JP6454569B2 - 球状酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents

球状酸化亜鉛の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6454569B2
JP6454569B2 JP2015043253A JP2015043253A JP6454569B2 JP 6454569 B2 JP6454569 B2 JP 6454569B2 JP 2015043253 A JP2015043253 A JP 2015043253A JP 2015043253 A JP2015043253 A JP 2015043253A JP 6454569 B2 JP6454569 B2 JP 6454569B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc oxide
spherical
zinc
compound
glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015043253A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016160165A (ja
Inventor
次雄 佐藤
次雄 佐藤
しゅう 殷
しゅう 殷
瑞希 吉田
瑞希 吉田
田中 巧
巧 田中
武弘 後藤
武弘 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Daito Kasei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tohoku University NUC
Daito Kasei Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Daito Kasei Kogyo Co Ltd filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2015043253A priority Critical patent/JP6454569B2/ja
Publication of JP2016160165A publication Critical patent/JP2016160165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6454569B2 publication Critical patent/JP6454569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、粒子の形態が球状である酸化亜鉛、該酸化亜鉛の製造方法、並びに該酸化亜鉛を含有する化粧料に関するものである。
近年、酸化亜鉛粉体が、例えば日焼け止め剤やファンデーション、アイシャドウ、口紅などのメイクアップ化粧料において、紫外線遮蔽剤として、またカバー力などを付与するために用いられている。また、球状の粒子は、皮膚に塗布した時に感触を向上させることを目的として用いられている。さらに、表面に小さな凹凸が付与された粒子は、ソフトフォーカス性を向上させることを目的として用いられている。また、酸化亜鉛粉体はフィラーなどの工業用途としても使用され、剛性の付与や制振効果の付与、表面平滑性の付与などを目的として配合されている。
これら化粧品やフィラーなどに用いられる酸化亜鉛の粒子としては、粒子の形状及び粒子径が均一なもの、表面に小さな凹凸を付与することによって高いソフトフォーカス性が付与されたもの、さらには高い紫外線遮蔽効果をもつものが求められている。
しかしながら、現在用いられている酸化亜鉛の粒子は、粒子径の制御が困難であり、粒度分布に幅があるものがほとんどで、形態も不均一である。また、単分散した状態ではなく、粒子が複数重なり合った凝集体を形成しており、酸化亜鉛の特性を十分に発揮できないという問題点がある。また、酸化亜鉛は特に皮膚に塗布した時の感触が悪いなどの問題点がある。このため、粒子径や形態を球状に制御でき、皮膚に塗布した時の感触が良く、紫外線遮蔽効果の高い酸化亜鉛の粒子を提供することが求められている。
一方、酸化亜鉛粉体の製造方法については、各種の方法が知られている。一般的には、乾式法としてフランス法と呼ばれる製造方法が知られている。この方法は、熔融させた金属亜鉛をレトルトの中で約1000℃に加熱し、発生する亜鉛蒸気を空気で酸化させ、これを送風機で空冷管に送って冷却し、サイクロン及びバグフィルターで分離、捕集する方法である。一方、湿式法としては、ドイツ法が知られている。この方法は、硫酸亜鉛または塩化亜鉛の水溶液にソーダ灰溶液を加えてできる白色の塩基性炭酸亜鉛の沈殿を水洗乾燥後焼成して製造する方法である。
しかし、これらの方法で作製された酸化亜鉛はサイズが不均一であるという問題点がある。また、高温での処理が必要になるため、環境に与える影響があるとともに、反応装置がコスト高になるという問題点がある。
また、球状の酸化亜鉛を合成する方法としては、ミスト焼成法と呼ばれる方法が知られている。しかしながら、この方法では中空体ができやすく、かつ球状の粒子を得ることが困難である。
特許文献1においては、低温希薄亜鉛蒸気を酸素と接触させることによって、球状の酸化亜鉛粒子を製造する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、高温の亜鉛溶湯に不活性ガスを吹き込むことによって亜鉛蒸気を発生させる必要がある。また、その亜鉛蒸気には毒性があるという問題点もある。
また、特許文献2においては、有機亜鉛化合物を用いた球状酸化亜鉛の合成方法が提案されている。しかしながら、この方法では焼成時の温度を高く設定する必要がある。また、出発原料に有機亜鉛化合物を使用しているため、焼成課程に有毒ガスが発生する恐れがある。さらに得られる酸化亜鉛の収率が低く、しかも他の形状の酸化亜鉛との混在化でしか得ることができないという問題点がある。
特開昭63−288914号公報 特開平11−49516号公報
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、粒子径が均一で単分散した球状酸化亜鉛、および環境に優しく、簡便かつ低コストで粒子径を均一に制御することが可能な球状酸化亜鉛の製造方法、並びに紫外線遮蔽効果が高く、ソフトフォーカス性に優れると共に使用感に優れる化粧料を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究した結果、酸化亜鉛の種結晶を核として、水溶性亜鉛化合物とグリコールとアミン化合物を用い、溶液反応にて合成することによって、粒子が球状に制御され、粒子径を均一に制御することが可能な球状酸化亜鉛粉体の製造方法を見出した。また、これらの球状粉体を化粧料に配合することによって、紫外線遮蔽効果やソフトフォーカス性に優れ、更に使用感の優れた化粧料を提供することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1発明による球状酸化亜鉛は、
酸化亜鉛の種結晶を核として水溶性亜鉛化合物、グリコールおよびアミン化合物の溶液反応によって得られ、一次粒子径が2〜200nmの球状粒子が集積して20〜5000nmの球状を形成していることを特徴とするものである。
第1発明において、平均軸比が0.8以上であるのが好ましい(第2発明)。
次に、第3発明による球状酸化亜鉛の製造方法は、
酸化亜鉛の種結晶を合成した後、その種結晶を核として水溶性亜鉛化合物、グリコールおよびアミン化合物を混合し、50℃〜100℃で溶液反応を行うことを特徴とするものである。
第3発明において、前記種結晶は、比誘電率が5〜85の溶媒中にて水溶性亜鉛化合物と沈殿剤とを混合して合成されたものであるのが好ましい(第4発明)。
次に、第5発明による化粧料は、
第1発明または第2発明に係る球状酸化亜鉛を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、酸化亜鉛の種結晶を核として水溶性亜鉛化合物、グリコールおよびアミン化合物の溶液反応によって球状酸化亜鉛が合成されるので、環境に優しく、簡便かつ低コストで粒子径を均一に制御することが可能となり、粒子径が均一で単分散した球状酸化亜鉛を得ることができる。該球状酸化亜鉛は、一次粒子径が2〜200nmの球状粒子が集積して20〜5000nmの球状を呈するものであるので、表面に小さな凹凸を有している。そして、単分散しており粒子径が均一で表面に小さな凹凸を有する球状酸化亜鉛が化粧料に配合されることにより、紫外線遮蔽効果が高く、ソフトフォーカス性に優れると共に使用感に優れる化粧料を得ることができる。
ここで、グリコールおよびアミン化合物を用いることで、平均軸比が0.8以上の球状粉末を容易に合成することができる。また、酸化亜鉛の種結晶の合成時に比誘電率が5〜85の溶媒を用いることで、非常に微細な粒子を得ることができる。
図1は、製造実施例1の球状酸化亜鉛のSEM写真である。 図2は、製造実施例1の球状酸化亜鉛のTEM写真である。 図3は、製造実施例2の球状酸化亜鉛のSEM写真である。
次に、本発明による球状酸化亜鉛及びその製造方法並びに化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
本発明の球状酸化亜鉛は、一次粒子径が2〜200nm程度であり、その一次粒子が集積し、20〜5000nmの球状を形成している。ここで、集積した球状粒子の粒子径は反応の条件によって制御することができる。また、本発明の球状酸化亜鉛粉体の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、任意の20個の一次粒子の直径を計測し、その平均値を算出することによって測定することができる。
本発明の球状酸化亜鉛は、予め酸化亜鉛の種結晶粒子を合成しておき、その種結晶粒子を核として、水溶性亜鉛化合物とグリコールとアミン化合物を用いた溶液反応を行うことによって製造される。
前記水溶性亜鉛化合物としては、例えば、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛などを用いることができる。
前記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルキレングリコールや、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環式グリコール類や、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等のグリコール類のモノエーテル及びモノエステル等の誘導体等が挙げられる。このうち、エチレングリコールが特に好ましい。
前記アミン化合物としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、エタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどが挙げられる。このうち、トリエタノールアミンが特に好ましい。
亜鉛に対する、グリコールおよびアミン化合物の配合量は、全体を100質量%とした時、亜鉛0.01〜10質量%、グリコール10〜50質量%、アミン化合物2〜20%の範囲で混合することが好ましいが、好ましくは、亜鉛0.1〜5質量%、グリコール20〜40質量%、アミン化合物5〜10質量%の範囲である。また、pHを調整するために水酸化ナトリウムなどを加えても構わない。
前記溶液反応における反応温度は50℃〜100℃で行うのが好ましいが、最も良い条件としては70℃以上である。また、オートクレーブやマイクロ波水熱法などの反応方法を用いることによって100℃以上の高温で行っても構わない。しかし、反応装置が高価であるため、一般的に使用されている反応装置で反応が可能な100℃以下での反応とするのが好ましい。なお、反応中は撹拌を行っても構わない。
また、上記方法にて得られた球状酸化亜鉛を焼成しても構わない。焼成する際の焼成条件としては、300℃〜1500℃の温度範囲で行うのが好ましい。より好ましくは、400℃〜800℃の範囲である。焼成温度が300℃未満の場合においても、X線回折にて分析を行った結果、酸化亜鉛の結晶構造であることが確認できるが、400℃以上で焼成することによって、結晶の配向性が向上し、結晶中での酸素欠陥などの欠陥が減少する。また、紫外線遮蔽効果も長波長側の波長から紫外線を遮蔽することができる。一方、1500℃よりも高い温度になると、高温での処理となり、環境への負荷が増大し、形状も酸化亜鉛が融解し球状を維持できない。
本発明における軸比が0.8以上であることを特徴とする球状酸化亜鉛は、長軸と短軸の比が0.8以上であり、感触に優れた球状をしている。
本発明において、種結晶を合成する時に比誘電率が5から85以下の溶媒中で、水溶性亜鉛化合物と沈殿剤とを混合して種結晶を合成する時の水溶性亜鉛化合物は、前記水溶性亜鉛化合物と同じで、例えば、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛などを用いることができる。
比誘電率が5から85以下の溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、アセトン、アセトニトリル、ギ酸、ニトロベンゼン、ピリジン、水などが挙げられるが、エタノールを用いるのが好ましい。比誘電率が5から85の溶媒を用いることで、非常に微細で均一な核結晶が得られる。
沈殿剤としてはアルカリ金属のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの水酸化物などが挙げられるが、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムなどを用いることが好ましい。
また、種結晶を合成する時の亜鉛濃度は、混合物全体を100質量%とするとき、亜鉛の割合が0.01〜10.0質量%になるように混合することが好ましい。
本発明における球状酸化亜鉛粉末を含有することを特徴とする化粧料としては、特に限定されないが、例えば、ファンデーション、サンスクリーン、美爪、アイライナー、美容液、化粧水、口紅、美容クリーム、洗顔剤、香水、口内清涼剤、口臭予防剤、うがい剤、歯磨き、入浴剤、制汗剤、石鹸、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ボディーローション、デオドラント剤、ヘアクリーム剤、色白剤、美肌剤、育毛剤などが挙げられる。
本発明において、球状酸化亜鉛粉体がファンデーションやサンスクリーン剤として利用される場合、皮膚に塗布したあと、耐水性が必要となるため、これら粉体に疎水性を付与する必要がある。粉体に疎水性を付与するには、ポリシロキサン、アルキルシラン化合物、アルキルチタネート化合物、フッ素化合物などの化合物で粉体の表面が被覆される。また、上記の化合物以外にも、従来公知の各種の表面処理を施すことができる。なお、これらの処理は複数組み合わせることも可能であり、該表面処理を施すことにより疎水性や耐皮脂のみならず肌への親和性などが付与された球状粉体を提供することができる。
また、疎水性化合物を表面被覆する処理方法としては、被覆処理される顔料を適当なミキサー中で撹拌し、表面被覆する化合物を液滴下あるいはスプレー噴霧にて加えた後、一定時間高速強撹拌する。その後、撹拌を続けながら80〜200℃に加熱熟成させることによって、反応表面被覆処理を行う方法が一般的である。又は、表面被覆する化合物をエタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール等のアルコール類、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系有機溶剤、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の極性有機溶剤などに溶解させておき、この溶液に撹拌中に化粧料用顔料を添加撹拌した後、有機溶剤を完全に蒸発除去し、その後、80〜200℃に加熱熟成させることにより、表面被覆処理を行う方法等も挙げられる。
また、混合分散方法としては、溶液の濃度や粘度などに応じて適当な方法を選択することができる。好適な例としては、ディスパー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、ニーダー、V型混合機、ロールミル、ビーズミル、2軸混練機等の混合機による方法や、水溶液と顔料を加熱空気中に噴霧して水分を一気に除去するスプレードライの方法などを選択することができる。また、粉砕を行う場合においては、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができる。これらいずれの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。
この場合、顔料の表面被覆処理に用いられる化合物である成分の質量比は、被覆処理される顔料に対して0.5〜30質量%である。前記質量比が0.5質量%未満であるとロングラスティング効果と肌への均一な付着性が充分でなく、30質量%を越えると感触が非常に油っぽく湿った感じとなり、化粧料としては適さない。
本発明において使用される球状酸化亜鉛以外の顔料としては、通常の化粧料に用いられる粉末を用いることができる。例えば、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロンパウダー(テフロン:登録商標)、シリコンパウダー、セルロースパウダー、シリコンエラストマー等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、窒化ホウ素等の無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナイト、スメクタイト等が挙げられる。
これらの粉末の形状、大きさに特に制限はない。また、これらの粉末は従来公知の各種の表面処理が施されていてもいなくても構わない。表面処理の例としては、例えばアクリルシリコン処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、オクチルトリエトキシシラン処理、N−アシル化リジン処理、有機チタネート処理、シリカ処理、アルミナ処理、セルロース処理、パーフルオロポリエーテル処理、フッ素化シリコーンレジン処理など親水性、親油性、撥水性の各種の処理を用いることが可能である。
また、本発明の化粧料においては、前記の粉末の他に、通常の化粧料に用いられる油剤、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を同時に配合することができる。
ここで、前記油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチン、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、バーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。
また、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコンゲル、アクリルシリコン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フッ素化シリコーンレジン等のフッ素化合物が挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
前記溶媒としては、精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、パーフルオロポリエーテル、代替フロン、揮発性シリコーン等が挙げられる。
次に、実施例を挙げ、適宜に図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
<種結晶の合成>
エタノール40ml中に、酢酸亜鉛二水和物を2.20g、水酸化リチウム一水和物を0.59g加え、撹拌しながら70℃で2時間の条件で反応することによって種結晶を合成した。
(製造実施例1)
<球状酸化亜鉛の合成>
蒸留水100mlに硝酸亜鉛六水和物を2.98g、エチレングリコールを50.0g、トリエタノールアミンを11.94g、水酸化ナトリウムを0.32g加え撹拌混合したのち、そこに上記の種結晶液を1ml加えた。撹拌しながら90℃に加温し、90℃に達した後90分間反応を行った。その後、水洗および乾燥を行う事で平均粒子径が150nmの球状酸化亜鉛を得た。得られた球状酸化亜鉛の結晶構造をX線回折にて分析した結果、酸化亜鉛特有のピークが得られた。得られた球状酸化亜鉛のSEM写真を図1に示し、TEM写真を図2に示す。
(製造実施例2)
<球状酸化亜鉛の合成>
製造実施例1において加える種結晶液を0.5mlとしたこと以外は同条件で合成を行い、平均粒子径が200nmの球状酸化亜鉛を得た。得られた球状酸化亜鉛のSEM写真を図3に示す。
(製造実施例3)
製造実施例1にて得られた球状酸化亜鉛に、メチルハイドロジェンポリシロキサンにて以下の方法で表面被覆処理を施した。
まず、ヘンシェルミキサーに製造実施例1で得られた球状酸化亜鉛1000gを入れ、続いてメチルハイドロジェンポリシロキサン20.4gをイソプロピルアルコール125gに溶解させた溶液を滴下混合し、板状ベーマイトと良く混合した。その後、ヘンシェルミキサー内を加熱及び減圧し、イソプロピルアルコールを除去した。処理された粉体をヘンシェルミキサーから取り出し、粉砕して加熱処理を行い、シリコーン化合物が2質量%処理された球状酸化亜鉛を得た。
次に、製造実施例3で得られた粉末を用いて、以下の実施例1の化粧料を調製した。
(実施例1)
〔日焼け止め化粧料の製造〕
表1の処方と下記製造方法に従い日焼け止め化粧料を得た。なお、表中の配合量の単位は質量%である。

<製造方法>
成分AおよびBをそれぞれ80℃にて混合し、均一に分散したのを確認後、30℃にまで冷却する。冷却後成分Bを成分Aにホモミキサーにて攪拌しながら少しずつ添加し、均一になるまで良く混合し、球状酸化亜鉛粉体配合サンスクリーンを得た。
(比較例1)
製造実施例3で製造されたシリコーン処理球状酸化亜鉛の代わりに、シリコーン処理された市販されている酸化亜鉛を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
実施例1及び比較例1で作製した化粧料について、女性パネラー10名を使用して、使用感に関する官能評価試験を実施した。試験はアンケート形式で実施し、各項目に0点から5点の間の点数をつけ、0点は評価が悪い、5点は評価が優れるとして数値化し、結果を全パネラーの平均点として表した。従って、点数が高い程評価が優れていることを示す。この評価結果が表2に示されている。
表2の結果より、実施例1は比較例1よりも、使用感、化粧持ち、肌の透明感全てにおいて優れる結果となった。
本発明によれば、一次粒子径が2〜200nmの粒子が集積し、20〜5000nmの球状を形成している球状酸化亜鉛粉体を提供することが可能であり、また、その球状酸化亜鉛粉体を配合することにより、肌へ塗布した時の使用感、透明感、化粧持ちが優れた化粧料を提供することが可能であるので、ファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅、口紅などのメイクアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料に用いて好適であり、産業上の利用可能性が大である。

Claims (2)

  1. 酸化亜鉛の種結晶を合成した後、その種結晶を核として水溶性亜鉛化合物、グリコールおよびアミン化合物を混合し、50℃〜100℃で溶液反応を行うことを特徴とする球状酸化亜鉛の製造方法。
  2. 前記種結晶は、比誘電率が5〜85の溶媒中にて水溶性亜鉛化合物と沈殿剤とを混合して合成されたものである請求項1に記載の球状酸化亜鉛の製造方法。
JP2015043253A 2015-03-05 2015-03-05 球状酸化亜鉛の製造方法 Active JP6454569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043253A JP6454569B2 (ja) 2015-03-05 2015-03-05 球状酸化亜鉛の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043253A JP6454569B2 (ja) 2015-03-05 2015-03-05 球状酸化亜鉛の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016160165A JP2016160165A (ja) 2016-09-05
JP6454569B2 true JP6454569B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=56846376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015043253A Active JP6454569B2 (ja) 2015-03-05 2015-03-05 球状酸化亜鉛の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6454569B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2971069A1 (en) 2016-01-20 2017-07-20 Jiangsu Midea Cleaning Appliances Co., Ltd. Vacuum cleaner

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012193119A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Daito Kasei Kogyo Kk 球状粉体及びそれを含有する化粧料
JP6012339B2 (ja) * 2012-08-28 2016-10-25 大東化成工業株式会社 複合粉末の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016160165A (ja) 2016-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0753326A (ja) メイクアップ化粧料
JP5955137B2 (ja) 球状二酸化チタンの製造方法
JP7088183B2 (ja) 粉体改質剤および複合粉体、ならびにメイクアップ化粧料
JP4046394B2 (ja) 化粧料および化粧方法
JP5593568B2 (ja) 板状ベーマイト及び板状アルミナ系粉体の製造方法
JP2007308395A (ja) 化粧料
JP2012121835A (ja) さらさらとした使用感、洗浄性に優れた親油化表面処理微粒子粉体およびそれを配合した化粧料
JP6454569B2 (ja) 球状酸化亜鉛の製造方法
JP2010083846A (ja) 化粧料用顔料とそれを含有する化粧料
JP5872825B2 (ja) 金属酸化物・酸化亜鉛固溶体粒子の製造方法、球状粉体の製造方法、被覆球状粉体の製造方法及び化粧料の製造方法
JP2012193119A (ja) 球状粉体及びそれを含有する化粧料
JP6012339B2 (ja) 複合粉末の製造方法
JP6143640B2 (ja) 針状酸化亜鉛粒子およびその製造方法並びに化粧料
JP2008050388A (ja) 撥水撥油性顔料およびそれを含有する化粧料
JPH11199458A (ja) 化粧料
JP6204653B2 (ja) 表面処理粉体及びその粉体を配合した化粧料
JP3461972B2 (ja) メイクアップ化粧料
JP6042165B2 (ja) 複合粉末の製造方法
JPH10204317A (ja) 複合粉体及び化粧料
JP3524281B2 (ja) 化粧料
JP2013155070A (ja) 多針状酸化亜鉛粒子およびその製造方法並びに化粧料
JP3664272B2 (ja) 化粧料
JP2014129235A (ja) 板状粉体及びそれを含有する化粧料
JPH11209646A (ja) 活性抑制型酸化チタン粉体および化粧料
JPH0912431A (ja) 化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6454569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250