JP5720499B2 - 基板用ガラスおよびガラス基板 - Google Patents
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Description
また、加熱した硫酸を主成分とする洗浄液を最終工程の洗浄にて使用することも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
前記ガラスAは耐酸性が高いものであり低pHにおける研磨工程や洗浄工程で面荒れが発生しないとされているが、本発明者が80℃の硫酸−過酸化水素混合液でガラスAに属するガラスを洗浄したところむら状の欠点の発生が認められた(後掲図4)。
また、SiO2−Al2O3が56.0%以下である前記基板用ガラスを提供する。
また、前記6成分の含有量の合計が98%以上である前記基板用ガラスを提供する。
また、MgOを0〜2%含有する前記基板用ガラスを提供する。
また、CaO、SrOおよびBaOのいずれも含有しない、または、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含有しそれら含有量の合計が1%以下である前記基板用ガラスを提供する。
また、前記基板が情報記録媒体基板である前記基板用ガラスを提供する。
また、前記情報記録媒体が磁気ディスクである前記基板用ガラスを提供する。
また、前記ガラス基板を化学強化した化学強化ガラス基板を提供する。
また、前記基板用ガラスからなる磁気ディスク用ガラス基板または同基板用ガラスからなるガラス基板を化学強化した化学強化ガラス基板の上に磁気記録層が形成されている磁気ディスクを提供する。
また、化学強化処理を行うことなく情報記録媒体用ガラス基板を製造できるので、工程を減らすことができ、また化学強化処理後の基板表面へのよごれ付着の問題を解決できる。
また、情報記録媒体などに用いられる密度が小さい基板用ガラスを得ることができる。これにより、ドライブ回転時にモーター負荷が低減できるため、低消費電力を達成できる。
また、情報記録媒体などに用いられる平均線膨張係数が大きい基板用ガラスを得ることができる。これにより、金属製のドライブ他部材との熱膨張マッチングが高くなり、温度変動時の発生応力が小さく、基板割れ等が発生しにくくなる。
厚さが1〜2mm、大きさが4cm角のガラス板の両面をコロイダルシリカで鏡面研磨し、端面を酸化セリウム砥粒で鏡面研磨したものを測定サンプルとし、これを60℃、16.6重量%(3.6N)の硫酸に5時間浸漬し、硫酸に溶出したSi量をICP質量分析法で分析して測定した。得られたSi量、ガラス中のSiO2含有量、およびガラスの密度からガラスがエッチングされた量を算出した。すなわち、ガラス中のSiO2の質量百分率表示含有量をP(単位:質量%)、ガラスの密度をd(単位:g/cm3)、硫酸への浸漬時に溶出するSiのガラス板単位面積当たりの溶出量をL(単位:μg/cm2)として、1000×L/(d×P×(Siの原子量)/(SiO2の分子量))を算出し、これをガラス基板の片面当たりのエッチング量(単位:nm)とする。
このエッチング量を5時間=300分で除してこれを硫酸エッチング速度とする。
本発明のガラスの密度dは2.60g/cm3以下であることが好ましい。2.60g/cm3超ではドライブ回転時にモーター負荷がかかって消費電力が大きくなる、またはドライブ回転が不安定になるおそれがある。好ましくは2.54g/cm3以下である。
SiO2はガラスの骨格を形成する成分であり、必須である。62.5%未満では、耐酸性もしくは耐候性が低下する、dが大きくなる、ガラスにキズが付きやすくなる、または液相温度が上昇しガラスが不安定になる。好ましくは63%以上、より好ましくは64%以上、特に好ましくは65%以上である。69%超では、粘度が102dPa・sとなる温度T2および粘度が104dPa・sとなる温度T4が上昇しガラスの溶解、成形が困難となる、EもしくはE/dが低下する、またはαが小さくなる。好ましくは68%以下、より好ましくは67%以下である。
たとえばMgOは液相温度を高くする場合があるが、耐候性を維持したままE、E/dもしくはαを大きくする、ガラスを傷つきにくくする、またはガラスの溶解性を向上させる効果がある場合がある。その場合の含有量は好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下であるが、典型的には含有しない。
ガラスにキズが付きにくくしたい場合にはBaOは1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下である。
EもしくはE/dを高くしたい、または、ガラスにキズが付きにくくしたい場合にはCaOは1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下である。
また、Fe2O3、Co3O4、NiOなどの着色剤を合計で2%まで含有してもよい。
なお、B2O3はアルカリ金属酸化物成分と共存すると非常に揮散しやすくなるため、含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満、好ましくは0.5%未満である。
磁気ディスク用ガラス基板はノートブックパソコン等に用いられる2.5インチ基板(ガラス基板外径:65mm)やポータブルMP3プレーヤなどに用いられる1.8インチ基板(ガラス基板外径:48mm)などに広く使用され、その市場は年々拡大しており、一方で低価格での供給が求められている。このようなガラス基板に使用されるガラスは、大量生産に適したものであることが好ましい。
板ガラスの大量生産はフロート法、フュージョン法、ダウンドロー法などの連続成形法により広く行われており、本発明のガラスは先に述べたようにたとえばフロート成形が可能なガラスであるので大量生産に好適である。
例1〜29のガラスは実施例、例30〜36のガラスは前記ガラスAであり、SiO2−Al2O3が53.3モル%未満である比較例である。
α:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率をガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくなる温度すなわち屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲線から−50〜70℃における平均線膨張係数を算出した。
E:厚さが5〜10mm、大きさが3cm角のガラス板について、超音波パルス法により測定した。
この図から、xが53.3%未満ではwが顕著に大きくなって1.0nm/h超になるようになり、この領域の包絡線を形成している例31と例30からこの増加率を計算すると1.6nm・h−1・%−1である。
さらに、xが53.5%以上の領域の包絡線を形成している例22と例3からこの増加率を計算すると0.17nm・h−1・%−1であり、さらに増加率が小さくなる。
すなわち、xが53.3%未満ではwが大きいだけではなくxの変動によりwが大きく変化するのに対し、xが53.3%以上ではwが小さいだけではなくxの変動によるwの変化も小さくガラスの品質が安定するという顕著な効果を有し、この効果はxが53.5%以上においてより顕著になることが図からわかる。
Claims (11)
- 下記酸化物基準のモル%表示で、SiO2を62.5〜69%、Al2O3を10〜15.5%、Li2Oを8〜16%、Na2Oを0〜8%、K2Oを0.5〜7%、ZrO2を0〜3.5%含有し、SiO2−Al2O3が53.3%以上、Li2O+Na2O+K2Oが17〜24%、上記6成分の含有量の合計が97%以上であり、B 2 O 3 の含有量が1%未満である基板用ガラス。
- SiO2が64〜68%、Al2O3が10〜13%、Li2Oが10〜15%、Na2Oが3〜7%、K2Oが1〜5%、Li2O+Na2O+K2Oが19〜23%である請求項1の基板用ガラス。
- SiO2−Al2O3が56.0%以下である請求項1または2の基板用ガラス。
- 前記6成分の含有量の合計が98%以上である請求項1、2または3の基板用ガラス。
- MgOを0〜2%含有する請求項1〜4のいずれかの基板用ガラス。
- CaO、SrOおよびBaOのいずれも含有しない、または、CaO、SrOおよびBaOのいずれか1成分以上を含有しそれら含有量の合計が1%以下である請求項1〜5のいずれかの基板用ガラス。
- 基板が情報記録媒体基板である請求項1〜6のいずれかの基板用ガラス。
- 情報記録媒体が磁気ディスクである請求項7の基板用ガラス。
- 請求項1〜8のいずれかの基板用ガラスからなるガラス基板。
- 請求項9のガラス基板を化学強化した化学強化ガラス基板。
- 請求項1〜6のいずれかの基板用ガラスからなる磁気ディスク用ガラス基板または同基板用ガラスからなるガラス基板を化学強化した化学強化ガラス基板の上に磁気記録層が形成されている磁気ディスク。
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