JP2008021399A - 情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法、情報記録ガラス基板、情報記録ディスク及びハードディスク装置 - Google Patents

情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法、情報記録ガラス基板、情報記録ディスク及びハードディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
情報記録ガラス基板用のガラス材料の円環強度を化学強化処理を行うことなく改善するとともに、耐アルカリ性を改善する。
【解決手段】
ドーナッツ状の情報記録ガラス基板用ガラス材料の主表面を、表面粗さRa(JIS B 0601)が0.1〜0.9μmの範囲になるように機械的に研磨した後、前記ガラス材料の内周面及び外周面を精密研磨で仕上げ、前記ガラス材料を化学研磨し、更に前記主表面を仕上げ研磨する。化学研磨を行うことにより円環強度が向上して割れにくくなる。また、化学強化処理を行ったものに比べて耐アルカリ性に優れたものとなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法、該ガラス材料を成形、加工した安価な情報記録ガラス基板、さらにその情報記録用ガラス基板の主表面に磁性膜を形成した情報記録ディスク及びこれを組み込んだハードディスク装置に関する。
近年、ハードディスク装置に用いる情報記録ディスクにはガラス製の基板が用いられるようになっている。このような情報記録ガラス基板は、主表面が平滑なほど、硬度が大きいほど、ヤング率が大きいほど好ましい。特開2005−104773号公報(特許文献1)及び特開2005−104774号公報(特許文献2)には、情報記録ガラス基板に適したガラス材料組成が開示されている。この組成のガラス材料は、硬度及びヤング率が大きいので、表面に傷がつきにくく、回転による変形も少なく、靱性にも優れた情報記録ガラス基板を得ることができる。また、このガラス材料は溶融性に優れ泡・脈理などの欠点が生じにくいので、ガラス基板の製造効率にも優れている。
しかし、近年ハードディスクに取り付けた情報記録ディスクは、高速回転で記録を読み取るため、割れないこと、強度が強いこと及び耐アルカリ性(アルカリイオンが溶出しないこと)に優れていることが要求されている。このため、割れにくく、強度を向上する方法として、化学強化処理が施される。しかし、化学強化処理はガラス表面にK、Naが多く存在するため、耐アルカリ性の点で問題がある。また、高温で処理するため、処理費用が高価となる。また、結晶化ガラスを適用することが考えられるが、厳しい製造条件となるため、高価なものとなる。
特開2002−237030号公報(特許文献3)には、化学研磨(エッチング)工程を有するガラス基板の製造方法が開示されている。この製造方法は、研磨工程の後、ガラス基板表面に形成される研磨痕によって圧縮歪みが生じた圧縮層(深さ15μm程度)をエッチングし、表面に3nm以上の突起が無くなるように滑らかにし、フライングハイトを低くすることを目的としている。したがって、特許文献3における化学研磨量は2nm〜15nmで、きわめて研磨量が少ないものである。また、エッチング工程の後に化学強化処理を行うものである。
特開2005−104773号公報 特開2005−104774号公報 特開2002−237030号公報
情報記録ディスクはますます記録情報の高密度化が要請され、これに伴い情報記録ガラス基板もさらに高品質なものが求められている。前記従来のガラス材料は確かに硬度、ヤング率、及び靱性に優れるのであるが、割れにくくする(円環強度を高める)ためには化学強化処理が必要であり、これにより耐アルカリ性が低下するという問題がある。アルカリイオンの溶出は情報記録ディスクの品質を低下させるからである。
本発明は、化学強化処理を行うことなく、情報記録ガラス基板用のガラス材料の強度(円環強度)を改善すると共に、耐アルカリ性にも優れたガラス基板を開発することを目的とする。
(構成1)
本発明は、ドーナッツ状の情報記録ガラス基板用ガラス材料の主表面を、表面粗さRa(JIS B 0601)が0.1〜0.9μmの範囲になるように機械的に研磨した後、前記ガラス材料の内周面及び外周面を精密研磨で仕上げ、前記ガラス材料を化学研磨し、更に前記主表面を仕上げ研磨することを特徴とする情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法に関する。この場合、化学研磨における研磨量が厚み換算で1〜15μmであることが望ましい。また、この場合、情報記録ガラス基板用ガラス材料は、組成が5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0.5〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、1〜15mass%のBと0〜5mass%のKOを含有するものであることが望ましい。また、情報記録ガラス基板用ガラス材料は、組成が5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0.5〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、0〜15mass%のBと0.5〜5mass%のKOを含有するものも望ましい。さらに、上記ガラス材料において、LiO、NaO及びKOの含有量の合計が10〜20mass%であることが望ましい。
また、本発明の情報記録ガラス基板用ガラス材料は、5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、Nb酸化物及び/又はV酸化物を、Nb換算又はV換算で0.1〜10mass%含有するものも望ましい。さらに、5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0〜6mass%のCaO、2〜6mass%のTiO、0〜5mass%のZrO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、Nb酸化物及び/又はV酸化物を、Nb換算又はV換算で0.1〜10mass%含有するものも望ましい。この場合において、前記Nb酸化物は、NbO、NbO、又はNb、又はこれらの組み合わせ、前記V酸化物は、VO、V、V、V、V、VO、V、又はVO、又はこれらの組み合わせとすることができる。
ガラス材料の組成を上記のものとすることで、硬度及びヤング率が大きく、表面に傷がつきにくく、回転による変形が少ない優れた情報記録ガラス基板を得ることができる。また、このガラス材料は溶融性に優れ泡・脈理などの欠点が生じにくいので、ガラス基板の製造効率にも優れている。さらに、靱性に優れるため、製造工程やハンドリング時の基板の割れや、磁気ヘッドが衝突したとき等の衝撃による表面クラックの発生も防止できる。
(構成2)また本発明は、前記構成1の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法で研磨したことを特徴とする情報記録ガラス基板である。
(構成3)また本発明は、前記構成2の情報記録ガラス基板の研磨した主表面に磁性膜を形成したことを特徴とする情報記録ディスクである。
(構成4)また本発明は、前記構成3の情報記録ディスクが組み込まれていることを特徴とするハードディスク装置である。
本発明の情報記録ガラス基板用ガラス材料の製造方法は、化学研磨することにより、ガラス表面のLi濃度とNa濃度が高くなり円環強度が向上する。すなわち、高価な化学強化処理を行うことなく、また高価な結晶化ガラスを使用することなく、安価な方法で円環強度に優れた情報記録ガラス基板用ガラス材料を得ることができる。また、Kイオン、Liイオン及びNaイオンの溶出量が化学強化処理したガラスに比べて少なく、耐アルカリ溶出性に優れる。
しかも、本発明の情報記録ガラス基板及び情報記録ディスクは、製造効率に優れ、研磨時に発生したマイクロクラックが低減して強度低下が防止されるので割れにくく、更に硬度及びヤング率に優れるため磁気ヘッドが衝突したときに主表面にクラックが発生しにくいという特徴を有する。また、耐アルカリ性に優れるので、スパッタ処理時の欠陥発生がなくなる。
以下、本発明の内容を説明する。本発明に適用するガラス基板のガラス材料としては、通常の酸化物ガラスを用いることができるが、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス等が挙げられる。例えば、このような組成のガラスの一例としては、5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiO2、Nb酸化物および/またはV酸化物をNb換算またはV換算で0.1〜10mass%含有するガラス材料、5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、0〜5mass%のZrO、53〜75mass%のSiO2、Nb酸化物および/またはV酸化物をNb換算またはV換算で0.1〜10mass%含有するガラス材料、あるいは5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0.5〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、0〜5mass%のZrO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ0〜15mass%のBと0〜5mass%のKOを含有するガラス材料などを挙げることができる。特に、5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0.5〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、0〜5mass%のZrO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ0〜15mass%のBと0〜5mass%のKOを含有するガラス材料を使用すると特に効果が大きい。
上記した特に効果が大きい本発明の情報記録ガラス基板用ガラス材料の各成分の適正範囲については、下記の通りである。
(NaOの含有率について)
NaOは、5mass%未満では、十分な溶融性を得ることができず、15mass%を越えると化学的耐久性が悪くなるので、5〜15mass%の範囲が望ましい。
(LiOの含有率について)
LiOは、溶融性を良くする効果があるが、10mass%を越えると化学的耐久性が悪くなるので、0〜10mass%の範囲が望ましい。
(Alの含有率について)
Alは、5mass%未満では、化学的耐久性が悪くなり、15mass%を越えると失透を生じやすくなるので、5〜15mass%の範囲が望ましい。
(CaOの含有率について)
CaOは、硬度を高め溶融性を良くする効果があるが、0.5mass%未満では、その効果が十分でない。また、TiOと併用する場合、6mass%を越えると失透を生じやすくなるので、0.5〜6mass%の範囲が望ましい。
(TiOの含有率について)
TiOは、2mass%未満では、硬度及びヤング率を高める効果が十分でなく、10mass%を越えると結晶化しやすいので、2〜10mass%の範囲が望ましい。
(SiOの含有率について)
SiOは、53mass%未満では、化学的耐久性が悪くなり、75mass%を越えると溶融性が悪くなるので、53〜75mass%の範囲が望ましい。
(Bの含有率について)
上記組成にBを加えることで、硬度、ヤング率の特性を損なうことなく、研磨時のマイクロクラック、衝撃時のクラックの発生を抑制できる。これはガラスの靱性が改善されるためであると考えられる。Bの含有量は0〜15mass%が適当で、より好ましくは1〜15mass%である。Bは含まれなくても良いが、1mass%未満であるとクラック発生の抑制効果が十分でなく、15mass%を超えるとホウ素が3配位となってヤング率が低下し好ましくない。Bが含まれない場合、KOは少なくとも0.5mass%含まれる必要がある。
(KOの含有率について)
上記組成にKOを加えることで、硬度、ヤング率が低減することなく比重、熱膨張率を調整できる。比重、熱膨張率は、各ハードディスク装置によって適正な値(範囲)が指定される場合が多いのであるが、KOを適宜量加えることで品質を低下させることなく適正な値(範囲)に調整可能となる。KOの含有量は5mass%以下が適当で、ヤング率の低下及び比重の上昇を生じるため望ましくない。また、Bの含有量が0〜15mass%の場合、KOの含有率は0.5mass%未満であると比重・熱膨張率を調整できる範囲が狭くなり、混合アルカリ効果も小さいので、0.5mass%以上であることが望ましい。特に、Bを添加した場合、ガラス材料の比重及び熱膨張率が低下するが、KOを適宜量加えることで品質を低下させることなく比重及び熱膨張率を大きくし、所望の値(範囲)に調整することができる。なお、Bを添加した場合で、比重、熱膨張率を調整する必要がない場合には、KOを添加しなくともよい。
上記の組成において、LiO、NaO及びKOの含有量の合計が10〜20mass%であることがより望ましい。20mass%を越えると、アルカリ溶出が問題となり、情報記録ガラス基板として使用するのが困難となり、逆に10mass%未満であると、溶融性が悪くなる。
(Nb酸化物の含有量について)
Nb酸化物の含有量はそれぞれNb換算で0.1〜10mass%が望ましい。Nb換算とは、ガラス材料が含有するNb酸化物が全てNbであると仮定した場合のNb酸化物の質量(mass)%である。0.1mass%未満であると、クラック発生の抑制効果が十分でなく、10mass%を超えると、密度が大きくなり好ましくない。
ガラス材料中、Nb酸化物はNbO、NbO/又はNbのいずれの形で存在してもよいし、またこれらのうちの2種以上の酸化物が混在した状態でもよい。すなわち、Nb酸化物がどのような形であっても、クラック発生を抑制する効果に影響はないからである。
(V酸化物の含有量について)
V酸化物の含有量はV換算で0.1〜10mass%が適当である。V換算とは、ガラス材料が含有するV酸化物が全てVであると仮定した場合のV酸化物の質量mass%である。0.1mass%よりも少ないとクラック発生の抑制効果が十分でなく、10mass%を超えると、Vの場合、硬度低下を生じ好ましくない。
ガラス材料中、V酸化物はVO、V、V、V、V、VO、V又はVOのいずれの形で存在してもよいし、またこれらのうちの2種以上の酸化物が混在した状態でもよい。V酸化物がどのような形であっても、クラック発生を抑制する効果に影響はないからである。
本発明のガラス材料は、上記に示すように、所定の組成となるように原材料を混合、溶融し、従来の情報記録ガラス原板用ガラス材料と同様の工程で得ることができる。成形法は従来のガラス基板の成形法と同様でよく、プレス成形で円板状に成形する方法、円筒状に成形した後に円板状にスライスカットする方法などが適用できる。円板状に成形した情報記録ガラス基板用ガラス材料の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.2〜1.8mmの範囲のものとすることができる。
円板状に成形した情報記録ガラス原板用ガラス材料に、エッジ加工(外周加工及び内周加工)を施して所定の外径、内径を有するドーナツ状の情報記録ガラス基板用ガラス材料を得る。エッジ加工は、例えばコアドリルなどで外径を切断し、内孔をくり抜いて行われる。ただし、外径の切断工程は省略されることがある。その後主表面を、表面粗さRa(JIS B 0601)が0.1〜0.9μmの範囲となるように機械研磨する。Raが0.1μm未満では、研磨時間が長くなり、不経済である。逆に0.9μmを超えると、後の工程である仕上げ研磨(化学的かつ機械的研磨)において、研磨時間が長くなり、不経済となる。この機械研磨は、通常数段階に分けて徐々に主表面の平滑度が増すように、所定の厚さとなるまで行われる。次に、内周面および外周面の精密研磨(チャンファーポリッシュ)を行う。これは、厳密に規定された外径寸法、外周形状(面取り形状)、内径寸法、内周形状(面取り形状)となるように精密に研磨する工程である。
次に、前記ガラス材料を化学研磨する。化学研磨量として厚み換算で1〜15μmが望ましい。この範囲とすることで、平均円環強度が98N以上となり、充分情報記録ガラス原板用ガラス材料として使用できる。すなわち、円環強度を向上するために、化学強化処理は不要である。また、円環強度に優れるが高価な結晶化ガラスを使用する必要もない。安価なガラスを用いて、容易に円環強度に優れた情報記録ガラス原板用ガラス材料を得ることができる。化学研磨は、少なくとも内周面と主表面に行えばよいが、ガラス材料を化学研磨液に浸漬するのが簡便な処理方法であるので、ガラス材料の外面全体に行うのが現実的である。
化学研磨量は厚み換算で1μm未満では、円環強度が十分改善されず、情報記録用として使用できない。一方、厚み換算で15μmを超えると、円環強度の向上が飽和し、処理時間が長くなり不経済である。なお、15μmを超えると、研磨面が荒くなり、後の仕上げ研磨時間が長く必要となる。なお、1〜15μmの化学研磨を行った後も、化学研磨前と表面粗さRaはほとんど変わらない。化学研磨液の組成としては、0.5〜5体積%フッ酸と5〜50体積%硫酸を混合したものが望ましいが、これに限るものではない。この場合、界面活性剤を少し添加しても良い。化学研磨温度としては室温〜70℃の範囲が望ましく、この温度の化学研磨液にガラス材料を浸漬して表面を浸食させる。この化学研磨処理により、ガラス表面層において、図2、3に示すように、LiあるいはNa濃度が高くなり、円環強度が向上する。
化学研磨処理後、主表面を機械的に仕上げ研磨(ポリッシュ)する。主表面の仕上げ研磨は、例えばコロイダルシリカなどの研磨剤を用い研磨ブラシで研磨する方法などの従来方法を採用できる。
本発明の情報記録ディスクは、本発明のガラス基板の主表面に磁性膜を形成したものである。磁性膜は、例えば、下から順次、Cr層からなる下地層、Co−Ni−Cr等からなる記録層である磁性膜層、保護層、潤滑層からなるものが揚げられる。このような磁性膜は周知の方法(例えばスパッタ処理)で形成できる。
本発明の情報記録ディスクは、従来の情報記録ディスクと全く同様にハードディスク装置に組み込むことができる。ハードディスク装置は、情報記録ディスク、その駆動手段、読み出し書き込み手段などがユニット化されたもので、情報を磁気記録し、記録情報を読み出しできるものであればよい。
表1に実施例1〜5及び比較例1組成を示す。
実施例のガラス材料としては、プレス成形により外径φ67〜68mm、内径20mm、厚さ1mm程度のドーナッツ状に成形し、所定寸法に加工したものを用いた。このガラス材料を、図4に示す工程で研磨、仕上げを行った。図4において、「1stラップ」は主表面を粗く削る機械的研磨、「エッジ加工」は外周及び内周の粗い研磨、「2ndラップ」は主表面をきめ細かく削る機械研磨で、この時点で表面粗さRa(JIS B 0601)が0.1〜0.9μmとなるようにした(表2)。「チャンファーポリッシュ」は内外径の精密研磨、「ポリッシュ」は最終的な仕上げ研磨である。ポリッシュは、研磨ブラシ及び研磨剤の粒径を変えて2段階で行った。化学研磨処理液としては、3体積%フッ酸と9.5体積%硫酸を含んだ温度40℃の処理液を用いた。化学研磨量は、実施例1では厚み換算で2μm、実施例2では厚み換算で4μm、実施例3では厚み換算で5μm、実施例4では厚み換算で7μm、実施例5では厚み換算で10μm行った。各サンプル10枚について円環強度とアルカリ溶出量を測定した。なお、比較サンプルとして化学研磨処理しないガラス基板(比較例1)、化学強化処理したガラス基板(比較例2)、及び結晶化ガラス(比較例3)を用いた。
(円環強度測定)
円環強度測定は次のように行った。図1に示すように、内径60mmの円筒状の台2の上にガラス基板1を載せ、外径28.57mmの剛球3をガラス基板1の内径部に置き、剛球に荷重をかけて、ガラス基板が破損したときの荷重を円環強度とした。
(耐アルカリ性)
ガラス基板10枚を、80℃の純水中に1週間浸漬し、ガラス基板1枚当たりのKイオン、Naイオン、Liイオンの溶出量を原子吸光法で測定した。
表2に示すように、実施例1〜5との比較例1〜3とを比較すると、比較例1は円環強度が59Nに対して、実施例1〜5は98N以上で良好であった。実施例1〜5は化学強化処理したガラス基板(比較例2)の98Nと同程度の円環強度を示し、結晶化ガラス(比較例3)69Nに比べて高い円環強度を示した。実施例1のサンプルを用いて、化学研磨前後の表面をダイナミック−SIMSにより、表層から約40nmの厚さまで元素を分析した。測定結果を図2〜3に示し、図中アルファベットは測定元素を示す。縦軸は測定元素の強度を表し、横軸は、0は最表層であり、右に行くに従い深さ方向を示す。図2〜3に示すように、本発明の情報記録ガラス基板用ガラス材料の製造方法は、化学研磨することにより、ガラス表面のLi濃度とNa濃度が高くなり円環強度が向上するもの考えられる。また、化学研磨処理しても、表面粗さRaはほとんど変化せず、後の主表面仕上げ研磨(ポリッシュ)に対して負荷を与えることはない。
また、耐アルカリ性は、比較例2(化学強化処理したガラス基板)より良好であり、比較例1と比較例3に比べて同程度であった。
本発明は、化学研磨処理することにより円環強度が向上し、結晶化ガラスに比べて円環強度が高く、化学強化処理したガラス基板と同程度の円環強度を示した。
また、本発明は、耐アルカリ性にも優れる。
円環強度測定の概略図である。 化学研磨前のダイナミック−SIMSによる基板表面の分析結果を示す図である。 化学研磨後のダイナミック−SIMSによる基板表面の分析結果を示す図である。 基板用ガラス材料の研磨、仕上げ工程の説明図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 台
3 鋼球

Claims (11)

  1. ドーナッツ状の情報記録ガラス基板用ガラス材料の主表面を、表面粗さRa(JIS B 0601)が0.1〜0.9μmの範囲になるように機械的に研磨した後、前記ガラス材料の内周面及び外周面を精密研磨で仕上げ、前記ガラス材料を化学研磨し、更に前記主表面を仕上げ研磨することを特徴とする情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  2. 前記化学研磨における研磨量が厚み換算で1〜15μmである請求項1記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  3. 前記情報記録ガラス基板用ガラス材料は、組成が5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0.5〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、1〜15mass%のBと0〜5mass%のKOを含有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  4. 前記情報記録ガラス基板用ガラス材料は、組成が5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0.5〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、0〜15mass%のBと0.5〜5mass%のKOを含有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  5. 前記ガラス材料において、LiO、NaO及びKOの含有量の合計が10〜20mass%であることを特徴とする請求項3又は4記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  6. 前記情報記録ガラス基板用ガラス材料は、組成が5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0〜6mass%のCaO、2〜10mass%のTiO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、Nb酸化物及び/又はV酸化物を、Nb換算又はV換算で0.1〜10mass%含有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  7. 前記情報記録ガラス基板用ガラス材料は、組成が5〜15mass%のNaO、0〜10mass%のLiO、5〜15mass%のAl、0〜6mass%のCaO、2〜6mass%のTiO、0〜5mass%のZrO、53〜75mass%のSiOを含有し、かつ、Nb酸化物及び/又はV酸化物を、Nb換算又はV換算で0.1〜10mass%含有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  8. 前記Nb酸化物がNbO、NbO、又はNb、又はこれらの組み合わせであり、前記V酸化物がVO、V、V、V、V、VO、V、又はVO、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項6又は7記載の情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかの情報記録ガラス基板用ガラス材料の研磨方法で研磨した情報記録ガラス基板。
  10. 請求項9記載の情報記録ガラス基板の主表面に磁性膜を形成したことを特徴とする情報記録ディスク。
  11. 請求項10の情報記録ディスクが組み込まれていることを特徴とするハードディスク装置。
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