JPWO2014208212A1 - エネルギー線硬化性樹脂組成物及び制振シート - Google Patents

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Abstract

硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成できるエネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)とを含み、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)と、ジイソシアネート(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。

Description

本発明は、エネルギー線硬化性樹脂組成物、及び該エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む制振シートに関する。本願は、2013年6月27日に日本に出願した、特願2013−135570号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、振動にさらされる物品や部品、振動に対して脆弱な物品や部品等に対して制振性を付与すること、家具等の倒壊を防ぐこと等を目的として、制振コーティング材や制振シート等の制振性を付与可能な材料が広く使用されている。
上述の制振性を付与可能な材料に関し、例えば、特許文献1には、複数の光硬化性官能基を有する水添ブタジエン系重合体、単一の光硬化性官能基を有するオリゴマー、及び光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物及びそれからなる粘着シートが開示されている。また、例えば、特許文献2には、複数の光硬化性官能基を有する水添ブタジエン系重合体、ポリチオール化合物、及び光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物及びそれからなる粘着シートが開示されている。さらに、例えば、特許文献3には、複数の光硬化性官能基を有する水添ブタジエン系重合体、単一の光硬化性官能基を有するモノマー、及び光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる粘着シートが開示されている。上記文献においてこれらの粘着シートは、いずれも制振特性(ヒステリシスロス)を向上し得ることが記載されている。
特開2011−32409号公報 特開2011−32410号公報 特開2012−62447号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された粘着シートは、いずれも制振性の指標となるTanδの値が1未満であって十分に高くなく、より高度な制振性が求められる用途における使用に耐え得るものではないのが現状であった。
従って、本発明の目的は、硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成できるエネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明の他の目的は、非常に優れた制振性を有する制振シートを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のウレタン(メタ)アクリレートと光開始剤とを必須成分として含むエネルギー線硬化性樹脂組成物が、硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)とを含み、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)と、ジイソシアネート(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。
さらに、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が10,000以上である前記のエネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。また、単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)と、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを含むエネルギー線硬化性樹脂組成物についても提供する。
また、本発明は、前記のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む制振シートを提供する。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)とを含み、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)と、ジイソシアネート(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(2)成分(A)が、成分(X)と、成分(Y)と、成分(Z)と、化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであって、成分(A)の構造が以下で表される(1)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
Z−Y−[X−Y]m−L (但しmは1以上の整数を示す。)
(3)前記成分(X)〜(Z)及び化合物(L)を反応させる方法が、成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端がイソシアネート基のウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーの片方のイソシアネート基が反応する量の成分(Z)を反応させ、次に、残りのイソシアネート基が反応する量の化合物(L)を反応させる方法である(1)又は(2)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(4)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法が、反応器に、成分(X)と、成分(Y)と、必要により、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを仕込み、均一になるまで攪拌をしながら必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入して成分(X)と成分(Y)との反応(ウレタン化)を開始乃至進行させる方法である(3)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(5)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法が、反応器に、成分(Y)と、ウレタン化触媒と、必要により、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを仕込み、均一になるまで攪拌し、次いで、攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、成分(X)を滴下して反応させる方法である(3)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(6)前記反応性希釈剤が1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(4)又は(5)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(7)前記反応性希釈剤がイソボルニルアクリレート及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(4)〜(6)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(8)前記揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(4)〜(7)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(9)前記揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(4)〜(8)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(10)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する際、成分(X)と成分(Y)とを、反応液中のイソシアネート基濃度が終点イソシアネート基濃度以下になるまで反応させる(3)〜(9)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(11)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法において、成分(X)と成分(Y)とのモル比が、成分(X)1モルに対して、成分(Y)を1.1〜2.0モル、より好ましくは1.2〜1.5モル使用する方法である(3)〜(10)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(12)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーと成分(Z)と化合物(L)との反応において、ウレタンイソシアネートプレポリマー1モルに対して、使用する成分(Z)の量(モル数)が、1.0〜1.1モル、より好ましくは1.0〜1.05モルであり、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数1モルに対して、成分(Z)のヒドロキシ基及び化合物(L)のイソシアネート反応性基のモル数(総量)が、1.0〜1.1モル、より好ましくは1.0〜1.05モルである(3)〜(11)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(13)成分(A)を製造するための反応における触媒が、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、及び塩化スズからなる群より選択される少なくとも1種を用いる反応であり、前記触媒の添加量(使用量)が、1〜3000ppm(重量基準)、より好ましくは50〜1000ppmである(4)〜(12)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(14)成分(X)〜(Z)及び化合物(L)の反応が、残存イソシアネート基が0.1重量%以下になるまで行う反応である(3)〜(13)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(15)成分(X)が、分子内に水素化ポリオレフィン骨格を有し、かつ分子内に2個のヒドロキシ基を有する化合物である(1)〜(14)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(16)成分(X)が、両末端にヒドロキシ基を有するポリアルカジエンを水素化した化合物である(1)〜(15)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(17)前記ポリアルカジエンが、ポリブタジエン及び/又はポリイソプレンである(16)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(18)成分(Y)が、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物である(1)〜(17)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(19)成分(Y)が、脂環式ジイソシアネート、分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(18)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(20)成分(Y)が、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及び水添ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(19)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(21)成分(Z)が、分子内に1個のヒドロキシ基を有し、かつ分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(1)〜(20)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(22)成分(Z)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルモノ(メタ)アクリレート及びそれを水添したものからなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(21)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(23)化合物(L)が、ヒドロキシ基、活性水素を含むアミノ基、>C=N−OHで表される官能基、及びアミド基からなる群より選択される少なくとも1種を有する化合物である(1)〜(22)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(24)化合物(L)が、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、及びピリジン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(23)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(25)化合物(L)が、アルコール系化合物である(1)〜(24)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(26)前記アルコール系化合物が、炭素数が1以上の脂肪族の1価アルコール、及び/又は炭素数が3以上の脂環式の1価アルコールであり、分子量が70から400である(24)又は(25)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(27)前記アルコール系化合物が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、1−ブタノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、ノルマルオクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール(2−エチルヘキサノール)、シクロヘキサンメタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール(炭素数が3以上ではイソ体、ノルマル体他の構造異性体も含む)やこれらの混合物である(24)〜(26)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(28)前記アルコール系化合物が、イソプロパノール、2−エチルヘキシルアルコールやこれらの混合物である(24)〜(27)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(29)成分(A)の重量平均分子量(Mw)が、10,000以上、より好ましくは15,000〜100,000、さらに好ましくは30,000〜60,000である(1)〜(28)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(30)エネルギー線硬化性樹脂組成物における成分(A)の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分の総重量(100重量%)に対して、40〜99.9重量%、より好ましくは45〜99重量%、さらに好ましくは50〜98重量%である(1)〜(29)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(31)エネルギー線硬化性樹脂組成物における光開始剤(B)の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれるラジカル重合性を有する化合物の全量100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは1〜5重量部である(1)〜(30)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(32)エネルギー線硬化性樹脂組成物が、成分(A)と、光開始剤(B)と、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを含む(1)〜(31)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(33)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる反応性希釈剤が1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(32)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(34)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる反応性希釈剤がイソボルニルアクリレート及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(32)又は(33)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(35)エネルギー線硬化性樹脂組成物における反応性希釈剤の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である(32)〜(34)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(36)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(32)〜(35)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(37)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(32)〜(36)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(38)エネルギー線硬化性樹脂組成物における揮発性有機溶剤の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である(32)〜(37)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(39)エネルギー線硬化性樹脂組成物における水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量100重量%に対して、1〜99重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%、最も好ましくは50〜80重量%である(32)〜(38)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(40)(1)〜(39)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物であって、23℃におけるTanδが、0.6以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上である硬化物
(41)(1)〜(39)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むコーティング材。
(42)(1)〜(39)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む制振シート。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は上記構成を有するため、硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成できる。また、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線(特に、紫外線)の照射によって硬化させることができるため、高い生産性で非常に優れた制振性を有するコーティング材(硬化物)を形成できる。また、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、例えば、平面状の物品だけでなく、3次元形状物等の複雑な形状を有する物品にも塗布でき、硬化させてコーティング材を形成できるため、多種多様な物品に対して優れた制振性を付与することが可能である。さらに、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることにより、該樹脂組成物の硬化物を含む、非常に優れた制振性を有する制振シートが得られる。
≪エネルギー線硬化性樹脂組成物≫
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)(「成分(A)」と称する場合がある)と、光開始剤(B)とを必須成分として含む硬化性樹脂組成物である。本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、成分(A)及び光開始剤(B)以外にも、後述の反応性希釈剤、揮発性有機溶剤、及び添加剤を含んでいてもよい。
<水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)>
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、分子内に水素化ポリオレフィン骨格を有し、かつ分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(即ち、単官能である)、ウレタン(メタ)アクリレートである。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレート(アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方又は両方)を意味し、「(メタ)アクリロイル」等においても同様である。
水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)(「成分(X)」や「X」と称する場合がある)と、ジイソシアネート(Y)(「成分(Y)」や「Y」と称する場合がある)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)(「成分(Z)」や「Z」と称する場合がある)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)(「イソシアネート反応性化合物」、「化合物(L)」、「成分(L)」、「L」と称する場合がある)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の構造を模式的に示すと以下のようになる。
Z−Y−[X−Y]m−L (但しmは1以上の整数を示す)
上述の成分(X)〜(Z)及び成分(L)を反応させる方法は、特に限定されないが、例えば、次の方法が挙げられる。
[方法1]成分(X)、成分(Y)、成分(Z)、及び成分(L)を一括混合して反応させる方法
[方法2]成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端がイソシアネート基のウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーの片方のイソシアネート基が反応する量の成分(Z)を反応させ、次に、残りのイソシアネート基が反応する量の成分(L)を反応させる方法
[方法3]成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端がイソシアネート基のウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーの片方のイソシアネート基が反応する量の成分(L)を反応させ、次に、残りのイソシアネート基が反応する量の成分(Z)を反応させる方法
[方法4]成分(Y)と、成分(Y)の片方のイソシアネート基が反応する量の成分(Z)とを反応させ、模式的にY−Zで示されるプレポリマー(以下、「プレポリマー(Y−Z)」という)を合成する。一方、成分(Y)と、成分(Y)の片方のイソシアネート基が反応する量の成分(L)とを反応させ、模式的にY−Lで示されるプレポリマー(以下、「プレポリマー(Y−L)」という)を合成する。成分(X)と成分(Y)の繰り返し数を増やす場合は、さらに別途、成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端が水酸基のウレタンプレポリマーを合成する。その後、プレポリマー(Y−Z)とプレポリマー(Y−L)の混合物に、成分(X)及び/又は上記両末端が水酸基のウレタンプレポリマーを反応させる。
上述の[方法1]〜[方法4]の中では、[方法2]が好ましい。即ち、本発明の水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ウレタンイソシアネートプレポリマー(ジイソシアネート)の一方のイソシアネート基にヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)を反応させ、続いて、他方のイソシアネート基に化合物(L)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。[方法2]を採用することにより、[方法1]及び[方法3]等に比べて、例えば、粘度増加防止、樹脂外観、副生物抑制、硬化物の透明性、耐熱性等が顕著に向上するという効果が奏される。
一方、上記[方法1]で製造した場合、得られるウレタン(メタ)アクリレートは、高粘度となり、攪拌が困難となり、又は反応が不均一に進行し、部分的なゲル化の確率が高くなるだけでなく、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)とジイソシアネート(Y)の繰り返しによるウレタンイソシアネートプレポリマーの副生量が多くなり、硬化物の制振性が低下する傾向がある。また、複雑な各種の化合物が不規則に生成するため、生成物をエネルギー線硬化性樹脂組成物の構成成分として使用する際、品質の管理が難しくなる。
また、上記[方法3]で反応させた場合、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)が反応後期でイソシアネート基と反応せず残存する可能性があり、好ましくない。なお、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)の骨格を含んでいない副生物(成分(X)と成分(Y)と成分(L)との反応生成物)が副生しやすくなる傾向があり、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化性が低下する傾向がある。
さらに、上記[方法4]で反応させた場合、反応工程が長くなり、工業的に好ましくない。
上記[方法2]において、ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法としては、特に限定されないが、例えば、次の方法が挙げられる。
[方法2−1]成分(X)及び成分(Y)を一括混合して反応させる方法
[方法2−2]成分(X)の中に成分(Y)を滴下して反応させる方法
[方法2−3]成分(Y)の中に成分(X)を滴下して反応させる方法
上記[方法2−2]の場合、大量の水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)の中にジイソシアネート(Y)を滴下するので、模式的に以下の式で示される分子のうち、mの値が大きな超巨大分子が生成するため、ゲル化し、製品化が困難になる傾向がある。
[X−Y]m−X (mは1以上の整数)
従って、目的とするウレタンイソシアネートプレポリマーを収率良く得るためには、[方法2−1]、[方法2−3]が好ましく用いられる。
[方法2−1]の場合:
反応器に、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)、ジイソシアネート(Y)、及び必要により反応性希釈剤(例えば、イソボルニルアクリレート、ノルマルオクチルアクリレート等)、及び/又は揮発性有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等)を仕込み、均一になるまで攪拌をしながら必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入して成分(X)と成分(Y)との反応(ウレタン化)を開始乃至進行させる方法が好ましい。ウレタン化触媒を投入後に必要に応じて昇温してもよい。
ウレタン化触媒を初めから投入すると、ジイソシアネート(Y)の仕込み段階で、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)とジイソシアネート(Y)とが不均一な状態でウレタン化反応が進行することになり、得られるウレタンイソシアネートプレポリマーの分子量や粘度が変化し、未反応のジイソシアネート(Y)が系中に残存した状態で反応が終結する場合がある。このような場合には、後で使用するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)や化合物(L)と残存したジイソシアネート(Y)だけの反応による副生物が生じるため、硬化物の制振性の低下を導くことがあり不都合である。上記[方法2−1]は、ワンポットで水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造できる点で、工業的に優れている。
[方法2−3]の場合:
反応器に、ジイソシアネート(Y)、ウレタン化触媒、及び必要により反応性希釈剤(例えば、イソボルニルアクリレート、ノルマルオクチルアクリレート等)、及び/又は揮発性有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等)を仕込み、均一になるまで攪拌する。次いで、攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)を滴下する。
上記[方法2−3]は、上記[方法2−2]で述べた超巨大分子が生成しない点で好ましい。
なお、上記のいずれの方法でも、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)とジイソシアネート(Y)との反応によりウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する際、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)とジイソシアネート(Y)とを、反応液中のイソシアネート基濃度が終点イソシアネート基濃度以下になるまで反応させることが好ましい。
「終点イソシアネート基濃度」とは、系内に仕込んだヒドロキシ基(水酸基)の全てがウレタン化したと仮定した場合の理論上のイソシアネート基濃度(以下、「理論終点イソシアネート基濃度」と称することがある。)と、反応液中のイソシアネート基濃度がもはや変化しなくなった時のイソシアネート基濃度の、いずれか高いほうのイソシアネート基濃度を意味する。
上記観点から、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)とジイソシアネート(Y)とのモル比は、特に限定されないが、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)1モルに対して、ジイソシアネート(Y)を1.1〜2.0モル使用することが好ましく、より好ましくは1.2〜1.5モルである。
また、ウレタンイソシアネートプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、続いて化合物(L)とを反応させて、目的とする水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)を合成する際、最終的に反応液中に未反応のイソシアネート基が多量に残存すると、ゲル化が起こったり、塗膜の硬化不良となったりするなどの不具合が生じる可能性がある。
上記反応(ウレタンイソシアネートプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と化合物(L)との反応)においては、ウレタンイソシアネートプレポリマーに対してヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)を、成分(A)が有する分子内の(メタ)アクリロイル基の数が1個となるような量論関係で反応させ、なおかつ、反応液中の残存イソシアネート基が0.1重量%以下となるようにする必要がある。例えば、前記[方法2]では、反応液中の残存イソシアネート濃度を監視しながら、最後に反応させる化合物(L)の量を調整する方法が挙げられる。なお、上記反応において、ウレタンイソシアネートプレポリマー1モルに対して、使用するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)の量(モル数)は、1.0〜1.1モルが好ましく、より好ましくは1.0〜1.05モルである。また、上記反応において、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数1モルに対して、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)のヒドロキシ基及び化合物(L)のイソシアネート反応性基のモル数(総量)は、特に限定されないが、1.0〜1.1モルが好ましく、より好ましくは1.0〜1.05モルである。
成分(A)を製造するための反応(特に、ウレタンイソシアネートプレポリマーと成分(Z)の反応)は、重合を防止する目的で、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤の存在下で進行させることが好ましい。これらの重合禁止剤の添加量(使用量)は、生成する成分(A)に対して、1〜10000ppm(重量基準)が好ましく、より好ましくは100〜1000ppm、さらに好ましくは400〜500ppmである。重合禁止剤の添加量を1ppm以上とすることにより、十分な重合禁止効果が得られる傾向がある。一方、10000ppm以下とすることにより、生成物の諸物性に対して重合禁止剤由来の悪影響が及びにくい傾向がある。
同様の目的で、本反応は、分子状酸素を含有するガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、酸素濃度は、安全面を考慮して適宜選択される。
本反応は、十分な反応速度を得るために、触媒を用いて進行させてもよい。触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、塩化スズ等が挙げられる。中でも、反応速度の点から、ジブチルスズジラウレートが好ましい。上記触媒の添加量(使用量)は、特に限定されないが、通常、1〜3000ppm(重量基準)が好ましく、より好ましくは50〜1000ppmである。触媒の添加量を1ppm以上とすることにより、十分な反応速度が得られる傾向がある。一方、3000ppm以下とすることにより、生成物の諸物性に対して触媒由来の悪影響が及びにくい傾向がある。
成分(A)を製造するための反応は、公知の揮発性有機溶剤の存在下で進行させることができる。揮発性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、トルエン等が挙げられる。中でも、沸点と経済性の観点から、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン等が好ましい。なお、揮発性有機溶剤は、成分(A)の製造後、減圧等により留去することができる。また、エネルギー線硬化性樹脂組成物中に残存する揮発性有機溶剤は、該樹脂組成物を物品や部品等に塗布した後、乾燥により除去することもできる。なお、揮発性有機溶剤とは、常圧における沸点が200℃を超えない有機溶剤を意味する。
成分(A)を製造するための反応においては、揮発性有機溶剤の代わりに又は併用の態様で、反応性希釈剤を使用することもできる。上記反応性希釈剤としては、特に限定されないが、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、ノルマルオクチルアクリレート等が挙げられ、後述のエネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度の調整等の観点から、イソボルニルアクリレート、ノルマルオクチルアクリレートが好ましい。反応性希釈剤を使用した場合、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と反応性希釈剤とを含む組成物が生成物として得られる。なお、上記反応性希釈剤は、後述のエネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度の調整や硬化物の硬度の調整等を目的として、必要に応じて、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)を生成させた後に配合することもできる。
上記反応性希釈剤としては市販品を用いることもでき、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(例えば、ダイセル・サイテック社製、製品名「HDDA」)、トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、同社製、製品名「TMPTA」)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例えば、同社製、製品名「IRR214−K」)、イソボルニルアクリレート(例えば、同社製、製品名「IBOA-B」)、ノルマルオクチルアクリレート(例えば、大阪有機化学工業社製、製品名「NOAA」)等が市場から入手可能である。
上記反応(成分(X)〜(Z)及び成分(L)の反応)は、特に限定されないが、130℃以下の温度(反応温度)で進行させることが好ましく、より好ましくは40〜130℃である。反応温度を40℃以上とすることにより、反応速度がより向上する傾向がある。一方、反応温度を130℃以下とすることにより、熱によるラジカル重合が抑制され、ゲル化物の生成をより効率的に抑制できる傾向がある。
上記反応(成分(X)〜(Z)及び成分(L)の反応)は、上述のように、通常、残存イソシアネート基が0.1重量%以下になるまで行う。残存イソシアネート基濃度は、例えば、ガスクロマトグラフィー、滴定法等で分析できる。
[水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)]
水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)は、分子内に水素化ポリオレフィン骨格を有し、かつ分子内に2個のヒドロキシ基を有する化合物である。水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)としては、例えば、両末端にヒドロキシ基を有するポリアルカジエン(ポリブタジエン、ポリイソプレン等)を水素化した化合物を使用できる。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料として水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)としては市販品を使用することもでき、例えば、製品名「エポール」(出光興産(株)製);製品名「NISSO−PB GI−1000」、「NISSO−PB GI−2000」、「NISSO−PB GI−3000」(以上、日本曹達(株)製)等が挙げられるが、この限りではない。
[ジイソシアネート(Y)]
ジイソシアネート(Y)は、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物である。中でも、樹脂外観、硬化物の透明性等の観点から、結晶性を示さないものが好ましく、具体的には、例えば、脂環式ジイソシアネート、分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。上記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。上記分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。上記芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物としては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。一方、上記以外のジイソシアネート、特に結晶性を示すものを多量に用いた場合、硬化物の外観、硬化物の透明性に問題が生じる場合がある。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料としてジイソシアネート(Y)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ジイソシアネート(Y)としては市販品を使用することができ、例えば、製品名「VESTANAT IPDI」(イソホロンジイソシアネート、エボニック社製)等が挙げられる。
[ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)]
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)は、分子内に1個のヒドロキシ基を有し、かつ分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料としてヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルモノ(メタ)アクリレート等のエポキシアクリレート及びそれらを水添したもの等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)としては市販品を使用することができ、例えば、製品名「BHEA」(アクリル酸2−ヒドロキシエチル、日本触媒(株)製)、製品名「CHDMA」(シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、日本化成工業(株)製)等が挙げられる。
[化合物(L)(イソシアネート反応性化合物)]
化合物(L)は、上述のように、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基(特に、(メタ)アクリロイル基)を有しない化合物である。化合物(L)は、主に、ウレタンイソシアネートプレポリマーにおける余剰のイソシアネート基を不活性化(封止する)目的で使用される。上記イソシアネート反応性基としては、イソシアネート基と反応性を有する公知乃至慣用の官能基が挙げられ、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基、活性水素を含むアミノ基、>C=N−OHで表される官能基、アミド基などが挙げられる。即ち、化合物(L)としては、例えば、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピリジン系化合物等が挙げられる。中でも、取り扱い性が容易であり副反応を起こしにくい点で、アルコール系化合物が好ましい。なお、化合物(L)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記アルコール系化合物としては、例えば、炭素数が1以上(好ましくは3以上)の脂肪族の1価アルコール、炭素数が3以上の脂環式の1価アルコール等が挙げられ、その分子量は70から400の範囲にあることが好ましい。アルコールの炭素数を3以上又は分子量を70以上とすることにより、成分(A)の合成中に揮発することを効率的に防止できる傾向がある。一方、分子量を400以下とすることにより、イソシアネート基との良好な反応性が確保され、生産性がより向上する傾向がある。また、上記アルコール系化合物として芳香環を有するアルコールを多量に使用した場合には、例えば、得られる成分(A)の耐候性が劣る可能性があり、好ましくない場合がある。
具体的には、上記アルコール系化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、1−ブタノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、ノルマルオクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール(2−エチルヘキサノール)、シクロヘキサンメタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール(炭素数が3以上ではイソ体、ノルマル体他の構造異性体も含む)等やこれらの混合物が好ましい。中でも、イソプロパノール、2−エチルヘキシルアルコールが沸点、価格、入手容易性の観点から好ましい。
上記フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。上記活性メチレン系化合物としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。上記メルカプタン系化合物としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。上記酸アミド系化合物としては、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等が挙げられる。上記酸イミド系化合物としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。上記イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。上記ピラゾール系化合物としては、例えば、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジエチルピラゾール等が挙げられる。上記尿素系化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。上記オキシム系化合物としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。上記アミン系化合物としては、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等が挙げられる。上記イミン系化合物としては、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。上記ピリジン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料として、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)以外のポリオールを併用することも可能である。但し、硬化物の制振性の観点で、ポリオール(成分(X)を含む)の全量(100重量%)に対する成分(X)の割合は、90〜100重量%が好ましく、より好ましくは95〜100重量%、さらに好ましくは98重量%以上である。
また、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料として、ジイソシアネート(Y)以外のポリイソシアネートを併用することも可能である。但し、硬化物の制振性の観点で、ポリイソシアネート(成分(Y)を含む)の全量(100重量%)に対する成分(Y)の割合は、90〜100重量%が好ましく、より好ましくは95〜100重量%、さらに好ましくは98重量%以上である。
水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、成分(X)〜(Z)及び成分(L)を反応させた後の溶液をそのまま使用することもできるし、公知乃至慣用の方法により精製した上で使用することもできる。
水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、10,000以上が好ましく、より好ましくは15,000〜100,000、さらに好ましくは30,000〜60,000である。水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)のMwを10,000以上とすることにより、硬化物の制振性がより向上する傾向がある。一方、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)のMwを100,000以下とすることにより、架橋密度を適切な範囲で高くすることができ、硬化性がより向上し、硬化物の高温下で形状変化がより抑制される傾向がある。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)のMwは、実施例に記載の条件で測定することができる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分の総重量(100重量%)に対して、40〜99.9重量%が好ましく、より好ましくは45〜99重量%、さらに好ましくは50〜98重量%である。水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量を40重量%以上とすることにより、硬化物の制振性がより向上する傾向がある。一方、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量を99.9重量%以下とすることにより、相対的に光開始剤(B)の含有量を多くすることができ、硬化性がより向上する傾向がある。なお、エネルギー線硬化性樹脂組成物の「不揮発分」とは、該樹脂組成物中の揮発分以外の成分であって、硬化物の構成成分として硬化物中に残存する成分(例えば、本発明の活性エネルギー硬化性樹脂組成物から揮発性有機溶剤を除いた成分)を指す。
エネルギー線硬化性樹脂組成物が反応性希釈剤を含む場合、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分の総重量(100重量%)に対して、40〜99.9重量%が好ましく、より好ましくは45〜90重量%、さらに好ましくは50〜80重量%である。
エネルギー線硬化性樹脂組成物が揮発性有機溶剤を含む場合、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分の総重量(100重量%)に対して、70〜99.9重量%が好ましく、より好ましくは、80〜99重量%、さらに好ましくは、85〜98重量%、最も好ましくは、90〜97重量%である。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量(例えば、成分(A)、光開始剤(B)、反応性希釈剤、揮発性有機溶剤等の全量)100重量%に対して、1〜99重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%、最も好ましくは50〜80重量%である。水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量を上記範囲とすることにより、硬化物の制振性がより向上する傾向がある。
<光開始剤(B)>
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における光開始剤(B)(光重合開始剤)としては、公知乃至慣用の光ラジカル重合開始剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等が挙げられる。なお、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において光開始剤(B)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における光開始剤(B)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれるラジカル重合性を有する化合物の全量(例えば、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)、反応性希釈剤等)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。光開始剤(B)の含有量を0.1重量部以上とすることにより、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化性がより向上し、十分に硬化させることができる傾向がある。一方、光開始剤(B)の含有量を20重量部以下とすることにより、硬化物における光開始剤(B)由来の臭気の残存や着色等が抑制され、硬化物の諸物性に悪影響が及ぶことが抑制される傾向がある。
<反応性希釈剤>
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、反応性希釈剤を含んでいてもよい。反応性希釈剤としては、例えば、「水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)」の項で例示したものと同様のものが挙げられる。なお、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において反応性希釈剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。反応性希釈剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量(例えば、成分(A)、光開始剤(B)、反応性希釈剤等の全量)100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である。反応性希釈剤を上記範囲内とすることで、エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘性が低下し、ハンドリングが良好となることに加えて、乾燥や硬化時間が短くなり、コストでより有利となる傾向がある。
<揮発性有機溶剤>
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、揮発性有機溶剤を含んでいてもよい。揮発性有機溶剤としては、例えば、上記「水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)」の項で例示した揮発性有機溶剤と同様のものが挙げられる。なお、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において揮発性有機溶剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。揮発性有機溶剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量(例えば、成分(A)、光開始剤(B)、揮発性有機溶剤等の全量)100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である。揮発性有機溶剤を上記範囲内とすることで、エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘性が低下し、ハンドリングが良好となる。
<添加剤>
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて種々の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。これらの添加物の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物(100重量%)に対して、0〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%である。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)と、さらに必要に応じて反応性希釈剤等のその他の成分を混合することによって得ることができる。混合の手段としては、公知乃至慣用の手段を利用でき、特に限定されないが、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式撹拌装置等の手段を使用できる。また、混合の際の温度や回転数等の条件は、特に限定されず、適宜設定可能である。
≪硬化物≫
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物にエネルギー線(活性エネルギー線)を照射し、硬化させることによって、硬化物(樹脂硬化物;「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。本発明の硬化物は、非常に優れた制振性を有するため、例えば、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物層(本発明の硬化物により形成された硬化物層)を、物品や部品等に対する制振性の付与を目的としたコーティング層や、制振シート等として好ましく使用できる。
本発明の硬化物の23℃におけるTanδは、特に限定されないが、0.6以上(例えば、0.6〜2.0)が好ましく、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上である。Tanδを0.6以上とすることにより、制振性がより向上する傾向がある。なお、Tanδは、実施例に記載の方法と同様の方法により測定できる。
≪コーティング剤≫
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成することができるため、例えば、各種物品に対する制振性の付与が可能なコーティング材を形成するためのコーティング剤(制振性付与コーティング剤)として好ましく使用することができる。例えば、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物(コーティング剤)を、物品や部品の表面や、2以上の部品から構成される物品の上記部品の隙間等に塗布(塗工)し、エネルギー線を照射して硬化させることにより、物品や部品に対して優れた制振性を付与することが可能となる。特に、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、平面状の物品だけでなく、3次元形状物等の複雑な形状を有する物品にも塗布し硬化させることでコーティング材を形成できるため、多種多様な物品に対して優れた制振性を付与することが可能である。また、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線(特に、紫外線)の照射により硬化させることができるため、高い生産性で非常に優れた制振性を有するコーティング材(硬化物)を形成できる。
上記塗布は、特に限定されず、エアレススプレー、エアスプレー、ロールコート、バーコート、グラビアコート、ダイコート等の公知乃至慣用の手段を利用して実施できる。なお、塗布は、物品や部品等の製造工程中で行う、いわゆるインラインコート法で実施することもできるし、既に製造された物品や部品等に対して塗布を行う(物品や部品等の製造とは別工程で塗布を行う)、いわゆるオフラインコート法で実施することもできる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を物品や部品等の表面に塗布する際の膜厚(塗工膜の厚み)は、特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。厚みを100μm以下とすることにより、塗布する樹脂組成物の量を少量に留めることができ、乾燥や硬化時間が短くなり、コストでより有利となる傾向がある。一方、厚みを1μm以上とすることにより、硬化物の制振性をより効果的に発揮させることができる傾向がある。
上述のコーティング材(硬化物)の製造において、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物が反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤を含む場合には、上記樹脂組成物を塗布した後、通常、熱風等による加熱乾燥を実施する。この後、塗布したエネルギー線硬化性樹脂組成物に対して、紫外線や電子線等のエネルギー線を照射することにより、極めて短時間で硬化させることができる。例えば、紫外線照射を行う時の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等を使用できる。エネルギー線の照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒であり、通常は数秒である。通常、ランプ出力80〜300W/cm程度の照射源が用いられる。例えば、電子線照射の場合は、50〜1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とすることが好ましい。エネルギー線照射後は、必要に応じて加熱を行ってさらに硬化の促進を図ってもよい。
≪制振シート≫
例えば、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物をシート状に硬化させることにより、又は、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物(本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物)をシート状に成形・加工すること等により、本発明の硬化物を含む制振シート(「本発明の制振シート」と称する場合がある)が得られる。なお、本発明の制振シートにおける「シート」には、「フィルム」、「プレート」等の各種平面形状が包含されるものとする。即ち、本発明の制振シートには、「制振フィルム」や「制振プレート」等の各種平面形状の物品が含まれる。本発明の制振シートは、本発明の硬化物を少なくとも含むものであればよく、シート状の本発明の硬化物のみにより形成されたものであってもよいし、シート状の本発明の硬化物と、他のシートとの積層体等であってもよい。また、本発明の制振シートは、単層の構成を有するものであってもよいし、複層の構成を有するものであってもよい。なお、本発明の制振シートの厚み(総厚み、シート状の本発明の硬化物の厚み)は、特に限定されず、用途等に応じて適宜選択可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレートの合成例]
以下に、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレートの合成例について説明する。
(イソシアネート基濃度の測定)
イソシアネート基濃度は以下のように測定した。なお、測定は100mLのガラスフラスコでスターラーによる攪拌の下で行った。
ブランク値は、以下のように測定した。まず、15mLのTHFに、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)15mLを加えた。さらにブロモフェノールブルー(1重量%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVb(mL)とした。
実測イソシアネート基濃度は、以下のように測定した。まず、サンプルをWs(g)秤量し、15mLのTHFに溶解させ、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)を15mL加えた。溶液化したことを確認した後、ブロモフェノールブルー(1重量%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVs(mL)とした。
上記で得られた測定値を用い、以下の計算式により、サンプル中のイソシアネート基濃度を算出した。
イソシアネート基濃度(重量%)=(Vb−Vs)×1.005×0.42÷Ws
(重量平均分子量の測定)
重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)法により、下記の測定条件で、標準ポリスチレンを基準にして求めた。
使用機器 : TOSO HLC-8220GPC
ポンプ : DP-8020
検出器 : RI-8020
カラムの種類 : Super HZM-M, Super HZ4000, Super HZ3000, Super HZ2000
溶剤 : テトラヒドロフラン
相流量 : 1mL/分
カラム内圧力 : 5.0MPa
カラム温度 : 40℃
試料注入量 : 10μL
試料濃度 : 0.2mg/mL
実施例で用いた原料は以下の通りである。
(水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール)
NISSO PB GI−1000(GI−1000):製品名「NISSO PB GI−1000」(日本曹達(株)製)、水素化1,2−ポリブタジエングリコール(水酸基価66mgKOH/g、推定分子量1,700)
NISSO PB GI−3000(GI−3000):製品名「NISSO PB GI−3000」(日本曹達(株)製)、水素化1,2−ポリブタジエングリコール(水酸基価29.7mgKOH/g、推定分子量3,778)
(ジイソシアネート)
IPDI:製品名「VESTANAT IPDI」(エボニック社製)、イソホロンジイソシアネート(分子量222)
(ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート)
HEA:製品名「BHEA」(日本触媒(株)製)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(分子量116)
(イソシアネート反応性化合物)
IPA:イソプロピルアルコール(分子量60)
なお、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオールの分子量としては、水酸基価から各分子がそれぞれ分子中に2個のヒドロキシ基を有するものとして算出される推定分子量を用いた。推定分子量の計算式は以下の通りである。
推定分子量=56.1(KOHの分子量)÷水酸基価(mgKOH/g)×1000×2
[合成例1:水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA1)の調製]
466.7gのトルエン、645.0gのNISSO−PB GI−3000、47.4gのIPDI、及び0.560gのBHT(ブチルヒドロキシトルエン)を、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.210gのDBTDL(ジブチル錫ジラウレート)を添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、5.0gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、2.7gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA1)の25℃における粘度は、1,400mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は37247であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−3000/IPDI/HEA/IPA=4/5/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/HEA
[合成例2:水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA2)の調製]
666.7gのトルエン、858.9gのNISSO−PB GI−1000、128.2gのIPDI、及び0.800gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.300gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、8.4gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.5gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA2)の25℃における粘度は、1,700mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は38632であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA/IPA=7/8/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
[合成例3:水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA3)の調製]
428.6gのイソボルニルアクリレート、858.9gのNISSO−PB GI−1000、128.2gのIPDI、及び0.800gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.300gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、8.4gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.5gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA3)の60℃における粘度は、22.4Pa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は50570であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA/IPA=7/8/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
[合成例4:水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA4)の調製]
428.6gのノルマルオクチルアクリレート、858.9gのNISSO−PB GI−1000、128.2gのIPDI、及び0.800gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.300gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、8.4gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.5gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA4)の25℃における粘度は、39.7Pa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は46423であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA/IPA=7/8/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
[比較合成例1:水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレート溶液(UA5)の調製]
180.0gのトルエン、247.9gのNISSO−PB GI−3000、18.2gのIPDI、及び0.2160gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.081gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、3.8gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、この温度で穏やかな攪拌下、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレート溶液(UA5)の25℃における粘度は、1,400mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は34922であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−3000/IPDI/HEA=4/5/2
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
HEA/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/HEA
[比較合成例2:水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレート溶液(UA6)の調製]
160.0gのトルエン、205.3gのNISSO−PB GI−1000、30.6gのIPDI、及び0.192gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.072gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.0gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、この温度で穏やかな攪拌下、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレート溶液(UA6)の25℃における粘度は、1,700mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は38768であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA=7/8/2
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
HEA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
[実施例、比較例:エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製及びフィルムの作製]
<エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製>
適切なミキサーを使用して、合成例1〜4、比較合成例1、2で得た溶液UA1〜6と、光開始剤とを、表1に示す組成で混合して、配合物(エネルギー線硬化性樹脂組成物)を調製した。なお、光開始剤としては、表1に示すように、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、製品名「IRGACURE184」)を使用した。
Figure 2014208212
<フィルムの作製>
アルミ製ディスポカップ(アントンパール社製)に、上記で得た各エネルギー線硬化性樹脂組成物を乾燥後の厚みが1mmとなるように流し込んだ。その後、80℃のオーブンで10分間乾燥させ、続いて、UV照射機(アイグラフィックス社製、製品名「EYE INVERTOR GRANDAGE ECS-401GX」)を用いて、ピーク照度400mW/cm2、積算光量860mJ/cm2の条件で紫外線を照射して硬化させることにより、フィルム(制振シート)を作製した。
[制振特性 Tanδ(23℃)の評価]
上記で得たフィルムを、レオメータ(製品名「Physica MCR300」、アントンパール社製)にセットし、パラレルプレート(PP7)を使用して、ギャップ1mm、動歪1%、周波数1Hzの条件にて−30℃から80℃にて測定し、23℃におけるTanδの値を測定した。結果を表2に示す。なお、23℃におけるTanδの値が大きいほど、制振特性が良好である。
Figure 2014208212
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成できる。このため、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、制振性を付与するためのコーティング剤や、制振シートの原料等の用途に特に好ましく使用できる。

Claims (4)

  1. 水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)とを含み、
    水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)と、ジイソシアネート(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が10,000以上である請求項1に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)と、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを含む請求項1又は2に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む制振シート。
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