JPWO2015025915A1 - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液と、前記電極素子および前記電解液を内包する外装体と、を有する二次電池であって、前記負極は、リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(a)及びリチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(b)を含み、前記正極表面上に、前記電解液に添加したリン化合物由来の被膜が形成されていることを特徴とする二次電池に関する。本発明によれば、高エネルギー型の正極を用いたリチウムイオン二次電池において、ガス発生が抑制された二次電池を提供することができる。

Description

本発明は、二次電池およびキャパシタに関し、特にはリチウムイオン二次電池及びその製造方法に関する。
ノート型パソコン、携帯電話、電気自動車などの急速な市場拡大に伴い、高エネルギー密度の二次電池が求められている。高エネルギー密度の二次電池を得る手段として、電圧の高い正極材料を用いる方法が挙げられる。
電圧の高い正極材料として、LiNiMn(0<x<2,0<y<3)等があげられる。しかしながら、これらの電極を用いた電池に、従来のカーボネート電解液を使うと、電池内で多量のガスが発生するという問題があった。これらを解決するため、特許文献1、2に記載されるように、耐電圧性の高いフッ素等の原子で置換した電解液を用いる検討が行われている。
一方、特許文献3には、チタン酸リチウムからなる負極を備え、電解液にリン酸エステル化合物を含む非水電解質二次電池が記載されている。また、特許文献4には、炭素材料を含む第1層および第1遷移金属酸化物を含む第2層からなる負極活物質層を含む非水電解質二次電池が記載されている。
国際公開第2012/077712号 国際公開第2011/162169号 特開2013−98034号公報 国際公開第2011/114641号
しかしながら、特許文献1、2、4に記載されるようなフッ素等の原子で置換した電解液を用いた場合、コストが高くなるため、少しでも混合量を減らさないといけないという問題点があった。また、当該電解液を用いた場合でも、ガス発生を完全に抑えることができなかった。また、特許文献3、4に提案される二次電池では、エネルギー密度が低下する問題があり、エネルギー密度を向上させつつガス発生を抑制するような電池の開発が望まれていた。
そこで、本発明に係る実施形態は、高エネルギー型の正極を用いたリチウムイオン二次電池において、充電時のガス発生を抑え、容量維持率を向上させた二次電池を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液と、前記電極素子および前記電解液を内包する外装体と、を有する二次電池であって、
前記負極は、
リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(a)、及び、
リチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(b)
を含み、
前記正極表面上に、前記電解液に添加したリン化合物由来の被膜が形成されていることを特徴とする二次電池に関する。
本発明によれば、高エネルギー型の正極を用いたリチウムイオン二次電池において、ガス発生が抑制された二次電池を提供できる。
積層ラミネート型の二次電池が有する電極素子の構造を示す模式的断面図である。
以下、本実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態に係る二次電池は、正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液とが外装体に内包されている。二次電池の形状は、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型および積層ラミネート型のいずれでもよいが、積層ラミネート型が好ましい。以下、積層ラミネート型の二次電池について説明する。
図1は、積層ラミネート型の二次電池が有する電極素子の構造を示す模式的断面図である。この電極素子は、正極cの複数および負極aの複数が、セパレータbを挟みつつ交互に積み重ねられて形成されている。各正極cが有する正極集電体eは、正極活物質に覆われていない端部で互いに溶接されて電気的に接続され、さらにその溶接箇所に正極端子fが溶接されている。各負極aが有する負極集電体dは、負極活物質に覆われていない端部で互いに溶接されて電気的に接続され、さらにその溶接箇所に負極端子gが溶接されている。
このような平面的な積層構造を有する電極素子は、Rの小さい部分(捲回構造の巻き芯に近い領域)がないため、捲回構造を持つ電極素子に比べて、充放電に伴う電極の体積変化に対する悪影響を受けにくいという利点がある。すなわち、体積膨張を起こしやすい活物質を用いた電極素子として有効である。一方で、捲回構造を持つ電極素子では電極が湾曲しているため、体積変化が生じた場合にその構造が歪みやすい。
ところが、平面的な積層構造を持つ電極素子には、電極間にガスが発生した際には、その発生したガスが電極間に滞留しやすいという問題点がある。これは、捲回構造を持つ電極素子の場合には電極に張力が働いているため電極間の間隔が広がりにくいのに対して、積層構造を持つ電極素子の場合には電極間の間隔が広がりやすいことに起因する。外装体がアルミラミネートフィルムであった場合、この問題は特に顕著となる。
<負極>
負極は、例えば、負極活物質が負極用結着剤によって負極集電体を覆うように結着されて構成される。
本実施形態では、負極活物質は、リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する活物質(a)、及び、リチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する活物質(b)から構成されることを特徴とする。すなわち、負極活物質は、活物質(a)および活物質(b)の両方を含む。
また、本実施形態の負極においては、活物質(a)を含む負極活物質層を、活物質(b)を含む負極活物質層が囲んでいることが好ましい。または、活物質(a)を含む負極用合剤を溶剤に溶かしたものを、負極集電体材料上に塗布し層を形成させたのち、活物質(b)を含む層をその層の上に形成させる方法で作製されたものでもよい。
活物質(b)を含む負極活物質層の厚さは、1nm以上100μm以下であることが望ましい。一実施形態では電解液中に残存するリン化合物が少ないことが好ましく、活物質(b)は、電解液に添加されたリン酸エステル等のリン化合物がすべて分解するために必要な量が含有されていることが望ましい。従って、この場合、電解液中のリン酸エステル等のリン化合物の含有量により、活物質(b)を含む負極活物質層の大体の厚さが決定されることになる。
活物質(a)としては、リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する材料であることが好ましい。具体的には、炭素材料、並びに、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等を主体とした金属、これらの金属の2種以上の合金、これらの金属の硫化物、これらの金属の金属酸化物およびLi2.6Co0.4N等の窒化物等を用いることができる。これらの活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。特に、エネルギー密度向上のため、活物質(a)は炭素材料を含むことが好ましい。
炭素材料としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物を用いることができる。ここで、結晶性の高い炭素(人造黒鉛等)は、電気伝導性が高く、銅などの金属からなる負極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
また、炭素材料は、特に制限するものではないが、それぞれ粒子状のものを用いることもできる。
活物質(b)としては、活物質(b)の作動電位が、電解液に添加されるリン化合物の分解電位よりも貴であることが好ましく、例えば、リチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する材料であることが好ましい。一例として、チタン酸リチウムや、SnO、CoO、Co等の酸化物等を用いることができるがこれらに限定されない。
負極には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛粉末、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。導電補助材は、負極活物質に対して20重量%以下であることが好ましい。
負極用結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましく、また一実施形態では5〜25質量部がより好ましい。
負極スラリーを作製しやすくするために、増粘剤を用いることもできる。このような増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)(アルカリで中和されたリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩を含む)、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸(アルカリで中和されたリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩を含む)等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることもできる。負極スラリー中の増粘剤の割合としては、0.1〜5質量%が好ましい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
負極は、負極集電体上に、負極活物質と負極用結着剤を含み、必要に応じて負極用増粘剤等を含む負極活物質層を形成することで作製することができる。負極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、またはそれらの合金の薄膜を形成して、負極集電体としてもよい。
負極中の水分量は、少ないほうが望ましく、1000ppm以下であることが望ましい。
<正極>
正極は、例えば、正極活物質が正極用結着剤によって正極集電体を覆うように結着されて構成される。
正極活物質としては、リチウム二次電池の正極活物質として用いられる化合物であれば特に制限なく用いることができる。中でも、エネルギー密度を向上させるため、LiMn1.5Ni0.5(0<x<2)、またはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたものを正極として用いることが望ましい。特に、本発明では、Liに対して4.0V以上で反応する正極活物質である時に、より効果を発揮する。一実施形態では、Liに対して4.5V以上で動作する正極活物質を含むことがより好ましい。その他にも、正極活物質としては、LiMnO、LiMn(0<x<2)、スピネル構造を有するもの、LiMnO及びその複合正極、LiCoO、LiNiO等の層状構造を持つもの、またはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの;LiNi1/3Co1/3Mn1/3などのリチウム遷移金属酸化物;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの、LiFePOなどのオリビン構造を有するもの等が挙げられる。また、これらの金属酸化物において、Al、Fe、P、Ti、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等によりその一部を置換した材料も使用することができる。特に、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)またはLiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.1、γ≦0.1)が好ましい。正極活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ラジカル材料等を正極活物質として用いることも可能である。
正極用結着剤としては、負極用結着剤と同様のものと用いることができる。中でも、汎用性や低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。使用する正極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、正極活物質100質量部に対して、2〜15質量部が好ましい。
正極集電体としては、負極集電体と同様のものを用いることができる。
正極活物質を含む正極活物質層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。導電補助剤の含有量は、正極活物質に対して20重量%以下であることが好ましい。
正極電極の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、正極活物質を、導電補助材および結着剤と共に、結着剤を溶解しうる適当な分散媒で混合(スラリー法)した上で、銅箔等の集電体上に塗布し、溶剤を乾燥した後、プレス等により圧縮して正極活物質層を形成する方法が挙げられる。
正極中の水分量は、少ないほうが望ましく、1000ppm以下であることが望ましい。
<電解液>
本実施形態で用いる電解液は、電解溶媒および支持塩に加えて、リン酸エステル、リン酸等のリン化合物を含むことを特徴とする。リン化合物以外の電解溶媒としては、リン化合物を電極上で効果的に分解させるため、リン化合物より耐酸化性の高い電解溶媒を用いることが望ましい。
リン化合物としては、例えば、下記式(1):
Figure 2015025915
で表される化合物が挙げられる。式(1)中、Rs、RtおよびRuは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐アルキル基、直鎖または分岐アルケニル基、アリール基またはシクロアルキル基であり、Rs、RtおよびRuは、いずれか2つまたはすべてが結合した環状構造を形成していてもよい。アルキル基、アルケニル基、アリール基およびシクロアルキル基の炭素数はそれぞれ10以下が好ましい。Rs、RtおよびRuは、いずれも炭素数10以下のアルキル基であることがより好ましい。また、式(1)で表されるリン化合物の炭素数の合計は15以下であることがより好ましい。
本実施形態において、リン化合物の含有量としては、電解液の0.005質量%以上30質量%以下、好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上5質量%以下である。リン化合物の含有量を低くすることにより、後述のとおり、正極表面上にリン化合物由来の被膜を形成した後に電解液中に残存するリン化合物の量を少なく、または残存しない状態にすることができる。
また、本実施形態において、リン化合物は、上記のリン化合物の水素原子の少なくとも一部が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子によって置換されたハロゲン置換リン化合物であってもよい。ハロゲン置換化合物は、Rs,Rt,Ruの内少なくとも一つは、3つ未満のハロゲンの原子により置換されている化合物であることが好ましい。リン化合物として、炭素材料を含む負極上に良好な被膜を形成するハロゲン置換リン酸エステル等のハロゲン置換リン化合物を用いた場合は、電解液中の含有量は特に限定されないが、ハロゲン置換リン化合物は、電解液中、0.01質量%以上50質量%以下、好ましくは1質量%以上20質量%の範囲で含有されることが好ましい。
リン化合物の具体例としては、リン酸;リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸ジメチルメチル、リン酸ジエチルメチル等のアルキルリン酸エステル化合物;リン酸トリフェニル等のアリールリン酸エステル化合物;リン酸メチルエチレン、リン酸エチルエチレン(EEP)、リン酸エチルブチレン等の環状構造を有するリン酸エステル化合物;およびこれらの化合物の水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子で置換したハロゲン置換リン化合物が挙げられる。被膜形成の観点からは、未置換のリン化合物であることがより好ましく、中でも、リン化合物として、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル等のトリアルキルリン酸エステル化合物を用いることが好ましい。リン化合物は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態において、電解溶媒としては、上記リン化合物より耐電圧性が高いものを含むことが望ましい。
一例として、上記のリン化合物に含まれる水素原子の一部または全部をフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子で置換した化合物を用いてもよい。たとえば、フッ素原子で置換したフッ素含有リン酸エステル化合物が挙げられる。具体例としては、トリス(トリフルオロメチル)ホスフェート、トリス(ペンタフルオロエチル)ホスフェート、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフェート、トリス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)ホスフェート、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ホスフェート、トリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)ホスフェート等のフッ素含有アルキルリン酸エステル化合物が挙げられ、中でもトリス−トリフルオロエチルホスフェート等が好ましい。これらのハロゲン置換リン化合物の含有量は電解液中、0.01質量%以上50質量%以下が好ましい。
その他の電解溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等の環状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、エチレンサルファイト(ES)、プロパンサルトン(PS)、ブタンスルトン(BS)、ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド(DD)、スルホラン、スルホレン、Rv1−O−Rv2(Rv1、Rv2はそれぞれアルキル基あるいはフッ素化アルキル基)構造をもつフッ素化エーテル、無水コハク酸(SUCAH)、無水プロピオン酸、無水酢酸、無水マレイン酸、ジアリルカーボネート(DAC)、2,5−ジオキサヘキサン二酸ジメチル、2,5−ジオキサヘキサン二酸ジエチル、フラン、2,5−ジメチルフラン、ジフェニルジサルファイド(DPS)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、テトラヒドロピラン(THP)、1,4−ジオキサン(DIOX)、1,3−ジオキソラン(DOL)、ビフェニル、チオフェン、メチルエチルケトン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等の環状構造を持つ化合物を含むことが望ましい。それ以外にも、カーボネート電解液、グライム、エーテル、アセトニトリル、プロピオンニトリル、イオン液体、ホスファゼン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、又は、これらの化合物の一部あるいは全ての水素原子がハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びそれらの化合物の一部またはすべての水素原子をフッ素置換したものが好ましい。
また、本実施形態において、電解液は、耐酸化性がリン酸エステルと同等の溶媒を含んでもよい。しかし、大量に混合させると電池特性に悪影響を及ぼすため、電解液中のこれらの溶媒の量は、80質量%以下であることが望ましい。これらの溶媒として、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、クロロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、ジエチルエーテル、フェニルメチルエーテル、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルジフルオロアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、メチルフォルメイト、エチルフォルメイト、エチルブチレイト、イソプロピルブチレート、メチルイソブチレート、メチルシアノアセテート、ビニルアセテート、ジフェニルジスルフィド、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、アジポニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、イソブチロニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態において、電解溶媒はフッ素化カーボネート化合物を含むことが好ましい。
フッ素化カーボネート化合物は、フッ素化環状カーボネート化合物でもよく、フッ素化鎖状カーボネート化合物でもよい。フッ素化カーボネート化合物は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
フッ素化環状カーボネート化合物としては、例えば、下記式(3a)または(3b):
Figure 2015025915
で表される化合物が挙げられる。式(3a)または(3b)中、Ra、Rb、Rc、Rd、ReおよびRfは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルケニル基、ハロゲン化アルケニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、シクロアルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基またはシリル基である。ただし、Ra、Rb、RcおよびRdのうち少なくとも1つが、フッ素原子、フッ素化アルキル基、フッ素化アルケニル基、フッ素化アルコキシ基またはフッ素化シクロアルキル基であり、ReおよびRfのうち少なくとも1つが、フッ素原子、フッ素化アルキル基、フッ素化アルケニル基、フッ素化アルコキシ基またはフッ素化シクロアルキル基である。アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、ハロゲン化アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、シクロアルキル基およびハロゲン化シクロアルキル基の炭素数は10以下が好ましく、5以下がより好ましい。ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アルコキシ基およびハロゲン化シクロアルキル基のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
フッ素化環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートの全部または一部の水素原子をフッ素原子で置換した化合物を用いることができる。より具体的には、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート、以下FECとも称す)、(cis又はtrans)4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(cis又はtransジフルオロエチレンカーボネートともいう)、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を用いることができる。これらの中でも、フルオロエチレンカーボネートが好ましい。
フッ素化鎖状カーボネート化合物としては、例えば、下記式(4):
Figure 2015025915
で表される化合物が挙げられる。式(4)中、RyおよびRzは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルケニル基、ハロゲン化アルケニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、シクロアルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基またはシリル基である。ただし、RyおよびRzのうち少なくとも1つがフッ素原子、フッ素化アルキル基、フッ素化アルケニル基、フッ素化アルコキシ基またはフッ素化シクロアルキル基である。アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、ハロゲン化アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、シクロアルキル基およびハロゲン化シクロアルキル基の炭素数は10以下が好ましく、5以下がより好ましい。ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基、ハロゲン化アルコキシ基およびハロゲン化シクロアルキル基のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
フッ素化鎖状カーボネート化合物としては、特に制限されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネートの一部あるいは全部の水素をフッ素に置換した化合物を用いることができる。より具体的には、例えば、ビス(1−フルオロエチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルカーボネートが挙げられる。
フッ素化カーボネートの含有量は、電解液中、0.01質量%以上90質量%以下であることが好ましい。フッ素化カーボネートは電解液中に含まれていると放電容量が大きくなるが、多すぎると電解液中の粘度が上がり抵抗が上がる傾向がある。そのため、フッ素化カーボネートの含有量は、電解液中、一般には1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。また一実施形態では、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
さらに、本実施形態において、電解液は、フッ素化カーボネートに加えてフッ素化カーボネート以外のカーボネート(以下、非フッ素化カーボネートとも称す)を含むことが好ましい。非フッ素化カーボネートを用いることにより、電解液のイオン解離性が向上し、また電解液の粘度が下がる。そのため、イオン伝導度を向上することができる。非フッ素化カーボネートとしては、上述のフッ素化カーボネートと同様に、鎖状および環状のカーボネートが挙げられる。これらの溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。非フッ素化カーボネートの含有量は、電解液中、10質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、15質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
フッ素化カーボネートと非フッ素化カーボネートとを含む場合、電解液は0.1〜80質量%のフッ素化カーボネートと20〜99.9質量%の非フッ素化カーボネートを含むことがより好ましい。
本実施形態で用いる電解液は、支持塩を含む。支持塩の具体例としては、LiPF、LiI、LiBr、LiF、LiCl、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiPO、LiHPO、LiHPO、LiPO(CH)、LiPO(CH、LiCFSO、LiCSO、また、イミドアニオンからなるLiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)、5員環構造を有するLiN(CFSO(CF)、6員環構造を有するLiN(CFSO(CF等が挙げられる。また、LiPFの少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiPF(CF)、LiPF(C)、LiPF(C)、LiPF(CF、LiPF(CF)(C)、LiPF(CF等のリチウム塩が挙げられる。また、支持塩として、下記式(5):
Figure 2015025915
で表される化合物を用いることもできる。式(5)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはフッ化アルキル基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。フッ化アルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。式(5)で表される化合物の具体例としては、LiC(CFSO、LiC(CSOが挙げられる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。例えば、LiPFと、熱分解温度の高いイミドアニオンを含む塩、例えば、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)等を混合して用いることができる。
電解液中の支持塩の濃度は、0.01M(mol/L)以上、3M(mol/L)以下が好ましく、0.1M(mol/L)以上、1.5M(mol/L)以下がより好ましい。
<セパレータ>
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の多孔質フィルムや不織布を用いることができる。また、セパレータとしては、それらを積層したものを用いることもできる。また、耐熱性の高い、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロース、ガラス繊維を用いることもできる。また、それらの繊維を束ねて糸状にし、織物とした織物セパレータを用いることも出来る。アルミナやジルコニウム及びシリコン酸化物等の酸化物等からなるセラミックを表面にコートあるいは塗布してあってもよい。
<外装体>
外装体としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、ポリプロピレン、ポリエチレン及び、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることができる。特に、体積膨張を抑制する観点から、アルミニウムラミネートフィルムを用いることが好ましい。
<二次電池>
本発明の一実施形態において、二次電池は、上述のとおり、負極活物質(a)を含む負極活物質層と負極活物質(b)を含む負極活物質層とを含む負極と、リン化合物を含む電解液とを備える。
さらに、本発明の一実施形態において、二次電池は、正極表面上に上記のリン化合物に由来する被膜を有する。
正極表面上の被膜は、リン化合物を含む電解液を備える二次電池の充放電工程において、初期の充放電サイクルの上限電位を低くすることにより形成することができる。上限電位を低くして充放電を行うサイクル数は、一般には初回から30サイクル以下であり、初回から15サイクル以下が好ましく、初回から10サイクル以下がより好ましく、例えば初回から5サイクルである。この時の上限電位としては、負極活物質(a)と正極活物質の間の充放電反応が起こらず、負極活物質(b)と正極活物質の間で充放電反応が起こるような充放電電圧範囲で行うことが好ましく、例えば、充放電の上限電位が、一般には2.0V〜3.7V、好ましくは2.0〜3.5V、より好ましくは2.5〜3.5Vの範囲にあることが好ましい。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
人造黒鉛からなる負極活物質と、負極用結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)とを100:2の重量比で混合し、1%のCMCを溶解した水と混合し、3000〜7000cPの粘度に調整したものをスラリー1とした。負極スラリー1を厚さ15μmの銅箔に塗布した後に乾燥して負極集電体上に負極活物質層を形成した。更に、チタン酸リチウムからなる活物質と、SBRを100:4の重量比で混合し、1%のCMCを溶解した水と混合し、500〜3000cPの粘度に調整したものをスラリー2とした。先ほどのスラリー1にて作製した負極活物質層上に、スラリー2を塗布した後に乾燥して負極を作製した。
正極活物質としてLiMn1.5Ni0.5を用い、正極用結着剤としてPVDFを正極活物質の重量の6%の割合で混合し、導電補助剤としてカーボンブラックを正極活物質の5%の重量比で混合し、n−メチルピロリドン(NMP)で溶解したものを正極スラリーとした。正極スラリーを厚さ15μmの銅箔に塗布した後に乾燥して正極を作製した。
得られた正極の1層と負極の1層を、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体および負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接し、さらにその溶接箇所に、アルミニウム製の正極端子およびニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極素子を得た。
一方、電解液としては、トリストリフルオロエチルホスフェート(TTFP)と、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート4:2:2:2(体積比)からなる電解溶媒に、添加剤として、リン酸トリメチルを2質量%添加し、支持塩として、LiPFを1モル/Lの濃度で溶解したものを用いた。
上記電極素子を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルムで包み、内部に電解液を注液した後、0.1気圧まで減圧しつつ封止することで、二次電池を作製した。
[充放電評価]
得られた二次電池を、20℃環境下で0.05Cの電流にて、上限電圧3.5Vまで充電後、2.5Vまで放電するサイクルを5サイクル繰り返した。その後、4.7Vまで充電し、3Vまで放電するというサイクルを5サイクル行った。サイクル前の体積及び合計10サイクル後の体積の比較を表1に示す。
[実施例2]
電解液として、実施例1と同じ組成のものを用い、添加剤であるリン酸トリメチルの添加量を3質量%に変更したものを電解液として用いた。充放電評価は実施例1と同じである。サイクル前の体積及び合計10サイクル後の体積の比較を表1に示す。
[実施例3]
電解液として、実施例1と同じ組成のものを用い、添加剤であるリン酸トリメチルの添加量を10質量%に変更したものを電解液として用いた。充放電評価は実施例1と同じである。サイクル前の体積及び合計10サイクル後の体積の比較を表1に示す。
[比較例1]
電解液に、トリストリフルオロエチルホスフェート(TTFP)と、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート4:2:2:2(体積比)からなる電解溶媒を用い、支持塩として、LiPFを1モル/Lの濃度で溶解したものを用いた。充放電評価は、実施例1と同じ条件にて行った。
[参考例1]
電解液として、実施例1と同じ組成のものを用い、添加剤であるリン酸トリメチルの添加量を40質量%に変更したものを電解液として用いた。充放電評価は実施例1と同じである。サイクル前の体積及び合計10サイクル後の体積の比較を表1に示す。
Figure 2015025915
実施例1〜3におけるサイクル前後の体積増加率は、比較例1に比べて低くなっていることがわかる。これは、初期の数サイクルの充電時に、正極表面上でリン酸トリメチルが分解され、分解による被膜が形成、その被膜が電解液の分解を抑制したためと考えられる。比較例1の場合、正極表面上に有効な被膜が形成されていないため、サイクル前後での体積増加率が大きくなったと考察できる。一方で、リン酸トリメチルの添加量が多い場合、初回の数サイクルでの充放電による正極上への被膜の形成が行われるが、電解液中にリン酸トリメチルが残るため、その後の5サイクルでの充放電サイクル時に負極活物質である黒鉛電極と反応し、その結果ガスが発生すると考えられる。そのため、電解液中のリン酸トリメチルの添加量は、20質量%以下であることが望ましい。
本実施形態は、電源を必要とするあらゆる産業分野、ならびに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野にて利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル機器の電源;電気自動車、ハイブリッドカー、電動バイク、電動アシスト自転車などの電動車両を含む、電車や衛星や潜水艦などの移動・輸送用媒体の電源;UPSなどのバックアップ電源;太陽光発電、風力発電などで発電した電力を貯める蓄電設備;などに、利用することができる。
a 負極
b セパレータ
c 正極
d 負極集電体
e 正極集電体
f 正極端子
g 負極端子

Claims (11)

  1. 正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液と、前記電極素子および前記電解液を内包する外装体と、を有する二次電池であって、
    前記負極は、
    リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(a)、及び、
    リチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(b)
    を含み、
    前記正極表面上に、前記電解液に添加したリン化合物由来の被膜が形成されていることを特徴とする二次電池。
  2. 正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液と、前記電極素子および前記電解液を内包する外装体と、を有する二次電池であって、
    前記電解液は、リン化合物を含み、
    前記負極は、
    リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(a)、及び、
    リチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(b)
    を含むことを特徴とする二次電池。
  3. 前記リン化合物は、前記電解液の0.01質量%以上20質量%以下の範囲で前記電解液に添加されることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記リン化合物は、下記式(1)で表される炭素数15以下のリン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
    Figure 2015025915
    [式(1)中、
    Rs、RtおよびRuは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルケニル基もしくはハロゲン化アルケニル基、炭素数1〜10のアリール基もしくはハロゲン化アリール基、または炭素数1〜10のシクロアルキル基もしくはハロゲン化シクロアルキル基であるか、または、これらのRs、RtおよびRuの二つ以上が結合して環状構造を形成している。]
  5. 前記リン酸エステル化合物は、前記式(1)中のRs、RtおよびRuが、それぞれ独立して、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であるアルキルリン酸エステル化合物であることを特徴とする、請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記負極は、
    前記負極活物質(a)を含む第一の負極活物質層と、
    前記負極活物質(b)を含む第二の負極活物質層と、
    を含み、前記第二の負極活物質層は、前記第一の負極活物質層上に積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池。
  7. 前記負極活物質(a)は、炭素材料ならびにアルミニウム、シリコン、鉛、スズ、銀およびこれらの金属の二種以上の合金からなる群より選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
  8. 前記負極活物質(b)は、チタン酸リチウムからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
  9. 前記電極素子が、平面的な積層構造を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池。
  10. 正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液と、外装体と、を有する二次電池の製造方法であって、
    前記負極は、
    リチウムに対して1.0V未満の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(a)、及び、
    リチウムに対して1.0V以上の電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する負極活物質(b)
    を含み、
    前記電解液にリン化合物を添加する工程と、
    前記電極素子と、前記リン化合物を含有する電解液と、を外装体に封入する工程と、
    を含み、
    初回から10サイクル以下の充放電工程を、前記負極活物質(a)と前記正極との間の充放電反応が起こらず、前記負極活物質(b)と前記正極との間で充放電反応が起こる充放電電圧範囲で行うことを特徴とする二次電池の製造方法。
  11. 前記初回から10サイクル以下の充放電工程の上限電位を、2.0〜3.5Vの範囲とすることを特徴とする、請求項10に記載の二次電池の製造方法。
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