JPWO2016152123A1 - 直動案内装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的は、防塵性能の向上、及び防塵機能の自由度を向上させた直動案内装置を提供することにある。
上記案内レールの側面部には、上記案内レールの長手方向に沿って案内レール側軌道面が形成され、
上記スライダが、上記案内レール側軌道面に対向するようにスライダ側軌道面が形成されたスライダ本体と、上記スライダ本体の移動方向の両端部に設けられた一対のエンドキャップとを具備し、
上記案内レールの側面部と上記スライダの内側面部との間に生じた隙間をシールするシール部材が設けられ、
上記シール部材は、第1シール部材と、第1シール部材よりも幅方向に長く、かつ第1シール部材に重畳して上記スライダの底面部に独立して着脱可能に設けられた第2シール部材とを有する。
以下、直動案内装置の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
<直動案内装置の構成>
図1,2に示すように、本実施形態の直動案内装置1は、案内レール10と、案内レール10に対して移動するスライダ20と、転動体30(図5参照)とを有する。
案内レール10の側面部10aには、案内レール10の長手方向に沿って2条の案内レール側軌道面11,11が形成されている。
スライダ20は、スライダ本体20Aと、スライダ本体20Aの移動方向(長手方向)の両端部に設けられた一対のエンドキャップ20B,20Bとを備える。スライダ本体20A及びエンドキャップ20Bは、共にU字形状の断面をなして案内レール10に跨るように設置される。スライダ本体20Aの内側面20a,20aには、案内レール側軌道面11,11に対向するように2条のスライダ側軌道面21,21が形成されている。
また、図5に示すように、転動体30は、例えば円筒ころ状に形成されており、上記軌道内を転動した転動体30はスライダ本体20Aの長手方向の両端に設けられたエンドキャップ20B,20B内で方向転換した後、スライダ本体20A内に形成された転動体戻し通路23を通って元の位置に戻るようになっている。
ここで、本実施形態の直動案内装置1には、案内レール10の側面部10aとスライダ20(スライダ本体20A)の内側面部20aとの間に生じた隙間をシールするシール部材50が設けられる。
シール部材50は、図4及び図5に示すように、保持器22に設けられた第1シール部材51と、スライダ本体20Aの底面部20bに設けられた第2シール部材52とを有する。
第2シール部材52は、スライダ20の長手方向に沿って両端部から突出して設けられている。第2シール部材52は、第1シール部材51とは別に、底面部20bに独立して着脱可能に設けられている。また、第2シール部材52の幅方向の寸法は、第1シール部材51の幅方向の寸法よりも長く設置される。また、第2シール部材52は、第1シール部材51に高さ方向(案内レール10に対してスライダ本体20Aが跨っている方向)に重畳して設けられている。このように第1シール部材51と第2シール部材52とを配置することによって防塵性能が向上する。
第2シール部材52は、スライダ本体20Aの底面部20b,20bのそれぞれに設けられてもよいし、一方の底面部のみに設けられてもよい。また、第2シール部材52は、スライダ本体20Aの底面部20bに直接設けられてもよい。
第2シール部材52に用いるゴムとしては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムが適している。上記エラストマーとしては、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが適している。
図1〜4及び図6に示すように、スライダ20の両端部には、取付プレート53,53が配置される。取付プレート53は、サイドシール40,40とともに、ねじなどでスライダ20のエンドキャップ20Bに締結固定される。また、第2シール部材52は、取付プレート53に、ねじ54で締結固定される。
取付プレート53は、図6に示すように、スライダ本体20Aやエンドキャップ20Bの断面形状とほぼ同型状の本体部53Aと、本体部53Aに連結し、スライダ20の底部に位置する箇所に配設され、スライダ20の長手方向外側に向けて突出する突出部53Bとを有する。突出部53Bには、ねじ穴53aが設けられている。第2シール部材52は、このねじ穴53aを用いてねじ締結される。
また、取付プレート53の内周部は、案内レール10と僅かな隙間を介して、案内レール10の外周面に当接する。これによって、取付プレート53は、大きな異物を除去するプロテクターの役割も有する。ここで、取付プレート53は、例えば、普通鋼材、ステンレス材、アルミニウム合金などの金属板を、板金加工して製作される。したがって、切削屑などの高温の硬質の異物が接触しても、取付プレート53に破損の心配が少ない。
ここで、第2シール部材52の幅方向(スライダ20の軌道面21,21が対向する方向)の長さは、第1シール部材51の幅方向の長さよりも長い。
さらに、前述したように、第2シール部材53のスライダ20への固定部材(貫通孔52a,ねじ穴53a)は、第1シール部材51の設置範囲よりも、長手方向の外側となる位置に配置される。
また、本実施形態では、第2シール部材52は取付プレート53だけによってスライダ20に間接的に固定されている。このため、スライダ20に固定用の穴などの加工が不要である。
次に、本実施形態の変形例として、図9に示すように、第2シール部材52は、案内レール10側に突出するリップ部材52Aと、このリップ部材52Aを固定する押さえ部材52Bとから構成してもよい。この場合、リップ部材52Aは、例えば、ゴムやエラストマー樹脂などの軟質な材料で構成すると共に、押さえ部材52Bは、鋼材、ステンレス材、アルミニウム合金などの金属材料、又はポリアミド、ポリアセタールなどの合成樹脂のような硬質な材料で製作する。また、必要に応じて、リップ部材52A、スライダ本体20A、押さえ部材52Bが相互に接触する面に、液状ガスケット(例えば、株式会社スリーボンド製「液状ガスケット」)などのシーリングを施してもよい。これによって、部品間の隙間からの異物侵入を効果的に防ぐことができる。
このように、本実施形態によれば、周囲の環境に応じて、防塵性能を調整できる。つまり、防塵性能が重要でない箇所のシール部材を1つだけにしたり、防塵性能が重要な箇所のシ−ル部材を2重にしたりすることが自在である。よって、不要にコストを増大させずに、必要十分な防塵性能を得ることができる。
本実施形態の直動案内装置1は、図10(a)〜(c)に示すような搬送装置に組み込むことができる。すなわち、本実施形態の直動案内装置1のスライダ20が、搬送装置100のべース110の上面に並行に2つずつ固定され、テーブル120の下面に2条の案内レール10,10が取り付けられ、ベース110に対してテーブル120が直線運動する構成である。この搬送装置100では、重力方向(矢印で表示)に対して、テーブル120は上方に配置され、ベース110は下方に配置されている。なお、案内レール10は、テーブル120に設けられた段差、すなわち肩121に当接するようにしてテーブル120に高精度に取り付けられる。
これは、直動案内装置1において肩121がある側(幅方向の内面側)は、テーブル120によって上方を覆われているので、防塵性能の必要性は高くないため、肩121側では第2シール部材52を取り付けていないのである。
また、本実施形態の直動案内装置1は、図11に示すように、第2シール部材52を、取付プレート53を介したスライダ20の両端部への固定だけでなく、長手方向の中央部分でもねじ56でスライダ本体20Aに締結固定してもよい。このような構成とすることにより、第2シール部材52のたわみ変形を防げるので、より安定した防塵効果が得られる。
次に、直動案内装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、取付プレートの設置態様が第1実施形態と異なるだけであるので、上述の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略することがある。
図12に示すように、本実施形態の直動案内装置は、取付プレート53が、エンドキャップ20Bとサイドシール40との間に配置されている。本実施形態では、取付プレート53は、樹脂材料からなる板材であることが好ましい。図13(a),(b)に示すように、第2シール部材52は、その両端部に設けられた貫通孔52a及び取付プレート53の底面53Bに設けられたねじ穴53aをねじ54によって締結されることにより固定される。
本実施形態によれば、取付プレート53を金型による射出成形で製作することで、製作費用を低減できる。また、取付プレート53の前面はサイドシール40で覆われており、外部への露出が少ない。よって、硬い異物があっても、取付プレート53が損傷するおそれが小さい。
次に、直動案内装置の第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、転動体が円筒ころではなくボールを適用した点、及びシール部材の設置態様が第1実施形態と異なるので、上述の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略することがある。
図14に示すように、転動体30をボールとしても同様の構成とすることが可能で、上述した作用及び効果を得ることができる。また、図14に示すように、第1シール部材51を第2シール部材52と同様にスライダ20の底面20bに配置し、第2シール部材52とは独立してスライダ20に固定するようにしてもよい。
本実施形態の直動案内装置は、例えば、工作機械,搬送装置などの機械装置全般に用いられる直動案内装置に好適である。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
10 案内レール
11 案内レール側軌道面
20 スライダ
20A スライダ本体
20B エンドキャップ
21 スライダ側軌道面
22 保持器
30 転動体
40 サイドシール
50 シール部材
51 第1シール部材
52 第2シール部材
53 取付プレート
Claims (7)
- 案内レールと、前記案内レールに対して移動するスライダと、転動体とを有し、
前記案内レールの側面部には、前記案内レールの長手方向に沿って案内レール側軌道面が形成され、
前記スライダが、前記案内レール側軌道面に対向するようにスライダ側軌道面が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の移動方向の両端部に設けられた一対のエンドキャップとを具備し、
前記案内レールの側面部と前記スライダの内側面部との間に生じた隙間をシールするシール部材が設けられ、
前記シール部材は、第1シール部材と、第1シール部材よりも幅方向に長く、かつ第1シール部材に重畳して前記スライダの底面部に独立して着脱可能に設けられた第2シール部材とを有することを特徴とする直動案内装置。 - 第2シール部材は、第1シール部材よりも長手方向に突出して設けられている請求項1に記載の直動案内装置。
- 第2シール部材は、前記スライダの幅方向の2つの底面部のうち、一方の底面部のみに設置される請求項1又は2に記載の直動案内装置。
- 第2シール部材の両端部にそれぞれ接続された1対の取付プレートが前記スライダの移動方向の両端部に設けられる請求項1〜3の何れか一項に記載の直動案内装置。
- 第2シール部材が、前記スライダ本体の底面部に固定される請求項4に記載の直動案内装置。
- 前記取付プレートは、前記スライダの端面に設けられたサイドシールのさらに外側に設けられる請求項4又は5に記載の直動案内装置。
- 前記取付プレートは、前記エンドキャップとサイドシールとの間に設けられる請求項4又は5に記載の直動案内装置。
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