JPWO2016163187A1 - ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 - Google Patents

ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

特に、超微細(例えば、線幅50nm以下)のパターンの形成において、感度、解像性、PED安定性、及びラインエッジラフネス(LER)性能に優れたパターンを形成することが可能なネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を有するマスクブランクス、パターン形成方法、及び上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供する。マスクブランクスは、(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物と、(B)活性光線又は放射線の照射により、体積が130Å3以上2000Å3以下の酸を発生する化合物とを含む、ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を有する。式中、R1は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R2とR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、R4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Arは芳香族基を表し、mとnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。

Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる、電子線や極紫外線を使用して高精細化したパターンを形成し得るネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にエキシマレーザー光にというように短波長化の傾向が見られ、現在では、電子線やX線を用いたリソグラフィも開発が進んでいる。
これら電子線やX線、あるいはEUV光リソグラフィは、次世代若しくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のレジスト組成物が望まれている。ネガ型リソグラフィに適したレジスト組成物としては、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤及び酸発生剤を主成分とするいわゆるネガ型化学増幅型レジスト組成物が有効に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
ネガ型レジストパターンの形成においては、レジスト膜に、現像液による除去が意図された未露光部と、現像液による除去が意図されない露光部とを、露光により設けた場合においても、未露光部のうち、露光部に隣接する領域は、通常、露光量は低いながらも、露光されている(以下、この領域を「弱露光部」という)。よって、弱露光部においても、現像液に対する不溶化又は難溶化が進行することとなり、現像によって形成されるパターン間にブリッジを生じさせる要因となる。
一方、酸発生剤を含むネガ型化学増幅型レジスト組成物として、酸により架橋反応が進行する架橋基、及び、その架橋基と架橋反応しうる部位、これらの両方をポリマー構造中に有するポリマー(以下、「架橋担持ポリマー」という)が開発されている。低分子架橋剤を用いてネガ化する一般的なネガ型化学増幅型レジスト組成物では、プロセス中における低分子架橋剤の揮発が度々問題となるが、架橋担持ポリマーでは、そのような懸念がないという利点がある。例えば、特許文献2には、フェノール性水酸基を有するポリマーに架橋性基としてメチロール基を有するポリマーが記載されている。
特開2002−99085号公報 特開平2−170165号公報
しかしながら、線幅50nm以下のような超微細パターン形成において、十分な解像性は得られていなかった。
また、PED安定性(露光後に加熱操作(PEB)を行うまでの間、放置した場合の塗膜安定性)の更なる改善も求められているが、特許文献2においては、PED安定性に関しては言及されていないとともに、実際、PED安定性が不十分である。
よって、本発明の目的は、特に、超微細(例えば、線幅50nm以下)のパターンの形成において、感度、解像性、PED安定性、及びラインエッジラフネス(LER)性能に優れたパターンを形成することが可能なネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を有するマスクブランクス、パターン形成方法、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することにある。
本発明らは、鋭意検討した結果、特定構造の高分子化合物と、特定の、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを組み合わせたレジスト組成物により上記目的が達成されることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物と、(B)活性光線又は放射線の照射により、体積が130Å以上2000Å以下の酸を発生する化合物とを含む、ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、RとRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Arは芳香族基を表し、mとnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
〔2〕
上記一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位である、上記〔1〕に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、R、R、R及びRは、一般式(1)中のR、R、R及びRと同義である。m’は1又は2を表し、n’は1〜3の整数を表す。
〔3〕
上記一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記一般式(3)で表される繰り返し単位である、上記〔2〕に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、R、R、及びRは、一般式(1)中のR、R、及びRと同義である。n’は1〜3の整数を表す。
〔4〕
上記化合物(B)がスルホニウム塩である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕
更に、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(C)を含む、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕
上記化合物(C)が下記一般式(4)で表されるオニウム塩化合物である、上記〔5〕に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、Aは硫黄原子またはヨウ素原子を表し、Rは水素原子または有機基を表し、Rは(p+1)価の有機基を表し、Xは単結合または連結基を表し、Aは窒素原子を含んだ塩基性部位を表す。R、R、X及びAはそれぞれ、複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
Aが硫黄原子である場合、qは1〜3の整数であり、oはo+q=3の関係を満たす整数である。
Aがヨウ素原子である場合、qは1又は2であり、oはo+q=2の関係を満たす整数である。
pは1〜10の整数を表し、Yはアニオンを表す。
、X、R、Aの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成してもよい。
〔7〕
上記高分子化合物(A)の分散度が、1.0〜1.40である上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔8〕
上記高分子化合物(A)が、下記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体を原料とする製造法により製造された高分子化合物である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中のRは、上記一般式(1)中のRと同義である。
〔9〕
上記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体の分散度が、1.0〜1.20である上記〔8〕に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔10〕
上記一般式(3)中のR及びRが共に水素原子である、上記〔3〕に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔11〕
上記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜。
〔12〕
上記〔11〕に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクス。
〔13〕
上記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程、
上記膜を露光する工程、及び
露光した上記膜を現像してネガ型パターンを形成する工程
を含むパターン形成方法。
〔14〕
上記〔13〕に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
〔15〕
上記〔14〕に記載の電子デバイスの製造方法によって製造された電子デバイス。
本発明により、特に、超微細(例えば、線幅50nm以下)のパターンの形成において、感度、解像性、PED安定性、及びLER性能に優れたパターンを形成することが可能なネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を有するマスクブランクス、パターン形成方法、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において、高分子化合物及び樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(Mw/Mn)は、GPC装置(東ソー製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μl、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL−M(×4本)、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率(RI)検出器)によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、
(A)一般式(1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物(以下、「高分子化合物(A)」とも言う。)と、
(B)活性光線又は放射線の照射により体積130Å以上2000Å以下の大きさの酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B)」又は「化合物(B)とも言う。)
とを含む。
これにより、超微細(例えば、線幅50nm以下の領域)のパターンの形成において、感度、解像性、PED安定性、及びLER性能に優れたネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を有するマスクブランクス、パターン形成方法、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することができる。
上記が達成された理由としては、本発明において、活性光線又は放射線の照射により化合物(B)が発生する酸の体積は130Å以上と大きく、上記化合物(B)から発生する酸の拡散性は低い。これにより、未露光部への余分な酸の拡散が抑制されるため、超微細領域における解像度が向上するものと考えられる。また、露光後の酸の拡散性が低いことにより、結果としてPED安定性が向上するものと考えられる。しかし、本発明では上記の拡散性だけでは説明できない高解像性が得られた。その理由は定かではないが、以下を推定している。
架橋性基含有ポリマーは、典型的には、架橋性基を包含する大きな(嵩高い)架橋性構造部位をポリマーの側鎖に有しているが(例えば、特開2014−24999号公報)、本発明の高分子化合物(A)は、架橋性基が、高分子化合物の主鎖に直接的に結合するベンゼン環に対して結合しているため、上記の典型的な架橋性基含有ポリマーに比べて非常にコンパクトな構造を有している。典型的な架橋性基含有ポリマーの場合、その大きさゆえ、架橋後もある程度の自由体積を有するため、露光部にて発生した酸の拡散抑制の効果は限定されるが、本発明のようなコンパクトな構造の場合、架橋後の自由体積が非常に少なく、上述の酸の拡散抑制効果が予想以上に大きくなり、その結果、解像性が非常に高くなったものと推測される。また、この作用により、LER性能にも優れたものと推測される。
以下、本発明に係るネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について説明する。
本発明に係るネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましく、電子線露光用であることがより好ましい。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、典型的にはネガ型パターン形成用のレジスト組成物であり、有機溶剤現像用のネガ型レジスト組成物であってもアルカリ現像用のネガ型レジスト組成物であってもよい。また本発明に係る組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
以下、本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における各成分について詳細に説明する。
[1](A)高分子化合物
高分子化合物(A)は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物である。
Figure 2016163187
式中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、Arは芳香族基を表し、mとnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。Rは、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
Lで表される2価の連結基としては、単環もしくは多環の芳香環、−C(=O)−、−O−C(=O)−、−CH−O−C(=O)−、チオカルボニル基、直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6)、直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは3〜6)、スルホニル基、−O−、−NH−、−S−、環状ラクトン構造又はこれらを組み合わせた2価の連結基(好ましくは総炭素数1〜50、より好ましくは総炭素数1〜30、更に好ましくは総炭素数1〜20)が挙げられる。
Arは芳香族基を表す。芳香族基の好ましい例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。ベンゼン環またはナフタレン環がより好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
とRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
およびRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基等を挙げることができ、シクロアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。具体的には、水素原子、メチル基、シクロヘキシル基、t−ブチル基が挙げられる。
酸により架橋反応が起こる際、−ORが脱離してカルボカチオンが発生して反応が進行するので、R及びRはカルボカチオンを安定化する置換基、すなわち電子供与性基、芳香族基または水素原子であることが好ましい。具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基または水素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアシル基を表す。架橋反応性の観点から、Rは水素原子またはアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
一般式(1)におけるRとしてのアルキル基、R及びRとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基及びアリール基、Rとしてのシクロアルキル基、アリール基及びアシル基、Lとしての2価の連結基、Arとしての芳香族基は、それぞれ、置換基を有していてもよい。この置換基としては、アルキル基(直鎖又は分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環のいずれであってもよく炭素数3〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜18が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びスルホン酸エステル基が挙げられる。好ましい例としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エステル基、アリール基が挙げられ、更に好ましい例としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、上記Rで挙げたものと同様のものが挙げられる。
上記置換基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アルコキシアルキル基、これらを組み合わせた基が挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
mとnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。mは、好ましくは1〜3の整数を表し、より好ましくは1を表す。
nは、好ましくは1〜4の整数を表し、より好ましくは2〜4の整数を表し、特に好ましくは1又は2である。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位であることがより好ましい。
Figure 2016163187
式中、R、R、R及びRは、一般式(1)中のR、R、R及びRと同義である。m’は1又は2を表し、n’は1〜3の整数を表す。
、R、R及びRの具体例及び好ましい例は、一般式(1)におけるR、R、R及びRについて説明したものと同様である。
m’は1であることがより好ましい。
n’は1〜3の整数を表し、1または2であることがより好ましい。
また、一般式(2)で表される繰り返し単位は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位であることがより好ましい。
Figure 2016163187
式中、R、R、及びRは、一般式(1)中のR、R、R及びn’と同義である。n’は1〜3の整数を表す。
、R、R及びn’の具体例及び好ましい例は、一般式(1)または一般式(2)におけるR、R、R及びn’について説明したものと同様である。ここで、R及びRが共に水素原子であることが好ましい。
一般式(1)、(2)または(3)で表される繰り返し単位の含有率は、架橋効率と現像性の観点から、高分子化合物(A)に含まれる全繰り返し単位に対して、20〜100モル%であることが好ましく、40〜100モル%であることがより好ましい。
また、一般式(1)、(2)または(3)における、架橋性基としての−(R)(R)(OR)で表される基の導入率(以下、架橋性基率とも言う)は、架橋効率と現像性の観点から、20〜100%であることが好ましく、40〜100%であることがより好ましい。ここで、架橋性基率は、高分子化合物(A)における架橋性基の点数(個数)を、架橋性基を導入可能な反応点の数(個数)で除したものの百分率(%)である。架橋性基を導入可能な反応点は、例えば、その算出対象がフェノール性水酸基を有する場合、フェノール性水酸基の存在位置を鑑みてフェノール性水酸基のオルト位及びパラ位の内、架橋性基を導入可能な箇所となる。その詳細な説明は、実施例の項にて後述する通りである。
一般式(1)、(2)または(3)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
高分子化合物(A)は、更に、上記一般式(1)で表される繰り返し単位とは異なる、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
ここで、フェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる基である。芳香環基の芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環やナフタレン環等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては特に限定されないが、下記一般式(II)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
は水素原子、有機基又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Arは芳香環基を表す。
は1以上の整数を表す。
一般式(II)中のRが有機基を表す場合、有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)がより好ましい。
有機基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。置換基としては、フッ素原子、水酸基が特に好ましい。
置換基を有する場合の有機基としては、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。
は水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
が2価の連結基を表す場合、2価の連結基としては、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基、スルホニル基、−O−、−NH−又はこれらを組合せた基(例えば、エステル結合など)が好ましい。
は単結合又はカルボニルオキシ基が好ましく、単結合であることがより好ましい。
Arが表す芳香環基としては、単環又は多環の芳香環からn+1個の水素原子を取り除いた基(nは1以上の整数を表す。)であることが好ましい。
上記芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環(好ましくは炭素数6〜18)、及び、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香族ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が解像性の観点で好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが更に好ましく、1を表すことが特に好ましい。
が1を表し、Arがベンゼン環を表す場合、−OHの置換位置はベンゼン環におけるポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、アルカリ現像性の観点からパラ位が好ましい。
Arの芳香環基における芳香環は、−OHで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールカルボニル基が挙げられる。ただし、Arの芳香環基における芳香環は、置換基として、上記一般式(1)における−C(R)(R)(OR)で表される基を有さない。
一般式(II)は、下記一般式(II−1)であることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
は水素原子、有機基又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(II−1)中のR及びDは一般式(II)中のR及びDと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(II)は、下記一般式(II−2)であることがより好ましい。
Figure 2016163187
式中、Rは水素原子、有機基又はハロゲン原子を表す。
一般式(II−2)中のRは一般式(II)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下、一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、これに限定されるものではない。Meはメチル基を表す。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
高分子化合物(A)が、上記一般式(1)で表される繰り返し単位とは異なる、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有する場合、その繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して、1〜80モル%であることが好ましく、1〜70モル%であることがより好ましく、1〜60モル%であることが更に好ましい。
高分子化合物(A)は、更に、後述するような繰り返し単位を有していてもよい。
高分子化合物(A)は、「非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基によって、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造(以下、『特定の構造』ともいう)」を有してもよい。この場合、高分子化合物(A)は、「『非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基によって、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造』を有する繰り返し単位」を有することが好ましい。これにより、高いガラス転移温度(Tg)が得られること、ドライエッチング耐性が良好となる。
高分子化合物(A)が、前述の特定の構造を有することで、高分子化合物(A)のガラス転移温度(Tg)が高くなり、非常に硬いレジスト膜を形成することができ、酸の拡散性やドライエッチング耐性を制御することができる。従って、電子線や極紫外線等の活性光線又は放射線の露光部における酸の拡散性が非常に抑制されるため、微細なパターンでの解像力、パターン形状及びLERが更に優れる。また、化合物(D)が非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有することが、ドライエッチング耐性の更なる向上に寄与するものと考えられる。更に、詳細は不明だが、多環脂環炭化水素構造は水素ラジカルの供与性が高く、光酸発生剤の分解時の水素源となり、光酸発生剤の分解効率が更に向上し、酸発生効率が更に高くなっていると推定される。これが、より優れた感度に寄与するものと考えられる。
本発明に係る高分子化合物(A)が有していてもよい前述の特定の構造は、ベンゼン環等の芳香族環と、非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基とが、フェノール性水酸基に由来する酸素原子を介して連結している。前述のように、上記構造は高いドライエッチング耐性に寄与するだけでなく、高分子化合物(A)のガラス転移温度(Tg)を上げることができ、これらの組み合わせの効果によって、より高い解像力が提供されるものと推定される。
本発明において、非酸分解性とは、光酸発生剤が発生する酸により、分解反応が起こらない性質を意味する。
より具体的には、非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基は、酸及びアルカリに安定な基であることが好ましい。酸及びアルカリに安定な基とは、酸分解性及びアルカリ分解性を示さない基を意味する。ここで酸分解性とは、光酸発生剤が発生する酸の作用により分解反応を起こす性質を意味する。
またアルカリ分解性とは、アルカリ現像液の作用により分解反応を起こす性質を意味する。アルカリ分解性を示す基としては、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物において好適に使用される樹脂中に含まれる、従来公知のアルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基(例えばラクトン構造を有する基など)が挙げられる。
多環脂環炭化水素構造を有する基とは、多環脂環炭化水素構造を有する一価の基である限り特に限定されないが、総炭素数が5〜40であることが好ましく、7〜30であることがより好ましい。多環脂環炭化水素構造は、環内に不飽和結合を有していてもよい。
多環脂環炭化水素構造を有する基における多環脂環炭化水素構造は、単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造、若しくは、多環型の脂環炭化水素構造を意味し、有橋式であってもよい。単環型の脂環炭化水素基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造はこれらの基を複数有する。単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造は、単環型の脂環炭化水素基を2〜4個有することが好ましく、2個有することが特に好ましい。
多環型の脂環炭化水素構造としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を挙げることができ、炭素数6〜30の多環シクロ構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、イソボルナン構造、ボルナン構造、ジシクロペンタン構造、α−ピネン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造、あるいはアンドロスタン構造を挙げることができる。なお、単環若しくは多環のシクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記の多環脂環炭化水素構造の好ましいものとしては、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、シクロヘキシル基を複数有する構造、シクロヘプチル基を複数有する構造、シクロオクチル基を複数有する構造、シクロデカニル基を複数有する構造、シクロドデカニル基を複数有する構造、トリシクロデカン構造があげられ、アダマンタン構造がドライエッチング耐性の観点で最も好ましい(すなわち、上記非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基が、非酸分解性のアダマンタン構造を有する基であることが最も好ましい)。
これらの多環脂環炭化水素構造(単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造については、上記単環型の脂環炭化水素基に対応する単環型の脂環炭化水素構造(具体的には以下の式(47)〜(50)の構造))の化学式を以下に表示する。
Figure 2016163187
更に上記多環脂環炭化水素構造は置換基を有してもよく、置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、及びこれら基を組み合わせてなる基(好ましくは総炭素数1〜30、より好ましくは総炭素数1〜15)が挙げられる。
上記多環脂環炭化水素構造としては、上記式(7)、(23)、(40)、(41)及び(51)のいずれかで表される構造、上記式(48)の構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基を2個有する構造が好ましく、上記式(23)、(40)及び(51)のいずれかで表される構造、上記式(48)の構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基を2個有する構造がより好ましく、上記式(40)で表される構造が最も好ましい。
多環脂環炭化水素構造を有する基としては、上記の多環脂環炭化水素構造の任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基であることが好ましい。
高分子化合物(A)は、下記一般式(IV)又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位を含有してもよい。
Figure 2016163187
式中、
は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
は0〜6の整数を表す。
Figure 2016163187
式中、
は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
は0〜4の整数を表す。
はメチレン基、酸素原子又は硫黄原子である。
一般式(IV)又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
Figure 2016163187
高分子化合物(A)の具体例(各繰り返し単位の組み合わせ)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
高分子化合物(A)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200000であり、更に好ましくは2000〜50000であり、更により好ましくは3000〜10000であり、特に好ましくは3000〜7000である。
高分子化合物(A)の分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、好ましくは1.7以下であり、感度及び解像性の向上の観点でより好ましくは1.0〜1.50であり、特に好ましくは1.0〜1.40である。
上記の好ましい分散度を有する高分子化合物(A)を得るには、分散度の小さい、下記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体を原料とする製造法により製造することが好ましい。
Figure 2016163187
式中のRは、上記一般式(1)中のRと同義である。
上記製造法に用いられる原料の重合体の分散度は、副反応によるオリゴマー化の可能性も考慮に入れ、1.0〜1.30が好ましく、1.0〜1.20がより好ましい。上記製造法に用いられる原料の重合体は、リビングアニオン重合等のリビング重合を用いることで、得られる高分子化合物の分散度が均一となり、好ましい。
上記原料を用いた高分子化合物(A)の合成は、例えば、「実験化学講座 18巻 有機化合物の反応II(下) 94ページ」記載の手法等を参考にして行える。
高分子化合物(A)は、1種単独で又は2種以上を組み合せて使用してもよい。
高分子化合物(A)の含有量は、ネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物の全固形分を基準として、好ましくは50〜97質量%であり、より好ましくは60〜95質量%であり、更に好ましくは70〜93質量%である。
[2](B)活性光線又は放射線の照射により、体積が130Å以上2000Å以下の酸を発生する化合物
本発明の化学増幅型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により、体積が130Å以上2000Å以下の酸を発生する化合物(B)(以下、適宜、これらの化合物を「酸発生剤」と略称する)を含有する。
酸発生剤の好ましい形態として、オニウム化合物を挙げることができる。そのようなオニウム化合物としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩などを挙げることができ、スルホニウム塩であることがより好ましい。
また、酸発生剤の別の好ましい形態として、活性光線又は放射線の照射により、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生する化合物を挙げることができる。その形態における酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、オキシムスルホネート、イミドスルホネートなどを挙げることができる。
本発明に用いる酸発生剤としては、低分子化合物に限らず、発生する酸の体積が130Å以上2000Å以下である範囲で、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した化合物も用いることができる。更に前述したように、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基が、本発明に用いる高分子化合物(A)の共重合成分となっている繰り返し単位中に存在する場合は、本発明の高分子化合物とは別分子の酸発生剤はなくてもかまわない。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
酸発生剤は、電子線又は極紫外線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
本発明において、好ましいオニウム化合物として、下記一般式(7)で表されるスルホニウム化合物、若しくは一般式(8)で表されるヨードニウム化合物を挙げることができる。
Figure 2016163187
一般式(7)及び(8)において、
a1、Ra2、Ra3、Ra4及びRa5は、各々独立に、有機基を表す。
は、有機アニオンを表す。
以下、一般式(7)で表されるスルホニウム化合物及び一般式(8)で表されるヨードニウム化合物を更に詳述する。
上記一般式(7)のRa1〜Ra3、並びに、上記一般式(8)のRa4及びRa5は、各々独立に有機基を表すが、好ましくはRa1〜Ra3の少なくとも1つ、並びに、Ra4及びRa5の少なくとも1つがそれぞれアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
上記一般式(7)及び(8)におけるXの有機アニオンは、例えばスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、好ましくは、下記一般式(9)、(10)又は(11)で表される有機アニオンであり、より好ましくは下記一般式(9)で表される有機アニオンである。
Figure 2016163187
上記一般式(9)、(10)及び(11)に於いて、Rc、Rc、Rc及びRcは、それぞれ、有機基を表す。
上記Xの有機アニオンが、電子線や極紫外線などの活性光線又は放射線の照射により発生する酸であるスルホン酸、イミド酸、メチド酸などに対応する。
上記Rc1〜Rc4の有機基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が連結された基を挙げることができる。これら有機基のうちより好ましくは1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたシクロアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。上記Rc2〜Rc4の有機基の複数が互いに連結して環を形成していてもよく、これら複数の有機基が連結された基としては、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキレン基が好ましい。フッ素原子又はフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。ただし、末端基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
そして、本発明においては、上記酸を発生する化合物(B)は、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物である。
上記したように、化合物(B)が、体積130Å以上の大きさの酸を発生することより、解像性、PED安定性及びLER性能に関して優れた結果が得られる。
化合物(B)は、活性光線又は放射線の照射により、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更により好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性等の観点から、上記体積は、2000Å以下であり、1500Å以下であることがより好ましい。
ここで、1Åは、0.1nmに相当する。
上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
以下に本発明において、特に好ましい酸発生剤を以下に例示する。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
酸発生剤の組成物中の含有量は、ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、更に好ましくは1〜18質量%である。
[3](E)塩基性化合物
本発明の組成物は、更に、塩基性化合物を酸捕捉剤として含有することが好ましい。塩基性化合物を用いることにより、露光から後加熱までの経時による性能変化を小さくすることができる。このような塩基性化合物としては、有機塩基性化合物であることが好ましく、より具体的には、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体、等が挙げられる。アミンオキサイド化合物(特開2008−102383号公報に記載)、アンモニウム塩(好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがLERの観点で好ましい。)も適宜用いられる。
更に、酸の作用により塩基性が増大する化合物も、塩基性化合物の1種として用いることができる。
アミン類の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。含窒素複素環構造を有する化合物としては、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ジメチルアミノピリジン、アンチピリン、ヒドロキシアンチピリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
また、光分解性塩基性化合物(当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線又は放射線の照射により分解されて、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が低下又は消失する化合物、例えば、特許第3577743号公報、特開2001−215689号公報、特開2001−166476号公報、特開2008−102383号公報に記載のオニウム塩)、光塩基性発生剤(例えば、特開2010−243773号公報に記載の化合物)も適宜用いられる。
これら塩基性化合物の中でも解像性向上の観点からアンモニウム塩が好ましい。
本発明における塩基性化合物の含有率は、組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
本発明における塩基性化合物は、上記「光分解性塩基性化合物」であることが好ましく、「活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(C)」であることがより好ましい。
このような活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(C)は、以下に説明するカチオン部に窒素原子を含むオニウム塩化合物(以下、「化合物(E)」ともいう)であることが好ましい。
オニウム塩化合物として、例えば、ジアゾニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、及び、ヨードニウム塩化合物などが挙げられる。これらのうち、スルホニウム塩化合物又はヨードニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩化合物がより好ましい。
このオニウム塩化合物は、典型的には、カチオン部に、窒素原子を含んだ塩基性部位を備えている。ここで「塩基性部位」とは、化合物(E)のカチオン部位の共役酸のpKaが−3以上となるような部位を意味している。このpKaは、−3〜15の範囲内にあることが好ましく、0〜15の範囲内にあることがより好ましい。なお、このpKaは、ACD/ChemSketch(ACD/Labs 8.00 Release Product Version:8.08)により求めた計算値を意味している。
上記塩基性部位は、例えば、アミノ基(アンモニア、1級アミン若しくは2級アミンから水素原子を1つ除いた基;以下同様)及び含窒素複素環基からなる群より選ばれる構造を含んでいる。上記アミノ基は、脂肪族アミノ基であることが好ましい。ここで、脂肪族アミノ基とは、脂肪族アミンから水素原子を1つ除いた基を意味する。
これら構造においては、構造中に含まれる窒素原子に隣接する原子の全てが、炭素原子又は水素原子であることが、塩基性向上の観点から好ましい。また、塩基性向上の観点では、窒素原子に対して、電子吸引性の官能基(カルボニル基、スルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子など)が直結していないことが好ましい。
オニウム塩化合物は、上記塩基性部位を2つ以上備えていてもよい。
化合物(E)のカチオン部がアミノ基を含んでいる場合、このカチオン部は、下記一般式(N−I)により表される部分構造を備えていることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
及びRは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。
Xは、単結合又は連結基を表す。
、R及びXの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
又はRにより表される有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環式炭化水素基、アルコキシカルボニル基、ラクトン基、及びスルトン基等が挙げられる。
これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基などが挙げられる。
又はRにより表されるアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、1〜50であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることが更に好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
又はRにより表されるシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルキル基としては、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基等が挙げられる。
又はRにより表されるアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルケニル基の炭素数は、2〜50であることが好ましく、2〜30であることがより好ましく、3〜20であることが更に好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、及びスチリル基等が挙げられる。
又はRにより表されるアリール基としては、炭素数6〜14のものが好ましい。このような基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
又はRにより表される複素環式炭化水素基は、炭素数5〜20のものが好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していることが好ましい。
上記の基に含まれる複素環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このような複素環としては、例えば、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、2H−ピロール環、3H−インドール環、1H−インダゾール、プリン環、イソキノリン環、4H−キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ペリミジン環、トリアジン環、ベンズイソキノリン環、チアゾール環、チアジアジン環、アゼピン環、アゾシン環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びベンゾチアゾール環が挙げられる。
又はRにより表されるラクトン基としては、例えば、5〜7員環のラクトン基であり、5〜7員環ラクトン基にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものであってもよい。
又はRにより表されるスルトン基としては、例えば、5〜7員環のスルトン基であり、5〜7員環スルトン基にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものであってもよい。
具体的には、以下に示す構造を有する基であることが好ましい。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
ラクトン基及びスルトン基は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、上記でRおよびRの置換基として記載したものと同様の置換基が挙げられる。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
Xにより表される連結基としては、例えば、直鎖若しくは分岐鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、及びこれらの2種以上を組み合わせてなる基等が挙げられる。Xは、より好ましくは、単結合、アルキレン基、アルキレン基とエーテル結合とが組み合わされてなる基、又は、アルキレン基とエステル結合とが組み合わされてなる基を表す。Xにより表される連結基の原子数は20以下が好ましく、15以下がより好ましい。上記の直鎖若しくは分岐鎖状アルキレン基、及びシクロアルキレン基は、炭素数8以下が好ましく、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、炭素数8以下のものが好ましく、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられる。
、R及びXの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。環を形成する炭素数は4〜20が好ましく、単環式でも多環式でもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、エステル結合、アミド結合、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。
化合物(E)のカチオン部が含窒素複素環基を含んでいる場合、この含窒素複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、この含窒素複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。含窒素複素環基としては、好ましくは、ピペリジン環、モルホリン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラジン環、ピロール環、又はピリミジン環を含んだ基が挙げられる。
オニウム塩化合物(E)は、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、Aは硫黄原子またはヨウ素原子を表し、Rは水素原子または有機基を表し、Rは(p+1)価の有機基を表し、Xは単結合または連結基を表し、Aは窒素原子を含んだ塩基性部位を表す。R、R、X及びAはそれぞれ、複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
Aが硫黄原子である場合、qは1〜3の整数であり、oはo+q=3の関係を満たす整数である。
Aがヨウ素原子である場合、qは1又は2であり、oはo+q=2の関係を満たす整数である。
pは1〜10の整数を表し、Yは、アニオンを表す(詳細は、化合物(E)のアニオン部として後述する通りである)。
、X、R、Aの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成してもよい。
により表される(p+1)価の有機基としては、例えば、鎖状(直鎖状、分岐状)又は環状の脂肪族炭化水素基、複素環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられるが、好ましくは芳香族炭化水素基が挙げられる。Rが芳香族炭化水素基の場合、芳香族炭化水素基のp−位(1,4−位)で結合しているものが好ましい。
Xにより表される連結基は、上述した一般式(N−I)中のXにより表される連結基と同義であり、同様の具体例が挙げられる。
により表される塩基性部位は、上述した化合物(E)のカチオン部に含まれる「塩基性部位」と同義であり、例えば、アミノ基又は含窒素複素環基を含み得る。塩基性部位がアミノ基を含む場合、アミノ基としては、例えば、上掲の一般式(N−I)中の−N(R)(R)基が挙げられる。
により表される有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、及び、複素環式炭化水素基が挙げられる。o=2の場合、2つのRが互いに結合して、環を形成していてもよい。これら基又は環は、置換基を更に備えていてもよい。
により表されるアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、1〜50であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることが更に好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
により表されるアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルケニル基の炭素数は、2〜50であることが好ましく、2〜30であることがより好ましく、3〜20であることが更に好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、及びスチリル基が挙げられる。
により表される脂肪族環式基は、例えば、シクロアルキル基である。シクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。この脂肪族環式基としては、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基が挙げられる。
により表される芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜14のものが好ましい。このような基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基などのアリール基が挙げられる。Rにより表される芳香族炭化水素基は、好ましくは、フェニル基である。
により表される複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この複素環式炭化水素基は、芳香族性を有していることが好ましい。
上記の基に含まれる複素環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このような複素環としては、例えば、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、2H−ピロール環、3H−インドール環、1H−インダゾール、プリン環、イソキノリン環、4H−キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ペリミジン環、トリアジン環、ベンズイソキノリン環、チアゾール環、チアジアジン環、アゼピン環、アゾシン環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びベンゾチアゾール環が挙げられる。
は、芳香族炭化水素基であるか、又は、2つのRが結合して環を形成していることが好ましい。
、X、R、Aの少なくとも2つが互いに結合して形成してもよい環は、4〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましく、5員環であることが特に好ましい。また、環骨格中に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含んでいても良い。
により表される基又は2つのRが互いに結合して形成される環が置換基を更に備えている場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、又は−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称する)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称する)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称する)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基、並びに、アルキル基が挙げられる。
これら置換基のうち、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルキル基等が好ましい。
一般式(4)において、pは、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式(4)により表される化合物(E)は、一態様において、式中のq個のRの内の少なくとも1つが芳香族炭化水素基であることが好ましい。そして、この芳香族炭化水素基の少なくとも1つに結合するp個の−(X−A)基の内の少なくとも1つにおけるXは、上記芳香族炭化水素基との結合部が炭素原子である連結基であることが好ましい。
即ち、この態様における化合物(E)では、Aにより表される塩基性部位が、Rにより表される芳香族炭化水素基に直結した炭素原子を介して、上記芳香族炭化水素基に結合している。
により表される芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素基における芳香環として、複素環を含んでいてもよい。また、芳香環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
芳香環基は、炭素数が6〜14であることが好ましい。このような基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等のアリール基が挙げられる。芳香環基が複素環を含んでいる場合、複素環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、及びチアゾール環が挙げられる。
により表される芳香族炭化水素基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
により表される芳香族炭化水素基は、以下に説明する−(X−A)により表される基以外に、置換基を更に備えていてもよい。置換基としては、例えば、先にRにおける置換基として列挙したものを用いることができる。
また、この態様において、上記の芳香環Rに置換する少なくとも1つの−(X−A)基におけるXとしての連結基は、Rにより表される芳香族炭化水素基との結合部が炭素原子であれば、特に限定されない。連結基は、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、若しくは、これらの組み合わせを含んでいる。連結基は、これら各基と、−O−、−S−、−OCO−、−S(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、及び−NR’−からなる群より選択される少なくとも1つとの組み合わせを含んでいてもよい。ここで、R’は、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
Xにより表される連結基が含み得るアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキレン基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基が挙げられる。
Xにより表される連結基が含み得るシクロアルキレン基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルキレン基の炭素数は、3〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。このようなシクロアルキレン基としては、例えば、1,4−シクロヘキシレン基が挙げられる。
Xにより表される連結基が含み得るアリーレン基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。このようなアリーレン基としては、例えば、フェニレン基及びナフチレン基が挙げられる。
少なくとも1つのXは、下記一般式(N−III)又は(N−IV)により表されることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
及びRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、又は複素環式炭化水素基を表す。RとRとは、互いに結合して、環を形成していてもよい。R及びRの少なくとも一方は、Eと互いに結合して、環を形成していてもよい。
Eは、連結基又は単結合を表す。
Figure 2016163187
式中、
Jは、酸素原子、又は、硫黄原子を表す。
Eは、連結基又は単結合を表す。
及びRにより表される各基並びにこれらが更に備え得る置換基としては、例えば、先にRについて説明したのと同様のものが挙げられる。RとRとが結合して形成し得る環、及び、R及びRの少なくとも一方がEと結合して形成し得る環は、4〜7員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。R及びRは、各々独立に、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
Eにより表される連結基は、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、−O−、−S−、−OCO−、−S(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、−NR−、又はこれらの組み合わせを含んでいる。ここで、Rは、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
Eにより表される連結基は、アルキレン結合、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、ウレタン結合
Figure 2016163187
、ウレア結合
Figure 2016163187
、アミド結合、及びスルホンアミド結合からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。Eにより表される連結基は、より好ましくは、アルキレン結合、エステル結合、又はエーテル結合である。
なお、化合物(E)は、窒素原子を含んだ部位を複数有する化合物であってもよい。例えば、化合物(E)は、一般式(4)におけるRの少なくとも一つが、一般式(N−I)で表される構造を有する化合物であってもよい。
一般式(4)により表される化合物(E)は、一態様において、下記一般式(N−V)により表される。
Figure 2016163187
式中、X、A及びYは、一般式(4)における各基と同義であり、具体例及び好ましい例も同様である。
14、R15、r及びlは、光酸発生剤の一態様を表す一般式(ZI−4)中の各基及び指数と同義であり、具体例及び好ましい例も同様である。
また、一般式(4)により表される化合物(E)は、一態様において、下記一般式(N−VI)により表される。
Figure 2016163187
一般式(N−VI)中、
Aは、硫黄原子又はヨウ素原子を表す。
11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、又は複素環式炭化水素基を表す。m=2の場合、2つのR11が互いに結合して、環を形成していてもよい。
Arは、各々独立に、芳香族炭化水素基を表す。
は、各々独立に、2価の連結基を表す。
12は、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。
上記Aが硫黄原子である場合、mは、1〜3の整数であり、nは、m+n=3なる関係を満たす整数である。
上記Aがヨウ素原子である場合、mは、1又は2の整数であり、nは、m+n=2なる関係を満たす整数である。
は、アニオンを表す(詳細は、化合物(E)のアニオン部として後述する通りである)。
11としてのアルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、及び、複素環式炭化水素基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(4)におけるRとしてのアルキル基、アルケニル基、脂肪族環式基、芳香族炭化水素基、及び、複素環式炭化水素基の具体例及び好ましい例と同様である。
Arとしての芳香族炭化水素基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(4)におけるRとしての芳香族炭化水素基の具体例及び好ましい例と同様である。
としての2価の連結基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(4)におけるXとしての連結基の具体例及び好ましい例と同様である。
12としての有機基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(N−I)におけるR及びRとしての有機基の具体例及び好ましい例と同様である。
Xがアルキレン基(例えば、メチレン基)であり、2つのR12が互いに結合して環を形成する態様が、露光後加熱(PEB)温度依存性及び露光後線幅(PED)安定性の観点からは特に好ましい。
化合物(E)のアニオン部は、特に制限はない。化合物(E)が含んでいるアニオンは、非求核性アニオンであることが好ましい。ここで、非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより、本発明に係る組成物の経時安定性が向上する。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおける2つのアルキル基が、互いに結合して環状構造を形成している態様も好ましい。この場合、形成される環状構造は5〜7員環であることが好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
また、非求核性アニオンは、例えば、下記一般式(LD1)により表されることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表す。
Lは、各々独立に、2価の連結基を表す。
Cyは、環状の有機基を表す。
xは、1〜20の整数を表す。
yは、0〜10の整数を表す。
zは、0〜10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。より具体的には、Xfは、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、又はCHCHであることが好ましい。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基である。このアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。さらに好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R及びRとしての置換基を有するアルキル基の具体的としては、例えば、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、及びCHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
Lは、2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、及びアルケニレン基が挙げられる。これらの中でも、−CONH−、−CO−、又は−SO−が好ましく、−CONH−又は−SO−がより好ましい。
Cyは、環状の有機基を表す。環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性の抑制及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor)の向上の観点から好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。中でも、193nmにおける光吸光度が比較的低いナフチル基が好ましい。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよいが、多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。また、ラクトン環の例としては、上記一般式(N−1)におけるRおよびRに関して例示したラクトン環が挙げられる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、アルキル基は、炭素数が1〜12であることが好ましい。シクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。また、シクロアルキル基は、炭素数が3〜12であることが好ましい。アリール基は、炭素数が6〜14であることが好ましい。
xは1〜8が好ましく、中でも1〜4が好ましく、1が特に好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、中でも0〜4が好ましい。
また、非求核性アニオンは、例えば、下記一般式(LD2)により表されることも好ましい。
Figure 2016163187
一般式(LD2)中、Xf、R、R、L、Cy、x、y及びzは、一般式(LD1)における各々と同義である。Rfは、フッ素原子を含んだ基である。
Rfによる表されるフッ素原子を含んだ基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基、少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基、及び少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基が挙げられる。
これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子により置換されていてもよく、フッ素原子を含んだ他の置換基により置換されていてもよい。Rfが少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基又は少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基である場合、フッ素原子を含んだ他の置換基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基が挙げられる。
また、これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子を含んでいない置換基によって更に置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、先にCyについて説明したもののうち、フッ素原子を含んでいないものを挙げることができる。
Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、Xfにより表される少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基として先に説明したのと同様のものが挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基としては、例えば、パーフルオロシクロペンチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基としては、例えば、パーフルオロフェニル基が挙げられる。
化合物(E)のアニオン部分の好ましい態様としては、上述した一般式(LD1)及び(LD2)で表される構造の他に、光酸発生剤の好ましいアニオン構造として例示する構造を挙げることができる。
また、化合物(E)は、(化合物中に含まれる全フッ素原子の質量の合計)/(化合物中に含まれる全原子の質量の合計)により表されるフッ素含有率が0.30以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.20以下であることが更に好ましく、0.15以下であることが特に好ましく、0.10以下であることが最も好ましい。
以下に、化合物(E)の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
化合物(E)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(E)の含有量は、組成物の全固形分を基準として、通常は0.001〜10質量%の範囲内にあり、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲内にある。
なお、化合物(E)からの発生酸の体積が大きい方が、解像性向上の観点から好ましい。
[4](C)高分子化合物(A)とは異なる、酸架橋性基を有する化合物
本発明の組成物は、上記高分子化合物(A)とは異なる、酸架橋性基を有する化合物(C)(以下、「化合物(C)」又は「酸架橋剤(C)」ともいう)を含有し得る。化合物(C)としては、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上含む化合物であることが好ましい。また、LER向上の観点からは、化合物(C)がメチロール基を含んでいることが好ましい。
まず、化合物(C)が低分子化合物である場合(以下、「化合物(C’)」ともいう)について説明する。化合物(C’)として、好ましくは、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化フェノール化合物、アルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物及びアルコキシメチル化ウレア系化合物が挙げられる。特に好ましい化合物(C’)としては、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、分子量が1200以下のフェノール誘導体やアルコキシメチルグリコールウリル誘導体が挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
上記化合物(C’)の例のうち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物とホルムアルデヒドとを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。また、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。
別の好ましい化合物(C’)の例として、更にアルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物のようなN−ヒドロキシメチル基又はN−アルコキシメチル基を有する化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア等が挙げられ、EP0,133,216A号、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号、EP0,212,482A号に開示されている。
化合物(C’)の具体例の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
Figure 2016163187
式中、L〜Lは、各々独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
本発明の一形態において、化合物(C’)は、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016163187
一般式(I)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、又は炭素数5以下の炭化水素基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、又は炭素数2以上の有機基を表す。R及びRは、互いに結合して環を形成してもよい。
本発明の一形態において、R及びRは、好ましくは炭素数5以下の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数4以下の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
及びRにより表されるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6以下のアルキル基が好ましく、シクロアルキル基として、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基が好ましく、アリール基としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、アシル基としては、例えば、アルキル部位の炭素数が1〜6のものが好ましい。
本発明の一形態において、R及びRは、アルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
及びRにより表される炭素数2以上の有機基としては、例えば、炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、また、R及びRが互いに結合して形成して以下に詳述する環を形成していることが好ましい。
及びRが互いに結合して形成される環としては、例えば、芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又は、これらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環を挙げることができる。
これらの環は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アリール基、アルコキシメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン、又はヒドロキシ基等が挙げられる。
以下に、R及びRが互いに結合して形成する環の具体例を挙げる。式中の*は、フェノール核との連結部位を表す。
Figure 2016163187
本発明の一形態において、一般式(I)中のR及びRが結合してベンゼン環を含む多環縮合環を形成していることが好ましく、フルオレン構造を形成していることがより好ましい。
化合物(C’)は、例えば、一般式(I)中のR及びRが結合して、下記一般式(I−a)で表されるフルオレン構造を形成していることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
及びRは、各々独立に、置換基を表す。置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルコキシメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン、又はヒドロキシ基等が挙げられる。
n1及びn2は、各々独立に、0〜4の整数を表し、好ましくは0又は1を表す。
*は、フェノール核との連結部位を表す。
また、本発明の一形態において、化合物(C’)は、下記一般式(I−b)で表されることが好ましい。
Figure 2016163187
式中、
1b及びR6bは、各々独立に、炭素数5以下のアルキル基を表す。
2b及びR5bは、各々独立に、炭素数6以下のアルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
Zは、式中の炭素原子と共に環を形成するのに必要な原子群を表す。
Zが式中の炭素原子と共に形成する環については、上述した一般式(I)の説明において、R及びRが互いに結合して形成する環について説明したものと同様である。
本発明の一形態において、化合物(C’)は、分子内に4つ以上の芳香環と、アルコキシメチル基及び/又はヒドロキシメチル基を合計で2つ有する化合物であることが好ましい。
次に、一般式(I)で表される化合物(C’)の製造方法について説明する。
一般式(I)で表される化合物(C’)の母核となるビスフェノール化合物は、一般に、対応する2分子のフェノール化合物と、対応する1分子のケトンを、酸触媒存在下、脱水縮合反応することにより合成される。
得られたビスフェノール体をパラホルムアルデヒドとジメチルアミンで処理して、アミノメチル化することにより、下記一般式(I−C)で表される中間体を得る。続いて、アセチル化、脱アセチル化、アルキル化を経て、目的の酸架橋剤が得られる。
Figure 2016163187
式中、R、R、R及びRは、一般式(I)中の各基と同義である。
本合成法は、従来の塩基性条件下にてヒドロキシメチル体を経由するような合成方法(たとえば、特開2008−273844号公報)に比べてオリゴマーを生成しづらいため、パーティクル形成抑止効果がある。
以下に、一般式(I)で表される化合物(C’)の具体例を示す。
Figure 2016163187
本発明において、化合物(C’)は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。良好なパターン形状の観点からは、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
酸架橋性基を含む化合物(C)は、高分子化合物(A)における一般式(1)で表される繰り返し単位とは異なる、酸架橋性基を有する繰り返し単位を含む樹脂(化合物(C”))の態様であってもよい。
本発明に係るネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、化合物(C)を含有しても含有しなくても良いが、含有する場合、化合物(C)の含有率は、ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分中、好ましくは0.5〜30質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。
[5](D)疎水性樹脂
本発明に係るネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、特に液浸露光に適用する際、疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(D)」又は単に「樹脂(D)」ともいう)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(D)は、上記高分子化合物(A)とは異なることが好ましい。
これにより、膜表層に疎水性樹脂(D)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角を向上させ、液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂(D)は前述のように界面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
疎水性樹脂(D)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。
疎水性樹脂(D)が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂(D)に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(D)がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、及びフッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2016163187
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ、及びR65〜R68の少なくとも1つは、それぞれ独立に、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、−CH(CF)OH等が挙げられ、−C(CFOHが好ましい。
フッ素原子を含む部分構造は、主鎖に直接結合しても良く、更に、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレイレン結合よりなる群から選択される基、或いはこれらの2つ以上を組み合わせた基を介して主鎖に結合しても良い。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。Xは、−F又は−CFを表す。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
疎水性樹脂(D)は、珪素原子を含有してもよい。珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2016163187
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
〜Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、及びウレア結合よりなる群から選択される単独或いは2つ以上の組み合わせ(好ましくは総炭素数12以下)が挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下、一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。
Figure 2016163187
また、上記したように、疎水性樹脂(D)は、側鎖部分にCH部分構造を含むことも好ましい。
ここで、上記樹脂(D)中の側鎖部分が有するCH部分構造(以下、単に「側鎖CH部分構造」ともいう)には、エチル基、プロピル基等が有するCH部分構造が包含される。
一方、樹脂(D)の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により樹脂(D)の表面偏在化への寄与が小さいため、CH部分構造に包含されないものとする。
より具体的には、樹脂(D)が、例えば、下記一般式(M)で表される繰り返し単位などの、炭素−炭素二重結合を有する重合性部位を有するモノマーに由来する繰り返し単位を含む場合であって、R11〜R14がCH「そのもの」である場合、そのCHは、CH部分構造には包含されない。
一方、C−C主鎖から何らかの原子を介して存在するCH部分構造は、本発明におけるCH部分構造に該当するものとする。例えば、R11がエチル基(CHCH)である場合、CH部分構造を「1つ」有するものとする。
Figure 2016163187
上記一般式(M)中、
11〜R14は、各々独立に、側鎖部分を表す。
側鎖部分のR11〜R14としては、水素原子、1価の有機基などが挙げられる。
11〜R14についての1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基などが挙げられ、これらの基は、更に置換基を有していてもよい。
疎水性樹脂(D)は、側鎖部分にCH部分構造を有する繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましく、このような繰り返し単位として、下記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)を有していることがより好ましい。
以下、一般式(II)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
Figure 2016163187
上記一般式(II)中、Xb1は水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、Rは1つ以上のCH部分構造を有する、酸に対して安定な有機基を表す。ここで、酸に対して安定な有機基は、非酸分解性の有機基であり、非酸分解性とは、高分子化合物(A)の項にて説明したように、光酸発生剤が発生する酸により、分解反応が起こらない性質を意味する。
b1のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、メチル基であることが好ましい。
b1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
としては、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、及び、アラルキル基が挙げられる。上記のシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、及び、アラルキル基は、更に、置換基としてアルキル基を有していても良い。
は、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基又はアルキル置換シクロアルキル基が好ましい。
としての1つ以上のCH部分構造を有する酸に安定な有機基は、CH部分構造を2個以上10個以下有することが好ましく、2個以上8個以下有することがより好ましい。
に於ける、1つ以上のCH部分構造を有するアルキル基としては、炭素数3〜20の分岐のアルキル基が好ましい。好ましいアルキル基としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、3−ペンチル基、2−メチル−3−ブチル基、3−ヘキシル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、イソオクチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基等が挙げられる。より好ましくは、イソブチル基、t−ブチル基、2−メチル−3−ブチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基である。
に於ける、1つ以上のCH部分構造を有するシクロアルキル基は、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。好ましいシクロアルキル基としては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、ノルボルニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
に於ける、1つ以上のCH部分構造を有するアルケニル基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルケニル基が好ましく、分岐のアルケニル基がより好ましい。
に於ける、1つ以上のCH部分構造を有するアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。
に於ける、1つ以上のCH部分構造を有するアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
に於ける、2つ以上のCH部分構造を有する炭化水素基としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、2−メチル−3−ブチル基、3−ヘキシル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、イソオクチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基などが挙げられる。より好ましくは、イソブチル基、t−ブチル基、2−メチル−3−ブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジtert−ブチルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基である。
一般式(II)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。尚、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2016163187
一般式(II)で表される繰り返し単位は、酸に安定な(非酸分解性の)繰り返し単位であることが好ましく、具体的には、酸の作用により分解して、極性基を生じる基を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
以下、一般式(III)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
Figure 2016163187
上記一般式(III)中、Xb2は水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、Rは1つ以上のCH部分構造を有する、酸に対して安定な有機基を表し、nは1から5の整数を表す。
b2のアルキル基は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基等が挙げられるが、水素原子である事が好ましい。
b2は、水素原子であることが好ましい。
は、酸に対して安定な有機基であるため、より具体的には、記樹脂(A)において説明した“酸の作用により分解して極性基を生じる基”を有さない有機基であることが好ましい。
としては、1つ以上のCH部分構造を有する、アルキル基が挙げられる。
としての1つ以上のCH部分構造を有する酸に安定な有機基は、CH部分構造を1個以上10個以下有することが好ましく、1個以上8個以下有することがより好ましく、1個以上4個以下有することが更に好ましい。
に於ける、1つ以上のCH部分構造を有するアルキル基としては、炭素数3〜20の分岐のアルキル基が好ましい。好ましいアルキル基としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、3−ペンチル基、2−メチル−3−ブチル基、3−ヘキシル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、イソオクチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基等が挙げられる。より好ましくは、イソブチル基、t−ブチル基、2−メチル−3−ブチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基である。
に於ける、2つ以上のCH部分構造を有するアルキル基としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−メチル−3−ブチル基、3−ヘキシル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、イソオクチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基、などが挙げられる。より好ましくは、炭素数5〜20であることがより好ましく、イソプロピル基、t−ブチル基、2−メチル−3−ブチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−4−ヘキシル基、3,5−ジメチル−4−ペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチル−3−ヘプチル基、2,3,5,7−テトラメチル−4−ヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基である。
nは1から5の整数を表し、1〜3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが更に好ましい。
一般式(III)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げる。尚、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2016163187
一般式(III)で表される繰り返し単位は、酸に安定な(非酸分解性の)繰り返し単位であることが好ましく、具体的には、酸の作用により分解して、極性基を生じる基を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
樹脂(D)が、側鎖部分にCH部分構造を含む場合であり、更に、特にフッ素原子および珪素原子を有さない場合、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)の含有量は、樹脂(D)の全繰り返し単位に対して、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。上記含有量は、樹脂(D)の全繰り返し単位に対して、通常、100モル%以下である。
樹脂(D)が、一般式(II)で表される繰り返し単位、及び、一般式(III)で表される繰り返し単位のうち少なくとも一種の繰り返し単位(x)を、樹脂(D)の全繰り返し単位に対し、90モル%以上で含有することにより、樹脂(D)の表面自由エネルギーが増加する。その結果として、樹脂(D)がレジスト膜の表面に偏在しにくくなり、水に対するレジスト膜の静的/動的接触角を確実に向上させて、液浸液追随性を向上させることができる。
また、疎水性樹脂(D)は、(i)フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合においても、(ii)側鎖部分にCH部分構造を含む場合においても、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)酸基、
(y)ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基、
(z)酸の作用により分解する基
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましい酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基が挙げられる。
酸基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に、直接、酸基が結合している繰り返し単位、或いは、連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。酸基(x)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していても良い。
酸基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(D)中の全繰り返し単位に対し、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
酸基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、Rxは水素原子、CH、CF、又は、CHOHを表す。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
「ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基(y)」としては、ラクトン構造を有する基が特に好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に酸分解性樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
「ラクトン構造を有する基、酸無水物基、又は酸イミド基(y)」を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(D)中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、3〜98モル%であることがより好ましく、5〜95モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂(D)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、レジスト組成物に含まれるものとして広く知られる酸分解性樹脂が有する、酸分解性基を有する繰り返し単位をそのまま採用できる。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位が、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有していても良い。疎水性樹脂(D)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(D)中の全繰り返し単位に対し、1〜80モル%が好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。
疎水性樹脂(D)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2016163187
一般式(III)に於いて、
c31は、水素原子、アルキル基(フッ素原子等で置換されていても良い)、シアノ基又は−CH−O−Rac基を表す。式中、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子を含む基で置換されていても良い。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
c32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
c3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、エーテル結合、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
一般式(III)により表される繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましく、30〜70モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂(D)は、更に、下記一般式(CII−AB)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 2016163187
式(CII−AB)中、
c11’及びRc12’は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc’は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
一般式(CII−AB)により表される繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましく、30〜70モル%であることが更に好ましい。
以下に一般式(III)、(CII−AB)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 2016163187
疎水性樹脂(D)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(D)の重量平均分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(D)に含まれる全繰り返し単位中10〜100モル%であることが好ましく、30〜100モル%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(D)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(D)の重量平均分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(D)に含まれる全繰り返し単位中、10〜100モル%であることが好ましく、20〜100モル%であることがより好ましい。
一方、特に樹脂(D)が側鎖部分にCH部分構造を含む場合においては、樹脂(D)が、フッ素原子及び珪素原子を実質的に含有しない形態も好ましく、この場合、具体的には、フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の含有量が、樹脂(D)中の全繰り返し単位に対して5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることが更に好ましく、理想的には0モル%、すなわち、フッ素原子及び珪素原子を含有しない。また、樹脂(D)は、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位のみで実質的に構成されることが好ましい。より具体的には、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位が、樹脂(D)の全繰り返し単位中95モル%以上であることが好ましく、97モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることが更に好ましく、理想的には100モル%である。
疎水性樹脂(D)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
また、疎水性樹脂(D)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(D)の組成物中の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.1〜7質量%が更に好ましい。
疎水性樹脂(D)は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3質量%、0.05〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のない感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(D)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、樹脂(A)で説明した内容と同様であるが、疎水性樹脂(D)の合成においては、反応の濃度が30〜50質量%であることが好ましい。
以下に疎水性樹脂(D)の具体例を示す。また、下記表に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
[6]界面活性剤
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は、塗布性を向上させるため界面活性剤を更に含有していてもよい。界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、メガファックF171(大日本インキ化学工業製)やフロラードFC430(住友スリーエム製)やサーフィノールE1004(旭硝子製)、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は界面活性剤を含有してもしなくても良いが、界面活性剤を含有する場合、その含有量は、組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%であり、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
[7]有機カルボン酸
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は、上記成分の他に、有機カルボン酸を含有することが好ましい。このような有機カルボン酸化合物として、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などを挙げることができる。電子線露光を真空下で行う際には、レジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい化合物としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は有機カルボン酸を含有してもしなくても良いが、含有する場合は、有機カルボン酸の配合率としては、高分子化合物(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部であり、更に好ましくは0.01〜3質量部である。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は、必要に応じて、更に、染料、可塑剤、酸増殖剤(国際公開第95/29968号公報、国際公開第98/24000号公報、特開平8−305262号公報、特開平9−34106号公報、特開平8−248561号公報、特表平8−503082号公報、米国特許第5,445,917号明細書、特表平8−503081号公報、米国特許第5,534,393号明細書、米国特許第5,395,736号明細書、米国特許第5,741,630号明細書、米国特許第5,334,489号明細書、米国特許第5,582,956号明細書、米国特許第5,578,424号明細書、米国特許第5,453,345号明細書、米国特許第5,445,917号明細書、欧州特許第665,960号明細書、欧州特許第757,628号明細書、欧州特許第665,961号明細書、米国特許第5,667,943号明細書、特開平10−1508号公報、特開平10−282642号公報、特開平9−512498号公報、特開2000−62337号公報、特開2005−17730号公報、特開2008−209889号公報等に記載)等を含有していてもよい。これらの化合物については、いずれも特開2008−268935号公報に記載のそれぞれの化合物を挙げることができる。
[8]カルボン酸オニウム塩
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩が好ましい。更に、本発明においては、カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環又は多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部又は全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物はカルボン酸オニウム塩を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、カルボン酸オニウム塩の含有量は、ネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.5〜20質量%であり、より好ましくは0.7〜15質量%であり、更に好ましくは1.0〜10質量%である。
[9]溶剤
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。
ネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0441]〜[0455]に記載のものを挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル、酪酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物の固形分濃度は1〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。
<ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜>
本発明は、本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物により形成されたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜にも関し、このような膜は、例えば、本発明の組成物が基板等の支持体上に塗布されることにより形成される。この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布されるが、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。塗布膜は60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。
被加工基板及びその最表層を構成する材料は、例えば、半導体用ウエハの場合、シリコンウエハを用いることができ、最表層となる材料の例としては、Si、SiO、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等が挙げられる。
ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
<マスクブランクス>
また、本発明は、ネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物により形成されたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクスにも関する。このようなネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を具備するマスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、上記基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が例示される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でもよいが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5〜100nmであることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に制限されるものではないが、5〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。
一般に、これらの材料のうち、クロムに酸素や窒素を含有する材料を最表層に具備するフォトマスクブランク上でパターン形成を行った場合、基板付近でくびれ形状が形成される、いわゆるアンダーカット形状となりやすいが、本発明を用いた場合、従来のものに比べてアンダーカット問題を改善することができる。
このネガ型感活性光線性又は感放射線性膜には活性光線又は放射線(電子線等)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そしてこのパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて、インプリント用モールドを作製する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び、「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは上記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の基板上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
<ネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物を用いたパターン形成方法>
本発明は、上記ネガ型感活性光線性又は感放射線性組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程と、上記膜を露光する工程と、露光した上記膜を現像してネガ型パターンを形成する工程と、を含むパターン形成方法にも関する。また、本発明は、上記ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を有するマスクブランクスを露光する工程と、上記露光されたマスクブランクスを現像する工程と、を含む、レジストパターン形成方法にも関する。本発明において、上記露光は電子線又は極紫外線を用いて行われることが好ましい。
精密集積回路素子の製造などにおいてネガ型感活性光線性又は感放射線性膜上への露光(パターン形成工程)は、まず、本発明のネガ型感活性光線性又は感放射線性膜にパターン状に電子線又は極紫外線(EUV)照射を行うことが好ましい。露光量は、電子線の場合、0.1〜20μC/cm程度、好ましくは3〜10μC/cm程度、極紫外線の場合、0.1〜20mJ/cm程度、好ましくは3〜15mJ/cm程度となるように露光する。次いで、ホットプレート上で、60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク)を行い、次いで、現像、リンス、乾燥することによりパターンを形成する。現像液は適宜選択されるが、アルカリ現像液(代表的にはアルカリ水溶液)又は有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液ともいう)を用いることが好ましい。現像液がアルカリ水溶液である場合には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)等の、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%アルカリ水溶液で、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像する。アルカリ現像液には、アルコール類及び/又は界面活性剤を、適当量添加してもよい。こうして、未露光部分の膜は溶解し、露光された部分は現像液に溶解し難く、基板上に目的のパターンが形成される。
本発明のレジストパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を有する場合、アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明のレジストパターン形成方法が、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程を有する場合、該工程における当該現像液(以下、有機系現像液とも言う)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
本発明において、エステル系溶剤とは分子内にエステル基を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも該当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも該当するものとする。また、炭化水素系溶剤とは置換基を有さない炭化水素溶剤のことである。
特に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を含有する現像液であることが好ましい。
現像液は、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜の膨潤を抑制できるという点から、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
上記エステル系溶剤のヘテロ原子は、炭素原子および水素原子以外の原子であって、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子数は、2以下が好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
現像液は、上述した炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤に代えて、上記エステル系溶剤および上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤および上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。この場合においても、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜の膨潤の抑制に効果的である。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソアミル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、酪酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソアミル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機系現像液は、塩基性化合物を含んでいてもよい。本発明で用いられる現像液が含みうる塩基性化合物の具体例及び好ましい例としては、前述した、感活性光線性又は感放射線性組成物が含みうる塩基性化合物におけるものと同様である。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をネガ型感活性光線性又は感放射線性膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がネガ型感活性光線性又は感放射線性膜に与える圧力が小さくなり、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜・パターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後には、リンス液を用いて洗浄する工程を含んでいてもよいが、スループット(生産性)、リンス液使用量等の観点から、リンス液を用いて洗浄する工程を含まなくてもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。上記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又は炭化水素系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行うことが好ましい。
リンス液に含まれる有機溶剤としては、有機溶剤の中でも炭化水素系溶剤を用いることも好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることがより好ましい。リンス液に用いられる脂肪族炭化水素系溶剤としては、その効果がより向上するという観点から、炭素数5以上の脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン等)が好ましく、炭素原子数が8以上の脂肪族炭化水素系溶剤が好ましく、炭素原子数が10以上の脂肪族炭化水素系溶剤がより好ましい。
なお、上記脂肪族炭化水素系溶剤の炭素原子数の上限値は特に限定されないが、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。
上記脂肪側炭化水素系溶剤の中でも、特に好ましくは、デカン、ウンデカン、ドデカンであり、最も好ましくはウンデカンである。
このようにリンス液に含まれる有機溶剤として炭化水素系溶剤(特に脂肪族炭化水素系溶剤)を用いることで、現像後にわずかにネガ型感活性光線性又は感放射線性膜に染み込んでいた現像液が洗い流されて、膨潤がより抑制され、パターン倒れが抑制されるという効果が一層発揮される。
上記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、有機溶剤を含む現像液を用いる現像を行ったウェハを上記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができる。この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(PostBake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
また、本発明のパターン形成方法は、有機系現像液を用いた現像工程と、アルカリ現像液を用いた現像工程とを有していてもよい。有機系現像液を用いた現像によって露光強度の弱い部分が除去され、アルカリ現像液を用いた現像を行うことによって露光強度の強い部分も除去される。このように現像を複数回行う多重現像プロセスにより、中間的な露光強度の領域のみを溶解させずにパターン形成が行えるので、通常より微細なパターンを形成できる(特開2008−292975号公報の段落[0077]と同様のメカニズム)。
また、本発明は、上記ネガ型感放射線性又は感活性光線性膜を有するマスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスクにも関する。露光及び現像としては、上記に記載の工程が適用される。上記フォトマスクは半導体製造用として好適に使用される。
本発明におけるフォトマスクは、ArFエキシマレーザー等で用いられる光透過型マスクであっても、EUV光を光源とする反射系リソグラフィーで用いられる光反射型マスクであっても良い。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作製してもよく、その詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報を参照できる。
本発明のレジストパターン形成方法は、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACSNanoVol.4 No.8 Page4815-4823参照)にも用いることができる。
また、上記の方法によって形成されたレジストパターンは、例えば特開平3−270227号公報及び特開2013−164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイス(好ましくは半導体デバイス)は、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれにより限定されるものではない。
<合成例:高分子化合物(A1)の合成>
後掲の表8に示す高分子化合物(A1)を、以下の通り合成した。
Figure 2016163187
(重合物1aの合成)
日本曹達株式会社製のポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP2500、分散度1.10)10gと水酸化カリウム水溶液(水酸化カリウム5.7gを水49gに溶解)を混合し、これにメタノール20gを加えて40℃で数分攪拌した。そこに、パラホルムアルデヒド7.5gを加え、40℃で5時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に戻し、酢酸エチル80mlと希塩酸(1N)80mlを加え、分液操作を行った。水層が中性になるまで有機層を蒸留水で洗浄した後、有機層を濃縮した。真空乾燥後、重合物(1a)13gを得た。
H−NMR(DMSO−d6:ppm)δ:9.04、8.39、6.59、4.11−5.50、0.92−2.26(ピークはいずれもブロード)
(高分子化合物A1の合成)
重合物(1a)7gとメタノール100gを混合し、これに濃硫酸3.4gとメタノール10gを混合した溶液を加え、55℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温に戻し、酢酸エチル200gと蒸留水200gを加え、分液操作を行った。有機層を蒸留水で3回洗浄した後、有機層を濃縮した。得られた粉体を酢酸エチル70gに溶解した溶液を、n−ヘキサン700gに滴下した。粉体をろ過し、真空乾燥後、高分子化合物(A1)5.4gを得た。
H−NMR(DMSO−d6:ppm)δ:9.02、8.09、6.49、4.27、3.13、0.81−2.22(ピークはいずれもブロード)
他の高分子化合物A2〜A8も上記とほぼ同様の方法にて合成した。一方、高分子化合物A9は、特開平2−170165号に記載の方法に準じて用意した。
上記合成例では、合成される高分子化合物が2成分系より多くなる場合がある。例えば、上記の合成例1では3成分系、すなわち、架橋性基の数が0の繰り返し単位と、架橋性基の数が1の繰り返し単位と、架橋性基の数が2の繰り返し単位とから成っている場合がある。架橋性基の数が1の繰り返し単位の割合及び架橋性基の数が2の繰り返し単位の割合を区別して算出するのは煩雑なので、以下に定義する架橋性基率により、高分子化合物中に含まれる架橋性基数を評価した。
(架橋性基率) = (架橋性基が導入された点数)/(架橋性基を導入可能な反応点の数)×100(%)
ここで、例えば、架橋性基としてのメチロール基を導入可能な反応点の数は、フェノール性水酸基が結合している芳香環がベンゼン環の場合、オルト位2箇所とパラ位1箇所の最大3箇所である。上記高分子化合物A1の場合、パラ位が高分子主鎖との結合により塞がっているため、メチロール基を導入可能な反応点の数(メチロール化可能な点数)は2となる。上記架橋性基率は、架橋性基を導入可能な点の水素原子の積分値の反応前後における変化を、H−NMRから見積もることにより算出した。
以下の表に、高分子化合物の架橋性基率、重量平均分子量及び分散度を示す。重量平均分子量及び分散度は、GPC(溶媒:THF)測定により算出した。高分子化合物A1〜A8の構造は、上記のように3成分系以上となっている場合があるが、簡略化のため、架橋性基数0の繰り返し単位の構造と架橋性基数最大(反応可能点が全て反応した場合を意味する)の繰り返し単位の構造の2成分のみを記載する。一方、高分子化合物A9は、下表に記載の繰り返し単位に対応するモノマーの重合により得られるものであり、実質的には、下表に記載の繰り返し単位の1成分のみを有するものである。
Figure 2016163187
〔実施例1E〜33E、及び比較例1ER〜5ER〕
(1)支持体の準備
酸化Cr蒸着した6インチシリコンウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)を準備した。
(2)レジスト塗布液の準備
下記表9に示す成分を同表に示す溶剤に溶解させ、それぞれを0.04μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで精密ろ過して、レジスト塗布溶液を得た。
(3)レジスト膜の作成
上記6インチシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜として、膜厚50nmのレジスト膜を得た。すなわち、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクスを得た。
(4)ネガ型レジストパターンの作製
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒間ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
(5)レジストパタ−ンの評価
得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、PED安定性、及びラインエッジラフネス(LER)性能について評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
ただし、比較例1ER〜5ERについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、比較例1ERについては線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例2ERについては線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例3ERについては線幅70nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例4ERについては線幅60nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例5ERについては線幅65nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、それぞれ、解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
〔解像力〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)を解像力(nm)とした。
〔ラインエッジラフネス(LER)性能〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)で、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成した。そして、その長さ方向10μmに含まれる任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
ただし、比較例1ER〜5ERについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、比較例1ERにおいては線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例2ERにおいては線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例3ERにおいては線幅70nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例4ERにおいては線幅60nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例5ERにおいては線幅65nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、それぞれ、上記の距離の標準偏差を求め、3σを算出した。
〔PED(Post Exposure time Delay)安定性〕
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が50nmとなる露光量において、露光後、速やかにPEB処理したウェハー上のライン線幅寸法(0h)と、5時間後にPEB処理したウェハー上のライン線幅寸法(5.0h)を測長し、線幅変化率を以下の式により算出した。
線幅変化率(%)=|ΔCD(5.0h−0h)|nm/50nm
値が小さいほど良好な性能であることを示し、PED安定性の指標とした。
ただし、比較例1ER〜5ERについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、比較例1ERにおいては線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が100nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例2ERにおいては線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が80nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例3ERにおいては線幅70nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が70nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例4ERにおいては線幅60nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が60nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例5ERにおいては線幅65nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が65nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。
Figure 2016163187
〔光酸発生剤〕
実施例で使用した光酸発生剤の構造を光酸発生剤が発生する酸の体積値と共に以下に示す。ここで、酸の体積値は、上記化合物(B)から発生する酸の体積値と同様の算出方法により得た。
Figure 2016163187
Figure 2016163187
Figure 2016163187
〔塩基性化合物〕
B1:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
B2:トリ(n−オクチル)アミン
B3:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
Figure 2016163187
〔架橋剤〕
Figure 2016163187
〔その他の高分子化合物〕
その他の高分子化合物P1における各繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、並びに、その他の高分子化合物P1及びP2における重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)についても以下に示す。
Figure 2016163187
〔有機カルボン酸〕
D1:2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸
D2:2−ナフトエ酸
D3:安息香酸
〔界面活性剤〕
W−1:PF6320(OMNOVA(株)製)
W−2:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)
S3:2−ヘプタノン
S4:乳酸エチル
S5:シクロヘキサノン
S6:γ−ブチロラクトン
S7:プロピレンカーボネート
Figure 2016163187
上表から、本発明に係るパターン形成方法を使用した実施例1E〜33Eによれば、これを使用しない比較例1ER〜5ERと比較して、感度、解像力、PED安定性、及びLER性能を高次元で両立できることが分かった。
〔実施例1F〜10F及び比較例1FR〜4FR〕
(レジスト膜の作成)
上記6インチシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて、上記のようにして調製したレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜として、膜厚50nmのレジスト膜を得た。すなわち、ネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクスを得た。
(レジスト評価)
得られたレジスト膜に関し、下記の方法で、感度、解像力、PED安定性、及びラインエッジラフネス(LER)性能について評価した。
〔感度〕
得られたレジスト膜に、EUV露光装置(Exitech社製MicroExposure Tool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、露光量を0〜20.0mJ/cmの範囲で0.1mJ/cmずつ変えながら、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、露光を行った後、110℃で90秒間ベークした。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
ただし、比較例1FR〜4FRについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、比較例1FRについては線幅350nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例2FRについては線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例3FRについては線幅85nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、比較例4FRについては線幅60nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、それぞれ、解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
〔解像力〕
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)とが分離解像する最小の線幅)を解像力(nm)とした。
〔ラインエッジラフネス(LER)性能〕
上記の感度を示す露光量で、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成した。そして、その長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
ただし、比較例1FR〜4FRについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、比較例1FRにおいては線幅350nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例2FRにおいては線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例3FRにおいては線幅85nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、比較例4FRにおいては線幅60nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて、それぞれ、上記の距離の標準偏差を求め、3σを算出した。
〔PED(Post Exposure time Delay)安定性〕
50nmのラインアンドスペース1:1パターンの線幅寸法が50nmとなる露光量において、露光後、速やかにPEB処理したライン線幅寸法(0h)と、5時間後にPEB処理したウェハー上のライン線幅寸法(5.0h)を測長し、線幅変化率を以下の式により算出した。
線幅変化率(%)=|ΔCD(5.0h−0h)|nm/50nm
値が小さいほど良好な性能であることを示し、PED安定性の指標とした。
ただし、比較例1FR〜4FRについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、比較例1FRにおいては線幅350nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が350nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例2FRにおいては線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が100nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例3FRにおいては線幅85nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が85nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。比較例4FRにおいては線幅60nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が60nmとなる露光量において、上記の線幅変化率を算出した。
Figure 2016163187
上表から、本発明に係るパターン形成方法を使用した実施例1F〜10Fによれば、これを使用しない比較例1ER〜4FRと比較して、感度、解像力、PED安定性、及びLER性能を高次元で両立できることが分かった。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1>
(A)下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物と、
(B)活性光線又は放射線の照射により、体積が130Å 以上2000Å 以下の酸を発生する化合物と、
を含む、ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、R は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R とR は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表し、
m’は1又は2を表し、n’は1〜3の整数を表す。
<2>
上記一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記一般式(3)で表される繰り返し単位である、<1>に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、R 、R 、及びR は、一般式(2)中のR 、R 、及びR と同義である。n’は1〜3の整数を表す。
<3>
上記化合物(B)がスルホニウム塩である、<1>又は<2>に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<4>
更に、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(C)を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
上記化合物(C)が下記一般式(4)で表されるオニウム塩化合物である、<4>に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中、Aは硫黄原子またはヨウ素原子を表し、R は水素原子または有機基を表し、R は(p+1)価の有機基を表し、Xは単結合または連結基を表し、A は窒素原子を含んだ塩基性部位を表す。R 、R 、X及びA はそれぞれ、複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
Aが硫黄原子である場合、qは1〜3の整数であり、oはo+q=3の関係を満たす整数である。
Aがヨウ素原子である場合、qは1又は2であり、oはo+q=2の関係を満たす整数である。
pは1〜10の整数を表し、Y はアニオンを表す。
、X、R 、A の少なくとも2つは、互いに結合して環を形成してもよい。
<6>
上記高分子化合物(A)の分散度が、1.0〜1.40である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<7>
上記高分子化合物(A)が、下記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体を原料とする製造法により製造された高分子化合物である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2016163187

式中のR は、上記一般式(2)中のR と同義である。
<8>
上記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体の分散度が、1.0〜1.20である<7>に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<9>
上記一般式(3)中のR 及びR が共に水素原子である、<2>に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<10>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜。
<11>
<10>に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクス。
<12>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程、
上記膜を露光する工程、及び
露光した上記膜を現像してネガ型パターンを形成する工程
を含むパターン形成方法。
<13>
<12>に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明は、前記<1>〜<13>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記〔1〕〜〔15〕)についても記載している。
実施例24E、25E、及び26Eは、それぞれ参考例24E、25E、及び26Eに読み替えるものとする。
上表から、本発明に係るパターン形成方法を使用した実施例1E〜33Eによれば、これを使用しない比較例1ER〜5ERと比較して、感度、解像力、PED安定性、及びLER性能を高次元で両立できることが分かった。
実施例9Fは、参考例9Fに読み替えるものとする。
上表から、本発明に係るパターン形成方法を使用した実施例1F〜10Fによれば、これを使用しない比較例1ER〜4FRと比較して、感度、解像力、PED安定性、及びLER性能を高次元で両立できることが分かった。

Claims (14)

  1. (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物と、
    (B)活性光線又は放射線の照射により、体積が130Å以上2000Å以下の酸を発生する化合物と、
    を含む、ネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016163187

    式中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、
    とRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、
    は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表し、
    Lは単結合又は2価の連結基を表し、
    Arは芳香族基を表し、
    mとnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
  2. 上記一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016163187

    式中、R、R、R及びRは、一般式(1)中のR、R、R及びRと同義である。m’は1又は2を表し、n’は1〜3の整数を表す。
  3. 上記一般式(2)で表される繰り返し単位が、下記一般式(3)で表される繰り返し単位である、請求項2に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016163187

    式中、R、R、及びRは、一般式(1)中のR、R、及びRと同義である。n’は1〜3の整数を表す。
  4. 前記化合物(B)がスルホニウム塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 更に、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(C)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記化合物(C)が下記一般式(4)で表されるオニウム塩化合物である、請求項5に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016163187

    式中、Aは硫黄原子またはヨウ素原子を表し、Rは水素原子または有機基を表し、Rは(p+1)価の有機基を表し、Xは単結合または連結基を表し、Aは窒素原子を含んだ塩基性部位を表す。R、R、X及びAはそれぞれ、複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
    Aが硫黄原子である場合、qは1〜3の整数であり、oはo+q=3の関係を満たす整数である。
    Aがヨウ素原子である場合、qは1又は2であり、oはo+q=2の関係を満たす整数である。
    pは1〜10の整数を表し、Yはアニオンを表す。
    、X、R、Aの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成してもよい。
  7. 前記高分子化合物(A)の分散度が、1.0〜1.40である請求項1〜6のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 前記高分子化合物(A)が、下記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体を原料とする製造法により製造された高分子化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2016163187

    式中のRは、上記一般式(1)中のRと同義である。
  9. 上記一般式(5)で表される繰り返し単位の重合体の分散度が、1.0〜1.20である請求項8に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  10. 上記一般式(3)中のR及びRが共に水素原子である、請求項3に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたネガ型感活性光線性又は感放射線性膜。
  12. 請求項11に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクス。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のネガ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程、
    上記膜を露光する工程、及び
    露光した上記膜を現像してネガ型パターンを形成する工程
    を含むパターン形成方法。
  14. 請求項13に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
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