JP2005255892A - 成型加工用シート、成型加工用粘着シート、およびそれらを用いて製造される着色成型体 - Google Patents

成型加工用シート、成型加工用粘着シート、およびそれらを用いて製造される着色成型体 Download PDF

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Katsutoshi Sugimoto
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明照 松井
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Abstract

【課題】優れた耐候性、耐溶剤性を有し、且つ成型時に十分に延伸する成型加工用シート、および成型後の抜き文字の作業性を改善し、耐久性をも改良した着色成型体の提供。
【解決手段】イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエン構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)、イソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)および着色剤(C)を含む樹脂組成物の硬化物からなる成型加工用シートであり、前記ポリイソシアネート化合物(B1)のイソシアネート基数とブロックポリイソシアネート化合物(B2)の潜在イソシアネート基数の比率が80:20〜1:99である成型加工用シート、および熱可塑性樹脂基材上に前記成型加工用シートを積層し、成型してなる着色成型体。
【選択図】なし

Description

本発明は、真空成型、真空・圧空成型等のシートの熱成型、射出成型、ブロー成型等に用いられ、成型後の抜き文字の作業性が改善し、耐久性をも改良した成型加工用シートおよび成型加工用粘着シートに関する。また、本発明は、成型加工用シートおよび成型加工用粘着シートを用いて得られる、優れた耐候性、耐溶剤性を有し、且つ成型時に着色層が十分に延伸された着色成型体に関する。
従来、各種成型方法により得られる樹脂成型体にさまざまな着色を施す場合、次のような方法が一般的である。
一つめは、材料着色と呼ばれ、成型に用いる樹脂自体を着色してから成型加工をするもので、一般にマスターバッチと呼ばれる各種無機系、有機系の顔料や染料を練り込んだ着色用の樹脂を成型用の樹脂に溶融混合して着色しそれを成型する方法である。しかし、この方法は、樹脂自体を着色するため色替え時の洗浄等の煩雑さから少ロット対応が難しく、大量生産の時には有効であるが、成型看板のような少ロット生産にはむかない。また、マスターバッチ方式を採用する場合、一色あたりの樹脂のロットサイズが大きくなり、成型体が少量多品種の場合には、無駄が多くなる傾向にありコスト的にも割高になる。また、成型用に用いる樹脂には通常ワックスやフィラー等の充填物が添加されていてベース樹脂の透明性が低いことが多く、明るく鮮やかな色調の成型体を得ることが難しい。さらに、パール、メタリックの色調のものを得ようとする場合には、樹脂中での顔料の分散が難しく、射出成型時に一般にウエルドラインと呼ばれる溶融樹脂の流動状態により、顔料の粒子が不規則に配向し、流れ模様のような色ムラが生じるといった問題点がある。
二つめは、先ず無着色の樹脂の成型加工を行い、得られた成型体の表面にスプレーコートや、ディッピング、静電塗装等の方法により塗装を施す方法である。しかし、塗装を採用した場合には、塗料の調色や調整工程において、多大な時間と労力、作業者の塗料に関する専門的知識及び熟練等が要求される。また、塗装工程においても、作業者の熟練度合いにより仕上がりが左右されたり、塗装ブースその他の特別な設備を用意する必要がある。しかも塗装の際、有機溶剤の揮散に伴う作業者の健康管理、安全対策、地球環境に関する問題、火災の発生の予防措置、塗装時の不良による製品の歩留まり低下といった問題がある。さらに、これらの塗装方法では、長期の耐候性を維持することが困難である。
三つめは、フラットな透明もしくは白色の樹脂板の上に塩化ビニル製やアクリル製のマーキングフィルムを貼付し、それごと真空成型をする方法である(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、マーキングフィルムを予め作成することから、個別成型看板のような少ロット生産に向いている。また、塩化ビニル製のマーキングフィルムを貼付する場合は、その内部が無架橋のため、非常に成型しやすい。
成型看板等の製造には、その少ロット生産性の点から前述の三つめの方法(マーキングフィルムを樹脂板に貼付してから真空成型をする方法)が望ましい。
特開2002−337275号公報
しかし、塩化ビニル製マーキングフィルムは、その廃棄・焼却時にダイオキシンや塩化水素ガスが発生するために問題がある。
また、アクリル製マーキングフィルムは、廃棄時の問題は無いものの、非常に架橋点間距離の短いイソシアネートを使いポリマーを高密度3次元結合させるため架橋密度が上がり、延伸率の小さい成型は問題ないが、延伸率の大きい成型をする場合には、高密度3次元架橋が原因で充分な伸長性が得られず着色層が破れてしまうという問題がある。そのため、実質的には、高架橋密度のアクリル製マーキングフィルムは、延伸率の大きい成型には使用できなかった。
そこで、本発明の目的は、優れた耐候性、耐溶剤性を有し、且つ成型時に十分に延伸する成型加工用シートおよび成型加工用粘着シート、ならびに成型後の抜き文字の作業性を改善し、耐久性をも改良した着色成型体を提供することにある。
本発明の成型加工用シートは、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)、およびイソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)を含む樹脂組成物の硬化物からなる成型加工用シートであり、前記ポリイソシアネート化合物(B1)のイソシアネート基数とブロックポリイソシアネート化合物(B2)の潜在イソシアネート基数の比率が80:20〜1:99であることを特徴とする。
また、本発明の成型加工用粘着シートは、本発明の成型加工用シートの片面に、粘着剤層が積層され、その粘着剤の永久粘着力が7〜15N/25mmであることを特徴とする。
また、本発明の着色成型体は、熱可塑性樹脂基材上に、本発明の成型加工用シートまたは成型加工用粘着シートを積層し、成型してなることを特徴とする。
本発明の成型加工用シートは、特定の比率でイソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物およびイソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物を含む樹脂組成物の硬化物からなる。そのため、成型加工用シート形成時(一段階目)にはイソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物が主に反応して架橋点間距離が成型加工に適した状態となり、次に成型加工時に過熱されることでイソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物のブロック剤がはずれ、潜在していたイソシアネート基と活性水素基との反応が進み充分な架橋密度が得られ(二段階目)、優れた耐候性、耐溶剤性を示し、且つ成型時に十分に延伸する。そして、本発明の成型加工用シート、またはこのシートの片面に粘着剤層が積層された成型加工用粘着シートを用いることにより、耐久性に優れ、割れや裂けがなく、成型後の抜き文字の作業性が良好な着色成型体を提供することができる。
まず、成型加工用シートについて説明する。
本発明の成型加工用シートは、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)、およびイソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)を含む樹脂組成物の硬化物からなる成型加工用シートである。
樹脂組成物中のポリイソシアネート化合物(B1)のイソシアネート基数とブロックポリイソシアネート化合物(B2)の潜在イソシアネート基数の比率は、80:20〜1:99であり、70:30〜30:70であることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B1)のイソシアネート基数の比率が上記範囲よりも少ない場合には、成型後に未反応のブロックポリイソシアネート化合物(B2)がシート中に残留し、耐候性、耐溶剤性が低下する可能性がある。また、上記範囲よりも多い場合には、成型時の伸長性が不足し、延伸率の大きい成型体に対して成型性が悪くなる。
成型加工用シートの成型前の架橋点間分子量は、7500〜150000であることが好ましい。ここで、架橋点間分子量とは、架橋点と架橋点との間隔、すなわち成型加工用シートの単位体積中に含まれる架橋点の数(mol/cm3)である架橋密度の逆数に、成型加工用シートの密度を掛けたものの平均値である。
成型前の架橋点間分子量が7500未満の成型加工用シートは、架橋密度が高すぎるため、充分な成型加工性を有さず、成型加工時に着色成型体に割れや裂けを生じる場合がある。また、架橋点間分子量が150000を超える成型加工用シートは、フィルム強度が低いために成型体に貼り付けにくい等の問題がある。
樹脂組成物に含まれる重合体(A)は、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体を重合させて得られるビニル系共重合体の主鎖に、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖として導入した、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエングラフトビニル系重合体をいう。
イソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙げられるが、反応性および得られるシートの成型加工性の点で水酸基が好適である。
側鎖の導入方法は、特に限定されることはないが、例えば、不飽和二塩基酸とエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体との共重合体(a)を合成し、共重合体(a)のカルボン酸または無水カルボン酸部分と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(b)のカルボキシル基と反応可能な官能基とを縮合反応させることにより導入することができる。
共重合体(a)の合成に使用可能な不飽和二塩基酸の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、ジフェニルメタン−ジ−γ−ケトクロトン酸等が挙げられる。
不飽和二塩基酸は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用いることができる。また、共重合体(a)の原料となる単量体中の不飽和二塩基酸の割合は、好ましくは0.01〜30重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%である。不飽和二塩基酸の割合が30重量%を越える場合には得られる重合体(A)の安定性が低下し、0.01重量%未満の場合には成型加工用シートの伸張性、柔軟性が不充分となる。
共重合体(a)の原料となるエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体としては、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル単量体、オレフィン系炭化水素単量体、ビニルエーテル単量体等を用いることができる。この中でも、耐溶剤性の点から(メタ)アクリル系単量体を用いることが好ましい。
他の単量体は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等の官能基を有していてもよい。
水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のモノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−メチロール基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
N−アルコキシメチル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記以外の(メタ)アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
オレフィン系炭化水素単量体としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1,4−ペンタジエン等が挙げられる。
ビニルエーテル単量体の例としては、ビニルメチルエーテルが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用いることができる。
共重合体(a)は、公知の方法、例えば、溶液重合で得ることができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶剤は2種以上を混合して使用してもよい。
合成時の単量体の仕込み濃度は、0〜80重量%が好ましい。
重合開始剤としては、過酸化物またはアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジt−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシド等を使用することができ、重合温度は、50〜200℃、特に70〜140℃が好ましい。
共重合体(a)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000、更に好ましくは10,000〜500,000である。共重合体(a)の重量平均分子量が1,000,000を越える場合には、成型加工用シートの伸張性が低下し、5,000未満の場合には成型加工用シートの耐溶剤性、耐候性が低くなる。
共重合体(a)のガラス転移温度は、好ましくは0〜180℃、更に好ましくは50〜180℃、特に好ましくは60〜120℃である。共重合体(a)のガラス転移温度が180℃を越える場合には、成型加工用シートの常温での伸張性が低下し、常温での作業性が低下する。0℃未満の場合には、成型加工用シートの耐溶剤性、表面硬度が低下する。
化合物(b)としては、例えば、直鎖の末端または分岐した末端に、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とをそれぞれ1個以上ずつ有するポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ−ト、またはポリブタジエンを用いることができる。中でも、得られるシートの伸張性、強靱性のバランスおよび成型加工性の点からポリエステルが好適である。
化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられるが、反応性および得られるシートの成型加工性の点で水酸基が好適である。また、化合物(b)のイソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙げられるが、反応性および得られるシートの成型加工性の点で水酸基が好適である。化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とは、同一の官能基でも構わないし、異なる官能基でも構わない。
ポリエステルとして具体的には、ジカルボン酸の少なくとも1種と、多価アルコール、多価フェノール、これらのアルコキシ変性物等のポリオールの少なくとも1種とをエステル化して得られる末端水酸基含有エステル化合物、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、またはN−アルコキシメチル基に変性したエステル化合物などが挙げられる。
ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシ)安息香酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オクタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールプロパンエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
多価フェノールの例としては、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、トリヒドロキシベンゼン、ジメチロールフェノール等が挙げられる。
市販の水酸基を2個以上有するポリエステル(ポリエステルポリオール)としては、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールP−510、P−1010、P−1510、P−2010、P−3010、P−4010、P−5010、P−6010、P−2011、P−2013、P−520、P−1020、P−2020、P−1012、P−2012、P−530、P−1030、P−2030、PMHC−2050、PMHC−2050R、PMHC−2070、PMHC−2090、PMSA−1000、PMSA−2000、PMSA−3000、PMSA−4000、F−2010、F−3010、N−2010、PNOA−1010、PNOA−2014、O−2010、住化バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン650MPA、651MPA/X、670、670BA、680X、680MPA、800、800MPA、850、1100、1140、1145、1150、1155、1200、1300X、1652、1700、1800、RD181、RD181X、C200、東洋紡績株式会社製のバイロン200、560、600、GK130、GK860、GK870、290、GK590、GK780、GK790等が挙げられる。
また、ポリエーテルの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性したポリエーテル化合物が挙げられる。市販の水酸基を2個以上有するポリエーテル(ポリエーテルポリオール)としては、例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン250U、550U、1600U、1900U、1915U、1920D等が挙げられる。
また、ポリカーボネートの例としては、下記一般式で表されるポリカーボネートジオール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性したカーボネート化合物が挙げられる。
H−(O−R−OCO−)n−R−OH
(R:アルキレン鎖、またはジエチレングリコール等のアルキレングリコール鎖、n:正の整数)
市販の水酸基を2個以上有するポリカーボネートとしては、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールPNOC−1000、PNOC−2000、PMHC−2050、PMHC−2050R、PMHC−2070、PMHC−2070R、PMHC−2090R、C−2090等が挙げられる。
また、ポリブタジエンの例としては、α,ω−ポリブタジエングリコール、α、β−ポリブタジエングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性したブタジエン化合物が挙げられる。市販の水酸基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−1000、G−2000、G−3000、GI−1000、GI−2000、GI−3000、GQ−1000、GQ−2000等が挙げられる。市販のエポキシ基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BF−1000、EPB13、EPB1054等が挙げられる。
化合物(b)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは500〜25,000、更に好ましくは1,000〜10,000である。化合物(b)の重量平均分子量が25,000を越える場合には、溶剤への溶解性、共重合体(a)との相溶性、共重合体(a)との反応性が低下し、また得られる成型加工用シートの強靱性が低下する。また、500未満の場合には、成型加工用シートに充分な伸張性、柔軟性を付与することができない。
重合体(A)は、共重合体(a)のカルボン酸もしくは無水カルボン酸部分と、化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官能基とを、公知の方法、例えば、化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官能基が水酸基、エポキシ基の場合はエステル化、アミノ基の場合はアミド化、イソシアネート基の場合はイミド化して得ることができる。溶剤としては、共重合体(a)合成時の溶媒をそのまま用いることができ、更に、合成時の条件、塗工時の条件などに応じて、他の溶媒を加えたり、脱溶媒したりしても構わない。
反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの3級アミンなどが用いられ、反応温度は、50〜300℃が好ましい。
共重合体(a)と化合物(b)との反応比率は、共重合体(a)のカルボン酸または無水カルボン酸1モルに対して、化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官能基が、0.01〜10モルとなるのが好ましく、0.1〜5モルとなるのが更に好ましく、0.5〜2モルとなるのが更に好ましい。化合物(b)の反応比率が10モルを越える場合には、樹脂組成物の塗工性、成型加工用シートの強靱性が損なわれ、0.01モル未満の場合には、得られる成型加工用シートの伸張性、柔軟性が低下する。
また、共重合体(a)、化合物(b)は、それぞれ1種類ずつを用いる必要はなく、目的、必要物性に応じて、それぞれ複数種を用いても構わない。
重合体(A)が水酸基を有する場合、その水酸基価は、固形分換算で20KOHmg/g以下であることが好ましい。重合体(A)の水酸基価が20KOHmg/gを越える場合には、架橋点間分子量が小さくなるため、充分なシートの成型加工性が得られない。
樹脂組成物に含まれるイソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)およびイソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)は、重合体(A)と重合体(A)、さらに後述の化合物(D)を用いる場合には重合体(A)と化合物(D)および/または化合物(D)と化合物(D)とを架橋硬化させ、強靱で且つ伸張性、柔軟性、成型加工性、耐溶剤性を有する成型加工用シートを形成するために用いられる。
得られるシートを外装用途に用いる場合には、シートが経時で黄色から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)のうち、脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。
さらに、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)として、イソシアネートプレポリマーを用いても構わない。イソシアネートプレポリマーとは、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンなどの化合物と、ジイソシアネート化合物とを、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物のイソシアネート基と反応可能な官能基数1に対して、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基数が1より大きくなるような比率で混合し、加熱撹拌して反応させることにより得られる、両末端にイソシアネート基を有する長鎖のイソシアネート化合物である。
イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンなどの化合物としては、化合物(b)と同様の化合物を用いることができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等を用いることができる。
市販のイソシアネートプレポリマーとしては、例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のデスモジュールE3265、E4280、TPLS2010/1、E1160,E1240、E1361、E14、E15、E25、E2680、スミジュールE41、E22、旭化成工業株式会社製のデュラネートD−101、D−201等が挙げられる。
また、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)の一部が、イソシアネート基を3個有するトリイソシアネートである場合には、さらに強靱性、耐溶剤性の良好な成型加工用シートを得ることができる。トリイソシアネート化合物として具体的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネート(例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のデスモジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のスミジュールン3300、旭化成工業株式会社製デュラネートTPA−100、MFX−90X)、イソシアヌレート変性トルイレンジイソシアネート(例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のスミジュールFL−2、FL−3、FL−4、HL BA)などのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性ヘキサメチレンジイソシアネート(例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のスミジュールN75、N3200、N3290、旭化成工業株式会社製デュラネート24A−100、22A−75PX、21S−75E、18H−70B)などのビウレット変性体、トリメチロールプロパンアダクトヘキサメチレンジイソシアネート(例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のスミジュールHT、旭化成工業株式会社製デュラネートP−301−75E)、トリメチロールプロパンアダクトトルイレンジイソシアネート(例えば、住化バイエルウレタン株式会社製のスミジュールL75、L1375、L1365)などのグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体などが挙げられる。なかでも、成型時の耐熱性、表面硬度、塗膜の強靭性に優れるため、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネートが好ましい。
イソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)は、先に例示したポリイソシアネート化合物(B1)中のイソシアネート基をブロック剤と反応させて、イソシアネート基を反応しないようにブロックしたブロック変性体、所謂ブロックイソシアネートである。ブロック剤としては、メタノール、エタノール、n−ペンタノール、エチレンクロルヒドリン、イソプロピルアルコール、フェノール、p−ニトロフェノール、m−クレゾール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ε−カプロラクタム、活性メチレン、メチルエチルケトンオキシム、イミダゾール等が用いられるが、ブロック剤の安定性、溶解性等から活性メチレン、メチルエチルケトンオキシム、イミダゾール等が好適に用いられる。
市販のブロックイソシアネート化合物としては、例えば住化バイエル株式会社製のデスモジュール BL1100、同BL1265 MPA/X、同VPLS2253、同BL3475 BA/SN、同BL3272 MPA、同BL3370 MPA、同BL4265 SN、デスモサーム2170、スミジュールBL3175、三井武田ケミカル株式会社製のタケネートB−830N、同B−815N、同B−820NSU、同B−842N、同B−846N、同B−870N、同B−874N、同B−882N、同B−883NS等が挙げられる。
ブロックポリイソシアネート化合物(B2)の解離温度は、100〜200℃であることが好ましく、120〜160℃であることがより好ましい。解離温度が100℃未満ブロックポリイソシアネート化合物を用いると、得られる成型加工用シートを乾燥、焼付けする際に架橋が進みすぎて成形性が得られないだけでなく樹脂組成物の安定性も悪くなる。また、200℃より高いブロックポリイソシアネート化合物を用いると、樹脂組成物の硬化が十分進まずシートの成膜性が得られないばかりか、得られる成型用加工シートを成型して着色成型体を製造する時に、高い温度を長い時間かけなければブロック剤が解離せず架橋が進まなくなる。
ブロックイソシアネート化合物の解離温度は、特定のアクリルポリオールにブロックイソシアネート化合物をイソシアネート基と水酸基の比率を1:1にして均一に配合し、30分間焼付硬化させ、焼付後の物性(酢酸エチルやメチルエチルケトンで表面を例えばラビング試験で50回以上を示す等)が発現する最低温度として通常カタログ等に表示されている。
ポリイソシアネート化合物(B1)およびブロックポリイソシアネート化合物(B2)は、要求性能に応じて、重合体(A)中のイソシアネート基と反応可能な官能基の総数に対して、イソシアネート基および潜在イソシアネート基の総数が、好ましくは0.1倍〜5.0倍、更に好ましくは0.5倍〜3.0倍、特に好ましくは0.8〜2.0倍となるような比率で、1種、または2種以上を混合して用いることができる。
着色剤(C)としては、各種の顔料や染料等を用いることができる。
顔料としては、従来公知のものを用いることができるが、なかでも、耐光性、耐候性の高いものが好ましい。具体的には、例えば、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性アゾ系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピリミジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾロン系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、インダンスロン系等の有機顔料や、ニッケルジオキシンイエロー、銅アゾメチンイエロー等の金属錯体、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩、カーボンブラック、雲母などの無機顔料、アルミニウムなどの金属微粉やマイカ微粉等が挙げられる。
染料としては、例えば、アゾ系、キノリン系、スチルベン系、チアゾール系、インジゴイド系、アントラキノン系、オキサジン系等が挙げられる。
着色剤は、粉体をそのまま用いても構わないし、あらかじめ着色ペースト、着色ペレット等に加工してから用いても構わない。
着色剤(C)は、要求性能に応じて、重合体(A)、化合物(B1)、化合物(B2)、及び後述の化合物(D)の総重量を基準として、好ましくは0.1〜65重量%、更に好ましくは1〜60重量%となるような比率で、1種、または2種以上を混合して用いることができる。
更に、樹脂組成物には、シートに柔軟性、伸張性を、樹脂組成物に顔料分散性を付与するため、また、シートの伸張性、柔軟性をより向上させるために、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(D)を含有させることが好ましい。
化合物(D)は、例えば、直鎖の末端または分岐した末端にイソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネ−ト、またはポリブタジエンである。中でも、得られるシートの伸張性、強靱性のバランスおよび成型加工性の点からポリエステルが好適である。
イソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙げられるが、反応性および得られる着色硬化樹脂層の成型加工性の点で水酸基が好適である。
また、イソシアネート基と反応可能な官能基数は、2個の場合と比べて少量で伸張性が得られ、塗膜の強靱性も損なわれないため、3個が特に好ましい。
化合物(D)としては、上記化合物(b)と同様の化合物を用いることができる。
化合物(D)は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用いることができる。得られるシートを外装用途に用いる場合には、シートが経時で黄色から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
重合体(A)と化合物(D)との混合比(重量比)は、好ましくは(A):(D)=95:5〜10:90、更に好ましくは(A):(D)=95:5〜30:70、特に好ましくは(A):(D)=95:5〜50:50である。化合物(D)の比率が90を超える場合には、得られるシートの強靱性、耐溶剤性が低くなる。
また、化合物(D)を用いる場合、ポリイソシアネート化合物(B1)およびブロックポリイソシアネート化合物(B2)は、要求性能に応じて、重合体(A)中のイソシアネート基と反応可能な官能基と化合物(D)中のイソシアネート基と反応可能な官能基との総数に対して、イソシアネート基および潜在イソシアネート基の総数が、好ましくは0.1倍〜5.0倍、更に好ましくは0.5倍〜3.0倍、特に好ましくは0.8〜2.0倍となるような比率で、1種、または2種以上を混合して用いることができる。
樹脂組成物には、重合体(A)及び必要に応じて用いられる化合物(D)と、化合物(B1)及び化合物(B2)との架橋反応を促進させるために、それぞれの官能基に応じて、種々の架橋触媒を含有させることができる。代表的な架橋触媒としては、有機金属化合物、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩、アミン類、有機過酸化物などが挙げられる。
有機金属化合物として具体的には、酢酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキシ)チタンなどが挙げられる。
酸として具体的には、トリクロロ酢酸、リン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸、p−トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸などが挙げられる。
アミン類として具体的には、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N' ,N' −テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどが挙げられる。
さらに強塩基触媒として具体的には1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(DBN)及びそれらの誘導体が挙げられる。
有機過酸化物としては、ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレートなどが挙げられる。
これらの架橋触媒の中で、重合体(A)ないし化合物(D)の官能基が水酸基の場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が好ましい。アミノ基の場合は、有機過酸化物、酸無水物、カルボン酸、酸化亜鉛−マグネシウムなどの使用が好ましい。カルボキシル基の場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が好ましい。エポキシ基の場合は、有機金属化合物、アミン類などの使用が好ましい。N−メチロール基または、N−アルコキシメチル基の場合は、酸、そのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が好ましい。
これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよく、その総使用量は重合体(A)、化合物(B1)、化合物(B2)及び化合物(D)の総量100重量%に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。
また、樹脂組成物には、シートの強度を上げるために、本発明の効果を妨げない範囲で、重合体(A)及び化合物(D)以外の各種の熱可塑性樹脂を含有させてもよい。
かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリエステル等が挙げられる。
重合体(A)及び化合物(D)以外の熱可塑性樹脂の添加量は、重合体(A)及び化合物(D)の合計重量の30重量%以下が好ましく、20重量%以下が更に好ましい。この上限を越えると、他成分との相溶性が低下する場合がある。
また、樹脂組成物には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ラジカル補足剤、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
樹脂組成物は、重合体(A)、化合物(B1)、化合物(B2)、着色剤(C)、必要に応じて化合物(D)、架橋触媒、添加剤、及び溶剤を混合して得られる。
溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの内から樹脂組成物の組成に応じ適当なものを使用する。溶剤は2種以上用いてもよい。
混合方法に特に限定はないが、通常は、重合体(A)の重合時に得られる重合体溶液に、化合物(B1)、化合物(B2)、着色剤(C)、化合物(D)、及び他の成分を混合し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。また、サンドミル、3本ロール、2本ロールなどを用いて混合してもよい。塗工性などの向上のために、さらに溶剤を追加したり、濃縮してもよい。
また、着色剤として顔料を用いる場合は、まず、着色剤、分散樹脂、必要に応じて分散剤、及び溶剤を混合した顔料ペーストを作成した後、他の成分と混合するのが好ましい。分散樹脂としては、化合物(D)を用いるのが好ましいが、特に限定はなく、顔料分散性に優れた極性基、例えば水酸基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基、アミド基、ケトン基等を有する、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。分散剤としては、例えば、顔料誘導体、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。また、金属キレート、樹脂コートなどにより、顔料表面の改質を行うこともできる。
こうして得られた樹脂組成物を剥離シート上に塗布し、樹脂組成物を部分的に硬化して成膜させ、本発明の成型加工用シートとすることができる。この成膜過程(一段階目)においては、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)がビニル系重合体(A)と反応し、更にイソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)のブロック剤が部分的にはずれて、ブロック剤がはずれたブロックポリイソシアネート化合物(B2)がビニル系重合体(A)と反応して架橋点間距離が成型加工に適した状態となる。ビニル系重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B1)、ブロックポリイソシアネート化合物(B2)との反応は、塗膜形成時の乾燥過程においても進むが、その後30℃〜80℃の温度でエージングを行い、さらに反応を進めるとブロック剤がはずれなかったものを除き未反応のものをなくすことができ望ましい。
樹脂組成物の硬化の程度は、得られたシートのゲル分率を測定することにより確認することができる。ゲル分率は、メチルエチルケトン(MEK)によるソックスレー抽出等を行い、シートからMEKに溶解する成分を抽出し、シートを十分乾燥させて抽出前と後のシートの重量比から求める。成型加工用シートのゲル分率は20〜80重量%が好ましく、さらに30〜70重量%が好ましい。ゲル分率が10重量%未満であるとシートとしての強靭性がなくなるため、熱可塑性樹脂基材上に貼りづらくなるだけでなく巻物にしたときにシート表面がブロッキングしやすくなり、70重量%を超えると成型性が損なわれ、成型した際に切れ目を生じたりする。
剥離シートとしては、例えば、紙、またはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロースアセテート等のプラスチックフィルムや、アルミ、ステンレスなどの金属箔等を用いることができ、厚みが10〜250μmのものが好適に使用される。
樹脂組成物の塗布は、従来公知の方法、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコート方式、スロットオリフィス方式、スプレーコート方式、バーコート方式等により行うことができる。樹脂組成物は、数回に分けて塗布してもよいし、1回で塗布してもよい。また、異なる方式を複数組み合わせてもよい。
樹脂組成物の塗布膜厚は、通常、10〜200μm 程度であるが、この範囲内に限定されるものではなく、用途、要求性能に適した膜厚となるように塗布すればよい。
樹脂組成物の硬化は、樹脂組成物の種類、剥離シートの種類、膜厚、及び用途に応じた温度、時間で行えばよく、通常、室温〜350℃で行われるが、成膜過程(一段階目)で架橋点間距離が成型加工に適した状態とし、かつ硬化の効率化および生産性の向上の点から、30〜220℃に加熱して行うことが好ましい。
次に、成型加工用粘着シートについて説明する。
成型加工用粘着シートは、前記の成型加工用シートの片面に、粘着剤を塗工して粘着剤層を積層したものである。
粘着剤としては、例えば、一般的な天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム等を主成分とするゴム系粘着剤や、(メタ)アクリル酸エステル(C2〜C12)を主体にアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等の単量体を共重合した重合体を主成分とするアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤等を用いることができるが、なかでも、成型時の耐熱性の点からアクリル系粘着剤またはシリコン系粘着剤が好ましい。
粘着剤は、粘着剤の種類、塗工適性に応じ、従来公知の方法、例えば、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、バーコート方式、グラビア方式等の種々の方式を利用して、成型加工用シートに直接塗工して粘着剤層を積層させてもよいし、一旦工程紙上に塗工した粘着剤を成型加工用シートにラミネートして粘着剤層を積層させてもよい。粘着剤のJIS規格 Z0237に記載される方法に準じて測定される熱可塑性樹脂基材との永久粘着力は7〜15N/25mmであることが好ましい。永久粘着力が7N/25mmであると成型時あるいは屋外に暴露した際に剥がれを生じ易く、また15N/25mmより大きいと成型体から抜き文字の部分をはがしづらくなる。
最後に、着色成型体について説明する。
着色成型体は、熱可塑性樹脂基材上に、前記の成型加工用シートまたは成型加工用粘着シートを積層し、成型してなる成型体である。成型加工用粘着シートを積層する場合には、該成型加工用粘着シートの粘着剤層が前記熱可塑性樹脂基材と接するように積層する。
熱可塑性樹脂基材としては、アクリル系樹脂、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル・塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂・ポリフッ化ビニル・ポリフッ化ビニリデン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂からなる基材が利用可能である。なかでも、成型加工性の点から、軟化温度が40〜200℃の熱可塑性樹脂からなる基材が好ましく、軟化温度が80〜150℃の熱可塑性樹脂からなる基材がより好ましい。
また、汎用性の点からアクリル系樹脂からなる基材が最も好ましい。アクリル樹脂としては、アクリル酸またはメタクリル酸エステル系単量体と他のラジカル重合性単量体との共重合体を用いることができる。共重合体としては、例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂基材には、一般的にフィルムやシートと呼称される比較的薄手のものから、板と呼称される厚いものまで含まれる。熱可塑性樹脂基材の厚みは、概ね10μm〜10mm程度であり、シートの場合は20〜100μmが好ましく、板の場合は3mm〜6mmが好ましい。アクリル系樹脂基材には、無色透明なクリアなものと、乳白色のものがあり、どちらも用いることができる。
熱可塑性樹脂基材は、薄く着色したり、表面にエンボス加工を施したりしてもよい。また、熱可塑性樹脂基材には、成型加工用シートとの接着を目的として、ウレタン系やアクリル系のアンカーコート材を塗工したり、金属や金属酸化物・金属化合物を真空蒸着・スパッタリングしたりしてもよい。
成型方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の成型方法、例えば、真空成型法、真空・圧空成型法、ブロー(吹き込み)成型法、プレス成型法、インサートインジェクション成型法、インモールド(金型内)成型法、押し出し成型法等で成型することができる。
真空成型法および真空・圧空成型法とは、まず熱可塑性樹脂基材の全面または一部に成型加工用粘着シートを貼付しておき、この積層体を成型機の所定の位置に設置し、加熱軟化させ、木型または金型を下から送り込み、真空に引いて型に密着させ(真空成型法)、または真空に引くと共に反対側から圧縮空気で押して型に密着させ(真空・圧空成型法)、成型体を冷却後に型からはずして成型体を得る成型法である。
このように成型加工用シートは、成型加工時にさらに加熱されることにより、その段階(二段階目)でブロックポリイソシアネート化合物(B2)の残りのブロック剤がはずれて、潜在していたイソシアネート基と活性水素基との反応が進むことにより、充分な架橋密度が得られるため、良好な強靱性、耐溶剤性を具備する着色成型体となる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。なお、実施例中の部および%は、すべて重量部および重量%を示している。また、得られた重合体等のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー装置を用いて測定した。
(合成例a1−a9)
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、表1に示す不飽和二塩基酸、エチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体および溶媒を表1に示す配合比(重量比)に基づいて仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、表1に示す配合比(重量比)の70%のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行った。次に、表1に示す配合比(重量比)の15%のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、更に表1に示す配合比(重量比)の15%のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、共重合体(a)の溶液を得た。得られた共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
Figure 2005255892
MAH:無水マレイン酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
ST:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
BMA:n-ブチルメタクリレート
MA:メタクリル酸
Tol:トルエン
BuAc:酢酸ブチル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
Mw:重量平均分子量
Tg:ガラス転移温度
(合成例A1〜A8)
共重合体(a)を重合した後、共重合体(a)を重合したフラスコに、表2に示す化合物(b)を表2に示す配合比(固形分重量比)となるよう添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、トリエチルアミンを表2に示す配合比に基づいて加え、6時間加熱撹拌を行い、重合体(A)溶液を得た。得られた重合体(A)の水酸基価(OHV)を表2に示す。
Figure 2005255892
P−3010:ポリエステルポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールP−3010」、Mw=3000)
PMHC:ポリカーボネートポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールPMHC―2050」、Mw=2000)
P−2010:ポリエステルポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールP−2010」、Mw=2000)
1900U:ポリエーテルポリオール
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモフェン1900U」、Mw=2000)
G−2000:ポリブタジエンポリオール
(日本曹達株式会社製「NISSO−PB G−2000」、Mw=2000)
P−510:ポリエステルポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールP−510」、Mw=500)
P−6010:ポリエステルポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールP−6010」、Mw=6000)
TEA:トリエチルアミン
OHV:水酸基価
(実施例1〜11、比較例1〜3)
表3に示す重合体(A)、化合物(B1)、化合物(B2)、着色剤(C)、及び化合物(D)を、固形分換算で表3に示す割合となるように混合し、トルエン/酢酸ブチル=50/50(重量比)の混合溶媒で固形分濃度が60%となるよう希釈して樹脂組成物を作成した。
Figure 2005255892
当量比:([化合物(B1)中のイソシアネート基のモル数]+[化合物(B2)中の潜在イソシアネート基のモル数])/([重合体(A)中のイソシアネート基と反応可能な官能基のモル数]+[重合体(D)中のイソシアネート基と反応可能な官能基のモル数])
Z4470:イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモジュールZ4470)
N3300:イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールN3300」)
HT:トリメチロールプロパンアダクトヘキサメチレンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールHT」)
D−201:イソシアネートプレポリマー
(旭化成工業株式会社製「デュラネートD−201」、Mw=2000)
E−41:イソホロンジイソシアネート系プレポリマー
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモジュールE−41」
BL3175:メチルエチルケトンオキシムブロックヘキサメチレンジイソシアネート (住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールBL3175」、解離温度140℃)
BL3475:活性メチレンブロックヘキサメチレンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールBL3475」、解離温度110℃)
VPLS2253:アミンブロックヘキサメチレンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモジュールVPLS2253」、解離温度120℃)
BL3272:ε-カプロラクタムブロックヘキサメチレンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモジュールBL3175」、解離温度160℃)
BL4265: メチルエチルケトンオキシムブロックイソホロンジイソシアネート
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモジュールBL4265」、解離温度140℃)
B−870N:メチルエチルケトンオキシムブロックイソホロンジイソシアネート
(三井武田ケミカル株式会社製「タケネートB−870N」、解離温度170℃)
F−3010:ポリエステルポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールF−3010」、Mw=3000)
PMHC:ポリカーボネートポリオール
(株式会社クラレ製「クラレポリオールPMHC―2050」、Mw=2000)
1900U:ポリエーテルポリオール
(住化バイエルウレタン株式会社製「デスモフェン1900U」、Mw=2000)
G−2000:ポリブタジエンポリオール
(日本曹達株式会社製「NISSO−PB G−2000」、Mw=2000)
NTV:着色ペースト
(東洋インキ製造株式会社製NTVカラー NTV 2MA009 YEL)
得られた樹脂組成物を、膜厚100μm の剥離シート(リンテック株式会社製「PET100X」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥時の膜厚が約60μm となるように塗布し、50℃で2分間乾燥した後、さらに140℃で2分間乾燥・焼付して成型加工用シートを作成した。
得られた成型加工用シートから、長さ15mm、幅5mmの試験片を切り取り、動的粘弾性測定装置DVA―200(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、ロードセル:600gf、昇温速度:5℃/min、周波数:10Hz条件下引張り時の、25〜200℃の温度範囲における貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、および損失正接(tanδ)変化を測定した。得られたtanδ曲線のピーク時の温度をTg(K)とし、T=Tg+30(K)におけるE'の値から、下記式(1)を用いて、各成型加工用シートの架橋点間分子量(Mc)を求めた。
架橋点間分子量(Mc) = 3dRT/E’ ・・・式(1)
d:着色硬化樹脂層の密度
R:気体定数(8.31J/K・mol)
また、ゲル分率の測定は予め濾紙(No.3定量濾紙)の重量を計っておき、成型加工用シートを5cm×5cmの大きさに切り、重量を計り、これを濾紙に包み、シートを包んだ濾紙ごと225mlのマヨネーズ瓶中で150gメチルエチルケトン溶媒中に浸漬させ、振とう機で24時間振とうし、メチルエチルケトンに可溶な未反応成分や低分子量成分を抽出した。メチルエチルケトン溶媒より濾紙を取り出し、濾紙ごと100℃のオーブンで2時間乾燥させ、抽出前と乾燥後の残ったシートの重量変化からゲル分率を求めた。結果を表4に示す。
次に、粘着剤溶液を、膜厚100μm の剥離シート(カイト化学株式会社製「TSM?110K」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥時の膜厚が約25μm となるように塗布し、80℃のガスオーブン中で2分間加熱して乾燥、硬化させ粘着剤シートを作成した。使用した粘着剤を以下に示す。
粘着剤A:BPS3156(東洋インキ製造株式会社製)
粘着剤/硬化剤=100/3.3
粘着剤B:BPS5626(東洋インキ製造株式会社製)
粘着剤/硬化剤=100/3.3
粘着剤C:BPS5097(東洋インキ製造株式会社製)
粘着剤/硬化剤=100/3.3
粘着剤D:BPS1109(東洋インキ製造株式会社製)
粘着剤/硬化剤=100/3.3
粘着剤E:BPS5097(東洋インキ製造株式会社製)
粘着剤/硬化剤=100/7
硬化剤:BXX5983(東洋インキ製造株式会社製)
作成した粘着剤シートと上述の成型加工用シートをそれぞれ、粘着剤層を成型加工用シートに貼り合わせるかたちでラミネート接着して、成型加工用粘着シートを作成した。
得られた成型加工用粘着シートの粘着剤層面を、厚さ3mmの無色透明なアクリル板(三菱レイヨン株式会社製「アクリライトE」)に貼合し積層体とした。得られた積層体を、真空成型機「FORMECH300X」(成光産業株式会社製)を用いて、熱板温度200℃でピラミッド型(正四角柱の上部を底面に平行に切断した形状で、切断した上面が一辺7cmの正方形、底面が一辺15cmの正方形、高さが8cm)に真空成型し、着色成型体を得た。
得られた着色成型体について、成型加工性、耐溶剤性、耐候性、被着体剥れ、及び成型後シート剥離の評価を行い、成型加工用粘着シートについて、粘着力の評価を行った。評価方法を以下に、試験結果を表4に示す。
成型加工性:着色成型体の外観の状態を、目視にて5段階(5:優れている、4:やや優れる、3:普通(異常なし)、2:やや異常(割れ、裂けが発生)、1:異常(著しい割れ、裂けが発生))で評価した。
耐溶剤性:イソプロピルアルコール中に、標準状態下で1時間着色成型体を浸漬し、浸漬前後の着色成型体の外観変化を、目視にて5段階(5:全く変化無し、4:僅かに変化有り、3:変化有るが普通、2:劣化、1:著しく劣化)で評価した。
促進耐候性試験:JIS B7750規定の紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験機(スガ試験機株式会社製)で、JIS K5400 6.17に準拠した試験を行い、2000時間経過後の着色成型体の外観変化を目視にて5段階(5:変化無し、4:僅かに変化有り、3:変化有り、2:劣化、1:著しく劣化)で評価した。
被着体剥れ:着色成型体をプログラム恒温槽で−20℃で2時間と80℃で2時間の冷熱サイクル試験を10回実施し、着色成型体からの成型用フィルムの被着体剥れを観察し3段階(3:剥れ無し、2:一部剥れた、1:全部剥れた)で評価した。
成型後シート剥離:成型後の成型体上にカッターで2cm×10cmの切り込みを入れて、切れ目からのシートのはがし易さを感覚的に5段階(5:非常に剥がし易い、4:剥がし易い、3:剥がせる、2:剥がしくい、1:剥がれない)で評価した。
永久粘着力:JIS規格 Z0237に記載される方法に準じて試験を行い、厚さ3mmの無色透明なアクリル板(三菱レイヨン株式会社製「アクリライトE」)に対する成型加工用シートの永久粘着力を求めた。
Figure 2005255892

Claims (11)

  1. イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物(B1)、イソシアネート基がブロックされているブロックポリイソシアネート化合物(B2)および着色剤(C)を含む樹脂組成物の硬化物からなる成型加工用シートであり、前記ポリイソシアネート化合物(B1)のイソシアネート基数とブロックポリイソシアネート化合物(B2)の潜在イソシアネート基数の比率が80:20〜1:99であることを特徴とする成型加工用シート。
  2. 樹脂組成物が、更に、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(D)を含むことを特徴とする請求項1記載の成型加工用シート。
  3. 成型前の架橋点間分子量が7500〜150000であることを特徴とする請求項1または2記載の成型加工用シート。
  4. ブロックポリイソシアネート化合物(B2)の解離温度が100℃〜200℃であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の成型加工用シート。
  5. ポリイソシアネート化合物(B1)がイソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の成型加工用シート。
  6. 重合体(A)が、不飽和二塩基酸とエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体との共重合体(a)と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(b)との縮合反応により得られるグラフト重合体であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の成型加工用シート。
  7. 共重合体(a)のガラス転移温度が0〜180℃であることを特徴とする請求項6記載の成型加工用シート。
  8. 重合体(A)の側鎖にあるイソシアネート基と反応可能な官能基が水酸基であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の成型加工用シート。
  9. 請求項1乃至8いずれか1項に記載の成型加工用シートの片面に、粘着剤層が積層され、その粘着剤の永久粘着力が7〜15N/25mmであることを特徴とする成型加工用粘着シート。
  10. 熱可塑性樹脂基材上に、請求項1乃至8いずれか1項に記載の成型加工用シートを積層し、成型してなる着色成型体。
  11. 熱可塑性樹脂基材上に、請求項9記載の成型加工用粘着シートを、該成型加工用粘着シートの粘着剤層が前記熱可塑性樹脂基材と接するように積層し、成型してなる着色成型体。
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