JPWO2016153050A1 - 防曇性組成物及び防曇性フィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れ、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示すことができる防曇性組成物の提供を課題とする。本発明は、コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有する防曇性組成物であって、(1)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、(2)前記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、(3)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、前記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である、ことを特徴とする防曇性組成物を提供する。
Description
本発明は、防曇性組成物及び防曇性フィルムに関する。
従来、様々な分野でフィルム等の製品に防曇性を付与する技術が求められている。例えば、農業の分野では、農業用作物を栽培する場合、市場性及び生産性を高めるために、塩化ビニルフィルムや、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリオレフィン系樹脂を主体とした特殊フィルム等の農業用フィルムにより被覆して有用作物を栽培する、ハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行われている。
上述の農業用フィルムには、太陽光を透過させるために透明性が高いことや、フィルムの内側表面に付着した水滴を栽培作物に落下させることなくフィルム内面に沿って流下させるという、いわゆる防曇性(流滴性)が要求される。
フィルムに防曇性を付与する方法として、フィルムを形成する合成樹脂組成物に、ソルビタン脂肪酸エステル等の防曇剤を練り込む方法が用いられている。この方法は、練り込まれた防曇剤が樹脂表面へブリードアウトすることにより、フィルムに防曇性を発現させる方法であるが、当該方法によると、フィルムからの防曇剤のブリードアウトが速いため、フィルムをハウスに展張後1年も経過すると防曇性の効果が低下するという問題がある。
このような問題が解消された農業用フィルムとして、合成樹脂フィルムの片面に、コロイド状シリカ粒子を含有する水性アクリル変性ウレタン樹脂塗膜層を設けた農業用防滴性フィルムが提案されている(特許文献1の請求項1参照)。当該農業用防滴性フィルムの塗膜層として、水性アクリル変性ウレタン樹脂、コロイド状シリカ粒子、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を含有する水性エマルション組成物を塗布し、乾燥して得られた塗膜層が記載されている(特許文献1の請求項2参照)。
しかしながら、上述の農業用防滴性フィルムでは、防曇性を向上させるために水性アクリル変性ウレタン樹脂及びコロイド状シリカ粒子が用いられており、このため、フィルムの柔軟性が低下して、フィルムを折り曲げた際に白化する、いわゆる折れ白化を生じるという問題がある。
また、上述の水性エマルション組成物を用いて形成された塗膜層は耐傷性に劣り、表面が水分を含んだ状態で擦れると塗膜層が破損して、防曇性が低下するという問題がある。
従って、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れ、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示すことができる防曇性組成物の開発が望まれている。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れ、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示すことができる防曇性組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有し、(1)コロイダルシリカの固形分質量(Ma)とバインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、(2)造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、(3)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、前記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である防曇性組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の防曇性組成物及び防曇性フィルムに関する。
1.コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有する防曇性組成物であって、
(1)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、
(2)前記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、
(3)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、前記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である、
ことを特徴とする防曇性組成物。
2.前記バインダー樹脂のガラス転移点が0〜100℃である、項1に記載の防曇性組成物。
3.前記造膜助剤の含有量は、前記防曇性組成物を100質量%として0.1〜10.0質量%である、項1又は2に記載の防曇性組成物。
4.合成樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、項1〜3のいずれかに記載の防曇性組成物により形成された防曇層を有する防曇性フィルム。
1.コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有する防曇性組成物であって、
(1)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、
(2)前記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、
(3)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、前記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である、
ことを特徴とする防曇性組成物。
2.前記バインダー樹脂のガラス転移点が0〜100℃である、項1に記載の防曇性組成物。
3.前記造膜助剤の含有量は、前記防曇性組成物を100質量%として0.1〜10.0質量%である、項1又は2に記載の防曇性組成物。
4.合成樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、項1〜3のいずれかに記載の防曇性組成物により形成された防曇層を有する防曇性フィルム。
本発明の防曇性組成物は、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れており、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示すことができる。
本発明の防曇性組成物は、コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有し、(1)上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、(2)上記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、(3)上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、上記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である防曇性組成物である。
上記防曇性組成物は、コロイダルシリカを含有するので、優れた防曇性及び防曇性能の長期持続性を示す。
また、本発明の防曇性組成物は、界面活性剤を含有し、且つ、コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と、バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が特定の範囲であるので、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れており、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐傷性を示すことができる。
更に、本発明の防曇性組成物は造膜助剤を含有し、上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、上記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0であるので、防曇組成物が優れた防曇性及び防曇性能の長期持続性を維持しつつ、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐折れ白化性を示すことができる。
本発明において、前記バインダー樹脂のガラス転移点が0〜100℃である場合には、当該防曇性組成物を塗工して形成した防曇層は、優れた耐傷性、耐折れ白化性に加えて、アンチブロッキング性を示すことができる。
以下、本発明の防曇性組成物及び防曇性フィルムについて詳細に説明する。
1.防曇性組成物
本発明の防曇性組成物は、コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有する防曇性組成物であって、(1)上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、(2)上記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、(3)上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、上記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である。
本発明の防曇性組成物は、コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有する防曇性組成物であって、(1)上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、(2)上記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、(3)上記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び上記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、上記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である。
上記(Ma/Mb)が0.5よりも小さいと、防曇組成物を用いて形成した防曇層が十分な防曇性を発揮できない。上記(Ma/Mb)が5.0よりも大きいと、防曇性組成物の耐傷性及び透明性が低下する。上記(Ma/Mb)は、0.8〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.5であることがより好ましい。
上記(Ma+Mb)/(Mc)が1.0よりも小さいと、防曇組成物を用いて形成した防曇層が十分な防曇性を発揮できず、また、レベリング性が低下する。上記(Ma+Mb)/(Mc)が16.0よりも大きいと、防曇組成物を用いて形成した防曇層が十分な耐折れ白化性及び透明性を発揮できない。上記(Ma+Mb)/(Mc)は、1.0〜14.0であることが好ましく、5.0〜10.0であることがより好ましい。
(バインダー樹脂)
本発明の防曇性組成物が含有するバインダー樹脂は、親水性バインダー樹脂、疎水性バインダー樹脂のいずれであってもよいが、より優れた防曇性を示すことができる点で、疎水性バインダー樹脂が好ましい。
本発明の防曇性組成物が含有するバインダー樹脂は、親水性バインダー樹脂、疎水性バインダー樹脂のいずれであってもよいが、より優れた防曇性を示すことができる点で、疎水性バインダー樹脂が好ましい。
上記親水性バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸ビニル系水溶性樹脂、ポリエチレンオキサイド、セルロースアシレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルブチラール、ポリエーテルエステルアミド、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの変性セルロース、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアクリルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリエーテル系材料等が挙げられる。
上記疎水性バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特にアクリル系樹脂が好適に用いられる。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メタ)アクリル系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル系単量体」は、アクリル系単量体又はメタアクリル系単量体を意味し、他の(メタ)と記載された部分についても同様である。
上記(メタ)アクリル系単量体としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の官能基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
上記(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体としては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;ビニルピリジン、ビニルアルコール、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、1−ビニルイミダゾール等のビニル単量体;モノメチルイタコネート、モノエチルイタコネート等のイタコン酸エステル;モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノプロピルフマレート、モノブチルフマレート等のフマル酸エステル;及びモノメチルマレート、モノエチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート等のマレイン酸エステルが挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
上記ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタン樹脂を用いることができる。これらのウレタン系樹脂は、水性組成物、又はエマルジョンの形態で用いてもよい。
上記ウレタン系樹脂としては、防曇層の合成樹脂フィルムとの密着性、耐水性及び表面強度(耐傷付き性)に優れる点でポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタン樹脂のエマルジョンが好ましく、防曇層の耐水性及び耐傷付き性が更に向上し、且つ防曇性を発現するまでの時間が短縮でき、防曇性が持続する点で、シラノール基を有するポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタン樹脂のエマルジョンがより好ましい。これらのウレタン系樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の防曇性組成物が含有するバインダー樹脂は、ガラス転移点(Tg)が0〜100℃であることが好ましい。バインダー樹脂のガラス転移点が0℃以上であることにより、防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れたアンチブロッキング性を示すことができ、ガラス転移点が100℃以下であることにより、防曇性組成物を塗工して形成した防曇層の脱落が抑制され、より優れた耐傷性を示すことができる。なお、本明細書において、バインダー樹脂のガラス転移点は、JIS K7121に準拠した測定方法により測定される値であり、具体的には、示差走査型熱量計(DSC;セイコー電子工業(株)製:SSC5200(型番))を用いてJIS K7121(プラスチックのガラス転移温度測定方法)に基づいて、不活性気体中で、10℃/分の昇温スピードの条件で測定した値である。なお、測定は、試料をサンプル皿に所定量秤取した後、130℃で3時間乾燥させてから行なう。
本発明の防曇性組成物において、上記バインダー樹脂の固形分の含有量は、防曇性組成物を100質量%として1〜10質量%であることが好ましく、2〜7質量%であることがより好ましい。
(コロイダルシリカ)
本発明の防曇性組成物は、コロイダルシリカを含有する。コロイダルシリカは、SiO2の化学組成式で示されるシリカ粒子が、液体に分散してコロイドを形成した状態のものである。コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の平均粒子径は、当該シリカ粒子が一次粒子である場合、100nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。また、上記シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましい。なお、本明細書において、上記コロイダルシリカを形成するシリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、JIS Z8830に準拠したBET法により測定することができる。
本発明の防曇性組成物は、コロイダルシリカを含有する。コロイダルシリカは、SiO2の化学組成式で示されるシリカ粒子が、液体に分散してコロイドを形成した状態のものである。コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の平均粒子径は、当該シリカ粒子が一次粒子である場合、100nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。また、上記シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましい。なお、本明細書において、上記コロイダルシリカを形成するシリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、JIS Z8830に準拠したBET法により測定することができる。
上記一次粒子であるシリカ粒子を含有するコロイダルシリカの市販品としては、日産化学工業株式会社製コロイダルシリカ 商品名:「ST―XS」(平均粒子径4〜6nm)、「ST−S」(平均粒子径8〜11nm)、「ST−30」(平均粒子径10〜15nm)、「ST−50」(平均粒子径20〜25nm)、「ST−20L」(平均粒子径40〜50nm)、「ST−XL」(平均粒子径40〜60nm)等が挙げられる。
コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、上記一次粒子が結合した二次粒子であってもよい。上記シリカ粒子が二次粒子である場合、コロイダルシリカとしては、ネックレス状コロイダルシリカ、及び鎖状コロイダルシリカが挙げられる。
<ネックレス状コロイダルシリカ>
ネックレス状コロイダルシリカは、シリカ粒子の一次粒子が環状に結合した二次粒子を含むコロイダルシリカである。すなわち、上記ネックレス状コロイダルシリカは、数個ないし十数個のシリカ粒子の一次粒子が、パールネックレスのように環状に凝集した二次粒子を含むコロイダルシリカである。上記ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子は、一次粒子が環状に凝集していればよく、ネックレス状の環から分岐した分枝鎖があってもよい。また、一次粒子により形成される環は、完全な円形又は楕円形のものに限られず、歪な形状の環であってもよい。上記ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子の形状は、電子顕微鏡により観察することができる。
ネックレス状コロイダルシリカは、シリカ粒子の一次粒子が環状に結合した二次粒子を含むコロイダルシリカである。すなわち、上記ネックレス状コロイダルシリカは、数個ないし十数個のシリカ粒子の一次粒子が、パールネックレスのように環状に凝集した二次粒子を含むコロイダルシリカである。上記ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子は、一次粒子が環状に凝集していればよく、ネックレス状の環から分岐した分枝鎖があってもよい。また、一次粒子により形成される環は、完全な円形又は楕円形のものに限られず、歪な形状の環であってもよい。上記ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子の形状は、電子顕微鏡により観察することができる。
ネックレス状コロイダルシリカを形成するシリカ粒子の一次粒子としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子を形成する一次粒子の平均粒子径は、5〜30nmが好ましく、8〜25nmがより好ましい。平均粒子径が上記範囲の一次粒子を用いることにより、より防曇性に優れた防曇性組成物とすることができる。
上記ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子は、一次粒子が結合し、70〜200nmの長さに連なっていることが好ましく、80〜150nmの長さに連なっていることがより好ましい。上記二次粒子の長さは、一次粒子の結合により形成される二次粒子の環の一周の長さである。ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子の長さを上記範囲とすることにより、防曇性組成物がより防曇性に優れる。ネックレス状コロイダルシリカに含まれる二次粒子の長さは、電子顕微鏡により写真撮影し、撮影された二次粒子の一周の長さを測ることにより測定することができる。
上記ネックレス状コロイダルシリカの市販品としては、日産化学工業株式会社製ネックレス状コロイダルシリカ 商品名:「ST−PS−S」、「ST−PS−M」、「ST−PS−SO」、「ST−PS−MO」、「ST−PS−S−AK」が挙げられる。
<鎖状コロイダルシリカ>
鎖状コロイダルシリカは、シリカ粒子の一次粒子が数個ないし十数個鎖状に結合した二次粒子を含むコロイダルシリカであり、環状構造を有しない二次粒子を含むコロイダルシリカである。上記鎖状コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、一次粒子が鎖状に凝集していればよく、直鎖状であってもよいし、分枝鎖状であってもよい。上記鎖状コロイダルシリカの形状は、電子顕微鏡により観察することができる。
鎖状コロイダルシリカは、シリカ粒子の一次粒子が数個ないし十数個鎖状に結合した二次粒子を含むコロイダルシリカであり、環状構造を有しない二次粒子を含むコロイダルシリカである。上記鎖状コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子は、一次粒子が鎖状に凝集していればよく、直鎖状であってもよいし、分枝鎖状であってもよい。上記鎖状コロイダルシリカの形状は、電子顕微鏡により観察することができる。
鎖状コロイダルシリカを形成するシリカ粒子の一次粒子としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記鎖状コロイダルシリカに含まれる二次粒子を形成する一次粒子の平均粒子径は、3〜30nmが好ましく、10〜15nmがより好ましい。粒子径が上記範囲のコロイダルシリカの一次粒子を用いることにより、より透明性に優れた防曇性組成物とすることができる。
上記鎖状コロイダルシリカに含まれる二次粒子は、一次粒子が結合し、30〜150nmの長さに連なっていることが好ましく、40〜100nmの長さに連なっていることがより好ましい。上記鎖状コロイダルシリカの長さは、一次粒子の結合により形成される鎖状の二次粒子の主鎖の長さと、分枝鎖の長さとの合計の長さである。鎖状コロイダルシリカの長さを上記範囲とすることにより、より透明性に優れた防曇性組成物とすることができる。鎖状コロイダルシリカの長さは、電子顕微鏡により写真撮影し、撮影された鎖状コロイダルシリカの主鎖の長さと、分枝鎖の長さを測定して合計することにより測定することができる。
上記鎖状コロイダルシリカの市販品としては、日産化学工業株式会社製鎖状コロイダルシリカである、「スノーテックス−UP」シリーズ等が挙げられ、より具体的には、商品名:「ST−UP」、「ST−OUP」等が挙げられる。
上記コロイダルシリカは、一次粒子であるシリカ粒子を含有するコロイダルシリカ、ネックレス状コロイダルシリカ、鎖状コロイダルシリカを単独で用いてもよいし、これらのうち2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の防曇性組成物において、上記コロイダルシリカの固形分の含有量は、防曇性組成物を100質量%として1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましい。
(造膜助剤)
本発明の防曇性組成物は、造膜助剤を含有する。本発明の防曇性組成物中において、造膜助剤は、バインダー樹脂粒子の粒子間の融着を促進する物質である。バインダーの造膜はエマルジョン粒子が崩壊しエマルジョン粒子同士が融着することで造膜しており、造膜助剤がエマルジョン粒子の崩壊を促すことでエマルジョン同士がより融着し易くなる。融着し易くなることで最低造膜温度を下げることができ、柔軟で強固な膜を形成することができる。
本発明の防曇性組成物は、造膜助剤を含有する。本発明の防曇性組成物中において、造膜助剤は、バインダー樹脂粒子の粒子間の融着を促進する物質である。バインダーの造膜はエマルジョン粒子が崩壊しエマルジョン粒子同士が融着することで造膜しており、造膜助剤がエマルジョン粒子の崩壊を促すことでエマルジョン同士がより融着し易くなる。融着し易くなることで最低造膜温度を下げることができ、柔軟で強固な膜を形成することができる。
最低造膜温度が高いと硬い膜が形成され、割れ易くなり、白化を生じてしまう。造膜助剤を含有させることで、膜が柔軟になり膜の割れが軽減できるので、白化を抑制することができる。
(造膜助剤)
本発明の防曇性組成物は、造膜助剤を含有する。造膜助剤を含有することにより、本願発明の防曇性組成物によって形成される塗膜の白化を抑制することができる。このメカニズムは明らかではないが、以下のとおりであると推測される。すなわち、造膜助剤は、バインダー樹脂粒子の粒子間の融着を促進する。バインダーの造膜はエマルジョン粒子が崩壊しエマルジョン粒子同士が融着することで造膜しており、造膜助剤がエマルジョン粒子の崩壊を促すことでエマルジョン同士がより融着し易くなる。融着し易くなることで最低造膜温度を下げることができ、柔軟で強固な膜を形成することができる。
本発明の防曇性組成物は、造膜助剤を含有する。造膜助剤を含有することにより、本願発明の防曇性組成物によって形成される塗膜の白化を抑制することができる。このメカニズムは明らかではないが、以下のとおりであると推測される。すなわち、造膜助剤は、バインダー樹脂粒子の粒子間の融着を促進する。バインダーの造膜はエマルジョン粒子が崩壊しエマルジョン粒子同士が融着することで造膜しており、造膜助剤がエマルジョン粒子の崩壊を促すことでエマルジョン同士がより融着し易くなる。融着し易くなることで最低造膜温度を下げることができ、柔軟で強固な膜を形成することができる。
最低造膜温度が高いと硬い膜が形成され、割れ易くなり、白化を生じてしまう。造膜助剤を含有させることで、膜が柔軟になり膜の割れが軽減できるので、白化を抑制することができる。
上記造膜助剤は、炭素原子を含む。炭素原子を含まない造膜助剤を用いると、防曇性組成物を塗工して形成した防曇層の耐折れ白化性が十分でない。また、上記造膜助剤は、沸点が100℃以上である。造膜助剤の沸点が100℃未満であると、防曇性組成物を塗工して形成した防曇層の耐折れ白化性が十分でない。上記造膜助剤の沸点は、120℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましく、250℃以上が更に好ましい。また、上記造膜助剤の沸点の上限は特に限定されないが、350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、280℃以下が更に好ましい。上記造膜助剤の沸点を上述の範囲とすることにより、防曇性組成物を塗工して形成した防曇層の耐折れ白化性が、より向上する。
なお、本明細書において、造膜助剤の沸点は、FP81HT/FP81C(型番、メトラー・トレド(株)製)を用いて1気圧の条件下で測定される値である。また、炭素原子を含有することの確認は、TOC(全有機体炭素計)を用いることにより、防曇性組成物中の有機物を有機体炭素の総量(炭素量)として測定することにより行うことができる。
上記造膜助剤としては、エーテル結合又はエステル結合を有する化合物が挙げられ、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、ポリエステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、テキサノール、セロスルプ、セロソルプアセテート、ブチルセロソルプ、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等を用いることができる。これらの中でも、より優れた耐折れ白化性を示すことから、エチレングリコールジアセテート、テキサノール、フタル酸ジブチル又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、テキサノールがより好ましい。これらは1種類単独でも2種類以上を併用して用いることもできるが、2種類以上併用する場合には、テキサノールと別の造膜助剤とを組み合わせることが好ましい。
本発明の防曇性組成物において、上記造膜助剤の含有量(2種類以上併用する場合には、合計量)は、防曇性組成物を100質量%として0.1〜10.0質量%であることが好ましく、0.5〜5.0質量%であることがより好ましい。造膜助剤の含有量を上記範囲とすることにより、防曇層が防曇性及び防曇性能の長期持続性を維持しつつ、より優れた耐折れ白化性を示すことができる。
(界面活性剤)
本発明の防曇性組成物は、界面活性剤を含有する。上記界面活性剤としては、公知の種々の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のもの、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好適である。これらの中でも、防曇性組成物に高いレベリング性を付与でき、防曇性組成物を用いて形成した防曇層に高い防曇性を付与できることから、非イオン性界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤が好適である。これらは1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用して使用してもよいが、併用する場合は、非イオン性界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を少なくとも含むことが好ましい。
本発明の防曇性組成物は、界面活性剤を含有する。上記界面活性剤としては、公知の種々の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のもの、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好適である。これらの中でも、防曇性組成物に高いレベリング性を付与でき、防曇性組成物を用いて形成した防曇層に高い防曇性を付与できることから、非イオン性界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤が好適である。これらは1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用して使用してもよいが、併用する場合は、非イオン性界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を少なくとも含むことが好ましい。
上記非イオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル等のソルビタン系界面活性剤;グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート・モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキシド付加物等のグリセリン系界面活性剤;ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル等のポリエチレングリコール系界面活性剤;トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤;ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート等のペンタエリスリトール系界面活性剤;アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル;ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェート;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;セチルトリメチルアンモニウムクロライド;ドデシルアミン塩酸塩;ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩;トリエチルセチルアンモニウムイオダイド;オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩;ドデシルピリジニウム塩等やそれらの異性体;アセチレンジアルコール及びそのアルキレンオキシド付加物等を含むものが挙げられる。これらの中でも、表面張力を特に低下させることができる点で、アセチレンジアルコール及びそのアルキレンオキシド付加物が好ましい。
上記シリコーン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ビニル基含有シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコキシシラン、反応性シロキサンオリゴマー、及びこれらの構造を持つシリコーンエラストマー等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、防曇性組成物に高いレベリング性を付与でき、防曇性組成物を用いて形成した防曇層に高い防曇性を付与できる点で、ポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましい。
本発明の防曇性組成物において、上記界面活性剤の含有量(2種類以上併用する場合は、合計量)は、上記コロイダルシリカの固形分と上記バインダー樹脂の固形分との合計100質量部に対して、2〜30質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。界面活性剤の含有量を上述の範囲とすることで、防曇性組成物の透明性がより向上し、且つ、優れたレベリング性を示すことができる。
上記コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤は、通常市販されている製品そのもの、又は、水等の分散媒に分散された製品、通常市販されている粉末等を水等の分散媒に分散させたもののいずれを用いてもよい。
本発明の防曇性組成物は、分散媒を含有していてもよい。本発明の防曇性組成物は、上記コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤、界面活性剤、及び、必要に応じて後述する他の成分が、分散媒中に分散された形態であってもよい。分散媒としては、水を含む、水混合性溶媒が挙げられ、具体的には、水道水、脱イオン水、純水等の水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ベンジルアルコール等の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケトン類等が挙げられる。これらの分散媒は、水と混合して用いることが望ましい。
(他の成分)
本発明の防曇性組成物は、上記コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有していれば、更に、必要に応じて無機フィラー、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、帯電防止剤等の他の成分を通常の量で配合することができる。
本発明の防曇性組成物は、上記コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有していれば、更に、必要に応じて無機フィラー、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、帯電防止剤等の他の成分を通常の量で配合することができる。
無機フィラーとしては、一般に用いられる各種の化合物が挙げられ、特に、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩及び、その複合物が好ましい。具体的には、クレー(カオリンクレー、ソフトクレー、ハードクレー、焼成クレー、ロウ石クレー)、タルク(滑石、フレンチチョーク)、アスベスト(クリソタイル、クロシドライド、アンモナイト、アンソフェライト、トレモライト、アクチノライト)、マイカ、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、アタパルジャイト、軽石粉、スレート粉、長石粉、ケイ灰石、フラースアース、トリポリ石、蛭石、含水又は無水の沈降性ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩;ハイドロタルサイト類(含水又は無水アルミニウム/マグネシウム塩基性炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、アルミニウム/亜鉛塩基性炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩);三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミ(含水又は無水)等の酸化物;炭酸カルシウム(重質炭カル、軽質炭カル、膠質炭カル又は沈降性炭カル、胡粉、チョーク、ウィッチング、アラレ石)、炭酸マグネシウム(沈降性、含水及び無水)等の炭酸塩;硫酸バリウム(バライト粉)、沈降性硫酸バリウム、硫酸カルシウム(石コウ、軟石コウ又は沈降性)、ブランフィクス等の硫酸塩;ライム(水酸化アルミ)、水酸化マグネシウム等の水酸化物;カーボンブラック(ファーネス、チャンネル、ランプ、サーマル、アセチレン)、グラファイト、炭素繊維、炭素球、無煙炭粉等の炭素原子からなるもの;銅、アルミニウム、ブロンズ、鉛、亜鉛、スチール等の金属の粉末、繊維、ホイスカーあるいはワイヤー;繊維状、球状、発泡、フライアッシュ球、シラスバルーン等のガラス物質;バリウムフェライト;マグネタイト;二硫化モリブデン;チタン酸カリ等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組合せて使用してもよい。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、フェニルサリシレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及び/又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適に用いられる。
光安定剤としては、防曇性組成物に通常配合される種々の化合物を使用することができる。具体的には、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)アジペート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート等のヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート等が挙げられる。
滑剤ないし熱安定剤としては、例えばポリエチレンワックス、流動パラフィン、ビスアマイド、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、脂肪族アルコール、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、有機リン酸金属塩、有機ホスファイト化合物、フェノール類、β−ジケトン化合物等が挙げられる。
上記他の成分は、それぞれ1種または2種以上を組合せて使用することができる。上記他の成分のそれぞれの配合量は、防曇性組成物の性能を低下させない範囲とすることが好ましく、通常は、コロイダルシリカの固形分、バインダー樹脂の固形分、造膜助剤、界面活性剤、及び分散媒の合計を100質量部として、合計10質量部以下の範囲で選択することができる。
本発明の防曇性組成物の製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤、界面活性剤、及び必要に応じて他の成分を添加し、ホモジナイザー等の撹拌装置により撹拌混合する方法が挙げられる。
2.防曇層
本発明の防曇性組成物を合成樹脂フィルム等の表面に塗布し、乾燥させることにより、防曇層を形成することができる。防曇層の厚みは、塗布後の防曇性組成物の固形分の厚みとして0.1〜3.0μm程度が好ましく、0.5〜1.0μm程度がより好ましい。
本発明の防曇性組成物を合成樹脂フィルム等の表面に塗布し、乾燥させることにより、防曇層を形成することができる。防曇層の厚みは、塗布後の防曇性組成物の固形分の厚みとして0.1〜3.0μm程度が好ましく、0.5〜1.0μm程度がより好ましい。
合成樹脂フィルム等の表面に防曇性組成物を塗布する方法としては特に限定されないが、例えば、ドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、ハケ塗り等の公知の塗布方法が挙げられる。本発明の防曇性組成物は、塗工時に良好なレベリング性を示し、塗布された防曇性組成物を乾燥することにより、防曇性、耐折れ白化性及び耐傷性に優れた防曇層を形成することができる。乾燥方法は、自然乾燥又は強制乾燥のいずれの乾燥方法を採用してもよい。強制乾燥方法を採用する場合の乾燥温度は、30〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。また、強制乾燥としては加熱乾燥が挙げられ、当該加熱乾燥としては、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等が挙げられる。
本発明の防曇性組成物により形成された防曇層の接触角は50°以下が好ましい。当該防曇層の接触角を50°以下とすることにより、後述する防曇性フィルムの防曇性が特に良好となる。なお、上記接触角は、JIS R3257に準拠した測定方法により、水滴の容量3μl、θ/2法により算出する測定条件により測定した値である。
3.防曇性フィルム
本発明は、合成樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、上記防曇層が形成された防曇性フィルムでもある。合成樹脂フィルムに上記防曇層を形成することにより、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れており、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示す防曇性フィルムを得ることができる。
本発明は、合成樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、上記防曇層が形成された防曇性フィルムでもある。合成樹脂フィルムに上記防曇層を形成することにより、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れており、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示す防曇性フィルムを得ることができる。
上記合成樹脂フィルムを形成する樹脂としては、特に限定されないが、塩化ビニル樹脂;ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE))、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。特に、農業用フィルムとして用いる場合、透明性、耐候性及び経済性の点から、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記合成樹脂フィルムには、赤外線吸収剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、界面活性剤、顔料等が含まれていてもよい。
上記赤外線吸収剤としては、無機フィラー等が挙げられる。
上記光安定剤としては上述の防曇性組成物に用いられる光安定剤と同様のものを用いることができる。
合成樹脂フィルム上に防曇層を形成する際の防曇性組成物の塗布方法、塗布条件、防曇層の厚み等は、上記防曇層において説明した方法によればよい。
合成樹脂フィルムと防曇層との接着性が十分でない場合には、合成樹脂フィルムの表面に、予めプラズマ放電処理、コロナ放電処理等の前処理を施しておいてもよい。
上記防曇性フィルムは、農業用フィルムであることが好ましい。上記防曇性フィルムは、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れ、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示すので、農業用フィルムとして、作物栽培用のハウス、トンネル等に用いるのに適している。
上記防曇性フィルムを農業用フィルムとして用い、ハウスに展張する場合、防曇層がハウスの内側となる面に形成されているように展張することが好ましい。防曇層がハウスの内側となる面に形成されていることにより、防曇性フィルムの内側表面に付着した水滴が、栽培作物へ落下するのを抑制することができる。
上記防曇性フィルムは、防曇層が合成樹脂フィルムの両面に形成されていてもよい。防曇層が合成樹脂フィルムの両面に形成された防曇性フィルムを農業用フィルムとして用い、ハウスに展張すると、上述のようにハウスの内側となる面に形成された防曇層により、水滴が栽培作物へ落下するのを抑制することができる上に、更に、ハウスの外側となる面に形成された防曇層により、ハウス外面の汚れを抑制することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、下記の実施例に限定されない。
(合成樹脂フィルムの調製)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:ダウケミカル社製 商品名「エリート5100」密度0.920g/cm3、MFR0.8g/10分)、赤外線吸収剤(無機フィラー:共和化学工業株式会社製 商品名「DHT−4A」)、及び、光安定剤(HALS:BASFジャパン社製 商品名「TINUVIN783」)を表1に示す配合で混合し、25mmφダイを備える単層インフレーション成形装置(HAAKE社製)を用い、成形温度170℃、ブロー比2.0の条件で押し出し成形して、厚さ150μmの合成樹脂フィルムを調製した。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:ダウケミカル社製 商品名「エリート5100」密度0.920g/cm3、MFR0.8g/10分)、赤外線吸収剤(無機フィラー:共和化学工業株式会社製 商品名「DHT−4A」)、及び、光安定剤(HALS:BASFジャパン社製 商品名「TINUVIN783」)を表1に示す配合で混合し、25mmφダイを備える単層インフレーション成形装置(HAAKE社製)を用い、成形温度170℃、ブロー比2.0の条件で押し出し成形して、厚さ150μmの合成樹脂フィルムを調製した。
実施例1〜15及び比較例1〜4
表1に示す配合により、表2に示すバインダー樹脂、表3に示すコロイダルシリカ、表4に示す界面活性剤、及び表5に示す造膜助剤を、分散媒としての脱イオン水と混合して撹拌することにより防曇性組成物を調製した。
表1に示す配合により、表2に示すバインダー樹脂、表3に示すコロイダルシリカ、表4に示す界面活性剤、及び表5に示す造膜助剤を、分散媒としての脱イオン水と混合して撹拌することにより防曇性組成物を調製した。
バインダー樹脂A〜Dは、以下のようにして調製した。すなわち、四ツ口フラスコにポリオキシエチレンラウリルエーテル2質量部及び水80質量部を仕込んで窒素ガス気流下で60℃まで加熱した。反応温度を60〜70℃に保持しながら、過硫酸アンモニウム0.5質量部を添加し、更に表2に示した配合により各単量体を混合して調製した混合物100質量部を3時間にわたって滴下した。滴下終了後も温度を60〜70℃に2時間保持した後冷却し、バインダー樹脂の分散媒への分散液を得た。なお、表1において、防曇性組成物中のコロイダルシリカ及びバインダー樹脂の配合量は、固形分での配合量を示している。また、表2において、バインダー樹脂の組成は、固形分での組成を示しており、バインダー樹脂は、当該固形分が水に分散したエマルジョンの状態で用いられる。
上述のようにして調製した防曇性組成物を、#5バーコーターを用いて合成樹脂フィルム上に塗布した。防曇性組成物が塗布された合成樹脂フィルムを、70℃のオーブン中で1分間保持し、防曇性組成物の液状分散媒を揮散させて防曇層とすることにより、防曇性フィルムを調製した。防曇性フィルムを形成する防曇層の被膜の厚みは約0.8μmであった。
実施例1〜15及び比較例1〜4の防曇性組成物及び防曇性フィルムについて、以下の評価を行った。
<透明性試験>(ヘイズ測定)
JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社:MDH2000を用いてヘイズを測定し、下記基準に従って評価した。
◎:15%以下
〇:15%を超え、17%以下
△:17%を超え、25%以下
×:25%を超える
JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社:MDH2000を用いてヘイズを測定し、下記基準に従って評価した。
◎:15%以下
〇:15%を超え、17%以下
△:17%を超え、25%以下
×:25%を超える
<耐傷性試験>(コロイダルシリカ残存率)
試験片の防曇層に存在するコロイダルシリカの量(剥離前のコロイダルシリカの量)を蛍光X線装置で計測した。当該防曇層に、脱イオン水を0.2mg吹き付けた。脱イオン水を吹き付けた防曇層を、100gの荷重を掛けてクラフト紙で100回擦り、蛍光X線装置で残存しているコロイダルシリカの量(剥離後のコロイダルシリカの量)を計測した。コロイダルシリカ残存率を、下記式に基づいて算出した。
[コロイダルシリカ残存率(%)]=([剥離後のコロイダルシリカの量]/[剥離前のコロイダルシリカの量])×100
算出されたコロイダルシリカ残存率に基づいて、下記基準に従って評価した。
◎:84%を超える
〇:74%を超え、84%以下
△:49%を超え、74%以下
×:49%以下
試験片の防曇層に存在するコロイダルシリカの量(剥離前のコロイダルシリカの量)を蛍光X線装置で計測した。当該防曇層に、脱イオン水を0.2mg吹き付けた。脱イオン水を吹き付けた防曇層を、100gの荷重を掛けてクラフト紙で100回擦り、蛍光X線装置で残存しているコロイダルシリカの量(剥離後のコロイダルシリカの量)を計測した。コロイダルシリカ残存率を、下記式に基づいて算出した。
[コロイダルシリカ残存率(%)]=([剥離後のコロイダルシリカの量]/[剥離前のコロイダルシリカの量])×100
算出されたコロイダルシリカ残存率に基づいて、下記基準に従って評価した。
◎:84%を超える
〇:74%を超え、84%以下
△:49%を超え、74%以下
×:49%以下
<耐折れ白化性試験>
JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社:MDH2000を用いてヘイズを測定し(折れ前のヘイズ値)、折り目をMD方向、TD方向に各2ヶ所付けた後のヘイズを測定し(折れ後のヘイズ値)、下記式に基づいて耐折れ白化性を算出した。
[耐折れ白化性(%)]=([折れ後のヘイズ値(%)]―[折れ前のヘイズ値(%)])
算出された耐折れ白化性を下記基準に従って評価した。
◎:5%以下
○:5%を超え、7%以下
△:7%を超え、9%以下
×:9%を超える
JIS K7105に準拠した測定方法により、日本電色工業社:MDH2000を用いてヘイズを測定し(折れ前のヘイズ値)、折り目をMD方向、TD方向に各2ヶ所付けた後のヘイズを測定し(折れ後のヘイズ値)、下記式に基づいて耐折れ白化性を算出した。
[耐折れ白化性(%)]=([折れ後のヘイズ値(%)]―[折れ前のヘイズ値(%)])
算出された耐折れ白化性を下記基準に従って評価した。
◎:5%以下
○:5%を超え、7%以下
△:7%を超え、9%以下
×:9%を超える
<防曇性試験>(防曇性(1):初期防曇性)
水を入れた水槽の上部に、試験片の防曇層が水槽側となるように、水面に対して30°の角度をつけて試験片を設置した。水槽内の水面と、試験片の下端との距離を30cmとした。この状態で、外気温20℃、水温40℃の条件下で保持し、試験片の表面に付着した水滴が流れ落ちるまでの時間を計測し、下記基準に従って評価した。
◎:15分以下
〇:15分を超え、25分以下
△:25分を超え、35分以下
×:35分を超える
水を入れた水槽の上部に、試験片の防曇層が水槽側となるように、水面に対して30°の角度をつけて試験片を設置した。水槽内の水面と、試験片の下端との距離を30cmとした。この状態で、外気温20℃、水温40℃の条件下で保持し、試験片の表面に付着した水滴が流れ落ちるまでの時間を計測し、下記基準に従って評価した。
◎:15分以下
〇:15分を超え、25分以下
△:25分を超え、35分以下
×:35分を超える
<防曇性試験>(防曇性(2):防曇性能の長期持続性)
水を入れた水槽の上部に、試験片の防曇層が水槽側となるように、水面に対して30°の角度をつけて試験片を設置した。水槽内の水面と、試験片の下端との距離を30cmとした。この状態で、外気温20℃、水温40℃の条件下で120日間保持し、試験片の表面に水滴が付着している面積を、5日、10日、20日、30日、40日、の時点で計測し、下記基準に従って評価した。
〇:水滴の付着面積が試験片の面積の10%以下
△:水滴の付着面積が試験片の面積の10%を超え、50%以下
×:水滴の付着面積が試験片の面積の50%を超える
水を入れた水槽の上部に、試験片の防曇層が水槽側となるように、水面に対して30°の角度をつけて試験片を設置した。水槽内の水面と、試験片の下端との距離を30cmとした。この状態で、外気温20℃、水温40℃の条件下で120日間保持し、試験片の表面に水滴が付着している面積を、5日、10日、20日、30日、40日、の時点で計測し、下記基準に従って評価した。
〇:水滴の付着面積が試験片の面積の10%以下
△:水滴の付着面積が試験片の面積の10%を超え、50%以下
×:水滴の付着面積が試験片の面積の50%を超える
<アンチブロッキング性試験>
JIS P8147に準拠した方法により、テスター産業株式会社:AB−502摩擦角測定機を用いて、下記測定条件により傾斜角度を測定し、下記基準に従って評価した。測定条件は、以下の通りである。すなわち、13cm×20cmの試験片を、防曇層が上方に来るようにして両端をテープで固定した。また、1000mg(6.3cm×10.2cm)の滑り片に、10cm×11cmの試験片を防曇層が下方に来るようにしてテープで貼り付けた。2つの試験片の防曇層同士が擦れる様にセットし、滑り片が滑り出す傾斜角度を測定した。
◎:25°以下
〇:25°を超え、35°以下
△:35°を超え、55°以下
×:55°を超える
結果を表1に示す。
JIS P8147に準拠した方法により、テスター産業株式会社:AB−502摩擦角測定機を用いて、下記測定条件により傾斜角度を測定し、下記基準に従って評価した。測定条件は、以下の通りである。すなわち、13cm×20cmの試験片を、防曇層が上方に来るようにして両端をテープで固定した。また、1000mg(6.3cm×10.2cm)の滑り片に、10cm×11cmの試験片を防曇層が下方に来るようにしてテープで貼り付けた。2つの試験片の防曇層同士が擦れる様にセットし、滑り片が滑り出す傾斜角度を測定した。
◎:25°以下
〇:25°を超え、35°以下
△:35°を超え、55°以下
×:55°を超える
結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜15では、防曇性組成物がコロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有し、(1)コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、(2)造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、(3)コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、前記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0であるので、防曇性及び防曇性能の長期持続性、並びに透明性に優れており、防曇性組成物を塗工して形成した防曇層が、優れた耐折れ白化性及び耐傷性を示していた。
一方、比較例1の結果から、(Ma+Mb)/(Mc)が16.0を超えると、コロイダルシリカの固形分質量とバインダー樹脂の固形分質量との合計に対する造膜助剤の量が少ないため、バインダー樹脂粒子の粒子間の融着が促進されず、耐折れ白化性が劣ることが分かった。
また、比較例2の結果から、(Ma+Mb)/(Mc)が1.0未満であると、造膜助剤の量に対するコロイダルシリカの固形分質量とバインダー樹脂の固形分質量との合計量が少ないため、流滴性が低下して防曇性が劣り、造膜助剤の量が多いため透明性に劣ることが分かった。
比較例3の結果から、(Ma/Mb)が5.0を超えると、バインダー樹脂の固形分質量に対するコロイダルシリカの固形分質量が多いため、透明性が低下し、コロイダルシリカが脱落し易くなり耐傷性に劣ることが分かった。
また、比較例4の結果から、(Ma/Mb)が0.5未満であると、バインダー樹脂の固形分質量に対するコロイダルシリカの固形分質量が少ないため防曇性を十分に発揮することができず、且つ、防曇性能の長期持続性が劣ることが分かった。
1…防曇性フィルム、2…合成樹脂フィルム、3…防曇層
Claims (4)
- コロイダルシリカ、バインダー樹脂、造膜助剤及び界面活性剤を含有する防曇性組成物であって、
(1)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)と前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)との質量比(Ma/Mb)が0.5〜5.0であり、
(2)前記造膜助剤は、炭素原子を含み、且つ、沸点が100℃以上であり、
(3)前記コロイダルシリカの固形分質量(Ma)及び前記バインダー樹脂の固形分質量(Mb)の合計(Ma+Mb)と、前記造膜助剤の質量(Mc)との質量比(Ma+Mb)/(Mc)が1.0〜16.0である、
ことを特徴とする防曇性組成物。 - 前記バインダー樹脂のガラス転移点が0〜100℃である、請求項1に記載の防曇性組成物。
- 前記造膜助剤の含有量は、前記防曇性組成物を100質量%として0.1〜10.0質量%である、請求項1又は2に記載の防曇性組成物。
- 合成樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、請求項1〜3のいずれかに記載の防曇性組成物により形成された防曇層を有する防曇性フィルム。
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