JP6467025B2 - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される情報記録媒体の一つとして磁気ディスクがある。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の薄膜を形成して構成されたものであり、その基板として従来はアルミ基板が用いられてきた。しかし、最近では、高記録密度化の追求に呼応して、アルミ基板と比べて磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔をより狭くすることが可能なガラス基板の占める比率が次第に高くなってきている。また、ガラス基板表面は磁気ヘッドの浮上高さを極力下げることができるように、高精度に研磨して高記録密度化を実現している。近年、HDDの更なる大記録容量化の要求は増すばかりであり、これを実現するためには、磁気ディスク用ガラス基板においても更なる高品質化が必要になってきており、より平滑でより清浄なガラス基板表面であることが求められている。
上述したように高記録密度化にとって必要な低フライングハイト(浮上量)化のために磁気ディスク表面の高い平滑性は必要不可欠である。磁気ディスク表面の高い平滑性を得るためには、結局、高い平滑性の基板表面が求められるため、高精度にガラス基板表面を研磨する必要があるが、それだけでは十分ではなく、研磨後の洗浄によって基板表面の付着異物を取り除いて清浄な基板表面を得る必要がある。
従来の方法としては、たとえば、特許文献1に開示されているような、研磨後に、基板をNaOH、KOH等の無機アルカリ剤を水に溶解した洗浄液で洗浄する方法が一般的である。
特開2010−86563号公報
現在のHDDにおいては、1平方インチ当り500ギガビット程度の記録密度が実現できるまでに至っており、例えば2.5インチ型(直径65mm)の磁気ディスク1枚に320ギガバイト程度の情報を収納することが可能になっているが、更なる高記録密度化、例えば375〜500ギガバイト、更には1テラバイトの実現が要求されるようになってきている。このような近年のHDDの大容量化の要求に伴い、基板表面品質の向上の要求は今まで以上に厳しいものとなってきている。上記のような例えば375〜500ギガバイトの磁気ディスク向けの次世代基板においては、メディア特性に与える基板の影響が大きくなるので、基板表面の粗さだけでなく、異物付着等による表面欠陥が存在しないことについても現行品からの更なる改善が求められる。
次世代基板においてはメディア特性に与える基板の影響が大きくなるのは以下のような理由による。
磁気ヘッドの浮上量(磁気ヘッドと媒体(磁気ディスク)表面との間隙)の大幅な低下(低浮上量化)が挙げられる。こうすることで、磁気ヘッドと媒体の磁性層との距離が近づくため、より小さい磁性粒子の信号も拾うことができるようになり、高記録密度化を達成することができる。近年、従来以上の低浮上量化を実現するために、DFH(Dynamic Flying Height)という機能が磁気ヘッドに搭載されている。これは、磁気ヘッドの記録再生素子部の近傍に極小のヒーター等の加熱部を設けて、記録再生素子部周辺のみを媒体表面方向に向けて突き出す機能である。今後、このDFH機能によって、磁気ヘッドの素子部と媒体表面との間隙は、2nm未満または1nm未満と極めて小さくなると見られている。このような状況下で、基板表面の平均粗さを極めて小さくしたところで、従来問題とならなかった極く小さな異物(例えば小さいもので主表面の面内方向の長さが10〜40nm程度)の付着等によって僅かに凸状となる程度の表面欠陥が存在すると、そのまま媒体表面においても凸状欠陥となるので、磁気ヘッドの衝突の危険性が高まる。
ところで、本発明者らの検討によると、上記特許文献1に開示された方法をはじめとする従来の様々な精密研磨技術、精密洗浄技術を用いても、あるいはそれらを組み合わせて用いても、洗浄後の低粗さと高清浄度を両立できないことがわかってきた。
近年のHDDの大容量化の要求に伴う基板表面品質の向上の要求は今まで以上に厳しいものとなってきている。数年前までは基板表面の平滑性に関する要求レベルは、例えばRaで0.3〜0.4nm程度であったが、現行ではRaで0.1〜0.2nm程度であることが要求されるようになってきている。つまり、磁気ディスク用ガラス基板において、現在要求されている平滑性のレベルが数年前とは格段に異なっており、将来はさらに要求レベルが高くなることが予想される。従来の無機アルカリ剤を用いたアルカリ洗浄法でも数年前までの要求レベルであれば何とか達成することは可能であったが、少なくとも現行の要求レベルを達成するには、従来の方法では困難である。要するに、このような状況下において、従来の改善手法によって基板表面品質の更なる向上を実現することには限界がある。なおここでアルカリ剤とは、水に溶解したときにアルカリ性を示す物質のことを言う。
本発明はこのような従来の課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、第1に、精密研磨で得られた高平滑な表面状態をできる限り悪化させずに洗浄処理を行うことが可能で、その結果、超低粗さ(高平滑性)を達成できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することであり、第2に、精密研磨で得られた高平滑性を維持しつつ高清浄な洗浄が実施可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することである。
基板の清浄度を高めるためには、従来は問題とならなかったレベルの小さくかつ基板表面に強く固着した異物を洗浄除去する必要があるが、そのためにはpHの高い(アルカリ性が強い)アルカリ薬液で洗浄することが高清浄度を達成できるので好ましい。なぜなら、pHの高いアルカリ薬液ではガラスの表面が強くエッチングされるため、強く固着した異物であっても根こそぎ除去できるからである。しかしながら、従来のNaOH、KOH等の無機アルカリ剤を用いたアルカリ洗浄では、pHが高くなるとガラスに対するエッチング効果が大きくなる一方で、洗浄によって基板表面の粗さが上昇してしまい、精密研磨で得られた超平滑な表面を維持することができなくなっていた。従来の無機アルカリ剤を用いたアルカリ洗浄法でも数年前までの表面粗さの要求レベルであれば何とか達成することは可能であったが、少なくとも数年前までとは格段に要求が厳しくなった現行の表面粗さの要求レベルを達成するには、従来の方法では困難である。
そこで、本発明者らは、アルカリ洗浄による洗浄力を維持したまま、基板の表面粗さの上昇を抑える方法について種々のアプローチを試みた。たとえば、本発明者は有機アルカリ剤の使用を検討した。ところが、有機アルカリ剤であっても、その種類によって洗浄後の表面荒れが大きい場合もあれば小さい場合もあった。また、同じ有機アルカリ剤であっても、製品ロットが異なれば洗浄後の表面荒れの程度も異なることが判明した。
従来、アルカリ洗浄後のガラス基板表面の粗さ上昇は、アルカリ剤添加による洗浄液のアルカリ性の強さ(pH)に大きく依存し、洗浄液が強アルカリ性であるほど粗さ上昇が大きくなるとの認識が一般的であったが、本発明者らは、この点に関して鋭意検討した結果、洗浄液中におけるナトリウムイオンやカリウムイオンの存在がアルカリ洗浄時のガラス基板の粗さ上昇に大きく関与していることを突き止めた。さらに、有機アルカリ剤の種類や製品ロットによっても洗浄後の表面あれの程度が異なるのは、洗浄液中に存在するナトリウムイオンやカリウムイオンの量が異なる影響によるものであることを突き止めた。たとえば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの有機アルカリは、本来ナトリウムやカリウムのイオンをいずれも含まないものであるが、工業的な製造過程において、ナトリウムやカリウム等が不可避的に混入していると考えられ、これがガラス基板の表面荒れに関与していることを突き止めた。
以上の結果、本発明者らは、洗浄液中のナトリウムイオンやカリウムイオンの含有量をたとえば所定値を超えないように抑制しながら洗浄を行うことにより洗浄後のガラス基板表面の粗さ上昇が抑えられることを見出した。
また、洗浄に用いるアルカリ剤としては、特定の有機アルカリ剤が好適であることも見出した。
本発明者らは、得られたこれらの知見に基づき、更に鋭意研究の結果、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は以下の一般式Iで表される有機アルカリを含有し、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
一般式I
[(R)N]OH
(但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
(構成2)
前記有機アルカリにおいて、N原子と結合する4つのRのうち少なくとも一つは、N原子と結合していない側の末端にヒドロキシル基を有する直鎖アルキル基であることを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)
前記有機アルカリにおいて、前記N原子と結合していない側の末端にヒドロキシル基を有する直鎖アルキル基は、N原子とヒドロキシル基の間に2つ以上の炭素原子を有する直鎖アルキル基であることを特徴とする構成2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)
前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を4ミリモル/L以下に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成5)
鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は以下の一般式Iで表される有機アルカリを含有し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が4ミリモル/L以下となる条件で前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
一般式I
[(R)N]OH
(但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
(構成6)
鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は以下の一般式Iで表される有機アルカリを含有し、前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.05nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を決定し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が前記決定した総量以下となる条件を維持して前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
一般式I
[(R)N]OH
(但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
(構成7)
前記洗浄液は、さらにN,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成8)
鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、前記洗浄処理による前記ガラス基板表面の荒れを低減すべく、前記洗浄処理に用いる洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成9)
前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を4ミリモル/L以下に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする構成8に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成10)
鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が4ミリモル/L以下となる条件で前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成11)
鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.05nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を決定し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が前記決定した総量以下となる条件を維持して前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成12)
前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、前記洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)との差が、0.05nm以内であることを特徴とする構成1乃至5、7乃至10のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成13)
前記洗浄処理は、シリカ研磨砥粒を含有する酸性域に調整された研磨液を用いて前記ガラス基板の主表面を研磨する研磨工程の後に行う洗浄処理であることを特徴とする構成1乃至12のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成14)
構成1乃至13のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
本発明によれば、精密研磨で得られた高平滑な表面状態をできる限り悪化させずに洗浄処理が実施可能となり、その結果、超低粗さ(高平滑性)を達成できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、精密研磨で得られた高平滑性を維持しつつ高清浄な洗浄が実施可能な磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができる。このような本発明によれば、基板主表面の粗さを従来よりも格段に低減し、なお且つ異物付着等による表面欠陥を従来品より低減することができる高品質の磁気ディスク用ガラス基板を製造することが可能である。本発明によって得られる磁気ディスク用ガラス基板は、特に基板表面品質への要求が数年前よりも格段に厳しいものとなっている現行の磁気ディスク用ガラス基板として好適に使用することが可能である。また、本発明によって得られるガラス基板を利用し、DFH機能を搭載した極低浮上量の設計の磁気ヘッドと組み合わせた場合においても長期に安定した動作が可能な信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
磁気ディスク用ガラス基板の断面図である。 磁気ディスク用ガラス基板の全体斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
磁気ディスク用ガラス基板は、通常、研削処理、主表面研磨処理、化学強化処理、等を経て製造される。
この磁気ディスク用ガラス基板の製造は、まず、溶融ガラスからダイレクトプレスにより円盤状のガラス基板(ガラスディスク)を成型する。なお、このようなダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で製造された板ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板(ガラスディスク)を得てもよい。次に、この成型したガラス基板(ガラスディスク)に寸法精度及び形状精度を向上させるための研削加工を行う。この研削加工処理は、通常両面研削装置を用い、ダイヤモンド等の硬質砥粒を用いてガラス基板主表面の研削を行う。こうしてガラス基板主表面を研削することにより、所定の板厚、平坦度に加工するとともに、所定の表面粗さを得る。
この研削処理の終了後は、高精度な主表面(鏡面)を得るための研磨処理を行う。ガラス基板の研磨方法としては、酸化セリウムやコロイダルシリカ等の金属酸化物の研磨材を含有するスラリー(研磨液)を供給しながら、ポリウレタン等の研磨パッドを用いて行うのが好適である。
研磨処理に用いられる研磨液は、基本的には研磨材と溶媒である水の組合せであり、さらに研磨液のpHを調整するためのpH調整剤や、その他の添加剤が必要に応じて含有される。
特に最終研磨においてはコロイダルシリカ砥粒で研磨することが粗さ低減を図る上で好ましい。研磨液に含有されるコロイダルシリカの研磨砥粒は、平均粒径が10〜100nm程度のものを使用するのが研磨効率の点からは好ましい。特に、仕上げ研磨処理(後述の後段の第2研磨処理)に用いる研磨液に含有される研磨砥粒は、本発明においては、表面粗さのいっそうの低減を図る観点から、平均粒径が10〜40nm程度のものを使用するのが好ましく、特に10〜20nm程度の微細なものが好ましい。しかし、研磨砥粒が微細になればなるほど、一度ガラス基板に吸着すると除去しにくくなる。特にコロイダルシリカは、ガラス基板に組成が近いため、強く吸着しやすい。本発明の洗浄処理は特に、平均粒径が20nm以下の超微小なコロイダルシリカ研磨砥粒の研磨後に適用すると、極めて低い表面粗さを維持したまま研磨砥粒を洗浄除去してガラス基板表面を清浄にすることができるので有効である。
なお、本発明において、上記平均粒径とは、光散乱法により測定された粒度分布における粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径(以下、「累積平均粒子径(50%径)」と呼ぶ。)を言う。本発明において、累積平均粒子径(50%径)は、具体的には、粒子径・粒度分布測定装置を用いて測定して得られる値である。
また、本発明に用いるコロイダルシリカ砥粒は、有機ケイ素化合物を加水分解することで生成したコロイダルシリカ砥粒を用いることができる。このような砥粒は、砥粒同士が凝集し難く粗大粒子を形成しにくいので、研磨処理後のガラス基板の表面は極めて低粗さかつスクラッチ等も非常に少なくすることが可能であるものの、水ガラスをイオン交換処理して得られるコロイダルシリカ砥粒に比べて、研磨処理後のガラス基板表面に強固に付着しやすい。よって、本発明による洗浄処理を適用することで、極めて低い表面粗さを維持したまま研磨砥粒を洗浄除去してガラス基板表面を清浄にすることができる。
本発明では、研磨処理における研磨方法は特に限定されるものではないが、例えば、ガラス基板と研磨パッドとを接触させ、研磨砥粒を含む研磨液を供給しながら、研磨パッドとガラス基板とを相対的に移動させて、ガラス基板の表面を鏡面状に研磨すればよい。例えば遊星歯車方式の両面研磨装置を好ましく用いることができる。
特に仕上げ研磨用の研磨パッドとしては、軟質ポリッシャの研磨パッド(スウェードパッド)であることが好ましい。研磨パッドの硬度はアスカーC硬度で、60以上80以下とすることが好適である。研磨パッドのガラス基板との当接面は、発泡ポアが開口した発泡樹脂、取り分け発泡ポリウレタンとすることが好ましい。このようにして研磨を行うと、ガラス基板の表面を平滑な鏡面状に研磨することができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、上記構成1にあるように、上記ガラス基板主表面の鏡面研磨処理の後に行われる洗浄処理において、洗浄処理によるガラス基板表面の荒れを低減すべく、洗浄処理に用いる洗浄液に特定の有機アルカリを含有させるとともに、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら洗浄処理を行うことを特徴としている。
従来、アルカリ洗浄後のガラス基板表面の粗さ上昇は、洗浄液のpHに大きく依存し、洗浄液が強アルカリ性であるほど粗さ上昇が大きくなるとの認識が一般的であったが、本発明者らは、洗浄に用いるアルカリ剤のアルカリ度だけでなく、OHイオンの対となっている陽イオンの種類によっても粗さ上昇量に大きな影響があることを見出した。
例えば、アルカリ剤としてNaOHやKOHなどの強アルカリを使用した場合、良好なエッチング作用による異物除去効果が得られるものの、洗浄後のガラス基板表面の粗さ上昇が大きい。本発明者らの検討によれば、この場合、これらアルカリ剤のアルカリ度だけでなく、ナトリウムイオンやカリウムイオンなどの陽イオンの存在も基板の粗さ上昇に大きく関与していることが判明した。
そこで、本発明者らは、洗浄処理時に洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量(総量)を抑制し、特に4ミリモル(以下「mmol」と表記)/L以下に抑えながら(この条件を維持しながら)、つまり4mmol/L以下の条件で洗浄処理を行うことが好適であることを見出した。これにより、洗浄液に含有されるアルカリ剤のOHイオンによるエッチング作用が得られ、その一方、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を抑えることでガラス基板の粗さ上昇を抑えることができる。特に、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量(総量)を2mmol/L以下、更に好ましくは1mmol/L以下に抑えながら洗浄処理を行うことが好適である。
本発明において、洗浄処理後のガラス基板の主表面の表面粗さRaが例えば0.2nm以下となるように、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制することが好ましい。
なお、洗浄液中におけるナトリウムイオンやカリウムイオンの含有量は、洗浄槽からサンプリングした洗浄液を用いて、例えばイオンクロマトグラフィー法やICP法によって調べることができる。また、実際には洗浄処理直前と洗浄処理後の洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量がいずれも所定値(4mmol/L)以下であれば、洗浄処理中においてこの条件が維持されていると言える。
本発明者らは、アルカリ洗浄による洗浄力を維持したまま、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を抑え、基板の表面粗さの上昇を抑える方法を模索した結果、特定のアルカリ剤、すなわちナトリウムとカリウムのいずれの成分も含まれないアルカリ剤を含有する洗浄液を用いることが好ましく、特に、以下の一般式Iで表わされる有機アルカリ(以下、「本発明の有機アルカリI」とも呼ぶ。)が好適であることを見出した。
一般式I
[(R)N]OH
(但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
本発明においては、上記本発明の有機アルカリIにおいて、N原子と結合する4つのRのうち少なくとも一つは、N原子と結合していない側の末端にヒドロキシル基を有する直鎖アルキル基であることが好ましい。ここで、表面の平滑性を保ち粗さを上昇させずに付着物の異物の洗浄除去を行うには、ガラス最表層のみエッチングが進むことが有効であるが、それ以上の過剰なエッチングが進行しないことが必要である。このためには、ガラス表面がガラスと親和性の高い物質で表面が被覆されることが好ましい。アルカリ性条件下ではガラスはシラノール(Si−OH)と、マイナスに帯電したその電離体(Si−O−)で覆われており、本発明の有機アルカリIの物質が有するヒドロキシル基は前者のシラノールと水素結合を介した親和性を有しており、窒素原子上のプラスの電荷とシラノールの電離体によるガラスとの接着性を増強する効果がある。そして、この効果は、N原子と結合していない側の末端にヒドロキシル基を有する場合に得られやすいので好ましい。
とくに、上記Rは、N原子とヒドロキシル基の間に2つ以上の炭素原子を有する直鎖アルキル基であることが好ましい。分子内のヒドロキシル基の個数が増えれば、一個の分子がガラス表面に滞在する時間が長くなり、よりガラス表面とのより強い親和性のために、より高い洗浄力がもたらされる。
この場合、N原子とヒドロキシル基の間の炭素原子数は6個以下であることが好ましい。炭素原子数が6を超えると分子量、分子のサイズ共に大きくなり、洗浄中の拡散が遅くなるためガラス表面を覆う効果が弱まり、異物の再付着の可能性が高くなって洗浄効果が減少する。
本発明の有機アルカリIの具体例としては、たとえば、コリン水酸化物、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、(3−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(4−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(6−ヒドロキシヘキシル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(7−ヒドロキシヘプチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのヒドロキシル基を有する4級アンモニウム水酸化物が好ましく挙げられる。勿論、本発明はこれらの具体例に限定するものではない。
上記の本発明の有機アルカリIは、水への溶解性が高く、水に溶解したときに強いアルカリ性を示し、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果が大きいにもかかわらず、エッチングによる表面の荒れを抑制することができる。このメカニズムについては必ずしも明確ではないが以下のように考えられる。
すなわち、カリウムイオンやナトリウムイオンの場合、ガラス基板表面のOH基(外部シラノール基やシロキサン結合(O−Si−O結合)が加水分解されて生じた内部シラノール基)に結合すると、結合部分のエッチングレートを選択的に高めるために、ガラス基板表面においてエッチングレートのムラが発生し、粗さ上昇に繋がると考えられるが、上記の本発明の有機アルカリIの場合はガラス表面のOH基と結合してもエッチングレートの上昇が起きないと考えられる。また、上記の本発明の有機アルカリIが先にOH基と結合していることで、後から例えば洗浄処理中にガラス基板より溶出してくるナトリウムイオンやカリウムイオンが結合することを抑制する効果もあると考えられる。これにより、洗浄液に上記本発明の有機アルカリIを含有させるとともに、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら洗浄処理を行うことにより、洗浄後の基板表面の粗さ上昇を抑えることが可能である。要するに、本発明の有機アルカリIは、シリカ表面に対する吸着作用が強いので、ガラス基板とシリカ砥粒表面に吸着して、両者が強固にくっ付くことを防止するとともに、洗浄液中のナトリウムイオンやカリウムイオンがガラス基板表面に結合することを防止して表面粗さ上昇を防ぐ。従って、洗浄後のガラス基板における超低粗さ(高平滑性)を実現でき、また良好な洗浄性も得られ、高清浄度を達成することができる。
洗浄液のpHは、アルカリ性であれば特に制約される必要はないが、10以上であることが好ましく、11以上とするとより好ましい。pHが10未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化する場合がある。一方、pHが13よりも大きいと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、アルカリによるエッチングレートが高くなるので、ガラス組成にナトリウムやカリウムを含む場合にそれらの溶出量が多くなり、洗浄液中におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの調整作業を頻繁に行う必要が生じてくる場合がある。また、アルカリ性が強くなりすぎるので、取扱いにも注意を要する。
洗浄液中の本発明の有機アルカリIの含有量は特に制約される必要はないが、例えば0.00001〜1mol/Lの範囲とすることが好ましい。本発明の有機アルカリIの含有量が0.00001mol/L未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化する場合がある。一方、本発明の有機アルカリIの含有量が1mol/Lよりも多いと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、アルカリによるエッチングレートが高くなるので、ガラス組成にナトリウムやカリウムを含む場合にそれらの溶出量が多くなり、洗浄液中におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑えるための調整作業を頻繁に行う必要が生じてくる場合がある。また、アルカリ性が強くなりすぎるので、取扱いにも注意を要する。
また、洗浄液を循環使用する場合で、ガラス基板からの溶出によって洗浄液中のナトリウムイオンやカリウムイオンが徐々に増加する場合は、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤等を添加することが有効である。キレート剤を添加することによって、洗浄液の使用時間を長くして製造コストを低減することができる。キレート剤の例としては、たとえばN,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体が挙げられる。これらの物質は、ナトリウムイオンやカリウムイオンへのキレート作用を持ち、これによりナトリウムイオンやカリウムイオンがガラス基板表面に結合することを防止して表面粗さ上昇を防ぐことができる。なお、上記の物質は、本発明の洗浄処理に適用する洗浄液に用いるアルカリ剤としても好適であり、詳しくは後述する。
ところで、洗浄処理中のガラス基板表面との結合による表面保護という観点では、本発明の有機アルカリI、例えば前記のコリン水酸化物等のヒドロキシル基を有する4級アンモニウム水酸化物は、シランヒドロキシド(電離したシラノール)のみでなく、電離していないシラノールにヒドロキシル基を介して結合することが可能であり、ヒドロキシル基を有さない4級アンモニウム水酸化物(例えば前出のTMAH)と比較して効果がより大きく、より低い濃度で十分な効果を発揮する。
上記のようにナトリウムとカリウムのいずれの成分も含まれないアルカリ剤(例えば上記の本発明の有機アルカリI)を使用していても、洗浄液を循環使用する場合で、ガラス基板からの溶出によって洗浄液中のナトリウムイオンやカリウムイオンが徐々に増加する場合がある。洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量の抑制ないしは制御の方法としては、洗浄開始時や洗浄中の所定のタイミングにおいて洗浄液をサンプリングするなどして、洗浄液中のこれらのイオンの含有量を測定し、所定値を超え得る場合には、上記イオンを捕捉するキレート剤等の添加、水希釈、洗浄液交換等の手段によってこれらのイオンの含有量を低下させることで調整可能である。また、ガラス基板の成分にNaやKを含む場合、洗浄時間やバッチ数(洗浄処理回数)と洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度との関係を予め把握しておき、把握した関係に基づいてナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を調整する処理を行ってもよい。
本発明においては、ガラス成分中にナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属成分を含有するガラス基板を洗浄する場合、ガラス成分の溶出によるアルカリ洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオン量も含めて洗浄液中の含有量を4mmol/L以下に抑えながら洗浄処理を行うことが好適である。
本発明の第1の実施の形態に関連する他の実施の形態としては、鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は前記一般式Iで表される有機アルカリを含有し、前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.05nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を決定し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が前記決定した総量以下となる条件を維持して前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
このような実施の形態によれば、洗浄によるガラス基板表面の粗さ増大量が所定値以下となるように洗浄処理を行うことができる。
また、本発明の有機アルカリIの洗浄作用により基板表面から除去された異物が基板表面に再付着するのを防止して、洗浄効果を上げることを目的に、洗浄液中にはさらに界面活性剤、キレート剤、分散剤などの添加剤を適宜含有させてもよい。
本発明に好ましく使用できる界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体等のノニオン界面活性剤が挙げられる。また、キレート剤としては、例えばEDTAなどのアミノカルボン酸、クエン酸などの有機酸などが挙げられる。さらに、分散剤としては、例えばリン酸塩、硫酸塩、高分子分散剤などが挙げられる。なお、界面活性剤、キレート剤、分散剤を洗浄液に添加する際には、ガラス基板の表面荒れの原因となるナトリウムイオン、カリウムイオンの2つのイオンの濃度が上記範囲内(4mmol/L以下)となるように注意する必要がある。これら2つの陽イオンは、添加剤の分子構造中や不純物として含まれる可能性がある。よって、これらの添加剤は、少なくとも分子構造中に上記の2つのイオンを含まないものが好ましい。
これら界面活性剤、キレート剤、分散剤などの添加剤は、通常、カリウム塩やナトリウム塩で調合されているため、これら添加剤を洗浄液に含有させる場合においても、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量を例えば4mmol/L以下に抑えながら洗浄処理を行うことが好適である。なお、このような場合、例えばテトラメチルアンモニウムイオン等の第四級アンモニウムカチオンを用いて、第四級アンモニウム塩とすることが好ましい。第四級アンモニウム塩とすることで、ナトリウムイオンやカリウムイオンの量を増やさずに、添加量を増やすことができる。また、添加剤の製造工程上、ナトリウムやカリウムが不純物として不可避的に混入する場合、当該イオンの量が少なくなる様にイオン交換樹脂等で精製処理したものを用いることが好ましい。
上記洗浄処理は、通常、アルカリ剤(例えば上記の本発明の有機アルカリI)、必要な添加剤を含有する洗浄液を収容した洗浄槽に、例えば研磨処理終了後のガラス基板を接触(例えば浸漬)させることによって行われる。この際、洗浄効果を上げるために、超音波を印加することも好適である。洗浄液の液温、洗浄時間などは、洗浄の効果や生産性との兼ね合いで適宜設定することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、上記構成8にあるように、上記ガラス基板主表面の鏡面研磨工程の後に行われる洗浄処理において、洗浄処理によるガラス基板表面の荒れを低減すべく、洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、洗浄処理に用いる洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら洗浄処理を行うことを特徴としている。
本発明者らは、アルカリ洗浄による洗浄力を維持したまま、基板の表面粗さの上昇を抑える方法を模索した結果、特定のアルカリ剤、すなわち ナトリウムとカリウムのいずれの成分も含まれないアルカリ剤として、上記の第1の実施の形態に用いた「本発明の有機アルカリI」のほかに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、「TMAH」と略記する。)、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と略記する。)、TMEDAの誘導体などの有機アルカリ剤も好適であることを見出した。
ここで、TMEDAの誘導体とは、例えば、TMEDAのメチル基がH(水素)またはアルキル基であるものや、ポリ(又はオリゴ)エチレンジアミンや、ポリ(又はオリゴ)エチレンイミンである。TMEDA誘導体の具体例としては、N, N, N', N'', N''−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミンなどが挙げられる。
上記のTMEDA、TMEDA誘導体、TMAH等の有機アルカリ剤(以下、「本発明の有機アルカリII」とも呼ぶ。)は、水への溶解性が高く、水に溶解したときに強いアルカリ性を示し、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果が大きいにもかかわらず、エッチングによる表面の荒れを抑制することができる。このメカニズムについては必ずしも明確ではないが以下のように考えられる。
すなわち、カリウムイオンやナトリウムイオンの場合、ガラス基板表面のOH基(外部シラノール基やシロキサン結合(O−Si−O結合)が加水分解されて生じた内部シラノール基)に結合すると、結合部分のエッチングレートを選択的に高めるために、ガラス基板表面においてエッチングレートのムラが発生し、粗さ上昇に繋がると考えられるが、上記の有機アルカリ剤の場合はガラス表面のOH基と結合してもエッチングレートの上昇が起きないと考えられる。また、上記の有機アルカリ剤が先にOH基と結合していることで、後からナトリウムイオンやカリウムイオンが結合することを抑制する効果もあると考えられる。これにより、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を抑制しながら洗浄処理を行うことにより、洗浄後の基板表面の粗さ上昇を抑えることが可能である。従って、洗浄後のガラス基板における超低粗さ(高平滑性)を実現でき、また良好な洗浄性も得られ、高清浄度を達成することができる。
洗浄液のpHは、アルカリ性であれば特に制約される必要はないが、10以上であることが好ましく、11以上とするとより好ましい。pHが10未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化する場合がある。一方、pHが13よりも大きいと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、アルカリによるエッチングレートが高くなるので、ガラス組成にナトリウムやカリウムを含む場合にそれらの溶出量が多くなり、洗浄液中におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの調整作業を頻繁に行う必要が生じてくる場合がある。また、非常に厳密な管理が求められる基板の内径や外径にバラツキが生じ、所定の範囲から逸脱してしまう場合がある。また、アルカリ性が強くなりすぎるので、取扱いにも注意を要する。
洗浄液中の本発明の有機アルカリIIの含有量は特に制約される必要はないが、例えば0.00001〜1mol/Lの範囲とすることが好ましい。有機アルカリIIの含有量が0.00001mol/L未満であると、エッチングレートが低くなるため、ガラスに対するエッチング作用による異物除去効果を得るのに時間がかかり生産性が悪化する場合がある。一方、有機アルカリIIの含有量が1mol/Lよりも多いと、十分なアルカリ洗浄作用が得られるものの、アルカリによるエッチングレートが高くなるので、ガラス組成にナトリウムやカリウムを含む場合にそれらの溶出量が多くなり、洗浄液中におけるナトリウムイオン及びカリウムイオンの調整作業を頻繁に行う必要が生じてくる場合がある。また、非常に厳密な管理が求められる基板の内径や外径にバラツキが生じ、所定の範囲から逸脱してしまう場合がある。また、アルカリ性が強くなりすぎるので、取扱いにも注意を要する。
また、前記アルカリ剤は、ナトリウムイオンやカリウムイオンを捕捉するキレート効果を有するとさらに有効であるが、たとえば有機アルカリ剤のTMEDAは、水に溶解すると強アルカリ性を示すとともに、洗浄液中のナトリウムイオンやカリウムイオンに対するキレート作用を有する。TMEDAがナトリウムイオンやカリウムイオンにキレート配位することによって当該イオンがガラス基板表面へ近づくことを阻害するので、ガラス基板表面の荒れを抑制することができる。また、TMEDAは、洗浄液を循環使用してNaやKを含むガラス基板を連続洗浄する場合に、徐々に洗浄液中に溶出するNaイオンやカリウムイオンにキレート配位するため、洗浄液の表面粗さ上昇抑制効果を長持ちさせることができる。このため、洗浄液のライフサイクルの点では、TMAHよりもTMEDAの方が有効である。上記理由から、TMEDA等のキレート作用のある有機アルカリ剤を使用するとより好ましい。
本発明の第2の実施の形態に関連する他の実施の形態としては、鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.05nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を決定し、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が前記決定した総量以下となる条件を維持して前記洗浄処理を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
このような実施の形態によれば、洗浄によるガラス基板表面の粗さ増大量が所定値以下となるように洗浄処理を行うことができる。
なお、第2の実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同様の構成を適用できる点については、ここでは重複説明を省略する。
また、本発明においては、上記第1の実施の形態で用いた本発明の有機アルカリIと、上記第2の実施の形態で用いたTMEDA、TMEDA誘導体を併用することも好ましい実施の形態である。これによって、洗浄液の連続処理可能時間を大幅に改善することができる。これは、本発明の有機アルカリIによるガラス基板及びシリカ砥粒表面への吸着効果と、ガラス基板から溶出したナトリウムイオンやカリウムイオンに対するTMEDA等のキレート効果の相乗効果によるものと推察される。
本発明の上記実施の形態1、2においては、洗浄処理による表面粗さ(Ra)の増加量、すなわち洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)との差(ΔRa)を0.05nm以下とすることが可能であり、より好ましくは0.04nm以下、さらに好ましくは0.03nm以下とすることも可能である。
また、研磨後の表面粗さにもよるが、洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)を0.2nm以下とすることが可能であり、より好ましくは0.18nm以下、さらに好ましくは0.15nm以下とすることも可能である。
なお、通常、研磨処理は、前記のように研削処理で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨処理と、この第1研磨処理で得られた平坦な表面を維持しつつ、ガラス基板主表面の表面粗さを平滑な鏡面に仕上げる第2研磨処理の2段階を経て行われることが一般的である(但し、3段階以上の多段階研磨を行うこともある)が、この場合、少なくとも後段の第2研磨処理、つまり研磨処理のうちの最終研磨処理の後に行う洗浄処理に本発明の洗浄処理を適用することが好ましい。特に、コロイダルシリカの研磨砥粒を含有する酸性域に調整された研磨液を用いてガラス基板の主表面を研磨する研磨処理の後に行う洗浄処理に本発明の洗浄処理を適用することが好適である。ガラス基板に対して酸性で研磨を行う場合、アルカリ性で研磨する場合に比べて、研磨後の異物の付着量を少なくできるものの、酸によるリーチング作用によってガラス基板表面から一部の元素が抜けて、その後、アルカリ性の洗浄液で洗浄を実施するときにエッチング作用にムラが発生して洗浄後のガラス基板表面が大きく荒れやすい。したがって、本発明を適用することで、低粗さかつ清浄性の高いガラス基板を得ることができる。
本発明においては、ガラス基板を構成するガラス(の硝種)は、アルミノシリケートガラスとすることが好ましい。また、アモルファスのアルミノシリケートガラスとするとさらに好ましい。このようなガラス基板は表面を鏡面研磨することにより平滑な鏡面に仕上げることができ、また加工後の強度が良好である。このようなアルミノシリケートガラスとしては、SiO2が58重量%以上75重量%以下、Al23が5重量%以上23重量%以下、Li2Oが3重量%以上10重量%以下、Na2Oが4重量%以上13重量%以下を主成分として含有するアルミノシリケートガラスを用いることができる。
さらに、例えば、SiO2 を62重量%以上75重量%以下、Al23を5重量%以上15重量%以下、Li2 Oを4重量%以上10重量%以下、Na2Oを4重量%以上12重量%以下、ZrO2 を5.5重量%以上15重量%以下、主成分として含有するとともに、Na2O/ZrO2 の重量比が0.5以上2.0以下、Al23/ZrO2 の重量比が0.4以上2.5以下であるリン酸化物を含まないアモルファスのアルミノシリケートガラスとすることができる。
また、次世代基板の特性として耐熱性を求められる場合もある。この場合の耐熱性ガラスとしては、例えば、モル%表示にて、SiOを50〜75%、Alを0〜6%、BaOを0〜2%、LiOを0〜3%、ZnOを0〜5%、NaOおよびKOを合計で3〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で14〜35%、ZrO、TiO、La、Y、Yb、Ta、NbおよびHfOを合計で2〜9%、含み、モル比[(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)]が0.85〜1の範囲であり、且つモル比[Al/(MgO+CaO)]が0〜0.30の範囲であるガラスを好ましく用いることができる。
本発明においては、上記研磨処理後のガラス基板の表面は、算術平均表面粗さRaが0.20nm以下、特に0.15nm以下、よりいっそう特に0.10nm以下であることが好ましい。更に、最大粗さRmaxが2.0nm以下、特に1.5nm以下、よりいっそう特に1.0nm以下であることが好ましい。なお、本発明においてRa、Rmaxというときは、日本工業規格(JIS)B0601(1982)に準拠して算出される粗さのことである。
また、本発明において上記表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて1μm×1μmの範囲を512×512ピクセルの解像度で測定したときに得られる表面形状の表面粗さとすることが実用上好ましい。
本発明においては、研磨処理の前または後に、化学強化処理を施すことが好ましい。化学強化処理の方法としては、例えば、ガラス転移点の温度を超えない温度領域、で、イオン交換を行う低温型イオン交換法などが好ましい。化学強化処理とは、溶融させた化学強化塩とガラス基板とを接触させることにより、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属元素と、ガラス基板中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属元素とをイオン交換し、ガラス基板の表層に該イオン半径の大きなアルカリ金属元素を浸透させ、ガラス基板の表面に圧縮応力を生じさせる処理のことである。化学強化処理されたガラス基板は耐衝撃性に優れているので、例えばモバイル用途のHDDに搭載するのに特に好ましい。化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属硝酸塩の溶融塩を好ましく用いることができる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって、図1および図2に示すように、両主表面11,11と、その間に外周側端面12、内周側端面13を有するディスク状のガラス基板1が得られる。外周側端面12は、側壁面12aと、その両側の主表面との間にある面取面12b、12bによりなる。内周側端面13についても同様の形状である。
また、本発明は、以上の磁気ディスク用ガラス基板を用いた磁気ディスクの製造方法についても提供する。本発明において磁気ディスクは、本発明による磁気ディスク用ガラス基板の上に少なくとも磁気記録層(磁性層)を形成して製造される。磁性層の材料としては、異方性磁界の大きな六方晶系であるCoCrPt系やCoPt系強磁性合金を用いることができる。磁性層の形成方法としてはスパッタリング法、例えばDCマグネトロンスパッタリング法によりガラス基板の上に磁性層を成膜する方法を用いることが好適である。
また、磁気記録層の上に、保護層、潤滑層等を形成してもよい。保護層としてはアモルファスの炭素系保護層が好適である。また、潤滑層としては、パーフルオロポリエーテル化合物の主鎖の末端に官能基を有する潤滑剤を用いることができる。
本発明によって得られる磁気ディスク用ガラス基板を用いることにより、信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態について具体的に説明する。また、本発明の実施例に対する比較例についても挙げて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の(1)粗研削処理、(2)形状加工処理、(3)精研削処理、(4)端面研磨処理、(5)主表面第1研磨処理、(6)化学強化処理、(7)主表面第2研磨処理、(8)洗浄処理、を経てサンプル1−1の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
(1)粗研削処理
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径66mmφ、厚さ1.0mmの円盤状のアルミノシリゲートガラスからなるガラス基板を得た。なお、このようなダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で製造された板ガラスから所定の大きさに切り出してガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を含有する化学強化用ガラスを使用した。
次いで、このガラス基板に寸法精度及び形状精度の向上させるため粗研削処理を行った。この粗研削処理は両面研削装置を用い、遊離砥粒を用いて行った。具体的には、上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、荷重を適宜設定して、上記研削装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を研削加工した。
(2)形状加工処理
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を65mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。なお、一般に、2.5インチ型HDD(ハードディスクドライブ)では、外径が65mmの磁気ディスクを用いる。
(3)精研削処理
この精研削処理は両面研削装置を用い、ダイヤモンド砥粒をアクリル樹脂で固定したペレットが貼り付けられた上下定盤の間に、キャリアにより保持したガラス基板を密着させて行なった。
具体的には、上記研削装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を研削加工した。
(4)端面研磨処理
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面を鏡面研磨した。
(5)主表面第1研磨処理
次に、上述した研削処理で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨処理を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下研磨定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアを太陽歯車と内歯歯車とに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して各歯車を回転させることによって、遊星歯車機構によりガラス基板が上下定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、第1研磨処理を実施した。研磨液としては、酸化セリウム(平均粒径(50%径)1μm)を研磨剤として水に10重量%分散した研磨液を使用した。ガラス基板表面にかかる荷重は100g/cm、研磨時間は15分とした。
(6)化学強化処理
次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化処理を施した。化学強化処理は、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを混合して溶融させた化学強化液を用意し、ガラス基板を浸漬して行なった。
(7)主表面第2研磨処理
次いで上記の第1研磨処理で使用したものと同様に両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッド(アスカーC硬度で72の発泡ポリウレタン)に替えて第2研磨処理を実施した。この第2研磨処理は、上述した第1研磨処理で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えばガラス基板主表面の表面粗さをRaで0.2nm以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。研磨液としては、コロイダルシリカ(平均粒径(50%径)15nm)を研磨剤として10重量%分散した水中に、硫酸を添加して酸性(pH=2)に調整されたものを使用した。なお、荷重は100g/cm、研磨時間は10分とした。
なおここで、研磨後の表面粗さRaを調べるために、同じロットから1枚の基板を抜き取って水洗浄のみを1200秒間行い、乾燥後、AFMにて上記条件で測定したところ、Raは0.15nmであった。ただし、基板表面にはコロイダルシリカの粒子が大量に付着しており製品としては不合格のレベルであった。
(8)洗浄処理
次に、上記第2研磨処理を終えたガラス基板の洗浄処理を実施した。具体的には、純水にアルカリ洗浄剤として、前出のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)をpH12.5となるように添加した洗浄液(TMAH濃度:約0.3mmol/L)を収容した洗浄槽(液温:常温)中に、超音波をかけながら600秒間浸漬させた。なお、洗浄液は循環使用した。
このとき、TMAHには、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)ものを用いた。なお、この洗浄液をサンプリングしてイオンクロマトグラフィー法を用いてNaイオンとKイオンの濃度を調べたところ、いずれも検出されなかった。
その後、ガラス基板を別の洗浄槽(純水、常温)に浸漬させ、600秒間の超音波洗浄を行い、乾燥した。
上記各処理を経て得られた100枚のガラス基板(サンプル1−1)について、上記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(AFM)にて測定し、第2研磨処理後(洗浄処理前)からのRaの増加分(ΔRaとする)を求めたところ、0.04nmであった。その結果を表1に示した。なお、上記表面粗さの値は製造したガラス基板100枚の平均値である。
(サンプル1−2)
上記洗浄処理の洗浄液として、NaOHを2mmol/L含み、pHが12.5となるようにTMAHの量を調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−3)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)コリン水酸化物を用い、pHが12.5となるようにコリン水酸化物の量を調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−4)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)コリン水酸化物を用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−2と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−5)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシドを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−6)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシドを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−7)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaOHを用い、pHが12.5となるようにNaOHの量を調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。この洗浄液におけるNaイオンの濃度は約300mmol/Lであった。
(サンプル1−8)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、KOHを用い、pHが12.5となるようにKOHの量を調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。この洗浄液におけるKイオンの濃度は約300mmol/Lであった。
(サンプル1−9)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)(3−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−10)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)(4−ヒドロキシブチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−11)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)(6−ヒドロキシヘキシル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル1−12)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)(7−ヒドロキシヘプチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシドを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル1−1と同様にして、洗浄処理を行った。
上記サンプル1−2〜1−12についても、サンプル1−1と同様に、表面粗さの増加量(ΔRa)を測定し、結果を表1にまとめた。なお、表1中の「洗浄液中のNaイオンとKイオンの合計濃度」は、洗浄処理開始直前の濃度であるが、サンプル1−7,1−8以外は、洗浄処理完了後(本実施例では100枚)に濃度を測定して洗浄処理前と同じ値であることを確認した。
Figure 0006467025
表1の結果から、洗浄処理後のガラス基板の主表面の表面粗さRaを所定値以下に低減するためには、洗浄液中にTMAHや本発明の有機アルカリIを含有させる(サンプル1−3〜1−6、1−9〜1−12)とともに、洗浄液に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を制御することが有効であることがわかる。
また、サンプル1−1、1−2とサンプル1−3、1−4との対比からわかるように、アルカリ剤として、TMAHよりも本発明の有機アルカリI(例えばコリン水酸化物)を用いた方が表面粗さの増加量をさらに低減できるので好ましい。本発明の有機アルカリIには上述のとおり、ヒドロキシル基を持つため、ガラス基板表面のシラノール基に吸着してNaイオンやKイオンが当該シラノール基に近づくことを抑制する効果が、ヒドロキシル基を持たないTMAHよりも大きく、その結果、粗さ増加を抑制する効果が高いものと考えられる。
また、サンプル1−5、1−6、1−9〜1−12の結果から、有機アルカリIの分子中のN原子とヒドロキシル基の間の炭素原子数は6個以下のときにΔRaが最も小さくなり好ましいことがわかる。
また、洗浄液に、NaOH又はKOHのアルカリ剤を含有させると(サンプル1−7、1−8)、洗浄後の基板の粗さ上昇が著しい。
さらに、サンプル1−3の条件でガラス基板の製造を連続して行い、同じ洗浄液を循環して用いる場合に連続して処理可能なバッチ数をカウントした(実験1とする)。連続処理可能の判断は、バッチ毎にΔRaを算出し、ΔRaが0.05nm以下を維持しているときとした。
有機アルカリとしてサンプル1−3のコリン水酸化物の代わりにTMEDAのみを用いてpH12.5となるように調整した洗浄液を用いた他は実験1と同様の処理を行い、連続して処理可能なバッチ数をカウントした(実験2とする)。
有機アルカリとしてコリン水酸化物0.2mmolにTMEDAを適宜添加してpH12.5となるように調整した洗浄液(Naイオン、Kイオンの含有量は検出限界以下)を用いた他は実験1と同様の処理を行い、連続して処理可能なバッチ数をカウントした(実験3とする)。
上記実験1〜3で得られた結果を、実験1のカウント数を1として相対比較した。結果を表2に示す。数値が大きいほど、洗浄液の連続処理可能時間が長く、製造コスト低減の上で好ましいことを示す。
Figure 0006467025
まず、実験1と実験2を比較すると、1バッチ目のΔRaについては実験1の方が若干小さく良好であったものの、洗浄液の連続処理可能時間について、実験2は実験1に比べて改善が見られた。これはTMEDAのキレート効果によるものと推察される。一方、実験3では1.6倍と大幅に改善した。これは、コリン水酸化物によるガラス基板及びシリカ砥粒表面への吸着効果と、ガラス基板から溶出したNaイオンやKイオンに対するTMEDAのキレート効果の相乗効果によるものと推察される。
(実施例2)
実施例1と同様に、(1)粗研削処理、(2)形状加工処理、(3)精研削処理、(4)端面研磨処理、(5)主表面第1研磨処理、(6)化学強化処理、(7)主表面第2研磨処理、(8)洗浄処理、を経て実施例(サンプル2−1)の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。なお、(1)粗研削処理〜(7)主表面第2研磨処理については実施例1と同様にして処理を行った。また、(8)洗浄処理については以下のように処理を行った。
(8)洗浄処理
上記第2研磨処理を終えたガラス基板の洗浄処理を実施した。具体的には、純水にアルカリ洗浄剤としてTMAHをpH12.5となるように添加した洗浄液(TMAH濃度約0.3mmol/L)を収容した洗浄槽(液温:常温)中に、超音波をかけながら600秒間浸漬させた。なお、洗浄液は循環使用した。
このとき、TMAHには、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)ものを用いた。なお、この洗浄液をサンプリングしてイオンクロマトグラフィー法を用いてNaイオンとKイオンの濃度を調べたところ、いずれも検出されなかった。
その後、ガラス基板を別の洗浄槽(純水、常温)に浸漬させ、600秒間の超音波洗浄を行い、乾燥した。
上記各処理を経て得られた100枚のガラス基板(サンプル2−1)について、上記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(AFM)にて測定し、第2研磨処理後(洗浄処理前)からのRaの増加分(ΔRaとする)を求めたところ、0.04nmであった。その結果を表3に示した。なお、上記表面粗さの値は製造したガラス基板100枚の平均値である。
また、得られた100枚のガラス基板(サンプル2−1)に対して異物の数を評価した。評価は、得られたガラス基板の主表面をレーザー式表面解析装置にてスキャンし、凸状欠陥(異物付着による凸状欠陥)をカウントして洗浄後の清浄性を評価した。その結果、100カウント以下(下記判定基準におけるレベル2)であり良好であった。なお、上記カウント数は製造したガラス基板100枚の1面あたりの平均値である。なお、下記判定基準に基づいて結果を判定した。
<異物数判定基準>
レベル1:50個以下
レベル2:50個より多く、100個以下
レベル3:100個より多く、150個以下
レベル4:150個より多い
(レベル1,2が合格)
(サンプル2−2)
上記洗浄処理の洗浄液として、KOHを1mmol/L含み、pHが12.5となるようにTMAHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−3)
上記洗浄処理の洗浄液として、NaOHを2mmol/L含み、pHが12.5となるようにTMAHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−4)
上記洗浄処理の洗浄液として、KOHを2mmol/L含み、pHが12.5となるようにTMAHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−5)
上記洗浄処理の洗浄液として、NaOHを4mmol/L含み、pHが12.5となるようにTMAHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−6)
上記洗浄処理の洗浄液として、NaOHを2mmol/Lと、KOHを2mmol/L含み、pHが12.5となるようにTMAHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−7)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)TMEDAを用い、pHが12.5となるようにTMEDAの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−8)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)TMEDAを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル2−4と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−9)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)TMEDAを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル2−6と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−10)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、不純物としてNaイオンとKイオンを合計で6mmol/L含むTMAHを用い、pHが12.5となるように当該TMAHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。なお、この不純物は、TMAHの製造過程で生じたものと推定される。
(サンプル2−11)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaOHを用い、pHが12.5となるようにNaOHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。この洗浄液におけるNaイオンの濃度は約300mmol/Lであった。
(サンプル2−12)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、KOHを用い、pHが12.5となるようにKOHの量を調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。この洗浄液におけるKイオンの濃度は約300mmol/Lであった。
(サンプル2−13)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)N, N, N', N'', N''−ペンタメチルジエチレントリアミンを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−14)
上記洗浄処理の洗浄液として、TMAHの替わりに、NaイオンとKイオンのいずれも含まない(検出限界以下)トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミンを用いてpHが12.5となるように調整した他はサンプル2−1と同様にして、洗浄処理を行った。
(サンプル2−15)
上記洗浄処理の洗浄液として、アニオン界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム(第四級アンモニウムカチオン塩)100mmol/Lを添加し、pHが12.5となるようにTMEDAの量を調整した他はサンプル2−7と同様にして、洗浄処理を行った。なお、この洗浄液においてはNaイオンとKイオンのいずれも検出されなかった。
(サンプル2−16)
上記洗浄処理の洗浄液において、アニオン界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ナトリウム塩)100mmol/Lを添加し、pHが12.5となるようにTMEDAの量を調整した他はサンプル2−7と同様にして、洗浄処理を行った。この洗浄液におけるNaイオンの濃度は約100mmol/Lであった。
上記サンプル2−2〜2−16についても、サンプル2−1と同様に、表面粗さの増加量(ΔRa)と異物数をカウントし、結果を表3及び表4にまとめた。なお、表3中の「洗浄液中のNaイオンとKイオンの合計濃度」は、洗浄処理開始直前の濃度であるが、サンプル2−10〜2−12以外は、洗浄処理完了後(本実施例では100枚)に濃度を測定して洗浄処理前と同じ値であることを確認した。また、表3において結果を示していないサンプルの異物数判定結果は、サンプル2−11及び2−12がレベル1であるほかはいずれもレベル2であり全て合格であった。
Figure 0006467025
表3の結果から、洗浄処理後のガラス基板の主表面の表面粗さRaを所定値以下に低減するためには、洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量を制御する必要がある。特に、表面粗さの増加量(ΔRa)を0.05nm以下とするためには、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量(合計の含有量)を4mmol/L以下に抑えながら洗浄処理を行うことが好ましい。
また、サンプル2−10のように、アルカリ剤としてTMAHを用いる場合であっても、NaイオンやKイオンを不純物として多く含有し、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量が4mmol/Lよりも大きくなってしまうと、ΔRaが大きくなってしまい好ましくない。なお、サンプル2−10ではアルカリ剤としてTMAHを用いているが、本発明の有機アルカリIを用いる場合であっても同様であり、洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの含有量が4mmol/Lよりも大きくなってしまうと、ΔRaが大きくなってしまい好ましくない。
また、サンプル2−4,2−6とサンプル2−8,2−9との対比からわかるように、アルカリ剤としてTMAHよりもTMEDAを用いた方が表面粗さの増加量を低減できるので好ましい。TMEDAには上述のとおり、ガラス基板表面のシラノール基に吸着してNaイオンやKイオンが当該シラノール基に近づくことを抑制する効果と、Naイオン及びKイオンに対するキレート作用の2つの効果があると考えられるので、キレート作用をもたないTMAHよりも粗さ増加を抑制する効果が高いと考えられる。
TMEDAが有利な点について、さらに確認した。サンプル2−1、2−7、2−13、2−14の条件で洗浄液を交換しないで100バッチ分の連続洗浄試験を行い(1バッチは25枚)、100バッチ目のガラス基板についてΔRaを比較したところ、サンプル2−1(TMAH)については1バッチ目と比較するとΔRaは0.01nm増加したが、サンプル2−7、2−13、2−14の条件では1バッチ目とΔRaが同じであった。サンプル2−7、2−13、2−14の条件においては、ガラスから溶出したNaイオンにTMEDAやTMEDAの誘導体がキレート配位することによって、粗さの増加が抑制されたものと考えられる。
Figure 0006467025
表4の結果から、アルカリ剤にアニオン界面活性剤を添加して洗浄処理することで、ガラス基板表面の清浄性をさらに高められることがわかる。ただし、界面活性剤にNaイオンが含まれていると、洗浄液中のNaイオンの含有量が非常に大きくなってしまうので、その結果表面粗さが増大してしまう。Naイオンは、アニオン界面活性剤等のアニオン系添加剤においてカウンターイオンとして用いられることが多いが、本発明のようなアルカリ性条件下でエッチング作用を利用して洗浄を行う際には、表面粗さの増大を引き起こす原因となっていることがわかった。
(磁気ディスクの製造)
上記で得られたサンプル1−3およびサンプル2−7の磁気ディスク用ガラス基板にそれぞれ以下の成膜工程を施して、垂直磁気記録用磁気ディスクを得た。
すなわち、上記ガラス基板上に、CrTi系合金薄膜からなる付着層、CoTaZr合金薄膜からなる軟磁性層、NiWからなるシード層、Ru薄膜からなる下地層、CoCrPt系合金からなる垂直磁気記録層、カーボン保護層、潤滑層を順次成膜した。保護層は、磁気記録層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。また、潤滑層は、アルコール変性パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成した。
得られた磁気ディスクについて、DFHヘッドを備えたHDDに組み込み、80℃かつ80%RHの高温高湿環境下においてDFH機能を作動させつつ1ヶ月間のロードアンロード耐久性試験を行ったところ、特に障害も無く、良好な結果が得られた。
1 ガラス基板
11 基板の主表面
12,13 基板の端面

Claims (13)

  1. 鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    前記洗浄処理に用いる洗浄液は以下の一般式Iで表される有機アルカリを含有し、前記洗浄処理において、前記ガラス基板から溶出したナトリウムイオンまたはカリウムイオンによる洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の増加を、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤の添加、水希釈又は洗浄液の交換により抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
    一般式I
    [(R)N]OH
    (但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
  2. 前記有機アルカリにおいて、N原子と結合する4つのRのうち少なくとも一つは、N原子と結合していない側の末端にヒドロキシル基を有する直鎖アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記有機アルカリにおいて、前記N原子と結合していない側の末端にヒドロキシル基を有する直鎖アルキル基は、N原子とヒドロキシル基の間に2つ以上の炭素原子を有する直鎖アルキル基であることを特徴とする請求項2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を4ミリモル/L以下に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  5. 鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    前記洗浄処理に用いる洗浄液は以下の一般式Iで表される有機アルカリを含有し、
    前記洗浄処理において、前記ガラス基板から溶出したナトリウムイオンまたはカリウムイオンによる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が4ミリモル/L以下となるように、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤の添加、水希釈又は洗浄液の交換により前記総量を抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
    一般式I
    [(R)N]OH
    (但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
  6. 鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    前記洗浄処理に用いる洗浄液は以下の一般式Iで表される有機アルカリを含有し、
    前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.05nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を決定し、前記洗浄処理において、前記ガラス基板から溶出したナトリウムイオンまたはカリウムイオンによる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が前記決定した総量以下となる条件を維持するように、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤の添加、水希釈又は洗浄液の交換により前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
    一般式I
    [(R)N]OH
    (但し、Rはアルキル基を示し、N原子と結合する4つのアルキル基のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基(OH基)を一つ以上有する。)
  7. 前記洗浄液は、さらにN,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  8. 鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、
    前記洗浄処理による前記ガラス基板表面の荒れを低減すべく、前記洗浄処理において、前記ガラス基板から溶出したナトリウムイオンまたはカリウムイオンによる洗浄液中に含まれるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量の増加を、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤の添加、水希釈又は洗浄液の交換により抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  9. 前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を4ミリモル/L以下に抑えながら前記洗浄処理を行うことを特徴とする請求項8に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、
    前記洗浄処理において、前記ガラス基板から溶出したナトリウムイオンまたはカリウムイオンによる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が4ミリモル/L以下となるように、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤の添加、水希釈又は洗浄液の交換により前記総量を抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  11. 鏡面に研磨されたガラス基板の表面にアルカリ性の洗浄液を接触させて洗浄する洗浄処理を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板はガラス成分中にナトリウムとカリウムの少なくとも一方の成分を含有し、
    前記洗浄処理に用いる洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、N,N′−テトラメチルエチレンジアミン、及びN,N′−テトラメチルエチレンジアミンの誘導体から選ばれる少なくとも一種のアルカリ剤を含有し、
    前記洗浄処理前に対する前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)の増大量と、前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量との関係を予め求めておき、求めた前記関係に基づき、前記表面粗さ(Ra)の増大量が0.05nm以下となる前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を決定し、前記洗浄処理において、前記ガラス基板から溶出したナトリウムイオンまたはカリウムイオンによる洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量が前記決定した総量以下となる条件を維持するように、アルカリ金属イオンを捕捉するキレート剤の添加、水希釈又は洗浄液の交換により前記洗浄液中のナトリウムイオンとカリウムイオンの総量を抑制しながら前記洗浄処理を行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  12. 前記洗浄処理後のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)と、前記洗浄処理直前のガラス基板主表面の表面粗さ(Ra)との差が、0.05nm以内であることを特徴とする請求項1乃至5、7乃至10のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  13. 前記洗浄処理は、シリカ研磨砥粒を含有する酸性域に調整された研磨液を用いて前記ガラス基板の主表面を研磨する研磨工程の後に行う洗浄処理であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
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