JPWO2015064380A1 - 細胞または組織のガラス化凍結保存用治具 - Google Patents

細胞または組織のガラス化凍結保存用治具 Download PDF

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Abstract

細胞または組織のガラス化凍結作業を容易にかつ確実に行うことが可能な、ガラス化凍結保存用治具を提供する。本発明の細胞または組織のガラス化凍結保存用治具は、屈折率が1.45以下の素材を用いて形成された多孔質構造体をガラス化液吸収体として有する。

Description

本発明は、生物の細胞または組織などを凍結保存する際に使用するガラス化凍結保存用治具に関する。
生物の細胞または組織の優れた保存技術は、様々な産業分野で求められている。例えば、牛の胚移植技術に用いられる胚は、受胚牛の発情周期に合わせて移植が行われており、発情周期に胚の移植を合わせるために、胚を凍結保存し、発情周期に合わせて胚を融解して移植することが行われている。また、ヒトの不妊治療においては、母体から卵子または卵巣を採取後、移植に適したタイミングに合わせるために凍結保存しておき、移植時に融解して用いることがなされている。
一般に、生体内から採取された細胞または組織は、たとえ培養液の中であっても、次第に活性が失われていくことから、生体外での細胞または組織の長期間の培養は好ましくない。そのため、生体活性を損なわずに長期間保存する技術が重要である。優れた保存技術によって、採取された細胞または組織をより正確に分析することが可能になる。また優れた保存技術によって、より高い生体活性を保ったまま移植に用いることが可能となり、移植後の生着率が向上することが望める。さらには、生体外で培養した培養皮膚や生体外で構築したいわゆる細胞シートのような移植のための人工の組織を、順次生産して保存しておき、必要な時に使用することも可能となり、医療の面だけではなく、産業面においても広く求められている技術である。
細胞または組織の保存方法として、例えば緩慢凍結法が知られている。この方法では、まず、リン酸緩衝生理食塩水等の生理的溶液に耐凍剤を含有させることで得られた保存液に、細胞または組織を浸漬する。該耐凍剤としては、グリセロール、エチレングリコール等の化合物が用いられる。該保存液に、細胞または組織を浸漬後、比較的遅い冷却速度(例えば0.3〜0.5℃/分の速度)で、−30〜−35℃まで冷却することにより、細胞内外または組織内外の溶液が十分に冷却され、粘性が高くなる。このような状態で、該保存液中の細胞または組織をさらに液体窒素の温度(−196℃)まで冷却すると、細胞内または組織内とその外の周囲の微少溶液がいずれも非結晶のまま固体となるガラス化が起こる。ガラス化により、細胞内外または組織内外が固化すると、実質的に分子の動きがなくなるので、ガラス化された細胞または組織を液体窒素中に保存することで、半永久的に保存できると考えられる。
しかしながら、前記緩慢凍結法では、比較的遅い冷却速度で冷却する必要があるために、凍結保存のための操作に時間を要する。また、温度制御をするための装置または治具を必要とする問題がある。加えて、前記緩慢凍結法では、細胞外または組織外の保存液中に氷晶が形成されるので、細胞または組織が該氷晶により物理的に損害を受けるおそれがある。
前記緩慢凍結法での問題点を解決するための方法として、ガラス化保存法が提案されている。ガラス化保存法とは、グリセロールやエチレングリコール、DMSO(ジメチルスルホキシド)などの耐凍剤を多量に含む水溶液の凝固点降下により、氷点下でも氷晶ができにくくなる原理を用いたものである。この水溶液を急速に液体窒素中で冷却させると氷晶を生じさせないまま固体化させることができる。このように固体化することをガラス化凍結という。また、耐凍剤を多量に含む水溶液をガラス化液という。
前記ガラス化保存法の具体的な操作としては、ガラス化液に細胞または組織を浸漬させ、その後、液体窒素の温度(−196℃)で冷却する。このような簡便かつ迅速な工程であるために、凍結保存のための操作に時間を必要としない他、温度制御をするための装置または治具を必要としない。
ガラス化保存法を用いると、細胞内外の何れにも氷晶が生じないために凍結時及び融解時の細胞への物理的障害(凍害)を回避することができるが、ガラス化液に含まれる高濃度の耐凍剤には化学的毒性があり、細胞または組織の凍結保存時にはガラス化液が必要以上に多くないことが好ましい。また、細胞または組織がガラス化液に暴露される時間つまりは凍結までの時間が短時間であることが好ましい。さらには、解凍後ただちにガラス化液を希釈する必要がある。
これらガラス化保存法を用いた細胞または組織の凍結保存については、様々な方法で、様々な種類の細胞または組織を用いた例が示されている。例えば、特許文献1では、動物またはヒトの生殖細胞または体細胞へのガラス化保存法の適用が凍結保存、融解後の生存率の点で、極めて有用であることが示されている。
ガラス化保存法は、主にヒトの生殖細胞を用いて発展してきた技術であるが、最近では、iPS細胞やES細胞への応用も広く検討されている。また、非特許文献1では、ショウジョウバエの胚の保存にガラス化保存法が有効であったことが示されている。さらに、特許文献2あるいは非特許文献2では、植物培養細胞や組織の保存において、ガラス化保存法が有効であることが示されている。このように、ガラス化保存法は広く様々な種の細胞や組織で有用であることが知られている。
ガラス化保存法をより効率的に行うための治具や操作方法としては、特許文献3などでは、ストローにガラス化液を充満させた中で卵子または胚をガラス化凍結保存させ、解凍時に素早く希釈液と接触させて再生率を向上させる試みがなされている。
特許文献4では、卵子または胚をガラス化液と共にガラス化保存液除去材の上に載せ、下部から吸引することで卵子または胚の周囲に付着した余分なガラス化液を除き、優れた生存率で凍結保存させる方法が提案されている。なお、ガラス化保存液除去材としては、金網、紙などの天然物や合成樹脂からなるフィルム状物で貫通孔を有したものが記載されている。
特許文献5では卵子または胚の周囲に付着した余分なガラス化液を濾紙などの吸収体により吸収させることにより、優れた生存率で凍結保存させる方法が提案されている。
特許文献6、特許文献7では、人の不妊治療分野で使用されているいわゆるクライオトップ法と云う方法で、卵付着保持用ストリップとして短冊状の可撓性かつ無色透明なフィルムを使用し、該フィルム上に極少量のガラス化液と共に卵子または胚を顕微鏡下で付着させ、凍結保存する方法が提案されている。
特許第3044323号公報 特開2008−5846号公報 特開平10−248860号公報 国際公開第2011/070973号パンフレット 特開2005−40073号公報 特開2002−315573号公報 特開2006−271395号公報
Steponkus et al.,Nature 345:170−172(1990) 酒井昭,低温生物工学会誌 42:61−68(1996)
特許文献3で提案されている方法は、ストロー中にガラス化液を充満させることから、凍結までの時間が長い問題がある。また、凍結保存できる細胞または組織の大きさはストローの内径に制限されるため、細胞シートのようなシート形状の組織を保存することは困難である。
特許文献4で提案されている方法は、卵子又は胚の周囲に付着した余分なガラス化液を除くことにより、優れた生存率でこれらの生殖細胞を凍結保存させる方法を提案している。しかしながら、特許文献4記載の方法では、余分なガラス化液を除く際に、下部からの吸引操作を必要とするため、煩雑な操作となり、短時間でガラス化凍結保存操作を行う場合には不向きである。さらには、下部からの吸引が不十分であると余分なガラス化液が残存する問題がある。
特許文献5では、卵子又は胚の周囲に付着した余分なガラス化液を濾紙などの吸収体に吸収させることにより、優れた生存性でこれらの生殖細胞を凍結保存させる方法を提案している。しかしながら、クライオトップ法により、例えばガラス化保存法を人の卵子又は胚に適用する場合には、特に卵子又は胚の吸収体への付着確認作業の正確性が高い精度で求められるが、濾紙は全光線透過率が低く、一般的に用いられる透過型の光学顕微鏡下で吸収体上に付着した卵子又は胚を観察することは難しいため、確実に卵子又は胚の付着を確認することは極めて困難であった。また凍結保存後の融解作業時に、卵子又は胚を確実に吸収体上から採取することが難しいという問題もあった。
特許文献6、特許文献7で提案されている方法では、特許文献5に提案されている方法の不具合をある程度解決している。特許文献6、特許文献7に提案されている方法によって、操作性が良く、凍結保存スペースを占有しないコンパクトな卵凍結保存用具が提供される。この卵凍結保存用具は、顕微鏡下で人の卵子又は胚を観察できる可撓性かつ無色透明な平坦フィルム(卵付着保持用ストリップ)を備えており、該フィルム上に極少量(0.1μL)のガラス化液と共に卵子又は胚を滴下付着させることにより、卵子又は胚を凍結保存できる。しかし、これらフィルムの幅は通常0.5〜2mmであり、操作に熟練していないと極少量の卵子又は胚の入ったガラス化液を正確に滴下付着させるのは非常に難しい。実際には新人培養士の多くが卵子又は胚の凍結操作でまずつまずくのが、極少量の液で卵子又は胚をシートへ乗せる操作である。更にガラス化液を多く滴下した場合、余分なガラス化液が卵子又は胚の周囲に残り、ガラス化液自体の毒性のために、卵子又は胚の生存性を低下させるおそれがある。そのため、これらの操作の難しさや煩雑さを解消する方法が求められている。
本発明は、細胞または組織の凍結保存作業を容易にかつ確実に行うことが可能なガラス化凍結保存用治具を提供することを主な課題とする。より具体的には、細胞または組織をガラス化液に浸漬し、細胞または組織と共にガラス化液をガラス化液吸収体上に滴下する時に、余分なガラス化液を吸収するための優れた吸収性能を備え、ガラス化液吸収体上の細胞または組織を、透過型の光学顕微鏡を用いて好適な視認性(付着確認性)で観察できるガラス化凍結保存用治具を提供することを課題とする。また本発明は、余分なガラス化液を吸収するための優れた吸収性能に加え、凍結保存後の融解操作時に、該ガラス化凍結保存用治具上に載せられた細胞または組織を好適な視認性で観察できるガラス化凍結保存用治具を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記した各種技術的な課題は、以下の構成を有する細胞または組織のガラス化凍結保存用治具で解決できることが判明した。
(1)屈折率が1.45以下の素材を用いて形成された多孔質構造体をガラス化液吸収体として有する細胞または組織のガラス化凍結保存用治具。
(2)上記(1)記載の多孔質構造体の細孔径が5.5μm以下である、細胞または組織のガラス化凍結保存用治具。
(3)上記(2)記載の多孔質構造体がフッ素樹脂多孔体である、細胞または組織のガラス化凍結保存用治具。
本発明により、ガラス化液に浸漬させた細胞または組織をガラス化液と共にガラス化液吸収体上に載せる際に、ガラス化液吸収体が細胞または組織の外周に付着した余分なガラス化液を吸収することから、余分なガラス化液を除くためのその他の操作(例えば、ガラス化液吸収体下部からの吸引除去操作や、マイクロピペット等を用いた細胞または組織周囲からの直接的な吸引除去操作)を特に必要とせずに、細胞または組織の凍結保存作業を容易かつ簡便に行うことが可能な、細胞または組織のガラス化凍結保存用治具を提供することができる。
また本発明の細胞または組織のガラス化凍結保存用治具は、細胞または組織を含むガラス化液をガラス化液吸収体上に滴下した際に、ガラス化液吸収体上の細胞または組織を光学顕微鏡下で容易に確認することができるため、本発明のガラス化凍結保存用治具を用いると、細胞または組織のガラス化凍結作業を容易かつ精度よく効率的に行うことができる。さらには本発明の細胞または組織のガラス化凍結保存用治具は、融解操作時に、該ガラス化凍結保存用治具上に載せられた細胞または組織を好適な視認性で観察できるため、本発明のガラス化凍結保存用治具を用いると、凍結した細胞または組織の融解作業を容易かつ精度よく効率的に行うことができる。
図1は、本発明の細胞または組織のガラス化凍結保存用治具の一例を示す斜視図である。 図2は、図1中のガラス化液吸収体の拡大図である。 図3は、複数個の細胞または組織を1つの当該ガラス化凍結保存用治具で凍結保存させる場合に用いるガラス化液吸収体の一例を示す概略斜視図である。 図4は、複数個の細胞または組織を1つの当該ガラス化凍結保存用治具で凍結保存させる場合に用いるガラス化液吸収体の別の一例を示す概略斜視図である。
以下に本発明の「細胞または組織のガラス化凍結保存用治具」を詳細に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。本発明の「細胞または組織のガラス化凍結保存用治具」は、屈折率が1.45以下の素材を用いて形成された多孔質構造体をガラス化液吸収体として有する。
本発明のガラス化凍結保存用治具は、生物の細胞または組織を凍結保存する際に用いられるものである。本明細書中で細胞とは、単一の細胞のみならず、複数の細胞からなる細胞集団を含むものである。複数の細胞からなる細胞集団とは単一の種類の細胞から構成される細胞集団でも良いし、複数の種類の細胞から構成される細胞集団でも良い。また、組織とは、単一の種類の細胞から構成される組織でも良いし、複数の種類の細胞から構成される組織でも良く、細胞以外に細胞外マトリックスのような非細胞性の物質を含むものでも良い。本発明のガラス化凍結保存用治具は、好ましくは、ガラス化液吸収体に細胞または組織をガラス化液と共に付着させて、細胞または組織が付着したガラス化液吸収体を液体窒素等の冷却物質に浸漬し凍結させるためのものである。上記ガラス化液吸収体を有することにより、細胞または組織をガラス化液と共に容易に保持することができ、さらには細胞または組織の液体窒素への浸漬作業も容易に行うことができる。本発明のガラス化凍結保存用治具は、細胞または組織凍結保存用具、細胞または組織ガラス化保存用具と言い換えることができる。
本発明のガラス化凍結保存用治具は、ガラス化液吸収体が余分なガラス化液を吸収するので、ガラス化液に浸漬させた細胞または組織を、ガラス化液と共にガラス化液吸収体上に滴下付着させる際に、細胞または組織に付着したガラス化液の量が多くても細胞または組織の極めて高い生存率が達成できる。さらに、そのように操作された細胞または組織はごく少量のガラス化液に覆われており、凍結操作する場合でも速やかに凍結状態にすることができる。さらには凍結保存した細胞または組織を解凍後ただちにガラス化液を希釈することができる。
本発明のガラス化凍結保存用治具は、ガラス化液を吸収するガラス化液吸収体を少なくとも有するガラス化凍結保存用治具であって、該ガラス化液吸収体が、屈折率が1.45以下の素材を用いて形成された多孔質構造体であることを特徴とする。ガラス化液吸収体上の細胞または組織を顕微鏡下で容易に確認するとの観点から、該素材の屈折率を1.39以下とすることは好ましく、また該素材の屈折率は1.30以上であることが好ましい。なお、ガラス化液吸収体として機能する多孔質構造体の素材の屈折率は、例えば、アッベ屈折計(Na光源、波長:589nm)を用いてJIS K0062、JIS K7142に準じて測定できる。また、本発明における多孔質構造体とは、表面に気孔(細孔)を有する構造体であり、好ましくは表面及び内部に連続的な気孔を有する構造体である。本発明のガラス化液吸収体は、支持体を設けずに、前記した多孔質構造体そのものをガラス化液吸収体として有していても良い。あるいは支持体上に前記した多孔質構造体をガラス化液吸収層として有するガラス化液吸収体であっても良い。支持体上にガラス化液吸収層を設ける場合には、支持体とガラス化液吸収層との間に、接着層を設けることができる。さらには、該ガラス化液吸収層と該接着層以外にも、例えば支持体上に均一な接着層を得ることを目的に、例えば下塗り層等を設けても良い。
本発明のガラス化凍結保存用治具は、細胞または組織を含むガラス化液がガラス化液吸収体上に滴下された時、多孔質構造体の表面の細孔を通してガラス化液がすみやかにガラス化液吸収体に吸収され、細胞または組織の周囲から余分なガラス化液を除くことができる。同時に、滴下・吸収されたガラス化液が多孔質構造体の気孔内部に充填された際、ガラス化液吸収体とガラス化液との屈折率差が小さいために(ガラス化液の屈折率は、一般に1.43〜1.33)、ガラス化液吸収体の透明性が上昇し、該ガラス化液吸収体上に付着した細胞または組織を透過型の光学顕微鏡下で容易に観察することができる。特に、凍結保存する細胞がヒトやマウスの卵子および/または胚である場合には、特許文献6や特許文献7のような方法ではガラス化液中の卵子を視認することは困難であるが、本発明のガラス化凍結保存用治具が有するガラス化液吸収体は余分なガラス化液を吸収するために、より容易に細胞を視認することが可能となる。
本発明のガラス化液吸収体の形態としては、例えば、延伸によって製造される多孔質膜である多孔質構造体、繊維からなる多孔質構造体、三次元のメッシュ格子構造を有した多孔質構造体、焼結微粒子等からなる多孔質構造体、相分離法により製造される多孔質膜である多孔質体などを好ましく用いることができる。
該多孔質構造体は、例えば、特公昭42−13560号公報に記載の「液状潤滑剤を含む未焼結の4フッ化エチレン樹脂混和物を押出もしくは圧延または両者を含む方法にて成形した後、未焼結状態にて少なくとも一方向に延伸した状態で約327℃以上に加熱することを特徴とする多孔性構造物の製造法。」、特開2010−94579号公報に記載の「ポリテトラフルオロエチレンを主体とするフッ素樹脂よりなる膜厚が50μm以下のフッ素樹脂薄膜を、延伸によって伸びる特性を有する支持体に固定した後、30℃未満で延伸して多孔質化することを特徴とする多孔質フッ素樹脂薄膜の製造方法。」、特開2012−97363号公報に記載の「少なくとも、一部が溶融状態にあるフッ素樹脂を帯電させる帯電用電極と該帯電用電極に対向配置されたコレクタとの間に電圧を印加することによって、溶融状態にある前記フッ素樹脂を繊維化し、該繊維をコレクタに集積して、前記帯電用電極が負極となるように、前記帯電用電極と前記コレクタとの間に電圧を印加することを特徴とする不織布の製造方法。」、特開2011−245854号公報に記載の「外周部にセル壁が形成されたハニカム成形体を押出成形する成形工程と、前記ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を形成する焼成工程と、型枠内に複数のハニカム焼成体を固定する固定工程と、前記型枠とハニカム焼成体との隙間及びハニカム焼成体間の隙間にシール材ペーストを充填する充填工程と、前記シール材ペーストを乾燥固化させて接着材層およびコート層を形成する乾燥工程とを備え、前記シール材ペーストは無機粒子及び/又は無機繊維を含み、前記型枠、前記型枠の内面、又は、前記型枠の内面側に配置された部材には、空気透過性を有する通気部が設けられており、前記乾燥工程では、前記シール材ペーストを前記通気部の少なくとも一部に接触させて該シール材ペーストの乾燥固化を行うことを特徴とする、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるセラミックブロックの周囲にコート層が設けられたハニカム構造体の製造方法。」、特開2007−46042号公報等に記載の「少なくとも両親媒性物質、疎水性を有する有機ポリマー、親水性液体及び該有機ポリマーを溶解する疎水性有機溶媒からなる溶液を撹拌して、逆ミセルが形成された疎水性有機溶媒溶液を得る工程と、前記疎水性有機溶媒溶液を基板上にキャストする工程と、前記基板上の疎水性有機溶媒溶液から、疎水性有機溶媒と親水性液体を蒸発させる多孔質の構造体を形成する工程とを含む、疎水性有機溶媒溶液中に形成された逆ミセルの鋳型を孔の形成に利用する多孔質構造体の製造方法。」などの公知の製造方法に準じた方法によって、製造することが可能である。
このような多孔質構造への加工が可能であり、且つ屈折率が1.45以下の素材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフロライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素樹脂やシリコン樹脂のようなプラスチック樹脂材料、二酸化ケイ素のような金属酸化物材料、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムのような無機材料などが挙げられる。また、例えば特開2000−95862号公報に示される方法で屈折率を制御した高分子材料や、特開2007−279459号公報に示される2種類以上の高分子が混合されたポリマーアロイからなる材料なども用いることができる。好ましくは、フッ素樹脂多孔体であり、より好ましくはポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフロライドであり、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。多孔質構造体は、上記した素材以外にも、他素材を含んだ素材から形成されていても良いが、上記した屈折率が1.45以下の素材が85質量%以上を占める素材から形成されることが好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
本発明のガラス化液吸収体の表面は、ガラス化液吸収性能を高めるために、親水化処理することが好ましい。親水化処理の方法としては、グラフト改質法、親水性高分子化合物等を用いたコーティング法、コロナ放電、プラズマ処理、エキシマレーザー等の各種電子線を用いた一般的な表面改質方法を使用することできる。
本発明のガラス化液吸収体が有する多孔質構造体は、ガラス化液の吸収性の観点およびガラス化液吸収体に細胞または組織が付着したか否かの視認性(透過型光学顕微鏡での観察下における視認性)の観点から、細孔径が0.02〜20μmのガラス化液吸収体であることが好ましく、より好ましい細孔径は0.2〜15μmである。またガラス化液の吸収性と、凍結保存後の融解操作時に、融解液中のガラス化液吸収体上に載せられた細胞または組織を好適な視認性で観察するとの観点から、該ガラス化液吸収体が有する多孔質構造体の細孔径が5.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.75μm以下である。
ガラス化液吸収体が有する多孔質構造体の細孔径が0.02μm未満の範囲では、ガラス化液滴下時の吸収性能が十分でなく、凍結保存までに時間を要したり、余分なガラス化液が細胞または組織の周辺に多量に残存するおそれがある。また、細孔径が20μmを超える範囲では、細胞または組織が表面の細孔にトラップされ、凍結後の融解操作の際に、細胞または組織がガラス化液吸収体から容易に離れず、適切な解凍操作が行えないおそれがある。さらには、ガラス化液吸収体表面の細孔と表面に付着した細胞または組織との見極めが困難になるおそれがあり、視認性の観点で問題が残る。
本発明においてガラス化液吸収体が有する多孔質構造体の厚みは、10〜500μmであることが好ましく、より好ましくは25〜150μmである。また該多孔質構造体の空隙率は30%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。本発明のガラス化液吸収体が有する多孔質構造体の細孔径、厚み、空隙率は、用いる細胞または組織の種類や細胞または組織と共に滴下されるガラス化液の滴下量等に応じて適宜設定することができる。
本明細書において、多孔質構造体の細孔径とは、JIS K3832に規定されるバブルポイント試験により測定される最も大きい孔の直径である。また、空隙率は以下の式で定義される。
ここで空隙容量Vは水銀ポロシメーター(測定器名称 Autopore II 9220 製造者 micromeritics instrument corporation)を用い測定・処理された、ガラス化液吸収体における細孔半径3nmから400nmまでの累積細孔容積(ml/g)に、ガラス化液吸収体の乾燥固形分量(g/平方メートル)を乗ずることで、単位面積(平方メートル)当たりの数値として求めることができる。またガラス化液吸収体の厚みTはガラス化液吸収体の断面を電子顕微鏡で撮影し測長することで得ることができる。
P=(V/T)×100(%)
P:空隙率(%)
V:空隙容量(ml/m
T:ガラス化液吸収体の厚み(μm)
本発明のガラス化液吸収体の面積は、細胞または組織と共に滴下されるガラス化液の滴下量等に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、例えば、滴下するガラス化液1μLにつき10mm以上とすることが好ましく、20〜400mmとすることがより好ましい。
本発明のガラス化凍結保存用治具が有するガラス化液吸収体が支持体を有する場合、かかる支持体としては光透過性支持体が好ましく、全光線透過率が80%以上である光透過性支持体がより好ましい。また、光透過性支持体のヘーズ値は10%以下であることが好ましい。この様な支持体としては例えば、各種樹脂フィルム、ガラス、ゴム等が挙げられる。本発明の効果を奏する限り、2種以上の支持体を組み合わせて用いてもよい。中でも樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で好適に用いられる。樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる樹脂フィルムが挙げられ、その厚さは10〜1000μmであることが好ましい。また、接着層との接着強度を高めるために、支持体の表面をコロナ放電処理により易接着処理することもできる。
本発明のガラス化凍結保存用治具が有するガラス化液吸収体が接着層を有する場合には、湿気硬化性の接着物質に代表されるような瞬間接着物質、ホットメルト接着物質、光硬化性接着物質などを用いた一般的な接着方法が利用でき、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉糊のような水溶性接着物質、酢酸ビニル系接着物質、アクリル系接着物質、エポキシ系接着物質、ウレタン系接着物質、エストラマー系接着物質、シアノアクリレート系接着物質、フッ素系接着物質、シリコン系接着物質、ニトロセルロース系接着物質、ニトリルゴム系接着物質、スチレン―ブタジエン系接着物質、ユリア樹脂系接着物質、スチレン系樹脂接着物質、フェノール樹脂系接着物質、ポリイミド系接着物質、ポリアミド系接着物質、ポリエステル系接着物質、ビスマレイミド系接着物質、オレフィン系接着物質、EVA系接着物質などの非水溶性接着物質が好ましく利用できる。該接着層は、一種類の接着物質を含有してもよいし、複数種類の接着物質を含有してもよい。接着層の固形分量は、0.01〜100g/mの範囲が好ましく、更に0.1〜50g/mの範囲がより好ましい。
また、該接着層にはガラス化液を吸収しうる効果を付与することも可能であり、このような観点からは、該接着層に、ポリビニルアルコール、ヒドロキシセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉糊のような水溶性接着物質を含有させることが好ましい。また、支持体とガラス化液吸収体との接着強度の観点からは、アクリル系接着物質、エポキシ系接着物質、ウレタン系接着物質、エストラマー系接着物質、シアノアクリレート系接着物質を接着層に用いることが好ましい。また、接着層には、各種マット化剤や界面活性剤、pH調整剤等を含有させることができる。
以上、本発明におけるガラス化液吸収体を説明してきた。以下にこれらを用いたガラス化凍結保存用治具の構成について説明する。本発明のガラス化凍結保存用治具は上述したようなガラス化液吸収体を有するものであればどのようなものであってもよいが、該ガラス化液吸収体が把持部に接続されていてもよい。把持部を有すると、凍結保存作業時および融解作業時の作業性が良好であるため、好ましい。
図1は本発明の細胞または組織のガラス化凍結保存用治具の一例を示す斜視図である。図1においてガラス化凍結保存用治具5は、把持部1とガラス化液吸収体2から構成される。把持部1は耐液体窒素素材であることが好ましい。このような素材としては、例えばアルミ、鉄、銅、ステンレス合金などの各種金属、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素系樹脂や各種エンジニアプラスチック、更にはガラスなどを好適に用いことができる。また基本的にガラス化液吸収体2はハンドリング上、短冊状又はシート状であることが好ましい。
本発明におけるガラス化液吸収体の一例を、図2に示す。図2は、図1のガラス化液吸収体2の拡大図である。図2のガラス化液吸収体2aは支持体4上にガラス化液吸収層3を有する。図2に示すガラス化液吸収体2aは、ガラス化液吸収体の全面にガラス化液吸収層3を有する形態の一例である。
図1の把持部1とガラス化液吸収体2の接続方法について説明する。把持部1が樹脂の場合、例えば、成形加工するときにインサート成形によりガラス化液吸収体2を把持部1に接続することができる。更に、把持部1に図示しないガラス化液吸収体挿入部を作製して接着剤にてガラス化液吸収体2を接続することができる。接着剤は様々なものが使用できるが、低温に強いシリコン系やフッ素系の接着剤を好適に用いることができる。
本発明における細胞または組織のガラス化凍結保存用治具で細胞または組織を長期凍結保存する場合、図1に示す治具本体に安全の為、外界と遮断するためにキャップを被せることも可能である。更に、通常液体窒素は滅菌されておらず、直接液体窒素に接触させて凍結させる場合、ガラス化凍結保存用治具が滅菌されていても無菌状態を保証できない場合がある。よって凍結前に細胞または組織を付着させたガラス化液吸収体にキャップをして、直接液体窒素に接触させないで凍結させることがある。また、米国・EUなど海外先進国では前記の様に液体窒素に直接接触させない凍結方法が主流となってきている。この様な理由からキャップは耐液体窒素性のある素材である各種金属、各種樹脂、ガラス、セラミックなどで作製することが好ましい。形状としては、鉛筆用のキャップや円柱状のストローキャップなどガラス化液吸収体と接触せず、外界と遮断できる様な形状ならどのような形状でもよい。
図3、図4に、本発明におけるガラス化液吸収体の別の態様の例を示す。図1に示す細胞または組織のガラス化凍結保存用治具において、ガラス化液吸収体を図3、図4に示すものとすることもできる。図3は、複数個の細胞または組織を1つの当該ガラス化凍結保存用治具で凍結保存させる場合に用いるガラス化液吸収体2bの一例を示す概略斜視図である。また、図4は複数個の細胞または組織を1つの当該ガラス化凍結保存用治具で凍結保存させる場合に用いるガラス化液吸収体2cの別の一例を示す概略斜視図である。図3及び図4ではガラス化液吸収層3が支持体4上に、不連続であって複数が配置されている。
前述した図2のようにガラス化液吸収層3が連続した形状である場合、複数の細胞または組織をガラス化液吸収層3に付着させようとすると、ガラス化液はガラス化液吸収層で横方向と厚み方向に広がるため、例えば2個目以降の細胞または組織をガラス化液吸収層3に付着させる場合、ガラス化液の吸収性は低下する場合がある。しかし、図3及び図4のようにガラス化液吸収層3が支持体4上に、不連続で複数設けられているとその様な心配がなく、ガラス化液と共に細胞または組織を各ガラス化液吸収層3に1個ずつ確実に付着させることができる。図3及び図4では、一例として、升目状のガラス化液吸収層3を複数配置した。図3及び図4に示すガラス化液吸収体2b及びガラス化液吸収体2cは、支持体上の一部にガラス化液吸収層を有するガラス化液吸収体の一例でもある。
本発明のガラス化凍結保存用治具は、例えば、クライオトップ法において好適に用いられるものである。本発明のガラス化凍結保存用治具を用いると、細胞または組織の凍結時及び融解時に細胞または組織の外に存在するガラス化液による損傷を受けにくく、細胞または組織を優れた生存率で凍結保存することができる。
本発明のガラス化凍結保存用治具を用いて細胞または組織を凍結保存する方法は特に限定されず、例えば、まず、ガラス化液に浸漬した細胞または組織をガラス化液と共にガラス化液吸収体上に滴下し、該細胞または該組織の周囲に付着しているガラス化液をガラス化液吸収体に吸収させる。次いで、前記細胞または前記組織をガラス化液吸収体上に保持させたまま液体窒素等の中に浸漬することにより、細胞または組織を凍結することができる。ガラス化液は、通常卵子、胚等の細胞の凍結のために使用されるものを使用でき、例えば、上述したグリセロールやエチレングリコール、DMSO(ジメチルスルホキシド)などの各種耐凍剤を含有する水溶液を使用できる。
本発明のガラス化凍結保存用治具を用いて凍結保存することができる細胞として、例えば、哺乳類(例えば、人(ヒト)、牛、豚、馬、ウサギ、ラット、マウス等)の卵子または胚、精子等の生殖細胞、iPS細胞、ES細胞が挙げられる。また、初代培養細胞、継代培養細胞、及び細胞株細胞等の培養細胞が挙げられる。また、細胞は、一または複数の実施形態において、繊維芽細胞、膵ガン・肝ガン細胞等のガン由来細胞、上皮細胞、血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞、神経細胞、軟骨細胞、組織幹細胞、胚性幹細胞、及び免疫細胞等の接着性細胞が挙げられる。さらに、凍結保存することができる組織として、同種または異種の細胞からなる組織、例えば、卵巣、皮膚、角膜上皮、歯根膜、心筋、軟骨等の組織が挙げられる。本発明のガラス化凍結保存用治具は、直接生体から採取した細胞または組織だけでなく、例えば、生体外で培養し増殖させた培養皮膚、生体外で構築したいわゆる細胞シート、特開2012−205516号公報に記載されている三次元構造を有する組織モデルのような人工の組織のガラス化凍結保存においても好適に用いることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な変形や修正が可能である。
(実施例1)
コロナ放電処理により、表面が易接着処理された厚さ250μm、ヘーズ値5.5%、全光線透過率91%の透明PETフィルム上に、接着層として、ウレタン系接着物質を乾燥時質量10g/mで塗布した。接着層が硬化する前に、多孔質構造体として、延伸によって製造された多孔質膜であるポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径0.1μm、膜厚30μm、空隙率80%、ポリビニルアルコールによって親水化処理)を接着層に重ねて乾燥させ、ガラス化液吸収体2を作製した。このガラス化液吸収体40mmをABS(アクリロニトリル−ブタジエンースチレン)樹脂製の把持部1と接合させ、図1に示す形態で実施例1のガラス化凍結保存用治具5を作製した。
(実施例2)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径0.5μm、膜厚35μm、空隙率79%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例2のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例3)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径1μm、膜厚85μm、空隙率80%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例3のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例4)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径10μm、膜厚85μm、空隙率80%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例4のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例5)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリビニリデンジフロライド多孔質膜(屈折率1.42、細孔径0.1μm、膜厚125μm、空隙率70%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例5のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例6)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリビニリデンジフロライド多孔質膜(屈折率1.42、細孔径0.5μm、膜厚125μm、空隙率70%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例6のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例7)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリビニリデンジフロライド多孔質膜(屈折率1.42、細孔径5μm、膜厚125μm、空隙率70%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例7のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(比較例1)
多孔質構造体として、セルロースアセテート多孔質膜であるアドバンテック社製セルロースアセテートメンブレン(屈折率1.47、細孔径0.5μm、膜厚125μm、空隙率68%)を用いた以外は実施例1と同様に、比較例1のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(比較例2)
多孔質構造体として、セルロースアセテートとニトロセルロースからなる多孔質膜であるアドバンテック社製セルロース混合エステルメンブレン(屈折率1.51、細孔径0.5μm、膜厚145μm、空隙率78%)を用いた以外は実施例1と同様に、比較例2のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(比較例3)
多孔質構造体として、親水化処理されたポリエチレン焼結微粒子からなる多孔質膜(屈折率1.51、細孔径43μm、膜厚500μm、空隙率42%)を用いた以外は実施例1と同様に、比較例3のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(比較例4)
多孔質構造体として、PETフィルム上に、アルミナ微粒子(屈折率1.65)と、ポリビニルアルコール(PVA、屈折率1.52〜1.55)からなるバインダーとを、90質量%のアルミナ微粒子と10質量%のバインダーの比率で混合した塗工層を塗工してなるアルミナ多孔質膜(細孔径0.08μm、膜厚110μm、空隙率55%)を用いた以外は、実施例1と同様に比較例4のガラス化凍結保存用治具を作製した。なおアルミナ多孔質膜の細孔径は、バブルポイント試験により得られないので、水銀圧入法により測定した細孔分布において、累積50%径として得た。
(比較例5)
セルロース繊維からなる濾紙であるアドバンテック社製濾紙No.5C(屈折率1.50、坪量120g/m、密度0.57g/cm)をガラス化液吸収体として用いた以外は実施例1と同様に、比較例5のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(比較例6)
無色透明なフィルムである透明PETフィルム(厚さ250μm、全光線透過率91%、空隙率0%)をガラス化液吸収体とした用いた以外は実施例1と同様に、比較例6のガラス化凍結保存用治具を作製した。
<凍結保存作業時の細胞の視認性の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に、ガラスビーズ(直径100μm)を疑似細胞として含むガラス化液1μL(マイクロリットル)を滴下付着させた。なお、ガラス化液は、シグマアルドリッチ社製 修正TCM199培地に、20容積%血清、15容積%DMSO、15容積%エチレングリコール、0.2容積%スクロースが含まれる組成のものを用いた。滴下付着後、透過型光学顕微鏡(オリンパス(株)製、SZH−121)にて、ガラス化液吸収体上に滴下した疑似細胞を観察できるかどうかを以下の基準で評価した。これらの結果を、表1の「凍結保存作業時の細胞の視認性」の項目に示す。
細胞の視認性は以下の基準で評価した。
◎:疑似細胞が容易に観察できる。
○:疑似細胞が観察できる。
×:疑似細胞の観察が困難またはできない。
<ガラス化液の吸収性の評価1>
実施例1〜7及び比較例1〜6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に、ガラスビーズ(直径100μm)を疑似細胞として含むガラス化液1μLを滴下付着させた。なお、ガラス化液は、シグマアルドリッチ社製 修正TCM199培地に、20容積%血清、15容積%DMSO、15容積%エチレングリコール、0.2容積%スクロースが含まれる組成のものを用いた。滴下付着後、落射型光学顕微鏡(オムロン(株)製、VC4500−S1)にて、疑似細胞周辺のガラス化液が吸収される様子を観察し、以下の基準で評価した。これらの結果を、表1の「凍結保存作業時のガラス化液の吸収性(1)」の項目に示す。
ガラス化液の吸収性の評価は以下の基準で評価した。
◎:ガラス化液滴下付着後、10秒以内にガラス化液が全て吸収された。
○:ガラス化液滴下付着後、10秒後ではガラス化液は残るものの、吸収される様子が観察された。
×:ガラス化液滴下付着後、ガラス化液の吸収がほとんど見られなかった。または全く見られなかった。
(実施例8)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径0.1μm、膜厚35μm、空隙率71%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例8のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例9)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径0.2μm、膜厚35μm、空隙率71%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例9のガラス化凍結保存用治具を作製した。
(実施例10)
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(屈折率1.35、細孔径0.5μm、膜厚65μm、空隙率79%)を用いた以外は実施例1と同様に、実施例10のガラス化凍結保存用治具を作製した。
<ガラス化液の吸収性の評価2>
上記した実施例3、実施例6、実施例8〜10、比較例1、比較例2、比較例5、および比較例6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に、ガラスビーズ(直径100μm)を疑似細胞として含むガラス化液0.2μL(マイクロリットル) を滴下付着させた。なお、ガラス化液は、137mM(ミリモル)のNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/ml(ミリリットル)の硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、14.8mMのL−proline、200mMのトレハロース、30容積%エチレングリコール、0.5容積%グリセロール、500mMのスクロースの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれるものを用いた。滴下付着後、落射型光学顕微鏡にて、疑似細胞周辺のガラス化液が吸収される様子を観察し、以下の基準で評価した。これらの結果を、表2の「凍結保存作業時のガラス化液の吸収性(2)」の項目に示す。
◎:ガラス化液滴下付着後、10秒以内に細胞周辺のガラス化液が全て吸収された。
○:ガラス化液滴下付着後、10秒後ではガラス化液は残るものの、吸収される様子が観察された。
×:ガラス化液滴下付着後、ガラス化液の吸収がほとんど見られなかった。または全く見られなかった。
<融解作業時の細胞の視認性>
マウス胚に下記に記載の平衡処理を行った後、平衡処理後のマウス胚を前記したガラス化液の吸収性の評価2において用いたガラス化液と共に、実施例3、実施例6、実施例8〜10、比較例1、比較例2、比較例5、および比較例6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に滴下付着させ、液体窒素に直接浸漬し、ガラス化凍結保存した。なお平衡処理は、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、14.8mMのL−proline、200mMのトレハロースの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれたガラス化基礎液中に、マウス胚を10分間浸漬させた後に一旦取り出し、次いで取り出したマウス胚を、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、14.8mMのL−proline、200mMのトレハロース、7容積%エチレングリコール、0.5容積%グリセロールの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれたガラス化前処理液中に、5分間浸漬させることで行った。また前記した平衡処理後のマウス胚とは、該ガラス化前処理液中から取り出したマウス胚を指す。その後、ガラス化凍結保存されたマウス胚を実施例3、実施例6、実施例8〜10、比較例1、比較例2、比較例5、および比較例6の各ガラス化凍結保存用治具と共に取り出し、37℃の融解液に浸漬させた。なお、融解液は、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、300mMのスクロースの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれるものを用いた。融解液中で、ガラス化液吸収体上のマウス胚を透過型光学顕微鏡で観察し、マウス胚の視認性を以下の基準で評価した。これらの結果を、表2の「融解作業時の細胞の視認性」の項目に示す。
◎:マウス胚が容易に視認できる。
○:マウス胚が視認できる。
×:マウス胚の視認が困難またはできない。
<マウス胚の生存率の評価>
《胚盤胞期胚の採取》
8〜13週齢のICR系成熟雌マウスを自然交配させ、膣栓の有無により交尾を確認した。交尾が確認された雌マウスに対して、交尾確認日を1日として、約77時間後KSOM/aa(含PVP)で子宮を灌流し、マウス胚盤胞期胚を採取した。
《胚のガラス化凍結保存》(実施例3、実施例9のガラス化凍結保存用治具)
上記のように採取したマウス胚をpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれるもの修正リン酸緩衝液(137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、14.8mMのL−proline、200mMのトレハロース)に、15℃の環境下で10分間浸漬させた。その後、温度15℃の平衡液(7容積%エチレングリコール、0.5容積%グリセロール、92.5容積%上記修正リン酸緩衝液)に5分間浸漬させた。次いで、温度4℃のガラス化液(30容積%エチレングルコール、0.5容積%グリセロール、69.5容積%上記修正リン酸緩衝液、0.5Mスクロース)に浸漬させた。30秒間の浸漬後、マウス胚を実施例3および実施例9のガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に置き、顕微鏡観察下でマウス胚周辺の余分なガラス化液が吸収したことを確認した後に、液体窒素中に浸漬し、ガラス化凍結させた。凍結させたガラス化凍結保存用治具は、融解するまで、液体窒素保存容器中で保管した。マウス胚をガラス化凍結保存用治具上に置く際のガラス化液の液量は、使用するガラス化凍結保存用治具の吸収性にあわせて、およそ0.2〜1μlの範囲で行った。
《胚のガラス化凍結保存》(比較例6のガラス化凍結保存用治具)
上記のように採取したマウス胚を温度15℃の上記修正リン酸緩衝液に10分間浸漬させた。その後、温度15℃の上記平衡液に5分間浸漬させた。次いで、温度4℃の上記ガラス化液に浸漬させた。30秒間の浸漬後、マウス胚を比較例6のガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に置き、顕微鏡観察下でマウス胚周辺の余分なガラス化液を可能な限り除去した後に、液体窒素中に浸漬し、ガラス化凍結させた。凍結させたガラス化凍結保存用治具は、融解するまで、液体窒素保存容器中で保管した。
なお、上記した実施例3、実施例9および比較例6のガラス化凍結保存用治具を用いた胚のガラス化凍結保存において、胚をガラス化液吸収体上に置いてからガラス化凍結するまでの時間は、北里コーポレーション社のプロトコールに従い、1分以内(マウス胚をガラス化液に浸漬させてから、凍結するまで1分30秒以内)で行った。
《胚の融解方法》
マウス胚を載置したガラス化保存用治具を液体窒素中からとりだし、温度37℃の融解液(上記修正リン酸緩衝液に1Mスクロースを添加した溶液)に浸漬させた。およそ1分間の浸漬の後に、融解液中からマウス胚を回収し、次いで温度37℃の希釈液(上記修正リン酸緩衝液に0.5Mスクロースを添加した溶液)にマウス胚を浸漬させた。希釈液への浸漬時間は約3分間である。その後、温度37℃の上記修正リン酸緩衝液に5分間浸漬させた。
《生存率の評価》
上記の融解方法により融解したマウス胚を、マウス胚用の発生培地であるKSOM/aa(含BSA)に移し、5%CO、5%O、90%N、37℃飽和湿度の条件下で培養を行った。培養開始から4時間毎に観察を行い、培養後24時間までに胞胚腔が再形成したものを生存と判定した。この様にして生存と判定された胚の個数の割合は、実施例3のガラス化凍結保存用治具では95.4%、実施例9のガラス化凍結保存用治具では100%、比較例6のガラス化凍結保存用治具では42%であった。
以上の結果から、本発明のガラス化凍結保存用治具によって、細胞または組織のガラス化凍結作業、および凍結後の融解作業を容易にかつ確実に行うことが可能であることが判る。さらに本発明のガラス化凍結保存用治具によって、細胞または組織の極めて高い生存率を得ることができる。
本発明は、牛などの家畜や動物の胚移植や人工授精、人への人工授精などの他、iPS細胞、ES細胞、一般に用いられている培養細胞、生体から採取した検査用または移植用の細胞または組織、生体外で培養した細胞または組織などの凍結保存に用いることができる。
1 把持部
2 ガラス化液吸収体
2a ガラス化液吸収体
2b ガラス化液吸収体
2c ガラス化液吸収体
3 ガラス化液吸収層
4 支持体
5 ガラス化凍結保存用治具
参考例1
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリビニリデンジフロライド多孔質膜(屈折率1.42、細孔径0.1μm、膜厚125μm、空隙率70%)を用いた以外は実施例1と同様に、参考例1のガラス化凍結保存用治具を作製した。
参考例2
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリビニリデンジフロライド多孔質膜(屈折率1.42、細孔径0.5μm、膜厚125μm、空隙率70%)を用いた以外は実施例1と同様に、参考例2のガラス化凍結保存用治具を作製した。
参考例3
多孔質構造体として、多孔質膜の特徴が実施例1と異なる、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリビニリデンジフロライド多孔質膜(屈折率1.42、細孔径5μm、膜厚125μm、空隙率70%)を用いた以外は実施例1と同様に、参考例3のガラス化凍結保存用治具を作製した。
<凍結保存作業時の細胞の視認性の評価>
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1〜6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に、ガラスビーズ(直径100μm)を疑似細胞として含むガラス化液1μL(マイクロリットル)を滴下付着させた。なお、ガラス化液は、シグマアルドリッチ社製 修正TCM199培地に、20容積%血清、15容積%DMSO、15容積%エチレングリコール、0.2容積%スクロースが含まれる組成のものを用いた。滴下付着後、透過型光学顕微鏡(オリンパス(株)製、SZH−121)にて、ガラス化液吸収体上に滴下した疑似細胞を観察できるかどうかを以下の基準で評価した。これらの結果を、表1の「凍結保存作業時の細胞の視認性」の項目に示す。
<ガラス化液の吸収性の評価1>
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1〜6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に、ガラスビーズ(直径100μm)を疑似細胞として含むガラス化液1μLを滴下付着させた。なお、ガラス化液は、シグマアルドリッチ社製 修正TCM199培地に、20容積%血清、15容積%DMSO、15容積%エチレングリコール、0.2容積%スクロースが含まれる組成のものを用いた。滴下付着後、落射型光学顕微鏡(オムロン(株)製、VC4500−S1)にて、疑似細胞周辺のガラス化液が吸収される様子を観察し、以下の基準で評価した。これらの結果を、表1の「凍結保存作業時のガラス化液の吸収性(1)」の項目に示す。
<融解作業時の細胞の視認性>
マウス胚に下記に記載の平衡処理を行った後、平衡処理後のマウス胚を前記したガラス化液の吸収性の評価2において用いたガラス化液と共に、実施例3、参考例2、実施例8〜10、比較例1、比較例2、比較例5、および比較例6の各ガラス化凍結保存用治具のガラス化液吸収体上に滴下付着させ、液体窒素に直接浸漬し、ガラス化凍結保存した。なお平衡処理は、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、14.8mMのL−proline、200mMのトレハロースの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれたガラス化基礎液中に、マウス胚を10分間浸漬させた後に一旦取り出し、次いで取り出したマウス胚を、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、14.8mMのL−proline、200mMのトレハロース、7容積%エチレングリコール、0.5容積%グリセロールの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれたガラス化前処理液中に、5分間浸漬させることで行った。また前記した平衡処理後のマウス胚とは、該ガラス化前処理液中から取り出したマウス胚を指す。その後、ガラス化凍結保存されたマウス胚を実施例3、参考例2、実施例8〜10、比較例1、比較例2、比較例5、および比較例6の各ガラス化凍結保存用治具と共に取り出し、37℃の融解液に浸漬させた。なお、融解液は、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、0.9mMのCaCl・2HO、0.5mMのMgCl・6HO、1.5mMのKHPO、8mMのNaHPO、5.6mMのグルコース、0.3mMのピルビン酸Na、65μg/mlの硫酸ジベカシン、1mg/mlのポリビニルピロリドン、300mMのスクロースの組成にpH指示薬として極低濃度のフェノールレッドが含まれるものを用いた。融解液中で、ガラス化液吸収体上のマウス胚を透過型光学顕微鏡で観察し、マウス胚の視認性を以下の基準で評価した。これらの結果を、表2の「融解作業時の細胞の視認性」の項目に示す。

Claims (3)

  1. 屈折率が1.45以下の素材を用いて形成された多孔質構造体をガラス化液吸収体として有する細胞または組織のガラス化凍結保存用治具。
  2. 請求項1に記載の多孔質構造体の細孔径が5.5μm以下である、細胞または組織のガラス化凍結保存用治具。
  3. 請求項2に記載の多孔質構造体がフッ素樹脂多孔体である、細胞または組織のガラス化凍結保存用治具。
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