JPWO2017057024A1 - 耐熱性ゴム用組成物及びその架橋物 - Google Patents

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Abstract

ゴム材料に求められる優れた引張強度及び耐熱性を期待することができるエピクロルヒドリン系重合体を用いた、優れた耐熱老化特性を有するゴム材料、及びゴム材料のための組成物を提供する。該組成物は(A)エピクロルヒドリン系重合体、(B)炭酸マグネシウム、(C)架橋剤、(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を含有することを特徴とするゴム用組成物であり、前記ゴム材料は、前記ゴム用組成物を架橋してなるエピクロルヒドリン系ゴム材料である。

Description

本発明は、耐熱性ゴム用組成物、特にはエピクロルヒドリン系重合体を含有する耐熱性に優れた耐熱性ゴム用組成物及びその組成物を架橋してなる架橋物、架橋物を用いた自動車用ゴムに関する。以下では、上記架橋物により構成される材料を「ゴム材料」または「架橋ゴム材料」ということがある。
エピクロルヒドリン系ゴム材料はその耐熱性、耐油性、耐オゾン性等を活かして、自動車用途では燃料ホースやエアー系ホース、チューブ材料として幅広く使用されている。しかしながら、近年における排ガス規制対策や省エネルギー対策の実施、エンジンの高性能化およびコンパクト化等によるエンジンルーム内の温度上昇あるいは自動車部品のメンテナンスフリー化などに伴って、ゴム材料に対するさらなる耐熱性、および耐久性の向上が望まれている。
従来こうしたゴム材料には天然ゴムが用いられることが多かった。しかしながら、近年の高温環境下での使用において天然ゴムは耐熱性及び耐オゾン性等が不十分であった。
そのため、耐熱性の良いゴム組成物として、主鎖に二重結合を持たない耐熱性に優れるエピクロルヒドリン系重合体を用いた配合の検討が求められている(特許文献1参照)。
特開昭62−177064号公報
本発明は、上記事情に着目してなされたものであり、ゴム材料に求められる引張強度及び耐熱性の実現を期待することができるエピクロルヒドリン系重合体を用いた、高い引張強度と優れた耐熱性(以下、耐熱老化特性ということがある)を有するゴム材料、及び上記ゴム材料のための組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、エピクロルヒドリン系重合体、炭酸マグネシウム、架橋剤、シランカップリング剤処理無機充填剤(以下では、「シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤」ということがある。)を含有することを特徴とする組成物を架橋してなる架橋物、即ち、エピクロルヒドリン系ゴム材料が、ゴム材料として期待される引張強度を示しつつ優れた耐熱性をもつことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題を解決できた本発明の耐熱性ゴム用組成物、架橋物および自動車用ゴムは、以下の通りである。
項1 (A)エピクロルヒドリン系重合体、(B)炭酸マグネシウム、(C)架橋剤、および(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を含有することを特徴とする耐熱性ゴム用組成物。
項2 (A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して(B)炭酸マグネシウムを1〜20重量部含有することを特徴とする項1に記載の耐熱性ゴム用組成物。
項3 (C)架橋剤がキノキサリン系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン系架橋剤から選択される少なくとも一種の架橋剤であることを特徴とする項1又は2に記載の耐熱性ゴム用組成物。
項4 (D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤に使用されるシランカップリング剤が、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、クロロアルキル系シランカップリング剤及びポリスルフィド系シランカップリング剤から選択される少なくとも一種のカップリング剤であることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の耐熱性ゴム用組成物。
項5 (A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を1〜20重量部含有することを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の耐熱性ゴム用組成物。
項6 項1〜5のいずれかに記載する耐熱性ゴム用組成物を用いて作製された、具体的には該組成物を架橋してなる架橋物。
項7 JIS K6257に準拠する耐熱老化特性の促進老化試験(125℃で、168時間)における引張強度の変化率が20%以下であり、かつ引張伸度の変化率が10%以下であることを特徴とする項6に記載の架橋物。
項8 項1〜7のいずれかに記載する耐熱性ゴム用組成物、又は架橋物からなる自動車用ゴム。
本発明により得られたゴム材料は、エピクロルヒドリン系重合体を用い、所定の組成物を用いて作製されたものであるために、良好な引張強度及び耐熱性を期待することができる。従って、高温、例えば100℃以上に晒されるような自動車用ゴムに極めて有用である。
以下に、本発明の耐熱性ゴム用組成物、及び耐熱性ゴム用組成物を架橋してなる、例えば防振ゴム用材料として使用する架橋物について詳細に説明する。まず、本発明の耐熱性ゴム用組成物は(A)エピクロルヒドリン系重合体、(B)炭酸マグネシウム、(C)架橋剤、(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を含有する。以下、上記組成物を構成する各成分について説明する。
(A)エピクロルヒドリン系重合体
本発明の耐熱性ゴム用組成物に用いられる(A)エピクロルヒドリン系重合体は、エピクロルヒドリン由来の構成単位を有する重合体であり、エチレンオキサイド(エチレンオキシドともいう)、プロピレンオキサイド、n−ブチレンオキサイド等のアルキレンオキシド類、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のグリシジル類(グリシジルエーテル類ともいう)に由来する構成単位を更に含んでいてもよい。
例えば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリンと1種以上のアルキレンオキシド類との二元以上の共重合体、エピクロルヒドリンと1種以上のグリシジル類との二元以上の共重合体、エピクロルヒドリンと1種以上のアルキレンオキシド類と1種以上のグリシジル類との三元以上の共重合体が挙げられる。具体的に例示すれば、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(以下、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体ということがある)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体(以下、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体ということがある)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等を挙げることができ、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であることが好ましい。これら単独重合体、又は共重合体の分子量は特に制限されないが、通常ムーニー粘度表示でML1+4(100℃)=30〜150程度である。
これらの単独重合体又は共重合体を一種、又は二種以上併用して使用することができる。より高い耐熱性、特により優れた耐熱老化特性が求められる場合は、前記二元共重合体の単独であるか、前記二元共重合体と前記三元共重合体の混合物を100重量部としたときに、前記二元共重合体の重量部が50重量部以上であることが好ましく、より好ましくは70重量部以上である。このことは、後記する実施例にも示されている。即ち、前記二元共重合体を50重量部含む実施例1は、前記二元共重合体を含まない実施例4よりもより優れた耐熱老化特性を示し、前記二元共重合体の単独である実施例5は、更に優れた耐熱老化特性を示している。一方、より高い防振特性が求められる場合には、前記三元共重合体の単独であるか、前記二元共重合体と前記三元共重合体の混合物を100重量部としたときに、前記三元共重合体の重量部が50重量部以上であることが好ましく、より好ましくは70重量部以上である。
(A)エピクロルヒドリン系重合体としては、耐熱性の点で、エピクロルヒドリンに基づく重合単位を10mol%以上含有することが好ましく、20mol%以上含有することがより好ましく、25mol%以上含有することが特に好ましい。エピクロルヒドリンに基づく重合単位については、塩素含有量等より算出することができる。塩素含有量はJIS K7229に記載の方法に従い、電位差滴定法によって求めることができる。
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体の場合、それら共重合割合は、エピクロルヒドリンは10mol%以上、95mol%以下であることが好ましい。下限値については、20mol%以上であることがより好ましく、25mol%以上であることが特に好ましい。上限値については、75mol%以下であることがより好ましく、65mol%以下であることが特に好ましい。エチレンオキサイドは5mol%以上、90mol%以下であることが好ましい。下限値については、25mol%以上であることが好ましく、35mol%以上であることが特に好ましい。上限値については、80mol%以下であることがより好ましく、75mol%以下であることが特に好ましい。
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の場合、それら共重合割合は、エピクロルヒドリンは10mol%以上、95mol%以下であることが好ましい。下限値については、20mol%以上であることがより好ましく、25mol%以上であることが特に好ましい。上限値については、75mol%以下であることがより好ましく、65mol%以下であることが特に好ましい。エチレンオキサイドは4mol%以上、89mol%以下であることが好ましい。下限値については、24mol%以上であることがより好ましく、34mol%以上であることが特に好ましい。上限値については、79mol%以下であることがより好ましく、74mol%以下であることが特に好ましい。アリルグリシジルエーテルは1mol%以上、10mol%以下であることが好ましい。上限値については、8mol%以下であることがより好ましく、7mol%以下であることが特に好ましい。
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体の共重合組成については、塩素含有量、ヨウ素価により求められる。
塩素含有量はJIS K7229に記載の方法に従い、電位差滴定法によって測定する。得られた塩素含有量からエピクロルヒドリンに基づく構成単位のモル分率を算出する。
ヨウ素価はJIS K6235に準じた方法で測定する。得られたヨウ素価からアリルグリシジルエーテルに基づく構成単位のモル分率を算出する。
エチレンオキサイドに基づく構成単位のモル分率は、エピクロロヒドリンに基づく構成単位のモル分率、アリルグリシジルエーテルに基づく構成単位のモル分率より算出する。
(B)炭酸マグネシウム
本発明では、ゴム材料から生じうる塩素と反応させてゴム材料を安定化させるための受酸剤を必要とする。本発明では、この受酸剤として炭酸マグネシウムが特に有効であることを見出した。この炭酸マグネシウムが架橋の程度にも有効に作用し得ると思われる。本発明では、受酸剤としてこの炭酸マグネシウムを必須とし、かつ後記する(D)シランカップリング剤処理無機充填剤を、この炭酸マグネシウムと併せて含むことによって、後記する実施例で示す通り、優れた耐熱老化特性を実現できる。
本発明の組成物に用いられる(B)炭酸マグネシウムの含有量は、(A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して1重量部以上、20重量部以下であることが好ましく、1重量部以上、10重量部以下であることがより好ましい。これらの範囲であれば組成物として良好な保存安定性を有し、且つ架橋物が剛直になりすぎることなく、架橋物として上述した物性が容易に得られる。
(C)架橋剤
本発明の(C)架橋剤(加硫剤という場合もある)としては、エピクロルヒドリン系重合体を架橋できるものであれば特に限定されない。塩素原子の反応性を利用する公知の架橋剤、即ちポリアミン系架橋剤、チオウレア系架橋剤、チアジアゾール系架橋剤、トリアジン系架橋剤、キノキサリン系架橋剤、ビスフェノール系架橋剤等が挙げられ、また、側鎖二重結合の反応性を利用する公知の架橋剤、例えば、有機過酸化物系架橋剤、硫黄、モルホリンポリスルフィド系架橋剤、チウラムポリスルフィド系架橋剤等を例示することができる。
ポリアミン系架橋剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N'−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等が挙げられる。
チオウレア系架橋剤としては、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオウレア)、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が挙げられる。
チアジアゾール系架橋剤としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等が挙げられる。
トリアジン系架橋剤としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン等が挙げられる。
キノキサリン系架橋剤としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート等が挙げられる。
ビスフェノール類としてはビスフェノールAF、ビスフェノールS等が挙げられる。
有機過酸化物系架橋剤としては、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
モルホリンポリスルフィド系架橋剤としては、モルホリンジスルフィドが挙げられる。
チウラムポリスルフィド系架橋剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等が挙げられる。
この中でも、チオウレア系架橋剤、キノキサリン系架橋剤、トリアジン系架橋剤であることが好ましく、2−メルカプトイミダゾリン、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンともいう2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンであることが特に好ましい。(C)架橋剤は一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の耐熱性ゴム用組成物において、(C)架橋剤の含有量は、(A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して、0.1重量部以上、10重量部以下であることが好ましい。下限値については、0.3重量部以上であることが特に好ましく、上限値については、5重量部以下であることが特に好ましい。(C)架橋剤の含有量が0.1重量部未満では架橋が不十分となり、10重量部を超えると架橋物が剛直になりすぎて、エピクロルヒドリン系ゴム組成物を架橋して得られる架橋物の、通常期待される物性が得られなくなる恐れがある。
(D)シランカップリング剤処理無機充填剤
本発明では、シランカップリング剤処理無機充填剤、即ち、シランカップリング剤で表面処理された無機充填剤を含むことによって、組成物の混合時に各成分が分散しやすくなると考えられる。前述の(B)炭酸マグネシウムと併用することによって、後記する実施例で示す通り、得られるゴムの引張強度と耐熱老化特性を高めることができる。
本発明の耐熱性ゴム用組成物に用いられる(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤は、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、複合酸化物、水酸化物等の無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理して得られる。
前記無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸塩;酸化亜鉛、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、アルミナ等の酸化物;ヒドロキシアパタイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、モンモリロナイト等の複合酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物;等を例示することができる。好ましくは前記炭酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩のうちの1以上であり、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩であることがより好ましく、炭酸カルシウムであることが特に好ましい。
前記無機充填剤は、上記化合物を1種用いる他、2種類以上を混合して用いてもよい。また、前記無機充填剤は、後記のシランカップリング剤による表面処理の前に、脂肪酸またはその誘導体、樹脂酸またはその誘導体等の有機酸類で表面処理されていてもよい。
前記脂肪酸としては、炭素数が6〜24程度の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸の炭素数は、10〜20程度であることが好ましい。炭素数が6〜24程度の飽和または不飽和の脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸などが挙げられる。特に、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸が好ましい。
脂肪酸の誘導体としては、脂肪酸の塩、脂肪酸のエステルなどが挙げられる。
脂肪酸の塩としては、例えば、上記炭素数が6〜24程度の飽和または不飽和の脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が挙げられる。脂肪酸の塩の炭素数は、10〜20程度であることが好ましい。
脂肪酸のエステルとしては、例えば、上記炭素数が6〜24程度の飽和または不飽和の脂肪酸と、炭素数が6〜18程度の飽和脂肪族アルコールとのエステルなどが挙げられる。脂肪酸のエステルの炭素数は、10〜20程度であることが好ましい。飽和脂肪族アルコールの炭素数は、10〜18程度であることが好ましい。
前記樹脂酸またはその誘導体としては、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などのアビエチン酸類またはその重合体、不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン、これらの塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)またはそのエステル(例えばロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロールエステル、水添ロジンのメチルエステル、水添ロジンのトリエチレングリコール・エステル、水添ロジンのペンタエリスリトール・エステル)などが挙げられる。これらの中でも、アビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸が好ましい。
無機充填剤を有機酸類で表面処理する方法としては、特に限定されず、公知の表面処理法を適用することができる。有機酸類として例えば脂肪酸を使用する場合は、例えば以下の方法が挙げられる。
脂肪酸を水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水溶液中で加熱しながら、脂肪酸のアルカリ金属塩にする。アルカリ金属塩水溶液の濃度は、通常1重量%〜40重量%程度であり、1重量%〜20重量%程度であることが好ましい。次いで、無機充填剤の水懸濁液を、予め30〜50℃に加熱しておき、この水懸濁液に脂肪酸のアルカリ金属塩水溶液を添加、撹拌して、無機充填剤に脂肪酸またはその誘導体を付着させる。
また、脂肪酸のアルカリ金属塩にせず、脂肪酸を用いて無機充填剤を表面処理することもできる。例えば、無機充填剤を脂肪酸の融点以上に加温しながら攪拌し、これに脂肪酸を添加、攪拌して、無機充填剤に脂肪酸を付着させることができる。
有機酸類として、樹脂酸またはその誘導体を用いる場合、上述した脂肪酸またはその誘導体による無機充填剤の表面処理と同様の方法によって行うことができる。
上記無機充填剤の表面処理に用いるシランカップリング剤の例としては、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤およびクロロアルキル系シランカップリング剤及びポリスルフィド系シランカップリング剤が挙げられ、アミノ系シランカップリング剤であることが好ましい。またシランカップリング剤は一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いても良い。
ビニル系シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン等が例示される。
エポキシ系シランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
メタクリル系シランカップリング剤としては、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン等が例示される。
アクリル系シランカップリング剤としては、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン等が例示される。
アミノ系シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
メルカプト系シランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
クロロアルキル系シランカップリング剤としては3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
ポリスルフィド系シランカップリング剤としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(略称TESPC)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(略称TESPT)等が例示される。
このシランカップリング剤による無機充填剤の表面処理は、ゴム用組成物を構成する他の成分との混合前に実施する。無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理する方法は、特に限定されず、公知の表面処理法を適用することができる。例えば下記の方法で、シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を得ることができる。
無機充填剤をミキサー中で撹拌しながら、シランカップリング剤を滴下する、又はスプレーなどを用いて噴霧することによって、シランカップリング剤で無機充填剤を表面処理することができる。この場合、必要に応じて表面処理後に加熱乾燥してもよい。
また、無機充填剤を水との懸濁液とした場合、この懸濁液にシランカップリング剤を添加し、無機充填剤の表面にシランカップリング剤を吸着させたのち、処理物を濾別、乾燥することにより、シランカップリング剤で無機充填剤を表面処理することができる。シランカップリング剤による表面処理を均一に行うために、攪拌機、ビーズミル、サンドミルのような湿式磨砕機等を使用してもよい。
無機充填剤に対するシランカップリング剤の処理量は、特に限定されない。シランカップリング剤の処理量は、無機充填剤100重量部に対して、通常0.01重量部以上、10重量部以下の程度である。下限値については、0.05重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがさらに好ましい。上限値については、5重量部以下であることが好ましく、3重量部以下であることがさらに好ましい。シランカップリング剤の処理量は、無機充填剤のBET比表面積などによって適宜調整できる。
また、シランカップリング剤で表面処理された無機充填剤を、更に前述した有機酸類で表面処理してもよい。
本発明の耐熱性ゴム用組成物に用いられる(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤の含有量は、(A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して、1重量部以上、20重量部以下であることが好ましい。下限値については、2重量部以上であることがより好ましく、3重量部以上であることが特に好ましい。上限値については、15重量部以下であることがより好ましく、9重量部以下であることが特に好ましい。
(E)その他の構成物
(E−1)上記(B)炭酸マグネシウム以外の受酸剤
本発明の耐熱性ゴム用組成物において、前記(B)炭酸マグネシウムに加えて更に公知の受酸剤を使用してもよい。該受酸剤として、前記炭酸マグネシウム以外の金属化合物及び/又は無機マイクロポーラス・クリスタルが用いられる。
前記炭酸マグネシウム以外の金属化合物としては、周期表第II族(2族および12族)の金属の、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩);周期表第IV族(4族および14族)の金属(但し非鉛系金属)の、酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩;等が挙げられる。
前記炭酸マグネシウム以外の金属化合物の具体例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸錫、等を挙げることができる。特に好ましくは、前記(B)炭酸マグネシウムと共に、受酸剤として酸化マグネシウム、消石灰、生石灰を含有させることである。
前記無機マイクロポーラス・クリスタルとは、結晶性の多孔体を意味し、無定型の多孔体、例えばシリカゲル、アルミナ等とは明瞭に区別できるものである。このような無機マイクロポーラス・クリスタルの例としては、ゼオライト類、アルミナホスフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類、チタン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。特に好ましい受酸剤としては、ハイドロタルサイト類が挙げられる。
前記ゼオライト類は、天然ゼオライトの外、A型、X型、Y型の合成ゼオライト、ソーダライト類、天然ないしは合成モルデナイト、ZSM−5などの各種ゼオライト及びこれらの金属置換体であり、これらは単独で用いても2種以上の組み合わせで用いても良い。また金属置換体の金属はナトリウムであることが多い。ゼオライト類としては酸受容能が大きいものが好ましく、A型ゼオライトが好ましい。
前記ハイドロタルサイト類は下記一般式(1)
MgZnAl(OH)(2(X+Y)+3Z−2)CO・wHO (1)
[式中、XとYはそれぞれX+Y=1〜10の関係を有する0〜10の実数、Zは1〜5の実数、wは0〜10の実数をそれぞれ示す]で表わされる。
ハイドロタルサイト類の具体例として、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.5Al(OH)13CO、MgAl(OH)12CO・3.5HO、MgAl(OH)14CO・4HO、MgAl(OH)10CO・1.7HO、MgZnAl(OH)12CO・3.5HO、MgZnAl(OH)12CO、Mg4.3Al(OH)12.6CO・3.5HO等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物において、前記(B)炭酸マグネシウムを除く受酸剤の含有量は、(A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して、0.2〜50重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることが特に好ましい。
(E−2)無機充填剤
強度等確保のために無機充填剤を添加してもよい。尚、ここでの無機充填剤は、前述のシランカップリング剤で表面処理されていないものである。但し、前述の有機酸類での表面処理等のシランカップリング剤以外で表面処理されていてもよい。前記無機充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸塩;酸化亜鉛、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ等の酸化物;ヒドロキシアパタイト、マイカ、タルク、カオリン、クレー、モンモリロナイト等の複合酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物;等が挙げられる。上記化合物を1種用いる他、2種類以上を混合して用いてもよい。好ましくは、上記酸化物、複合酸化物のうちの1以上である。より好ましくは耐熱性と強度の向上に寄与し得るシリカである。
上記無機充填剤の含有量は、(A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましく、5〜40重量部であることがより好ましく、10重量部超、30重量部以下の範囲であることが更に好ましい。
(E−3)本発明の耐熱性ゴム用組成物には、本発明の効果を損なわない限り、上記以外の配合剤、例えば、滑剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤や光安定剤等の添加剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、カーボンブラック、素練り促進剤等を更に任意に配合できる。さらに本発明の特性が失われない範囲で、当該技術分野で通常行われている、ゴム、樹脂等のブレンドを行うことも可能である。
前記滑剤としては、具体的には、例えば、パラフィン・ワックス、炭化水素系ワックスなどのパラフィンおよび炭化水素樹脂;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;ステアロアミド、オレイル・アミドなどの脂肪酸アミド;n−ブチル・ステアレートなどの脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪アルコール;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記老化防止剤として、公知の、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ベンズイミダゾール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオ尿素系老化防止剤、有機チオ酸系老化防止剤、亜リン酸系老化防止剤が例示され、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ベンズイミダゾール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤であり、より好ましくはジチオカルバミン酸塩系老化防止剤である。
前記可塑剤として、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸誘導体、ジブチルジグリコール−アジペートやジ(ブトキシエトキシ)エチルアジペート等のアジピン酸誘導体、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸誘導体、トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸誘導体などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記素練り促進剤として、芳香族メルカプタン系化合物、芳香族ジスルフィド系化合物、芳香族メルカプタン金属系化合物、またはこれらの混合系化合物を用いることができ、代表的にはo,o−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドが挙げられる。
本発明の耐熱性ゴム用組成は、カーボンブラックを更に含有しても良い。カーボンブラックは、本発明の効果を損なわない限り、粒径、表面状態等において、限定なく用いることができる。カーボンブラックを具体的に例示すると、SAF、ISAF、HAF、FEF等が用いられる。前記カーボンブラックの含有量は、(A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して、1〜120重量部の範囲であることが好ましく、2〜60重量部であることがより好ましい。
本発明の耐熱性ゴム用組成物の製造方法としては、無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理する工程、及び少なくとも(A)エピクロルヒドリン系重合体、(B)炭酸マグネシウム、(C)架橋剤、(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を混合する工程を有していればよい。
無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理する工程については、上述した表面処理方法により行うことができる。また、(A)エピクロルヒドリン系重合体、(B)炭酸マグネシウム、(C)架橋剤、および(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤を混合する工程においては、従来ポリマー加工の分野において用いられている任意の混合手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。
本発明には、前記耐熱性ゴム用組成物を架橋してなる架橋物も含まれる。この様に前記耐熱性ゴム用組成物を架橋して得られる本発明の架橋物は、JIS K6257に準拠する耐熱老化特性の促進老化試験(125℃で、168時間)における引張強度の変化率(耐熱老化特性の促進老化試験開始前の数値に対して)(後記する実施例で求められるΔTB)が絶対値で25%以下であることが好ましく、絶対値で20%以下であることが特に好ましい。
また、JIS K6257に準拠する耐熱老化特性の促進老化試験(125℃で、168時間)における引張伸度の変化率(耐熱老化特性の促進老化試験開始前の数値に対して)(後記する実施例で求められるΔEB)が絶対値で21%以下であることが好ましく、絶対値で15%以下であることがより好ましく、絶対値で10%以下であることが特に好ましい。
本発明の架橋物の製造方法としては、本発明の耐熱性ゴム用組成物を通常100〜200℃に加熱する工程により得られる。架橋時間は温度により異なるが、通常0.5〜300分の間である。架橋成型の方法としては、金型による圧縮成型(プレス架橋ともいう)、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
本発明の耐熱性ゴム用組成物、又はこれを架橋してなる架橋物により得られたゴム材料は、自動車用ゴム、特にエンジンマウント等の耐熱性を必要とする自動車用防振ゴムの構成部材として有用である。また、防振、免震ゴムとして用いる場合は、前記自動車用防振ゴムとして使用する他、鉄道車両用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム、免震ゴム支承等に好適に用いることができる。更に、自動車用の燃料ホースやエアー系ホース、チューブ材料としても好適に用いることができる。
本願は、2015年9月30日に出願された日本国特許出願第2015−194352号に基づく優先権の利益を主張するものである。2015年9月30日に出願された日本国特許出願第2015−194352号の明細書の全内容が、本願の参考のため援用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの記載に限定されるものではない。前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1に示す配合で各材料をニーダーおよびオープンロールで混練し、厚さ2〜2.5mmの未架橋ゴムシートを作製した。尚、本実施例で使用したエピクロマーCのムーニー粘度は50〜75、前記エピクロマーCG−105のムーニー粘度は40〜70である。引張特性、耐熱性の評価のために得られた前記未架橋ゴムシートを170℃で15分プレス架橋し、2mm厚の一次架橋物を得た。さらにこれをエア・オーブンにより150℃で2時間加熱し、二次架橋物を得た。得られた二次架橋物を用い、JIS K6251に準じて引張試験を行い、またJIS K6257促進老化試験A−2法に準じて耐熱性の試験を行った。
各試験方法より得られた試験結果を表2に示す。表2中M100は引張試験に定める100%伸び時の引張応力、M300は引張試験に定める300%伸び時の引張応力、TBは引張試験に定める引張強さ、EBは引張試験に定める伸び、HsはJIS K6253の硬さ試験に定める硬さをそれぞれ意味する。△TB、△EB、△Hsは、それぞれ常態物性(促進老化試験前)に対する、TBの変化率、EBの変化率、Hsの差である。
Figure 2017057024
Figure 2017057024
本発明のゴム組成物を架橋してなる自動車用ゴム材料である実施例は、比較例と比較して耐熱老化試験において引張強度と引張試験に定める伸度の変化率が非常に小さく、耐熱性に優れる。特に(B)炭酸マグネシウムと、(D)シランカップリング剤で表面処理した無機充填剤とを併せて含むことにより、耐熱老化特性、特には引張強度の変化率が十分に抑制されている。
本発明により、エピクロルヒドリン系ゴムをベースとした耐熱性の改良されたゴム組成物およびその架橋ゴム材料を提供することができる。したがって、同組成物から得られた架橋ゴム材料は、耐熱性を必要とする自動車用ゴムの構成部材へ好適に応用することができる。

Claims (8)

  1. (A)エピクロルヒドリン系重合体、(B)炭酸マグネシウム、(C)架橋剤、および(D)シランカップリング剤処理無機充填剤を含有することを特徴とする耐熱性ゴム用組成物。
  2. (A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して(B)炭酸マグネシウムを1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の耐熱性ゴム用組成物。
  3. (C)架橋剤がキノキサリン系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン系架橋剤から選択される少なくとも一種の架橋剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱性ゴム用組成物。
  4. 前記シランカップリング剤が、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、クロロアルキル系シランカップリング剤及びポリスルフィド系シランカップリング剤から選択される少なくとも一種のカップリング剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性ゴム用組成物。
  5. (A)エピクロルヒドリン系重合体100重量部に対して(D)シランカップリング剤処理無機充填剤を1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性ゴム用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載する耐熱性ゴム用組成物を用いて作製された架橋物。
  7. JIS K6257に準拠する耐熱老化特性の促進老化試験(125℃で、168時間)における引張強度の変化率が20%以下であり、かつ引張伸度の変化率が10%以下であることを特徴とする請求項6に記載の架橋物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載する耐熱性ゴム用組成物、又は架橋物からなる自動車用ゴム。
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