JPWO2017006729A1 - レドックスフロー電池用電極、及びレドックスフロー電池システム - Google Patents
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Abstract
炭素材からなる多孔体を備え、X線回折によって測定した前記炭素材の(002)面の層間距離が3.354Å以上3.452Å以下であるレドックスフロー電池用電極。前記レドックスフロー電池用電極は、加熱発生ガス質量分析によって測定した一酸化炭素及び二酸化炭素由来の酸素含有量が1μmol/g以上100μmol/g以下のレドックスフロー電池用電極であることが好ましい。
Description
本発明は、レドックスフロー電池用電極、及びレドックスフロー電池システムに関するものである。
本出願は、2015年7月9日出願の日本出願第2015−138024号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
本出願は、2015年7月9日出願の日本出願第2015−138024号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
レドックスフロー電池(以下、RF電池と呼ぶことがある)として、各極の活物質にバナジウム(V)イオンを用いるV系RF電池が代表的である(特許文献1の明細書の段落0003)。また、反応場とするRF電池用電極として、炭素繊維からなるカーボンフェルトなどといった多孔体が代表的である(特許文献1の明細書の段落0040など)。
特許文献1は、正極活物質にマンガン(Mn)イオン、負極活物質にチタン(Ti)イオンなどを用いたMn−Ti系RF電池を開示している。
本発明の一態様に係るレドックスフロー電池用電極は、炭素材からなる多孔体を備え、X線回折によって測定した前記炭素材の(002)面の層間距離が3.354Å以上3.452Å以下である。
本発明の一態様に係るレドックスフロー電池システムは、正極電極と、負極電極と、前記正極電極に供給される正極電解液と、前記負極電極に供給される負極電解液とを備える。
前記正極電極は、前記レドックスフロー電池用電極である。
前記正極電解液は、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する。
前記正極電極は、前記レドックスフロー電池用電極である。
前記正極電解液は、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する。
蓄電池の一つに、電解液を電極に供給して電池反応を行うRF電池がある。RF電池は、(1)メガワット級(MW級)の大容量化が容易である、(2)長寿命である、(3)電池の充電状態(SOC:State of Charge)を正確に監視可能である、(4)電池出力と電池容量とを独立して設計できて設計の自由度が高い、等の特徴を有しており、電力系統の安定化用途の蓄電池に適すると期待される。
RF電池は、代表的には、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、正極電極と負極電極の間に介在される隔膜とを備える電池セルを主な構成要素とする。このようなRF電池と、RF電池に電解液を循環供給するための循環機構とを備えるRF電池システムを構築して利用される。電解液は、電池反応を行う活物質となるイオンを含み、電極はその反応場として利用される。
また、Mn−Ti系RF電池は、V系RF電池よりも高い起電力が得られる、活物質の原料が比較的安価であるといった利点を有する。
また、Mn−Ti系RF電池は、V系RF電池よりも高い起電力が得られる、活物質の原料が比較的安価であるといった利点を有する。
[本開示が解決しようとする課題]
長期に亘り、良好な特性を維持できるレドックスフロー電池システムが望まれる。レドックスフロー電池の特性の良否には電極の良否が影響することから、経時的に劣化し難いレドックスフロー電池用電極が望まれる。
長期に亘り、良好な特性を維持できるレドックスフロー電池システムが望まれる。レドックスフロー電池の特性の良否には電極の良否が影響することから、経時的に劣化し難いレドックスフロー電池用電極が望まれる。
ここで、RF電池システムに用いる代表的な電解液として、硫酸などの酸を含む水溶液がある。炭素繊維といった炭素材は、酸などに対する耐性(耐薬品性、耐酸化性など)に優れる上に導電性にも優れるため、炭素材は、RF電池用電極の構成材料として好ましい。しかし、炭素材から構成されたRF電池用電極であっても経時的に酸化劣化し得る。電池反応の副反応として水が電気分解されると、正極では酸素が発生し得る。RF電池用電極、特に正極電極は、このような酸素が生じ得る電解液に浸漬されて利用されるためである。電極が酸化劣化などすると反応場を十分に確保できず、RF電池の抵抗率が経時的に増大し得る。
特に、Mnイオンのような標準酸化還元電位がVイオンよりも高いイオンを正極活物質に用いる場合には、上述の酸化劣化といった電極(特に正極電極)の経時的な劣化が更に生じ易い。
上述の事情を鑑みて、長期に亘り良好な特性を維持できるレドックスフロー電池システム、及びこのようなレドックスフロー電池システムの構築に寄与するレドックスフロー電池用電極を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示のレドックスフロー電池用電極は、長期に亘り良好な特性を維持できるレドックスフロー電池システムの構築に寄与する。
本開示のレドックスフロー電池用電極は、長期に亘り良好な特性を維持できるレドックスフロー電池システムの構築に寄与する。
本開示のレドックスフロー電池システムは、長期に亘り良好な特性を維持できる。
[本発明の実施の形態の説明]
本発明者らは、RF電池用電極として炭素材からなる多孔体を対象として検討した結果、炭素材が特定の結晶構造を有していれば、RF電池の経時的な抵抗率の増大を低減できるとの知見を得た。特に、活物質として標準酸化還元電位が高いイオンを含む電解液を用いる場合でも、経時的に抵抗率が増大し難いとの知見を得た。このような炭素材からなる多孔体をRF電池用電極とすることで、経時的な特性の低下が少なく、長期に亘り、優れた特性を有するRF電池システムを構築できるといえる。本発明は、上記の知見に基づくものである。
本発明者らは、RF電池用電極として炭素材からなる多孔体を対象として検討した結果、炭素材が特定の結晶構造を有していれば、RF電池の経時的な抵抗率の増大を低減できるとの知見を得た。特に、活物質として標準酸化還元電位が高いイオンを含む電解液を用いる場合でも、経時的に抵抗率が増大し難いとの知見を得た。このような炭素材からなる多孔体をRF電池用電極とすることで、経時的な特性の低下が少なく、長期に亘り、優れた特性を有するRF電池システムを構築できるといえる。本発明は、上記の知見に基づくものである。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るレドックスフロー電池用電極(RF電池用電極)は、炭素材からなる多孔体を備え、X線回折によって測定した前記炭素材の(002)面の層間距離が3.354Å以上3.452Å以下である。
(1)本発明の一態様に係るレドックスフロー電池用電極(RF電池用電極)は、炭素材からなる多孔体を備え、X線回折によって測定した前記炭素材の(002)面の層間距離が3.354Å以上3.452Å以下である。
前記RF電池用電極は、炭素材の(002)面の層間距離(以下、層間距離d(002)と呼ぶことがある)が特定の範囲であるため、前記RF電池用電極をRF電池に用いた場合に、特に副反応で酸素が生じ得る正極電極とした場合に経時的な抵抗率の増大を低減できる。この理由の一つとして、層間距離d(002)が比較的小さいことで、経時的に酸化劣化し難くなったためと考えられる。酸化劣化などの電極の劣化を低減できることで、反応場を良好に確保できる結果、抵抗率の増大を抑制できるためと考えられる。従って、前記RF電池用電極は、長期に亘り良好な特性を維持できるRF電池システムの構築に寄与する。
(2)前記RF電池用電極の一例として、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する正極電解液を備えるレドックスフロー電池システムに用いられる形態が挙げられる。
正極電解液に含まれる上記各イオンの標準酸化還元電位は、V系RF電池で使用するバナジウムイオンの標準酸化還元電位(1.0V)よりも高く、これらのイオンは正極活物質として好適に利用できる。このような標準酸化還元電位が高いイオンを正極活物質として含む正極電解液を備えるRF電池システムは、高い起電力を有することができる。但し、このような正極電解液を備えるRF電池システムでは正極で副反応が生じ易く、副反応によって発生した酸素などで正極電極が経時的に酸化劣化し易いと考えられる。前記RF電池用電極がこのような特定のイオンを含む正極電解液を備えるRF電池システムの正極電極に利用された場合でも、正極電極の経時的な劣化を低減して、経時的な抵抗率の増大を低減できる。特に、上記形態は、負極電解液が負極活物質としてチタンイオンを含むMn−Ti系RF電池に好適に利用できる。
(3)前記RF電池用電極の一例として、加熱発生ガス質量分析によって測定した一酸化炭素及び二酸化炭素由来の酸素含有量が1μmol/g以上100μmol/g以下である形態が挙げられる。
上記形態では、酸素含有量が特定の範囲であるため、電解液との濡れ性を高められると共に過剰酸素による導電性の低下を抑制できて、初期の抵抗率を低くできる。従って、上記形態は、使用初期の低抵抗な状態を長期に亘り維持できるRF電池システムの構築に寄与する。
(4)本発明の一態様に係るレドックスフロー電池システム(RF電池システム)は、正極電極と、負極電極と、前記正極電極に供給される正極電解液と、前記負極電極に供給される負極電解液とを備える。
前記正極電極は、前記レドックスフロー電池用電極である。
前記正極電解液は、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する。
前記正極電極は、前記レドックスフロー電池用電極である。
前記正極電解液は、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する。
上記各イオンは標準酸化還元電位が高く、このようなイオンを正極活物質として含む正極電解液を備える前記RF電池システムは、高い起電力を有することができる。また、前記RF電池システムは、上記の特定のイオンを含む正極電解液を備えるが、前記RF電池用電極を正極電極として備えるため、正極電極の経時的な劣化を低減して、経時的な抵抗率の増大を低減できる。従って、前記RF電池システムは、長期に亘り、良好な特性を維持できる。
(5)前記RF電池システムの一例として、前記正極電解液がマンガンイオンを含む形態が挙げられる。
上記形態は、長期に亘り良好な特性を維持できる上に、標準酸化還元電位が1.51Vであるマンガンイオンを含むため、高い起電力を有することができる。
(6)(5)のRF電池システムの一例として、前記負極電解液はチタンイオンを含む形態が挙げられる。
正極電解液に含むマンガンイオンと負極電解液に含むチタンイオンとは、起電力が高いレドックス対を形成できる。上記形態は、長期に亘り良好な特性を維持できる上に、高い起電力を有することができる。また、チタンイオンが経時的に正極電解液に含まれると、マンガン酸化物の析出を抑制できるという効果も期待できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池(RF電池)システム、本発明の実施形態に係るRF電池用電極を詳細に説明する。図中、同一符号は同一名称物を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池(RF電池)システム、本発明の実施形態に係るRF電池用電極を詳細に説明する。図中、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図2,図3を参照して、実施形態1のRF電池システムSの概要、RF電池システムSが備えるRF電池1の基本構成を説明し、次にRF電池1に利用される実施形態1のRF電池用電極、及びRF電池システムSが備える電解液をより詳細に説明する。図2において正極タンク106内及び負極タンク107内に示すイオンは、正極電解液及び負極電解液に含まれるイオン種の一例である。図2において、実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
図2,図3を参照して、実施形態1のRF電池システムSの概要、RF電池システムSが備えるRF電池1の基本構成を説明し、次にRF電池1に利用される実施形態1のRF電池用電極、及びRF電池システムSが備える電解液をより詳細に説明する。図2において正極タンク106内及び負極タンク107内に示すイオンは、正極電解液及び負極電解液に含まれるイオン種の一例である。図2において、実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
(RF電池システムの概要)
実施形態1のRF電池システムSは、図2に示すように正極電極10c及び負極電極10aを有するRF電池1と、正極電極10cに供給される正極電解液と、負極電極10aに供給される負極電解液とを備える。RF電池システムSは、更に、後述の循環機構を備えて電極10に電解液を供給する。RF電池1は、代表的には、交流/直流変換器200や変電設備210などを介して、発電部300と、電力系統や需要家などの負荷400とに接続される。RF電池1は、発電部300を電力供給源として充電を行い、負荷400を電力提供対象として放電を行う。発電部300としては、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所などが挙げられる。
実施形態1のRF電池システムSは、図2に示すように正極電極10c及び負極電極10aを有するRF電池1と、正極電極10cに供給される正極電解液と、負極電極10aに供給される負極電解液とを備える。RF電池システムSは、更に、後述の循環機構を備えて電極10に電解液を供給する。RF電池1は、代表的には、交流/直流変換器200や変電設備210などを介して、発電部300と、電力系統や需要家などの負荷400とに接続される。RF電池1は、発電部300を電力供給源として充電を行い、負荷400を電力提供対象として放電を行う。発電部300としては、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所などが挙げられる。
(RF電池の基本構成)
RF電池1は、正極電極10cと、負極電極10aと、正極電極10cと負極電極10aの間に介在される隔膜11とを備える電池セル100を主な構成要素とする。代表的には、RF電池1は複数の電池セル100を備え、隣り合う電池セル100,100間に双極板12(図3)を備える。
RF電池1は、正極電極10cと、負極電極10aと、正極電極10cと負極電極10aの間に介在される隔膜11とを備える電池セル100を主な構成要素とする。代表的には、RF電池1は複数の電池セル100を備え、隣り合う電池セル100,100間に双極板12(図3)を備える。
電極10には、活物質となるイオンを含む電解液が供給される。電極10は、活物質イオンが電池反応を行う反応場であり、電解液を流通できるように多孔体から構成される。実施形態1のRF電池用電極は、炭素材からなる多孔体から構成されている。実施形態1のRF電池用電極の特徴の一つは、炭素材が特定の結晶構造を有することである(詳細は後述)。実施形態1のRF電池システムSの特徴の一つは、正極電極10cが実施形態1の電極であることである。
隔膜11は、正極電極10cと負極電極10aを分離する分離部材であると共に、所定のイオンが透過する部材である。
双極板12は、正極電極10cと負極電極10aに挟まれる平板状の部材であり、電流を流すが電解液を通さない導電性部材である。
隔膜11は、正極電極10cと負極電極10aを分離する分離部材であると共に、所定のイオンが透過する部材である。
双極板12は、正極電極10cと負極電極10aに挟まれる平板状の部材であり、電流を流すが電解液を通さない導電性部材である。
双極板12は、代表的には、図3に示すように双極板12の外周に形成された枠体150を備えるフレームアッシー15の状態で利用される。枠体150は、その表面と裏面に開口し、双極板12上に配置された電極10に電解液を供給する給液孔152c,152a及び電解液を排出する排液孔154c,154aを有する。
複数の電池セル100は積層されて、セルスタックと呼ばれる形態で利用される。セルスタックは、図3に示すように、あるフレームアッシー15の双極板12、正極電極10c、隔膜11、負極電極10a、別のフレームアッシー15の双極板12、…と順に繰り返し積層されて構成される。RF電池1が大容量用途などである場合には、所定数の電池セル100をサブセルスタックとし、複数のサブセルスタックを積層して備える形態で利用される。図3は、複数のサブセルスタックを備える例を示す。サブセルスタックやセルスタックにおける電池セル100の積層方向の両端に位置する電極10には、双極板12に代えて集電板(図示せず)が配置される。セルスタックにおける電池セル100の積層方向の両端には代表的にはエンドプレート170が配置されて、一対のエンドプレート170,170が長ボルトなどの連結部材172で連結されて一体化される。
(循環機構)
循環機構は、図2に示すように正極電極10cに循環供給される正極電解液を貯留する正極タンク106と、負極電極10aに循環供給される負極電解液を貯留する負極タンク107と、正極タンク106とRF電池1との間を接続する配管108,110と、負極タンク107とRF電池1との間を接続する配管109,111と、上流側(供給側)の配管108,109に設けられたポンプ112,113とを備える。複数のフレームアッシー15を積層することで給液孔152c,152a及び排液孔154c,154aは電解液の流通管路を構成し、この管路に配管108〜111が接続される。
循環機構は、図2に示すように正極電極10cに循環供給される正極電解液を貯留する正極タンク106と、負極電極10aに循環供給される負極電解液を貯留する負極タンク107と、正極タンク106とRF電池1との間を接続する配管108,110と、負極タンク107とRF電池1との間を接続する配管109,111と、上流側(供給側)の配管108,109に設けられたポンプ112,113とを備える。複数のフレームアッシー15を積層することで給液孔152c,152a及び排液孔154c,154aは電解液の流通管路を構成し、この管路に配管108〜111が接続される。
RF電池システムSは、正極タンク106及び配管108,110を備える正極電解液の循環経路と、負極タンク107及び配管109,111を備える負極電解液の循環経路を利用して、正極電極10cに正極電解液を循環供給すると共に負極電極10aに負極電解液を循環供給する。この循環供給によって、正極電解液及び負極電解液中の活物質イオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。実施形態1のRF電池システムSの特徴の一つは、正極電解液が特定のイオンを含むことである(詳細は後述)。
(電極)
・概要
電極10は、複数の開気孔を有する多孔体から構成される。この多孔体は、炭素材からなる。炭素材中の炭素の含有量は99質量%以上であり、残部は後述の気体成分や不可避不純物などである。炭素材中の不可避不純物の含有量は1000質量ppm以下であることが好ましい。多孔体を構成する炭素材としては、炭素繊維、炭素粉末などが挙げられる。炭素材は導電性に優れる上に耐薬品性、耐酸化性などに優れるため、炭素材からなる多孔体は、導電性と電解液に対する耐性とが求められる実施形態1の電極10に適する。炭素繊維の大きさ(繊維径)は、例えば、1μm以上10μm以下程度である。
・概要
電極10は、複数の開気孔を有する多孔体から構成される。この多孔体は、炭素材からなる。炭素材中の炭素の含有量は99質量%以上であり、残部は後述の気体成分や不可避不純物などである。炭素材中の不可避不純物の含有量は1000質量ppm以下であることが好ましい。多孔体を構成する炭素材としては、炭素繊維、炭素粉末などが挙げられる。炭素材は導電性に優れる上に耐薬品性、耐酸化性などに優れるため、炭素材からなる多孔体は、導電性と電解液に対する耐性とが求められる実施形態1の電極10に適する。炭素繊維の大きさ(繊維径)は、例えば、1μm以上10μm以下程度である。
炭素材からなる多孔体の具体例として、カーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンクロスなどといった炭素繊維からなり、シート状となった繊維集合体が挙げられる。
カーボンフェルトは、(a)電解液に水溶液を用いた場合において充電時に酸素発生電位になっても酸素ガスが発生し難い、(b)表面積が大きい、(c)電解液の流通性に優れる、といった効果を奏する。
カーボンペーパーは、(α)薄く小型な電池にし易い、(β)厚さ方向の導電性に優れる、といった効果を奏する。
この例の正極電極10c,負極電極10aはいずれも、シート材の繊維集合体である。
カーボンフェルトは、(a)電解液に水溶液を用いた場合において充電時に酸素発生電位になっても酸素ガスが発生し難い、(b)表面積が大きい、(c)電解液の流通性に優れる、といった効果を奏する。
カーボンペーパーは、(α)薄く小型な電池にし易い、(β)厚さ方向の導電性に優れる、といった効果を奏する。
この例の正極電極10c,負極電極10aはいずれも、シート材の繊維集合体である。
実施形態1の電極では、上述の多孔体が特定の結晶構造を有する炭素材によって構成されている。具体的には、X線回折によって測定した炭素材の(002)面の層間距離d(002)が3.354Å以上3.452Å以下である。実施形態1のRF電池システムSは、正極電極10cとして、上記特定の結晶構造を有する炭素材の多孔体から構成される実施形態1の電極を備える。
・結晶構造
実施形態1の電極は、層間距離d(002)が3.354Å以上である炭素材からなるため、この電極を備えることで初期の抵抗率が大きくなり過ぎず、低抵抗なRF電池1やRF電池システムSとすることができる。層間距離d(002)が大きいほど初期の抵抗率を小さくできるので、層間距離d(002)は、3.358Å以上が好ましく、更に3.38Å以上、3.40Å以上が好ましい。
実施形態1の電極は、層間距離d(002)が3.452Å以下である炭素材からなるため、この電極を備えることで、経時的な抵抗率の増大を低減でき、運転初期から長期に亘り、低抵抗なRF電池1やRF電池システムSとすることができる。実施形態1の電極は、経時的に酸化劣化し難く、酸化劣化などの劣化による反応場の減少を抑制できるからである。層間距離d(002)が小さいほど経時的な抵抗率の増大を抑制できるので、層間距離d(002)は、3.45Å以下が好ましく、3.445Å以下がより好ましく、更に3.44Å以下が好ましい。
層間距離d(002)の測定には、公知のX線回折装置を利用できる。測定条件の詳細については後述する。
実施形態1の電極は、層間距離d(002)が3.354Å以上である炭素材からなるため、この電極を備えることで初期の抵抗率が大きくなり過ぎず、低抵抗なRF電池1やRF電池システムSとすることができる。層間距離d(002)が大きいほど初期の抵抗率を小さくできるので、層間距離d(002)は、3.358Å以上が好ましく、更に3.38Å以上、3.40Å以上が好ましい。
実施形態1の電極は、層間距離d(002)が3.452Å以下である炭素材からなるため、この電極を備えることで、経時的な抵抗率の増大を低減でき、運転初期から長期に亘り、低抵抗なRF電池1やRF電池システムSとすることができる。実施形態1の電極は、経時的に酸化劣化し難く、酸化劣化などの劣化による反応場の減少を抑制できるからである。層間距離d(002)が小さいほど経時的な抵抗率の増大を抑制できるので、層間距離d(002)は、3.45Å以下が好ましく、3.445Å以下がより好ましく、更に3.44Å以下が好ましい。
層間距離d(002)の測定には、公知のX線回折装置を利用できる。測定条件の詳細については後述する。
層間距離d(002)が上記範囲を満たす炭素材は、代表的には、黒鉛結晶構造、擬黒鉛結晶構造を有する。また、このような炭素材からなる多孔体とは、1200℃以上1800℃以下程度、更にはそれ以上(例えば2000℃以上)の高温で炭化処理された高温処理炭素材からなる多孔体などである。
・酸素量
上述のように層間距離d(002)が大きいほど低抵抗なRF電池1やRF電池システムSとすることができる。しかし、本発明者らは、炭素材表面に極微量の酸素が特定の範囲の量で存在する電極は、層間距離d(002)がある程度小さくても、初期の抵抗率を小さくできるとの知見を得た。ここで、一般に、炭素材は疎水性であり、炭素材からなる電極は親水性に劣る。しかし、炭素材表面に特定の範囲の量で酸素が存在すると電解液との親水性を高められると考えられる。親水性が高められると電極内に電解液が隅々まで浸透できて反応場を十分に確保できる結果、初期の抵抗率を小さくできると考えられる。
上述のように層間距離d(002)が大きいほど低抵抗なRF電池1やRF電池システムSとすることができる。しかし、本発明者らは、炭素材表面に極微量の酸素が特定の範囲の量で存在する電極は、層間距離d(002)がある程度小さくても、初期の抵抗率を小さくできるとの知見を得た。ここで、一般に、炭素材は疎水性であり、炭素材からなる電極は親水性に劣る。しかし、炭素材表面に特定の範囲の量で酸素が存在すると電解液との親水性を高められると考えられる。親水性が高められると電極内に電解液が隅々まで浸透できて反応場を十分に確保できる結果、初期の抵抗率を小さくできると考えられる。
そこで、実施形態1の電極は、酸素含有量が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、酸素含有量は1μmol/g以上100μmol/g以下が好ましい。ここでの酸素含有量とは、加熱発生ガス質量分析(Temperature Programmed Desorption/Mass Spectrometry;TPD−MS)を用いて測定する量であり、試料から発生する一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)を分析し、CO及びCO2に含まれる合計酸素量とする。ここでは、この合計酸素量をCO及びCO2由来の酸素含有量と呼ぶ。CO及びCO2由来の酸素含有量の測定には、公知のTPD−MS装置を利用できる。測定条件の詳細は後述する。
CO及びCO2由来の酸素含有量が1μmol/g以上である電極は電解液との親水性に優れるため、この電極を備えることで、初期の抵抗率が低いRF電池1やRF電池システムSとすることができる。CO及びCO2由来の酸素含有量が多いほど親水性を高められるので、CO及びCO2由来の酸素含有量は、5μmol/g以上がより好ましく、更に10μmol/g以上が好ましい。CO及びCO2由来の酸素含有量が100μmol/g以下である電極はその表面に過剰に酸素が存在せず、過剰酸素による導電性の低下を抑制できるため、この電極を備えることで、初期の抵抗率が低いRF電池1やRF電池システムSとすることができる。CO及びCO2由来の酸素含有量が少ないほど導電性の低下を抑制できるので、CO及びCO2由来の酸素含有量は、80μmol/g以下がより好ましく、更に60μmol/g以下が好ましい。CO及びCO2由来の酸素含有量が上記の特定の範囲である電極を備えることで、運転初期から長期に亘り、初期の抵抗率のような低抵抗を維持できるRF電池1やRF電池システムSとすることができる。
なお、TPD−MSは、測定試料が水や、硫酸などの酸などに一旦浸漬されていても、水や酸などによる影響を受け難く、測定試料に含まれる酸素などを精度よく測定可能な方法である。そのため、TPD−MSによるCO及びCO2由来の酸素含有量の測定は、RF電池1に組み込む前の電解液が含浸されていない電極は勿論、RF電池システムSに組み付けられて電解液に含浸された後の電極であっても精度よく行えると期待できる。
・抵抗率
実施形態1の電極は、層間距離d(002)が特定の範囲であるため、初期の抵抗率が小さいRF電池1とすることができる。実施形態1の電極を備えるRF電池1の初期の抵抗率は、例えば1.8Ω・cm2以下である。初期の抵抗率が小さいほど電池反応性に優れるRF電池1やRF電池システムSとすることができるため、初期の抵抗率は1.6Ω・cm2以下がより好ましく、更に1.5Ω・cm2以下であることが好ましい。
実施形態1の電極は、層間距離d(002)が特定の範囲であるため、初期の抵抗率が小さいRF電池1とすることができる。実施形態1の電極を備えるRF電池1の初期の抵抗率は、例えば1.8Ω・cm2以下である。初期の抵抗率が小さいほど電池反応性に優れるRF電池1やRF電池システムSとすることができるため、初期の抵抗率は1.6Ω・cm2以下がより好ましく、更に1.5Ω・cm2以下であることが好ましい。
・製造
実施形態1の電極は、炭素材からなる多孔体の製造に利用されている公知の製造方法を利用して製造可能である。代表的には、炭素元素(C)を含む炭素含有物を原料として、原料に炭化処理を施した後、乾式酸化処理を行うことにより、炭素材からなる多孔体を製造することができる。
実施形態1の電極は、炭素材からなる多孔体の製造に利用されている公知の製造方法を利用して製造可能である。代表的には、炭素元素(C)を含む炭素含有物を原料として、原料に炭化処理を施した後、乾式酸化処理を行うことにより、炭素材からなる多孔体を製造することができる。
炭素含有物としては、ポリアクリロニトリル、ピッチ、レーヨンなどが挙げられる。
炭化処理の条件としては、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気又は窒素ガス雰囲気中で、1800℃超、更に1900℃以上、2000℃以上の温度で加熱することが挙げられる。加熱温度を1800℃超とすることで、層間距離d(002)を上述のように比較的小さくできる。
乾式酸化処理の条件としては、例えば、大気雰囲気で、400℃以上800℃以下程度の温度で加熱することが挙げられる。
炭化処理の条件としては、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気又は窒素ガス雰囲気中で、1800℃超、更に1900℃以上、2000℃以上の温度で加熱することが挙げられる。加熱温度を1800℃超とすることで、層間距離d(002)を上述のように比較的小さくできる。
乾式酸化処理の条件としては、例えば、大気雰囲気で、400℃以上800℃以下程度の温度で加熱することが挙げられる。
・負極電極
負極電極10aは公知の電極を利用できる。負極電極10aを実施形態1の電極以外のもの、例えば層間距離d(002)が3.452Å超である炭素材からなる多孔体とすると、初期の抵抗率をより低くし易い。
正極電極10c及び負極電極10aの双方を実施形態1の電極とすることもできる。
負極電極10aは公知の電極を利用できる。負極電極10aを実施形態1の電極以外のもの、例えば層間距離d(002)が3.452Å超である炭素材からなる多孔体とすると、初期の抵抗率をより低くし易い。
正極電極10c及び負極電極10aの双方を実施形態1の電極とすることもできる。
(電解液)
RF電池システムSは電解液を備える。電解液は、活物質になるイオンとして金属イオンや非金属イオンを含み、電極10に供給される。RF電池システムSが備える電解液としては、例えば、正極活物質及び負極活物質として価数の異なるバナジウム(V)イオンを含むV系電解液が挙げられる。
RF電池システムSは電解液を備える。電解液は、活物質になるイオンとして金属イオンや非金属イオンを含み、電極10に供給される。RF電池システムSが備える電解液としては、例えば、正極活物質及び負極活物質として価数の異なるバナジウム(V)イオンを含むV系電解液が挙げられる。
・正極電解液
特に、実施形態1のRF電池システムSは、正極活物質として、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する正極電解液を備える。上記イオンの標準酸化還元電位は、バナジウムイオンの標準酸化還元電位(1.0V)よりも高く、塩素イオンの標準酸化還元電位は約1.3V、マンガンイオンの標準酸化還元電位は約1.5V、臭素イオンの標準酸化還元電位は約1.05V、セリウムイオンの標準酸化還元電位は約1.8Vである。そのため、実施形態1のRF電池システムSは高い起電力を有する。
特に、実施形態1のRF電池システムSは、正極活物質として、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する正極電解液を備える。上記イオンの標準酸化還元電位は、バナジウムイオンの標準酸化還元電位(1.0V)よりも高く、塩素イオンの標準酸化還元電位は約1.3V、マンガンイオンの標準酸化還元電位は約1.5V、臭素イオンの標準酸化還元電位は約1.05V、セリウムイオンの標準酸化還元電位は約1.8Vである。そのため、実施形態1のRF電池システムSは高い起電力を有する。
正極電解液は、上記の4種のイオンのうち、1種のイオンのみ含む形態、又は2種以上のイオンを含む形態とすることができる。後者の形態は貴な電位のイオンと卑な電位のイオンとを含むため、活物質の利用率を高められて、エネルギー密度の向上に寄与できる。正極電解液中の正極活物質イオンの濃度(複数種のイオンを含む場合には合計濃度)は、例えば0.3M以上5M以下程度である。イオンの濃度における「M」はモル濃度(mol/リットル)を意味し、以下同様である。
特に、正極電解液が正極活物質としてマンガンイオンを含むと、V系RF電池よりも起電力が高いRF電池システムSとすることができて好ましい。更に、正極電解液がマンガンイオンに加えてチタンイオンを含有すると、マンガン酸化物の析出を抑制できて、マンガンイオンの酸化還元反応を安定して行えてより好ましい。正極電解液中のチタンイオンの濃度は、例えば0.3M以上2M以下程度である。
・負極電解液
負極活物質としては、例えば、チタンイオン、バナジウムイオン、及びクロムイオンから選択される少なくとも一種のイオンが挙げられる。列挙した3種のイオンはいずれも、上述の正極活物質として列挙した4種のイオンと共に起電力が高いレドックス対を形成できる。このようなレドックス対を含む電解液を備えるRF電池システムSでは、高い起電力が得られる。
負極活物質としては、例えば、チタンイオン、バナジウムイオン、及びクロムイオンから選択される少なくとも一種のイオンが挙げられる。列挙した3種のイオンはいずれも、上述の正極活物質として列挙した4種のイオンと共に起電力が高いレドックス対を形成できる。このようなレドックス対を含む電解液を備えるRF電池システムSでは、高い起電力が得られる。
負極電解液は、上記の3種のイオンのうち、1種のイオンのみを含む形態、又は2種以上のイオンを含む形態とすることができる。後者の形態は、上述のように活物質の利用率を高められて、エネルギー密度の向上に寄与できる。負極電解液中の活物質イオンの濃度(複数種のイオンを含む場合には合計濃度)は、例えば0.3M以上5M以下程度である。
特に、正極電解液が正極活物質としてマンガンイオンを含み、負極電解液が負極活物質としてチタンイオンを含むMn−Ti系RF電池は、1.4V程度の起電力が得られるため、好ましい。また、Mn−Ti系RF電池は、負極電解液から正極電解液に経時的に移動したチタンイオンをマンガン酸化物の析出抑制に利用できると期待できる。
正極電解液と負極電解液の双方にマンガンイオンとチタンイオンの双方を含む形態とすることができ、特に正極電解液と負極電解液の組成が同一となるようにすることができる。この形態は、(1)経時的な活物質の低減による電池容量の減少を回避し易い、(2)液移りによる正極電解液と負極電解液の液量のばらつきを是正し易い、(3)対極へのマンガンイオン及びチタンイオンの移動に起因する濃度の変化を防止し易い、(4)電解液を製造し易い、といった効果を奏する。
・電解液の溶媒など
上述の正極電解液及び負極電解液のそれぞれに含まれるイオンはいずれも水溶性イオンである。そこで、正極電解液及び負極電解液のそれぞれは、溶媒を水とする水溶液とすることができる。また、正極電解液及び負極電解液のそれぞれは、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸から選択される少なくとも1種の酸を含む水溶液とすることができる。例えば、活物質の原料に各種の酸塩を用いて水に溶解することで、上述の酸水溶液を含む電解液を容易に製造できる。
上述の正極電解液及び負極電解液のそれぞれに含まれるイオンはいずれも水溶性イオンである。そこで、正極電解液及び負極電解液のそれぞれは、溶媒を水とする水溶液とすることができる。また、正極電解液及び負極電解液のそれぞれは、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸から選択される少なくとも1種の酸を含む水溶液とすることができる。例えば、活物質の原料に各種の酸塩を用いて水に溶解することで、上述の酸水溶液を含む電解液を容易に製造できる。
(その他の構成部材)
・フレームアッシー
双極板12は、電気抵抗が小さい導電性材料であって、電解液と反応せず、電解液に対する耐性(耐薬品性、耐酸性など)を有するもの、代表的には炭素材を含むもので構成される。例えば、炭素材と有機材とを含有する複合材料、より具体的には黒鉛などの導電性無機材(粉末や繊維など)とポリオレフィン系有機化合物や塩素化有機化合物などの有機材とを含む導電性プラスチックなどを板状に成形したものを利用できる。
枠体150は、電解液に対する耐性、電気絶縁性に優れる樹脂などで構成される。
・フレームアッシー
双極板12は、電気抵抗が小さい導電性材料であって、電解液と反応せず、電解液に対する耐性(耐薬品性、耐酸性など)を有するもの、代表的には炭素材を含むもので構成される。例えば、炭素材と有機材とを含有する複合材料、より具体的には黒鉛などの導電性無機材(粉末や繊維など)とポリオレフィン系有機化合物や塩素化有機化合物などの有機材とを含む導電性プラスチックなどを板状に成形したものを利用できる。
枠体150は、電解液に対する耐性、電気絶縁性に優れる樹脂などで構成される。
・隔膜
隔膜11としては、例えば、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜といったイオン交換膜が挙げられる。イオン交換膜は、(1)正極活物質のイオンと負極活物質のイオンとの隔離性に優れる、(2)電池セル100内での電荷担体であるH+イオンの透過性に優れる、といった特性を有しており、隔膜11に好適に利用できる。隔膜11には、公知の隔膜を利用できる。
隔膜11としては、例えば、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜といったイオン交換膜が挙げられる。イオン交換膜は、(1)正極活物質のイオンと負極活物質のイオンとの隔離性に優れる、(2)電池セル100内での電荷担体であるH+イオンの透過性に優れる、といった特性を有しており、隔膜11に好適に利用できる。隔膜11には、公知の隔膜を利用できる。
・効果
実施形態1の電極は、特定の結晶構造を有する炭素材からなる多孔体から構成されるため、RF電池1の構成部材、特に正極電極10cに利用された場合に経時的な抵抗率の増大を抑制できる。従って、実施形態1の電極は、長期に亘り劣化し難く、良好な特性を維持できるRF電池1やRF電池システムSの構築に寄与できる。
実施形態1の電極は、特定の結晶構造を有する炭素材からなる多孔体から構成されるため、RF電池1の構成部材、特に正極電極10cに利用された場合に経時的な抵抗率の増大を抑制できる。従って、実施形態1の電極は、長期に亘り劣化し難く、良好な特性を維持できるRF電池1やRF電池システムSの構築に寄与できる。
実施形態1のRF電池システムSは、正極電解液がバナジウムイオンの標準酸化還元電位よりも高いマンガンイオンなどを含むが、正極電極10cとして実施形態1の電極を備えるため、正極電極10cが経時的に酸化劣化などし難く、電極10の劣化に起因する抵抗率の増大を抑制できる。従って、実施形態1のRF電池システムSは、長期に亘り、良好な特性を維持できる。実施形態1の電極の効果、実施形態1のRF電池システムSの効果を以下の試験例で具体的に説明する。
[試験例1]
種々の炭素材から構成される多孔体を用意して、X線回折で炭素材の結晶構造を調べ、TDP−MSで酸素含有量を調べた。用意した多孔体を電極に用いてRF電池システムを構築し、経時的な抵抗率の変化を調べた。
種々の炭素材から構成される多孔体を用意して、X線回折で炭素材の結晶構造を調べ、TDP−MSで酸素含有量を調べた。用意した多孔体を電極に用いてRF電池システムを構築し、経時的な抵抗率の変化を調べた。
この試験では、4種類の炭素材から構成される多孔体を用意し、各多孔体から構成した電極をそれぞれ電極A〜電極Dと呼ぶ。各電極は、ポリアクリロニトリルなどの炭素含有物に炭化処理、乾式酸化処理を順に施して製造されたものであり、処理条件が以下のように異なる。
電極Dは、公知の電極である。
炭化処理の条件は、電極A,Bでは加熱温度が2000℃以上であり、電極C,Dは1800℃以下である。
乾式酸化処理の条件は、電極Bでは公知の条件である。電極Aについては、大気中、500℃×1時間の熱処理をすることにより乾式酸化処理を行った。
電極Cは、電極Dに、上記の電極Aの条件で乾式酸化処理を施したものである。
電極Dは、公知の電極である。
炭化処理の条件は、電極A,Bでは加熱温度が2000℃以上であり、電極C,Dは1800℃以下である。
乾式酸化処理の条件は、電極Bでは公知の条件である。電極Aについては、大気中、500℃×1時間の熱処理をすることにより乾式酸化処理を行った。
電極Cは、電極Dに、上記の電極Aの条件で乾式酸化処理を施したものである。
用意した各電極からX線回折測定用の試料を採取し、以下の測定条件でX線回折を行った。得られた炭素材の(002)面の回折ピークから、層間距離d(002)(Å)を求めた。その結果を表1に示す。測定には、市販のX線回折装置を利用した。
[使用光源]
Cu−Kα(多層ミラー)
[励起条件]
45kV,40mA
[走査方法]
θ−2θスキャン
[測定範囲]
2θ=18°〜32°、0.02°step,2秒/step
[使用光源]
Cu−Kα(多層ミラー)
[励起条件]
45kV,40mA
[走査方法]
θ−2θスキャン
[測定範囲]
2θ=18°〜32°、0.02°step,2秒/step
用意した各電極から酸素含有量測定用の試料を採取して、以下の測定条件でTPD−MSを行った。発生したガス中に含まれるCO,CO2を分析し、スペクトルを積分してCO及びCO2由来の酸素含有量(μmol/g)を求めた。その結果を表1に示す。測定には、市販のTPD−MS装置を利用した。
[試料量]
20mg〜50mg
[昇温条件]
Heガスフロー中で昇温。
室温(20℃〜25℃程度)から1000℃までの温度域の昇温速度は10℃/分。
[試料量]
20mg〜50mg
[昇温条件]
Heガスフロー中で昇温。
室温(20℃〜25℃程度)から1000℃までの温度域の昇温速度は10℃/分。
用意した各電極は、高温処理炭素材から構成されており、擬黒鉛結晶構造を有することから、上述の酸素含有量の測定には、「A quantitative analysis of carbon edge sites and an estimation of graphene sheet size in high−temperature treated, non−porous carbons」、Carbon、Volume 80, December 2014, P135−P145に記載される手法などを参照することができる。
この試験では、正極電極として電極A〜電極Dのいずれか1つを備え、負極電極として電極Cを備えるRF電池システムを合計4体構築した。作製した各RF電池システムについて、以下の充放電試験条件で充放電を2週間行った。
各RF電池の正極電極及び負極電極のいずれも、電極面積は9cm2とした。
各RF電池の隔膜には、Nafion(登録商標)、N212を用いた。
正極電解液及び負極電解液の双方にマンガンイオンとチタンイオンとを含む硫酸水溶液を用いた。この電解液は、原料に硫酸マンガン、硫酸チタン、硫酸を用いて作製した。
各RF電池の隔膜には、Nafion(登録商標)、N212を用いた。
正極電解液及び負極電解液の双方にマンガンイオンとチタンイオンとを含む硫酸水溶液を用いた。この電解液は、原料に硫酸マンガン、硫酸チタン、硫酸を用いて作製した。
<充放電試験条件>
[電解液中のイオンの濃度]
チタン(Ti)イオンの濃度は1M、マンガン(Mn)イオンの濃度は1M、硫黄(S)イオンの濃度は5Mとした。硫黄(S)イオンは、硫酸イオンを含む。
[電解液の流量]
電解液の流量は5.4ミリリットル/分、正極電解液量及び負極電解液量はいずれも15ミリリットルとした。
[切替電圧]
放電終了は1V、充電終了は1.5Vとした。
[電流]
630mA(定電流充放電)
[電解液中のイオンの濃度]
チタン(Ti)イオンの濃度は1M、マンガン(Mn)イオンの濃度は1M、硫黄(S)イオンの濃度は5Mとした。硫黄(S)イオンは、硫酸イオンを含む。
[電解液の流量]
電解液の流量は5.4ミリリットル/分、正極電解液量及び負極電解液量はいずれも15ミリリットルとした。
[切替電圧]
放電終了は1V、充電終了は1.5Vとした。
[電流]
630mA(定電流充放電)
この試験では、充放電曲線によってセル抵抗率を求め、10サイクル目のセル抵抗率を初期の抵抗率(Ω・cm2)とし、2週間連続運転後のセル抵抗率を所定時間経過後の抵抗率(Ω・cm2)として求めた。その結果を表1及び図1に示す。
図1は横軸が炭素材の層間距離d(002)(Å)であり、縦軸が抵抗率(Ω・cm2)である。各試料の初期の抵抗率を塗潰しのマーカー、所定時間経過後の抵抗率を白抜きのマーカーで示す。
表1及び図1が示すように、電極を構成する炭素材の層間距離d(002)が小さければ、RF電池の経時的な抵抗率の増加を低減できることが分かる。ここでは、層間距離d(002)が3.46Å未満であれば、経時的な抵抗率の増加量を0.5Ω・cm2未満にできることが分かる。更に、試料No.1−1,1−2の結果が示すように、層間距離d(002)が3.44Å以下程度であれば、経時的な抵抗率の増加量を0.01Ω・cm2以下と非常に小さくできることが分かる。この試験では、正極電極の使用環境が、正極電解液に標準酸化還元電位が高いマンガンイオンを含むことで酸化劣化し易い状態であるが、上述の結果が得られた理由の一つは、正極電極の酸化劣化が抑制できたためである、と考えられる。
経時的な抵抗率の増加量は少ないほど好ましく、具体的には、経時的な抵抗率の増加量は0.3Ω・cm2以下が好ましく、0.2Ω・cm2以下がより好ましい。層間距離d(002)と経時的な抵抗率の増加量とは相関すると考えると、経時的な抵抗率の増加量が0.3Ω・cm2以下を満たすためには、層間距離d(002)は3.452Å以下であることが好ましく、経時的な抵抗率の増加量が0.2Ω・cm2以下を満たすためには、層間距離d(002)は3.448Å以下であることが好ましい。一方、層間距離d(002)が小さ過ぎると初期の抵抗率が大きくなり過ぎるため、層間距離d(002)は3.354Å以上が好ましく、3.40Å以上がより好ましい。
更に、表1及び図1が示すように、層間距離d(002)がある程度小さくても、特定の範囲内であれば初期の抵抗率も低くできることが分かる。ここでは、試料No.1−1,1−2の結果が示すように、層間距離d(002)は3.46Å未満であるが、初期の抵抗率は2Ω・cm2未満である。上述のように経時的な抵抗率の増加量が小さい上に初期の抵抗率が小さく、所定時間経過後の抵抗率が小さい試料No.1−1,1−2のRF電池システムは、長期に亘り、良好な特性を維持しているといえる。
特に、表1が示すように、層間距離d(002)が同じであっても、CO及びCO2由来の酸素含有量が多ければ、初期の抵抗率を更に低くできることが分かる。ここでは、CO及びCO2由来の酸素含有量が0.5μmol/g超であれば、初期の抵抗率を低減できることが分かる。この理由の一つは、電極を構成する炭素材表面に適切量の酸素が存在し、この酸素によって電極における電解液との親水性を高められて、導電性・反応性に優れる電極になっていたためである、と考えられる。
初期の抵抗率は低いほど好ましいことから、CO及びCO2由来の酸素含有量は1μmol/g以上が好ましい。一方、CO及びCO2由来の酸素含有量が多過ぎると過剰酸素によって導電性を低下させて初期の抵抗率が増大するため、100μmol/g以下が好ましい。
以上のことから、RF電池用電極を、炭素材からなる多孔体を用いて形成する場合に、炭素材が特定の結晶構造を有することで、経時的な抵抗率の増大を低減できるRF電池やRF電池システムを構築できることが示された。また、このような電極を正極電極に用いることで、Mn−Ti系電解液を利用しても経時的な抵抗率の増大を抑制して、長期に亘り、良好な特性を有するRF電池システムを構築できることが示された。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、試験例1で作製したRF電池システムに対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
1.正極電解液の組成と負極電解液の組成(イオン種、濃度など)とを異ならせる。
2.溶媒に用いる酸の種類及び酸の濃度の少なくとも一方を変更する。
3.電極の大きさを変更する。
4.隔膜の材質を変更する。
1.正極電解液の組成と負極電解液の組成(イオン種、濃度など)とを異ならせる。
2.溶媒に用いる酸の種類及び酸の濃度の少なくとも一方を変更する。
3.電極の大きさを変更する。
4.隔膜の材質を変更する。
S レドックスフロー電池システム 1 レドックスフロー電池
10 電極 10c 正極電極 10a 負極電極 11 隔膜 12 双極板
100 電池セル
15 フレームアッシー 150 枠体
152c,152a 給液孔 154c,154a 排液孔
170 エンドプレート 172 連結部材
106 正極タンク 107 負極タンク 108〜111 配管
112,113 ポンプ
200 交流/直流変換器 210 変電設備 300 発電部 400 負荷
10 電極 10c 正極電極 10a 負極電極 11 隔膜 12 双極板
100 電池セル
15 フレームアッシー 150 枠体
152c,152a 給液孔 154c,154a 排液孔
170 エンドプレート 172 連結部材
106 正極タンク 107 負極タンク 108〜111 配管
112,113 ポンプ
200 交流/直流変換器 210 変電設備 300 発電部 400 負荷
Claims (6)
- 炭素材からなる多孔体を備え、
X線回折によって測定した前記炭素材の(002)面の層間距離が3.354Å以上3.452Å以下であるレドックスフロー電池用電極。 - 塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有する正極電解液を備えるレドックスフロー電池システムに用いられる請求項1に記載のレドックスフロー電池用電極。
- 加熱発生ガス質量分析によって測定した一酸化炭素及び二酸化炭素由来の酸素含有量が1μmol/g以上100μmol/g以下である請求項1又は請求項2に記載のレドックスフロー電池用電極。
- 正極電極と、負極電極と、前記正極電極に供給される正極電解液と、前記負極電極に供給される負極電解液とを備え、
前記正極電極は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池用電極であり、
前記正極電解液は、塩素イオン、マンガンイオン、臭素イオン、及びセリウムイオンから選択される少なくとも一種のイオンを含有するレドックスフロー電池システム。 - 前記正極電解液は、マンガンイオンを含む請求項4に記載のレドックスフロー電池システム。
- 前記負極電解液は、チタンイオンを含む請求項5に記載のレドックスフロー電池システム。
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