の情報を受信した制御部120の指示に基づいて設定される。
次いで、経路探索部121は、エリア情報131を用いて、出発地及び目的地の間を結ぶパスポイントの配置に沿った走行経路を探索する(ステップS1204)。
図13は、サーバ装置100による自動車両200の経路探索動作の一例を示す図である。
図13において、黒丸は、進行方向に対して、左側車線を循環する走行経路R1に設定されたパスポイント、黒四角は、進行方向に対して、右側車線を循環する走行経路R2に設定されたパスポイントを示す。また、黒三角は、1車両のみ進入可能な走行経路R3のパスポイントを示す。図13では、パスポイントP41が出発地に設定され、パスポイントP47が目的地に設定されたとする。図13においては、説明に使用するパスポイントにのみ符号を付与している。また、図13には、説明のために進行方向に矢印を付与する。
経路探索部121は、出発地を示すパスポイントP41から目的地を示すパスポイントP47までの走行経路を探索する。この場合、経路探索部121は2つの走行経路を見つけ出す。1つ目の走行経路RA1は、パスポイントP41を出発し、パスポイントP47まで走行経路R1を走行する経路である。例えば、走行経路RA1は、P41→P42→P43→P44→P45→P46→P47で表せる。2つめの走行経路RA2では、パスポイントP41を出発し、パスポイントP42まで走行経路R1を走行し、パスポイントP42からは、走行経路R2のパスポイント51へ進み、走行経路3を走行する。その後、走行経路R2のパスポイントP53から走行経路R1のパスポイントP45へ進み、パスポイントP47まで再び走行経路R1を走行する経路である。走行経路RA2は、P41→P42→P51→P52→P53→P54→P45→P46→P47で表せる。このように、経路探索部121は、複数の自動車両のそれぞれについて、エリア情報131を構成する複数のパスポイント135から、当該自動車両200が走行する走行経路RA1を示す複数のパスポイントP41→P42→P43→P44→P45→P46→P47を選択する。また、経路探索部121は、複数の自動車両のそれぞれについて、エリア情報131を構成する複数のパスポイント135から、当該自動車両200が走行する走行経路RA2を示す複数のパスポイントP41→P42→P51→P52→P53→P54→P45→P46→P47を選択してもよい。
経路探索部121は、各走行経路及び他の自動車両200の状態などを考慮して、最適な走行経路を決定する。例えば、経路探索部121は、走行経路R3に障害物がある情報を受信した場合、走行経路RA1を選択する。
次いで、経路探索部121は、選択した走行経路の第1経路情報を生成する(ステップS1205)。経路探索部121は、当該自動車両200に対応する車両情報に応じて選択した前記複数のパスポイントにより構成される第1経路情報を生成する。具体的には、経路探索部121は、小型車に対応する車両情報、または、大型車に対応する車両情報に基づいて、第1経路情報を生成する。例えば、経路探索部121は、車両情報に応じて、(i)第1経路情報に、さらに、他のパスポイントを追加する、及び、(ii)選択した複数のパスポイントの走行属性のパラメータを変更する、の少なくとも一方を行う。このように、経路探索部121は、エリア情報131から選択したパスポイントを取得し、走行順に並べ、必要に応じて、各パスポイントの属性のパラメータを変更する。
この場合、経路探索部121は、エリア情報131に記憶されている走行経路R1、走行経路R2、走行経路R3のエリア情報を用いて第1経路情報を生成する。各走行経路のエリア情報には、各走行経路を走行する際の走行属性が予め設定されている。
走行経路RA1は、走行経路R1の一部を走行する走行経路である。経路探索部121は、エリア情報131に格納されている走行経路R1において、選択したパスポイントのを取得し、走行順に並べることで走行経路RA1の第1経路情報を作成する。
図14Aは、経路探索部121が生成した走行経路RA1の第1経路情報の一例を示す図である。
図14Aに示すように、走行経路RA1の第1経路情報は、走行順に、パスポイントP41、P42、P43、P44、P45、P46、P47が格納されている。この場合、経路探索部121は、各パスポイントの属性の変更を行わなくてもよい。
ここで、経路探索部121が走行経路RA2を選択した場合を説明する。経路探索部121は、エリア情報131に格納されている走行経路R1、走行経路R2、走行経路R3のエリア情報より、走行経路RB1を構成するパスポイントを取得し、走行順に並べる。ここで、パスポイントP42は走行経路R1における次のパスポイントはP43であるが、走行経路RA2における次のパスポイントはP51である。同様に、パスポイントP51、P54は、走行経路RA2と走行経路R2における次のパスポイントが異なっている。従って、パスポイントP42、P51、P54における進入角度を変更する必要がある。経路探索部121は、パスポイントP42、P51、P54の進入角度を修正する。また、経路探索部121は、パスポイントP42、P51、P54の車両速度も必要に応じて修正する。
さらに、経路探索部121は、走行経路RA2の走行経路R3において、走行経路RA2を走行する自動車両200と反対方向から走行してくる他の自動車両200との間で互いの走行に干渉が生じ得ると判断し、走行経路R3を調停エリアに設定する。経路探索部121は、走行経路R3に進入する前のパスポイントP42を調停の確認ポイント、走行経路R3の終了地点の次のパスポイントP53を調停の終了ポイントに設定する。また、経路探索部121は、パスポイントP51の直前のパスポイントP42を承認の確認ポイントとし、停車の属性に一時停止に設定する。
この場合、経路探索部121は、走行経路R2から走行経路R1に戻るパスポイントP53からパスポイントP45において、走行経路R1及び走行経路R2を走行している他の自動車両200との間で干渉が生じ得ると判断し、この区間も調停エリアに設定する。経路探索部121は、パスポイントP53の直前のパスポイントを調停の確認ポイント、パスポイントP53を調停の開始ポイント、パスポイントP45を調停の終了ポイントにそれぞれ設定する。また、経路探索部121は、パスポイントP53の直前のパスポイントを承認の確認ポイントとし、停車の属性に一時停止に設定する。この場合は、調停エリアが連続することになり、1つめの調停エリアが終了する前に次の調停エリアの調停要求を行うことになる。
図14Bは、経路探索部が生成した走行経路RA2の第1経路情報の一例を示す図である。
図14Bに示すように、走行経路RA2の第1経路情報には、走行順に、パスポイントP41、P42、P51、P52、P53、P54、P45、P46、P47が格納されている。図14Bにおいて、パスポイントP42、P45は、図14Aのパスポイントと比較して、走行属性が異なっていることが分かる。また、パスポイントP42、P51、P53には調停属性として「確認」、「開始」及び「終了」が設定されている。
経路探索部121は、作成した第1経路情報を経路情報132に記憶させ保存する(ステップS1206)。
[1−2−2.利用者を搬送する際のサーバ装置101及び自動車両200の動作]
利用者を搬送する際のサーバ装置100及び自動車両200の動作について、説明する。この場合、自動車両200は、走行が他の自動車両200及び障害物から干渉を受けない通常走行であるとする。
図15は、利用者搬送時の自動車両200のサーバ装置100及び自動車両200の動作の流れを示すシーケンス図である。図15は、自動車両200が利用者を乗車させ、利用者を設定された目的地まで搬送する場合のサーバ装置100と自動車両200の動作を示す。
図2、図3及び図15、図16、図17のうち図15を中心に参照すると、自動車両200は、稼働中、1秒毎のように定期的に車両の状態を示す状態通知をサーバ装置100に送信する。また、自動車両200は、サーバ装置の制御に応じた動作を行うと、動作の結果を報告する。
図16は、自動車両200がサーバ装置100に送信する状態通知の一例を示す図である。
図16に示すように、状態通知には、車両を一意に識別する車両ID、車両状態を示す状態、車両の現在位置を示す緯度と経度、進入方向[rad]、蓄電装置280の充電残量[%]、故障情報などが、含まれる。
ここで、状態には、走行、停止、乗車完了、降車完了、タイムアウト、充電、緊急状態などが含まれる。ここで、タイムアウトとは、例えば、自動車両200がドアを解錠してから所定時間経過しても利用者が乗車しなかった状態、利用者が乗車後、所定時間経過しても目的地設定を行わない状態、目的地に到着してから所定時間を経過しても利用者が乗車しない場合などを示す。また、充電残量は、0〜100%で表される、蓄電装置280充電残量を示す情報である。進入方向は、fwd(前進)、bwd(後退)が含まれる。故障情報は、NULL(正常)、ギア故障、車輪故障などが含まれる。
サーバ装置100の制御部120は、受信した状態通知を用いて、図9に示す記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS1501)。
次いで、サーバ装置100の制御部120は、ドア開放を指示する車両制御情報を自動車両200に送信する。
図17は、サーバ装置100が自動車両200に送信する車両制御情報の一例を示す図である。図17に示すように、車両制御情報には、車両を一意に識別する車両ID、制御内容、制御内容に応じたパラメータなどが、含まれる。制御内容には、車両の電源(ON/OFF)、充電(開始/停止)、ドアロック(解錠/施錠)、ドア(開/閉)、走行(許可/禁止)、停止(緊急/一時)、後退、駐車、障害物回避などが含まれる。
自動車両200の制御部220は、ドア開放の車両制御情報を受信すると、ドアを開放する。自動車両200の制御部220は、ドアが開放したことをサーバ装置100に報告する(ステップS1502)。
自動車両200の制御部220は、利用者が乗車したことを検知すると、サーバ装置100に乗車が完了したことを通知する(ステップS1503)。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両の状態を配車に更新する。自動車両の制御部220はドアを閉め、ドアを閉めたことをサーバ装置100に報告する(ステップS1504)。
利用者が例えば、自動車両200内に備えられた入力装置(図示せず)を用いて目的地を設定すると、自動車両200の制御部220は入力された目的地をサーバ装置100に送信する(ステップS1505)。この時、自動車両200は出発地の情報も送信してもよい。
サーバ装置100の制御部120は、目的地を含む情報を受信する。サーバ装置100の制御部120は、出発地の情報を受信していない場合は、現在の自動車両200の位置を出発地とし、出発地及び目的地を含む走行経路を、経路探索部121に上述したように探索させる(ステップS1506、ステップS1507)。
次いで、サーバ装置100の制御部120は、経路探索部121に、探索された走行経路に関する経路情報を作成させ、記憶部130の経路情報132に保存させる(ステップS1508)。サーバ装置100の制御部120は、運行制御部122に、記憶部130の経路情報132に記憶されている経路情報を、自動車両200へ送信させる。
経路情報を受信した自動車両200の制御部220は、走行制御部221に、受信した経路情報を用いて、上述したように走行情報を作成させる(ステップS1509)。走行制御部221は作成した走行情報に従って、自動車両200の走行を制御する(ステップS1510)。
自動車両200は、走行経路上を出発点から目的点まで走行する間、1秒毎などのように定期的に状態通知をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100の制御部120は、受信した状態通知を用いて、記憶部130に格納される自動車両200の車両状態情報134をその都度更新する(ステップS1511)。サーバ装置100の制御部120は、自動車両200が利用者の搬送を始めると、車両状態を運搬に更新する。
自動車両200は、目的地に到着すると目的地に到着したことを示す情報を含む状態通知をサーバ装置100に送信する(ステップS1512)。
サーバ装置100の制御部120は状態通知を受信し、記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS1513)。その後、サーバ装置100の制御部120は、自動車両200にドア開放を指示する車両制御情報を送信する。
自動車両200の制御部220は、ドア開放の車両制御情報を受信すると、ドアを開放する。自動車両200の制御部220は、ドアが開放したことをサーバ装置100に報告する(ステップS1514)。
自動車両200の制御部220は、利用者が降車したことを検知すると、サーバ装置100に降車乗車が完了したことを通知する(ステップS1515)。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両の状態を待機に更新する。自動車両の制御部220はドアを閉め、ドアを閉めたことをサーバ装置100に報告する(ステップS1516)。
[1−2−3.複数の自動車両200が同じ調停エリアに進入する時のサーバ装置100の調停動作]
複数の自動車両200が同じ調停エリアに進入する時のサーバ装置100の調停動作について、説明する。
図18は、サーバ装置100の運行制御部122の調停動作の流れを示すフローチャートである。
運行制御部122は、調停要求を受信すると、ステップS1802に進む(ステップS1801)。運行制御部122は、同じ調停エリアに対して、調停要求を送信してきた他の自動車両200が存在するかを調べ、他の自動車両が存在する場合は、調停エリア内で各自動車両の走行経路が交差するかどうかを調べる。
運行制御部122は、走行経路が交差しないと判断した場合はステップS1803へ進み、走行経路が交差すると判断した場合は、ステップS1804へ進む(ステップS1802)。
ここで、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合と交差しない場合について説明する。
図19Aは、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合の一例を示す図である。図19Aは、交差点上で、自動車両201、202の走行経路が調停エリア内で交差していない場合を示す図である。図19Aでは点線領域が調停エリアM2に設定されている。また、パスポイントA1、B1は調停の確認ポイント、パスポイントA2、B2は調停の開始ポイント、パスポイントA3、B3は調停の終了ポイントが設定されている。
図19Aでは、自動車両201に対して、パスポイントA0を出発点とし、パスポイントA1、A2、A3、A4の順に走行する走行経路RB1が設定されているとする。また、自動車両202に対して、パスポイントB0を出発点とし、パスポイントB1、B2、B3、B4の順に走行する走行経路RB2が設定されているとする。図19Aでは、走行経路RB1と走行経路RB2は交差していない。すなわち、自動車両201、202間で互いの走行に干渉は生じ得ない。
図19Bは、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合の一例を示す図である。図19Bは、交差点上で、自動車両201、202及び203の間で互いの走行に干渉が生じる可能性がある例を示す図である。図19Bの場合、点線領域が調停エリアM3に設定されている。また、パスポイントA1、B1、C1は調停の確認ポイント、パスポイントA2、B2、C2は調停の開始ポイント、パスポイントA3、B3、C3は調停の終了ポイントが設定されている。
図19Bでは、自動車両201に対して、パスポイントA0を出発点とし、パスポイントA1、A2、A3、A4の順に走行する走行経路RC1が設定されているとする。また、自動車両202に対して、パスポイントB0を出発点とし、パスポイントB1、B2、B3、B4の順に走行する走行経路RC2が設定されているとする。さらに、自動車両203に対して、パスポイントC0を出発点とし、パスポイントC1、C2、C3、C4の順に走行する走行経路RC3が設定されているとする。図19Bでは、走行経路RC1と走行経路RC2と走行経路RC3が位置Dにて交差している。すなわち、自動車両201、202、203の間で互いの走行に干渉が生じる可能性がある。
運行制御部122は、走行経路が交差していないと判断した場合、調停要求を送信してきた各自動車両200に対して調停エリアへの進入を許可する(ステップS1804)。
運行制御部122は、走行経路が交差していると判断した場合は、調停要求を送信してきた各自動車両200に対して、調停エリアへの進入をロックする(ステップS1805)。
運行制御部122は調停要求を送信してきた自動車両200の走行順序を決定する(ステップS1803)。走行順序は、例えば、調停要求を受信した順序で決定する。
運行制御部122は、決定した送信順序で、自動車両200の調停エリアへの進入タイミングを制御する(ステップS1804)。
[1−2−4.調停エリア内で複数の走行経路が交差していない時のサーバ装置100の動作]
図20は、調停エリア内で複数の走行経路が交差しない場合のサーバ装置100の調停制御の一例を示すシーケンス図である。図20は2台の自動車両200が、図19Aの状態にある場合の自動車両200及びサーバ装置100の動作を示す。
図2、図3、図19A及び図20のうち図20を中心に参照すると、自動車両201、202は、稼働中、1秒毎のように定期的に車両の状態を示す状態通知をサーバ装置100に送信する。また、自動車両200は、サーバ装置の制御に応じた動作を行うと、動作の結果を報告する。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両201、202から受信した状態通知を用いて、図9に示す記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS2001)。
自動車両201はパスポイントA1に到達すると一時停止し、調停要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2002)。
同様に、自動車両202はパスポイントB1に到達すると一時停止し、調停要求を送信する(ステップS2002)。サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両201と202からの調停要求を受信し、自動車両201と202の調停エリアM2内の走行経路が交差しているかどうかを判断する。
運行制御部122は自動車両201の走行経路RB1と自動車両202の走行経路RB2は交差していないと判断し、自動車両201、202に対して、一時停止を解除する車両制御情報を送信する(ステップS2004)。自動車両201、202は一時停止解除の制御に従って、一時停止を解除する。
自動車両201、202は、サーバ装置100に調停解除要求を送信し、走行を開始する(ステップS2005、ステップ2006)。
[1−2−5.調停エリア内で複数の走行経路が交差している時のサーバ装置100の動作]
調停エリア内で複数の走行経路が交差している場合のサーバ装置100の調停制御について、説明する。なお、本説明では、複数の自動車両200が自動車両201、202及び203の3台であるとする。ここでは、サーバ装置100と自動車両201、202及び203の動作についてのみ説明する。
図21は、調停エリア内で複数の走行経路が交差する場合の動作の一例を示すシーケンス図である。図21は3台の自動車両201、202、203が調停エリア内に同じタイミングで進入しようとした場合の各自動車両及びサーバ装置100の動作の一例を示すシーケンス図である。図22A〜図22Dは、図19Bの交差点上における自動車両201、202及び203の位置を示す図であり、サーバ装置100による調停制御の流れに沿った一状態を示す図である。
以下、図2、図3、図19B、図21及び図22A〜Dのうち図21を中心に参照して説明する。自動車両201、202及び203は、稼働中、1秒毎のように定期的に状態通知情報をサーバ装置100に送信する。
自動車両201〜203は、稼働中、1秒毎のように定期的に状態通知をサーバ装置100に送信する。
サーバ装置100の制御部220は、状態通知を受信すると、受信した状態通知を用いて、記憶部130の車両状態情報134を更新する(ステップS2101)。
自動車両201の走行制御部221は、確認ポイントであるパスポイントA1に到着すると一時停止し、状態通知をサーバ装置100に送信する。
また、自動車両201は、調停要求をサーバ装置100に送信する。(ステップS2102)。
次いで、自動車両202の走行制御部221は、確認ポイントであるパスポイントB1に到着すると一時停止し、状態通知をサーバ装置100に送信する。
また、自動車両202の走行制御部221は、調停要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2103)。
次いで、自動車両203の走行制御部221は、確認ポイントであるパスポイントB1に到着すると一時停止し、状態通知をサーバ装置100に送信する。
また、自動車両203の走行制御部221は、調停要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2104)。自動車両201、202、203が確認ポイントで停止している状態が図22Aに示されている。
サーバ装置100の制御部120は、運行制御部122に調停処理を行わせる(ステップS2105)。この場合、運行制御部122は、調停要求を受信した順、すなわち、自動車両201、202、203の順に走行順序を決定する。
サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両201へ一時停止を解除する車両制御情報を送信する。自動車両201の走行制御部221は、一時停止解除の車両制御情報を受信すると、走行を開始し、調停解除要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2106)。自動車両201が走行を開始した状態が図22Bに示されている。
サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両201が交差点を通過後、自動車両202へ一時停止を解除する車両制御情報を送信する。自動車両202の走行制御部221は、一時停止解除の車両制御情報を受信すると、走行を開始し、調停解除要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2107)。自動車両202が走行を開始した状態が図22Cに示されている。
サーバ装置100の運行制御部122は、自動車両202が交差点を通過後、自動車両203へ一時停止を解除する車両制御情報を送信する。自動車両203の走行制御部221は、一時停止解除の車両制御情報を受信すると、走行を開始し、調停解除要求をサーバ装置100に送信する(ステップS2108)。自動車両203が走行を開始した状態が図22Dに示されている。
サーバ装置100は、自動車両201、202、203の干渉を回避する一連の制御を終了する。
なお、上述では、3台の自動車両201、202及び203の間で互いの走行に干渉が生じる可能性がある場合について、説明したが、4台以上の自動車両200の間で互いの走行に干渉が生じ得る場合も本開示は適用できる。この場合、サーバ装置100は、4台以上の自動車両200の間で上述のような制御を実施してよい。
また、図21では自動車両200は、走行開始後に調停解除要求をサーバ装置100に送信しているが、図20のように、調停解除要求を送信後、走行を開始してもよい。逆に、図20において、自動車両200は、走行開始後に調停解除要求をサーバ装置100に送信してもよい。
[1−2−6.走行経路に障害物がある時のサーバ装置100の動作]
図23は、走行経路に障害物がある場合のサーバ装置100の動作の一例を示すシーケンス図である。図24は、障害物がある場合の動作の一例を示す図である。
以下、図2、図3、図23及び図24のうち図23を中心に参照して説明する。自動車両200は、稼働中、1秒毎のように定期的に状態通知情報をサーバ装置100に送信する。
自動車両200は、パスポイントA0、A1、A2、A3、A4の順に走行する走行経路RD1を走行するとする。自動車両200の障害物検知部260はパスポイントA2を通過した後、パスポイントA3に向かっている途中で、走行経路RD1上に障害物Eを検知する(ステップS2301)。
自動車両200の制御部220は障害物検知部260の通知を受け、走行制御部221に自動車両200の走行を停止させる(ステップS2302)。自動車両200の制御部220は、サーバ装置100にパスポイントA2とA3間で障害物Eを検知したことを示す障害物情報を送信する。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両200からの障害物検知情報を受信すると、車両状態情報を更新する(ステップS2303)。
サーバ装置100の制御部120は、経路探索部121にパスポイントA2からの経路を再検索させる(ステップS2304)。
経路探索部121は、パスポイントA2から目的地までの走行経路を再検索する(ステップS2304)。この場合、経路探索部121は、パスポイントA2、A30、A40の走行経路RD2を検索する。なお、パスポイントA40移行のパスポイントは省略する。つまり、この場合、経路探索部121は、障害物情報に基づき第1経路情報を構成する複数のパスポイントの少なくとも一部を変更することで、物体の位置を避ける第2走行経路としての走行経路RD2を示す複数のパスポイントで構成される第2経路情報を生成する。
サーバ装置100の制御部120は、運行制御部122に自動車両200をパスポイントA2まで後退させる車両制御情報を送信させる。
自動車両200の走行制御部221は、指定されたパスポイントA2まで後退し、後退が完了したことをサーバ装置100に送信する(ステップS2305)。
サーバ装置100の制御部120は、自動車両200から後退完了の報告を受信すると、車両状態情報を更新する(ステップS2306)。
サーバ装置100の制御部120は、経路探索部121が再検索することにより生成した第2経路情報を自動車両200に送信する。
自動車両200の走行制御部221は、受信した第2経路情報から走行情報を作成する(ステップS2307)。
走行制御部221は、生成した経路情報に応じて走行を開始する(ステップS2308)。この場合、自動車両は、パスポイントA2からA30に進み、新しい走行経路RD2を走行する。
[1−3.効果等]
上述したように、本実施の形態における自動車両配車システム1は、複数の自動車両200と、自動車両200と通信するサーバ装置100とを備える。
サーバ装置100は、通信部110と、記憶部130と、経路探索部121とを有する。通信部110は、複数の自動車両200と通信を行う。記憶部130は、エリア情報131及び車両情報133を格納している。エリア情報131は、複数のパスポイントにより構成される。複数のパスポイントは、所定エリアにおいて複数の自動車両200が走行可能な走行経路を示す。また、複数のパスポイントのそれぞれは、走行経路上における自動車両200の動作状態を示す走行属性を含む。車両情報133は、複数の自動車両200毎の車両属性を示す。経路探索部121は、複数の自動車両200のそれぞれについて、エリア情報131を構成する複数のパスポイントから、当該自動車両200が走行する第1走行経路を示す、当該自動車両200に対応する車両情報133に応じて選択した複数のパスポイントにより構成される第1経路情報を生成する。
複数の自動車両200のそれぞれは、通信部210と、走行制御部221とを有する。通信部210は、サーバ装置100と無線通信を行うことにより、経路探索部121により生成された、当該自動車両200に対応する第1経路情報を取得する。走行制御部221は、通信部210により取得された第1経路情報に基づいて自車両の走行を制御する。走行属性は、パスポイントの位置、パスポイント通過時の車両速度、車両の進入角度、及び、車両の進行方向を含む。車両属性は、複数の自動車両200毎に、当該自動車両200の、車長、車幅、及び、重量を含む。
また、経路探索部121は、車両情報133に応じて、(i)第1経路情報に、さらに、他のパスポイントを追加する、及び、(ii)選択した複数のパスポイントの走行属性のパラメータを変更する、の少なくとも一方を行う。
これによれば、サーバ装置100は、エリア情報131及び車両情報133を用いて、複数の自動車両200に対して、各車両に適した第1経路情報を提供することができ、各車両は、自車両に適した走行制御を行うことが容易にできる。
従って、サーバ装置100は、複数の自動車両200への各車両に適した一元的な制御が可能となる。
また、パスポイントに進入角度及び進行方向を含むことで、直線やカーブの走行制御だけではなく、V字、スイッチバックなどの走行制御を行うことが可能となる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、複数の自動車両200のそれぞれは、さらに、記憶部230を有する。記憶部230は、当該自動車両200に対応する車両情報232を記憶している。走行制御部221は、記憶部230に記憶されている車両情報232に応じて、第1経路情報を構成する複数のパスポイントで示される第2走行経路上に、さらに、他のパスポイントを追加し、追加することで得られた走行情報に基づいて自車両の走行を制御する。
これにより、自動車両200は、受信した経路情報132と車両情報232を用いて、自身に適した走行制御を行うことが可能となる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、通信部110は、複数の自動車両200の位置を含む複数の自動車両200の状態に関する車両状態情報を複数の自動車両200から取得する。記憶部130は、通信部110により取得された車両状態情報134を格納し、かつ、経路探索部121により生成された複数の自動車両200それぞれの第1経路情報を経路情報132として格納する。複数のパスポイントのそれぞれは、さらに、第1走行経路上の区間であって、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じうる区間である調停エリアに進入する前のパスポイントであることを少なくとも示す調停属性を含む。走行制御部221は、第1経路情報を構成するパスポイントの調停属性が、調停エリアに進入する前のパスポイントを示していると判断した場合、自車両を停止させ、サーバ装置100に調停要求を送信する。サーバ装置は、さらに、運行制御部122を備える。運行制御部122は、調停要求を受信すると、車両状態情報134及び経路情報132に基づき、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得るか否かを判断し、干渉が生じ得ると判断した場合、干渉を生じ得る自動車両の、調停エリアへの進入タイミングを制御する。また、運行制御部122は、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得ないと判断した場合、調停要求を送信してきた自動車両の調停エリアへの進入を許可してもよい。
従って、サーバ装置100は、経路情報132及び車両状態情報134を用いて、複数の自動車両200間で互いの走行に干渉が生じ得るか否かを判断し、判断に応じた走行制御を行うことができる。
これにより、計画できない自動車両間で互いの走行に干渉が生じ得る場合も柔軟に対応することができる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、複数の自動車両200のそれぞれは、外界センサ240と、障害物検知部260とを有する。外界センサ240は、当該自動車両200の周囲の物体の有無を検知する。障害物検知部260は、外界センサ240の検知結果に基づき、当該自動車両200の周囲における物体の有無及び当該物体の位置に関する障害物情報を生成する。走行制御部221は、第1走行経路上に物体があることを障害物検知部260が検知すると自車両を停止させると共に、障害物情報をサーバ装置100に送信する。経路探索部121は、障害物情報に基づき第1経路情報を構成する複数のパスポイントの少なくとも一部を変更することで、物体の位置を避ける第2走行経路を示す複数のパスポイントで構成される第2経路情報を生成する。走行制御部221は、第2経路情報に基づいて自車両の走行を開始する。
これにより、自動車両200の走行経路に物体があったとしても、物体を避ける走行経路を自動車両200に走行させることができる。よって、計画できない物体と自動車両との間に干渉が生じ得る場合も柔軟に対応することができる。
本実施の形態における自動車両配車システム1において、複数の自動車両200のそれぞれは、さらに、入力受付部270を有する。入力受付部270は、当該自動車両200の目的地の入力を受け付ける。通信部210は、入力受付部270により受け付けられた入力が示す目的地をサーバ装置100に送信する。経路探索部121は、自動車両200から受信する目的地に基づき、複数のパスポイントから、第1経路情報を生成する。
これにより、入力された目的地に応じた走行経路を自動車両に走行させることができる。
(実施の形態2)
以下、図面を参照しつつ、実施の形態1における自動車両配車システム2について説明する。
[2−1.自動車両配車システム2の構成]
[2−1−1.自動車両配車システム2の全体構成]
図25は、実施の形態2における自動車両配車システム2を概略的に示す概念図である。
図25を参照すると、自動車両配車システム2は、サーバ装置101と、複数の自動車両200と、少なくとも1つの基地局400と、複数のステーション300と、無線端末500とを備える。サーバ装置101と基地局400とは通信ネットワーク401に接続されている。
図25において、サーバ装置101の構成は実施の形態1のサーバ装置100と同様であるため、説明を省略する。また、自動車両200、基地局400及び通信ネットワーク401の構成も実施の形態1と同じ構成及び動作を行うので、説明を省略する。
ステーション300は、所定のパスポイントに設置され、利用者が自動車両200に乗車、降車を行うところである。利用者はステーション300に自動車両200が待機していない場合、ステーション300からサーバ装置101へ配車要求を行う。ステーション300は、基地局400を介して、サーバ装置101と通信し、サーバ装置101へ自動車両200の配車を要求する。ステーション300には、自動車両200が充電を行う充電所が設定されてもよい。なお、充電所は、ステーション300が設置されていないパスポイントに設定されていてもよい。
無線端末500は、自動車両200を利用する利用者が携帯し、サーバ装置101等と通信可能な携帯端末である。利用者は、無線端末500を用いて、自動車両200の配車要求を、基地局400を介して、サーバ装置101に送信してもよい。無線端末500は、例えば、携帯電話であり、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、小型パーソナルコンピュータ等の携帯端末でもよい。
ステーション300及び無線端末500と基地局400との間の無線通信には、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)が適用されてもよく、その他の無線通信が適用されてもよい。
[2−1−2.ステーション300の構成]
本実施の形態におけるステーション300の構成を説明する。
図26は、図25のステーション300の構成を模式的に示すブロック図である。
図26を参照すると、ステーション300は、通信部310、制御部320、及び入力部330を備える。
通信部310は、サーバ装置101等と通信する構成要素である。通信部310は、通信器、又は通信インタフェースを含む処理回路等であってよい。通信部310は、制御部320による制御に従って、基地局400を介して、サーバ装置100等と通信する。具体的には、通信部310は、無線通信を介して基地局400に接続し、通信ネットワーク401を介して、サーバ装置101と通信する。通信部310は、受信した情報を制御部320及び記憶部(図示せず)のいずれに送るように構成されてもよく、制御部320及び記憶部のいずれから情報を受け取って送信するように構成されてもよい。
制御部320は、ステーション300の全体を制御する制御機能を備えるものであればよく、どのように実現されてもよい。例えば、制御部320は、専用のハードウェアで構成されてもよい。また例えば、制御部320は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合、制御部320は、例えば、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備えてもよい。演算処理部としては、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが例示される。記憶部としては、メモリなどが例示される。なお、制御部320は、集中制御を行う単独の制御部で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御部で構成されていてもよい。
入力部330は、利用者が自動車両200の配車を入力するための構成要素である。入力部は、例えば、タッチパネル等で構成される。
[2−2.自動車両配車システム2の動作]
図27は、ステーション300、無線端末500から配車要求された場合の動作を示すシーケンス図である。
ステーション300又は無線端末500は利用者から配車要求が入力されると、サーバ装置101に送信する(ステップS2701)。
ステーション300から入力される場合、利用者は入力部330を用いて、配車要求を行う。
制御部320は、入力部から配車要求を受信すると、通信部310を介して、配車要求をサーバ装置101に送信する。無線端末500の場合、利用者は配車して欲しいステーション300の情報も送信する。
サーバ装置101の制御部120は配車要求を受信すると、車両状態情報134において、車両状態が「待機」の自動車両200の中から1台選択し、選択した自動車両200の車両状態を「配車設定中」に更新する(ステップS2702)。
制御部120は、自動車両200の現在位置を出発地、ステーション300が設定されているパスポイント、又は無線端末500が指定したステーション300のパスポイントを目的地とし、経路探索部121に経路を探索させ、経路情報を作成させる(ステップS2703)。
サーバ装置101の制御部120は、経路探索部121が作成した経路情報を自動車両200に送信する。
自動車両200の制御部220はサーバ装置101から経路情報を受信すると、走行制御部221に走行情報を作成させる。走行制御部221は走行情報を作成し(ステップS2704)、作成した走行情報にしたがって、走行を開始する(ステップS2705)。
自動車両200の制御部120は、定期的に状態通知を送信し、サーバ装置101は随時、車両状態情報134を更新する(ステップS2706)。
自動車両200は目的地となるステーション300に到着すると停止し、サーバ装置101に通知する(ステップS2707)。
サーバ装置101は、自動車両200の車両状態を「配車」に更新する(ステップS2708)。
ここで、サーバ装置101が自動車両200への利用者の乗車予定時間までに時間があることから、充電するよう制御したとする。自動車両200は、ステーションに設置されている充電所で蓄電装置280への充電を開始する(ステップS2709)。
自動車両200は、充電が完了すると、サーバ装置101に報告する(ステップS2711)。この場合、自動車両200は、利用者の到着を検知し、充電を途中で終了させても構わない。
[2−3.効果]
上述したように、本実施の形態における自動車両配車システム2は、サーバ装置101と通信し、サーバ装置101へ自動車両200の配車を要求することが可能であるステーション300を備える。また、サーバ装置と無線通信し、サーバ装置101へ自動車両200の配車を要求することが可能である無線端末500を備える。
これにより、ステーション300や無線端末500を用いて、サーバ装置101に配車に関する種々の設定が可能になる。
また、本実施の形態におけるサーバ装置101は、上述した構成の少なくともいくつかを含むサーバ装置である。これによって、サーバ装置101は、上述した効果と同様の効果を奏する。
なお、上述の構成の包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態及び下記の他の実施形態で説明する各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
(A)
各実施の形態では、言及していないが、車両情報は、車両属性として、さらに、車両タイプを含んでいてもよい。
図28は、他の実施の形態(A)における車両情報の一例を示す図である。
図28を参照すると、車両タイプとしては、例えば、一般車両、緊急車両が例示される。サーバ装置101の運行制御部122は、例えば、調停要求を受信すると、上記実施の形態では調停エリアに到着した順番が早い自動車両200を優先して、調停エリアへの進入を許可するとした。しかし、サーバ装置101は、車両タイプが緊急車両である自動車両からの調停要求を受信した場合、運行制御部122は、当該緊急車両である自動車両を早い順にするように優先して調停エリアへの進入順序を決定してもよい。このように、車両タイプが緊急車両である自動車両を車両タイプが一般車両である自動車両よりも優先して調停エリアへの進入を許可することで、緊急車両を目的地により早く到着させることができる。
また、さらに、各パスポイントは、各パスポイントにおける走行経路の種別を識別する道路属性を走行属性として含んでいてもよい。道路属性としては、例えば、交通量が多い道路である幹線道路、交通量が少ない道路である生活道路が例示される。
図29A及び図29Bは、調停エリア内で幹線道路と生活道路との交差点している場合を示す図である。図29A及び図29Bでは、走行経路RB1を示す複数のパスポイントA0、A1、A2、A3、A4の走行属性の道路属性が幹線道路であり、走行経路RB2を示す複数のパスポイントB0、B1、B2、B3、B4の道路属性が生活道路である場合を示している。なお、図29Aの場合は、自動車両201、202の車両タイプが両方とも一般車両である場合を示す。図29Bの場合は、自動車両201が一般車両であり、自動車両203が緊急車両である場合を示す。
図29Aの場合、サーバ装置101は、自動車両201、202からの調停要求を受信すると、自動車両201、202の走行経路の道路属性を判断し、道路属性が幹線道路である自動車両201を、道路属性が生活道路である自動車両202よりも早い順にするように優先して調停エリアへの進入順序を決定してもよい。この場合、サーバ装置101は、自動車両201、202の車両タイプの比較も行うが、いずれも車両タイプは一般車両であるので、調停には影響しない。
一方、図29Bの場合、サーバ装置101は、自動車両201、203からの調停要求を受信すると、自動車両201、202の走行経路の道路属性を判断し、かつ、自動車両201、203の車両タイプを判断する。これにより、自動車両203は、走行経路の道路属性が生活道路はあるが、車両タイプが緊急車両であるので、運行制御部122は、自動車両203を、自動車両201よりも早い順にするように優先して調停エリアへの進入順序を決定してもよい。つまり、運行制御部122は、道路属性の違いよりも、車両タイプの違いを優先して、調停エリアへの進入順序を決定してもよい。
(B)
各実施の形態では、言及していないが、経路探索部121は、同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路である場合、自動車両の車幅の大きさに応じて、自動車両の走行経路を変更してもよい。
図30A及び図30Bは、他の実施の形態(B)における同一走行方向のレーンが複数併走している走行経路を示す図である。図30Aは、車幅が所定の幅よりも狭い自動車両201〜203が走行する場合を示し、図30Bは、車幅が所定の幅以上の自動車両204が走行する場合を示す図である。
図30Aでは、経路探索部121は、例えば、自動車両201〜203が同じ走行経路を同じタイミングで併走する場合、当該走行経路には第1〜第3レーンの3つのレーンがあり、かつ、3台の自動車両201〜203の車幅が所定の幅よりも狭いため、3台の自動車両201〜203のそれぞれを1レーンずつ割り当てるように走行経路を決定する。
図30Bでは、経路探索部121は、例えば、自動車両201、204が同じ走行経路を同じタイミングで併走する場合、当該走行経路には第1〜第3レーンの3つのレーンがあり、かつ、自動車両201の車幅が所定の幅よりも狭く、かつ、自動車両204の車幅が所定の幅以上であるため、自動車両201に1レーン(第1レーン)を割り当て、自動車両204に2レーン(第2レーン及び第3レーン)を割り当てるように走行経路を決定してもよい。
つまり、経路探索部121は、自動車両の車両情報の車幅に応じて、当該自動車両が走行するレーンの幅を決定し、決定したレーンの幅に応じた走行経路を示す複数のパスポイントで構成される経路情報を生成してもよい。経路探索部121は、自動車両の車幅が大きいほど、広い幅のレーンを走行するように走行経路を決定してもよい。
(C)
各実施の形態では、自動車両は走行前に設定した目的地へ走行する場合について説明したが、自動車両に乗車した利用者が、乗車途中で目的地を変更してもよい。この場合、自動車両はサーバ装置へ目的地を変更したことを通知し、サーバ装置は経路探索部に目的地を変更して経路情報を作成させ、自動車両は経路探索部が作成した経路情報に基づいて走行を行う。
(D)
各実施の形態では、自動車両は目的地まで利用者を搬送する場合について説明したが、利用者が自動車両に停止指示を行い、途中下車してもよい。この場合、自動車両は進行方向にある最寄りのパスポイントで停車して利用者を降車させる。また、自動車両は途中下車の要求があったことをサーバ装置に通知し、サーバ装置は自動車両の車両状態情報を更新する。
(E)
各実施の形態では、利用者は無線端末を用いて配車要求を行うと説明したが、配車要求時に、配車を希望する日時を指定してもよい。
(F)
本開示では、位置を緯度と経度の組合せとしてが、標高を含んでも構わない。
(G)
本開示では、調停属性が「確認」であるパスポイントでは自動車両が一時停止するように説明したが、一時停止せずに調停要求を出しても構わない。例えば、徐行運転するなどで対応してもよい。
(H)
実施の形態2では、配車要求を利用者がステーションや無線端末を用いて行ったが、これに限定しない。例えば、ステーションに人物センサなどを設置することで、利用者がステーションに居ることを検知し、利用者が操作せずとも、ステーションが配車要求を自動的に行ってもよい。
(I)
また、本開示では、自動車両200は、受信した経路情報と車両情報を用いて、走行情報を作成したが、サーバ装置100から送信された経路情報を走行情報としてそのまま使用し、サーバ装置100が生成した経路情報に従って走行してもよい。この場合、サーバ装置100の経路探索部121は、本開示において、自動車両200の走行制御部221が作成した図11A、図11Bに示すような走行情報と同等の内容の経路情報を作成してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、複数の自動車両を制御する自動車両配車システム及び複数の自動車両を制御するサーバ装置に適用可能である。
1、2 自動車両配車システム
100、101 サーバ装置
110、210、310 通信部
120、220、320 制御部
121 経路探索部
122 運行制御部
130、230 記憶部
131 エリア情報
132 経路情報
133、232 車両情報
134 車両状態情報
135 パスポイント
200、201、202、203 自動車両
221 走行制御部
231 走行情報
240 外界センサ
250 自己位置推定部
260 障害物検知部
270 入力受付部
300 ステーション
330 入力部
400 基地局
401 通信ネットワーク
500 無線端末
M1、M2、M3 調停エリア