JPWO2016186196A1 - アゾ化合物及びそれらを含有する染料系偏光膜並びに偏光板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、偏光性能及び耐久性に優れるとともに可視光領域における色漏れの少ない、偏光板及びそれを用いた車載用途用ニュートラルグレー偏光板に用いる二色性色素として有用なアゾ化合物を提供することを目的とする。下記式(1)(式中、Aは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基及び/又はスルホ基を有するナフチル基であり、R1〜R4の少なくとも1つはスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のR1〜R4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である)で示されるアゾ化合物又はその塩。

Description

本発明は、新規なアゾ化合物及びそれらを含有してなる染料系偏光膜並びに偏光板に関するものである。
光の透過・遮へい機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等の表示装置の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も初期の頃の電卓および時計等の小型機器から、ノートパソコン、ワープロ、液晶プロジェクター、液晶テレビ、カーナビゲーション、及び屋内外の計測機器等が挙げられる。また偏光機能を有するレンズへの適用も可能であり、視認性の向上したサングラスや、近年では3Dテレビなどに対応する偏光メガネなどへの応用がなされている。以上のような偏光板の用途が広範囲に広がっているため、使用条件も低温〜高温、低湿度〜高湿度、低光量〜高光量の幅広い条件で使用されることから、高い偏光性能かつ高い耐久性を有する偏光板が求められている。
現在、偏光板は延伸配向したポリビニルアルコール又はその誘導体のフィルムあるいはポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸又はポリビニルアルコール系フィルムの脱水によりポリエンを生成して配向せしめたポリエン系のフィルムなどの偏光膜基材に、ヨウ素や二色性染料を染色又は含有せしめて製造される。これらは、偏光板における偏光特性や耐久性に大きく影響する物質である。ヨウ素を用いたヨウ素系偏光膜は、偏光性能には優れるものの、水および熱に対して弱く、高温、高湿の状態で長時間使用する場合にはその耐久性に問題がある。耐久性を向上させるためにホルマリン、あるいは、ほう酸を含む水溶液で処理したり、また透湿度の低い高分子フィルムを保護膜として用いたりする方法などが考えられているがその効果は十分とはいえない。一方、染料を用いた染料系偏光膜はヨウ素系偏光膜に比べ、耐湿性および耐熱性は優れるものの、一般に偏光性能が十分でない。
近年まで液晶ディスプレイの画像の鮮明性を上げるために高い輝度で画像表示していた。そのようなディスプレイを搭載していたハイブリッドカーやモバイル端末などではバッテリーの駆動時間を長くしたいという要求が出てきたため、液晶ディスプレイメーカーが消費電力を下げるために輝度を落としても画像の明るさ、色の鮮明さを維持できるような偏光板が求められてきた。
しかし、高分子フィルムに数種の染料を吸着・配向させてなる偏光膜において、で、可視光領域の波長領域における特定波長の光漏れ(色漏れ)があると、偏光膜を液晶パネルに装着した際、暗状態において液晶表示の色相が変わってしまうことがある。そこで、偏光膜を液晶表示装置に装着したとき、暗状態において特定波長の色漏れによる液晶表示の変色を防止するためには、高分子フィルムに数種の染料を染色又は含有させた中性色の偏光膜において、可視光領域の波長領域における直交位の透過率(直交透過率)を一様に低くしなければならない。また、車載液晶ディスプレイでは、夏の車の中では高温高湿環境となることから偏光度変化のない偏光板も求められている。以前は偏光性能が良好でニュートラルグレーを呈するヨウ素系偏光板が使用されていた。しかし、ヨウ素系偏光板は前述のとおり耐光性、耐熱性、耐湿熱性が十分でないという問題がある。この問題を解決するため、二色性染料を数種類染色又は含有した染料系ニュートラルグレー偏光板が使用されるようになってきた。染料系ニュートラルグレー偏光板は、一般的には光の三原色である赤・青・黄の染料を組み合わせて使用する。しかし、前述のとおり染料系ニュートラルグレー偏光板の偏光性能は十分ではない。そこで三原色ごとに偏光性能が良好な二色性染料の開発が必要であった。
染料系の特徴は、前述のとおり光の三原色の成分を制御するために、それに対応する各々独立した染料を染色または含有することである。近年の液晶ディスプレイパネルに用いられる光源は冷陰極管方式又はLED方式などがあるが、そこから発せられる光源波長は方式によって異なり、同じ方式でもパネル製造各社によって異なる場合が多い。そこで偏光性能が良好な二色性染料を開発する上で、特に光源の波長に合致する吸収波長をもつ二色性染料の設計が重要である。
上記のような染料系偏光膜の製造に用いられる染料としては、例えば特許文献1〜5などに記載されている水溶性アゾ化合物が挙げられる。
特許第2622748号公報 特開2001−33627号公報 特開2009−132794号公報 特許第4270486号公報 特許第4360100号公報
染料化学;細田豊 著、技報堂 出版、1957
本発明の目的の一つは、優れた偏光性能および耐湿性・耐熱性・耐光性を有する高性能な偏光板を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、高分子フィルムに2種類以上の二色性染料を吸着・配向せしめてなるニュートラルグレーを呈する偏光板であって、可視光領域の波長領域における直交位の色もれがなく、優れた偏光性能及び耐湿性、耐熱性、耐光性を有する高性能な偏光板を提供することにある。
さらなる目的は車載液晶ディスプレイ用の染料系ニュートラルグレー偏光板であり、明るさと偏光性能、耐久性及び耐光性のいずれもが良好である高性能な偏光板を提供することにある。
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、特定のアゾ化合物又はその塩を含有する偏光膜及び偏光板が、優れた偏光性能及び耐湿性、耐熱性、耐光性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、<1>
下記式(1)
Figure 2016186196

(式中、Aは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基及び/又はスルホ基を有するナフチル基であり、R〜Rの少なくとも1つは各々独立にスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のR〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である)
で示されるアゾ化合物又はその塩、
<2>
上記式(1)において、前記他のR〜Rは各々独立に、水素原子、メチル基又はメトキシ基である、<1>に記載のアゾ化合物又はその塩、
<3>
(a)Rがスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、(b)Rがスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、又は(c)R及びRが各々独立にスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、<1>又は<2>に記載のアゾ化合物又はその塩、
<4>
上記式(1)において、スルホ基を有する低級アルコキシ基が3−スルホプロポキシ基である、<1>〜<3>に記載のアゾ化合物又はその塩、
<5>
Aが下記式(2)
Figure 2016186196

(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基、又はスルホ基であり、nは1〜3の整数である)
で示される、<1>〜<4>のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
<6>
下記式(3)
Figure 2016186196

(Rは水素原子、ヒドロキシ基、及び/又はスルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基であり、R〜R10の少なくとも1つはスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のR〜R10は各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、xは1〜3の整数である)
で示されるアゾ化合物又はその塩、
<7>
上記式(3)において、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基ではないR〜R10が各々独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基である、<6>に記載のアゾ化合物又はその塩、
<8>
(a)Rがスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、(b)R10がスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、又は(c)R及びR10が各々独立にスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、<6>又は<7>に記載のアゾ化合物又はその塩、
<9>
上記式(3)において、Rが水素原子であり、xが2である、<6>〜<8>のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
<10>
上記式(3)において、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基が3−スルホプロポキシ基である、<6>〜<9>のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
<11>
<1>〜<10>のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩を含有する偏光膜基材を含む、染料系偏光膜、
<12>
<1>〜<10>のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、並びにこれら以外の有機染料を1種類以上含有する偏光膜基材を含む、染料系偏光膜、
<13>
偏光膜基材がポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体からなるフィルムである、<11>又は<12>に記載の染料系偏光膜、
<14>
<11>〜<13>のいずれか一項に記載の染料系偏光膜の少なくとも一方の面に透明保護層を貼合して得られうる、染料系偏光板、
<15>
<11>〜<13>のいずれか一項に記載の染料系偏光膜又は<14>に記載の染料系偏光板を用いる、液晶表示用偏光板、
<16>
<11>〜<13>のいずれか一項に記載の染料系偏光膜、<14>に記載の染料系偏光板、又は<15>に記載の液晶表示用偏光板を用いる、車載用途用ニュートラルグレー偏光板、
<17>
<14>に記載の染料系偏光板、<15>に記載の液晶表示用偏光板、又は<16>に記載の車載用途用ニュートラルグレー偏光板を用いる、液晶表示装置、
に関する。
本発明のアゾ化合物又はその塩は、偏光膜用の染料として有用である。そしてこれらの化合物を含有する偏光膜は、ヨウ素を用いた偏光膜に匹敵する高い偏光性能を有し、且つ耐久性にも優れる。そのため、各種液晶表示体及び液晶プロジェクター用、又、高い偏光性能と耐久性を必要とする車載用途、各種環境で用いられる工業計器類の表示用途に好適である。
本発明のアゾ化合物は、上記式(1)で表される。上記式(1)中におけるAは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基及び/又はスルホ基を有するナフチル基であり、R〜Rの少なくとも1つはスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のR〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。
以下、式(1)の化合物について説明するが、以下の置換基等において、炭素数1〜4は「低級」と称す。
また、本願において、「置換基」は水素原子を含むが、便宜上「置換基」として説明する。
上記式(1)中の構造であるAは置換基を有するナフチル基を示す。その置換基としては水素原子、スルホ基、ヒドロキシ基、スルホ基を有する低級アルコキシ基、スルホ基が好ましい。より好ましくは、Aは上記式(2)に示すナフチル基であり、Rは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基、又はスルホ基を示し、nは1〜3である。また、スルホン基の位置はナフタレン環のどちらのベンゼン核に有していてもよい。スルホ基を有する低級アルコキシ基としては、直鎖アルコキシ基が好ましく、スルホ基の置換位置はアルコキシ基末端が好ましい。より好ましくは3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基である。ナフチル基が有する置換基の置換位置は特に限定されない。下記式(4)に示す番号で説明すると、置換基が2個の場合は5−位と7−位、又は6−位と8−位の組合せが好ましく、置換基が3個の場合は3−位と5−位と7−位、3−位と6−位と8−位が好ましい。
Figure 2016186196

上記式(1)においてR〜Rは置換基を有してもよく、その置換基は限定されない。好ましくは、R〜Rは各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基を示し、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、スルホ基を有する低級アルコキシ基である。上記式(1)中のスルホ基を有する低級アルコキシ基としては、好ましくは炭素数が2〜4である直鎖アルコキシであり、スルホ基の置換位置はアルコキシ基末端である。さらに好ましくは炭素数が3である3−スルホプロポキシ基、炭素数が4である4−スルホブトキシ基である。特に好ましくは、炭素数が3である3−スルホプロポキシ基である。
ベンゼン環におけるR〜Rの置換位置は特に限定されない。下記式(5)に示す番号で説明すると、好ましくは、2−位のみ、5−位のみ、2−位と6−位の組合せ、2−位と5−位の組合せ、3−位と5−位の組合せである。さらに好ましくは、2−位のみ、5−位のみ、2−位と5−位の組合せである。なお、前記において、2−位のみ、5−位のみとは、2−位または5−位のみに水素原子以外の置換基を1つ有することを示す。特に好ましくは、2−位に3−スルホプロポキシ基、5−位にそれ以外の置換基の組合せである。
Figure 2016186196

次に、本発明で使用する上記式(1)で表されるアゾ化合物の具体例を以下に挙げる。尚、式中のスルホ基、カルボキシ基及びヒドロキシ基は遊離酸の形で表す。
Figure 2016186196
Figure 2016186196
Figure 2016186196
Figure 2016186196
Figure 2016186196
Figure 2016186196
Figure 2016186196

Figure 2016186196

Figure 2016186196

上記式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩は、非特許文献1に記載されるような通常のアゾ染料の製法に従い、ジアゾ化、カップリング、特許文献3に記載されるようなウレイド化を行うことにより容易に製造できる。
具体的な製造方法を以下に示す。
下記式(i)で示されるような、置換基を有するアミノナフタレン(ナフチルアミン)類を非特許文献1と同様の製法によりジアゾ化し、下記式(ii)のアニリン類とカップリングさせ、下記式(iii)で示されるモノアゾアミノ化合物を得る。
Figure 2016186196

(式中、Aは上記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
Figure 2016186196

(式中、R1、は上記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
Figure 2016186196

(式中、A、R、Rは上記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
次いで、このモノアゾアミノ化合物(iii)をジアゾ化し、下記式(iv)のアニリン類と二次カップリングさせ、下記式(v)で示されるジスアゾアミノ化合物を得る。
Figure 2016186196

(式中、R、Rは上記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
Figure 2016186196

(式中、A、R〜Rは上記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
このジスアゾアミノ化合物(v)を、クロロギ酸フェニルと反応させることにより上記式(1)のアゾ化合物が得られる。
上記反応において、ジアゾ化工程はジアゾ成分の塩酸、硫酸などの鉱酸水溶液又はけん濁液に亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を混合するという順法によるか、あるいはジアゾ成分の中性もしくは弱アルカリ性の水溶液に亜硝酸塩を加えておき、これと鉱酸を混合するという逆法によって行われる。ジアゾ化の温度は、−10〜40℃が適当である。また、アニリン類とのカップリング工程は塩酸、酢酸などの酸性水溶液と上記各ジアゾ液を混合し、温度が−10〜40℃でpH2〜7の酸性条件で行われる。
カップリングして得られたモノアゾアミノ化合物及びジスアゾアミノ化合物はそのままあるいは酸析や塩析により析出させ濾過して取り出すか、溶液又は懸濁液のまま次の工程へ進むこともできる。ジアゾニウム塩が難溶性で懸濁液となっている場合は濾過し、プレスケーキとして次のカップリング工程で使うこともできる。
一次及び二次カップリングで用いられるスルホ基を有するアルコキシ基を有するアニリン類(上記式(ii)及び/又は(iv))の具体的な製造方法としては、フェノール類を特許文献4第35ページで示される製法によりスルホアルキル化及び還元によりスルホアルコキシアニリン類を得られ、カップリング工程で使うことができる。
ジスアゾアミノ化合物とクロロギ酸フェニルとのウレイド化反応の具体的な方法としては、特許文献3第57ページで示される製法により、温度が10〜90℃でpH7〜11の中性からアルカリ性条件で行われる。反応終了後、塩析により析出させ濾過して取り出す。また精製が必要な場合には、塩析を繰り返すか又は有機溶媒を使用して水中から析出させればよい。精製に使用する有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類等の水溶性有機溶媒があげられる。
尚、本発明において上記式(1)で表されるアゾ化合物は遊離酸として用いられるほか、アゾ化合物の塩として用いることができる。そのような塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の有機塩が挙げられる。一般的にはナトリウム塩が用いられる。
式(1)で表される水溶性染料を合成するための出発原料の1つは、水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基、又はスルホ基を有するナフチルアミン類:A−NHである。水素原子、ヒドロキシル基、スルホ基を有するナフチルアミン類:A−NHとしては、例えば4−アミノナフタレンスルホン酸、7−アミノナフタレン−3−スルホン酸、1−アミノナフタレン−6−スルホン酸、1−アミノナフタレン−7−スルホン酸、7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸、6−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸、7−アミノナフタレン−1,5−ジスルホン酸、7−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸等が挙げられる。7−アミノナフタレン−3−スルホン酸、6−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸、7−アミノナフタレン−1,4−ジスルホン酸、7−アミノナフタレン−1,5−ジスルホン酸、2−アミノ−8−ヒドロキシ−ナフタレン−6−スルホン酸、3−アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸、1−アミノナフタレン−3,6,8−トリスルホン酸、2−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸、1−アミノナフタレン−3,8−ジスルホン酸等が好ましい。Aが式(2)で示される化合物を合成する場合において、スルホ基及びスルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基を有するナフチルアミン類としては、例えば7−アミノ−3−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、7−アミノ−3−(4−スルホブトキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、7−アミノ−3−(5−スルホペントキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、7−アミノ−4−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、7−アミノ−4−(4−スルホブトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、7−アミノ−4−(5−スルホペントキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、6−アミノ−4−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、6−アミノ−4−(4−スルホブトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、6−アミノ−4−(5−スルホペントキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、2−アミノ−5−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−1,7−ジスルホン酸、6−アミノ−4−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−2,7−ジスルホン酸、7−アミノ−3−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−1,5−ジスルホン酸などが挙げられる。
上記式(1)において、一次及び二次カップリング成分中のR〜Rは置換基を有してもよく、その置換基は特に限定されない。好ましくはR〜Rは各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基を示し、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、スルホ基を有する低級アルコキシ基である。
アニリン類におけるR〜Rの置換位置は限定されない。好ましくは、2−位のみ、5−位のみ、2−位と6−位の組合せ、2−位と5−位の組合せ、3−位と5−位の組合せであり、特に好ましくは、2−位のみ、5−位のみ、2−位と5−位の組合せである。
一次及び/又は二次カップラであるアニリン類の例としては、アニリン、2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニリン、3−メチルアニリン、3−エチルアニリン、3−プロピルアニリン、3−ブチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2−メトキシアニリン、2−エトキシアニリン、2−プロポキシアニリン、2−ブトキシアニリン、3−メトキシアニリン、3−エトキシアニリン、3−プロポキシアニリン、3−ブトキシアニリン、2−メトキシ−5−メチルアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン又は3,5−ジメトキシアニリン等が挙げられる。
一次及び/又は二次カップラであるアニリン類の他の例としては、3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(2−アミノフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、4−(2‐アミノフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)エタン―1−スルホン酸、2−(2−アミノフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、3−(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(3−アミノフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(3‐アミノ−4−メチルフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、4−(3−アミノフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、3−(2−アミノ−4−メトキシフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(2−アミノ−4−メトキシフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、−(2−アミノ−4−メトキシフェノキシ)エタン―1−スルホン酸 等、3−(3−アミノ−4−メトキシフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(3−アミノ−4−メトキシフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノ−4−メトキシフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、3−(2−アミノ−4−エトキシフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(2−アミノ−4−エトキシフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、−(2−アミノ−4−エトキシフェノキシ)エタン―1−スルホン酸 等、3−(3−アミノ−4−エトキシフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(3−アミノ−4−エトキシフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノ−4−エトキシフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、等が挙げられる。好ましくは3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(2−アミノフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、4−(2‐アミノフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)エタン―1−スルホン酸、2−(2−アミノフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、3−(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(3−アミノフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(3‐アミノ−4−メチルフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、4−(3−アミノフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノフェノキシ)エタン−1−スルホン酸、3−(2−アミノ−4−メトキシフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(2−アミノ−4−メトキシフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、−(2−アミノ−4−メトキシフェノキシ)エタン―1−スルホン酸、3−(3−アミノ−4−メトキシフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、4−(3−アミノ−4−メトキシフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸、2−(3−アミノ−4−メトキシフェノキシ)エタン−1−スルホン酸であり、特に好ましくは3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸、3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)ブタン−1−スルホン酸である。
これらのアニリン類はアミノ基が保護されていてもよい。保護基としては、例えばそのω−メタンスルホン基が挙げられる。
また、本発明の染料系偏光膜又は染料系偏光板には、上記式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩が単独又は複数併用で使用される他、必要に応じて他の有機染料を一種以上併用してもよい。併合する有機染料に特に制限はないが、本発明のアゾ化合物もしくはその塩の吸収波長領域と異なる波長領域に吸収特性を有する染料であって二色性の高いものが好ましい。例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ71、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド2、シー.アイ.ダイレクト.レッド31、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド247、シー.アイ.ダイレクト.ブルー237、シー.アイ.ダイレクト.ブルー273、シー.アイ.ダイレクト.ブルー274、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59および特許文献1〜5に記載された染料等が代表例として挙げられるが、目的に応じて特許文献1〜5に記載されているような偏光板用に開発された染料を用いることがより好ましい。これらの色素は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩(例えばNa塩、K塩、Li塩)、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。
必要に応じて、他の有機染料を併用する場合、目的とする偏光膜が、中性色の偏光膜、液晶プロジェクター用カラー偏光膜、その他のカラー偏光膜により、それぞれ配合する染料の種類は異なる。その配合割合は特に限定されるものではないが、一般的には、上記式(1)のアゾ化合物又はその塩の質量を基準として、前記の有機染料の少なくとも一種以上の合計で0.1〜10質量部の範囲で用いるのが好ましい。
上記式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩を、必要に応じて他の染料と共に偏光膜基材(例えば、高分子フィルム)に公知の方法で含有させ配向させる、液晶と共に混合させる、もしくは塗工方法により配向させることにより、各種の色、または中性色を有する偏光膜を製造することが出来る。得られた偏光板は、保護膜を付けて、偏光板として、必要に応じて保護層又はAR(反射防止)層及び支持体等を設け、液晶プロジェクター、電卓、時計、ノートパソコン、ワープロ、液晶テレビ、カーナビゲーション及び屋内外の計測器や表示器等、レンズやメガネに使用される。
本発明の染料系偏光膜に使用する偏光膜基材(高分子フィルム)は、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体からなるフィルムがよく、具体例としてはポリビニルアルコール又はその誘導体、及びこれらのいずれかをエチレン、プロピレンのようなオレフィンや、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸などで変性したもの等があげられる。なかでも、ポリビニルアルコール又はその誘導体からなるフィルムが、染料の吸着性および配向性の点から、好適に用いられる。基材の厚さは通常30〜100μm、好ましくは50〜80μm程度である。
このような偏光膜基材(高分子フィルム)に、上記式(1)のアゾ化合物又はその塩を含有せしめるにあたっては、通常、高分子フィルムを染色する方法が採用される。染色は、例えば次のように行われる。まず、本発明のアゾ化合物又はその塩、及び必要によりこれ以外の染料を水に溶解して染浴を調製する。染浴中の染料濃度は特に制限されないが、通常は0.001〜10質量%程度の範囲から選択される。また、必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝を0.1〜10質量%程度の濃度で用いるのが好適である。このようにして調製した染浴に高分子フィルムを1〜10分間浸漬し、染色を行う。染色温度は、好ましくは40〜80℃程度である。
上記式(1)のアゾ化合物又はその塩の配向は、上記のようにして染色された高分子フィルムを延伸することによって行われる。延伸する方法としては、例えば湿式法、乾式法など、公知のいずれの方法を用いてもよい。高分子フィルムの延伸は、場合により、染色の前に行ってもよい。この場合には、染色の時点で水溶性染料の配向が行われる。水溶性染料を含有・配向せしめた高分子フィルムは、必要に応じて公知の方法によりホウ酸処理などの後処理が施される。このような後処理は、偏光膜の光線透過率および偏光度を向上させる目的で行われる。ホウ酸処理の条件は、用いる高分子フィルムの種類や用いる染料の種類によって異なるが、一般的にはホウ酸水溶液のホウ酸濃度を0.1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲とし、処理は30〜80℃、好ましくは40〜75℃の温度範囲で、0.5〜10分間浸漬して行われる。更に必要に応じて、カチオン系高分子化合物を含む水溶液で、フィックス処理を併せて行ってもよい。
このようにして得られた本発明の染料系偏光膜は、その片面又は両面に、光学的透明性および機械的強度に優れる透明保護膜を貼合して、偏光板とすることができる。保護膜を形成する材料としては、例えば、セルロースアセテート系フィルムやアクリル系フィルムのほか、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン系共重合体のようなフッ素系フィルム、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリアミド系樹脂からなるフィルム等が用いられる。好ましくはトリアセチルセルロース(TAC)フィルムやシクロオレフィン系フィルムが用いられる。保護膜の厚さは通常40〜200μmである。
偏光膜と保護膜を貼り合わせるのに用いうる接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ウレタンエマルジョン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステルーイソシアネート系接着剤などが挙げられ、ポリビニルアルコール系接着剤が好適である。
本発明の染料系偏光板の表面には、さらに透明な保護層を設けてもよい。保護層としては、例えばアクリル系やポリシロキサン系のハードコート層やウレタン系の保護層等があげられる。また、単板光透過率をより向上させるために、この保護層の上にAR層を設けることが好ましい。AR層は、例えば二酸化珪素、酸化チタン等の物質を蒸着又はスパッタリング処理によって形成することができ、またフッ素系物質を薄く塗布することにより形成することができる。なお、本発明の染料系偏光板は、位相差板を貼付した楕円偏光板として使用することも出来る。
このように構成した本発明の染料系偏光板は中性色を有し、可視光領域の波長領域において直交位の色もれがなく、偏光性能に優れ、さらに高温、高湿状態でも変色や偏光性能の低下を起こさず、可視光領域における直交位での光もれが少ないという特徴を有する。
本発明における車載用途用ニュートラルグレー偏光板は、二色性染料として、上記式(1)で表されるアゾ化合物又はその塩を、必要に応じて更に前記の他の有機染料と共に含有するものである。また、本発明の液晶プロジェクター用カラー偏光板に使用される偏光膜も前記の製造法で製造される。これらはさらに保護膜を付け偏光板とし、必要に応じて保護層又はAR層及び支持体等を設け、車載用途用ニュートラルグレー偏光板として用いられる。
液晶プロジェクター用カラー偏光板としては、該偏光板の必要波長域(A.超高圧水銀ランプを用いた場合;青色チャンネル用420〜500nm、緑色チャンネル500〜580nm、赤色チャンネル600〜680nm、B.3原色LEDランプを用いた場合のピーク波長;青色チャンネル用430〜450nm、緑色チャンネル520〜535nm、赤色チャンネル620〜635nm)における、単板平均光透過率が39%以上、直交位の平均光透過率が0.4%以下で、より好ましくは該偏光板の必要波長域における単板平均光透過率が41%以上、直交位の平均光透過率が0.3%以下、より好ましくは0.2%以下である。さらに好ましくは、該偏光板の必要波長域における単板平均光透過率が42%以上、直交位の平均光透過率が0.1%以下である。本発明の液晶プロジェクター用カラー偏光板は上記のように明るさと優れた偏光性能を有するものである。
なお、単板平均光透過率は、AR層及び透明ガラス板等の支持体の設けていない一枚の偏光板(以下単に偏光板と言うときは同様な意味で使用する)に自然光を入射したときの特定波長領域における光線透過率の平均値である。直交位の平均光透過率は、配向方向を直交位に配した二枚の偏光板に自然光を入射したときの特定波長領域における光線透過率の平均値である。
本発明の車載用途用ニュートラルグレー偏光板は、偏光膜と保護膜からなる偏光板に、前記AR層を設け、AR層付き偏光板としたものが好ましく、さらに透明樹脂などの支持体に貼付したAR層及び支持体付き偏光板はより好ましい。
本発明の車載用途用ニュートラルグレー偏光板は、通常支持体付偏光板として使用される。支持体は偏光板を貼付するため、平面部を有しているものが好ましく、また光学用途であるため、透明基板が好ましい。透明基板としては、大きく分けて無機基板と有機基板があり、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、水晶基板、サファイヤ基板、スピネル基板等の無機基板や、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー等の有機基板が挙げられるが、有機基板が好ましい。透明基板の厚さや大きさは所望のサイズでよい。また、透明基板付き偏光板には、単板光透過率をより向上させるために、その支持体面又は偏光板面の一方もしくは双方の面にAR層を設けることが好ましい。
車載用途用支持体付カラー偏光板を製造するには、例えば支持体平面部に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に本発明の染料系偏光板を貼付すればよい。また、偏光板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に支持体を貼付してもよい。ここで使用する接着(粘着)剤は、例えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。尚、この偏光板を楕円偏光板として使用する場合、位相差板側を支持体側に貼付するのが通常であるが、偏光板側を透明基板に貼付してもよい。
即ち、本発明の染料系偏光板を用いた車載用途用液晶ディスプレイでは、液晶セルの入射側又は出射側のいずれか一方もしくは双方に本発明の染料系偏光板が配置される。該偏光板は液晶セルに接触していても、接触していなくてもよいが、耐久性の観点からすると接触していないほうが好ましい。出射側において、偏光板が液晶セルに接触している場合、液晶セルを支持体とした本発明の染料系偏光板を使用することができる。偏光板が液晶セルに接触していない場合、液晶セル以外の支持体を使用した本発明の染料系偏光板を使用することが好ましい。また、耐久性の観点からすると、液晶セルの入射側又は出射側のいずれにも本発明の染料系偏光板が配置されることが好ましく、さらに本発明の染料系偏光板の偏光板面を液晶セル側に、支持体面を光源側に配置することが好ましい。なお、液晶セルの入射側とは、光源側のことであり、反対側を出射側という。
本発明の染料系偏光板を用いた車載用途用液晶ディスプレイでは、使用する液晶セルは、例えばアクティブマトリクス型で、電極及びTFTが形成された透明基板と対向電極が形成された透明基板との間に液晶を封入して形成されるものが好ましい。冷陰極管ランプ又は白色LED等の光源から放射された光は、ニュートラルグレー偏光板を通過し、ついで液晶セル、カラーフィルター、さらにニュートラルグレー偏光板を通過し表示画面上に投影される。
このように構成した車載用途用ニュートラルグレー偏光板は、偏光性能に優れ、さらに社内の高温、高湿状態でも変色や偏光性能の低下を起こさないという特徴を有する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本発明をなんら限定するものではない。例中にある%および部は、特にことわらないかぎり質量基準である。
(実施例1)
7−アミノナフタレン−1、3−ジスルホン酸30.3部を水400部に加え、水酸化ナトリウムで溶解する。35%塩酸10.4部を加え、次に亜硝酸ナトリウム6.9部を加え、1時間攪拌する。そこへ水に溶解した3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸24.5部を加え、30〜40℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウムを加えてpH5とし、さらに攪拌してカップリング反応を完結させ、下記式(30)で示されるモノアゾアミノ化合物を50.4部得た。
Figure 2016186196
上記式(79)のモノアゾ化合物50.4部を水600部に分散させたのち、35%塩酸9.4部を、次に亜硝酸ナトリウム6.2部を加え、25〜30℃で2時間攪拌してジアゾ化する。そこへ水に溶解した3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸22部を加え、30〜40℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウムを加えてpH5とし、さらに攪拌してカップリング反応を完結させ、下記式(80)で示されるジスアゾアミノ化合物を65.3部得た。
Figure 2016186196
得られたジスアゾアミノ化合物65.3部を水250部に加え、水酸化ナトリウムで溶解し、クロロギ酸フェニル6.2部を、30〜70℃で2時間攪拌し、ウレイド化した。塩化ナトリウムで塩析し、濾過して上記式(6)で示される本発明のアゾ化合物41.4部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は486nmであった。
(実施例2)
実施例1において7−アミノナフタレン−1、3−ジスルホン酸を6−アミノナフタレン−1、3−ジスルホン酸30.3部に変更する以外は実施例1と同様にして上記式(7)で示される本発明のアゾ化合物41.4部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は480nmであった。
(実施例3)
実施例1において7−アミノナフタレン−1、3−ジスルホン酸を7−アミノナフタレン−1、5−ジスルホン酸30.3部に変更する以外は実施例1と同様にして上記式(8)で示される本発明のアゾ化合物41.4部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は523nmであった。
(実施例4)
実施例1において7−アミノナフタレン−1、3−ジスルホン酸を6−アミノナフタレン−2−スルホン酸22.3部に変更する以外は実施例1と同様にして上記式(9)で示される本発明のアゾ化合物41.4部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は466nmであった。
(実施例5)
上記実施例1の1次カップリングと同様にして上記式(79)で示されるモノアゾアミノ化合物を50.4部得た。
上記式(79)のモノアゾ化合物50.4部を水600部に分散させたのち、35%塩酸9.4部を、次に亜硝酸ナトリウム6.2部を加え、25〜30℃で2時間攪拌してジアゾ化する。そこへ2,5−ジメチルアニリン10.9部を加え、30〜40℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウムを加えてpH3とし、さらに攪拌してカップリング反応を完結させ、下記式(81)で示されるジスアゾアミノ化合物を55.3部得た。
Figure 2016186196
得られたジスアゾアミノ化合物55.3部を水250部に加え、水酸化ナトリウムで溶解し、クロロギ酸フェニル6.2部を、30〜70℃で2時間攪拌し、ウレイド化した。塩化ナトリウムで塩析し、濾過して上記式(30)で示される本発明のアゾ化合物35.2部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は455nmであった。
(実施例6)
実施例5において2,5−ジメチルアニリンを2−メトキシアニリン9.8部に変更する以外は実施例5と同様にして上記式(31)で示される本発明のアゾ化合物35.3部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は480nmであった。
(実施例7)
実施例5において7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸を6−アミノナフタレン−1、3−ジスルホン酸30.3部に、2,5−ジメチルアニリンを3−メチルアニリンに変更する以外は実施例5と同様にして上記式(32)で示される本発明のアゾ化合物34.5部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は452nmであった。
(実施例8)
7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸30.3部を水400部に加え、水酸化ナトリウムで溶解する。35%塩酸10.4部を加え、次に亜硝酸ナトリウム6.9部を加え、1時間攪拌する。そこへ2,5−ジメチルアニリン12.1部を加え、30〜40℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウムを加えてpH5とし、さらに攪拌してカップリング反応を完結させ、下記式(82)で示されるモノアゾアミノ化合物を39.2部得た。
Figure 2016186196
上記式(82)のモノアゾ化合物50.4部を水600部に分散させたのち、35%塩酸9.4部を、次に亜硝酸ナトリウム6.2部を加え、25〜30℃で2時間攪拌してジアゾ化する。そこへ3−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸19.6部を加え、30〜40℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウムを加えてpH5とし、さらに攪拌してカップリング反応を完結させ、下記式(83)で示されるジスアゾアミノ化合物を55.3部得た。
Figure 2016186196

得られたジスアゾアミノ化合物55.3部を水250部に加え、水酸化ナトリウムで溶解し、クロロギ酸フェニル6.2部を、30〜70℃で2時間攪拌し、ウレイド化した。塩化ナトリウムで塩析し、濾過して上記式(52)で示される本発明のアゾ化合物35.2部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は463nmであった。
(実施例9)
実施例8において7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸を6−アミノ−4−(3−スルホプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸に変更する以外は実施例8と同様にして上記式(53)で示される本発明のアゾ化合物35.3部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は480nmであった。
(実施例10)
実施例8において2,5−ジメチルアニリンを2−メトキシアニリンに変更する以外は実施例8と同様にして上記式(54)で示される本発明のアゾ化合物35.3部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は486nmであった。
(実施例11)
実施例8において7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸を7−アミノナフタレン−1,5−ジスルホン酸に変更する以外は実施例8と同様にして上記式(55)で示される本発明のアゾ化合物35.7部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は452nmであった。
(実施例12)
実施例8において2,5−ジメチルアニリンを2,5−ジメトキシアニリンに変更する以外は実施例8と同様にして上記式(56)で示される本発明のアゾ化合物36.8部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は510nmであった。
(実施例13)
実施例8において7−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸を6−アミノナフタレン−1,3−ジスルホン酸に変更する以外は実施例8と同様にして上記式(57)で示される本発明のアゾ化合物35.2部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は453nmであった。
(実施例14)
実施例8において2,5−ジメチルアニリンを2−メトキシ−5−メチルアニリンに変更する以外は実施例8と同様にして上記式(58)で示される本発明のアゾ化合物36.8部を得た。この化合物の20%ピリジン水溶液中の極大吸収波長は487nmであった。
(実施例15)
実施例1で得られた上記式(6)の化合物の0.03%および芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液に、厚さ75μmのポリビニルアルコールを4分間浸漬した。このフィルムを3%ホウ酸水溶液中で、50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保ったまま水洗、乾燥して本発明の偏光膜を得た。
得られた偏光膜の極大吸収波長は526nmであり、偏光率は99.9%であり、高い偏光率を有していた。
(実施例16)
実施例5で得られた上記式(30)の化合物の0.03%および芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液に、厚さ75μmのポリビニルアルコールを4分間浸漬した。このフィルムを3%ホウ酸水溶液中で、50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保ったまま水洗、乾燥して本発明の偏光膜を得た。
得られた偏光膜の極大吸収波長は494nmであり、偏光率は99.9%であり、高い偏光率を有していた。
(実施例17)
実施例8で得られた上記式(52)の化合物の0.03%および芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液に、厚さ75μmのポリビニルアルコールを4分間浸漬した。このフィルムを3%ホウ酸水溶液中で、50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保ったまま水洗、乾燥して本発明の偏光膜を得た。
得られた偏光膜の極大吸収波長は502nmであり、偏光率は99.9%であり、高い偏光率を有していた。
なお、試験方法を以下に記す。
偏光膜の極大吸収波長の測定及び偏光率の算出は、偏光入射時の平行透過率、ならびに直交透過率を分光光度計(日立製作所製 U−4100)を用いて測定し、算出した。
ここで平行透過率(Ky)とは、絶対偏光子の吸収軸と偏光膜の吸収軸が平行時の透過率であり、直交透過率(Kz)とは、絶対偏光子の吸収軸と偏光膜の吸収軸が直交時の透過率を示す。
各波長の平行透過率及び直交透過率は、380〜780nmにおいて、1nm間隔で測定した。それぞれ測定した値を用いて、下記式(i)より各波長の偏光率を算出し、380乃至780nmにおいて最も高い時の偏光率と、その極大吸収波長(nm)を得た。
偏光率(%)=[(Ky−Kz)/(Ky+Kz)]×100 (i)
(実施例18〜20)
上記式(6)の化合物に代えて、実施例2〜4に記載のアゾ化合物(上記式(7)〜(9)の化合物)を用いて、実施例15と同様にして本発明の偏光膜を得た。得られた偏光膜の極大吸収波長及び偏光率を表1に示す。
表1の通り、これらの化合物を用いて作成した偏光膜は、いずれも高い偏光率を有していた。
(実施例21及び22)
上記式(30)に代えて、実施例6及び7に記載のアゾ化合物(上記式(31)及び(32)の化合物)を用いて、実施例16と同様にして本発明の偏光膜を得た。得られた偏光膜の極大吸収波長及び偏光率を表1に示す。
表1の通り、これらの化合物を用いて作成した偏光膜は、いずれも高い偏光率を有していた。
(実施例23〜28)
上記式(52)の化合物に代えて、実施例9〜14に記載のアゾ化合物(上記式(53)〜(58)の化合物)を用いて、実施例17と同様にして本発明の偏光膜を得た。得られた偏光膜の極大吸収波長及び偏光率を表1に示す。
表1の通り、これらの化合物を用いて作成した偏光膜は、いずれも高い偏光率を有していた。
Figure 2016186196

(試験例)

画像の質を表す一つの指標として、白表示と黒表示での輝度の差を示すコントラストがあり、実施例15及び18〜20;16、21及び22;並びに17及び23〜28で得られた偏光膜の極大吸収波長及びその際のコントラストを表2に示す。ここでコントラストとは、平行透過率と直交透過率の比(コントラスト=極大吸収波長での平行透過率(Ky)/極大吸収波長での直行透過率(Kz))を示し、この値が大きいほど偏光板の偏光性能が優れているということを表す。なお、偏光性能の評価は、偏光膜の極大吸収波長の平行透過率が等しくなるようにサンプルを作成し、比較を行った。表2に示した通り、これらの化合物を用いて作成した偏光膜はいずれも高いコントラストを有していた。
(比較例1)
本発明の化合物に代えて、特許文献4中の実施例2に記載された方法と同様に合成した特許文献4中の化合物(4)を用いて、本発明の実施例15と同様に偏光膜を作成し、コントラストを算出した。表2に示した通り、本発明の化合物は、比較例1に対しいずれも高いコントラストを示し、偏光性能に優れていた。
(比較例2)
本発明の化合物に代えて、特許文献5中の[0077]に記載された方法と同様に合成した化合物(I−3)を用いて、本発明の実施例15と同様に偏光膜を作成し、コントラストを算出した。表2に示した通り、本発明の化合物は、比較例2に対しいずれも高いコントラストを示し、偏光性能に優れていた。
Figure 2016186196

(実施例29)
実施例1で得られた化合物(6)を染料0.2%、シー・アイ・ダイレクト・オレンジ39を0.07%、シー・アイ・ダイレクト・ブルー274を0.02%及び芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液を用いる以外は実施例15と同様にして偏光膜を作成した。得られた偏光膜の極大吸収波長は576nmであり、380〜600nmにおける単板平均透過率は42%、直交位の平均光透過率は0.02%であり、高い偏光度を有していた。
この偏光膜の両面にポリビニルアルコール水溶液の接着剤を介してトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム;富士写真フィルム社製;商品名TD−80U)をラミネートし、粘着剤を用いてAR支持体付きの本発明の染料系偏光板(ニュートラルグレー偏光板)を得た。本発明の偏光板は、高い偏光率を有し、かつ高温且つ高湿の状態でも長時間にわたる耐久性を示した。また長時間暴露に対する耐光性も優れていた。
(実施例30)
実施例5で得られた化合物(30)を染料0.2%、シー・アイ・ダイレクト・オレンジ39を0.07%、シー・アイ・ダイレクト・ブルー274を0.02%及び芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液を用いる以外は実施例16と同様にして偏光膜を作成した。得られた偏光膜の極大吸収波長は577nmであり、380〜600nmにおける単板平均透過率は42%、直交位の平均光透過率は0.02%であり、高い偏光度を有していた。
この偏光膜の両面にポリビニルアルコール水溶液の接着剤を介してトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム;富士写真フィルム社製;商品名TD−80U)をラミネートし、粘着剤を用いてAR支持体付きの本発明の染料系偏光板(ニュートラルグレー偏光板)を得た。本発明の偏光板は、高い偏光率を有し、かつ高温且つ高湿の状態でも長時間にわたる耐久性を示した。また長時間暴露に対する耐光性も優れていた。
実施例31
実施例8で得られた化合物(52)を染料0.2%、シー・アイ・ダイレクト・オレンジ39を0.07%、シー・アイ・ダイレクト・ブルー274を0.02%及び芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液を用いる以外は実施例17と同様にして偏光膜を作成した。得られた偏光膜の極大吸収波長は575nmであり、380〜600nmにおける単板平均透過率は42%、直交位の平均光透過率は0.02%であり、高い偏光度を有していた。
この偏光膜の両面にポリビニルアルコール水溶液の接着剤を介してトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム;富士写真フィルム社製;商品名TD−80U)をラミネートし、粘着剤を用いてAR支持体付きの本発明の染料系偏光板(ニュートラルグレー偏光板)を得た。本発明の偏光板は、高い偏光率を有し、かつ高温且つ高湿の状態でも長時間にわたる耐久性を示した。また長時間暴露に対する耐光性も優れていた。

Claims (17)

  1. 下記式(1)
    Figure 2016186196

    (式中、Aは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基及び/又はスルホ基を有するナフチル基であり、R〜Rの少なくとも1つは各々独立にスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のR〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である)
    で示されるアゾ化合物又はその塩、
  2. 上記式(1)において、前記他のR〜Rは各々独立に、水素原子、メチル基又はメトキシ基である、請求項1に記載のアゾ化合物又はその塩、
  3. (a)Rがスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、(b)Rがスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、又は(c)R及びRが各々独立にスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、請求項1又は2に記載のアゾ化合物又はその塩、
  4. 上記式(1)において、スルホ基を有する低級アルコキシ基が3−スルホプロポキシ基である、請求項1〜3に記載のアゾ化合物又はその塩、
  5. Aが下記式(2)
    Figure 2016186196

    (式中、Rは水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基、又はスルホ基であり、nは1〜3の整数である)
    で示される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
  6. 下記式(3)
    Figure 2016186196

    (Rは水素原子、ヒドロキシ基、及び/又はスルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基であり、R〜R10の少なくとも1つはスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基であり、他のR〜R10は各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、xは1〜3の整数である)
    で示されるアゾ化合物又はその塩、
  7. 上記式(3)において、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基ではないR〜R10が各々独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基である、請求項6に記載のアゾ化合物又はその塩、
  8. (a)Rがスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、(b)R10がスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、又は(c)R及びR10が各々独立にスルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基である、請求項6又は7に記載のアゾ化合物又はその塩、
  9. 上記式(3)において、Rが水素原子であり、xが2である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
  10. 上記式(3)において、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基が3−スルホプロポキシ基である、請求項6〜9のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩を含有する偏光膜基材を含む、染料系偏光膜、
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のアゾ化合物又はその塩、並びにこれら以外の有機染料を1種類以上含有する偏光膜基材を含む、染料系偏光膜、
  13. 偏光膜基材がポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体からなるフィルムである、請求項11又は12に記載の染料系偏光膜、
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の染料系偏光膜の少なくとも一方の面に透明保護層を貼合して得られうる、染料系偏光板、
  15. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の染料系偏光膜又は請求項14に記載の染料系偏光板を用いる、液晶表示用偏光板、
  16. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の染料系偏光膜、請求項14に記載の染料系偏光板、又は請求項15に記載の液晶表示用偏光板を用いる、車載用途用ニュートラルグレー偏光板、
  17. 請求項14に記載の染料系偏光板、請求項15に記載の液晶表示用偏光板、又は請求項16に記載の車載用途用ニュートラルグレー偏光板を用いる、液晶表示装置、
    に関する。
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