JPWO2017006699A1 - 二酸化バナジウム含有粒子、ならびにこれを含む分散液および光学フィルム、ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および該二酸化バナジウム含有粒子を用いた光学フィルムの透明性を向上しうる手段を提供する。本発明は、バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させることを有する、二酸化バナジウム含有粒子の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、サーモクロミック性に優れる二酸化バナジウム含有粒子、ならびにこれを含む分散液および光学フィルムに関する。また、本発明はこれらの製造方法に関する。
住宅やビル等の建物、および車両のような移動体などの、内部(室内、車両内)と外部環境との間で大きな熱交換が生じる箇所(たとえば窓ガラス)において、省エネ性と、快適性と、を両立するため、サーモクロミック材料の適用が期待されている。
「サーモクロミック材料」とは、たとえば透過性のような光学的な性質を、温度により制御することが可能な材料である。たとえば、建物の窓ガラスにサーモクロミック材料を適用した場合、気温の高い夏には赤外線を反射させて熱を遮断し、気温の低い冬には赤外線を透過させて熱を利用することが可能となる。
現在最も着目されているサーモクロミック材料の一つに、二酸化バナジウム(VO)を含む材料がある。二酸化バナジウムは室温付近での相転移の際に、サーモクロミック特性(温度により光学特性が可逆的に変化する性質、「サーモクロミック性」ともいう)を示すことが知られている。したがって、この特性を利用することにより、環境温度依存型のサーモクロミック特性を示す材料を得ることができる。
ここで、二酸化バナジウムには、A相、B相、C相およびルチル型結晶相(以下、「R相」ともいう)など、いくつかの結晶相の多形が存在する。これらの中でも、前述のようなサーモクロミック特性を100℃以下の比較的低温で示す結晶構造は、R相に限られる。このR相は、相転移温度(約68℃)未満では単斜晶の構造を有し、可視光線および赤外線の透過率が高い。一方、R相は、相転移温度以上では正方晶の構造を有し、単斜晶構造の場合と比べて赤外線の透過率が低いという性質を示す。
このような二酸化バナジウム含有粒子を用いた光学フィルムを、窓ガラス等に応用する場合には、透明性(ヘイズが小さいこと)が要求され、該二酸化バナジウム含有粒子が凝集していないこと、粒子径がナノオーダー(100nm以下)であることが望ましい。
かような二酸化バナジウム含有粒子の製造方法として、水熱反応によりR相の二酸化バナジウム粒子を製造する方法が報告されている。
たとえば、特表2014−505651号公報には、ドーピング二酸化バナジウム粉体(V1−x)の組成をドーピング元素が0<x≦0.5となる組成とすることで、粉体の寸法および形状が制御可能となることが開示されている。また、この公報には、その結果、製造されるドーピング二酸化バナジウム粉体の結晶粒の寸法を小さくし、均一化しうることが開示されている。そして、この公報には、かようなドーピング二酸化バナジウム粉体の製造方法として、水熱反応がより容易に行えるよう処理された反応前駆体を水熱反応オートクレーブに移行して水熱反応を行った後、水熱反応生成物を乾燥分離する方法が開示されている。
しかしながら、特表2014−505651号公報の技術によっては、二酸化バナジウム含有粒子を用いた光学フィルムにおいては十分な透明性が得られなかった。
本発明者らは、検討を進めたところ、特表2014−505651号公報に開示された製造方法によって得られた二酸化バナジウム含有粒子は、粒子径の均一化は十分ではなく、その一部に大粒子径成分が含まれることで、広い粒子径分布を有することを発見した。そして、本発明者らは、二酸化バナジウム含有粒子の粒子径分布が広がることで、該二酸化バナジウム含有粒子を用いた光学フィルムの透明性が低下することを見出した。
また、特表2014−505651号公報の技術は、小平均粒子径の粒子を得るためには、反応に用いるバナジウム含有化合物やバナジウム含有化合物と反応する化合物等の材料を限定する必要があり、汎用性に欠けるものであった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および該二酸化バナジウム含有粒子を用いた光学フィルムの透明性を向上しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を進めた。その結果、以下の手段により上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させた。
バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させることを有する、二酸化バナジウム(VO)含有粒子の製造方法。
平均粒子径(D)が60nm以下であり、多分散指数(PDI)が0.30未満である、二酸化バナジウム(VO)含有粒子。
本発明の好ましい一形態に係るマイクロリアクター型流通式反応装置の一例を示す概略図である。ここで、1は、マイクロリアクター型流通式反応装置を、2、5は、原料液容器を、3、6、11は、配管を、4、7、12は、ポンプを、8は、冷却管を、9、10は、タンクを、13、14、15は、加熱媒体を、16は、マイクロリアクター部を、TCは、温度センサを、それぞれ表す。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
さらに、本明細書において、化合物の具体名における表記「(メタ)アクリル」は「アクリル」および「メタクリル」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」および「メタクリレート」を表す。また、「アクリル樹脂」とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはこれらの誘導体を(共)重合体の構成成分とする樹脂を表す。なお、「アクリル樹脂」には、上記単量体以外に、さらに他の単量体を共重合体の構成成分として有する樹脂も含まれる。
<二酸化バナジウム含有粒子の製造方法>
本発明の一形態に係るサーモクロミック特性を有する二酸化バナジウム(VO)含有粒子の製造方法は、バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させることを有する。本形態に係る製造方法によれば、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および該二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を向上しうる手段が提供される。
本発明者らは、本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子の製造方法によって、上記課題を解決しうるメカニズムを以下のように推測している。
特表2014−505651号公報をはじめ、従来の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、通常、反応温度における飽和蒸気圧にて水熱反応を行っている。かような条件下における長時間の水熱反応では、析出した二酸化バナジウムの微結晶の一部が大きく結晶成長することとなる。その結果、製造された二酸化バナジウム含有粒子は大粒子径の成分を含むこととなり、広い粒子径分布を有することとなる。このとき、たとえ種々の公知の手段を用いて二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径を減少させた場合であっても、二酸化バナジウム含有粒子は、一部の不均一な粒子径成分を含むこととなる。そして、一部の不均一な粒子径成分の存在によって可視光の散乱が促進されることとなるため、従来の方法では該二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を十分改善することは困難である。
また、特表2014−505651号公報の技術に関しては、かような反応条件下において小平均粒子径の粒子を得るためには、所定の元素をドープすることでドーピング二酸化バナジウム粉体の寸法および形状を制御することが必須であり、汎用性に欠けるものであった。
一方、本発明に係る製造方法においては、バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させることを有する。かような条件下においては、詳細なメカニズムは不明であるが、析出した二酸化バナジウムの微結晶の結晶成長が抑制される。これより、本発明に係る製造方法は、製造された二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径を十分に減少させることができ、かつ大粒子径の成分の存在量を著しく減少させることができる。さらに、製造された二酸化バナジウム含有粒子は狭い粒子径分布を両立させることができる。そして、かような二酸化バナジウム含有粒子は、小粒子径化によって得られる大きな表面積に起因して高いサーモクロミック性を有することができ、また、かような二酸化バナジウム含有粒子を含む光学機能層を有する光学フィルムは、小粒子径および粒子径の均一性に起因する可視光の低散乱性に起因する高い透明性を得ることができる。
また、本発明は、かような効果を得るために、特表2014−505651号公報の技術のように所定のドーピング元素をドープすることを必須としない。この理由は、本発明は、所定の元素をドープすることでドーピング二酸化バナジウム粉体の寸法および形状を制御する特表2014−505651号公報の技術とは、本質的にメカニズムが異なるからである。すなわち、本発明に係る製造方法は、二酸化バナジウム含有粒子を形成する原料によって粒子径や粒子径分布を制御することのみを特徴とするものではなく、主に水熱反応条件によって小粒子径化および狭い粒子径分布を達成するものであるからである。これより、本発明に係る製造方法は、特表2014−505651号公報の技術と異なり、汎用性に優れる。
なお、上記メカニズムは推測であり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
本明細書において、「二酸化バナジウム(VO)含有粒子」を「本発明の二酸化バナジウム含有粒子」もしくは「本発明のVO含有粒子」または単に「二酸化バナジウム含有粒子」もしくは「VO含有粒子」とも称する。
また、本明細書において、「サーモクロミック特性を有する二酸化バナジウム(VO)含有粒子」とは、後述の実施例でサーモクロミック性の評価として用いられる特定条件での透過率差(ΔT)(%)が20%以上である二酸化バナジウム含有粒子を意味する。
本明細書においては、バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させることを「水熱反応工程」とも称する。
(a)水熱反応工程
本工程では、バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させる。本工程により、二酸化バナジウム含有粒子が得られる。
バナジウム含有化合物(二酸化バナジウム含有粒子の原料)としては、特に制限されないが、五酸化二バナジウム(V)(V)、バナジン酸アンモニウム(V)(NHVO)、三塩化酸化バナジウム(V)(VOCl)、バナジン酸ナトリウム(V)(NaVO)、シュウ酸バナジル(IV)(VOC)、酸化硫酸バナジウム(以下、硫酸バナジルとも称する)(IV)(VOSO)、四酸化二バナジウム(IV)(V)等を、硫酸等の酸で溶解したものが例示できる。なお、上記のバナジウム含有化合物は、反応液中に溶解していてもよく、分散していてもよい。また、バナジウム含有化合物は1種単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの化合物としては、水和した状態のもの(水和物)を用いてもよい。
バナジウム含有化合物と反応する化合物としては、反応液を水熱反応させることによって二酸化バナジウム含有粒子を製造することができるものであれば特に制限されないが、たとえばアルカリ、および還元剤等が挙げられる。
ここで、水熱反応は、
(a−1)前記バナジウム含有化合物がバナジウム(IV)含有化合物であり、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物が少なくとも1つのアルカリを含む反応液で行われること(以下、方法1ともする)、または
(a−2)前記バナジウム含有化合物がバナジウム(V)含有化合物であり、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物が還元剤(たとえば、ヒドラジンおよびその水和物等)を含む反応液で行われること(以下、方法2とも称する)、
が好ましい。
(a−1)方法1
上記(a−1)において、バナジウム(IV)含有化合物(二酸化バナジウム含有粒子の原料)は、特に制限されず、上記したもの中から適宜選択できる。これらの中でも、水熱反応後に副生成物をできるだけ生成させないとの観点から、酸化硫酸バナジウム(IV)(VOSO)であることが好ましい。なお、バナジウム(IV)含有化合物は1種単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
各原料液を混合して得られる反応液に含まれるバナジウム(IV)含有化合物の初期濃度は、本発明の効果が得られる限りにおいて特に制限されないが、好ましくは0.1〜1000ミリモル/Lである。このような濃度であれば、バナジウム(IV)含有化合物を十分に溶解または分散し、得られる二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(粒径)を小さくし、かつ粒子径(粒度)分布を狭く(多分散指数を低く)して、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性、および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性をより高めることができる。反応液に含まれるバナジウム(IV)化合物の初期濃度は、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径および粒子径分布、すなわち二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性、および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性などの観点から、より好ましくは20〜600ミリモル/Lであり、さらに好ましくは50〜400ミリモル/Lである。なお、上記の「初期濃度」とは、水熱反応前における、反応液1L中のバナジウム(IV)含有化合物量(2種以上のバナジウム(IV)含有化合物を含む場合は、その合計量)である。
上記(a−1)に記載のように、バナジウム(IV)含有化合物と共に使用されうるバナジウム含有化合物と反応する化合物は、アルカリであることが好ましい。すなわち、水熱反応は、バナジウム含有化合物がバナジウム(IV)含有化合物であり、バナジウム含有化合物と反応する化合物が少なくとも1つのアルカリを含む反応液で行われることが好ましい。さらに、バナジウム含有化合物と反応する化合物がアルカリのみからなることがより好ましい。なお、本願明細書において、アルカリとは、水溶液中において水酸化物イオン(OH)を発生させる物質を意味し、化合物自体が電離して水酸化物イオンを生じさせるものだけではなく、化合物自体が電離して水酸化物イオンを生じさせるわけではないが、結果的に水酸化物イオンを生じるものも含まれるものとする。
アルカリとしては、特に制限されないが、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素カリウム等が挙げられる。上記アルカリは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、アルカリは、アンモニア、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムであることが好ましく、アンモニア、または水酸化ナトリウムであることがより好ましく、アンモニアであることがさらに好ましい。
なお、アルカリおよび水を含む原料液中におけるアルカリの量は、特に制限されないが、たとえば0.01〜10mol/Lであることが好ましく、0.1〜5mol/Lであることがより好ましく、0.3〜3mol/Lであることがさらに好ましい。
ここで、各原料液を混合して得られる反応液中のアルカリの量は、特に制限されないが、たとえばバナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液のpHが、6.0〜8.0となる量を添加することが好ましく、6.5〜7.5となる量を添加することがより好ましく、6.8〜7.2となる量を添加することがさらに好ましく、6.9〜7.1となる量を添加することが特に好ましい。
(a−2)方法2
また、上記(a−2)において、バナジウム(V)含有化合物(二酸化バナジウム含有粒子の原料)は、特に制限されず、上記したものの中から適宜選択できる。これらの中でも、水熱反応後に副生成物をできるだけ生成させないとの観点から、五酸化二バナジウム、バナジン酸アンモニウム(NHVO)、または三塩化酸化バナジウムが好ましい。同様の観点から、バナジウム(V)含有化合物は、より好ましくは、五酸化二バナジウムおよびバナジン酸アンモニウムであり、特に好ましくはバナジン酸アンモニウム(NHVO)である。なお、上記バナジウム(V)含有化合物は1種単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
反応液に含まれるバナジウム(V)含有化合物の初期濃度は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて特に制限されないが、好ましくは0.1〜1000ミリモル/Lである。このような濃度であれば、還元剤が効率よく作用し、得られる二酸化バナジウム含有粒子の粒子径を小さくし、かつ粒子径分布を狭く(多分散指数を低く)して、サーモクロミック性をより高めることができる。反応液に含まれるバナジウム(V)化合物の初期濃度は、二酸化バナジウム含有粒子の粒子径および粒子径分布、すなわち二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性などの観点から、より好ましくは20〜600ミリモル/Lであり、さらに好ましくは50〜400ミリモル/Lである。なお、上記の「初期濃度」とは、水熱反応前における、反応液1L中のバナジウム(V)含有化合物量(2種以上のバナジウム(V)含有化合物を含む場合は、その合計量)である。
また、バナジウム(V)含有化合物と共に使用されうるバナジウム含有化合物と反応する化合物は、還元剤であることが好ましい。還元剤としては、たとえば、シュウ酸およびその水和物、ヒドラジン(N)およびその水和物(N・HO)、アスコルビン酸などの水溶性ビタミン類とその誘導体、エリソルビン酸ナトリウム、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、マルトースなどの還元糖が例示できる。上記還元剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの中でも、還元剤としてはヒドラジンまたはその水和物が好ましい。すなわち、水熱反応は、バナジウム含有化合物がバナジウム(V)含有化合物であり、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物がヒドラジンおよびその水和物の少なくとも一方を含む反応液で行われることが好ましい。さらに、バナジウム含有化合物と反応する化合物がヒドラジンおよびその水和物から選択されるいずれか一方のみであることがより好ましく、ヒドラジン水和物のみであることがさらに好ましい。
ここで、各原料液を混合して得られる反応液中の還元剤の量は、バナジウム(V)含有化合物に対して反応時のpHや反応中に分解する量も考慮して当モル以上添加することが好ましい。たとえば、バナジウム(V)含有化合物1モルに対して概ね1.01〜1.50モルであることがより好ましく、1.05〜1.30モルであることがさらに好ましい。
また、バナジウム含有化合物として五酸化二バナジウム(V)(V)を用いる場合は、水熱反応前に、過酸化水素の存在下で前処理を行うことが好ましい。過酸化水素を添加することにより、バナジウム含有化合物を均一に溶解することができる。または、バナジウム含有化合物は、水熱反応前に、過酸化水素、還元剤の存在下で前処理を行ってもよい。過酸化水素による前処理の後に還元剤による還元反応を採用する場合は、過酸化水素、還元剤を順次添加して、たとえば20〜40℃で、必要に応じて攪拌しながら0.5〜10時間程度反応を行うことができる。
なお、各原料液を混合して得られる反応液のpHは使用するバナジウム(V)含有化合物によって好ましいpHが異なり、還元剤の添加量により調整することが好ましい。還元剤の添加量は、たとえばバナジウム(V)含有化合物としてバナジン酸アンモニウム(NHVO)を用いる場合は、pHが8.0〜11.0となる量とすることが好ましく、pHが9.0〜10.0となる量とすることがより好ましい。また、還元剤の添加量は、たとえばバナジウム(V)含有化合物として五酸化二バナジウム、または三塩化酸化バナジウムの場合はpHが3.5〜5.5となる量を添加することが好ましく、pHが4.0〜5.0となる量を添加することがより好ましい。
バナジウム含有化合物および水を含む原料液における水、ならびにバナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液における水は、それぞれ、バナジウム含有化合物およびバナジウム含有化合物と反応する化合物に対する分散媒または溶媒としての機能を有する。各原料液を混合して得られる反応液もまた、溶媒または分散媒として水を含むものとなる。
これらの原料液に含まれる水は不純物の少ないものが好ましく、特に制限されるものではないが、たとえば蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、窒素(N)ナノバブル処理された水等を用いることが好ましく、窒素(N)ナノバブル処理された水を使用することがより好ましい。
また、反応液に含まれる水も、同様に不純物の少ないものが好ましく、特に制限されるものではないが、たとえば蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、窒素(N)ナノバブル処理された水等を用いることが好ましい。ここで、反応液中における前記水が、窒素(N)ナノバブル処理された水であるであることがより好ましい。
ここで、窒素(N)ナノバブル処理された水(Nナノバブル処理水)は、水中に窒素を混合する(バブリングする)ことによって調製される。窒素(N)ナノバブル処理された水の使用は、水の溶存酸素濃度を低下することができるため、得られる二酸化バナジウム含有粒子が再度酸化されることを抑制・防止できる。そして、窒素(N)ナノバブル処理された水の使用は、得られる二酸化バナジウム含有粒子の粒子径をより小さくし、かつ粒子径分布をより狭く(多分散指数を小さく)することができる。ここで、窒素(N)ナノバブル処理された水の溶存酸素濃度は、特に制限されないが、好ましくは2mg/L以下であり、より好ましくは1mg/L以下(下限:0mg/L)である。
ここで、反応液に含まれる水が窒素(N)ナノバブル処理された水である場合、バナジウム含有化合物および水を含む原料液に含まれる水、またはバナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液に含まれる水の少なくとも一方が、窒素(N)ナノバブル処理された水であることによって、反応液に含まれる水が窒素(N)ナノバブル処理された水となることが好ましい。また、各原料液に含まれる水の両方が、窒素(N)ナノバブル処理された水であることによって、反応液に含まれる水が窒素(N)ナノバブル処理された水となることがさらに好ましい。
また、反応液に含まれる水が窒素(N)ナノバブル処理された水であるとの条件は、バナジウム含有化合物および水を含む原料液、およびバナジウム含有化合物および水を含む原料液を混合した後、反応液中の水に対して窒素(N)ナノバブル処理を行うことによって達成されてもよい。
本発明の一形態に係る製造方法としては、反応液が、二酸化バナジウム含有粒子の相転移温度を調節するための元素を含む物質をさらに含む、製造方法である。
ここで、二酸化バナジウム含有粒子の相転移温度を調節するための元素を含む物質(相転移調節物質)の反応液への添加方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。反応液への添加方法としては、バナジウム含有化合物および水を含む原料液に含まれることで添加される方法で添加されることが好ましい。また、水熱反応前の反応液へ直接添加される方法を用いることもできる。
ここで、相転移調節物質は、特に制限されないが、タングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、タンタル、錫、レニウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ゲルマニウム、クロム、鉄、ガリウム、アルミニウム、フッ素、リン等の、バナジウム以外の他の元素を含む物質が使用できる。反応液が上記相転移調節物質を含むことにより、得られる二酸化バナジウム含有粒子の相転移温度を低下させることができる。ここで、相転移調節物質の添加量は特に制限されないが、バナジウム含有化合物に含まれるバナジウムと、相転移調節物質に含まれる他の元素との元素比(原子比率)が、50.0:50.0〜99.9:0.1であることが好ましく、70.0:30.0〜99.5:0.5であることがより好ましく、80.0:20.0〜99.5:0.5であることがさらに好ましく、90.0:10.0〜99.5:0.5であることが特に好ましい。また、相転移調節物質の形態は特に制限されないが、上記他の元素の、酸化物、アンモニウム塩等が例示できる。ここで、相転移調節物質の具体例としては、たとえば、タングステン酸アンモニウムパラ五水和物((NH101241・5HO)等を挙げることができる。
本工程では、反応液を水熱反応させて二酸化バナジウム含有粒子を形成する。なお、「水熱反応」とは、高温の水、特に高温高圧の水の存在の下に行われる鉱物の合成または変質反応、すなわち化学反応を意味する。
本発明における水熱反応は、温度が150℃以上であり、かつ圧力が飽和蒸気圧よりも高い圧力である状態、すなわち水が亜臨界または超臨界状態で存在しているなかで行われることを特徴とする。かような条件により反応を行うことで、常圧高温の場合と異なり、高圧では、水の存在により特異な反応が起こり得ることが知られている。また、シリカやアルミナ等の酸化物の溶解性が向上し、反応速度が向上することも知られている。
本発明においては、かような条件で水熱反応を行うことで、水熱反応によって形成される二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)、および粒子径分布を表す多分散指数(PDI)の値を小さくすることができ、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を向上することができる。
これらの優れた効果は、詳細なメカニズムは不明であるが、かような条件下における水熱反応によって、析出した二酸化バナジウムの微結晶の結晶成長が抑制されることで達成されると推測される。
水熱反応条件は、水が亜臨界または超臨界状態で存在する条件である温度が150℃以上であり、かつ圧力が飽和蒸気圧よりも高い圧力であれば特に制限されず、他の条件(たとえば、反応物の量、反応温度、反応圧力、反応時間など)に応じて適宜設定することができる。
ここで、150℃、250℃、270℃および350℃における飽和水蒸気圧はそれぞれ、0.48MPa、3.98MPa、5.51MPaおよび16.54MPaである。また、温度が374.15℃以上であり、かつ圧力が22.12MPa以上であると、水は超臨界状態となる。
水熱反応条件としては、温度および圧力としては、前述のように150℃以上であり、かつ圧力が飽和蒸気圧よりも高い圧力である状態であれば特に制限されないが、温度が270℃〜450℃であり、圧力が10〜40MPaであり、かつ圧力が設定温度における飽和蒸気圧よりも高い圧力となる条件であることがより好ましい。温度が270℃以上であると、平均粒子径(D)、および多分散指数(PDI)の値をより小さくすることができる。また、温度が450℃以下であると、平均粒子径(D)がより適切な大きさを有することとなり、サーモクロミック性がより向上する。同様の観点から、温度が350〜450℃であり、圧力が20〜40MPaであり、かつ圧力が設定温度における飽和蒸気圧よりも高い圧力となる条件であることがさらに好ましく、温度380〜400℃、圧力25〜30MPaの超臨界水の存在下で水熱反応を行うことが特に好ましい。
水熱反応時間は、特に制限されないが、0.01秒〜48時間であることが好ましい。この条件であれば、粒子径分布の狭い、粒子径の小さい二酸化バナジウム含有粒子をより効率よく製造できる。また、二酸化バナジウム含有粒子の結晶性が低くなる可能性をより低減することができる。なお、上記水熱反応は、同じ条件を用いて1段階で行われても、または条件を変化させて多段階で行われてもよい。
水熱反応は、撹拌されながら行われてもよい。撹拌により、二酸化バナジウム含有粒子をより均一に調製できる。また、水熱反応は、バッチ式で実施してもよく、連続式(流通式)に実施してもよい。
水熱反応は、高圧用反応分解容器、オートクレーブやテストチューブ型反応容器、マイクロリアクター型流通式反応装置等の装置を用いて行うことができる。
これらの中でも、マイクロリアクター型流通式反応装置を用いることがより好ましい。
これより、本発明の好ましい一形態は、水熱反応は、マイクロリアクター型流通式反応装置を用いて行われる製造方法である。
以下、マイクロリアクター型流通式反応装置を用いて水熱反応を行う好ましい形態を説明する。なお、本発明は下記形態に限定されない。
マイクロリアクター型流通式反応装置とは、マイクロリアクターを備えた流通式反応装置である。
ここで、マイクロリアクターとは、微小な空間を活用し、高速混合および反応を実現する混合および反応器を意図する。
マイクロリアクターを用いて、水熱反応を高圧下、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で実施することにより、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)、および多分散指数(PDI)の値を極めて小さくすることが可能であり、特に優れた二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を達成しうる。この理由は、水熱反応を高圧下、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で実施することにより、ごく短時間で液混合および反応が完了することとなり、析出した二酸化バナジウムの微結晶が大きく結晶成長するための十分な時間を与えないからであると推測している。
マイクロリアクター型流通式反応装置を用いて水熱反応を行う場合は、水熱反応時間は、0.01秒〜10秒であることが好ましい。0.01秒以上であると、二酸化バナジウム含有粒子をより確実に形成することができる。また、10秒以下であると、多分散指数(PDI)がより小さくなる傾向がある。同様の観点から、0.1秒〜5秒であることがより好ましい。
マイクロリアクター型流通式反応装置の具体的な構造例を図1に示す。図1は、本発明の好ましい一形態に係るマイクロリアクター型流通式反応装置を示す概略図である。図1において、マイクロリアクター型流通式反応装置1は、原料液を入れる原料液容器(タンク)2および原料液容器(タンク)5、水熱反応を行う、加熱媒体14を有するマイクロリアクターを含む部分である、マイクロリアクター部16、水熱反応後の反応液を入れるためのタンク9、原料液容器2および原料液容器5と、タンク9と、をそれぞれ連結する流路(配管)3および6、原料液容器2からタンク9に配管3を介して原料液、反応液および水熱反応後の反応液を流通させるためのポンプ4、原料液容器5からタンク9に配管6を介して原料液、反応液および水熱反応後の反応液を流通させるためのポンプ7を有する。
マイクロリアクター型流通式反応装置1は、必要であれば、図1に示すように、水熱反応後の反応液をさらに冷却するための冷却管8を備えてもよい。また、後述するが、必要であれば、図1に示すように、水熱反応後の反応液に添加する表面修飾剤、pH調整剤または水熱反応後の反応液に混合して冷却するための冷却媒体(たとえば、水)を入れるためのタンク10、表面修飾剤、pH調整剤または冷却媒体を、配管11を介して流通させるためのポンプ12をさらに有してもよい。また、マイクロリアクター型流通装置1は、必要であれば、図1に示すように、加熱媒体13、15をさらに有してもよい。
なお、原料液、反応液または水熱反応後の反応液が流通するマイクロリアクター部16、および配管3、6、11等の流路の材質は、特に制限されないが、ステンレス鋼、アルミニウム、鉄、ハステロイなどが挙げられる。流路の長さは、特に制限されないが、好ましくは50〜10,000mm、より好ましくは100〜1,000mmである。また、流路の間隙(配管の場合は内径)は、特に制限されないが、好ましくは0.001〜10mm、より好ましくは0.005〜2mmである。このような材質、形状の流路であれば、水熱反応を所定の速度で有効に実施できる。
なお、配管3、6および11は、上記材質、長さ、内径を有することが好ましいが、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよい。
また、反応液のマイクロリアクター部の流路を通過(流通)させる速度(流通速度)は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜10mL/秒、より好ましくは0.1〜5mL/秒である。このような流通速度であれば、水熱反応を所定の条件で有効に実施できる。
上記(a)水熱反応工程によって得られた水熱反応後の反応液は、濾過(たとえば、限外濾過)や遠心分離により、分散媒や溶媒の置換を行い、二酸化バナジウム含有粒子を水やアルコール(たとえば、エタノール)等によって洗浄してもよい。得られた二酸化バナジウム含有粒子は、任意の手段により乾燥してもよい。
本発明の一形態に係る製造方法としては、水熱反応直後に、さらに表面修飾剤を添加することが好ましい。
表面修飾剤を使用することによって、二酸化バナジウム含有粒子の凝集が有効に抑制・防止され、二酸化バナジウム含有粒子の大きさ(粒子径)をより小さくし、粒子径分布も狭くして、二酸化バナジウム含有粒子の分散安定性および保存安定性をより向上できる。ゆえに、二酸化バナジウム含有粒子のヘイズをより有効に低下し、また、サーモクロミック性をより有効に向上できる。
ここで、表面修飾剤としては、たとえば、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニア化合物、界面活性剤、シリコーンオイル等が挙げられる。表面修飾剤の反応性基の数は、特に制限されないが、1または2であることが好ましい。
具体的には、表面修飾剤として用いられる有機ケイ素化合物(有機シリケート化合物)としては、たとえば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン(オルトケイ酸テトラエチル)、トリメチルシリルクロライド、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。また、市販のものとしては、たとえば、SZ6187(東レ・ダウシリコーン株式会社製)等を好適に用いることができる。これらのうち、分子量が小さく、高い耐久性を示す有機シリケート化合物を用いることが好ましく、ヘキサメチルジシラザン、テトラエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシリルクロライドを用いることがより好ましく、テトラエトキシシランを用いることがさらに好ましい。
有機チタン化合物としては、たとえば、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート等や、キレート化合物として、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、リン酸チタン化合物、チタンオクチレンギリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート等が挙げられる。また、市販のものとしては、たとえば、プレンアクト(登録商標)TTS(味の素ファインテクノ株式会社製)、プレンアクト(登録商標)TTS44(味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、たとえば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムtert−ブトキシド等が挙げられる。
有機ジルコニア化合物としては、たとえば、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等が挙げられる。
界面活性剤は、同一分子中に親水基と、疎水基と、を有する化合物である。界面活性剤の親水基としては、具体的には、ヒドロキシ基、炭素数1以上のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、アンモニウム塩、チオール、スルホン酸塩、リン酸塩、ポリアルキレングリコール基等が挙げられる。ここで、アミノ基は1級、2級、3級のいずれであってもよい。界面活性剤の疎水基としては、具体的にはアルキル基、アルキル基を有するシリル基、フルオロアルキル基等が挙げられる。ここで、アルキル基は、置換基として芳香環を有していてもよい。界面活性剤は、上記のような親水基と、疎水基と、をそれぞれ同一分子中に少なくとも1個ずつ有していればよく、各基を2個以上有していてもよい。このような界面活性剤としては、より具体的には、ミリスチルジエタノールアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシトリデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシテトラデシルアミン、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ジ−2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、アルキル(炭素数8〜18)ベンジルジメチルアンモニウムクロライド、エチレンビスアルキル(炭素数8〜18)アミド、ステアリルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、パルミチルジエタノールアミド、パーフルオロアルケニル、パーフルオロアルキル化合物等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイルや、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイルおよびフッ素変性シリコーン等の変性シリコーンオイル等が挙げられる。
上記表面修飾剤は、ヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトン、水等で適宜希釈して、溶液の形態で水熱反応後の反応液と混合されることが好ましい。また、上記表面修飾剤によって導入される有機官能基中の炭素原子数は、1〜6であることが好ましい。これにより耐久性を向上させることができる。また、表面修飾剤を含む溶液は、pH調節剤を用いて適当なpH値(たとえば、2〜12)に調節してもよい。ここで、pH調節剤としては、特に制限されず、後述のpH調節剤と同様のものが使用できる。
表面修飾剤を使用する場合の表面修飾剤の添加量は、特に制限されないが、水熱反応により得られた二酸化バナジウム含有粒子の質量に対して、0.1〜100質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。
表面修飾剤の添加は、粒子表面を修飾する観点から、水熱反応直後(反応終了時点の直後)に開始することが好ましい。具体的には反応終了時点から10秒以内に添加を行うことが好ましく、5秒以内に添加を行うことがより好ましい。
表面修飾剤の添加方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。たとえば図1に記載のマイクロリアクター型流通式反応装置1を用いた場合は、水熱反応直後の反応液に対して、表面修飾剤(または表面修飾剤を含む溶液)を、タンク10からポンプ12で配管11を介して流すことで混合することができる。
表面修飾剤を含む溶液が配管を通過(流通)する速度(流通速度)は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜10mL/秒、より好ましくは0.1〜5mL/秒である。このような流通速度であれば、表面修飾剤と、二酸化バナジウム含有粒子と、を十分接触させて、有機部位の割合が小さいため耐久性は確保したまま、表面修飾剤による効果(粒子の凝集抑制効果、分散安定性や保存安定性)を十分有効に発揮させることができる。
水熱反応後の反応液と表面修飾剤との混合位置(配管11の設置位置)は、特に制限されないが、表面修飾剤の添加を水熱反応直後に開始するために、マイクロリアクター部16の直後に配置することが好ましい。また、マイクロリアクター型流通式反応装置1のように、マイクロリアクター部16の後に冷却管8を有する場合は、マイクロリアクター部16の直後であって冷却管8の前に配置することが好ましい。
なお、表面修飾剤と共に、後述のpH調整剤または後述の冷却工程における冷却媒体を用いる場合は、タンク10、配管11およびポンプ12等の必要な設備をそれぞれに対応する形で個別に設けてもよい。また、表面修飾剤およびpH調整剤、表面修飾剤および冷却媒体、または表面修飾剤、pH調整剤および冷却媒体を混合して用いる場合については、これらを混合したものについて、1つの設備を、複数の機能を同時に実現するために使用してもよい。
ここで、本明細書においては、水熱反応直後の表面修飾剤の添加、すなわち後述の(b)冷却工程よりも前に行われる表面修飾剤の添加は(a)水熱反応工程に含まれるものして扱うものとする。
本発明の一形態に係る製造方法としては、水熱反応後に、さらにpH調整剤を添加してもよい。
pH調整剤としては、特に制限されないが、たとえば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、シュウ酸(水和物を含む)、水酸化アンモニウム、アンモニア等の有機または無機の酸またはアルカリ等を用いることができる。
水熱反応後の反応液のpHは、二酸化バナジウム含有粒子の粒子径および粒子径分布、ならびに二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性の観点から、たとえば3.0〜9.0であることが好ましく、4.0〜7.0であることがより好ましい。これより、水熱反応後にpH調整剤を添加した後の反応液のpHは上記範囲内とすることが好ましい。なお、pH調整剤は、水熱反応においてバナジウム含有化合物と反応する化合物として用いたアルカリ、および還元剤等と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
上記pH調整剤は、メタノール、エタノール、水等で適宜希釈して、溶液の形態で水熱反応後の反応液と混合されることが好ましい。
pH調整剤の添加方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。たとえば図1に記載のマイクロリアクター型流通式反応装置1を用いた場合は、水熱反応直後の反応液に対して、pH調整剤(またはpH調整剤を含む溶液)を、タンク10からポンプ12で配管11を介して流すことで混合することができる。
水熱反応後の反応液とpH調整剤との混合位置(配管11の設置位置)は、特に制限されないが、表面修飾剤の添加を水熱反応後に開始するために、マイクロリアクター部16の後に配置することが好ましい。また、マイクロリアクター型流通式反応装置1のように、マイクロリアクター部16の後に冷却管8を有する場合は、マイクロリアクター部16の後であって冷却管8の前に配置してもよいし、冷却管8の後であってタンク9の前に配置されていてもよい。
なお、pH調整剤と共に、前述の表面修飾剤または後述の冷却工程における冷却媒体を用いる場合は、タンク10、配管11およびポンプ12等の必要な設備をそれぞれに対応する形で個別に設けてもよい。また、pH調整剤および表面修飾剤、pH調整剤および冷却媒体、またはpH調整剤、表面修飾剤および冷却媒体を混合して用いる場合については、前述の表面修飾剤の説明に記載したように、これらを混合したものについて、1つの設備を、複数の機能を同時に実現するために使用してもよい。
また、pH調整剤の添加が、後述の(b)冷却工程よりも前に行われる場合は、これらの添加は(a)水熱反応工程に含まれるものとし、後述の(b)冷却工程以後に行われる場合は、(b)冷却工程に含まれるものとする。
(b)冷却工程
本発明の一形態に係る製造方法は、(a)水熱反応工程に加えて、水熱反応後の反応液(上記(a)水熱反応工程で得られた二酸化バナジウム含有粒子を含む分散液)を冷却する冷却工程をさらに有することが好ましい。
冷却工程は、水熱反応を所定時間行って(反応終了時点)から1分以内に、水熱反応後の反応液の冷却を開始することが好ましいが、反応液全量をこの時間内に冷却することが難しい場合は、反応時間に幅を持たせて反応液を反応温度に保ちながら所定量ずつ順次冷却してもよい。
本工程では、冷却速度は適宜調整することができる。
水熱反応後の反応液の冷却方法は、特に制限されず、公知の方法を同様にしてまたは適宜修飾して適用できる。冷却方法としては、たとえば、水熱反応後の反応液を必要であれば撹拌しながら冷却媒体中に浸漬する方法、水熱反応後の反応液と、冷却媒体(特に水)と、を混合する方法、水熱反応後の反応液にガス状の冷却媒体(たとえば、液体窒素)を通過させる方法などが挙げられる。これらのうち、冷却速度の制御が容易である点から、水熱反応後の反応液と、冷却媒体と、を混合する方法が好ましい。ここで、少なくとも、冷却はマイクロリアクター型流通式反応装置において、マイクロリアクター部に、直接または他の構成部分を介して接続された、冷却管を用いて行われることが好ましい。
マイクロリアクター型流通式反応装置において、マイクロリアクター部に、直接または他の構成部分を介して接続された、冷却管を用いた冷却方法について説明する。なお、本発明に用いることができる冷却方法は下記方法に限定されない。
冷却方法としては、水熱反応後の反応液をマイクロリアクター型流通式反応装置の流路を通過(流通)させることにより冷却する。すなわち、図1のマイクロリアクター型流通式反応装置1を例として説明すると、マイクロリアクター部16の後の流路を通過(流通)させることにより冷却を行う。ここで、マイクロリアクター型流通式反応装置1は、必要に応じて、図1に示すように、水熱反応後の反応液をさらに冷却するための冷却管8をさらに備えてもよい。
また、他の冷却方法としては、水熱反応後の反応液と、冷却媒体と、を混合して冷却することを目的として、前述のようにタンク10等の必要な設備を、冷却媒体の流通のために用いる方法であってもよい。このとき、冷却方法に用いる設備は、冷却媒体を、配管11を介して流通させるためのポンプ12をさらに含んでいてもよい。
また、この場合、冷却媒体としては、pH調整剤を添加することで得られる、pH調整効果を有する冷却媒体を用いてもよい。
冷却媒体を使用する場合の、冷却媒体の水熱反応後の反応液との混合割合は、所望の冷却速度を達成できる限り、特に制限されない。たとえば、冷却媒体を、水熱反応後の反応液に比して、1〜2000倍(体積比)、より好ましくは10〜1000倍(体積比)の割合で混合することが好ましい。なお、上記混合割合は、水熱反応後の反応液および冷却媒体の流通速度を上記したような割合になるように設定することによって制御できる。
また、冷却媒体の温度は、特に制限されないが、二酸化バナジウムの相転移温度(約68℃)より高いことが好ましく、70〜95℃であることがより好ましい。上記に代えてまたは上記に加えて、水熱反応後の反応液を水と混合してから5分間以上、前記水熱反応直後の反応液と水との混合物の温度を70〜95℃に維持することがより好ましい。このような温度に設定することによって、所望のルチル型結晶相(R相)の二酸化バナジウムの純度をより向上できる。なお、水熱反応直後の反応液と水との混合物の温度を維持する時間の上限は、特に制限されないが、水熱反応直後の反応物を水と混合してから10分以下であれば十分である。
冷却媒体を使用する場合には、水熱反応後の反応液と冷却媒体(好ましくは水)との混合物は、特に制限されないが、pHが4〜7であることがより好ましい。当該pHに設定することによって、粒子形成(結晶析出)後の二酸化バナジウム含有粒子の安定性を向上できる。ゆえに、所望のルチル型結晶相(R相)の二酸化バナジウムの純度をより向上し、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性をより有効に向上できる。なお、かようなpHの値の達成手段は、特に制限されず、前述のpH調整剤を冷却工程前の水熱反応後の反応液に添加することで達成されてもよく、冷却工程においてpH調整剤が混合された冷却媒体を用いることで達成されてもよい。
冷却媒体を使用する場合について、水熱反応後の反応液と冷却媒体との混合位置(配管11の設置位置)は、特に制限されないが、水熱反応後の反応液の冷却効率などを考慮すると、配管11が、配管3のタンク9側の出口から10〜500mmの距離の位置で配管3と連結されていることが好ましい。
なお、冷却媒体と共に、前述の表面修飾剤または前述のpH調整剤を用いる場合は、タンク10、配管11およびポンプ12等の必要な設備をそれぞれに対応する形で個別に設けてもよい。また、冷却媒体および表面修飾剤、または冷却媒体およびpH調整剤、または冷却媒体、pH調整剤および表面修飾剤を混合して用いる場合については、前述の表面修飾剤やpH調整剤の説明に記載したように、これらを混合したものについて、1つの設備を複数の機能を同時に実現するために使用してもよい。
冷却された水熱反応後の反応液(冷却液)は、濾過(たとえば、限外濾過)や遠心分離により、分散媒や溶媒の置換を行い、二酸化バナジウム含有粒子を水やアルコール(たとえば、エタノール)等によって洗浄してもよい。また、得られた二酸化バナジウム含有粒子は、任意の手段により乾燥してもよい。
<二酸化バナジウム含有粒子>
本発明の他の一形態は、平均粒子径(D)が60nm以下であり、多分散指数(PDI)が0.30未満である、二酸化バナジウム(VO)含有粒子である。本形態に係る二酸化バナジウム含有粒子によれば、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および該二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を向上(ヘイズを減少)しうる手段が提供される。本発明の一形態に係る製造方法によって、二酸化バナジウム(VO)含有粒子のサーモクロミック性および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性に優れる二酸化バナジウム含有粒子が提供されることから、前記粒子は本発明の一形態に係る製造方法によって製造されることが好ましい。
本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子は、小さい粒子径を有しかつ狭い粒子径分布を示す。ここで、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)は、特に制限されないが、60nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、35nm以下であることがさらに好ましく、25nm以下であることがよりさらに好ましく、15nm以下であることが特に好ましく、10nm以下であることがきわめて好ましく、8nm以下であることが最も好ましい。なお、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)(nm)の下限は特に制限されないが、2nm以上であることが好ましい。このような粒子径の二酸化バナジウム含有粒子であれば、ヘイズをより良好に下げ、サーモクロミック性をより向上することができる。なお、二酸化バナジウム含有粒子の粒子径は、電子顕微鏡観察や動的光散乱法に基づく粒子径測定法により測定することができる。動的光散乱法に基づいて粒子径を測定する場合、動的光散乱解析装置(DLS−8000、大塚電子株式会社製)を用いて、動的光散乱(Dynamic Light Scattering, DLS)法によって流体力学的直径を測定する。本明細書では、二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)(nm)は、後述の実施例に記載される方法によって測定された値を採用する。
また、二酸化バナジウム含有粒子の粒子径分布は、特に制限されないが、多分散指数(PDI)を指標とした場合に、多分散指数(PDI)が、0.30未満であることが好ましく、0.01〜0.25であることがより好ましく、0.01〜0.15であることがさらに好ましく、0.01〜0.10であることが特に好ましく、0.01〜0.08であることが最も好ましい。このような多分散指数(PDI)を示す粒子径分布を有する二酸化バナジウム含有粒子であれば、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性および二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を有効に向上できる。なお、本明細書において、二酸化バナジウム含有粒子の粒度分布を示す「多分散指数(PDI)」は、後述の実施例に記載される方法によって測定された値を採用する。
本発明の一形態に係る製造方法により得られた二酸化バナジウム含有粒子、または本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子は、たとえばポリビニルアルコール等の樹脂と混合して遮熱フィルムに利用したり、サーモクロミック顔料に利用したりできる。
<分散液および分散液の製造方法>
また、本発明の他の一形態は、本発明の一形態に係る製造方法によって二酸化バナジウム含有粒子を製造する工程と、当該二酸化バナジウム含有粒子を分散媒中に分散させる工程と、を含む、分散液の製造方法である。また、本発明のさらなる他の一形態は、本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子を含有する、分散液である。
本発明に係る二酸化バナジウム含有粒子は、小粒子径でかつ狭い粒子径分布(均一粒子径)を有するため、このような粒子を含む分散液を塗布することによって、サーモクロミック特性を向上すると共に、ヘイズの影響を低減できる。このため、二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性の高いフィルムを提供できる。
分散液としては、水熱反応工程後の反応液または冷却工程後の冷却液(反応液)をそのまま用いても、または水熱反応工程後の反応液または冷却液(反応液)に水やアルコール等を添加して希釈したり、水熱反応工程後の反応液または冷却液(反応液)の分散媒を水やアルコール等に交換したりしてもよい。
二酸化バナジウム含有粒子を分散させる方法は、特に制限されず、たとえば超音波を用いてもよい。
分散液の分散媒は、水のみからなるものであってもよいが、たとえば、水に加えて0.1〜10質量%(分散液中)程度の有機溶媒、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン等のケトン類等を含んでもよい。また、分散媒としては、リン酸緩衝液、フタル酸緩衝液などを用いることもできる。
分散液には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フタル酸、水酸化アンモニウム、アンモニア等の有機または無機の酸またはアルカリを含有させて、所望のpHに調節してもよい。
分散液中での二酸化バナジウム含有粒子の凝集が抑制されるという観点から、分散液のpHは4〜7であることが好ましい。
分散液中での二酸化バナジウム含有粒子の濃度は、分散安定性の観点から、分散液の総質量に対して、0.01〜40質量%であることが好ましく、0.5〜40質量%であることがより好ましく、1〜30質量%であることがさらに好ましい。
<光学フィルムおよび光学フィルムの製造方法>
本発明の一形態に係る二酸化バナジウム粒子を用いることにより、当該二酸化バナジウム粒子および樹脂を含む光学機能層を有する光学フィルムを製造することができる。かような光学フィルムの製造方法としては、本発明の一形態に係る製造方法によって二酸化バナジウム含有粒子を製造する工程と、当該二酸化バナジウム含有粒子と、樹脂と、を含む樹脂組成物を成膜することで光学機能層を形成する工程と、を有する光学フィルムの製造方法であることが好ましい。本発明の他の一形態は、本発明の一形態に係る製造方法によって二酸化バナジウム含有粒子を製造する工程と、樹脂と、二酸化バナジウム含有粒子と、分散媒と、を含む塗布液を調整した後、塗布液を透明基材上に塗布し、乾燥することで光学機能層を形成する工程と、を含む、透明基材および光学機能層を含む、光学フィルムの製造方法である。また、本発明のその他の一形態は、透明基材、ならびに透明基材上に形成される光学機能層を有し、光学機能層が、本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子を含有する、光学フィルムである。
(透明基材)
ここで、光学フィルムに適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英、透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、可撓性の付与および生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明基材であることが好ましい。本発明でいう透明基材における「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明の一形態に係る透明基材の厚さは、30〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内であり、さらに好ましくは35〜70μmでの範囲内である。透明基材の厚さが30μm以上であれば、取扱い中にシワ等がより発生しにくくなり、また厚さが200μm以下であれば、合わせガラス作製時、ガラス基材と貼り合わせる際のガラス曲面への追従性がより向上する。
本発明の一形態に係る透明基材は、光学フィルムのシワの生成や赤外線反射層の割れを防止する観点から、温度150℃において、熱収縮率が0.1〜3.0%の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0%の範囲内であることがより好ましく、1.9〜2.7%であることがさらに好ましい。
本発明の一形態に係る光学フィルムに適用可能な透明基材としては、上述のように、透明であれば特に制限されることはいが、種々の透明樹脂フィルムを用いることが好ましく、たとえば、ポリオレフィンフィルム(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースフィルム等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムであり、より好ましくはポリエステルフィルムである。
ポリエステルフィルム(以降、単にポリエステルと称す。)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびこれらを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
透明樹脂フィルムとしては、二軸配向ポリエステルフィルムであることが特に好ましいが、未延伸または少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。特に、本発明に係る光学フィルムを具備した合わせガラスを、自動車のフロントガラスとして用いられる際に、延伸フィルムがより好ましい。
本発明の一形態に係る透明基材として透明樹脂フィルムを用いる場合、取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない範囲内で粒子を含有させてもよい。当該透明樹脂フィルムに採用可能な粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また粒子を添加する方法としては、原料とする樹脂(たとえばポリエステル等)中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、二つの方法を併用してもよい。本発明では必要に応じて上記粒子の他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、たとえば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
透明基材である透明樹脂フィルムは、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。たとえば、材料となる樹脂を溶媒と混合してドープを作製し、ドープを連続支持体上に流延することで製膜を行い、連続支持体上で一部乾燥を行った後に連続支持体から剥離し、その後十分乾燥を行うとともに、任意に乾燥中および/または乾燥後に延伸処理を行うことにより、未延伸または延伸された透明樹脂フィルムを製造することができる。また、たとえば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の透明樹脂フィルムを製造することができる。また、未延伸の透明樹脂フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、透明樹脂フィルムの流れ(縦軸)方向、または透明樹脂フィルムの流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸透明樹脂フィルムを製造することができる。この場合の延伸倍率は、透明樹脂フィルムの原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。また、前記延伸処理は、予め延伸された透明樹脂フィルムに対してさらに行ってもよい。
また、透明樹脂フィルムは、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理された基材は、オフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
透明樹脂フィルムは、製膜過程で片面または両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。本発明の一形態に係る透明樹脂フィルムに対して有用な下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂およびゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
(光学機能層)
本発明の一形態に係る光学フィルムは、樹脂および本発明に係る二酸化バナジウム含有粒子を含有する光学機能層を有する。光学フィルムは、透明基材、および透明基材上に、樹脂および本発明に係る二酸化バナジウム含有粒子を含有する光学機能層を有する構成であることが好ましい。
ここで、樹脂としては、特に制限されず、従来光学機能層に使用されるのと同様の樹脂が使用できる。好ましくは水溶性高分子が使用できる。ここで、水溶性高分子とは、25℃の水100gに0.001g以上溶解する高分子のことをいう。水溶性高分子の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ゼラチン(たとえば、特開2006−343391号公報記載のゼラチンを代表とする親水性高分子)、デンプン、グアーガム、アルギン酸塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸縮合物や、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、アルギン酸ソーダ、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩等の糖誘導体等を挙げることができる。
光学機能層における二酸化バナジウム含有粒子の含有量は、所望のサーモクロミック性を得るとの観点から、光学機能層の総質量に対して1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
光学機能層は、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で添加剤を使用することができる。適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。たとえば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、および特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、および特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
光学機能層の形成方法としては、特に制限されず、本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子を使用する以外は、公知の方法を同様にしてまたは適宜修飾して適用することができる。具体的には、二酸化バナジウム含有粒子を含む塗布液を調製し、当該塗布液を湿式塗布方式により透明基材上に塗布、乾燥して光学機能層を形成する方法が好ましい。
塗布液は、樹脂および二酸化バナジウム含有粒子を含むことが好ましい。また、塗布液は、本発明の一形態に係る製造方法によって得られた水熱反応後の反応液や、本発明の一形態に係る分散液を用いて、適宜樹脂や溶媒を添加することで調製されてもよい。また、塗布液は、本発明の一形態に係る製造方法によって得られた二酸化バナジウム含有粒子や、本発明の一形態に係る二酸化バナジウム含有粒子と、樹脂とを分散媒中に添加することで調製されてもよい。塗布液に含まれる分散媒は、前記分散液および分散液の製造方法において説明したものと同様のものを用いることができる。なお、塗布液の総質量に対する樹脂および二酸化バナジウム含有粒子の合計質量は、湿式塗布方式により光学機能層を形成することができれば特に制限されず、必要な膜厚や成膜条件に応じて適宜設定することができる。
上記方法において、湿式塗布方式としては、特に制限されず、たとえば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、または米国特許第2,761,419号明細書、米国特許第2,761,791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
(他の層)
本発明の一形態に係る光学フィルムは、上記構成部材に加えて、他の層をさらに有していてもよい。ここで、他の層としては、本発明の効果を妨げない限り特に制限されないが、たとえば、近赤外遮蔽層、紫外線吸収層、ガスバリア層、腐食防止層、アンカー層(プライマー層)、接着層、ハードコート層等が挙げられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
<二酸化バナジウム含有粒子の製造>
(比較例1)
酸化硫酸バナジウム(IV)(VOSO)1gをイオン交換水に溶解して10mLとし、撹拌しながら1mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH、和光純薬工業株式会社製をイオン交換水で希釈)水溶液をpH7.0になるまで添加した。この懸濁液(反応液)を50mLのオートクレーブに入れ、250℃、3.98MPaで8時間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。その後冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(比較例2)
比較例1と同様に調製した懸濁液を50mLのオートクレーブに入れ、270℃、5.51MPaで24時間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。その後冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例1)
比較例1と同様に調製した懸濁液を圧縮窒素により加圧可能なオートクレーブに入れ、10.00MPaになるように加圧して、この圧力下において、270℃24時間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例2)
酸化硫酸バナジウム(IV)(VOSO)0.5gをイオン交換水で溶解して10mLとした溶液(原料液1)と1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、和光純薬工業株式会社製をイオン交換水で希釈)である溶液(原料液2)を、それぞれ図1に示すマイクロリアクター型流通式反応装置の原料液容器2および原料液容器5に入れて、pH7.0になる混合比で混合して反応液とした直後に、マイクロリアクター部16中で、270℃、10.00MPaで2.0秒間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例3)
1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、1mol/Lのアンモニア水(アンモニアをイオン交換水で希釈)を用いた以外は実施例2と同様にして、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例4)
実施例2の原料液1にさらにタングステン酸アンモニウムパラ五水和物((NH101241・5HO、和光純薬工業株式会社製)をバナジウム:タングステンの原子比率が99:1になるように溶解した以外は実施例2と同様にして、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例5)
イオン交換水の代わりに、窒素(N)ナノバブル処理された水(液温=25℃)を使用した以外は実施例2と同様にして、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。なお、上記窒素(N)ナノバブル処理された水は、超高密度ウルトラファインバブル発生装置(株式会社ナノクス製、ナノクイック(登録商標))を用いて、イオン交換水に窒素ガスを密閉系で混合することによって調製され、溶存酸素濃度は約0.6mg/Lであった。
(実施例6)
マイクロリアクター部16において、400℃30.00MPaで2.0秒間、水熱反応処理を行った以外は実施例5と同様にして水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は超臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例7)
エタノール(和光純薬工業株式会社製、一級)20mLと、純水5mLとの混合液に、アンモニア水(濃度28質量%、和光純薬工業株式会社製、特級)を加え、pH値が11.8の溶液を調製した。この溶液に、オルトケイ酸テトラエチル((CO)Si、和光純薬工業株式会社製、特級)0.3gを添加し、80℃で4時間、攪拌・混合して、表面修飾剤溶液を調製した。この表面修飾剤溶液を図1に示すマイクロリアクター型流通式反応装置のタンク10に仕込んだ。実施例6と同様に原料液1と、原料液2と、を混合して水熱反応した直後(5秒以内)に、上記表面修飾剤溶液を、表面修飾用タンク10から配管11を介して、生成される二酸化バナジウム(VO)含有粒子の質量に対して、オルトケイ酸テトラエチルが2質量%の量となるように混合した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は超臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(比較例3)
バナジン酸アンモニウム(NHVO、和光純薬工業株式会社製、特級)0.5gを60℃のイオン交換水で溶解して10mLとし、ヒドラジン水和物(N・HO、和光純薬工業株式会社製、特級)をイオン交換水で5質量%に希釈した水溶液をゆっくり滴下しpH9.5とした。この溶液(反応液)を50mLのオートクレーブに入れ、250℃、3.98MPaで24時間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。その後冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(比較例4)
比較例3と同様にして調製した溶液を50mLのオートクレーブに入れ、270℃、5.51MPaで24時間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。その後冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例8)
比較例3と同様に調製した溶液を圧縮窒素により加圧可能なオートクレーブに入れ、10.00MPaになるように加圧して、この圧力下において、270℃24時間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例9)
バナジン酸アンモニウム(NHVO、和光純薬工業株式会製、特級)0.5gを60℃のイオン交換水で溶解して10mLとした溶液(原料液1)とヒドラジン水和物(N・HO、和光純薬工業株式会社製、特級)をイオン交換水で5質量%に希釈した溶液(原料液2)を、それぞれ図1に示すマイクロリアクター型流通式反応装置の原料液容器2および原料液容器5に入れて、pH9.5になる混合比で混合して反応液とした直後に、マイクロリアクター部16中で、270℃、10.00MPaで2.0秒間、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例10)
実施例9の原料液1にさらにタングステン酸アンモニウムパラ五水和物((NH101241・5HO、和光純薬工業株式会社製)をバナジウム:タングステンの原子比率が99:1になるように溶解した以外は実施例9と同様にして、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例11)
イオン交換水の代わりに、窒素(N)ナノバブル処理された水(液温=25℃)を使用した以外は実施例9と同様にして、水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は亜臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。なお、上記窒素(N)ナノバブル処理された水は、超高密度ウルトラファインバブル発生装置(株式会社ナノクス製、ナノクイック(登録商標))を用いて、イオン交換水に窒素ガスを密閉系で混合することによって調製され、溶存酸素濃度は約0.6mg/Lであった。
(実施例12)
マイクロリアクター部16において、400℃30.00MPaで2.0秒間、水熱反応処理を行った以外は実施例11と同様にして水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム(VO)含有粒子を形成した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は超臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
(実施例13)
エタノール(和光純薬工業株式会社製、一級)20mLと、純水5mLとの混合液に、アンモニア水(濃度28質量%、和光純薬工業株式会社製、特級)を加え、pH値が11.8の溶液を調製した。この溶液に、オルトケイ酸テトラエチル((CO)Si、和光純薬工業株式会社製、特級)0.3gを添加し、80℃で4時間、攪拌・混合して、表面修飾剤溶液を調製した。この表面修飾剤溶液を図1に示すマイクロリアクター型流通式反応装置のタンク10に仕込んだ。実施例12と同様に原料液1と、原料液2と、を混合して水熱反応した直後(5秒以内)に、上記表面修飾剤溶液を、表面修飾用タンク10から配管11を介して、生成される二酸化バナジウム(VO)含有粒子の質量に対して、オルトケイ酸テトラエチルが2質量%の量となるように混合した。ここで、水熱反応処理中における反応液中の水は超臨界状態である。その後冷却管8にて冷却を行った後、二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を回収した。
実施例1〜13および比較例1〜4の条件を下記表1および表2に示す。
<性能評価>
上記実施例1〜13および比較例1〜4で得られた二酸化バナジウム含有粒子について、下記方法に従って、平均粒子径(D)および多分散指数(PDI)を測定した。
また、上記実施例1〜13および比較例1〜4で得られた二酸化バナジウム含有粒子について、下記方法に従って、ヘイズおよびサーモクロミック性を評価した。
(平均粒子径(D))
各実施例および各比較例にて得られた各二酸化バナジウム含有粒子および水を含有する分散液を、それぞれ分散液の総質量に対して二酸化バナジウム含有粒子の濃度が0.01質量%となるよう水と混合し、超音波で15分間分散して測定用サンプルを作製した。動的光散乱解析装置(DLS−8000、大塚電子株式会社製)を用いて、動的光散乱(Dynamic Light Scattering,DLS)法によって、流体力学的直径(nm)を測定した。そして、これに基づいてキュムラント解析による粒子径分布の平均粒子径を求め、この値を平均粒子径(D)(nm)とした。
(多分散指数(PDI))
多分散指数(PDI)は、上記平均粒子径(D)の測定と同様にして動的光散乱法(DLS法)により測定したキュムラント解析において粒子径分布が正規分布すると仮定して算出した数値とした。
(サーモクロミック性)
各実施例および各比較例にて得られた各二酸化バナジウム含有粒子分散液をSartorius stedim社製 ビバフロー50(有効濾過面積50cm、分画分子量5000)を用いて、流速300ml/min、液圧1bar(0.1MPa)で濾過を行うことで濃度調整して、ポリビニルアルコールを、ポリビニルアルコールおよび二酸化バナジウム含有粒子の総質量に対して、二酸化バナジウム含有粒子が10質量%となるように混合し、帝人・デュポンフィルム株式会社製の厚さ50μmポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に塗布乾燥し、乾燥膜厚3μmの光学機能層を有する測定用フィルム(光学フィルム)を作製した。
各測定用フィルムを25℃/50%RHに24時間保存し、サーモクロミック性の評価を行った。
具体的には、25℃/50%RH、85℃/50%RHにおける波長2000nmでのそれぞれの透過率を測定し、算出される透過率差(ΔT)(%)を下記評価基準に従って評価した。測定は、分光光度計V−670(日本分光株式会社製)に温調ユニット(日本分光株式会社製)を取り付けて行った。ここで、透過率差(ΔT)は大きいほどよいものとし、下記評価において「△」以上であれば許容される;
◎: 透過率差が40%以上である
○: 透過率差が30%以上40%未満である
△: 透過率差が20%以上30%未満である
×: 透過率差が20%未満である。
(透明性(ヘイズ(Haze)評価)))
光学フィルムの透明性をヘイズ値によって評価した。上記サーモクロミック性(ΔT)(%)の測定と同様にして作製した各測定用フィルムについて、室温にてヘイズメータ−(日本電色工業株式会社製、NDH5000)を用いてヘイズ(%)を測定した。また、上記に算出されたヘイズ値について、下記の基準に従って評価した。ここで、ヘイズ(%)は小さいほどよいものとし、下記評価において「△」以上であれば許容される;
◎ :1.0%未満である
○ :1.0%以上1.5%未満である
○△:1.5%以上2.0%未満である
△ :2.0%以上2.5%未満である
× :2.5%以上である。
これらの評価結果を下記表3に示す。
上記表3の結果から、本発明に係る実施例の二酸化バナジウム(VO)含有粒子は、比較例のものに比して、サーモクロミック性に優れ、ヘイズが低いことが確認された。上記結果は、実施例の二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)が小さく、かつ、多分散指数(PDI)小さく粒子径(D)が揃っているためであると考察される。
また、実施例の二酸化バナジウム(VO)含有粒子の中でも、マイクロリアクター型流通式反応装置を用いて製造した実施例が、特にサーモクロミック性に優れ、ヘイズが低いことが確認された。
本出願は、2015年7月9日に出願された日本特許出願番号2015−138167号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として組み入れられている。

Claims (13)

  1. バナジウム含有化合物および水を含む原料液と、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物および水を含む原料液と、を混合して得られる反応液を、亜臨界または超臨界状態の水の存在下で水熱反応させることを有する、二酸化バナジウム(VO)含有粒子の製造方法。
  2. 前記二酸化バナジウム含有粒子の平均粒子径(D)が60nm以下であり、多分散指数(PDI)が0.30未満である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記バナジウム含有化合物がバナジウム(IV)含有化合物であり、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物が少なくとも1つのアルカリを含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記バナジウム含有化合物がバナジウム(V)含有化合物であり、前記バナジウム含有化合物と反応する化合物がヒドラジンおよびその水和物の少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  5. 前記水熱反応は、マイクロリアクター型流通式反応装置を用いて行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載に記載の製造方法。
  6. 前記バナジウム含有化合物および水を含む原料液が、前記二酸化バナジウム含有粒子の相転移温度を調節するための元素を含む物質をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記反応液中における前記水が、窒素(N)ナノバブル処理された水である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記水熱反応直後に、さらに表面修飾剤を添加する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法によって二酸化バナジウム含有粒子を製造する工程と、
    前記二酸化バナジウム含有粒子を分散媒中に分散させる工程と、
    を含む、分散液の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法によって二酸化バナジウム含有粒子を製造する工程と、
    樹脂と、前記二酸化バナジウム含有粒子と、分散媒と、を含む塗布液を調製した後、前記塗布液を透明基材上に塗布し、乾燥することで光学機能層を形成する工程と、
    を含む、
    透明基材および光学機能層を含む、光学フィルムの製造方法。
  11. 平均粒子径(D)が60nm以下であり、多分散指数(PDI)が0.30未満である、二酸化バナジウム(VO)含有粒子。
  12. 請求項11に記載の二酸化バナジウム含有粒子を含有する、分散液。
  13. 透明基材、および光学機能層を有し、
    前記光学機能層が、請求項11に記載の二酸化バナジウム含有粒子を含有する、光学フィルム。
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