JP2016186853A - バナジウムレドックス電池 - Google Patents

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朝雄 山村
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Abstract

【課題】負極で発生した水素を減少させることが可能であり、電池容量や電池出力の低下を防止することのできるバナジウムレドックス電池を提供する。
【解決手段】バナジウムレドックス電池10は、酸化還元反応によって、5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する正極活物質を含む正極20と、酸化還元反応によって、2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する負極活物質を含む負極30と、正極20と負極30とを区画するとともに、水素イオンを通過させる隔膜12と、電解液と、を含む。正極20は、炭素材料を含む。炭素材料の表面に、水素酸化触媒が担持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、バナジウムレドックス電池に関する。
従来、二次電池の1つとして、バナジウムを活物質として用いたバナジウム・レドックスフロー電池が知られている(特許文献1)。バナジウム・レドックスフロー電池は、電解質溶液中における活物質の酸化還元反応を利用して充放電を行うことのできる電池である。
特に、活物質として2価、3価、4価、及び5価のバナジウムイオンを用いるとともに、タンクに貯蔵したバナジウムの硫酸溶液をセルとの間で循環させるバナジウム・レドックスフロー電池は、大型電力貯蔵分野で使用されている。
バナジウム・レドックスフロー電池は、正極側の活物質である正極液を収容する正極液タンク、負極側の活物質である負極液を収容する負極液タンク、及び、充放電を行うスタックとからなる。正極液及び負極液は、ポンプによってセルとタンクの間を循環する。スタックは、正極、負極、及び、それらを仕切るイオン交換膜を備えている。正極液中及び負極液中の電池反応式は、それぞれ、以下の式(1)、(2)の通りである。
正極:VO2+(aq)+HO ⇔ VO (aq)+e+2H …(1)
負極:V3+(aq)+e ⇔ V2+(aq) …(2)
上式(1)及び(2)において、「⇔」は化学平衡を示す。またイオンの隣に記載された(aq)は、そのイオンが溶液中に存在することを意味する。
従来のバナジウム・レドックスフロー電池として、液静止型バナジウムレドックス電池が知られている(特許文献2)。また、バナジウム固体塩電池が知られている(特許文献3)。
本明細書では、バナジウム、バナジウムイオン、バナジウムを含むイオン、あるいはバナジウムを含む化合物を活物質として用いるレドックス電池全般のことを、「バナジウムレドックス電池」と呼ぶ。バナジウム・レドックスフロー電池、液静止型バナジウムレドックス電池、及びバナジウム固体塩電池は、「バナジウムレドックス電池」に含まれる。
米国特許第4,786,567号公報 特開2002−216833号公報 国際公開WO2011/049103号公報
従来のバナジウムレドックス電池では、負極において、水素イオン(H)が電子(e)を受け取ることによって水素が発生し、電池の効率が低下してしまうという問題があった。具体的には、電池の充放電が繰り返されたり、高い充電深度(SOC(State of Charge))の状態で長期間放置されるに従い、負極で発生した水素が蓄積して負極内における水素濃度が上昇し、電池容量が低下するとともに、電池の出力が低下するなどの問題があった。
本発明は、負極で発生した水素を減少させること、及び水素を減少させる際に水素発生時に電子が使われる事により崩れた正極と負極の充電深度(SOC)のバランスを整えることが可能であり、電池容量や電池出力の低下を防止することのできるバナジウムレドックス電池を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
酸化還元反応によって、5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する正極活物質を含む正極と、
酸化還元反応によって、2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する負極活物質を含む負極と、
正極と負極とを区画するとともに、水素イオンを通過させる隔膜と、
電解液と、を含み、
前記正極は、炭素材料を含み、
前記炭素材料の表面に、水素酸化触媒が担持されていることを特徴とする、バナジウムレドックス電池。
酸化還元反応によって、5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する正極活物質を含む正極と、
酸化還元反応によって、2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する負極活物質を含む負極と、
負極と正極とを区画するとともに、水素イオンを通過させる隔膜と、
電解液と、を含み、
正極側の区域内には、炭素材料と、前記炭素材料の表面に担持された水素酸化触媒とを含む触媒体が配置されており、
前記触媒体は、正極側の電極と電気的に絶縁されていることを特徴とする、バナジウムレドックス電池。
本発明のバナジウムレドックス電池は、触媒体と正極側の電極とを電気的に絶縁するための絶縁膜を備えることが好ましい。
水素酸化触媒の量が、水素酸化触媒と炭素材料の合計量に対して0.003wt%〜0.3wt%であることが好ましい。
水素酸化触媒は、白金及びルテニウムのうち少なくとも一方を含むことが好ましい。
水素酸化触媒は、白金及びルテニウムを含み、
ルテニウムの含有量(g)/白金の含有量(g)の値が2以下であることが好ましい。
本発明のバナジウムレドックス電池には、負極で発生した水素ガスを正極に移動させるための水素ガス通過部が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、負極で発生した水素を減少させること、及び水素を減少させる際に水素発生時に電子が使われる事により崩れた正極と負極の充電深度(SOC)のバランスを整えることが可能であり、電池容量や電池出力の低下を防止することのできるバナジウムレドックス電池を提供することができる。
バナジウム固体塩電池の第1の構成例を示している。 バナジウム固体塩電池の第2の構成例を示している。 バナジウム固体塩電池の第3の構成例を示している。 バナジウム固体塩電池の第4の構成例を示している。 PtまたはPtとRuの混合触媒を触媒とカーボンの合計重量に対して0.07wt%添加した際のPt割合と充放電後のセル内残存水素ガス量の関係を示している。 電極の重量に対する添加したPt触媒の重量割合と充放電後のセル内残存水素ガス量の関係を示している。 電極中のカーボン1gに対する添加したPt触媒の重量と充放電後のセル内残存水素ガス量の関係を示している。 電極中のバナジウムイオン1molに対する添加したPt触媒の重量と充放電後のセル内残存水素ガス量の関係を示している。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態のバナジウムレドックス電池は、正極及び負極における活物質として、バナジウム、バナジウムイオン、あるいはバナジウムを含む化合物を用いている。バナジウム(V)は、2価、3価、4価、及び5価を含む複数の酸化状態を取り得る元素である。バナジウムは、電池に有用な程度の大きさの電位差を生じさせる元素である。
バナジウムレドックス電池には、バナジウム・レドックスフロー電池、液静止型バナジウムレドックス電池、及びバナジウム固体塩電池等が含まれる。
以下では、本発明をバナジウム固体塩電池に適用した例について説明する。
本実施形態のバナジウム固体塩電池は、負極活物質及び正極活物質を含む。
負極活物質は、酸化還元反応によって2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む。または、負極活物質は、酸化還元反応によって2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムイオンを含む。または、負極活物質は、酸化還元反応によって2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含有する陽イオンを含む。または、負極活物質は、酸化還元反応によって2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む固体バナジウム塩を含む。または、負極活物質は、酸化還元反応によって2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む錯塩を含む。
正極活物質は、還元酸化反応によって5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む。または、正極活物質は、還元酸化反応によって5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムイオンを含む。または、正極活物質は、酸化還元反応によって5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含有する陽イオンを含む。または、正極活物質は、還元酸化反応によって5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む固体バナジウム塩を含む。または、正極活物質は、還元酸化反応によって5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む錯塩を含む。
バナジウム固体塩電池は、正極及び負極の活物質として固体物質を用いるため、液漏れなどの心配が少ない。また、バナジウム固体塩電池は、正極及び負極の活物質として固体物質を用いるため、安全性に優れ、かつ、高いエネルギー密度を有する。なお、バナジウム固体塩電池においては、活物質が全て固体状態で存在しているとは限らず、活物質が固体と液体の両方の状態で共存していることもある。
バナジウム固体塩電池に用いることのできる負極活物質の例として、硫酸バナジウム(II)・n水和物、及び、硫酸バナジウム(III)・n水和物等が挙げられる。負極活物質は、硫酸水溶液などの電解液に加えられてもよい。
バナジウム固体塩電池に用いることのできる正極活物質の例として、オキシ硫酸バナジウム(IV)・n水和物、及び、ジオキシ硫酸バナジウム(V)・n水和物等が挙げられる。正極活物質は、硫酸水溶液などの電解液に加えられてもよい。
バナジウム固体塩電池の充放電時における正極活物質の反応式は、例えば、以下の式(3)に示す通りである。
正極:VOX・nHO(s)⇔ VOX・mHO(s)+HX+H+e …(3)
バナジウム固体塩電池の充放電時における負極活物質の反応式は、例えば、以下の式(4)に示す通りである。
負極:VX・nHO(s)+e ⇔ 2VX・mHO(s)+X …(4)
上記式(3)及び(4)において、Xは1価の陰イオンを表す。
上記式(3)及び(4)において、nは様々な値をとりうる。たとえば、オキシ硫酸バナジウム(IV)・n水和物とジオキシ硫酸バナジウム(V)・n水和物は、必ずしも同じ個数の水和水を持っているとは限らない。以下に登場する化学反応式や物質名においても同様である。
<第1の構成例>
図1は、バナジウム固体塩電池の第1の構成例を示している。
図1に示すように、バナジウム固体塩電池10は、隔膜12によって仕切られた正極20及び負極30を備えている。正極20には、第1の集電体22が配置されている。負極30には、第2の集電体32が配置されている。第1の集電体22と隔膜12の間には、第1の電極24が配置されている。第2の集電体32と隔膜12の間には、第2の電極34が配置されている。正極20には、正極活物質であるオキシ硫酸バナジウム(IV)・n水和物と硫酸水溶液(電解液)とカーボンの混合物が充填されている。負極30には、負極活物質である硫酸バナジウム(III)・n水和物と硫酸水溶液(電解液)とカーボンの混合物が充填されている。第1の集電体22と第2の集電体32との間に適当な大きさの電気抵抗を接続することによって、電池の放電が行われる。第1の集電体22と第2の集電体32との間に十分な大きさの電圧を印加することによって、電池の充電が行われる。
第1の集電体22は、例えば銅などの導電材料によって形成されている。あるいは、第1の集電体22は、例えば、導電性ゴム、導電性樹脂、DLCによってコーティングされた金属箔によって形成されている。第1の集電体22の形状は、特に制限するものではないが、例えば平板状である。第1の集電体22の表面は、第1の電極24に接している。第1の集電体22が銅によって形成される場合、銅の表面が腐食されないように、銅の表面にカーボンがコーティングされてもよい。あるいは、銅の表面が腐食されないように、銅の表面にグラファイトシートが貼り付けられてもよい。
第2の集電体32は、例えば銅などの導電材料によって形成されている。あるいは、第2の集電体32は、例えば、導電性ゴム、導電性樹脂、DLCによってコーティングされた金属箔によって形成されている。第2の集電体32の形状は、特に制限するものではないが、例えば平板状である。第2の集電体32の表面は、第2の電極34に接している。第2の集電体32が銅によって形成される場合、銅の表面が腐食されないように、銅の表面にカーボンがコーティングされてもよい。あるいは、銅の表面が腐食されないように、銅の表面にグラファイトシートが貼り付けられてもよい。
第1の電極24は、例えば炭素材料などの導電材料によって形成されている。第1の電極24を形成するための炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラッシーカーボン(登録商標)の粉末、黒鉛粉末、多孔質カーボン粉末、活性炭、及び/又は、炭素フェルトを用いることができる。これらの炭素材料の中では、カーボンブラックが特に好ましい。
第1の電極24は、例えば、以下のように製造することができる。
上記した炭素材料、正極活物質、バインダー、及び電解液を混練した後に、この混練物を圧延することでシート状に成形する。このシート状の成形物を所定形状に打ち抜くことによって、第1の電極24を製造することができる。
バインダーとしては、例えば、PTFE、PVDF、フッ素系バインダー、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ゴム系バインダー、アクリル系バインダー、塩素系バインダー、及び/又は、無機系バインダーを用いることができる。
第2の電極34は、例えば炭素材料などの導電材料によって形成されている。第2の電極34を形成するための炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラッシーカーボン(登録商標)の粉末、黒鉛粉末、多孔質カーボン粉末、活性炭、及び/又は、炭素フェルトを用いることができる。これらの炭素材料の中では、カーボンブラックが特に好ましい。
第2の電極34は、例えば、以下のように製造することができる。
上記した炭素材料、負極活物質、バインダー、及び電解液を混練した後に、この混練物を圧延することでシート状に成形する。このシート状の成形物を所定形状に打ち抜くことによって、第2の電極34を製造することができる。
バインダーとしては、例えば、PTFE、PVDF、フッ素系バインダー、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ゴム系バインダー、アクリル系バインダー、塩素系バインダー、及び/又は、無機系バインダーを用いることができる。
隔膜12は、例えば、水素イオン(プロトン)を選択的に通過させることのできるイオン交換膜である。隔膜12は、例えば、多孔質膜等であってもよい。
隔膜12は、例えば、Selemion APS(登録商標)(旭硝子社製)、または、Nafion(登録商標)(デュポン社製)等のイオン交換膜である。または、隔膜12は、例えば、ネオセプタ(登録商標)(アストム社製)等のイオン交換膜である。
本実施形態のバナジウム固体塩電池10において、正極20は、炭素材料からなる第1の電極24を含んでいる。第1の電極24の表面には、水素酸化触媒が担持されている。第1の電極24の表面に水素酸化触媒を担持させるための方法は、特に制限するものではなく、公知の方法を用いることができる。
バナジウム固体塩電池10の充放電によって負極30において発生した水素は、正極20に移動した後、第1の電極24の表面に担持された水素酸化触媒の作用によって酸化される。また、正極20において水素が酸化されるのと同時に、正極20に存在する5価のバナジウムが4価のバナジウムに還元される。具体的には、正極20において、水素酸化触媒の作用により、以下の式(5)及び(6)に示す反応が発生する。
→ 2H+2e …(5)
VO +2H+e → VO2++HO …(6)
第1の電極24(炭素材料)の表面に担持されている水素酸化触媒の量は、水素酸化触媒と炭素材料との合計量に対して、0.003wt%以上である。
第1の電極24に担持される水素酸化触媒の量が上記の範囲である場合、負極30で発生した水素を水素酸化触媒の作用によって十分に酸化して除去することができる。これにより、電池の充放電を繰り返した場合でも、負極30において水素濃度が上昇することを抑制できるため、負極30で発生した水素によって電池の出力や電池容量が低下することを防止することができる。
本実施形態のバナジウム固体塩電池10には、負極30で発生した水素ガスを正極20に移動させるための水素ガス通過部が設けられてもよい。
例えば、正極20と負極30を仕切る隔膜12には、負極30で発生した水素ガスを正極20に移動させるための水素ガス通過孔が設けられてもよい。
または、図1に示すように、負極30で発生した水素ガスを正極20に移動させるための水素ガス通過用配管26が設けられてもよい。
水素ガス通過部を設ける方法は、上記以外に、以下の方法であってもよい。
(1)隔膜12として、水素ガスを透過させることのできるイオン交換膜を用いる。
(2)隔膜12としてイオン交換膜を用いる。また、図1に示すような水素ガス通過用配管26を設ける。
(3)隔膜12としてイオン交換膜を用いる。また、イオン交換膜の一部に水素ガスを透過させることのできる孔を設ける(あるいは、イオン交換膜の一部を、水素ガスを透過させることのできる半透膜によって構成する)。
第1の電極24に担持される水素酸化触媒は、水素を酸化できる触媒であればよく、例えば、白金、ルテニウム、または、白金とルテニウムの混合物を用いることができる。
特に、水素酸化触媒は、白金及びルテニウムの混合物であることが好ましい。この場合、水素酸化触媒に含まれるルテニウムの含有量(g)/白金の含有量(g)は、2以下であることが好ましく、1以下であることがさらに好ましい。ルテニウムと白金がこのような割合で混合されることによって、負極で発生した水素をより効率的に酸化することができるため、バナジウム固体塩電池10の電池出力や電池容量がさらに向上する。
以上説明したように、本実施形態のバナジウム固体塩電池10によれば、第1の電極24を形成する炭素材料に担持された水素酸化触媒の作用によって、負極30で発生した水素を酸化して除去することができる。これにより、電池の充放電が繰り返されることによって負極30における水素濃度が上昇することを抑制できるため、バナジウム固体塩電池10の出力や容量が低下することを防止することができる。
[第2の構成例]
図2は、バナジウム固体塩電池の第2の構成例を示している。なお、図2では、第1の構成例のバナジウム固体塩電池10と同一の要素には、同一の符号を用いている。以下の説明では、第1の構成例のバナジウム固体塩電池10と同一の要素については、説明を省略する。
図2に示すように、第2の構成例におけるバナジウム固体塩電池40は、第1の電極24とは別に、触媒体42を備えている。触媒体42は、正極20側の区域内に配置されている。正極20側の区域内とは、隔膜12よりも正極20側の区域内であって、正極20に充填された電解液が接触することのできる区域内を意味する。
触媒体42は、炭素材料44と、炭素材料44の表面に担持された水素酸化触媒とを含む。触媒を担持させる炭素材料44としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラッシーカーボン(登録商標)の粉末、黒鉛粉末、多孔質カーボン粉末、活性炭、及び/又は、炭素フェルトを用いることができる。これらの炭素材料の中では、カーボンブラックが特に好ましい。水素酸化触媒としては、上述した第1の構成例と同様に、例えば、白金、ルテニウム、または、白金とルテニウムの混合物を用いることができる。
触媒体42は、第1の電極24から離れて配置されており、かつ、第1の集電体22からも離れて配置されている。これにより、触媒体42は、第1の電極24及び第1の集電体22と電気的に絶縁されている。
第2の構成例のバナジウム固体塩電池40によれば、炭素材料44に担持された水素酸化触媒の作用によって、負極30で発生した水素を酸化して除去することができる。これにより、電池の充放電が繰り返されることによって負極30における水素濃度が上昇することを抑制できるため、バナジウム固体塩電池40の出力や容量が低下することを防止することができる。
[第3の構成例]
図3は、バナジウム固体塩電池の第3の構成例を示している。なお、図3では、第1の構成例のバナジウム固体塩電池10と同一の要素には、同一の符号を用いている。以下の説明では、第1の構成例のバナジウム固体塩電池10と同一の要素については、説明を省略する。
図3に示すように、第3の構成例におけるバナジウム固体塩電池50は、第1の電極24とは別に、触媒体52を備えている。触媒体52は、正極20側の区域内に配置されている。正極20側の区域内とは、隔膜12よりも正極20側の区域内であって、正極20に充填された電解液が接触することのできる区域内を意味する。
触媒体52は、炭素材料54と、炭素材料54の表面に担持された水素酸化触媒とを含む。触媒を担持させる炭素材料54としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラッシーカーボン(登録商標)の粉末、黒鉛粉末、多孔質カーボン粉末、活性炭、及び/又は、炭素フェルトを用いることができる。これらの炭素材料の中では、カーボンブラックが特に好ましい。水素酸化触媒としては、上述した第1の構成例と同様に、例えば、白金、ルテニウム、または、白金とルテニウムの混合物を用いることができる。
触媒体52は、第1の電極24から離れて配置されており、かつ、第1の集電体22からも離れて配置されている。これにより、触媒体52は、第1の電極24及び第1の集電体22と電気的に絶縁されている。
触媒体52と第1の電極24との間には、触媒体52を、第1の電極24及び第1の集電体22から電気的に絶縁するための絶縁膜56が配置されている。絶縁膜56の材料としては、電解液を通すことが可能であり、かつ、電気を通さない材料であれば、どのような材料を用いることも可能である。ただし、絶縁膜56は、5価のバナジウムイオン、4価のバナジウムイオン、及びそれらを含む陽イオンを透過させることができる必要がある。絶縁膜56の材料としては、例えば、樹脂製の織布や不織布などを用いることが可能である。
第3の構成例のバナジウム固体塩電池50によれば、炭素材料54に担持された水素酸化触媒の作用によって、負極30で発生した水素を酸化して除去することができる。これにより、電池の充放電が繰り返されることによって負極30における水素濃度が上昇することを抑制できるため、バナジウム固体塩電池50の出力や容量が低下することを防止することができる。
[第4の構成例]
図4は、バナジウム固体塩電池の第4の構成例を示している。なお、図4では、第1の構成例のバナジウム固体塩電池10と同一の要素には、同一の符号を用いている。以下の説明では、第1の構成例のバナジウム固体塩電池10と同一の要素については、説明を省略する。
図4に示すように、第4の構成例におけるバナジウム固体塩電池60は、第1の電極24とは別に、触媒体62を備えている。触媒体62は、正極20側の区域内に配置されている。正極20側の区域内とは、隔膜12よりも正極20側の区域内であって、正極20に充填された電解液が接触することのできる区域内を意味する。
触媒体62は、炭素材料64と、炭素材料64の表面に担持された水素酸化触媒とを含む。触媒を担持させる炭素材料64としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラッシーカーボン(登録商標)の粉末、黒鉛粉末、多孔質カーボン粉末、活性炭、及び/又は、炭素フェルトを用いることができる。これらの炭素材料の中では、カーボンブラックが特に好ましい。水素酸化触媒としては、上述した第1の構成例と同様に、例えば、白金、ルテニウム、または、白金とルテニウムの混合物を用いることができる。
触媒体62は、袋状に形成された絶縁膜66に収容されており、絶縁膜66によって周囲を覆われている。したがって、触媒体62は、絶縁膜66によって第1の集電体22と絶縁されており、かつ、第1の電極24と絶縁されている。絶縁膜66の材料としては、電解液を通すことが可能であり、かつ、電気を通さない材料であれば、どのような材料を用いることも可能である。ただし、絶縁膜66は、5価のバナジウムイオン、4価のバナジウムイオン、及びそれらを含む陽イオンを透過させることができる必要がある。絶縁膜66の材料としては、例えば、樹脂製の織布や不織布などを用いることが可能である。
第4の構成例のバナジウム固体塩電池60によれば、炭素材料64に担持された水素酸化触媒の作用によって、負極30で発生した水素を酸化して除去することができる。これにより、電池の充放電が繰り返されることによって負極30における水素濃度が上昇することを抑制できるため、バナジウム固体塩電池60の出力や容量が低下することを防止することができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
上記で説明したバナジウム固体塩電池10を作製した。
具体的には、以下の表1に示す組成を有する2つの電極(正極及び負極)を作成し、この2つの電極を用いて電池を作製した。
触媒は、プラチナ(Pt)とルテニウム(Ru)の混合触媒を用いた。プラチナの比率(Pt/(Pt+Ru)×100)が異なる4種類(33%, 40%, 50%, 100%)の電極を用いて電池を作製した。また、比較例として、触媒を含まない電極(0%)を用いて電池を作製した。
上記の表1において、VOSOとは、オキシ硫酸バナジウム(IV)無水物を意味する。V(SOとは、硫酸バナジウム(III)無水物を意味する。
次に、作製した電池の充放電を実施した。充電時の上限電圧は1.7V、下限電圧は0.8Vに設定した。そして、充放電後のセル中の水素ガス量(ppm)をガスクロマトグラフィーにて測定した。測定結果を図5に示す。
図5に示すように、触媒中のプラチナの比率が100%のとき、セル中の残存水素量は最小となった。この結果より、触媒中のプラチナの比率が大きいほど、セル中の残存水素量が少なくなることがわかった。
(実施例2)
上記で説明したバナジウム固体塩電池10を作製した。
具体的には、以下の表2に示す組成を有する2つの電極(正極及び負極)を作成し、この2つの電極を用いて電池を作製した。
触媒は、プラチナ(Pt)を用いた。触媒の量が異なる3種類(0.0013wt%, 0.013wt%, 0.13wt%)の電極を用いて電池を作製した。また、比較例として、触媒を含まない電極(0%)を用いて電池を作製した。
上記の表2において、VOSOとは、オキシ硫酸バナジウム(IV)無水物を意味する。V(SOとは、硫酸バナジウム(III)無水物を意味する。
次に、作製した電池の充放電を実施した。充電時の上限電圧は1.7V、下限電圧は0.8Vに設定した。そして、充放電後のセル中の水素ガス量(ppm)をガスクロマトグラフィーにて測定した。測定結果を図6〜図8に示す。なお、図6は、電極中の触媒の比率(wt%)を横軸としたグラフである。図7は、電極中のカーボン1gに対する触媒の重量(mg)を横軸としたグラフである。図8は、電極中のバナジウム1molに対する触媒の重量(mg)を横軸としたグラフである。図6〜図8は、横軸が異なるが、実質的に同一のグラフである。
図6〜図8に示すように、電極中のプラチナ触媒の比率が最も大きいとき、セル中の残存水素量は最小となった。この結果より、電極中のプラチナの比率が大きいほど、セル中の残存水素量が少なくなることがわかった。
10、40、50、60 バナジウム固体塩電池(バナジウムレドックス電池)
12 隔膜
20 正極
22 第1の電極
24 第1の集電体
30 負極
32 第2の電極
34 第2の集電体
42、52、62 触媒体
44、54、64 炭素材料
56、66 絶縁膜

Claims (7)

  1. 酸化還元反応によって、5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する正極活物質を含む正極と、
    酸化還元反応によって、2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する負極活物質を含む負極と、
    正極と負極とを区画するとともに、水素イオンを通過させる隔膜と、
    電解液と、を含み、
    前記正極は、炭素材料を含み、
    前記炭素材料の表面に、水素酸化触媒が担持されていることを特徴とする、バナジウムレドックス電池。
  2. 酸化還元反応によって、5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は5価及び4価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する正極活物質を含む正極と、
    酸化還元反応によって、2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムイオン又は2価及び3価の間で酸化数が変化するバナジウムを含む陽イオンを含有する負極活物質を含む負極と、
    負極と正極とを区画するとともに、水素イオンを通過させる隔膜と、
    電解液と、を含み、
    正極側の区域内には、炭素材料と、前記炭素材料の表面に担持された水素酸化触媒とを含む触媒体が配置されており、
    前記触媒体は、正極側の電極と電気的に絶縁されていることを特徴とする、バナジウムレドックス電池。
  3. 触媒体と正極側の電極とを電気的に絶縁するための絶縁膜を備える、請求項2に記載のバナジウムレドックス電池。
  4. 水素酸化触媒の量が、水素酸化触媒と炭素材料の合計量に対して0.003wt%〜0.3wt%である、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のバナジウムレドックス電池。
  5. 水素酸化触媒は、白金及びルテニウムのうち少なくとも一方を含む、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載のバナジウムレドックス電池。
  6. 水素酸化触媒は、白金及びルテニウムを含み、
    ルテニウムの含有量(g)/白金の含有量(g)の値が2以下である、請求項5に記載のバナジウムレドックス電池。
  7. 負極で発生した水素ガスを正極に移動させるための水素ガス通過部が設けられている、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のバナジウムレドックス電池。
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