JP6086179B1 - 刃先交換式回転切削工具及びインサート - Google Patents

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Abstract

本願発明の刃先交換式回転切削工具(6)では、インサート(5)の切れ刃部(4)は、外周切れ刃(9)と、底切れ刃(11)と、コーナーR切れ刃(13)と、面取り面(15)と、を備え、コーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)が、コーナーR切れ刃(13)の刃長全域において負の値を有し、放射方向すくい角(δ)は、コーナーR切れ刃(13)のうち、一対の前記境界点(P、Q)同士の間に位置する中間部分において最小値となっている。

Description

本願発明は、被削材の側面仕上げ加工に好適な切削加工用のインサートを装着した刃先交換式回転切削工具、及びインサートに関する。
本願は、2015年11月16日に、日本に出願された特願2015−223958号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
金型等の被削材に、加工基準面となる底面や水平面に垂直な側面を仕上げ加工する場合、従来からスクエアタイプのソリッドエンドミルが使用されている。しかし、工具突出しが長い(L/Dが4以上)加工においては、工具の倒れにより加工精度が出にくい。なお、前記「L/D」のうち、L値は工具の回転中心軸線方向の長さ、D値は工具切れ刃の回転軌跡の直径である。
また、ソリッドタイプは、例えば、外径がφ10mm以上のサイズにおいては工具自体も非常に高価であるため、工具突出しの長い(L/Dが4以上)加工においては、刃先交換式ラジアスエンドミルが使用される。加工精度を得るためには、ビビリ振動の発生を抑制するとともに、切れ刃にチッピングや欠損が発生しないように切削条件を落として加工する必要がある。なお、前記「切削条件を落として」とは、例えば、切り込み量や送り等の切削条件を低い値に抑えることである。
このため、刃先交換式ラジアスエンドミルの切れ刃形状に関しては種々の提案がされている。
特許文献1(特開平8−281513号公報)には、工具本体先端部のV字状のスリットによりインサートを着脱自在に挟持することができる刃先交換式エンドミルであり、その切れ刃チップが、工具本体の先端頂角から発して軸線方向に形成される外周刃と、外周刃とほぼ垂直に位置する底刃と、底刃コーナに外周刃と底刃とに接するほぼ1/4円弧からなるコーナR刃とを備え、該底刃のギャッシュ角を30〜45°として外周刃に平行な0.1〜1mmの幅の未ギャッシュ部を備える刃先交換式エンドミルが記載されている。
特許文献2(特許第5744235号公報)には、工具本体の先端部に存在する底切刃と、工具本体の外周に存在する外周切れ刃とが形成され、底切刃と外周切れ刃との間がコーナR切れ刃によりつながれており、外周切れ刃のすくい面の後方には切屑排出溝が設けられ、コーナR切れ刃に隣接したコーナギャッシュが形成されたラジアスエンドミルが記載されている。そして、コーナギャッシュは、縁の一部がコーナR切れ刃と底切れ刃との境界およびコーナR切れ刃と外周切れ刃との境界以外のコーナR切れ刃上に設けられて、コーナギャッシュと接する底切れ刃側の端部におけるアキシャルレーキが5〜20°に設定されていることが特許文献2に記載されている。
特許文献3(特許第5267556号)に記載のラジアスエンドミルでは、エンドミル本体の先端部外周に設けられた切屑排出溝またはこの切屑排出溝の先端部に設けられたギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面がすくい面となり、このすくい面の先端側が底切れ刃、外周側が外周切れ刃とされ、底切れ刃と外周切れ刃とをつなぐコーナ刃は、凸円弧状のコーナ刃を含み、コーナ刃は正の切れ刃傾き角を有し、すくい面の辺稜部側にある切れ刃は、底刃側から外周刃側に向かうに従い、エンドミル回転方向後方側に向かうように傾斜し、かつエンドミル回転方向後方側への傾斜が、コーナ刃からこのコーナ刃がなす凸円弧の中心に向うに従い漸次大きくなる捩れ面状に形成されている。
特許文献4(特開2011−20192号)には、底刃のすくい面のすくい角が負の角度とされており、さらにコーナRのすくい面、および外周切れ刃のすくい面のすくい角も負の角度とされたソリッドタイプのねじれ刃ラジアスエンドミルが記載されている。
特開平8−281513号公報 特許第5744235号公報 特許第5267556号公報 特開2011−20192号公報
特許文献1には、ホルダ本体の先端部に軸線方向に延在するスリットを設け、スリットによりスリットから突出する先端縁に切れ刃を有するチップが挟持され、切れ刃チップの先端頂角から発して軸線方向に外周刃と、外周刃が発する頂角から軸中心を含む対角線上に外周刃とほぼ垂直に位置する底刃と、底刃コーナに外周刃と底刃とに接するほぼ1/4円弧からなるコーナアール刃と、を一対備えた切れ刃チップを設けたことを特徴とするスローアウェイ式エンドミルが記載されている。
しかし、特許文献1のエンドミルには、被削材の側面仕上げ加工における外周切れ刃の食付きを向上することや、底面仕上げ加工における工具寿命を延長することについて改善の余地がある。
特許文献2では、コーナR刃の中にコーナギャッシュを設けた切れ刃形状が検討及び記載されており、外周切れ刃近傍のコーナR切れ刃において、外周切れ刃との繋ぎ目に段差や角が出来ることを制御するとともに、切れ味を向上させることで横送り加工の能力を高めている。また、底刃近傍のアキシャルレーキが小さくなり、すくい面の段差がなく、切屑の流出が妨げられることがないので、加工面の面粗度を滑らかにすることが出来ることが特許文献2には記載されている。
しかし、特許文献2のエンドミルには、被削材の側面仕上げ加工における外周切れ刃の食付き、および底面仕上げ加工における工具寿命について改善の余地がある。
特許文献3では、底刃側から外周切れ刃側につながるコーナR切れ刃について、コーナR切れ刃に沿った直角すくい角の大幅な変化を抑えることと、さらに切れ刃傾き角の変化も抑え切屑排出性を確保することでより安定した切削性能を発揮するラジアスアンドミルの切れ刃形状について検討及び記載されている。
しかし、特許文献3のエンドミルには、被削材の側面仕上げ加工における外周切れ刃の食付きを向上することや、底面仕上げ加工における工具寿命を延長することについて改善の余地がある。
特許文献4には、底刃のすくい面のすくい角が負の角度とされており、さらにコーナRのすくい面、及び外周切れ刃のすくい面のすくい角も負の角度とすることにより、底刃の耐欠損性を高めながら切屑の排出性も向上させて工具の耐久性向上を図ったソリッドタイプのねじれ刃ラジアスエンドミルが記載されている。
しかし、特許文献4のエンドミルには、被削材の側面仕上げ加工における外周切れ刃の食付き、および底面仕上げ加工における工具寿命について改善の余地がある。
本願発明は、金型等の被削材に加工基準面となる底面や水平面に垂直な側面を仕上げ加工する場合、特に工具突出しの長い(例えばL/Dが4以上)加工における切削性能を改善し、被削材の底面の仕上げ寸法精度のほか、水平面に垂直な側面仕上げ加工における寸法精度に優れた刃先交換式回転切削工具、及びインサートを提供することを目的とする。
本願発明の一態様は、工具本体の先端部に設けた取付座に、切れ刃部を有するインサートを着脱自在に装着する刃先交換式回転切削工具であって、前記取付座は、前記工具本体の先端部に、工具の回転中心軸を含んで前記回転中心軸に直交する径方向に延びて形成されたスリット状のインサート嵌合溝と、前記インサート嵌合溝に挿入された前記インサートを固定するための固定用ネジと、を備え、前記インサートの切れ刃部は、前記回転中心軸方向に沿うように延びる外周切れ刃と、前記外周切れ刃のすくい面と、前記径方向に沿うように延びる底切れ刃と、前記底切れ刃のすくい面と、前記底切れ刃の前記径方向の外端と前記外周切れ刃の前記回転中心軸方向の先端とを繋ぐとともに、前記工具本体の先端外周側へ向けて凸となる円弧状に形成されたコーナーR切れ刃と、前記コーナーR切れ刃のすくい面と、前記コーナーR切れ刃のすくい面、及び、前記底切れ刃のすくい面のうち少なくとも前記径方向の外側に位置する部分を含む面取り面と、前記底切れ刃のすくい面の前記回転中心軸方向の基端側に形成される切屑排出溝と、前記外周切れ刃のすくい面の前記径方向の内側に形成される切屑排出溝と、を備え、前記外周切れ刃のねじれ角が、正の値を有し、前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、負の値を有し、前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、負の値を有し、前記コーナーR切れ刃上の所定の点及び前記回転中心軸を含む基準面に対して垂直であり、かつ、前記コーナーR切れ刃の円弧中心点と前記所定の点とを通る仮想直線を含む仮想平面内において、前記基準面に対して前記コーナーR切れ刃のすくい面が傾斜する角度である真のすくい角を、放射方向すくい角と定義して、前記コーナーR切れ刃の放射方向すくい角が、前記コーナーR切れ刃の刃長全域において負の値を有し、前記放射方向すくい角は、前記コーナーR切れ刃のうち、一対の前記境界点同士の間に位置する中間部分において最小値となることを特徴とする(以下、「本願発明の刃先交換式回転切削工具」と称する)。
また、本願発明の他態様のインサートは、上述の刃先交換式回転切削工具に用いられることを特徴としている(以下、「本願発明のインサート」と称する)。
本願発明の刃先交換式回転切削工具及びインサートでは、円弧状のコーナーR切れ刃と外周切れ刃との境界点(最外周位置)におけるコーナーR切れ刃の軸方向すくい角が負の値を有し、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点(最先端位置)におけるコーナーR切れ刃の軸方向すくい角が負の値を有している。つまり、コーナーR切れ刃の軸方向すくい角は、ネガティブ角とされている。また、外周切れ刃のねじれ角は、正の値を有しており、ポジティブ角とされている。
本願発明の刃先交換式回転切削工具及びインサートが本構成を有することによって、コーナーR切れ刃と外周切れ刃との境界点は、工具の回転中心軸回りの周方向のうち、工具回転方向へ向けて最も突出した点(最凸点)となる。このため、水平面に垂直な壁面(鉛直面。立壁)を被削材に対して加工する側面仕上げ加工においては、コーナーR切れ刃と外周切れ刃とは、前記境界点(最凸点)における被削材との点接触で被削材の切削を開始する。従って、切れ刃の被削材への食付きが改善される。
前記境界点から点接触で開始された切削は、工具の回転とともにコーナーR切れ刃と外周切れ刃とに切削範囲が拡大していく。コーナーR切れ刃の軸方向すくい角は、負の角度に設定されているので、コーナーR切れ刃は逆ねじれ刃形形状となる。また、外周切れ刃は正ねじれ刃形形状である。このため、被削材から工具が受ける切削抵抗のうち、回転中心軸に沿う方向へ作用する切削抵抗(つまり背分力)は、外周切れ刃においては回転中心軸方向の先端側(刃先側)へ向けて作用するのに対し、コーナーR切れ刃においては回転中心軸方向の基端側(工具シャンク側)へ向けて作用する。
これにより、外周切れ刃において刃先側へ向けて作用する切削抵抗を打ち消すことができる。従って、回転中心軸方向の刃先側へかかる切削抵抗によって工具本体が撓む現象を、改善することができる(切削抵抗による工具の撓みを低減できる)。
また、被削材の水平面に垂直な側面仕上げ加工における寸法精度に影響を及ぼす外周切れ刃の被削材に対する逃げ量を抑えることができ、垂直側面となる加工基準面を鉛直方向の上部から下部に至るまで極めて高精度に仕上げ加工する事ができる。また、外周切れ刃とコーナーR切れ刃の被削材への食付きが点接触で開始されることにより、びびり振動の発生が低減され、加工が安定するという効果が得られる。
そして、放射方向すくい角が、コーナーR切れ刃の刃長全域において負の値を有している。また、放射方向すくい角が、このコーナーR切れ刃のうち、一対の前記境界点同士の間に位置する中間部分において最小値となっている。
このように、一対の前記境界点におけるコーナーR切れ刃の放射方向すくい角が、両方ともに負の値(ネガティブ角)とされていることにより、コーナーR切れ刃の刃先強度を十分に確保することができる。
一方、例えば本願発明とは異なり、一対の前記境界点におけるコーナーR切れ刃の放射方向すくい角のうち、いずれか一方、または両方が正の値(ポジティブ角)の場合は、コーナーR切れ刃の強度低下が生じるため不都合である。
また、放射方向すくい角が、コーナーR切れ刃の一対の前記境界点同士の間の中間部分において最小値となるため、これらの境界点のうち、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点における放射方向すくい角を、負の値としつつも前記最小値よりは正角側(ポジティブ角側)に近づけることができる。これにより、底面仕上げ加工における、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点の切れ味を確保することができる。
また、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点から、コーナーR切れ刃に沿って、コーナーR切れ刃と外周切れ刃との境界点へ向かうに従い(詳しくは前記中間部分に向かうに従い)、放射方向すくい角は小さくなっていく。つまり放射方向すくい角は、前記中間部分に近づくに従い負角側(ネガティブ角側)に大きくなり、該中間部分上において最小値(つまり負角側に最大値)となる。従って、被削材の加工硬化層を削る切れ刃境界部に、一対の境界点同士の間に位置する前記中間部分を設けることにより、刃先強度を顕著に向上させることができる。そのため、特に加工硬化が起こり易い被削材、あるいは高能率条件での加工により加工変質層が被削材表面部に形成された場合の底面仕上げ加工における切れ刃の信頼性が高まり好ましい。
以上より本願発明によれば、金型等の被削材に加工基準面となる底面や水平面に垂直な側面を仕上げ加工する場合、特に工具突出しの長い(例えばL/Dが4以上)加工における切削性能を改善でき、被削材の底面の仕上げ寸法精度のほか、水平面に垂直な側面仕上げ加工における寸法精度を顕著に向上することができる。
また、上記刃先交換式回転切削工具において、前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の前記放射方向すくい角は、前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の前記放射方向すくい角よりも小さいことが好ましい。
この場合、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点におけるコーナーR切れ刃の放射方向すくい角が、コーナーR切れ刃と外周切れ刃との境界点におけるコーナーR切れ刃の放射方向すくい角よりも負の角度側(ネガティブ角側)に大きくされているので、底切れ刃の耐欠損性の向上と切り屑の排出性の改善を図り、仕上げ面を高品質に維持することができる。
また、コーナーR切れ刃と外周切れ刃との境界点におけるコーナーR切れ刃の放射方向すくい角を、負の値としつつも正の角度側(ポジティブ角側)に近づけることができるので、被削材に垂直な壁面(立壁)を加工する側面仕上げ加工において、被削材に切り込む工具が被削材から受ける工具径方向(水平方向)への切削抵抗(つまり送り分力)を、小さく抑えることが可能になる。これにより、びびり振動が抑制されて加工面精度を向上することができる。
より詳しくは、例えば、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点における放射方向すくい角(真のすくい角)をα、コーナーR切れ刃と外周切れ刃との境界点における放射方向すくい角(真のすくい角)をβ、前記中間部分における放射方向すくい角(真のすくい角)の最小値をγとしたときに、放射方向すくい角α、放射方向すくい角β、及び放射方向すくい角γは、いずれも負の値を有し、放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、|γ|>|α|>|β|、の関係を有することが好ましい。
刃先交換式回転切削工具が、本構成を有することによって、底面仕上げ加工や側面仕上げ加工(特に底面仕上げ加工)において、事前の粗加工もしくは中仕上げ加工における被削材の加工硬化層に当たる切れ刃境界部(一対の境界点同士の間に位置する中間部分)の放射方向すくい角を、最も小さい負の値とすることができる。これにより、粗加工や中仕上げ加工において切れ刃境界部のチッピングを防止する効果が顕著に得られるため好ましい。
一方、上述した|γ|>|α|>|β|、の関係を有していない場合は、底面仕上げ加工や側面仕上げ加工(特に底面仕上げ加工)において、切れ刃境界部が損傷し易くなることがある。
また、上記刃先交換式回転切削工具は、前記基準面に投影した前記仮想直線が、前記基準面内において、前記回転中心軸に対して傾斜する角度を、放射角度と定義して、前記放射方向すくい角の最小値が、前記コーナーR切れ刃のうち、前記放射角度で5°以上50°以下の範囲に設定されていることが好ましい。
なお、上記「基準面に投影した仮想直線」とは、基準面に対して垂直に、仮想直線を投影させることを指す。
刃先交換式回転切削工具が、本構成を有することによって、底面仕上げ加工における、コーナーR切れ刃と底切れ刃との境界点の切れ味を確保しつつ、被削材の加工硬化層を削る切れ刃境界部(一対の境界点同士の間に位置する中間部分)の刃先強度を向上させることができる。そのため、特に加工硬化が起こり易い被削材、あるいは高能率条件での加工により加工変質層が被削材表面部に形成された場合の底面仕上げ加工における切れ刃の信頼性が高まり好ましい。
詳しくは、コーナーR切れ刃の放射方向すくい角(真のすくい角)が最小値となる点が、コーナーR切れ刃のうち放射角度が5°以上となる領域に位置することにより、底面仕上げ加工時の切れ味の低下を防いで加工精度を顕著に高めることができ、かつ工具寿命を延長できる。
また、コーナーR切れ刃の放射方向すくい角(真のすくい角)が最小値となる点が、コーナーR切れ刃のうち放射角度が50°以下となる領域に位置することにより、この最小値の部分に形成された刃先強化部が、一般的な底面仕上げ代の範囲に収まりやすくなる。従って、底面仕上げの仕上げ加工代に係わらず、切れ刃境界部のチッピングを防止する効果が顕著に得られる。
本願発明は、金型等の被削材に加工基準面となる底面や水平面に垂直な側面を仕上げ加工する場合、特に工具突出しの長い(例えばL/Dが4以上)加工における切削性能を改善し、被削材の底面の仕上げ寸法精度のほか、水平面に垂直な側面仕上げ加工における寸法精度に優れた刃先交換式回転切削工具、及びインサートを提供することができる。
本願発明の実施形態の1例である刃先交換式回転切削工具の斜視図を示す。 図1に示す刃先交換式回転切削工具の平面図を示す。 図1に示す刃先交換式回転切削工具の側面図を示す。 図1に示す刃先交換式回転切削工具の正面図を示す。 図1に示す刃先交換式回転切削工具に装着されたインサートの斜視図を示す。 図5に示すインサートのコーナーR切れ刃部近傍を拡大した平面図を示す。 図5に示すインサートのコーナーR切れ刃部近傍を拡大した側面図を示す。 図5に示すインサートのコーナーR切れ刃部近傍を拡大した正面図を示す。 図5に示すコーナーR切れ刃部近傍の拡大図を示す。 本実施形態の刃先交換式回転切削工具のコーナーR切れ刃における、放射方向すくい角及び放射角度を説明する図を示す。 本実施形態の刃先交換式回転切削工具のコーナーR切れ刃における、放射方向すくい角のプロファイルを示す。 比較例2のインサート形状を示す。 比較例3のインサート形状を示す。 本発明例1のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を示す。 比較例2のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を示す。 比較例3のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を示す。 本発明例1のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を示す。 比較例2のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を示す。 比較例3のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を示す。
以下、図面に基づいて本願発明に係る刃先交換式ラジアスエンドミルの実施形態について説明する。本実施形態において、本願発明の刃先交換式回転切削工具を、刃先交換式のラジアスエンドミル(以下、「刃先交換式ラジアスエンドミル」と記載する。)に適用する。この刃先交換式回転切削工具は、特に、工具突出しの長い(L/Dが4以上)切削条件において行われる、被削材の側面仕上げ加工に適している。ここで、L値は工具の回転中心軸(C)方向の長さを示し、D値は、工具切れ刃の回転軌跡の直径を示す。
工具突出しの長い側面仕上げ加工に適している理由の1つは、コーナーR切れ刃(13)に軸方向すくい角(Ar1)値を負とした面取り面(15)を設けることにより、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)の被削材への食付きを改善したことによる。
以下に説明する本願発明の実施形態は、底切れ刃(11)と外周切れ刃(9)をつなぐコーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)と、底切れ刃のすくい面(12)のうち少なくとも径方向の外側に位置する部分と、を結合させた面取り面(15)を備えたインサート(5)を、工具本体(1)に着脱自在に装着した刃先交換式回転切削工具である、刃先交換式ラジアスエンドミル(6)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態の一例である刃先交換式ラジアスエンドミル(6)について、その構成例を示す斜視図である。
図2は、図1に示す刃先交換式ラジアスエンドミル(6)の平面図である。
図3は、図1に示す刃先交換式ラジアスエンドミル(6)の側面図である。
図4は、図1に示す刃先交換式ラジアスエンドミル(6)の正面図である。
図5は、図1に示す刃先交換式ラジアスエンドミル(6)のインサート(5)を示す斜視図である。
〔刃先交換式ラジアスエンドミルの概略構成〕
図1〜図4に示すように、刃先交換式ラジアスエンドミル(6)は、略円柱状をなす工具本体(1)と、工具本体(1)の回転中心軸(C)方向の先端部(2)に形成された取付座(3)に着脱自在に装着され、切れ刃部(4)を有するインサート(5)と、を備えている。
工具本体(1)の回転中心軸(C)方向の基端部には、図示しないシャンク部がこの工具本体(1)と一体に形成されている。
本実施形態の刃先交換式ラジアスエンドミル(6)は、鋼材や超硬合金等で形成された工具本体(1)と、超硬合金等で形成されたインサート(5)と、を備えており、回転中心軸(C)回りに回転させられる工具本体(1)の先端部(2)に形成された取付座(インサート取付座)(3)に、板状をなすインサート(5)がそのインサート中心軸(インサート(5)に形成された切れ刃部(4)の対称軸)を工具の回転中心軸(C)に一致させられた状態で、着脱可能に装着される。
取付座(3)に取り付けられたインサート(5)は、その切れ刃部(4)が、工具本体(1)の先端側及び径方向外側に突出して配置される。
刃先交換式ラジアスエンドミル(6)は、その工具本体(1)の基端部(シャンク部)が、チャックを介して間接的に、又は直接的に、工作機械の主軸(不図示)に取り付けられ、主軸が回転駆動させられるのにともなって、回転中心軸(C)回りの工具回転方向(R)に回転させられて、金属材料等からなる被削材に転削加工(ミーリング加工)を施す。
〔本実施形態で用いる向き(方向)の定義〕
本実施形態においては、工具本体(1)の回転中心軸(C)が延在する方向、つまり回転中心軸(C)に平行な方向を、回転中心軸(C)方向という。また、回転中心軸(C)方向のうち、工具本体(1)のシャンク部から取付座(3)へ向かう方向を先端側(図2及び図3における下側)といい、取付座(3)からシャンク部へ向かう方向を基端側(図2及び図3における上側)という。
また、回転中心軸(C)に直交する方向を径方向という。径方向のうち、回転中心軸(C)に接近する方向を径方向の内側といい、回転中心軸(C)から離間する方向を径方向の外側という。
また、回転中心軸(C)回りに周回する方向を周方向という。周方向のうち、切削時に主軸の回転駆動により工具本体(1)が回転させられる向きを工具回転方向(R)といい、これとは反対の回転方向を、工具回転方向(R)とは反対側(つまり反工具回転方向)という。
なお、上記した向き(方向)の定義は、刃先交換式ラジアスエンドミル(6)全体において適用されるのはもちろんのこと、この刃先交換式ラジアスエンドミル(6)の回転中心軸(C)に対してインサート中心軸が一致させられる(同軸に配置される)インサート(5)においても、同様に適用される。
〔取付座〕
取付座(3)は、工具本体(1)の先端部(2)に、工具の回転中心軸(C)を含んで径方向に延びて形成されたスリット状のインサート嵌合溝(7)と、インサート嵌合溝(7)に挿入されたインサート(5)を固定するための固定用ネジ(8)と、を備えている。
図3及び図4に示すように、インサート取付座(3)は、工具本体(1)の先端部(2)に開口し、さらに、工具本体(1)の径方向に延びて工具本体(1)の外周面に開口するとともに、工具本体(1)の基端側へ向かって所定の長さ(深さ)に形成されたスリット状のインサート嵌合溝(7)を有する。
工具本体(1)の先端部(2)にスリット状のインサート嵌合溝(7)を形成したことにより、工具本体(1)の先端部(2)は2つに分割されて、一対の先端半体部が形成されている。そして、先端半体部の一方の表面部から、インサート嵌合溝(7)と交差して他方の先端半体部内に達するインサート固定用ネジ穴が形成されている。このインサート固定用ネジ穴の向きは、工具本体(1)のインサート嵌合溝(7)が工具本体(1)の径方向に延びる向きと直交する方向に形成されている。
また、一方の先端半体部を通って、他方の先端半体部内に達するインサート固定用ネジ穴の内周面には、固定用ネジ(8)の雄ネジ部とネジ嵌合させるための雌ネジ部が刻設されている。
〔インサート〕
切れ刃を備えているインサート(5)の構成例を、図5〜図11を参照して説明する。
図5は、本発明例のインサート(5)の斜視図である。
図6は、図5に示すインサート(5)のコーナーR切れ刃(13)近傍を拡大した平面図である。
図7は、図5に示すインサート(5)のコーナーR切れ刃(13)近傍を拡大した側面図である。
図8は、図5に示すインサート(5)のコーナーR切れ刃(13)近傍を拡大した正面図である。
図9は、図5に示すコーナーR切れ刃(13)近傍の拡大図である。
図10は、本実施形態の刃先交換式ラジアスエンドミル(6)のコーナーR切れ刃(13)における、放射方向すくい角(δ)及び放射角度(θ)を説明する図である。
図11は、本実施形態の刃先交換式ラジアスエンドミル(6)のコーナーR切れ刃(13)における、放射方向すくい角のプロファイルである。
図5に示すように、インサート(5)は、略平板形状をなしており、図8に示すように、厚さTを有している。インサート(5)は、該インサート(5)を取付座(3)に固定するための固定用ネジ(8)が挿入されるネジ挿通孔(18)と、被削材に切り込み切削加工を行うための切れ刃部(4)と、を備えている。
図5に示すように、インサート(5)は一方の外側面部(5a)から他方の外側面部(5b)に向けて貫通するネジ挿通孔(18)を備えている。ネジ挿通孔(18)は、インサート(5)を取付座(3)に装着して固定するときに、固定用ネジ(8)を挿通させるための貫通孔である。
切れ刃部(4)は、工具回転方向(R)を向くすくい面と、すくい面に交差して径方向外側又は先端側を向く逃げ面と、すくい面と逃げ面との交差稜線に形成される切れ刃と、を備えている。前記切れ刃には、外周切れ刃(9)と、底切れ刃(11)と、コーナーR切れ刃(13)と、が含まれる。前記切れ刃は、外周切れ刃(9)、底切れ刃(11)及びコーナーR切れ刃(13)を備えたことにより、全体として略L字状をなしている。また、各切れ刃(9、11、13)に対して、すくい面及び逃げ面がそれぞれ隣接配置されている。
本実施形態のインサート(5)は、2枚刃の切削インサートであり、外周切れ刃(9)、底切れ刃(11)及びコーナーR切れ刃(13)を備えた前記切れ刃を2組有し、この2組の切れ刃は回転中心軸(C)を中心として、180°回転対称に配置されている。
図5及び図6に示す符号「9」は、インサート(5)の外周切れ刃(9)である。外周切れ刃(9)は、回転中心軸(C)方向に沿うように延びている。詳しくは、外周切れ刃(9)は、コーナーR切れ刃(13)に接続するその先端から基端側へ向かうに従い、工具回転方向(R)とは反対側へ向けて、螺旋状にねじれて延びている。つまり図3に示すように、外周切れ刃(9)のねじれ角(ε)は、正の値(ポジティブ角)とされている。外周切れ刃(9)のねじれ角(ε)の大きさは特に限定されないが、2°〜20°の範囲とされることが好ましい。これにより、切削抵抗を低減する効果と切屑排出性を向上する効果とをバランス良く得られる。また、外周切れ刃(9)のねじれ角(ε)の大きさの範囲は2°〜15°がより好ましく、3°〜8°が特に好ましい。
取付座(3)にインサート(5)を装着して刃先交換式ラジアスエンドミル(6)を回転中心軸(C)回りに回転させると、一対の外周切れ刃(9)の回転軌跡は、円筒状に形成される。
インサート(5)を工具本体(1)の取付座(3)(インサート嵌合溝7)に装着したときに、図6及び図9に示すように、外周切れ刃(9)とコーナーR切れ刃(13)との境界点(Q)は、回転中心軸(C)に対する垂線方向(つまり径方向)における最外周点になる。境界点(Q)において、外周切れ刃(9)の先端と、コーナーR切れ刃(13)の基端とが接続している。つまり、境界点(Q)から基端側へ向かう切れ刃が外周切れ刃(9)であり、境界点(Q)から先端側へ向かう切れ刃がコーナーR切れ刃(13)である。
外周切れ刃(9)の径方向内側には、工具回転方向(R)を向く外周切れ刃(9)のすくい面(10)が隣接配置されている。外周切れ刃(9)のすくい面(10)の径方向内側には、切屑排出溝(17)が形成されている。切屑排出溝(17)は、回転中心軸(C)方向に沿うように延びている。
外周切れ刃(9)の工具回転方向(R)とは反対側には、外周切れ刃(9)の逃げ面が隣接配置されている。前記逃げ面は、径方向外側を向いて形成されており、外周切れ刃(9)から工具回転方向(R)とは反対側へ向かうに従い径方向内側へ向かうように傾斜していて、逃げ角が付与されている。
図5及び図6に示す符号「11」は、インサート(5)の底切れ刃(11)である。底切れ刃(11)は、径方向に沿うように延びている。詳しくは、底切れ刃(11)は、そのコーナーR切れ刃(13)に隣接(接続)する径方向外端から径方向の内側へ向かうに従い、基端側へ向けて延びており、回転中心軸(C)に垂直な平面(水平面)に対して僅かに傾斜している。
取付座(3)にインサート(5)を装着して刃先交換式ラジアスエンドミル(6)を回転中心軸(C)回りに回転させると、一対の底切れ刃(11)の回転軌跡は、略円錐状に形成される。
インサート(5)を工具本体(1)の取付座(3)(インサート嵌合溝7)に装着したときに、図6及び図9に示すように、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)は、回転中心軸(C)方向における工具の最先端部に位置し、つまり最下点となる。境界点(P)において、底切れ刃(11)の径方向外端と、コーナーR切れ刃(13)の径方向内端とが接続している。つまり、境界点(P)から径方向内側へ向かう切れ刃が底切れ刃(11)であり、境界点(P)から径方向外側へ向かう切れ刃がコーナーR切れ刃(13)である。なお、図6の符号「U」は、境界点(P)の位置より底切れ刃(11)側(径方向の内側)に向かった切れ刃陵線領域である、底切れ刃領域を示す。
底切れ刃(11)の基端側には、工具回転方向(R)を向く底切れ刃(11)のすくい面(12)が隣接配置されている。底切れ刃(11)のすくい面(12)の基端側には、切屑排出溝(16)が形成されている。切屑排出溝(16)は、回転中心軸(C)方向に沿うように延びている。底切れ刃(11)の切屑排出溝(16)は、外周切れ刃(9)の切屑排出溝(17)の径方向内側に隣接配置されており、これらの切屑排出溝(16、17)同士は、互いに異なる面によって形成されている。
底切れ刃(11)の工具回転方向(R)とは反対側には、底切れ刃(11)の逃げ面が隣接配置されている。前記逃げ面は、先端側を向いて形成されており、底切れ刃(11)から工具回転方向(R)とは反対側へ向かうに従い基端側へ向かうように傾斜していて、逃げ角が付与されている。
なお、本実施形態に示す例では、底切れ刃(11)は、この底切れ刃(11)の刃長領域(全長)のうち、径方向の外側に位置してコーナーR切れ刃(13)に接続されるとともに、該コーナーR切れ刃(13)から径方向内側へ向けて延びる外側底切れ刃(19)と、前記刃長領域のうち、外側底切れ刃(19)よりも径方向の内側に配置されるとともに、該外側底切れ刃(19)から径方向の内側へ向けて延びる内側底切れ刃(20)と、を備えている。そして、底切れ刃(11)のうち、外側底切れ刃(19)に対応する部分が、上記底切れ刃領域(U)に配置される。
図6に示すインサート(5)の平面視、つまり底切れ刃(11)のすくい面(12)を正面に見た平面図においては、底切れ刃(11)の外側底切れ刃(19)及び内側底切れ刃(20)が、互いの接続部分に屈曲点を有することのない1つの直線を形成するように、一直線状に延びている。
ただし、底切れ刃(11)のすくい面(12)における、回転中心軸(C)方向における単位長さあたりの周方向へ向けた変位量、つまりすくい面(12)の回転中心軸(C)方向に対する傾きは、内側底切れ刃(20)よりも外側底切れ刃(19)において大きくされている。
具体的には、底切れ刃(11)の軸方向すくい角(アキシャルレーキ)が、内側底切れ刃(20)よりも外側底切れ刃(19)で負角(ネガティブ角)側に大きくなっている。すなわち、外側底切れ刃(19)の軸方向すくい角の絶対値が、内側底切れ刃(20)よりも大きい。
これは、底切れ刃(11)のすくい面(12)のうち、外側底切れ刃(19)に対応する部分が、面取り面(15)に配置されているためである。面取り面(15)については、別途後述する。なお、本実施形態の例では、内側底切れ刃(20)の軸方向すくい角が0°とされ、外側底切れ刃(19)の軸方向すくい角が負の値とされている。
図8に示すインサート(5)の正面視、つまりインサート(5)を回転中心軸(C)の先端から基端側へ向けて見た正面図においては、底切れ刃(11)の径方向における単位長さあたりの周方向へ向けた変位量、つまり底切れ刃(11)の径方向に対する傾きが、内側底切れ刃(20)よりも外側底切れ刃(19)で大きくされている。具体的には、底切れ刃(11)の中心方向すくい角(ラジアルレーキ。径方向すくい角)が、内側底切れ刃(20)よりも外側底切れ刃(19)で負角(ネガティブ角)側に大きくなっている。すなわち、外側底切れ刃(19)の中心方向すくい角の絶対値が、内側底切れ刃(20)よりも大きい。なお、本実施形態の例では、内側底切れ刃(20)の中心方向すくい角、及び、外側底切れ刃(19)の中心方向すくい角が、ともに負の値とされている。
図5に示す符号「13」は、インサート(5)の底切れ刃(11)と外周切れ刃(9)とを繋ぐコーナーR切れ刃(13)である。コーナーR切れ刃(13)は、底切れ刃(11)の径方向の外端と外周切れ刃(9)の先端とを接続しているとともに、工具本体(1)の先端外周側へ向けて凸となる円弧状に形成されている。
取付座(3)にインサート(5)を装着して刃先交換式ラジアスエンドミル(6)を回転中心軸(C)回りに回転させると、一対のコーナーR切れ刃(13)の回転軌跡(回転軌跡の回転中心軸(C)を含み回転中心軸(C)方向に平行な断面の形状)は、略1/4円弧状に形成される。
インサート(5)を工具本体(1)の取付座(3)(インサート嵌合溝7)に装着したときに、図6及び図9に示すように、コーナーR切れ刃(13)は、底切れ刃(11)の径方向外端に位置する工具の最下点(境界点P)から外周切れ刃(9)の先端に位置する工具の最外周点(境界点Q)までを結ぶ円弧刃となる。
コーナーR切れ刃(13)の径方向内側かつ基端側には、工具回転方向(R)を向くコーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)が隣接配置されている。コーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)は、回転中心軸(C)方向において基端側へ向かうに従い漸次工具回転方向(R)に向けて傾斜している。つまり、コーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar)は、コーナーR切れ刃(13)全域で負角(ネガティブ角)に設定されている。このため、図9に示すように、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar1)は、負の値を有し、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)におけるコーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar2)も、負の値を有する。
なお、図9に示す符号「Rr」は、コーナーR切れ刃(13)の径方向すくい角(ラジアルレーキ角)であり、図9では境界点(Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の径方向すくい角が図示されている。コーナーR切れ刃(13)は、その刃長領域に沿って境界点(Q)から境界点(P)へ向かう間において、径方向すくい角(Rr)が負角(ネガティブ角)に設定されていることが好ましい。
コーナーR切れ刃(13)の工具回転方向(R)とは反対側には、コーナーR切れ刃(13)の逃げ面が隣接配置されている。前記逃げ面は、工具本体(1)の先端外周側へ向けて凸となる曲面状をなしているとともに、径方向外側かつ先端側を向いて形成されている。前記逃げ面は、コーナーR切れ刃(13)から工具回転方向(R)とは反対側へ向かうに従い径方向内側かつ基端側へ向かうように傾斜していて、逃げ角が付与されている。
図6に示す符号「15」は、コーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)と、底切れ刃(11)のすくい面(12)とを結合させた面取り面(15)である。面取り面(15)は、コーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)、及び、底切れ刃(11)のすくい面(12)のうち少なくとも径方向の外側に位置する部分(本実施形態の例では外側底切れ刃(19)に対応する部分)を含んでいる。言い換えると、本実施形態の面取り面(15)は、コーナーR切れ刃(13)全体のすくい面(14)と底切れ刃(11)のうち外側底切れ刃(19)のすくい面とを兼ねている。
図6及び図9に示すように、面取り面(15)は、底切れ刃(11)の外側底切れ刃(19)、コーナーR切れ刃(13)、領域(S)内に存在する境界点(Q)とすくい面上の点Gを繋ぐ曲線状稜線、及び、前記点Gと底切れ刃(11)上の点Fを繋ぐ直線状稜線、に囲まれた領域に形成されている。なお、上記領域(S)とは、外周切れ刃(9)の形成予定領域の先端部から、コーナーR切れ刃(13)の形成予定領域の基端部にわたる、領域である。領域(S)と境界点(Q)との関係については、後述する実施例の中で、別途説明する。また、上記点Gは、一対の切屑排出溝(16、17)及び面取り面(15)の計3面が交わる交点であり、この点Gからは、3方に向けて稜線(切屑排出溝(16、17)及び面取り面(15)の境界をなす稜線)が放射状に延びている。また、上記点Fは、底切れ刃(11)における外側底切れ刃(19)と内側底切れ刃(20)との接続点である。
本実施形態の例では、面取り面(15)が、上述の切れ刃及び稜線に囲まれて形成された平面領域となっている。
〔コーナーR切れ刃の放射方向すくい角及び放射角度〕
そして、刃先交換式ラジアスエンドミル(6)は、切れ刃部(4)のコーナーR切れ刃(13)近傍に、下記の特別な技術的特徴を備えている。
図10に示す符号「Pr」は、刃先交換式ラジアスエンドミル(6)の工具の主運動方向(工具回転方向R)に垂直な基準面である。基準面(Pr)は、回転中心軸(C)を含む仮想の平面であり、本実施形態では図10に示すように、コーナーR切れ刃(13)上の所定の点(A)をその面内に含んでいる。また、図10の左上図は、基準面(Pr)に垂直な方向から見たインサートのコーナーR切れ刃部近傍の拡大図である。
符号「O」は、コーナーR切れ刃(13)の円弧中心点である。
符号「VL」は、コーナーR切れ刃(13)の円弧中心点(O)とコーナーR切れ刃(13)の所定の点(A)とを通る仮想直線である。
図10の右下図に符号「VS」で示すインサート(5)の断面(ハッチングした面)は、基準面(Pr)に対して垂直であり、かつ、仮想直線(VL)を含む仮想平面である。
符号「δ」で示すものは、仮想平面(VS)内において、基準面(Pr)に対してコーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)が傾斜する角度(仮想直線(VLとすくい面(14)とのなす角度))である、放射方向すくい角である。放射方向すくい角(δ)は、真のすくい角である。本実施形態では、コーナーR切れ刃(13)上の所定の点(A)が、このコーナーR切れ刃(13)上を移動することにより、放射方向すくい角(δ)が変化する。言い換えると、点(A)のコーナーR切れ刃(13)上の位置によって、放射方向すくい角(δ)が異なる。
符号「η」で示すものは、コーナーR切れ刃(13)の所定の点(A)における逃げ角であり、言い換えると、仮想平面(VS)において仮想直線(VL)に直交する直線とコーナーR切れ刃(13)の逃げ面とのなす角度である。
符号「θ」で示すものは、仮想直線(VL)が回転中心軸(C)に対して傾斜する角度である、放射角度である。詳しくは、放射角度(θ)は、基準面(Pr)に投影した仮想直線(VL)(すなわち、図10における仮想直線(VL))が、この基準面(Pr)内において、回転中心軸(C)に対して傾斜する角度である。なお、上記「基準面(Pr)に投影した仮想直線(VL)」とは、基準面(Pr)に対して垂直に、仮想直線(VL)を投影させることを指す。
そして、コーナーR切れ刃(13)の放射角度(θ)と放射方向すくい角(δ)との関係を示す図11のように、コーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)は、コーナーR切れ刃(13)の刃長全域において、負の値を有し、連続的に変化している。
また、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)(つまりθ=0°)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)は、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)(つまりθ=90°)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)よりも、小さい。
なお、図11において、θ=90°における右端のデータは、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)における外周切れ刃(9)の真のすくい角であり、正の値を有している。
本実施形態では、境界点(P)(放射角度θ=0°)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)の値が、境界点(Q)(放射角度θ=90°)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)の値に対して、負角側(ネガティブ角側)に2倍以上大きくされており、図11に示される例では、3倍以上である。
また、図11に示すように、放射方向すくい角(δ)は、コーナーR切れ刃(13)のうち、一対の境界点(P、Q)同士の間に位置する中間部分において、最小値となる。言い換えると、放射方向すくい角(δ)は、一対の境界点(P、Q)同士の間に位置する中間部分において、負角側に最も大きくなる。なお、一対の境界点(P、Q)同士の間に位置する中間部分とは、コーナーR切れ刃(13)のうち境界点(P、Q)を除く領域(0°<θ<90°)である。
詳しくは、放射方向すくい角(δ)の最小値は、コーナーR切れ刃(13)のうち、放射角度(θ)で5°以上50°以下の範囲に設定されている。言い換えると、放射すくい角(δ)が最小値となる点が、コーナーR切れ刃(13)のうち放射角度(θ)が5°以上50°以下の領域に位置している。図11に示す例では、放射方向すくい角(δ)が、放射角度(θ)で10°以上30°以下の範囲(特に20°付近)において、最小値となっている。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態の刃先交換式ラジアスエンドミル(6)及びインサート(5)は、円弧状のコーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)(最外周位置)におけるコーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar1)が負の値を有し、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)(最先端位置)におけるコーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar2)が負の値を有している。つまり、コーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar)は、ネガティブ角とされている。また、外周切れ刃(9)のねじれ角(ε)は、正の値を有しており、ポジティブ角とされている。
本実施形態の刃先交換式ラジアスエンドミル(6)及びインサート(5)が本構成を有することによって、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)は、工具の回転中心軸(C)回りの周方向のうち、工具回転方向(R)へ向けて最も突出した点(最凸点)となる。このため、被削材に対して水平面に垂直な壁面(鉛直面。立壁)を加工する側面仕上げ加工においては、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)は、前記境界点(Q)(最凸点)における被削材との点接触で被削材の切削を開始する。従って、切れ刃の被削材への食付きが改善される。
前記境界点(Q)から点接触で開始された切削は、工具の回転とともにコーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)とに切削範囲が拡大していく。コーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar1)は、負の角度に設定されているので、コーナーR切れ刃(13)は逆ねじれ刃形形状となる。また、外周切れ刃(9)は正ねじれ刃形形状である。このため、被削材から工具が受ける切削抵抗のうち、回転中心軸(C)に沿う方向へ作用する切削抵抗(つまり背分力)は、外周切れ刃(9)においては回転中心軸(C)方向の先端側(刃先側)へ向けて作用するのに対し、コーナーR切れ刃(13)においては回転中心軸(C)方向の基端側(工具シャンク側)へ向けて作用する。
これにより、外周切れ刃(9)において刃先側へ向けて作用する切削抵抗を打ち消すことができる。従って、回転中心軸(C)方向の刃先側へかかる切削抵抗によって工具本体(1)が撓む現象を、改善することができる。
また、被削材の水平面に垂直な側面仕上げ加工における寸法精度に影響を及ぼす外周切れ刃(9)の被削材との逃げ量を抑えることができ、垂直側面となる加工基準面を鉛直方向の上部から下部に至るまで極めて高精度に仕上げ加工する事ができる。また、外周切れ刃(9)とコーナーR切れ刃(13)の被削材への食付きが点接触で開始されることにより、びびり振動の発生が低減され、加工が安定するという効果が得られる。
そして、放射方向すくい角(δ)が、コーナーR切れ刃(13)の刃長全域において負の値を有している。また、放射方向すくい角(δ)が、このコーナーR切れ刃(13)のうち、一対の前記境界点(P、Q)同士の間に位置する中間部分において最小値となっている。
このように、一対の前記境界点(P、Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)が、両方ともに負の値(ネガティブ角)とされていることにより、コーナーR切れ刃(13)の刃先強度を十分に確保することができる。
一方、例えば本実施形態とは異なり、一対の前記境界点(P、Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)のうち、いずれか一方、または両方が正の値(ポジティブ角)の場合は、コーナーR切れ刃(13)の強度低下が生じるため不都合である。
また、放射方向すくい角(δ)が、コーナーR切れ刃(13)の一対の前記境界点(P、Q)同士の間の中間部分において最小値となるため、これらの境界点(P、Q)のうち、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)における放射方向すくい角(δ)を、負の値としつつも前記最小値よりは正角側(ポジティブ角側)に近づけることができる。これにより、底面仕上げ加工における、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)の切れ味を確保することができる。
また、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)から、コーナーR切れ刃(13)に沿って、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)へ向かうに従い(詳しくは前記中間部分に向かうに従い)、放射方向すくい角(δ)は小さくなっていく。つまり放射方向すくい角(δ)は、前記中間部分に近づくに従い負角側(ネガティブ角側)に大きくなり、該中間部分上において最小値(つまり負角側に最大値)となる。従って、被削材の加工硬化層を削る切れ刃境界部に、一対の境界点(P、Q)同士の間に位置する前記中間部分を設けることにより、刃先強度を顕著に向上させることができる。そのため、特に加工硬化が起こり易い被削材、あるいは高能率条件での加工により加工変質層が被削材表面部に形成された場合の底面仕上げ加工における切れ刃の信頼性が高まり好ましい。
以上より本実施形態によれば、金型等の被削材に加工基準面となる底面や水平面に垂直な側面を仕上げ加工する場合、特に工具突出しの長い(例えばL/Dが4以上)加工における切削性能を改善でき、被削材の底面の仕上げ寸法精度のほか、水平面に垂直な側面仕上げ加工における寸法精度を顕著に向上することができる。
また本実施形態では、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)が、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)よりも小さくされている。
つまり、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)が、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)よりも負の角度側(ネガティブ角側)に大きくされているので、底切れ刃(11)の耐欠損性の向上と切り屑の排出性の改善を図り、仕上げ面を高品質に維持することができる。
また、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)におけるコーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)を、負の値としつつも正の角度側(ポジティブ角側)に近づけることができるので、被削材に垂直な壁面(立壁)を加工する側面仕上げ加工において、被削材に切り込む工具が被削材から受ける工具径方向(水平方向)への切削抵抗(つまり送り分力)を、小さく抑えることが可能になる。これにより、びびり振動が抑制されて加工面精度を向上することができる。
より詳しくは、例えば、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)における放射方向すくい角(δ)(真のすくい角)をα、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点(Q)における放射方向すくい角(δ)(真のすくい角)をβ、前記中間部分における放射方向すくい角(δ)(真のすくい角)の最小値をγとしたときに、放射方向すくい角α、放射方向すくい角β、及び放射方向すくい角γは、いずれも負の値を有し、放射方向すくい角α値、β値、γ値の絶対値を、それぞれ|α|、|β|、|γ|としたとき、|γ|>|α|>|β|、の関係を有する。
刃先交換式ラジアスエンドミル(6)が、本構成を有することによって、底面仕上げ加工や側面仕上げ加工(特に底面仕上げ加工)において、事前の粗加工もしくは中仕上げ加工における被削材の加工硬化層に当たる切れ刃境界部(一対の境界点P、Q同士の間に位置する中間部分)の放射方向すくい角(δ)を、最も小さい負の値とすることができる。
これにより、粗加工や中仕上げ加工において切れ刃境界部のチッピングを防止する効果が顕著に得られるため好ましい。
一方、本実施形態とは異なり、上述した|γ|>|α|>|β|、の関係を有していない場合は、底面仕上げ加工や側面仕上げ加工(特に底面仕上げ加工)において、切れ刃境界部が損傷し易くなることがある。
また本実施形態では、基準面(Pr)に投影した仮想直線(VL)が、基準面(Pr)内において、回転中心軸(C)に対して傾斜する角度を、放射角度(θ)と定義して、放射方向すくい角(δ)が最小値となる点が、コーナーR切れ刃(13)のうち、放射角度(θ)が5°以上50°以下となる領域に位置しているので、下記の作用効果を奏する。
刃先交換式ラジアスエンドミル(6)が、本構成を有することによって、底面仕上げ加工における、コーナーR切れ刃(13)と底切れ刃(11)との境界点(P)の切れ味を確保しつつ、被削材の加工硬化層を削る切れ刃境界部(一対の境界点P、Q同士の間に位置する中間部分)の刃先強度を向上させることができる。そのため、特に加工硬化が起こり易い被削材、あるいは高能率条件での加工により加工変質層が被削材表面部に形成された場合の底面仕上げ加工における切れ刃の信頼性が高まり好ましい。
詳しくは、コーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)(真のすくい角)の最小値となる点が、コーナーR切れ刃(13)上の放射角度(θ)が5°以上となる領域に位置することにより、底面仕上げ加工時の切れ味の低下を防いで加工精度を顕著に高めることができ、かつ工具寿命を延長できる。
また、コーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)(真のすくい角)の最小値となる点が、コーナーR切れ刃(13)上の放射角度(θ)が50°以下となる領域に位置することにより、この最小値の部分に形成された刃先強化部が、一般的な底面仕上げ代の範囲に収まりやすくなる。従って、底面仕上げの仕上げ加工代に係わらず、切れ刃境界部のチッピングを防止する効果が顕著に得られる。
〔本願発明に含まれるその他の構成〕
なお、本願発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、放射方向すくい角(δ)の最小値が、コーナーR切れ刃(13)のうち、放射角度(θ)で5°以上50°以下の範囲に設定されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、放射方向すくい角(δ)の最小値は、放射角度(θ)で5°未満や、50°を超えて設定されてもよい。
その他、本願発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本願発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本願発明を実施例により具体的に説明する。ただし本願発明はこの実施例に限定されるものではない。
〔刃先交換式ラジアスエンドミルの作製及び切削試験〕
まず、本願発明の実施例である本発明例1として、前述した実施形態の刃先交換式ラジアスエンドミル(6)を用意した。
工具本体(1)は、刃先径(刃径)がφ20mm、シャンク径がφ20mm、全長220mm、首下長さ120mm、首下径がφ19mmとされた超硬シャンクタイプを用いた。
工具本体(1)の基材は、超硬合金とSKD61相当材とをロウ材で接合した基材を用い、旋盤加工により外観形状を整えた後、シャンク部を研磨加工により仕上げた。
また、取付座(3)のインサート固定部(インサート嵌合溝7)はマシニングセンターにてフライス加工により形成した。インサート(5)を着脱するための固定用ネジ(8)は、呼び径がM6、ピッチが0.75mmのネジサイズを使用した。
インサート(5)の基材は、WC−Co系の超硬合金製とし、インサート表面のコーティング被膜は、CrSi系の窒化物被膜を施した。
インサート(5)の形状は図5に示すように略平板形状であり、コーナーR切れ刃(13)のR寸法が1mm、図8に示す厚さ寸法T値が5.2mm、図3に示すインサート側面視における外周切れ刃(9)の長さは7mm、このインサート側面視における外周切れ刃(9)の軸方向すくい角(つまりねじれ角ε)を正の値で4°とした。また、外周切れ刃(9)の径方向すくい角(回転中心軸(C)に直交する方向から見た場合のすくい角)を0.5°とした。
底切れ刃(11)は、該底切れ刃(11)とコーナーR切れ刃(13)との境界点(P)を通り回転中心軸(C)に垂直な水平面に対して、境界点(P)から径方向内側へ向かうに従い漸次回転中心軸(C)方向の基端側へ向けて延びるように傾斜し、この傾斜する角度である正の中低勾配角を3°に設定した。
本発明例1のインサート形状を、図5に示す。また、本発明例1のインサート(5)の形状を示す主なパラメータは、表1に示した。
本発明例1のインサート(5)は面取り面(15)を備え、コーナーR切れ刃(13)の境界点(Q)の位置における軸方向すくい角(Ar1)と、境界点(P)の位置におけるコーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar2)を、同じ負の値となる−6.8°に設定した。
ここで、上述したように図9に示す境界点(Q)は、コーナーR切れ刃(13)と外周切れ刃(9)との境界点であり、回転中心軸(C)回りの切れ刃の回転軌跡において、外周切れ刃(9)の最外周点でもある。このような理論上(理想)の境界点(Q)は、コーナーR切れ刃(13)においては放射角度(θ)=90°となる点である。
しかしながら、インサート(5)の製作時において、実際に面取り面(15)の研削加工を行ったときには、外周切れ刃(9)の形成予定領域(理論上、外周切れ刃(9)が形成されることが予定される領域)の先端部から、コーナーR切れ刃(13)の形成予定領域(理論上、コーナーR切れ刃13が形成されることが予定される領域)の基端部にわたる、所定の領域(S)におけるいずれかの部分に、実際の境界点(Q)となる点Eが形成される。つまり、理論上の境界点(Q)に対して、実際の境界点(Q)である点Eの位置が、製造上の諸事情等により僅かにずれて配置される場合がある。
このような場合には、点Eの位置が、理論上の境界点(Q)に対して、外周切れ刃(9)の形成予定領域側に配置されるよりは、コーナーR切れ刃(13)の形成予定領域側に配置されることが好ましい。これにより、工具径が小さくなる不都合を確実に防ぐことができる。またこの場合、円弧中心点(O)を中心とする、理論上の境界点(Q)と、点E(実際の境界点Q)との間の角度(中心角)を、2°以内に収めることが好ましい。
上記のことを鑑みて、本発明例1では、実際の境界点(Q)である点Eが、理論上の境界点(Q)から、コーナーR切れ刃(13)の形成予定領域側へ向けた前記中心角で2°以下の範囲内に配置されるように、インサート(5)を製作した。
また、図6において底切れ刃領域(U)内に存在する点Fは、境界点(Q)を通り回転中心軸(C)に平行な直線からの距離を2.5mmの位置に設定した。
また、本発明例1のコーナーR切れ刃(13)における、放射方向すくい角(δ)のプロファイルを図11に示す。図11より放射角度(θ)が20°の位置において、放射方向すくい角(δ)は最小値を有した。このときの放射方向すくい角(δ)は−7.2°を示した。
また、本発明例1のコーナーR切れ刃(13)の放射角度(θ)40°における切れ刃断面の模式図を図10に示す(図10の右下図)。放射角度(θ)40°における放射方向すくい角(δ)は、−6.6°の例を示す。
なお、表1においては、放射角度(θ)が0°のとき(境界点P)の放射方向すくい角(δ)を、α値とし、放射角度(θ)が90°のとき(境界点Q)の放射方向すくい角(δ)を、β値とし、放射方向すくい角(δ)の最小値を、γ値として示している。
また、本願発明とは技術思想が異なる比較例のインサートを用意した。比較例2のインサート形状を図12に、比較例3のインサート形状を図13に示す。また、比較例2、比較例3のインサートの形状を示す主なパラメータも、表1に示した。比較例のインサートは、本発明例1のインサートと略同形状の同材質で製作した。ただし比較例は、本願発明の特別な構成を有しておらず、具体的には、コーナーR切れ刃の面取り面を有していないため、コーナーR切れ刃の諸元が本願発明とは異なる。
比較例3は、底切れ刃のすくい面と、コーナーR切れ刃のすくい面と、外周切れ刃のすくい面とを同一平面に形成し、その軸方向すくい角は0°に設定した。さらに、底切れ刃のすくい面と、コーナーR切れ刃のすくい面は、底切れ刃のすくい面の基端側に延在する切屑排出溝とも同一平面に形成した。また、外周切れ刃の真のすくい角を負の値に設定した。
このように作製した本発明例1、比較例2、比較例3のインサートを、刃先交換式ラジアスエンドミルの工具本体に装着して、切削評価を行なった。それぞれのインサートを取付けた工具本体を、工具保持具であるチャックへ取付けた後、フライス盤の主軸に装着した。切削速度(Vc)を変えた下記の切削条件を用いて立壁側面部の等高線仕上げ加工を実施した。その際に形成された被削材立壁側面部の倒れ精度を、形状測定機を用いて測定した。側面部の倒れ精度の測定結果を、表1に示す。
ここで言う倒れ精度とは、被削材立壁側面部の形状プロファイル線と鉛直線とを、被削材立壁側面部の頂点を基準として比較した場合において、両者の乖離寸法の最大値を倒れ精度(μm)としている。即ち、形状プロファイル線と鉛直線とが一致している場合は、理想的な加工が行えていることを示している。切削速度(Vc)ごとの立壁側面部の形状プロファイル線を図14〜19に示す。
実験には、被削材の材料としてS55C材、寸法は60×60×30(mm)を用いた。この側面肩削り加工を行い、上面部から20mmの深さに立壁側面部を形成した。倒れ精度の測定箇所は、上面から10mmの位置を中央、18mmの位置を底部とした。
<切削条件>
被削材 :炭素鋼S55C(プラスチック金型用途)
被削材硬さ :220HB(ブリネル硬さ)
切削速度(Vc) :100m/分、200m/分
主軸の回転数(n) :1592回転/分、3184回転/分
1刃辺りの送り(fz):0.15mm(一定)
テーブル送り(Vf) :478mm/分、955mm/分
軸方向切込み量(ap):1mm(一定)
径方向切込み幅(ae):0.1mm(一定)
工具突出し :140mm
加工方法 :乾式、立壁側面部の等高線仕上げ加工
Figure 0006086179
表1には、本発明例1、比較例2、比較例3の各インサートによる加工において被削材の立壁側面部の倒れ精度を測定し評価した結果を示す。
切削速度(Vc値)の条件が100m/分の場合においては、面取り面を備えた本発明例1は、倒れ精度が5(μm)となり良好な結果を示した。さらに、高能率条件である、切削速度(Vc値)の条件が200m/分の場合においても、本発明例1は、倒れ精度が5(μm)となり良好な結果を示すことが確認できた。
本発明例1では、境界点(Q)の位置におけるコーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar1)値が負の角度を有し、外周切れ刃(9)の軸方向すくい角(ねじれ角ε)が正角となるように設定したことより、外周切れ刃(9)とコーナーR切れ刃(13)の被削材への食付きが点接触で開始されることになり、びびり振動の発生が低減され加工が安定したものと考えられる。
一方、比較例では、切削速度(Vc値)の条件が100m/分の場合に、比較例2においては、倒れ精度が5〜12.5(μm)の結果を示し、比較例3においては、10〜15(μm)の結果を示した。また、高能率条件となる切削速度(Vc値)の条件が200m/分の場合に、比較例2は、倒れ精度が7.5〜12.5(μm)の結果を示し、比較例3は、17.5〜27.5(μm)の結果を示した。これらより、比較例は、切削条件を高能率条件にすることで倒れ精度が極めて悪化することを確認することができた。
この理由は、被削材へ食付くコーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、外周切れ刃の軸方向すくい角(ねじれ角)と同一であることにより、食付きが線接触で開始されるために、びびり振動の発生率が高いことが影響していると考えられる。
また、本発明例1、比較例2、比較例3の各インサートを用いた加工により形成された立壁側面部の形状プロファイル線を図14〜19に示す。図14〜16は切削速度(Vc値)が100m/分の場合、図17〜19は切削速度(Vc値)が200m/分の場合の形状プロファイル線である。これらの図において、点線が加工すべき底面及び水平面に垂直な面を示す水平線及び鉛直線であり、実線が形状プロファイル線である。
比較例2、3のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部は、底部に近づくほど鉛直線との乖離が大きくなっており、切削速度が大きいほどこの傾向が顕著であることが確認できた。これに対し、本発明例1のインサートを用いた加工により形成された立壁側面部は、上部から底部に至るまで鉛直線との乖離寸法が一定に保たれており、水平面に垂直な面が形成されていることが確認できた。
なお、本発明例1に係るインサート(5)の基体の材質は、炭化タングステン(WC)とコバルト(Co)を含む超硬合金の他に、例えば、サーメット、高速度鋼、炭化チタン、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及びこれらの混合体からなるセラミックス、立方晶窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、多結晶ダイヤモンドあるいは立方晶窒化硼素からなる硬質相と、セラミックスや鉄族金属などの結合相とを超高圧下で焼成する超高圧焼成体を用いることも可能である。
本発明例1に係る工具本体(1)とシャンク部は、例えば、SKD61等の合金工具鋼で製造する場合と、工具本体(1)をSKD61等の合金工具鋼とし、超硬合金で製造したシャンク部を工具本体(1)に接合した超硬シャンクタイプを用いることも可能である。
本願発明の刃先交換式回転切削工具及びインサートによれば、被削材の底面の仕上げ寸法精度のほか、垂直な側面仕上げ加工における寸法精度も向上させることができる。
1 工具本体
2 先端部
3 取付座
4 切れ刃部
5 インサート
6 刃先交換式ラジアスエンドミル(刃先交換式回転切削工具)
7 インサート嵌合溝
8 固定用ネジ
9 外周切れ刃
10 外周切れ刃のすくい面
11 底切れ刃
12 底切れ刃のすくい面
13 コーナーR切れ刃
14 コーナーR切れ刃のすくい面
15 面取り面
16、17 切屑排出溝
A コーナーR切れ刃上の所定の点
Ar1、Ar2 軸方向すくい角(アキシャルレーキ)
C 回転中心軸
O 円弧中心点
P、Q 境界点
Pr 基準面
VL 仮想直線
VS 仮想平面
δ 放射方向すくい角(真のすくい角)
ε ねじれ角
θ 放射角度

Claims (4)

  1. 工具本体(1)の先端部(2)に設けた取付座(3)に、切れ刃部(4)を有するインサート(5)を着脱自在に装着する刃先交換式回転切削工具(6)であって、
    前記取付座(3)は、
    前記工具本体(1)の先端部(2)に、工具の回転中心軸(C)を含んで前記回転中心軸(C)に直交する径方向に延びて形成されたスリット状のインサート嵌合溝(7)と、
    前記インサート嵌合溝(7)に挿入された前記インサート(5)を固定するための固定用ネジ(8)と、を備え、
    前記インサート(5)の切れ刃部(4)は、
    前記回転中心軸(C)方向に沿うように延びる外周切れ刃(9)と、
    前記外周切れ刃(9)のすくい面(10)と、
    前記径方向に沿うように延びる底切れ刃(11)と、
    前記底切れ刃(11)のすくい面(12)と、
    前記底切れ刃(11)の前記径方向の外端と前記外周切れ刃(9)の前記回転中心軸(C)方向の先端とを繋ぐとともに、前記工具本体(1)の先端外周側へ向けて凸となる円弧状に形成されたコーナーR切れ刃(13)と、
    前記コーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)と、
    前記コーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)、及び、前記底切れ刃(11)のすくい面(12)のうち少なくとも前記径方向の外側に位置する部分を含む面取り面(15)と、
    前記底切れ刃(11)のすくい面(12)の前記回転中心軸(C)方向の基端側に形成される切屑排出溝(16)と、
    前記外周切れ刃(9)のすくい面(10)の前記径方向の内側に形成される切屑排出溝(17)と、を備え、
    前記外周切れ刃(9)のねじれ角(ε)が、正の値を有し、
    前記コーナーR切れ刃(13)と前記外周切れ刃(9)との境界点(Q)における前記コーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar1)が、負の値を有し、
    前記コーナーR切れ刃(13)と前記底切れ刃(11)との境界点(P)における前記コーナーR切れ刃(13)の軸方向すくい角(Ar2)が、負の値を有し、
    前記コーナーR切れ刃(13)上の所定の点(A)及び前記回転中心軸(C)を含む基準面(Pr)に対して垂直であり、かつ、前記コーナーR切れ刃(13)の円弧中心点(O)と前記所定の点(A)とを通る仮想直線(VL)を含む仮想平面(VS)内において、前記基準面(Pr)に対して前記コーナーR切れ刃(13)のすくい面(14)が傾斜する角度である真のすくい角を、放射方向すくい角(δ)と定義して、
    前記コーナーR切れ刃(13)の放射方向すくい角(δ)が、前記コーナーR切れ刃(13)の刃長全域において負の値を有し、
    前記放射方向すくい角(δ)は、前記コーナーR切れ刃(13)のうち、一対の前記境界点(P、Q)同士の間に位置する中間部分において最小値となることを特徴とする刃先交換式回転切削工具(6)。
  2. 請求項1に記載の刃先交換式回転切削工具(6)であって、
    前記コーナーR切れ刃(13)と前記底切れ刃(11)との境界点(P)における前記コーナーR切れ刃(13)の前記放射方向すくい角(δ)は、前記コーナーR切れ刃(13)と前記外周切れ刃(9)との境界点(Q)における前記コーナーR切れ刃(13)の前記放射方向すくい角(δ)よりも小さいことを特徴とする刃先交換式回転切削工具(6)。
  3. 請求項1又は2に記載の刃先交換式回転切削工具(6)であって、
    前記基準面(Pr)に投影した前記仮想直線(VL)が、前記基準面(Pr)内において、前記回転中心軸(C)に対して傾斜する角度を、放射角度(θ)と定義して、
    前記放射方向すくい角(δ)の最小値が、前記コーナーR切れ刃(13)のうち、前記放射角度(θ)で5°以上50°以下の範囲に設定されていることを特徴とする刃先交換式回転切削工具(6)。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の刃先交換式回転切削工具(6)に用いられることを特徴とするインサート(5)。
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