JPWO2015129098A1 - たばこ原料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

たばこ原料の製造方法は、アルカリ処理されたたばこ原料を閉空間内で加熱して、たばこ原料から気相として放出される香喫味成分を閉空間外へ取り出す工程A1と、閉空間外において、工程A1で気相として放出された香喫味成分を常温で液体の物質である第1溶媒に接触させることによって、第1溶媒に香喫味成分を捕捉させる工程B1と、工程B1の後に、閉空間内において、工程B1で香喫味成分を補足した第1溶媒をたばこ原料に添加する工程C1とを備える。

Description

本発明は、香喫味成分を含むたばこ原料の製造方法に関する。
従来、香味源に対して香喫味成分(例えば、ニコチン成分を含むアルカロイド)を含有させる技術として、たばこ原料そのものを香味源として活用する技術や、たばこ原料中から香喫味成分を抽出して香味源基材に担持させる技術が知られている。
上述の技術では、たばこ原料に含まれる夾雑成分が喫味等に悪影響を及ぼす虞があるため、たばこ原料から夾雑成分のみを選択的に分離/低減することが望ましいが、既存の技術では、煩雑なプロセスを要するため、簡便かつ低コストに実施することが困難であるという問題点があった。
米国特許4215706 特表2009−502160号公報 米国特許5235992
第1の特徴は、香喫味成分を含むたばこ原料の製造方法であって、アルカリ処理されたたばこ原料を閉空間内で加熱して、前記たばこ原料から気相として放出される香喫味成分を前記閉空間外へ取り出す工程A1と、前記閉空間外において、前記工程A1で気相として放出された前記香喫味成分を常温で液体の物質である第1溶媒に接触させることによって、前記第1溶媒に前記香喫味成分を捕捉させる工程B1と、前記工程B1の後に、前記閉空間内において、前記工程B1で前記香喫味成分を補足した前記第1溶媒を、前記工程A1において前記閉空間内に前記香喫味成分を放出した後のたばこ原料に添加する工程C1とを備えることを要旨とする。
第2の特徴は、香喫味成分を含むたばこ原料の製造方法であって、アルカリ処理されたたばこ原料を閉空間内で加熱して、前記たばこ原料から気相として放出される香喫味成分を前記閉空間外へ取り出す工程A2と、前記閉空間外において、前記工程A2で気相として放出された前記香喫味成分を常温で液体の物質である第1溶媒に接触させることによって、前記第1溶媒に前記香喫味成分を捕捉させる工程B2と、前記工程A2の後に、前記閉空間内において前記たばこ原料に第2溶媒を供給し、前記たばこ原料から前記第2溶媒に液相として放出される通常成分を前記第2溶媒とともに前記閉空間外へ取り出す工程C2と、前記工程B2及び前記工程C2の後に、前記閉空間内において、前記工程B2で前記香喫味成分を補足した前記第1溶媒を、前記工程A2において前記閉空間内に前記香喫味成分を放出した後のたばこ原料に添加する工程D2とを備えることを要旨とする。
第3の特徴は、第2の特徴において、前記工程C2は、前記工程D2の前に、少なくとも2回以上繰り返されることを要旨とする。
第4の特徴は、第3の特徴において、nが1以上の整数である場合に、n回目の工程C2において、前記第2溶媒として溶媒Aが用いられ、n+1回目の工程C2において、前記第2溶媒として前記溶媒Aとは異なる溶媒Bが用いられることを要旨とする。
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記製造方法は、前記工程A1又は前記工程A2において、前記たばこ源に対して加水処理を施す工程を備えることを要旨とする。
第6の特徴は、第5の特徴において、前記工程A1又は前記工程A2において、前記たばこ源を加熱する前における前記たばこ源の水分量は、前記加水処理によって30重量%以上になっていることを要旨とする。
第7の特徴は、第2の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記工程A2は、非水溶媒を前記たばこ原料に加える工程を含むことを要旨とする。
第8の特徴は、第7の特徴において、前記非水溶媒の量は、前記たばこ原料に対して10重量%以上であることを要旨とする。
第9の特徴は、第7の特徴又は第8の特徴において、前記工程A2は、前記非水溶媒に加えて水を前記たばこ原料に加える工程を含むことを要旨とする。
第10の特徴は、第1の特徴乃至第9の特徴のいずれかにおいて、前記工程B1又は前記工程B2は、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで行われ、前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、10.0重量%以下であり、前記第1条件は、前記工程A1又は前記工程A2を開始してから経過する時間軸上において、前記第1溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程A1又は前記工程A2を開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件であり、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第11の特徴は、第10の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第12の特徴は、第10の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第13の特徴は、第10の特徴乃至第12の特徴のいずれかにおいて、前記たばこ原料は、バーレー種のたばこ原料であることを要旨とする。
第14の特徴は、第1の特徴乃至第9の特徴のいずれかにおいて、前記工程B1又は前記工程B2は、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで行われ、前記第1条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が1.7重量%に達するまで減少する条件であり、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第15の特徴は、第14の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第16の特徴は、第14の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第17の特徴は、第14の特徴乃至第16の特徴のいずれかにおいて、前記第1溶媒の温度は、10℃以上かつ40℃以下であることを要旨とする。
なお、第1の特徴又は第2の特徴で言及する閉空間の体積は、閉空間の内側表面を小さくすることによってたばこ原料のロスを低減する観点から、たばこ原料の体積に対して極端に差が無い方が好ましい。また、第2の特徴で言及する閉空間の体積は、効率的な洗浄の観点からも、たばこ原料の体積に対して極端に差が無い方が好ましい。第1の特徴又は第2の特徴で言及する閉空間の形状は、閉空間の内側表面を小さくすることによってたばこ原料のロスを低減する観点から、極端に細長い部分などを含まない方が好ましい。また、第2の特徴で言及する閉空間の形状は、効率的な洗浄の観点からも、極端に細長い部分などを含まない方が好ましい。例えば、閉空間の体積は、たばこ原料の体積に対して3倍以上50倍以下であることが好ましい。また、閉空間の形状については、閉空間において互いに90度に交わる方向である、X方向Y方向Z方向の最も長い部分の長さをそれぞれX、Y、Zとし、XとYとZとの間でもっとも値が離れている2つの値をLとSとにした場合(SはLよりも小さい値)、LはSの10倍以下であることが好ましい。閉空間の体積や形状が上述の通りであれば、たばこ原料のロスを低減することができるとともに、適度にたばこ原料を撹拌しながら適度な量の溶媒で、第2の特徴で言及する工程C2においてたばこ原料(残渣)の洗浄を十分に行うことができる。
ここで、閉空間の内側表面を小さくし、或いは、閉空間の形状を極端に細長い部分などを含まないようにすることによって、閉空間の内側表面にたばこ原料が接触する面積が減少し、閉空間の内側表面に固着するたばこ原料も減少するため、たばこ原料のロスが低減することに留意すべきである。
なお、上述した重量%は、いずれも乾燥状態における重量%であることに留意すべきである。
図1は、第1実施形態に係る製造装置の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る製造装置の一例を示す図である。 図3は、香喫味成分の適用例を説明するための図である。 図4は、第1実施形態に係る製造方法を示すフロー図である。 図5は、第1実験を説明するための図である。 図6は、第1実験を説明するための図である。 図7は、第1実験を説明するための図である。 図8は、第2実験を説明するための図である。 図9は、第2実験を説明するための図である。 図10は、第3実験を説明するための図である。 図11は、第3実験を説明するための図である。 図12は、第4実験を説明するための図である。 図13は、第4実験を説明するための図である。
以下において、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(製造装置)
以下において、第1実施形態に係る製造装置について説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る製造装置の一例を示す図である。
第1に、処理装置10の一例について、図1を参照しながら説明する。処理装置10は、容器11と、噴霧器12とを有する。
容器11は、たばこ原料50を収容する。容器11は、例えば、耐熱性・耐圧性を有する部材(例えば、SUS;Steel Used Stainless)によって構成される。容器11は、閉空間を構成することが好ましい。「閉空間」とは、通常の取り扱い(処理動作、運搬、保存等)において、空間内への固形の異物の混入を防ぎ、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(例えば、ニコチン成分)の空間外側へ移動が抑制される空間である。これによって、たばこ原料が衛生的に保たれ、たばこ原料の移し替えが不要であるため、たばこ原料のロスが少なくなる。但し、後述するステップS30(捕捉処理)やステップS60(洗浄)などのように所定成分を意図的に空間外に取り出す処理は、上述した「閉空間」の定義に反しないことに留意すべきである。
なお、ニコチン成分は、たばこ香喫味に寄与する香喫味成分の一例であり、実施形態では、香喫味成分の指標として用いられていることに留意すべきである。
噴霧器12は、アルカリ物質をたばこ原料50に付与する。アルカリ物質としては、例えば、炭酸カリウム水溶液等の塩基性物質を用いることが好ましい。
ここで、噴霧器12は、たばこ原料50のpHが8.0以上となるまで、アルカリ物質をたばこ原料50に付与することが好ましい。さらに好ましくは、噴霧器12は、たばこ原料50のpHが8.9〜9.7の範囲となるまで、アルカリ物質をたばこ原料50に付与することが好ましい。また、たばこ原料50から効率的に香喫味成分を気相として放出させるため、アルカリ物質噴霧後のたばこ原料50の水分量は、10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。たばこ原料50の水分量の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、たばこ原料50を効率的に加熱するために、50重量%以下とすることが好ましい。
なお、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、2.0重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、4.0重量%以上であることが好ましい。
たばこ原料50としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana.tabacum)やニコチアナ・ルスチカ(Nicotiana.rustica)等のタバコ属の原料を用いることができる。ニコチアナ・タバカムとしては、例えば、バーレー種又は黄色種等の品種を用いることができる。なお、たばこ原料50としては、バーレー種及び黄色種以外の種類のたばこ原料を用いてもよい。
たばこ原料50は、刻み又は粉粒体のたばこ原料によって構成されてもよい。このような場合において、刻み又は粉粒体の粒径は、0.5mm〜1.18mmであることが好ましい。
第2に、捕集装置20の一例について、図2を参照しながら説明する。捕集装置20は、容器21と、パイプ22と、放出部分23と、パイプ24とを有する。
容器21は、捕捉溶媒70(すなわち、第1溶媒)を収容する。容器21は、例えば、ガラスによって構成される。容器21は、空間外への空気の移動を抑制可能な程度の気密性を有する空間を構成することが好ましい。
捕捉溶媒70の温度は、例えば、常温である。ここで、常温の下限は、例えば、捕捉溶媒70が凝固しない温度、好ましくは、10℃である。常温の上限は、例えば、40℃以下である。捕捉溶媒70の温度を10℃以上40℃以下とすることで、捕集溶液からの香喫味成分の揮散を抑制しつつ、アンモニウムイオンやピリジン等の揮発性夾雑成分を捕集溶液から効率的に除去することができる。捕捉溶媒70としては、例えば、グリセリン、水又はエタノールを用いることができる。捕捉溶媒70によって捕捉された香喫味成分の再揮散を防ぐために、捕捉溶媒70に対して、リンゴ酸やクエン酸等の任意の酸が添加されてもよい。香喫味成分の捕捉効率を上昇するために、捕捉溶媒70に対して、クエン酸水溶液等の溶媒が添加されてもよい。すなわち、捕捉溶媒70は、複数種類の溶媒によって構成されていてもよい。香喫味成分の捕捉効率を上昇するために、捕捉溶媒70の初期pHは、アルカリ処理後のたばこ原料50のpHよりも低いことが好ましい。
パイプ22は、たばこ原料50の加熱によってたばこ原料50から気相として放出される放出成分61を捕捉溶媒70に導く。放出成分61は、少なくとも、香喫味成分の指標であるニコチン成分を含む。たばこ原料50にアルカリ処理されているため、放出成分61は、香喫味成分の捕集工程を開始してから経過する時間(処理時間)によっては、アンモニウムイオンを含むこともある。放出成分61は、捕集工程を開始してから経過する時間(処理時間)によっては、TSNAを含むこともある。
放出部分23は、パイプ22の先端に設けられており、捕捉溶媒70に浸漬される。放出部分23は、複数の開口23Aを有している。パイプ22によって導かれた放出成分61は、複数の開口23Aから泡状の放出成分62として捕捉溶媒70中に放出される。
パイプ24は、捕捉溶媒70によって捕捉されなかった残存成分63を容器21の外側に導く。
ここで、放出成分62は、たばこ原料50の加熱によって気相として放出される成分であるため、放出成分62によって捕捉溶媒70の温度が上昇する可能性がある。従って、捕集装置20は、捕捉溶媒70の温度を常温に維持するために、捕捉溶媒70を冷却する機能を有していてもよい。
捕集装置20は、捕捉溶媒70に対する放出成分62の接触面積を増大するために、ラシヒリングを有していてもよい。
(適用例)
以下において、たばこ原料50から抽出された香喫味成分の適用例について説明する。図3は、香喫味成分の適用例を説明するための図である。例えば、香喫味成分は、嗜好品の構成要素(例えば、香味吸引具の香味源)に付与される。
図3に示すように、香味吸引具100は、ホルダ110と、炭素熱源120と、香味源130と、フィルタ140とを有する。
ホルダ110は、例えば、筒状形状を有する紙管である。炭素熱源120は、香味源130を加熱するための熱を発生する。香味源130は、香味を発生する物質であり、香喫味成分が付与される香味源基材の一例である。フィルタ140は、夾雑物質が吸口側に導かれることを抑制する。
ここでは、香喫味成分の適用例として、香味吸引具100について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。香喫味成分は、その他の吸引具、例えば、電子シガレットのエアロゾル源(いわゆるE−liguid)に適用されてもよい。また、香喫味成分は、ガム、タブレット、フィルム、飴等の香味源基材に付与されてもよい。
(製造方法)
以下において、第1実施形態に係るたばこ原料の製造方法について説明する。図4は、第1実施形態に係る製造方法を示すフロー図である。
図4に示すように、ステップS10において、上述した処理装置10を用いて、アルカリ物質をたばこ原料50に付与する。アルカリ物質としては、例えば、炭酸カリウム水溶液等の塩基性物質を用いることができる。
なお、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、2.0重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、4.0重量%以上であることが好ましい。
アルカリ処理後のたばこ原料50のpHは、上述したように、8.0以上であることが好ましい。さらに好ましくは、アルカリ処理後のたばこ原料50のpHは、8.9〜9.7の範囲であることが好ましい。
ステップS20(すなわち、工程A1又は工程A2)において、アルカリ処理されたたばこ原料50を閉空間内(実施形態では、上述した容器11内)で加熱して、たばこ原料50から気相として放出される香喫味成分を閉空間外へ取り出す。例えば、加熱処理においては、処理装置10の容器11にたばこ原料50が収容された状態で、容器11とともにたばこ原料50を加熱することができる。このようなケースにおいて、捕集装置20のパイプ22が容器11に取り付けられることは勿論である。
ここで、たばこ原料50の加熱温度は、80℃以上かつ150℃未満の範囲である。たばこ原料50の加熱温度が80℃以上であることによって、たばこ原料50から十分な香喫味成分が放出されるタイミングを早めることができる。一方で、たばこ原料50の加熱温度が150℃未満であることによって、たばこ原料50からTSNAが放出されるタイミングを遅らせることができる。
ここで、たばこ原料50を加熱する前において、たばこ原料50に対して加水処理を施す処理が行われてもよい。このような加水処理は、ステップS10で行われてもよく、ステップS20においてたばこ原料50を加熱する前に行われてもよい。或いは、加水処理は、ステップS20におけるたばこ原料50の加熱に伴って減少する水分を補うために、ステップS20においてたばこ原料50を加熱している途中で行われてよい。このような場合において、加水処理は、少なくとも1回以上、間欠的に行われてもよい。或いは、加水処理は、所定期間に亘って連続的に行われてもよい。たばこ原料50を加熱する前におけるたばこ原料50の水分量は、30重量%以上であることが好ましい。たばこ原料50の水分量の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、たばこ原料50を効率的に加熱するために、50重量%以下とすることが好ましい。
また、ステップS20(加熱処理)は、非水溶媒をたばこ原料50に加える工程を含むことが好ましい。非水溶媒の量は、たばこ原料50に対して10重量%以上50重量%以下であることが好ましい。これによって、加熱条件下でかかる非水溶媒に可溶な夾雑物質がたばこ原料50から液相を介して非水溶媒に移行するため、後述するステップS60(洗浄処理)において夾雑物質を効率的に除去することができる。非水溶媒とは、水以外の溶媒であればよい。非水溶媒の具体的な例として、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、アルコール、アセトニトリル、ヘキサン等が挙げられる。ここで、非水溶媒をたばこ原料50に加える工程において、非水溶媒に加えて水をたばこ原料50に加えてもよい。
非水溶媒をたばこ原料50に添加するタイミングは、ステップS20(加熱処理)が完了するまでのタイミングであればよい。例えば、非水溶媒をたばこ原料50に添加するタイミングは、ステップS10(アルカリ処理)とステップS20(加熱処理)との間のタイミングであってもよい。或いは、非水溶媒をたばこ原料50に添加するタイミングは、ステップS20(加熱処理)の途中のタイミングであってもよい。また、非水溶媒は、ステップS20(加熱処理)における加熱温度で実質的に気化しない溶媒であることが好ましい。これによって、後述するステップS30において、かかる非水溶媒及び非水溶媒に溶解した夾雑物質が捕捉溶媒に混入することを抑制することができる。
なお、ステップS20において、たばこ原料50を加熱しているときに、たばこ原料50に対して加水処理を施してもよい。加水処理によって、たばこ原料50の水分量は、10%以上かつ50%以下に保たれることが好ましい。また、ステップ20において、たばこ原料50に対して連続的に加水してもよい。加水量は、たばこ原料50の水分量が10%以上かつ50%以下となるように調整されることが好ましい。さらには、加水処理とともに、上述した非水溶媒をたばこ原料50に加えてもよい。
また、ステップS20において、たばこ原料50に対して通気処理を施すことが好ましい。これによって、アルカリ処理されたたばこ原料50から気相に放出される放出成分61に含まれる香喫味成分量を増大させることができる。通気処理では、例えば、80℃における飽和水蒸気をたばこ原料50に接触させる。通気処理における通気時間は、たばこ原料50を処理する装置及びたばこ原料50の量によって異なるため、一概に特定することができないが、例えば、たばこ原料50が500gである場合には、通気時間は、300分以内である。通気処理における総通気量についても、たばこ原料50を処理する装置及びたばこ原料50の量によって異なるため、一概に特定することができないが、例えば、たばこ原料50が500gである場合には、10L/g程度である。
なお、通気処理で用いる空気は、飽和水蒸気でなくてもよい。通気処理で用いる空気の水分量は、特にたばこ原料50の加湿を必要とせずに、例えば、加熱処理及び通気処理が適用されているたばこ原料50に含まれる水分が50%未満の範囲に収まるように調整されてもよい。通気処理で用いる気体は、空気に限定されるものではなく、窒素、アルゴン等の不活性ガスであってもよい。
ステップS30(すなわち、工程B1又はB2)において、閉空間外(実施形態では、上述した容器11外)、すなわち、実施形態では捕集装置20において、ステップS20で気相として放出された香喫味成分を常温で液体の物質である捕捉溶媒70(第1溶媒)に接触させることによって、捕捉溶媒70に香喫味成分を捕捉させる。なお、説明の便宜上、図4においてステップS20及びステップS30を別々な処理として記載しているが、ステップS20及びステップS30は、並列的に行われる処理であることに留意すべきである。並列的とは、ステップS30を行う期間がステップS20を行う期間と重複することを意味しており、ステップS20及びステップS30が同時に開始・終了する必要はないことに留意すべきである。
ここで、ステップS20及びステップS30において、処理装置10の容器11内の圧力は常圧以下である。詳細には、処理装置10の容器11内の圧力の上限は、ゲージ圧で+0.1MPa以下である。また、処理装置10の容器11の内部は、減圧雰囲気であってもよい。
ここで、捕捉溶媒70としては、上述したように、例えば、グリセリン、水又はエタノールを用いることができる。捕捉溶媒70の温度は、上述したように、常温である。ここで、常温の下限は、例えば、捕捉溶媒70が凝固しない温度、好ましくは、10℃である。常温の上限は、例えば、40℃以下である。
ステップS40において、捕集溶液に含まれる香喫味成分の濃度を上昇するために、香喫味成分を捕捉する捕捉溶媒70に対して、減圧濃縮処理、加熱濃縮処理又は塩析処理が施される。但し、ステップS40(濃縮処理)の処理は必須ではなく省略されてもよいことに留意すべきである。
ここで、減圧濃縮処理は、空間外への空気の移動を抑制可能な程度の気密性を有する空間で行われることが好ましい。これによって、空気接触が少なく、捕捉溶媒70を高温にする必要がないため、成分変化の懸念が少ない。従って、減圧濃縮を用いれば、利用可能な捕捉溶媒の種類が増大する。
加熱濃縮処理では、香喫味成分の酸化などのような液の変性の懸念があるが、香味を増強する効果が得られる可能性がある。但し、減圧濃縮と比べると、利用可能な捕捉溶媒の種類が減少する。例えば、MCT(Medium Chain Triglyceride)のようなエステル構造を有する捕捉溶媒を用いることができない可能性がある。
塩析処理では、減圧濃縮処理と比べて、香喫味成分の濃度を高めることが可能であるが、液溶媒相/水相における香喫味成分が半々であるため、香喫味成分の歩留まりが悪い。また、疎水性物質(MCT等)の共存が必須であると想定されるため、捕捉溶媒、水及び香喫味成分の比率によっては、塩析が生じない可能性がある。
ステップS50において、ステップS20で香喫味成分を放出した後のたばこ原料50を準備する。ここで、たばこ原料50は、依然として閉空間内(実施形態では、上述した容器11内)に維持されていることに留意すべきである。
ステップS60(すなわち、工程C2)において、閉空間内(実施形態では、上述した容器11内)においてたばこ原料50に洗浄溶媒(第2溶媒)を供給し、たばこ原料50から洗浄溶媒に液相として放出される通常成分を洗浄溶媒とともに閉空間外(実施形態では、上述した容器11外)へ取り出す。
ここで、ステップS30(捕捉処理)において、たばこ原料50中に含まれていた香喫味成分が取り出された後、ステップS60(洗浄処理)において、香喫味成分が取り出された後の残渣が洗浄溶媒により洗浄される。これにより、たばこ原料50(残渣)に残存する夾雑物質が除去される。実施形態に係る製造方法は、ステップS60(洗浄処理)を含むことにより、不要な夾雑物質をたばこ原料50(残渣)から簡便に除去できる。
ステップS60(洗浄処理)がステップS30(捕捉処理)に引き続いて処理装置10を用いて行われる場合には、洗浄の態様としては、例えば、噴霧器12から洗浄溶媒をたばこ原料50(残渣)に対して噴霧し、その後10〜60分程度、容器11を回転及び搖動させて洗浄を行う態様を挙げることができる。
その際、たばこ原料50(残渣)と洗浄溶媒との重量比(洗浄溶媒/残渣)としては、たばこ原料50(残渣)を1とした場合に、10〜20を挙げることができる。
ステップS60(洗浄処理)で用いる洗浄溶媒として、水性溶媒を挙げることができ、その具体例としては、純水や超純水でもよく、市水を挙げることができる。また、洗浄溶媒の温度としては常温(例えば、20℃±15℃)〜70℃を挙げることができる。
洗浄溶媒として水性溶媒を用いる場合にはCOガスをバブリングしたものを用いてもよく、具体的には炭酸水や過飽和のCOガスを含む水溶液を挙げることができる。また、水性溶媒、例えば水には、オゾンをバブリングしたものを用いることもできる。
ステップS60(洗浄処理)は、少なくとも2回以上回繰り返されてもよい。このようなケースにおいて、nが1以上の整数である場合に、n回目の工程において、洗浄溶媒として溶媒Aが用いられ、n+1回目の工程において、洗浄溶媒として溶媒Aとは異なる溶媒Bが用いられてもよい。なお、ステップS60(洗浄処理)が3回以上繰り返される場合には、3種類以上の溶媒が洗浄溶媒として用いられてもよい。さらに、ステップS60(洗浄処理)が3回以上繰り返される場合に、2回以上のステップS60(洗浄処理)において同一の溶媒が用いられてもよい。
例えば、洗浄溶媒として水性溶媒を用いる場合には、初めに水で洗浄を行い、その後COガスをバブリングした水性溶媒で洗浄を行ってもよい。それぞれの洗浄は、複数回行ってもよい。このような手順や水性溶媒を用いて洗浄を行うと、効率よく夾雑物質が除去される。
洗浄溶媒としては、上記の水性溶媒とは別に、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、MCT)、ヘキサン、メタノール、アセトニトリルのような非水溶媒を用いることもできる。また、これらを上記の水性溶媒と混合して用いることもできる。
洗浄溶媒による洗浄後、残渣に対して乾燥処理が施されてもよい。乾燥条件としては110〜125℃程度の温度で、空気を流通させながら(換気量10〜20L/min/250g−刻)、100〜150分程度行う態様を挙げることができる。
上述したように、ステップS60(洗浄処理)が複数回繰り返される場合に、各回の洗浄処理で用いる洗浄溶媒の種類を使い分けることによって、洗浄溶媒と親和性が高い夾雑成分の種類を異ならせることができ、様々な種類の夾雑成分を除去することができる。
ステップS60(洗浄処理)の洗浄処理を経て得られる残渣は、後述するステップS70(掛け戻し処理)に供される。
ステップS70(すなわち、工程C1又は工程D2)において、閉空間内(実施形態では、上述した容器11内)において、ステップS30で香喫味成分を捕捉した捕捉溶媒(第1溶媒)を、ステップS20において閉空間内に香喫味成分を放出した後のたばこ原料50(洗浄済みたばこ原料残渣)に添加する。ステップS70において、たばこ原料50(洗浄済みたばこ原料残渣)に添加する捕捉溶媒(第1溶媒)は中和されてもよい。或いは、ステップS70において、たばこ原料50(洗浄済みたばこ原料残渣)に捕捉溶媒(第1溶媒)に添加した後に、香喫味成分を含むたばこ原料を中和してもよい。
以上説明した処理によって、香喫味成分を含むたばこ原料が製造される。但し、上述したように、ステップS40(濃縮処理)の処理は省略されてもよい。
なお、上述した重量%は、いずれも乾燥状態における重量%であることに留意すべきである。
(作用及び効果)
第1実施形態では、ステップS20(加熱処理)及びステップS30(捕捉処理)によって、たばこ原料に含まれる香喫味成分を捕捉溶媒に捕捉させ、香喫味成分を捕捉した捕捉溶媒をたばこ原料に添加するステップS70(掛け戻し処理)を行うことで、簡便かつ低コストなプロセスによって、例えばアンモニアなどのたばこ原料に含まれる夾雑物を選択的に低減することができる。
さらに、第1実施形態では、香喫味成分を捕捉した捕捉溶媒をたばこ原料に添加するステップS70(掛け戻し処理)の前に、たばこ原料を洗浄するステップS60(洗浄処理)が行われる。これによって、例えばTSNA等の夾雑成分がさらに選択的に低減される。
また、第1実施形態では、ステップS20(加熱処理)、ステップS60(洗浄処理)及びステップS70(掛け戻し処理)は、たばこ原料が閉空間内(実施形態では、上述した容器11内)に維持された状態のまま行われるため、たばこ原料が衛生的に保たれ、たばこ原料に含まれる香喫味成分の揮散を抑制し、たばこ原料の移し替えが不要であるため、たばこ原料のロスが少なくなる。
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する差異について主として説明する。
変更例1において、上述したステップS30(捕捉処理)は、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで行われる。
第1条件は、ステップS20を開始してから経過する時間軸上において、捕捉溶媒70及び放出成分62を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、ステップS20を開始してから経過する時間(以下、処理時間)が安定区間の開始タイミングに達する条件である。
ここで、安定区間とは、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲(例えば、単位時間当たりの平均変動量が±0.01/分)内に収まる区間であって、かつ、当該区間における捕集溶液のpHの変動幅が所定範囲(例えば、当該区間が開始した時点におけるpHと、後述する第2条件を満たした時点におけるpHとの差が±0.2)内に収まる区間である。なお、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在するケースにおいて、安定区間の開始タイミングは、例えば、捕集溶液のpHが下げ止まるタイミングである。
ここで、捕集溶液のpHのプロファイルは、実際の処理における条件と同じ条件で予め測定されており、捕集溶液のpHは、処理時間で置き換えられていることが好ましい。すなわち、第1条件は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。これによって、リアルタイムで捕集溶液のpHの変動量をモニタリングする必要がなく、簡易な制御によって、アンモニウムイオン(NH )を捕集溶液から除去することが可能である。
第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件である。
ここで、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量のプロファイルは、実際の処理における条件と同じ条件で予め測定されており、香喫味成分の残存量は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。すなわち、第2条件は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。これによって、リアルタイムで香喫味成分の残存量をモニタリングする必要がなく、簡易な制御によって、捕捉溶媒に含まれるTSNAの含有量の増大を抑制することが可能である。
変更例1においては、たばこ原料50に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、10.0重量%以下である。たばこ原料50に含まれる糖類とは、フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトールである。これによって、捕集溶液中のアンモニウムイオン濃度が十分に低減されたことを示すpHの安定区間を明瞭に見極めることができる。
(作用及び効果)
変更例1では、放出成分を捕捉溶媒70に接触させるステップS30は、少なくとも、第1条件が満たされるまで継続する。これによって、放出成分に含まれるアンモニウムイオン(NH )が捕集溶液から十分に除去される。また、たばこ原料50からの放出及び捕捉溶媒での抽出において、アンモニウムイオンと同様の挙動を示す他の揮発性夾雑成分(具体的には、アセトアルデヒド、ピリジン)も、第1条件を満たすことによって捕集溶液から除去される。
一方で、放出成分を捕捉溶媒70に接触させるステップS30は、少なくとも、第2条件が満たされるまでに終了する。これによって、TSNAの放出量が増大する前にS30を終了することによって、捕集溶液に含まれるTSNAの含有量の増大が抑制される。
このように、ステップS20及びステップS30等の簡易な処理によって、アンモニウムイオン(NH )及びTSNA等の夾雑成分の混入を抑制しながらも、香喫味成分を十分に抽出することができる。すなわち、簡易な装置によって香喫味成分を抽出することができる。
変更例1では、たばこ原料50に含まれる不揮発性成分が捕捉溶媒に移行せずに、120℃程度で揮発する成分のみを捕捉溶媒に捕集できるため、捕捉溶媒によって捕集される成分を電子シガレットのエアロゾル源として用いることができる。これによって、電子シガレットにおいてアンモニウムイオンやアセトアルデヒド、ピリジンといった揮発性夾雑成分の増大を抑制しながらたばこ香味を含むエアロゾルをユーザに送達することができ、さらに、捕捉溶媒への不揮発性成分の移行が抑制されているため、エアロゾル源を加熱するヒータの焦げ等を抑制することができる。なお、ここでの「電子シガレット」という用語は、液体のエアロゾル源及びエアロゾル源を加熱霧化するための電気ヒータを具備し、ユーザへエアロゾルを送達するための非燃焼型香味吸引器又はエアロゾル吸引器(例えば、特許第5196673号記載のエアロゾル吸引器や特許第5385418号記載のエアロゾル電子たばこ等)を指す。
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する差異について主として説明する。
変更例2において、上述したステップS30(捕捉処理)は、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで行われる。
第1条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が1.7重量%に達するまで減少する条件である。
第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件である。
ここで、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量のプロファイルは、実際の処理における条件と同じ条件で予め測定されており、香喫味成分の残存量は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。すなわち、第2条件は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。これによって、リアルタイムで香喫味成分の残存量をモニタリングする必要がなく、簡易な制御によって、捕集溶媒に含まれるTSNAの含有量の増大を抑制することが可能である。
(作用及び効果)
変更例2では、放出成分を捕捉溶媒70に接触させるステップS30は、少なくとも、第1条件が満たされるまで継続する。これによって、たばこ原料に含まれる香喫味成分の残存量の減少速度(すなわち、たばこ原料50からニコチン成分が揮発する速度)が所定速度以上である区間においてステップS30を継続するため、効率的に香喫味成分を回収することができる。一方で、放出成分を捕捉溶媒70に接触させるステップS30は、少なくとも、第2条件が満たされるまでに終了する。これによって、TSNAの放出量が増大する前にS30を終了することによって、捕集溶液に含まれるTSNAの含有量の増大が抑制される。
このように、ステップS20及びステップS30等の簡易な処理によって、TSNA等の夾雑成分の混入を抑制しながらも、香喫味成分を十分に抽出することができる。すなわち、簡易な装置によって香喫味成分を抽出することができる。
変更例2では、たばこ原料50に含まれる不揮発性成分が捕集溶媒に移行せずに、120℃程度で揮発する成分のみを捕集溶媒に捕集できるため、捕集溶媒によって捕集される成分を電子シガレットのエアロゾル源として用いることができる。これによって、電子シガレットにおいてアンモニウムイオンやアセトアルデヒド、ピリジンといった揮発性夾雑成分の増大を抑制しながらたばこ香味を含むエアロゾルをユーザに送達することができ、さらに、捕捉溶媒への不揮発性成分の移行が抑制されているため、エアロゾル源を加熱するヒータの焦げ等を抑制することができる。なお、ここでの「電子シガレット」という用語は、液体のエアロゾル源及びエアロゾル源を加熱霧化するための電気ヒータを具備し、ユーザへエアロゾルを送達するための非燃焼型香味吸引器又はエアロゾル吸引器(例えば、特許第5196673号記載のエアロゾル吸引器や特許第5385418号記載のエアロゾル電子たばこ等)を指す。
[実験結果]
(第1実験)
第1実験では、図5に示すサンプル(サンプルA〜サンプルC)を準備して、以下の条件下において、捕集溶液のpH及び捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン(NH )を測定した。
乾燥状態において、サンプルA〜サンプルCのニコチン含有量(Nic.量)及びアンモニウムイオンの含有量(NH 量)は、図5に示す通りである。なお、サンプルAの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量は、いずれも殆どゼロ(検出限界未満)であり、サンプルBの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量の合計は、9.37重量%であり、サンプルCの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量の合計は、18.81重量%である。また、捕集溶液のpHの測定結果は、図6に示す通りであり、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン(NH )の測定結果は、図7に示す通りである。図6及び図7において、処理時間は、たばこ原料の加熱処理(S20)を開始してから経過した時間である。処理時間は、香喫味成分(以下においては、ニコチン成分)の捕集処理(S30)を開始してから経過した時間であると考えてもよい。
−実験条件−
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・アルカリ処理後のたばこ原料の初期水分量:39%±2%
・捕捉溶媒の種類:グリセリン
・捕捉溶媒の温度:20℃
・捕捉溶媒の量:61g
・バブリング処理(通気処理及び捕集処理)時の通気流量:15L/min
なお、バブリング処理(通気処理)で用いる気体は、約20℃、約60%−RHの大気である。
サンプルAについては、図6に示すように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在することが確認された。図7に示すように、安定区間が開始するタイミング(例えば、処理時間=40min)において、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン(NH )の濃度が十分に低減されていることが確認された。
これに対して、サンプルBについては、図6に示すように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少する区間が存在しないことが確認された。サンプルCについては、図6に示すように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが断続的に低減し、上述した安定区間が存在しないことが確認された。
なお、安定区間とは、上述したように、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲(例えば、単位時間当たりの平均変動量が±0.01/分)内に収まる区間であって、かつ、当該区間における捕集溶液のpHの変動幅が所定範囲(例えば、当該区間が開始した時点におけるpHと、後述する第2条件を満たした時点におけるpHとの差が±0.2)内に収まる区間である。
ここで、加熱処理及び捕集処理によって、たばこ原料に含まれる糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)が減少し、揮発性の有機酸(酢酸・ギ酸)が増加することが確認された。また、揮発性有機酸の増加量は、サンプルC>サンプルB>サンプルAであり、たばこ原料に含まれる糖類の含有量が高いサンプルほど揮発性有機酸の増加量が大きいことが確認された。これは、糖の分解によって酸性物質が生成され、捕集溶液に移行するためであると考えられる。言い換えると、サンプルAのように、たばこ原料に含まれる糖類の含有量が低いバーレー種のたばこ原料、詳細には、たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計が10.0重量%以下であるたばこ原料を用いることによって、捕集溶液中のアンモニウムイオン濃度が十分に低減されたことを示すpHの安定区間を明瞭に見極めることができることが確認された。また、アンモニウムイオン(NH )の濃度が高いバーレー種のたばこ原料を敢えて用いることによって、pHの減少を伴うプロファイルの見極めが容易である。さらには、アンモニウムイオン(NH )の低減処理によって、アンモニウムイオン(NH )と同様の放出・回収の挙動を示す揮発性夾雑成分(具体的には、アセトアルデヒド、ピリジン)も同時に低減されるため、揮発性夾雑成分(具体的には、アセトアルデヒド、ピリジン)の除去が容易である。
このような実験結果から、サンプルAのように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、処理時間が安定区間の開始タイミングを超えると、アンモニウムイオン(NH )の濃度が十分に低減されていることが確認された。すなわち、第1条件は、処理時間が安定区間の開始タイミングに達することであることが好ましいことが確認された。
(第2実験)
第2実験では、バーレー種のたばこ原料のサンプル(上述したサンプルA)を準備して、以下の条件下において、乾燥状態におけるたばこ原料に含まれるアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の残存量(以下、たばこ原料中ニコチン濃度)、捕集溶液に含まれるTSNAの濃度(以下、捕集溶液TSNA濃度)を測定した。
たばこ原料中ニコチン濃度の測定結果は、図8に示す通りであり、捕集溶液に含まれるTSNAの濃度の測定結果は、図9に示す通りである。たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量は、乾燥状態において、たばこ原料の重量が100重量%である場合における重量%で示されている。捕集溶液に含まれるTSNAの濃度は、捕集溶液が100重量%である場合における重量%で示されている。図8及び図9において、処理時間は、たばこ原料の加熱処理(S20)を開始してから経過した時間である。処理時間は、ニコチン成分の捕集処理(S30)を開始してから経過した時間であると考えてもよい。
なお、TSNAとして4−(Methylnitrosamino)−1−(3−pyridyl)−1−butanone(以下、NNK)、N′−Nitrosonornicotine(以下、NNN)、N′−Nitrosoanatabine(以下、NAT)及びN′−Nitrosoanabasine(以下、NAB)の4種類について、これらの濃度を測定した。
−実験条件−
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・アルカリ処理後のたばこ原料の初期水分量:39%±2%
・捕捉溶媒の種類:グリセリン
・捕捉溶媒の温度:20℃
・捕捉溶媒の量:60g
・バブリング処理(通気処理及び捕集処理)時の通気流量:15L/min
なお、バブリング処理(通気処理)で用いる気体は、約20℃、約60%−RHの大気である。
図8に示すように、たばこ原料中ニコチン濃度のプロファイルにおいて、たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量は断続的に減少する。図9に示すように、TSNA濃度のプロファイルにおいて、NNKは変化しないが、NNN、NAT及びNABは、一定期間が経過した後に増大することが確認された。
詳細には、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するタイミング(本実験結果では、300分)を処理時間が超えると、たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量の減少速度(すなわち、たばこ原料からニコチン成分が揮発する速度)が低下しており、ニコチン成分の回収率の上昇が見込めないことが確認された。また、たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するタイミング(本実験結果では、180分)を処理時間が超えると、NABが緩やかに増大することが確認された。さらに、たばこ原料中ニコチン濃度が0.6重量%に達するタイミング(本実験結果では、120分)を処理時間が超えると、NNN及びNATが著しく増大することが確認された。
このような実験結果から、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することが好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するまで減少することが好ましいことが確認された。たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することがさらに好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するまで減少することがさらに好ましいことが確認された。たばこ原料中ニコチン濃度が0.6重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することがさらに好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.6重量%に達するまで減少することがさらに好ましいことが確認された。
(第3実験)
第3実験では、サンプルP〜サンプルQを準備して、以下の条件下において、捕集溶液のpH及び捕集溶液に含まれるアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の濃度を測定した。サンプルPは、捕捉溶媒としてグリセリンを用いたサンプルである。サンプルQは、捕捉溶媒として水を用いたサンプルである。サンプルRは、捕捉溶媒としてエタノールを用いたサンプルである。捕集溶液のpHの測定結果は、図10に示す通りである。捕集溶液に含まれるニコチン成分の濃度の測定結果は、図11に示す通りである。図10及び図11において、処理時間は、たばこ原料の加熱処理(S20)を開始してから経過した時間である。処理時間は、ニコチン成分の捕集処理(S30)を開始してから経過した時間であると考えてもよい。
−実験条件−
・たばこ原料の種類;バーレー種
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・捕捉溶媒の温度:20℃
・捕捉溶媒の量:60g
・バブリング処理(通気処理及び捕集処理)時の通気流量:15L/min
なお、バブリング処理(通気処理)で用いる気体は、約20℃、約60%−RHの大気である。
図10に示すように、グリセリン、水又はエタノールを捕捉溶媒として用いる場合には、安定区間における捕集溶液のpHの絶対値が異なっているが、捕集溶液のpHのプロファイルとしては、各捕捉溶媒の有意差は見られなかった。同様に、図11に示すように、グリセリン、水又はエタノールを捕捉溶媒として用いる場合には、捕集溶液に含まれるニコチン成分の濃度の有意差は見られなかった。
このような実験結果から、グリセリン、水又はエタノールを捕捉溶媒として用いることができることが確認された。
(第4実験)
第4実験では、以下の条件下において、捕捉溶媒の温度を変更することによって、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン及びピリジンの重量を測定した。捕集溶液に含まれるアンモニウムイオンの重量は、図12に示す通りである。捕集溶液に含まれるピリジンの重量は、図13に示す通りである。
−実験条件−
・たばこ原料の種類;バーレー種
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・捕捉溶媒の種類:グリセリン
・捕捉溶媒の量:60g
第1に、図12に示すように、捕捉溶媒の温度が10℃以上である場合に、アンモニウムイオンが効率的に除去することができることが確認された。一方で、捕捉溶媒の温度を制御しなかった場合であっても、アンモニウムイオンを効率的に除去することができることが確認された。なお、捕集溶液からのアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の揮散は、捕捉溶媒の温度が40℃以下であれば抑制される。このような観点から、捕捉溶媒の温度を10℃以上40℃以下とすることで、捕集溶液からのニコチン成分の揮散を抑制しつつ、アンモニウムイオンを捕集溶液から効率的に除去することができる。
第2に、図13に示すように、捕捉溶媒の温度が10℃以上である場合に、ピリジンが効率的に除去することができることが確認された。一方で、捕捉溶媒の温度を制御しなかった場合であっても、ピリジンを効率的に除去することができることが確認された。なお、捕集溶液からのニコチン成分の揮散は、捕捉溶媒の温度が40℃以下であれば抑制される。このような観点から、捕捉溶媒の温度を10℃以上40℃以下とすることで、捕集溶液からのニコチン成分の揮散を抑制しつつ、ピリジンを捕集溶液から効率的に除去することができる。
なお、捕捉溶媒の温度とは、捕捉溶媒を収容する容器の温度を制御するチラー(恒温槽)の設定温度である。捕捉溶媒の温度は、チラーに容器をセットして温度制御を開始してから約60分で収束することに留意すべきである。
[測定方法]
(捕集溶液のpHの測定方法)
捕捉溶媒を22℃の室温でコントロールされた実験室内で、室温になるまで密閉容器内で放置して温度調和した。調和後、ふたを開けて、pHメーター(METTLER TOLEDO社製:セブンイージーS20)のガラス電極を捕集液に浸して測定を開始した。pHメーターは、あらかじめpH4.01、6.87、9.21のpHメーター校正液にて校正した。センサーからの出力変動が5秒間で0.1mV以内に安定した点を、その捕捉溶媒のpHとした。
(捕捉溶媒に含まれるNH の測定方法)
捕捉溶媒を50μL採取し、0.05Nの希硫酸水溶液950μLを添加することで希釈し、イオンクロマトグラフィーで分析し、捕捉溶媒に含まれるアンモニウムイオンを定量した。
(たばこ原料に含まれるニコチン成分の測定方法)
ドイツ標準化機構DIN 10373に準ずる方法で行った。すなわち、たばこ原料を250mg採取し、11%水酸化ナトリウム水溶液7.5mLとヘキサン10mLを加え、60分間振とう抽出した。抽出後、上澄みであるヘキサン相をガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)に供し、たばこ原料に含まれるニコチン重量を定量した。
(たばこ原料に含まれる水分量の測定方法)
たばこ原料を250mg採取し、エタノール10mLを加え、60分間振とう抽出を行った。抽出後、抽出液を0.45μmのメンブレンフィルタでろ過し、熱伝導度検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC/TCD)に供し、たばこ原料に含まれる水分量を定量した。
なお、乾燥状態におけるたばこ原料の重量は、上述した水分量をたばこ原料の総重量から差し引くことによって算出される。
(捕捉溶媒に含まれるTSNAの測定方法)
捕捉溶媒を0.5mL採取し、0.1Mの酢酸アンモニウム水溶液9.5mLを添加することで希釈し、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS/MS)にて分析し、捕捉溶媒に含まれるTSNAを定量した。
(GC分析条件)
たばこ原料に含まれるニコチン成分及び水分量の測定で用いるGC分析の条件は、以下の表に示す通りである。
Figure 2015129098
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
実施形態では、ステップS10(アルカリ処理)及びステップS60(洗浄処理)において、同一の処理装置10(容器11)を用いるケースを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、予めアルカリ処理や加水処理が施されたたばこ原料を容器11に配置した上で、ステップS20(加熱処理)、ステップS30(捕捉処理)及びステップS60(洗浄処理)が行われてもよい。
実施形態では詳述していないが、ステップS20(加熱処理)及びステップS60(洗浄処理)で用いる容器11によって形成される閉空間の体積は、閉空間の内側表面を小さくすることによってたばこ原料のロスを低減する観点から、たばこ原料の体積に対して極端に差が無い方が好ましい。また、閉空間の体積は、効率的な洗浄の観点からも、たばこ原料の体積に対して極端に差が無い方が好ましい。容器11によって形成される閉空間の形状は、閉空間の内側表面を小さくすることによってたばこ原料のロスを低減する観点から、極端に細長い部分などを含まない方が好ましい。また、閉空間の形状は、効率的な洗浄の観点からも、極端に細長い部分などを含まない方が好ましい。例えば、閉空間の体積は、たばこ原料の体積に対して3倍以上50倍以下であることが好ましい。また、閉空間の形状については、閉空間において互いに90度に交わる方向である、X方向Y方向Z方向の最も長い部分の長さをそれぞれX、Y、Zとし、XとYとZとの間でもっとも値が離れている2つの値をLとSとにした場合(SはLよりも小さい値)、LはSの10倍以下であることが好ましい。閉空間の体積や形状が上述の通りであれば、たばこ原料のロスを低減することができるとともに、適度にたばこ原料を撹拌しながら適度な量の溶媒で、ステップS60(洗浄処理)においてたばこ原料(残渣)の洗浄を十分に行うことができる。
ここで、閉空間の内側表面を小さくし、或いは、閉空間の形状を極端に細長い部分などを含まないようにすることによって、閉空間の内側表面にたばこ原料が接触する面積が減少し、閉空間の内側表面に固着するたばこ原料も減少するため、たばこ原料のロスが低減することに留意すべきである。
実施形態では、掛け戻し処理(ステップS70)の前に洗浄処理(ステップS60)が行われるが、実施形態はこれに限定されるものではない。洗浄処理(ステップS60)は省略されてもよい。
なお、日本国特許出願第2014−035429号(2014年2月26日出願)及び日本国特許出願第2014−035438号(2014年2月26日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
本発明によれば、簡便かつ低コストなプロセスによって、たばこ原料に含まれる夾雑成分を選択的に低減することができるたばこ原料の製造方法を提供することができる。
10…処理装置、11…容器、12…噴霧器、20…捕集装置、21…容器、22…パイプ、23…放出部分、23A…開口、24…パイプ、50…たばこ原料、61…放出成分、62…放出成分、63…残存成分、100…香味吸引具、110…ホルダ、120…炭素熱源、130…香味源、140…フィルタ

Claims (17)

  1. 香喫味成分を含むたばこ原料の製造方法であって、
    アルカリ処理されたたばこ原料を閉空間内で加熱して、前記たばこ原料から気相として放出される香喫味成分を前記閉空間外へ取り出す工程A1と、
    前記閉空間外において、前記工程A1で気相として放出された前記香喫味成分を常温で液体の物質である第1溶媒に接触させることによって、前記第1溶媒に前記香喫味成分を捕捉させる工程B1と、
    前記工程B1の後に、前記閉空間内において、前記工程B1で前記香喫味成分を補足した前記第1溶媒を、前記工程A1において前記閉空間内に前記香喫味成分を放出した後のたばこ原料に添加する工程C1とを備えることを特徴とする製造方法。
  2. 香喫味成分を含むたばこ原料の製造方法であって、
    アルカリ処理されたたばこ原料を閉空間内で加熱して、前記たばこ原料から気相として放出される香喫味成分を前記閉空間外へ取り出す工程A2と、
    前記閉空間外において、前記工程A2で気相として放出された前記香喫味成分を常温で液体の物質である第1溶媒に接触させることによって、前記第1溶媒に前記香喫味成分を捕捉させる工程B2と、
    前記工程A2の後に、前記閉空間内において前記たばこ原料に第2溶媒を供給し、前記たばこ原料から前記第2溶媒に液相として放出される通常成分を前記第2溶媒とともに前記閉空間外へ取り出す工程C2と、
    前記工程B2及び前記工程C2の後に、前記閉空間内において、前記工程B2で前記香喫味成分を補足した前記第1溶媒を、前記工程A2において前記閉空間内に前記香喫味成分を放出した後のたばこ原料に添加する工程D2とを備えることを特徴とする製造方法。
  3. 前記工程C2は、前記工程D2の前に、少なくとも2回以上繰り返されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. nが1以上の整数である場合に、
    n回目の工程C2において、前記第2溶媒として溶媒Aが用いられ、
    n+1回目の工程C2において、前記第2溶媒として前記溶媒Aとは異なる溶媒Bが用いられることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記工程A1又は前記工程A2において、前記たばこ源に対して加水処理を施す工程を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記工程A1又は前記工程A2において、前記たばこ源を加熱する前における前記たばこ源の水分量は、前記加水処理によって30重量%以上になっていることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記工程A2は、非水溶媒を前記たばこ原料に加える工程を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記非水溶媒の量は、前記たばこ原料に対して10重量%以上であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記工程A2は、前記非水溶媒に加えて水を前記たばこ原料に加える工程を含むことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記工程B1又は前記工程B2は、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで行われ、
    前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、10.0重量%以下であり、
    前記第1条件は、前記工程A1又は前記工程A2を開始してから経過する時間軸上において、前記第1溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程A1又は前記工程A2を開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件であり、
    前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  13. 前記たばこ原料は、バーレー種のたばこ原料であることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記工程B1又は前記工程B2は、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで行われ、
    前記第1条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が1.7重量%に達するまで減少する条件であり、
    前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることである請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
  17. 前記第1溶媒の温度は、10℃以上かつ40℃以下であることを特徴とする請求項14乃至請求項16のいずれかに記載の製造方法。
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