JPH07118133A - 化粧料用酸化亜鉛及び製造方法 - Google Patents

化粧料用酸化亜鉛及び製造方法

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JPH07118133A
JPH07118133A JP28560093A JP28560093A JPH07118133A JP H07118133 A JPH07118133 A JP H07118133A JP 28560093 A JP28560093 A JP 28560093A JP 28560093 A JP28560093 A JP 28560093A JP H07118133 A JPH07118133 A JP H07118133A
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zinc oxide
less
zinc
ppm
cosmetics
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JP28560093A
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Takashi Hoshino
孝 星野
Hirobumi Yamamoto
博文 山本
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧もちが良く、紫外線吸収能が高く、分散
性に優れ、光沢が向上した化粧料用酸化亜鉛を提供す
る。 【構成】 比表面積が70〜110m2 /gであり、含
有する不純物が、Pbは15ppm以下、Cdは2pp
m以下、Feは5ppm以下、Asは2ppm以下、C
lは10ppm以下、SO4 は50ppm以下、Naは
5ppm以下、Mnは5ppm以下である、化粧料用酸
化亜鉛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メーキャップ化粧料に
配合されることにより、透明感及び化粧もちを改善する
ことができ、しかも高い紫外線吸収能を有する化粧料用
酸化亜鉛に関する。
【0002】
【従来の技術】ファンデーション、アイシャドウ、頬
紅、口紅等の化粧料は、目もと、頬、口もと等にみずみ
ずしさを与え、容姿を美しく、魅力的なものにするため
のものであり、美が求められる女性の必需品である。か
かる化粧料は、通常、粉末、油、水、ワックス等からな
り、このうち粉末は、着色顔料と、タルク、カオリン、
マイカ、二酸化チタン、硫酸バリウム等の体質顔料とか
らなる。そして化粧料には、紫外線から女性の肌を保護
するため紫外線吸収剤が配合されたものもある。
【0003】また、酸化亜鉛を主成分とする化粧料が提
案されており、例えば、特開昭60−231607号公
報、特開昭61−37711号公報、特開昭61−25
7909号公報、特開昭62−228006号公報、特
開昭57−205319号公報、特開平2−28950
6号公報、特開平3−183620号公報、特公昭60
−33767号公報、特公平3−74641号公報、特
公平3−39483号公報、特公平4−5643号公報
等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
化粧料においては、長時間塗膜の美しさを維持するのは
困難であった。また、紫外線吸収能も未だ充分なものと
は言い難かった。本発明は、上記に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、化粧料に配合されること
により、透明感がよく、化粧もちを改善することがで
き、しかも紫外線から肌を有効に保護しうる化粧料用酸
化亜鉛を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、酸化亜
鉛であって、その比表面積が70〜110m2 /gであ
り、その含有する不純物が、Pbは15ppm以下、C
dは2ppm以下、Feは5ppm以下、Asは2pp
m以下、Clは10ppm以下、SO4 は50ppm以
下、Naは5ppm以下、Mnは5ppm以下である酸
化亜鉛を化粧料用に用いるところにある。
【0006】酸化亜鉛の比表面積が70m2 /g未満で
不純物が上記より多くなると、化粧料に配合したときに
触媒活性が小さくなり、皮脂中に存在する遊離脂肪酸と
の反応性が劣って化粧もちが悪くなり、また可視光線の
透過率や紫外線吸収能も低下する。比表面積が110m
2 /gを超えるものは、現在の製造方法では、工業的に
製造することができない。従って、上記範囲に限定され
る。
【0007】酸化亜鉛の製造方法としては、一般に、湿
式法と乾式法(フランス法)とがある。湿式法は、硫酸
亜鉛溶液にソーダ灰を加えて液中に塩基性炭酸亜鉛を沈
殿させ、水洗、乾燥後、仮焼する方法であるが、この方
法によると、硫酸根、ナトリウムイオン、塩素イオン等
の不純物のかなりの量が残留するため、酸化亜鉛の触媒
活性が低下し、また紫外線吸収能が不充分となり、本発
明の目的には使用することができない。
【0008】乾式法は、溶融させた金属亜鉛をレトルト
の中で約1000℃に加熱し、発生する亜鉛蒸気を空気
を用いて酸化し、生成物を送風機で空冷管に送って冷却
し、コレクター及びバッグフィルターで分離、捕集する
方法である。本発明の製造方法は、この乾式法を改良し
たものであって、亜鉛蒸気を空気を用いて酸化する際
に、炭酸ガスを含んだ水蒸気を吹き込むことを特徴とす
るものである。
【0009】本発明においては、亜鉛蒸気を一定流速、
例えば、1.0〜1.5kg/時間程度の流速で流し、
これに一定量、例えば、1.8Nm3 /分程度の空気と
炭酸ガスを含んだ水蒸気を吹きつければよい。
【0010】本発明の化粧料用酸化亜鉛は、顔料として
これまでに知られた他の配合成分とともに、ファンデー
ション、アイシャドウ、頬紅、口紅等の化粧料に配合す
ることができる。他の配合成分としては、例えば、タル
ク、マイカ、カオリン、二酸化チタン、着色顔料等の粉
末、油分、アルコール、香料等を適宜配合することがで
きる。配合にあたっては、本発明の化粧料用酸化亜鉛
は、粒子のまま、又は油分と混合してローラー等により
混練してペースト状にして化粧料に配合することができ
る。
【0011】本発明の酸化亜鉛の化粧料への配合量は、
1〜50重量%であるのが好ましい。1重量%未満の場
合には添加効果を得ることができず、50重量%を超え
る場合には、化粧料の透明感が損なわれるので、好まし
くない。
【0012】
【実施例】以下に本発明の酸化亜鉛の製造に関する実施
例、評価試験及び使用例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】実施例1 ノズルから金属亜鉛蒸気を1kg/時の流速で流し、こ
れに2.0Nm3 /分の空気と炭酸ガスを含んだ水蒸気
を吹き付けて、金属亜鉛を酸化し、生成物を捕集後、粉
砕、加熱して微粒子を作製した。その比表面積をBET
吸着法によって測定したところ、75.2m2 /gであ
った。
【0014】実施例2 ノズルから金属亜鉛蒸気を1kg/時の流速で流し、こ
れに1.8Nm3 /分の空気と炭酸ガスを含んだ水蒸気
を吹き付けて、金属亜鉛を酸化し、生成物を捕集後、粉
砕、加熱して微粒子を作製した。その比表面積をBET
吸着法によって測定したところ、90.0m2 /gであ
った。
【0015】実施例3 ノズルから金属亜鉛蒸気を10kg/時の流速で流し、
これに15.0Nm3/分の空気と炭酸ガスを含んだ水
蒸気を吹き付けて、金属亜鉛を酸化し、生成物を捕集
後、粉砕、加熱して微粒子を作製した。その比表面積を
BET吸着法によって測定したところ、103.6m2
/gであった。
【0016】評価試験1 前記実施例1〜3で得た酸化亜鉛で調製した塗膜の可視
光透過率(%)及び紫外線吸収率(%)を分光光度計
(日立製作所製、型式100−10)にて測定した。そ
の結果を表1に示した。なお、分光光度計の紫外部の吸
収波長として370nmを、また、可視部の吸収波長と
して520nmを用いた。また、表中には比表面積60
2 /gの湿式法で得られた酸化亜鉛(堺化学工業社
製、ZINCA−20)(比較例1)及び比表面積4.
5m2 /gの局方酸化亜鉛(堺化学工業社製)(比較例
2)の可視光透過率(%)及び紫外線吸収率(%)を比
較参照のため併記した。
【0017】
【表1】
【0018】表1より実施例1〜3は比較例1、2に比
べて可視光透過率及び紫外線吸収率がともに高いことが
分かる。このように実施例1〜3で得た酸化亜鉛は、可
視光透過率が高いため、メーキャップ化粧料に配合して
も化粧料の透明性を損なうことが少なくなる。また、紫
外線吸収率が高いので、紫外線吸収顔料として化粧料に
配合することができる。
【0019】評価試験2 前記実施例1〜3で得た酸化亜鉛及び比較例1、2の酸
化亜鉛を配合した場合の、皮脂との反応性による化粧も
ちの改良効果を示すため、オレイン酸を使用してインビ
トロの試験を行った。その結果を表2に示した。
【0020】
【表2】
【0021】また、前記実施例1〜3で得た酸化亜鉛及
び比較例1、2の酸化亜鉛の触媒活性能試験の結果を表
3に示した。触媒活性能の目安としては、微分反応管を
用いて、イソプロピルアルコールの脱水素反応によるア
セトンへの転化率で示した。
【0022】
【表3】
【0023】表2より実施例1〜3で得られた酸化亜鉛
は、比較例1、2に比べて、脂肪酸との反応性が大であ
り、皮脂ゲル化能が強く、化粧もちが良いことが分か
る。また、表3より実施例1〜3で得られた酸化亜鉛
は、比較例1、2に比べて、イソプロピルアルコールの
転化率が60〜78モル%で、大きな触媒活性能を有す
ることが分かる。
【0024】使用例1〜3(口紅の作製) ヒマシ油15部(重量部、以下同じ)、ジ−2−ヘプチ
ルウンデカン酸グリセリン30部、流動パラフィン15
部、ポリエチレンワックス15.8部、カルナバロウ3
部を加熱混合して溶解させた。次いで、この溶液に予め
調製しておいた、前記実施例1〜3で得た各酸化亜鉛1
0部をヒマシ油10部にそれぞれ分散させた液と、着色
顔料とを加えて攪拌し、均一に分散させた。次いで、減
圧して脱気し、口紅容器に移した後、冷却固化させて口
紅を作製した。実施例1の酸化亜鉛を用いて作製した口
紅を使用例1、実施例2の酸化亜鉛を用いて作製した口
紅を使用例2、実施例3の酸化亜鉛を用いて作製した口
紅を使用例3として、透明性及び化粧もちについての官
能テストを10人の女性パネラーにより行った。上記テ
スト結果を表4示した。
【0025】参考例 実施例1で得た酸化亜鉛に代えて、湿式法で得た前記比
較例1の酸化亜鉛10部を用いたこと以外は、使用例1
と同様にして口紅の作製及び官能テストを行った。上記
テスト結果を表4に示した。
【0026】
【表4】
【0027】表中、透明性の評価において、○は透明感
があったこと(10人中10人)を、△はややくすみが
あったこと(10人中8人)を示す。また、化粧もちの
評価において、○は4時間経過後の化粧もちが良いこと
(10人中10人)を、△はやや化粧もちが良くない
(10人中9人)を示す。表4より明らかなように、使
用例1〜3の場合、得られた口紅は参考例で得られたも
のに比べて透明性に優れており、また化粧もちが良いこ
とがわかる。
【0028】使用例4(パウダリーファンデーションの
作製) 実施例2で得られた酸化亜鉛50部、タルク18部、マ
イカ15部、赤色酸化鉄0.5部、黄色酸化鉄1.0
部、黒色酸化鉄0.2部及び酸化チタン6.3部を攪拌
して混合した。この混合顔料にシリコーン油3部、流動
パラフィン5部、ソルビタンセスキオレート1部、及び
適宜量の防腐剤及び香料を加えて加熱しながら攪拌混合
して溶解させ、混合粉砕した。この粉砕物を所定形状に
成形してパウダリーファンデーションを作製した。得ら
れたファンデーションは、従来のものに比べて化粧のび
が良く、肌へのフィット感があり、化粧もちも極めて良
かった。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、不純物の混じら
ない高純度の酸化亜鉛を得ることができる。本発明の酸
化亜鉛を配合した化粧料は、化粧もちが良く、紫外線吸
収能が高く、分散性に優れ、化粧料の光沢をより向上さ
せることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 9/02 B 9/03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が70〜110m2 /gであ
    り、含有する不純物が、Pbは15ppm以下、Cdは
    2ppm以下、Feは5ppm以下、Asは2ppm以
    下、Clは10ppm以下、SO4 は50ppm以下、
    Naは5ppm以下、Mnは5ppm以下であることを
    特徴とする、化粧料用酸化亜鉛。
  2. 【請求項2】 溶融させた金属亜鉛をレトルトの中で約
    1000℃に加熱し、発生する亜鉛蒸気を空気を用いて
    酸化し、生成物を送風機で空冷管に送って冷却し、コレ
    クター及びバッグフィルターで分離、捕集してなる乾式
    法酸化亜鉛製造方法において、亜鉛蒸気を空気を用いて
    酸化する際に炭酸ガスを含んだ水蒸気を吹き込むことを
    特徴とする請求項1記載の化粧料用酸化亜鉛の製造方
    法。
JP28560093A 1993-10-20 1993-10-20 化粧料用酸化亜鉛及び製造方法 Pending JPH07118133A (ja)

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