JPWO2016084183A1 - 温度制御装置及び温度制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このように、コントローラがPID制御演算によって操作量を算出する場合、制御対象の温度設定値がランプ状に変化する状況下では、その温度設定値に対して温度測定値(制御対象の温度)が遅れる現象が発生する。
特に、I−PD制御演算によって操作量を算出する場合、温度測定値(制御対象の温度)の遅れが顕著に発生する。
制御対象の温度設定値がランプ状に変化する場合でも、温度設定値に対して温度測定値(制御対象の温度)の遅れが発生しないPID演算の方式として、微分先行型PID(PI−D)があるが、この方式の場合、オーバーシュートが大きくなるため、オーバーシュートを嫌う制御対象には適用することができない。
図1(a)はこの発明の実施の形態1による温度制御装置を示す構成図である。
温度制御装置は、コントローラ1、ヒータ16、制御対象17で構成される。コントローラ1は、目標温度設定部11、設定値補正部12、温度測定部13、2自由度PID演算部14及び出力部15を備えている。
設定値補正部12は、遅れ時間算出部18と設定値遅れ補償部19を備えており、コントローラ1により温度制御が実行される制御タイミング毎に、補正した温度設定値SV’
nを算出する。
遅れ時間算出部18は目標温度設定部11により設定された目標温度SVnを補正する時間である遅れ時間を算出する。
設定値遅れ補償部19は遅れ時間算出部18により算出された遅れ時間で、目標温度設定部11により設定された温度設定値SVnを補正して、補正した温度設定値SV’nを算出する。図1(c)は目標温度SVnと補正した温度設定値SV’nを示している。
2自由度PID演算部14は目標値フィルタ演算部20と微分先行型PID演算部21を備えており、コントローラ1により温度制御が実行される制御タイミング毎に、操作量MVnを算出する。
目標値フィルタ演算部20は設定値補正部12により算出された補正後の温度設定値SV’nを目標値フィルタ演算処理して設定値SV”nを算出する。
微分先行型PID演算部21は目標値フィルタ演算部20により算出された設定値SV”nと温度測定部13により算出された温度測定値PVnを微分先行型PID演算処理して操作量MVnを算出する。
ヒータ16の加熱部は制御対象17を加熱する熱源である。
なお、nは温度制御開始時からn番目の制御タイミングを示す変数である。
この実施の形態1では、コントローラ1が、制御対象17の温度が目標温度設定値である温度設定値SVnになるように、一定周期の制御タイミングで温度制御を実施するものとする。
コントローラ1が温度制御を開始する前に、ユーザが目標温度設定部11のユーザインタフェースを操作して、制御対象17の目標温度設定値である温度設定値SVnを設定する。
ここでは、ユーザが手動で温度設定値SVnを設定する例を示しているが、外部から温度設定値SVnが自動的に設定されるものであってもよい。
即ち、コントローラ1の2自由度PID演算部14は、例えば、外部から温度制御の開始要求を受けると、目標温度設定部11から出力された温度設定値SVnを設定値補正部12で補正した温度設定値SV’nと、温度測定部13から出力された制御対象17の温度測定値PVn(温度制御の開始時に測定された制御対象17の温度)とから2自由度PID演算に基づき操作量MVnを算出する。
出力部15は、2自由度PID演算部14が操作量MVnを算出すると、その操作量MVnをヒータ16を駆動する電気信号に変換して、ヒータ16による加熱を制御することで制御対象17の温度を制御する。
目標値フィルタ演算部20は、係数aのブロック22と、係数(1−a)のブロック23と、フィルタ演算のブロック24と、加え合わせ点25とから構成されている。
図3において、係数aは温度設定値SVnの設定変化に対する制御応答を指定する係数(2自由度係数)、2自由度係数aは0〜1の値をとる。
また、一般的にa=0のときをI−PD制御演算、a=1のときを微分先行型PID(PI−D)と呼び、0<a<1のときI−PD制御演算と微分先行型PID(PI−D)の中間的な制御演算になる。
また、KPは比例ゲイン、TDは微分時間、TIは積分時間である。
図3のブロック線図から分かるように、係数aのブロック22は、温度設定値SVnに2自由度係数aをかける処理を実施し「SVn×a」を算出する。係数(1−a)のブロック23は、温度設定値SVnに(1−a)をかける処理を実施し「SVn×(1−a)」を算出する。フィルタ演算のブロック24は、係数(1−a)のブロック23で算出された「SVn×(1−a)」に対し1次遅れフィルタ演算処理した値を算出する。加え合わせ点25は、フィルタ演算のブロック24で算出した値と、係数aのブロック22で算出された「SVn×a」とを加算して設定値SVチルダn(明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“〜”の記号を付することができないので、SVチルダnのように表記している)を算出する。
図4(a)はa=1のときの温度設定値SVnと目標値フィルタ演算処理されたSVチルダnと温度測定値PVnを、図4(b)はa=0.5のときの温度設定値SVnと目標値フィルタ演算処理されたSVチルダnと温度測定値PVnを、図4(c)はa=0のときの温度設定値SVnと目標値フィルタ演算処理されたSVチルダnと温度測定値PVnを示している。図4(a)から(c)に示すように、目標値フィルタ処理された温度設定値SVチルダnは、温度設定値SVnを「TI×(1−a)」(時間)だけ遅らせた設定信号に漸近する温度設定値SVチルダnになる。この現象はランプ信号と1次遅れフィルタの関係として一般的に知られている事象に基づいているため説明を省略する。
図5は、実施の形態1により制御した場合の温度設定値SVnと、補正した温度設定値SV’nと制御量PVnの関係を示している。図5(a)はa=1の場合の温度設定値SVnと補正した温度設定値SV’ nと制御量PVnとの関係を、図5(b)はa=0.5の場合の温度設定値SVnと補正した温度設定値SV’n制御量PVnとの関係を、図5(c)はa=0の場合の温度設定値SVnと補正した温度設定値SV’nと制御量PV nとの関係をそれぞれ示している。
以下、制御対象17の温度は補正した温度設定値SV’nに従って、制御タイミングn毎に、制御対象17の温度測定値PVnを得て、操作量MVnを算出しながら、制御対象17の温度を制御する。
TL=TI×(1−a) (1)
設定値補正部12は、n回目(n=1,2,・・・)の制御タイミング毎に(図2のステップST3)、目標温度設定部11により設定が受け付けられた温度設定値SVnを、上記の式(1)で算出した遅延時間「TI×(1−a)」分だけ温度設定値SVnの時間を早めた値を、補正後の温度設定値SV’nとして算出する(図2のステップST4)。
制御対象17の温度制御が終了するまで、ステップST3〜ST6の処理が繰り返し実施される(ステップST7)。
出力部15は、2自由度PID演算部14から出力された操作量MVnを、ヒータ16を駆動する電気信号に変換してヒータ16の加熱を制御することで、制御対象17の温度を制御する。
図5(a)はa=1の場合の温度設定値SVnと補正した温度設定値SV’nと制御量PVnとの関係を、図5(b)はa=0.5の場合の温度設定値SVnと補正した温度設定値SV’nと制御量PVnとの関係を、図5(c)はa=0の場合の温度設定値SVnと補正した温度設定値SV’nと制御量PVnとの関係をそれぞれ示している。
なお、2自由度係数a=1の場合、式(1)の右辺が0になるので温度設定値SVの補正が行われない。即ち、温度設定値SVnと、補正した温度設定値SV’nと、目標値フィルタを通した温度設定値SV“nとは同じ値なので、図5(a)と図4(a)は同じになる。
設定値補正部12が、(TI×(1−a))だけ温度設定値SVnの時間を早めた値を用いずに、温度設定値SVnの傾きを示す微分値ΔSVnと、2自由度PID演算の積分時間TIと、1から2自由度係数aを減算した(1−a)とを乗算し、その乗算した結果(ΔSVn×TI×(1−a))を温度設定値SVnに加算した値を補正後の温度設定値SV’nとして算出するようにしてもよい。ただし、(ΔSVn×TI×(1−a))を温度設定値SVnに加算した値が、この実施の形態1において、最終的に到達する温度設定値である設定値SVより大きい場合は、温度設定値SVを補正後の温度設定値SV’nとする。
この実施の形態2では、温度制御装置が、2つの温度制御ゾーンの温度を制御する例を説明する。2つの温度制御ゾーンの中で、目標温度である温度設定値に到達するまでの時間が遅い温度制御ゾーン(第2の制御対象)をマスターCHと称し、目標温度である温度設定値に到達するまでの時間が早い温度制御ゾーン(第1の制御対象)をスレーブCHと称する。
また、マスターCHを加熱するヒータを制御するコントローラをマスターコントローラと称し、スレーブCHを加熱するヒータを制御するコントローラをスレーブコントローラと称する。
例えば、上記の特許文献1に開示されている昇温完了時刻の同期方法を用いることができ、この同期方法では、コントローラの制御タイミング毎に、目標温度に到達するまでの時間が最も遅い温度制御ゾーン(マスターCH)の温度設定値に対する温度測定値の到達率(=(温度測定値−温度測定値の初期値)/(温度設定値−温度測定値の初期値))を算出し、その到達率と他の温度制御ゾーン(スレーブCH)の温度設定値と温度測定値の初期値とを用いて、他の温度制御ゾーン(スレーブCH)の温度設定値を補正するようにしている。
コントローラ1はスレーブCHを加熱するヒータ16を制御するスレーブコントローラである。
コントローラ1は、目標温度設定部11、設定値補正部12、温度測定部13、2自由度PID演算部14、出力部15及び同期用温度設定値算出部28を備えている。コントローラ1の設定値補正部12は補正バイアス算出部27と加え合わせ点26で構成されている。
この実施の形態2では、コントローラ2が取り扱う各々の値は、温度設定値SVmas ter(第2の温度設定値)、温度測定値PVmaster−n(第2の温度測定値)、目標値フィルタ演算処理された設定値SV”master−n(第2の目標値フィルタ演算処理された設定値)及び操作量MVmaster−n(第2の操作量)とし、コントローラ1が取り扱う各々の値は単に、温度設定値SVn、昇温完了時刻同期用温度設定値SVハットn(明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“^”の記号を付することができないので、SVハットnのように表記している)、補正後の温度設定値SV’ n、目標値フィルタ演算処理された設定値SV”n、温度測定値PVn及び操作量MVnのように表記する。
即ち、コントローラ2は目標温度設定部29、温度測定部30、2自由度PID演算部31及び出力部32を備え、第2の制御対象である制御対象34の目標温度である温度設定値SVmasterと、制御対象34の測定温度である温度測定値PVmaster− nとから操作量MVslave−nを算出して出力部32に出力し、出力部32は操作量MVslave−nをヒータ33を駆動する電気信号に変換してヒータ33に出力することにより制御対象34の温度を制御する。
コントローラ2の温度測定部30は制御対象34の温度を測定する温度測定器であり、その測定結果である温度測定値PVmaster−nを2自由度PID演算部31に出力する。nは温度制御開始時からn番目の制御タイミングを示す変数である。
出力部32は、2自由度PID演算部31から出力された操作量MVslave−nをヒータ33を駆動する電気信号に変換して加熱部であるヒータ16に出力することで、その制御対象34の温度を制御する。
この実施の形態2では、マスターCHのコントローラ2がマスターCHの温度設定値SVmasterに基づき一定周期の制御タイミングで温度制御を繰り返し実施するものとする。また、スレーブCHのスレーブコントローラ1が、補正した温度設定値SV’nに基づき一定周期の制御タイミングで温度制御を実施するものとする。
ここでは、ユーザが手動で温度設定値SVmaster,SVを設定する例を示しているが、外部から温度設定値SVmaster,SVが自動的に設定されるものであってもよい。
なお、マスターCHの温度設定値SVmasterと、スレーブCHの温度設定値SVとが同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
即ち、マスターCHのコントローラ2における2自由度PID演算部31は、例えば、外部から温度制御の開始要求を受けると、図3のブロック線図で示した2自由度PID演算を実施することにより、マスターCHの制御対象34の温度制御のための操作量として操作量MVmaster−0を算出する。
マスターCHのコントローラ2における2自由度PID演算部31は、操作量MVma ster−0を算出すると、その操作量MVmaster−0を出力部32に出力し、出力部32は2自由度PID演算部31から出力された操作量MVmaster−0をヒータ33を駆動する電気信号に変換してヒータ33の加熱部に出力することで、マスターCHの制御対象34の温度を制御する。
スレーブCHのコントローラ1における2自由度PID演算部14は、操作量MV0を算出すると、その操作量MV0を出力部15に出力し、出力部15は2自由度PID演算部14から出力された操作量MV0をヒータ16を駆動する電気信号に変換してヒータ16の加熱部に出力することで、マスターCHの制御対象17の温度を制御する。
マスターCHのコントローラ2における2自由度PID演算部31は、図3のブロック線図で示した2自由度PID演算を実施することにより、マスターCHの制御対象34の温度制御のための操作量として操作量MVmaster−nを算出する。
マスターCHのコントローラ2における2自由度PID演算部31は、操作量MVma ster−nを算出すると、その操作量MVmaster−nを出力部32に出力し、出力部32は2自由度PID演算部31から出力された操作量MVmaster−nをヒータ33を駆動する電気信号に変換してヒータ33の加熱部に出力することで、マスターCHの制御対象34の温度を制御する。
設定値補正部12は、実施の形態1と同様の理由により、同期用温度設定値算出部28が算出した昇温完了時刻同期用の温度設定値SVハットnに対して2自由度PID演算により発生する温度測定値PVnの遅れ「TI×(1−a)」を補償するために、同期用温度設定値算出部28で算出された昇温完了時刻同期用の温度設定値SVハットnの傾きを示す微分値ΔSVハットnを算出して、2自由度PID演算部14に設定されている積分時間TIと2自由度係数aとを取得して、2自由度PID演算の積分時間TIと、1から2自由度係数aを減算した(1−a)と、前記昇温完了時刻同期用の温度設定値SVハットnの傾きを示す微分値ΔSVハットnとの乗算値を算出し、その算出結果(ΔSVハットn×TI×(1−a))を温度設定値SVハットnに加算した値を補正後の温度設定値SV’nとして算出するようにして、その補正後の温度設定値SV’nと温度測定部13で測定した温度測定値PVnに基づき2自由度PID演算制御することで、マスターCHの昇温完了時刻とスレーブCHの昇温完了時刻を一致させることができる。
以下、設定値補正部12による補正処理を具体的に説明する。
スレーブCHのコントローラ1は、制御タイミング毎に(図7のステップST13、初回の温度制御のタイミングを除く)、以下の処理を実施する。
スレーブCHのコントローラ1における2自由度PID演算部14は、算出した操作量MVnを出力部15に出力する(図7のステップST19)。
出力部15は、2自由度PID演算部31から出力された操作量MVnをヒータ16を駆動する電気信号に変換してヒータ16の加熱部に出力することで、マスターCHの制御対象17の温度を制御する。
図8(a)は実施の形態2の補正をしない時のa=0.5の場合を示しており、図8(b)実施の形態2の補正をしない時のa=0の場合を示している。ただし、a=1の場合はSV’nとSVハットnは同じ値になり設定値は補正されないため記載していない。
図8(a)の場合には温度測定値PVnが昇温完了時刻同期用の温度設定値SVハット nに対して、スレーブCHの積分時間TIと1から2自由度係数aを減算した値の積(T I×(1−a)=0.5×TI)だけ遅延していることが分かる。また、図8(b)の場合には温度測定値PVnが昇温完了時刻同期用の温度設定値SVハットnに対して、スレーブCHの積分時間TIだけ遅延していることが分かる。
図8(c)は実施の形態2の補正をした時のa=0.5の場合を示し、図8(d)は実施の形態2の補正をした時のa=0の場合を示している。図8(b)、図8(c)の何れの場合も、設定値補正部12による補正が行われているため、スレーブCHの昇温完了時刻同期用の温度設定値SVハットnに対する温度測定値PVnの遅れの発生が抑えられていることが分かる。
Claims (6)
- 制御対象の目標温度であるランプ状の変化を含む温度設定値と、前記制御対象の測定温度である温度測定値とから2自由度PID演算により操作量を算出し、前記操作量にしたがって前記制御対象の温度を制御するコントローラと、
前記コントローラにより温度制御が実行される制御タイミング毎に、前記コントローラによる第1の操作量の算出に用いられる2自由度PID演算の積分時間と、前記2自由度PID演算において前記温度設定値を1次遅れフィルタ処理する割合を決定する係数とを用いて、前記温度設定値を補正する設定値補正部と
を備えた温度制御装置。 - 前記設定値補正部は、前記コントローラにより温度制御が実行される制御タイミング毎に、前記コントローラによる温度制御のための前記PID演算の積分時間と、前記2自由度PID演算において温度設定値を1次遅れフィルタ処理する割合を決定する係数とを用いて、補正する時間を算出して、前記温度設定値の前記補正する時間後の設定値を補正した設定値とすることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の温度制御装置。
- 前記設定値補正部は、前記温度設定値の傾きを示す微分値と、前記2自由度PID演算の積分時間と、前記2自由度PID演算において温度設定値を1次遅れフィルタ処理する割合を決定する係数とを用いて、前記温度設定値を補正する温度設定バイアス値を算出し、前記温度設定値に前記温度設定バイアス値を加算して補正することを特徴とする請求項1記載の温度制御装置。
- ステップ的に変化する温度設定値に到達するまでの時間が違う複数の制御対象の温度を制御する温度制御装置であって、
前記複数の制御対象の中で温度設定値に到達するまでの時間が1番遅い第1の制御対象の目標温度である温度設定値と、前記第1の制御対象の測定温度である温度測定値とから前記第1の制御対象の操作量を算出し、前記第1の制御対象の操作量にしたがって前記第1の制御対象の温度を制御する第1のコントローラと、
前記目標温度をステップ的に変化した時に目標温度に到達するまでの時間が、前記第1の制御対象より早い制御対象である第2の制御対象の温度を制御する少なくとも1つ以上の第2のコントローラと、
前記第1及び第2の制御対象の制御温度が同時に目標温度に到達するように、所定の方法で前記第2のコントローラの温度設定値をランプ状に変化する昇温完了時刻同期用温度設定値を算出する前記第2のコントローラの同期用温度設定値算出部と、
前記昇温完了時刻同期用温度設定値の傾きを示す微分値と、前記第2のコントローラの2自由度PID演算の積分時間と、前記第2のコントローラの2自由度PID演算において温度設定値を1次遅れフィルタ処理する割合を決定する係数とを用いて、前記昇温完了時刻同期用温度設定値を補正する設定値補正部とを備え、
前記第2のコントローラが前記第2の制御対象を温度制御することにより、複数の制御対象の制御温度が温度設定値に到達する時刻を同期させることを特徴とする温度制御装置。 - 前記設定値補正部は、前記昇温完了時刻同期用温度設定値の傾きを示す微分値と、前記第2のコントローラの2自由度PID演算の積分時間と、前記第2のコントローラの2自由度PID演算において温度設定値を1次遅れフィルタ処理する割合を決定する係数とを用いて、前記昇温完了時刻同期用温度設定値を補正する温度設定バイアス値を算出し、前記昇温完了時刻同期用温度設定値に前記温度設定バイアス値を加算して補正することを特徴とすることを特徴とする請求項4記載の温度制御装置。
- コントローラが、制御対象の目標温度であるランプ状の変化を含む温度設定値と、前記制御対象の測定温度である温度測定値とから2自由度PID演算により操作量を算出し、前記操作量にしたがって前記制御対象の温度を制御する温度制御処理ステップと、
設定値補正部が、前記温度制御処理ステップで温度制御が実行される制御タイミング毎に、前記コントローラによる第1の操作量の算出に用いられる2自由度PID演算の積分時間と、前記2自由度PID演算において前記温度設定値を1次遅れフィルタ処理する割合を決定する係数とを用いて、前記温度設定値を補正する設定値補正処理ステップと
を備えた温度制御方法。
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