JP4722759B2 - 重合用遷移金属触媒成分、それを用いた立体規則性を有する芳香族ビニル化合物系重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(請求項1) 下記の一般式(1)で表されることを特徴とする芳香族ビニル化合物重合体または芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体の製造用遷移金属触媒成分。
(請求項2) Aが、4,5−ベンゾ−1−インデニル基、5,6−ベンゾ−1−インデニル基、6,7−ベンゾ−1−インデニル基、α−アセナフト−1−インデニル基、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基、または1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基から選ばれる1つであり、Bが4,5−ベンゾ−1−インデニル基、5,6−ベンゾ−1−インデニル基、6,7−ベンゾ−1−インデニル基、α−アセナフト−1−インデニル基、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基、1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基、1−インデニル基、4−フェニルインデニル、または4−ナフチルインデニル基から選ばれる1つあることを特徴とする請求項1記載の遷移金属触媒成分。
(請求項3) Mがジルコニウムであり、Yが置換基として水素または炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基であることを特徴とする請求項1記載の遷移金属触媒成分。
(請求項4) Xがジアルキルアミドであることを特徴とする請求項1記載の遷移金属触媒成分。
(請求項5) Aが3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基であり、Bが3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基、化2〜化4で示される非置換または置換4,5−ベンゾ−1−インデニル基、あるいは化6で示される非置換または置換1−インデニル基であり、Mがジルコニウム、ハフニウム、またはチタンであり、YがA、Bと結合を有し、置換基として水素または炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基またはシリレン基であり、これらの置換基は互いに異なっていても同一でもよく、またYは置換基と一体になって環状構造を有していてもよいものであることを特徴とする請求項1記載の遷移金属触媒成分。
(請求項6) 下記の一般式(2−1)または(2−式中、R’は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜100の整数である。それぞれのR’は互いに同一でも異なっていても良い。
2)で表され、A、B中の各シクロペンタジエニル構造セントロイドと金属Mのなす角度(バイトアングル)が120°以下であることを特徴とする芳香族ビニル化合物重合体または芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体の製造用遷移金属触媒成分。
(請求項7) 請求項1〜6のいずれか1項記載の重合用遷移金属触媒成分と助触媒から構成される、芳香族ビニル化合物重合体または芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体製造用の重合触媒。
(請求項8) 助触媒として下記の一般式(3)または(4)で示されるアルミノキサン(またはアルモキサンと記す)を用い、また必要に応じてアルキルアルミニウムを用いることを特徴とする、請求項7記載の芳香族ビニル化合物重合体または芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体製造用の重合触媒。
(請求項10) 請求項1〜6のいずれか1項記載の遷移金属触媒成分と助触媒からなる重合用触媒を用いて重合することを特徴とするアイソタクティク芳香族ビニル化合物重合体または芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体の製造方法。
(請求項11) 請求項1〜6のいずれか1項記載の遷移金属触媒成分と助触媒からなる重合用触媒を用いて重合して得られる芳香族ビニル化合物−オレフィン共重合体。
(請求項12) 芳香族ビニル化合物含量が5モル%以上99.9モル%以下であり、2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構造を有することを特徴とする芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体。
(請求項13) 共重合体構造中に含まれる下記の一般式(5)で示される芳香族ビニル化合物とエチレンの交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイアッド分率mで0.75より大きく、かつ下記の式
(i)で与えられる交互構造指数λが70より小さく、1より大きいことを特徴とする、請求項12記載の芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体。
λ=A3/A2×100 式(i)
ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記の一般式(5’)で示される芳香族ビニル化合物−エチレン交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした13C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和である。
(請求項14) TMSを基準とした13C−NMR測定によって40〜45ppmに現れるピークにより帰属される芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造を有することを特徴とする請求項10記載の芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体。
(請求項15) 芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造の立体規則性がアイソタクティクであることを特徴とする請求項12記載の芳香族ビニル化合物−エチレンランダム共重合体。
(請求項16) 請求項10記載の製造方法によって得られる芳香族ビニル化合物−プロピレンランダム共重合体。
(請求項17) 請求項10記載の製造方法において40℃以下−20℃以上の重合温度で重合することを特徴とする芳香族ビニル化合物−エチレン交互共重合体の製造方法。
(請求項18) 請求項17記載の重合方法により得られる交互指数λ値が70以上でありかつ、交互構造のアイソタクティクダイアッド(メソダイアッド)分率mが0.95以上である芳香族ビニル化合物−エチレン立体規則的交互共重合体。
(請求項19) ジルコニウム、チタニウムまたはハフニウムのジアルキルアミド体を原料とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の遷移金属触媒成分の製造方法。
である。
芳香環または脂肪環を形成しても良い。
造のアイソタクティシティーは非常に高い。
λ=A3/A2×100 式(i)
ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記の一般式(5’)で示されるスチレン−エチレン交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした13C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和である。
m=Am/(Ar+Am) 式(ii)
ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフトする場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。また、重テトラクロロエタンを溶媒とし、重テトラクロロエタンの3重線の中心ピーク(TMSを基準としたシフト値73.89ppm)を基準とした場合、r構造に由来するピークは、25.3〜25.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.1〜25.2ppm付近に現れる。なお、m構造はメソダイアッド構造、r構造はラセミダイアッド構造を表す。本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体に於いては、エチレンとスチレンの交互共重合構造にr構造に帰属されるピークは実質的に観測されない。
ms=Am’/(Ar’+Am’) 式(iii)
ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフトする場合がある。本発明におけるランダム共重合体とは、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造、エチレンユニットの結合した連鎖構造及びスチレンユニットとエチレンユニットが結合した構造を含む共重合体である。スチレンの各含量によって、あるいは重合温度、用いられる触媒、助触媒等の重合条件によって、本共重合体中のこれらの構造の含まれる割合は変化する。スチレン含量が少なくなれば、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造の含まれる割合は減少する。例えばスチレン含量が約20モル%以下の共重合体の場合、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造は通常の13C−NMR測定ではその構造に由来するピークを直接観測することは困難である。しかし、本発明の遷移金属触媒成分を用いて、または本発明の製造方法により、スチレン単独の重合により高い活性で立体規則性を有するホモポリマーが製造できること、すなわち、本質的にスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造を形成することが可能であること、及び共重合体においては、少なくとも13C−NMR法によって20〜99モル%のスチレン含量に対応してスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造の割合が連続的に変化することから、20モル%以下であっても量は少ないもののスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造が共重合体中に存在しうることは明白である。13Cでエンリッチしたスチレンモノマ−を用い13C−NMRで分析する等の手段により、スチレン含量20モル%以下の共重合体中のスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造を観測することは可能である。エチレンユニットの連鎖構造についてもまったく同様のことがいえる。
<遷移金属触媒成分の合成A>下式のrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(別名、rac−イソプロピリデンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、またはrac{BInd−C(Me) 2−BInd}ZrCl2 と記す)は以下の合成法で合成した。4,5−ベンゾインデンはOrganometallics,13,964(1994)に従って合成した。
1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデンの合成は、Can.J.Chem.62,1751(1984)に記載されている6,6−ジフェニルフルベンの合成を参考に行った。ただし、出発原料はベンゾフェノンの代わりにアセトンを、シクロペンタジエンの代わり
に4,5−ベンゾインデンを用いた。
Ar雰囲気下、21mmolの4,5−ベンゾインデンを70mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLiを加え、3時間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデン21mmolを溶解したTHFを加え、室温で一晩攪拌した。水100ml、ジエチルエーテル150mlを加え振盪し、有機層を分離、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下、留去した。得られた黄色固体をヘキサンで洗浄、乾燥しイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデンを3.6g得た。収率は46%であった。1H−NMRスペクトル測定により、7.2〜8.0ppm(m、12H)、6.65ppm(2H)、3.75ppm(4H)、1.84ppm(6H)の位置にピークを有する。測定は、TMSを基準としCDCl3 を溶媒として行なった。
Ar雰囲気下、7.6mmolのイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデンと7.2mmolのジルコニウムテトラキスジメチルアミド、{Zr(NMe2 )4}をトルエン50mlとともに仕込み、130℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩化メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジメチルアミン塩酸塩14.4mmolをゆっくり加え室温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、得られた固体をペンタン、続いて少量のTHFで洗浄し、下記の式で表される黄燈色のrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.84g得た。収率は21%であった。
Ar雰囲気下、14mmolのインデンを50mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLiを加え、10時間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデン13mmolを溶解したTHF10mlを加え、室温で一晩攪拌した。水50ml、ジエチルエーテル100mlを加え振盪し、有機層を分離、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下、留去した。カラムでさらに精製し、イソプロピリデン(1−インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)を2.5g得た。収率は59%であった。
Ar雰囲気下、6.5mmolのイソプロピリデン(1−インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)と6.5mmolのジルコニウムテトラキスジメチルアミド、別名{Zr(NMe2 )4}をトルエン40mlとともに仕込み、130℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩化メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジメチルアミン塩酸塩13mmolをゆっくり加え室温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、得られた固体をペンタン、続いて少量の塩化メチレンで洗浄し、燈色のrac−ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.76g得た。収率は24%であった。1H−NMRスペクトル測定により、7.05〜8.04ppm(m、10H、但し、7.17ppmのピークを除く)、7.17ppm(d、H)、6.73ppm(d、H)、6.25ppm(d、H)、6.18ppm(d、H)、2.41ppm(m、3H)、2.37ppm(m、3H)の位置にピークを有する。測定は、TMSを基準とし、溶媒としてCDCl3 を用いて行なった。
子(0.47g、1.25mmol)を入れ、トルエン30mlに溶解した。この中に、Zr(NMe 2 )4 (0.334g、1.25mmol)を添加し、Ar気流下で100度に加熱し3日間攪拌した。生成物より溶媒を留去し、残留物をペンタンで洗浄し、肌色の粉末を得た。NMRを測定した結果、ラセミ体28%、メソ体13%、配位子59%の組成の混合物であった。rac体:1 H−NMR(C6D6、TMS)δ:1.70(s、12H、NMe2)、1.77(s、6H、CMe2)、5.91(d、2H、BIndC5)、6.73(d、2H、BIndC5)、6.8〜7.7(m、12H、aromatic)meso体:1 H−NMR(C6D6、TMS)δ:0.75(s、6H、NMe2)、1.50(s、3H、CMe2)、2.03(s、3H、CMe2)、2.71(s、6H、NMe2)、5.55(d、2H、BIndC5)、6.61(d、2H、BIndC5)、6.8〜7.7(m、12H、aromatic)
実施例1
真空引き後、エチレンで満たした容量120mlの磁気攪拌子入りオートクレーブにスチレン10ml、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基準で8.4μmol仕込んだ。室温下、磁気攪拌しながら遷移金属触媒成分の合成Bで得た触媒rac{BInd−C(Me)2 −Ind}ZrCl2 を8.4μmol、トリイソブチルアルミニウムを0.84mmol含むトルエン溶液16mlをシリンジにて素早く仕込み、ただちにエチレンを導入し全圧0.6MPa(5Kg/cm2 G)に昇圧した。触媒投入後、4分間で重合熱により内温は46℃まで上昇したが、同5分後には降温に転じた。圧力を5Kg/cm2 Gに維持しながら1時間重合を実施した。重合液を大過剰の希塩酸/メタノ−ル液中に投じポリマーを析出させ、真空下70℃で8時間乾燥させた。その結果、5gのポリマーを得た。
容量10L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を行った。脱水したトルエン800ml、脱水したスチレン4000mlを仕込み、内温50℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブリングして系内をパージし、トリイソブチルアルミニウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO−3A)をAl基準で84mmol加えた。ただちにエチレンを導入し、圧力0.2MPa(1Kg/cm2 G)で安定した後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、前記の遷移金属触媒成分の合成Aで得た触媒、racジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを21μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50mlをオートクレーブに加えた。内温を50℃、圧力を0.2MPaに維持しながら6時間重合を実施した。重合終了後、得られた重合液を激しく攪拌した過剰のメタノール中に少量ずつ投入し生成したポリマーを析出させた。減圧下、60℃で重量変化が認められなくなるまで乾燥したところ、1000gのポリマーを得た。
触媒として前記の遷移金属触媒成分の合成Aで得た触媒、racジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用い、表2に示す条件で、実施例2と同様に重合、後処理を行った。但し、実施例7では助触媒としてメチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、PMAO)を用いた。また、実施例4、5では、窒素ガスでエチレンを希釈することでエチレン分圧を下げ、重合を実施した。
触媒として前記の遷移金属触媒成分の合成Bで得た触媒、racジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用い、表2に示す条件で実施例2と同様に重合、後処理を行った。
用いる触媒として前記の遷移金属触媒成分の合成Cで得られた、rac−体、meso−体の錯体混合物に変更し、その中にrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムビスジメチルアミドを8.4μmol含む様に秤量し、重合に用いた。表2に示す条件で実施例2と同様に重合、後処理を行った。
前記の遷移金属触媒成分の合成Bで得たrac{BInd−C(Me)2 −Ind}ZrCl2 8.4μmolをトリイソブチルアルミニウム1mmolを含むトルエン溶液20mlに溶解した。ここに、Ph3 CB(C6F5)4 を8.4μmol溶解したトルエン溶液20mlを加え、触媒液を調整した。攪拌機の付いた容量1Lのオートクレーブにトルエン400ml、スチレン80mlを仕込み、エチレン圧、10kg/cm 2 G 、内温17℃の条件下、触媒液を導入した。直ちに重合が開始し、発熱によって内温は最高74℃まで上昇した。重合中圧は1.1MPa(10kg/cm2 G )に維持したまま、1時間重合を実施した。実施例2と同様に後処理を行ったところ、53gのポリマーが得られた。
容量150L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付の重合缶を用いて重合を行った。脱水したシクロヘキサン60L、脱水したスチレン12Lを仕込み、内温33℃に加熱攪拌した。トリイソブチルアルミニウム84mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO−3A)をAl基準で840mmol加えた。ただちにエチレンを導入し、圧力1.0MPa(9Kg/cm 2G)で安定した後に、重合缶上に設置した触媒タンクから、前記の遷移金属触媒成分の合成Aで得た触媒、racジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを78μmol、トリイソブチルアルミニウム2mmolを溶かしたトルエン溶液約100mlを重合缶に加えた。直ちに発熱が開始したので、ジャケットに冷却水を導入した。内温は最高80℃まで上昇したが、以降約70℃を維持し、圧力を1.0MPaに維持しながら2.5時間重合を実施した。重合終了後、得られた重合液を脱気した後、以下のようにクラムフォーミング法で処理し、ポリマーを回収した。重合液を激しく攪拌した分散剤(プルロニック:商品名)を含む300Lの85℃の加熱水中に1時間かけて投入した。その後97℃で1時間攪拌した後に、クラムを含む熱水を冷水中に投入し、クラムを回収した。クラムを50℃で風乾し、その後60℃で真空脱気することで、数mm程度の大きさのクラム形状が良好なポリマー、12.8kgを得た。
文献J.Am.Chem.Soc.,110,6255(1988)、J.Organomet.Chem、459、117(1993)を参考に、EWEN型Zr錯体である、下式のジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、別名{Flu−CPh2 −Cp}ZrCl2 を合成した。
施例1と同様に重合後処理を行ったところ、2.2gの白色ポリマーを得た。
上記のジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用い、表3に示す条件下、実施例2と同様に重合及び後処理を実施した。モニターしたエチレンの消費量から、重合は実質的に4時間で終了していた。
特開平7−053618号公報を参考に、CGCT(拘束幾何構造)型Ti錯体(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、別名{CpMe4 −SiMe2−NtBu}TiCl2 を合成した。
用いる錯体をCGCT(拘束幾何構造)型Ti錯体(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドとし、表3に示す条件下、実施例2と同様に重合及び後処理を実施した。モニターしたエチレンの消費量から、比較例4、5とも重合は実質的に2.5時間で終了していた。
Organometallics,13,964 (1994) を参考に、rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、別名rac{2−Me−BInd−SiMe2 −2−Me−BInd}ZrCl2 を合成した。用いる錯体をジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドとし、表3に示す条件下、実施例2と同様に重合及び後処理を実施した。モニターしたエチレンの消費量から、重合は実質的に2時間で終了していた。
Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.24,507(1985)を参考に、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、別名rac{Ind−Et−Ind}ZrCl2 を合成した。用いる錯体を、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドとし、表3に示す条件下、実施例2と同様に重合及び後処理を実施した。モニターしたエチレンの消費量から、重合は実質的に6時間で終了していた。
線の中心ピーク(73.89ppm)を基準として、以下に帰属されるピークを示す。
(1)スチレンとエチレンの交互構造
(2)エチレンの連鎖構造
36.4〜36.5ppm (b)
44.8〜45.4ppm (a)
29.4〜29.9ppm (g)
36.5〜36.8ppm (e)
27.2〜27.6ppm (f)
45.4〜46.1ppm (d,h)
34.5〜34.9ppm (i)
42.4〜43.0ppm (j)
43.7〜44.5ppm (k)
35.6〜36.1ppm (l)
24.0〜24.9ppm (m)
40.7〜41.0ppm (n)
43.0〜43.6ppm (o)
以上のピークは、測定条件や溶媒等の影響、隣接する構造からの遠距離効果により、若干のシフトやピークのミクロ構造、あるいはピークショルダーが生じる場合がある。
−:実施例での通常の定量を行う13−CNMR測定(積算回数約5000回程度)では、明確なピークは認められなかった。重テトラクロロエタンを溶媒とし、約100℃に加熱溶解して測定した。テトラクロロエタンの13C−NMRによる3重線の中心ピークは、TMSに対し、73.89ppmのシフト値であった。共重合体の各ピークシフト値は、テトラクロロエタンの3重線中心ピーク値を73.89ppmとして算出した。a)は、mm、mmmまたはmmmmを表す。b)は、rr、rrrまたはrrrrを表す。c)重クロロホルムを溶媒とし、TMSを基準として測定した場合のピークシフト値。
mmmm=A(mmmm)/A(all)
ここで、A(mmmm)はスチレン連鎖のmmmm構造に由来するフェニルC1炭素ピーク面積、A(all)は全ての立体規則性に由来するフェニルC1炭素ピークの面積の総和である。特に、フェニルC1炭素ピークの場合、ヘッド−テイルのスチレン連鎖mmmmピークの近傍に共重合構造のフェニルC1に由来するピークが存在するが、アタクティクスチレン連鎖やシンジオタクティクスチレン連鎖構造に由来するピークの出現位置である145.2〜146.0ppm付近にはピークは殆ど観測されない。よって、mmmmは少なくとも、0.2以上である。本発明の共重合体が、結晶構造を持ちうることを示すため、実施例10および14で得られた共重合体のX線回折図を図26に示す。サンプルに適宜アニーリング処理を施し、結晶化率を向上した後に測定した。おおよそ、15モル%以上のスチレン含量の本発明のスチレン−エチレンランダム共重合体において、含まれる立体規則的なスチレン−エチレン交互構造に由来する結晶構造からの回折ピークが観測された。スチレン含量がおよそ15モル%以下の場合、他にポリエチレンの結晶構造からの回折ピークが観察される。用いる遷移金属触媒成分として、CGCT(拘束幾何構造)型Ti錯体(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドやジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用いた場合、得られる共重合体中のスチレン−エチレン交互構造にはアイソタクティクの立体規則性は無い。またヘッド−テイルのスチレン連鎖も観測されない。用いる遷移金属触媒成分として、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用いた場合、スチレン含量を10モル%以上に高めることは非常に困難で、かつ得られるポリマーの分子量も重量平均分子量(Mw)で5万と低い。スチレン含量5モル%以上20モル%未満の共重合体では重量平均分子量6万未満では、破断強度等の力学特性が低く、実用ポリマーとしては不適当である。またヘッド−テイルのスチレン連鎖も当然観測されない。同遷移金属触媒成分を用いた場合、比較例10に示すように、スチレンの単独重合は進行しない。この触媒系によってスチレン連鎖を形成することはできない。本発明の重合用遷移金属触媒成分と異なるベンゾインデニル基置換基パターンを有するジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドを用いた場合、スチレン含量が2mol%以下の共重合体が得られた。すなわち、ベンゾインデニル基の2位に置換基を有する様な金属錯体を用いた場合には、高いスチレン含量を与えることはできない。またヘッド−テイルのスチレン連鎖も観測されない。同遷移金属触媒成分を用いた場合、比較例9に示すように、立体規則性を有するスチレン重合体は得られない。少量生成するアタクティクのポリスチレンは、公知の文献等によれば、併発するカチオンあるいはラジカル重合によって形成されたものと解することができる。よって、この触媒系によってスチレン連鎖を形成することはできない。
実施例15
攪拌装置の付いた容量1Lのオートクレーブを真空パージ及び窒素置換した後に、スチレン100ml、トルエン40ml、トリイソブチルアルミニウム5mml、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製MMAO−3A)をAl原子基準で21mmol、この順序で仕込んだ。その後、オートクレーブをドライアイスで−50℃まで冷却し、プロピレンガスを1mol導入した。オートクレーブ上部に設置した耐圧タンクから、触媒rac{BInd−C(Me)2 −BInd}ZrCl2 を21μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを含むトルエン溶液約40mlをプロピレンガスに同伴させ導入した。ドライアイスバスを外し、約30分かけて50℃まで昇温し、50℃で1時間重合を行なった。終了後、徐々に放圧した後に重合液を実施例1と同様に後処理したところ、8.5gのポリマーを得た。
表7に示す重合条件下、実施例15と同様にして重合、後処理を行った。
用いる錯体をジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドとし、表7に示す条件下、実施例15と同様に重合及び後処理を実施した。
実施例19
真空排気及び窒素パージをおこなった容量100mlのシュレンク管(磁気攪拌用バー入り)にスチレンを10ml、トリイソブチルアルミニウムを0.84mmol仕込んだ。さらに、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製MMAO−3A)をAl基準で8.4μmol加え、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを1.5μmol含むトルエン溶液10mlを加えた。室温で3時間攪拌した後に、大過剰の塩酸酸性メタノール中に投入し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを70℃で8時間乾燥したところ、1.5gの白色粉末状のポリマーを得た。
用いる錯体をrac−ジメチルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド4.6μmolにして、表10の条件下、実施例19と同様に重合及び後処理を行なったところ、0.5gの白色粉末状のポリマーを得た。
用いる錯体をrac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、別名rac{2−Me−BInd−SiMe 2 −2−Me−BInd}ZrCl2 に変更して、表10の条件下、実施例19と同様に重合及び後処理を行なったところ、0.15gの白色粉末状のポリマーを得た。
用いる錯体をrac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、別名rac{Ind−Et−Ind}ZrCl2 に変更して、表10の条件下、実施例19と同様に重合及び後処理を行なったが、ポリマーは得られなかった。
実施例21
容量1L、攪拌機付きのオートクレーブを用いて重合を行った。トルエン240ml、スチレン240mlを仕込み、内温50℃に加熱し、窒素を約80Lバブリングして系内をパージした。その後オートクレーブを氷浴に浸し冷却した。トリイソブチルアルミニウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、PMAO−S)をAl基準で8.4mmol加えた。ただちにエチレンを導入し、圧力1Kg/cm2 Gで安定した後
に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、遷移金属触媒成分の合成Aで得られた触媒rac−ジメチルメチレンビス−4,5−ベンゾ−1−インデニルジルコニウムジクロリド6μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約30mlをオートクレーブに加えた。内温を2℃〜6℃に維持し、エチレン圧を0.2MPa(1Kg/cm 2 G)に維持しながら6時間重合を実施した。重合中は、エチレンの消費速度を流量積算計によりモニターして、重合反応の進行をモニターしたが、6時間の時点で重合は失活無しに実質的に進行中であった。エチレンを放圧し、得られた重合液を激しく攪拌した過剰のメタノール中に少量ずつ投入し生成したポリマーを析出させた。減圧下、80℃で重量変化が認められなくなるまで、約10時間乾燥したところ、39gのポリマーを得た。
錯体を8.4μmol用い、オートクレーブを−20℃のクーリングバスに浸して重合を実施することで内温を−16℃に維持して、他は実施例21と同様に重合、後処理を実施したところ、1.5gのポリマーを得た。このポリマーは、アタクティクのポリスチレンホモポリマーを含んでいたので、さらに沸騰アセトンで抽出処理し、沸騰アセトン不溶分として0.7gの白色粉末ポリマーを得た。
用いる触媒をエチレンビスインデニルジルコニウムジクロリドとし、表13の条件下、実施例21と同様に重合、後処理を実施した。その結果、14gのポリマーを得た。得られた共重合体は、アタクティクのポリスチレンと共重合体の混合物であったので、沸騰アセトンで抽出し、沸騰アセトン不溶分として8gの白色ポリマーを得た。
λ=A3/A2×100 式(i)
ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記の一般式(5’)で示される芳香族ビニル化合物−エチレン交互構造の炭素に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした13C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及びメチン炭素に由来するピークの面積の総和である。
<遷移金属触媒成分の合成D>下式rac−ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド(別名、rac{CpPhen−CMe2 −CpPhen}ZrCl2 )は以下のように合成した。なお、CpPhenはシクロペンタ〔c〕フェナンスリルを表す。
Ar雰囲気下、32mmolの1Hまたは3H−シクロペンタ〔c〕フェナンスレンを水酸化カリウム3.0gを懸濁した40mlのジメトキシエタンに添加し、室温で30分間攪拌後、アセトンを15mmol加え、60℃で2時間攪拌した。10%リン酸水を加え中和した後に塩化メチレンで抽出し、有機相を水洗、乾燥し、塩化メチレンを留去した。塩化メチレン−ジエチルエ−テル溶液中からの再結晶化により、白色結晶イソプロピリデンビス(シクロペンタ〔c〕フェナンスレン)を1.5g得た。1H−NMRスペクトル測定により、1.93ppm(6H、s)、4.20ppm(4H、d)、6.89ppm(2H、t)、7.5〜7.9ppm(14H、m)、8.91ppm(2H、d)の位置にピークを有する。測定は、TMSを基準としCDCl3を溶媒として行なった。
Ar気流下、2.0mmolのイソプロピリデンビス(シクロペンタ〔c〕フェナンスレン)と2.0mmolのジルコニウムテトラキスジメチルアミド、{Zr(NMe2 )4}をトルエン20mlとともに仕込み、リフラックス下7時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩化メチレン50mlを加え、−50℃に冷却した。ジメチルアミン塩酸塩4.0mmolをゆっくり加え室温にゆっくり昇温し、さらに2時間攪拌した。溶媒を留去後、得られた固体をペンタン、続いて少量の塩化メチレンで洗浄し、meso体及び配位子を除去し、rac−ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロライドの黄燈色結晶を0.36g得た。1H−NMRスペクトル測定により、2.55ppm(6H、s)、6.49ppm(2H、d)、7.55〜8.02ppm(16H、m)、8.82ppm(2H、d)の位置にピークを有する。測定は、TMSを基準としCDCl3 を溶媒として行なった。
実施例23
触媒として前記の遷移金属触媒成分の合成Dで得た触媒、rac−ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロライドを用い、表13に示す条件で、実施例2と同様に重合、後処理を行った。その結果、910gのポリマー−が得られた。スチレン含量は57.0モル%、分子量(Mw)は、27.9万、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、ガラス転移点は40℃であった。13C−NMR測定の結果、2個および3個以上のヘッド−テイルスチレン連鎖構造に由来するピークが観測された。13C−NMRスペクトルを図44、45、及び46に示す。13CNMRスペクトルのピークシフト値を表17に示す。スチレン−エチレン交互構造の立体規則性はアイソタクティクでm値は0.95以上、ms値は0.80以上、交互構造指数λ値は30であった。本錯体を触媒成分として用いた場合、実施例の条件下でランダム性の高い(交互性の低い)共重合体を与えることができる。
−:実施例での通常の定量を行う13C−NMR測定(積算回数約5000回程度)では、明確なピークは認められなかった。
重テトラクロロエタンを溶媒とし、約100℃に加熱溶解して測定した。テトラクロロエタンの3重線13CNMRピ−クの中心ピ−クは、TMSに対し、73.89ppmのシフト値であった。共重合体の各ピ−クシフト値は、テトラクロロエタンの3重線中心ピ−ク値を73.89ppmとして算出した。
触媒として前記の遷移金属触媒成分の合成Dで得た触媒、rac−ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロライドを用い、表13に示す条件で、実施例19と同様に重合、後処理を行った。その結果、1.8gのポリマーが得られた。重量平均分子量(Mw)は、20.8万、分子量分布(Mw/Mn)は、1.7融点は225℃であった。1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2の3重線の中心ピーク(73.89ppm)を基準にして求めた13C−NMRのピークシフト値は、以下の通りであった。
<ポリエチレンの合成>真空引き後、エチレンで満たした容量120mlの磁気攪拌子入りオートクレーブにトルエン20ml、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基準で8.4μmol仕込んだ。内温を50℃に加熱し、磁気攪拌しながらrac{BInd−C(Me)2 −BInd}ZrCl2を1.0μmol、トリイソブチルアルミニウムを0.84mmol含むトルエン溶液16mlをシリンジにて
素早く仕込み、ただちにエチレンを導入し全圧0.6MPa(5Kg/cm2 G)に昇圧した。圧力を5Kg/cm2 Gに維持しながら10分間重合を実施した。重合液を大過剰の希塩酸/メタノ−ル液中に投じポリマーを析出させ、真空下70℃で8時間乾燥させた。その結果、1.7gのポリエチレンを得た。DSC測定の結果、融点は130℃であった。
Claims (8)
- 下記の一般式(1)で表される遷移金属触媒成分と助触媒からなる重合用触媒を用いて、30℃〜160℃の重合温度で重合することを特徴とし、芳香族ビニル化合物含量が7モル%以上92モル%以下であり、2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構造を有することを特徴とする芳香族ビニル化合物−エチレン共重合体または芳香族ビニル化合物−プロピレンランダム共重合体の製造方法。
式中、Aは下記の一般式、化2、化3または化4で表すことができる非置換または置換ベンゾインデニル基である。
(上記の化2〜化4において、R1〜R3はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、6〜10のアリール基、7〜20のアルキルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3 基またはPR2 基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)であり、R1同士、R2同士、R3同士は互いに同一でも異なっていても良い。また、隣接するR1、R2及びR3基は一体となって5〜8員環の芳香環または脂肪環を形成しても良い。)
Bは、Aと同様の化2、化3または化4で表すことができる非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、あるいは下記の一般式、化5、化6で示される非置換または置換シクロペンタジエニル基あるいは非置換または置換インデニル基である。
(上記の化5、化6において、R4、R5はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3 基またはPR2 基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)であり、R4同士、R5同士は互いに同一でも異なっていても良い。)
A、B共に非置換または置換ベンゾインデニル基である場合には両者は同一でも異なっていてもよい。Yは、A、Bと結合を有し、置換基として水素あるいは炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基である。これらの置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yは置換基と一体になって環状構造を有していてもよい。Xは、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルキルアリ−ル基、シリル基、メトキシ基、エトキシ基、アルコキシ基またはジアルキルアミド基である。Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。 - 一般式(1)で表される遷移金属触媒成分において、Aが、4,5−ベンゾ−1−インデニル基、5,6−ベンゾ−1−インデニル基、6,7−ベンゾ−1−インデニル基、α−アセナフト−1−インデニル基、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基、または1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基から選ばれる1つであり、Bが4,5−ベンゾ−1−インデニル基、5,6−ベンゾ−1−インデニル基、6,7−ベンゾ−1−インデニル基、α−アセナフト−1−インデニル基、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基、1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基、1−インデニル基、4−フェニルインデニル、または4−ナフチルインデニル基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 一般式(1)で表される遷移金属触媒成分において、Aが、4,5−ベンゾ−1−インデニル基または3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基から選ばれる1つであり、Bが4,5−ベンゾ−1−インデニル基、3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル基、または1−インデニル基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 一般式(1)で表される遷移金属触媒成分において、Mがジルコニウムであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 一般式(1)で表される遷移金属触媒成分において、Xがジアルキルアミドであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 一般式(1)で表される遷移金属触媒成分が、ラセミ体とメソ体の混合物、ラセミ体またはD体、L体であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 芳香族ビニル化合物がスチレンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法。
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