JP2002003553A - クロス鎖にポリエンを含むクロス共重合体及びその製造方法 - Google Patents

クロス鎖にポリエンを含むクロス共重合体及びその製造方法

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JP2002003553A
JP2002003553A JP2000189236A JP2000189236A JP2002003553A JP 2002003553 A JP2002003553 A JP 2002003553A JP 2000189236 A JP2000189236 A JP 2000189236A JP 2000189236 A JP2000189236 A JP 2000189236A JP 2002003553 A JP2002003553 A JP 2002003553A
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Toshiaki Otsu
敏昭 大津
Toru Arai
亨 荒井
Masaki Nakajima
正貴 中島
Masafumi Hiura
雅文 日浦
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋性やグラフト変性特性が改善された、ク
ロス鎖にポリエンを含むクロス共重合体及びその優れた
製造方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ビニル化合物含量が0モル%以上
96モル%以下、ジエン含量が0.0001モル%以上
3モル%以下、残部がオレフィンであるオレフィン−芳
香族ビニル化合物−ジエン共重合体に、ポリエン及び必
要に応じてビニル化合物をクロス化共重合して得られる
こと特徴とするオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
ン系クロス共重合体であって、共重合体中のポリエン含
量が3モル%より高いことを特徴とするポリエン含有ク
ロス共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた力学物性を
有し、高い架橋性、グラフト性、加工性に優れたオレフ
ィン−芳香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体の
製造方法、及び得られたクロス共重合体の用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】<エチレン−スチレン共重合体>遷移金
属触媒成分と有機アルミニウム化合物からなるいわゆる
均一系チーグラ−ナッタ触媒系を用いて得られるエチレ
ン−スチレン共重合体及びその製造方法がいくつか知ら
れている。特開平3−163088号公報、特開平7−
53618号公報では、いわゆる拘束幾何構造を有する
錯体を用いて得られる、正常な(すなわちヘッド−テイ
ルの)スチレン連鎖が存在しないエチレン−スチレン共
重合体、いわゆる擬似ランダム共重合体が記載されてい
る。特開平6−49132号公報、及びPolymer
Preprints,Japan,42,2292
(1993)には、架橋メタロセン系Zr錯体と助触媒
からなる触媒を用いて同様の正常なスチレン連鎖の存在
しないエチレン−スチレン共重合体、いわゆる擬似ラン
ダム共重合体の製造方法が記載されている。これらの共
重合体には、スチレンユニットに由来する立体規則性は
ない。
【0003】さらに最近、特定の架橋ビスインデニル系
Zr錯体、すなわちラセミ[エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド]を用い、極低温(−2
5℃)の条件下、立体規則性を有する交互共重合に近い
エチレン−スチレン共重合体が報告されている。(Ma
cromol. Chem.,Rapid Commu
n.,17,745(1996).)しかし、本錯体で
得られる共重合体は、分子量が実用に十分ではなく、ま
た組成分布も大きい。以上の共重合体には、スチレンの
連鎖構造が存在しないために、スチレン系重合体との相
溶性が低く、スチレン系重合体とのアロイや相溶化剤と
しての使用には適さない欠点を有している。また、初期
弾性率等の力学的特性や高温特性(耐熱性)も不十分で
ある。
【0004】また、特開平9−309925号公報、特
開平11−130808号公報には、それぞれスチレン
含量が1〜55モル%、1〜99モル%で、エチレン−
スチレン交互構造及びスチレン連鎖構造にアイソタクテ
ィクの立体規則性を有し、また、ヘッド−テイルのスチ
レン連鎖構造を有し、共重合体の交互度(本明細書にお
けるλ値)が70以下の高分子量新規エチレン−スチレ
ン共重合体が記載されている。しかし、このエチレン−
スチレン共重合体をもってしても、スチレン連鎖の含量
が十分とは言えず、相溶化剤としての使用やアロイの一
成分としての使用には十分満足出来るものとは言えな
い。また、高温特性(耐熱性)も十分満足出来るとは言
えない。
【0005】<エチレン−αオレフィン共重合体>エチ
レンに1−ヘキセン、1−オクテン等を共重合したエチ
レン−αオレフィン共重合体、いわゆるLLDPEは、
しなやかで透明であり、高い強度を有するために、汎用
のフィルム、包装材料、容器等として幅広く用いられて
いる。しかし、ポリオレフィン系樹脂の宿命として、印
刷性、塗装性が低く、印刷、塗装のためにはコロナ処理
等の特殊な処理が必要になる。さらに、ポリスチレン等
の芳香族ビニル化合物ポリマーや極性ポリマーとの親和
性が低いため、これらの樹脂との良好な力学物性を有す
る組成物を得るためには、他に高価な相溶化剤を用いる
必要性があった。表面硬度も低く、容易に傷ついてしま
う問題点も有している。このようなエチレン−αオレフ
ィン共重合体の物性改善には、他の樹脂との架橋やグラ
フト変性が採用されるが、反応性を有する基が主鎖中に
存在しないために架橋性、グラフト変性特性が乏しい。
そのため、以上の架橋性、グラフト変性特性を向上させ
るためにジエンを共重合させることが行われている(た
とえばEPDM)。
【0006】<樹脂及び樹脂組成物の架橋体>EPD
M、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレ
ン−オクテン等のオレフィン系樹脂、エラストマーの高
温特性(圧縮永久歪み等)や力学物性改善のため、過酸
化物、硫黄等の架橋剤により架橋する方法は公知であ
る。但し、これらオレフィン系樹脂、エラストマーの架
橋体は極性が低く、他の樹脂との相溶性、塗装性等が不
十分であった。これらは、チーグラ−ナッタ触媒やシン
グルサイト触媒等の配位重合触媒を用いて製造されてい
るが、一段の重合で比較的多量のジエンを共重合させよ
うとすると、共重合体自体が重合中に架橋してしまい、
不溶化したり、ゲル化してしまい、物性や加工性の低下
を引き起こしてしまう。この問題を回避するために、配
位重合において含まれる二重結合の反応性が異なるポリ
エン(たとえば、エチリデンノルボルネンや1,4ヘキ
サジエン)が用いられるが、これらのポリエンは高価で
ある。
【0007】また、WO96/07681号公報、WO
99/10395号公報、米国特許5869591号公
報には主としてエチレン−芳香族ビニル化合物擬似ラン
ダム共重合体の架橋体が、特開平11−293045号
公報、特開平11−293046号公報、特開平11−
293072号公報には、芳香族ビニル化合物連鎖、立
体規則性を有するエチレン−芳香族ビニル化合物共重合
体の動的架橋体が、また特開平7−278231号公
報、特開平10−298242号公報にはエチレン−α
−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体
の、また特開平7−278230号公報、特開平8−1
34140号公報、特開平8−225615号公報、特
開平10−168242号公報にはエチレン−α−オレ
フィン−芳香族ビニル化合物−非共役ジエンランダム共
重合体の、また特開平10−264325号公報、特開
平10−264313号公報、WO98/31540号
公報にはエチレン−芳香族ビニル化合物−非共役ポリエ
ンの、各々架橋体が記載されている。
【0008】エチレン−芳香族ビニル化合物(スチレ
ン)共重合体自身、架橋性が低いため、十分な架橋度を
得るためには、多量の架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助
剤及び/または共架橋剤を使用しなければならず、コス
ト的に不利であり、また、これらの添加剤のために、製
品に異臭が残留したりする欠点を有していた。更に3元
系、4元系共重合体は重合挙動が複雑となるため再現性
が不十分となる場合があり、工業的に生産するためには
複雑なプラントが必要であるため、経済的ではない。こ
の欠点を克服するために非共役ポリエンや非共役ジエン
を一段階の重合で共重合させて、エチレン−芳香族ビニ
ル化合物(スチレン)共重合体に架橋点を導入しようと
すると、比較的多量のジエンを共重合しなくてはなら
ず、そのために得られる共重合体自体が重合中に架橋
し、不溶化したり、ゲル化してしまい、物性や加工性の
低下を引き起こしてしまう。
【0009】<樹脂及び樹脂組成物の発泡体>WO99
/10395号公報、USP5869591号公報、特
開平11−293023号公報、WO99/47592
号公報、特開平9−309925号公報にはエチレン−
芳香族ビニル化合物−(ジエン)共重合体(組成物)の
架橋体およびその発泡体が記載されている。実施例とし
て例示されているのは擬似ランダム共重合体等のエチレ
ン−スチレン共重合体の架橋体であり、また架橋構造は
ポリマー主鎖中のジエン部分を架橋剤により結合したネ
ットワーク構造である。これら、エチレン−スチレン共
重合体を主体とした発泡体は、スチレン組成により柔軟
性に優れる特徴があるが、低温ではその柔軟性が失わ
れ、また耐熱性が低いという欠点を有している。そのた
め、LLDPE等の樹脂との組成物にしたり、架橋した
りして低温特性や耐熱性を改善しているが、それでも、
柔軟な感触の温度依存性を十分に改善するには至らな
い。さらにエチレン−スチレン共重合体を主体とした発
泡体は、初期弾性率の低さから柔軟な発泡体としては優
れているものの、ある程度の剛性と柔軟性を併せ持つ発
泡体用途に用いるのには適当ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、架橋性やグ
ラフト変性特性が改善された、クロス鎖にポリエンを含
むクロス共重合体及びその優れた製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、上記
の従来のエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体やエチ
レン−αオレフィン共重合体の架橋性やグラフト変性特
性を改善する、新規クロス共重合体、及びその効率的且
つ経済的に優れる製造方法である。本発明は、第二に、
本発明のクロス共重合体の用途として、上記、従来の各
種樹脂組成物や加工物の問題点を解決、改良したクロス
共重合体を含む各種樹脂組成物や加工物である。
【0012】<クロス共重合体(a cross−co
polymer)>本発明のクロス共重合体は、芳香族
ビニル化合物含量が0モル%以上96モル%以下、ジエ
ン含量が0.0001モル%以上3モル%以下、残部が
オレフィンであるオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジ
エン共重合体にビニル化合物重合体をクロス共重合化
(交差共重合化)した共重合体(本明細書においては、
クロス共重合化オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
ン共重合体またはオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジ
エン系クロス共重合体と記す)であって、共重合体中の
ポリエン含量が3モル%より高いことを特徴とするポリ
エン含有クロス共重合体である。また、本発明のクロス
共重合体は、下記に示す製造方法、すなわち配位重合工
程とクロス化工程により得ることができる共重合体であ
る。
【0013】さらに本発明は、好ましくは図1に示す構
造から構成される、または図1に示す構造を主に含むク
ロス共重合体である。すなわち、図1に示す様に主鎖オ
レフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体とビニ
ル化合物重合体とが主鎖一点または複数点で、クロス結
合(交差結合)している構造を主として有する共重合体
である。このようなクロス結合構造は、スター構造と言
い換えることが出来る。また、米国化学会POLY分科
会での分類ではSegregated star co
polymer(Polymer preprint
s,1998,3月と呼ばれている。以下、主鎖オレフ
ィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体にクロス結
合しているビニル化合物重合体をクロス鎖と記述する。
これに対し、図2に示す様に当業者に公知のグラフト共
重合体は、主鎖の一点または複数点から分岐したポリマ
ー鎖を主に有する共重合体である。ポリマー主鎖と他の
ポリマー鎖がクロス結合(交差結合)するような構造
(スター構造ともいえる)は、組成物、相溶化剤として
用いられた場合、一般的にグラフト化構造に比べ、ポリ
マーミクロ構造界面の優れた強度が得られ、高い力学的
物性を与えると考えられる。
【0014】さらに、本発明は、200℃、荷重5kg
で測定したMFRが0.05g/10分以上、好ましく
は、0.2g/10分以上である加工性に優れたオレフ
ィン−芳香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体で
ある。さらに、本発明は、クロス化共重合されたクロス
鎖が実質的に立体規則性を有しないことを特徴とするク
ロス共重合体である。すなわち、ラセミダイアッド分率
またはメソダイアッド分率で、0.85未満、好ましく
は0.75以下であることを特徴とするオレフィン−芳
香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体である。本
発明は、好ましくはオレフィンがエチレンまたはエチレ
ンを含む2種以上のオレフィンであるオレフィン−芳香
族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体である。ま
た、本発明は、さらに好ましくはポリエンと芳香族ビニ
ル化合物重合体をクロス鎖として有するオレフィン−芳
香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体である。本
発明のオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン系クロ
ス共重合体は、芳香族ビニル化合物含量が0モル%以上
96モル%以下、ジエン含量が0.0001モル%以上
3モル%以下、残部がオレフィンであるオレフィン−芳
香族ビニル化合物−ジエン共重合体を用いて得られるク
ロス共重合体である。
【0015】本発明によれば、優れた力学物性を有し、
高い架橋性、グラフト加工性、経済性に優れたオレフィ
ン−芳香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体の製
造方法が提供され、オレフィン−芳香族ビニル化合物−
ジエン系クロス共重合体が提供される。また、オレフィ
ン−ジエン系クロス共重合体またはクロス共重合体の優
れた製造方法が提供される。これらクロス共重合体は広
範な用途において極めて有用である。本発明の明細書に
おいて、クロス共重合体とは、必ずしも純粋なクロス共
重合体である必要はなく、クロス化されなかったオレフ
ィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体、ポリエン
モノマー重合体および/またはポリエンモノマー−芳香
族ビニル化合物共重合体を含んでいても良い。
【0016】<オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
ン系クロス共重合物の製造方法>本発明は、以下に示す
製造方法によって得ることが出来るクロス共重合物であ
る。また、本クロス共重合体製造方法は、均一で、加工
性が良好で、優れた物性を有するクロス共重合物を工業
化に適する効率性、経済性をもって製造することができ
る。すなわち、本発明は配位重合工程として、配位重合
触媒を用いてオレフィンモノマーとジエンモノマー、必
要に応じて芳香族ビニル化合物モノマーの共重合を行
い、オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体
を合成し、次にクロス化工程として、この共重合体とポ
リエン及び必要に応じてビニル化合物モノマーの共存
下、アニオン、ラジカル、カチオン重合開始剤を用いて
ポリエン及び必要に応じてビニル化合物をクロス共重合
化したオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエンクロス
共重合体を含むオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
ンクロス共重合物を得る、2段以上の重合工程を用いる
製造方法である。
【0017】<配位重合工程>本発明に用いられるオレ
フィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体は、芳香
族ビニル化合物モノマー、オレフィンモノマー、及びジ
エンモノマーをシングルサイト配位重合触媒の存在下で
共重合することによって得られる。本発明の配位重合工
程に用いられるオレフィン類としては、エチレン、炭素
数3〜20のα−オレフィン、すなわちプロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテンや環状オレフィン、すなわちシクロペンテ
ン、ノルボルネンが挙げられる。好ましくは、エチレン
とプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−
オクテン等のα−オレフィンとの混合物、プロピレン等
のα−オレフィン、エチレンが用いられ、更に好ましく
は、エチレン、エチレンとα−オレフィンの混合物が用
いられ、特に好ましくは、エチレンが用いられる。本発
明の配位重合工程に用いられる芳香族ビニル化合物に
は、スチレン、p−クロロスチレン、p−ターシャリ−
ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルア
ントラセンが挙げられるが、これらの混合物を用いても
よい。
【0018】また、本発明の配位重合工程に用いられる
ジエン類としては、配位重合可能なジエン類が用いられ
る。好ましくは1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサ
ジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン、ノルボルナジエン、4−ビニル−1シクロヘキセ
ン、3−ビニル−1シクロヘキセン、2−ビニル−1シ
クロヘキセン、1−ビニル−1シクロヘキセン、オルト
ジビニルベンゼン、パラジビニルベンゼン、メタジビニ
ルベンゼンまたはこれらの混合物が挙げられる。さら
に、複数の二重結合(すなわちビニル基)が単数または
複数の芳香族ビニル環構造を含む炭素数6から30の炭
化水素基を介して結合しているジエンを用いることがで
きる。好ましくは、二重結合の1つが配位重合に用いら
れて重合した状態において、残された二重結合がアニオ
ン重合、ラジカル重合またはカチオン重合可能であるジ
エン類であり、最も好ましくはオルト、パラ、メタの各
種ジビニルベンゼン及びその混合物が好適に用いられ
る。
【0019】本発明においては、配位重合工程において
用いるジエンの量が、モル比で、用いる芳香族ビニル化
合物の量の1/100以下1/50000以上、好まし
くは1/400以下1/20000以上、特に好ましく
は1/1000以下1/10000以上である。これ以
上のジエン濃度で配位重合工程を実施すると、重合中に
ポリマーの架橋構造が多く形成されゲル化等が起こった
り、クロス化工程を経て最終的に得られるクロス共重合
体の加工性や物性が悪化するため好ましくない。また、
これ以上のジエン濃度で配位重合工程を実施すると、配
位重合液中の残留ジエン濃度が高くなってしまうため、
この重合液をクロス化工程(アニオン重合等)にそのま
ま用いた場合、架橋構造が多く発生し、得られるクロス
共重合体は同様に加工性や物性が悪化してしまう。ま
た、配位重合工程において得られるオレフィン−芳香族
ビニル化合物−ジエン共重合体は芳香族ビニル化合物含
量が0.03モル%以上96モル%以下、ジエン含量が
0.0001モル%以上3モル%以下、残部がオレフィ
ンであることが好ましく、芳香族ビニル化合物含量が
0.03モル%以上50モル%以下、ジエン含量が0.
001モル%以上0.2モル%未満、残部がオレフィン
であることがより好ましい。オレフィン−芳香族ビニル
化合物−ジエン共重合体中のジエン含量がより高くなる
とクロス化工程を経て最終的に得られるクロス共重合体
の加工性が悪化するため好ましくない。
【0020】低温特性に優れたクロス共重合体を得るた
めには、さらに、芳香族ビニル化合物含量が0.03モ
ル%以上25モル%以下、好ましくは芳香族ビニル化合
物含量が0.03モル%以上15モル%以下、特に好ま
しくは3モル%以上15モル%以下でジエン含量が0.
001モル%以上0.5モル%以下、残部がオレフィン
であるオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合
体が用いられる。配位重合工程に用いられるシングルサ
イト配位重合触媒としては、可溶性遷移金属触媒と助触
媒から構成される重合触媒、すなわち可溶性Ziegl
ar−Natta触媒、メチルアルミノキサンや硼素化
合物等で活性化された遷移金属化合物触媒(いわゆるメ
タロセン触媒やハーフメタロセン触媒、CGCT触媒
等)が挙げられる。
【0021】具体的には以下の文献、特許に記載されて
いる重合触媒を用いることができる。たとえば、メタロ
セン触媒では、USP5324800号公報、特公平7
−37488号公報、特開平6−49132号公報、P
olymer Preprints,Japan,
,2292(1993)、Macromol. Ch
em., Rapid Commun.,17,745
(1996)、特開平9−309925号公報、EP0
872492A2号公報、特開平6−184179号公
報。ハーフメタロセン触媒では、Makromol.C
hem.191,2387(1990)。CGCT触媒
では、特開平3−163088号公報、特開平7−53
618号公報、EP−A−416815号公報。可溶性
Zieglar−Natta触媒では、特開平3−25
0007号公報、Stud.Surf.Sci.Cat
al.,517(1990)。
【0022】重合体中に均一にジエンが含まれる、均一
な組成を有するオレフィン−スチレン−ジエン共重合体
が本発明のクロス共重合体を得るためには好適に用いら
れるが、このような均一な組成の共重合体を得るために
は、Zieglar−Natta触媒では困難であり、
シングルサイト配位重合触媒が好ましく用いられる。シ
ングルサイト配位重合触媒とは、可溶性遷移金属触媒と
助触媒から構成される重合触媒で、メチルアルミノキサ
ンや硼素化合物等で活性化された遷移金属化合物触媒
(いわゆるメタロセン触媒やハーフメタロセン触媒、C
GCT触媒等)から構成される重合触媒である。本発明
において、最も好適に用いられる配位重合触媒は、下記
一般式(1)で表される遷移金属化合物と助触媒から構
成される重合触媒である。
【0023】
【化2】
【0024】式中、A、Bはそれぞれ独立に、非置換も
しくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換シ
クロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル
基、または非置換もしくは置換フルオレニル基から選ば
れる基である。YはA、Bと結合を有し、他に水素もし
くは炭素数1〜20の炭化水素を含む基(この基は1〜
3個の窒素、硼素、珪素、燐、セレン、酸素、または硫
黄原子を含んでもよい)を置換基として有するメチレン
基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、またはほ
う素残基である。置換基は互いに異なっていても同一で
もよい。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペン
チリデン基等の環状構造を有していてもよい。Xは、そ
れぞれ独立に水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキ
ル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜12の
アルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を
有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、また
は水素もしくは炭素数1〜22の炭化水素置換基を有す
るアミド基またはアミノ基である。nは、0、1または
2の整数である。Mはジルコニウム、ハフニウム、また
はチタンである。
【0025】特に好ましくは、A、Bのうち、少なくと
も1つは非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、また
は非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基であ
る上記の一般式(1)の遷移金属化合物と助触媒から構
成される重合触媒である。非置換または置換ベンゾイン
デニル基は、下記の化3〜5で表すことができる。図に
おいてR1b〜R3bはそれぞれ独立に水素、1〜3個
の窒素、硼素、珪素、燐、セレン、酸素、もしくは硫黄
原子を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキルア
リール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3基、N
2基またはPR2基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭
化水素基を表す)である。また、隣接するこれらの基は
一体となって単数のあるいは複数の5〜10員環の芳香
環または脂肪環を形成しても良い。またR1a〜R3a
は、それぞれ独立に水素、1〜3個の窒素、硼素、珪
素、燐、セレン、酸素、もしくは硫黄原子を含んでもよ
い炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリ
ール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、ハロゲ
ン原子、OSiR3基、SiR3基、NR2基またはPR2
基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)
であるが、水素であることが好ましい。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】非置換ベンゾインデニル基として、4,5
−ベンゾ−1−インデニル、(別名ベンゾ(e)インデ
ニル)、5,6−ベンゾ−1−インデニル、6,7−ベ
ンゾ−1−インデニルが、置換ベンゾインデニル基とし
て、α−アセナフト−1−インデニル、3−シクロペン
タ〔c〕フェナンスリル、1−シクロペンタ〔l〕フェ
ナンスリル基等が例示できる。特に好ましくは非置換ベ
ンゾインデニル基として、4,5−ベンゾ−1−インデ
ニル、(別名ベンゾ(e)インデニル)が、置換ベンゾ
インデニル基として、α−アセナフト−1−インデニ
ル、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル、1−シク
ロペンタ〔l〕フェナンスリル基等が挙げられる。
【0030】非置換または置換シクロペンタジエニル
基、非置換または置換インデニル基、非置換または置換
フルオレニル基は、化6〜8で表すことができる。
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】R4b、R6はそれぞれ独立に水素、1〜
3個の窒素、硼素、珪素、燐、セレン、酸素、もしくは
硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキ
ルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR
3基、NR2基またはPR2基(Rはいずれも炭素数1〜
10の炭化水素基を表す)である。また、隣接するこれ
らの基は一体となって単数のあるいは複数の5〜10員
環(6員環となる場合を除く)の芳香環または脂肪環を
形成しても良い。R5はそれぞれ独立に水素、1〜3個
の窒素、硼素、珪素、燐、セレン、酸素、もしくは硫黄
原子を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキルア
リール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3基、N
2基またはPR2基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭
化水素基を表す)である。また、隣接するこれらの基は
一体となって単数のあるいは複数の5〜10員環の芳香
環または脂肪環を形成しても良い。またR4aは、それ
ぞれ独立に水素、1〜3個の窒素、硼素、珪素、燐、セ
レン、酸素、もしくは硫黄原子を含んでもよい炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭
素数7〜20のアルキルアリール基、ハロゲン原子、O
SiR3基、SiR3基、NR2基またはPR2基(Rはい
ずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)であるが、
水素であることが好ましい。
【0035】非置換インデニル基としては1−インデニ
ルが、置換インデニル基としては4−アルキル−1−イ
ンデニル、4−アリール−1−インデニル、4,5−ジ
アルキル−1−インデニル、4,6−ジアルキル−1−
インデニル、5,6−ジアルキル−1−インデニル、
4,5−ジアリール−1−インデニル、5−アリール−
1−インデニル、4−アリール−5−アルキル−1−イ
ンデニル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−イ
ンデニル、5,6−ジアリール−1−インデニル、4,
5,6−トリアリール−1−インデニル、アズレン等が
挙げられる。非置換シクロペンタジエニル基としてはシ
クロペンタジエニルが、置換シクロペンタジエニル基と
しては4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,
5−ジアリール−1−シクロペンタジエニル、5−アル
キル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4−
アルキル−5−アリール−1−シクロペンタジエニル、
4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、5−
トリアルキルシリル−4−アルキル−1−シクロペンタ
ジエニル、4,5−ジアルキルシリル−1−シクロペン
タジエニル等が挙げられる。非置換フルオレニル基とし
ては9−フルオレニル基が、置換フルオレニル基として
は7−メチル−9−フルオレニル基、ベンゾ−9−フル
オレニル基等が挙げられる。
【0036】A、B共に非置換もしくは置換ベンゾイン
デニル基、または非置換もしくは置換インデニル基であ
る場合には両者は同一でも異なっていてもよい。本発明
に用いられる共重合体を製造するにあたっては、A、B
のうち少なくとも一方が非置換もしくは置換ベンゾイン
デニル基であることが特に好ましい。さらに、A、Bの
うち少なくとも一方が、または両方とも非置換もしくは
置換ベンゾインデニル基であることが最も好ましい。
【0037】上記の一般式(1)において、YはA、B
と結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1
〜20の炭化水素を含む基(この基は1〜3個の窒素、
硼素、珪素、燐、セレン、酸素、または硫黄原子を含ん
でもよい)を有するメチレン基、シリレン基、エチレン
基、ゲルミレン基、またはほう素残基である。置換基は
互いに異なっていても同一でもよい。また、Yはシクロ
ヘキシリデン基、シクロペンチリデン基等の環状構造を
有していてもよい。好ましくは、Yは、A、Bと結合を
有し、水素もしくは炭素数1〜20の炭化水素基または
アミノ基、トリメチルシリル基で置換された置換メチレ
ン基または置換硼素基である。もっとも好ましくは、Y
は、A、Bと結合を有し、水素もしくは炭素数1〜20
の炭化水素基で置換された置換メチレン基である。炭化
水素置換基としては、アルキル基、アリール基、シクロ
アルキル基、シクロアリール基等が挙げられる。置換基
は互いに異なっていても同一でもよい。好ましい例とし
ては、Yは、−CH2−、−CMe2−、−CEt2−、
−CPh2−、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデ
ン基等である。ここで、Meはメチル基、Etはエチル
基、Phはフェニル基を表す。
【0038】Xは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、炭
素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール
基、炭素数8〜12のアルキルアリール基、炭素数1〜
4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜10
のアルコキシ基、または水素もしくは炭素数1〜22の
炭化水素置換基を有するアミド基またはアミノ基であ
る。nは、0、1または2の整数である。ハロゲンとし
ては塩素、臭素、フッ素等が、アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基等が、アリール基としてはフェニル基等
が、アルキルアリール基としては、ベンジル基が、シリ
ル基としてはトリメチルシリル基等が、アルコキシ基と
してはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等
が、またアミド基としてはジメチルアミド基等のジアル
キルアミド基、N−メチルアニリド、N−フェニルアニ
リド、アニリド基等のアリ−ルアミド基等が挙げられ
る。Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンであ
る。特に好ましくジルコニウムである。
【0039】かかる遷移金属触媒成分の例としては、E
P−0872492A2号公報、特開平11−1308
08号公報、特開平9−309925号公報、WO00
/20426号公報、EP0985689A2号公報、
特開平6−184179号公報に記載されている遷移金
属化合物が挙げられる。特に好ましくは、EP−087
2492A2号公報、特開平11−130808号公
報、特開平9−309925号公報に具体的に例示した
置換メチレン架橋構造を有する遷移金属化合物である。
【0040】本発明の製造方法で用いる助触媒として
は、従来遷移金属触媒成分と組み合わせて用いられてい
る公知の助触媒を使用することができるが、そのような
助触媒として、アルミノキサン(またはアルモキサンと
記す)またはほう素化合物が好適に用いられる。更に、
その際用いられる助触媒が下記の一般式(2)、(3)
で示されるアルミノキサン(またはアルモキサンと記
す)が好ましい。
【0041】
【化9】
【0042】式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数6〜10のアリール基、または水素、mは2〜10
0の整数である。それぞれのRは互いに同一でも異なっ
ていても良い。
【0043】
【化10】
【0044】式中、R’は炭素数1〜5のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜1
00の整数である。それぞれのR’は互いに同一でも異
なっていても良い。
【0045】アルミノキサンとしては好ましくは、メチ
ルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイソブチル
アルモキサンが用いられるが、特に好ましくはメチルア
ルモキサンが用いられる。必要に応じ、これら種類の異
なるアルモキサンの混合物を用いてもよい。また、これ
らアルモキサンとアルキルアルミニウム、例えば、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウムやハロゲンを含むアルキルアルミ
ニウム、例えばジメチルアルミニウムクロライド等を併
用してもよい。アルキルアルミニウムの添加は、芳香族
ビニル化合物中の重合禁止剤、芳香族ビニル化合物、溶
媒中の水分等の重合を阻害する物質の除去、重合反応に
対する無害化のために効果的である。しかし、芳香族ビ
ニル化合物、溶媒等をあらかじめ蒸留する、乾燥不活性
ガスでバブリングする、またはモレキュラーシーブを通
す等の公知の方法でこれらの量を重合に影響のないレベ
ルまで低減するか、あるいは用いるアルモキサンの使用
量を若干増やすか、または分添すれば、アルキルアルミ
ニウムを重合時に添加することは必ずしも必要ではな
い。
【0046】本発明の製造方法では、上記の遷移金属触
媒成分と共に助触媒として公知の硼素化合物、例えば、
EP−0872492A2号公報に助触媒として具体的
に例示されているほう素化合物を用いることができる。
これらのほう素化合物と上記の有機アルミニウム化合物
を同時に用いても差し支えない。特にほう素化合物を助
触媒として用いる場合、重合系内に含まれる水等の重合
に悪影響を与える不純物の除去に、トリイソブチルアル
ミニウム等のアルキルアルミ化合物の添加は有効であ
る。
【0047】本発明に用いられるオレフィン−芳香族ビ
ニル化合物−ジエン共重合体を製造するにあたっては、
上記に例示した各モノマー、金属錯体である遷移金属触
媒成分および助触媒を接触させるが、接触の順番、接触
方法は任意の公知の方法を用いることができる。以上の
共重合あるいは重合の方法としては溶媒を用いずに液状
モノマー中で重合させる方法、あるいはペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、
クロロ置換トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の
飽和脂肪族または芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化
水素の単独または混合溶媒を用いる方法がある。好まし
くは混合アルカン系溶媒やシクロヘキサンやトルエン、
エチルベンゼンを用いる。重合形態は溶液重合、スラリ
ー重合いずれでもよい。また、必要に応じ、バッチ重
合、連続重合、予備重合、多段式重合等の公知の方法を
用いることが出来る。リニアやループの単数、連結され
た複数のパイプ重合を用いることも可能である。この場
合、パイプ状の重合缶には、動的、あるいは静的な混合
機や除熱を兼ねた静的混合機等の公知の各種混合機、除
熱用の細管を備えた冷却器等の公知の各種冷却器を有し
ても良い。また、バッチタイプの予備重合缶を有してい
ても良い。さらには気相重合等の方法を用いることがで
きる。
【0048】重合温度は、−78℃から200℃が適当
である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であ
り、200℃を超えると金属錯体の分解が起こるので適
当ではない。さらに工業的に好ましくは、0℃〜160
℃、特に好ましくは30℃〜160℃である。重合時の
圧力は、一般的には0.1気圧〜1000気圧が適当で
あり、好ましくは1〜100気圧、特に工業的に特に好
ましくは、1〜30気圧である。助触媒として有機アル
ミニウム化合物を用いる場合には、錯体の金属に対し、
アルミニウム原子/錯体金属原子比で0.1〜1000
00、好ましくは10〜10000の比で用いられる。
0.1より小さいと有効に金属錯体を活性化出来ず、1
00000を超えると経済的に不利となる。助触媒とし
てほう素化合物を用いる場合には、ほう素原子/錯体金
属原子比で0.01〜100の比で用いられるが、好ま
しくは0.1〜10、特に好ましくは1で用いられる。
0.01より小さいと有効に金属錯体を活性化出来ず、
100を超えると経済的に不利となる。金属錯体と助触
媒は、重合槽外で混合、調製しても、重合時に槽内で混
合してもよい。
【0049】<本発明に用いられるオレフィン−芳香族
ビニル化合物−ジエン共重合体>本発明に用いられるオ
レフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体は、上
記配位重合工程において、上記配位重合触媒、好ましく
はシングルサイト配位重合触媒を用いて芳香族ビニル化
合物、オレフィン、ジエンの各モノマーから合成され
る。本発明の配位重合工程で得られるオレフィン−芳香
族ビニル化合物−ジエン共重合体としては、好ましくは
エチレン−スチレン−ジエン共重合体、またはエチレン
−スチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体、または
エチレン−スチレン−環状オレフィン−ジエン共重合
体、特に好ましくはエチレン−スチレン−ジエン共重合
体が用いられる。また、本発明の配位重合工程で得られ
るオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体
は、含まれるジエンモノマーユニットで架橋構造を有し
ていても良いが、ゲル分が全体の10重量%以下、好ま
しくは0.1重量%以下である必要がある。
【0050】以下に本発明に用いられる代表的、好適な
エチレン−スチレン−ジエン共重合体について説明す
る。配位重合工程で得られるエチレン−スチレン−ジエ
ン共重合体は、TMSを基準とした13C−NMR測定
によって40〜45ppmに観察されるピークによって
帰属されるヘッド−テイルのスチレンユニットの連鎖構
造を有することが好ましく、さらに、42.3〜43.
1ppm、43.7〜44.5ppm、40.4〜4
1.0ppm、43.0〜43.6ppmに観察される
ピークによって帰属されるスチレンユニットの連鎖構造
を有することが好ましい。また、本発明に好適に用いら
れる共重合体は、スチレンの単独重合によって、アイソ
タクティクのポリスチレンを作ることのできるメタロセ
ン触媒を用いて得られるエチレン−スチレン−ジエン共
重合体であり、かつ、エチレンの単独重合によって、ポ
リエチレンを作ることのできるメタロセン触媒を用いて
得られるエチレン−スチレン−ジエン共重合体である。
そのため、得られるエチレン−スチレン−ジエン共重合
体は、エチレン連鎖構造、ヘッド−テイルのスチレン連
鎖構造、エチレンユニットとスチレンユニットが結合し
た構造を共にその主鎖中に有することができる。他方、
従来公知のいわゆる擬似ランダム共重合体では、スチレ
ン含量が最大の50モル%付近においても、スチレンの
ヘッド−テイルの連鎖構造を見出すことはできない。さ
らに、擬似ランダム共重合体を製造する触媒を用いてス
チレンの単独重合を試みても重合体は得られない。重合
条件等により極少量のアタクティクスチレンホモポリマ
ーが得られる場合があるが、これは共存するメチルアル
モキサンまたはその中に混入するアルキルアルミニウム
によるカチオン重合、またはラジカル重合によって形成
されたものと解するべきである。
【0051】本発明において、配位重合工程で得られる
エチレン−スチレン−ジエン共重合体は、その構造中に
含まれる下記の一般式(4)で示されるスチレンとエチ
レンの交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタク
ティクダイアッド分率(またはメソダイアッド分率)m
で0.5より大きい、好ましくは0.75より大きい、
特に好ましくは0.95より大きい共重合体である。エ
チレンとスチレンの交互共重合構造のアイソタクティク
ダイアッド分率mは、25ppm付近に現れるメチレン
炭素ピークのr構造に由来するピーク面積Arと、m構
造に由来するピークの面積Amから、下記の式(ii)
によって求めることができる。 m=Am/(Ar+Am) 式(ii) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、
TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、
25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピ
ークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。また、
重テトラクロロエタンを溶媒とし、重テトラクロロエタ
ンの3重線の中心ピークを73.89ppmとして基準
にした場合、r構造に由来するピークは、25.3〜2
5.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.
1〜25.2ppm付近に現れる。なお、m構造はメソ
ダイアッド構造、r構造はラセミダイアッド構造を表
す。本発明のエチレン−スチレン−ジエン共重合体に於
いては、エチレンとスチレンの交互共重合構造にr構造
に帰属されるピークは実質的に観測されない。
【0052】配位重合工程で得られるエチレン−スチレ
ン−ジエン共重合体は、共重合体構造中に含まれる一般
式(4)で示されるスチレンとエチレンの交互構造の割
合を示す交互構造指数λ(下記の式(i)で表される)
が70より小さく、0.01より大きい、好ましくは3
0より小さく、0.1より大きい共重合体であることが
好ましい。 λ=A3/A2×100 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下
記の一般式(4’)で示されるエチレン−スチレン交互
構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和
である。また、A2はTMSを基準とした13C−NM
Rにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレ
ン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和で
ある。
【0053】
【化11】
【0054】
【化12】 (式中、Phはフェニル基、xは繰り返し単位数を示し
2以上の整数を表す。)
【0055】ジエン含量が3モル%以下、好ましくは1
モル%未満のエチレン−スチレン−ジエン共重合体にお
いて、ヘッド−テイルのスチレン連鎖を有すること、及
び/またはエチレン−スチレン交互構造にアイソタクテ
ィクの立体規則性を有すること及び/または交互構造指
数λ値が70より小さいことは、透明性の高い、破断強
度等の力学的強度が高いエラストマー共重合体であるた
めに有効であり、このような特徴を有する共重合体は本
発明に好適に用いることができる。特に、エチレン−ス
チレン交互構造に高度のアイソタクティクの立体規則性
を有しかつ、交互構造指数λ値が70より小さい共重合
体が本発明の共重合体として好ましく、さらに、ヘッド
−テイルのスチレン連鎖を有し、かつエチレン−スチレ
ン交互構造にアイソタクティクの立体規則性を有し、か
つ交互構造指数λ値が70より小さい共重合体が本発明
の共重合体として特に好ましい。すなわち、本発明の好
ましいエチレン−スチレン−ジエン共重合体は、高い立
体規則性を有するエチレンとスチレンの交互構造と、同
時に種々の長さのエチレン連鎖、スチレンの異種結合、
種々の長さのスチレン連鎖等の多様な構造を併せて有す
るという特徴を持つ。また、本発明のエチレン−スチレ
ン−ジエン共重合体は、用いる重合触媒や重合条件、共
重合体中のスチレンの含量によって交互構造の割合を、
上記の式で得られるλ値で0.01より大きく70未満
の範囲で種々変更可能である。交互指数λ値が70より
低いということは、結晶性ポリマーでありながら、有意
の力学的強度、耐溶剤性、靭性、透明性を与えるため
に、また、部分的に結晶性のポリマーとなるために、あ
るいは、非結晶性のポリマーとなるために重要である。
この立体規則的な交互構造は結晶可能な構造であるの
で、本発明に用いられる共重合体は、スチレンの含量に
より、あるいは適当な方法で結晶化度を制御することに
より、非結晶性、部分的に結晶構造を有するポリマーと
いう多様な特性を与えることが可能である。
【0056】本発明に用いられる共重合体は、従来の立
体規則性を有せずまたヘッド−テイルのスチレン連鎖も
有しないエチレン−スチレン共重合体またはエチレン−
スチレン−ジエン共重合体に比べて、それぞれのスチレ
ン含量の領域、種々の結晶化度において、初期引張弾性
率、堅さ、破断強度、耐溶剤性、透明性等の性能が向上
し、新規低結晶性樹脂、熱可塑性エラストマー、透明軟
質樹脂として特徴有る物性を示す。更に、溶出性の可塑
剤や、ハロゲンを基本的に含有しない本発明のエチレン
−スチレン−ジエン共重合体は、安全性が高いという基
本的特徴を有する。以上に記した、本発明に好適に用い
られるオレフィン−スチレン−ジエン共重合体、特にエ
チレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体は、上記
の一般式(1)で表される遷移金属化合物と助触媒から
構成される重合触媒により得ることができる。
【0057】以上、本発明に用いられるオレフィン−芳
香族ビニル化合物−ジエン共重合体の代表的、好適な例
としてのエチレン−スチレン−ジエン共重合体について
説明したが、もちろん本発明に用いられるオレフィン−
芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体はこれには限定さ
れない。本発明に用いられるオレフィン−芳香族ビニル
化合物−ジエン共重合体の重量平均分子量は、1万以
上、好ましくは3万以上、特に好ましくは6万以上であ
り、100万以下、好ましくは50万以下である。分子
量分布(Mw/Mn)は、6以下、好ましくは4以下、
特に好ましくは3以下である。ここでの重量平均分子量
はGPCで標準ポリスチレンを用いて求めたポリスチレ
ン換算分子量をいう。以下の説明でも同様である。本発
明に用いられるオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
ン共重合体の重量平均分子量は、水素等の連鎖移動剤を
もちいる公知の方法、或いは重合温度を変えることによ
り上記の範囲内で必要に応じて調節することが可能であ
る。
【0058】<クロス化工程>以下に、本発明のオレフ
ィン−スチレン−ジエン系クロス共重合体の製造方法
(クロス化工程)について示す。本発明のクロス化工程
に用いることができるポリエンは、炭素数4以上100
以下の重合性二重結合を2個以上有する化合物である。
具体的には、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
1,3−シクロヘキサジエン、4−メチル−1,3−ペ
ンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,3−ペンタジ
エン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4
−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オク
タジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボル
ネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7
−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8
−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−
1,4,8−デカトリエン等を用いることができる。最
も好ましくはブタジエン、イソプレンが用いられる。本
発明において、クロス共重合体の架橋特性、グラフト特
性を考慮した場合、ポリエンの含量は、3モル%より高
い必要がある。本工程においては、ポリエンに必要に応
じてビニル化合物モノマーを共重合させる事ができる。
本発明のクロス化工程としては、クロス共重合化工程で
重合されるポリエンおよびビニル化合物モノマー種によ
り、アニオン重合、ラジカル重合、カチオン重合または
配位重合が採用できる。これらの各重合法において、ク
ロス化工程で重合されるポリエンおよびビニル化合物モ
ノマー種の転換率は、好ましくは20%以上、特に好ま
しくは50%以上、最も好ましくは70%以上である。
クロス鎖部分の長さ(分子量)は、クロス化されなかっ
たホモポリマーの分子量から推定できるが、その長さ
は、重量平均分子量として、好ましくは500以上50
万以下、特に好ましくは5000以上50万以下、最も
好ましくは1万以上15万以下である。また、その分子
量分布(Mw/Mn)は好ましくは6以下、特に好まし
くは4以下、最も好ましくは3以下である。
【0059】本発明のクロス化工程は、上記の配位重合
工程で得られた重合液を用い、配位重合工程に引き続い
て実施されるのが好ましい。しかし、上記の配位重合工
程で得られた共重合体を重合液から回収し、新たな溶媒
に溶解し、クロス化工程で用いられるポリエン、および
必要に応じて用いられるビニル化合物モノマーを加え
て、アニオン、ラジカル、カチオン重合開始剤や配位重
合触媒の存在下でクロス共重合化工程を実施しても良
い。さらに、上記配位重合工程で得られた共重合体を重
合液から回収し、クロス化工程で用いられるポリエン、
および必要に応じて用いられるビニル化合物モノマー及
び/または溶媒中で、懸濁重合や乳化重合でクロス共重
合化する事も可能である。本発明のクロス化工程とし
て、ラジカル重合が用いられる場合には、公知のラジカ
ル重合開始剤や重合方法を用いることができる。具体的
には、日本油脂株式会社有機過酸化物カタログ第四版
(1996年4月発行)や、和光純薬社カタログ「Az
o Polymerization Initiato
rs」(1987年発行)に記載のラジカル重合開始剤
が好適に用いられる。また、開始剤を用いずに、熱重合
でラジカル重合を行うことも出来る。この場合、必要に
応じて上記ポリエンとともに用いることができるビニル
化合物モノマーとしては、ラジカル重合可能なビニル化
合物モノマーであればいずれも使用可能であるが、好ま
しくは、スチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャ
リ−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の
芳香族ビニル化合物、ビニルシクロヘキセン、ビニルシ
クロヘキサン、メチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸等の極性モノマ
ー類及びこれらの混合物を用いることができる。特に好
ましくは芳香族ビニル化合物、最も好ましくはスチレン
を用いることができる。
【0060】本発明のクロス化工程として特に好適なの
は、アニオン重合開始剤とアニオン重合可能なモノマー
を用いたアニオン重合工程である。アニオン重合は、そ
のポリエンおよび必要に応じて用いられるビニル化合物
モノマー種の転換率が著しく高いことが特徴であり、そ
のため、クロス化を高い効率で行う(高いクロス共重合
化率)ことが可能であり非常に好ましい。また、低モノ
マー濃度でも比較的高い分子量の重合体を得ることが可
能なこと及び低モノマー濃度条件下であっても十分速い
重合速度が得られることから、本発明に非常に好まし
い。さらに、アニオン重合は、ポリエンおよび必要に応
じて用いられるビニル化合物モノマー転換率が高いた
め、アニオン重合可能なモノマーは消費されてしまい、
重合液中に実質的に残留しなくすることが可能であり、
重合液の後処理やポリマー回収工程を容易にする事がで
きるプロセス上のメリットがある。
【0061】アニオン重合工程(クロス化工程)におい
て、必要に応じて上記ポリエンとともに用いることが可
能なビニル化合物モノマーとしては、アニオン重合可能
なビニル化合物モノマーであればいずれも使用すること
が可能である。アニオン重合可能なビニル化合物モノマ
ーは、例えば「Anionic Polymeriza
tion」Marcel Dekker, Inc.,
1996, Henry L. Hsieh and
Roderic P. Quirk著に記載されてい
る。特に、本発明においてはスチレン、p−メチルスチ
レン、p−ターシャリ−ブチルスチレン、p−クロロス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニ
ルアントラセン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、
イソプレン等のジエン化合物、メチルアクリレート等の
アクリル酸エステル、メチルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル等及びこれらの混合物を用いることがで
きる。好ましくは芳香族ビニル化合物または芳香族ビニ
ル化合物とこれらアニオン重合可能なモノマーとの混合
物、最も好ましくは芳香族ビニル化合物を用いることが
できる。
【0062】本発明のアニオン重合工程においては、特
に配位重合工程で重合液中に残留していたモノマー(例
えばスチレン)に、新たに同種のビニル化合物モノマー
を一括して、あるいは連続的またはステップワイズに分
添しても良い。特にステップワイズに分添する場合、ク
ロス鎖を有する構造の割合が著しく高くなり、これを含
む組成物の力学的性質をさらに向上させることが可能と
なる。本発明のアニオン重合工程で重合されるモノマー
が、配位重合工程で用いられるモノマーと異なる場合、
例えばスチレンと異なるモノマーの場合、重合液から共
重合体を分離回収し、この重合体を溶媒に再溶解し、あ
らたにアニオン重合で重合されるモノマーを加えて重合
するのが好ましい。また、配位重合工程で得られた重合
液に新たなモノマーを一括、あるいはステップワイズに
加えてアニオン重合を行っても良い。この場合、クロス
鎖は、配位重合工程で残留していたモノマーと新たに加
えられたモノマーとのランダムまたはブロックまたはテ
ーパードブロック共重合構造を有する。本発明のアニオ
ン重合工程で重合されるクロス鎖及びホモポリマー(ク
ロス化されていないポリマー鎖の意味)は、少量残存す
るジエンモノマーにより更にクロス化された構造を有し
ていても良い。
【0063】好ましくは本発明のアニオン重合工程(ク
ロス化工程)は、上記の配位重合工程に引き続いて実施
される。この際、配位重合工程で得られた共重合体を、
クラムフォーミング法、スチームストリッピング法、脱
揮槽、脱揮押出し機等を用いた直接脱溶媒法等、任意の
ポリマー回収法を用いて、重合液から分離、精製してア
ニオン重合工程に用いても良い。しかし、配位重合後の
重合液から、残留オレフィンを放圧後、あるいは放圧せ
ずに、次のアニオン重合工程に用いるのが、経済的に好
ましい。重合体を配位重合液から分離せずに、重合体を
含んだ配位重合溶液をクロス化工程に用いることができ
ることが本発明の特徴の1つである。アニオン重合工程
で重合されるモノマーのひとつがスチレンの場合、必要
に応じてスチレンモノマーを追加してもよいが、配位重
合工程で重合されずに残った残留モノマーをそのまま用
いても良い。また、必要に応じて上記のアニオン重合可
能なビニル化合物モノマーを添加しても良い。
【0064】溶媒はアニオン重合工程で、アニオン重合
の際に連鎖移動等の不都合を生じない混合アルカン系溶
媒やシクロヘキサンやベンゼン等の溶媒が特に好ましい
が、重合温度が150℃以下であれば、トルエン、エチ
ルベンゼン等の他の溶媒も用いることが可能である。重
合形態は、バッチ重合、連続重合、回分式重合、スラリ
ー重合、予備重合等の任意の公知の方法を用いることが
できる。重合温度は、−78℃から200℃が適当であ
る。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、
150℃を超えると連鎖移動等が起こるので適当ではな
い。さらに工業的に好ましくは、0℃〜200℃、特に
好ましくは30℃〜150℃である。重合時の圧力は、
0.1気圧〜100気圧が適当であり、好ましくは1〜
30気圧、特に工業的に特に好ましくは、1〜10気圧
である。本発明のアニオン重合工程には、公知のアニオ
ン重合開始剤を用いることができる。このようなアニオ
ン重合開始剤は、例えば「Anionic Polym
erization」Marcel Dekker,I
nc.,1996,Henry L. Hsieh a
nd Roderic P. Quirk著に記載され
ている。好ましくは、アルキルリチウム化合物やビフェ
ニル、ナフタレン、ピレン等のリチウム塩あるいはナト
リウム塩、特に好ましくは、sec−ブチルリチウム、
n(ノルマル)−ブチルリチウムが用いられる。また、
多官能性開始剤、ジリチウム化合物、トリリチウム化合
物を用いても良い。開始剤量は、配位重合工程で、重合
触媒の助触媒として、メチルアルモキサンを用いる場合
には、その中に含まれる酸素原子の当量以上の、特に好
ましくは2当量以上の量を用いるのが好ましい。配位重
合工程で、重合触媒の助触媒として、硼素化合物を用い
た場合、その量はメチルアルモキサン中の酸素原子当量
に比して、十分少ないため、開始剤量を低減することが
可能である。
【0065】アニオン重合工程では、開始剤量を適宜調
節することで、クロス鎖の長さ、クロス化されなかった
ホモポリマーの分子量を任意に変更することが可能であ
る。クロス鎖部分の長さ(分子量)は、クロス化されな
かったホモポリマーの分子量から推定できるが、その長
さは、重量平均分子量として、好ましくは500以上5
0万以下、特に好ましくは5000以上50万以下、最
も好ましくは1万以上15万以下である。また、その分
子量分布(Mw/Mn)は好ましくは6以下、特に好ま
しくは4以下、最も好ましくは3以下である。用いられ
るオレフィン−スチレン−ジエン共重合体またはオレフ
ィン−ジエン共重合体のうち、クロス共重合化された共
重合体の割合(クロス共重合化率)は、もとのオレフィ
ン−スチレン−ジエン共重合体の内の1重量%以上、好
ましくは10重量%以上、特に好ましくは30重量%以
上100重量%以下である。さらに必要に応じて公知の
アニオン重合末端カップリング剤を用いてもよい。この
ような末端カップリング剤は上記「Anionic P
olymerization」Marcel Dekk
er, Inc.,1996,HenryL. Hsi
eh and Roderic P. Quirk著に
記載されているが、特に、四塩化炭素、α、α−ジクロ
ロキシレン、α、α−ジブロモキシレン、メチルメタク
リレートが好ましい。また、アニオン重合クロス鎖をラ
ンダム共重合構造にするためのランダマイザーも公知の
ものを用いることができる。
【0066】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。各実
施例、比較例で得られた共重合体の分析は以下の手段に
よって実施した。13C−NMRスペクトルは、日本電
子社製α−500を使用し、重クロロホルム溶媒または
重1,1,2,2−テトラクロロエタン溶媒を用い、T
MSを基準として測定した。ここでいうTMSを基準と
した測定は以下のような測定である。先ずTMSを基準
として重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線
13C−NMRピークの中心ピークのシフト値を決め
た。重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中
心ピークのシフト値は73.89ppmであった。次い
で共重合体を重1,1,2,2−テトラクロロエタンに
溶解して13C−NMRを測定し、各ピークシフト値
を、重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中
心ピークが73.89ppmとして算出した。測定は、
これら溶媒に対し、ポリマーを3重量/体積%溶解して
行った。ピーク面積の定量を行う13C−NMRスペク
トル測定は、NOEを消去させたプロトンゲートデカッ
プリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、繰
り返し時間5秒を標準として行った。ちなみに、同一条
件で、但し繰り返し時間を1.5秒に変更して測定して
みたが、共重合体のピーク面積定量値は、繰り返し時間
5秒の場合と測定誤差範囲内で一致した。
【0067】共重合体中のスチレン含量の決定は、1H
−NMRで行い、機器は日本電子社製α−500及びB
RUCKER社製AC−250を用いた。重クロロホル
ム溶媒または、重1,1,2,2−テトラクロロエタン
を用いTMSを基準として、フェニル基プロトン由来の
ピーク(6.5〜7.5ppm)とアルキル基由来のプ
ロトンピーク(0.8〜3ppm)の強度比較で行っ
た。共重合体中のジエン(ジビニルベンゼン)含量は、
1H−NMRによって行った。実施例中の分子量は、G
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用
いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
室温でTHFに可溶な共重合体は、THFを溶媒とし、
東ソー社製HLC−8020を用い測定した。GPCカ
−ブに複数の重なったピ−クがある場合には、ピ−ク分
離を行った。DSC測定は、セイコー電子社製DSC2
00を用い、N2気流下昇温速度10℃/minで行っ
た。
【0068】<プレス成形及び引張試験>加熱プレス法
(温度180℃、時間3分間、圧力50kg/cm2
により厚さ1.0mmのフィルム(シート)を作成し用
いた。 <引張試験>JIS K−7113に準拠し、JIS2
号小型(1/2)試験片形状に打ち抜き、テンシロンR
TM−1T型引張試験機を用い、引張速度100mm/
minにて測定した。引張り試験ストレス−ストレイン
曲線の伸び0%における接線の傾きから引張弾性率(初
期弾性率)を求めた。
【0069】<永久伸び>引張試験法における歪み回復
値を以下の方法により測定した。弾性回復性は以下のよ
うにして求めた。JIS2号小型(1/2)試験片を用
い、チャック間20mm(L0)とし、引張試験機にて
100%歪みまで引張り、10分間保持し、その後応力
を(跳ね返ることなく)解放し、10分後の長さを
(L)とし、以下の式から求めた。 弾性回復性={1−(L−L0)/L0}×100 また、永久伸びは 永久伸び={(L−L0)/L0}×100 <動的粘弾性の測定>動的粘弾性測定装置(レオメトリ
ックス社RSA−II)を使用し、周波数1Hz、温度
領域−120℃〜+150℃の範囲(測定温度領域はサ
ンプル特性により若干変更した)で測定した。熱プレス
により作成した厚み0.1mmのシートから測定用サン
プル(3mm×40mm)を得た。
【0070】<硬度>硬度はJIS K−7215プラ
スチックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプA
およびDのデュロメーター硬度を求めた。 <ビカット軟化点>加熱プレス法により厚さ4mmのシ
ートを作製し、10mm×10mmの試験片をカットし
た。JIS K−7206に準拠し、東洋精機HDT&
VSPTテスターS3−FHを用い、荷重は320g、
初期温度40℃、昇温条件50℃/hrにて測定した。 <全光線透過率、ヘイズ>透明度は加熱プレス法(温度
200℃、時間4分、圧力50kg/cm2G)により
1mm厚にシートを成形しJIS K−7105プラス
チックの光学的特性試験方法に準じて日本電色工業社製
濁度計NDH2000を用いて全光線透過率およびヘイ
ズを測定した。
【0071】<耐衝撃性試験>1/4インチバーを成形
しノッチを入れ23℃においてJIS K−7110硬
質プラスチックのアイゾット衝撃試験方法に準じて求め
た。 <曲げ弾性率、強度>1/4インチバーを成形し23℃
においてJIS K−7203硬質プラスチックの曲げ
試験方法に準じて求めた。 <MFR>JIS K−7210熱可塑性プラスチック
の流れ試験方法に準じて測定した。試験温度200℃、
試験荷重5kgfで行った。
【0072】<ジビニルベンゼン>以下の重合におい
て、用いたジビニルベンゼンは、アルドリッチ社製純度
80%である。以下の重合においてスチレン200ml
に対し、2ml用いた場合には、ジビニルベンゼンの量
はモル比でスチレンの量の1/160となる。スチレン
800mlに対し、1ml用いた場合は1/1270と
なる。
【0073】<ポリエン含むクロス共重合化エチレン−
スチレン−ジエン共重合体の合成> 実施例1 触媒としてrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用
い、以下のように実施した。容量10L、攪拌機及び加
熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を
行った。脱水したトルエン4400ml、脱水したスチ
レン400ml及びジビニルベンゼン0.5mlを仕込
み、内温70℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブ
リングして系内をパージした。トリイソブチルアルミニ
ウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアク
ゾ社製、PMAO−3A)をAl基準で8.4mmol
加え、内温を50℃に安定させ、ただちにエチレンを導
入し、圧力0.6MPa(5Kg/cm2G)で安定し
た後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、
rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロライドを8.4μmo
l、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶
かしたトルエン溶液約50mlをオートクレーブに加え
た。内温を50℃、圧力を0.6MPaに維持しながら
35分間重合(配位重合工程)を実施した。35分間重
合後、エチレンの消費量が標準状態で約200Lに達し
た段階で、直ちにエチレンを放圧した。直ちに重合液を
室温まで冷却し、ブタジエンを100g仕込み、直ちに
重合温度を70℃に昇温した。その後、オートクレーブ
上部のポートより、sec−ブチルリチウム/ヘキサン
溶液(関東化学社製)をブチルリチウムにして19.8
mmol投入した。温度を70〜80℃に維持し、30
分間重合した。重合終了後、得られたポリマー液を、少
量のブタノールをあらかじめいれたベセル中に排出し、
その後、激しく攪拌した大量のメタノール液中に少量ず
つ投入して、ポリマーを回収した。このポリマーを、室
温で1昼夜風乾した後に80℃、真空中、重量変化が認
められなくなるまで乾燥した。731gのポリマーを得
た。重合条件、重合結果および得られたポリマーの評価
結果を表1〜3に示した。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、優れた力学物性を有
し、高い架橋性、グラフト性、加工性に優れたポリエン
含有オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン系クロス
共重合体が提供され、さらにこの共重合体の工業的に有
利な製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクロス化共重合体を表す概念図
【図2】 従来のグラフト化共重合体を表す概念図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日浦 雅文 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA22 AA78 AA88 AF13 AF45 AF54 BA01 BC01 BC04 4J026 AA12 AA16 AA66 AC22 BA05 BA45 BA46 BA47 BB01 BB03 DA02 DA03 DA17 DB02 DB03 DB17 DB22 FA09 GA02 GA06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル化合物含量が0モル%以上
    96モル%以下、ジエン含量が0.0001モル%以上
    3モル%以下、残部がオレフィンであるオレフィン−芳
    香族ビニル化合物−ジエン共重合体に、ポリエン及び必
    要に応じてビニル化合物をクロス化共重合して得られる
    こと特徴とするオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
    ン系クロス共重合体であって、共重合体中のポリエン含
    量が3モル%より高いことを特徴とするポリエン含有ク
    ロス共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
    ン共重合体の芳香族ビニル化合物含量が0.03モル%
    以上25モル%以下、ジエン含量が0.001モル%以
    上0.5モル%以下、残部がオレフィンであることを特
    徴とする請求項1記載のポリエン含有クロス共重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 オレフィンがエチレンまたはエチレンと
    α−オレフィンであることを特徴とする請求項1記載の
    ポリエン含有クロス共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 芳香族ビニル化合物がスチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエン含有クロス共重
    合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
    ン共重合体中のジエンがジビニルベンゼンであることを
    特徴とする請求項1記載のポリエン含有クロス共重合体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
    ン共重合体にクロス共重合されるポリエンが、炭素数4
    以上30以下のポリエンであることを特徴とする請求項
    1記載ポリエン含有クロス共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエ
    ン共重合体にクロス共重合されるビニル化合物がスチレ
    ンであることを特徴とする請求項1記載ポリエン含有ク
    ロス共重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 配位重合工程として、シングルサイト配
    位重合触媒を用いてオレフィンモノマー、ジエンモノマ
    ー、及び必要に応じて芳香族ビニル化合物モノマーの共
    重合を行ってオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン
    共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このオレ
    フィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体とポリエ
    ンモノマー、および必要に応じてビニル化合物の共存
    下、アニオン、ラジカル、もしくはカチオン重合開始
    剤、または配位重合触媒を用いてポリエン含有オレフィ
    ン−芳香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体を得
    ることを特徴とする請求項1記載のポリエン含有クロス
    共重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 配位重合工程として、下記の一般式
    (1)で表されるシングルサイト配位重合触媒と助触媒
    から構成される重合触媒を用いてオレフィンモノマー、
    ジエンモノマー、必要に応じて芳香族ビニル化合物モノ
    マーの共重合を行ってオレフィン−芳香族ビニル化合物
    −ジエン共重合体を合成し、次にクロス化工程として、
    このオレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン共重合体
    とポリエンモノマー、必要に応じてビニル化合物モノマ
    ーの共存下、アニオン、ラジカル、カチオン重合開始剤
    または配位重合触媒を用いてポリエン含有オレフィン−
    芳香族ビニル化合物−ジエン系クロス共重合体を得るこ
    とを特徴とする請求項8記載のポリエン含有クロス共重
    合体物の製造方法。 【化1】 式中、A、Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナ
    ンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、
    非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換も
    しくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フ
    ルオレニル基から選ばれる基である。YはA、Bと結合
    を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1〜15
    の炭化水素基(該炭化水素基には1〜3個の窒素、酸
    素、硫黄、燐、または珪素原子を含んでいてもよい)を
    有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレ
    ン基、またはほう素残基である。置換基は互いに異なっ
    ていても同一でもよい。また、Yは環状構造を有してい
    てもよい。Xは、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のア
    ルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜1
    2のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換
    基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、
    または炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジアルキ
    ルアミド基である。Mはジルコニウム、ハフニウム、ま
    たはチタンである。
  10. 【請求項10】 配位重合工程において用いられるジエ
    ンが、二重結合の1つが配位重合に用いられた後の構造
    において残された二重結合がアニオン重合可能であるジ
    エンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴
    とする請求項8記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1の製造方法により得られ、荷
    重5kg、200℃で測定したMFRが0.05g/1
    0min.以上であることを特徴とするポリエン含有ク
    ロス共重合体。
  12. 【請求項12】 配位重合工程において用いられるジエ
    ンがジビニルベンゼンであることを特徴とする請求項8
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 配位重合工程において用いるジエンの
    量が用いる芳香族ビニル化合物の量の1/100以下
    (モル比)であることを特徴とする請求項8記載の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 クロス化工程においてアニオン重合開
    始剤を用いることを特徴とする請求項8記載の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 クロス化工程に用いられるモノマー
    が、ポリエンモノマーまたは、ポリエンモノマーと芳香
    族ビニル化合物モノマーの混合物であることを特徴とす
    る請求項8記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 重合体を配位重合液から分離せずに、
    重合体を含んだ配位重合溶液をクロス化工程に用いるこ
    とを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1の製造方法により得られる、
    沸騰キシレン不溶ゲル分が10重量%未満であることを
    特徴とするポリエン含有クロス共重合体。
  18. 【請求項18】 請求項1の製造方法により得られるポ
    リエン含有クロス共重合体からなる成形体。
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