JPWO2015108142A1 - 海老肉代替物及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし昨今、東南アジアなどの養殖場で海老の伝染病が大流行するなどの不可避的な事情から、海老の入荷数量が減ってしまい、その需給バランスの乖離により、輸入冷凍海老の価格が高騰してしまうことがある。
このような状況下で、海老肉が使用された加工食品の市場において、海老肉とは別の原料が使用されている、海老肉特有の食感を持つ海老肉代替物の需要が、今後高まっていくものと考えられる。
このように、従来の技術では、加熱した海老肉の本来の良い食感を再現したような海老肉様食品はを得られていなかった。
かかる実情に鑑み、本発明は、海老肉が使用される加工食品の中に、海老肉の代替原料として使用することができる、食感が加熱した海老肉に近似した、海老肉代替物を提供することを課題とするものである。
そこで本発明者は、さらに種々検討を行った結果、組織化原料として植物性蛋白原料と共に卵黄やレシチンを添加して押出成型機で組織化することを試みた。そして本発明者は、これにより得られた組織状蛋白素材の含水状態での食感が、加熱した海老肉独特の食感に非常に近いことを見出した。すなわち本発明者は、該組織状蛋白素材を主体として構成される物が目的の海老肉代替物として使用できる知見を得た。本発明はかかる知見に基づき完成されるに到ったものである。
(1)組織状蛋白素材を主体として構成されており、該組織状蛋白素材は植物性蛋白質、および、卵黄もしくはレシチンが少なくとも組織化されたものであることを特徴とする、海老肉代替物、
(2)該植物性蛋白質が、大豆蛋白質,えんどう豆蛋白質又は菜種蛋白質である、前記(1)記載の海老肉代替物、
(3)該海老肉代替物のサイズが粒径として0.3〜3cmである、前記(1)又は(2)記載の海老肉代替物、
(4)該海老肉代替物の組織の空隙中に、加熱凝固体がさらに含まれる、前記(1)〜(3)の何れか1項に記載の海老肉代替物、
(5)該凝固体は、加熱凝固性原料が加熱凝固されたものである、前記(4)記載の海老肉代替物、
(6)前記(1)〜(5)の何れか1項に記載の海老肉代替物が含まれる、食品、
(7)該海老肉代替物のサイズが粒径として0.3〜3cmであり、かつ該食品が、該海老肉代替物と他の食品材料が混合され加熱処理されて得られる、前記(6)記載の食品、
(8)少なくとも植物性蛋白原料,卵黄もしくはレシチン及び水を組織化原料とし、該原料を押出成型機に供給し、混練および加圧加熱を行い、押出成型機の出口に設置されたダイより該混練物を常圧下に押出すことにより組織化し、これを成形して得られることを特徴とする、海老肉代替物の製造法、
(9)全組織化原料の乾燥重量中における、該卵黄又はレシチンの割合が、0.5〜10重量%である、前記(8)記載の製造法、
(10)該植物性蛋白原料が、大豆,えんどう豆及び菜種からなる群より選択される1種以上に由来する蛋白素材である、前記(8)又は(9)記載の製造法、
(11)該蛋白素材が、脱脂粕,濃縮蛋白,抽出蛋白及び分離蛋白からなる群より選択される1種以上である、前記(10)記載の製造法、
(12)該植物性蛋白原料が、大豆由来であり、かつ、脱脂粕,濃縮蛋白,抽出蛋白及び分離蛋白からなる群より選択される1種以上である、前記(8)又は(9)記載の製造法、
(13)全組織化原料の乾燥重量中における、植物性蛋白原料の割合が、50重量%以上である、前記(8)〜(12)の何れか1項に記載の製造法、
(14)全組織化原料の乾燥重量中における、該卵黄又はレシチンの割合が、0.5〜10重量%であり、かつ、植物性蛋白原料の割合が、50重量%以上である、前記(8),(10)〜(12)の何れか1項に記載の製造法。
本発明の海老肉代替物は、まず組織状蛋白素材を主体として構成されていることを特徴とする。ここで「主体」とは、海老肉代替物の組織を構成する主体であることを意味する。言い換えれば、本発明の海老肉代替物は、組織状蛋白素材が構造体となっている。組織状蛋白素材は、一般に植物性蛋白質が少なくとも組織化されたものである。具体的には、組織状蛋白素材は、脱脂大豆や分離大豆蛋白などの植物性蛋白原料と水を少なくとも含む組織化原料を均一に加圧加熱下に混練し、常圧下に押出すことにより、組織化原料の混練物の組織を膨化させて得られるものである。より具体的には組織状蛋白素材は以下のようにして得られるものである。まず一軸エクストルーダーや二軸エクストルーダーのような押出成型機に、組織化原料と水が供給される。次に、押出成型機の内部で、加圧加熱された条件下において、該原料が均一に混練される。次に、押出成型機の出口部分に装着されたダイから、該混練物が常圧下に押出されることにより、該混練物が組織化される。次に、該押出物は、カッターによる切断等により粒状等に成形され、必要によりその後乾燥されて、組織状蛋白素材が得られる。
上記組織状蛋白素材の製造において組織化原料として用いられる植物性蛋白原料は、植物性蛋白質を含有する原料である。例えば、大豆,えんどう豆,菜種(キャノーラ),綿実,落花生,ゴマ,サフラワー,向日葵,コーン,ベニバナ,ココナッツ等の油糧種子あるいは米,大麦,小麦等の穀物種子に由来する蛋白素材等が用いられる。すなわち、これら油糧種子や穀物種子に由来する、脱脂粕,濃縮蛋白,抽出蛋白,さらに該抽出蛋白を精製加工した分離蛋白などが、単独で又は併用されて用いられる。分離蛋白としては、米グルテリン,大麦プロラミン,小麦プロラミン,小麦グルテン,大豆グロブリン,落花生アルブミン等が例示される。また、これらの蛋白素材がさらに熱処理,酸処理,アルカリ処理,酵素処理等により加工された蛋白素材等も該原料として使用される。入手の容易性および経済性等の点では、大豆,えんどう豆及び菜種からなる群より選択される1種以上に由来する蛋白素材が、該植物性蛋白原料としてより好ましい。すなわち、該組織状蛋白素材に含まれる植物性蛋白質が、大豆蛋白質,えんどう豆蛋白質又は菜種蛋白質であるのが好ましい。
本発明における組織状蛋白素材は、組織化原料として卵黄又はレシチンが植物性蛋白質と共に組織化されたものである。このことは、加熱した海老肉様の食感を再現する上で重要な要件となる。
卵黄としては、液卵黄,凍結卵黄,乾燥卵黄,酵素処理卵黄などを特に限定なく使用できる。
またもう1つの選択肢であるレシチンとしては、卵黄,大豆,菜種,穀類等に由来する各種レシチンを限定なく使用することができる。もし卵アレルギーが懸念される場合には、卵黄以外に由来するレシチンを使用すればよい。また、レシチンは酵素処理されたリゾレシチンであってもよい。また、レシチンとしては、該レシチンを比較的多量に含有するレシチン含有物を用いてもよい。なお本発明では、卵黄とレシチンが併用されうることは無論である。
卵黄又はレシチンが必須に含まれた状態で組織化原料が組織化されることにより、適度に組織化物の膨化が抑制されるためか、得られる組織化物は、水戻しした後の食感がシャキシャキとした噛み切れの良い食感(言い換えれば、例えば咀嚼した際に口の中で音が鳴るような食感)となる。
ここで卵黄又はレシチンは、全組織化原料の乾燥重量中0.5〜10重量%、好ましくは0.7〜5重量%含有することにより、得られる組織化物はより海老肉に近い良好な食感に調整されることができる。ただし、この記載が製造者の嗜好の差により上記範囲が適宜変更されることを阻害するものではない。
なお、前記の植物性蛋白原料には、その種類によっては脱脂大豆などのようにレシチンが元来含まれている場合があるが、その量は微量なものである。本発明においては、該植物性蛋白原料に加えて、レシチンが組織化原料中に添加されることが必要である。
本発明における組織状蛋白素材を製造するための組織化原料としては、上記必須原料の他に油脂を用いることもできる。また、植物性蛋白原料として脱脂していない圧扁大豆を併用する場合は、該大豆に含まれる油脂を該油脂として利用することができる。添加する油脂としては、大豆油,菜種油,ヒマワリ油,ベニバナ油,コーン油,米糠油,ゴマ油,パーム油,パーム核油,ヤシ油,カカオバターなどの植物油脂;魚油,鯨油,乳脂,牛脂,豚脂などの動物油脂;およびこれらを分別油,硬化油,エステル交換油などを用いることができる。
添加する油脂の量は特に限定されないが、全組織化原料の乾燥重量に対して通常0.01〜6重量%が適当である。また粉末油脂のように油脂を水中油型エマルジョンとして添加する場合には、より多く含ませることができ、全組織化原料の乾燥重量に対して0.1〜12重量%が適当である。
その他、該組織化原料には、カゼイン等の植物性蛋白素材以外の蛋白素材や、澱粉,多糖類,ミネラル,食物繊維,ゲル化剤,その他の公知の添加物を併用することもできる。また後述するような副原料を予め組織化原料に添加しておいてもよい。
加圧加熱は、一軸押出成型機や二軸押出成型機などの公知の押出成型機(エクストルーダー)を用い、公知の方法に従って行うことができる。二軸以上の軸を有する押出成型機は、混練が強く安定的に組織化原料を組織化することができるため、より好ましい。
該押出成型機は、原料供給口と、バレル内のスクリューによる原料送り,混練,加圧(圧縮),加熱が可能な機構を有し、先端バレルに装着したダイを有する装置を用いることが好ましい。
上記押出成型機の先端の出口に設置されるダイは、押出成型機のスクリュー送り方向に押し出すダイでも、送り方向の外周方向に押し出す、いわゆるペリフェラルダイなどのいずれも用いることができる。
本発明においては、直径が1〜10mm程度の円形の孔を有するものが好ましい。直径の長さは求める海老肉様の組織化物の大きさによって任意に変更できる。
植物性蛋白素材や卵黄などの組織化原料を、押出成型機に供給する際に、組織化原料の1つとして水を加える。本発明の製造方法では、押出成型機に供給される原料全体の水分が10〜60重量%、好ましくは15〜55重量%となるように加水することができる。
上記の組織化原料を該押出成型機の中で加圧加熱下に均一に混練し、該混練物をダイより押し出すための組織化条件は、公知の条件に基づいて適宜選択および調整できる。非限定的な例を示すと、加熱条件は先端バレル温度120〜220℃が好ましく、140〜200℃がさらに好ましい。加圧条件はバレル先端のダイ圧力が1〜100kg/cm2が好ましく、3〜60kg/cm2がさらに適当である。
本発明において、ダイから押し出された組織化物は、そのまま組織状蛋白素材とすることができるが、流通時の保存性を考慮して予め乾燥しておくことができる。成形および乾燥する際の乾燥条件は、公知の条件に基づいて適宜選択および調整できる。非限定的な例を示すと、流動層乾燥機などを用い、60〜100℃の熱風に該組織状蛋白素材を10〜60分間当てることなどによって乾燥させることができる。また、乾燥後に得られる組織状蛋白素材の水分は、常温で長期保存を可能にする観点から、15重量%以下が好ましく、1〜12重量%がさらに好ましく、2〜10重量%がさらに適当である。
海老肉代替物のサイズは成形条件を調整して適当なサイズに適宜調整することができる。通常は粒径として0.3〜3cmとすることができる。
本発明の海老肉代替物であって乾燥タイプを使用する場合、予め水で膨潤させて使用することができる。この場合、水は醤油,ダシ,スープ,みりん,酢,料理酒,塩等の調味料や、糖類などの甘味料や、胡椒などの香辛料や、海老様の色合いにするための色素等の各種副原料を含むものであってもよい。該副原料は味付け、風味付けやコク味付け、あるいは海老の風合いを出す目的などに使用される原料全般を意味する。また、該副原料は、製造時の組織化原料として添加されてもよく、これによってもともと該副原料を含む海老肉代替物とすることができる。
例えば、上記の水又は調味料を含む水に、さらに卵白等の加熱凝固性原料を混合して海老肉代替物の組織の空隙中に吸収させ、該加熱凝固性原料が加熱凝固されることにより、該組織状蛋白素材と該加熱凝固体との複合的な食感が与えられる。具体的には、シャキシャキとした噛み切れの良い食感に、さらにプリプリとした弾力のある食感が加えられ、より海老肉様の食感に近似した海老肉代替物を得ることができる。
植物性蛋白原料である脱脂大豆粉(乾燥重量中の蛋白質含量:50.6%)98部、卵黄粉末(太陽化学(株)製)2部および水を組織化原料として準備した。以下の押出成型条件にて、二軸エクストルーダーに該組織化原料を供給して混練および加熱加圧を行った。そして該エクストルーダーの出口に設置されたスリット状のダイより該混練物を常圧下に押出し、組織化させた。なお水の量は、組織化時の全原料中の水分が30%となるように調整した。
該組織化物は、長さ15mm程度となるように、該ダイから押し出された直後にカッターで切断することにより、成形した。次いで熱風乾燥機にて、該成形物の水分が8%となるように熱風で乾燥を行い、組織状蛋白素材T1を得た。
・ダイ :φ3mm×1穴
・粉体原料流量 :30kg/時
・スクリュー回転数 :200rpm
・バレル温度 :入口側:80℃,中央部:120℃,出口側:150℃
実施例1において、植物性蛋白原料である脱脂大豆粉を粉末状分離大豆蛋白「フジプロR」(不二製油(株)製、乾燥重量中の蛋白質含量85.5%)に変更する以外は同様の条件にして、組織状蛋白素材T2を製造した。
試験例1において、卵黄粉末の配合量を2部から0部,0.2部,0.3部,10部又は12部のそれぞれ5種類に変更し、他は同様の条件にして、組織状蛋白素材T3〜T7をそれぞれ製造した。
試験例1において、卵黄粉末を大豆レシチン粉末「SLP−ホワイト」(辻製油(株)製)に変更し、大豆レシチン粉末の配合量を0.2部,0.3部,2部,10部又は12部のそれぞれ5種類に変更し、他は同様の条件にして、組織状蛋白素材T8〜T12をそれぞれ製造した。
実施例1において、卵黄粉末を大豆油又はカゼインナトリウムの2種類に変更し、他は同様の条件にして、組織状蛋白素材T13,T14をそれぞれ製造した。
実施例1、試験例1〜4で製造された各組織状蛋白素材T1〜T14を試料とし、社内の嗜好パネラー5名に依頼して、食感を評価項目として官能評価を行った。
各組織状蛋白素材を10倍量の水で80℃、10分間湯戻しした後、1分間湯切りを行ったものを口に入れ咀嚼してもらい、評点法を用いて評価をしてもらった。
1点:スポンジ感が強い、又は、硬すぎる
2点:ややスポンジ感がある、又は、やや硬い
3点:加熱した海老肉様の食感を少し感じる
4点:加熱した海老肉様の食感を十分感じる
5点:加熱した海老肉様の食感を強く感じる
の5段階で評価してもらい、5名の平均値を求めた。そして各平均値について、
A(4.5点以上) B(3.5点以上4.5点未満)
C(2.5点以上3.5点未満) D(1.5点以上2.5点未満)
E(1.5点未満)
の5段階で評価付けを行い、「C」評価以上に評価された試料を合格とした。なお、ここで「加熱した海老肉様の食感」とは、シャキシャキとした噛み切れの良い海老肉様の食感をいう。
○試験例1の評価
組織化原料として植物性蛋白原料である「分離大豆蛋白」を使用したT2は、加熱した海老肉様の食感を強く有しており、スポンジ感を感じない適度な硬さを有し、かつ風味も良好であり、海老肉代替物として用いるのに優れた品質を有していた。
組織化原料として植物性蛋白原料である「脱脂大豆」を使用したT1は、T2と同様にスポンジ感を感じず、風味も良好であり、T2と比べると硬い食感であったものの、加熱した海老肉様の食感を有しており、海老肉代替物として用いるのに適した品質を有していた。
組織化原料として卵黄の代わりにレシチンを使用したT10は、T2と同等の良好な品質を有していた。なお、T10とは別に、卵黄とレシチンを1部ずつ併用して同様に組織化した組織状蛋白素材も製造した(T10−2)ところ、これもT2と同等の良好な品質を有していた。
組織化原料として卵黄もレシチンも使用しないT3は、風味は悪くなかったものの、畜肉代替原料として用いられる柔らかいスポンジ感を強く感じた。そのため、加熱した海老肉様の食感とは言い難いものであり、海老肉代替物としては不適な品質を有していた。
T4,T5,T8,T9の結果より、卵黄やレシチンの配合量が少なくなるにつれて海老肉様の食感が弱くなり、代わりにスポンジ感が増して海老肉様の食感から離れてくる傾向にあった。
一方、T6,T7,T11,T12の結果より、卵黄やレシチンの配合量が多くなるに連れて、スポンジ感がなく、よりしっかりとしたシャキシャキ感が出る傾向となったが、逆に食感が硬くなり、海老肉様の食感から離れてくる傾向にあった。
組織化原料として卵黄の代わりに大豆油やカゼインナトリウムを使用したT13,T14は、何れも海老肉様の食感に欠け、むしろスポンジ感を感じるものであり、無添加のT3と同様に海老肉代替物としては不適な品質を有していた。
実施例1で得られた組織状蛋白素材(T1)を約20倍の熱湯に入れて水戻しした。ザルで湯をきり、吸水した組織状蛋白素材を準備した。
次に、該素材100部に副原料として卵白粉(加熱凝固性原料)7部、海老パウダー1部、グリシン1部、MSG1部、食塩1部をふりかけ、該素材の組織の空隙中にこれらが十分に吸収されるまでもみ込んだ。これをナイロン袋に入れて密封したものを沸騰水で5分間加熱し、これにより該素材の組織の空隙中に吸収された卵白を凝固させた。
得られた素材は、該組織の空隙中に加熱凝固体がさらに含まれる複合的な構成であり、風味は海老肉の風味に近く、シャキシャキとした食感を有することに加え、さらにプリプリとした加熱した海老肉のような歯応えのある食感を有しており、海老肉代替物として用いるのに優れた品質を有していた。
実施例1および試験例1で得られた組織状蛋白素材(T1,T2)を海老肉代替物としてそれぞれ水戻しした。白身魚のすり身200部に、塩とコショウを少々、及び海老パウダーを少々添加して味付けし、次に該海老肉代替物100部を入れ、混ぜ合わせた。得られた生地を成形し、表面に小麦粉、卵、パン粉を付けて油で揚げることにより、海老肉入りの様なカツレツを調製した。
得られたカツレツは、食すると加熱した海老肉様の独特のシャキシャキとした食感を感じることができた。以上より、T1,T2の組織状蛋白素材は海老肉代替物として十分に活用できるものであった。したがって実施例2の海老肉代替物を用いればさらに良好な食感の海老カツ食品を調製することができる。
Claims (14)
- 組織状蛋白素材を主体として構成されており、該組織状蛋白素材は植物性蛋白質、および、卵黄もしくはレシチンが少なくとも組織化されたものであることを特徴とする、海老肉代替物。
- 該植物性蛋白質が、大豆蛋白質,えんどう豆蛋白質又は菜種蛋白質である、請求項1記載の海老肉代替物。
- 該海老肉代替物のサイズが粒径として0.3〜3cmである、請求項1記載の海老肉代替物。
- 該海老肉代替物の組織の空隙中に、加熱凝固体がさらに含まれる、請求項1記載の海老肉代替物。
- 該凝固体は、加熱凝固性原料が加熱凝固されたものである、請求項4記載の海老肉代替物。
- 請求項1記載の海老肉代替物が含まれる、食品。
- 該海老肉代替物のサイズが粒径として0.3〜3cmであり、かつ該食品が、該海老肉代替物と他の食品材料が混合され加熱処理されて得られる、請求項6記載の食品。
- 少なくとも植物性蛋白原料,卵黄もしくはレシチン及び水を組織化原料とし、該原料を押出成型機に供給し、混練および加圧加熱を行い、押出成型機の出口に設置されたダイより該混練物を常圧下に押出すことにより組織化し、これを成形して得られることを特徴とする、海老肉代替物の製造法。
- 全組織化原料の乾燥重量中における、該卵黄又はレシチンの割合が、0.5〜10重量%である、請求項8記載の製造法。
- 該植物性蛋白原料が、大豆,えんどう豆及び菜種からなる群より選択される1種以上に由来する蛋白素材である、請求項8記載の製造法。
- 該蛋白素材が、脱脂粕,濃縮蛋白,抽出蛋白及び分離蛋白からなる群より選択される1種以上である、請求項10記載の製造法。
- 該植物性蛋白原料が、大豆由来であり、かつ、脱脂粕,濃縮蛋白,抽出蛋白及び分離蛋白からなる群より選択される1種以上である、請求項8記載の製造法。
- 全組織化原料の乾燥重量中における、植物性蛋白原料の割合が、50重量%以上である、請求項8記載の製造法。
- 全組織化原料の乾燥重量中における、該卵黄又はレシチンの割合が、0.5〜10重量%であり、かつ、植物性蛋白原料の割合が、50重量%以上である、請求項8記載の製造法。
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