JPWO2015190073A1 - 多元共重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

共役ジエンと非共役オレフィンと芳香族ビニルとからなる多元共重合体の製造方法の提供。一般式(I)(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニル基を示し、Ra〜Rfは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体などからなる群より選択される少なくとも1種類の錯体を含む重合触媒組成物の存在下、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを重合させる工程を具えることを特徴とする、多元共重合体の製造方法。

Description

本発明は、多元共重合体の製造方法に関する。
一般に、ゴム製品(タイヤ、コンベアベルト、防振ゴム、免震ゴム等)には高い耐久性(耐破壊特性、耐摩耗性、及び耐亀裂成長性等)及び耐候性が求められており、かかる要求を満たすために様々なゴム成分やゴム組成物が開発されてきている。例えば、特許文献1は、共役ジエン部分(共役ジエン化合物由来部分)のシス−1,4結合含量が70.5mol%より大きく、非共役オレフィンの含有量が10mol%以上である共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体を開示しており、また、この共重合体が、耐亀裂成長性及び耐候性の良好なゴムを製造するのに用いられることが開示されている。
かかる共重合体は、1種類の共役ジエン化合物と1種類の非共役オレフィン化合物とを重合してなる二元共重合体であり、耐候性の向上に寄与する非共役オレフィン部分の含量の増加によって結晶性が増大する傾向にある。共重合体におけるかかる結晶性の増大により、エラストマーとしての物性が低下するおそれがあり、また、これを用いてゴム組成物やゴム製品等を製造する際(特にゴム組成物の製造における混練時)の作業性が低下するおそれがある。
国際公開第2012/014455号
上述するような二元共重合体の問題点を解消し、ゴム組成物やゴム製品の耐久性及び耐候性の向上に寄与する上、結晶性が低く作業性に優れた重合体として、共役ジエン化合物由来部分と、非共役オレフィン化合物由来部分と、芳香族ビニル化合物由来部分とを併せ持つ、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体が考えられる。しかしながら、かかる多元共重合体を、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合して製造することができる方法は、これまで報告されていなかった。そのため、かかる多元共重合体のうち、例えば、かかる三元共重合体は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との二元共重合体を合成し、得られた二元共重合体に対して水素添加反応を行い、二元共重合体の主鎖の不飽和二重結合に対してランダムに水素を付加させる方法によって製造されている。
しかしながら、かかる製造方法はコストが高く、製造効率も低かった。そこで、本発明は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を得ることができる、多元共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の多元共重合体の製造方法は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することを特徴とする。本発明の多元共重合体の製造方法によれば、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合して、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを下記一般式(I):
Figure 2015190073
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニル基を示し、Ra〜Rfは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(II):
Figure 2015190073
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニル基を示し、X’は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、並びに下記一般式(III):
Figure 2015190073
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR'は、置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基又は置換フルオレニル基を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示し、[B]-は、非配位性アニオンを示す)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体からなる群より選択される、少なくとも1種類の錯体を含む重合触媒組成物の存在下で共重合させる工程を含むことが好ましい。この構成とすることにより、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合することができ、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体多元共重合体を、低コストで且つ効率良く製造することができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、前記一般式(III)中のCpR'は、置換インデニル基であり、前記一般式(I)、(II)又は(III)で表される錯体中の置換インデニル基は、2つ以上の置換基を有することが好ましい。この構成とすることにより、芳香族ビニル化合物の共重合比を高めることができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、前記置換インデニル基上の少なくとも1つの置換基は、前記置換インデニル基の五員環上に存在することが好ましい。この構成とすることにより、芳香族ビニル化合物の共重合比をより高めることができる。
本発明の多元共重合体の製造法において、前記置換インデニル基上の少なくとも1つの置換基は、フェニル基であることが好ましい。この構成とすることにより、芳香族ビニル化合物の共重合比をより高めることができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、前記非共役オレフィン化合物は、非環状の非共役オレフィン化合物であることが好ましく、α−オレフィンであることがより好ましく、エチレンであることがより一層好ましい。これらの構成とすることにより、効率的に共役ジエン化合物と共重合することができる上、結晶性がより低減し耐候性がより向上した多元共重合体を製造することができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、前記芳香族ビニル化合物は、スチレンであることが好ましい。この構成とすることにより、効率的に共役ジエン化合物と共重合することができる上、結晶性がより低減し耐候性がより向上した多元共重合体を製造することができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、前記共役ジエン化合物は、1,3−ブタジエンであることが好ましい。この構成とすることにより、耐久性が効果的に向上した多元共重合体を製造することができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、製造された多元共重合体中の共役ジエン化合物由来の単位全体における1,4結合含量が50%以上であることが好ましい。この構成とすることにより、ゴム組成物やタイヤ等の耐亀裂成長性や耐摩耗性等の物性を効果的に向上させることができる多元共重合体を提供することができる。
本発明の多元共重合体の製造方法において、ヘキサンを溶媒として用いることが好ましい。この構成とすることにより、環境負荷を低減することができる。
本発明によれば、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を得ることができる、多元共重合体の製造方法を提供する。
本発明の製造方法の一実施形態によって製造した三元共重合体Aの1H−NMRスペクトルである。 本発明の製造方法の一実施形態によって製造した三元共重合体Aの13C−NMRスペクトルである。 本発明の製造方法の一実施形態によって製造した三元共重合体AのGPC−RI曲線及びGPC−UV曲線を示す。 本発明の製造方法の一実施形態によって製造した三元共重合体Cの13C−NMRスペクトルの10ppm〜50ppm部分の拡大図である。
以下に、本発明をその実施形態に基づき詳細に例示説明する。
(多元共重合体の製造方法)
本発明の多元共重合体の製造方法は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することを特徴とする。従来、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造する方法は存在していなかった。そのため、かかる多元共重合体、例えばかかる三元共重合体は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合して得られた二元共重合体に水素添加反応を行って製造していた。これに対し、本発明では、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することができた。また、本発明の製造方法は、従来方法の前記二元共重合体に水素添加反応を行う方法と比べて、製造された多元共重合体中の共役ジエン由来の単位全体における1,4結合含量を大幅に高めることができる。
<多元共重合体>
本発明において、多元共重合体とは、三種類以上のモノマーを共重合してなる共重合体を意味する。つまり、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させてなる、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体とは、一種類以上の共役ジエン化合物と、一種類以上の非共役オレフィン化合物と、一種類以上の芳香族ビニル化合物とを共重合させてなる、主鎖が非環状構造のみからなる共重合体を意味する。本発明の多元共重合体は、三元共重合体であるのが好ましい。製造時における副反応の可能性が低いだけでなく、産業上の需要及び汎用性が高いからである。
本発明の多元共重合体は、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体である。本明細書において、「主鎖」とは、共重合体における、各単位の結合末端を結んでなる長鎖部分を指す。「主鎖」は、共重合体を構成する各単位において隣接する単位とは結合しない分岐部分(すなわち、ペンダント基)を含まない。例えば、主鎖は、多元共重合体を構成する芳香族ビニル化合物由来の単位における芳香環を含まない。言い換えると、多元共重合体を構成する芳香族ビニル化合物由来の単位における芳香環は、隣接する単位と結合しないかぎり、多元共重合体の主鎖には含まれない。
「主鎖が非環状構造のみからなる」とは、主鎖が、脂肪族環構造、芳香環構造及び複素環構造のいずれをも含まないことを意味する。本発明の多元重合体は、主鎖が非環状構造のみからなるため、本発明の製造方法では、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物のビニル基とが、共重合に際して、環化反応することなく付加重合して、主鎖を形成すると考えられる。
一般に、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物のビニル基との共重合では、使用する触媒や反応条件により、多元共重合体主鎖中に脂環式構造が形成される場合が想定され得る。しかし、本発明の製造方法では、共役ジエン化合物と非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物のビニル基との共重合が、立体選択的且つ位置選択的な付加重合で行われているため、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することができる。
本発明の多元共重合体は、主鎖が直鎖のみからなるものであってもよく、側鎖を有していてもよい。ここで「側鎖」とは、主鎖を構成する各単量体単位におけるペンダント基(例えば、芳香族ビニル化合物由来の単位における芳香環など)を含まないものとする。側鎖は、多元共重合体であってもなくてもよい。本発明の多元共重合体の主鎖は、側鎖を有していても、「グラフト共重合体」とは明確に異なるものである。ここで「グラフト共重合体」とは、1種類以上の単量体で構成される重合体である主鎖上に1つ以上の側鎖がグラフト結合されてなり、かかる側鎖を構成する1種類以上の単量体が、主鎖を構成する1種類以上の単量体とは少なくとも1種類以上異なるものである。
本発明の製造方法で製造される多元共重合体(以下、「本発明の多元共重合体」とも呼ぶ)は、共役ジエン化合物と非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物とを共重合してなるため、共役ジエン化合物由来の高い耐久性と、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物が介在して二重結合の割合が低減することによる耐候性の向上とが両立する。
また、本発明の多元共重合体は、共役ジエン化合物を用いて共重合してなるため、例えば公知であるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)のような非共役ジエン化合物を用いて共重合してなる共重合体に比べ、架橋特性に優れる。従って、本発明の多元共重合体は、これを用いて製造されるゴム組成物やゴム製品の機械特性をより向上させることができるという利点も有する。
本発明の多元共重合体は、共役ジエン化合物由来の単位全体における1,4結合含量が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。共役ジエン化合物由来の単位全体における結合含量が50%以上であれば、ガラス転移温度が低くなるため、得られる多元共重合体を用いたゴム組成物やタイヤ等の耐亀裂成長性や耐摩耗性等の物性を効果的に向上させることができる。共役ジエン化合物由来の単位全体における1,4結合は、シス−1,4結合であることが好ましい。シス−1,4結合を含むことにより、ゴム弾性を発揮できるからである。一方、前記共役ジエン化合物由来の単位全体における3,4ビニル結合含量、及び1,2ビニル結合含量は、特に制限はないが、いずれも50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
本発明の多元共重合体は、その融点(Tm)が、該多元共重合体に用いた共役ジエン化合物と、該多元共重合体に用いた非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物のうちの任意の1種とを重合してなる二元共重合体の融点(Tm)と比較して低下していることが好ましい。より具体的には、本発明の多元共重合体は、その融点(Tm)が、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることが特に好ましい。また、本発明の多元共重合体は、その融点(Tm)が消失していることも好ましい。これらの場合においては、従来の二元共重合体に対し、新たに非共役オレフィン化合物又は芳香族ビニル化合物を追加したことのみによって結晶性が低減されたといえ、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物を用いて重合することを特徴とする本発明の利点を、より享受することができる。すなわち、これらの場合においては、かかる多元共重合体を用いてなるゴム組成物やタイヤ等を、高い作業性をもって製造することができる上、当該ゴム組成物やタイヤ等の耐久性及び耐候性を高いものとすることができる。
なお、上述した共重合体が複数の融点を有する場合においては、それらのうち最も高い融点を用いて上記の対比を行うものとする。
本発明の多元共重合体は、共役ジエン化合物由来の単位の含有量が1〜99mol%であるのが好ましく、5〜95mol%であるのがより好ましく、10〜90mol%であるのが特に好ましい。共役ジエン化合物由来の単位の含有量が1mol%以上であれば、得られる多元共重合体がエラストマーとして均一にふるまうことが可能となり、より高い耐久性をもたらすことができ、一方、99mol%以下であれば、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物を用いたことの効果を十分に得ることができる。
また、本発明の多元共重合体は、非共役オレフィン化合物由来の単位と芳香族ビニル化合物由来の単位との総含有量が1〜99mol%であるのが好ましく、5〜95mol%であるのがより好ましく、10〜90mol%であるのが特に好ましい。非共役オレフィン化合物由来の単位と芳香族ビニル化合物由来の単位との総含有量が1mol%以上であれば、得られる多元共重合体に対し、より高い耐候性をもたらすことができ、一方、99mol%以下であれば、共役ジエン化合物を用いたことの効果を十分に得ることができる。また、従来の二元共重合体(共役ジエン化合物と非共役オレフィン化合物との重合体、及び共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との重合体)においては、一般に非共役オレフィン化合物由来の単位又は芳香族ビニル化合物由来の単位の含有量が50mol%以上、即ち、共役ジエン化合物由来の単位の含有量が50mol%以下であると、エラストマーとしての十分な物性が失われるところ、本発明においては、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物を用いることで結晶性を低く抑えられるため、非共役オレフィン化合物由来の単位又は芳香族ビニル化合物由来の単位の総含有量が90mol%であっても、エラストマー物性を確保することができる。
更に、本発明の多元共重合体においては、非共役オレフィン化合物由来の単位及び芳香族ビニル化合物由来の単位全体における、一方の単位の割合が1〜99mol%であるのが好ましく、3〜97mol%であるのがより好ましく、10〜90mol%であるのが特に好ましい。このように、2種類の非共役オレフィン化合物由来の単位がそれぞれ少なくとも1mol%含まれていることにより、効果的に結晶性を低減することができる。
本発明の多元共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が10,000〜10,000,000であることが好ましく、100,000〜9,000,000であることがより好ましく、150,000〜8,000,000であることが特に好ましい。前記多元共重合体のMwが10,000以上であることにより、ゴム製品材料としての機械的強度を十分に確保することができ、また、Mwが10,000,000以下であることにより、高い作業性を保持することができる。
更に、本発明の多元共重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が、10.0以下であることが好ましく、9.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることが特に好ましい。前記多元共重合体の分子量分布が10.0以下であることにより、前記多元共重合体の物性に十分な均質性をもたらすことができる。
本発明の多元共重合体の連鎖構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、共役ジエン化合物由来の単位をA、非共役オレフィン化合物由来の単位をB、芳香族ビニル化合物由来の単位をCとした場合において、Ax−By−Cz(x、y、zは1以上の整数である)等の構成をとるブロック共重合体、A、B、Cがランダムに配列する構成をとるランダム共重合体、前記ランダム共重合体とブロック共重合体とが混在してなるテーパー共重合体、(A−B−C)w(wは1以上の整数である)等の構成をとる交互共重合体とすることができる。
<多元共重合体の同定>
本発明の製造方法によって多元共重合体が得られたか否かは、重合生成物に対して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、1H−NMR、13C−NMR、等の手法を用いることによって確認することができる。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー−屈折率曲線(GPC−RI曲線)及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー−紫外線吸収曲線(GPC−UV曲線)に基づき、共重合体中のベンゼン環等の芳香族環によるUV吸収を確認して、芳香族ビニル化合物由来の骨格の存在を確認することができる。また、1H−NMRスペクトルや13C−NMRスペクトルに基づき、各単量体成分由来の単位の存在を確認することができる。
多元共重合体の物性やミクロ構造は、示差走査熱量測定(DSC)、1H−NMR、13C−NMR、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等の手法を用いることによって同定することができる。具体的には、融点(℃)はDSCによって求めることができる。各単量体成分由来単位の含有量及び比並びに共役ジエン化合物由来の単位全体におけるシス−1,4結合含量、トランス−1,4結合含量及び1,2ビニル結合含量は、1H−NMR及び13C−NMRによって求めることができる。重量平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として求めることができる。連鎖構造は、DSC、1H−NMR、13C−NMR、GPCを用いて同定した物性やミクロ構造に基づき同定することができる。
多元共重合体の主鎖が非環状構造のみからなることは、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトルにおいて、脂肪族環構造由来のピークが観察されないことにより確認することができる。例えば、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエンを用い、非共役オレフィン化合物としてエチレンを用いて共重合すると、1,3−ブタジエンに対する1,2−付加などによって、主鎖中に脂肪族環状構造としてシクロプロパン環(三員環)又はシクロペンタン環(五員環)が形成される可能性が考えられる。この場合、得られた多元共重合体の13C−NMRスペクトルを測定して、三〜五員脂肪族環構造由来のピーク(10〜24ppm)が存在しないことにより、主鎖が非環状構造のみからなることを確認することができる。
また、得られた多元共重合体の1H−NMRスペクトルやGPCスペクトルに芳香族ビニル化合物の芳香環構造由来のピークが存在することにより、多元共重合体中の側鎖として芳香環構造が保存されていることを確認することができる。
<共役ジエン化合物>
本明細書において、共役ジエン化合物とは、共役系のジエン化合物を指す。本発明の製造方法で単量体として用いる共役ジエン化合物は、特に限定しないが、炭素数が4〜8であることが好ましい。かかる共役ジエン化合物として、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられるが、これらの中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。製造された多元共重合体を用いたゴム組成物やタイヤ等の耐久性を効果的に向上させることができるからである。
<非共役オレフィン化合物>
本明細書において、オレフィン化合物とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素−炭素二重結合を1個以上有する化合物を指し、非共役オレフィン化合物は、芳香族ビニル化合物を含まないものとする。本発明の製造方法で単量体として用いる非共役オレフィン化合物は、特に限定しないが、炭素数が2〜10であることが好ましい。かかる非共役オレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、若しくは1−オクテン等のα−オレフィン、ピバリン酸ビニル、1−フェニルチオエテン、若しくはN−ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。なお、前記非共役オレフィン化合物としては、特に制限されることなく、上述した非共役オレフィン化合物を用いることができるが、これらの中でも、非環状の非共役オレフィン化合物であることが好ましく、α−オレフィンであることがより好ましく、エチレンであることが特に好ましい。α−オレフィンのような非環状の非共役オレフィン化合物、特にエチレンは、オレフィンのα位に二重結合を有するため、効率的に共役ジエン化合物と重合することができる上、製造された多元共重合体の結晶性をより低減し、かかる多元共重合体を用いたゴム組成物及びタイヤ等の耐候性をより向上させることができるからである。
<芳香族ビニル化合物>
本明細書において、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指す。本発明の製造方法で単量体として用いる芳香族ビニル化合物は、特に限定しないが、炭素数が8〜10であることが好ましい。かかる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。なお、前記芳香族ビニル化合物としては、特に制限されることなく、上述した芳香族ビニル化合物を用いることができるが、これらの中でも、スチレンであることがより好ましい。効率的に共役ジエン化合物と重合することができる上、製造された共重合体の結晶性がより低減するとともに、耐候性をより向上させることができるからである。
<重合触媒組成物>
本発明の製造方法では、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを下記一般式(I):
Figure 2015190073
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニルを示し、Ra〜Rfは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(II):
Figure 2015190073
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニルを示し、X’は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、並びに下記一般式(III):
Figure 2015190073
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR'は、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル又は置換フルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示し、[B]-は、非配位性アニオンを示す)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体からなる群より選択される少なくとも1種類の錯体を含む重合触媒組成物の存在下で共重合させる工程を含むことが好ましい。
重合触媒組成物は、更に、通常のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含んでいてもよい。ここで、メタロセン錯体は、一つ又は二つ以上のシクロペンタジエニル又はその誘導体が中心金属に結合した錯体化合物であり、特に、中心金属に結合したシクロペンタジエニル又はその誘導体が一つであるメタロセン錯体を、ハーフメタロセン錯体と称することがある。
なお、重合反応系において、重合触媒組成物に含まれる錯体の濃度は0.1〜0.0001mol/Lの範囲であることが好ましい。
一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体において、式中のCpRは、置換インデニルである。置換インデニル環を基本骨格とするCpRは、C97-xx又はC911-xxで示され得る。ここで、Xは置換インデニル基上の置換基の数であり、Xは1〜7又は1〜11の整数である。芳香族ビニル化合物の共重合比率を高める観点から、Xは、2以上であるのが好ましく、置換インデニル基の5員環上に存在するのも好ましい。Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。中でも、芳香族ビニル化合物の共重合比率を高める観点から、少なくとも1つのRは、フェニル基、ベンジル基等の芳香族基であることが好ましい。Xが2以上であったり、Rが芳香族基等のかさ高い置換基を有すると、CpRが一層かさ高くなり、重合される単量体が、立体障害によって、一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体の触媒中心である金属Mに対してNSi(Rabc)Si(Rdef)側又はSiX'3側から接近することになるため、非共役オレフィン化合物や芳香族ビニル化合物のビニル部分が導入され易くなるからである。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。置換インデニルとして、具体的には、2−フェニルインデニル、2−メチルインデニル、1−メチル−2−フェニルインデニル、1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニル、1−エチル−2−フェニルインデニル、1−ベンジル−2−フェニルインデニル等が挙げられる。なお、一般式(I)及び(II)における二つのCpRは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体において、式中のCpR'は、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル又は置換フルオレニルであり、これらの中でも、芳香族ビニル化合物の共重合比率を高める観点から、置換インデニルであることが好ましい。置換シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCpR'は、C55-xxで示される。ここで、Xは1〜4の整数である。芳香族ビニル化合物の共重合比率を高める観点から、Xは、2以上であるのが好ましく、置換インデニル基の5員環上に存在するのも好ましい。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。中でも、芳香族ビニル化合物の共重合比率を高める観点から、少なくとも1つのRは、フェニル基、ベンジル基等の芳香族基であることが好ましい。Xが2以上であったり、Rが芳香族基等のかさ高い置換基を有すると、CpRが一層かさ高くなり、重合される単量体が、立体障害によって、一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体の触媒中心である金属Mに対してNSi(Rabc)Si(Rdef)側又はSiX'3側から接近することになるため、非共役オレフィン化合物や芳香族ビニル化合物のビニル部分が導入され易くなるからである。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。置換シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCpR'として、具体的には、以下のものが例示される。
Figure 2015190073
(式中、R'はメチル基又はエチル基を示し、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。)
一般式(III)において、上記置換インデニル環を基本骨格とするCpR'は、一般式(I)のCpRと同様に定義され、好ましい例も同様である。
一般式(III)において、上記置換フルオレニル環を基本骨格とするCpR'は、C139-xx又はC1317-xxで示され得る。ここで、Xは1〜9又は1〜17の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。中でも、芳香族ビニル化合物の共重合比率を高める観点から、少なくとも1つのRは、フェニル基、ベンジル基等の芳香族基であることが好ましい。Xが2以上であったり、Rが芳香族基等のかさ高い置換基を有すると、CpRが一層かさ高くなり、重合される単量体が、立体障害によって、一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体の触媒中心である金属Mに対してNSi(Rabc)Si(Rdef)側又はSiX'3側から接近することになるため、非共役オレフィン化合物や芳香族ビニル化合物のビニル部分が導入され易くなるからである。ベンジル基等の芳香族基 一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
一般式(I)、(II)及び(III)における中心金属Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムである。ランタノイド元素には、原子番号57〜71の15元素が含まれ、これらのいずれでもよい。中心金属Mとしては、サマリウムSm、ネオジムNd、プラセオジムPr、ガドリニウムGd、セリウムCe、ホルミウムHo、スカンジウムSc及びイットリウムYが好適に挙げられる。
一般式(I)で表されるメタロセン錯体は、シリルアミド配位子[−N(SiR32]を含む。シリルアミド配位子に含まれるR基(一般式(I)におけるRa〜Rf)は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。また、Ra〜Rfのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましい。Ra〜Rfのうち少なくとも一つを水素原子にすることで、触媒の合成が容易になり、また、ケイ素まわりのかさ高さが低くなるため、非共役オレフィン化合物や芳香族ビニル化合物が導入され易くなる。同様の観点から、Ra〜Rcのうち少なくとも一つが水素原子であり、Rd〜Rfのうち少なくとも一つが水素原子であることが更に好ましい。更に、アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、シリル配位子[−SiX’3]を含む。シリル配位子[−SiX’3]に含まれるX'は、下記で説明される一般式(III)のXと同様に定義される基であり、好ましい基も同様である。
一般式(III)において、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基及び炭素数1〜20の炭化水素基からなる群より選択される基である。ここで、上記アルコキシド基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシド基が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、これらの中でも、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すシリル基としては、トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基等が挙げられ、これらの中でも、トリス(トリメチルシリル)シリル基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のいずれでもよいが、塩素原子又は臭素原子が好ましい。また、Xが表す炭素数1〜20の炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等の他;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基等が好ましい。
一般式(III)において、Xとしては、ビストリメチルシリルアミド基又は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。
一般式(III)において、[B]-で示される非配位性アニオンとしては、例えば、4価のホウ素アニオンが挙げられる。該4価のホウ素アニオンとして、具体的には、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニルペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
上記一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、更に0〜3個、好ましくは0〜1個の中性ルイス塩基Lを含む。ここで、中性ルイス塩基Lとしては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。ここで、上記錯体が複数の中性ルイス塩基Lを含む場合、中性ルイス塩基Lは、同一であっても異なっていてもよい。
また、上記一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、単量体として存在していてもよく、二量体又はそれ以上の多量体として存在していてもよい。
上記一般式(I)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でランタノイドトリスハライド、スカンジウムトリスハライド又はイットリウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えば、カリウム塩やリチウム塩)及びビス(トリアルキルシリル)アミドの塩(例えば、カリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(I)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
Figure 2015190073
(式中、X’’はハライドを示す。)
上記一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でランタノイドトリスハライド、スカンジウムトリスハライド又はイットリウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びシリルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(II)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
Figure 2015190073
(式中、X’’はハライドを示す。)
上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、例えば、次の反応により得ることができる。
Figure 2015190073
ここで、一般式(IV)で表される化合物において、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR'は、それぞれ独立して置換シクロペンタジエニル、置換インデニル又は置換フルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す。また、一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物において、[A]+は、カチオンを示し、[B]-は、非配位性アニオンを示す。
[A]+で表されるカチオンとしては、例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アミンカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等が挙げられる。カルボニウムカチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アミンカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらカチオンの中でも、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオン又はカルボニウムカチオンが好ましく、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
上記反応に用いる一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物としては、上記の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物であって、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物は、メタロセン錯体に対して0.1〜10倍mol加えることが好ましく、約1倍mol加えることが更に好ましい。なお、一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を重合反応に用いる場合、一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体をそのまま重合反応系中に提供してもよいし、上記反応に用いる一般式(IV)で表される化合物と一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物を別個に重合反応系中に提供し、反応系中において一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を形成させてもよい。また、一般式(I)又は(II)で表されるメタロセン錯体と一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物とを組み合わせて使用することにより、反応系中において一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を形成させることもできる。
一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体、並びに一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体の構造は、X線構造解析により決定することが好ましい。
重合触媒組成物に用いることができる助触媒は、通常のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物の助触媒として用いられる成分から任意に選択され得る。該助触媒としては、例えば、アルミノキサン、有機アルミニウム化合物、上記のイオン性化合物等が好適に挙げられる。これら助触媒は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルミノキサンとしては、アルキルアミノキサンが好ましく、例えば、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン等が挙げられる。また、修飾メチルアルミノキサンとしては、MMAO−3A(東ソーファインケム社製)等が好ましい。なお、上記第二重合触媒組成物におけるアルミノキサンの含有量は、メタロセン錯体の中心金属Mに対する、アルミノキサンのアルミニウム元素Alの元素比率Al/Mが、10〜1000程度、好ましくは100程度となるようにすることが好ましい。
一方、上記有機アルミニウム化合物としては、一般式AlRR’R’’(式中、R及びR'はそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R’’は炭素数1〜10の炭化水素基である)で表される有機アルミニウム化合物が好ましい。上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリアルキルアルミニウムが好ましい。また、トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等が挙げられる。なお、上記重合触媒組成物における有機アルミニウム化合物の含有量は、メタロセン錯体に対して1〜50倍molであることが好ましく、約10倍molであることが更に好ましい。
更に、重合触媒組成物においては、一般式(I)及び(II)で表されるメタロセン錯体、並びに一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体をそれぞれ、適切な助触媒と組み合わせることで、シス−1,4結合含量や得られる重合体の分子量を増大できる。
<重合工程>
本発明の製造方法は、上記重合触媒組成物の存在下で、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを重合させる工程(以下、重合工程とも呼ぶ)を具え、更に、必要に応じ、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を適宜具えることができる。
重合工程としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、重合反応において不活性なものであればよく、例えば、トルエン、ヘキサン(例えば、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン)等が挙げられる。中でも、ヘキサンが好ましい。ヘキサンを溶媒として用いて重合を行うと、環境負荷を低減することができる。
本発明の製造方法において、重合工程は、一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。一段階の重合工程とは、重合させる三種類全ての種類の単量体、すなわち、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを一斉に反応させて重合させる工程である。多段階の重合工程とは、一種類又は二種類の単量体の一部又は全部を最初に反応させて重合体を形成し(第1重合段階)、次いで、残る種類の単量体や前記一種類又は二種類の単量体の残部を添加して重合させる一以上の段階(第2重合段階〜最終重合段階)を行って重合させる工程である。
上記重合触媒組成物の存在下では、各単量体の投入順序、各単量体の投入量、その他の反応条件を制御することによって、製造された多元共重合体中における共役ジエン化合物由来の単位全体における結合含量(シス−1,4結合含量、トランス−1,4結合含量、3,4ビニル結合含量及び1,2ビニル結合含量)や各単量体由来の単位の含有量(すなわち、各単量体の共重合比)を制御することができる。
本発明の製造方法において、重合工程は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。重合工程の重合温度は、特に限定しないが、例えば、−100〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、重合温度を上げると、重合反応のシス−1,4選択性が低下することがある。重合工程の圧力は、非共役オレフィン化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲とすることが好ましい。重合工程の反応時間は、特に限定しないが、例えば、1秒〜10日の範囲であり、得られる多元共重合体について所望するミクロ構造、各単量体の種類、投入量及び添加順序、触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。重合工程において、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
<カップリング工程>
カップリング工程は、前記重合工程において得られた多元共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)を変性する反応(カップリング反応)を行う工程である。カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応を行うことが好ましい。
前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ等のスズ含有化合物;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズが、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、数平均分子量(Mn)の増加を行うことができる。
<洗浄工程>
洗浄工程は、前記重合工程において得られた多元共重合体を洗浄する工程である。なお、洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられるが、重合触媒としてルイス酸由来の触媒を使用する際は、特にこれらの溶媒に対して酸(たとえば塩酸、硫酸、硝酸)を加えて使用することができる。添加する酸の量は溶媒に対して15mol%以下が好ましい。これ以上では酸が共重合体中に残存してしまうことで混練及び加硫時の反応に悪影響を及ぼす可能性がある。
この洗浄工程により、共重合体中の触媒残渣量を好適に低下させることができる。
(ゴム組成物)
本発明の多元共重合体を用いて、ゴム組成物を製造することができる。該ゴム組成物は、ゴム成分として、少なくとも本発明の多元共重合体を含み、更に必要に応じて、その他のゴム成分、充填剤、架橋剤、その他の成分を含むことができる。
なお、その他のゴム成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイソプレン、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EPDM)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記ゴム組成物には、その補強性を向上させること等を目的として、必要に応じて、充填剤を用いることができる。前記充填剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、10〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜60質量部が特に好ましい。前記充填剤の配合量が10質量部以上であることにより、充填剤を配合したことによる補強性向上の効果が得られ、また、100質量以下であることにより、低ロス性の大幅な低下を回避しつつ、良好な作業性を保持することができる。
なお、前記充填剤としては、特に制限はなく、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等が挙げられるが、これらの中でも、カーボンブラックを用いることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FEF、GPF、SRF、HAF、N339、IISAF、ISAF、SAF、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20〜100m2/gが好ましく、35〜80m2/gがより好ましい。前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上であることにより、得られるゴム組成物の耐久性が向上し、十分な耐亀裂成長性が得られ、また、100m2/g以下であることにより、低ロス性の大幅な低下を回避しつつ、良好な作業性を保持することができる。
前記ゴム組成物には、必要に応じて、架橋剤を用いることができる。前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤等が挙げられる。なお、タイヤ用ゴム組成物としては、これらの中でも硫黄系架橋剤(加硫剤)がより好ましい。
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましい。前記架橋剤の含有量が0.1質量部未満であると、架橋がほとんど進行しないおそれがあり、一方、20質量部を超えると、一部の架橋剤により混練り中に架橋が進んでしまう傾向があり、また、加硫物の物性が損なわれるおそれがある。
前記加硫剤を用いる場合には、更に加硫促進剤を併用することもできる。前記加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が挙げられる。また、本発明のゴム組成物には、必要に応じて、軟化剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤など公知のものをその使用目的に応じて使用することができる。
(架橋ゴム組成物)
また、本発明の多元共重合体を含む前記ゴム組成物を架橋することにより、架橋ゴム組成物を得ることができる。前記架橋の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度120〜200℃、加温時間1分間〜900分間とすることが好ましい。かかる架橋ゴム組成物は、ゴム成分の単量体の一つとして共役ジエン化合物を用いているため、EPDMのような非共役ジエン化合物を単量体の一つとする重合体を用いた場合に比べ、架橋特性が良好であり、従って機械特性がより高い。
(タイヤ)
本発明の多元共重合体を含む前記ゴム組成物を用いて、タイヤを製造することができる。該タイヤは、本発明の多元共重合体を含むゴム組成物を用いたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。かかるタイヤは、本発明の多元共重合体を含むゴム組成物を用いているため、高い作業性をもって製造することができる上、耐久性及び耐候性が高い。タイヤにおける本発明のゴム組成物の適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラーなどが挙げられる。これらの中でも、本発明のゴム組成物をトレッドに用いることが、耐久性の観点で有利である。
前記タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫ゴム組成物及び/又はコードからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)を製造することができる。
(タイヤ以外の用途)
本発明の多元共重合体を含む前記ゴム組成物は、タイヤ用途以外にも、防振ゴム、免震ゴム、コンベアベルト等のベルト、ゴムクローラ、各種ホースなどに用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1:三元共重合体A)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン50g(0.48mol)を含むトルエン溶液250gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(1−メチル−2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリル)アミド[(1−Me−2−PhC962GdN(SiHMe22]38.5μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]42.3μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド1.78mmolを仕込み、トルエン10mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で35μmolとなる量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン100g(1.85mol)を含む単量体溶液600gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で240分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Aを得た。得られた三元共重合体Aの収量は154gであった。
(合成例2:三元共重合体B)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン50g(0.48mol)を含むトルエン溶液250gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)296Gd(N(SiHMe222]38.5μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]42.3μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド1.78mmolを仕込み、トルエン10mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で35μmolとなる量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン150g(2.78mol)を含む単量体溶液600gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で240分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Bを得た。得られた三元共重合体Bの収量は264gであった。
(合成例3:三元共重合体C)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン50g(0.48mol)を含むトルエン溶液250gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(1−エチル−2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリル)アミド[(1−Et−2−PhC952GdN(SiHMe22]35μmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド 1.78mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654] 38.5mmolを仕込み、トルエン10mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で35μmolとなる量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン150g(2.78mol)を含む単量体溶液600gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で240分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し重合体Cを得た。得られた重合体Cの収量は78gであった。
(合成例4:三元共重合体D)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン50g(0.48mol)を含むトルエン溶液250gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(1−ベンジル−2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリル)アミド[(1−Bn−2−PhC952GdN(SiHMe22] 35μmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド1.78mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]38.5mmolを仕込み、トルエン10mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で35μmolとなる量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン150g(2.78mol)を含む単量体溶液600gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で240分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し重合体Dを得た。得られた重合体Dの収量は86gであった。
(合成例5:三元共重合体E)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン50g(0.48mol)を含むトルエン溶液250gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムトリメチルシラン[(2−PhC952GdSiMe3] 35μmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド0.89 mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654] 38.5mmolを仕込み、トルエン10mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で35μmolとなる量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン100g(2.78mol)を含む単量体溶液600gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で240分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し重合体Eを得た。得られた重合体Eの収量は98gであった。
(合成例6:三元共重合体H)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン5g(0.05 mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−TBS2IndGd(N(SiHMe222]64μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]70μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.45mmol、ジイソブチルアルミニウムクロリド64μmolを仕込み、シクロヘキサン20mLに溶解させ、触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を反応容器へ添加後、1,3−ブタジエン90g(1.66 mol)を含むモノマー溶液300gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で300分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Hを得た。得られた三元共重合体Hの収量は63gであった。
(合成例7:三元共重合体I)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン35g(0.33 mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルネオジウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−TBS2NdGd(N(SiHMe222]160μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]176μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド3.46mmolを仕込み、シクロヘキサン50mLに溶解させ、触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を反応容器へ添加後、1,3−ブタジエン150g(2.77mol)を含むモノマー溶液600gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で420分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Iを得た。得られた三元共重合体Iの収量は127gであった。
(合成例8:三元共重合体J)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン5g(0.05 mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t-ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−TBS2IndGd(N(SiHMe222]64μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]70μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.45mmolを仕込み、シクロヘキサン20mLに溶解させ、触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を反応容器へ添加後、1,3−ブタジエン80g(1.48 mol)を含むモノマー溶液400gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で300分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Jを得た。得られた三元共重合体Jの収量は 79gであった。
(合成例9:三元共重合体K)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン40g(0.38 mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−TBS2IndGd(N(SiHMe222]64μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]70μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.45mmolを仕込み、シクロヘキサン20mLに溶解させ、触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を反応容器へ添加後、1,3−ブタジエン10g(0.19 mol)を含むモノマー溶液 を導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で300分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2-プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Kを得た。得られた三元共重合体Kの収量は96gであった。
(合成例10:三元共重合体L)
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン90g(0.87 mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−TBS2IndGd(N(SiHMe222]64μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C654]70μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.45mmolを仕込み、シクロヘキサン20mLに溶解させ、触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を反応容器へ添加後、1,3−ブタジエン80g(1.48 mol)を含むモノマー溶液400gを導入し、エチレン圧下(0.5MPa)で、80℃で460分間、重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、三元共重合体Lを得た。得られた三元共重合体Fの収量は79gであった。
(合成例11:水添SBR共重合体F)
(工程1:高cis含有SBRの合成)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、十分に乾燥した1L耐圧ガラスボトルに、スチレン104g(1mol)及びトルエン50gを添加し、ボトルを打栓した。その後、グローブボックスからボトルを取り出し、1,3−ブタジエンを54g(1mol)仕込み、単量体溶液とした。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中でガラス製容器に、ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリル)アミド[(2−PhC952GdN(SiHMe22]を60μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C654]を60μmol及びジイソブチルアルミニウムハイドライド500μmolを仕込み、トルエン10mLで溶解させ触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、単量体溶液に添加し、70℃で30分間重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノール/塩酸混合溶媒で共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し29.6gの高cis含有SBRを得た。
(工程2:高cis含有SBRの水素化)
窒素雰囲気下、十分に乾燥した2L耐圧ステンレスリアクター中に、上記(工程1)で得られた高cis含有SBR25gをヘキサン400gに溶解させたポリマーセメントを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−エチルヘキサン酸)ニッケル[Ni(OC=OCH(Et)C492]を0.06mmol及びトリエチルアルミニウム0.40mmolを仕込み、ヘキサン10mLで溶解させ触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ポリマーセメントに添加し、水素圧下(0.2MPa)にて50℃で20分間、反応を行った。反応後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えた後、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し重合体Fを得た。得られた重合体Fの収量は21gであった。
(合成例12:水添SBR共重合体G)
(工程1:高cis含有SBRの合成)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、十分に乾燥した1L耐圧ガラスボトルに、スチレン104g(1mol)及びトルエン50gを添加し、ボトルを打栓した。その後、グローブボックスからボトルを取り出し、1,3−ブタジエンを54g(1mol)仕込み、単量体溶液とした。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中でガラス製容器に、ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリル)アミド[(2−PhC952GdN(SiHMe22]を60μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C654]を60μmol及びジイソブチルアルミニウムハイドライド700μmolを仕込み、トルエン10mLで溶解させ触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、単量体溶液に添加し、70℃で30分間重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノール/塩酸混合溶媒で共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し27.3gの高cis含有SBRを得た。
(工程2:高cis含有SBRの水素化)
窒素雰囲気下、十分に乾燥した2L耐圧ステンレスリアクター中に、上記(工程1)で得られた高cis含有SBR25gをヘキサン400gに溶解させたポリマーセメントを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−エチルヘキサン酸)ニッケル[Ni(OC=OCH(Et)C492]を0.06mmol及びトリエチルアルミニウム0.40mmolを仕込み、ヘキサン10mLで溶解させ触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ポリマーセメントに添加し、水素圧下(0.2MPa)にて50℃で20分間、反応を行った。反応後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えた後、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し重合体Gを得た。得られた重合体Gの収量は16.4gであった。
(合成例13:水添SBR共重合体M)
(工程1:高cis含有SBRの合成)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、十分に乾燥した1L耐圧硝子ボトルに、スチレン104g(1mol)及びトルエン50gを添加し、ボトルを打栓した。その後、グローブボックスからボトルを取り出し、1,3−ブタジエンを54g(1mol)仕込み、モノマー溶液とした。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中でガラス製容器に、ビス(2−フェニル−3−メチルインデニル)ガドリニウム(ビス(ジメチルシリル)アミド)[(2−Ph−3−MeC952GdN(SiHMe22]を60μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C654]を60μmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド700μmolを仕込み、トルエン10mLで溶解させ触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、モノマー溶液を添加し、70度で30分間重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノール/塩酸混合溶媒で共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し29.6gの高cis含有SBRを得た。
(工程2:高cis含有SBRの水素化)
予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル:トリエチルアルミニウム:ブタジエン=1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体中のブタジエン部1000モルに対しニッケル1モルとなるよう仕込んだ。その後、反応系内に水素圧力30atmで水素を導入し、80℃で反応させた。反応後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mLを加えた後、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し重合体Mを得た。得られた重合体Mの収量は13.8gであった。
(多元共重合体の確認)
上述のようにして得られた共重合体A〜Gについて、1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルを測定して、各単量体由来の特徴的なピークを確認し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー−屈折率曲線(GPC−RI曲線)及びゲルパーミエーションクロマトグラフィー−紫外線吸収曲線(GPC−UV曲線)を測定して、芳香族ビニル化合物由来の芳香環骨格を確認して、三元共重合体であるか否かを確認した。
一例として、共重合体Aの1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、並びにGPC−RI曲線及びGPC−UV曲線をそれぞれ図1、図2、及び図3で示す。
1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルは、溶媒としてテトラクロロエタンを用いて100℃にて測定した。図1及び図2において、横軸は化学シフト値(ppm)を、縦軸はピーク強度(積分値)を示す。
GPC−RI曲線及びGPC−UV曲線は、溶媒としてTHFを用いて測定した。図3において、横軸は溶出時間(分)を、縦軸は、屈折率(mV)及び紫外線吸収量(mV)を示す(左側目盛:屈折率、右側目盛:紫外線吸収量)。図3において、上側がGPC−RI曲線であり、下側がGPC−UV曲線である。RI検出器で検出したメインピークと同じ分子量域にUV吸収が存在することから、共重合体Aの分子内にスチレン骨格を有することが確認できた。
このようにして、共重合体A〜Mが三元共重合体であることを確認した。
(共重合体の主鎖構造の確認)
また、共重合体Cについて測定した13C−NMRスペクトルにおいて、三〜五員脂環式構造に由来するピークの存在の有無を確認した。測定には、ヘキサクロロブタジエンを溶媒として用いた。
一例として、共重合体Cの13C−NMRスペクトルの10ppm〜50ppmの部分の拡大図を図4として示す。横軸は化学シフト値(ppm)を、縦軸はピーク強度(積分値)を示す。この13C−NMRスペクトルには、三〜五員脂環式構造を形成する炭素に由来するピーク(10〜24ppm)が存在しなかった。このようにして、合成した共重合体の主鎖が非環状構造のみからなることを確認することができた。
(共重合体の同定)
また、共重合体A〜Mについて、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ミクロ構造、融点(Tm)を、下記の方法で測定・評価した。その結果を表1に示す。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8220GPC/HT、カラム:東ソー製GMHHR−H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、共重合体A〜Gのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は40℃である。
(2)ミクロ構造
共重合体A〜M中のミクロ構造を、1H−NMRスペクトル(1,2−ビニル結合の結合含量)及び13C−NMRスペクトル(シス−1,4結合とトランス−1,4結合の含量比)の積分比等により求めた。表1には、共役ジエン化合物由来の単位全体におけるシス−1,4結合含量(%)、トランス−1,4結合含量(%)、及び1,2ビニル結合含量(%)、共役ジエン化合物由来の単位の含有量(mol%)、非共役オレフィン化合物由来の単位の含有量(mol%)、及び芳香族ビニル化合物由来の単位の含有量(mol%)を示す。
例えば、共重合体Aについて、ブタジエン(Bd)/エチレン(Et)のモル比を、測定した13C−NMRスペクトルの27.0〜28.5ppm及び32.0〜34.0ppmのピーク積分値の和と29.5〜31.0ppmのピーク積分値から、下記の通りに算出した。
Bd:Et=(96.5+3.5):46.6=100:46.6
また、共重合体Aについて、ブタジエン(Bd)/スチレン(St)のモル比を、測定した1H−NMRスペクトルの4.75〜5.10ppm及び5.20〜5.50ppmのピーク積分値の和と6.75〜7.50ppmのピーク積分値から、下記の通りに算出した。
Bd:St=(8.28+0.13)/ 2:1.69 / 5=4.2:0.34
(3)融点(Tm
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121−1987に準拠して、共重合体A〜Mの融点を測定した。かかる温度が低いほど、結晶性が低いことを示し、また、融点が検出されない場合には、非晶性であることを示す。なお、融点が存在しない場合は、表1において「なし」と記載した。また、複数の融点を有する場合においては、それらのうち最も高い融点を評価対象とし、その値を表1に記載した。
Figure 2015190073
Figure 2015190073
表1に示した結果から、実施例の多元共重合体は、多様な重量平均分子量、多様な共重合比、及び多様な結晶性を有することが分かる。また、実施例の多元共重合体は、比較例の水添SBR共重合体と比べて、より高い1,4結合含量を有することが分かる。
従って、本発明の多元共重合体の製造方法は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを重合させて、多様なミクロ構造を有する多元共重合体を効率良く製造できるといえる。また、製造した多元共重合体の主鎖は非環状構造のみからなることができ、本発明の多元共重合体の製造方法は、立体選択的且つ位置選択的に、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物のビニル基とを付加重合できるといえる。
本発明の多元共重合体の製造方法は、共役ジエン化合物と非共役オレフィン化合物と芳香族ビニル化合物とからなる多元共重合体の製造に用いることができる。また、本発明の多元共重合体は、タイヤ、防振ゴム、免震ゴム、コンベアベルト等のベルト、ゴムクローラ、各種ホースなどのゴム製品の原料のゴム組成物に用いることができる。

Claims (12)

  1. 共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを共重合させて、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することを特徴とする、多元共重合体の製造方法。
  2. 前記共役ジエン化合物と、前記非共役オレフィン化合物と、前記芳香族ビニル化合物とを、下記一般式(I):
    Figure 2015190073
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニル基を示し、Ra〜Rfは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(II):
    Figure 2015190073
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して置換インデニル基を示し、X’は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、並びに下記一般式(III):
    Figure 2015190073
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR'は、置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基又は置換フルオレニル基を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示し、[B]-は、非配位性アニオンを示す)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体からなる群より選択される、少なくとも1種類の錯体を含む重合触媒組成物の存在下で共重合させる工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の多元共重合体の製造方法。
  3. 前記一般式(III)中のCpR'が、置換インデニル基であり、前記一般式(I)、(II)又は(III)で表される錯体中の置換インデニル基が、2個以上の置換基を有することを特徴とする、請求項2に記載の多元共重合体の製造方法。
  4. 前記置換インデニル基上の少なくとも1つの置換基が、該置換インデニル基の五員環上に存在することを特徴とする、請求項2又は3に記載の多元共重合体の製造方法。
  5. 前記置換インデニル基上の少なくとも1つの置換基が、フェニル基であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の多元共重合体の製造方法。
  6. 前記非共役オレフィン化合物が、非環状の非共役オレフィン化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多元共重合体の製造方法。
  7. 前記非共役オレフィン化合物が、α−オレフィンであることを特徴とする、請求項6に記載の多元共重合体の製造方法。
  8. 前記非共役オレフィン化合物が、エチレンであることを特徴とする、請求項7に記載の多元共重合体の製造方法。
  9. 前記芳香族ビニル化合物が、スチレンであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多元共重合体の製造方法。
  10. 前記共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエンであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多元共重合体の製造方法。
  11. 製造された多元共重合体中の共役ジエン化合物由来の単位全体における1,4結合含量が50%以上であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多元共重合体の製造方法。
  12. 溶媒としてヘキサンを用いることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多元共重合体の製造方法。
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