JP6081580B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6081580B2
JP6081580B2 JP2015513777A JP2015513777A JP6081580B2 JP 6081580 B2 JP6081580 B2 JP 6081580B2 JP 2015513777 A JP2015513777 A JP 2015513777A JP 2015513777 A JP2015513777 A JP 2015513777A JP 6081580 B2 JP6081580 B2 JP 6081580B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
cleaning
magnetic disk
polishing
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015513777A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014175292A1 (ja
Inventor
秀造 徳光
秀造 徳光
尚宏 神谷
尚宏 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6081580B2 publication Critical patent/JP6081580B2/ja
Publication of JPWO2014175292A1 publication Critical patent/JPWO2014175292A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される情報記録媒体の一つとして磁気ディスクがある。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の薄膜を形成して構成されたものであり、その基板として従来はアルミ基板が用いられてきた。しかし、最近では、高記録密度化の追求に呼応して、アルミ基板と比べて磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔をより狭くすることが可能なガラス基板の占める比率が次第に高くなってきている。また、ガラス基板表面は磁気ヘッドの浮上高さを極力下げることができるように、高精度に研磨して高記録密度化を実現している。近年、HDDの更なる大記録容量化の要求は増すばかりであり、これを実現するためには、磁気ディスク用ガラス基板においても更なる高品質化が必要になってきており、より平滑でより清浄なガラス基板表面であることが求められている。
上述したように高記録密度化にとって必要な低フライングハイト(浮上量)化のために磁気ディスク表面の高い平滑性は必要不可欠である。磁気ディスク表面の高い平滑性を得るためには、結局、高い平滑性の基板表面が求められるため、高精度にガラス基板表面を研磨する必要があるが、それだけでは十分ではなく、研磨後の洗浄によって基板表面の付着異物を取り除いて清浄な基板表面を得る必要がある。
従来の方法としては、たとえば、特許文献1には、多価アミンを含有する研磨液を用いて研磨した後、基板をアルカリ(pH8〜13)洗浄する方法が開示されている。また、特許文献2には、研磨後に、基板をアルカリ剤、アルドン酸類を含有するpH10以上のアルカリ洗浄剤で洗浄する方法が開示されている。
特開2012−107226号公報 特開2010−86563号公報
現在のHDDにおいては、1平方インチ当り500ギガビット程度の記録密度が実現できるまでに至っており、例えば2.5インチ型(直径65mm)の磁気ディスク1枚に320ギガバイト程度の情報を収納することが可能になっているが、更なる高記録密度化、例えば375〜500ギガバイト、更には1テラバイトの実現が要求されるようになってきている。このような近年のHDDの大容量化の要求に伴い、基板表面品質の向上の要求は今まで以上に厳しいものとなってきている。上記のような例えば375〜500ギガバイトの磁気ディスク向けの次世代基板においては、メディア特性に与える基板の影響が大きくなるので、基板表面の粗さだけでなく、異物付着等による表面欠陥が存在しないことについても現行品からの更なる改善が求められる。
次世代基板においてはメディア特性に与える基板の影響が大きくなるのは以下のような理由による。
磁気ヘッドの浮上量(磁気ヘッドと媒体(磁気ディスク)表面との間隙)の大幅な低下(低浮上量化)が挙げられる。こうすることで、磁気ヘッドと媒体の磁性層との距離が近づくため、より小さい磁性粒子の信号も拾うことができるようになり、高記録密度化を達成することができる。近年、従来以上の低浮上量化を実現するために、DFH(Dynamic Flying Height)という機能が磁気ヘッドに搭載されている。これは、磁気ヘッドの記録再生素子部の近傍に極小のヒーター等の加熱部を設けて、記録再生素子部周辺のみを媒体表面方向に向けて突き出す機能である。今後、このDFH機能によって、磁気ヘッドの素子部と媒体表面との間隙は、2nm未満または1nm未満と極めて小さくなると見られている。このような状況下で、基板表面の平均粗さを極めて小さくしたところで、従来問題とならなかった極く小さな異物(例えば小さいもので主表面の面内方向の長さが10〜40nm程度)の付着等によって僅かに凸状となる程度の表面欠陥が存在すると、そのまま媒体表面においても凸状欠陥となるので、磁気ヘッドの衝突の危険性が高まる。
ところで、本発明者らの検討によると、上記特許文献に開示された方法をはじめとする従来の様々な精密研磨技術、精密洗浄技術を用いても、あるいはそれらを単純に組み合わせて用いても、洗浄後の低粗さと高清浄度を両立できないことがわかってきた。
近年のHDDの大容量化の要求に伴う基板表面品質の向上の要求は今まで以上に厳しいものとなってきており、従来の改善手法によって基板表面品質の更なる向上を実現することには限界がある。なおここでアルカリ剤とは、水に溶解したときにアルカリ性を示す物質のことを言う。
本発明はこのような従来の課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、第1に、精密研磨で得られた平滑な表面粗さをできる限り悪化させずに洗浄処理を行うことが可能で、その結果、低粗さ(高平滑性)を達成できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することであり、第2に、高清浄な洗浄が実施可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することである。
基板の清浄度を高めるためには、基板表面に固着した異物を洗浄除去する必要があるが、そのためにはpHの高い(アルカリ性が強い)アルカリ薬液で洗浄することが高清浄度を達成できるので好ましい。なぜなら、アルカリ度の高いアルカリ薬液ではガラスの表面がエッチングされるため、固着した異物であっても根こそぎ除去できるからである。しかしながら、従来のアルカリ洗浄では、アルカリ度が高いほどガラスに対するエッチング効果が大きくなるので、アルカリ洗浄によって基板表面の粗さが上昇してしまい、精密研磨で得られた超平滑な表面粗さを維持することができなくなる。そこで、本発明者らは、アルカリ洗浄による洗浄力を維持したまま、基板の表面粗さの上昇を抑える方法を模索した。その結果、特定のアルカリ剤を使用することにより特異的に粗さ上昇を抑えられることを突き止めた。
また、洗浄に用いるアルカリ剤のアルカリ度だけでなく、OHイオンの対となっている陽イオンの種類によっても粗さ上昇量に大きな影響があることも見出した。さらに、有機アルカリ剤の種類や製品ロットによっても洗浄後の表面あれの程度が異なるのは、洗浄液中に存在するナトリウムイオンやカリウムイオンの量が異なる影響によるものであることを突き止めた。ここで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの有機アルカリは、本来ナトリウムやカリウムのイオンをいずれも含まないものであるが、工業的な製造過程において、ナトリウムやカリウム等が不可避的に混入していると考えられ、これがガラス基板の表面荒れに関与していることを突き止めた。
本発明者らは、得られたこれらの知見に基づき、更に鋭意研究の結果、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記洗浄処理は、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液に前記ガラス基板を接触させる処理を含み、前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄処理に用いる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.06nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度を決定し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度が前記決定した濃度以下となる条件で、主表面が鏡面研磨された前記ガラス基板の洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成2)
ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液を用い、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が200ppm以上とならないように前記洗浄液の少なくとも一部を交換しながら、主表面が鏡面研磨された前記ガラス基板の洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)
ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記洗浄処理は、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液に前記ガラス基板を接触させる処理を含み、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)
前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有することを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成5)
前記洗浄液は、さらに界面活性剤、キレート剤、及び分散剤のうち少なくとも1つの物質を含有し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成6)
前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、前記洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)との差が、0.06nm以内であることを特徴とする構成2乃至5のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成7)
前記洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)が、0.13nm以下であることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成8)
前記洗浄液のpHが10以上であることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成9)
前記洗浄処理は、研磨砥粒を用いて前記ガラス基板の主表面を研磨する研磨工程のうち最終研磨工程の後に行う洗浄処理であることを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成10)
前記最終研磨に用いられる研磨液はアルカリ性であることを特徴とする請求項9に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成11)
構成1乃至10のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
本発明によれば、精密研磨で得られた平滑な表面粗さをできる限り悪化させずに洗浄処理が実施可能となり、その結果、低粗さ(高平滑性)を達成できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、高清浄な洗浄が実施可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができる。このような本発明によれば、基板主表面の粗さをよりいっそう低減し、なお且つ異物付着等による表面欠陥を従来品より低減することができる高品質の磁気ディスク用ガラス基板を低コストで製造することが可能である。本発明によって得られる磁気ディスク用ガラス基板は、特に基板表面品質への要求が現行よりもさらに厳しいものとなっている次世代用の基板として好適に使用することが可能である。また、本発明によって得られるガラス基板を利用し、DFH機能を搭載した極低浮上量の設計の磁気ヘッドと組み合わせた場合においても長期に安定した動作が可能な信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
磁気ディスク用ガラス基板の断面図である。 磁気ディスク用ガラス基板の全体斜視図である。 両面研磨装置の概略構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
磁気ディスク用ガラス基板は、通常、粗研削工程(粗ラッピング工程)、形状加工工程、精研削工程(精ラッピング工程)、端面研磨工程、主表面研磨工程(第1研磨工程、第2研磨工程)、化学強化工程、等を経て製造される。
この磁気ディスク用ガラス基板の製造は、まず、溶融ガラスからダイレクトプレスにより円盤状のガラス基板(ガラスディスク)を成型する。なお、このようなダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で製造された板ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板を得てもよい。次に、この成型したガラス基板に寸法精度及び形状精度を向上させるための研削(ラッピング)を行う。この研削工程は、通常両面ラッピング装置を用い、ダイヤモンド等の硬質砥粒を用いてガラス基板主表面の研削を行う。こうしてガラス基板主表面を研削することにより、所定の板厚、平坦度に加工するとともに、所定の表面粗さを得る。
この研削工程の終了後は、高精度な平面(鏡面)を得るための研磨加工を行う。ガラス基板の研磨方法としては、酸化セリウムやコロイダルシリカ等の金属酸化物の研磨材を含有するスラリー(研磨液)を供給しながら、ポリウレタン等の研磨パッドを用いて行うのが好適である。
本実施の形態における研磨液は、研磨材と溶媒である水の組合せに加えて、さらに研磨液のpHを調整するためのpH調整剤や、その他の添加剤が必要に応じて含有されていてもよい。
また、研磨工程(特に仕上げ研磨工程(後述の第2研磨工程))に適用される上記研磨液は、例えば酸性域に調整されたものが用いられることが好適である。例えば、硫酸を研磨液に添加して、pH=2〜4の範囲に調整される。酸性域に調整された研磨液を好適に用いる理由は、生産性及び清浄性の観点からである。
また、コロイダルシリカの研磨砥粒を含有するアルカリ性域に調整された研磨液を用いてガラス基板の主表面を研磨する研磨工程の後に行う洗浄処理に本発明の洗浄処理を適用するとより好適である。ガラス基板に対して酸性で研磨を行う場合、酸によるリーチング作用によってガラス基板表面から一部の元素が抜けるため、その後アルカリ性の洗浄を実施するときにエッチング作用に局所的なムラが発生しやすくなり洗浄後のガラス基板表面の荒れが大きくなってしまう。このような現象はアルカリ性に調整した条件で研磨した場合には比較的発生しにくい。したがって、研磨工程の後に強アルカリ性の洗浄液を用いてガラス基板の洗浄処理を行う場合、アルカリ性条件で研磨するほうが酸性研磨のときよりも表面粗さを相対的に低くすることができるので好ましい。アルカリ性条件で研磨する際の研磨液のpHは、洗浄液のpHとの差を小さくする観点から10以上であることが好ましく、11以上であるとさらに好ましい。また、扱い易さの観点から13以下とすることが好ましい。
研磨液に含有されるコロイダルシリカ等の研磨砥粒は、平均粒径が10〜100nm程度のものを使用するのが研磨効率の点からは好ましい。特に、仕上げ研磨工程(後述の後段の第2研磨工程)に用いる研磨液に含有される研磨砥粒は、本発明においては、表面粗さのいっそうの低減を図る観点から、平均粒径が10〜40nm程度のものを使用するのが好ましく、特に10〜20nm程度の微細なものが好ましい。しかし、研磨砥粒が微細になればなるほど、一度ガラス基板に吸着すると除去しにくくなる。本発明の洗浄処理は特に、平均粒径が20nm以下の超微小なコロイダルシリカ研磨砥粒の研磨後に適用すると、極めて低い表面粗さを維持したまま研磨砥粒を洗浄除去してガラス基板表面を清浄にすることができるので有効である。
なお、本発明において、上記平均粒径とは、光散乱法により測定された粒度分布における粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径(以下、「累積平均粒子径(50%径)」と呼ぶ。)を言う。本発明において、累積平均粒子径(50%径)は、具体的には、粒子径・粒度分布測定装置を用いて測定して得られる値である。
また、本発明に用いるコロイダルシリカ砥粒は、有機ケイ素化合物を加水分解することで生成したコロイダルシリカ砥粒を用いることができる。このような砥粒は、砥粒同士が凝集し難いものの、研磨工程後のガラス基板表面に強固に付着しやすく、本発明による洗浄処理を適用することが有効である。
本発明では、研磨工程における研磨方法は特に限定されるものではないが、例えば、ガラス基板と研磨パッドとを接触させ、研磨砥粒を含む研磨液を供給しながら、研磨パッドとガラス基板とを相対的に移動させて、ガラス基板の表面を鏡面状に研磨すればよい。
例えば図3は、ガラス基板の研磨工程に用いることができる遊星歯車方式の両面研磨装置の概略構成を示す縦断面図である。図3に示す両面研磨装置は、太陽歯車2と、その外方に同心円状に配置される内歯歯車3と、太陽歯車2及び内歯歯車3に噛み合い、太陽歯車2や内歯歯車3の回転に応じて公転及び自転するキャリア4と、このキャリア4に保持された被研磨加工物1を挟持可能な研磨パッド7がそれぞれ貼着された上定盤5及び下定盤6と、上定盤5と下定盤6との間に研磨液を供給する研磨液供給部(図示せず)とを備えている。
このような両面研磨装置によって、研磨加工時には、キャリア4に保持された被研磨加工物1、即ちガラス基板を上定盤5及び下定盤6とで挟持するとともに、上下定盤5,6の研磨パッド7と被研磨加工物1との間に研磨液を供給しながら、太陽歯車2や内歯歯車3の回転に応じてキャリア4が公転及び自転しながら、被研磨加工物1の上下両面が研磨加工される。
特に仕上げ研磨用の研磨パッドとしては、軟質ポリッシャの研磨パッド(スウェードパッド)であることが好ましい。研磨パッドの硬度はアスカーC硬度で、60以上80以下とすることが好適である。研磨パッドのガラス基板との当接面は、発泡ポアが開口した発泡樹脂、取り分け発泡ポリウレタンとすることが好ましい。このようにして研磨を行うと、ガラス基板の表面を平滑な鏡面状に研磨することができる。
本発明の一実施の形態は、たとえば上記ガラス基板主表面の研磨工程の後に行われる、洗浄剤を含む洗浄液によりガラス基板を洗浄する洗浄処理において、該洗浄処理は、ガラス基板に対するエッチング性を有する特定のアルカリ剤、具体的にはグアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液にガラス基板を接触させる処理を含むことを特徴としている。
本発明者らは、アルカリ洗浄による洗浄力を維持したまま、基板の表面粗さの上昇を抑える方法を模索した結果、特定のアルカリ剤、すなわちグアニジンを使用することにより特異的に粗さ上昇を抑えられることを突き止めた。
上記グアニジンは、アルカリ度が高く(例えばKOHと同等)、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果が大きいにもかかわらず、洗浄後の基板表面の粗さ上昇が少ない。従って、アルカリ洗浄剤としてグアニジンを含む洗浄液によりガラス基板を洗浄することにより、洗浄後のガラス基板における低粗さ(高平滑性)を実現でき、また良好な洗浄性も得られ、高清浄度を達成することができる。
洗浄液中のグアニジンの含有量は特に制約される必要はないが、例えば0.005モル/リットル〜1モル/リットルの範囲とすることが好ましい。グアニジンの含有量が0.005モル/リットル未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化してしまう恐れがある。一方、グアニジンの含有量が1モル/リットルよりも多いと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、アルカリによるエッチングレートが高くなるので、ガラス組成にナトリウムやカリウムを含む場合にそれらの溶出量が多くなり、洗浄液中におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの調整作業を頻繁に行う必要が生じてくる場合がある。また、非常に厳密な管理が求められる基板の内径や外径にバラツキが生じ、所定の範囲から逸脱してしまう場合がある。また、アルカリ性が強くなりすぎるので、取扱いにも注意を要する。
また、洗浄液を循環使用する場合で、ガラス基板からの溶出によって洗浄液中のNaイオンやKイオンが増加する場合は、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤等を添加することが有効である。
また、本発明者らは、アルカリ洗浄による洗浄力を維持したまま、基板の表面粗さの上昇を抑える方法を模索した結果、イミダゾールを使用することにより特異的に粗さ上昇を抑えられることも突き止めた。
上記イミダゾールについても、アルカリ度が高く(例えばKOHと同等)、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果が大きいにもかかわらず、洗浄後の基板表面の粗さ上昇が少ない。従って、アルカリ洗浄剤としてイミダゾールを含む洗浄液によりガラス基板を洗浄することにより、洗浄後のガラス基板における低粗さ(高平滑性)を実現でき、また良好な洗浄性も得られ、高清浄度を達成することができる。
洗浄液中のイミダゾールの含有量は特に制約される必要はないが、例えば0.005モル/リットル〜1モル/リットルの範囲とすることが好ましい。イミダゾールの含有量が0.005モル/リットル未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化してしまう。一方、イミダゾールの含有量が1モル/リットルよりも多いと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、ガラスに対するエッチングレートが早くなりすぎて洗浄後の基板表面の粗さ上昇が大きくなるおそれがある。
上記のグアニジンやイミダゾール等の有機アルカリ剤は、水への溶解性が高く、水に溶解したときに強いアルカリ性を示し、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果が大きいにもかかわらず、エッチングによる表面の荒れを抑制することができる。このメカニズムについては必ずしも明確ではないが以下のように考えられる。
すなわち、カリウムイオンやナトリウムイオンの場合、ガラス基板表面のOH基(外部シラノール基やシロキサン結合(O−Si−O結合)が加水分解されて生じた内部シラノール基)に結合すると、結合部分のエッチングレートを選択的に高めるために、ガラス基板表面においてエッチングレートのムラが発生し、粗さ上昇に繋がると考えられるが、上記の有機アルカリ剤の場合はガラス表面のOH基と結合してもエッチングレートの上昇が起きないと考えられる。また、上記の有機アルカリ剤が先にOH基と結合していることで、後からNaイオンやKイオンが結合することを抑制する効果もあると考えられる。これにより、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら洗浄処理を行うことにより、洗浄後の基板表面の粗さ上昇を抑えることが可能である。従って、洗浄後のガラス基板における超低粗さ(高平滑性)を実現でき、また良好な洗浄性も得られ、高清浄度を達成することができる。
本発明において、上記グアニジンの方が上記イミダゾールよりもより良好な効果が得られる。これは、上記グアニジンの方が塩基性が強いために、上述の作用効果が大きいためであると推察される。
なお、本発明において、上記グアニジンと上記イミダゾールを併用することは差し支えない。
また、従来、アルカリ洗浄後のガラス基板表面の粗さ上昇は、アルカリ剤のアルカリ度のみに依存し、強アルカリほど粗さ上昇が大きくなるとの認識が一般的であったが、本発明者らは、洗浄に用いるアルカリ剤のアルカリ度だけでなく、OHイオンの対となっている陽イオンの種類によっても粗さ上昇量に大きな影響があることを見出した。
例えば、アルカリ剤としてKOHやNaOHなどの強アルカリを使用した場合、良好なエッチング作用による異物除去効果が得られるものの、洗浄後のガラス基板表面の粗さ上昇が大きい。本発明者らの検討によれば、この場合、これらアルカリ剤のアルカリ度だけでなく、KイオンやNaイオンなどの陽イオンの存在も基板の粗さ上昇に関与していることが判明した。
そこで、本発明者らは、アルカリ洗浄液中のNaイオンとKイオンの総量を200ppm未満に抑えながら洗浄処理を行うことが好適であることを見出した。これにより、洗浄液に含有されるアルカリ剤のOHイオンによるエッチング作用が得られ、その一方、洗浄液中のNaイオンとKイオンの存在量を抑えることで、アルカリ金属イオンとOHイオンとの相乗作用による基板の粗さ上昇を抑えることができる。特に、アルカリ洗浄液中のNaイオンとKイオンの総量を100ppm以下、より好ましくは10ppm以下、更に好ましくは1ppm以下に抑えながら洗浄処理を行うことが好適である。
洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量の抑制ないしは制御の方法としては、洗浄開始時や洗浄中の所定のタイミングにおいて洗浄液をサンプリングするなどして、洗浄液中のこれらのイオンの含有量を測定し、所定値を超え得る場合には、上記イオンを捕捉するキレート剤等の添加、水希釈、洗浄液交換等の手段によってこれらのイオンの含有量を低下させることで調整可能である。また、ガラス基板中にNaやKを含む場合、洗浄時間やバッチ数(洗浄処理回数)と洗浄液中のNaイオンとKイオンの濃度との関係を予め把握しておき、把握した関係に基づいてNaイオンとKイオンの含有量を調整する処理を行ってもよい。
なお、上記グアニジンやイミダゾールを使用した場合、上述したように、グアニジンやイミダゾールがガラス表面のOH基と結合する作用により、洗浄液中のNaイオンとKイオンの存在による影響が少なくなるため、良好なエッチング作用による異物除去効果が得られ、なお且つ洗浄後の基板表面の粗さ上昇を抑えることができるものと考えられる。
また、ガラス成分中にナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属成分を含有するガラス基板を洗浄する場合、ガラス成分の溶出によるアルカリ洗浄液中のNaイオンとKイオンの総量を200ppm未満に抑えながら洗浄工程を行うことが好適である。
なお、洗浄液中におけるNaイオンやKイオンの含有量は、洗浄槽からサンプリングした洗浄液を用いて、例えばイオンクロマトグラフィー法やICP法によって調べることができる。
また、ここでppmとは、質量ppm(質量比を100万分率で表したもの)である。
また、アルカリ洗浄剤により基板表面から除去された異物が基板表面に再付着するのを防止して、洗浄効果を上げることを目的に、洗浄液中には上記グアニジンあるいは上記イミダゾールに加えて、さらに界面活性剤、キレート剤、分散剤などの洗浄剤を適宜含有させてもよい。
本発明に好ましく使用できる界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体等のノニオン界面活性剤が挙げられる。また、キレート剤としては、例えばEDTAなどのアミノカルボン酸、クエン酸などの有機酸やそれらの塩などが挙げられる。さらに、分散剤としては、例えばリン酸塩、硫酸塩、高分子分散剤などが挙げられる。
但し、これら界面活性剤、キレート剤、分散剤などの洗浄剤は、通常アルカリ塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)で調合されているため、これら洗浄剤を洗浄液に含有させる場合においても、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えながら前記洗浄処理を行うことが好適である。より好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下に抑えながら前記洗浄処理を行うことが好適である。なお、このような場合、例えばテトラメチルアンモニウムイオン等の第四級アンモニウムカチオンを用いて、第四級アンモニウム塩とすることが好ましい。第四級アンモニウム塩とすることで、ナトリウムイオンやカリウムイオンの量を増やさずに、添加量を増やすことができる。また、添加剤の合成上、ナトリウムやカリウムが不純物として不可避的に混入する場合、当該イオンの量が少なくなる様にイオン交換樹脂等で精製処理したものを用いることが好ましい。これらは、マグネシウムイオン、カルシウムイオンについても同様である。
上記洗浄処理は、通常、上記グアニジンと上記イミダゾールの少なくとも一方、必要な添加剤を含有する洗浄液を収容した洗浄槽に、例えば研磨工程終了後のガラス基板を接触(例えば浸漬)させることによって行われる。この際、洗浄効果を上げるために、超音波を印加することも好適である。洗浄液の液温、洗浄時間などは、適宜設定することができる。
本発明においては、洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)との差が、0.06nm以内とすることが可能であり、より好ましくは0.05nm以下、さらに0.03nm以下、またさらに好ましくは0.01nm以下とすることも可能である。
すなわち、本発明によれば、アルカリ洗浄による基板表面の粗さ上昇を抑えることが可能である。
また、洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)が、0.10nm以下の超平滑な表面であることが好ましい。本発明によれば、アルカリ洗浄による基板表面の粗さ上昇を抑えることができるので、研磨工程によって得られた上記超平滑な基板表面粗さをできる限り悪化させないようにすることが可能である。
また、本発明において、前記洗浄液のpHが10以上であることが好適である。本発明によれば、洗浄液が高いpH(強アルカリ)であっても、基板表面の粗さ上昇が少ないため、その結果、粗さ上昇を抑えつつ、高清浄な洗浄を実施することが可能である。11以上とするとより好ましい。pHが10未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化する場合がある。一方、pHが13よりも大きいと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、アルカリによるエッチングレートが高くなるので、ガラス組成にナトリウムやカリウムを含む場合にそれらの溶出量が多くなり、洗浄液中におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの調整作業を頻繁に行う必要が生じてくる場合がある。また、非常に厳密な管理が求められる基板の内径や外径にバラツキが生じ、所定の範囲から逸脱してしまう場合がある。また、アルカリ性が強くなりすぎるので、取扱いにも注意を要する。
本発明の好ましい実施の形態としては、ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記洗浄処理は、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液に前記ガラス基板を接触させる処理を含み、前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄処理に用いる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.06nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度を決定し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度が前記決定した濃度以下となる条件を維持しながら、主表面が鏡面研磨された前記ガラス基板の洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
このような実施の形態によれば、洗浄によるガラス基板表面の粗さ増大量が所定値以下となるように洗浄処理を行うことができる。
また、本発明の好ましい他の実施の形態としては、ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液を用い、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が200ppmを超えたら液交換しながら、主表面が鏡面研磨された前記ガラス基板の洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
このような実施の形態によれば、例えば大量のガラス基板を連続して洗浄し、結果的に長時間同一の洗浄槽で洗浄する場合にも、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が200ppmを超えたら新しい洗浄液と液交換することにより、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えることができるので、ガラス基板表面の粗さ上昇を抑えることが可能となる。
また、本発明の好ましいその他の実施の形態としては、ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記洗浄処理は、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液に前記ガラス基板を接触させる処理を含み、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
このような実施の形態によれば、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えることができるので、ガラス基板表面の粗さ上昇を抑えることが可能となる。
なお、通常、研磨工程は、前記のようにラッピング工程で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨工程と、この第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、ガラス基板主表面の表面粗さを平滑な鏡面に仕上げる第2研磨工程の2段階を経て行われることが一般的である(但し、3段階以上の多段階研磨を行うこともある)が、この場合、少なくとも後段の第2研磨工程、つまり研磨工程のうちの最終研磨工程の後に行う洗浄工程に本発明の洗浄処理を適用することが好ましい。特に、コロイダルシリカの研磨砥粒を含有するアルカリ性域に調整された研磨液を用いてガラス基板の主表面を研磨する研磨工程の後に行う洗浄処理に本発明の洗浄処理を適用することが好適である。ガラス基板に対して酸性で研磨を行う場合、酸によるリーチング作用によってガラス基板表面から一部の元素が抜けて、その後、アルカリ性で洗浄を実施するときにエッチング作用にムラが発生して洗浄後のガラス基板表面が大きく荒れてしまう。このような現象は、アルカリ性に調整した条件で研磨した場合には見られず、ガラス基板表面粗さを相対的に低くすることができる。
本発明においては、ガラス基板を構成するガラス(の硝種)は、アルミノシリケートガラスとすることが好ましい。また、アモルファスのアルミノシリケートガラスとするとさらに好ましい。このようなガラス基板は表面を鏡面研磨することにより平滑な鏡面に仕上げることができ、また加工後の強度が良好である。このようなアルミノシリケートガラスとしては、SiO2が58重量%以上75重量%以下、Al23が5重量%以上23重量%以下、Li2Oが3重量%以上10重量%以下、Na2Oが4重量%以上13重量%以下を主成分として含有するアルミノシリケートガラス(ただし、リン酸化物を含まないアルミノシリケートガラス)を用いることができる。さらに、例えば、SiO2 を62重量%以上75重量%以下、Al23を5重量%以上15重量%以下、Li2 Oを4重量%以上10重量%以下、Na2 Oを4重量%以上12重量%以下、ZrO2を5.5重量%以上15重量%以下、主成分として含有するとともに、Na2O/ZrO2 の重量比が0.5以上2.0以下、Al23 /ZrO2 の重量比が0.4以上2.5以下であるリン酸化物を含まないアモルファスのアルミノシリケートガラスとすることができる。
また、次世代基板の特性として耐熱性を求められる場合もある。この場合の耐熱性ガラスとしては、例えば、モル%表示にて、SiO2を50〜75%、Al23を0〜6%、BaOを0〜2%、Li2Oを0〜3%、ZnOを0〜5%、Na2OおよびK2Oを合計で3〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、ZrO2、TiO2、La23、Y23、Yb23、Ta25、Nb25およびHfO2を合計で2〜9%、含み、モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、且つモル比[Al23/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスを好ましく用いることができる。
本発明においては、上記研磨加工後のガラス基板の表面は、算術平均表面粗さRaが0.20nm以下、特に0.15nm以下、更に好ましくは0.10nm以下であることが好ましい。更に、最大粗さRmaxが2.0nm以下、特に1.5nm以下、更に好ましくは1.0nm以下であることが好ましい。なお、本発明においてRa、Rmaxというときは、日本工業規格(JIS)B0601:1982に準拠して算出される粗さのことである。これらの表面は、鏡面であることが好ましい。
また、本発明において表面粗さ(例えば、最大粗さRmax、算術平均粗さRa)は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて1μm×1μmの範囲を512×512ピクセルの解像度で測定したときに得られる表面形状の表面粗さとすることが実用上好ましい。
本発明においては、研磨加工工程の前または後に、化学強化処理を施すことが好ましい。化学強化処理の方法としては、例えば、ガラス転移点の温度を超えない温度領域、例えば摂氏300度以上400度以下の温度で、イオン交換を行う低温型イオン交換法などが好ましい。化学強化処理とは、溶融させた化学強化塩とガラス基板とを接触させることにより、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属元素と、ガラス基板中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属元素とをイオン交換し、ガラス基板の表層に該イオン半径の大きなアルカリ金属元素を浸透させ、ガラス基板の表面に圧縮応力を生じさせる処理のことである。化学強化処理されたガラス基板は耐衝撃性に優れているので、例えばモバイル用途のHDDに搭載するのに特に好ましい。化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属硝酸を好ましく用いることができる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって、図1および図2に示すように、両主表面11,11と、その間に外周側端面12、内周側端面13を有するディスク状のガラス基板1が得られる。外周側端面12は、側壁面12aと、その両側の主表面との間にある面取面12b、12bによりなる。内周側端面13についても同様の形状である。
また、本発明は、以上の磁気ディスク用ガラス基板を用いた磁気ディスクの製造方法についても提供する。本発明において磁気ディスクは、本発明による磁気ディスク用ガラス基板の上に少なくとも磁性層を形成して製造される。磁性層の材料としては、異方性磁界の大きな六方晶系であるCoCrPt系やCoPt系強磁性合金を用いることができる。磁性層の形成方法としてはスパッタリング法、例えばDCマグネトロンスパッタリング法によりガラス基板の上に磁性層を成膜する方法を用いることが好適である。またガラス基板と磁性層との間に、下地層を介挿することにより磁性層の磁性グレインの配向方向や磁性グレインの大きさを制御することができる。例えば、RuやTiを含む六方晶系下地層を用いることにより、磁性層の磁化容易方向を磁気ディスク面の法線に沿って配向させることができる。この場合、垂直磁気記録方式の磁気ディスクが製造される。下地層は磁性層同様にスパッタリング法により形成することができる。
また、磁性層の上に、保護層、潤滑層をこの順に形成するとよい。保護層としてはアモルファスの水素化炭素系保護層が好適である。例えばプラズマCVD法により保護層を形成することができる。また、潤滑層としては、パーフルオロポリエーテル化合物の主鎖の末端に官能基を有する潤滑剤を用いることができる。取り分け、極性官能基として水酸基を末端に備えるパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とすることが好ましい。潤滑層はディップ法により塗布形成することができる。
本発明によって得られる磁気ディスク用ガラス基板を用いることにより、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明の実施例に対する比較例(参考例)についても併せて説明する。
以下の(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面研磨工程、(5)主表面第1研磨工程、(6)化学強化工程、(7)主表面第2研磨工程、(8)洗浄処理、を経て磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
(1)粗ラッピング工程
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径66mmφ、厚さ1.0mmの円盤状のアモルファスのアルミノシリゲートガラスからなるガラス基板を得た。なお、このようなダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で製造された板ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜75重量%、Al23:5〜23重量%、Li2O:3〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を含有するガラスを使用した。
次いで、このガラス基板に寸法精度及び形状精度の向上させるためラッピング工程を行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用いて行った。具体的には、上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させて、上記ラッピング装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによってキャリアを遊星歯車運動させてラッピングした。
(2)形状加工工程
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けた後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。なお、一般に、2.5インチ型HDD(ハードディスクドライブ)では、外径が65mmの磁気ディスクを用いる。
(3)精ラッピング工程
この精ラッピング工程は、上記と同様に両面ラッピング装置を用いて行なった。具体的には、ダイヤモンド砥粒を樹脂で固定したペレットが貼り付けられた上下定盤の間に、キャリアにより保持したガラス基板を密着させて行なった。
(4)端面研磨工程
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面を研磨した。
(5)主表面第1研磨工程
次に、第1研磨工程を前述の図3に示す両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッド7が貼り付けられた上下研磨定盤5,6の間にキャリア4により保持したガラス基板を密着させ、このキャリア4を太陽歯車2と内歯歯車3とに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤5,6によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤5,6上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、第1研磨工程を実施した。研磨液としては、酸化セリウム(平均粒径(50%径)1μm)を研磨剤として水に10重量%分散した研磨液を使用した。ガラス基板表面にかかる荷重は100g/cm2、研磨時間は15分とした。
上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、洗浄し、乾燥した。
(6)化学強化工程
次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を加熱して溶融し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を洗浄し、乾燥した。
(7)主表面第2研磨工程
次いで上記の第1研磨工程で使用したものと同じ両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッド(アスカーC硬度で72の発泡ポリウレタン)に替えて第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えばガラス基板主表面の表面粗さをRmaxで2nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。研磨液としては、コロイダルシリカ(平均粒径(50%径)15nm)を研磨剤として10重量%分散した水中に、硫酸を添加して酸性(pH=2)に調整されたものを使用した。なお、荷重は100g/cm2、研磨時間は10分とした。
なおここで、研磨後の表面粗さRaを調べるために、同じロットから1枚の基板を抜き取って水洗浄のみを1200秒間行い、乾燥後、AFMにて上記条件で測定したところ、Raは0.15nmであった。ただし、基板表面にはコロイダルシリカの粒子が大量に付着しており製品としては不合格のレベルであった。
(8)洗浄処理
次に、上記第2研磨工程を終えたガラス基板の洗浄処理を実施した。具体的には、純水にアルカリ洗浄剤としてグアニジンを0.3モル/リットルの濃度となるように添加した洗浄液(pH12.6))を収容した洗浄槽(液温:常温)中に600秒間浸漬させ、80kHzの超音波をかけつつ洗浄した。なお、洗浄液は循環使用した。
このとき、グアニジンには、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)ものを用いた。なお、この洗浄液をサンプリングしてイオンクロマトグラフィー法を用いてNaイオンとKイオンの濃度を調べたところ、いずれも検出されなかった。
その後、ガラス基板を別の洗浄槽(純水、常温)に浸漬させ、80kHz、300秒間の超音波洗浄を行い、乾燥した。
上記各工程を経て得られた100枚のガラス基板(サンプル1とする。)について、上記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、上記洗浄処理直前(つまり第2研磨工程終了後)のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)をそれぞれ原子間力顕微鏡(AFM)にて測定し、その差(ΔRa:洗浄処理後のRaから洗浄処理前のRaを引いた値)を表1に示した。なお、上記表面粗さの値は製造したガラス基板100枚の平均値である。
また、同じ条件で得られた別の100枚のガラス基板に対して異物欠陥の評価を実施した。得られたガラス基板の主表面をレーザー式の表面検査装置にて観察し、検出された表面欠陥をSEM及び原子間力顕微鏡(AFM)で分析した。そして、異物欠陥(異物付着による凸状欠陥)のカウント数を表2に示した。なお、上記カウント数は製造したガラス基板100枚の平均値である。なお、表面検査装置の測定条件として、波長405nm、パワー80mW、スポット径6μmのレーザ光を主表面に照射することにより、主表面方向の長さが10〜40nm程度の極微小な欠陥も観察可能である。
上記サンプル1では、アルカリ洗浄による基板表面粗さの上昇を0.06nm以下に抑えられた基板表面を有する磁気ディスク用ガラス基板が得られた。
また、洗浄液中のKOHとグアニジンの添加量を種々変更し、表1に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル1と同様にして、サンプル2〜6のガラス基板を作製した。なお、pHが12.6を外れるような場合は、グアニジンの添加量を微調整してpHが12.6となるようにした。
また、洗浄液にアルカリ剤としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、「TMAH」と略記する。)を添加し、その添加量を種々変更し、表1に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル1と同様にして、サンプル7〜10のガラス基板を作製した。
また、洗浄液に従来の無機アルカリ剤であるKOHまたはNAOHを添加した洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル1と同様にして、サンプル11,12のガラス基板を作製した。
さらに、洗浄液にグアニジンの他に、洗浄剤として前記アニオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム(第四級アンモニウムカチオン塩)、以下DBSと略す)を添加し、その添加量を種々変更し、表1に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル1と同様にして、サンプル13〜17のガラス基板を作製した。また、洗浄液にグアニジンの他に、洗浄剤としてノニオン界面活性剤としてポリ(オキシエチレン)ノニルフェニルエーテル、分子量660.87(10EO)(10EO は酸化エチレンの付加モル数が 10 であることを示す)を添加し、表1に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル1と同様にして、サンプル18のガラス基板を作製した。
なお、上記のサンプル1〜18では、洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度は、NaイオンまたはKイオンで調整した。所定のアルカリ金属イオン濃度をNaイオンとKイオンの混合で調整した場合においても、以下の表1および表2とほぼ同じ結果が得られたので、NaイオンとKイオンの混合比率には依存しない。
上記サンプル2〜18のガラス基板についても、サンプル1と同様に、主表面の表面粗さの測定と、異物欠陥評価を行い、その結果を纏めて下記表1及び表2に示した。
Figure 0006081580
Figure 0006081580
上記表1、表2の結果から以下のことがわかる。
1.本発明のグアニジンを含有する洗浄液を適用する実施例によれば、洗浄処理後の基板表面粗さの上昇を抑制することができる。また、グアニジンの他に上記の界面活性剤を添加しても、洗浄処理後の粗さ上昇量は変らないが、洗浄性は向上する。
2.これに対して、従来のKOHやNaOHを用いて洗浄した場合、良好な洗浄性は得られるものの、洗浄処理後の基板表面粗さの上昇が大きい。また、TMAHを添加すると、グアニジンよりも粗さ上昇量が若干大きくなるだけでなく、異物欠陥カウント数も若干増加する。
なお、上記サンプル11(KOH)とサンプル12(NaOH)における異物カウント数は、それぞれ775、796であった。この結果はグアニジンと同等ではあるが、上記のとおり洗浄処理後の粗さ上昇が大きいため、洗浄による粗さ上昇と洗浄性を両立することができない。
3.また、アルカリ剤としてTMAHよりもグアニジンを用いた方が表面粗さの増加量を低減できるので好ましい。グアニジンには上述のとおり、ガラス基板表面のシラノール基に吸着してNaイオンやKイオンが当該シラノール基に近づくことを抑制する効果があると考えられるので、TMAHよりも粗さ増加を抑制する効果が高いと考えられる。
グアニジンが有利な点について、さらに確認した。サンプル1とサンプル7の条件で20バッチ分の連続洗浄試験を行い、20バッチ目のガラス基板についてΔRaを比較したところ、いずれも1バッチ目と比較するとΔRaは増加したが、20バッチ目においてはグアニジンを使用した方がΔRaが小さかった。1バッチ目の結果(表1)においての比較では両者はほぼ同等であったことから、グアニジンの作用により粗さの増加が抑制されたものと考えられる。
また、主表面第2研磨工程において、研磨液の液性をアルカリ性(pH=12)とした他はサンプル1と同じ条件でガラス基板を作製したところ、ΔRaはサンプル1の場合の70%となり、低減した。このことから、本発明の洗浄処理を行う前の研磨処理に用いる研磨液の液性は、酸性よりもアルカリ性のほうが好ましいことが確認された。
また、洗浄液中のイミダゾールの添加量を種々変更し、表3に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル1と同様にして、サンプル101〜106のガラス基板を作製した。
また、洗浄液にアルカリ剤としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、「TMAH」と略記する。)を添加し、その添加量を種々変更し、表3に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル101と同様にして、サンプル107〜110のガラス基板を作製した。
また、洗浄液に従来の無機アルカリ剤であるKOHまたはNAOHを添加した洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル101と同様にして、サンプル111,112のガラス基板を作製した。
さらに、洗浄液にイミダゾールの他に、洗浄剤として前記DBSを添加し、その添加量を種々変更し、表3に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル101と同様にして、サンプル113〜117のガラス基板を作製した。また、洗浄液にグアニジンの他に、洗浄剤として前記ノニオン界面活性剤を添加し、表3に示す洗浄液中のアルカリ金属イオン濃度とした洗浄液を用いたこと以外は、上記サンプル101と同様にして、サンプル118のガラス基板を作製した。
上記サンプル101〜118のガラス基板についても、サンプル1と同様に、主表面の表面粗さの測定と、異物欠陥評価を行い、その結果を纏めて下記表3及び表4に示した。
Figure 0006081580
Figure 0006081580
上記表3、表4の結果から以下のことがわかる。
1.本発明のイミダゾールを含有する洗浄液を適用する実施例によれば、洗浄処理後の基板表面粗さの上昇を抑制することができる。また、イミダゾールの他に上記の界面活性剤を添加しても、洗浄処理後の粗さ上昇量は変らないが、洗浄性は向上する。
2.これに対して、従来のKOHやNaOHを用いて洗浄した場合、良好な洗浄性は得られるものの、洗浄処理後の基板表面粗さの上昇が大きい。また、TMAHを添加すると、グアニジンよりも粗さ上昇量が若干大きくなるだけでなく、異物欠陥カウント数も若干増加する。
(磁気ディスクの製造)
上記サンプル1およびサンプル101で得られた磁気ディスク用ガラス基板に以下の成膜工程を施して、垂直磁気記録用磁気ディスクを得た。
すなわち、上記ガラス基板上に、CrTi系合金薄膜からなる付着層、CoTaZr合金薄膜からなる軟磁性層、NiWからなるシード層、Ru薄膜からなる下地層、CoCrPt系合金からなる垂直磁気記録層、カーボン保護層、潤滑層を順次成膜した。保護層は、磁気記録層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。また、潤滑層は、アルコール変性パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成した。
得られた磁気ディスクについて、DFHヘッドを備えたHDDに組み込み、80℃かつ80%RHの高温高湿環境下においてDFH機能を作動させつつ1ヶ月間のロードアンロード耐久性試験を行ったところ、特に障害も無く、良好な結果が得られた。
1 ガラス基板
2 太陽歯車
3 内歯歯車
4 キャリア
5 上定盤
6 下定盤
7 研磨パッド
11 基板の主表面
12,13 基板の端面

Claims (9)

  1. ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記洗浄処理は、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液に前記ガラス基板を接触させる処理を含み、
    前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄処理に用いる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度との関係を予め求めておき、
    求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.06nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度を決定し、
    前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの合計の濃度が前記決定した濃度以下となる条件で、主表面が鏡面研磨された前記ガラス基板の洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液を用い、
    前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が200ppm以上とならないように前記洗浄液の少なくとも一部を交換しながら、主表面が鏡面研磨された前記ガラス基板の洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. ガラス基板の洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記洗浄処理は、グアニジンおよびイミダゾールの少なくとも一方を含有する洗浄液に前記ガラス基板を接触させる処理を含み、
    前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記洗浄液は、さらに界面活性剤、キレート剤、及び分散剤のうち少なくとも1つの物質を含有し、
    前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を200ppm未満に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、前記洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)との差が、0.06nm以内であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 前記洗浄処理は、研磨砥粒を用いて前記ガラス基板の主表面を研磨する研磨工程のうち最終研磨工程の後に行う洗浄処理であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 前記最終研磨に用いられる研磨液はアルカリ性であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
JP2015513777A 2013-04-22 2014-04-22 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 Active JP6081580B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013089518 2013-04-22
JP2013089517 2013-04-22
JP2013089517 2013-04-22
JP2013089518 2013-04-22
PCT/JP2014/061342 WO2014175292A1 (ja) 2013-04-22 2014-04-22 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6081580B2 true JP6081580B2 (ja) 2017-02-15
JPWO2014175292A1 JPWO2014175292A1 (ja) 2017-02-23

Family

ID=51791863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015513777A Active JP6081580B2 (ja) 2013-04-22 2014-04-22 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6081580B2 (ja)
CN (1) CN105122363B (ja)
MY (1) MY179113A (ja)
SG (1) SG11201508659PA (ja)
WO (1) WO2014175292A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10226799A (ja) * 1996-12-10 1998-08-25 Nitto Denko Corp 半導体装置成形用金型洗浄剤組成物およびそれを用いた金型クリーニング方法
JP2004101849A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 洗浄剤組成物
JP2008114418A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Towa Corp 電子部品の樹脂封止金型
JP2009280802A (ja) * 2008-04-25 2009-12-03 Sanyo Chem Ind Ltd 磁気ディスク基板用洗浄剤
JP2011068882A (ja) * 2009-08-27 2011-04-07 Sanyo Chem Ind Ltd 磁気ディスク基板用洗浄剤

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5720499B2 (ja) * 2010-10-26 2015-05-20 旭硝子株式会社 基板用ガラスおよびガラス基板

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10226799A (ja) * 1996-12-10 1998-08-25 Nitto Denko Corp 半導体装置成形用金型洗浄剤組成物およびそれを用いた金型クリーニング方法
JP2004101849A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 洗浄剤組成物
JP2008114418A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Towa Corp 電子部品の樹脂封止金型
JP2009280802A (ja) * 2008-04-25 2009-12-03 Sanyo Chem Ind Ltd 磁気ディスク基板用洗浄剤
JP2011068882A (ja) * 2009-08-27 2011-04-07 Sanyo Chem Ind Ltd 磁気ディスク基板用洗浄剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2014175292A1 (ja) 2017-02-23
CN105122363A (zh) 2015-12-02
SG11201508659PA (en) 2015-11-27
MY179113A (en) 2020-10-28
CN105122363B (zh) 2018-07-06
WO2014175292A1 (ja) 2014-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6126790B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US9299382B2 (en) Method of manufacturing a glass substrate for a magnetic disk and method of manufacturing a magnetic disk
JP6078942B2 (ja) ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びにガラス基板用研磨液組成物
JPWO2011125894A1 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP6141636B2 (ja) 基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスクの製造方法
JP6266504B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP4623211B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法およびそれを用いる磁気ディスク
JP6467025B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP6480611B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP6420260B2 (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP6298448B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板、及び磁気ディスクの製造方法
JP6081580B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP6041290B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2014116046A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
US8926759B2 (en) Manufacturing method of a glass substrate for a magnetic disk
JP5704755B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2013080530A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2015069667A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
WO2012042725A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及び情報ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6081580

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250