JP5968934B2 - 亜鉛めっき鋼板の溶接方法 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、亜鉛めっき鋼板をMAG溶接法によって溶接する方法であって、
溶接ワイヤとして、溶融池の粘度を低減する低粘性ソリッドワイヤを用いるとともに、
シールドガスとして、酸素ガス14〜16容量%、炭酸ガス7〜12容量%、残部がアルゴンガスからなる3種混合ガスを用いることを特徴とする亜鉛めっき鋼板の溶接方法である。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板の溶接方法は、亜鉛めっき鋼板をMAG溶接法によって溶接する方法である。その際、溶接ワイヤとして、溶融池の粘度を低減する低粘性ソリッドワイヤを用いるとともに、シールドガスとして、酸素ガス13〜18容量%、炭酸ガス5〜15容量%、残部がアルゴンガスからなる3種混合ガスを用いることを特徴としている。
また、溶接方式は、主にアークを熱源とするアーク溶接であれば特に限定されるものではなく、低電流溶接に適しているパルクアーク溶接であってもよいし、薄板の溶接に用いられるショートアーク溶接であってもよい。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板の溶接方法に適用される溶接母材は、亜鉛めっき鋼板である。また、亜鉛めっき鋼板の板厚は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、0.6〜6.0mmの範囲であることが好ましく、0.6〜3.2mmの範囲であることがより好ましい。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板の溶接方法では、MAG溶接用シールドガスとして、酸素ガス13〜18容量%、炭酸ガス5〜15容量%、残部がアルゴンからなる3種混合ガスを用いる。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板の溶接方法では、溶接ワイヤとして、溶融池の粘度を低減する低粘性ソリッドワイヤを用いる。
ところで、従来は、亜鉛めっき鋼板をMAG溶接する際の溶接ワイヤとしては高粘性ソリッドワイヤを用いることが主流であった。すなわち、溶融池の粘度を高めることにより、亜鉛蒸気等のガスを溶融池の中に閉じ込めてしまう、という発想であった。
ここで、低粘性ソリッドワイヤ中のSi含有量が0.8質量%を超えると、スラグの発生と溶融池の粘度が高くなり気孔が浮上を妨げるために好ましくない。また、低粘性ソリッドワイヤ中のMn含有量が1.0質量%を超えると、Siと同じく、スラグが発生し、溶融池の粘度が高くなり気孔の浮上を妨げるために好ましくない。これに対して、低粘性ソリッドワイヤ中のSi含有量及びMn含有量が上記範囲内であると、溶融池の粘度が下がり、気孔の浮上が容易にし、気孔の低減効果が得られるため好ましい。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板の溶接方法は、開先溶接であってもよいし、隅肉溶接であってもよく、特に限定されるものではない。また、溶接継手についても特に限定されるものではなく、突合せ継手、重ね継手、T継手、十字継手、角継手(かど継手)、ヘリ継手(へり継手)、フレア継手、すみ肉継手、当て金継手、スカーフ継手、せぎり継手等から、適宜選択することができる。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板の溶接方法では、チップ母材間距離が8〜25mmの範囲であればよく、10〜20mmの範囲であることが好ましい。
また、トーチ傾斜角度は、特に限定されるものではないが、具体的には、10〜50度の範囲であればよく、20〜40度の範囲であることが好ましい。
なお、酸素ガスを含有する際の懸念事項である溶接部の機械的強度については、実際に特性評価を行って(以下の実施例を参照)、劣化していないことを確認した。
<検証試験1>
下記の表1に示す溶接条件1及び溶接条件2を用いて、亜鉛めっき鋼板のMAG溶接を行い、溶接部のピット、ブローホールの抑制効果を確認した。
また、溶接条件2では、下記の表3に示すシールドガス組成を用いた試験例19〜36について、それぞれ溶接結果を確認した(結果は表3に示す)。
さらに、下記の表4に示す条件について、溶接部のビード外観を図2〜5に示す。
Si含有量:0.41質量%
Mn含有量:0.45質量%
ワイヤ径: φ1.2mm
Si含有量:1.47質量%
Mn含有量:1.90質量%
ワイヤ径: φ1.2mm
また、試験例15,16及び試験例33,34は、シールドガス中の酸素ガス含有量又は炭酸ガス含有量が本発明の範囲を超えているため、いずれもスパッタの発生が見られて不合格であった。
また、試験例17,18及び試験例35,36は、シールドガス中に酸素ガス又は炭酸ガスのどちらか一方のみが含有された二元系ガスであるため、溶接部にピットあるいはふくらみが発生して不合格であった。
これに対して、試験例6〜14及び試験例24〜32は、シールドガス中の酸素ガス含有量及び炭酸ガス含有量が本発明の範囲内であるため、溶接部にピット及びふくらみが発生しておらず、合格であった。
これに対して、本発明の範囲のシールドガスを用いているが、低粘性ソリッドワイヤに替えて高粘性ソリッドワイヤを用いた場合には、図3に示すように、溶接部にピットが多数発生することを確認できた。
また、本発明の低粘性ソリッドワイヤを用いているが、酸素ガスを含有しないシールドガスを用いた場合には、図4に示すように、溶接部にピットが発生することを確認できた。
以下に示すように、溶接部のピット発生を抑制する効果の再現性の検証を行った。
本発明の実施例として、上記表2中に示す試験例10の溶接条件を用いた。一方、比較例として、上記表2中に示す試験例17の溶接条件を用いた。
また、重ね隅肉溶接における溶接ワイヤの狙い位置は、図6に示すように、上板の端部端(図6中に、0mmと示す位置)とした。
n数=3として、各溶接条件でサンプルを作成後、溶接部についてスパッタ、ふくらみ、アンダーカットの有無を確認した。結果を表5に示す。
その後、磨き処理を行った後、ピット数の確認を行った。溶接部の磨き処理後のビード外観を、それぞれ図7及び図8に示す。
一方、比較例である試験例17では、表5に示すように、いずれのサンプルにも溶接部にピットの発生、ふくらみやアンダーカットが見られた。また、図8に示すように、磨き処理後には、磨き処理前に比べて溶接部のピット数が多く見られた。
以上のように、本発明では、溶接部の内部においてもピットが発生していないことを確認できた。さらに、溶接部のピット発生を抑制する効果の再現性に優れていることを確認できた。
以下に示すように、重ね隅肉溶接における溶接母材間のギャップの有無の効果を検証した。
溶接条件としては、上記表2中に示す試験例17を用いた。また、重ね隅肉溶接における溶接ワイヤの狙い位置は、図9(a)及び図9(b)に示すように、上板の端部端(図中に、0mmと示す位置)とした。
先ず、図9(a)に示すように、溶接母材間にギャップを設けない(すなわち、ギャップ0mm)で亜鉛めっき鋼板の重ね隅肉溶接を行った。図10に溶接部のビード外観の結果を示す。
次に、図9(b)に示すように、溶接母材間に0.7mmのギャップを設けて亜鉛めっき鋼板の重ね隅肉溶接を行った。図11に溶接部のビード外観の結果を示す。
一方、図11に示すように、溶接母材間に0.7mmのギャップを設けて重ね隅肉溶接を行った場合には、溶接部にピットの発生が見られなかった。
以下に示すように、重ね隅肉溶接における溶接ビード断面硬さを検証した。
本発明の実施例として、上記表2中に示す試験例10の溶接条件を用いた。一方、比較例として、上記表2中に示す試験例17の溶接条件を用いて試験片を作製した。なお、重ね隅肉溶接における溶接ワイヤの狙い位置は、図1に示すように、+1mmとした。
図13に示すように、実施例及び比較例のビード断面の硬さには差が見られず、同等の硬さであると考えられる。したがって、シールドガス中に高濃度の酸素ガスを含有した場合であっても、機械的強度(ビード断面の硬さ)に影響がないことを確認できた。
以下に示すように、検証試験4と同様に作製した、実施例(表2中の試験例10)及び比較例(表2中の試験例17)の試験片の、引張試験の破断位置を検証した。なお、引張試験機としては、ミツトヨ社製「HM−200」を用いた。
実施例及び試験例の引張試験の結果、破断位置はいずれも溶接金属ではなく、母材で破断していることを確認した。したがって、シールドガス中に高濃度の酸素ガスを含有した場合であっても、機械的強度(引張強度)に影響がないことを確認できた。
Claims (5)
- 亜鉛めっき鋼板をMAG溶接法によって溶接する方法であって、
溶接ワイヤとして、溶融池の粘度を低減する低粘性ソリッドワイヤを用いるとともに、
シールドガスとして、酸素ガス14〜16容量%、炭酸ガス7〜12容量%、残部がアルゴンガスからなる3種混合ガスを用いることを特徴とする亜鉛めっき鋼板の溶接方法。 - 前記低粘性ソリッドワイヤが、Si含有量が0質量%超0.8質量%以下であり、且つ、Mn含有量が0質量%超1.0質量%以下の溶接ワイヤであることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛めっき鋼板の溶接方法。
- 亜鉛めっき鋼板の重ね隅肉溶接であることを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛めっき鋼板の溶接方法。
- 重ね隅肉溶接時の亜鉛めっき鋼板間のギャップが、0.7mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の亜鉛めっき鋼板の溶接方法。
- 前記ギャップが、0mmであることを特徴とする請求項3又は4に記載の亜鉛めっき鋼板の溶接方法。
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