JPH08269134A - プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 - Google Patents
プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH08269134A JPH08269134A JP7882295A JP7882295A JPH08269134A JP H08269134 A JPH08269134 A JP H08269134A JP 7882295 A JP7882295 A JP 7882295A JP 7882295 A JP7882295 A JP 7882295A JP H08269134 A JPH08269134 A JP H08269134A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene
- aromatic vinyl
- vinyl compound
- formula
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Abstract
化合物共重合体及びその製造方法に関し、プロピレン連
鎖に特定の立体規則性を有する新規な共重合体及びその
効率的な製造方法を提供することにある。 【構成】 プロピレン連鎖がシンジオタクティク構造お
よび均一な組成を有し、かつ芳香族ビニル化合物含有量
が多いという特徴により、シンジオタクティクポリプロ
ピレンの優れた特性(柔軟性、しなやかさ、成形性、透
明性)を生かしながら、耐熱酸化性、耐高エネルギー放
射線性に優れ、また結晶性ポリプロピレンの添加剤、熱
可塑性エラストマー、シンジオタクティクポリプロピレ
ンと非結晶性ポリスチレンとの相溶化材などとして有用
な、シンジオタクティクポリプロピレンと芳香族ビニル
化合物との新規な共重合体を得た。また、特定の金属化
合物と助触媒の使用により、工業化に適する収率の良い
その製造方法を得た。
Description
香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法に関し、プ
ロピレン連鎖に特定の立体規則性を有する共重合体及び
その効率的な製造方法に関する。
体、例えばプロピレン−スチレン共重合体は、耐熱酸化
特性に優れた特性を有するポリマ−である(工業化学雑
誌, 66, 102 (1963), ibid, 67, 258 (1964))。また、
ポリオレフィンにポリスチレンを混合、あるいはグラフ
ト重合したポリマーは、高エネルギ−放射線(電子線、
紫外線、γ線)に対する耐性を著しく向上させることが
知られている(J. Appl. Polym. Sci., 9 , 1585 (196
5) )。さらに、プロピレン−スチレンランダム共重合
体は、従来三塩化チタンや四塩化チタンを用いた、いわ
ゆる不均一系チーグラ−ナッタ型触媒によって合成が試
みられている(例えば、Macromolecules, 22, 2875 (19
89) 、特開平2-206602号公報、特公平4-36168 号公報、
特公平1-14247 号公報)。一方、プロピレン−スチレン
ブロック共重合体は、従来アニオン重合によりポリスチ
レン連鎖ブロックを形成し、ひき続いてバナジウム触媒
で−78℃でプロピレン連鎖をブロック共重合する方法
により得られている(特開平3-231706号公報)。
ロピレンとポリスチレンを混合する場合は、ポリプロピ
レンとポリスチレンの相溶性が悪いため、上記の高エネ
ルギー放射線耐性以外の物性の悪化は避けられない。一
方、グラフト重合はコスト高をもたらすこと、および均
一な組成が得られないこと等問題が多い。また、上記の
不均一系チーグラ−ナッタ型触媒によるプロピレン−ス
チレンランダム共重合体は、触媒の生産性が低かった
り、スチレンの含有量が数重量%以下と少なく、また得
られる共重合体は相当量のスチレン単独重合体及びプロ
ピレン単独重合体を含み、かつ共重合体自身も不均一で
あることから実用的とはいい難い。さらに、プロピレン
−スチレン共重合体をシンジオタクティクポリプロピレ
ン等の結晶性ポリオレフィンと非結晶性ポリスチレンの
相溶化材として用いたり、熱可塑性エラストマ−として
用いるためには、上記の不均一系チーグラ−ナッタ型触
媒で得られるプロピレン−スチレン共重合体ではスチレ
ン含有量が十分でないこと、またポリマ−自体が不均一
な組成を有する等問題が多い。また、用いる不均一系チ
ーグラ−ナッタ触媒の宿命により、そのプロピレンユニ
ットはアイソタクティク構造をとっている。一方、従来
知られているスチレン−プロピレンのブロック共重合体
は、合成のために極低温条件が必要であったり、複雑な
多段の重合が必要になるなどのため、工業化には適して
いない。
プロピレンの優れた特性(柔軟性、しなやかさ、成形
性、透明性)を生かしながら、耐熱酸化性および耐高エ
ネルギー放射線性に優れ、かつ芳香族ビニル化合物含有
量が高く、結晶性ポリプロピレンの添加剤、熱可塑性エ
ラストマー、シンジオタクティクポリプロピレンと非結
晶性ポリスチレンとの相溶化材などとして有用なシンジ
オタクティクポリプロピレンと芳香族ビニル化合物との
共重合体を得ることであり、さらに工業化に適する簡単
な工程で、収率良くプロピレン−芳香族ビニル化合物共
重合体を得る製造方法を提供することである。本発明者
らは鋭意検討を重ねた結果、プロピレン連鎖がシンジオ
タクティク構造を有し、また均一な組成を有し、かつ芳
香族ビニル化合物含有量が多い新規なプロピレン−芳香
族ビニル化合物共重合体が、特定の金属化合物と助触媒
を用いる事により、収率良くかつ容易に得られる事を見
い出し、本発明を完成させるに至った。
香族ビニル化合物共重合体は下記の一般式
す。Rはハロゲン原子、あるいは炭素数1〜8の置換基
を示す。nが複数の場合は各Rは同じでも異なっていて
もよい。)で表される芳香族ビニル化合物構造単位式
(II)から成る共重合体であって、プロピレン構造単位
式(I)の連鎖が主としてシンジオタクティクの構造を
有し、芳香族ビニル化合物構造単位式(II)が連鎖を有
する場合には、その連鎖は特定の立体規則性を有しない
ことを特徴とする新規プロピレン−芳香族ビニル化合物
共重合体である。また、本発明のプロピレン−芳香族ビ
ニル化合物共重合体中には、下記の一般式(III )で表
される芳香族ビニル化合物単位構造の異種結合が存在し
ていても差し支えない。
す。Rはハロゲン原子、あるいは炭素数1〜8の置換基
を示す。nが複数の場合は各Rは同じでも異なっていて
もよい。)
ンおよび各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p
−クロロスチレン、o−クロロスチレン等が挙げられ、
またジビニルベンゼン等一分子中に複数個のビニル基を
有する化合物等も挙げられるが、好ましくはスチレン、
p−メチルスチレン、特に好ましくはスチレンが好適に
用いられる。本発明のプロピレン−芳香族ビニル化合物
共重合体の重量平均分子量は1000〜100万、好ま
しくは2000〜50万、更に好ましくは5000〜3
0万である。分子量が小さ過ぎるとポリマ−物性、耐熱
性等の点で好ましくなく、分子量が大き過ぎると加工性
が悪くなる。
共重合体のプロピレン構造の連鎖のタクティシティはシ
ンジオタクティクインデックス(ラセミペンタッド;r
rrr)で20%以上、好ましくは30%以上、更に好
ましくは70%以上である。シンジオタクティクインデ
ックスが20%より低い場合、本来シンジオタクティク
ポリプロピレンの持つ優れた特性(柔軟性、しなやか
さ、成形性、透明性)が失われる。本発明のプロピレン
−芳香族ビニル化合物共重合体中の芳香族ビニル化合物
の含有量は、0.01〜98モル%である。成形品等に
用いる場合には、0. 01〜50モル%、好ましくは
0.1〜30モル%の範囲であり、0.01モル%より
低いと、耐熱酸化性、耐高エネルギー放射線性が改善さ
れず、50モル%を越えると、本来シンジオタクティク
ポリプロピレンの持つ優れた特性(柔軟性、しなやか
さ、成形性、透明性)を生かす事が困難となる。また、
結晶性ポリプロピレンの添加剤、熱可塑性エラストマ
−、あるいはシンジオタクティクポリプロピレンと非結
晶性ポリスチレンとの相溶化材として用いる場合には、
芳香族ビニル化合物の含有量は、1〜98モル%、好ま
しくは2〜80モル%、更に好ましくは4〜60モル%
の範囲であり、1モル%より低い場合や98モル%を越
える場合には、熱可塑性エラストマ−としての物性が失
われ、またシンジオタクティクポリプロピレンや非結晶
性ポリスチレンとの相溶性が悪化する。
共重合体は、プロピレンと芳香族ビニル化合物を下記の
金属化合物を触媒として重合することにより製造するこ
とができる。即ち、本発明で触媒として用いる金属化合
物は、置換基を有するシクロペンタジエニル基(Cp
1)と、置換基を有するかまたは有しないシクロペンタ
ジエニル基(Cp2)を架橋した配位子と金属から構成
される化6に示した錯体である。
ニル基とは、単にアルキル置換ペンタジエニル基、アリ
ル置換ペンタジエニル基、アルコキシ置換ペンタジエニ
ル基等の炭素数1〜20の置換基を有するシクロペンタ
ジエニル基のみならず、シクロペンタジエン構造を分子
内に有する、例えばフルオレニル基、アルキル置換フル
オレニル基、アリル置換フルオレニル基、アルコキシ置
換フルオレニル基等の炭素数1〜20の置換基を有する
フルオレニル基、インデニル基、アルキル置換インデニ
ル基、アリル置換インデニル基、アルコキシ置換インデ
ニル基等の炭素数1〜20の置換基を有するインデニル
基等を示すが、好ましくはフルオレニル基、アルキル置
換フルオレニル基、アルコキシ置換フルオレニル基が、
特に好ましくはフルオレニル基が用いられる。置換ある
いは無置換シクロペンタジエニル基あるいはペンタジエ
ン構造2個を架橋する架橋基Yとしては、2個の水素原
子または2個の炭素数1〜20のアルキル基、アリル
基、シクロアルキル基等の置換基を有する炭素原子また
は珪素原子、例えば−CH2 −、−C(Me)2 −、−
C(Et)2 −、−C(Ph)2−、−Si(Me)2
−、−Si(Et)2 −等が挙げられる。この際、2個
の置換基が同じでも異なっていても良く、2個の置換基
が結合し環を形成していてもかまわない。架橋基Yとし
て、好ましくは−CH2 −、−C(Me)2 −、−C
(Ph)2 −が用いられる。(ここで、Meはメチル
基、Etはエチル基、またPhはフェニル基を表してい
る。)
金属が用いられるが、好適にはジルコニウム、ハフニウ
ム等が用いられる。Xは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロ
ゲン、またはメチル基等のアルキル基、フェニル基、ベ
ンジル基等である。nは1から7の整数であるが、金属
(M)がジルコニウムまたはハフニウムのときは2であ
り、金属(M)がチタニウムの場合は1または2の値を
とる。nが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なって
いても良い。
化合物を共重合するに当たり、上記金属化合物と共に助
触媒として有機アルミニウム化合物及び/またはほう素
化合物を用いることが好ましい。助触媒として用いる有
機アルミニウム化合物としては、アルモキサンが好適で
ある。アルモキサンとは、下記の一般式
も異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基、最
も好ましくは炭素数1のメチル基、m、nは2〜100
の整数)で表される環状あるいは鎖状化合物である。必
要に応じ、これら種類の異なるアルモキサンの混合物を
用いてもよい。また、これらのアルモキサンとアルキル
アルミニウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロライド等を併用してもよい。
N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレ−ト、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレ−ト、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
−ト等である。これらほう素化合物と上記有機アルミニ
ウム化合物を同時に用いても差し支えない。特にほう素
化合物を助触媒として用いる場合には、重合系内に含ま
れる水等の重合に悪影響を与える不純物を除去するため
に、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミ化
合物を添加することは有効である。
は、上記に例示した金属化合物および助触媒を、プロピ
レンおよび芳香族ビニル化合物と接触させるが、溶媒を
用いずに液状モノマ−中で重合させる方法、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トル
エン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独または
混合溶媒を用いる方法がある。また、必要に応じ、バッ
チ重合、連続重合、回分式重合、あるいは予備重合等の
方法を用いることができる。
あり、好ましくは0℃〜140℃である。−78℃より
低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を越える
と金属化合物の分解が起こるので適当ではない。本発明
の方法を実施する際の金属化合物の重合反応液中の濃度
は、10-9〜10-2モル/リットル、好ましくは10-8
〜10-3モル/リットルである。助触媒として有機アル
ミニウム化合物を用いる場合には、アルミニウムの錯体
金属に対する原子数比は0. 1〜100000、好まし
くは1〜1000の比で用いられる。0. 1より小さけ
れば有効に金属化合物を活性化出来ず、100000を
越えると経済的に不利となる。助触媒としてほう素化合
物を用いる場合には、ほう素原子/錯体金属原子比で
0. 01〜100の比で用いられるが、好ましくは0.
1〜10、特に好ましくは1で用いられる。0. 01よ
り小さければ有効に金属化合物を活性化出来ず、100
を越えると経済的に不利となる。金属化合物と助触媒
は、重合槽外で混合、調製してもよく、重合時に槽内で
混合してもよい。
する。ただし、実施例により本発明の範囲が限定される
ものではない。以下に使用する化学式の中で用いる記号
は、Fluはフルオレニル基、Phはフェニル基、Cp
はシクロペンタジエニル基、Meはメチル基を表す。 (実施例1){Flu−C(Ph)2 −Cp}ZrCl
2 を、文献 J. Amer. Chem. Soc.,110, 6255(1988) 及
び Makromol. Chem., Macromol. Symp. 48/49, 253 (19
91)に記載された方法を参考にして合成した。化学構造
は化9によって表される。
レ−ブに、{Flu−C(Ph)2−Cp}ZrCl2
0. 023mmol、メチルアルモキサン(東ソ−アク
ゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基準で14mmo
l、スチレン10ml、トルエン16mlを仕込み、直
ちにオ−トクレ−ブを液体窒素バスで約−30℃に冷却
しながらプロピレンを約3L(標準状態)仕込む。その
後オ−トクレ−ブを加熱し、約30分かけて50℃に昇
温し、さらに50℃で1時間反応させ、反応終了後過剰
のプロピレンを放圧する。内容液を大過剰の塩酸/メタ
ノール混合液中に投入し、ポリマ−を回収し、60℃で
10時間、減圧下で乾燥したところ、2. 5gの白色ポ
リマ−を得た。
としたことを除いては、実施例1と同様に重合を実施し
たところ、3. 5gの白色ポリマ−を得た。 (実施例3)スチレンの代わりにパラメチルスチレンを
10ml用いたこと以外は、実施例1と同様に重合を実
施したところ、4gの白色ポリマ−を得た。
p}ZrCl2 0. 046mmolを含む高度に脱水し
た塩化メチレン溶液に、MeLi/ジエチルエ−テル溶
液0. 092mmolを加え室温で1時間撹拌し、真空
下で溶媒を十分に除去し、{Flu−C(Ph)2 −C
p}Zr(Me)2 を黄色固体として得た。得られた
{Flu−C(Ph)2 −Cp}Zr(Me)2 全量を
脱水トルエン16mlに溶解し{HPhNMe2 B(C
6 F5 )4 }(東ソ−アクゾ社製)を0. 046mmo
l添加した。室温で1時間撹拌し、トリイソブチルアル
ミを約0. 5mmol、スチレン10mlを仕込み、以
降は実施例1と同様に重合を実施したところ、4. 5g
の白色ポリマ−を得た。
p}HfCl2 を、{Flu−C(Ph)2 −Cp}Z
rCl2 と同様の方法で合成した。{Flu−C(P
h)2 −Cp}ZrCl2 の代わりに{Flu−C(P
h) 2 −Cp}HfCl2 を 0. 023mmol用い
たこと以外は、実施例1と同様に重合を実施したとこ
ろ、0. 9gの白色ポリマ−を得た。
で得られたポリマ−の分析は以下の手段によって実施し
た。13C−NMR分析は、日本電子社製JNM GX−
270により、o−ジクロロベンゼンと重ベンゼンの混
合溶媒を用いて行った。図1、図2に、実施例1で得ら
れたポリマ−の13C−NMRチャ−トを示す。また、フ
ェニルC1炭素、フェニルC4炭素は図3に表示した。
図1に示すアルキル領域では、シンジオタクティクポリ
プロピレンのメチル炭素、メチン炭素、メチレン炭素に
由来する大きなピ−クがそれぞれ20. 3、28. 6、
47. 4ppm付近に認められる。シンジオタクティク
インデックス(ラセミペンタッド;rrrr)は約90
%であった。上記のプロピレン連鎖領域のシンジオタク
ティクインデックス(ラセミペンタッド;rrrr)
は、文献 Makromol. Chem., Macromol. Symp. 48/49, 2
53 (1991) に従い、13C−NMRメチル炭素領域から求
めた。また、プロピレンとスチレンの共重合に由来する
ピ−クが44、36〜37、31、18ppm付近に認
められる。
1炭素領域では、144. 2〜144. 5ppm付近に
ピ−クが認められる。このピ−クはアタクティクポリス
チレンの146ppm付近、アイソタクティクポリスチ
レンの146. 8ppm、シンジオタクティクポリスチ
レンの145. 2ppmとも異なり、プロピレンと共重
合したスチレンのフェニルC1炭素であると考えられ
る。図4、図5には実施例3で得られたポリマ−の13C
−NMRを示す。図4に示すアルキル領域では、シンジ
オタクティクポリプロピレンに由来するピ−ク、プロピ
レンとパラメチルスチレンの共重合に由来するピ−ク
(30〜31、35. 5〜36. 5、44〜45ppm
の他に40. 5ppm付近にアタクティクポリ(パラメ
チルスチレン)連鎖に帰属されるピ−クが観測される。
図5には、プロピレンと共重合したパラメチルスチレン
のフェニルC1炭素に由来するピ−ク(141、143
ppm付近)の他にアタクティクポリ(パラメチルスチ
レン)連鎖のフェニルC1炭素に由来するブロ−ドなピ
−ク(142〜144ppm)が観測される。また、プ
ロピレンと共重合したパラメチルスチレンのフェニルC
4炭素に由来するピ−ク、135ppm以外に、アタク
ティクポリ(パラメチルスチレン)連鎖のフェニルC4
炭素に由来するブロ−ドなピ−クが134. 5〜13
5. 5ppmに見られる。すなわち、実施例3で得られ
たポリマ−中には特定の立体規則性のないパラメチルス
チレン連鎖が存在する。
−NMRで行い、図6に示した。機器は、日本電子社製
JNM GX−270を使い、重クロロホルム溶媒を用
い、シフト値(TMS基準)6〜7.5ppmのフェニ
ル基プロトン由来のピ−クと0.5〜3ppmのアルキ
ル基由来のプロトンピ−クの強度比較で行った。ガラス
転移点及び融点は、セイコ−電子社製DSC−200を
用い、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で求めた。
以上の分析結果を表1に記載した。
ロホルムに溶解し、クロロホルムを測定溶媒とし、測定
温度30℃の測定条件で、RI、UVの両検出器を用
い、GPCスペクトルを測定した。装置は東ソ−社SC
−8010を用いた。その結果を図7、図8に示す。R
I検出器から得られた分子量分布曲線図7(ポリマ−の
ポリプロピレン領域とスチレン領域の合計の分子量分布
に対応する)とUV検出器から得られた分子量分布曲線
図8(スチレンのフェニル基にのみ応答し、ポリマ−中
のスチレン領域の分子量分布に対応する)は、流出時
間、曲線の形ともほぼ一致している。よって、共重合体
中に均一にスチレンが分散していることがわかる。分子
量は重量平均分子量(Mw)が43000、数平均分子
量(Mn)が25000、分子量分布(Mw/Mn)は
1. 7であった。
lのオ−トクレ−ブに、{Flu−C(Ph)2−C
p}ZrCl2 0. 023mmol、メチルアルモキサ
ン(東ソ−アクゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基
準で14mmol、スチレン10ml、トルエン16m
lを仕込み、プロピレンを用いず、窒素雰囲気下でスチ
レンの単独重合を50℃で1時間行った。実施例1の時
と同様に内容液を大過剰の塩酸/メタノール混合液中に
投入したが、ポリマ−は得られなかった。以上の結果と
実施例の結果から、{Flu−C(Ph)2 −Cp}Z
rCl2は、スチレンの単独重合活性は示さないが、プ
ロピレンが共存すればポリマ−中にスチレンを取り込ん
でいく、すなわちスチレン共重合能を発現させるという
特異な重合能を示すことが確認される。
p}ZrCl2 の代わりにCp2 ZrCl2 を0. 02
3mmol用いたこと以外は、実施例1と同様に重合を
実施したところ、液体状の生成物が2.8g得られた。
13C−NMRの結果プロピレン連鎖はアタクティクであ
り、GPC測定の結果、分子量約1000のオリゴマー
であることがわかった。
オタクティク構造および均一な組成を有し、かつ芳香族
ビニル化合物含有量が多いという特徴により、シンジオ
タクティクポリプロピレンの優れた特性(柔軟性、しな
やかさ、成形性、透明性)を生かしながら、耐熱酸化性
および耐高エネルギー放射線性に優れ、また結晶性ポリ
プロピレンの添加剤、熱可塑性エラストマー、シンジオ
タクティクポリプロピレンと非結晶性ポリスチレンとの
相溶化材などとして有用な、シンジオタクティクポリプ
ロピレンと芳香族ビニル化合物との新規な共重合体が得
られた。また、特定の金属化合物と助触媒を用いる事に
より、工業化に適する収率の良いその製造方法が得られ
た。
ペクトル。アルキル炭素領域。
ペクトル。芳香族(フェニル)炭素領域。
ペクトル。アルキル炭素領域。
ペクトル。芳香族(フェニル)炭素領域。
ペクトル(溶媒:CDCl3 )。
ル。検出器はRIを使用。
ル。検出器はUVを使用。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の一般式 【化1】 で表されるプロピレン構造単位式(I)と下記の一般式 【化2】 (式中、nは0〜5までの整数。Phはフェニル基を表
す。Rはハロゲン原子、あるいは炭素数1〜8の置換基
を示す。nが複数の場合は各Rは同じでも異なっていて
もよい。)で表される芳香族ビニル化合物構造単位式
(II)から成る共重合体であって、芳香族ビニル化合物
の含有量が0.01〜98モル%であり、かつプロピレ
ン構造単位式(I)の連鎖がシンジオタクティクインデ
ックス20%以上の構造を有し、芳香族ビニル化合物構
造単位式(II)が連鎖を有しないか、または芳香族ビニ
ル化合物構造単位式(II)の連鎖は特定の立体規則性を
有しないことを特徴とし、かつ重量平均分子量が100
0〜100万であるプロピレン−芳香族ビニル化合物共
重合体。 - 【請求項2】 置換基を有するシクロペンタジエニル基
と、置換基を有するかまたは有しないシクロペンタジエ
ニル基とを架橋した配位子と、IV族の遷移金属を含む金
属化合物を触媒として用いて、プロピレンと芳香族ビニ
ル化合物を共重合することを特徴とするプロピレン−芳
香族ビニル化合物共重合体の製造方法。 - 【請求項3】 助触媒として、有機アルミニウム及び/
またはほう素を含む化合物を用いる請求項2記載のプロ
ピレン−芳香族ビニル化合物共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07882295A JP3489697B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07882295A JP3489697B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269134A true JPH08269134A (ja) | 1996-10-15 |
JP3489697B2 JP3489697B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=13672532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07882295A Expired - Fee Related JP3489697B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3489697B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0970976A1 (en) * | 1998-07-10 | 2000-01-12 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Copolymer, process for production thereof, and molded article thereof |
WO2000047643A1 (en) * | 1999-02-11 | 2000-08-17 | Basell Technology Company Bv | Propylene copolymers containing styrene units |
US6420506B1 (en) | 1999-03-04 | 2002-07-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | α-olefin-based copolymer, process for the production thereof, and molded article comprising the same |
US6617410B2 (en) | 1999-02-11 | 2003-09-09 | Basell Polyolefine Gmbh | Propylene copolymers containing styrene units |
WO2005005498A1 (en) * | 2003-07-04 | 2005-01-20 | Total Petrochemicals Research Feluy | Propylene-styrene copolymerisation process |
WO2005061565A1 (en) * | 2003-12-17 | 2005-07-07 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Radiation tolerant copolymers |
JP2017014405A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | 小島プレス工業株式会社 | ポリプロピレンおよびその製造方法 |
-
1995
- 1995-04-04 JP JP07882295A patent/JP3489697B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0970976A1 (en) * | 1998-07-10 | 2000-01-12 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Copolymer, process for production thereof, and molded article thereof |
US6187889B1 (en) | 1998-07-10 | 2001-02-13 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Copolymer, process for production thereof, and molded article thereof |
WO2000047643A1 (en) * | 1999-02-11 | 2000-08-17 | Basell Technology Company Bv | Propylene copolymers containing styrene units |
US6617410B2 (en) | 1999-02-11 | 2003-09-09 | Basell Polyolefine Gmbh | Propylene copolymers containing styrene units |
US6420506B1 (en) | 1999-03-04 | 2002-07-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | α-olefin-based copolymer, process for the production thereof, and molded article comprising the same |
WO2005005498A1 (en) * | 2003-07-04 | 2005-01-20 | Total Petrochemicals Research Feluy | Propylene-styrene copolymerisation process |
WO2005061565A1 (en) * | 2003-12-17 | 2005-07-07 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Radiation tolerant copolymers |
JP2017014405A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | 小島プレス工業株式会社 | ポリプロピレンおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3489697B2 (ja) | 2004-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6066709A (en) | Ethylene-aromatic vinyl compound copolymer and method for its production | |
JP2669832B2 (ja) | オレフインの重合法 | |
US6069237A (en) | Open-pentadienyl metallocenen ligands, polymerization catalysts/catalyst precursors and polymers therefrom | |
US6235855B1 (en) | Transition metal compound as catalyst component in method for producing aromatic vinyl compound polymer or aromatic vinyl compound-olefin copolymer having stereoregularity | |
JP3659760B2 (ja) | エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 | |
EP0979247B1 (en) | Process for producing isotactic polypropylenes in condensed phase using titanocenes | |
JP3202370B2 (ja) | プロピレンブロック共重合体の製造法 | |
JP3489697B2 (ja) | プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 | |
US6252019B1 (en) | Process for polymerizing tactioselective polyolefins in condensed phase using hafnocenes | |
JPH11130808A (ja) | 重合用遷移金属触媒成分、それを用いた立体規則性を有する芳香族ビニル化合物系重合体及びその製造方法 | |
US6329479B1 (en) | Transition metal compound as catalyst component for polymerization, aromatic vinyl compound-olefin copolymer having stereoregularity and method for its preparation by means of the transition metal compound as catalyst component | |
EP0426645B1 (en) | Process for producing syndiotactic copolymers of propylene and olefins | |
JPH1180183A (ja) | 重合用金属化合物及びそれを用いた芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体の製造方法 | |
US6489424B2 (en) | Transition metal catalyst component for polymerization, aromatic vinyl compound polymer having stereoregularity and method for its preparation by means of the catalyst component | |
JPH0940709A (ja) | エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の製造方法 | |
AU3280700A (en) | Propylene copolymers containing styrene units | |
US6617410B2 (en) | Propylene copolymers containing styrene units | |
JP3392205B2 (ja) | 新規遷移金属化合物およびこれを用いたオレフィンの重合方法 | |
CA2029077C (en) | Syndiotactic copolymers of propylene and olefins | |
WO1991006582A1 (en) | Syndiotactic homopolymers of olefins | |
KR100497172B1 (ko) | 양쪽 메탈로센 유도체 화합물을 리간드로 가진 다중핵반쪽 메탈로센 촉매 및 이를 이용한 스티렌 중합체의제조방법 | |
JP4722759B2 (ja) | 重合用遷移金属触媒成分、それを用いた立体規則性を有する芳香族ビニル化合物系重合体及びその製造方法 | |
KR100503359B1 (ko) | 스티렌 중합체 제조용 메탈로센 촉매 및 이를 이용한스티렌 중합체의 제조방법 | |
KR20040011594A (ko) | 새로운 다중핵 반쪽 메탈로센 촉매를 이용한 스티렌중합체의 제조방법 | |
US7332456B2 (en) | Alpha olefin catalyst systems |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |