JP4315480B2 - スローアウェイチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材等の切削加工に用いるエンドミルの如きミリングカッタの刃部とするスローアウェイチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
スローアウェイ方式カッタに用いるスローアウェイチップとして、輪郭が略平行四辺形をなすスクイ面から対向する底面へ貫通するねじ挿通孔を有し、スクイ面の対向する2側縁が切刃を構成するものがある。このスローアウェイチップは、カッタ本体に設けた窪み状のチップ座に、一方の切刃がカッタ外周側に配置する形で嵌め込み、取付用ねじを前記ねじ挿通孔を通してチップ座底面のねじ孔に螺挿することにより、カッタ本体に固着して切削の刃部として機能させるが、この一方の切刃が許容限界まで摩耗したり破損した際には、180度向きを変えて着け換えることによって他方の切刃を切削に供するようになっている。しかして、カッタ本体への該スローアウェイチップの取付状態は、切削抵抗を小さくするために、軸方向のスクイ角であるアキシャルレーキ角を正の角度(刃先側が反対側よりも刃の送り方向前方へ出る形)とするのが一般的である。
【0003】
このようなスローアウェイチップの従来からの基本的な形態は略逆四角錐台状であり、切刃に沿う両側の側面が逃げ面(所謂二番面)を構成し、この逃げ面は切削時の被削材との干渉を避けるために、切刃位置を前として前から後方へ向かってチップ内側(装着時のカッタ中心側)へ傾くように傾斜しているが、カッタ装着状態でカッタ本体の内側に配置する片側の逃げ面はチップ座の側面に当接して当該チップを位置決め拘束する被拘束面となる。しかして、切刃位置でのカッタ円周に対する接線と逃げ面との角度を逃げ角(所謂二番角)というが、この逃げ角が大きいほど刃部のクサビ角も小さくなり、それだけ刃の強度が低下する。従って、このクサビ角を大きくして充分な刃の強度を確保する上で、逃げ角を小さくする工夫が必要となる。
【0004】
ところで、刃部がカッタ本体と一体であるソリッド型エンドミルにおいては、図27に示すように、刃部30の逃げ面31rをカッタ軸心Oから外れた点Eを中心(所謂、エキセントリックR中心)とする凸円弧状(所謂、エキセントリック円弧二番)としたものが早くから実用化され、現在では殆どがこの形態となっている。この形態では、平坦な逃げ面(所謂、直線二番面)としたものに比較して、切刃32の近傍における逃げ角θを小さくでき、それだけ刃部30のクサビ角qを大きくして高い刃強度を確保できる。図中、仮想線で示すLは切削に伴う切刃32の移動軌跡であり、カッタ軸心Oを中心とする半径Rの円弧をなす。
【0005】
なお、平坦な逃げ面で逃げ角θを小さく設定できないのは、次の理由による。例えば、図27の逃げ面31fとして示すように、円弧状の逃げ面31rに対して切刃32近傍の逃げ角θを略等しくした場合、切刃30の摩耗がない初期段階V1 においては被削材との干渉を回避する隙間は充分に確保されるが、切刃30の摩耗に伴って逃げ角が小さくなり、摩耗がV2 位置まで進行した段階では、円弧状の逃げ面31rの逃げ角θrは最初の逃げ角θとさほど変わらないのに対し、平坦状の逃げ面31fの逃げ角θfは極端に小さくなって干渉回避用の隙間を充分に確保できず、更に摩耗が進むと被削材と干渉するために切削の続行は不可能となる。
【0006】
そこで、スローアウェイ方式のカッタに用いるスローアウェイチップにおいても、図28に示すように逃げ面23を凸円弧状とすることにより、逃げ角を小さく設定することが提案されている(特開昭49−72794号公報、同62−117003号公報)。図示するように、このスローアウェイチップ20は、スクイ面21の両側縁の切刃22,22に沿う逃げ面23,23が凸円弧状をなし、スクイ面21から対向する底面24に貫通するねじ挿通孔25を有しており、カッタ本体26に設けられた凹円弧状の側面27aと底面27bとからなる窪んだチップ座27に嵌め合わせ、ねじ挿通孔25に通した取付用ねじ28をチップ座27の底面27bのねじ孔29に螺挿して締め付けることにより、該カッタ本体26に固着される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
スローアウェイ式カッタを始めとするミリングカッタにおいては、切削性に優れることに加え、高負荷切削に供する上で刃部の強度及び耐久性が良好であることが要求される。しかして、切削性を高めるには、切削抵抗を小さくするために、軸方向のスクイ角である既述のアキシャルレーキ角を大きい正角に設定すると共に、径方向のスクイ角であるラジアルレーキ角、つまりカッタ中心とチップの切刃を結ぶ半径方向に対するスクイ面の角度を大きい正角(スクイ面が該半径方向に対して前進角をなす)に設定することが望ましい。一方、刃部の強度及び耐久性を高めるには、スローアウェイ式カッタにあっては、カッタ本体によるチップの保持強度と、該チップを装着するカッタ本体側の剛性を大きくする必要がある。また、逃げ角についても、切削性及び刃部の強度より、切刃の全長にわたって均等に適正な角度範囲(6〜8°程度)にあることが好ましい。
【0008】
しかしながら、従来のスローアウェイ式カッタでは、既述の一般的な略逆四角錐台状のチップと前記提案のように逃げ面を凸円弧状としたチップのいずれを用いた場合でも、カッタ本体の剛性を確保する上で、チップ座底面のカッタ軸方向に対する傾斜度合に制約があるため、アキシャルレーキ角を大きい正角に設定できず、しかもチップ座を設けるバックメタル部の強度面より、ラジアルレーキ角については正角に設定すること自体が困難であり、特にバックメタル部の厚みを大きくするためにチップの取り付けを芯高にした場合にはラジアルレーキ角が大きく負角になるという難点があった。
【0009】
なお、チップブレーカ付きのチップを用いれば、芯高状態でラジアルレーキ角を正角に設定することは可能であるが、カッタ本体からのチップのオーバーハングが大きくなり、且つ刃部のクサビ角が小さくなるため、チップ自体の刃部の強度が極端に弱くなり、芯高としてカッタ本体側の剛性を高めることが無意味となる。また、逃げ角についても適正角度より大きくなり易い上、刃先全長にわたって均等に設定しにくいという問題があった。
【0010】
このように、従来のスローアウェイ式カッタにおいては、切刃の配置上から切削抵抗が大きくなるために良好な切削性を得ることは困難であり、しかも切削性と刃部の強度を両立できず、またカッタ本体によるチップの保持強度も不充分であり、もって高負荷切削への適用性及び耐久性に劣るという問題があった。
【0011】
本発明は、上述の状況に鑑み、カッタ装着時のアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角を共に大きい正角に設定して優れた切削性を確保でき、しかも切刃の強度とカッタ本体への固着強度を大きく設定できると共に、カッタ本体への取り付けを芯高にして優れた切削性を保持する状態でカッタ本体側の剛性を高めることが可能であり、もって実用性に優れたスローアウェイチップを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスローアウェイチップの特徴構成は、図面の参照符号を付して示せば、平面視略平行四辺形状のスクイ面2から対向する底面3へ貫通するねじ挿通孔4を有し、スクイ面2の側縁が切刃5,5を構成し、前記切刃5はチップ底面3位置からの高さが刃元5b側よりも刃先5a側を高くするように傾斜し、スクイ面2には切刃5よりチップ1中央側へ下り勾配の傾斜面2aが形成され、さらに、前記切刃5に沿う側面側の逃げ面6,6は、その少なくとも切刃側5、切刃5の刃先5a側において刃頂からチップ底面3位置へ降ろした垂線pよりも外側へ膨れ出すと共に、この刃先5a側から刃元5b側に向かって次第に前記垂線pらチップ内側へ傾く形で連続する凸円弧状面をなすよう形成され、前記凸円弧状面を構成する円筒Σの半径kが、カッタ本体10に当該スローアウェイチップ1を装着した際のカッタ切削半径Rと同一又は前記切削半径Rより大きくなるよう設定されてなり、前記凸円弧状面は、スクイ面2における前記傾斜面2aを含む傾斜平面Sに対して軸線が45度以下の鋭角で交叉する円筒Σの周面より構成され、該円筒Σの周面と前記傾斜平面Sとの交線である楕円弧から切刃5の稜線が構成され、該稜線が、その両端を結ぶ直線である線分abの中点をm点とし、線分ab方向をX軸、m点と稜線の中間点nとを結ぶ方向をY軸、線分abの長さをjとし、逃げ面の凸円弧状面を構成する前記円筒の半径をk、m点より前記円筒Σの軸線σに下した垂線の足をm'、この垂線mm'と稜線を含む傾斜平面Sとのなす角度をΦ、該傾斜平面Sと前記円筒Σの軸線σとの交角をηとして、下式;
[YcosΦ+{k2−(j2 sin2η/4)1/2}]2 +(X sinη−YsinΦ cosη)2=k2で表される点にある。
【0013】
本特徴構成に係るスローアウェイチップ1では、各切刃5が刃先5a側を高く傾斜し、また切刃5からチップ中央側へ下り勾配の傾斜面2aを有し、言わばチップ1自体が正のアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角を持つことになるから、カッタ本体10への取付状態におけるアキシャルレーキ角α及びラジアルレーキ角βを大きく正角に設定でき、また逃げ面6の少なくとも切刃5側に前記の凸円弧状面が形成されているから、カッタ本体10への取付状態における逃げ角θを小さくでき、もって切刃5のクサビ角qを大きく確保することが可能になる。しかして、カッタによる切削中のチップ1には、切削を行っている外側の切刃5にかかる接線方向の切削負荷の反作用として、内側部分をチップ座11から浮き離そうとする力が作用するが、逃げ面6の凸円弧状面の形態から、チップ座11と当接している逃げ面6の上位側と切刃5との距離D1 が同下位側との距離D2よりも短くなるため、前記の浮き離そうとする力が第二逃げ面6bの当接部分でカッタ本体10に受け止められ、もって該チップ1はカッタ本体10への装着状態で自己保持力を持つことになる。
【0014】
更に、このチップ1は、カッタ本体10のバックメタル部10aにおける取り付けを芯高、つまりチップ底面3に平行なカッタ本体10の半径方向rを基準としたチップ取付位置を高くしても、逃げ角θを適正な角度(6〜8°)に設定でき、且つ切刃5のカッタ本体10からのオーバーバング量を最小限に抑えることができる。しかして、逃げ面6の凸円弧状面が刃先5a側から刃元5b側に向かい次第にチップ内側へ傾く形になっているから、カッタ本体10のチップ座11の底面13がアキシャルレーキ角を持ち、従ってチップ1がカッタ本体10に対して捩じれた配置状態になるにも関わらず、切刃5の刃先5aから刃元5bにわたって略同一の逃げ角θを持つ形に設定できる。
【0015】
また、切刃5の稜線の楕円弧の曲率が小さくなるため、カッタ本体10に逃げ角θを持たせて装着した際、切刃5の刃元側5a及び刃先側5bと中央部とのカッタ半径方向の突出度合の差が小さくなると共に、チップ1全体としてのカッタ本体10からのオーバーハングhも小さくなる。
【0016】
本構成によると、チップの製作に際し、逃げ面6の凸円弧状面を円筒切削によって簡単に形成できる。また、後述する解析計算の結果から明らかなように、カッタ本体10への装着時に切刃5の全長にわたって一定した逃げ角θを設定できると共に、チップ製作に際して切刃5の稜線の楕円弧の選択範囲が広くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面を参照して具体的に説明する。図1〜図3は第一実施例に係るスローアウェイチップ1、図4〜図6は同第一実施例のチップ1を装着したスローアウェイ式カッタ、図7〜図9は第二実施例に係るスローアウェイチップ1、図10〜図12は同第二実施例のチップ1を装着したスローアウェイ式カッタをそれぞれ示す。
【0018】
図1〜図3に示す第一実施例のスローアウェイチップ1は、平面視略平行四辺形をなすスクイ面2の長辺側の湾曲した両側縁が切刃5,5を構成し、該スクイ面2の中央部から対向する底面3に貫通したねじ挿通孔4を有している。そして、各切刃5は、チップ底面3位置からの高さが刃元5b側よりも刃先5a側を高くするように傾斜している。また、スクイ面2には両側の切刃5,5よりチップ1中央側へ向けて下り勾配の傾斜面2a,2aが形成され、該スクイ面2の中央部2bは平坦状をなす。なお、この傾斜面2a,2bは平坦面以外に若干曲面状に形成されてもよいことは勿論である。しかして、このチップ1は、180度反転させて両切刃5,5を片方ずつカッタの刃部に供するため、全体がねじ挿通孔4の中心線を対称軸とする点対称の形状になっており、これによって両切刃5,5の刃先5a側及び刃元5b側は互いに対角線方向に配置している。なお、ねじ挿通孔4は、図2に示すように、大径の上部4aと、周面が凸曲面状をなす縮径した中間部4bと、小径の下部4cとからなる。
【0019】
各切刃5に沿う側面である両側の逃げ面6は、切刃5側から底部側までの全体が凸円弧状面をなしている。そして、この凸円弧状面は、図3(イ)の刃先5a側、同(ロ)の中間部、同(ハ)の刃元5b側の各断面で示すように、切刃5の刃先5a側において刃頂からチップ底面3位置へ降ろした垂線pよりも外側へ膨れ出すと共に、この刃先5a側から刃元5b側に向かって次第に前記垂線pからチップ内側へ傾く形で連続する凸円弧状をなしている。また、スクイ面2の傾斜面2aを切刃5の刃元5b側から刃先5a側へ幅広となる形に設定することにより、切刃5は全長にわたって略等しいクサビ角q(図2参照)を持つように構成されている。また、逃げ面6は切刃5側から底部側までの全体が前記の凸円弧状面よりなる構成とされており、チップ形態が簡素になり、製作容易なものが提供できる。
【0020】
切刃5の稜線は、凸円弧状面をなす逃げ面6とスクイ面2の平面である傾斜面2aとの交線となるため、刃先5a側と刃元5b側とを結ぶ直線abよりも逃げ面6の延長方向へ緩く膨れ出す曲線をなす。しかして、この切刃5の曲線は、後述するチップの製造方法より、逃げ面6における前記凸円弧状面を、スクイ面2における前記傾斜面2aを含む平面に対して軸線が45度以下の鋭角で交叉する円筒周面より構成することにより、楕円弧となる。
【0021】
図4及び図5に示すように、上記第一実施例のスローアウェイチップ1を装着したスローアウェイ式カッタ10は、先端側の周方向3カ所に切欠部10bを設けることによって軸心O部から120度の位相差で三方向へ放射状配置するバックメタル部10aが形成され、各バックメタル部10aの内側面に、側面部12と底面部13とからなるポケット状に窪んだチップ座11が形成されている。そして、各チップ座11に、前記のスローアウェイチップ1が、片側の切刃5をカッタ本体10の外周より僅かに外側へ突出させた状態として、取付用ねじ8によって固着されている。
【0022】
各チップ座11は底面13がチップにアキシャルレーキ角を付与すべくカッタ本体10の軸方向に対して傾斜しているが、チップ1自体が刃先5a側を高く傾斜した切刃5によってアキシャルレーキ角を持つ形態であるため、図4(イ)に示すようにチップ取付状態の切刃5のアキシャルレーキ角αは大きな正角をなしている。また、図5に示すように、チップ1が切刃5からスクイ面2の中央側へ下り勾配の傾斜面2aを有するため、ラジアルレーキ角βも大きな正角をなしている。しかして、チップ1の逃げ面6が前記のように切刃5の刃先5a側で外側へ膨れ出して刃元5b側に向かって次第にチップ内側へ傾く凸円弧状をなすため、逃げ角θは刃先5a側から刃元5b側まで略一定した小さい適正な角度(6〜8°)を保持している。このため、切削抵抗が小さく切削時の振動等も少なく、滑らかな切れ味が得られ、刃部の強度が大きく高負荷切削に対して高い適性を示すと共に耐久性に優れて長寿命であり、総合的に極めて高性能なカッタとすることができる。
【0023】
図6に詳細に示すように、このスローアウェイ式カッタにおけるチップ1は、取付用ねじ8をねじ挿通孔4を通してチップ座11の底面13に穿たれたねじ孔14に螺挿して締め付けることにより、カッタ本体10に固着されている。しかして、チップ座11の側面部12は2段状に形成されており、その上部側面12aはチップ1の逃げ面6の上部側に対して離間すると共に、下部側面図12bは該逃げ面6の下部側と密に接する凹円弧状をなし、また側面部12と底面部13とのコーナー部15がチップ1の縁角部との接触を避けるぬすみ部を構成している。
【0024】
図7〜図9に示す第二実施例のスローアウェイチップ1は、両側の逃げ面6,6が異なること以外は前記第一実施例のチップ1と同様であるため、第一実施例との共通部分には同じ符号を付して説明を省略する。しかして、このチップ1の逃げ面6は、切刃5側の凸円弧状をなす第一逃げ面6aと、この第一逃げ面6aよりも底部側に位置して且つ当該第一逃げ面6aから段差7を介して低くなった平面状の第二逃げ面6bと、この第二逃げ面6bよりも更に底部側に位置した第三逃げ面6cとから構成されている。そして、第一逃げ面6aと第三逃げ面6cとは、図7(ハ)及び図8における第二逃げ面6bの外側に記した仮想線で結ぶように、共通の凸円弧面をなしているため、第一逃げ面6aと第三逃げ面6cの取り代9を同時に削り取って凸円弧状に仕上げることができる。
【0025】
ここで、第一逃げ面6aは、前記第一実施例の場合の逃げ面6の全体をなす凸円弧状面と同様に、図9(イ)の刃先5a側、同(ロ)の中間部、同(ハ)の刃元5b側の各断面で示すように、切刃5の刃先5a側において刃頂からチップ底面3位置へ降ろした垂線pよりも外側へ膨れ出すと共に、この刃先5a側から刃元5b側に向かって次第に前記垂線pからチップ内側へ傾く形で連続する凸円弧状をなしている。従って、この第二実施例のチップ1においても、切刃5の曲線は、後述するチップの製造方法より、逃げ面6における前記凸円弧状面を、スクイ面2における前記傾斜面2aを含む傾斜平面に対して軸線が45度以下の鋭角で交叉する円筒周面より構成することにより、楕円弧となる。
【0026】
段差7による第一逃げ面6aの下縁と第二逃げ面6bの上縁との高低差を0.1〜0.8mmの範囲に設定すると、段差7に基づいてチップ1の自己保持力を高められるという後述する作用を確実に発揮できると共に、切刃5のカッタ本体10からのオーバーハングhが過大になることを回避できる。
【0027】
第二逃げ面6bとチップ底面3との角度ψ(図8参照)は、90〜101度の範囲が好ましい。この角度ψが大き過ぎては、カッタ本体10に装着した際、該カッタ本体10からの切刃5のオーバーハングが大きくなると共に、後述するチップ1の自己保持力を発揮しにくくなり、刃部の強度が低下する。上記範囲に設定すると、オーバーハングが過大になることを回避し、刃部の強度を大きくできると共に、平面状の第二逃げ面6bを当接面としてチップ座11側との平面同士の接合により、該チップ座11に対する位置決め拘束を行え、カッタ本体10に安定した状態に固着できる。特に、上記角度ψを90度を越える角度とした場合には、チップ座11側との接合がテーパー接合になるから、取付用ねじ8の締め付けによって底面3がチップ座11の底面部13に圧接するのに伴い、第二逃げ面6bがチップ座11の側面12bに対して強く圧接し、より強固に安定した状態に固着できる。
【0028】
なお、前記第一実施例の場合と同様に、スクイ面2の傾斜面2aを切刃5の刃元5b側から刃先5a側へ幅広となる形に設定することにより、同様に切刃5は全長にわたって略等しいクサビ角q(図8参照)を持つように構成されている。
【0029】
図10及び図11に示すように、上記第二実施例のスローアウェイチップ1を装着したスローアウェイ式カッタ10は、既述の第一実施例のチップを装着したカッタと同様に、先端側の周方向3カ所の切欠部10bの形成によって三方向へ放射状配置したバックメタル部10aを有し、各バックメタル部10aの内側面に設けた各チップ座11に、スローアウェイチップ1が片側の切刃5をカッタ本体10の外周より僅かに外側へ突出させた状態として、取付用ねじ8によって固着されている。
【0030】
各チップ座11は底面13がチップにアキシャルレーキ角を付与すべくカッタ本体10の軸方向に対して傾斜しているが、チップ1自体が刃先5a側を高く傾斜した切刃5によってアキシャルレーキ角を持つ形態であるため、図10(イ)に示すようにチップ取付状態の切刃5のアキシャルレーキ角αは大きな正角をなしている。また、図11に示すように、チップ1が切刃5からスクイ面2の中央側へ下り勾配の傾斜面2aを有するため、ラジアルレーキ角βも大きな正角をなしている。しかして、チップ1の第一逃げ面6aが前記のように切刃5の刃先5a側で外側へ膨れ出して刃元5b側に向かって次第にチップ内側へ傾く凸円弧状面をなすため、逃げ角θは刃先5a側から刃元5b側まで略一定した小さい適正な角度(6〜8°)を保持している。
【0031】
図12に詳細に示すように、スローアウェイチップ1は、取付用ねじ8をねじ挿通孔4を通してチップ座11の底面13に穿たれたねじ孔14に螺挿して締め付けることにより、カッタ本体10に固着されている。しかして、チップ座11の側面部12は2段状に形成されており、その上部側面12aはチップ1の第一逃げ面6aと離間して対向すると共に、下部側面12bは該チップ1の第二逃げ面6bと平面同士で密に接しており、また側面部12と底面部13とのコーナー部15ではチップ1の第三逃げ面6cとの間で隙間を生じている。
【0032】
上述のような第一及び第二実施例のチップ1を装着したスローアウェイ式カッタにあっては、刃部のアキシャルレーキ角α及びラジアルレーキ角βが共に正の大きい角度をなすため、切削抵抗が小さく、優れた切削性が得られ、且つチップ1の逃げ面6の刃先5a側(第一実施例では逃げ面6全体、第二実施例では第一逃げ面6a)が凸円弧状面をなすことから、切刃5の摩耗が進んでも逃げ角θは適正な6〜8°程度の小さい角度で保持され、安定した良好な切削を継続できる。しかも、切刃5のクサビ角qが大きく刃先強度に優れるため、刃部の耐久性が良好である。また、切削中に一方の切刃5の破損や溶着物を生じても、逃げ面6の下位側(第二実施例のチップでは第二逃げ面6b)まで損傷や溶着が及ぶことは殆どないから、他方の切刃5を使用するために該チップ1を180度反転してチップ座11に装着する際、チップ座11の下部側面部12bでの位置決め拘束に支障はない。
【0033】
また、これらカッタによる切削中においては、切刃5がカッタ本体10よりも外側へオーバーバングしているので、該切刃5にかかる切削負荷(図6及び図12の矢印Wとして示す)によって、チップ1には反作用として内側部分をチップ座11から浮き離そうとする力、つまり切削側の切刃5を中心としてチップ1を離脱方向に回転させる力が作用する。しかるに、図6及び図12に示すように、チップ座11の下部側面12bに当接している逃げ面6(第二実施例のチップでは第二逃げ面6b)の上位側と切刃5との距離D1 が同下位側との距離D2 よりも短いため、前記の浮き離そうとする力がチップ座11の下部側面12bとの当接部分でカッタ本体10に受け止められる。従って、チップ1が自己保持力を有することになり、取付用ねじ8に上記反作用がかかりにくいため、切削負荷に対する耐性が極めて大きくなる。なお、図6及び図12中、仮想線で示す距離D1,D2 は刃元5b位置での同距離関係を表している。
【0034】
スローアウェイチップ1における切削側の切刃5と、反対側のチップ座11の側面部12に対する当接部の上下位置との距離D1 ,D2 がD1<D2 となり、該チップ1が大きな自己保持力を発揮できるのは、逃げ面6の凸円弧状面(第二実施例では第一逃げ面6a)が切刃5の刃先5a側において刃頂よりも下位の方が外側へ膨れ出すような形状を有していることによる。とりわけ第二実施例のチップ1では、第一逃げ面6aと第二逃げ面6bとの間に段差7を有することにより、チップ座11側と面接触する第二逃げ面6bの傾きが小さくなり、D1 をD2 に対してより短く設定でき、該チップ1の自己保持力をさらに高められている。したがって、カッタ本体に対してより強固に安定した状態に固着できると共に、製作に際して高い寸法精度で安定した高品質を容易に確保し得るものが提供できる。
【0035】
これに対し、例えば図13(イ)に示すように、全体が平坦状で傾斜した逃げ面6Aを有する従来の一般的なスローアウェイチップAでは、切削側の切刃5Aとカッタ本体10Aに取り付ける際に逃げ面6Aとチップ座11Aの側面12Aとをテーパー接合によって当接できるが、この当接部位の上下位置と切削側の切刃5Aとの距離D1 ,D2 がD1 >D2 となるから、自己保持力がなく、切削負荷の反作用が取付用ねじ8Aのみにかかるため、固着強度に劣り高負荷切削に耐えられず、また切削中の切刃5に破損や溶着物を生じると、180度反転して他方の切刃5Aを使用する際の位置決め拘束に支障をきたし、刃先位置のばら付きや取付状態の不安定化を招くことになる。なお、このチップ形態では、逃げ面6A全体が平面状であることにより、既述のように逃げ角θを大きくせざるを得ないという基本的な難点もある。
【0036】
また、上記の逃げ角θの問題に対処するために、図13(ロ)に示すスローアウェイチップ1Bのように逃げ面6Bに段差7Bを設け、切刃5B側の傾斜平面部61Bをカッタ本体10Bにおけるチップ座11Bの側面部12Bに当接する位置決め拘束面とした場合でも、この拘束面の当接部位の上下位置と切削側の切刃5Bとの距離関係はD1 >D2 となってチップの自己保持力がなく、前記チップ1Aと同様に固着強度に劣り高負荷切削に耐えられない上、切刃5Bの破損が段差7B位置まで欠ける形になるため、この破損を生じると位置決め拘束不能となって反転使用できず、また傾斜平面部61Bへの溶着物によって反転使用時の刃先位置のばら付きや取付状態の不安定化を招く。
【0037】
更に、図13(ハ)に示すスローアウェイチップ1Cのように逃げ面6Cを切刃5C側の緩傾斜部61Cと底部側の急傾斜部62Cとで構成し、底部側の急傾斜部62Cをカッタ本体10Cにおけるチップ座11Cの側面図部12Cに当接する位置決め拘束面とした場合は、切刃5Cの破損や溶着物による反転使用時の位置決め拘束の問題はないが、該拘束面の上下位置と切削側の切刃5Cとの距離関係はやはりD1 >D2 となってチップの自己保持力がなく、前記チップ1A,1Bと同様に固着強度に劣り高負荷切削に耐えられず、また異形の切刃形状への対応が困難になるという難点もある。
【0038】
一方、本発明に係るスローアウェイ用カッタ10においては、チップ1の既述形態によって刃部のクサビ角qを大きく保ったままラジアルレーキ角βを大きく正角に取れるため、刃部を芯高とし、つまり図14(第一実施例のチップ装着)及び図15(第二実施例のチップ装着)に示すようにカッタ本体10のチップ1の底面3に平行な半径方向rを基準とした切刃5の高さuを高くし、逃げ角θを適正な角度(約6〜8度)に設定することにより、カッタ本体10のバックメタル部10aの厚みとその放射中心部の径を大きくして該カッタ本体10の剛性を増大でき、またチップのオーバーハングhが最小限に抑えられる。
【0039】
これに対し、既述の逃げ面6A,6Aが平坦な傾斜面である通常のチップ1Aでは、それ自体のクサビ角qは大きくできるが、図16(イ)の如く芯高に設定した場合、刃元側の逃げ角θ2 を確保する(10°以上が多い)と、刃先側の逃げ角θ1 が極端に大きくなる(20°を越えることがある)と共に、オーバーハングhも大きくなるから、刃部の強度は低下することになり、しかもラジアルレーキ角βは大きく負角となって切削抵抗が極端に増大するため、芯高としてカッタ本体10の剛性を高める意味がなくなる。逆に同図(ロ)のように芯下がりdに設定する場合は、ラジアルレーキ角βを正角にとって切削抵抗を低下できるが、刃元側の逃げ角θ2 を確保するために該チップ1Aの逃げ面6Aの傾きψ’を大きくする必要があり、これによってカッタ本体10Aに対する着座安定性が低下すると共に、芯下がりのためにバックメタル部10aが薄くなり、カッタ本体10の剛性が低下する。
【0040】
また、図17に示すチップ1Dのようにチップブレーカ(スクイ面2Dの切刃5Dに沿う両側を立ち上げた形)を付けることにより、芯高状態でラジアルレーキ角βが正角になるように設定した場合、刃元側の逃げ角θ2 を確保する(形態的に10°以上になり易い)と、やはり刃先側の逃げ角θ1 が極端に大きくなる(20°を越えることがある)と共に、オーバーハングhも大きくなり、且つ刃部のクサビ角qも小さいことから、刃部の強度が極端に弱くなり、芯高としてカッタ本体10の剛性を高めた効果が相殺される。
【0041】
上述した本発明に係るスローアウェイ式カッタの特徴を整理すれば、次のようになる。
a)刃部のアキシャルレーキ角α及びラジアルレーキ角βを共に大きく正角にとれる。
b)刃部の逃げ角θを刃先側から刃元側まで一様に適正な小さい角度範囲(約6〜8°)に設定できる。
c)刃部のクサビ角qを充分に確保できる。
d)チップのオーバーハングhを必要最小限に抑えられる。
e)芯高としてカッタ本体10側の剛性を高められる。
f)チップ1のカッタ本体10による保持強度が大きい。
g)チップ1の両側切刃5,5の交替使用に支障を生じない。
【0042】
これら特徴により、本発明に係るスローアウェイ式カッタ10は、切削抵抗が小さく切削時の振動等も少なく、滑らかな切れ味が得られ、刃部の強度が大きく高負荷切削に対して高い適性を示すと共に耐久性に優れて長寿命であり、総合的に極めて高性能である。
【0043】
しかして、特に第二実施例のチップ1を装着したスローアウェイ式カッタでは、該チップ1の平面状の第二逃げ面6bを拘束面としてチップ座11の下部側面12bと平面同士で当接しているため、安定した取付状態となり、切削中にがた付き等を生じる恐れがなく、とりわけ図8のように第二逃げ面6bと底面3との角度ψを90度よりやや大きい鈍角とした場合は、その取付け時に取付用ねじ8をチップ座11のねじ孔14に螺挿して締め付ける際、第二逃げ面6bとチップ座11の下部側面12bとをテーパー接合によって強く圧接させることができるので、極めて強固な固着状態となり、チップの保持強度及び着座安定性に優れ、より高負荷の切削加工に耐える優れた耐久性を発揮すると共に、高い切削精度が得られる。
【0044】
本発明のスローアウェイチップ1を製造するには、まず超硬材料の粉末を通常は加熱下でプレス成形することにより、スクイ面2における両側の傾斜面2a,2aを有すると共に逃げ面6となる部分に取り代を持つ形のチップ素材を作製し、これを焼結したのち、研削加工によって該逃げ面6の凸円弧状面を形成すればよい。
【0045】
すなわち、第一実施例のチップ用としては、図18及び図19に示すように、逃げ面6とすべき両側面60,60の全体を平面状としたチップ素材1aを用いる。また第二実施例のチップ用としては、図20に示すように、第一逃げ面6aに対応する領域に取り代を持たせる平面60aと、平坦な第二逃げ面6bを底面3側まで延長した形で第三逃げ面に取り代を持たせる平面60bとからなる二段状の両側面60,60を有するチップ素材1aを用いる。そして、焼結後のこれらチップ素材1aの両側面60,60を図19及び図20の仮想線で示すカット線Cまで円弧状に研削するが、第二実施例のチップ1における第二逃げ面6bは平面60bの未研削部分として残った領域にて構成されることになる。なお、図18では、加工前後の違いを判り易くするためにチップ素材1aを簡略化した形で示しているが、実際には既述のチップ1におけるねじ挿通孔4、側面60,60に隣接する両側面の凹凸形状、角部及び稜線部のアール形状を前記プレス成形の段階で形成している。
【0046】
この研削加工においては、逃げ面6の凸円弧状面を、既述のように切刃5の刃先5a側において刃頂からチップ底面3位置へ降ろした垂線pよりも外側へ膨れ出し、この刃先5a側から刃元5b側に向かって次第に前記垂線pからチップ内側へ傾く形で連続するものとする上で、両側面60,60を片方ずつ、当該側面60側の前記傾斜面2aを含む傾斜平面に対して45度以下の鋭角で交叉する軸線を中心として円筒研削するだけでよい。なお、前記傾斜平面と軸線との交角はカッタ本体10への装着時のアキシャルレーキ角αに対応しており、該交角が45度を越える状態で円筒研削したチップでは、切刃5が著しく倒れた形でカッタ本体10に取り付けることになり、カッタ軸線方向の切削幅が短くなって不都合を生じると共に、切刃5の刃先5a側が薄くなって破損し易いという問題がある。
【0047】
この研削加工手段としては、チップ素材1aをその支持基体となる回転軸体に対して、カッタ本体10への装着時と略同様の配置状態で取り付け、この回転軸体を回転させながら側方よりバイト等の研削具を接触させて一方の側面60を削り込んで凸円弧状の逃げ面6を形成し、次いで同じ回転軸体に該チップ素材1aを180度反転させた形に付け替え、他方の側面60を同様に削り込んで逃げ面6を形成する方法が推奨される。この場合、上記の支持基体となる回転軸体としてはカッタ本体10と略同様の構造のものを使用し、そのチップ座に取付用ねじ8を介して、チップ素材1aを一方の側面60全体が軸体外周より取り代分以上に張出する状態で固着すればよい。なお、研削具を周回運動させつつ側面60に接触させても良い。
【0048】
図21は、上記の円筒研削における研削終了時の研削円筒Σとチップ1の配置関係を示す。なお、この場合のチップ1は、以下の説明が理解し易いように、第一実施例のチップ1を更に簡略化した形態で代表している。図中の破線ハッチングは研削円筒Σの径方向に沿うチップ断面を示し、該チップ1の逃げ面6が研削円筒Σの周面にて構成されていることを表している。kは研削円筒Σの半径、σは研削円筒Σの軸線を示す。
【0049】
上記切削加工によって逃げ面6,6を形成して得られるスローアウェイチップ1は、カッタ本体10への装着状態では、切削側の逃げ面6がカッタ本体10の軸心Oを中心とする切削円周Lに沿った逃げ角θのない状態から、切削側の切刃5の稜線の両端を支点として該逃げ面6が切削円周Lより離れる方向へ回動して逃げ角θを確保した配置姿勢とする。例えば図22に示すように、前記研削加工における研削円筒Σの半径kとカッタにおける切削半径Rとを等しく設定した場合、図示仮想線の如く前記研削加工時と同じ配置では逃げ面6が切削円周Lに接する(逃げ角θ=0°)ために切削不可能になるが、この状態から切刃5の位置を中心として該チップ1を矢印のように逃げ面6が切削円周Lから離れる方向へ回動させた図示実線の配置姿勢とすることによって逃げ角θを確保できる。
【0050】
上述を換言すれば、カッタ本体10としては、チップ1が図22の実線で示す配置状態となるチップ座11を備えるものを使用すればよい。しかして、このチップ座11は、上記配置状態で装着したチップ1の逃げ面6の底面3側の端縁と、バックメタル部10aの外端縁とが一致する寸法・形状であることが望ましい。なお、図中のiはカッタ本体10(バックメタル部10a)の半径である。
【0051】
前記研削加工における研削円筒Σの半径kはカッタにおける切削半径Rと等しく設定する必要はないが、k≠Rであっても前記同様に姿勢変換した形で逃げ角θを確保することになる。例えば、k<Rの場合、チップ1の逃げ面6がカッタ本体10の切削円周Lに沿った状態とは、切削円周Lの大円に研削円筒Σの小円が内接した形であり、逃げ面6は底面3側ほど切削円周Lから離れるが、切刃5の近傍では密接してやはり逃げ角θがなく切削不能な状態であるため、この配置から前記のように切刃5の稜線の両端を支点として回動した姿勢とすることによって初めて逃げ角θが確保される。
【0052】
図23(イ)は、チップ1のスクイ面2における傾斜面2aを含む傾斜平面をSとして、該傾斜平面Sと前記の逃げ面6を形成する際の研削円筒Σとの関係を図示したものである。また図23(ロ)は、同図(イ)におけるチップ1の片方の逃げ面6部分を拡大して示している。図示するように、前記研削加工によって逃げ面6を形成したチップ1にあっては、前記傾斜平面Sと研削円筒Σの周面との交線が楕円になるから、その切刃5,5の稜線は楕円弧をなす。以下、この稜線の曲線の式を求める方法を説明する。
【0053】
図23(イ)(ロ)において、切刃5の稜線の両端をa,b(刃先5a側をa、刃元5b側をb)点とし、a,b点を直線で結んだ線分abの方向をx 軸、線分abの中点を原点であるm、稜線の中間点をn点、m点から研削円筒Σの軸線σに下した垂線の足をm’点、垂線mm’方向をy軸、m点を通って上記x軸及びy軸に直交する方向をz軸、y軸(垂線mm’)と傾斜平面Sとのなす角度をΦ、傾斜平面Sと研削円筒Σの軸線σとの交角をηとする。切刃5の稜線は線分abよりもy軸方向に突出している。図24(イ)は逃げ面6の線分abに直角な面への投影図であり、線分ab方向はx軸に相当するから、投影面はyz面である。
【0054】
ここで、線分ab上のm点と研削円筒Σの軸線σとの距離をdとすれば、研削円筒Σの軸線σは、y軸に直交し、y=−dをとおり、x軸と角度η、z軸と角度(90°−η)をなす。またm点から研削円筒Σの軸線σに下した垂線の足m’の座標は(0,−d,0)である。研削円筒Σの軸線σは;
y+d=0 かつ x sinη+z cosη=0 …(1)
である。軸線σからの距離がk(半径)である点の集合である円筒Σの式は、
(y+d)2+(x sinη+z cosη)2=k2 …(2)
となる。線分ab及びm’点を含む平面がxy面である。
【0055】
線分abの長さをjとすれば、a点の座標は(+j/2,0,0)、b点の座標は(−j/2,0,0)である。a,b点は共に研削円筒Σの面上にあり、y=0,z=0であるから、a,b点におけるxは式(2)から、
x=±( k2−d2)1/2 / sinη …(3)
である。つまり線分abの長さjと、dには次の関係がある。
j=2( k2−d2)1/2 / sinη …(4)
この関係を図25と図26に直観的に示す。切刃5の稜線は線分abを軸としてy軸から角度Φ傾いた傾斜平面Sと円筒Σとの交線であるから、傾斜平面Sの式は、
y sinΦ+z cosΦ=0 …(5)
である。
【0056】
切刃5の稜線の式、つまり傾斜平面Sと研削円筒Σの交線は、式(2)と式(5)を連立させて解くことによって得られる。これを解くのは難しいので、傾斜平面Sがxy平面になるように座標変換(x、y、z→X、Y、Z)する。図24に座標変換を示す。
y=Y cosΦ+Z sinΦ …(6)
z=−Y sinΦ+Z cosΦ …(7)
x=X …(8)
傾斜平面SはZ=0つまりXY面である。
【0057】
研削円筒Σは次式によって表現される。
(YcosΦ+ZsinΦ+d)2+(Xsinη−YsinΦ cosη+ZcosΦ cosη)2=k2
…(9)
稜線はXY面上に存在するから、Z=0である。これを式(9)に入れると、
(YcosΦ+d)2+(Xsinη−YsinΦ cosη)2=k2 … (10)
この式(10)は、厳密に稜線を含む曲線(楕円)の式を与えている。YはXの偶関数ではなく、単純な二次曲線でないことを意味している。dを線分abの長さjを使って書き変えると、切刃5の稜線は次式にて表される。
[YcosΦ+{k2−(j2 sin2η/4)}1/2]2 +(Xsinη−YsinΦ cosη)2=k2
… (11)
【0058】
ここで、傾斜平面Sは線分abを回転軸として回転させることができ、傾斜平面Sとy軸とがなす角度Φは可変である。すなわち、この研削円筒Σにおける切刃5のアキシャルレーキ角は、線分abと研削円筒Σの軸線σとの交角ηであるから、上記角度Φが変動しても不変である。つまり角度Φはアキシャルレーキ角とは別の変数であり、アキシャルレーキ角を決めても自由パラメータとして残る。これは、チップ製作に際して切刃5の稜線の楕円弧の選択範囲が広くなること意味し、カッタの使用条件の違いに対応できるという利点に繋がる。
【0059】
次に、式(11)のYをこうべきの形にして、
(cos2Φ+sin2Φcos2η)Y2 +2(d cos Φ−X sin η cosη sinΦ)Y
+ (d2−X2sin2η)=0 … (12)
これをYについて解くと、
となる。上式にはプラスとマイナスの記号があるが、切刃5の稜線はプラスの符号の分岐である。式(13)の第3項は第1、第2項に比較して小さいので、式(13)を近似して、
Y=(K2−d2−X2sin2η)/2(dcosΦ−Xsinη cosη sinΦ)… (14)
これが稜線を表す式である。Xは線分ab上に取った座標であるから、稜線の全長に亘る形状を示している。線分abの長さjと偏奇dには既述の式(4)の関係があるから、次のように書くこともできる。
Y=sin2η{(j2/4)−X2}/2[{k2−(j2 sin2η/4) }1/2 cos Φ−Xsinη・
coslη sinΦ] … (15)
【0060】
次に切刃5の稜線の任意の点における曲率半径を求める。まず、式(15)は分母にXの一次の項があるので、n点に関して非対称であることが分かる。Φ=0とするとその非対称性は消滅するが、Φが0でない限り非対称性がある。点a,bでは、X=±j/2 =±( k2−d2)1/2/ sinηであるから、Y=0である。これの1階微分は、
− sinη{ cosη sinΦ( k2−d2)+ 2dX sinη cosΦ+X2sin2η cosη・
sinΦ}/2(d cosΦ−Xsinη cosη sinΦ)2 … (16)
となる。2階微分は、
−sin2η{d2cos2Φ+( k2−d2)cos2ηsin2Φ+ 2dX sinη cosη sinΦ・
cosΦ}/(d cosΦ−Xsinη cosη sinΦ)3 … (17)
となる。
【0061】
従って、曲率半径は、次式で表される。
【0062】
さて、このように半径kの研削円筒Σによって逃げ面6を研削形成したチップ1は、該研削円筒Σと同軸のカッタ本体10に対して、該逃げ面6を研削形成した際の研削円筒Σにおける配置状態から、既述のように切刃5の両端を支点として、つまり線分abを軸として角度ωだけ内側に回動した姿勢で固定する。その場合、逃げ角θは稜線上の全ての点でθ(X)=ω cosηである。従って、前記のチップ1を回動させる角度ωを、好ましい逃げ角θを cosηによって割った値(ω=θ/ cosη)に設定すれば、稜線上の全ての点で逃げ角θは好ましい角度になる。例えば、好ましい逃げ角θを6゜と仮定し、交角ηを20゜とすると、ω=6.38゜とすることによって、逃げ角θを切刃5の全体にわたって一様に6゜とすることができる。これは逃げ面6の凸円弧状面を研削円筒Σによって研削形成したことの優れた効果である。
【0063】
なお、前記(11)式で示す切刃5 の稜線の式、並びに前記(18)式で示す曲率半径は、該稜線が図23に示す傾斜平面Sと研削円筒Σとの交線をなす楕円Q上のどの位置にあっても成立するものである。しかるに、実際の切刃5の稜線は、既述のように刃先5a側と刃元5b側とを結ぶ直線abよりも逃げ面6の延長方向へ緩く膨れ出す曲線をなすから、該稜線の中央部が逆に凹む形になる位置の楕円弧は不適当である。また該楕円Qにおける長軸の両端近傍の楕円弧では、切刃5の稜線はカッタにおける切削方向に倒れてアキシャルレーキ角が極端に大きくなり、前述した研削円筒Σの軸線σと傾斜平面Sとの交角が45°を越える場合と同様の問題を生じるので好ましくない。
【0064】
ところで、本発明のチップは、カッタ本体10に対し、既述のように逃げ面6の凸円弧状面を加工する際の研削円筒Σにおける配置から線分abを中心にωだけ内側に回動した配置姿勢で固定するから、切刃5の稜線の回転軌跡が円筒にならず凸鼓型になる。すなわち、この姿勢変換は、図24(ロ)に示すように、傾斜平面SがX軸を中心に角度ωだけ回転してS’の状態となり、稜線の中間点nがn’位置へ来た形、つまり稜線が半径方向へも突出した曲線になる。しかるに、例えば、線分abの長さj=20mm,d=10mm、η=20゜、ω=6゜として計算すると、姿勢変換後の稜線の中間点n’の突出量tは8.4μmに過ぎず、10mm程度の切削半径に対して極めて小さいため、エンドミル等のカッタによる切削加工上で特に不都合を生じるものではない。
【0065】
既述のように、チップ1の逃げ面6の凸円弧状面を研削形成するときの研削円筒Σの半径kは、このチップ1を装着したスローアウェイ式カッタにて被加工物を切削加工するときの切削円周Lの半径Rと同一である必要はない。例えば、Rが20mmであって、kが22mm、23mmあるいは21mmということも可能である。しかして、k>Rとすれば、切刃5の稜線中央部の突出量tが小さくなる。従って、研削円筒Σの半径kは、カッタによる切削加工時の切削円周Lの半径Rと同等か、もしくは該半径Rよりも大きく設定することが好ましい。
【0066】
本発明に係るスローアウェイチップ1のように、逃げ面6の少なくとも切刃5側が凸円弧状面にて構成され、カッタ本体10に対してアキシャルレーキ角αを持たせて装着するものであるにも関わらず、該逃げ面6の凸円弧状面を上述のように円筒研削によって形成できることは、切刃5の稜線の回転軌跡が僅かに凸鼓型になるという難点を充分に補って余りある極めて大きな利点である。すなわち、上記の円筒研削では、既述のように保持基体となる回転軸体にチップ素材1aを所定の配置姿勢で取り付け、該回転軸体を回転させつつ側方からバイト等の研削具を接触させるだけで凸円弧状面を形成できるから、その研削加工において複雑な制御操作を必要とせず、ばらつきのない高い寸法精度のチップ1を安定的に極めて容易に量産でき、特殊な曲面加工を施す場合に比較して設備コスト及び製造コストを大幅に低減でき、ひいてはチップ1自体を安価に提供できる。
【0067】
これに対し、例えば図23におけるチップ製作時の研削円筒Σをカッタによる切削加工円筒に置き換え、該カッタに装着する仮想チップの切刃の稜線が楕円Q上にある楕円弧になるように設定すれば、切刃がアキシャルレーキ角を持つ状態で、該切刃の稜線は全長にわたって厳密に切削加工円筒の内周に接するから、該稜線の切削軌跡は完全な円筒となるから、カッタとしては理想的である。しかるに、この仮想チップの逃げ面は、該切削加工円筒の周面形状では逃げ角がなく切削不能となるから、円弧状面にはなし得ず、楕円弧の稜線全長にわたって一様で適正な逃げ角を与える上で特殊な自由曲面に設定せねばならない。従って、この仮想チップでは、チップ素材から製作する際、逃げ面を本発明のような円筒研削にて形成することは不可能であり、チップ素材と研削具の両者の動きを相対的に制御しつつ設定した自由曲面を削り出す必要があるから、操作的に極めて困難であり、製造能率が悪い上に寸法精度のばらつきを生じ易く、また逃げ面の研削に要する動作機構とその制御機構が非常に複雑になり、もって製造コスト及び設備コストが共に高く付くことになる。
【0068】
なお、前記第二実施例のように平面状の第二逃げ面6bを有するスローアウェイチップ1では、該第二逃げ面6bは、逃げ面6の第一逃げ面6aとなる部分に取り代を持つ形のチップ素材1aを製作する際のプレス成形時に形成できるから、前記円筒研削によって焼結後のチップ素材1aの取り代を削り取って凸円弧状の第一逃げ面6aを仕上げる際に、平面状の第二逃げ面6bをチップ幅方向の位置決め基準として研削加工を行えるという利点がある。更に、第二実施例のチップ1のように凸円弧状の第三逃げ面6cを設けた構成では、該第三逃げ面6cがチップ底部の縁角部を面取りした形になるから、カッタ本体10のチップ座11の側面12と底面13とのコーナー部15にはチップの縁角部との当たりを回避するためのぬすみ部を設ける必要がなく、もってカッタ本体の製作が容易になるという利点がある。
【0069】
本発明のスローアウェイチップは、スクイ面の短辺側の側縁形状が既述実施例とは種々異なるものも包含する。更に、本発明に係るスローアウェイ式カッタは、カッタ本体10に例示の如く3個のチップ1を装着する構造に限らず、2個あるいは4個のチップ1を装着する構造であってもよい。
【0070】
【発明の効果】
第1特徴構成によれば、スローアウェイチップとして、それ自体が正のアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角を持つ形態であり、カッタ本体への取付状態におけるアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角を大きく正角に設定できるため、カッタの切削抵抗を小さくして良好な切削性を付与でき、また切刃のクサビ角を大きく確保して且つカッタ本体への取付状態における逃げ角を切刃の刃先から刃元にわたって一様に小さく適正範囲に設定できる上、カッタ本体への取り付けを芯高として切刃のカッタ本体からのオーバーハングを最小限に抑えることができ、もってそれ自体の強度とカッタ本体側の強度を共に高めることが可能であり、且つカッタ本体への装着状態で大きな自己保持力を発揮し、カッタの高負荷切削への適用性を著しく高めることができ、しかも製造容易なものが提供される。
【0071】
また、逃げ面の凸円弧状面を構成する円筒の半径が、カッタ本体に当該チップを装着した際のカッタ切削半径と同一又は該切削半径より大きく設定され、切刃の稜線の楕円弧の曲率が小さいことから、カッタ本体に装着した際の切刃の中央部のカッタ半径方向への突出が少なく、それだけ切削精度が向上すると共に、チップ全体としてのカッタ本体からのオーバーハングも小さくなるため、カッタにおける刃部の強度が大きくなって高負荷切削への適応性が増す。
【0072】
さらに、上記スローアウェイチップにおいて、逃げ面の凸円弧状面がスクイ面の傾斜面を含む傾斜平面と鋭角で交叉する軸線の円筒の周面よりなり、切刃の稜線が円筒の周面と前記傾斜平面との交線である楕円弧をなすため、特に逃げ面の凸円弧状面を円筒切削によって簡単に形成できる。また、上記スローアウェイチップにおいて、切刃の稜線が特定の式で表される楕円弧をなすことから、特に製作容易である上、カッタ本体への装着時に切刃の全長にわたって一定した逃げ角を設定できると共に、チップ製作に際して切刃の稜線の選択範囲が広くなるため、カッタの使用条件の違いに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例に係るスローアウェイチップを示し、(イ)は平面図、(ロ)は側面図、(ハ)は正面図である。
【図2】 図1(イ)のイ−イ線の断面矢視図である。
【図3】 同スローアウェイチップにおける、(イ)は刃先側、(ロ)は中間部、(ハ)は刃元側、のそれぞれ要部の縦断面図である。
【図4】 上記第一実施例のスローアウェイチップを装着したスローアウェイ式カッタの先端部を示し、(イ)は側面図、(ロ)は一部破断側面図である。
【図5】 同カッタにおける先端面側から見たスローアウェイチップの配置状態を示す図である。
【図6】 同カッタのチップ取付け部分の横断面図である。
【図7】 本発明の第二実施例に係るスローアウェイチップを示し、(イ)は平面図、(ロ)は側面図、(ハ)は正面図である。
【図8】 図7(イ)のイ−イ線の断面矢視図である。
【図9】 同スローアウェイチップにおける、(イ)は刃先側、(ロ)は中間部、(ハ)は刃元側、のそれぞれ要部の縦断面図である。
【図10】 上記第二実施例のスローアウェイチップを装着したスローアウェイ式カッタの先端部を示し、(イ)は側面図、(ロ)は一部破断側面図である。
【図11】 同カッタにおける先端面側から見たスローアウェイチップの配置状態を示す図である。
【図12】 同カッタのチップ取付け部分の横断面図である。
【図13】 本発明とは異なる形態のチップを用いたスローアウェイ式カッタを示し、(イ)は逃げ面全体が傾斜平面状のチップの取付け部分、(ロ)は逃げ面に段差を設けたチップの取付け部分、(ハ)は逃げ面が緩急の傾斜平面からなるチップの取付け部分、のそれぞれ横断面図である。
【図14】 第一実施例のチップの取り付けを芯高としたスローアウェイ式カッタの先端側から見た概略正面図である。
【図15】 第二実施例のチップの取り付けを芯高としたスローアウェイ式カッタの先端側から見た概略正面図である。
【図16】 従来の一般的なスローアウェイチップを取り付けたスローアウェイ式カッタの先端側から見た状態を示し、(イ)は取り付けを芯高とした場合、(ロ)は取り付けを芯下がりとした場合、のそれぞれ概略正面図である。
【図17】 チップブレーカを付けた従来のスローアウェイチップを芯高に取り付けたスローアウェイ式カッタの先端側から見た概略正面図である。
【図18】 前記第一実施例のスローアウェイチップに用いるチップ素材の斜視図である。
【図19】 同チップ素材の縦断面図である。
【図20】 前記第二実施例のスローアウェイチップに用いるチップ素材の縦断面図である。
【図21】 チップ素材の側面の円筒研削によって逃げ面の凸円弧状面を研削形成した際の研削終了時の研削円筒とチップの配置関係を示す斜視図である。
【図22】 本発明に係るスローアウェイチップの前記円筒研削における配置姿勢からカッタ本体への装着時の配置姿勢への変換を示す模式図である。
【図23】 本発明のスローアウェイチップの逃げ面及び稜線を決定する手法を説明するものであり、(イ)は円筒研削におけるスローアウェイチップの切刃の稜線を含む傾斜平面と研削円筒との関係を示す斜視図、(ロ)は(イ)の要部の拡大図である。
【図24】 (イ)は図23のx軸方向から見た傾斜平面と研削円筒との関係を示す説明図、(ロ)は同x軸方向から見たスローアウェイチップの前記配置姿勢への変換による傾斜平面と逃げ面の変位を示す説明図である。
【図25】 スローアウェイチップにおける切刃の稜線両端を結ぶ線分abをx軸にした座標系において、y軸と研削円筒の中心との距離−研削円筒の半径−線分abの長さの関係を直観的に与えるための円筒軸から見た図である。
【図26】 同上の関係を直観的に与えるための研削円筒側面から見た図である。
【図27】 ソリッド型エンドミルにおける刃先の逃げ面が凸円弧状である場合と平面状である場合とを比較する説明図である。
【図28】 逃げ面が凸円弧状であるチップを装着した従来提案に係るスローアウェイ式カッタのチップ取付け部分の横断面図である。
【符号の説明】
1 スローアウェイチップ
1a チップ素材
2 スクイ面
2a 傾斜面
3 底面
4 ねじ挿通孔
5 切刃
5a 刃先
5b 刃元
6 逃げ面
6a 第一逃げ面
6b 第二逃げ面
6c 第三逃げ面
60 側面
7 段差
8 取付用ねじ
10 カッタ本体
10a バックメタル部
11 チップ座
12 側面部
12a 上部側面
12b 下部側面
13 底面部
14 ねじ孔
C カット線
L 切削円周
O カッタ軸心
Q 楕円
R 切削半径
S 傾斜平面
W 切削負荷
X X軸
Y Y軸
Z Z軸
a 切刃の稜線の一端
b 切刃の稜線の他端
ab 切刃の稜線の両端を結ぶ線分
h 切刃のオーバーハング
i カッタ本体の半径
j 線分abの長さ
k 研削円筒の半径
m 線分abの中点
m’ m点より研削円筒の軸線に下した垂線の足
mm’ m点より研削円筒の軸線に下した垂線
d m点と研削円筒の軸線との距離
n 切刃の稜線の中間点
p 垂線
q クサビ角
t 切刃の稜線中央部の半径方向への突出量
x x軸
y y軸
z z軸
α アキシャルレーキ角
β ラジアルレーキ角
θ 逃げ角
ψ チップの第二逃げ面と底面との角度
Σ 研削円筒
σ 研削円筒の軸線
Φ 垂線mm’と傾斜平面とのなす角度
η 傾斜平面と研削円筒の軸線との交角
ω チップを回動させる角度
Claims (1)
- 平面視略平行四辺形状のスクイ面から対向する底面へ貫通するねじ挿通孔を有し、スクイ面の側縁が切刃を構成し、
前記切刃はチップ底面位置からの高さが刃元側よりも刃先側を高くするように傾斜し、スクイ面には切刃よりチップ中央側へ下り勾配の傾斜面が形成され、さらに、
前記切刃に沿う側面側の逃げ面は、その少なくとも切刃側が、切刃の刃先側において刃頂からチップ底面位置へ降ろした垂線よりも外側へ膨れ出すと共に、この刃先側から刃元側に向かって次第に前記垂線からチップ内側へ傾く形で連続する凸円弧状面をなすよう形成され、
前記凸円弧状面を構成する円筒の半径が、カッタ本体に当該スローアウェイチップを装着した際のカッタ切削半径と同一又は前記切削半径より大きくなるよう設定されてなるスローアウェイチップであって、
前記凸円弧状面は、スクイ面における前記傾斜面を含む傾斜平面に対して軸線が45度以下の鋭角で交叉する円筒の周面より構成され、
該円筒の周面と前記傾斜平面との交線である楕円弧から切刃の稜線が構成され、該稜線が、その両端を結ぶ直線である線分abの中点をm点とし、線分ab方向をX軸、m点と稜線の中間点nとを結ぶ方向をY軸、線分abの長さをjとし、逃げ面の凸円弧状面を構成する前記円筒の半径をk、m点より前記円筒の軸線に下した垂線の足をm'、この垂線mm'と稜線を含む傾斜平面とのなす角度をΦ、該傾斜平面と前記円筒の軸線との交角をηとして、下式;
[YcosΦ+{k2−(j2 sin2η/4)1/2}]2 +(X sinη−YsinΦ cosη)2=k2で表されるスローアウェイチップ。
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