JP6101859B2 - 香喫味成分の抽出方法及び嗜好品の構成要素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、香喫味成分の抽出方法及び嗜好品の構成要素の製造方法に関する。
従来、たばこ香喫味に寄与する香喫味成分(例えば、ニコチン成分を含むアルカロイド)をたばこ原料から抽出して、抽出された香喫味成分を香味源基材に担持させる技術が提案されている。
ここで、香喫味成分を抽出する方法に関連する技術(以下、第1従来技術)として、例えば、アンモニアガスを用いてたばこ原料から香喫味成分を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
或いは、香喫味成分を抽出する方法に関連する技術(以下、第2従来技術)として、抽出溶媒及び捕捉溶媒を用いる超臨界抽出法が知られている(例えば、特許文献2)。
上述した第1従来技術では、アンモニアガスの加圧が必要である。また、アンモニアガスから香喫味成分を分離する必要があり、このような分離を行う装置は、複雑な仕組みを有する大掛かりな装置である。従って、設備投資費用が大きく、維持費用も大きい。
一方で、上述した第2従来技術では、抽出溶媒の加圧が必要であり、圧力容器や循環パイプ等が必要とされ、香喫味成分を抽出する装置は、第1従来技術と同様に、大掛かりな装置である。従って、設備投資費用が大きく、維持費用も大きい。
特開昭54−52798号公報 特表2009−502160号公報
第1の特徴は、たばこ原料から香喫味成分を抽出する香喫味成分の抽出方法であって、アルカリ処理が施されたたばこ原料を加熱する工程Aと、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで、前記工程Aで気相中に放出される放出成分を常温の捕集溶媒に接触させる工程Bとを備え、前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下であり、前記第1条件は、前記工程Aを開始してから経過する時間軸上において、前記捕集溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程Aを開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件であり、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第2の特徴は、第1の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第3の特徴は、第1の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第4の特徴は、第1の特徴において、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.7重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記工程Aにおいて、前記たばこ原料に対して加水処理を施すことを要旨とする。
第6の特徴は、第1の特徴乃至第5の特徴のいずれかにおいて、前記たばこ原料は、バーレー種のたばこ原料であることを要旨とする。
第7の特徴は、嗜好品の構成要素の製造方法であって、アルカリ処理が施されたたばこ原料を加熱する工程Aと、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで、前記工程Aで気相中に放出される放出成分を常温の捕集溶媒に接触させて、捕集溶液を得る工程Bと、前記捕集溶液を前記構成要素に添加する工程Cとを備え、前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下であり、前記第1条件は、前記工程Aを開始してから経過する時間軸上において、前記捕集溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程Aを開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件であり、前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることを要旨とする。
図1は、第1実施形態に係る抽出装置の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る抽出装置の一例を示す図である。 図3は、香喫味成分の適用例を説明するための図である。 図4は、第1実施形態に係る抽出方法を示すフロー図である。 図5は、第1実験を説明するための図である。 図6は、第1実験を説明するための図である。 図7は、第1実験を説明するための図である。 図8は、第2実験を説明するための図である。 図9は、第2実験を説明するための図である。 図10は、第2実験を説明するための図である。 図11は、第2実験を説明するための図である。 図12は、第3実験を説明するための図である。 図13は、第3実験を説明するための図である。 図14は、第4実験を説明するための図である。 図15は、第4実験を説明するための図である。
次に、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る香喫味成分の抽出方法は、たばこ原料から香喫味成分を抽出する抽出方法である。抽出方法は、アルカリ処理が施されたたばこ原料を加熱する工程Aと、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで、前記工程Aで気相中に放出される放出成分を常温の捕集溶媒に接触させる工程Bとを備える。前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下である。前記第1条件は、前記工程Aを開始してから経過する時間軸上において、前記捕集溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程Aを開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件である。前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件である。
実施形態では、放出成分を捕集溶媒に接触させる工程Bは、少なくとも、第1条件が満たされるまで継続する。これによって、放出成分に含まれるアンモニウムイオン(NH )が捕集溶液から十分に除去される。また、アンモニウムイオン以外の揮発性夾雑成分(アセトアルデヒド、ピリジン等)も捕集溶液から除去される。一方で、放出成分を捕集溶媒に接触させる工程Bは、少なくとも、第2条件が満たされるまでに終了する。これによって、たばこ特異的ニトロソアミン(TSNA:Tobacco Specific Nitrosamines)の放出量が増大する前に工程Bを終了することによって、捕集溶液に含まれるTSNAの含有量の増大が抑制される。
このように、工程A及び工程B等の簡易な処理によって、アンモニウムイオン(NH )及びTSNA等の夾雑成分の混入を抑制しながらも、香喫味成分を十分に抽出することができる。すなわち、簡易な装置によって香喫味成分を抽出することができる。
なお、ニコチン成分は、たばこ香喫味に寄与する香喫味成分の一例であり、実施形態では、香喫味成分の指標として用いられていることに留意すべきである。
[第1実施形態]
(抽出装置)
以下において、第1実施形態に係る抽出装置について説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る抽出装置の一例を示す図である。
第1に、アルカリ処理装置10の一例について、図1を参照しながら説明する。アルカリ処理装置10は、容器11と、噴霧器12とを有する。
容器11は、たばこ原料50を収容する。容器11は、例えば、耐熱性・耐圧性を有する部材(例えば、SUS;Steel Used Stainless)によって構成される。容器11は、密閉空間を構成することが好ましい。「密閉空間」とは、通常の取り扱い(運搬、保存等)において、固形の異物の混入を防ぐ状態である。これによって、たばこ原料50に含まれる香喫味成分の容器11の外側への揮散が抑制される。
噴霧器12は、アルカリ物質をたばこ原料50に付与する。アルカリ物質としては、例えば、炭酸カリウム水溶液等の塩基性物質を用いることが好ましい。
ここで、噴霧器12は、たばこ原料50のpHが8.0以上となるまで、アルカリ物質をたばこ原料50に付与することが好ましい。さらに好ましくは、噴霧器12は、たばこ原料50のpHが8.9〜9.7の範囲となるまで、アルカリ物質をたばこ原料50に付与することが好ましい。また、たばこ原料50から効率的に香喫味成分を気相中に放出させるため、アルカリ物質噴霧後のたばこ原料50の水分量は、10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。たばこ原料50の水分量の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、たばこ原料50を効率的に加熱するために、50重量%以下とすることが好ましい。
ここで、たばこ原料50に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下である。たばこ原料50に含まれる糖類とは、スクロース(サッカロース)・フルクトース・グルコース・マルトース・イノシトールである。
なお、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、2.0重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、4.0重量%以上であることが好ましい。
たばこ原料50としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana.tabacum)やニコチアナ・ルスチカ(Nicotiana.rustica)等のタバコ属の原料を用いることができる。ニコチアナ・タバカムとしては、例えば、バーレー種又は黄色種等の品種を用いることができる。なお、たばこ原料50としては、バーレー種及び黄色種以外の種類のたばこ原料を用いてもよい。後述するように、捕集溶液中のアンモニウムイオン濃度が十分に低減されたことを示すpHの安定区間を明瞭に見極める観点から、たばこ原料50に含まれる糖類の含有量の合計が9.0重量%以下であるたばこ原料50を用いることが好ましい。さらに好ましくは、たばこ原料50に含まれる糖類の含有量の合計は、1.0重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、たばこ原料50に含まれる糖類の含有量の合計は、0.7重量%以下であることが好ましい。
たばこ原料50は、刻み又は粉粒体のたばこ原料によって構成されてもよい。このような場合において、刻み又は粉粒体の粒径は、0.5mm〜1.18mmであることが好ましい。
第2に、捕集装置20の一例について、図2を参照しながら説明する。捕集装置20は、容器21と、パイプ22と、放出部分23と、パイプ24とを有する。
容器21は、捕集溶媒70を収容する。容器21は、例えば、ガラスによって構成される。容器21は、密閉空間を構成することが好ましい。「密閉空間」とは、通常の取り扱い(運搬、保存等)において、固形の異物の混入を防ぐ状態である。
捕集溶媒70の温度は、例えば、常温である。ここで、常温の下限は、例えば、捕集溶媒70が凝固しない温度、好ましくは、10℃である。常温の上限は、例えば、40℃以下である。捕集溶媒70の温度を10℃以上40℃以下とすることで、捕集溶液からの香喫味成分の揮散を抑制しつつ、アンモニウムイオンやピリジン等の揮発性夾雑成分を捕集溶液から効率的に除去することができる。捕集溶媒70としては、例えば、グリセリン、水又はエタノールを用いることができる。捕集溶媒70によって捕捉された香喫味成分の再揮散を防ぐために、捕集溶媒70に対して、リンゴ酸やクエン酸等の任意の酸が添加されてもよい。香喫味成分の捕捉効率を上昇するために、捕集溶媒70に対して、クエン酸水溶液等の成分又は物質が添加されてもよい。すなわち、捕集溶媒70は、複数種類の成分又は物質によって構成されていてもよい。香喫味成分の捕捉効率を上昇するために、捕集溶媒70の初期pHは、アルカリ処理後のたばこ原料50のpHよりも低いことが好ましい。
パイプ22は、たばこ原料50の加熱によってたばこ原料50から気相中に放出される放出成分61を捕集溶媒70に導く。放出成分61は、少なくとも、香喫味成分の指標であるニコチン成分を含む。たばこ原料50にアルカリ処理が施されているため、放出成分61は、香喫味成分の捕集工程を開始してから経過する時間(処理時間)によっては、アンモニウムイオンを含むこともある。放出成分61は、捕集工程を開始してから経過する時間(処理時間)によっては、TSNAを含むこともある。
放出部分23は、パイプ22の先端に設けられており、捕集溶媒70に浸漬される。放出部分23は、複数の開口23Aを有している。パイプ22によって導かれた放出成分61は、複数の開口23Aから泡状の放出成分62として捕集溶媒70中に放出される。
パイプ24は、捕集溶媒70によって捕捉されなかった残存成分63を容器21の外側に導く。
ここで、放出成分62は、たばこ原料50の加熱によって気相中に放出される成分であるため、放出成分62によって捕集溶媒70の温度が上昇する可能性がある。従って、捕集装置20は、捕集溶媒70の温度を常温に維持するために、捕集溶媒70を冷却する機能を有していてもよい。
捕集装置20は、捕集溶媒70に対する放出成分62の接触面積を増大するために、ラシヒリングを有していてもよい。
(適用例)
以下において、たばこ原料50から抽出された香喫味成分の適用例について説明する。図3は、香喫味成分の適用例を説明するための図である。例えば、香喫味成分は、嗜好品の構成要素(例えば、香味吸引具の香味源)に付与される。
図3に示すように、香味吸引具100は、ホルダ110と、炭素熱源120と、香味源130と、フィルタ140とを有する。
ホルダ110は、例えば、筒状形状を有する紙管である。炭素熱源120は、香味源130を加熱するための熱を発生する。香味源130は、香味を発生する物質であり、ニコチン成分を含むアルカロイドが付与される香味源基材の一例である。フィルタ140は、夾雑物質が吸口側に導かれることを抑制する。
ここでは、香喫味成分の適用例として、香味吸引具100について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。香喫味成分は、その他の吸引具、例えば、電子シガレットのエアロゾル源(いわゆるE−liguid)に適用されてもよい。また、香喫味成分は、ガム、タブレット、フィルム、飴等の香味源基材に付与されてもよい。
(抽出方法)
以下において、第1実施形態に係る抽出方法について説明する。図4は、第1実施形態に係る抽出方法を示すフロー図である。
図4に示すように、ステップS10において、上述したアルカリ処理装置10を用いて、アルカリ物質をたばこ原料50に付与する。アルカリ物質としては、例えば、炭酸カリウム水溶液等の塩基性物質を用いることができる。
ここで、たばこ原料50に含まれる糖類の含有量の合計は、上述したように、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下である。たばこ原料50に含まれる糖類とは、フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトールである。
なお、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、乾燥状態において、たばこ原料50の総重量が100重量%である場合に、2.0重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の初期含有量は、4.0重量%以上であることが好ましい。
アルカリ処理後のたばこ原料50のpHは、上述したように、8.0以上であることが好ましい。さらに好ましくは、アルカリ処理後のたばこ原料50のpHは、8.9〜9.7の範囲であることが好ましい。
ここで、ステップS10において、たばこ原料50に対して加水処理を施してもよい。加水処理前のたばこ原料50の水分量は、10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。たばこ原料50の水分量の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、たばこ原料50を効率的に加熱するために、50重量%以下とすることが好ましい。
ステップS20において、アルカリ処理が施されたたばこ原料50を加熱する。例えば、加熱処理においては、アルカリ処理装置10の容器11にたばこ原料50が収容された状態で、容器11とともにたばこ原料50を加熱することができる。このようなケースにおいて、捕集装置20のパイプ22が容器11に取り付けられることは勿論である。
ここで、たばこ原料50の加熱温度は、80℃以上かつ150℃未満の範囲である。たばこ原料50の加熱温度が80℃以上であることによって、たばこ原料50から十分な香喫味成分が放出されるタイミングを早めることができる。一方で、たばこ原料50の加熱温度が150℃未満であることによって、たばこ原料50からTSNAが放出されるタイミングを遅らせることができる。
なお、ステップS20において、たばこ原料50に対して加水処理を施してもよい。加水処理後のたばこ原料50の水分量は、10%以上かつ50%以下であることが好ましい。また、ステップS20において、たばこ原料50に対して連続的に加水してもよい。加水量は、たばこ原料50の水分量が10%以上かつ50%以下となるように調整されることが好ましい。
また、ステップS20において、たばこ原料50に対して通気処理を施すことが好ましい。これによって、アルカリ処理されたたばこ原料50から気相に放出される放出成分61に含まれる香喫味成分量を増大させることができる。通気処理では、例えば、80℃における飽和水蒸気をたばこ原料50に接触させる。通気処理における通気時間は、たばこ原料50を処理する装置及びたばこ原料50の量によって異なるため、一概に特定することができないが、例えば、たばこ原料50が500gである場合には、通気時間は、300分以内である。通気処理における総通気量についても、たばこ原料50を処理する装置及びたばこ原料50の量によって異なるため、一概に特定することができないが、例えば、たばこ原料50が500gである場合には、10L/g程度である。
なお、通気処理で用いる空気は、飽和水蒸気でなくてもよい。通気処理で用いる空気の水分量は、特にたばこ原料50の加湿を必要とせずに、例えば、加熱処理及び通気処理が適用されているたばこ原料50に含まれる水分が50%未満の範囲に収まるように調整されてもよい。通気処理で用いる気体は、空気に限定されるものではなく、窒素、アルゴン等の不活性ガスであってもよい。
ステップS30において、上述した捕集装置20を用いて、第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで、ステップS20で気相中に放出される放出成分を常温の捕集溶媒70に接触させる。なお、説明の便宜上、図4においてステップS20及びステップS30を別々な処理として記載しているが、ステップS20及びステップS30は、並列的に行われる処理であることに留意すべきである。並列的とは、ステップS30を行う期間がステップS20を行う期間と重複することを意味しており、ステップS20及びステップS30が同時に開始・終了する必要はないことに留意すべきである。
ここで、ステップS20及びステップS30において、アルカリ処理装置10の容器11内の圧力は常圧以下である。詳細には、アルカリ処理装置10の容器11内の圧力の上限は、ゲージ圧で+0.1MPa以下である。また、アルカリ処理装置10の容器11の内部は、減圧雰囲気であってもよい。
ここで、捕集溶媒70としては、上述したように、例えば、グリセリン、水又はエタノールを用いることができる。捕集溶媒70の温度は、上述したように、常温である。ここで、常温の下限は、例えば、捕集溶媒70が凝固しない温度、好ましくは、10℃である。常温の上限は、例えば、40℃以下である。
第1条件は、ステップS20を開始してから経過する時間軸上において、捕集溶媒70及び放出成分62を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、ステップS20を開始してから経過する時間(以下、処理時間)が安定区間の開始タイミングに達する条件である。
ここで、安定区間とは、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲(例えば、単位時間当たりの平均変動量が±0.01/分)内に収まる区間であって、かつ、当該区間における捕集溶液のpHの変動幅が所定範囲(例えば、当該区間が開始した時点におけるpHと、後述する第2条件を満たした時点におけるpHとの差が±0.2)内に収まる区間である。なお、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在するケースにおいて、安定区間の開始タイミングは、例えば、捕集溶液のpHが下げ止まるタイミングである。
ここで、捕集溶液のpHのプロファイルは、実際の処理における条件と同じ条件で予め測定されており、捕集溶液のpHは、処理時間で置き換えられていることが好ましい。すなわち、第1条件は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。これによって、リアルタイムで捕集溶液のpHの変動量をモニタリングする必要がなく、簡易な制御によって、アンモニウムイオン(NH )を捕集溶液から除去することが可能である。
第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件である。さらに好ましくは、第2条件は、乾燥状態において、たばこ原料50の重量が100重量%である場合に、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量が0.7重量%に達するまで減少する条件である。
ここで、たばこ原料50に含まれる香喫味成分(ここでは、ニコチン成分)の残存量のプロファイルは、実際の処理における条件と同じ条件で予め測定されており、香喫味成分の残存量は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。すなわち、第2条件は、処理時間で置き換えられていることが好ましい。これによって、リアルタイムで香喫味成分の残存量をモニタリングする必要がなく、簡易な制御によって、捕集溶液に含まれるTSNAの含有量の増大を抑制することが可能である。
ステップS40において、捕集溶液に含まれる香喫味成分の濃度を上昇するために、香喫味成分を捕捉した捕集溶媒70(すなわち、捕集溶液)に対して、減圧濃縮処理、加熱濃縮処理又は塩析処理が施される。
ここで、減圧濃縮処理は、密閉空間で行われるため、空気接触が少なく、捕集溶媒70を高温にする必要がないため、成分変化の懸念が少ない。従って、減圧濃縮を用いれば、利用可能な捕集溶媒の種類が増大する。
加熱濃縮処理では、香喫味成分の酸化などのような液の変性の懸念があるが、香味を増強する効果が得られる可能性がある。但し、減圧濃縮と比べると、利用可能な捕集溶媒の種類が減少する。例えば、MCT(Medium Chain Triglyceride)のようなエステル構造を有する捕集溶媒を用いることができない可能性がある。
塩析処理では、減圧濃縮処理と比べて、香喫味成分の濃度を高めることが可能であるが、液溶媒相と水相とのそれぞれに香喫味成分が分離されるため、香喫味成分の歩留まりが悪い。また、疎水性物質(MCT等)の共存が必須であると想定されるため、捕集溶媒、水及び香喫味成分の比率によっては、塩析が生じない可能性がある。
ステップS50において、香喫味成分を含む捕集溶液を嗜好品の構成要素に添加する。すなわち、ステップS50において、捕集溶媒70に捕捉される香喫味成分を香味源基材(嗜好品の構成要素)に担持させる。
なお、第1実施形態は、香喫味成分の抽出が主目的であるため、ステップS40及びステップS50の処理は必須の処理ではないことに留意すべきである。
(作用及び効果)
第1実施形態では、放出成分を捕集溶媒70に接触させるステップS30は、少なくとも、第1条件が満たされまで継続する。これによって、放出成分に含まれるアンモニウムイオン(NH )が捕集溶液から十分に除去される。また、たばこ原料50からの放出及び捕集溶媒での抽出において、アンモニウムイオンと同様の挙動を示す他の揮発性夾雑成分(具体的には、アセトアルデヒド、ピリジン)も、第1条件を満たすことによって捕集溶液から除去される。
一方で、放出成分を捕集溶媒70に接触させるステップS30は、少なくとも、第2条件が満たされるまでに終了する。これによって、TSNAの放出量が増大する前にS30を終了することによって、捕集溶液に含まれるTSNAの含有量の増大が抑制される。
このように、ステップS20及びステップS30等の簡易な処理によって、アンモニウムイオン(NH )及びTSNA等の夾雑成分の混入を抑制しながらも、香喫味成分を十分に抽出することができる。すなわち、簡易な装置によって香喫味成分を抽出することができる。
実施形態では、たばこ原料50に含まれる不揮発性成分が捕集溶媒に移行せずに、120℃程度で揮発する成分のみを捕集溶媒に捕集できるため、捕集溶媒によって捕集される成分を電子シガレットのエアロゾル源として用いると効果的である。これによって、電子シガレットにおいてアンモニウムイオンやアセトアルデヒド、ピリジンといった揮発性夾雑成分の増大を抑制しながらたばこ香味を含むエアロゾルをユーザに送達することができ、さらにエアロゾル源を加熱するヒータの焦げ等を抑制することができる。なお、ここでの「電子シガレット」という用語は、液体のエアロゾル源及びエアロゾル源を加熱霧化するための電気ヒータを具備し、ユーザへエアロゾルを送達するための非燃焼型香味吸引器又はエアロゾル吸引器(例えば、特許第5196673号記載のエアロゾル吸引器や特許第5385418号記載のエアロゾル電子たばこ等)を指す。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、ステップS20で香喫味成分を放出した後のたばこ原料50(たばこ原料残渣)に対して、ステップS30でたばこ原料50から放出された香喫味成分と接触することによってたばこ原料50の香喫味成分を含むことになった捕集溶媒(すなわち、捕集溶液)を添加してもよい(掛け戻し処理)。このような掛け戻し処理を行うことによって、爽雑成分(アンモニウムイオンやTSNA等)をさらに除去することができ、香喫味成分の損失を抑制したたばこ原料を製造することができる。掛け戻し処理において、たばこ原料残渣に添加される捕集溶液は中和されてもよい。掛け戻し処理において、たばこ原料残渣に捕集溶液を添加した後に、香喫味成分を含むたばこ原料残渣を中和してもよい。なお、掛け戻し処理において、たばこ原料残渣に捕集溶液を掛け戻した後のたばこ原料に含まれる香喫味成分量(ここでは、ニコチン成分)は、香喫味成分を放出する前のたばこ原料に含まれる香喫味成分量(ここでは、ニコチン成分)以下となることに留意すべきである。
さらには、上述した掛け戻し処理を行う前において、ステップS20で香喫味成分を放出した後のたばこ原料50(たばこ原料残渣)を洗浄溶媒によって洗浄してもよい。なお、洗浄溶媒として、水性溶媒を挙げることができ、その具体例としては、純水や超純水でもよく、市水を挙げることができる。これによって、たばこ原料残渣に残存する夾雑物質が除去される。従って、上述した掛け戻し処理を行う場合において、爽雑成分(アンモニウムイオンやTSNA等)をさらに除去することができ、香喫昧成分の損失を抑制したたばこ原料を製造することができる。
[実験結果]
(第1実験)
第1実験では、図5に示すサンプル(サンプルA〜サンプルD)を準備して、以下の条件下において、捕集溶液のpH及び捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン(NH )を測定した。
乾燥状態において、サンプルA〜サンプルDのニコチン含有量(Nic.量)及びアンモニウムイオンの含有量(NH 量)は、図5に示す通りである。なお、サンプルAの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量は、いずれも殆どゼロ(検出限界未満)であり、サンプルBの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量の合計は、9.37重量%であり、サンプルCの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量の合計は、18.81重量%であり、サンプルDの糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)の含有量は、0.02重量%である。また、捕集溶液のpHの測定結果は、図6に示す通りであり、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン(NH )の測定結果は、図7に示す通りである。図6及び図7において、処理時間は、たばこ原料の加熱処理(S20)を開始してから経過した時間である。処理時間は、香喫味成分(以下においては、ニコチン成分)の捕集処理(S30)を開始してから経過した時間であると考えてもよい。
−実験条件−
・たばこ原料の量:500g
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・アルカリ処理後のたばこ原料の初期水分量:39%±2%
・捕集溶媒の種類:グリセリン
・捕集溶媒の温度:20℃
・捕集溶媒の量:61g
・バブリング処理(通気処理及び捕集処理)時の通気流量:15L/min
なお、バブリング処理(通気処理)で用いる気体は、約20℃、約60%−RHの大気である。
サンプルA及びサンプルDについては、図6に示すように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在することが確認された。図7に示すように、安定区間が開始するタイミング(例えば、処理時間=40min)において、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン(NH )の濃度が十分に低減されていることが確認された。
これに対して、サンプルBについては、図6に示すように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少する区間が存在しないことが確認された。サンプルCについては、図6に示すように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが断続的に低減し、上述した安定区間が存在しないことが確認された。
なお、安定区間とは、上述したように、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲(例えば、単位時間当たりの平均変動量が±0.01/分)内に収まる区間であって、かつ、当該区間における捕集溶液のpHの変動幅が所定範囲(例えば、当該区間が開始した時点におけるpHと、後述する第2条件を満たした時点におけるpHとの差が±0.2)内に収まる区間である。
ここで、加熱処理及び捕集処理によって、たばこ原料に含まれる糖類(フルクトース・グルコース・サッカロース・マルトース・イノシトール)が減少し、揮発性の有機酸(酢酸・ギ酸)が増加することが確認された。また、揮発性有機酸の増加量は、サンプルC>サンプルB>サンプルD>サンプルAであり、たばこ原料に含まれる糖類の含有量が高いサンプルほど揮発性有機酸の増加量が大きいことが確認された。これは、糖の分解によって酸性物質が生成され、捕集溶液に移行するためであると考えられる。言い換えると、サンプルA及びサンプルDのように、たばこ原料に含まれる糖類の含有量が低いバーレー種のたばこ原料、詳細には、たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計が9.0重量%以下であるたばこ原料を用いることによって、捕集溶液中のアンモニウムイオン濃度が十分に低減されたことを示すpHの安定区間を明瞭に見極めることができることが確認された。また、アンモニウムイオン(NH )の濃度が高いバーレー種のたばこ原料を敢えて用いることによって、pHの減少を伴うプロファイルの見極めが容易である。さらには、アンモニウムイオン(NH )の低減処理によって、アンモニウムイオン(NH )と同様の放出・回収の挙動を示す揮発性夾雑成分(具体的には、アセトアルデヒド、ピリジン)も同時に低減されるため、揮発性夾雑成分(具体的には、アセトアルデヒド、ピリジン)の除去が容易である。
このような実験結果から、サンプルA及びサンプルDのように、捕集溶液のpHのプロファイルにおいて、捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、処理時間が安定区間の開始タイミングを超えると、アンモニウムイオン(NH )の濃度が十分に低減されていることが確認された。すなわち、第1条件は、処理時間が安定区間の開始タイミングに達するという条件であることが好ましいことが確認された。
(第2実験)
第2実験では、バーレー種のたばこ原料のサンプル(上述したサンプルA及びサンプルD)を準備して、以下の条件下において、乾燥状態におけるたばこ原料に含まれるアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の残存量(以下、たばこ原料中ニコチン濃度)、捕集溶液に含まれるアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の回収率(以下、ニコチン回収率)、捕集溶液に含まれるTSNAの濃度(以下、捕集溶液TSNA濃度)を測定した。
サンプルAのたばこ原料中ニコチン濃度及びニコチン回収率の測定結果は、図8に示す通りであり、サンプルDのたばこ原料中ニコチン濃度及びニコチン回収率の測定結果は、図9に示す通りである。また、サンプルAの捕集溶液に含まれるTSNAの濃度の測定結果は、図10に示す通りであり、サンプルDの捕集溶液に含まれるTSNAの濃度の測定結果は、図11に示す通りである。たばこ原料中ニコチン濃度は、乾燥状態において、たばこ原料の重量が100重量%である場合における重量%で示されている。ニコチン回収率は、乾燥状態においてたばこ原料に含まれるニコチン成分の初期重量に対する比率で示されている。捕集溶液に含まれるTSNAの濃度は、捕集溶液が100重量%である場合における重量%で示されている。図8〜図11において、処理時間は、たばこ原料の加熱処理(S20)を開始してから経過した時間である。処理時間は、ニコチン成分の捕集処理(S30)を開始してから経過した時間であると考えてもよい。
なお、TSNAとして4−(Methylnitrosamino)−1−(3−pyridyl)−1−butanone(以下、NNK)、N′−Nitrosonornicotine(以下、NNN)、N′−Nitrosoanatabine(以下、NAT)及びN′−Nitrosoanabasine(以下、NAB)の4種類について、これらの濃度を測定した。
−実験条件−
・たばこ原料の量:500g
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・アルカリ処理後のたばこ原料の初期水分量:39%±2%
・捕集溶媒の種類:グリセリン
・捕集溶媒の温度:20℃
・捕集溶媒の量:60g
・バブリング処理(通気処理及び捕集処理)時の通気流量:15L/min
なお、バブリング処理(通気処理)で用いる気体は、約20℃、約60%−RHの大気である。
第1に、サンプルAについては、図8に示すように、たばこ原料中ニコチン濃度のプロファイルにおいて、たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量は断続的に減少する。図10に示すように、捕集溶液TSNA濃度のプロファイルにおいて、NNKは変化しないが、NNN、NAT及びNABは、一定期間が経過した後に増大することが確認された。
詳細には、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するタイミング(本実験結果では、300分)に処理時間が達すると、たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量の減少速度(すなわち、たばこ原料からニコチン成分が揮発する速度)が低下しており、ニコチン成分の回収率の上昇が見込めないことが確認された。また、たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するタイミング(本実験結果では、180分)を処理時間が超えると、捕集溶液中のNABが緩やかに増大することが確認された。さらに、たばこ原料中ニコチン濃度が0.6重量%に達するタイミング(本実験結果では、120分)を処理時間が超えると、捕集溶液中のNNN及びNATが著しく増大することが確認された。
第2に、サンプルDについては、図9に示すように、たばこ原料中ニコチン濃度のプロファイルにおいて、たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量は断続的に減少する。図11に示すように、捕集溶液TSNA濃度のプロファイルにおいて、NNKは変化しないが、NNN、NAT及びNABは、一定期間が経過した後に増大することが確認された。
詳細には、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するタイミング(本実験結果では、300分)に処理時間が達すると、たばこ原料に含まれるニコチン成分の残存量の減少速度(すなわち、たばこ原料からニコチン成分が揮発する速度)が低下しており、ニコチン成分の回収率の上昇が見込めないことが確認された。また、たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するタイミング(本実験結果では、180分)よりも後のタイミング(本実験結果では、240分)を処理時間が超えると、捕集溶液中のNABが緩やかに増大することが確認された。さらに、たばこ原料中ニコチン濃度が0.7重量%に達するタイミング(本実験結果では、40分)を処理時間が超えると、捕集溶液中のNNN及びNATの増大が開始することが確認された。
このような実験結果から、第1に、サンプルA及びサンプルDの双方について、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することが好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.3重量%に達するまで減少するという条件であることが好ましいことが確認された。
第2に、サンプルA及びサンプルDの双方について、たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することがさらに好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.4重量%に達するまで減少するという条件であることがさらに好ましいことが確認された。
第3に、サンプルAについては、たばこ原料中ニコチン濃度が0.6重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することがさらに好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.6重量%に達するまで減少するという条件であることがさらに好ましいことが確認された。
第4に、サンプルDについては、たばこ原料中ニコチン濃度が0.7重量%に達するタイミングよりも前に、加熱処理(S20)及び捕集処理(S30)を終了することがさらに好ましいことが確認された。すなわち、第2条件は、たばこ原料中ニコチン濃度が0.7重量%に達するまで減少するという条件であることがさらに好ましいことが確認された。なお、このような第2条件を設定すれば、サンプルAにおいても、捕集溶液中のNNN及びNATが増大することがないことに留意すべきである。
(第3実験)
第3実験では、サンプルP〜サンプルQを準備して、以下の条件下において、捕集溶液のpH及び捕集溶液に含まれるアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の濃度を測定した。サンプルPは、捕集溶媒としてグリセリンを用いたサンプルである。サンプルQは、捕集溶媒として水を用いたサンプルである。サンプルRは、捕集溶媒としてエタノールを用いたサンプルである。捕集溶液のpHの測定結果は、図12に示す通りである。捕集溶液に含まれるニコチン成分の濃度の測定結果は、図13に示す通りである。図12及び図13において、処理時間は、たばこ原料の加熱処理(S20)を開始してから経過した時間である。処理時間は、ニコチン成分の捕集処理(S30)を開始してから経過した時間であると考えてもよい。
−実験条件−
・たばこ原料の量:500g
・たばこ原料の種類;バーレー種
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・捕集溶媒の温度:20℃
・捕集溶媒の量:60g
・バブリング処理(通気処理及び捕集処理)時の通気流量:15L/min
なお、バブリング処理(通気処理)で用いる気体は、約20℃、約60%−RHの大気である。
図12に示すように、グリセリン、水又はエタノールを捕集溶媒として用いる場合には、安定区間における捕集溶液のpHの絶対値が異なっているが、捕集溶液のpHのプロファイルとしては、各捕集溶媒の有意差は見られなかった。同様に、図13に示すように、グリセリン、水又はエタノールを捕集溶媒として用いる場合には、捕集溶液に含まれるニコチン成分の濃度の有意差は見られなかった。
このような実験結果から、グリセリン、水又はエタノールを捕集溶媒として用いることができることが確認された。
(第4実験)
第4実験では、以下の条件下において、捕集溶媒の温度を変更することによって、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオン及びピリジンの重量を測定した。捕集溶液に含まれるアンモニウムイオンの重量は、図14に示す通りである。捕集溶液に含まれるピリジンの重量は、図15に示す通りである。
−実験条件−
・たばこ原料の量:500g
・たばこ原料の種類;バーレー種
・たばこ原料の加熱温度:120℃
・アルカリ処理後のたばこ原料のpH:9.6
・捕集溶媒の種類:グリセリン
・捕集溶媒の量:60g
第1に、図14に示すように、捕集溶媒の温度が10℃以上である場合に、アンモニウムイオンが効率的に除去することができることが確認された。一方で、捕集溶媒の温度を制御しなかった場合であっても、アンモニウムイオンを効率的に除去することができることが確認された。なお、捕集溶液からのアルカロイド(ここでは、ニコチン成分)の揮散は、捕集溶媒の温度が40℃以下であれば抑制される。このような観点から、捕集溶媒の温度を10℃以上40℃以下とすることで、捕集溶液からのニコチン成分の揮散を抑制しつつ、アンモニウムイオンを捕集溶液から効率的に除去することができる。
第2に、図15に示すように、捕集溶媒の温度が10℃以上である場合に、ピリジンが効率的に除去することができることが確認された。一方で、捕集溶媒の温度を制御しなかった場合であっても、ピリジンを効率的に除去することができることが確認された。なお、捕集溶液からのニコチン成分の揮散は、捕集溶媒の温度が40℃以下であれば抑制される。このような観点から、捕集溶媒の温度を10℃以上40℃以下とすることで、捕集溶液からのニコチン成分の揮散を抑制しつつ、ピリジンを捕集溶液から効率的に除去することができる。
なお、捕集溶媒の温度とは、捕集溶媒を収容する容器の温度を制御するチラー(恒温槽)の設定温度である。本実験条件においては、捕集溶媒の温度は、チラーに容器をセットして温度制御を開始してから約60分で収束することに留意すべきである。
[測定方法]
(捕集溶液のpHの測定方法)
捕集溶液を22℃の室温でコントロールされた実験室内で、室温になるまで密閉容器内で放置して温度調和した。調和後、ふたを開けて、pHメーター(METTLER TOLEDO社製:セブンイージーS20)のガラス電極を捕集溶液に浸して測定を開始した。pHメーターは、あらかじめpH4.01、6.87、9.21のpHメーター校正液にて校正した。センサーからの出力変動が5秒間で0.1mV以内に安定した点を、その捕集溶液のpHとした。
(捕集溶液に含まれるNH の測定方法)
捕集溶液を50μL採取し、0.05Nの希硫酸水溶液950μLを添加することで希釈し、イオンクロマトグラフィーで分析し、捕集溶液に含まれるアンモニウムイオンを定量した。
(たばこ原料に含まれるニコチン成分の測定方法)
ドイツ標準化機構DIN 10373に準ずる方法で行った。すなわち、たばこ原料を250mg採取し、11%水酸化ナトリウム水溶液7.5mLとヘキサン10mLを加え、60分間振とう抽出した。抽出後、上澄みであるヘキサン相をガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)に供し、たばこ原料に含まれるニコチン重量を定量した。
(たばこ原料に含まれる水分量の測定方法)
たばこ原料を250mg採取し、エタノール10mLを加え、60分間振とう抽出を行った。抽出後、抽出液を0.45μmのメンブレンフィルタでろ過し、熱伝導度検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC/TCD)に供し、たばこ原料に含まれる水分量を定量した。
なお、乾燥状態におけるたばこ原料の重量は、上述した水分量をたばこ原料の総重量から差し引くことによって算出される。
(捕集溶液に含まれるTSNAの測定方法)
捕集溶液を0.5mL採取し、0.1Mの酢酸アンモニウム水溶液9.5mLを添加することで希釈し、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS/MS)にて分析し、捕集溶液に含まれるTSNAを定量した。
(GC分析条件)
たばこ原料に含まれるニコチン成分及び水分量の測定で用いるGC分析の条件は、以下の表に示す通りである。
Figure 0006101859
(捕集溶液に含まれるピリジンの測定方法)
捕集溶液を1mL採取し、メタノール19mLを添加することで希釈し、希釈した溶液をガスクロマトグラフ質量分析計に供し、捕集溶液に含まれるピリジン量を定量した。
なお、日本国特許出願第2014−035429号(2014年2月26日出願)の全内容が、参照により、本願に組み込まれている。
実施形態によれば、簡易な装置によって香喫味成分(例えば、ニコチン成分を含むアルカロイド)を抽出する香喫味成分の抽出方法及び嗜好品の構成要素の製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. たばこ原料から香喫味成分を抽出する香喫味成分の抽出方法であって、
    アルカリ処理が施されたたばこ原料を加熱する工程Aと、
    第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで、前記工程Aで気相中に放出される放出成分を常温の捕集溶媒に接触させる工程Bとを備え、
    前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下であり、
    前記第1条件は、前記工程Aを開始してから経過する時間軸上において、前記捕集溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程Aを開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件であり、
    前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記香喫味成分の指標であるニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることであることを特徴とする抽出方法。
  2. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.4重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
  3. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.6重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
  4. 前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.7重量%に達するまで減少する条件であることを特徴とする請求項1に記載の抽出方法。
  5. 前記工程Aにおいて、前記たばこ原料に対して加水処理を施すことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の抽出方法。
  6. 前記たばこ原料は、バーレー種のたばこ原料であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の抽出方法。
  7. 嗜好品の構成要素の製造方法であって、
    アルカリ処理が施されたたばこ原料を加熱する工程Aと、
    第1条件が満たされてから第2条件が満たされるまでのいずれかのタイミングまで、前記工程Aで気相中に放出される放出成分を常温の捕集溶媒に接触させて、捕集溶液を得る工程Bと、
    前記捕集溶液を前記構成要素に添加する工程Cとを備え、
    前記たばこ原料に含まれる糖類の含有量の合計は、乾燥状態において、前記たばこ原料の総重量が100重量%である場合に、9.0重量%以下であり、
    前記第1条件は、前記工程Aを開始してから経過する時間軸上において、前記捕集溶媒及び前記放出成分を含む捕集溶液のpHが極大値から0.2以上減少した後において、前記捕集溶液のpHの変動量が所定範囲内に収まる安定区間が存在する場合に、前記工程Aを開始してから経過する時間が前記安定区間の開始タイミングに達する条件であり、
    前記第2条件は、乾燥状態において、前記たばこ原料の重量が100重量%である場合に、前記たばこ原料に含まれる前記ニコチン成分の残存量が0.3重量%に達するまで減少する条件であることであることを特徴とする製造方法。
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