JPWO2016190399A1 - 皮脂吸着剤及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

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慎太朗 林
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Abstract

【課題】高い紫外線遮蔽能を持ちながら感触も良く、且つ、皮脂吸着効果も高い酸化亜鉛を用いることにより、化粧崩れしにくい化粧料の原料となる皮脂吸着剤を提供する。【解決手段】メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛からなることを特徴とする皮脂吸着剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、皮脂吸着剤及びそれを含有する化粧料に関する。
化粧料は人の肌に塗布して使用するものであるため、皮膚から出る汗や皮脂への耐性が要求され、一般的に油浮きや化粧崩れしないことが求められる。このような要求を満たすため、化粧料に用いる粉体に様々な改良を加えることにより、化粧崩れを防止する検討が行われている。
例えば、多孔質シリカや多孔質球状炭酸マグネシウムなどの無機多孔質粉体を化粧料に配合する方法が挙げられるが、これらの粉体は肌上の水分を吸収し、肌のエモリエント成分が不足して肌の乾燥やかゆみを引き起こすという問題がある(特許文献1や特許文献2)。また、その他にもアクリルポリマー等の有機粉体が皮脂吸着剤として使用されているが、これらの皮脂吸着剤よりも、更に優れた皮脂吸着能を有する素材の開発が期待されている。
一方、酸化亜鉛は化粧料分野ではその粒子サイズによって白色顔料や紫外線遮蔽材料として利用されている。 lang=EN-US> 例えば、微粒子酸化亜鉛は皮脂中の脂肪酸と反応して皮脂を固定化させ、皮脂の広がりを抑制することにより、化粧持ちを向上させることが知られている。(特許文献3)しかしながら、このような微粒子酸化亜鉛は化粧料に配合するとキシミ感が出てしまい、感触に劣るという欠点があった。このため、感触に優れ、かつ従来よりも高い皮脂吸着能を有する酸化亜鉛粒子を得ることができれば、化粧品分野においては非常に有用な素材になる。特に、粒子径が大きい酸化亜鉛粒子は、使用感に優れ、一定の紫外線遮蔽能力を有することから、これらの皮脂吸着能を高めることができれば、微粒子酸化亜鉛からなる皮脂吸着剤とも酸化亜鉛以外の皮脂吸着剤とも異なる性質を有する皮脂吸着剤として好ましいものとできる。
本願出願人は、特許文献4として、板状集積型球状酸化亜鉛粒子及び当該粒子を化粧料に配合することに関する特許出願を行った。しかし、上記特許文献4においては、滑らかな感触や紫外線遮蔽性能等については記載されているが、皮脂吸着性能についての記載は存在していない。また、表面処理を施してもよい旨の記載はされているが、具体的な表面処理剤や、表面処理方法、それによる効果は検討されていなかった。
特開2009−137806号公報 特開2006−096706号公報 特開平8−41379号公報 国際公開2013/133412号公報
本発明は、高い紫外線遮蔽能を持ちながら皮脂吸着効果も高く、且つ、感触を損なわない皮脂吸着剤と、それを含有する化粧料を提供するものである。
本発明は、メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛からなることを特徴とする皮脂吸着剤である。本発明は、メジアン径が0.01μm以上10μm未満であり、0.5〜10重量部の範囲でオルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランを表面処理した板状集積型球状酸化亜鉛からなることを特徴とする皮脂吸着剤でもある。上記オルガノポリシロキサンは、ジメチルシリコーンであることが好ましい。上記皮脂吸着剤は、亜鉛塩水溶液をアルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、前記工程(1)はポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート存在下で行う方法によって得られた板状集積型球状酸化亜鉛であることが好ましい。本発明は、上述した皮脂吸着剤を含む化粧料でもある。
本発明は、メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛又はこれを含有する組成物を皮膚上に塗付することによって皮脂を吸着する方法でもある。本発明は、メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛又はこれを含有する組成物の皮膚上に塗付することによる皮脂吸着への使用でもある。
本発明の皮脂吸着剤を配合した化粧料は、高い紫外線遮蔽能を有するだけでなく、皮脂を固定化して皮脂の広がりを抑制することにより、化粧崩れを起こしにくく、使用感も良好である。更に、その皮脂吸着能は、公知の微粒子酸化亜鉛粒子よりも顕著に優れたものである。更に、アクリルポリマー等の有機粉体の皮脂吸着剤に比べて、皮脂吸着能が高い。
本発明は、メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛からなる皮脂吸着剤に関するものである。すなわち、特定の形状及び粒子径を有する酸化亜鉛が、公知の酸化亜鉛粒子と比べて優れた皮脂吸着効果を有することを見出し、完成されたものである。このような皮脂吸着効果を有する酸化亜鉛は、各種化粧料において使用することができるものであり、例えば、化粧下地、粉体化粧料等のメイクアップ化粧料に配合した場合には、皮脂を吸着することによって化粧崩れを防ぐ効果を有する点で好ましい。
本発明の皮脂吸着剤である板状集積型球状酸化亜鉛は、メジアン径が0.01μm以上10μm未満である。このような粒子径のものとすることで、滑り性等の性能が良好な粒子とすることができる。メジアン径の下限は、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが更に好ましく、0.2μm以上であることが特に好ましい。なお、本明細書中のメジアン径とは、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径をいい、後述の実施例記載の測定方法によって得られる値である。
本発明の皮脂吸着剤である板状集積型球状酸化亜鉛は、BET比表面積が5m/g以上であることが好ましい。上記範囲のものとすることで、皮脂の固定化という効果において特に好適な性能を有するものである。すなわち、BET比表面積が大きいことによって、皮脂と酸化亜鉛との接触面積が大きくなり、これによって従来の酸化亜鉛粒子よりも高い皮脂吸着能が得られるのではないか、と推測される。上記BET比表面積は、6m/g以上15m/g未満であることがより好ましい。なお、上記BET比表面積とは、後述の実施例記載の測定方法によって得られる値である。
本発明の皮脂吸着剤は、板状集積型球状という形状を有する酸化亜鉛粒子である。すなわち、このような特定の形状を有する酸化亜鉛粒子は、その形状に由来して皮脂を吸着しやすくなり、これによって、本願発明の特定の効果を奏するものである。
上記板状集積型球状とは、板状粒子が球状に集積することによって、集積した粒子が全体として球状の形状となった酸化亜鉛粒子であり、このような酸化亜鉛粒子は、本願出願人によって出願された特許文献4によって開発されたものである。
上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、その製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、亜鉛塩溶液を、アルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、当該工程(1)は親水性分散剤存在下で行う製造方法によって得られる。上記アルカリ水溶液に含まれるアルカリ成分は特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を挙げることができる。上記アルカリ水溶液の使用量は、亜鉛イオン1モルに対してアルカリ成分2〜10モルの割合であることが好ましい。
また、上記親水性分散剤としては特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸またはその塩、アルキルスルホン酸またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、ナフタレンスルホン酸またはその塩、ポリエーテルアルキルスルホン酸またはその塩、アルキルベタイン、ポリエーテルまたはその誘導体、ポリエーテルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエーテルソルビタン脂肪酸エステル、ポリエーテル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル硬化ヒマシ油、ポリエーテルアルキルアミン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、多価アルコール類、アルキル変性多価アルコールなどが挙げられる。アニオン系、カチオン系、ノニオン系のどれを使用しても構わないが、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の様々な界面活性剤と併用できるという扱い易い性質を持っているノニオン系のものが好ましい。また、上記親水性分散剤のHLB値は10.0〜20の範囲のものとすると、親水性分散剤が水に充分に溶解し、親水性分散剤の分散効果に加えて、生成粒子表層の反応点に親水性分散剤が吸着することで粒子成長速度を一定にすることができるという点で好ましい。さらに上記親水性分散剤は、2種以上を併用するものであってもよい。なお、本明細書においてHLB値は、グリフィンの式HLB=(分散剤の親水基部分の式量の総和/分散剤の分子量)×(100/5)によって得られた値である。このような板状集積型球状酸化亜鉛粒子の製造方法は、本願出願人によって出願された特許文献4によって開発されたものである。
原因は不明であるが、上記親水性分散剤として、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを使用すると、特に、皮脂吸着能が良好な板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得ることができる。よって、これを親水性分散剤として使用することが特に好ましい。
また、上記親水性分散剤として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを使用すると、臭気がより少ない板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得ることができる。
本発明の皮脂吸着剤である板状集積型球状酸化亜鉛は、粒子の表面をオルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランで被覆する表面処理を施すことが好ましい。このような処理を行うことにより、板状集積型球状酸化亜鉛の皮脂吸着能力をより向上させることできる。特にオルガノポリシロキサンによる被覆が、より皮脂吸着能が良好であるため、好ましい。また、上記オルガノポリシロキサンは、表面処理をしても得られる板状集積型球状酸化亜鉛が変色しないという点でジメチルシリコーンが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランによる処理は、酸化亜鉛100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲でオルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランを付着させることが好ましい。より好ましくは、上記下限は1重量部であることが好ましく、上記上限は5重量部であることが好ましい。上記オルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランが酸化亜鉛に対して0.5重量部よりも少ないときは、皮脂吸着能力の向上効果を充分に発揮できず、他方、10重量部を越えると、向上効果が飽和するので、経済的に不利である。
上述した特許文献4に記載されているように、板状集積型球状酸化亜鉛は、優れた粉体感触、優れたソフトフォーカス効果、高い紫外線遮蔽性を併せ持つ酸化亜鉛粒子であることは公知である。この板状集積型球状酸化亜鉛に上記オルガノポリシロキサンやトリエトキシカプリリルシランで処理しても、粉体感触、ソフトフォーカス性、紫外線遮蔽能を損なわず、皮脂吸着能力を向上させることができる。
上記オルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランによる処理方法としては特に限定されず、乾式でミキサーを用いて混合する方法などを挙げることができる。
本発明の皮脂吸着剤は、皮脂吸着量(mg/g)が230mg/g以上であることが好ましい。このような範囲のものとすることで、化粧料に配合した際の化粧崩れを防止することができる。上記皮脂吸着量は、260mg/g以上であることがより好ましく、270mg/g以上であることがさらに好ましい。なお、上記皮脂吸着量は、実施例に詳述した方法によって測定した値である。
本発明の皮脂吸着剤は、平均摩擦係数(MIU)が0.50〜0.76であることが好ましい。このような範
囲のものとすることで、すべりがよく、滑らかな感触の化粧料を得ることができるものである。なお、上記平均摩擦係数(MIU)は、実施例に詳述した方法によって測定した値である。
本発明の皮脂吸着剤は、摩擦係数の平均偏差(MMD)が0.0080〜0.0200であることが好ましい。このような範囲のものとすることで、すべりがよく、滑らかな感触の化粧料を得ることができるものである。なお、上記摩擦係数の平均偏差(MMD)は、実施例に詳述した方法によって測定した値である。
本発明の皮脂吸着剤は、全光線透過率が40%以下であることが好ましい。このような範囲のものとすることで、紫外線遮蔽効果に優れた酸化亜鉛粒子とすることができる。なお、上記全光線透過率は、実施例に詳述した方法によって測定した値である。
本発明は、上述した板状集積型酸化亜鉛からなる皮脂吸着剤を含む化粧料でもある。本発明における化粧料への板状集積型球状酸化亜鉛配合量は、全組成中0.5〜90重量%、特に1〜85重量%が好ましい。配合量が0.5重量%未満であれば皮脂吸着効果が低く、90重量%よりも多いと皮脂を吸着しすぎて感触が悪くなるためである。
本発明の皮脂吸着剤を配合した化粧料は、上記皮脂吸着剤以外に、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、無機及び有機顔料、無機及び有機粘土鉱物等の各種粉体、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等の成分を含有するものであってもよい。具体的には、以下に列挙した配合成分の1種又は2種以上を任意に配合して常法により目的の化粧料を製造することが可能である。これらの配合成分の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
上記油分としては特に限定されず、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、シリコーン油等を挙げることができる。
上記親油性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α´−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ボリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等を挙げることができる。
親水性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE 脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができる。
その他の界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体等のカチオン界面活性剤、及び、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤を安定性及び皮膚刺激性に問題のない範囲で配合してもよい。
上記保湿剤としては特に限定されず、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物等を挙げることができる。
上記高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤としては特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等を挙げることができる。
上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子を挙げることができる。
半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。
合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等を挙げることができる。
無機の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等を挙げることができる。
紫外線遮蔽剤としては特に限定されず、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線遮蔽剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線遮蔽剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線遮蔽剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線遮蔽剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3− カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5− メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等を挙げることができる。
各種の抽出液としては特に限定されず、例えば、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグリマギクエキス、ハマメリスエキス、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液、甘草エキス等を挙げることができる。
上記各種粉体としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機粉末やポリエチレン末、ナイロン末、架橋ポリスチレン、セルロースパウダー、シリコーン末等の有機粉末等を挙げることができる。好ましくは、官能特性向上、化粧持続性向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用される。また、本発明に該当しない他の酸化亜鉛粒子を混合して使用するものであってもよい。
上述したような本発明の技術は、メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛又はこれを含有する組成物を皮膚上に塗付することによって皮脂を吸着する方法として把握することもできる。更に、本発明は、メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛又はこれを含有する組成物の皮膚上に塗付することによる皮脂吸着への使用として把握することもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお,特に断らない限り,以下に記載する「%」は「重量%」を意味する。
(実施例1)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)31.3gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう調製した水酸化ナトリウム水溶液758mlに、TW−O120V(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB値14.9)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液を10秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が1.28μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。
(実施例2)実施例1で得られた板状集積型球状酸化亜鉛粒子100重量部に対して、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業製KF−96A−100cs)2重量部を加えサンプルミルを使って混合し、乾式処理をした。
(実施例3) 酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)31.3gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう調製した水酸化ナトリウム水溶液758mlに、TW−L120(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB値16.7)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液を10秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が1.16μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。このようにして得られた実施例3の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、実施例1の酸化亜鉛粒子に比べて臭気が少ないものであった。
(実施例4) 実施例3で得られた板状集積型球状酸化亜鉛粒子100重量部に対して、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業製KF−96A−100cs)2重量部を加えサンプルミルを使って混合し、乾式処理をした。
実施例5実施例1で得られた板状集積型球状酸化亜鉛粒子100重量部に対して、トリエトキシカプリリルシラン(信越化学工業製、AES−3083)を2重量部加え、サンプルミルで混合し、乾式処理をした。
(参考例)実施例1で得られた板状集積型球状酸化亜鉛粒子100重量部に対して、ハイドロゲンジメチコン(信越化学工業製KF−9901)2重量部を加え、サンプルミルで混合した後、120℃で12時間乾燥させた。得られたハイドロゲンジメチコン処理板状集積型球状酸化亜鉛粒子は黄変していた。
実施例1〜5の皮脂吸着量、メジアン径、比表面積、MIU(平均摩擦係数)、MMD(摩擦係数の平均偏差)、全光線透過率を測定し、表1に示した。また、比較例1〜3として市販の微粒子酸化亜鉛粒子(堺化学工業製 FINEX−50)および市販の酸化亜鉛粒子(堺化学工業製 酸化亜鉛1種)、化粧料の皮脂吸着剤として一般的なアクリルビーズ(東亞合成製 ジュリマー MB−1XJ)、を同様に測定し、表1に示した。なお、測定方法は以下に記載の方法である。
実施例および比較例1、2で得られた粉末を用いて、実施例6〜11および比較例4〜6としてベビーパウダーを作成し、同様に物性を測定し、表2に示した。
(実施例6)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)26.1gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、実施例1で得られた板状集積型球状酸化亜鉛2.4gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=87:5:8)。
(実施例7)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)26.1gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、実施例2で得られた板状集積型球状酸化亜鉛2.4gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=87:5:8)。
(実施例8)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)28.2gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、実施例2で得られた板状集積型球状酸化亜鉛0.3gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=94:5:1)。
(実施例9)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)6gと実施例2で得られた板状集積型球状酸化亜鉛24gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:酸化亜鉛=20:80)。
(実施例10)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)26.1gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、実施例3で得られた板状集積型球状酸化亜鉛2.4gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=87:5:8)。
(実施例11)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)26.1gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、実施例4で得られた板状集積型球状酸化亜鉛2.4gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=87:5:8)。
(比較例4)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)28.5gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン=95:5)。
(比較例5)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)26.1gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、比較例1の酸化亜鉛2.4gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た。(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=87:5:8)
(比較例6)タルク(JA−80R:浅田製粉社製)26.1gとトウモロコシデンプン(DRY−FLO PURE:アグゾノーベル社製)1.5g、比較例2の酸化亜鉛 2.4gをサンプルミルで混合しベビーパウダーを得た。(配合比は、タルク:トウモロコシデンプン:酸化亜鉛=87:5:8)
(皮脂吸着量の測定)(1)人工皮脂の調製と検量線の作成オレイン酸を20%、オリーブ油を40%、スクアレンを40%混合し、ホモディスパーで10分間撹拌し、人工皮脂を調製した。この人工皮脂をイソプロピルアルコールに対して1%、5%、10%、20%、50%になるように調製した。イソプロピルアルコールで希釈した各濃度の人工皮脂をアルミニウム箔上に滴下し、油圧プレスを用いて転写した。転写した部分を赤外分光光度計NICOLET iS10(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製)を用いて2945〜2875cm−1のC−H非対称伸縮のピーク面積を計算し、各濃度の人工皮脂とピーク面積の検量線を作成した。
(2)粉体に吸着した皮脂量の測定人工皮脂2.5g、イソプロピルアルコール7gを遠沈管内に入れ、実施例1〜5および比較例1〜3の粉末(実施例6〜11、比較例4〜6の場合は得られたベビーパウダー)各0.5gと混合し、30分間静置させた。静置後、高速冷却遠心機Avanti HP−26XP(ベックマン・コールター社製)を用いて30分間8000rpmでケーキと溶媒を分離し、溶媒をスクリュー管に入れた。続いて、溶媒をアルミニウム箔に滴下して油圧プレスで転写し、転写した部分を赤外分光光度計NICOLET iS10(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製)を用いて2945〜2875cm−1 のC−H非対称伸縮のピーク面積を計算した。そのピーク面積から(1)で作成した検量線を用いて溶媒中の人工皮脂量を逆算した。実施例および比較例の粉末を混合する前の人工皮脂とイソプロピルアルコール混合溶液の濃度を基準として、遠心分離後の溶媒の濃度との差から粉体に吸着した人工皮脂の割合(%)を計算し、皮脂吸着量(mg/g)を求めた。皮脂吸着量(mg/g)の値が大きいほど、皮脂と反応し固化させ皮脂の広がりを抑えることができ、化粧崩れに有効であることを意味する。
(メジアン径)レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750(堀場製作所社製)を用いて測定した。
(比表面積)比表面積(m/g)は、全自動BET比表面積測定装置Macsorb(Mountech社製)を用いて測定した。
(MIU(平均摩擦係数))表1および2のMIU(平均摩擦係数)は、上記実施例、比較例の粉末をKES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)で測定した値である。スライドガラスに25mm幅の両面テープを貼り、粉体を載せ、化粧用パフで伸ばし、KES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)によりMIU(平均摩擦係数)を測定した。摩擦測定荷重25gf、表面測定試料移動速度1mm/sec、測定距離範囲20mmの条件で測定を行った。センサーとしては、シリコーン
接触子(人間の指を想定した凹凸が施されたシリコーンゴム製の摩擦子)を用いた。MIU(平均摩擦係数)の値が小さい程、滑り性が良く滑り易いことを意味する。
(MMD(摩擦係数の平均偏差))表1および2のMMD(摩擦係数の平均偏差)は、上記実施例、比較例の粉末をKES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)で測定した値である。スライドガラスに25mm幅の両面テープを貼り、粉体を載せ、化粧用パフで伸ばし、KES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)によりMMD(摩擦係数の平均偏差)を測定した。摩擦測定荷重25gf、表面測定試料移動速度1mm/sec、測定距離範囲20mmの条件で測定を行った。センサーとしては、シリコーン接触子(人間の指を想定した凹凸が施されたシリコーンゴム製の摩擦子)を用いた。MMD(摩擦係数の平均偏差)の値が小さい程、ざらつき感が少なく滑らかさが高いことを意味する。
(塗膜の作成)実施例および比較例の粉末0.1g、ワセリン(和光純薬工業社製)0.9gを、研究用オートマチックフーバーマーラー(東洋精機製作所社製)を用いて、回転速度100rpm、10(lb)の荷重をかけながら50回転混練し、混練物をガラス板の上に数滴滴下し、バーコーター(No.579 ROD No.30 安田精機製作所社製)を用いて塗膜を作成した。作成直後の塗膜を用いて、波長350nmにおける全光線透過率(%)を測定した。全光線透過率(%)の値が小さいほど、UVAの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。
表1の結果から、以下のことが確認された。 本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、比表面積が大きい微粒子酸化亜鉛(比較例1)や、同程度のメジアン径を持つ不定形酸化亜鉛(比較例2)よりも皮脂吸着能力に優れ、かつ感触にも優れることが確認された。また、特に、本発明の実施例1、2、4、5の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、一般的に皮脂吸着剤や感触改良剤として使用されているアクリルビーズ(比較例3)よりも皮脂吸着能力に優れ、かつ紫外線遮蔽能力にも優れることが確認された。また、実施例1と実施例3を比較すると、本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、製造工程において、親水性分散剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを用いたものが、より皮脂吸着能力が高いことが確認された。さらに、実施例1と実施例2、実施例1と実施例5、実施例3と実施例4をそれぞれ比較すると、本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、オルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランを表面処理することにより、皮脂吸着能力が向上することが確認された。特に、オルガノポリシロキサンの表面処理により、皮脂吸着能力をより向上することが確認された。
したがって、本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子を含む皮脂吸着剤は、高い皮脂吸着能力と紫外線遮蔽能力を持ち、かつ感触にも優れた材料であることが分かる。 また、表2の結果から、特に本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子を含む皮脂吸着剤をベビーパウダーは、本発明の皮脂吸着剤を含有しないベビーパウダー(比較例4)に比べて、皮脂吸着能力が高く、かつ紫外線遮蔽能力にも優れることが確認された。 さらに、本発明の皮脂吸着剤を含むベビーパウダーは、従来の酸化亜鉛を含むベビーパウダー(比較例5、6)に比べて皮脂吸着能力と感触に優れることが確認された。したがって、本発明の皮脂吸着剤を含有する化粧料は、感触に優れ、高い皮脂吸着能力と紫外線遮蔽能力を持ち合わせることができる。
本発明の皮脂吸着剤は、化粧崩れ抑制に有効で、感触を損なわず高い紫外線遮蔽性を持つ化粧料用素材として好適に使用できる。

Claims (7)

  1. メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛からなることを特徴とする皮脂吸着剤。
  2. メジアン径が0.01μm以上10μm未満であり、0.5〜10重量部の範囲でオルガノポリシロキサンまたはトリエトキシカプリリルシランを表面処理した板状集積型球状酸化亜鉛からなることを特徴とする皮脂吸着剤。
  3. 上記オルガノポリシロキサンは、ジメチルシリコーンである請求項1又は2記載の皮脂吸着剤。
  4. 亜鉛塩水溶液をアルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、前記工程(1)はポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート存在下で行う方法によって得られた板状集積型球状酸化亜鉛である請求項1又は2記載の皮脂吸着剤。
  5. 請求項1、2又は3記載の皮脂吸着剤を含む化粧料。
  6. メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛又はこれを含有する組成物を皮膚上に塗付して皮脂を吸着する方法。
  7. メジアン径0.01μm以上10μm未満である板状集積型球状酸化亜鉛又はこれを含有する組成物の皮膚上に塗付することによる皮脂吸着への使用。
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