JP2022100004A - フィルム形成用組成物及びその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポットライフが良好であり、フィルムとしたときの延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れるフィルム形成用組成物を提供する。【解決手段】フィルム形成用組成物は、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分であって、前記ポリイソシアネート1分子中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が2以上であり、且つ、前記ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基のうち、1モル%以上99モル%以下がブロック剤で封鎖されて構成されている、ポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、紫外線吸収剤又は光安定剤と、を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム形成用組成物及びその使用に関する。具体的には、本発明は、フィルム形成用組成物、フィルム、フィルム積層体、物品、物品の製造方法、一次硬化フィルム、二次硬化フィルム、二次硬化フィルムの製造方法及び一次硬化フィルムの使用方法に関する。
自動車の内外装部品等の立体基材の表面を加飾する方法として、基材の表面に意匠を持つフィルム(以下、「加飾フィルム」という)を貼り付ける方法が知られている。代表的なフィルムの貼り付け方法としては、真空及び圧空成形法が挙げられる。真空及び圧空成形法では、予め成形された基材に対し、加飾フィルムを室温で又は加熱雰囲気下で、延伸させながら、圧力差を利用して基材に貼り付ける。この方法では、基材の成形とは別途の作業にて、部品の基材面へ加飾フィルムが貼り付けられるため、一台の真空及び圧空成形装置にて、様々な材質、形状の基材に対し加飾フィルムを貼り付けることができる。プラスチック、金属又はその他の各種材料から得られた成型品においては、表面に意匠性を付与したり、表面を保護したりする目的で表面への加飾が一般的に行われている。
加飾フィルムとして、特許文献1、2等に記載されたような積層フィルムが知られている。真空及び圧空成形法に用いる加飾フィルムには、高い延伸性が求められる。また、自動車の外装部品に代表される立体基材に加飾フィルムを用いる場合、延伸性だけでなく、耐候性や耐溶剤性も必要とされる。しかしながら、特許文献1、2の技術では、延伸性、耐候性、耐溶剤性のすべてを満足する加飾フィルムを作製するのは難しい場合がある。
一方で、フィルム形成用組成物を基材等に塗工、乾燥することで、フィルムを製造する場合、短時間でフィルム形成用組成物の粘度が著しく上昇する、すなわち、ポットライフが短いと、塗工性や作業性に大きな影響を与える。そのため、ポットライフができるだけ長い組成物であることが望ましい。
さらに、フィルムの製造や保管、運搬等の工程においてはフィルムをロール状に巻き取る必要がある。その際に、ブロッキングによって巻き取ったフィルム同士が接着してしまうことがある。このような問題を生じない耐ブロッキング性能も求められている。
周辺技術として、特許文献3等に記載されたようなブロックポリイソシアネートを用いた一液系コーティング組成物が挙げられる。当該技術では、ポリイソシアネートのイソシアネート基がブロック剤でブロックされているため、組成物のポットライフを向上させることができる。
特開2016-203434号公報 特開2016-120642号公報 特許第6712311号公報
特許文献1、2に記載されている技術を用いることにより、延伸性が良好なフィルムを得ることは可能である。しかしながら、高延伸性に加えて、耐候性、耐溶剤性、及び耐ブロッキング性のすべてを満足する加飾フィルムについては検討されていない。また、このような特性を有する加飾フィルムにおいて、フィルム形成用組成物のポットライフに着目した検討は為されていない。
また、特許文献3等に記載の技術を加飾フィルムへ応用した場合、延伸性を満たすためには、フィルムが未硬化、すなわち、ブロック剤が脱離していない状態を保持する必要がある。そのため、室温でのフィルムの強度や耐ブロッキング性が低下するものと考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポットライフが良好であり、フィルムとしたときの延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れるフィルム形成用組成物を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分であって、前記ポリイソシアネート1分子中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が2以上であり、且つ、前記ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基のうち、1モル%以上99モル%以下がブロック剤で封鎖されて構成されている、ポリイソシアネート成分と、
活性水素含有化合物と、
紫外線吸収剤又は光安定剤と、
を含有する、フィルム形成用組成物。
(2) 前記ポリイソシアネート成分中の前記ポリイソシアネート1分子当たりのブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が3以上である、(1)に記載のフィルム形成用組成物。
(3) 前記ポリイソシアネート成分は、下記一般式(I)で表されるポリイソシアネートを含む、(1)又は(2)に記載のフィルム形成用組成物。
Figure 2022100004000001
(一般式(I)中、R11は前記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。X11は前記ブロック剤に由来する構造単位である。m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。)
(4) 前記活性水素含有化合物は、アクリルポリオールを含む、(1)~(3)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(5) 前記活性水素含有化合物は、ジオールを含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(6) 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びシアノアクリレート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、(1)~(5)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(7) 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、及びヒドロキシフェニルトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、(1)~(6)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(8) 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物を含む、(1)~(7)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(9) 前記光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物を含む、(1)~(8)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物。
(10) (1)~(9)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、フィルム。
(11) 基材層、加飾層及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも2種類の層を備えるフィルム積層体であって、
前記フィルム積層体を構成する層のうち少なくとも1種類の層は、(10)に記載のフィルムを含む、フィルム積層体。
(12) (10)に記載のフィルム、又は、(11)に記載のフィルム積層体を備える、物品。
(13) (10)に記載のフィルム、又は、(11)に記載のフィルム積層体を加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
貼り付けた前記フィルム又は前記フィルム積層体を硬化させる工程と、
をこの順で含む、物品の製造方法。
(14) (1)~(9)のいずれか一つに記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、一次硬化フィルムであって、
前記活性水素含有化合物と前記ポリイソシアネート成分との硬化によって形成されたウレタン基、ウレア基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Xと、活性水素基と、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基と、を含む、一次硬化フィルム。
(15) (14)に記載の一次硬化フィルムを、さらに加熱することにより、硬化させてなる、二次硬化フィルム。
(16) (14)に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させる工程と、
をこの順で含む、二次硬化フィルムの製造方法。
(17) (14)に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付けることと、
貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させることと、
をこの順で含む、一次硬化フィルムの使用方法。
上記態様のフィルム形成用組成物によれば、ポットライフが良好であり、フィルムとしたときの延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れるフィルム形成用組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、1つ以上のイソシアネート基(-NCO)を有するモノマーが複数結合した重合体を意味する。
また、本明細書において、「ポリオール」とは、2つ以上の水酸(ヒドロキシ)基(-OH)を有する化合物を意味する。
なお、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリルとアクリルを包含するものとする。
≪フィルム形成用組成物≫
本実施形態のフィルム形成用組成物は、以下の成分1)、成分2)、及び成分3)又は成分4)を含有する。
1)ポリイソシアネート成分;
2)活性水素含有化合物;
3)紫外線吸収剤;
4)光安定剤。
ポリイソシアネート成分は、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートを含む。
ポリイソシアネート成分におけるポリイソシアネート1分子中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値(以下、「イソシアネート基合計平均数」と略記する場合がある)が2以上である。イソシアネート基合計平均数の下限値は、2であり、2.3が好ましく、3がより好ましく、4がさらに好ましい。一方、イソシアネート基合計平均数の上限値は、20が好ましく、15がより好ましく、10がさらに好ましい。すなわち、イソシアネート基合計平均数は、2以上であり、2以上20以下が好ましく、2.3以上15以下がより好ましく、3以上10以下がさらに好ましく、4以上10以下が特に好ましい。
イソシアネート基合計平均数が上記下限値以上であることによって、架橋性がより向上し、耐ブロッキング性や耐溶剤性により優れたフィルムが得られる。一方、イソシアネート基合計平均数が上記上限値以下であることによって、過度な架橋をより効果的に抑制し、得られるフィルムの延伸性をより良好に保つことができる。
イソシアネート基合計平均数は、以下の数式により求められる。以下の式において、「Mn」は加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定したポリイソシアネート成分の数平均分子量である。「NCO含有率」は、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定したポリイソシアネート成分の全質量に対して存在するイソシアネート基の含有率である。また、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
「イソシアネート基合計平均数(NCO合計平均数)」
=(Mn×(NCO含有率)×0.01)/42
なお、数平均分子量(Mn)は例えば、ポリイソシアネート成分についてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定を行なうことで算出することができる。NCO含有率は、例えば、加熱等でブロック剤を解離したポリイソシアネート成分を試料として用いて、滴定法により算出することができる。具体的には、後述する実施例に示す方法を用いて算出することができる。
或いは、フィルム形成用組成物を試料として用いて13C-NMR測定を行なうことでイソシアネート基合計平均数を算出することもできる。
中でも、ポリイソシアネート成分に含まれるポリイソシアネートは、架橋性の観点から、イソシアネート基合計平均数が3以上であることがより好ましい。イソシアネート基合計平均数が3以上のポリイソシアネートとしては、イソシアネート化合物を3量化してなるイソシアヌレート型ポリイソシアネート、イソシアネート化合物3分子と水1分子との反応により形成されるビウレット型ポリイソシアネート、イソシアネート化合物2分子とアルコールの水酸基1分子との反応により形成されるアロファネート型ポリイソシアネート等が挙げられる。中でも、耐候性の観点から、イソシアネート基合計平均数が3以上のポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましい。
ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基のうち、ブロック剤で封鎖されているイソシアネート基の割合(以下、「ブロック化率」と称する場合がある)は、1モル%以上99モル%以下であり、10モル%以上90モル%以下が好ましく、30モル%以上90モル%以下がより好ましく、50モル%以上90モル%以下がさらに好ましく、50モル%以上80モル%以下が特に好ましい。ブロック化率が上記下限値以上であることで、延伸性をより良好に保つことができる。一方で、ブロック化率が上記上限値以下であることで、得られるフィルムの室温でのハンドリング性、すなわち室温での耐ブロッキング性をより優れたものとすることができる。
ブロック化率は、例えば、滴定法や後述する実施例に示す方法を用いて、算出することができる。具体的には、ブロック化率は以下の式より求めることができる。
「ブロック化率(モル%)」 = (ブロック剤モル数)/(イソシアネート基モル数)×100
なお、上記式中の、「イソシアネート基モル数」は、加熱処理にてブロック剤を解離させた後のポリイソシアネート成分における単位質量あたりのイソシアネート基モル数であり、NCO含有率を用いて、以下の式にて定量することができる。ここで、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
「イソシアネート基モル数」 = ((NCO含有率)×0.01)/42
また、上記式中の、「ブロック剤モル数」は、ブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、ブロック剤のモル数をガスクロマトグラフィー質量分析測定することにより定量することができる。
本実施形態のフィルム形成用組成物は、上記構成を有することで、特に、ポリイソシアネート成分及び活性水素含有化合物に加えて、紫外線吸収剤又は光安定剤を含有することで、ポットライフが良好であり、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れるフィルムが得られる。
本実施形態のフィルム形成用組成物に含まれる各構成成分について、以下に詳細を説明する。
<ポリイソシアネート成分>
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとブロック剤とから誘導されるブロックポリイソシアネートを含む。ブロックポリイソシアネートは、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の一部又は全部がブロック剤で封鎖されて構成されている。以下、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の一部がブロック剤で封鎖されて構成されているブロックポリイソシアネートを「部分ブロックポリイソシアネート」と称する。また、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の全部がブロック剤で封鎖されて構成されているブロックポリイソシアネートを「全体ブロックポリイソシアネート」と称する。
また、ポリイソシアネート成分は、ブロックポリイソシアネートに加えて、ブロック化させていないポリイソシアネート(以下、「未ブロック化ポリイソシアネート」と称する場合がある)を含んでもよい。
ポリイソシアネート成分が、ブロックポリイソシアネートのみを含む場合には、部分ブロックポリイソシアネートを単独で用いる、或いは部分ブロックポリイソシアネートと全体ブロックポリイソシアネートとの混合比を調整して組み合わせて用いることで、ブロック化率を上記範囲に制御することができる。一方で、ポリイソシアネート成分がブロックポリイソシアネートと未ブロック化ポリイソシアネートを含む場合には、部分ブロックポリイソシアネート又は全体ブロックポリイソシアネートと、未ブロック化ポリイソシアネートとの混合比を調整することで、ブロック化率を上記範囲に制御することができる。
ポリイソシアネート成分中に含まれる、部分ブロックポリイソシアネートの含有量は、部分ブロックポリイソシアネート、全体ブロックポリイソシアネート及び未ブロック化ポリイソシアネートの合計モル量に対して、0モル%以上100モル%以下とすることができ、10モル%以上90モル%以下が好ましく、30モル%以上90モル%以下がより好ましく、50モル%以上90モル%以下がさらに好ましく、50モル%以上80モル%以下が特に好ましい。
部分ブロックポリイソシアネートの含有量が上記範囲内であることで、得られるフィルムの延伸性をより良好に保つことができる。
[ポリイソシアネート]
ポリイソシアネート成分の原料であるポリイソシアネートは、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたものであり、当該イソシアネート化合物の骨格を有する。ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基を含んでもよく、イソシアヌレート基を有することが好ましい。ポリイソシアネートの骨格となるイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、その構造の中にベンゼン環等の芳香族環を含まないものが好ましい。
(脂肪族イソシアネート)
脂肪族イソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、脂肪族モノイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート(トリマートリイソシアネート)等が挙げられる。中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4以上30以下のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と記載する)、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、工業的入手のしやすさから、HDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(脂環族イソシアネート)
脂環族イソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、脂環族モノイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。中でも、脂環族ジイソシアネートが好ましい。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数8以上30以下のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と記載する)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、耐候性、工業的入手の容易さの観点から、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[ブロック剤]
ブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、活性水素を分子内に1個有する化合物が挙げられる。このようなブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピラゾール系化合物が挙げられる。これらブロック剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。より具体的なブロック剤の例を下記に示す。
アルコール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール等が挙げられる。
アルキルフェノール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4以上のアルキル基を置換基として有するモノ及びジアルキルフェノール類が挙げられる。モノアルキルフェノール類としては、例えば、n-プロピルフェノール、iso-プロピルフェノール、n-ブチルフェノール、sec-ブチルフェノール、tert-ブチルフェノール、n-ヘキシルフェノール、2-エチルヘキシルフェノール、n-オクチルフェノール、n-ノニルフェノール等が挙げられる。ジアルキルフェノール類としては、例えば、ジ-n-プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ-n-ブチルフェノール、ジ-tert-ブチルフェノール、ジ-sec-ブチルフェノール、ジ-n-オクチルフェノール、ジ-2-エチルヘキシルフェノール、ジ-n-ノニルフェノール等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
活性メチレン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。
メルカプタン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
酸アミド系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム等が挙げられる。
酸イミド系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
尿素系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
オキシム系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
アミン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
イミン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
ピラゾール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ピラゾール、3-メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール等が挙げられる。
中でも、入手容易性や得られるポリイソシアネート成分の粘度、硬化温度及び硬化時間の点で、オキシム系化合物、活性メチレン系化合物、又はピラゾール系化合物が好ましく、メチルエチルケトオキシム、ε-カプロラクタム、マロン酸ジエチル、又は3,5-ジメチルピラゾールがより好ましく、3,5-ジメチルピラゾールがさらにより好ましい。
[部分ブロックポリイソシアネート]
ポリイソシアネート成分は、下記一般式(I)で表される部分ブロックポリイソシアネート(以下、「部分ブロックポリイソシアネート(I)」と称する場合がある)を含むことが好ましい。
Figure 2022100004000002
(一般式(I)中、R11は前記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。X11は前記ブロック剤に由来する構造単位である。m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。)
部分ブロックポリイソシアネート(I)は、ポリイソシアネートとブロック剤とから誘導されたものであり、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の一部がブロック剤で封鎖されて構成されている。
一般式(I)に示すように、ブロック剤に由来する構造単位であるX11は、ブロック剤の活性水素とイソシアネート基との反応により形成されたアミド結合を介して、イソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基であるR11に結合している。
(R11
11は、上記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。すなわち、R11は、特定の官能基を含んでもよい脂肪族アルキル基及び脂環族アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキル基である。特定の官能基としては、例えば、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基等が挙げられる。R11におけるアルキル基は、これら官能基を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
(X11
11は、ブロック剤に由来する構造単位であり、ブロック剤から活性水素を除いた残基ともいえる。X11としては、上記「ブロック剤」において例示されたものと同様のブロック剤に由来する構造単位が挙げられる。中でも、X11としては、オキシム系化合物、活性メチレン系化合物、又はピラゾール系化合物に由来する構造単位が好ましく、メチルエチルケトオキシム、ε-カプロラクタム、マロン酸ジエチル、又は3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がより好ましく、3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がさらにより好ましい。
(m及びn)
mは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基のモル数を表している。nは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数を表している。
m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。架橋性の観点から、mは2以上が好ましい。
「n/(m+n)」は、部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基のモル数及びブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数の合計モル数に対する、ブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数の割合である。n/(m+n)は0.01以上0.99以下であり、0.1以上0.9以下が好ましく、0.3以上0.9以下がより好ましく、0.5以上0.9以下がさらに好ましく、0.5以上0.8以下が特に好ましい。
好ましい部分ブロックポリイソシアネート(I)としては、例えば、下記一般式(I-1)で表される部分ブロックポリイソシアネート等が挙げられる。
Figure 2022100004000003
(一般式(I-1)中、R12は上記R11と同じである。m1及びn1はそれぞれ上記m及びnと同じである。)
[ポリイソシアネート成分の製造方法]
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとブロック剤とを反応させることで製造できる。
ポリイソシアネート成分の製造方法としては、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
(1)ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数に対して、0.1倍以上0.99倍以下のモル量のブロック剤を反応させて、部分ブロックポリイソシアネートのみを含有するポリイソシアネート成分を製造する方法;
(2)ポリイソシアネートのイソシアネート基の全部がブロック剤で封鎖されて構成されている全体ブロックポリイソシアネートと、未ブロック化ポリイソシアネート及び部分ブロックポリイソシアネートのうち少なくともいずれか一方のポリイソシアネートとを混合して、製造する方法。
ポリイソシアネート成分の製造方法としては、上記いずれの方法を用いても、目的のポリイソシアネート成分が得られるが、延伸性をより良好に発現できることから、上記(1)の方法が好ましい。
ポリイソシアネートとブロック剤との反応は、公知の方法を用いて行なうことができ、溶剤の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合には、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。また、必要に応じて、触媒を用いてもよい。
溶剤としては、例えば、エステル類、ケトン類、芳香族化合物等が挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられる。芳香族化合物としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
触媒としては、例えば、有機金属塩、3級アンモニウム塩、アルカリ金属のアルコラート等が挙げられる。有機金属塩に用いられる金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム等が挙げられる。
ポリイソシアネートとピラゾール系化合物等のブロック剤との反応温度の下限値は、一般に-20℃であり、0℃が好ましく、30℃がより好ましい。一方、反応温度の上限値は、150℃であり、120℃が好ましく、100℃がより好ましい。
すなわち、反応温度は、-20℃以上150℃以下であり、0℃以上120℃以下が好ましく、30℃以上100℃以下がより好ましい。
反応温度が上記範囲内であることで、副反応がより少なく、適度な反応速度で反応させることができる。
<活性水素含有化合物>
活性水素含有化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物が好ましい。好ましい活性水素含有化合物としては、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、アルカノールアミン化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。中でも、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、ポリオール化合物が好ましい。
[ポリオール化合物]
ポリオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリオール化合物としては、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリカーボネートポリオールが好ましく、アクリルポリオールがより好ましい。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
前記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2-メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造方法として具体的には、例えば、上記の成分を混合し、次いで、約160℃以上220℃以下で加熱することによって、縮合反応を行う方法等が挙げられる。
又は、ポリエステルポリオールの製造方法として具体的には、例えば、ε-カプロラクトン等のラクトン類を、多価アルコールを用いて開環重合して、ポリカプロラクトンジオール等のポリカプロラクトン類を得る方法が挙げられ、この得られたポリカプロラクトン類をポリエステルポリオールとして用いることができる。
これらのポリエステルポリオールは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらから得られるポリイソシアネートを用いて、変性させることができる。この場合、特に脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらから得られるポリイソシアネートが、耐候性及び耐黄変性等の観点から好ましい。
水系のフィルム形成用組成物として用いる場合には、一部残した二塩基酸等の一部のカルボン酸を残存させておき、アミン、アンモニア等の塩基で中和することで、水溶性又は水分散性の樹脂とすることができる。
(アクリルポリオール)
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物との共重合体等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、具体的には、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。中でも、アクリル酸ヒドロキシエチル、又はメタクリル酸ヒドロキシエチルが好ましい。
上記単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、不飽和カルボン酸類、不飽和アミド類、加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類、その他の重合性モノマー等が挙げられる。これらを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和アミド類としては、例えば、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
その他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。
例えば、上記の単量体成分を、公知の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることもできる。
水系ベースアクリルポリオールを得る場合には、オレフィン性不飽和化合物を溶液重合し、水層に転換する方法や乳化重合等の公知の方法で製造することができる。その場合、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸含有モノマーやスルホン酸含有モノマー等の酸性部分をアミンやアンモニアで中和することによって水溶性又は水分散性を付与することができる。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、多価ヒドロキシ化合物の単独化合物又はその混合物に、強塩基性触媒存在下、アルキレンオキサイドの単独化合物又は混合物を添加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;及びこれらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール系化合物、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類等が挙げられる。
糖アルコール系化合物としては、例えば、エリトリトール、D-トレイトール、L-アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等が挙げられる。
単糖類としては、例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等が挙げられる。
二糖類としては、例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等が挙げられる。
三糖類としては、例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等が挙げられる。
四糖類としては、例えば、スタキオース等が挙げられる。
強塩基性触媒としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
(ポリオレフィンポリオール)
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、水酸基を2個以上有する、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、及び水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
(フッ素ポリオール)
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特開昭57-34107号公報(参考文献1)、特開昭61-275311号公報(参考文献2)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、低分子カーボネート化合物と、前述のポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。低分子カーボネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコールエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型樹脂、エポキシ型脂肪酸エステル、多価カルボン酸エステル型エポキシ樹脂、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、β-メチルエピクロ型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、ハロゲン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(水酸基価)
ポリオール化合物の水酸基価は、架橋密度やフィルムの機械的物性の点で、ポリオール化合物1gあたり5mgKOH/g以上600mgKOH/g以下が好ましく、10mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以上400mgKOH/g以下がさらに好ましい。また、ポリオール化合物の酸価は0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好ましい。なお、水酸基価及び酸価は滴定法に基づいて求めることができる。
[ポリアミン化合物]
ポリアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジアミン類、3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類、環状ポリアミン類が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類としては、例えば、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等が挙げられる。環状ポリアミン類としては、例えば、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10-テトラアザシクロデカン、1,4,8,12-テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン等が挙げられる。
[アルカノールアミン化合物]
アルカノールアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ-、ジ-(n-又はイソ-)プロパノールアミン、エチレングリコールービスープロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
[ポリチオール化合物]
ポリチオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス-(2-ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等が挙げられる。
これら活性水素含有化合物は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、活性水素含有化合物としては、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、アクリルポリオールを単独で使用する、又は、アクリルポリオールとジオールとを併用することが好ましい。ここでいう、「ジオール」とは、上記ポリオール化合物のうち、水酸(ヒドロキシ)基を2つ有する化合物を指す。具体的には、上記「ポリエステルポリオール」の多価アルコール又はポリカプロラクトン類において例示されたもののうち水酸基を2つ有する化合物が挙げられる。
[NCO/OH]
活性水素含有化合物がポリオール化合物である場合に、ポリオール化合物の水酸(-OH)基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート(-NCO)基のモル比(NCO/OH)は、0.2以上5.0以下が好ましく、0.4以上3.0以下がより好ましく、0.5以上2.0以下がさらに好ましい。NCO/OHが上記下限値以上であることで、より一層強靱なフィルムが得られる傾向にある。NCO/OHが上記上限値以下であることで、得られるフィルムの平滑性がより一層向上する傾向にある。なお、NCO/OHの計算で用いられる「ポリイソシアネート成分のイソシアネート(-NCO)基」のモル数は、ブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基と、ブロック剤で封鎖されているイソシアネート基との合計モル数である。
<紫外線吸収剤及び光安定剤>
本実施形態のフィルム形成用組成物は、紫外線吸収剤や光安定剤を含むことで、得られるフィルムの耐候性が向上する。さらに、本実施形態のフィルム形成用組成物は、紫外線吸収剤や光安定剤を含むことで、紫外線吸収剤や光安定剤に含まれる非共有電子対を有する官能基、或いは、炭素-炭素不飽和結合といった電子豊富な構造部位が、イソシアネート基の電子不足である炭素原子、或いは、触媒分子と相互作用することにより、ウレタン化反応を阻害し、ポットライフが良好なフィルム形成用組成物となる。
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、具体的には、紫外線を吸収する構造を有する化合物を含んでいればよい。紫外線吸収剤として具体的には、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、安息香酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合物、けい皮酸系化合物等が挙げられる。その中でも、耐候性とポットライフの観点から、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、又はシアノアクリレート系化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物、又はトリアジン系化合物がより好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物がさらに好ましい。
紫外線吸収剤の添加量は特に限定されないが、対樹脂濃度換算(樹脂成分である活性水素含有化合物及びポリイソシアネート成分の固形分100質量%に対して)で0.01質量%以上30質量%以下が好ましく、0.01質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上8.0質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以上6.0質量%以下が特に好ましい。
紫外線吸収剤の添加量が上記下限値以上であることで、ポットライフ及び得られるフィルムの耐候性をより良好なものとすることができる。一方で、上記上限値以下であることで、フィルムそのものの破断応力をより良好に保つことができる。
[光安定剤]
光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。
光安定剤の添加量は特に限定されないが、対樹脂濃度換算(樹脂成分である活性水素含有化合物及びポリイソシアネート成分の固形分100質量%に対して)で0.01質量%以上30質量%以下が好ましく、0.01質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上6.0質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下が特に好ましい。
光吸収剤の添加量が上記下限値以上であることで、ポットライフ及び得られるフィルムの耐候性をより良好なものとすることができる。一方で、上記上限値以下であることで、ポットライフ及びフィルムそのものの破断応力をより良好に保つことができる。
これら紫外線吸収剤及び光安定剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、紫外線吸収剤及び光安定剤は、それぞれ単独で使用してもよいが、更なる耐候性とポットライフの付与という観点から、紫外線吸収剤及び光安定剤を併用することがより好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態のフィルム形成用組成物は、目的及び用途に応じて、有機溶剤、硬化促進触媒、酸化防止剤、顔料、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤等の各種添加剤を含むことができる。
有機溶剤としては、水酸基及びイソシアネート基と反応する官能基を有していないことが好ましく、ポリイソシアネート組成物と十分に相溶することが好ましい。このような有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、一般に塗料の溶剤として用いられている溶剤であればよく、エステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
硬化促進触媒としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、スズ系化合物、亜鉛化合物、チタン化合物、コバルト化合物、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物、アミン化合物等が挙げられる。スズ系化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ビス(2-エチルヘキサン酸)スズ等が挙げられる。亜鉛化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等が挙げられる。チタン化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸チタン、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトナート)等が挙げられる。コバルト化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。ビスマス化合物としては、例えば、2-エチルヘキサン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等が挙げられる。ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、2-エチルヘキサン酸ジルコニル、ナフテン酸ジルコニル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、硫黄系化合物等が挙げられる。
顔料としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インディゴ、パールマイカ、アルミニウム等が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、フタル酸エステル類、リン酸系化合物、ポリエステル系化合物等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
<フィルム形成用組成物の製造方法>
本実施形態のフィルム形成用組成物が有機溶剤ベースである場合には、例えば、まず、活性水素含有化合物又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えたものに、上記ポリイソシアネート成分を硬化剤として添加し、さらに、紫外線吸収剤又は光安定剤を添加する。次いで、必要に応じて、更に有機溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、有機溶剤ベースのフィルム形成用組成物を得ることができる。
本実施形態のフィルム形成用組成物が水系ベースである場合には、例えば、まず、活性水素含有化合物又はその水分散体若しくは水溶物に、必要に応じて、活性水素含有化合物中の架橋性官能基と反応しうる硬化剤、他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加える。次いで、上記ポリイソシアネート成分又はその水分散体を硬化剤として添加した後、紫外線吸収剤又は光安定剤を添加し、必要に応じて、水や溶剤を更に添加して、粘度を調整する。次いで、攪拌機器により強制攪拌することによって、水系ベースのフィルム形成用組成物を得ることができる。
≪フィルム≫
本実施形態のフィルムは、上記フィルム形成用組成物を硬化させてなる。本実施形態のフィルムは、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れる。
本実施形態のフィルムは、上記フィルム形成用組成物を基材等に塗工し、常温下で又は加熱して硬化させることで得られる。具体的には、フィルム形成用組成物中のポリイソシアネート成分のイソシアネート基と、活性水素含有化合物の活性水素とが反応して、フィルムを形成する。このとき、ブロックされたイソシアネート基がそのまま保持されることにより、フィルム貼付時の延伸性が良好に発現される。また、種々の基材に当該フィルムを貼り付けた後、再度加熱することにより、イソシアネート基に結合したブロック剤が解離して、さらに架橋を形成する。この架橋形成により、フィルムの架橋密度が向上し、耐候性や耐溶剤性が発現される。
塗工方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の方法を用いることができる。
フィルムの厚さは、特に限定されないが、0.2μm以上500μm以下が好ましく、1μm以上500μm以下がより好ましく、5μm以上300μm以下がさらに好ましく、5μm以上100μm以下が特に好ましい。
≪一次硬化フィルム及び二次硬化フィルム≫
本実施形態の一次硬化フィルムは、上記フィルム形成用組成物を硬化させてなる、一次硬化フィルムであって、
前記活性水素含有化合物と前記ポリイソシアネート成分との硬化によって形成されたウレタン基、ウレア基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Xと、活性水素基と、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基と、を含む。
本実施形態の一次硬化フィルムは、上記フィルム形成用組成物を部分的に硬化させてなる。本実施形態の一次硬化フィルムは、延伸性を良好に保ちながら、耐ブロッキング性に優れる。
本実施形態の一次硬化フィルムは、上記フィルム形成用組成物を基材等に塗工し、常温下で又は加熱して硬化させることで得られる。具体的には、フィルム形成用組成物中のポリイソシアネート成分のイソシアネート基と、活性水素含有化合物の活性水素とが反応して、一次硬化フィルムを形成する。このとき、ブロックされたイソシアネート基がそのまま保持されることにより、一次硬化フィルム貼付時の延伸性が良好に発現される。
また、種々の基材に当該一次硬化フィルムを貼り付けた後、再度加熱することにより、イソシアネート基に結合したブロック剤が解離して、さらに架橋を形成する。この架橋形成により、フィルムの架橋密度が向上し、耐候性や耐溶剤性が発現される二次硬化フィルムが得られる。
塗工方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の方法を用いることができる。
一次硬化フィルムの厚さは、特に限定されないが、0.2μm以上500μm以下が好ましく、1μm以上500μm以下がより好ましく、5μm以上300μm以下がさらに好ましく、5μm以上100μm以下が特に好ましい。
一次硬化フィルム中に含まれる架橋構造により、得られるフィルムの室温でのハンドリング性、すなわち室温での耐ブロッキング性をより優れたものとすることができる。また、一次硬化フィルム中に含まれる活性水素基、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基により、一次硬化フィルムをさらに架橋させることが可能となり、優れた耐溶剤性を有する二次硬化フィルムが得られる。
イソシアネート基と活性水素基との反応で形成される架橋構造を形成する官能基(以下、官能基Xと称する)は、特に限定されないが、ウレタン基、ウレア基、及びアミド基から選ばれる少なくとも1種を含む。
<二次硬化フィルムの製造方法及び一次硬化フィルムの使用方法>
先述の通り、本実施形態の一次硬化フィルムは、予め成形された被着体に対して、その表面に貼り付ける、或いは、公知の成形方法にて、物品を成形すると同時に表面に貼り付けることで用いる。そして、一次硬化フィルムを貼り付けた被着体を、さらに加熱することで貼り付けた一次硬化フィルムを硬化させることによって、耐溶剤性の高いフィルムで保護された成形体を得ることができる。
被着体としては、特別な限定はなく、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材からなるもの等が挙げられる。また、これらの形状は特に限定されず、例えば、フィルム、シート、ボード等の厚みが小さいものであってもよく、円柱、立体構造物等の厚みの大きいものであってもよい。また、チューブ等の中空のものであってもよい。
一次硬化フィルムの被着体へ貼り付けは、公知の貼付方法を用いて、フィルムを被着体表面に貼り付ければよい。予め成形された被着体に対する貼付方法の具体例としては、真空成形、圧空成形、真空及び圧空成形、ラミネート等が挙げられる。また、物品を成形すると同時に表面に貼り付ける方法の具体例としては、インモールド成形、フィルムインサート成形等が挙げられる。
その中でも、貼付方法としては、特に高い延伸性を求められる、真空及び圧空成形、インモールド成形、又はフィルムインサート成形が好ましく、予め成形された基材であれば材質を問わずにフィルムを貼り付けることができる、真空及び圧空成形がより好ましい。
一次硬化フィルムの貼付方法は、特に限定されないが、フィルムの成形体への追従性の観点から、一次硬化フィルムを50℃以上140℃以下にて加熱しながら、被着体に追従させて貼り付けることが好ましい。加熱温度を下限値以上にすることによって、フィルムを被着体により追従させて貼り付けることができる。また、加熱温度を上限値以下にすることによって、一次硬化フィルム中に含まれるブロック剤で封鎖されたイソシアネート基の解離を防ぐことができる。
貼り付けた一次硬化フィルムをさらに硬化させる際の加熱温度は、50℃以上180℃以下とすることが望ましい。加熱温度は50℃以上170℃以下が好ましく、50℃以上160℃以下がより好ましく、100℃以上150℃以下が特に好ましい。加熱温度が上記範囲であることにより、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基が解離し、活性水素基との反応により、架橋が形成され、耐溶剤性の高いフィルムが得られる。
≪フィルム積層体≫
本実施形態のフィルム積層体は、基材層、加飾層及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも2種類の層を備えるフィルム積層体である。前記フィルム積層体を構成する層のうち少なくとも1種類の層は、上記フィルムを含む。本実施形態のフィルム積層体は、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れる。
本実施形態のフィルム積層体は、上記フィルムを基材層及び加飾層のうちいずれか1種類の層に含んでいてもよく、両方の層に含んでいてもよい。また、本実施形態のフィルム積層体は、フィルム積層体を構成する1種類の層内に上記フィルムを1層(単層)含んでいてもよく、2層以上の複数層含んでいてもよい。
<加飾層>
加飾層としては、特に限定されないが、具体的には、着色層、パターン層等が挙げられる。加飾層は、1層(単層)からなるものでもよく、2層以上の複数層からなるものでもよい。加飾層が複数層からなる場合、これら複数層の組成、形状及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本実施形態のフィルム積層体が奏する効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、加飾層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の組成、形状及び厚さのうち少なくともいずれか一つが互いに異なる」ことを意味する。
加飾層の厚さは、特に限定されないが、0.2μm以上100μm以下が好ましい。なお、ここでいう「加飾層の厚さ」は加飾層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる加飾層の厚さとは、加飾層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
[着色層]
着色層とは、塗装色、金属色等を呈する層である。着色層に含まれる着色剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料、アルミ光輝材、顔料がバインダー樹脂に分散されたもの、印刷用インキが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、赤色酸化鉄等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾレーキ系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。キナクリドン系顔料としては、例えば、キナクリドンレッド等が挙げられる。アルミ光輝材としては、例えば、アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウムフレーク、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク、着色アルミニウムフレーク等が挙げられる。バインダー樹脂に分散される顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物で被覆されたフレーク状のマイカ及び合成マイカ等のパール光輝材等が挙げられる。顔料を分散するバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
[パターン層]
パターン層とは、木目、幾何学模様、皮革模様等の模様、ロゴ及び絵柄等を物品に付与する層である。パターン層の形成方法としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、公知の印刷方法、公知のコーティング方法、打ち抜き、エッチング等が挙げられる。
印刷方法としては、例えば、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷、レーザー印刷、スクリーン印刷等が挙げられる。コーティング方法としては、例えば、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート等が挙げられる。
また、パターン層の材料としては、上記フィルム形成用組成物からなるフィルムであってもよく、その他の樹脂からなるフィルム若しくはシート、又は金属箔であってもよい。
<基材層>
基材層は加飾層の支持層となり、また、成形時の均一な伸びを与え、外部からの突き刺し、衝撃等から構造体をより有効に保護する保護層としても機能することができる。基材層は、1層(単層)からなるものでもよく、2層以上の複数層からなるものでもよい。基材層が複数層からなる場合、これら複数層の組成、形状及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
基材層は特に限定されないが、例えば、樹脂、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、木材、無機材料(ガラス等)等の材料を成形してなる層や、上記フィルム形成用組成物を成形してなる層が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートを含むアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
基材層の厚さは特に限定されないが、加飾層の成形性に悪影響を及ぼさないこと、上記基材層の機能をフィルムに付与するという観点から、2μm以上500μm以下が好ましく、5μm以上200μm以下がより好ましい。なお、ここでいう「基材層の厚さ」は基材層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材層の厚さとは、基材層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<接着層>
本実施形態のフィルム積層体は、基材層及び加飾層の間や、基材層及び加飾層が複数層からなる場合にはそれら層の間に、接着層をさらに備えてもよい。接着層は、1層(単層)からなるものでもよく、2層以上の複数層からなるものでもよい。接着層が複数層からなる場合、これら複数層の組成、形状及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
接着層に含まれる接着剤としては、特に限定されないが、一般に使用される接着剤であればよく、具体的には、例えば、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系等の、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤が挙げられる。
接着層の厚さは特に限定されないが、加飾層の成形性に悪影響を及ぼさないこと、上記基材層の機能をフィルムに付与するという観点から、2μm以上200μm以下が好ましく、5μm以上100μm以下がより好ましい。なお、ここでいう「接着層の厚さ」は接着層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる接着層の厚さとは、接着層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
≪物品≫
本実施形態の物品は、上述のフィルム、又は、上述のフィルム積層体を備える。本実施形態の物品は、延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れる。
<物品の製造方法>
本実施形態の物品は、例えば、上述のフィルム、又は、上述のフィルム積層体を加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、貼り付けた前記フィルム又は前記フィルム積層体を硬化させる工程と、をこの順で含む製造方法等によって得られる。
上述のフィルム、又は、上述のフィルム積層体の被着体への貼り付け方法や被着体については、上記「二次硬化フィルムの製造方法及び一次硬化フィルムの使用方法」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、特に指定のない限り、文中の「%」、「部」は、いずれも質量基準のものをさす。
合成例で得られたポリイソシアネート成分の物性の測定方法、並びに実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物の評価方法を以下に示す。
<物性の測定方法及び評価方法>
[物性1]
(粘度)
E型粘度計を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりで設定した。
(回転数)
100r.p.m.( 128mPa・s未満の場合)
50r.p.m.( 128mPa・s以上 256mPa・s未満の場合)
20r.p.m.( 256mPa・s以上 640mPa・s未満の場合)
10r.p.m.( 640mPa・s以上 1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m.( 1280mPa・s以上 2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m.( 2560mPa・s以上 5120mPa・s未満の場合)
1.0r.p.m.( 5120mPa・s以上10240mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m.(10240mPa・s以上20480mPa・s未満の場合)
[物性2]
(数平均分子量)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。ポリイソシアネート成分を試料として用いた。測定条件を以下に示す。
(測定条件)
装置:東ソー(株)製、HLC-802A
カラム:東ソー(株)製、G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
[物性3]
(イソシアネート基(NCO)含有率)
イソシアネート基(NCO)含有率は以下の方法を用いて求めた。なお、ポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定試料として用いた。
まず、フラスコにポリイソシアネート成分2g以上3g以下を精秤した(Wg)。次いで、トルエン20mLを添加し、ブロック剤解離後のポリイソシアネート成分を溶解した。次いで、2規定のジ-n-ブチルアミンのトルエン溶液20mLを添加し、混合後、15分間室温放置した。次いで、イソプロピルアルコール70mLを加え、混合した。次いで、この液を1規定塩酸溶液(ファクターF)で、指示薬に滴定した。得られた滴定値をV2mLとした。次いで、同様の操作をポリイソシアネート成分なしで行い、得られた滴定値をV1mlとした。次いで、下記式からブロック剤解離後のポリイソシアネート成分のイソシアネート基(NCO)含有率(イソシアネート基(NCO)含有率)X1(質量%)を算出した。
「イソシアネート基(NCO)含有率X1(質量%)」
= (V1-V2)×F×42/(W×1000)×100
[物性4]
(平均イソシアネート基数及びイソシアネート基合計平均数)
平均イソシアネート基数及びイソシアネート基合計平均数は、以下の数式により求めた。以下の式において、「Mn」はポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定したポリイソシアネート成分の数平均分子量である。「NCO含有率」は、ポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定したポリイソシアネート成分の全質量に対して存在するイソシアネート基の含有率であり、上記「物性3」において算出されたX1(質量%)を用いる。また、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
「平均NCO数 or NCO合計平均数」
= (Mn×(NCO含有率(X1))×0.01)/42
[物性5]
(ブロック化率)
ポリイソシアネート成分及びフィルム形成用組成物におけるブロック化率は以下の式より求めた。
「ブロック化率」 = (ブロック剤モル数)/(イソシアネート基モル数)×100
なお、上記式中の、「イソシアネート基モル数」は、加熱処理にてブロック剤を解離させた後のポリイソシアネート成分における単位質量あたりのイソシアネート基モル数であり、上記「物性3」で算出されたNCO含有率(X1)を用いて、以下の式にて定量した。ここで、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率(X1)に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
「イソシアネート基モル数」 = (X1×0.01)/42
また、上記式中の、「ブロック剤モル数」は、ブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、ブロック剤のモル数をガスクロマトグラフィー質量分析測定により定量した。
[評価1]
(ポットライフ)
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物を調製後、23℃で8時間保存した後の、初期粘度に対する25℃における粘度の上昇率より、ポットライフを評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎:粘度上昇率が220%未満
○:粘度上昇率が220%以上230%未満
△:粘度上昇率が230%以上275%未満
×:粘度上昇率が275%以上
[一次硬化フィルムの作製]
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物をポリプロピレン(PP)板に樹脂膜厚60μmになるようにアプリケーターにて塗布し、90℃、30分加熱硬化させた。その後、PP板から剥離させることで一次硬化フィルムを得た。
[評価2]
(延伸性)
(1)一次硬化フィルムのガラス転移温度の測定
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物をステンレス板に樹脂膜厚25μmになるようにアプリケーターで塗布し、90℃、30分加熱硬化させることで、ガラス転移温度測定用試験片を得た。得られた試験片の対数減衰率を剛体振り子型粘弾性測定器(株式会社エー・アンド・デイ製、RPT-3000W)を用いて測定した。温度-対数減衰率曲線のピークトップをフィルムのガラス転移温度とした。当該測定にて得られたガラス転移温度を基に、破断伸度及び破断応力の測定温度を決定した。
(2)破断伸度及び破断応力の測定
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルムの引張試験を、万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTE-1210)を用いて、以下に示す条件にて実施した。測定にて得られた破断伸度及び破断強度に基づいて、以下の評価基準により、フィルムの破断伸度及び破断応力を評価した。
(測定条件)
試験片寸法:幅10×長さ20mm
試験片厚み:約60μm
引張速度:20mm/min
測定温度:測定したガラス転移温度プラス10℃
(破断伸度の評価基準)
◎:測定温度でのフィルムの破断伸度が200%以上
○:測定温度でのフィルムの破断伸度が150%以上200%未満
△:測定温度でのフィルムの破断伸度が50%以上149%未満
×:測定温度でのフィルムの破断伸度が50%未満
(破断応力の評価基準)
◎:測定温度でのフィルムの破断応力が1.30MPa以上
○:測定温度でのフィルムの破断応力が0.80MPa以上1.30MPa未満
△:測定温度でのフィルムの破断応力が0.50MPa以上0.80MPa未満
×:測定温度でのフィルムの破断応力が0.50MPa未満
[評価3]
(耐ブロッキング性)
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルムのタックの有無を指触にて確認した。以下に示す評価基準に従い、耐ブロッキング性を評価した。なお、ここでいう「タック」とは、瞬間接着力という粘着特有の性質を意味し、具体的には、指と指の間に粘着する物体を挟んでからすぐに引き離すときの抵抗力ともいえる。
(評価基準)
○:タックが認められない
△:わずかにタックが認められるが、実用上支障のない程度
×:明らかなタックが認められる
[フィルム積層体1の作製]
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物をガラス板に樹脂膜厚60μmになるようにアプリケーターにて塗布し、90℃、30分加熱硬化させた。さらに、140℃30分加熱硬化することで、ガラス板上に二次硬化フィルムが積層されたフィルム積層体1を得た。
[フィルム積層体2の作製]
両面カチオン電着塗装を施した鋼板の片面に黒色メラミン塗料を塗布した黒色鋼板を用意した。
実施例及び比較例で得られた各フィルム形成用組成物を前記試験板の黒色塗料層上に樹脂膜厚60μmになるようにアプリケーターにて塗布し、90℃、30分加熱硬化させた。さらに、140℃30分加熱硬化することで、黒色鋼板に二次硬化フィルムが積層されたフィルム積層体2を得た。
[評価4]
(耐溶剤性)
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルム積層体1のフィルム表面に、キシレン:0.1mLを滴下した。その後、15分間静置した後の、フィルムの状態を目視にて観察し、耐溶剤性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
○:表面に荒れや痕が認められない
×:表面に荒れや痕が認められる
[評価5]
(耐候性)
実施例及び比較例で得られたフィルム形成用組成物を用いて作製された各フィルム積層体2の耐候性をスガ試験機(株)製のスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、SX75)を用いて評価した。試験条件及び評価基準を以下に記載する。
(試験条件)
放射照度:180W/m
運転サイクル:乾燥時/スプレー時=102/18分のサイクル運転
乾燥時:ブラックパネル温度63℃、湿度:50%
スプレー時:層内温度:28℃
(評価基準)
◎:2000時間経過時の光沢保持率が97%以上であり、フィルム積層体表面に、膨れやボイド等の外観異常が認められなかった。
○:2000時間経過時の光沢保持率が95%以上97%未満であり、フィルム積層体表面に、膨れやボイド等の外観異常が認められなかった。
△:2000時間経過時の光沢保持率が95%以上97%未満であり、フィルム積層体表面に、わずかな膨れやボイド等の外観異常が認められた。
×:2000時間経過時の光沢保持率が95%未満、若しくは、フィルム積層体表面に、明らかな膨れやボイド等の外観異常が認められた。
<ポリイソシアネート成分の合成>
[合成例1]
(ポリイソシアネート成分PI-1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600部、及び3価アルコールとε-カプロラクトンとから誘導されるポリエステルポリオール(ダイセル(株)製、商品名「プラクセル303」):30部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、所定の収率になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート成分PI-1の25℃における粘度は9,500mPa・s、イソシアネート含有率は19.2%、数平均分子量は1,100、平均イソシアネート基数は5.3であった。得られたポリイソシアネート成分PI-1は固形分が75%となるように、酢酸ブチルにて希釈して、続く実施例及び比較例で用いた。
[合成例2]
(ポリイソシアネート成分PI-2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、合成例1にて得られたポリイソシアネート成分PI-1:500gと酢酸ブチル:200gを仕込んで、攪拌下60℃に加温し、ブロック剤として、3,5-ジメチルピラゾールを、ポリイソシアネート成分PI-1中のイソシアネート基のモル数に対して0.75倍モル量、徐々に加えた。すべて加えた後で、さらに1時間攪拌することで、ポリイソシアネート成分PI-2を得た。ポリイソシアネート成分PI-2においてブロック化率は75モル%であった。
[合成例3]
(ポリイソシアネート成分PI-3の合成)
3,5-ジメチルピラゾールの添加量をポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数に対して1.05倍モル量とした以外は、合成例2と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート成分PI-3を得た。ポリイソシアネート成分PI-2においてブロック化率は100モル%であった。
<フィルム形成用組成物の製造>
[実施例1]
(フィルム形成用組成物F-a1の製造)
活性水素含有化合物として、アクリルポリオール樹脂の酢酸エチル溶液(水酸基濃度1.12モル%(樹脂基準)、樹脂固形分41質量%)と、ポリカプロラクトンジオール(水酸基濃度6.42%(樹脂基準)、分子量530)とを水酸基モル比3:1の割合で混合してすることで調製した樹脂溶液を用意した。
合成例2で得られたポリイソシアネート成分PI-2に対し、前記活性水素含有樹脂溶液をNCO/OH=1.0となるように配合し、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセタート(PMA)で固形分30質量%に希釈した。その際、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF社製、「Tinuvin P」(商品名))(以下、「BTZ-1」という)を対樹脂濃度(アクリルポリオール樹脂及びポリイソシアネート成分の固形分100質量%に対して)1.2質量%、光安定剤として、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製、「Tinuvin 292」(商品名))(以下、「LS-1」という)を対樹脂濃度(アクリルポリオール樹脂の固形分100質量%に対して)1.0質量%となるように添加した。さらに、ジブチル錫ジラウレートを対樹脂濃度(アクリルポリオール樹脂及びポリイソシアネート成分の固形分100質量%に対して)0.1質量%となるように添加して、フィルム形成用組成物F-a1を得た。
[実施例2~17]
(フィルム形成用組成物F-a2~F-a17の製造)
紫外線吸収剤と光安定剤を表1~表3に記載のとおりにした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物を得た。
[比較例1]
(フィルム形成用組成物F-b1の製造)
紫外線吸収剤及び光安定剤を添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物F-b1を得た。
[比較例2]
(フィルム形成用組成物F-b2の製造)
ポリイソシアネート成分として、合成例3で得られたポリイソシアネート成分PI-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物F-b2を得た。
[比較例3]
(フィルム形成用組成物F-b3の製造)
ポリイソシアネート成分として、合成例3で得られたポリイソシアネート成分PI-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、フィルム形成用組成物F-b3を得た。
上記方法を用いて、実施例及び比較例で製造されたフィルム形成用組成物の評価を行った。結果を以下の表1~表4示す。
ただし、比較例2で製造されたフィルム形成用組成物を用いたフィルムは脆く、破断伸度及び破断応力の測定用の試験片を切り出すことができなかった。そのため、表4において、「測定不可」とした。
また、表1~表4において、紫外線吸収剤および光安定剤はそれぞれ下記を表している。
(紫外線吸収剤)
BTZ-1:Tinuvin P(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製)
BTZ-2:Tinuvin PS(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製)
HPT:Tinuvin 479(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、BASF社製)
BZP:Uvinul 3050(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、BASF社製)
BA:4-(ジメチルアミノ)安息香酸イソアミル(安息香酸系紫外線吸収剤、東京化成工業製)
SA:サリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(サリチル酸系紫外線吸収剤、東京化成工業製)
OX:4-メトキシけい皮酸2-エチルヘキシル(けい皮酸系紫外線吸収剤、東京化成工業製)
CA:Uvinul 3039(シアノアクリレート系紫外線吸収剤、BASF社製)
(光安定剤)
LS-1:Tinuvin 292(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
LS-2:Tinuvin 123(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
LS-3:Tinuvin 152(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
LS-4:Tinuvin 249(ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製)
Figure 2022100004000004
Figure 2022100004000005
Figure 2022100004000006
Figure 2022100004000007
表1~表4から、フィルム形成用組成物F-a1~F-a17(実施例1~17)は、ポットライフが良好であり、これらフィルム形成用組成物を用いた一次硬化フィルムは、延伸性を良好に保ちながら、耐ブロッキング性に優れていた。また、フィルム形成用組成物F-a1~F-a17(実施例1~17)を用いて作製された二次硬化フィルムがガラス板上に積層されたフィルム積層体は、耐溶剤性に優れており、二次硬化フィルムが黒色塗装鋼板上に積層されたフィルム積層体は、耐候性に優れていた。
また、紫外線吸収剤及び光安定剤の含有有無が異なるフィルム形成用組成物F-a1~F-a3(実施例1~3)の比較において、紫外線吸収剤を含むフィルム形成用組成物F-a1~F-a2(実施例1~2)では、ポットライフ及び二次硬化フィルムを含むフィルム積層体としたときの耐候性がより良好であり、紫外線吸収剤及び光安定剤を含むフィルム形成用組成物F-a1では、二次硬化フィルムを含むフィルム積層体としたときの耐候性が特に良好であった。
また、紫外線吸収剤の種類が異なるフィルム形成用組成物F-a1、F-a4~F-a10(実施例1、及び4~10)の比較において、紫外線吸収剤にベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、又はシアノアクリレート系化合物を用いたフィルム形成用組成物F-a1、F-a4~F-a6及びF-a10(実施例1、4~6、及び10)は、耐候性がより優れており、紫外線吸収剤にベンゾトリアゾール系化合物、又はヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を用いて、さらに光安定剤を添加したフィルム形成用組成物F-a1、F-a4及びF-a6(実施例1、4、及び6)は、耐候性が特に優れていた。
また、紫外線吸収剤の含有量が異なるフィルム形成用組成物F-a1及びF-a11(実施例1及び11)、並びに、F-a6及びF-a12(実施例6及び12)の比較において、紫外線吸収剤の含有量がより少ないフィルム形成用組成物F-a1及びF-a6(実施例1及び6)では、一次硬化フィルムとしたときの破断応力が特に優れていた。
また、光安定剤の含有量が異なるフィルム形成用組成物F-a1及びF-a16(実施例1及び16)、並びに、F-a13及びF-a17(実施例13及び17)の比較において、光安定剤の含有量がより少ないフィルム形成用組成物(実施例1及び13)では、ポットライフ及び一次硬化フィルムとしたときの破断応力が特に優れていた。
一方で、フィルム形成用組成物F-b1~F-b3(比較例1~3)では、ポットライフ、一次硬化フィルムとしたときの延伸性及び耐ブロッキング性、並びに、二次硬化フィルムを含むフィルム積層体としたときの耐溶剤性及び耐候性が全て良好なものは得られなかった。
本実施形態のフィルム形成用組成物によれば、ポットライフが良好であり、フィルムとしたときの延伸性、耐ブロッキング性、耐溶剤性及び耐候性に優れるフィルム形成用組成物を提供することができる。本実施形態のフィルム及びフィルム積層体は、前記フィルム形成用組成物を用いて作製することができ、様々な材質の物品に適用可能な加飾フィルムとして利用することができる。

Claims (17)

  1. 脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分であって、前記ポリイソシアネート1分子中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が2以上であり、且つ、前記ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基のうち、1モル%以上99モル%以下がブロック剤で封鎖されて構成されている、ポリイソシアネート成分と、
    活性水素含有化合物と、
    紫外線吸収剤又は光安定剤と、
    を含有する、フィルム形成用組成物。
  2. 前記ポリイソシアネート成分中の前記ポリイソシアネート1分子当たりのブロック剤で封鎖されたイソシアネート基及びブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基の合計数の平均値が3以上である、請求項1に記載のフィルム形成用組成物。
  3. 前記ポリイソシアネート成分は、下記一般式(I)で表されるポリイソシアネートを含む、請求項1又は2に記載のフィルム形成用組成物。
    Figure 2022100004000008
    (一般式(I)中、R11は前記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。X11は前記ブロック剤に由来する構造単位である。m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。)
  4. 前記活性水素含有化合物は、アクリルポリオールを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
  5. 前記活性水素含有化合物は、ジオールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
  6. 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びシアノアクリレート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
  7. 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、及びヒドロキシフェニルトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
  8. 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
  9. 前記光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、フィルム。
  11. 基材層、加飾層及び接着層からなる群より選ばれる少なくとも2種類の層を備えるフィルム積層体であって、
    前記フィルム積層体を構成する層のうち少なくとも1種類の層は、請求項10に記載のフィルムを含む、フィルム積層体。
  12. 請求項10に記載のフィルム、又は、請求項11に記載のフィルム積層体を備える、物品。
  13. 請求項10に記載のフィルム、又は、請求項11に記載のフィルム積層体を加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
    貼り付けた前記フィルム又は前記フィルム積層体を硬化させる工程と、
    をこの順で含む、物品の製造方法。
  14. 請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルム形成用組成物を硬化させてなる、一次硬化フィルムであって、
    前記活性水素含有化合物と前記ポリイソシアネート成分との硬化によって形成されたウレタン基、ウレア基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Xと、活性水素基と、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基と、を含む、一次硬化フィルム。
  15. 請求項14に記載の一次硬化フィルムを、さらに加熱することにより、硬化させてなる、二次硬化フィルム。
  16. 請求項14に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付ける工程と、
    貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させる工程と、
    をこの順で含む、二次硬化フィルムの製造方法。
  17. 請求項14に記載の一次硬化フィルムを、50℃以上140℃以下にて加熱しながら被着体に追従させて貼り付けることと、
    貼り付けた前記一次硬化フィルムを、50℃以上180℃以下にて加熱して硬化させることと、
    をこの順で含む、一次硬化フィルムの使用方法。
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