JPWO2015037617A1 - 刃先交換式回転切削工具 - Google Patents

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Abstract

刃先交換式回転切削工具に着脱自在に装着するインサートであって、稜線に切れ刃を有する上面部と、下面部と、側面部と、止めねじ用中央穴とを備え、切れ刃は、鋭角の各コーナー部に設けられたコーナー刃と、コーナー刃の両側の稜線に設けられた底刃及び外周刃とからなり、底刃及び外周刃は異なる逃げ角を有し、コーナー刃の逃げ面は、底刃側から外周刃側にかけて逃げ角が連続的に変化する変角面部を有し、外周刃の上端にその長さを規定する凹部が形成されているインサート。

Description

本発明は、被削材を良好な加工面性状に仕上げ加工できる刃先交換式回転切削工具、及びそれに用いるインサートに関する。
切れ刃を備えた複数のインサートを着脱自在に工具ホルダに装着した刃先交換式回転切削工具は、被削材を高能率で切削加工することができる。しかし、精密な仕上げ切削加工を行うために小型のインサートを装着した刃先交換式回転切削工具を使用すると、切削加工により発生する応力に対して剛性が不十分なために、切れ刃にチッピングや欠損が発生することが多い。チッピングや欠損が発生すると、切れ刃の寿命が低下するだけでなく、仕上げ加工面の品質が低下する。そのため、切れ刃のチッピングや欠損を回避する形状を有する種々のインサートが提案されている。
チッピングや欠損を防止する1つの手段は切れ刃のびびり振動を軽減することである。このような手段を用いた切削工具用インサートが特開2003-19617号に開示されている。図24(a) 及び図24(b) に示すように、この切削工具用インサート201は、着座面211と、すくい面221Aを有する上面212と、上面212と着座面211の間の逃げ面213とを有するほぼ多角形板状であり、1つのコーナー刃214Aから延びる主切刃216Aは、第一の主切刃217Aと、それと鈍角αで連結した第二の主切刃218Aとを備え、第一の主切刃217Aは第二の主切刃218Bと鈍角βを形成するように着座面211側に傾斜し、かつ第一の主切刃217Aは第二の主切刃218Aより短く、逃げ面213は第一の逃げ面223A及び第二の逃げ面224Aを有し、主切刃216Aと反対側にコーナー刃214Aから副切刃219Aが延びており、副切刃219Aは稜線228Aに鈍角θで連結している。この形状により、アキシャルレーキ角Axを大きくして切れ刃の切削抵抗を低減し、もってびびり振動を軽減している。しかし、特開2003-19617号は、(a) コーナー刃214Aの逃げ面に、コーナー刃214Aに沿って逃げ角が連続的に変化する変角面部を設けておらず、また(b) 第一の主切刃217Aの端部に凹部を設けていないので、コーナー刃214A及び第一の主切刃217Aのチッピングや欠損を十分に防止できない。
特開平8-66815号は、図25(a)〜図25(c) に示すように、一対の平行な主切り刃304a,304bと、主切り刃304a,304bに対して横方向に延びる一対の副切り刃305a,305bと、各主切り刃304a,304bと各副切り刃305a,305bとを連結するコーナー刃306a,306bと、すくい面313と、逃げ面321,322とを有し、各コーナー刃306a,306bにおける刃先角θが50〜70°である回転切削工具用の切削用インサート303を開示している。主切り刃の断面図[図25(b)]と副切り刃の断面図[図25(c)]とを比較すると、主切り刃の逃げ角と副切り刃の逃げ角とは異なるように見える。しかし、特開平8-66815号は、逃げ角を切り刃の長さに沿って実質的に一定にすると記載しており、副切り刃(底刃)の逃げ角を主切り刃(外周刃)の逃げ角より大きくするという技術的思想を全く記載していない。従って、特開平8-66815号の切削用インサート303は、底刃のチッピングや欠損を防止しつつ外周刃の切削性能を向上させ、もって被削材の仕上げ面性状を向上させることができない。勿論、特開平8-66815号は、コーナー刃306a,306bに底刃側から外周刃側にかけて逃げ角が連続的に変化する変角面部を設けることにより、コーナー刃306a,306bのチッピングや欠損を防止することを開示も示唆もしていない。
従って、本発明の目的は、切れ刃の耐欠損性及び耐摩耗性を改善することにより被削材の仕上げ面性状を向上させた刃先交換式回転切削工具、及びそれに用いるインサート、特に底刃のチッピングや欠損を防止しつつ外周刃の切削性能を向上させ、もって被削材の仕上げ面性状を向上させるインサートを提供することである。
すなわち、刃先交換式回転切削工具ホルダに着脱自在に装着する本発明のインサートは、上面部と、前記上面部に対向するとともに前記工具ホルダの着座面に当接する下面部と、前記上面部と前記下面部とを連結する側面部と、前記インサートを前記上面部から前記下面部まで貫通する止めねじ用中央穴と、前記上面部と前記側面部の稜線に設けられた切れ刃とを備え、
前記インサートは前記中央穴の中心軸線Pに関して回転対称の多角形状であって、鋭角のコーナー部を有し、
前記切れ刃は、各コーナー部に設けられたコーナー刃と、前記コーナー刃の両側の稜線に設けられた底刃及び外周刃とからなり、
前記底刃及び前記外周刃は異なる逃げ角を有し、
前記コーナー刃の逃げ面は、底刃側から外周刃側にかけて逃げ角が連続的に変化する変角面部を有し、
前記外周刃の上端から延びる前記上面部の稜線に沿って、前記外周刃の長さを規定する凹部が形成されていることを特徴とする。
前記底刃の逃げ角は前記外周刃の逃げ角より大きいのが好ましい。
前記底刃の逃げ角αは6〜12°で、前記外周刃の逃げ角βは3〜11°であり、かつ前記逃げ角αは前記逃げ角βより2°以上大きいのが好ましい。
前記底刃、前記コーナー刃及び前記外周刃はいずれも平坦なすくい面に接しているのが好ましい。
前記コーナー刃に沿った前記変角面部の長さは前記コーナー刃の全長の少なくとも80%であるのが好ましい。
前記上面部は前記中央穴を有する第一の上面領域と、前記すくい面を形成する第二の上面領域とからなり、前記すくい面は前記第一の上面領域より低く、かつ前記コーナー刃を頂部として下方に傾斜しているのが好ましい。
各コーナー部における刃先角εは80〜90°であるのが好ましい。
本発明のインサートはほぼ平行四辺形又は正三角形の形状を有するのが好ましい。
本発明のインサートが一対の平行な長辺及び一対の平行な短辺を有するほぼ平行四辺形の形状を有する場合、長辺間距離T1は4〜6 mmで、短辺間距離T2は6〜10 mmであるのが好ましい。前記長辺間距離T1に対して、前記底刃の長さT3の割合は10〜40%であり、前記外周刃の長さT4の割合は25〜50%であり、前記コーナー刃の半径Rcの割合は4〜25%であるのが好ましい。
本発明のインサートがほぼ正三角形状の場合、1つの外周刃とそれから最も遠いコーナー刃との間の垂直距離T5は5〜8 mmであるのが好ましい。前記垂直距離T5に対して、前記底刃の長さT6の割合は10〜35%であり、前記外周刃の長さT7の割合は15〜40%であり、前記コーナー刃の半径Rcの割合は2.5〜20%であるのが好ましい。
上記インサートを工具ホルダに着脱自在に装着してなる本発明の刃先交換式回転切削工具は、前記底刃及び前記コーナー刃が負の半径方向すくい角を有し、前記外周刃が負から正に変化する半径方向すくい角を有し、前記外周刃における半径方向すくい角の正の領域の長さが前記外周刃の全長の50%以上であることを特徴とする。
前記工具ホルダに固定された前記インサートの前記底刃の半径方向すくい角は−3°〜−0.5°で、前記外周刃の半径方向すくい角は−0.5°〜+3°であるのが好ましい。
本発明の刃先交換式回転切削工具では、前記半径方向すくい角は前記コーナー刃の内端から前記外周刃の上端までの範囲にわたって、直線的に変化するのが好ましい。
前記工具ホルダに固定された前記インサートの底刃の逃げ角は5〜10°の範囲内であるのが好ましく、外周刃の逃げ角は10〜18°の範囲内であるのが好ましい。
本発明のインサートは、底刃の逃げ角を比較的大きくし、外周刃の逃げ角を比較的小さくし、かつ大きな逃げ角の底刃と小さな逃げ角の外周刃とを連結するコーナー刃の逃げ面に逃げ角が連続的に変化する変角面部を有するので、底刃の耐摩耗性が高く、高速切削を行う外周刃が高い強度及び耐欠損性を有し、かつ切削加工時に大きな負荷がかかるコーナー刃の耐欠損性が著しく向上している。そのため、本発明のインサートを装着した刃先交換式切削工具により切削加工を行うと、底刃、コーナー刃及び外周刃にチッピングや欠損が起こるのを防止しつつ、高い加工面精度で能率良く仕上げ加工を行うことができ、工具寿命も長い。
本発明の刃先交換式回転切削工具を構成する工具ホルダの一例を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態によるインサートを示す斜視図である。 図2のインサートを示す平面図である。 図2のインサートを示す側面図である。 図2のインサートを示す正面図である。 工具ホルダに装着した本発明の第一の実施形態によるインサートを示す部分拡大図である。 図3のA-A断面図である。 図3のB-B断面図である。 本発明の第一の実施形態によるインサートのコーナー刃側から見た斜視図である。 図1の工具ホルダに図2のインサートを装着した刃先交換式回転切削工具を示す斜視図である。 図9の刃先交換式回転切削工具を示す側面図である。 図9の刃先交換式回転切削工具を図10と直交する方向から見た側面図である。 図9の刃先交換式回転切削工具を示す正面図である。 図10のC-C断面図である。 本発明の第一の実施形態によるインサートを装着した刃先交換式回転切削工具において、コーナー刃及び外周刃の半径方向すくい角と回転軸線方向距離との関係を示すグラフである。 本発明の第一の実施形態によるインサートを装着した刃先交換式回転切削工具を用いて平面フライス加工をする様子を示す図である。 本発明の第一の実施形態によるインサートを装着した刃先交換式回転切削工具を用いて垂直壁面を切削加工する様子を示す図である。 工具ホルダに装着した本発明の第二の実施形態によるインサートを示す部分拡大図である。 本発明の第三の実施形態によるインサートを示す斜視図である。 図18のインサートを示す平面図である。 実施例2の刃先交換式回転切削工具を用いて平面フライス加工した被削材の加工面性状を示す顕微鏡写真である。 比較例1の刃先交換式回転切削工具を用いて平面フライス加工した被削材の加工面性状を示す顕微鏡写真である。 垂直壁面加工を行った実施例2の刃先交換式回転切削工具のインサート切れ刃の損傷状態を示す顕微鏡写真である。 垂直壁面加工を行った比較例1の刃先交換式回転切削工具のインサート切れ刃の損傷状態を示す顕微鏡写真である。 特開2003-19617号に開示された切削工具用インサートを示す平面図である。 図24(a) のインサートをX方向に見た側面図である。 特開平8-66815号に開示された切削用インサートを示す斜視図である。 図25(a) の切削用インサートの主切り刃の断面図である。 図25(a) の切削用インサートの副切り刃の断面図である。
本発明の実施形態を添付図面を参照して以下詳細に説明するが、勿論本発明はそれらに限定されることはなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更及び追加をすることができる。また、各実施形態に関する説明は、特に断りがなければ他の実施形態にも適用できる。
図1は本発明の刃先交換式回転切削工具1用の工具ホルダ2の一例を示す。この工具ホルダ2は、先端部の回転軸線Oを中心とした対称な位置に2つのインサート取付座3を備え、各インサート取付座3は、インサート7の下面部が当接する平坦な着座面4と、インサート7の短側面を拘束するために着座面4の後方に設けた2つの後壁面5と、インサート7の長側面を拘束するために回転軸線O側に設けた側壁面6とからなる。着座面4は、インサート7を着脱自在に装着するためのクランプねじ18が螺合するねじ穴17を有する。図1に示す工具ホルダ2は2つのインサート取付座3を有するが、強度が確保できれば3つ以上のインサート取付座を備えても良い。
[1] 第一の実施形態
(1) インサート
図2〜図5に示すように、本発明の第一の実施形態によるインサート7はほぼ平行四辺形状の上面部8と、上面部8に対向する平坦な下面部9と、上面部8と下面部9とを連結する側面部10とを有する。上面部8は、中央の第一の上面領域8aと、その両側に位置する第二の上面領域8bとからなる。第一の上面領域8aは上面から下面まで貫通する止めねじ用中央穴14を有する。中央穴14の中心軸線Pに関して、インサート7は回転対称である。図2〜図4に示すように、中央穴14はインサート7の厚さ方向に下面部9に向けて徐々に縮径するテーパ穴である。第二の上面領域8bは、後述するように底刃11、コーナー刃12及び外周刃13のすくい面を構成する。
上面部8は対向する一対の長辺10a,10cと、対向する一対の短辺10b,10dと、各長辺10a,10cと各短辺10b,10dとを連結する4つのコーナー部とを有する。そのうち、2つの鋭角のコーナー部にコーナー刃12が設けられており、コーナー刃12の一方の側で上面部8と側面部10との稜線(短辺)の一部は底刃11を構成し、コーナー刃12の他方の側で上面部8と側面部10との稜線(長辺)の一部は外周刃13を構成している。
図6に示すように、本発明の第一の実施形態によるインサート7を外周刃13が垂直になるように工具ホルダ2に装着したとき、底刃11はコーナー刃12との連結点から後方にかけて徐々に上がっている。そのため、コーナー刃12の刃先角ε(底刃11と外周刃13がなす角度)は89.5°未満である。刃先角εの下限は75°であるのが好ましい。刃先角εが75°未満であると、コーナー刃12が鋭角すぎ、十分な強度を有さない。好ましい刃先角εは85〜89°である。インサート7を工具ホルダ2に装着したとき(外周刃13が垂直であるとき)、底刃11の傾斜角γは90°−εである。
本発明のインサート7は、底刃11の逃げ角αと外周刃13の逃げ角βとが異なることを特徴とする。底刃11の逃げ角αは外周刃13の逃げ角βより大きいのが好ましい。なお、図7(a) に示すように、底刃11の逃げ面21は第二の上面領域8bから下面部9まで延在しているが、図7(b) に示すように、外周刃13の逃げ面23は長側面部10aのうち上面側の一部にしかない。逃げ面23を一部にしか設けていないのは、インサートが工具本体に装着されて回転した際に、被削材と干渉するのを回避するためである。なお、外周刃13の逃げ面23の下方に逃げ面23より後退した側面部24があるが、側面部24は被削材にも工具ホルダ2にも接触しないので、未加工のままでも良い。
底刃11の耐摩耗性を向上させるとともに、工具ホルダ2に装着したときに所望の逃げ角を有するために、図3のA-A断面図である図7(a) に示すように、底刃11の逃げ角αを6〜12°と比較的大きくするのが好ましい。逃げ角αが6°未満の場合、底刃11の逃げ面摩耗の進行が早まるため、底刃11が短寿命になる。一方、逃げ角αが12°超であると、底刃11の強度不足により耐欠損性が劣化する。底刃11の逃げ角αは10.5〜11.5°がより好ましい。また、高切削速度のために高い負荷がかかる外周刃13の耐欠損性を向上させるために、外周刃13の逃げ角βを4〜6°と比較的小さくするのが好ましい。外周刃13のより好ましい逃げ角βは4.5〜5.5°である。
図8に示すように、逃げ角が異なる底刃11と外周刃13の間のコーナー刃12の逃げ面には、逃げ角がαからβまで連続的に変化する変角面部15が設けられている。例えば、底刃11の逃げ角αが11°で、外周刃13の逃げ角βが5°の場合、コーナー刃12の逃げ面には、コーナー刃に沿って逃げ角が11°から5°に連続的に変化する変角面部15を設ける。このような変角面部15により、底刃11の逃げ面21と外周刃13の逃げ面23となめらかに連結する。逃げ角の変化率をできるだけ小さくするために、変角面部15をコーナー刃12の全長に設けるのが好ましいが、少なくともコーナー刃12の全長の80%にあれば良い。コーナー刃12の逃げ面の少なくとも80%に逃げ角がαからβまで連続的に変化する変角面部15を設けることにより、コーナー刃12に切削加工時に負荷が集中するのを防止し、もってコーナー刃12のチッピング、欠損、摩耗等を低減することができる。
図3及び図4に示すように、外周刃13より上方に延びる長辺10a,10cの稜線に沿って、外周刃13の上端13a(コーナー刃12との連結点の反対側)に隣接する位置に切欠き形状の凹部16が形成されている。凹部16は長辺の稜線に沿った直線Nより内側に凹んでいる。凹部16は、(a) 外周刃13の長さを規制することにより、切削抵抗の増大を防止してびびり振動等を低減し、もって被削材の仕上げ加工面の性状を改善するとともに、(b) 切屑の排出性を向上させるという機能を有する。
精密な仕上げ加工に適するように、本発明のインサート7は小型である。例えば図2〜図5に示すほぼ平行四辺形のインサート7の場合、対向する一対の平行な長辺10a,10cの間の距離T1は4〜6 mmであるのが好ましく、対向する一対の平行な短辺10b,10dの間の距離T2は6〜10 mmであるのが好ましい。T1及びT2がそれぞれ上限の6 mm及び10 mmであっても、工具ホルダ2に2枚のインサート7を装着してなる刃先交換式回転切削工具1の外径を12 mm以下と小さくできる。また、上記範囲のT1及びT2により、インサート7を工具ホルダ2に固定するための止めねじ用穴14を形成できる。上記下限より小さいのT1及びT2では、十分な強度で止めねじ用穴14を形成することが困難となる。
長辺間距離T1に対する底刃11の長さT3の割合は10〜40%が好ましく、15〜35%がより好ましい。底刃11の長さT3が10%未満であると、底刃11が短すぎて仕上げ加工効率が低い。また底刃11の長さT3が40%超であると、底刃11が長すぎてびびり振動が起こり、良好な仕上げ加工面が得られない。
長辺間距離T1に対する外周刃13の長さT4の割合は25〜50%が好ましく、30〜50%がより好ましい。外周刃13の長さT4が25%未満であると、外周刃13が短すぎて立壁の仕上げ加工効率が低い。また外周刃13の長さT4が50%超であると、外周刃13が長すぎてびびり振動が起こり、良好な仕上げ加工面が得られない。
長辺間距離T1に対するコーナー刃12の半径Rcの割合は4〜25%が好ましい。コーナー刃12の半径Rcが4%未満であると、コーナー刃12がシャープ短すぎて機械的強度が不十分であり、チッピングや欠損のおそれがある。またコーナー刃12の半径Rcが25%超であると、コーナー刃12が長すぎて十分な長さの底刃11及び外周刃13が確保できない。
(2) 刃先交換式回転切削工具
図9に示すように、各インサート7を工具ホルダ2の各インサート取付座3に装着し、各インサート7の中央穴14に入れたクランプねじ18を着座面4のねじ穴17に螺着すると、各インサート7の短側面部10b(又は10d)は各インサート取付座3の2つの後壁面5に強固に圧着され、各インサート7の長側面部10c(又は10a)はインサート取付座3の側壁面6に強固に圧着され、もって各インサート7は各インサート取付座3に固定される。インサート取付座3に固定されたインサート7の外周刃13は、図10に示すように、回転軸線Oと平行である。また、この例では、図11に示すように、インサート7の上端が僅かに後方に傾斜している。
工具ホルダ2のインサート取付座3に装着されたインサート7では、一方のコーナー刃12及びその両側に設けられた底刃11及び外周刃13が切削加工に使用される。切削加工に使用した底刃11、コーナー刃12及び外周刃13が摩耗したら、未使用の他方の底刃11、コーナー刃12及び外周刃13を使用するために、クランプねじ18を緩めてインサート7を180°回転させ、インサート取付座3に再度装着する。
インサート7を工具ホルダ2に着脱自在に装着してなる刃先交換式回転切削工具1において、底刃11及びコーナー刃12は負(ネガティブ)の半径方向すくい角を有し、外周刃13は負から正(ポジティブ)に変化する半径方向すくい角を有し、外周刃13における半径方向すくい角の正の領域の長さは外周刃13の全長の50%以上であることを特徴とする。ここで、底刃11の半径方向すくい角が負とは、図12に示すように、回転軸線Oと底刃11の最外端とを結ぶ直線L1に対して、底刃11から延長した直線M1が工具回転方向R後方に位置することを意味する。また、外周刃13の半径方向すくい角が正とは、図13に示すように、回転軸線Oと外周刃13の最外端とを結ぶ直線L2に対して、外周刃13のすくい面23から延長した直線M2が工具回転方向R前方に位置することを意味する。
工具ホルダ2に装着されたインサート7の底刃11の半径方向すくい角は−3°〜−0.5°であるのが好ましい。底刃11の半径方向すくい角が−3°未満であると、底刃11の半径方向すくい角が小さすぎるため、底刃から外周刃にかけて半径方向すくい角を負から正に変化するように設計するのが困難となる。また底刃11の半径方向すくい角が−0.5°超であると、被削材の表面性状が劣化するおそれがある。
工具ホルダ2に装着されたインサート7の外周刃13の半径方向すくい角は負から正に変化し、好ましくは−0.5°〜+3°の範囲内で負から正に変化する。外周刃13における半径方向すくい角の正の領域の長さが外周刃13の全長の50%以上であることにより、外周刃13全体の切削性能を良好に保持できる。
底刃11から外周刃13にかけて負から正に変化する半径方向すくい角は、図14に示すように、工具1の回転軸線方向Zに沿って直線的に変化するのが好ましい。図14に示す例では、コーナー刃12の半径Rcが0.5 mmの場合の半径方向すくい角は、底刃11の最外端(コーナー刃12の内端)では−2.45°であり、外周刃13の下端(コーナー刃12の外端)では約−1.5°であり、外周刃13の上端では+2.25°であり、工具1の最先端(コーナー刃12の内端)から1.21 mmの回転軸線方向Zの位置で負から正に変化する。また、コーナー刃12の半径Rcが0.2 mmの場合の半径方向すくい角は、底刃11の最外端では−2.45°であり、外周刃13の下端では約−2°であり、外周刃13の上端では+2.25°であり、工具1の最先端から1.21 mmの回転軸線方向Zの位置で負から正に変化する。さらに、コーナー刃12の半径Rcが1.0 mmの場合の半径方向すくい角は、底刃11の最外端では−2.45°であり、外周刃13の下端では約−0.5°であり、外周刃13の上端では+2.25°であり、工具1の最先端から1.21 mmの回転軸線方向Zの位置で負から正に変化する。
底刃11の半径方向すくい角を負にすることにより、外周刃13の描く回転軌跡に対して、切り屑流出方向を外側方向にコントロールできるため、被削材の底面の仕上げ面を傷つけない。従って、切り屑噛み込による仕上げ面の悪化を有効に防止し、仕上げ面の性状を良好に維持できる。逆に、底刃11の半径方向すくい角を正にすると、底刃11からの切り屑離れが悪く、切り屑噛み込みにより仕上げ面が悪化する。また、外周刃13の50%以上にわたって半径方向すくい角を正にすることにより、切削抵抗を低減し、振動を抑制できる。逆に、外周刃13の半径方向すくい角を負(ネガティブ)にすると、外周刃13の被削材への食付きが悪く、ビビリ振動が発生する。
インサート7を工具ホルダ2に固定したきと、インサート7の底刃11の逃げ角は5〜10°の範囲内であるのが好ましく、外周刃13の逃げ角は10〜18°の範囲内であるのが好ましい。
(3) 切削加工
図15は、第一の実施形態によるインサート7を装着した刃先交換式回転切削工具1を用いた水平切削加工を示し、図16は、同じ刃先交換式回転切削工具1を用いた垂直壁の切削加工を示す。
[2] 第二の実施形態
図17に示すように、本発明の第二の実施形態によるインサート7’は、底刃11が外周刃13に対して垂直なワイパー刃11aである以外、本発明の第一の実施形態によるインサート7と異ならない。従って、第二の実施形態によるインサート7’は、第一の実施形態によるインサート7と全く同じ工具ホルダ2に装着することができる。そこで、第二の実施形態によるインサート7’及びそれを装着した刃先交換式回転切削工具について、ワイパー刃11aに関連した部分のみ以下説明し、それ以外の点については説明を省略する。
図17に示すように、長辺間距離T1に対するワイパー刃11aの長さT3’の割合は 8〜25%が好ましく、10〜24%がより好ましく、12〜23%が最も好ましい。ワイパー刃11aの長さT3’が8%未満であると、ワイパー刃11aが短すぎて仕上げ加工効率が低い。またワイパー刃11aの長さT3’が25%超であると、ワイパー刃11aが長すぎてびびり振動が起こり、良好な仕上げ加工面が得られない。長辺間距離T1に対する外周刃13の長さT4の割合及びコーナー刃12の半径Rcについては、第一の実施形態と同じで良い。
図17に示すように、インサート7’を外周刃13が垂直になるように工具ホルダ2に装着したとき、ワイパー刃11aはほぼ水平である。そのため、コーナー刃12の刃先角ε(底刃11と外周刃13がなす角度)は89.5〜90°である。ワイパー刃11aの長さT3’を規定するために、ワイパー刃11aの内端に連結する傾斜面11bの傾斜角δは75〜89.5°の範囲内であるのが好ましい。
[3] 第三の実施形態
(1) インサート
図18及び図19に示すように、本発明の第三の実施形態によるインサート107は、ほぼ正三角形状の上面部108と、上面部108に対向する平坦な下面部109と、上面部108と下面部109とを連結する側面部110とを有する。上面部108は、中央のほぼ正三角形状の第一の上面領域108aと、その辺から延びるほぼ正三角形状の第二の上面領域108bとからなる。第一の上面領域108aは中央に上面から下面まで貫通する止めねじ用中央穴114を有する。中央穴114の中心軸線Pに関して、インサート107は回転対称である。中央穴114はインサート107の厚さ方向に下面部109に向けて徐々に縮径するテーパ穴である。第二の上面領域108bは、後述するように底刃111、コーナー刃112及び外周刃113のすくい面を構成する。
各第二の上面領域108bの先端コーナー部にコーナー刃112が設けられており、コーナー刃112の両側の上面部108と側面部110との稜線にそれぞれ底刃111及び外周刃113が設けられている。図示の例では底刃111は外周刃113に対して垂直で(刃先角ε=90°)ワイパー刃となっているが、勿論第一の実施形態と同様に刃先角εが80°以上90°未満の底刃でも良い。
ほぼ四角形状のインサート7と同様に、ほぼ正三角形状のインサート107でも底刃111の逃げ角αと外周刃113の逃げ角βは異なる。底刃111の逃げ角αは外周刃113の逃げ角βより大きいのが好ましい。具体的には、底刃111の逃げ角αは6〜12°が好ましく、10〜12°がより好ましい。また、外周刃13の逃げ角βは3〜11°が好ましく、4〜6°がより好ましい。
ほぼ四角形状のインサート7と同様に、逃げ角が異なる底刃111と外周刃113の間のコーナー刃112の逃げ面には、逃げ角がαからβまで連続的に変化する変角面部115が設けられている。変角面部115により、底刃111の逃げ面と外周刃113の逃げ面とはなめらかに連結する。逃げ角の変化率をできるだけ小さくするために、変角面部115をコーナー刃112の全長に設けるのが好ましいが、少なくともコーナー刃112の全長の80%にあれば良い。コーナー刃112の逃げ面の少なくとも80%に逃げ角がαからβまで連続的に変化する変角面部115を設けることにより、コーナー刃112に負荷が集中するのを防止し、もってコーナー刃112のチッピング、欠損、摩耗等を低減することができる。
図18及び図19に示すように、外周刃113より上方に延びる長辺の稜線に沿って、外周刃113の上端113a(コーナー刃112との連結点の反対側)に隣接する位置に凹部116が形成されている。凹部116は、(a) 外周刃113の長さを規制することにより、切削抵抗の増大を防止してびびり振動等を低減し、もって被削材の仕上げ加工面の性状を改善するとともに、(b) 切屑の排出性を向上させるという機能を有する。
ほぼ四角形状のインサート7と同様に、ほぼ正三角形状のインサート107も小型である。図18及び図19に示す例では、1つの外周刃113とそれから最も遠いコーナー刃112との間の垂直距離(工具1の回転軸線Oに垂直な方向の距離)T5は5〜8 mmであるのが好ましい。
図19に示す例では、垂直距離T5(6.5 mm)に対する底刃111の長さT6(1.0 mm)の割合は約16%であり、垂直距離T5に対する外周刃113の長さT7(1.92 mm)の割合は約30%であり、垂直距離T5に対するコーナー刃112の半径Rcの割合は約7%である。従って、T6/T5は10〜35%が好ましく、15〜19%がより好ましい。T7/T5は15〜40%が好ましく、28〜34%がより好ましい。Rc/T5は2.5〜20%が好ましい。
(2) 刃先交換式回転切削工具
勿論、ほぼ正三角形状のインサート107に対してはそれに合う工具ホルダ(図示せず)を用いる。ほぼ四角形状のインサート7の場合と同様に、インサート107を工具ホルダのインサート取付座に装着し、インサート107の中央穴114に入れたクランプねじを着座面のねじ穴に螺着すると、インサート107の側面部110(底刃111の逃げ面及び外周刃113の逃げ面を含む)はインサート取付座の後壁面及び側壁面に強固に圧着され、もってインサート107はインサート取付座に固定される。
ほぼ正三角形状のインサート107は3つのコーナー部を有するので、工具ホルダのインサート取付座に対するインサート107の装着角度を変えて、三組の底刃111、コーナー刃112及び外周刃113を順次使用することができる。すなわち、まず工具ホルダのインサート取付座に装着したインサート107の一つのコーナー部における底刃111、コーナー刃112及び外周刃113を切削加工に使用し、摩耗したらクランプねじを緩めてインサート107を120°回転させ、インサート取付座に再度装着する。この操作を3つのコーナー部に対して行い、全ての底刃111、コーナー刃112及び外周刃113を使用する。
ほぼ四角形状のインサート7の場合と同様に、ほぼ正三角形状のインサート107を工具ホルダに着脱自在に装着してなる刃先交換式回転切削工具では、底刃107及びコーナー刃112は負の半径方向すくい角を有し、外周刃113は負から正に変化する半径方向すくい角を有し、外周刃113における半径方向すくい角の正の領域の長さは外周刃113の全長の50%以上である。底刃111の半径方向すくい角を負にすることにより、切り屑を外側に流出できるため、被削材の底面の仕上げ面を傷つけない。底刃111の半径方向すくい角は−3°〜−0.5°にするのが好ましい。また、外周刃113の半径方向すくい角は、正の領域の長さを全長の50%以上とした上で、−0.5°〜+3°の範囲内で負から正に変化するのが好ましい。外周刃113の50%以上にわたって半径方向すくい角を正にすることにより、切削抵抗を低減し、振動を抑制できる。半径方向すくい角は、底刃111から外周刃113にかけて工具1の回転軸線方向Zに沿って負から正に直線的に変化するのが好ましい。
インサート107を工具ホルダに固定したきと、インサート107の底刃111の逃げ角は5〜10°の範囲内であるのが好ましく、外周刃113の逃げ角は10〜18°の範囲内であるのが好ましい。
[4] 製造方法
(1) インサート
インサートの基体は、WC(炭化タングステン)粉末にCo粉末及びバインダーを添加した超硬合金粉末をプレス成形し、得られた成形体を1300〜1400℃の温度で焼結することにより製造することができる。インサート基体の必要な部位にダイヤモンド砥石などを用いて研削加工を行う。以下、第一の実施形態によるほぼ四角形状のインサート7を例にとって、インサート基体の研削加工について詳細に説明する。
底刃11及び外周刃13のすくい面8b及び逃げ面21,23、並びにコーナー刃12の逃げ面及びその変角面部15は研削加工面とするのが好ましい。それにより、各切れ刃の寸法精度が高められ、工具ホルダ2の着座面4にインサート7を装着したときの切れ刃の位置精度が向上する。また、被削材の仕上加工精度が向上するだけでなく、インサート7の交換時の取付精度も向上する。さらに、コーナー刃12のホーニング形状、その内側のランド及びブレーカ溝の寸法変動も小さくなるので、切屑排出性能が安定化する。またコーナー刃12の強度変動も抑制され、安定した切れ刃寿命が得られる。なお、図7(b) に示すように外周刃13の逃げ面23がインサート側面の一部にしかないとき、その部分だけ研削加工すれば良いので、加工コストが低減される。外周刃13に隣接する凹部16は、インサート7の製作コストの低減のために、焼結肌面のままで良い。
(2) 工具ホルダ
工具ホルダ2は、SKD61等の合金工具鋼からなる丸棒の先端部に、エンドミル等を用いた切削加工によりインサート取付座3を形成し、小径ドリル及びタップを用いてねじ穴17を形成することにより、製造することができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は勿論それらに限定されるものではない。
実施例1
第一の実施形態による形状の超硬合金製インサートを製作し、SKD61製工具ホルダ(刃先径:10 mm、シャンク径:10 mm、全長:80 mm、首下長さ:20 mm)に装着し、マシニングセンタに取り付けた。これを用いて下記被削材を切削加工し、切れ刃の損傷状態及び被削材の加工面性状を評価した。インサートの諸元、及びインサートを工具ホルダのインサート着座面に装着して得られた刃先交換式回転切削工具の諸元は以下の通りであった。
(1) インサートの諸元
長辺間距離T1:4.3 mm
短辺間距離T2:7.1 mm
厚さ:2 mm
底刃11
長さT3:1.3 mm
逃げ角α:+11°
外周刃13
長さT4:1.8 mm
逃げ角β:+5°
コーナー刃12
半径Rc:0.5 mm
刃先角ε:84°
変角面部15:逃げ角が+11°から+5°まで連続的に変化
(2) 刃先交換式回転切削工具の諸元
刃先径:12 mm
インサートの数:3
底刃11
逃げ角:+8°
半径方向すくい角:−2°
外周刃13
逃げ角:+14°(+11°から+14°まで変化)
軸方向すくい角:+10°
半径方向すくい角:+2°(最大+2.25°)
半径方向すくい角が正の領域:61%
上記諸元の刃先交換式回転切削工具1を用いて、プラスチック成型用金型材のS50C(220 HB)からなる被削材19の平面及び垂直壁面の切削加工試験を行った。切削条件は下記の通りであった。
(1) 平面の切削条件(図15参照)
加工方法 :乾式切削(エアーブロー)
切削速度Vc :200 m/min
回転数n :5307 min-1
送り速度Vf :1592 mm/min
1刃当たりの送り量fz :0.1 mm/t
軸方向切込み量ap :0.1 mm
径方向切込み量ae :9 mm
工具突き出し量 :50 mm
(2) 垂直壁面の切削条件(図16参照)
加工方法 :乾式切削(エアーブロー)
切削速度Vc :200 m/min
回転数n :5307 min-1
送り速度Vf :1592 mm/min
1刃当たりの送り量fz:0.1 mm/t
軸方向切込み量ap :0.5 mm
径方向切込み量ae :0.1 mm
工具突き出し量 :50 mm
試験の結果、切削した平面及び垂直壁面は良好な仕上げ面を有し、底刃11、コーナー刃12及び外周刃13のいずれも正常摩耗し、チッピングや欠損が認められなかった。切削試験に使用したインサート7の諸元を表1に示し、刃先交換式回転切削工具1の諸元を表2に示す。また、垂直壁面加工した被削材19の最大面荒さRzを表3に示す。
実施例2
第一の実施形態によるインサート7の代わりに底刃がワイパー刃11aになっている第二の実施形態によるインサート7’を用いた以外、実施例1と同様にして、S50C(220 HB)からなる被削材19の平面及び垂直壁面の切削加工試験を行った。インサート7’の諸元は以下の通りである。
長辺間距離T1:4.3 mm
短辺間距離T2:7.1 mm
厚さ:2 mm
底刃(ワイパー刃)11a
長さT3:0.5 mm
逃げ角α:+11°
外周刃13
長さT4:1.8 mm
逃げ角β:+5°
コーナー刃12
半径Rc:0.5 mm
刃先角ε:90°
変角面部15:逃げ角が+11°から+5°まで連続的に変化
インサート7’の諸元を表1に示し、刃先交換式回転切削工具1の諸元を表2に示す。また、平面切削加工した被削材19の加工面性状を図20に示し、垂直壁面加工した被削材の最大面荒さRzを表3に示し、このときのインサート7’の外周刃13の損傷状態を図22に示す。
比較例1
インサート及び刃先交換式回転切削工具の諸元を表1及び表2に示す通りに変更した以外実施例2と同様にして被削材19の平面及び垂直壁面の切削加工試験を行った。インサートの諸元を表1に示し、切削工具の諸元を表2に示し、平面加工した被削材19の加工面性状を図21に示し、垂直壁面加工した被削材の最大面荒さRzを表3に示し、このときの切れ刃の損傷状態を図23に示す。
比較例2
コーナー刃12に逃げ角が連続的に変化する変角面部15を設けない以外実施例2と同じインサートを用いて、実施例2と同じ切削試験を行った。インサートの諸元を表1に示し、切削工具の諸元を表2に示し、垂直壁面加工した被削材19の最大面荒さRzを表3に示す。
注:(1) 底刃の逃げ角。
(2) 底刃の長さ(図3)。
(3) 外周刃の逃げ角。
(4) 外周刃の長さ(図3)。
注:(5) コーナー刃の全長に対する変角面部の長さの割合を%で表す。
(6) インサートの長辺間距離(図3)。
(7) インサートの短辺間距離(図3)。
注:*最大値。
切削試験の結果、実施例1及び2では切削した被削材19の平面及び垂直壁面は良好な仕上げ面を有し、底刃11、コーナー刃12及び外周刃13のいずれも正常摩耗し、チッピングや欠損が認められなかった。これに対して、比較例1では切削した平面及び垂直壁面の仕上げ面性状が悪く、外周刃13にチッピングや欠損が認められた。
実施例2と比較例1とを比較すると、平面切削面の最大面粗さRzは実施例2では0.65μmと比較例1の5.23μmより著しく小さかった。加工面性状についても、図20及び図21に示す通り、実施例1では被削材の仕上げ面に傷等の筋状の模様が少なかった。この理由は、実施例2の底刃11aの半径方向すくい角を−2°に設定したことにより切り屑の流出方向を外方にコントロールでき、被削材の仕上げ面を傷つけなかったが、比較例1では底刃11aの半径方向すくい角を+1°に設定したことにより、底刃11aからの切り屑離れが悪く、切り屑の噛み込み等により仕上げ面性状が悪化したためであると考えられる。
表3に示す通り、垂直壁面を加工したときの被削材19の最大面粗さRzは、実施例1及び2では60分の加工時間経過後にそれぞれ3.45μm及び3.63μmと小さかったが、比較例1では5.16μmと大きかった。
図22及び図23に示す通り、垂直壁面加工を行った際の切れ刃の損傷を評価した結果、実施例2では60分加工後の最大摩耗幅(Vbmax)は0.036 mmと小さく、正常摩耗であり、長寿命化を達成できた。実施例2における正常摩耗は、外周刃13の逃げ角βを+5°と小さくしたことにより、刃強度を維持できたためであると考えられる。
一方、比較例1では60分加工後に切れ刃にチッピングが発生し、継続使用は不可能であった。比較例1におけるチッピングは、外周刃13の逃げ角βの設定を+11°と大きくしたことにより、外周刃13の受ける高い切削負荷に対して強度を維持できなかったためであると考えられる。
上記のように、底刃の耐摩耗性を高めるためにその逃げ角を比較的大きくし、高速切削を行うために高い強度及び耐欠損性が要求される外周刃の逃げ角を比較的小さくし、かつ大きな逃げ角の底刃と小さな逃げ角の外周刃とを連結するコーナー刃の逃げ面に、コーナー刃に沿って逃げ角が連続的に変化する変角面部を設けると、底刃、コーナー刃及び外周刃にチッピングや欠損が起こるのを防止しつつ、優れた仕上げ面性状で高速切削を行うことができる。
一方、比較例1のインサートように底刃及び外周刃が同じ逃げ角を有する場合、工具ホルダ側の着座面の形状により工具に所望の逃げ角を与える必要があるが、刃先径が10 mm程度と小さい刃先交換式回転切削工具では、着座面の強度を確保しつつ底刃及び外周刃に所望の逃げ角を与えることは、設計上非常に困難である。また、大きな逃げ角の底刃と小さな逃げ角の外周刃とを連結するコーナー刃の逃げ面に、逃げ角が連続的に変化する変角面部が設けられていない比較例2のインサートを用いると、コーナー刃にチッピングや欠損が起こりやすいことが分った。
1:刃先交換式回転切削工具
2:工具ホルダ
3:インサート取付座
4:着座面
5:インサートの短側面に当接するインサート取付座の後壁面
6:インサートの長側面に当接するインサート取付座の側壁面
7:インサート
8:インサートの上面部
8a:第一の上面領域
8b:第二の上面領域(すくい面)
9:インサートの下面部
10:側面部
10a、10c:長側面部(長辺)
10b、10d:短側面部(短辺)
11:底刃
21:底刃の逃げ面
12:コーナー刃
13:外周4刃
13a:外周刃の上端
23:外周刃の逃げ面
14:中央穴
15:変角面部
16:凹部
17:工具ホルダのねじ穴
18:クランプねじ
19:被削材
L1:回転軸線Oと底刃の最外端とを結ぶ直線
L2:回転軸線Oと外周刃の最外端とを結ぶ直線
M1:底刃から延長した直線
M2:外周刃のすくい面から延長した直線
N:ほぼ平行四辺形の長辺に沿って延びる直線
O:回転軸線
P:中心軸線
R:工具の回転方向
Rc:コーナー刃の半径
Z:半径方向すくい角の正負が変化する回転軸線方向位置
ε:刃先角
本発明は、被削材を良好な加工面性状に仕上げ加工できる刃先交換式回転切削工具関する。
すなわち、インサートを工具ホルダに着脱自在に装着してなる本発明の刃先交換式回転切削工具は、
(a) 前記インサートが、上面部と、前記上面部に対向するとともに前記工具ホルダの着座面に当接する下面部と、前記上面部と前記下面部とを連結する側面部と、前記インサートを前記上面部から前記下面部まで貫通する止めねじ用中央穴と、前記上面部と前記側面部の稜線に設けられた切れ刃とを備え、
前記インサートが前記中央穴の中心軸線Pに関して回転対称の多角形状であって、90°又は鋭角のコーナー部を有し、
前記切れ刃が、各コーナー部に設けられたコーナー刃と、前記コーナー刃の両側の稜線に設けられた底刃及び外周刃とからなり、
前記底刃及び前記外周刃が異なる逃げ角を有し、
前記コーナー刃の逃げ面が、底刃側から外周刃側にかけて逃げ角が連続的に変化する変角面部を有し、
前記外周刃の上端から延びる前記上面部の稜線に沿って、前記外周刃の長さを規定する凹部が形成されており、
(b) 前記インサートが前記工具ホルダに装着された状態で、前記底刃及び前記コーナー刃が負の半径方向すくい角を有し、前記外周刃が負から正に変化する半径方向すくい角を有し、前記外周刃における半径方向すくい角の正の領域の長さが前記外周刃の全長の50%以上であることを特徴とする。
前記インサートはほぼ平行四辺形又は正三角形の形状を有するのが好ましい。
前記インサートが一対の平行な長辺及び一対の平行な短辺を有するほぼ平行四辺形の形状を有する場合、長辺間距離T1は4〜6 mmで、短辺間距離T2は6〜10 mmであるのが好ましい。前記長辺間距離T1に対して、前記底刃の長さT3の割合は10〜40%であり、前記外周刃の長さT4の割合は25〜50%であり、前記コーナー刃の半径Rcの割合は4〜25%であるのが好ましい。
前記インサートがほぼ正三角形状の場合、1つの外周刃とそれから最も遠いコーナー刃との間の垂直距離T5は5〜8 mmであるのが好ましい。前記垂直距離T5に対して、前記底刃の長さT6の割合は10〜35%であり、前記外周刃の長さT7の割合は15〜40%であり、前記コーナー刃の半径Rcの割合は2.5〜20%であるのが好ましい。
本発明の刃先交換式回転切削工具に着脱自在に装着するインサートは、底刃の逃げ角を比較的大きくし、外周刃の逃げ角を比較的小さくし、かつ大きな逃げ角の底刃と小さな逃げ角の外周刃とを連結するコーナー刃の逃げ面に逃げ角が連続的に変化する変角面部を有するので、底刃の耐摩耗性が高く、高速切削を行う外周刃が高い強度及び耐欠損性を有し、かつ切削加工時に大きな負荷がかかるコーナー刃の耐欠損性が著しく向上している。そのため、かかるインサートを装着した本発明の刃先交換式切削工具により切削加工を行うと、底刃、コーナー刃及び外周刃にチッピングや欠損が起こるのを防止しつつ、高い加工面精度で能率良く仕上げ加工を行うことができ、工具寿命も長い。
インサート7は、底刃11の逃げ角αと外周刃13の逃げ角βとが異なることを特徴とする。底刃11の逃げ角αは外周刃13の逃げ角βより大きいのが好ましい。なお、図7(a) に示すように、底刃11の逃げ面21は第二の上面領域8bから下面部9まで延在しているが、図7(b) に示すように、外周刃13の逃げ面23は長側面部10aのうち上面側の一部にしかない。逃げ面23を一部にしか設けていないのは、インサートが工具本体に装着されて回転した際に、被削材と干渉するのを回避するためである。なお、外周刃13の逃げ面23の下方に逃げ面23より後退した側面部24があるが、側面部24は被削材にも工具ホルダ2にも接触しないので、未加工のままでも良い。
精密な仕上げ加工に適するように、インサート7は小型である。例えば図2〜図5に示すほぼ平行四辺形のインサート7の場合、対向する一対の平行な長辺10a,10cの間の距離T1は4〜6 mmであるのが好ましく、対向する一対の平行な短辺10b,10dの間の距離T2は6〜10 mmであるのが好ましい。T1及びT2がそれぞれ上限の6 mm及び10 mmであっても、工具ホルダ2に2枚のインサート7を装着してなる刃先交換式回転切削工具1の外径を12 mm以下と小さくできる。また、上記範囲のT1及びT2により、インサート7を工具ホルダ2に固定するための止めねじ用穴14を形成できる。上記下限より小さいのT1及びT2では、十分な強度で止めねじ用穴14を形成することが困難となる。

Claims (16)

  1. 刃先交換式回転切削工具の工具ホルダに着脱自在に装着するインサートであって、上面部と、前記上面部に対向するとともに前記工具ホルダの着座面に当接する下面部と、前記上面部と前記下面部とを連結する側面部と、前記インサートを前記上面部から前記下面部まで貫通する止めねじ用中央穴と、前記上面部と前記側面部の稜線に設けられた切れ刃とを備え、
    前記インサートは前記中央穴の中心軸線Pに関して回転対称の多角形状であって、鋭角のコーナー部を有し、
    前記切れ刃は、各コーナー部に設けられたコーナー刃と、前記コーナー刃の両側の稜線に設けられた底刃及び外周刃とからなり、
    前記底刃及び前記外周刃は異なる逃げ角を有し、
    前記コーナー刃の逃げ面は、底刃側から外周刃側にかけて逃げ角が連続的に変化する変角面部を有し、
    前記外周刃の上端から延びる前記上面部の稜線に沿って、前記外周刃の長さを規定する凹部が形成されていることを特徴とするインサート。
  2. 請求項1に記載のインサートにおいて、前記底刃の逃げ角が前記外周刃の逃げ角より大きいことを特徴とするインサート。
  3. 請求項2に記載のインサートにおいて、前記底刃の逃げ角αが6〜12°で、前記外周刃の逃げ角βが3〜11°であり、かつ前記逃げ角αが前記逃げ角βより2°以上大きいことを特徴とするインサート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインサートにおいて、前記底刃、前記コーナー刃及び前記外周刃はいずれも平坦なすくい面に接していることを特徴とするインサート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のインサートにおいて、前記コーナー刃に沿った前記変角面部の長さが前記コーナー刃の全長の少なくとも80%であることを特徴とするインサート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のインサートにおいて、前記上面部は前記中央穴を有する第一の上面領域と、前記すくい面を形成する第二の上面領域とからなり、前記すくい面は前記第一の上面領域より低く、かつ前記コーナー刃を頂部として下方に傾斜していることを特徴とするインサート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のインサートにおいて、各コーナー部における刃先角εが80〜90°であることを特徴とするインサート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のインサートにおいて、ほぼ平行四辺形又は正三角形の形状を有することを特徴とするインサート。
  9. 請求項8に記載のインサートにおいて、一対の平行な長辺及び一対の平行な短辺を有するほぼ平行四辺形の形状を有し、長辺間距離T1が4〜6 mmで、短辺間距離T2が6〜10 mmであることを特徴とするインサート。
  10. 請求項9に記載のインサートにおいて、前記長辺間距離T1に対して、前記底刃の長さT3の割合が10〜40%であり、前記外周刃の長さT4の割合が25〜50%であり、前記コーナー刃の半径Rcの割合が4〜25%であることを特徴とするインサート。
  11. 請求項8に記載のインサートにおいて、ほぼ正三角形の形状を有し、1つの外周刃とそれから最も遠いコーナー刃との間の垂直距離T5が5〜8 mmであることを特徴とするインサート。
  12. 請求項11に記載のインサートにおいて、前記垂直距離T5に対して、前記底刃の長さT6の割合が10〜35%であり、前記外周刃の長さT7の割合が15〜40%であり、前記コーナー刃の半径Rcの割合が2.5〜20%であることを特徴とするインサート。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のインサートを工具ホルダに着脱自在に装着してなる刃先交換式回転切削工具において、前記底刃及び前記コーナー刃が負の半径方向すくい角を有し、前記外周刃が負から正に変化する半径方向すくい角を有し、前記外周刃における半径方向すくい角の正の領域の長さが前記外周刃の全長の50%以上であることを特徴とする刃先交換式回転切削工具。
  14. 請求項13に記載の刃先交換式回転切削工具において、前記工具ホルダに固定された前記インサートの前記底刃の半径方向すくい角が−3°〜−0.5°で、前記外周刃の半径方向すくい角が−0.5°〜+3°であることを特徴とする刃先交換式回転切削工具。
  15. 請求項13又は14に記載の刃先交換式回転切削工具において、前記半径方向すくい角が前記コーナー刃の内端から前記外周刃の上端までの範囲にわたって、直線的に変化することを特徴とする刃先交換式回転切削工具。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載の刃先交換式回転切削工具において、前記工具ホルダに固定された前記インサートの底刃の逃げ角が5〜10°の範囲内であり、外周刃の逃げ角が10〜18°の範囲内であることを特徴とする刃先交換式回転切削工具。
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