JPWO2016038877A1 - マイコプラズマを検出する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出するためのフォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセットであって、
前記セットが、1種又は2種以上のフォワードプライマーと、2種又は3種以上のリバースプライマーと、1種又は2種以上のプローブとを含み、
前記プローブが、前記フォワードプライマー及び前記リバースプライマーによる増幅産物を特異的に検出するためのプローブであり、
前記フォワードプライマーが、配列番号1のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号1のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列(caaggtatccc)を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記リバースプライマーが、配列番号14、17〜20の1種又は2種以上のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記プローブが、配列番号33のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、セットや、
(2)1種又は2種以上のフォワードプライマーが、配列番号1のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号1のヌクレオチド番号14〜27のヌクレオチド配列(caaggtatccctac)を含むヌクレオチド配列からなる1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)に記載のセットや、
(3)1種又は2種以上のフォワードプライマーが、以下の(A)及び(B)からなる群から選択される1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のセット:
(A):配列番号2のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号2のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー:
(B):配列番号3のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号3のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー:や、
(4)2種のフォワードプライマーを含み、前記2種のフォワードプライマーが、配列番号4〜7、11及び12から選択されるいずれかのヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号13のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のセットや、
(5)リバースプライマーの少なくとも1種が、配列番号14のヌクレオチド番号3〜20のヌクレオチド配列(wsccaaggcatccaccah)を含むオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のセットや、
(6)2種又は3種以上のリバースプライマーが、以下の(C1)、(C2−1)、(C2−2)、(C2−3)、(D)、(E1)、(E2)、(F)及び(G)から選択される2種又は3種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセット:
(C1):配列番号15のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(C2−1):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(C2−2):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがcで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(C2−3):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがtであるヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(D):配列番号17のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(E1):配列番号18のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号2のsがgであり、ヌクレオチド番号4及び9のrがgであるヌクレオチド配列のうち、17個〜24個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(E2)配列番号18のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号2のsがcであり、ヌクレオチド番号4及び9のrがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜24個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(F):配列番号19のヌクレオチド配列のうち、17個〜25個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(G):配列番号20のヌクレオチド配列のうち、17個〜23個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:や、
(7)2種又は3種以上のリバースプライマーが、以下のオリゴヌクレオチドから選択される2種又は3種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のセット:
配列番号21のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号22のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号24のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号25のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号26のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号27のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号17のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号28のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号29のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号19のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号20のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:や、
(8)プローブが、配列番号33のヌクレオチド番号7〜16のヌクレオチド配列(sggrtggaty)又はその相補的なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のセットや、
(9)1種又は2種以上のプローブが、以下の(H)〜(L)から選択される1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のセット:
(H)配列番号34のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(I)配列番号35のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(J)配列番号36のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(K)配列番号37のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(L)配列番号38のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:や、
(10)1種又は2種以上のプローブが、以下の(h)〜(l)から選択される1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のセット:
(h)配列番号39のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(i)配列番号40のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(j)配列番号41のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(k)配列番号42のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(l)配列番号43のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:や、
(11)プローブが、5’末端を蛍光物質で、3’末端を消光物質で修飾されているTaqMan(登録商標)プローブであることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のセットに関する。
(12)マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出するためのキットであって、
前記キットが、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のフォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセットと、固体支持体とを備え、前記プローブが前記固体支持体上に固定されていることを特徴とする、キットに関する。
(13)マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出する方法であって、
(a)被検試料からDNAを抽出する工程a:
(b)上記工程aで抽出したDNAを鋳型とし、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のセット又は上記(12)に記載のキットにおけるフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いてマルチプレックスリアルタイム定量PCRを行う工程b:及び、
(c)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のセット又は上記(12)に記載のキットにおけるプローブを用いて、上記工程bにおけるマルチプレックスリアルタイム定量PCRによる増幅産物を検出することにより、前記被検試料中にマイコプラズマが存在しているか否かを検出する工程c:
を含む方法や、
(14)工程cにおける、マルチプレックスリアルタイム定量PCRによる増幅産物の検出が、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のセット又は上記(12)に記載のキットにおけるプローブとの特異的なハイブリダイゼーションが生じるか否かを検出することによりなされることを特徴とする上記(13)に記載のマイコプラズマを検出する方法や、
(15)マイコプラズマ・アルギニニ(Mycoplasma arginini)、マイコプラズマ・ブカーレ(Mycoplasma buccale)、マイコプラズマ・ファウシウム(Mycoplasma faucium)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・オラーレ(Mycoplasma orale)、マイコプラズマ・サリバリウム(Mycoplasma salivarium)、マイコプラズマ・フェルメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・リポフィラム(Mycoplasma lipophilum)、マイコプラズマ・プリマタム(Mycoplasma primatum)、マイコプラズマ・ハイオリニス(Mycoplasma hyorhinis)、マイコプラズマ・シノビアエ(Mycoplasma synoviae)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ニューモニアエ(Mycoplasma pneumoniae)、アコレプラズマ・レイドラウィイ(Acholeplasma laidlawii)、ウレアプラズマ・ウレアリティカム(Ureaplasma urealyticum)、マイコプラズマ・ガリセプティカム(Mycoplasma gallisepticum)及びスピロプラズマ・シトリ(Spiroplasma citri)からなる群から選択される1種又は2種以上のマイコプラズマの検出限界感度が10cfu/mL以下であることを特徴とする上記(13)又は(14)に記載のマイコプラズマを検出する方法に関する。
本発明のフォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセット(以下、単に「本発明のセット」とも表示する。)としては、マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出するためのフォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセットであって、前記セットが1種又は2種以上のフォワードプライマーと、2種又は3種以上のリバースプライマーと、1種又は2種以上のプローブとを含み、前記プローブは、前記フォワードプライマー及び前記リバースプライマーによる増幅産物を特異的に検出するためのプローブであり、前記フォワードプライマーが、配列番号1のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号1のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記リバースプライマーが、配列番号14、17〜20の1種又は2種以上のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記プローブが、配列番号33のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドである限り特に制限されない。
(A):配列番号2のヌクレオチド配列(配列番号1のヌクレオチド番号24のヌクレオチドsがcであるヌクレオチド配列)のうち、17個〜30個(好ましくは17個〜26個、より好ましくは17個〜23個、さらに好ましくは18個〜22個、さらにより好ましくは19〜21個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号2のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー:(F1系のフォワードプライマーの上位概念)
(B):配列番号3のヌクレオチド配列(配列番号1のヌクレオチド番号24のヌクレオチドsがgであるヌクレオチド配列)のうち、17個〜30個(好ましくは17個〜26個、より好ましくは17個〜23個、さらに好ましくは18個〜22個、さらにより好ましくは19〜21個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号3のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー:(F2フォワードプライマーの上位概念)
(A1):配列番号2のヌクレオチド番号8〜30のヌクレオチド配列(F1フォワードプライマーの5’末端に2塩基、3’末端に2塩基延ばした配列)のうち、17個〜21個(好ましくは18個〜20個、より好ましくは19個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(F1フォワードプライマーの上位概念)
(A2):配列番号2のヌクレオチド番号9〜30のヌクレオチド配列(M1フォワードプライマーの5’末端に2塩基、3’末端に1塩基延ばした配列)のうち、17個〜21個(好ましくは18個〜20個、より好ましくは19個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(M1フォワードプライマーの上位概念)
(A3):配列番号2のヌクレオチド番号6〜28のヌクレオチド配列(TFフォワードプライマーの5’末端に2塩基、3’末端に2塩基延ばした配列)のうち、17個〜21個(好ましくは18個〜20個、より好ましくは19個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(TFフォワードプライマーの上位概念)
(A4):配列番号2のヌクレオチド番号9〜30のヌクレオチド配列(MyTF−1フォワードプライマーの5’末端に2塩基延ばした配列)のうち、18個〜22個(好ましくは19個〜21個、より好ましくは20個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(MyTF−1フォワードプライマーの上位概念)
(A5):配列番号2のヌクレオチド番号4〜26のヌクレオチド配列(MyTF−5フォワードプライマーの5’末端に2塩基、3’末端に2塩基延ばした配列)のうち、17個〜21個(好ましくは18個〜20個、より好ましくは19個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(MyTF−5フォワードプライマーの上位概念)
(A6):配列番号2のヌクレオチド番号5〜29のヌクレオチド配列(MyTF−6フォワードプライマーの5’末端に2塩基、3’末端に2塩基延ばした配列)のうち、19個〜23個(好ましくは20個〜22個、より好ましくは21個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(MyTF−6フォワードプライマーの上位概念)
(B1):配列番号3のヌクレオチド番号8〜30のヌクレオチド配列(F2プライマーフォワードの5’末端に2塩基、3’末端に2塩基延ばした配列)のうち、17個〜21個(好ましくは18個〜20個、より好ましくは19個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(F2フォワードプライマーの上位概念)
(a1):配列番号4のヌクレオチド配列(配列番号2のヌクレオチド番号10〜28のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(F1フォワードプライマー)
(a2):配列番号5のヌクレオチド配列(配列番号2のヌクレオチド番号11〜29のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(M1フォワードプライマー)
(a3):配列番号6のヌクレオチド配列(配列番号2のヌクレオチド番号8〜26のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(TFフォワードプライマー)
(a4):配列番号7のヌクレオチド配列(配列番号2のヌクレオチド番号11〜30のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(MyTF−1フォワードプライマー)
(a5):配列番号11のヌクレオチド配列(配列番号2のヌクレオチド番号6〜24のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(MyTF−5フォワードプライマー)
(a6):配列番号12のヌクレオチド配列(配列番号2のヌクレオチド番号7〜27のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(MyTF−6フォワードプライマー)
(b1):配列番号13のヌクレオチド配列(配列番号3のヌクレオチド番号10〜28のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(F2フォワードプライマー)
(C):配列番号14のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個(好ましくは18個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R1系及びR4系のリバースプライマーの上位概念)
(D):配列番号17のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個(好ましくは18個〜26個、より好ましくは20個〜26個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R2リバースプライマーの上位概念)
(E):配列番号18のヌクレオチド配列のうち、17個〜24個(好ましくは18個〜22個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R3及びR6のリバースプライマーの上位概念)
(F):配列番号19のヌクレオチド配列のうち、17個〜25個(好ましくは18個〜25個、より好ましくは20個〜25個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R5リバースプライマーの上位概念)
(G):配列番号20のヌクレオチド配列のうち、17個〜23個(好ましくは18個〜23個、より好ましくは20個〜23個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R7リバースプライマーの上位概念)
(C1):配列番号15のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個(好ましくは18個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R1系のリバースプライマーの上位概念)
(C2):配列番号16のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個(好ましくは20個〜26個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R4系のリバースプライマーの上位概念)
(c1−1):配列番号21のヌクレオチド配列(配列番号15のヌクレオチド番号1〜23のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(R1リバースプライマー)
(c1−2):配列番号22のヌクレオチド配列(配列番号15のヌクレオチド番号1〜22のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(M6−2リバースプライマー)
(c1−3):配列番号24のヌクレオチド配列(配列番号15のヌクレオチド番号3〜20のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(TR−2リバースプライマー)
(C2−1):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列(配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20〜23のヌクレオチド配列(mawa)が、配列番号30(aaaa)であるヌクレオチド配列)のうち、17個〜26個(好ましくは18個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R4−1リバースプライマーの上位概念)
(C2−2):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがcで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列(配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20〜23のヌクレオチド配列(mawa)が、配列番号31(caaa)であるヌクレオチド配列)のうち、17個〜26個(好ましくは18個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R4−2リバースプライマーの上位概念)
(C2−3):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがtであるヌクレオチド配列(配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20〜23のヌクレオチド配列(mawa)が、配列番号32(aata)であるヌクレオチド配列)のうち、17個〜26個(好ましくは18個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R4−3リバースプライマーの上位概念)
(c2−1):配列番号25のヌクレオチド配列(配列番号16のヌクレオチド番号3〜26のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(R4−1リバースプライマー)
(c2−2):配列番号26のヌクレオチド配列(配列番号16のヌクレオチド番号3〜26のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがcで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(R4−2リバースプライマー)
(c2−3):配列番号27のヌクレオチド配列(配列番号16のヌクレオチド番号3〜26のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがtであるヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(R4−3リバースプライマー)
(d)配列番号17のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R2リバースプライマー)
(E1):配列番号18のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号2のsがgであり、ヌクレオチド番号4及び9のrがgであるヌクレオチド配列のうち、17個〜24個(好ましくは18個〜22個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R3リバースプライマーの上位概念)
(E2)配列番号18のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号2のsがcであり、ヌクレオチド番号4及び9のrがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜24個(好ましくは18個〜22個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R6リバースプライマーの上位概念)
(e1):配列番号28のヌクレオチド配列(配列番号18のヌクレオチド番号5〜24のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号9のrがgであるヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(R3リバースプライマー)
(e2):配列番号29のヌクレオチド配列(配列番号18のヌクレオチド番号5〜24のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号9のrがaであるヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(R6リバースプライマー)
(f)配列番号19のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R5リバースプライマー)
(g)配列番号20のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(R7リバースプライマー)
(H):配列番号34のヌクレオチド配列(配列番号33のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号33のsがgであり、rがaであり、yがcである配列)のうち、17個〜26個(好ましくは19個〜25個、より好ましくは20個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(P1−1プローブの上位概念)
(I):配列番号35のヌクレオチド配列(配列番号33のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号33のsがgであり、rがgであり、yがtである配列)のうち、17個〜26個(好ましくは19個〜25個、より好ましくは20個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(P1−2プローブの上位概念)
(J):配列番号36のヌクレオチド配列(配列番号33のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号33のsがgであり、rがaであり、yがtである配列)のうち、17個〜26個(好ましくは19個〜25個、より好ましくは20個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(P1−3プローブの上位概念)
(K):配列番号37のヌクレオチド配列(配列番号33のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号33のsがgであり、rがgであり、yがcである配列)のうち、17個〜26個(好ましくは19個〜25個、より好ましくは20個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(P1−4プローブの上位概念)
(L):配列番号38のヌクレオチド配列(配列番号33のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号33のsがcであり、rがaであり、yがcである配列)のうち、17個〜26個(好ましくは19個〜25個、より好ましくは20個〜24個)の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:(P2プローブの上位概念)
(h):配列番号39のヌクレオチド配列(配列番号34のヌクレオチド番号2〜23のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(P1−1プローブ)
(i):配列番号40のヌクレオチド配列(配列番号35のヌクレオチド番号2〜23のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(P1−2プローブ)
(j):配列番号41のヌクレオチド配列(配列番号36のヌクレオチド番号2〜23のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(P1−3プローブ)
(k):配列番号42のヌクレオチド配列(配列番号37のヌクレオチド番号2〜23のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(P1−4プローブ)
(l):配列番号43のヌクレオチド配列(配列番号38のヌクレオチド番号2〜23のヌクレオチド配列)からなるオリゴヌクレオチド:(P2プローブ)
上記プローブ(L)及び(l)は、例えば、スピロプラズマ・シトリの検出に適している。
本発明のマルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出するためのキット(以下、単に「本発明のキット」とも表示する。)としては、フォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセットと、固体支持体とを備え、前記プローブが前記固体支持体上に固定されている限り特に制限されない。固体支持体上に固定されているプローブを用いると、増幅産物をより迅速に検出し得る点で好ましい。本発明における「固体支持体」とは、プローブのオリゴヌクレオチドを結合できる基材を意味し、例えば、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)、膜(ナイロン、ニトロセルロースなど)、ビーズ(樹脂など)、金属微粒子、基板(ガラス、シリコン、樹脂など)などが挙げられる。固体支持体上へのプローブの固定化は、共有結合、非共有結合のいずれを利用してもよく、マイクロプレートを用いる場合、そのウェル内にプローブ溶液を滴下して単に乾燥させるだけであってもよい。
本発明のマイコプラズマを検出する方法は、マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出する方法であって、
(a)被検試料からDNAを抽出する工程a:
(b)上記工程aで抽出したDNAを鋳型とし、本発明のプライマー対のセット又は本発明のキットを用いてマルチプレックスリアルタイム定量PCRを行う工程b:及び、
(c)上記工程bにおけるマルチプレックスリアルタイム定量PCRによる増幅産物を検出することにより、前記被検試料中にマイコプラズマが存在するか否かを検出する工程c:
を含む方法である限り特に制限されない。かかる方法によって、より多種のマイコプラズマを、より迅速・簡便・高感度・高精度に検出することができる。
マイクロチューブに、被検試料を200μL採取する。マイクロチューブ内のサンプルに、20μLのプロテイナーゼK、及び、200μLのBuffer ALを添加した後、ボルテックスを用いて15秒間撹拌する。マイクロチューブを、56℃で10分間保温する。サンプルに200μLのエタノール(100%)を添加した後、ボルテックスを用いて15秒間攪拌する。サンプルをQIAamp Mini spin Column(2mL collection tube付属)に移した後、室温及び6000×gで1分間遠心する。前述のQIAamp Mini spin Columnを新しい2mL collection tubeに移し、サンプルに500μLのBuffer AW1を加える。室温及び6000×gで1分間遠心する。前述のQIAamp Mini spin Columnを新しい2mL collection tubeに移し、サンプルに500μLのBuffer AW2を加える。室温及び20000×gで3分間遠心する。前述のQIAamp Mini spin Columnを新しい2mL collection tubeに移した後、室温及び20000×gで1分間遠心する。前述のQIAamp Mini spin Columnを1.5 mL tubeに移し、メンブレンに200μLのBuffer AEを加える。室温で1分間保温した後、室温及び6000×gで1分間遠心し、DNA抽出液を得る。カラムは廃棄する。
0.2mLチューブに反応液を40μLと、被検試料由来のDNA溶液を10μL加え、トータル50μLでPCR反応を行うことができる。PCR用の反応液は、1×PCR Gold Buffer (15mM Tris-HCl (pH8.0), 50mM KCl)(ABI社製)、3mM MgCl2 (ABI社製)、60mMトレハロース、200μM each dNTPs(Trilink社製))、1.25Uのamplitaq Gold DNA polymerase、フォワードプライマー(0.5μMのF1、0.2μMのF2)(筑波オリゴサービス社に製造委託)、リバースプライマー(0.5μMのR1、0.3μMのR2、0.15μMのR3、0.125μMのR4−1、0.125μMのR4−2、0.125μMのR4−3、0.2μMのR5、0.15μMのR6、0.125μMのR7)(筑波オリゴサービス社に製造委託)、蛍光プローブ(0.045μMのP1−1、0.045μMのP1−2、0.045μMのP1−3、0.045μMのP1−4及び0.002μMのP2)(筑波オリゴサービス社に製造委託)を混合して調製することができる。PCR条件は、95℃、10分間の活性化の後、95℃、15秒間の変性、60℃、1分間のアニールと伸張(シグナル検出)というサイクルを45サイクル行うことができる。PCR産物の濃度は、蛍光プローブのシグナルを検出することによって算出することができる。これらのマルチプレックスリアルタイム定量PCR試験には、LightCycler 480 (Roche diagnostics社製)というリアルタイムPCRシステムを用いることができる。ネガティブコントロールにはDistilled WaterDeionized, Sterile(ニッポンジーン社製)を用いることができる。
0.2mLチューブに反応液を40μLと、被検試料由来のDNA溶液を10μL加え、トータル50μLでPCR反応を行うことができる。PCR用の反応液は、1× PCR Buffer (75mMTris-HCl (pH8.8), 20mM(NH4)2SO4,3mM MgCl2, 0.01% (v/v) Tween 20, 250μM each dNTPs)、1.25UのTaq DNA polymerase (Thermo scientific社製) 、5μgのanti-taq high (TOYOBO社製)、フォワードプライマー(0.5μMのF1、0.2μMのF2)(筑波オリゴサービス社に製造委託)、リバースプライマー(0.5μMのR1、0.3μMのR2、0.15μMのR3、0.125μMのR4−1、0.125μMのR4−2、0.125μMのR4−3、0.2μMのR5、0.15μMのR6、0.125μMのR7)(筑波オリゴサービス社に製造委託)、蛍光プローブ(0.045μMのP1−1、0.045μMのP1−2、0.045μMのP1−3、0.045μMのP1−4及び0.002μMのP2)(筑波オリゴサービス社に製造委託)を混合して調製することができる。PCR条件は、95℃、1分間のPreDenatureの後、95℃、5秒間の変性、60℃、1分間のアニールと伸張(シグナル検出)を45サイクル行うことができる。PCR産物の濃度は、蛍光プローブのシグナルを検出することによって算出することができる。これらのマルチプレックスリアルタイム定量PCR試験には、LightCycler 480 (Roche diagnostics社製)というリアルタイムPCRシステムを用いることができる。ネガティブコントロールにはDistilled WaterDeionized, Sterile(ニッポンジーン社製)を用いることができる。
極めて多種のマイコプラズマを特異的に検出し得るプライマー及びプローブを設計するために、図1の下パネルの“Mollicutes species”に記載のマイコプラズマのゲノム配列と、図3に記載の他の細菌、真菌及び哺乳類のゲノム配列を収集してアラインメントを作成し、解析を行った。そして、16S rRNA遺伝子、23S rRNA遺伝子及び両遺伝子間のスペーサー領域のうち、特定の領域が、細菌の種類毎に特有な配列を有していながらも、マイコプラズマ間では比較的高度に保存されていることを見いだし、この特定の領域に基づいて、多種のマイコプラズマを特異的に検出し得るプライマー及びプローブの設計を行った。すなわち、マイコプラズマのその特定の領域のゲノム配列又はその相補配列にはアニールするが、他の細菌のそれらの配列にはアニールしない(ミスマッチが多い)と予想される配列をフォワードプライマー又はリバースプライマーとし、また、それらのプライマーによる増幅産物に含まれる別の特定の領域の配列又はその相補配列にはハイブリダイズするが、他の細菌のそれらの配列にはハイブリダイズしないと予想される配列をプローブとした(図1の上パネルや、図7−1〜図7−3参照)。一例として、マイコプラズマ(マイコプラズマ・アルギニニ、マイコプラズマ・ハイオリニス、マイコプラズマ・ゲニタリウム、マイコプラズマ・フェルメンタンス、スピロプラズマ・シトリ)と、マイコプラズマではないクロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)とのゲノム配列を比較した結果の一部を図6に示す。
実施例1で作製したセットA〜Iの各プライマー及びプローブが、各種マイコプラズマをどの程度の感度で測定し得るかを確認するために、以下のような、マルチプレックスリアルタイム定量PCR試験を行った。
マイコプラズマ・アルギニニ(ATCC23838)、マイコプラズマ・フェルメンタンス(NBRC15854)、マイコプラズマ・ガリセプティカム(NBRC14855)、マイコプラズマ・ハイオリニス(NBRC14858)、マイコプラズマ・オラーレ(NBRC14477)、マイコプラズマ・ニューモニアエ(NBRC14401)、マイコプラズマ・シノビアエ(ATCC25204)、アコレプラズマ・レイドラウィイ(NBRC14400)、スピロプラズマ・シトリ(ATCC27556)。
5 Units/μLのAmplitaq Gold DNA polymerase (ABI社製)。
Ampitaq Gold付属試薬(ABI):10×PCR Buffer (150 mM Tris-HCl, pH 8.0, 500 mM KCl), 25 mM MgCl2, 10 mM each dNTP mix。
Distilled Water, Deionized, Sterile(ニッポンジーン社製)。
0.2mLチューブに反応液を40μLと、上記のいずれかのマイコプラズマのDNA溶液(5,10,100,又は1000cfu/reaction)を10μL加え、トータル50μLでPCR反応を行った。PCR用の反応液は、1×PCR Gold Buffer (15 mM Tris-HCl (pH8.0),50 mM KCl)(ABI社製)、3mM MgCl2(ABI社製)、60mMトレハロース、200μM each dNTPs(ABI社製))、1.25Uのamplitaq Gold DNA polymerase、フォワードプライマー(0.5μMのF1、0.2μMのF2)(筑波オリゴサービス社に製造委託)、リバースプライマー(0.5μMのR1、0.3μMのR2、0.15μMのR3、0.125μMのR4−1、0.125μMのR4−2、0.125μMのR4−3、0.2μMのR5、0.15μMのR6、0.125μMのR7)(筑波オリゴサービス社に製造委託)、蛍光プローブ(0.045μMのP1−1、0.045μMのP1−2、0.045μMのP1−3、0.045μMのP1−4及び0.002μMのP2)(筑波オリゴサービス社に製造委託)を混合して調製した。PCR条件は、95℃、10分間の活性化の後、95℃、15秒間の変性、60℃、1分間のアニールと伸張(シグナル検出)というサイクルを45サイクル行った。PCR産物の濃度は、蛍光プローブのシグナルを検出することによって算出した。これらのマルチプレックスリアルタイム定量PCR試験には、LightCycler 480 (Roche diagnostics社製)というリアルタイムPCRシステムを用いた。
本発明のマルチプレックスリアルタイム定量PCR法におけるフォワードプライマー、リバースプライマー及びプローブについて、マイコプラズマ以外の他の種類の細菌、真菌及び哺乳類由来細胞に対する交差反応性を確認した。かかる他の種類の細菌等として、図3に列挙された細菌等について、実施例2の方法と同様の方法で本発明のマルチプレックスリアルタイム定量PCR法を行ったところ、蛍光プローブのシグナルは検出されなかった。このように、図3に列挙された細菌、真菌及び哺乳類由来細胞に対する交差反応性は否定された。また、この他に、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacillus thuringiensis、Bartonella bacilliformis、Bartonella grahamii、Borrelia duttonii、Borrelia recurrentis、Campylobacter curvus、Campylobacter hominis、Chlamydia muridarum、Chlamydia trachomatis、Chlamydophilia pneumonia、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Corynebacterium diphtheriae、Erysipelothrix rhusiopathiae、Fusobacterium necrophorum、Haemophilus influenza、Helicobacter pylori、Kineococcus radiotolerans、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Listeria monocytogenes、Listeria welshimeri serovar6b str、Micrococcus luteus、Moraxella catarrhalis、Moraxella lacunata、Mycobacterium gilvum、Mycobacterium tuberculosis、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis alpha 14、Nocardia carnea、Nocardia farcinica、Pediococcus pentosaceus、Pseudomonas putida、Rhodococcus jostii、Rickettsia africae、Rickettsia peacockii、Streptococcus sanguinis、Streptococcus suis、Streptococcus thermophilus、Treponema denticola、Treponema pallidumについて、公知の配列データベースから入手したそれらの細菌の遺伝子配列情報と、本発明のフォワードプライマー、リバースプライマー及びプローブの配列とを比較した結果、これらの細菌は、本発明のマルチプレックスリアルタイム定量PCR法における、マイコプラズマに対する交差反応性が否定されると推定された。図3に示されるように、本発明のマルチプレックスリアルタイム定量PCR法は、マイコプラズマ以外のきわめて多種の細菌等に対して交差反応性がない、あるいはないと推定され、マイコプラズマに対する特異性がきわめて高いことが示された。
F1フォワードプライマー、R1リバースプライマー、あるいはこれらを改変したバリエーションプライマーについて、マイコプラズマ検出の感度、及び、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)に対する交差反応性の確認を試みた。
Claims (15)
- マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出するためのフォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセットであって、
前記セットが、1種又は2種以上のフォワードプライマーと、2種又は3種以上のリバースプライマーと、1種又は2種以上のプローブとを含み、
前記プローブが、前記フォワードプライマー及び前記リバースプライマーによる増幅産物を特異的に検出するためのプローブであり、
前記フォワードプライマーが、配列番号1のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号1のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列(caaggtatccc)を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記リバースプライマーが、配列番号14、17〜20の1種又は2種以上のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記プローブが、配列番号33のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、セット。 - 1種又は2種以上のフォワードプライマーが、配列番号1のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号1のヌクレオチド番号14〜27のヌクレオチド配列(caaggtatccctac)を含むヌクレオチド配列からなる1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1に記載のセット。
- 1種又は2種以上のフォワードプライマーが、以下の(A)及び(B)からなる群から選択される1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセット:
(A):配列番号2のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号2のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー:
(B):配列番号3のヌクレオチド配列のうち、17個〜30個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択され、かつ、配列番号3のヌクレオチド番号14〜24のヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー: - 2種のフォワードプライマーを含み、前記2種のフォワードプライマーが、配列番号4〜7、11及び12から選択されるいずれかのヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号13のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセット。
- リバースプライマーの少なくとも1種が、配列番号14のヌクレオチド番号3〜20のヌクレオチド配列(wsccaaggcatccaccah)を含むオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセット。
- 2種又は3種以上のリバースプライマーが、以下の(C1)、(C2−1)、(C2−2)、(C2−3)、(D)、(E1)、(E2)、(F)及び(G)から選択される2種又は3種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセット:
(C1):配列番号15のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(C2−1):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(C2−2):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがcで、ヌクレオチド番号22のwがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(C2−3):配列番号16のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号20のmがaで、ヌクレオチド番号22のwがtであるヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(D):配列番号17のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(E1):配列番号18のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号2のsがgであり、ヌクレオチド番号4及び9のrがgであるヌクレオチド配列のうち、17個〜24個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(E2)配列番号18のヌクレオチド配列において、ヌクレオチド番号2のsがcであり、ヌクレオチド番号4及び9のrがaであるヌクレオチド配列のうち、17個〜24個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(F):配列番号19のヌクレオチド配列のうち、17個〜25個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(G):配列番号20のヌクレオチド配列のうち、17個〜23個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド: - 2種又は3種以上のリバースプライマーが、以下のオリゴヌクレオチドから選択される2種又は3種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセット:
配列番号21のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号22のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号24のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号25のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号26のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号27のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号17のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号28のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号29のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号19のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
配列番号20のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド。 - プローブが、配列番号33のヌクレオチド番号7〜16のヌクレオチド配列(sggrtggaty)又はその相補的なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセット。
- 1種又は2種以上のプローブが、以下の(H)〜(L)から選択される1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセット:
(H)配列番号34のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(I)配列番号35のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(J)配列番号36のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(K)配列番号37のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(L)配列番号38のヌクレオチド配列のうち、17個〜26個の連続するヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列又はその相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド: - 1種又は2種以上のプローブが、以下の(h)〜(l)から選択される1種又は2種以上のオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のセット:
(h)配列番号39のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(i)配列番号40のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(j)配列番号41のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(k)配列番号42のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
(l)配列番号43のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド。 - プローブが、5’末端を蛍光物質で、3’末端を消光物質で修飾されているTaqMan(登録商標)プローブであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のセット。
- マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出するためのキットであって、
前記キットが、請求項1〜11のいずれかに記載のフォワードプライマーとリバースプライマーとプローブのセットと、固体支持体とを備え、前記プローブが前記固体支持体上に固定されていることを特徴とする、キット。 - マルチプレックスリアルタイム定量PCRにより被検試料中のマイコプラズマを検出する方法であって、
(a)被検試料からDNAを抽出する工程a:
(b)上記工程aで抽出したDNAを鋳型とし、請求項1〜11のいずれかに記載のセット又は請求項12に記載のキットにおけるフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いてマルチプレックスリアルタイム定量PCRを行う工程b:及び、
(c)請求項1〜11のいずれかに記載のセット又は請求項12に記載のキットにおけるプローブを用いて、上記工程bにおけるマルチプレックスリアルタイム定量PCRによる増幅産物を検出することにより、前記被検試料中にマイコプラズマが存在しているか否かを検出する工程c:
を含む方法。 - 工程cにおける、マルチプレックスリアルタイム定量PCRによる増幅産物の検出が、請求項1〜11のいずれかに記載のセット又は請求項12に記載のキットにおけるプローブとの特異的なハイブリダイゼーションが生じるか否かを検出することによりなされることを特徴とする請求項13に記載のマイコプラズマを検出する方法。
- マイコプラズマ・アルギニニ(Mycoplasma arginini)、マイコプラズマ・ブカーレ(Mycoplasma buccale)、マイコプラズマ・ファウシウム(Mycoplasma faucium)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・オラーレ(Mycoplasma orale)、マイコプラズマ・サリバリウム(Mycoplasma salivarium)、マイコプラズマ・フェルメンタンス(Mycoplasma fermentans)、マイコプラズマ・リポフィラム(Mycoplasma lipophilum)、マイコプラズマ・プリマタム(Mycoplasma primatum)、マイコプラズマ・ハイオリニス(Mycoplasma hyorhinis)、マイコプラズマ・シノビアエ(Mycoplasma synoviae)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ニューモニアエ(Mycoplasma pneumoniae)、アコレプラズマ・レイドラウィイ(Acholeplasma laidlawii)、ウレアプラズマ・ウレアリティカム(Ureaplasma urealyticum)、マイコプラズマ・ガリセプティカム(Mycoplasma gallisepticum)及びスピロプラズマ・シトリ(Spiroplasma citri)からなる群から選択される1種又は2種以上のマイコプラズマの検出限界感度が10cfu/mL以下であることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイコプラズマを検出する方法。
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