JPWO2016052676A1 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

ガラス基板の主表面において、洗浄シミの発生を抑制する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、前記ガラス基板の表面の洗浄処理と、前記洗浄処理後に行う前記表面の乾燥処理と、を含む。前記洗浄処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第1の液体に、前記ガラス基板を浸漬する第1の液体処理を含み、前記第1の液体は、前記水溶性溶剤を主成分として含み、水を、3.0重量%以上含む。あるいは、前記乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第2の液体の蒸気中に前記ガラス基板を配して、前記ガラス基板の表面に液滴を形成させながら、前記ガラス基板の液滴の一部を前記ガラス基板から滴下させることを含む。前記第2の液体は、前記水溶性溶剤を主成分として含み、前記水を1.0重量%超含む。

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
情報記録媒体の1つとして用いられる磁気ディスクには、従来より、ガラス基板が好適に用いられている。今日、ハードディスクドライブ装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。これに伴って、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することが行われている。このような磁気ディスク用ガラス基板においては、高記録密度ハードディスクドライブ装置に必須の磁気ヘッド低浮上量化を達成するために、基板の表面凹凸、特に微小うねりに対する低減要求はますます強まっている。さらに、ガラス基板の主表面には、磁性層が形成されるので、主表面に有機成分等による不要な異物が残存することがないように主表面は厳しく管理される。このため、最終研磨後のガラス基板の主表面の洗浄処理及び乾燥処理の重要性は高い。
例えば、主表面上にテクスチャが形成された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に付着した異物によりガラスが改質し、劣化すること(いわゆるヤケ)を防止するための洗浄処理、乾燥処理が知られている(特許文献1)
具体的には、磁気ディスク用ガラス基板を製造するとき、洗浄処理では、少なくとも、純水、または、水を主成分とする水溶液による洗浄と、その後、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とし、かつ、含水量が1.0重量%以下である液体を洗浄液として洗浄する。乾燥処理では、少なくとも、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体の蒸気と磁気ディスク用ガラス基板とを接触させる脱水処理を行う。この脱水処理の前記液体に含まれる水分量は1.0重量%以下である。
特許5032758号公報
しかし、近年、洗浄処理及び乾燥処理を行ったガラス基板の主表面上の外周側端面近傍の周上の一部の領域に、白濁したシミのように見える欠陥が発生する問題が生じてきた。以降では、この欠陥を洗浄シミと称する。この洗浄シミは、ガラス中の主表面にあるアルカリ金属成分と空気中の水とが反応して主表面全面が白く濁るように形成される上述したヤケとは異なるものであり、乾燥処理時に主表面に部分的に残ったものと考えられる。このような洗浄シミは、磁性膜をガラス基板の主表面に形成することにより磁気ディスクを作製する点から好ましくない。
そこで、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するとき、ガラス基板の主表面において、洗浄シミの発生を抑制することができる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記洗浄シミの原因を探索するために洗浄シミの組成等を調べた結果、洗浄シミは、洗浄処理で用いる洗浄剤や洗浄処理前にガラス基板に付着した有機成分の異物に由来したものであり、この有機成分の一部が乾燥処理においてガラス基板に残存したものであることがわかった。そこで、有機成分がガラス基板の表面に付着したガラス基板であっても、洗浄処理及び乾燥処理で有機成分を十分に除去することができるような対策を検討した結果、本願発明者は、以下の態様の発明をするに至った。
すなわち、本発明の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、以下の形態を含む。
[形態1]
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板の表面の洗浄処理と、前記洗浄処理後に前記表面を乾燥させる乾燥処理と、を含み、
前記洗浄処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第1の液体に、前記ガラス基板を浸漬する第1の液体処理を含み、
前記第1の液体は、前記水溶性溶剤を主成分として含み、水を3.0重量%以上含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態2]
前記乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第2の液体の蒸気中に前記ガラス基板を配して、前記ガラス基板の表面に液滴を形成させながら、前記ガラス基板の液滴の少なくとも一部を前記ガラス基板から滴下させるとともに、前記ガラス基板を乾燥させる処理であり、
前記第2の液体の水の含有率は、前記第1の液体の水の含有率よりも低い、形態1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態3]
前記第2の液体の水の含有率は、1.0重量%超である、形態2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態4]
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板の表面の洗浄処理と、前記洗浄処理後に前記表面を乾燥させる乾燥処理と、を含み、
前記乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第2の液体の蒸気中に前記ガラス基板を配して、前記ガラス基板の表面に液滴を形成させながら、前記ガラス基板の液滴の一部を前記ガラス基板から滴下させることを含み、
前記第2の液体は、前記水溶性溶剤を主成分として含み、前記水を1.0重量%超含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態5]
前記洗浄処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第1の液体に、前記ガラス基板を浸漬する第1の液体処理を含み、
前記第1の液体の水の含有率は、前記第2の液体の水の含有率よりも高い、形態4に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態6]
前記ガラス基板は、アルカリ金属成分を含有し、
前記洗浄処理は、前記ガラス基板を、温度が40℃以上50℃以下の水に浸漬して前記表面を洗浄する水処理を含む、形態1〜3及び5のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態7]
前記水処理、前記第1の液体処理、及び前記乾燥処理の順番で前記ガラス基板を処理する、形態6に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態8]
前記水溶性溶剤はイソプロピルアルコールである、形態1〜7のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
[形態9]
前記ガラス基板のアルカリ金属成分の合計の含有率は、22.0モル%以下である、形態1〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
上述の磁気ディスク用基板の製造方法では、磁気ディスク用ガラス基板を製造するとき、ガラス基板の主表面において、洗浄シミの発生を抑制することができる。
本実施形態における、洗浄処理及び乾燥処理を模式的に説明する図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態では、磁気ディスク用ガラス基板は、円板形状であって、中心部分が同心円形状にくり抜かれたリング形状を成している。磁気ディスク用ガラス基板は、このリング形状の中心を回転軸として回転する。磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板に磁性層等を積層して得られる。例えば、付着層、軟磁性層、非磁性下地層、垂直磁気記録層、保護層および潤滑層等がガラス基板上に成膜される。これにより、磁気ディスクが製造される。したがって、磁気ディスク用ガラス基板の表面は、きれいに清浄されるよう厳しく管理されている。このような磁気ディスク用ガラス基板は以下の製造方法によりつくられる。
以下、このガラス基板の製造方法の各処理について、説明する。
(a)ガラスブランク成形処理
ガラスブランクは、ガラス基板の元となる板状ガラスである。ガラスブランクの成形では、例えばフロート法が用いられる。ガラスブランクの成形処理では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、溶融ガラスを連続的に流し入れることで板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状(例えば平面視四角形状)の板状のガラスブランクが切り出される。
また、板状のガラスブランクの成形は、フロート法の他に、例えばプレス成形法を用いることもできる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラスブランクが切り出される。
(b)形状加工処理
次に、形状加工処理では、ガラスブランク成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより円形状の貫通孔があいたディスク状のガラス基板を作る。その後、さらに面取りを実施してもよい。また、板厚調整や平坦度低減などの目的で、主表面の研削を実施してもよい。
(c)第1研磨処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。第1研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。具体的には、ガラス基板を、両面研磨装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。第1研磨処理は、例えば主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸の調整を目的とする。なお、表面凹凸についてさらに低減したり、より精密な調整を行うために、第1研磨処理を複数の研磨処理に分けて実施してもよい。
第1研磨処理では、上定盤、下定盤、インターナルギヤ、キャリア、太陽ギヤを備え、遊星歯車機構を有する公知の両面研磨装置を用いて、研磨スラリーを与えながらガラス基板が研磨される。第1研磨処理では、研磨砥粒(遊離砥粒)を含んだ研磨スラリーが用いられる。第1研磨処理に用いる遊離砥粒として、例えば、酸化セリウムやジルコニア、コロイダルシリカの砥粒等(粒子サイズ:直径0.3〜3μm程度)が用いられる。両面研磨装置では、上下一対の定盤の間にガラス基板が狭持される。下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド(例えば、樹脂製のポリッシャ)が取り付けられている。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板の両主表面を研磨する。
(d)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウムや硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を300℃〜500℃に加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液中に例えば1時間〜10時間浸漬する。化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができる。化学強化処理は、必須の処理ではなく、必ずしも行う必要はない。
(e)第2研磨(最終研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨処理が施される。第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨による取り代は、例えば0.5μmから10μm程度である。
第2研磨処理では、遊離砥粒を含むスラリーを用いて研磨が行われる。遊離砥粒としてコロイダルシリカが好適に用いられる。コロイダルシリカの平均粒径は、例えば、5nm以上50nm以下である。この処理により、ガラス基板の主表面の算術平均粗さRaを0.15nm以下、好ましくは、0.1nm以下にし、波長50〜200μmにおける微小うねりの二乗平均平方根粗さRqを0.06nm以下にすることができる。次に、表面粗さが磁気ディスク用ガラス基板の品質要求を満足するガラス基板の主表面に有機成分が例えば膜となって残存しないように、洗浄処理及び乾燥処理が行われる。
(f)洗浄処理、乾燥処理
図1は、本実施形態における、ガラス基板の表面の洗浄処理、及び洗浄処理後に行うガラス基板の表面の乾燥処理を模式的に説明する図である。
ここで、洗浄処理の一処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第1の液体に、ガラス基板を浸漬する第1の液体処理を含む。このとき、第1の液体は、水溶性溶剤を主成分として含み、水を3.0重量%以上含む。さらに、第1の液体は、水を5重量%以上含むことが好ましい。第1の液体の水の含有量の上限は、特に制限されないが、例えば40重量%、好ましくは35重量%、更に好ましくは30重量%である。主成分とは、含有率が50重量%超を意味する。ここで、水よりも沸点の低い水溶性溶剤として、IPA(イソプロピルアルコール)が好適に用いられる。
さらに、洗浄処理後に行う乾燥処理では、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含んだ第2の液体の蒸気中にガラス基板を配する。このとき、ガラス基板の表面に液滴を形成させながら、ガラス基板の液滴の一部をガラス基板から滴下させる。この後、ガラス基板に残存する液滴の一部を蒸発させる。このとき、第2の液体は、上記水溶性溶剤を主成分として含み、水を1.0重量%超含む。水の含有率は、1.1重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1.3重量%以上である。一方、水の含有率は5.0重量%以下であることが好ましく、水の含有率は2.8重量%以下であることがより好ましい。また、水よりも沸点の低い水溶性溶剤として、IPA(イソプロピルアルコール)が好適に用いられる。主成分とは、含有率が50重量%超を意味する。
以下、第1の液体及び第2の液体における水溶性溶剤としてIPAを例にして説明する。
以下、洗浄処理、乾燥処理の順番に説明する。
図1に示すように、最終研磨処理をなされたガラス基板10は、アルカリ洗浄槽12、純水洗浄槽14、中性洗剤洗浄槽16、純水洗浄槽18及びIPA洗浄槽20に順次送られる。場合によっては、ガラス基板10が各槽の各液に浸漬されるとき、ガラス基板10及び液に超音波が与えられて超音波洗浄されてもよい。
アルカリ洗浄槽12では、ガラス基板10の主表面に残る異物をガラス基板10の表面から引き剥がすために、アルカリ性溶液が用いられる。このとき、ガラス基板10の主表面のエッチングが進み、表面粗さが増加することがないように、アルカリ洗浄槽12の洗浄液はできる限り弱アルカリ性溶液とすることが好ましい。
次に、純水洗浄槽14において、ガラス基板10は水に漬され、濯がれる。
この後、中性洗剤洗浄槽16において、ガラス基板は中性洗剤の溶液に漬され、主表面を含むガラス基板の表面が洗浄される。これにより、主表面に付着した有機成分の異物等を除去することができる。
この後、純水洗浄槽18において、ガラス基板10は水に漬され、濯がれる。
さらに、ガラス基板10は、IPA洗浄槽20のIPAを主成分とする溶液(第1の液体)に漬される。本実施形態で溶液の主成分としてIPAを用いるのは、後述する乾燥処理においてIPAが好適に用いられるためである。IPA洗浄槽20において乾燥処理槽22と同じ種類の溶剤を用いることで、乾燥処理槽22における溶剤の成分が変化しにくくなり、安定した乾燥処理が可能となる。IPAを主成分とするとは、IPAが溶液中に50重量%超含まれることをいう。
次に、乾燥処理槽22においてIPAの蒸気によって乾燥処理を行い、ガラス基板10を乾燥させる。
乾燥処理槽22には、IPAと水を含んだ水含有の溶液(第2の液体)が底部に溜まって液を形成している。第2の液体はIPAの沸点の温度(82.4℃)まで加熱されて、IPAは沸騰状態になっており、乾燥処理槽22の気相は、IPA及び水の蒸気で充満している。この乾燥処理槽22の気相中にガラス基板10は配される。第2の液体は、IPAを主成分として含む。主成分とは、IPAが第2の液体中に50重量%超含まれることをいう。
本実施形態の乾燥処理では、以下のようなメカニズムが推定される。
乾燥処理では、IPAと水を含んだ第2の液体の蒸気中にガラス基板10が配されるとき、ガラス基板10の表面の温度は、第2の液体の蒸気の温度よりも低いので、蒸気はガラス基板10の表面で凝集してガラス基板10の表面で液滴となる。このとき、ガラス基板10には、IPA洗浄槽20の第1の液体に漬す処理によって主表面にIPAを主成分とする第1の液体の膜が残存している。乾燥処理では、ガラス基板10の表面に第2の液体の液滴が新たに多数形成されるので、この第2の液体の液滴の形成により、残存していた第1の液体は、ガラス基板10から滴下して第2の液体中に落下する。これにより、ガラス基板10の表面に残留していた第1の液体が第2の液体に置換される。その後、ガラス基板10は蒸気の温度によって徐々に暖められてガラス基板10の表面に液滴が形成されなくなる。こうして、ガラス基板10の表面は、徐々に乾燥する。乾燥処理槽22から取り出したガラス基板10の表面は、乾燥状態になり、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
このような乾燥処理前に行う洗浄処理において、IPA洗浄槽20の第1の液体の水の含有率は、3.0重量%以上である。水の含有率の上限は例えば40重量%であり、好ましくは35重量%、更に好ましくは30重量%である。このように水の含有率を定めることにより、乾燥処理後のガラス基板10において、洗浄シミの発生を抑制することができる。
また、上記乾燥処理に用いる第2の液体はIPAを主成分として含み、水を1.0重量%超、好ましくは、1.1重量%以上含んでいる。水の含有率の上限は、5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは、2.8重量%以下である。
このように第2の液体に水を1.0重量%超含ませることにより、上述した洗浄シミの発生を抑制することができる。
さらに、洗浄処理の水を上記数値範囲に含有した上記第1の液体及び上記第2の液体を用いることにより、上述した洗浄シミの発生をよりいっそう抑制することができる。
洗浄シミは、洗浄処理前からガラス基板10の表面に付着していた有機成分の残留物や水溶液系の洗浄槽で用いられる洗剤の有機成分に由来するものである。そして、洗浄シミの発生は以下のように考えることができる。
すなわち、ガラス基板10の表面に付着した有機成分の残留物や洗剤の有機成分が純水洗浄槽18の水やIPA洗浄槽20の第1の液体に持ち込まれ、この一部分がガラス基板10の表面に付着して、さらに後ろの槽に移動する。この有機成分の残留物や洗剤の有機成分の異物(以降、有機系異物ともいう)が表面に付着したガラス基板10がIPA洗浄槽20さらには乾燥処理槽22に持ち込まれる。しかし、この有機系異物は乾燥処理槽22におけるIPAの液滴によって除去され難い。上記有機系異物がガラス基板10の表面から剥がれ液滴に含まれたとしても、気相の蒸気中に配するための支持棒がガラス基板10の外周端面を下方から支持しているため、支持棒と外周端面との接触部分において液溜まりをつくる。この液溜まりは液滴による液交換が起き難く、ガラス基板10の外周端面と接触し続けたまま乾燥する。このため、支持棒と接触する、ガラス基板10の外周端面近傍の、ガラス基板10の主表面上の領域に洗浄シミが形成される。
さらに、ガラス基板10の主表面の表面粗さの算術平均粗さRaを0.2nm以下にするために、主表面に対するエッチング力の弱い洗浄処理では弱アルカリ性あるいは中性の洗浄剤が用いられるが、このような洗浄剤では、ガラス基板10に付着した有機成分の残留物を十分に除去できない場合がある。このため、近年、有機系異物等が付着したガラス基板10がIPA洗浄槽20に持ち込まれ易くなっていると考えられる。その結果、IPA洗浄槽20にも有機成分が溜まるようになり、IPA洗浄槽20から乾燥処理槽22にガラス基板10を持ち込む際にガラス基板10の表面に付着し、あるいは残留しやすくなっていた。さらに、乾燥処理槽22における乾燥処理は、ガラス基板10の乾燥が目的であり洗浄の機能は小さい。この結果、ガラス基板10の表面に有機成分の残留物や洗剤の有機成分の異物が残ったまま乾燥し、洗浄シミをつくっていた。
本実施形態では、IPA洗浄槽20に用いる第1の液体の水の含有率を3.0重量%以上にする。水の含有率は、例えば40重量%以下、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは30重量%以下にする。
乾燥処理直前のIPA洗浄槽20に用いる第1の液体の水の含有率を上記範囲にすることにより、第1の液体中にガラス基板10を介して持ち込まれた有機系異物がガラス基板10表面に吸着(再付着)することを抑制する。水はIPAよりも極性が高いため、有機系異物がガラス基板10の表面に付着することを抑制することができる。このため、乾燥処理に持ち込まれるガラス基板に付着する有機系異物は少なくなる。このため、ガラス基板10の主表面において、洗浄シミの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、乾燥処理槽22において、第2の液体には、IPAの他に水を1.0重量%超含む。水はIPAに比べて高い極性をもつので、有機成分の残留物や洗剤の有機成分の異物(以後、有機系異物と呼ぶ)に吸着し易いと考えられる。さらに、ガラス基板表面は親水性が高いことから、ガラス基板10の表面に強く付着した有機系異物の周りや有機系異物とガラス基板の隙間に水が進入しやすい。このため、有機系異物は液滴を形成する水に溶解しやすくなり、この液滴が滴下することでガラス基板10から有機成分の残留物や洗剤の有機成分の異物は容易に除去される。この結果、乾燥処理において、有機成分の残留物や洗剤の有機成分の異物からなる洗浄シミの発生を抑制することができる。
第2の液体における水の含有率は、洗浄シミの発生を抑制する点から、1.0重量%超であり、1.1重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1.3重量%以上である。また、乾燥処理槽22で、水の液滴を十分に蒸発させて十分な乾燥をする点から、5.0重量%以下であることが好ましく、2.8重量%以下であることがより好ましい。
上述したように、洗浄処理では、最終研磨処理したガラス基板の表面粗さが増大することを抑制するために、エッチング力の低い中性洗剤あるいは弱アルカリ性の洗剤を用いる。この結果、有機成分の残留物が表面に付着したガラス基板10が乾燥処理槽22に持ち込まれ易い。すなわち、洗浄処理では、洗浄処理の前後でガラス基板10の主表面の表面粗さRa(算術平均粗さ)の変化が0.05nm以下となるような洗浄剤が選択される。このような場合でも、IPA洗浄槽20に用いる第1の液体の水の含有率を3.0重量%以上、40重量%以下、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは30重量%以下とすることにより、IPA洗浄槽20において、有機成分の残留物や異物がガラス基板10の表面に付着することを抑制することができる。また、水の含有率を1.0重量%超にし、IPAを主成分として含む第2の液体を乾燥処理槽22で用いることにより、有機系異物をガラス基板10の主表面から除去するので、洗浄シミの発生を抑制することができる。
従来、ヤケ防止のために、乾燥処理槽22の第2の液体における水の含有率を1.0重量%以下とした。しかし、近年、ガラス組成が変化し、例えば、ガラス基板10のガラス組成のうち、LiO,NaO,KO等のアルカリ金属成分の含有率は22モル%以下,
好ましくは20モル%以下であり、従来に比べてアルカリ金属成分の含有率は低い。このため、第2の液体における水の含有率を1.0重量%超にしてもヤケは発生し難い。
また、ガラス基板10は、MgO、CaO、SrOおよびBaOのアルカリ土類金属成分を含有している。このため、第1の液体における水の含有率を1.0重量%超にしてもヤケは発生し難くなっている。
また、従来のガラス基板のように主表面にテクスチャを形成しないので、ヤケは発生し難い。テクスチャを形成する場合、意図的に表面に多数の溝を形成するため、表面からアルカリ金属成分等が溶出しやすく、ヤケが発生しやすかったと考えられる。本実施形態のガラス基板10は、主表面にテクスチャがない平滑面である。したがって、本実施形態のガラス基板10の表面粗さに異方性はなく、等方的である。
本実施形態では、洗浄シミの発生をより効果的に抑制するには、IPA洗浄槽20に用いる第1の液体の水の含有率を3.0重量%以上にする他、乾燥処理槽22の第2の液体に含まれる水の含有率を1.0重量%超にすることが好ましい。この場合、乾燥処理槽22において、IPAと水を含んだ液滴が形成される。上述したように、水はIPAに比べて高い極性をもつことから、有機成分の残留物や洗剤の有機成分の異物と吸着し易く、さらに、ガラス基板は親水性である。このため、ガラス基板10の表面に付着した有機系異物の周り、さらには有機系異物とガラス基板の隙間に水が進入しやすい。このため、有機系異物は水を含む液滴に溶解し易くなり、この液滴が滴下することでガラス基板10から有機系異物は除去され易くなる。このため、乾燥処理において、有機系異物からなる洗浄シミの発生を効果的に抑制することができる。
第2の液体における水の含有率が5.0重量%を超えると、乾燥処理槽22では、水の液滴が十分に蒸発せず、乾燥処理が十分にできない。一方、第2の液体における水の含有率が1.0重量%未満であると、洗浄シミの発生を抑制できない。第2の液体における水の含有率は、2.8重量%以下であることがより好ましい。
また、乾燥処理槽22の第2の液体の水の含有率は、IPA洗浄槽20の第1の液体の水の含有率よりも低いことが、洗浄シミを抑制し、ガラス基板10の乾燥をすることができる点から好ましい。第2の液体の水の含有率が第1の液体の水の含有率以上である場合、乾燥処理槽22の第2の液体を長時間使用すると、ガラス基板10の乾燥状態が悪化する虞がある。第2の液体の水の含有率は、例えば1.0重量%超である。
ガラス基板10は、LiO,NaO,KO等のアルカリ金属成分を含有するとき、洗浄処理は、ガラス基板10を、温度が40℃以上50℃以下の水に浸漬して表面を洗浄する水処理を含むことが好ましい。例えば、図1に示す純水洗浄槽14あるいは純水洗浄槽18における水を40℃以上50℃以下の温水にすることが好ましい。40℃以上50℃以下の温水にすることで、ガラス基板10の表面にあるアルカリ金属成分は、水に溶解し易くなり、従来問題となっていたヤケを容易に防止できる。このため、乾燥処理槽22の第2の液体に水を含有させても、ヤケは発生し難くなる。
また、洗浄処理は、ガラス基板10を、温度が40度以上50℃以下の水に浸漬してガラス基板10の表面を洗浄する水処理(純水洗浄槽14、あるいは純水洗浄槽18による処理)と、IPA洗浄槽20の第1の液体による処理を含むとき、水処理、第1の液体による洗浄処理、乾燥処理の順番でガラス基板10を処理することが好ましい。このような順番で処理を行なうことで、水処理により、ガラス基板10の表面にあるアルカリ金属成分を水に溶解させた後、IPAを含む第2の液体で洗浄処理するので、ガラス基板10には、ヤケが発生し難く、洗浄シミの発生し難い。
(実験例1)
本実施形態の効果を確かめるために、IPA洗浄槽20の第1の液体における水含有率を種々変化させて、洗浄シミの観察を行なった。なお、実験例1及び後述する実験例2、4では、酸化物基準のモル%表示で、以下のガラス組成のガラス基板を用いた。
SiO:66.2%、
Al:12.0%、
LiO:11.1%、
NaO:5.5%、
O:3.4%、
ZrO:1.8%。
洗浄シミは、目視により観察し、洗浄シミの発生頻度によって3段階で評価した。レベルAは、100枚のガラス基板の全てで洗浄シミが全く発生しないことを意味し(合格レベル)、レベルBは、100枚のガラス基板中1枚だけ洗浄シミが見られるが、99枚のガラス基板は洗浄シミが見られず、洗浄シミの発生頻度が極めて低いため許容できることを意味し(合格レベル)、レベルCは、100枚中2枚以上のガラス基板に洗浄シミが発生し許容できないことを意味する(不合格レベル)。
さらに、乾燥処理槽22における水の含有量が増加することによる乾燥不良バッチが発生するまでの時間を評価した。乾燥処理槽22における水の含有量の増加は、IPA槽20から乾燥処理槽22への水の持ち込みに起因する。具体的には、1バッチ100枚のガラス基板について、洗浄処理、乾燥処理を行う各槽における処理時間を5分として処理を実施した。乾燥不良バッチとは、乾燥処理直後のガラス基板の表面の乾燥状態を目視により調べ、1バッチ100枚中2枚以上のガラス基板で非乾燥状態が発生するバッチをいう。
乾燥処理槽22の第2の液体はIPAとし、水を添加しなかった。すなわち、第2の液体の水含有率は0重量%である。
下記表1は、第1の液体における水含有率を変化させたときの洗浄シミの評価結果と乾燥不良バッチが発生するまでの時間を示す。
Figure 2016052676
表1の結果より、IPA洗浄槽20の第1の液体の水含有率を3.0重量%以上とすることにより、洗浄シミの発生を抑制させることができる。また、例8に示すように、第1の液体の水含有率を35.0重量%にしても、さらには、水含有率を40〜50重量%にしても洗浄シミが発生しないことを確認した。
さらに、例12として、乾燥処理槽22の第2の液体に、水を2.0重量%添加した他は例3と同様の条件でガラス基板の洗浄処理及び乾燥処理を行った。例3及び例12で得られた100枚のガラス基板の主表面について、レーザー式表面検査装置を用いて詳細な観察をし、目視では見えないほど僅かな外周端部の洗浄シミの発生枚数をカウントした。その結果、例3は100枚中3枚であったのに対し、例12では1枚であった。これより、乾燥処理槽22の第2の液体に、水を含有させることで、洗浄シミの改善が見られた。
また、例10、例11のように、第1の液体の水含有率を45.0重量%、50.0重量%とした場合には、乾燥不良バッチが発生するまでの時間が急激に短くなる。例10,11の第1の液体の水含有率では、乾燥処理槽22への水の持ち込み量が量産時多くなり、連続生産量が多くなると、乾燥不良バッチが発生するまでの時間が急激に短くなる。このため、乾燥処理槽22の第2の液体の交換が頻繁になり、生産性が低下する虞がある。この観点から、第1の液体の水含有率の上限は40.0重量%であり、好ましくは35.0重量%である。
(実験例2)
さらに、本実施形態の効果を確かめるために、乾燥処理槽22の第2の液体における水含有率を種々変化させて、洗浄シミの観察を行なった。このとき、第1の液体の水含有率を0.0重量%に固定した。
洗浄シミは、目視により観察し、洗浄シミの発生頻度によって3段階で評価した。レベルAは、100枚のガラス基板の全てで洗浄シミが全く発生しないことを意味し(合格レベル)、レベルBは、100枚のガラス基板中1枚だけ洗浄シミが見られるが、99枚のガラス基板は洗浄シミが見られず、洗浄シミの発生頻度が極めて低いため許容できることを意味し(合格レベル)、レベルCは、100枚中2枚以上のガラス基板に洗浄シミが発生し許容できないことを意味する(不合格レベル)。
また、乾燥処理直後のガラス基板の表面の乾燥状態を目視により調べた。乾燥状態は、非乾燥状態のガラス基板の発生頻度によって3段階で評価した。レベルAは、100枚のガラス基板の全てでガラス基板が乾燥していることを意味し、レベルBは、100枚のガラス基板中1枚だけ乾燥が十分でないが、99枚のガラス基板は乾燥し、非乾燥の発生頻度が極めて低いことを意味し、レベルCは、100枚のガラス基板の中2枚以上のガラス基板で非乾燥状態であることを意味する。なお、ここで非乾燥又は非乾燥状態とは、ガラス基板とそれを保持する保持治具との接触部近傍において、乾ききる直前の状態が観察されることを言う。なお、これらの非乾燥状態は、最終的には全て解消した。
下記表2は、第2の液体における水含有率を変化させたときの洗浄シミの評価結果を示す。
Figure 2016052676
表2の結果より、第2の液体の水含有率を1.0重量%超、好ましくは、1.1重量%以上とすることにより、洗浄シミの発生を抑制することができることがわかった。乾燥処理槽22による乾燥処理でガラス基板の表面を確実に乾燥させるためには、水含有率を5.0重量%以下とすることが好ましく、3.0重量%未満、より具体的には2.8重量%以下とすることがより好ましいことがわかった。これより、本実施形態の効果は明らかである。
(実験例3)
ガラス基板におけるガラス組成のうち、LiO,NaO,KO等のアルカリ金属成分に注目して、アルカリ金属成分の合計の含有率を種々変化させて、洗浄シミとヤケについて目視により観察して評価した。アルカリ金属成分の含有率を増減させる場合、SiO以外の成分の含有率を一定に維持し、SiOの含有率を増減させた。洗浄シミ及びヤケの評価は、実験例1と同じレベルA〜Cで評価した。表3は、その評価結果を示す。
Figure 2016052676
表3の結果より、洗浄シミの他にヤケ防止の点から、ガラス基板に含まれるアルカリ金属成分の含有率は22.0モル%以下であることが好ましく、20.0モル%以下であることが撚り好ましい。
(実験例4)
乾燥処理槽22の第2の液体における水含有率について、さらに詳細に検討し、洗浄シミの観察を行なった。このとき、第1の液体の水含有率を3.0重量%に固定して、第2の液体における水含有率を種々変化させた場合、いずれも目視による観察において洗浄シミは合格レベルであるが、このとき、洗浄シミをレーザー式表面検査装置で詳細に観察した。これにより、100枚のガラス基板の中で、目視では見えない細かな洗浄シミ(ガラス基板の外周近傍に生じる洗浄シミ)が発生するガラス基板の枚数を調べることにより、洗浄シミを詳細に評価した。下記表4は、評価結果を示す。
Figure 2016052676
表4の結果より、第1の液体の水含有率を3.0重量%以上にした場合であっても、第2の液体の水含有率を1.0重量%超、好ましくは1.5重量%以上にすることにより、細かな洗浄シミの発生したガラス基板の枚数を100枚当たり1枚以下に抑制することができることがわかる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 ガラス基板
12 アルカリ洗浄槽
14,18 純水洗浄槽
16 中性洗剤洗浄槽
20 IPA洗浄槽
22 乾燥処理槽

Claims (9)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板の表面の洗浄処理と、前記洗浄処理後に前記表面を乾燥させる乾燥処理と、を含み、
    前記洗浄処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第1の液体に、前記ガラス基板を浸漬する第1の液体処理を含み、
    前記第1の液体は、前記水溶性溶剤を主成分として含み、水を3.0重量%以上含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第2の液体の蒸気中に前記ガラス基板を配して、前記ガラス基板の表面に液滴を形成させながら、前記ガラス基板の液滴の少なくとも一部を前記ガラス基板から滴下させるとともに、前記ガラス基板を乾燥させる処理であり、
    前記第2の液体の水の含有率は、前記第1の液体の水の含有率よりも低い、請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記第2の液体の水の含有率は、1.0重量%超である、請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板の表面の洗浄処理と、前記洗浄処理後に前記表面を乾燥させる乾燥処理と、を含み、
    前記乾燥処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第2の液体の蒸気中に前記ガラス基板を配して、前記ガラス基板の表面に液滴を形成させながら、前記ガラス基板の液滴の一部を前記ガラス基板から滴下させることを含み、
    前記第2の液体は、前記水溶性溶剤を主成分として含み、前記水を1.0重量%超含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記洗浄処理は、水よりも沸点の低い水溶性溶剤と水を含む第1の液体に、前記ガラス基板を浸漬する第1の液体処理を含み、
    前記第1の液体の水の含有率は、前記第2の液体の水の含有率よりも高い、請求項4に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記ガラス基板は、アルカリ金属成分を含有し、
    前記洗浄処理は、前記ガラス基板を、温度が40℃以上50℃以下の水に浸漬して前記表面を洗浄する水処理を含む、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 前記水処理、前記第1の液体処理、及び前記乾燥処理の順番で前記ガラス基板を処理する、請求項6に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 前記水溶性溶剤はイソプロピルアルコールである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  9. 前記ガラス基板のアルカリ金属成分の合計の含有率は、酸化物基準で22.0モル%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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