JPWO2016002171A1 - 鋼板の突合せ溶接方法および鋼板の突合せ溶接継手の製造方法 - Google Patents

鋼板の突合せ溶接方法および鋼板の突合せ溶接継手の製造方法 Download PDF

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Abstract

2枚の鋼板(1)を突合せて、上部に開口部(2)、下部にルートフェイス部(3)を有するY開先を形成し、前記Y開先の開口部(2)をサブマージアーク溶接で接合して、Tiを0.030〜0.100質量%、Bを0.0030〜0.0080質量%含有し、かつAl含有量(質量%)を[%Al]、O含有量(質量%)を[%O]としたとき、[%Al]/[%O]が0.5〜1.2の範囲内となるサブマージアーク溶接金属(4)を形成し、次に、前記Y開先のルートフェイス部(3)をレーザ溶接で接合して、前記サブマージアーク溶接金属(4)に侵入するようにレーザ溶接金属(5)を形成する。

Description

本発明は、鋼板の突合せ溶接方法および鋼板の突合せ溶接継手に関し、詳しくはサブマージアーク溶接とレーザ溶接とを用いて靭性に優れた溶接金属を得ることが可能な突合せ溶接方法、およびそれにより得られる鋼板の突合せ溶接継手に関する。
レーザ溶接は、エネルギー密度が高いので、溶接速度が速くかつ溶込みが深い高能率の溶接技術として注目されている。さらに、溶接による熱影響が小さいので、熱に起因する変形や歪みを抑えた溶接継手を形成できるという利点もある。
しかしレーザ溶接は、他の溶接法(たとえばアーク溶接等)と比べて入熱が小さいので、溶接の後の冷却速度が速くなり、その結果、溶接金属が硬化して靭性の劣化を生じるという問題がある。そこで、レーザ溶接によって良好な靭性を有する溶接金属を形成する技術が検討されている。
たとえば特許文献1には、鋼板をレーザ溶接することによって、Ti含有量、B含有量、Ceq値およびAl含有量とO(酸素)含有量の比率が所定の範囲であり、かつ微細なアシキュラーフェライト組織を有する溶接金属を形成して、靭性の改善を図る技術が開示されている。しかし、この技術は溶接金属のCeq値を適正な範囲に保つために、鋼板に添加する元素の含有量を調整しなければならず、この技術を一般的な溶接構造用鋼板に適用した場合には、必ずしも溶接金属の靭性改善の効果が得られないという問題がある。
特許文献2には、添加元素の含有量およびCeq値を規定した鋼板をレーザ溶接することによって、微細なオーステナイト組織中に少量の炭化物と島状マルテンサイトを分散させた溶接金属を形成して、靭性の改善を図る技術が開示されている。しかし、この技術は鋼板のCeq値を適正な範囲に保つために、様々な元素の含有量を調整しなければならず、この技術を一般的な溶接構造用鋼板に適用した場合には、必ずしも溶接金属の靭性改善の効果が得られないという問題がある。
特許文献3には、レーザ溶接とアーク溶接(たとえばガスシールドアーク溶接、サブマージアーク溶接等)を組み合わせて鋼板の突合せ溶接を行なうことによって、溶接欠陥を抑制する技術が開示されている。この技術はX開先の中央部に位置するルートフェイス部をレーザ溶接で接合し、次に、両側に位置する開口部をアーク溶接で接合するものである。しかしこの技術では、ガスシールドアーク溶接やレーザ溶接によって形成される溶接金属の成分を規定しないので、溶接金属の硬化、つまり靭性劣化を生じ易いという問題がある。
特許文献4には、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接を組み合わせて鋼板の突合せ溶接を行なうことによって、溶接金属の割れを抑制する技術が開示されている。この技術はY開先の下部に位置するルートフェイス部をレーザ溶接で接合し、次に、上部に位置する開口部をガスシールドアーク溶接で接合するものである。しかしこの技術でも、ガスシールドアーク溶接やレーザ溶接によって形成される溶接金属の成分を規定しないので、溶接金属の硬化、つまり靭性劣化を生じ易いという問題がある。
特開2003-200284号公報 特開2008-184672号公報 特開2008-168319号公報 特開平6-114587号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、能率が良く、しかも変形や歪みが小さいというレーザ溶接の利点を活かしながら、溶接金属の靭性を改善することが可能な鋼板の突合せ溶接方法、およびそれにより得られる鋼板の突合せ溶接継手を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決する技術について鋭意検討した。その結果、
(a)開先形状を上部に開口部、下部にルートフェイス部を有するY型とし、Y開先の開口部をサブマージアーク溶接で接合した後、ルートフェイス部をレーザ溶接で接合する、
(b)その際、サブマージアーク溶接で形成される溶接金属(以下、サブマージアーク溶接金属という)のTi含有量、B含有量を適正に保ち、かつAl含有量とO(酸素)含有量の比率を調整する、
(c)またレーザ溶接で成形される溶接金属(以下、レーザ溶接金属という)を、上記(b)のサブマージアーク溶接金属に侵入させる、
ことによって、微細なアシキュラーフェライト組織のレーザ溶接金属を形成して、靭性改善を図ることができるという知見を得た。
さらに、
(d)レーザ溶接の溶込み深さと、レーザ溶接金属がサブマージアーク溶接金属に侵入する部位の深さ(以下、侵入深さという)とを適正に保つことによって、レーザ溶接金属の靭性、ひいては突合せ溶接継手の靭性をより一層向上できることも分かった。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.2枚の鋼板を突合せて、上部に開口部、下部にルートフェイス部を有するY開先を形成し、
前記Y開先の前記開口部をサブマージアーク溶接で接合して、Tiを0.030〜0.100質量%、Bを0.0030〜0.0080質量%含有し、かつAl含有量(質量%)を[%Al]、O含有量(質量%)を[%O]としたとき、[%Al]/[%O]が0.5〜1.2の範囲内となるサブマージアーク溶接金属を形成し、
次に、前記Y開先の前記ルートフェイス部をレーザ溶接で接合して、前記サブマージアーク溶接金属に侵入するようにレーザ溶接金属を形成する、鋼板の突合せ溶接方法。
2.前記サブマージアーク溶接金属のTi含有量(質量%)を[%Ti]、前記レーザ溶接の溶込み深さ(mm)をd、前記レーザ溶接金属が前記サブマージアーク溶接金属に侵入する侵入深さ(mm)をpとしたとき、前記[%Ti]、前記d、前記pが
p≧(0.010/[%Ti])×d
の関係を満足する、前記1に記載の鋼板の突合せ溶接方法。
3.前記1または2に記載の鋼板の突合せ溶接方法で接合して形成される、鋼板の突合せ溶接継手。
本発明によれば、鋼板の突合せ溶接にて靭性に優れた溶接金属を得ることができ、しかも高能率で変形や歪みを抑えながら溶接を行なうことができるので、産業上格段の効果を奏する。
また、レーザ溶接を採用することによって、入熱を大幅に低減できるので、溶接熱影響部(いわゆるHAZ)の靭性を向上する効果も得られる。
本発明の一実施形態の突合せ溶接を行なう際に、2枚の鋼板1を突合せて形成するY開先の例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の突合せ溶接を行なうことによって形成される溶接継手の例を模式的に示す断面図である。 試験片を採取した位置を示す断面図である。
図1は、本発明の一実施形態の突合せ溶接を行なう際に、2枚の鋼板1を突合せて形成するY開先の例を示す断面図である。Y開先の上部には2枚の鋼板1の側面が接触しない部位2(以下、開口部という)が存在し、下部には鋼板1が互いに接触する部位3(以下、ルートフェイス部という)が存在する。ここでは、図1の上側が上部、下側が下部である。
また、図1中のt(mm)は鋼板1の板厚、h(mm)は開口部2の深さ(いわゆる開先深さ)、θ(°)は開口部2の角度(いわゆる開先角度)を指す。
まず、本発明の一実施形態の突合せ溶接の手順について説明する。
2枚の鋼板1を突合せて、図1に示すようなY開先を形成し、上部に位置する開口部2をサブマージアーク溶接で接合する。サブマージアーク溶接は、TiとBを含有する溶接材料(すなわち溶接ワイヤ、フラックス等)を使用し、多電極の1パス溶接とする。そして、図2に示すようなサブマージアーク溶接金属4を形成する。
その後、Y開先の下部に位置するルートフェイス部3をレーザ溶接で接合して、図2に示すようなレーザ溶接金属5を形成する。図2中のd(mm)はレーザ溶接金属5の板厚方向の溶込み深さであり、p(mm)はレーザ溶接金属5がサブマージアーク溶接金属4に侵入した板厚方向の侵入深さ(つまり、図2のような溶接継手の断面での板厚方向における、レーザ溶接金属5が侵入する前のサブマージアーク溶接金属4の最深部から、レーザ溶接後に形成されるレーザ溶接金属5の最深部まで距離)である。つまりレーザ溶接金属5がサブマージアーク溶接金属4に侵入するように、レーザ溶接を行なう。その結果、サブマージアーク溶接金属4中の介在物(すなわちTiやBの炭化物、窒化物、酸化物等)をレーザ溶接金属5中に取り込むことができ、その介在物がレーザ溶接金属5中でアシキュラーフェライトの生成核となるので、微細なアシキュラーフェライト組織のレーザ溶接金属5を形成して、靭性を向上することが可能となる。
そして、これら侵入深さpと溶込み深さdが下記の式を満足するように、レーザ溶接の条件を設定する。こうして突合せ溶接継手を形成することによって、サブマージアーク溶接金属4からレーザ溶接金属5へ介在物が円滑に移動するので、レーザ溶接金属5の靭性をさらに向上することができ、突合せ溶接継手の靭性をより一層向上することが可能となる。式中の[%Ti]は、サブマージアーク溶接金属4のTi含有量(質量%)である。
p≧(0.010/[%Ti])×d
次に、サブマージアーク溶接金属4中のTi、B、Al、O(酸素)の作用について説明する。なお、これらの元素の含有量を調整した溶接材料を用いてサブマージアーク溶接を行なうことによって、サブマージアーク溶接金属4に含有されるTi、B、Al、O(酸素)の含有量を調整することができる。
Ti:0.030〜0.100質量%
Tiは、サブマージアーク溶接金属4を形成するにあたり、微細なアシキュラーフェライト組織を生じさせる作用を有する元素である。また、Tiは、これらの炭化物、窒化物、酸化物がサブマージアーク溶接金属4からレーザ溶接金属5へ移動することによって、レーザ溶接金属5も微細なアシキュラーフェライト組織とする作用を有する。サブマージアーク溶接金属4のTi含有量が0.030質量%未満では、この効果が得られない。一方、Ti含有量が0.100質量%を超えると、サブマージアーク溶接金属4の靭性が劣化する。したがって、サブマージアーク溶接金属4のTi含有量は0.030〜0.100質量%の範囲内とする。
B:0.0030〜0.0080質量%
Bは、サブマージアーク溶接金属4中の不純物元素であるNと結合することによって、Nを固定する作用を有する元素である。また、粗大なフェライト結晶粒が生成するのを抑制して、サブマージアーク溶接金属4の靭性向上に寄与する。サブマージアーク溶接金属4のB含有量が0.0030質量%未満では、これらの効果が得られない。一方、B含有量が0.0080質量%を超えると、サブマージアーク溶接金属4の割れが生じ易くなる。したがって、サブマージアーク溶接金属4のB含有量は0.0030〜0.0080質量%の範囲内とする。
[%Al]/[%O]:0.5〜1.2
Alは、脱酸作用を有する元素であり、サブマージアーク溶接金属4のO(酸素)を除去するために、予め溶接材料に添加しておく。しかしながらサブマージアーク溶接金属4が過剰なAlを含有すると、アシキュラーフェライトの生成核となるTi酸化物系の介在物の形成が阻害される。一方、Alが不足すると、サブマージアーク溶接金属4のO(酸素)含有量が増加し、その結果、Bの効果が減退して、サブマージアーク溶接金属4の靭性が劣化する。このようなAlの作用は、O(酸素)の量に依存するので、[%Al]/[%O]は0.5〜1.2の範囲内とする。ここで、[%Al]はサブマージアーク溶接金属4のAl含有量(質量%)、[%O]はO(酸素)含有量(質量%)である。
また、鋼板1の板厚tは特に限定しない。ただし、板厚tが5mm未満では、サブマージアーク溶接で溶け落ちが発生し、健全な突合せ溶接継手を形成できない場合がある。また、板厚tが50mmを超えると、レーザ溶接とサブマージアーク溶接による入熱が過大となり、突合せ溶接継手の強度や靭性の低下を招く場合がある。したがって、鋼板1の板厚tは5〜50mmの範囲内が好ましい。
開先深さh(mm)が大きすぎると、サブマージアーク溶接による入熱が過大となり、突合せ溶接継手の強度や靭性の低下を招く場合がある。また、開先深さh(mm)が小さすぎると、(0.010/[%Ti])×dが大きくなり、レーザ溶接金属5の靭性が劣化する場合がある。したがって、開先深さh(mm)は0.1t〜0.6tの範囲内が好ましい。ここでtは、上記した板厚t(mm)である。
開先角度θ(°)が大きすぎると、サブマージアーク溶接の入熱が過大となり、突合せ溶接継手の強度や靭性の低下を招く場合がある。また、開先角度θ(°)が小さすぎると、サブマージアーク溶接が不安定となり、健全な突合せ溶接継手を形成できない場合がある。したがって、開先角度θは30〜60°の範囲内が好ましい。
表1に示す成分の2枚の鋼板1(板厚t:12mm、24mm、36mm)をそれぞれ突合せて、図1に示すようなY開先を形成した。開先深さh、開先角度θは表2に示す通りである。なお、Ceqは次式のより算出した。
Ceq=[%C]+[%Mn]/6+[%Si]/24
ここで、[%C]、[%Mn]および[%Si]は、それぞれC、MnおよびSiの鋼中含有量である。
Figure 2016002171
そして、Y開先の上部に位置する開口部2をサブマージアーク溶接(1パス)で接合した。サブマージアーク溶接は、溶着量を確保するために、2電極で行なった。その設定条件は表2に示す通りである。また、サブマージアーク溶接の際に用いたワイヤ成分のTi含有量、B含有量およびAl含有量、フラックス成分のTiO2含有量、B2O3含有量およびAl2O3含有量、ならびにサブマージアーク溶接金属4のTi含有量、B含有量および[%Al]/[%O]は、表3〜5に示す通りである。
次に、Y開先の下部に位置するルートフェイス部3をレーザ溶接で接合した。その設定条件は表2に示す通りである。
Figure 2016002171
このようにして、図2に示すような突合せ溶接継手を形成した。そして、突合せ溶接継手の断面を観察して、溶込み深さdと侵入深さpとを測定した。溶込み深さdおよび侵入深さpの測定値は表3〜5に示す通りである。なお、ここでいう溶込み深さdおよび侵入深さpの測定値はそれぞれ、当該突合せ溶接継手の任意の3断面でこれらの値を測定したときの平均値である。
Figure 2016002171
Figure 2016002171
Figure 2016002171
次に、それぞれの突合せ溶接継手から試験片を採取して、シャルピー衝撃試験をJIS規格Z3111に準拠して行なった。試験片を採取した位置は図3に示す通りであり、サブマージアーク溶接金属4の靭性を調査するための試験片6、レーザ溶接金属5の靭性を調査するための試験片7は、いずれもノッチ位置が溶接金属の中央となるようにした。得られたVrsを表3〜5に示す。
なお、Vrsをについては、サブマージアーク溶接金属4およびレーザ溶接金属5の場合とも、以下の基準で靭性を評価した。
合格(特に優れている):Vrs≦−35℃
合格:−35℃<Vrs≦−30℃
不合格:−30℃<Vrs
表3〜5から明らかなように、比較例として示したNo.1、2、29、46は、サブマージアーク溶接金属4のTi含有量が適正範囲を下回るので、レーザ溶接金属5のVrsが高くなった。つまり、突合せ溶接継手の靭性が劣化したことを意味する。比較例であるNo.6、32、49は、サブマージアーク溶接金属4のTi含有量が適正範囲を上回るので、サブマージアーク溶接金属4のVrsが高くなった。つまり、突合せ溶接継手の靭性が劣化したことを意味する。
これに対して発明例は、サブマージアーク溶接金属4のTi含有量が適正範囲内となるので、サブマージアーク溶接金属4とレーザ溶接金属5が、ともに良好な靭性を示した。
また、比較例であるNo.7、33、50は、サブマージアーク溶接金属4のB含有量が適正範囲を下回るので、レーザ溶接金属5のVrsが高くなった。つまり、突合せ溶接継手の靭性が劣化したことを意味する。比較例であるNo.12、36、53は、サブマージアーク溶接金属4のB含有量が適正範囲を上回るので、サブマージアーク溶接金属4のVrsが高くなった。つまり、突合せ溶接継手の靭性が劣化したことを意味する。
これに対して発明例は、サブマージアーク溶接金属4のB含有量が適正範囲内となるので、サブマージアーク溶接金属4とレーザ溶接金属5が、ともに良好な靭性を示した。
また、比較例であるNo.13、18、24、37、41、54は、サブマージアーク溶接金属4の[%Al]/[%O]が適正範囲を下回るので、サブマージアーク溶接金属4とレーザ溶接金属5のVrsが高くなった。つまり、突合せ溶接継手の靭性が劣化したことを意味する。比較例であるNo.17、40、57は、サブマージアーク溶接金属4の[%Al]/[%O]が適正範囲を上回るので、サブマージアーク溶接金属4とレーザ溶接金属5のVrsが高くなった。つまり、突合せ溶接継手の靭性が劣化したことを意味する。
これに対して発明例は、サブマージアーク溶接金属4の[%Al]/[%O]が適正範囲内となるので、サブマージアーク溶接金属4とレーザ溶接金属5が、ともに良好な靭性を示した。
また、発明例の中でも、侵入深さpが所定の関係を満足するものについてはいずれも、サブマージアーク溶接金属4およびレーザ溶接金属5のVrsとも、Vrs≦−35℃となり、特に靭性に優れていた。
1 鋼板
2 開口部
3 ルートフェイス部
4 サブマージアーク溶接金属
5 レーザ溶接金属
6 サブマージアーク溶接金属の試験片
7 レーザ溶接金属の試験片

Claims (3)

  1. 2枚の鋼板を突合せて、上部に開口部、下部にルートフェイス部を有するY開先を形成し、
    前記Y開先の前記開口部をサブマージアーク溶接で接合して、Tiを0.030〜0.100質量%、Bを0.0030〜0.0080質量%含有し、かつAl含有量(質量%)を[%Al]、O含有量(質量%)を[%O]としたとき、[%Al]/[%O]が0.5〜1.2の範囲内となるサブマージアーク溶接金属を形成し、
    次に、前記Y開先の前記ルートフェイス部をレーザ溶接で接合して、前記サブマージアーク溶接金属に侵入するようにレーザ溶接金属を形成する、鋼板の突合せ溶接方法。
  2. 前記サブマージアーク溶接金属のTi含有量(質量%)を[%Ti]、前記レーザ溶接の溶込み深さ(mm)をd、前記レーザ溶接金属が前記サブマージアーク溶接金属に侵入する侵入深さ(mm)をpとしたとき、前記[%Ti]、前記d、前記pが
    p≧(0.010/[%Ti])×d
    の関係を満足する、請求項1に記載の鋼板の突合せ溶接方法。
  3. 請求項1または2に記載の鋼板の突合せ溶接方法で接合して形成される、鋼板の突合せ溶接継手。
JP2015549100A 2014-06-30 2015-06-25 鋼板の突合せ溶接方法および鋼板の突合せ溶接継手の製造方法 Active JP6065989B2 (ja)

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