JPWO2015151654A1 - 遠心振子式吸振装置およびその設計方法 - Google Patents

遠心振子式吸振装置およびその設計方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】遠心振子式吸振装置10は、ロックアップクラッチ9を介してエンジンに連結されるドライブ部材81と変速機に連結されるドリブン部材83とを含む複数の回転要素およびドライブ部材81とドリブン部材83との間でトルクを伝達する第1および第2コイルスプリングSP1,SP2を含むダンパ機構8と共に発進装置1を構成するものであり、ダンパ機構8のドリブン部材83と一体に回転する支持部材11と、支持部材11により揺動自在に支持される質量体12とを含み、エンジンで発生する減衰すべき振動の次数よりも、ダンパ機構8のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように設計される。

Description

本発明は、駆動装置に連結される入力要素と変速機に連結される出力要素とを含む複数の回転要素および入力要素と出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置およびその設計方法に関する。
従来、遠心振子式吸振装置を備えた力伝達装置として、少なくとも1つの入力体と、出力体と、ポンプホイールと出力体に相対回動不能に結合されたタービンホイールとを有するハイドロダイナミック式の構成要素と、ロックアップクラッチの形で形成されるハイドロダイナミック式の構成要素を跨ぐための装置と、少なくとも部分的に運転媒体、特に油で充填可能な室内に配置された少なくとも2つのダンパ(ばねユニット)を有する振動減衰装置と、当該振動減衰装置に連結された遠心振子式の回転数適応型動吸振器とを含み、駆動装置と被駆動装置との間で動力を伝達するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この力伝達装置において、回転数適応型動吸振器は、油影響に関連して、駆動装置の励振の次数qよりも所定の次数オフセット値qFだけ大きい有効次数qeffに設計されている。そして、次数オフセット値qFは、励振の次数qに合致しないように、励振の次数qの変化に比例して変化するように定められる。
特表2011−504987号公報
上記特許文献1に記載された有効次数qeffの設定手法は、質量体と回転する油との間の相対運動による抵抗、すなわち粘性抵抗を考慮して有効次数qeffを設定するものであると考えられる。しかしながら、特許文献1に記載された手法は、理論的な裏付けに乏しいものであり、本発明者らの研究によれば、作動油といった液体の存在下における質量体の揺動に対する粘性抵抗の影響は小さいことが判明している。従って、特許文献1に記載された手法により遠心振子式吸振装置における質量体の振動次数を設定しても、遠心振子式吸振装置の吸振性能を向上させることができず、場合によっては吸振性能を低下させてしまうおそれもある。
そこで、本発明は、入力要素と出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置の吸振性能をより向上させることを主目的とする。
本発明による遠心振子式吸振装置は、駆動装置に連結される入力要素と変速機に連結される出力要素とを含む複数の回転要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置において、前記ダンパ機構の前記回転要素の何れかと一体に回転する支持部材と、前記支持部材により揺動自在に支持される質量体とを備え、前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、少なくとも前記ダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように設計されることを特徴とする。
一般に、入力要素と出力要素とを含む複数の回転要素および入力要素と出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構では、主にトルク伝達弾性体と回転要素との間で発生する摩擦力に起因して、入力要素への入力トルクが増加していく際の出力トルクと、入力要素への入力トルクが減少していく際の出力トルクとの差すなわちヒステリシスを生じる。そして、本発明者らがダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置について鋭意研究を行った結果、上述のようなダンパ機構のヒステリシスに起因して、ダンパ機構の何れかの回転要素に連結される遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動が良好に減衰されなくなること、すなわち遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動の次数と、当該遠心振子式吸振装置により実際に減衰される振動の次数との間にズレを生じることが判明した。これを踏まえて、この遠心振子式吸振装置は、駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、ダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように設計される。これにより、ダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置の吸振性能をより向上させることが可能となる。
本発明による遠心振子式吸振装置を含む発進装置を示す概略構成図である。 本発明による遠心振子式吸振装置を示す平面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 本発明による遠心振子式吸振装置を示す拡大図である。 ダンパ機構のヒステリシスと、遠心振子式吸振装置によって減衰される振動の次数との関係を示す図表である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による遠心振子式吸振装置10を含む発進装置1の概略構成図である。同図に示す発進装置1は、原動機としてのエンジン(内燃機関)を備えた車両に搭載され、当該エンジンからの動力を自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)である変速機に伝達するものである。発進装置1は、遠心振子式吸振装置10に加えて、エンジンのクランクシャフトに連結されるフロントカバー(入力部材)3と、フロントカバー3に固定されるポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4と、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5と、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6と、変速機の入力軸ISに固定されるダンパハブ(出力部材)7と、ダンパハブ7に接続されるダンパ機構8と、ダンパ機構8に連結される図示しないロックアップピストンを有する例えば単板摩擦式のロックアップクラッチ(発進クラッチ)9とを含む。
ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、ポンプインペラ4やタービンランナ5と同軸に回転するようにステータ6が配置される。ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ60により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、フロントカバー3とポンプインペラ4のポンプシェルとにより画成される流体伝動室(液体室)2の内部において作動油(流体)を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータとして機能する。なお、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ60を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させてもよい。
ダンパ機構8は、回転要素として、ドライブ部材(入力要素)81と、中間部材(中間要素)82と、ドリブン部材(出力要素)83とを含む。また、ダンパ機構8は、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ドライブ部材81と中間部材82との間に配置される複数の第1コイルスプリングSP1と、例えば第1コイルスプリングSP1よりも高い剛性(バネ定数)を有すると共に中間部材82とドリブン部材83との間に配置される複数の第2コイルスプリング(第2弾性体)SP2とを含む。
本実施形態において、第1コイルスプリングSP1は、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心を有するように巻かれた金属材からなるアークコイルスプリングである。これにより、第1コイルスプリングSP1をより低剛性化し(バネ定数を小さくし)、ダンパ機構8をより低剛性化(ロングストローク化)することができる。同様に、本実施形態において、第2コイルスプリングSP2は、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心(中心線)を有するように巻かれた金属材からなるアークコイルスプリングである。ただし、第1および第2コイルスプリングSP1,SP2として、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心(中心線)を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなる直線型コイルスプリングが採用されてもよい。
ドライブ部材81は、それぞれ対応する第1コイルスプリングSP1の一端と当接する複数の当接部を有する。ドライブ部材81の各当接部は、ダンパ機構8の取付状態において互いに隣り合う第1コイルスプリングSP1の間で両者と当接する。中間部材82は、それぞれ対応する第1コイルスプリングSP1の他端と当接する複数の第1当接部と、それぞれ対応する第2コイルスプリングSP2の端部と当接する複数の第2当接部とを有する。中間部材82の各第1当接部は、ダンパ機構8の取付状態において互いに隣り合う第1コイルスプリングSP1の間で両者と当接する。また、第2コイルスプリングSP2は、ダンパ機構8の取付状態において中間部材82の互いに隣り合う2つの第2当接部の間に配置され、当該2つの第2当接部の一方が第2コイルスプリングSP2の一端と当接し、他方が第2コイルスプリングSP2の他端と当接する。ドリブン部材83は、それぞれ対応する第2コイルスプリングSP2の端部と当接する複数の当接部を有し、ダンパハブ7に固定される。第2コイルスプリングSP2は、ダンパ機構8の取付状態においてドリブン部材83の互いに隣り合う2つの当接部の間に配置され、当該2つの当接部の一方が第2コイルスプリングSP2の一端と当接し、他方が第2コイルスプリングSP2の他端と当接する。
更に、ダンパ機構8は、ドライブ部材81とドリブン部材83との相対回転を規制する回転規制ストッパとして、ドライブ部材81と中間部材82との相対回転を規制する第1ストッパ84と、中間部材82とドリブン部材83との相対回転を規制する第2ストッパ85とを含む。第1ストッパ84は、ドライブ部材81に形成されたストッパ部と、中間部材82に形成された第1ストッパ部とにより構成され、ドライブ部材81のストッパ部と中間部材82の第1ストッパ部とが当接すると、第1コイルスプリングSP1の捩れおよびドライブ部材81と中間部材82との相対回転が規制される。第2ストッパ85は、中間部材82に形成された第2ストッパ部と、ドリブン部材83に形成されたストッパ部とにより構成され、中間部材82の第2ストッパ部とドリブン部材83のストッパ部とが当接すると、第2コイルスプリングSP2の捩れおよび中間部材82とドリブン部材83との相対回転が規制される。
本実施形態において、第1ストッパ84(ドライブ部材81、中間部材82および第1コイルスプリングSP1の諸元)および第2ストッパ85(中間部材82、ドリブン部材83および第2コイルスプリングSP2の諸元)は、例えば、第2ストッパ85により第2コイルスプリングSP2の捩れおよび中間部材82とドリブン部材83との相対回転が規制される前に、第1コイルスプリングSP1の捩れおよびドライブ部材81と中間部材82との相対回転が規制されるように構成(設定)される。具体的には、ロックアップの実行時にエンジンからフロントカバー3に伝達されるトルク、すなわちドライブ部材81への入力トルクがダンパ機構8の最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2(第2の値)よりも小さく定められた相対回転規制角度θrefに対応したトルクT1(第1の値)に達すると、第1ストッパ84により、第1コイルスプリングSP1の捩れおよびドライブ部材81と中間部材82との相対回転が規制される。また、ドライブ部材81への入力トルクがダンパ機構8の最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2に達すると、第2ストッパ85により第2コイルスプリングSP2の捩れおよび中間部材82とドリブン部材83との相対回転が規制される。
また、本実施形態の発進装置1では、ダンパ機構8の出力要素であるドリブン部材83に複数の第3コイルスプリング(第3弾性体)SP3を介してタービンランナ5が連結されており、これら複数の第3コイルスプリングSP3とタービンランナ5とは、ダイナミックダンパ20を構成する。これにより、ロックアップクラッチ9の係合時(スリップ制御時を含む)には、遠心振子式吸振装置10とダイナミックダンパ20との双方によりダンパ機構8全体の振動を良好に吸収することが可能となる。
ロックアップクラッチ9は、図示しない油圧制御装置からの油圧により動作するものであり、フロントカバー3とドライブ部材81とを直結することによりダンパ機構8を介してフロントカバー3とダンパハブ7すなわち変速機の入力軸ISとを連結するロックアップと、当該ロックアップの解除とを選択的に実行する。また、予め定められたスリップ制御実行条件が成立した際に、エンジンすなわちフロントカバー3と入力軸ISすなわちダンパハブ7との回転速度差(実スリップ速度)が目標スリップ速度に一致するように(エンジン(クランクシャフト)とドライブ部材81とに回転速度差を生じさせるように)ロックアップクラッチ9を制御するスリップ制御を実行することで、ロックアップクラッチ9を介した動力の伝達効率やエンジン(原動機)の燃費を向上させることができる。なお、スリップ制御実行条件は、例えば、ロックアップクラッチ9によるロックアップの実行時や、車両の加速中や減速中、変速機の変速中等に成立するものである。
ロックアップクラッチ9を構成する図示しないロックアップピストンは、例えばダンパハブ7により軸方向に移動自在かつ回転自在に支持される。また、ロックアップピストンの外周側かつフロントカバー3側の面には、環状の摩擦材が貼着され、上述のドライブ部材81は、ロックアップピストンの例えば外周部に連結される。なお、発進装置1は、単板摩擦式のロックアップクラッチ9の代わりに、多板摩擦式のロックアップクラッチを含むものとして構成されてもよい。
遠心振子式吸振装置10は、図2および図3に示すように、ダンパ機構8の回転要素であるドリブン部材83に対して同軸に連結(固定)されて当該ドリブン部材83と一体に回転する支持部材(フランジ)11と、それぞれ重心が予め定められた揺動軌道100(図4参照)に沿って移動するように支持部材11により揺動自在に支持されると共に周方向に隣り合う複数(本実施形態では、4個)の質量体12とを含む。また、遠心振子式吸振装置10は、フロントカバー3とポンプインペラ4のポンプシェルとにより画成されて作動油を収容する流体伝動室2(液体室)の内部に配置される。そして、遠心振子式吸振装置10は、支持部材11(ドリブン部材83)の回転に伴って、作動油で満たされた流体伝動室2の内部で複数の質量体12が当該支持部材11に対して同方向に揺動することで、ダンパ機構8のドリブン部材83に対して当該ドリブン部材83の振動とは逆方向の位相を有する振動を付与する。これにより、ロックアップクラッチ9からダンパハブ7(変速機)までの間で振動を遠心振子式吸振装置10により吸収(減衰)することが可能となる。
本実施形態において、各質量体12は、支持部材11を介して発進装置1の軸方向に対向し合うと共に図示しないリベット等により互いに連結される2つの錘120と、2つのガイドローラ15とを有する。各錘120は、図2に示すように、支持部材11の軸方向からみて当該支持部材11の外周に沿うように概ね円弧状に延びる金属板であり、左右対称の形状を有する。ガイドローラ15は、図3に示すように、2つの小径ローラ151との大径ローラ152とを一体化したものである。小径ローラ151は、大径ローラ152の軸方向における両端面から互いに反対側に突出する。
また、支持部材11には、1つの質量体12に2つずつ(一対ずつ)対応するように複数の第1ガイド切欠部(第1ガイド部)11gが形成されている。一対の第1ガイド切欠部11gは、例えば、それぞれ支持部材11の径方向外側に向けて凸となる曲線を軸線とする左右非対称あるいは左右対称の長穴として形成され、支持部材11(ドリブン部材83)の回転中心(軸心)RCを含む質量体12の揺動中心線(振幅の中心線)に関して対称に配置される。第1ガイド切欠部11g内には、対応するガイドローラ15の大径ローラ152が転動自在に挿入され、各ガイドローラ15の大径ローラ152は、対応する第1ガイド切欠部11gの内周面(基本的に、径方向外側の内周面)上を転動する。
更に、質量体12の各錘120には、2つ(一対)の第2ガイド切欠部(第2ガイド部)120gが形成されている。一対の第2ガイド切欠部120gは、例えば、支持部材11の中心に向けて凸となる曲線を軸線とする左右非対称あるいは左右対称の長穴として形成され、質量体12の揺動中心線に関して対称に配置される。第2ガイド切欠部120g内には、対応するガイドローラ15の小径ローラ151が転動自在に挿入され、各ガイドローラ15の小径ローラ151は、対応する第2ガイド切欠部120gの内周面(基本的に、径方向内側の内周面)上を転動する。
これにより、遠心振子式吸振装置10では、支持部材11の回転に伴って第1および第2ガイド切欠部11g,120gによりガイドされる各質量体12を振子支点の周りに回動させると共に揺動範囲内で振れるのに伴って当該質量体12の重心の周りに回転させることができる。従って、遠心振子式吸振装置10によれば、質量体12の振子支点周りの揺動のみならず、質量体12の重心周りの回転モーメントをも利用して支持部材11に伝達される振動を減衰することが可能となる。なお、第1ガイド切欠部11gは、1つの質量体12に1つずつ対応するように支持部材11に形成されてもよく、第2ガイド切欠部120gは、各錘120に1つずつ形成されてもよい。また、遠心振子式吸振装置は、支持部材11として、1個の質量体を揺動自在に支持する2本のアーム部材を備えた、いわゆるバイファイラ(bifilar)式の装置として構成されてもよい。
次に、図5を参照しながら、遠心振子式吸振装置10の設計方法について説明する。
本発明者らは、上述のようなダンパ機構の回転要素(本実施形態では、ドリブン部材83)に連結される遠心振子式吸振装置の吸振性能をより向上させるべく鋭意研究を行った。ここで、入力要素と出力要素とを含む複数の回転要素および入力要素と出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構では、一般に、入力要素への入力トルクが増加していく際の出力トルク(出力要素から出力されるトルク)と、入力要素への入力トルクが減少していく際の出力トルクとの間に差すなわちヒステリシスを生じる。つまり、ダンパ機構の入力要素から出力要素へとトルクが伝達される際に出力要素から出力されるトルクは、主にトルク伝達弾性体と回転要素との間で発生する摩擦力に起因して、トルク伝達弾性体の剛性に応じて定まる本来の出力トルク(理論値)よりも大きくなる。また、入力要素への入力トルクの減少時(減荷時)に出力要素から出力されるトルクは、主にトルク伝達弾性体と回転要素との間で発生する摩擦力に起因して、ダンパ機構の剛性に応じて定まる本来の出力トルクよりも小さくなる。
本発明者らは、研究・解析の過程で、上述のようなダンパ機構におけるヒステリシスに着目するに至った。そして、本発明者らは、構造・諸元が異なるダンパ機構に対応すべく、ダンパ機構のヒステリシスを、入力要素への入力トルクが増加する状態でダンパ機構の捩れ角が所定角度になったときに出力要素から出力されるトルクと、入力要素への入力トルクが減少する状態でダンパ機構の捩れ角が上記所定角度になったときに出力要素から出力されるトルクとの差分(以下、「トルク差ΔT」という)により定量化することとし、トルク差ΔTと遠心振子式吸振装置により減衰される振動の次数との相関を精査した。
具体的には、本発明者らは、遠心振子式吸振装置が連結された回転要素を含む諸元の異なる複数のダンパ機構ごとに上述のトルク差(ヒステリシス)ΔTをシミュレーションにより求めると共に、当該複数のダンパ機構ごとに遠心振子式吸振装置により減衰される振動の次数をシミュレーションにより求めた。シミュレーションに際しては、トルク差ΔTを導出する際のダンパ機構の捩れ角(所定角度)を、回転規制ストッパによって入力要素(ドライブ部材)と出力要素(ドリブン部材)との相対回転が規制される際の捩れ角よりも小さい角度とし、2ステージあるいは3ステージ式のダンパ機構については、複数のストッパの何れかにより最も剛性の低いトルク伝達弾性体の捩れが規制される際の入力トルクに対応した捩れ角(上記ダンパ機構8では、相対回転規制角度θrefに一致する。)よりも若干小さい角度とした。また、各ダンパ機構の遠心振子式吸振装置は、何れも4気筒エンジンから入力要素(ドライブ部材)に伝達される振動(次数q=2.0)を減衰するものとした。図5に、複数のダンパ機構のヒステリシスと、各ダンパ機構の遠心振子式吸振装置によって減衰される振動の次数との関係を示す。
図5に示すように、本発明者らの研究・解析により、上述のようなダンパ機構のヒステリシスに起因して、遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動(エンジンからの振動)の次数と、当該遠心振子式吸振装置により実際に(良好に)減衰される振動の次数との間にズレを生じることが判明した。すなわち、ダンパ機構の何れかの回転要素に連結される遠心振子式吸振装置によって実際に減衰される振動の次数は、ダンパ機構のヒステリシスすなわちトルク差ΔTが大きいほど、当該遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動の次数(図5の例では、振動次数q=2.0)よりも小さくなる(低次側にズレていく)。従って、ダンパ機構のヒステリシスが大きいほど、遠心振子式吸振装置の質量体の振動次数をエンジン(駆動装置)からダンパ機構の入力要素(ドライブ部材)に伝達される振動の次数(3気筒エンジンの場合、q=1.5、4気筒エンジンの場合、q=2.0)よりも大きくすれば、ダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置の吸振性能を極めて良好に向上させることが可能となる。
上述のような研究・解析結果を踏まえて、発進装置1の遠心振子式吸振装置10では、ダンパ機構のヒステリシスを考慮して質量体12の振動次数が定められる。質量体12の振動次数の設定に際しては、まず、ダンパ機構8における上述のトルク差ΔTの値(例えば、図5におけるΔT=Ta)が求められる。また、図5に示すようなダンパ機構のヒステリシスと遠心振子式吸振装置によって減衰される振動の次数との関係に基づいて、トルク差ΔT(=Ta)に応じた振動次数のズレ量が定められる。当該ズレ量は、エンジンからドライブ部材81に伝達される振動の次数、つまりエンジンで発生する減衰すべき振動の次数qtagから、トルク差ΔT=Ttとなるダンパ機構8の遠心振子式吸振装置10により実際に(良好に)減衰される振動の次数(解析値:図5における“qa”)を差し引くことにより得られる。更に、エンジンで発生する減衰すべき振動の次数qtagとトルク差ΔTに応じた上記ズレ量に一致、若しくはそれに基づいて設定される補正量Δqとの和(エンジンからドライブ部材81に伝達される振動の次数よりも大きい値)が質量体12(遠心振子式吸振装置10)の振動次数の設計上の目標値である有効次数qeffとして設定される。
図5からわかるように、補正量Δqは、基本的に、ダンパ機構のヒステリシスすなわちトルク差ΔTが大きいほど大きくなる。また、同図からわかるように、ヒステリシスを示すトルク差ΔTが実験・解析を経て定められる閾値(例えば、ΔT=50Nm程度の値)未満である場合には、補正量Δqをゼロとしてよく、トルク差ΔTが当該閾値以上である場合には、補正量Δqをトルク差ΔT(ヒステリシス)に応じた値に定めるとよい。本発明者らの研究・解析によれば、トルク差ΔTが上記閾値を上回っている場合には、補正量Δqをトルク差ΔT(ヒステリシス)に応じてエンジンで発生する減衰すべき振動の次数qtagの1.0%以下(かつΔq>0)の値とすれば、実用上良好な結果が得られることが判明している。また、ヒステリシスが大きいダンパ機構(例えば、トルク差ΔT>150Nmとなるダンパ機構)では、補正量Δqをトルク差ΔT(ヒステリシス)に応じてエンジンで発生する減衰すべき振動の次数qtagの2.5%以下(かつΔq>0)の値としてもよいことが判明している。
そして、設定された有効次数qeffに応じて質量体12の重心が辿る揺動軌道100(図4参照)が定められ、支持部材11の第1ガイド切欠部11gと質量体12(錘120)の第2ガイド切欠部120gとの形状が揺動軌道100に基づいて定められる。揺動軌道100は、円弧や、エピサイクロイド、エピトロコイドあるいはサイクロイドといったトロコイド曲線により形成されるとよく、これら複数の曲線を組み合わせたものにより形成されてもよい。また、質量体12が揺動範囲内で振れるのに伴って当該質量体12を重心の周りに回転させない場合、第1ガイド切欠部11gと第2ガイド切欠部120gとは、揺動軌道100の相似曲線を軸線とする長穴とされればよい。
上述のように、遠心振子式吸振装置10は、エンジンで発生する減衰すべき振動の次数qtagよりも、少なくともダンパ機構8のヒステリシス(トルク差ΔT)に関連した補正量Δqだけ大きい有効次数qeffを有するように設計される。これにより、第1および第2コイルスプリングSP1,SP2としてアークコイルスプリングを採用することで、第1コイルスプリングSP1とドライブ部材81および中間部材82と接触面積や、第2コイルスプリングSP2と中間部材82およびドリブン部材83との接触面積が増加する分だけダンパ機構8のヒステリシスが大きくなったとしても、ドリブン部材83に連結される遠心振子式吸振装置10の吸振性能を良好に確保することができる。従って、発進装置1では、ダンパ機構8の低剛性化を図りつつ、遠心振子式吸振装置10によりエンジンからの振動を遠心振子式吸振装置10により良好に吸収(減衰)することが可能となる。
なお、上述の発進装置1は、いわゆる湿式の発進装置として構成されるが、本発明による発進装置は、ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ等を含む流体伝動装置が省略された、いわゆる乾式の発進装置として構成されてもよい。更に、発進装置1のダイナミックダンパ20は、専用の質量体を有するように構成されてもよく、ダンパ機構8の中間部材82(中間要素)やドライブ部材81(入力要素)に連結されてもよく、発進装置1から省略されてもよい。また、遠心振子式吸振装置10が連結される回転要素は、ダンパ機構のドリブン部材83(出力要素)に限られず、ダンパ機構の中間部材82やドライブ部材81(入力要素)であってもよい。更に、発進装置1に含まれるダンパ機構は、例えば径方向に離間して配置される複数のスプリング(弾性体)が並列に作用するように構成された並列式ダンパ機構であってもよく、複数の中間要素を有するものであってもよい。
以上説明したように、本発明による遠心振子式吸振装置は、駆動装置に連結される入力要素と変速機に連結される出力要素とを含む複数の回転要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置において、前記ダンパ機構の前記回転要素の何れかと一体に回転する支持部材と、前記支持部材により揺動自在に支持される質量体とを備え、前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、少なくとも前記ダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように設計されることを特徴とする。
一般に、入力要素と出力要素とを含む複数の回転要素および入力要素と出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構では、主にトルク伝達弾性体と回転要素との間で発生する摩擦力に起因して、入力要素への入力トルクが増加していく際の出力トルクと、入力要素への入力トルクが減少していく際の出力トルクとの差すなわちヒステリシスを生じる。そして、本発明者らがダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置について鋭意研究を行った結果、上述のようなダンパ機構のヒステリシスに起因して、ダンパ機構の何れかの回転要素に連結される遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動が良好に減衰されなくなること、すなわち遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動の次数と、当該遠心振子式吸振装置により実際に減衰される振動の次数との間にズレを生じることが判明した。これを踏まえて、この遠心振子式吸振装置は、駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、少なくともダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように設計される。これにより、ダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置の吸振性能をより向上させることが可能となる。
また、前記補正量は、前記ダンパ機構のヒステリシスが大きいほど大きくなるように定められてもよい。すなわち、本発明者らの研究・解析の結果、ダンパ機構の何れかの回転要素に連結される遠心振子式吸振装置によって実際に減衰される振動の次数は、ダンパ機構のヒステリシスが大きいほど、当該遠心振子式吸振装置によって本来減衰されるべき振動の次数よりも小さくなることが判明した。従って、ダンパ機構のヒステリシスが大きいほど上記補正量を大きくして、遠心振子式吸振装置の有効次数をダンパ機構のヒステリシスが大きいほど駆動装置からダンパ機構の入力要素に伝達される振動の次数よりも大きくすれば、ダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置の吸振性能を極めて良好に向上させることが可能となる。
更に、前記ダンパ機構の前記ヒステリシスは、前記入力要素への入力トルクが増加する状態で前記ダンパ機構の捩れ角が所定角度になったときに前記出力要素から出力されるトルクと、前記入力要素への入力トルクが減少する状態で前記ダンパ機構の捩れ角が前記所定角度になったときに前記出力要素から出力されるトルクとのトルク差により定量化されてもよく、前記補正量は、前記トルク差が大きいほど大きくなるように定められてもよい。これにより、構造・諸元が異なるダンパ機構のヒステリシスを適正に定量化した上で、遠心振子式吸振装置の有効次数を当該ヒステリシスに応じてより適正に定めることが可能となる。
また、前記ダンパ機構は、該ダンパ機構の捩れ角が予め定められた相対回転規制角度未満であるときに前記複数の回転要素のすべての相対回転を許容すると共に、前記捩れ角が前記相対回転規制角度に達すると前記複数の回転要素のうちの少なくとも2つの回転要素間の相対回転を規制するストッパ機構を含んでもよく、前記所定角度は、前記相対回転規制角度よりも小さく定められてもよい。
更に、前記補正量は、前記ヒステリシスが前記閾値以上である場合に、該ヒステリシスに応じた値に定められてもよい。この場合、前記補正量は、前記ヒステリシスに応じて、ゼロよりも大きく、かつ前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数の2.5%以下の値に設定されてもよく、前記ヒステリシスに応じて、ゼロよりも大きく、かつ前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数の1.0%以下の値に設定されてもよい。
本発明による遠心振子式吸振装置の設計方法は、駆動装置に連結される入力要素と変速機に連結される出力要素とを含む複数の回転要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構の前記回転要素の何れかと一体に回転する支持部材と、前記支持部材により揺動自在に支持される質量体とを備えた遠心振子式吸振装置の設計方法であって、
前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、少なくとも前記ダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように前記遠心振子式吸振装置を設計することを特徴とする。
この方法のように、ダンパ機構のヒステリシスを考慮して遠心振子式吸振装置の有効次数を定めれば、ダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置の吸振性能をより向上させることが可能となる。
そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本発明は、遠心振子式吸振装置の製造産業において利用可能である。

Claims (8)

  1. 駆動装置に連結される入力要素と変速機に連結される出力要素とを含む複数の回転要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構と共に発進装置を構成する遠心振子式吸振装置において、
    前記ダンパ機構の前記回転要素の何れかと一体に回転する支持部材と、
    前記支持部材により揺動自在に支持される質量体とを備え、
    前記遠心振子式吸振装置は、前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、少なくとも前記ダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように設計されていることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  2. 請求項1に記載の遠心振子式吸振装置において、
    前記補正量は、前記ダンパ機構のヒステリシスが大きいほど大きくなるように定められることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  3. 請求項1または2に記載の遠心振子式吸振装置において、
    前記ダンパ機構の前記ヒステリシスは、前記入力要素への入力トルクが増加する状態で前記ダンパ機構の捩れ角が所定角度になったときに前記出力要素から出力されるトルクと、前記入力要素への入力トルクが減少する状態で前記ダンパ機構の捩れ角が前記所定角度になったときに前記出力要素から出力されるトルクとのトルク差により定量化され、
    前記補正量は、前記トルク差が大きいほど大きくなるように定められることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  4. 請求項3に記載の遠心振子式吸振装置において、
    前記ダンパ機構は、該ダンパ機構の捩れ角が予め定められた相対回転規制角度未満であるときに前記複数の回転要素のすべての相対回転を許容すると共に、前記捩れ角が前記相対回転規制角度に達すると前記複数の回転要素のうちの少なくとも2つの回転要素間の相対回転を規制するストッパ機構を含み、
    前記所定角度は、前記相対回転規制角度よりも小さく定められることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の遠心振子式吸振装置において、
    前記補正量は、前記ヒステリシスが前記閾値以上である場合に、該ヒステリシスに応じた値に定められることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  6. 請求項5に記載の遠心振子式吸振装置において、
    前記補正量は、前記ヒステリシスに応じて、ゼロよりも大きく、かつ前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数の2.5%以下の値に設定されることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  7. 請求項5に記載の遠心振子式吸振装置において、
    前記補正量は、前記ヒステリシスに応じて、ゼロよりも大きく、かつ前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数の1.0%以下の値に設定されることを特徴とする遠心振子式吸振装置。
  8. 駆動装置に連結される入力要素と変速機に連結される出力要素とを含む複数の回転要素および前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達するトルク伝達弾性体を含むダンパ機構の前記回転要素の何れかと一体に回転する支持部材と、前記支持部材により揺動自在に支持される質量体とを備えた遠心振子式吸振装置の設計方法であって、
    前記駆動装置で発生する減衰すべき振動の次数よりも、少なくとも前記ダンパ機構のヒステリシスに関連した補正量だけ大きい有効次数を有するように前記遠心振子式吸振装置を設計することを特徴とする遠心振子式吸振装置の設計方法。
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