JPWO2014208212A1 - エネルギー線硬化性樹脂組成物及び制振シート - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の他の目的は、非常に優れた制振性を有する制振シートを提供することにある。
(1)水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)とを含み、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)と、ジイソシアネート(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(2)成分(A)が、成分(X)と、成分(Y)と、成分(Z)と、化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであって、成分(A)の構造が以下で表される(1)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
Z−Y−[X−Y]m−L (但しmは1以上の整数を示す。)
(3)前記成分(X)〜(Z)及び化合物(L)を反応させる方法が、成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端がイソシアネート基のウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーの片方のイソシアネート基が反応する量の成分(Z)を反応させ、次に、残りのイソシアネート基が反応する量の化合物(L)を反応させる方法である(1)又は(2)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(4)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法が、反応器に、成分(X)と、成分(Y)と、必要により、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを仕込み、均一になるまで攪拌をしながら必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入して成分(X)と成分(Y)との反応(ウレタン化)を開始乃至進行させる方法である(3)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(5)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法が、反応器に、成分(Y)と、ウレタン化触媒と、必要により、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを仕込み、均一になるまで攪拌し、次いで、攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、成分(X)を滴下して反応させる方法である(3)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(6)前記反応性希釈剤が1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(4)又は(5)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(7)前記反応性希釈剤がイソボルニルアクリレート及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(4)〜(6)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(8)前記揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(4)〜(7)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(9)前記揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(4)〜(8)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(10)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する際、成分(X)と成分(Y)とを、反応液中のイソシアネート基濃度が終点イソシアネート基濃度以下になるまで反応させる(3)〜(9)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(11)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する方法において、成分(X)と成分(Y)とのモル比が、成分(X)1モルに対して、成分(Y)を1.1〜2.0モル、より好ましくは1.2〜1.5モル使用する方法である(3)〜(10)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(12)前記ウレタンイソシアネートプレポリマーと成分(Z)と化合物(L)との反応において、ウレタンイソシアネートプレポリマー1モルに対して、使用する成分(Z)の量(モル数)が、1.0〜1.1モル、より好ましくは1.0〜1.05モルであり、ウレタンイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基のモル数1モルに対して、成分(Z)のヒドロキシ基及び化合物(L)のイソシアネート反応性基のモル数(総量)が、1.0〜1.1モル、より好ましくは1.0〜1.05モルである(3)〜(11)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(13)成分(A)を製造するための反応における触媒が、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、及び塩化スズからなる群より選択される少なくとも1種を用いる反応であり、前記触媒の添加量(使用量)が、1〜3000ppm(重量基準)、より好ましくは50〜1000ppmである(4)〜(12)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(14)成分(X)〜(Z)及び化合物(L)の反応が、残存イソシアネート基が0.1重量%以下になるまで行う反応である(3)〜(13)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(15)成分(X)が、分子内に水素化ポリオレフィン骨格を有し、かつ分子内に2個のヒドロキシ基を有する化合物である(1)〜(14)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(16)成分(X)が、両末端にヒドロキシ基を有するポリアルカジエンを水素化した化合物である(1)〜(15)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(17)前記ポリアルカジエンが、ポリブタジエン及び/又はポリイソプレンである(16)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(18)成分(Y)が、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物である(1)〜(17)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(19)成分(Y)が、脂環式ジイソシアネート、分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(18)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(20)成分(Y)が、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及び水添ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(19)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(21)成分(Z)が、分子内に1個のヒドロキシ基を有し、かつ分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(1)〜(20)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(22)成分(Z)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルモノ(メタ)アクリレート及びそれを水添したものからなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(21)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(23)化合物(L)が、ヒドロキシ基、活性水素を含むアミノ基、>C=N−OHで表される官能基、及びアミド基からなる群より選択される少なくとも1種を有する化合物である(1)〜(22)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(24)化合物(L)が、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、及びピリジン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種である(1)〜(23)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(25)化合物(L)が、アルコール系化合物である(1)〜(24)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(26)前記アルコール系化合物が、炭素数が1以上の脂肪族の1価アルコール、及び/又は炭素数が3以上の脂環式の1価アルコールであり、分子量が70から400である(24)又は(25)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(27)前記アルコール系化合物が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、1−ブタノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、ノルマルオクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール(2−エチルヘキサノール)、シクロヘキサンメタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール(炭素数が3以上ではイソ体、ノルマル体他の構造異性体も含む)やこれらの混合物である(24)〜(26)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(28)前記アルコール系化合物が、イソプロパノール、2−エチルヘキシルアルコールやこれらの混合物である(24)〜(27)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(29)成分(A)の重量平均分子量(Mw)が、10,000以上、より好ましくは15,000〜100,000、さらに好ましくは30,000〜60,000である(1)〜(28)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(30)エネルギー線硬化性樹脂組成物における成分(A)の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分の総重量(100重量%)に対して、40〜99.9重量%、より好ましくは45〜99重量%、さらに好ましくは50〜98重量%である(1)〜(29)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(31)エネルギー線硬化性樹脂組成物における光開始剤(B)の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれるラジカル重合性を有する化合物の全量100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは1〜5重量部である(1)〜(30)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(32)エネルギー線硬化性樹脂組成物が、成分(A)と、光開始剤(B)と、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを含む(1)〜(31)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(33)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる反応性希釈剤が1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(32)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(34)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる反応性希釈剤がイソボルニルアクリレート及びノルマルオクチルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である(32)又は(33)に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(35)エネルギー線硬化性樹脂組成物における反応性希釈剤の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である(32)〜(34)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(36)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(32)〜(35)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(37)エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる揮発性有機溶剤が酢酸エチル、酢酸ブチル、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1種である(32)〜(36)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(38)エネルギー線硬化性樹脂組成物における揮発性有機溶剤の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である(32)〜(37)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(39)エネルギー線硬化性樹脂組成物における水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量(配合量)が、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量100重量%に対して、1〜99重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%、最も好ましくは50〜80重量%である(32)〜(38)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
(40)(1)〜(39)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物であって、23℃におけるTanδが、0.6以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上である硬化物
(41)(1)〜(39)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むコーティング材。
(42)(1)〜(39)のいずれか1つに記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む制振シート。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)(「成分(A)」と称する場合がある)と、光開始剤(B)とを必須成分として含む硬化性樹脂組成物である。本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、成分(A)及び光開始剤(B)以外にも、後述の反応性希釈剤、揮発性有機溶剤、及び添加剤を含んでいてもよい。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、分子内に水素化ポリオレフィン骨格を有し、かつ分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(即ち、単官能である)、ウレタン(メタ)アクリレートである。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレート(アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方又は両方)を意味し、「(メタ)アクリロイル」等においても同様である。
Z−Y−[X−Y]m−L (但しmは1以上の整数を示す)
[方法1]成分(X)、成分(Y)、成分(Z)、及び成分(L)を一括混合して反応させる方法
[方法2]成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端がイソシアネート基のウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーの片方のイソシアネート基が反応する量の成分(Z)を反応させ、次に、残りのイソシアネート基が反応する量の成分(L)を反応させる方法
[方法3]成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端がイソシアネート基のウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーの片方のイソシアネート基が反応する量の成分(L)を反応させ、次に、残りのイソシアネート基が反応する量の成分(Z)を反応させる方法
[方法4]成分(Y)と、成分(Y)の片方のイソシアネート基が反応する量の成分(Z)とを反応させ、模式的にY−Zで示されるプレポリマー(以下、「プレポリマー(Y−Z)」という)を合成する。一方、成分(Y)と、成分(Y)の片方のイソシアネート基が反応する量の成分(L)とを反応させ、模式的にY−Lで示されるプレポリマー(以下、「プレポリマー(Y−L)」という)を合成する。成分(X)と成分(Y)の繰り返し数を増やす場合は、さらに別途、成分(X)及び成分(Y)を反応させて、両末端が水酸基のウレタンプレポリマーを合成する。その後、プレポリマー(Y−Z)とプレポリマー(Y−L)の混合物に、成分(X)及び/又は上記両末端が水酸基のウレタンプレポリマーを反応させる。
[方法2−1]成分(X)及び成分(Y)を一括混合して反応させる方法
[方法2−2]成分(X)の中に成分(Y)を滴下して反応させる方法
[方法2−3]成分(Y)の中に成分(X)を滴下して反応させる方法
[X−Y]m−X (mは1以上の整数)
反応器に、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)、ジイソシアネート(Y)、及び必要により反応性希釈剤(例えば、イソボルニルアクリレート、ノルマルオクチルアクリレート等)、及び/又は揮発性有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等)を仕込み、均一になるまで攪拌をしながら必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入して成分(X)と成分(Y)との反応(ウレタン化)を開始乃至進行させる方法が好ましい。ウレタン化触媒を投入後に必要に応じて昇温してもよい。
反応器に、ジイソシアネート(Y)、ウレタン化触媒、及び必要により反応性希釈剤(例えば、イソボルニルアクリレート、ノルマルオクチルアクリレート等)、及び/又は揮発性有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等)を仕込み、均一になるまで攪拌する。次いで、攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)を滴下する。
水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)は、分子内に水素化ポリオレフィン骨格を有し、かつ分子内に2個のヒドロキシ基を有する化合物である。水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)としては、例えば、両末端にヒドロキシ基を有するポリアルカジエン(ポリブタジエン、ポリイソプレン等)を水素化した化合物を使用できる。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料として水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ジイソシアネート(Y)は、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物である。中でも、樹脂外観、硬化物の透明性等の観点から、結晶性を示さないものが好ましく、具体的には、例えば、脂環式ジイソシアネート、分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。上記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。上記分岐鎖を有する脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。上記芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物としては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。一方、上記以外のジイソシアネート、特に結晶性を示すものを多量に用いた場合、硬化物の外観、硬化物の透明性に問題が生じる場合がある。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料としてジイソシアネート(Y)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)は、分子内に1個のヒドロキシ基を有し、かつ分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。なお、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料としてヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
化合物(L)は、上述のように、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基(特に、(メタ)アクリロイル基)を有しない化合物である。化合物(L)は、主に、ウレタンイソシアネートプレポリマーにおける余剰のイソシアネート基を不活性化(封止する)目的で使用される。上記イソシアネート反応性基としては、イソシアネート基と反応性を有する公知乃至慣用の官能基が挙げられ、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基、活性水素を含むアミノ基、>C=N−OHで表される官能基、アミド基などが挙げられる。即ち、化合物(L)としては、例えば、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピリジン系化合物等が挙げられる。中でも、取り扱い性が容易であり副反応を起こしにくい点で、アルコール系化合物が好ましい。なお、化合物(L)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物における光開始剤(B)(光重合開始剤)としては、公知乃至慣用の光ラジカル重合開始剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等が挙げられる。なお、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において光開始剤(B)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、反応性希釈剤を含んでいてもよい。反応性希釈剤としては、例えば、「水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)」の項で例示したものと同様のものが挙げられる。なお、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において反応性希釈剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。反応性希釈剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量(例えば、成分(A)、光開始剤(B)、反応性希釈剤等の全量)100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である。反応性希釈剤を上記範囲内とすることで、エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘性が低下し、ハンドリングが良好となることに加えて、乾燥や硬化時間が短くなり、コストでより有利となる傾向がある。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、揮発性有機溶剤を含んでいてもよい。揮発性有機溶剤としては、例えば、上記「水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)」の項で例示した揮発性有機溶剤と同様のものが挙げられる。なお、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物において揮発性有機溶剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。揮発性有機溶剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、例えば、エネルギー線硬化性樹脂組成物の全量(例えば、成分(A)、光開始剤(B)、揮発性有機溶剤等の全量)100重量部に対して、1〜99重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部である。揮発性有機溶剤を上記範囲内とすることで、エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘性が低下し、ハンドリングが良好となる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて種々の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。これらの添加物の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性樹脂組成物(100重量%)に対して、0〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%である。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物にエネルギー線(活性エネルギー線)を照射し、硬化させることによって、硬化物(樹脂硬化物;「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。本発明の硬化物は、非常に優れた制振性を有するため、例えば、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物層(本発明の硬化物により形成された硬化物層)を、物品や部品等に対する制振性の付与を目的としたコーティング層や、制振シート等として好ましく使用できる。
本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化させることにより、非常に優れた制振性を有する硬化物を形成することができるため、例えば、各種物品に対する制振性の付与が可能なコーティング材を形成するためのコーティング剤(制振性付与コーティング剤)として好ましく使用することができる。例えば、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物(コーティング剤)を、物品や部品の表面や、2以上の部品から構成される物品の上記部品の隙間等に塗布(塗工)し、エネルギー線を照射して硬化させることにより、物品や部品に対して優れた制振性を付与することが可能となる。特に、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、平面状の物品だけでなく、3次元形状物等の複雑な形状を有する物品にも塗布し硬化させることでコーティング材を形成できるため、多種多様な物品に対して優れた制振性を付与することが可能である。また、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物は、エネルギー線(特に、紫外線)の照射により硬化させることができるため、高い生産性で非常に優れた制振性を有するコーティング材(硬化物)を形成できる。
例えば、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物をシート状に硬化させることにより、又は、本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物(本発明のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物)をシート状に成形・加工すること等により、本発明の硬化物を含む制振シート(「本発明の制振シート」と称する場合がある)が得られる。なお、本発明の制振シートにおける「シート」には、「フィルム」、「プレート」等の各種平面形状が包含されるものとする。即ち、本発明の制振シートには、「制振フィルム」や「制振プレート」等の各種平面形状の物品が含まれる。本発明の制振シートは、本発明の硬化物を少なくとも含むものであればよく、シート状の本発明の硬化物のみにより形成されたものであってもよいし、シート状の本発明の硬化物と、他のシートとの積層体等であってもよい。また、本発明の制振シートは、単層の構成を有するものであってもよいし、複層の構成を有するものであってもよい。なお、本発明の制振シートの厚み(総厚み、シート状の本発明の硬化物の厚み)は、特に限定されず、用途等に応じて適宜選択可能である。
以下に、水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレートの合成例について説明する。
イソシアネート基濃度は以下のように測定した。なお、測定は100mLのガラスフラスコでスターラーによる攪拌の下で行った。
ブランク値は、以下のように測定した。まず、15mLのTHFに、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)15mLを加えた。さらにブロモフェノールブルー(1重量%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVb(mL)とした。
実測イソシアネート基濃度は、以下のように測定した。まず、サンプルをWs(g)秤量し、15mLのTHFに溶解させ、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)を15mL加えた。溶液化したことを確認した後、ブロモフェノールブルー(1重量%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定した。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVs(mL)とした。
上記で得られた測定値を用い、以下の計算式により、サンプル中のイソシアネート基濃度を算出した。
イソシアネート基濃度(重量%)=(Vb−Vs)×1.005×0.42÷Ws
重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)法により、下記の測定条件で、標準ポリスチレンを基準にして求めた。
使用機器 : TOSO HLC-8220GPC
ポンプ : DP-8020
検出器 : RI-8020
カラムの種類 : Super HZM-M, Super HZ4000, Super HZ3000, Super HZ2000
溶剤 : テトラヒドロフラン
相流量 : 1mL/分
カラム内圧力 : 5.0MPa
カラム温度 : 40℃
試料注入量 : 10μL
試料濃度 : 0.2mg/mL
(水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール)
NISSO PB GI−1000(GI−1000):製品名「NISSO PB GI−1000」(日本曹達(株)製)、水素化1,2−ポリブタジエングリコール(水酸基価66mgKOH/g、推定分子量1,700)
NISSO PB GI−3000(GI−3000):製品名「NISSO PB GI−3000」(日本曹達(株)製)、水素化1,2−ポリブタジエングリコール(水酸基価29.7mgKOH/g、推定分子量3,778)
(ジイソシアネート)
IPDI:製品名「VESTANAT IPDI」(エボニック社製)、イソホロンジイソシアネート(分子量222)
(ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート)
HEA:製品名「BHEA」(日本触媒(株)製)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(分子量116)
(イソシアネート反応性化合物)
IPA:イソプロピルアルコール(分子量60)
推定分子量=56.1(KOHの分子量)÷水酸基価(mgKOH/g)×1000×2
466.7gのトルエン、645.0gのNISSO−PB GI−3000、47.4gのIPDI、及び0.560gのBHT(ブチルヒドロキシトルエン)を、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.210gのDBTDL(ジブチル錫ジラウレート)を添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、5.0gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、2.7gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA1)の25℃における粘度は、1,400mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は37247であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−3000/IPDI/HEA/IPA=4/5/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/HEA
666.7gのトルエン、858.9gのNISSO−PB GI−1000、128.2gのIPDI、及び0.800gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.300gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、8.4gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.5gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA2)の25℃における粘度は、1,700mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は38632であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA/IPA=7/8/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
428.6gのイソボルニルアクリレート、858.9gのNISSO−PB GI−1000、128.2gのIPDI、及び0.800gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.300gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、8.4gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.5gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA3)の60℃における粘度は、22.4Pa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は50570であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA/IPA=7/8/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
428.6gのノルマルオクチルアクリレート、858.9gのNISSO−PB GI−1000、128.2gのIPDI、及び0.800gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた2Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.300gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、8.4gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、穏やかな攪拌下、同温度で1時間攪拌を保持した。
さらに、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.5gのIPAを添加した。その後、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間以上70℃で保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレート溶液(UA4)の25℃における粘度は、39.7Pa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は46423であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA/IPA=7/8/1/1
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する単官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
IPA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
180.0gのトルエン、247.9gのNISSO−PB GI−3000、18.2gのIPDI、及び0.2160gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.081gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、3.8gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、この温度で穏やかな攪拌下、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレート溶液(UA5)の25℃における粘度は、1,400mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は34922であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−3000/IPDI/HEA=4/5/2
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
HEA/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/GI−3000/IPDI/HEA
160.0gのトルエン、205.3gのNISSO−PB GI−1000、30.6gのIPDI、及び0.192gのBHTを、温度計及び攪拌装置を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに仕込んだ。穏やかな攪拌下、上記原料が均一に混合された後、窒素と酸素の混合気体(酸素濃度2.5%)下で、0.072gのDBTDLを添加し、50℃への加熱を開始した。温度が50℃に到達してから、この温度で1時間攪拌を保持した。
次いで、同温度で穏やかに攪拌しながら、4.0gのHEAを添加した。その後、70℃に加熱し、この温度で穏やかな攪拌下、イソシアネート基濃度(NCO%)が0.1%以下になるまで1時間保持し、反応を継続した。
その後、加熱及び攪拌を止め、得られた生成物(溶液)を別の容器に注入して、反応を終了させた。得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレート溶液(UA6)の25℃における粘度は、1,700mPa・sであった。また、上記溶液中の水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートの重量平均分子量は38768であった。
なお、上記仕込み重量と分子量から計算される原料のモル比率は、以下の通りである。
GI−1000/IPDI/HEA=7/8/2
よって、得られた水素化ポリブタジエン骨格を有する2官能ウレタンアクリレートにおける各原料の繰り返し構造は、以下の通りとなる。
HEA/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/GI−1000/IPDI/HEA
<エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製>
適切なミキサーを使用して、合成例1〜4、比較合成例1、2で得た溶液UA1〜6と、光開始剤とを、表1に示す組成で混合して、配合物(エネルギー線硬化性樹脂組成物)を調製した。なお、光開始剤としては、表1に示すように、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、製品名「IRGACURE184」)を使用した。
アルミ製ディスポカップ(アントンパール社製)に、上記で得た各エネルギー線硬化性樹脂組成物を乾燥後の厚みが1mmとなるように流し込んだ。その後、80℃のオーブンで10分間乾燥させ、続いて、UV照射機(アイグラフィックス社製、製品名「EYE INVERTOR GRANDAGE ECS-401GX」)を用いて、ピーク照度400mW/cm2、積算光量860mJ/cm2の条件で紫外線を照射して硬化させることにより、フィルム(制振シート)を作製した。
上記で得たフィルムを、レオメータ(製品名「Physica MCR300」、アントンパール社製)にセットし、パラレルプレート(PP7)を使用して、ギャップ1mm、動歪1%、周波数1Hzの条件にて−30℃から80℃にて測定し、23℃におけるTanδの値を測定した。結果を表2に示す。なお、23℃におけるTanδの値が大きいほど、制振特性が良好である。
Claims (4)
- 水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)とを含み、
水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、水素化ポリオレフィン骨格を有するジオール(X)と、ジイソシアネート(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)と、分子内に1個のイソシアネート反応性基を有し、光硬化性官能基を有しない化合物(L)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とするエネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が10,000以上である請求項1に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 水素化ポリオレフィン骨格を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光開始剤(B)と、さらに反応性希釈剤、及び/又は揮発性有機溶剤とを含む請求項1又は2に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む制振シート。
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