JP2024038525A - 植物ベースの組織状基材、及びこの基材を加工したレプリカ肉を含む製品 - Google Patents

植物ベースの組織状基材、及びこの基材を加工したレプリカ肉を含む製品 Download PDF

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Abstract

Figure 2024038525000001
【課題】不快臭が抑制された植物ベース繊維状基材、及びこの基材を加工したレプリカ肉を含む製品を提供すること。
【解決手段】植物ベースの組織状基材は、植物タンパク質を含む繊維状構造と、合計含有量が25mg/基材乾燥重量g以下のリノール酸及びリノレン酸と、0.5mg/基材乾燥重量gml以上のリン脂質と、520mg/基材乾燥重量g以下のタンパク質と、を含む。基材は、0.7×10Pa以上以上の応力を有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物ベースの組織状基材、及びこの基材を加工したレプリカ肉を含む製品に関する。
植物ベースの組織状基材は、代替肉等として汎用されている。従来の基材は、大豆種子又はその搾油粕をエクストルージョンしてなるものが一般的である。
ここで、大豆種子を用いる場合、エクストルージョン過程で種子から油が分離し、エクストルーダを空回りさせて繊維化を阻害する結果、肉に近似した食感の基材を実現し難い。このため、繊維化を促すべく多量の精製タンパク質の添加が技術常識である(例えば、特許文献1参照)。しかし、大豆種子から分離した油による不快臭の問題は解消しない。
一方、搾油粕を用いる場合、搾油粕自体が不快臭を既にまとうのみならず、油含量が過少のためにエクストルーダ内部で焦げ付き等の事象を生じやすい。そこで、バレル内への植物油の添加が技術常識であるが、この添加油によって不快臭が更に増大し得る。
特許6495990号公報
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、不快臭が抑制された植物ベース組織状基材、及びこの基材を加工したレプリカ肉を含む製品の提供を目的とする。
本発明者らは、エクストルージョンでの繊維化を阻害し且つ不快臭を与える油は、種子の細胞質に存在する遊離した脂肪酸である一方、細胞膜を構成するリン脂質はそのような不具合を生じにくいとの仮説に基づき、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1) 植物ベースの組織状基材であって、
植物タンパク質を含む繊維状構造と、
合計含有量が25mg/基材乾燥重量g以下のリノール酸及びリノレン酸と、
0.5mg/基材乾燥重量g以上のリン脂質と、
520mg/基材乾燥重量g以下のタンパク質と、を含む基材。
(2) 0.7×10Pa以上の応力を有する(1)記載の基材。
(3) アミノ酸の含有量が800μg/基材乾燥重量g以上である(1)又は(2)記載の基材。
(4) 発芽大豆種子を原料として用いてなる(1)~(3)いずれか記載の基材。
(5) 大豆以外の発芽豆類種子をさらに原料として用い、膨化した(4)記載の基材。
(6) (1)~(5)いずれか記載の基材を加工したレプリカ肉を含む製品。
本発明によれば、不快臭が抑制された植物ベース繊維状基材、及びこの基材を加工したレプリカ肉を含む製品を提供することができる。
本発明の実施例に係る基材の応力プロファイルを示す図である。 本発明の実施例及び比較例に係る基材の応力プロファイルを示す図である。 本発明の実施例及び比較例に係る基材の応力プロファイルを示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
<組織状基材>
実施形態に係る植物ベースの組織状基材は、植物タンパク質を含む繊維状構造を有するにもかかわらず、タンパク質含有量や、リノール酸及びリノレン酸の合計含有量が、いずれも過大でない。これは、相応量のリン脂質が含まれる植物材料を用いたことで、エクストルージョン過程で過剰の油分離を生じない一方、焦げ付きを抑制することができ、これによりエクストルージョンが十分に行われ、繊維化が円滑になされるためである。
また、リノール酸及びリノレン酸は、植物特有の臭いを呈するのみならず、酸化されるとヘキサナールやカプロン酸といった不快臭へと変換される。しかし、実施形態では、これらの合計含有量が過大でないため、異風味及び不快臭を抑制することもできる。
実施形態において、リノール酸及びリノレン酸の合計含有量は、25mg/基材乾燥重量g以下であり、不快臭を抑制しかつ十分に発達した繊維状構造を形成しやすい観点で、好ましくは20mg/基材乾燥重量g以下、17.5mg/基材乾燥重量g以下、又は16mg/基材乾燥重量g以下である。
上記合計含有量は、特に限定されないが、リン脂質量との兼ね合いでエクストルージョン過程での焦げ付きを抑制しやすい観点で、3mg/基材乾燥重量g以上、6mg/基材乾燥重量g以上、又は10mg/基材乾燥重量g以上であってよい。
各実施形態において、基材乾燥重量は下の方法で求められる。
粉砕サンプルを試料容器に8割程度アプライし、校正済みのポータブル水分活性測定装置「LabSwift-aw」(novasiza社)の「Slow mode」にて測定する。このとき、水分活性はAW0.6に調整する。
実施形態において、リン脂質の含有量は、ステアロ・オレオ・レシチンとして、0.5mg/基材乾燥重量g以上であり、リノール酸及びリノレン酸の合計含有量との兼ね合いでエクストルージョン過程での焦げ付きを抑制しやすい観点で、好ましくは1.0mg/基材乾燥重量g以上、2.0mg/基材乾燥重量g以上、又は3.0mg/基材乾燥重量g以上である。
上記量は、特に限定されず、10mg/基材乾燥重量g以下、7.5mg/基材乾燥重量g以下、又は5mg/基材乾燥重量g以下であってよい。
実施形態において、基材は、上記要件を満たしたうえで、脂質合計量が75~200mg/基材乾燥重量g(具体的には100~150mg/基材乾燥重量g)であってよい。これにより、エクストルージョン過程での焦げ付きを抑制しやすく、かつ、バランスの良い官能性を与えやすい。
本発明において、基材中のリノール酸、リノレン酸の含有量は、次の方法で求める。検体にクロロホルム:メタノール溶液(2:1混合比)を加え、脂質を抽出する。抽出液を乾燥させて総脂質を調製する。総脂質をクロロホルムで定容し、これに内部標準を加えて、再度乾固させる。乾燥させた検体を5%HCl-メタノール溶液に溶解させ、加温することで、脂肪酸メチルエステルを生成させる。脂肪酸メチルエステルを、5%HCl-メタノール溶液とヘキサンによる分液により、ヘキサン層へ移行させる。最終的に、このヘキサン層をガスクロマトグラフィーに供することで、脂肪酸組成をピーク面積から算出する。
基材中のリン脂質の含有量は、次の方法で求める。検体にクロロホルム:メタノール溶液(2:1混合比)を加え、脂質を抽出する。抽出液を乾燥させて総脂質を調製する。抽出した脂質を灰化させ、モリブデン酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムを加える。最終的に、この溶液の青色を比色することによりリン脂質の量を求める。
基材中の全脂質の含有量は、ジエチルエーテルを用いたソックスレー抽出法にて求める。
実施形態において、タンパク質の含有量は、520mg/基材乾燥重量g以下であり、十分な繊維状構造を形成するために必要以上のタンパク質添加材を使わない観点で、好ましくは360mg/基材乾燥重量以下である。これらの含有量は、繊維状構造を形成するためには530mg/基材乾燥重量以上のタンパク質が必要という技術常識に鑑みて、予想外に低い。
上記量は、特に限定されず、リノール酸及びリノレン酸の合計含有量との兼ね合いで十分な繊維状構造を有しやすい観点で、360mg/基材乾燥重量以上であってよい。
実施形態において、繊維状構造は、スポンジ状または繊維状であってよい。このような基材は、弾力が強く、応力が0.7×10Pa以上であることが好ましい。これにより、組織性を与えて適度にばらけず、例えば、食品または動物飼料として使う場合、肉に近似した感覚で調理及び食事を楽しんだり、咀嚼中に肉に近似した食感を与えたりすることができる。また、魚餌として使う場合、水中で細粒化しづらいため、効率的に摂取させやすい。基材の応力は、より好ましくは、1.0×10Pa以上、1.2×10Pa以上、又は1.5×10Pa以上である。
一方、最終用途で要求される性能や、実現するためのタンパク質、リン脂質、リノール酸、リノレン酸の含有量との兼ね合いで、基材の応力は、特に限定されないが、3.0×10Pa以下、又は2.0×10Pa以下であってよい。
本発明において、基材の応力は次の方法で求める。「RHEONERII CREEP METER RE2-33005B」(山電社製)を用い、プランジャーL50mm×φ16mm、測定歪率50%、測定速度5[mm/sec]に設定した弾力試験を行い、得られる応力プロファイルにおける最初2つのピークの平均値を基材の応力とする。
実施形態において、アミノ酸の含有量は、500μg/基材乾燥重量g以上であることが好ましい。前述のように本発明の基材は異風味及び不快臭が抑制された植物ベース繊維状基材であることから、旨味を与えるアミノ酸を適当量含むことで、全体として肉等に近似した官能性を与えることができる。上記量は、より好ましくは、600mg/ml以上、700mg/ml以上、又は800mg/ml以上である。
また、本発明の基材は異風味及び不快臭が抑制された植物ベース繊維状基材であることから、過剰量のアミノ酸によるマスキングや官能性向上の必要性がない。この観点で、上記量は、特に限定されないが、2000μg/基材乾燥重量g以下、1500μg/基材乾燥重量g以下、又は1200μg/基材乾燥重量g以下、であってよい。
これに対し、従来の基材は、繊維状構造を有しない及び/又は不快臭を有するため、上記量のアミノ酸を含んだとしても、全体として不自然な官能性になりやすい。
アミノ酸のうち、呈味に関する遊離アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、グリシン、スレオニンの総量は、300~750μg/g(具体的には400μg/g以上、又は500μg/g以上)程度であってよい。これにより、上記の優れた食感や風味等の官能性と相まって、格別に優れた呈味の製品を提供することができる。
本発明において、基材中のアミノ酸の含有量は、UHPLCを用いたプレカラム誘導体化法によって測定される。詳細には、下の通りである。
使用機器:高速液体クロマトグラフ(UHPLC)、株式会社島津製作所製
検出器:蛍光検出器
カラム:「Inertil ODS-4 HP 3μm」(100mmL.×3.0mmI.D.)、GL Sciences社製
カラム温度:35℃
溶出バッファーの組成:15mmol/L りん酸二水素カリウム、5mmol/L りん酸水素二カリウム、水/アセトニトリル/メタノール=15/45/40(V/V/V)
流量:0~1.5min 9.5%、1.5~6.0min 30%、6.0~11.0min 40%、11.0~16.0min 100%
流量:0.8ml/min
実施形態において、基材は、発芽大豆種子を原料として用いてなることが好ましい。発芽処理の過程で、種子の細胞質に存在する遊離した脂肪酸であるリノール酸及びリノレン酸が、細胞膜を構成するリン脂質へと変換され得る。また、発芽処理の過程で、大豆種子に含まれる豊富なタンパク質の量が大きく減少しない一方、アミノ酸の量が増加することが判明している。したがって、発芽大豆種子を原料とすることで、過剰な添加剤に依存しなくても、上記実施形態に係る基材を製造することができる。
なお、大豆種子への発芽処理は、例えば特開2008-125515号公報、特開2016-101139号公報に開示される方法で行うことができる。具体的には、植物種子を、400ppm以上の二酸化炭素濃度及び/又は19容量%以下の酸素濃度の雰囲気条件で保持し、その植物種子を発芽温度範囲で数時間(例えば2時間以上)にわたって保持すればよい。
ただし、これらの方法に限定されず、適宜の発芽処理を利用してよい。必要に応じて、リノール酸及びリノレン酸を除去する処理や、タンパク質やアミノ酸を高含有する材料の添加を組み合わせてもよい。
実施形態において、基材は上記要件を満たしたうえで、糖質合計量が5質量%~50質量%であってよい。前述のように本発明の基材は異風味及び不快臭が抑制された植物ベース繊維状基材であることから、甘味や粘性を与える糖質を適当量含むことで、全体として肉等に近似した官能性を与えることができ、また、過剰量の糖質によるマスキングや官能性向上の必要性がない。
これに対し、従来の基材は、繊維状構造を有しない及び/又は不快臭を有するため、上記量の糖質を含んだとしても、全体として不自然な官能性になりやすい。
実施形態において、基材は、大豆以外の発芽豆類種子をさらに原料として用い、膨化したものであってよい。大豆以外の発芽豆類種子はデンプンを含むため、水分を含みながら高温のエクストルーダから放出された基材材料は、急激に膨張した後、膨化構造を形成する。また、デンプンや非発芽豆類種子等に比べて、発芽豆類種子は、ホールフーズでありかつ栄養バランスに優れるため、本実施形態の基材は、膨化構造による官能性を有しつつ、栄養バランスに優れる点で有利である。なお、後者の利点にこだわらず、非発芽豆類種子やデンプン(例えば、トウモロコシデンプン等の穀物デンプン)をさらに原料として用い、あるいは、これらのデンプン高含有原料を用いず(例えば発芽大豆種子のみを用いる)、膨化した基材も本発明に包含される。
大豆以外の豆類種子としては、特に限定されないが、エンドウ豆、菜種、綿実、落花生、ゴマ、サフラワー、向日葵、コーン、ベニバナ、ココナッツ等の油糧種子が挙げられる。このうち、エンドウ豆は、発芽処理による性能コントロールが容易である点で好ましい。
膨化の程度は、基材に求められる官能性や物性に応じて適宜設定されてよく、デンプン含有量及びエクストルーダ温度によって調整可能である(いずれも高くなるにつれ、膨化の程度が上がる)。特に限定されないが、嵩比重が100g/リットル以上250g/リットル以下であってよい。特に限定されないが、160g/リットル以下(具体的には125g/リットル以下、又は110g/リットル以下)の嵩比重の基材は、製造容易の観点で、大豆以外の発芽豆類種子もしくは非発芽豆類種子、又はデンプン(例えば、トウモロコシデンプン等の穀物デンプン)を用いることが好ましい。なお、膨化していない基材(デンプンを僅少量以下しか含まない)も本発明に包含される。
実施形態において、基材の水分含有量は、5~33%であってよい。
実施形態において、基材は、種々の添加剤、調味料等を適宜含んでよい。
基材の形状は、特に限定されず、不定形、粒状、フレーク状(扁平状)、塊状、シート状、ひも状等であってよい。それらはエクストルーダ出口の口金の形状または大きさ、エクストルージョン後の加工によって成形される。
(基材の作成方法)
基材は、原料をエクストルーダ(押出成形機)を用いて加圧加熱処理し、スクリューの先端側に位置するダイから常圧雰囲気へと押し出すことで作成する。必要に応じ、押出物を切断したり、乾燥したりしてもよい。実施形態において、エクストルージョン時の圧力は1気圧以上、温度は190℃以上であってよい。このような加圧加熱条件下においても、実施形態の原料はリン脂質を相応量で含むために焦げ付きを抑制し、また、リノール酸及びリノレン酸の量が過大でないために不快臭を抑制しつつ、エクストルーダを空回りさせることによる繊維状構造の形成阻害を起こしにくい。また、膨化した基材を作成したい場合にも、このような加圧加熱条件であれば容易に実現可能である。
実施形態において、エクストルージョン時の圧力は1気圧超20気圧以下、温度は290℃以下(具体的には230℃以下)であってよい。この程度の加圧加熱条件であれば、種子からのリン脂質の分離がほぼ起こらず、十分に発達した繊維状構造を形成しやすい。また、この加圧加熱条件の近傍(具体的には、10~20気圧、200~230℃)であれば、高度に膨化した基材を作成しやすい。
上記エクストルージョンが行われる直前の原料は、水分含有量15~30質量%であると、安全でありかつ適度に膨化しやすい点で好ましい。水分含有量の調整方法としては、植物種子によりも水分含有量が相対的に低い材料(例えば、大豆等の植物種子全粒粉、大豆等の植物精製タンパク質、トウモロコシ等の植物デンプン)を植物種子に混ぜることが一般的である。
あるいは、1気圧以下(つまり非加圧)、100℃以下での予備エクストルージョンによって余剰水分を蒸発させた後に、上記エクストルージョンを行ってもよい。更に別の方法として、水分含有量30質量%以上(具体的には50~70質量%)の植物種子(例えば、発芽大豆種子等の発芽植物種子)をエクストルーダに投入するが、エクストルーダを、バレル内の上流から下流に向けて圧力及び温度が増えるように設定し(具体的には、1気圧以下かつ100℃以下の上流ゾーンと、1気圧超20気圧以下かつ100℃超290℃以下の下流ゾーンとを備える)、高圧高温領域に至る前でバレル内水蒸気を放出してもよい。これらの方法は、添加剤に過剰に依存しないため、植物種子の持つ栄養バランスを損ないにくい点で好ましい。
エクストルーダとしては、一軸押出又は二軸押出のいずれであってよい。二軸押出の場合、逆方向回転又は同方向回転のいずれであってもよい。また、エクストルーダ内の圧力及び温度は、全領域に亘って均一であってもよく、領域間で異ならせてもよい。
(製品)
実施形態において、製品は、前述した基材を加工してなる。基材の乾燥状態次第で、必要に応じて水戻し、決着材添加、加熱調理等を行ってもよい。
用途は、特に限定されず、例えば、肉様食品(人間用、ペット動物用)、家畜動物飼料、魚餌が挙げられる。
肉用食品は、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、兎肉、ワニ肉等の動物肉様、マグロ肉、サバ肉、サケ等の魚肉様、ハム、ソーセージ、ベーコン等の加工肉等のレプリカ肉を含んでよい。レプリカ肉の形態は、例えば、ミンチ肉状、一枚肉状、すり身、フリーズドライ等であってよい。また、製品は、レプリカ肉のみであってもよいし、レプリカ肉を別の材料と併用(混ぜたり、包んだり、挟んだり)してもよい。典型的には、ハンバーグ、ステーキ等の炒め物、ナゲット、唐揚げ、カツレツ等の揚げ物、パティ、ミートボール等の練り物、シュウマイ、餃子、饅頭等の包み物、ハンバーガー、ホットドッグ、アメリカンドッグ等のハサミ物等が挙げられる。
レプリカ肉は、本発明の基材のみからなってもよいし、他の材料(典型的には、動物肉、魚肉、調味料)を更に含んでもよい。動物肉や魚肉を含む場合、これらの天然肉と基材との混合比は、特に限定されず、例えば5:95~95:5(重量比)であってよい。本発明の基材は、天然肉と近似した官能性を有するため、任意の混合比で天然肉と混合しても全体として違和感のない官能性を提供できる。
併用可能な調味料としては、特に限定されないが、卵白等の結着材、水、油脂類、調味料等の生地の骨格を構成する材料の他、人参、ごぼう、ごま、タマネギ等の野菜類や、ワカメ、ひじき等の海藻類等の固形具材が挙げられる。
ただし、植物臭や不快臭を抑制したり、肉感を付与したりする目的で従来使用されてきた添加剤は、本発明では使用してもよいし、使用しなくてもよい。このような添加剤としては、例えば、0.3~1重量%の重曹、耐熱性粒状ゲル(植物性タンパク質を含む)、0.5重量%以上の還元糖(グルコース、スクロース、フルクトース等)等が挙げられる。
実施形態の家畜動物飼料は、十分量のタンパク質を含有するために栄養価に優れ、また繊維状構造によって適度な肉感を有する。本発明の基材に、例えば米、玄米、ライ麦、小麦、大麦、トウモロコシ、マイロ等の穀類;ふすま、脱脂米ぬか等のそうこう類;コーングルテンミール、コーンジャームミール、コーングルテンフィード、コーンスチープリカー等の製造粕類、大豆油粕、菜種油粕、あまに油粕、ヤシ油粕等の植物性油粕類;大豆油脂、粉末精製牛脂、動物性油脂等の油脂類;硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム等の無機塩類;リジン、メチオニン等のアミノ酸類;ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD3、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸、塩化コリン等のビタミン類;魚粉、脱脂粉乳、乾燥ホエー等、生草;乾草等を使用することができる。
実施形態の魚餌は、十分量のタンパク質を含有するために栄養価に優れ、また繊維状構造によって水中で過度にばらけず摂取効率に優れる。本発明の基材の他に、例えば魚粉、肉粉、骨肉、ホワイトフィッシュミール、オキアミミール、イカミール、フェザーミール、油粕類、穀類、糠類、CMC,アルギン酸ナトリウム,グアーガム等の多糖類、製造粕類、澱粉、小麦粉、米粉、米ぬか、脱脂米ぬか、ふすま、ビタミン類としてビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、イノシトール、パラアミノ安息香酸、ミネラル類として、リン、カルシウム、カリウム、ナトリウム等、油脂として魚油、フィードオイル、植物油等、その他としてタウリン等を使用することができる。これらの添加剤は実質的に植物由来からなることが好ましく、実施形態の魚餌は、本発明の基材を含むことで、植物由来添加剤との併用であっても十分な栄養価、摂取効率を呈する点で好ましい。
以下の例において、各成分の含有量及び応力の測定は、前述の方法に従って行った。
(大豆種子)
基材の主原料として用いる大豆種子として、一般大豆種子に対して、特開2008-125515号公報に開示される技術に基づいて16時間又は48時間に亘って発芽処理を施した発芽大豆種子2種類(16時間処理物がA、48時間処理物がB)と、発芽処理を施す前の大豆種子(未発芽大豆種子という)を用いた。発芽大豆種子及び未発芽大豆種子の脂肪酸組成を表1に、リン脂質含有量を表2に示す。なお、種子の脂質全量は、いずれも20~23質量%であった。
Figure 2024038525000002
Figure 2024038525000003
(実施例)
発芽大豆種子A及びBを1気圧に設定したエクストルーダに投入し、押し出すことで水分量を約20質量%に調整した。この押出物を2軸同方向回転エクストルーダ(加圧及び加熱)に投入し、孔径4mmのダイから押し出すことで、組織状基材が得られた。これらの基材は、油まみれでなく、リノール酸及びリノレン酸、並びにそれらの酸化物に特有の異臭もなかった。また、タンパク質含有量は、約350mg/基材乾燥重量g及び約370mg/基材乾燥重量gであった。
(比較例1)
未発芽大豆種子を用いた点を除き、実施例と同様の条件を採用した。1回目のエクストルーダからの押出物が油まみれであり、2回目のエクストルーダからの押出物は、繊維状構造を有さず、組織状基材ではなかった。
(比較例2)
未発芽大豆種子に大豆精製タンパク質を大量に混合した点を除き、比較例1と同様の条件を採用した。2回目のエクストルーダからの押出物は、繊維状構造を有する組織状基材であったものの、油まみれで、リノール酸及びリノレン酸、並びにそれらの酸化物に特有の異臭を放っていた。また、タンパク質含有量は、約530mg/基材乾燥重量gであった。
(比較例3)
大豆種子を搾油した後の一般的な脱脂大豆2種類(A、B)の各々を、実施例で用いた2軸同方向回転エクストルーダ(加圧及び加熱)に投入し、孔径4mmのダイから押し出すことで、組織状基材が得られた。しかし、この基材はいずれも、リノール酸及びリノレン酸、並びにそれらの酸化物に特有の異臭を放っていた。
実施例(発芽大豆種子A由来の基材)及び比較例3で得た組織状基材について、脂肪酸組成を表3に、リン脂質含有量を表4に示す。
Figure 2024038525000004
脱脂大豆基材A及びBは、その油脂全量が乾燥基材に対して1.5質量%、1.3質量%であったことから、リノール酸及びリノレン酸の合計含有量は0.71mg/基材乾燥重量g、0.69mg/基材乾燥重量gと計算できる。
一方、発芽大豆基材は、その油脂全量が乾燥基材に対して14.0%質量%であったことから、リノール酸及びリノレン酸の合計含有量は0.36mg/基材乾燥重量と計算できる。
Figure 2024038525000005
実施例(発芽大豆種子A由来の基材)の遊離アミノ酸総量は約960μg/乾燥基材重量g、呈味アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、グリシン、スレオニン)の総量は約545μg/乾燥基材重量gであった。
一方、比較例2の遊離アミノ酸総量は約416μg/乾燥基材重量g、呈味アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、グリシン、スレオニン)の総量は約229μg/乾燥基材重量gであった。
次に、各基材、及び、市販の鶏肉ロースト品及び鶏肉ボイル品について、レオメータによる弾力試験を行った。応力プロファイルを図1~3に示す。このプロファイルに基づいて算出される応力は、実施例の基材(図1~3の「組織状基材」)が約1.5×10Pa、比較例3の基材(図2の「ベンチマーク」)が約0.4×10Pa、比較例2の基材(図3の「未処理基材」)が約0.15×10Paであった。
図1~3に示されるように、実施例の組織状基材のみが、鶏肉ロースト品及び鶏肉ボイル品と同様の応力プロファイル(絶対値と、初回ピークから2回目ピークへの若干の応力減少について)を示した。
(性能評価)
各基材を水が飽和状態になるまで水戻しした後のレプリカ肉について、異風味、不快臭、食感、呈味の観点で、モニターによる評価を行った。この結果を表5に示す。
Figure 2024038525000006

Claims (6)

  1. 植物ベースの組織状基材であって、
    植物タンパク質を含む繊維状構造と、
    合計含有量が25mg/基材乾燥重量g以下のリノール酸及びリノレン酸と、
    0.5mg/基材乾燥重量g以上のリン脂質と、
    520mg/基材乾燥重量g以下のタンパク質と、を含む基材。
  2. 0.7×10Pa以上の応力を有する請求項1記載の基材。
  3. アミノ酸の含有量が800μg/基材乾燥重量g以上である請求項1又は2記載の基材。
  4. 発芽大豆種子を原料として用いてなる請求項1~3いずれか記載の基材。
  5. 大豆以外の発芽豆類種子をさらに原料として用い、膨化した請求項4記載の基材。
  6. 請求項1~5いずれか記載の基材を加工したレプリカ肉を含む製品。

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