JP2022099724A - 樹脂硬化物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる樹脂硬化物を提供する。【解決手段】樹脂硬化物は、イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させてなり、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有し、前記樹脂硬化物中において、架橋構造を形成していない活性水素基のモル量に対する、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量の比が1.01以上である。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂硬化物及びその製造方法に関する。
熱硬化型のポリウレタン及びポリウレアは、有機構造上、分子間の水素結合による強固なハードセグメント部位を持つため、耐薬品性や耐摩耗性等に優れた樹脂である。特に、脂肪族ジイソシアネートや脂環式ジイソシアネートから得られるポリイソシアネート組成物を硬化剤として用いた場合には、耐候性にも優れた性能を示すことから、2液硬化型樹脂として幅広く使われている。一方で、ポリウレタン及びウレア樹脂組成物を形成した後、そこから更に熱により樹脂を加工するような使い方をする場合がある。その際に必要になる性能としては、樹脂そのものが成型しやすいことや、加工時の周辺樹脂との密着性が挙げられる。
成型された樹脂の後加工方法としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン中に、光反応性の二重結合を導入することで、樹脂を後からラジカル重合させる方法(例えば、特許文献1等参照)等が挙げられ、当該方法で得られた樹脂は、引張応力の向上効果を示す。
特許文献1では、紫外光線の照射により、樹脂同士の架橋を進行させているが、熱による架橋では無く、設備上、より限定された環境でのみ使用可能である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる樹脂硬化物及びその製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させてなり、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する、樹脂硬化物であって、
前記樹脂硬化物中において、架橋構造を形成していない活性水素基のモル量に対する、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量の比が1.01以上である、樹脂硬化物。
(2) 前記ブロックポリイソシアネートが下記一般式(I)で表される化合物である、(1)に記載の樹脂硬化物。
(1) イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させてなり、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する、樹脂硬化物であって、
前記樹脂硬化物中において、架橋構造を形成していない活性水素基のモル量に対する、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量の比が1.01以上である、樹脂硬化物。
(2) 前記ブロックポリイソシアネートが下記一般式(I)で表される化合物である、(1)に記載の樹脂硬化物。
(一般式(I)中、R11はイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。X11は前記ブロック剤に由来する構造単位である。m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。)
(3) 前記ブロックイソシアネートが、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物と、ブロック剤と、から誘導される、(1)又は(2)に記載の樹脂硬化物。
(4) イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を混合して、樹脂組成物を得る工程1と、
前記樹脂組成物を硬化させて、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する樹脂硬化物を得る工程2と、
を含み、
前記工程1において、前記活性水素含有化合物の活性水素基のモル量に対する、前記ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量の比が、0.91以上となるように、前記ポリイソシアネート成分と、前記活性水素含有化合物と、を混合する、樹脂硬化物の製造方法。
(4) イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を混合して、樹脂組成物を得る工程1と、
前記樹脂組成物を硬化させて、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する樹脂硬化物を得る工程2と、
を含み、
前記工程1において、前記活性水素含有化合物の活性水素基のモル量に対する、前記ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量の比が、0.91以上となるように、前記ポリイソシアネート成分と、前記活性水素含有化合物と、を混合する、樹脂硬化物の製造方法。
上記態様の樹脂硬化物及びその製造方法によれば、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる樹脂硬化物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、一分子中に2つ以上のヒドロキシ基(-OH)を有する化合物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(-NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(-NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
≪樹脂硬化物≫
本実施形態の樹脂硬化物は、イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネート(以下、「部分ブロックポリイソシアネート」と称する場合がある)を含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させてなるものである。
本実施形態の樹脂硬化物は、分子構造骨格中にウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する。本実施形態の樹脂硬化物中において、ウレタン基及びウレア基は、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基と活性水素含有化合物の活性水素基との反応により形成された架橋構造である。
本実施形態の樹脂硬化物は、イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネート(以下、「部分ブロックポリイソシアネート」と称する場合がある)を含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させてなるものである。
本実施形態の樹脂硬化物は、分子構造骨格中にウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する。本実施形態の樹脂硬化物中において、ウレタン基及びウレア基は、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基と活性水素含有化合物の活性水素基との反応により形成された架橋構造である。
本実施形態の樹脂硬化物中において、架橋構造を形成していない活性水素基のモル量(XH)に対する、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)の比(BL/XH)が1.01以上であり、1.03以上が好ましく、1.05以上がより好ましく、2.00以上がさらに好ましく、3.00以上が特に好ましく、4.00以上が最も好ましい。
BL/XHが上記下限値以上であることで、固形樹脂との密着性を優れたものとすることができる。
一方で、BL/XHの上限値は特に限定されず、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基が存在するのに対して、架橋構造を形成していない活性水素基がほとんど存在しない、すなわち、本実施形態の樹脂硬化物において、活性水素含有化合物中の活性水素基は全てウレタン基やウレア基等の架橋構造を形成していることが好ましいが、例えば、1000、500、300等とすることができる。
BL/XHが上記下限値以上であることで、固形樹脂との密着性を優れたものとすることができる。
一方で、BL/XHの上限値は特に限定されず、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基が存在するのに対して、架橋構造を形成していない活性水素基がほとんど存在しない、すなわち、本実施形態の樹脂硬化物において、活性水素含有化合物中の活性水素基は全てウレタン基やウレア基等の架橋構造を形成していることが好ましいが、例えば、1000、500、300等とすることができる。
なお、ここでいう「架橋構造を形成していない活性水素基」とは、樹脂硬化物中において、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基等の架橋性官能基と架橋構造を形成せずに残存している活性水素基を指す。
また、「ブロック剤でブロックされているイソシアネート基」とは、樹脂硬化物中において、ブロック剤で保護されたままの状態のイソシアネート基であって、活性水素含有化合物との架橋反応が進まずに残存している基を指す。
BL/XHが上記数値範囲内となる樹脂硬化物は、例えば、以下に示す製造方法によって、製造することができる。
すなわち、本実施形態の樹脂硬化物の製造方法は、
イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を混合して、樹脂組成物を得る工程1と、
前記樹脂組成物を硬化させて、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する樹脂硬化物を得る工程2と、
を含み、
前記工程1において、前記活性水素含有化合物の活性水素基のモル量(YH)に対する、前記ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)の比が、0.91以上となるように、前記ポリイソシアネート成分と、前記活性水素含有化合物と、を混合する。
すなわち、本実施形態の樹脂硬化物の製造方法は、
イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を混合して、樹脂組成物を得る工程1と、
前記樹脂組成物を硬化させて、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する樹脂硬化物を得る工程2と、
を含み、
前記工程1において、前記活性水素含有化合物の活性水素基のモル量(YH)に対する、前記ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)の比が、0.91以上となるように、前記ポリイソシアネート成分と、前記活性水素含有化合物と、を混合する。
NCO/YHが上記下限値以上であることで、耐衝撃性をより優れたものとすることができる。また、NCO/YHを上記下限値以上とすることで、得られる樹脂硬化物中において、架橋構造を形成していない活性水素基のモル量(XH)を低減することができ、BL/XHが上記数値範囲内となる樹脂硬化物が得られる。
一方で、NCO/YHの上限値は特に限定されず、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基は、樹脂硬化物製造時において全て架橋構造を形成するために消費されることが好ましく、活性水素含有化合物の活性水素基と同程度のモル数含まれることが好ましいが、例えば、1.50、1.30、1.10等とすることができる。
一方で、NCO/YHの上限値は特に限定されず、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基は、樹脂硬化物製造時において全て架橋構造を形成するために消費されることが好ましく、活性水素含有化合物の活性水素基と同程度のモル数含まれることが好ましいが、例えば、1.50、1.30、1.10等とすることができる。
なお、ここでいう「活性水素含有化合物の活性水素基」とは、原料である活性水素含有化合物に含まれる活性水素基であって、上記工程2において、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基等の架橋性官能基と架橋構造を形成する活性水素基を指す。
また、「ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基」とは、原料であるポリイソシアネート成分に含まれる各種ポリイソシアネートのイソシアネート基においてブロック剤でブロックされていないイソシアネート基を指す。
例えば、部分ブロックポリイソシアネート製造時に、原料ポリイソシアネートのイソシアネートの総モル量よりも少ないモル量のブロック剤を用いることで、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基を形成することができる。或いは、部分ブロックポリイソシアネートにブロック剤と未反応のポリイソシアネートを混合することでも、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基を形成することができる。
原料ポリイソシアネートのイソシアネートの総モル量(全NCO)と、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)とポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)と、の関係は、以下の式で表すことができる。
例えば、部分ブロックポリイソシアネート製造時に、原料ポリイソシアネートのイソシアネートの総モル量よりも少ないモル量のブロック剤を用いることで、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基を形成することができる。或いは、部分ブロックポリイソシアネートにブロック剤と未反応のポリイソシアネートを混合することでも、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基を形成することができる。
原料ポリイソシアネートのイソシアネートの総モル量(全NCO)と、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)とポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)と、の関係は、以下の式で表すことができる。
「原料ポリイソシアネートのイソシアネートの総モル量(全NCO)」
=(ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL))+(ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO))
=(ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL))+(ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO))
BL/XHは、例えば、BL及びXHをそれぞれ測定して、BLをXHで除することで算出することができる。
ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)は、原料として用いたポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされているイソシアネート基が、樹脂硬化物中でもそのまま残存していると考えられることから、原料として用いたポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量を、BLとして用いることができる。そのため、BLの測定方法としては、例えば、部分ブロックポリイソシアネートのブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、ブロック剤のモル数をガスクロマトグラフィー質量分析測定することにより定量することができる。
架橋構造を形成していない活性水素基のモル量(XH)は、例えば、原料であるポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基が全て、活性水素含有化合物の活性水素基と架橋構造を形成するものと仮定して、原料である活性水素含有化合物の活性水素基のモル量(YH)から、原料であるポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)を差し引くことで、算出することができる。
NCO/YHは、例えば、NCO及びYHをそれぞれ測定して、NCOをYHで除することで算出することができる。
ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)は、例えば、原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の総モル量(全NCO)から、上記ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)を差し引くことで算出することができる。
原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の総モル量(全NCO)は、例えば、以下の式により算出することができる。式中、「NCO含有率」は、原料ポリイソシアネートの全質量に対するイソシアネート基の含有率(質量%)である。NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量(g/mol)である。
原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の総モル量(全NCO)は、例えば、以下の式により算出することができる。式中、「NCO含有率」は、原料ポリイソシアネートの全質量に対するイソシアネート基の含有率(質量%)である。NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量(g/mol)である。
「全NCO」
= {(原料ポリイソシアネートの数平均分子量)×(NCO含有率)×0.01)}/42
= {(原料ポリイソシアネートの数平均分子量)×(NCO含有率)×0.01)}/42
活性水素含有化合物の活性水素基のモル量(YH)は、例えば、以下の式により算出することができる。式中、「OH含有率」は、活性水素含有化合物の全質量に対する水酸基の含有率(質量%)である。OH含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「17」は水酸基の式量(g/mol)である。
「YH」
= {(活性水素含有化合物の数平均分子量)×(OH含有率)×0.01}/17
= {(活性水素含有化合物の数平均分子量)×(OH含有率)×0.01}/17
本実施形態の樹脂硬化物の形態としては、例えば、厚みのあるシート状、薄いフィルム状、ビーズ等の球状、粉末状等が挙げられるが、その大きさや厚さは上記例に限定されない。
本実施形態の樹脂硬化物は、上記構成を有することで、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる。
本実施形態の樹脂硬化物は、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基を有し、加熱等によりイソシアネート基の反応性を回復させて、他の固体等の形状の樹脂中の活性水素基と、さらに架橋構造を形成することができる。そのため、本実施形態の樹脂硬化物は、一次樹脂硬化物ということもできる。さらに、当該一次樹脂硬化物を、加熱等を行いながら、他の固体等の形状の樹脂と接触させて硬化させたものを、二次樹脂硬化物ということもでき、当該二次樹脂硬化物と他の固体等の形状の樹脂との積層体を、二次樹脂硬化物の積層体ということもできる。
以下、本実施形態の樹脂硬化物の各構成成分について説明する。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂硬化物の原料となる樹脂組成物は、部分ブロックポリイソシアネートと、活性水素含有化合物と、を含む。
本実施形態の樹脂硬化物の原料となる樹脂組成物は、部分ブロックポリイソシアネートと、活性水素含有化合物と、を含む。
[ポリイソシアネート成分]
ポリイソシアネート成分は、部分ブロックポリイソシアネートを含む。
部分ブロックポリイソシアネートは、下記一般式(I)で表される部分ブロックポリイソシアネート(以下、「部分ブロックポリイソシアネート(I)」と称する場合がある)であることが好ましい。
ポリイソシアネート成分は、部分ブロックポリイソシアネートを含む。
部分ブロックポリイソシアネートは、下記一般式(I)で表される部分ブロックポリイソシアネート(以下、「部分ブロックポリイソシアネート(I)」と称する場合がある)であることが好ましい。
(一般式(I)中、R11は前記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。X11は前記ブロック剤に由来する構造単位である。m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。)
部分ブロックポリイソシアネート(I)は、ポリイソシアネートとブロック剤とから誘導されたものであり、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の一部がブロック剤で封鎖されて構成されている。
一般式(I)に示すように、ブロック剤に由来する構造単位であるX11は、ブロック剤の活性水素とイソシアネート基との反応により形成されたアミド結合を介して、イソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基であるR11に結合している。
(R11)
R11は、上記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。すなわち、R11は、特定の官能基を含んでもよい脂肪族アルキル基及び脂環族アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキル基である。特定の官能基としては、例えば、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基等が挙げられる。R11におけるアルキル基は、これら官能基を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
R11は、上記イソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基である。すなわち、R11は、特定の官能基を含んでもよい脂肪族アルキル基及び脂環族アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキル基である。特定の官能基としては、例えば、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基等が挙げられる。R11におけるアルキル基は、これら官能基を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
(X11)
X11は、ブロック剤に由来する構造単位であり、ブロック剤から活性水素を除いた残基ともいえる。X11としては、上記「ブロック剤」において例示されたものと同様のブロック剤に由来する構造単位が挙げられる。中でも、X11としては、オキシム系化合物、活性メチレン系化合物、又はピラゾール系化合物に由来する構造単位が好ましく、メチルエチルケトオキシム、ε-カプロラクタム、マロン酸ジエチル、又は3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がより好ましく、3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がさらにより好ましい。
X11は、ブロック剤に由来する構造単位であり、ブロック剤から活性水素を除いた残基ともいえる。X11としては、上記「ブロック剤」において例示されたものと同様のブロック剤に由来する構造単位が挙げられる。中でも、X11としては、オキシム系化合物、活性メチレン系化合物、又はピラゾール系化合物に由来する構造単位が好ましく、メチルエチルケトオキシム、ε-カプロラクタム、マロン酸ジエチル、又は3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がより好ましく、3,5-ジメチルピラゾールに由来する構造単位がさらにより好ましい。
(m及びn)
mは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基のモル数を表している。nは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数を表している。
m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。架橋性の観点から、mは2以上が好ましい。
mは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基のモル数を表している。nは部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数を表している。
m及びnはそれぞれ独立に1以上の任意の整数であり、n/(m+n)は0.01以上0.99以下である。架橋性の観点から、mは2以上が好ましい。
「n/(m+n)」は、部分ブロックポリイソシアネート(I)1分子中のブロック剤で封鎖されていないイソシアネート基のモル数及びブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数の合計モル数に対する、ブロック剤で封鎖されて構成されているイソシアネート基のモル数の割合である。n/(m+n)は0.01以上0.99以下であり、0.1以上0.9以下が好ましく、0.3以上0.9以下がより好ましく、0.5以上0.9以下がさらに好ましく、0.5以上0.8以下が特に好ましい。
好ましい部分ブロックポリイソシアネート(I)としては、例えば、下記一般式(I-1)で表される部分ブロックポリイソシアネート等が挙げられる。
(一般式(I-1)中、R12は上記R11と同じである。m1及びn1はそれぞれ上記m及びnと同じである。)
(ポリイソシアネート)
部分ブロックポリイソシアネートの原料であるポリイソシアネートは、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたものであり、当該イソシアネート化合物の骨格を有する。ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基を含んでもよく、イソシアヌレート基を有することが好ましい。ポリイソシアネートの骨格となるイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、その構造の中にベンゼン環等の芳香族環を含まないものが好ましい。
部分ブロックポリイソシアネートの原料であるポリイソシアネートは、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物から誘導されたものであり、当該イソシアネート化合物の骨格を有する。ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基、ビウレット基、アロファネート基、オキサジアジントリオン基、尿素基、ウレタン基を含んでもよく、イソシアヌレート基を有することが好ましい。ポリイソシアネートの骨格となるイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、その構造の中にベンゼン環等の芳香族環を含まないものが好ましい。
脂肪族イソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、脂肪族モノイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート(トリマートリイソシアネート)等が挙げられる。中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4以上30以下のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と記載する)、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、工業的入手のしやすさから、HDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4以上30以下のものが好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と記載する)、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、工業的入手のしやすさから、HDIが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂環族イソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、脂環族モノイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。中でも、脂環族ジイソシアネートが好ましい。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数8以上30以下のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と記載する)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、耐候性、工業的入手の容易さの観点から、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、炭素数8以上30以下のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と記載する)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、耐候性、工業的入手の容易さの観点から、IPDIが好ましい。脂環族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ポリイソシアネート製造には、反応終了後に、反応混合物中の未反応のジイソシアネート等のイソシアネートモノマーを、例えば、薄膜蒸留装置、溶剤抽出等の公知の方法により回収する。未反応のイソシアネートモノマーの残留量が少なければ、熱硬化時にイソシアネートモノマーに起因する臭気、毒性、又は刺激性等がより回避できる。
(ブロック剤)
ブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、活性水素を分子内に1個有する化合物が挙げられる。このようなブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピラゾール系化合物が挙げられる。これらブロック剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。より具体的なブロック剤の例を下記に示す。
ブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、活性水素を分子内に1個有する化合物が挙げられる。このようなブロック剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、ピラゾール系化合物が挙げられる。これらブロック剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。より具体的なブロック剤の例を下記に示す。
アルコール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール等が挙げられる。
アルキルフェノール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、炭素数4以上のアルキル基を置換基として有するモノ及びジアルキルフェノール類が挙げられる。モノアルキルフェノール類としては、例えば、n-プロピルフェノール、iso-プロピルフェノール、n-ブチルフェノール、sec-ブチルフェノール、tert-ブチルフェノール、n-ヘキシルフェノール、2-エチルヘキシルフェノール、n-オクチルフェノール、n-ノニルフェノール等が挙げられる。ジアルキルフェノール類としては、例えば、ジ-n-プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ-n-ブチルフェノール、ジ-tert-ブチルフェノール、ジ-sec-ブチルフェノール、ジ-n-オクチルフェノール、ジ-2-エチルヘキシルフェノール、ジ-n-ノニルフェノール等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
活性メチレン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。
メルカプタン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
酸アミド系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム等が挙げられる。
酸イミド系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
尿素系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
オキシム系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
アミン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
イミン系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
ピラゾール系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ピラゾール、3-メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール等が挙げられる。
中でも、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物、活性メチレン系化合物、アミン系化合物、及び酸アミド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、貯蔵安定性の観点からはオキシム系化合物、又はピラゾール系化合物がより好ましく、メチルエチルケトオキシム、又は3,5-ジメチルピラゾールがさらにより好ましい。
[その他ポリイソシアネート成分]
ポリイソシアネート成分は、部分ブロックポリイソシアネートに加えて、その他のポリイソシアネートを含んでもよい。
ポリイソシアネート成分は、部分ブロックポリイソシアネートに加えて、その他のポリイソシアネートを含んでもよい。
その他のポリイソシアネートとしては、例えば、ブロックポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の全部がブロック剤で封鎖されて構成されているブロックポリイソシアネート(以下、「全体ブロックポリイソシアネート」と称する場合がある)、ブロックさせていないポリイソシアネート(以下、「未ブロック化ポリイソシアネート」と称する場合がある)等が挙げられる。
中でも、得られる樹脂硬化物の固体樹脂との密着性の向上の観点から、ポリイソシアネート成分は、部分ブロックポリイソシアネートのみを含有することが好ましい。
具体的には、ポリイソシアネート成分中に含まれる、部分ブロックポリイソシアネートの含有量は、部分ブロックポリイソシアネート、全体ブロックポリイソシアネート及び未ブロック化ポリイソシアネートの合計モル量に対して、50モル%以上100モル%以下とすることができ、60モル%以上100モル%以下が好ましく、70モル%以上100モル%以下がより好ましく、80モル%以上100モル%以下がさらに好ましく、90モル%以上100モル%以下が特に好ましい。
部分ブロックポリイソシアネートの含有量が上記範囲内であることで、得られる樹脂硬化物の固体樹脂との密着性をより良好に保つことができる。
具体的には、ポリイソシアネート成分中に含まれる、部分ブロックポリイソシアネートの含有量は、部分ブロックポリイソシアネート、全体ブロックポリイソシアネート及び未ブロック化ポリイソシアネートの合計モル量に対して、50モル%以上100モル%以下とすることができ、60モル%以上100モル%以下が好ましく、70モル%以上100モル%以下がより好ましく、80モル%以上100モル%以下がさらに好ましく、90モル%以上100モル%以下が特に好ましい。
部分ブロックポリイソシアネートの含有量が上記範囲内であることで、得られる樹脂硬化物の固体樹脂との密着性をより良好に保つことができる。
[ポリイソシアネート成分の製造方法]
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとブロック剤とを反応させることで製造できる。
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートとブロック剤とを反応させることで製造できる。
ポリイソシアネート成分の製造方法としては、例えば、ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数に対して、0.1倍以上0.99倍以下のモル量のブロック剤を反応させて、部分ブロックポリイソシアネートのみを含有するポリイソシアネート成分を製造する方法等が挙げられる。
ポリイソシアネートとブロック剤との反応は、公知の方法を用いて行なうことができ、溶剤の有無に関わらず行うことができる。溶剤を用いる場合には、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。また、必要に応じて、触媒を用いてもよい。
溶剤としては、例えば、エステル類、ケトン類、芳香族化合物等が挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられる。芳香族化合物としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
触媒としては、例えば、有機金属塩、3級アンモニウム塩、アルカリ金属のアルコラート等が挙げられる。有機金属塩に用いられる金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム等が挙げられる。
ポリイソシアネートとピラゾール系化合物等のブロック剤との反応温度の下限値は、一般に-20℃であり、0℃が好ましく、30℃がより好ましい。一方、反応温度の上限値は、150℃であり、120℃が好ましく、100℃がより好ましい。
すなわち、反応温度は、-20℃以上150℃以下であり、0℃以上120℃以下が好ましく、30℃以上100℃以下がより好ましい。
反応温度が上記範囲内であることで、副反応がより少なく、適度な反応速度で反応させることができる。
すなわち、反応温度は、-20℃以上150℃以下であり、0℃以上120℃以下が好ましく、30℃以上100℃以下がより好ましい。
反応温度が上記範囲内であることで、副反応がより少なく、適度な反応速度で反応させることができる。
[活性水素含有化合物]
活性水素含有化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物が好ましい。好ましい活性水素含有化合物としては、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、アルカノールアミン化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。中でも、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる樹脂硬化物が得られることから、ポリオール化合物が好ましい。
活性水素含有化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物が好ましい。好ましい活性水素含有化合物としては、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、アルカノールアミン化合物、ポリチオール化合物等が挙げられる。中でも、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる樹脂硬化物が得られることから、ポリオール化合物が好ましい。
(ポリオール化合物)
ポリオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリオール化合物としては、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリカーボネートポリオールが好ましく、アクリルポリオールがより好ましい。
ポリオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリオール化合物としては、延伸性を良好に保ちながら、耐候性及び耐溶剤性が優れるフィルムを得られることから、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリカーボネートポリオールが好ましく、アクリルポリオールがより好ましい。
(1)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
前記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2-メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの製造方法として具体的には、例えば、上記の成分を混合し、次いで、約160℃以上220℃以下で加熱することによって、縮合反応を行う方法等が挙げられる。
又は、ポリエステルポリオールの製造方法として具体的には、例えば、ε-カプロラクトン等のラクトン類を、多価アルコールを用いて開環重合して、ポリカプロラクトンジオール等のポリカプロラクトン類を得る方法が挙げられ、この得られたポリカプロラクトン類をポリエステルポリオールとして用いることができる。
これらのポリエステルポリオールは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらから得られるポリイソシアネートを用いて、変性させることができる。この場合、特に脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらから得られるポリイソシアネートが、耐候性及び耐黄変性等の観点から好ましい。
水系のフィルム形成用組成物として用いる場合には、一部残した二塩基酸等の一部のカルボン酸を残存させておき、アミン、アンモニア等の塩基で中和することで、水溶性又は水分散性の樹脂とすることができる。
(2)アクリルポリオール
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物との共重合体等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独化合物又は混合物との共重合体等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、具体的には、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。中でも、アクリル酸ヒドロキシエチル、又はメタクリル酸ヒドロキシエチルが好ましい。
上記単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、不飽和カルボン酸類、不飽和アミド類、加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類、その他の重合性モノマー等が挙げられる。これらを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和アミド類としては、例えば、アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
その他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。
例えば、上記の単量体成分を、公知の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることもできる。
水系ベースアクリルポリオールを得る場合には、オレフィン性不飽和化合物を溶液重合し、水層に転換する方法や乳化重合等の公知の方法で製造することができる。その場合、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸含有モノマーやスルホン酸含有モノマー等の酸性部分をアミンやアンモニアで中和することによって水溶性又は水分散性を付与することができる。
(3)ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、多価ヒドロキシ化合物の単独化合物又はその混合物に、強塩基性触媒存在下、アルキレンオキサイドの単独化合物又は混合物を添加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;及びこれらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、多価ヒドロキシ化合物の単独化合物又はその混合物に、強塩基性触媒存在下、アルキレンオキサイドの単独化合物又は混合物を添加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;及びこれらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール系化合物、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類等が挙げられる。
糖アルコール系化合物としては、例えば、エリトリトール、D-トレイトール、L-アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等が挙げられる。
単糖類としては、例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等が挙げられる。
二糖類としては、例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等が挙げられる。
三糖類としては、例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等が挙げられる。
四糖類としては、例えば、スタキオース等が挙げられる。
強塩基性触媒としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
(4)ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、水酸基を2個以上有する、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、及び水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、水酸基を2個以上有する、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、及び水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
(5)フッ素ポリオール)
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特開昭57-34107号公報(参考文献1)、特開昭61-275311号公報(参考文献2)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば、特開昭57-34107号公報(参考文献1)、特開昭61-275311号公報(参考文献2)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
(6)ポリカーボネートポリオール
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、低分子カーボネート化合物と、前述のポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。低分子カーボネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、具体的には、低分子カーボネート化合物と、前述のポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールとを、縮重合して得られるものが挙げられる。低分子カーボネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。
(7)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコールエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型樹脂、エポキシ型脂肪酸エステル、多価カルボン酸エステル型エポキシ樹脂、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、β-メチルエピクロ型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、ハロゲン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコールエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型樹脂、エポキシ型脂肪酸エステル、多価カルボン酸エステル型エポキシ樹脂、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、β-メチルエピクロ型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、ハロゲン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(水酸基価)
ポリオール化合物の水酸基価は、架橋密度やフィルムの機械的物性の点で、ポリオール化合物1gあたり5mgKOH/g以上600mgKOH/g以下が好ましく、10mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以上400mgKOH/g以下がさらに好ましい。また、ポリオール化合物の酸価は0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好ましい。なお、水酸基価及び酸価は滴定法に基づいて求めることができる。
ポリオール化合物の水酸基価は、架橋密度やフィルムの機械的物性の点で、ポリオール化合物1gあたり5mgKOH/g以上600mgKOH/g以下が好ましく、10mgKOH/g以上500mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以上400mgKOH/g以下がさらに好ましい。また、ポリオール化合物の酸価は0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好ましい。なお、水酸基価及び酸価は滴定法に基づいて求めることができる。
(ポリアミン化合物)
ポリアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジアミン類、3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類、環状ポリアミン類が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類としては、例えば、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等が挙げられる。環状ポリアミン類としては、例えば、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10-テトラアザシクロデカン、1,4,8,12-テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン等が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジアミン類、3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類、環状ポリアミン類が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類としては、例えば、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等が挙げられる。環状ポリアミン類としては、例えば、1,4,7,10,13,16-ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10-テトラアザシクロデカン、1,4,8,12-テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン等が挙げられる。
(アルカノールアミン化合物)
アルカノールアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ-、ジ-(n-又はイソ-)プロパノールアミン、エチレングリコールービスープロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
アルカノールアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ-、ジ-(n-又はイソ-)プロパノールアミン、エチレングリコールービスープロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
(ポリチオール化合物)
ポリチオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス-(2-ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等が挙げられる。
ポリチオール化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ビス-(2-ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等が挙げられる。
これら活性水素含有化合物は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[その他成分]
樹脂組成物は、その他添加剤を更に含んでもよい。
樹脂組成物は、その他添加剤を更に含んでもよい。
その他添加剤としては、例えば、ポリオールと反応しうるポリイソシアネート組成物以外の硬化剤、硬化触媒、溶剤、顔料類(体質顔料、着色顔料、メタリック顔料等)、光重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル安定剤、焼付工程時の着色を抑える黄変防止剤、塗面調整剤、流動調整剤、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤等が挙げられる。
前記硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ基含有化合物又は樹脂、カルボキシ基含有化合物又は樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物又は樹脂、ヒドラジド化合物等が挙げられる。
前記硬化触媒としては、塩基性化合物であってもよく、ルイス酸性化合物であってもよい。
前記塩基性化合物としては、例えば、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセチネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、オニウム塩のハロゲン化物、活性メチレン系化合物の金属塩、活性メチレン系化合物のオニウム塩、アミノシラン類、アミン類、ホスフィン類等が挙げられる。前記オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩又はスルホニウム塩が好適である。
前記ルイス酸性化合物としては、例えば、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
前記ルイス酸性化合物としては、例えば、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物等が挙げられる。
前記溶剤としては、例えば、1-メチルピロリドン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPDM)、プロピレングリコールジメチルエーテル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、メタノール、iso-プロパノール、1-プロパノール、iso-ブタノール、1-ブタノール、tert-ブタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ペンタン、iso-ペンタン、ヘキサン、iso-ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリット等が挙げられる。これら溶剤を、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、顔料類(体質顔料、着色顔料、メタリック顔料等)、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル安定剤、焼付工程時の着色を抑える黄変防止剤、塗面調整剤、流動調整剤、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤及び造膜助剤としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。
<樹脂硬化物の製造方法>
[工程1:樹脂組成物の製造]
工程1では、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を製造する。
樹脂組成物の製造方法は、NCO/YHが0.91以上となるように、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート成分を混合すればよく、具体的な製造方法は限定されないが、例えば、以下に示す方法により製造できる。
[工程1:樹脂組成物の製造]
工程1では、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を製造する。
樹脂組成物の製造方法は、NCO/YHが0.91以上となるように、活性水素含有化合物及びポリイソシアネート成分を混合すればよく、具体的な製造方法は限定されないが、例えば、以下に示す方法により製造できる。
樹脂組成物が有機溶剤ベースである場合には、例えば、まず、活性水素含有化合物又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、上述したその他添加剤を加えたものに、上記ブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分を硬化剤として、NCO/YHが0.91以上となるように添加する。次いで、必要に応じて、更に有機溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、有機溶剤ベースの樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物が水系ベースである場合には、例えば、まず、活性水素含有化合物又はその水分散体若しくは水溶物に、必要に応じて、上述したその他添加剤を加える。次いで、上記ブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分又はその水分散体を硬化剤としてNCO/YHが0.91以上となるように添加し、必要に応じて、水や溶剤を更に添加して、粘度を調整する。次いで、攪拌機器により強制攪拌することによって、水系ベースの樹脂組成物を得ることができる。
樹脂組成物において、例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法等を用いて、各成分を溶解又は分散混合することができる。
[工程2]
本実施形態の樹脂硬化物は、コーター等により被着体等にコーティングした後、溶剤を加熱除去する方法等で硬化させて得られる。
本実施形態の樹脂硬化物は、コーター等により被着体等にコーティングした後、溶剤を加熱除去する方法等で硬化させて得られる。
コーティング方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の方法を用いることができる。
被着体としては、特別な限定はなく、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材からなるもの等が挙げられる。また、これらの形状は特に限定されず、例えば、フィルム、シート、ボード等の厚みが小さいものであってもよく、円柱、立体構造物等の厚みの大きいものであってもよい。また、チューブ等の中空のものであってもよい。
上述した樹脂組成物中において、ブロックイソシアネートと活性水素含有化合物の反応は、例えば、下記のように行われる。反応温度は、通常、室温(23℃程度)以上200℃以下であり、80℃以上120℃以下が好ましい。反応温度が上記下限値以上であれば、反応時間がより短くなる。一方、上記上限値以下であれば、樹脂組成物中のブロック剤で封鎖されたイソシアネート基の解離を防ぐことができ、BL/XHが1.01以上である樹脂硬化物が得られる。
反応は、無溶媒で行なってもよく、イソシアネート基に不活性な任意の溶媒を用いて行なってもよい。また、必要であれば、イソシアネート基と水酸基の反応を促進するため、公知の触媒を用いてもよい。
<樹脂硬化物の後加工>
本実施形態の樹脂硬化物は、従来公知の方法により後加工できる。
本実施形態の樹脂硬化物は、軽量化、柔軟化、密着性の向上効果を図るため、発泡させてもよい。発泡方法としては、化学的方法、物理的方法、熱膨張型のマイクロバルーンの利用等がある。各々、樹脂硬化物の原料である樹脂組成物中への無機系発泡剤若しくは有機系発泡剤等の化学的発泡剤又は物理的発泡剤等の添加、或いは熱膨張型のマイクロバルーンの添加等により材料内部に気泡を分布させることができる。
また、樹脂硬化物の原料である樹脂組成物中に中空フィラー(既膨張バルーン)を添加することにより、軽量化、柔軟化、密着性の向上を図ってもよい。
本実施形態の樹脂硬化物は、従来公知の方法により後加工できる。
本実施形態の樹脂硬化物は、軽量化、柔軟化、密着性の向上効果を図るため、発泡させてもよい。発泡方法としては、化学的方法、物理的方法、熱膨張型のマイクロバルーンの利用等がある。各々、樹脂硬化物の原料である樹脂組成物中への無機系発泡剤若しくは有機系発泡剤等の化学的発泡剤又は物理的発泡剤等の添加、或いは熱膨張型のマイクロバルーンの添加等により材料内部に気泡を分布させることができる。
また、樹脂硬化物の原料である樹脂組成物中に中空フィラー(既膨張バルーン)を添加することにより、軽量化、柔軟化、密着性の向上を図ってもよい。
さらに、本実施形態の樹脂硬化物は、上述したように、架橋構造の形成に用いられていないブロック剤でブロックされたイソシアート基が残存していることから、活性水素基を有するその他の固形樹脂と加熱しながら接触させることで、樹脂硬化物と固形樹脂とを密着させた積層体を形成することができる。
樹脂硬化物と固形樹脂との接触方法としては、例えば、予め成形された被着体に対して、その表面に貼り付ける方法、或いは、公知の成形方法にて、物品を成形すると同時に表面に貼り付ける方法等が挙げられる。予め成形された被着体に対する貼付方法の具体例としては、真空成形、圧空成形、真空及び圧空成形、ラミネート等が挙げられる。また、物品を成形すると同時に表面に貼り付ける方法の具体例としては、インモールド成形、フィルムインサート成形等が挙げられる。
樹脂硬化物と固形樹脂とを接触させた状態での加熱温度は、50℃以上180℃以下とすることが望ましい。加熱温度は50℃以上170℃以下が好ましく、50℃以上160℃以下がより好ましく、100℃以上150℃以下が特に好ましい。加熱温度が上記範囲であることにより、ブロック剤で封鎖されたイソシアネート基が解離し、固形樹脂中の活性水素基との反応により、架橋が形成され、耐衝撃性に優れる積層体が得られる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいて更に詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
合成例で得られたポリイソシアネート成分の物性の測定方法、並びに実施例及び比較例で得られた樹脂硬化物の評価方法を以下に示す。
<物性の測定方法及び評価方法>
[物性1]
(イソシアネート基(NCO)含有率)
イソシアネート基(NCO)含有率は以下の方法を用いて求めた。なお、ポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定試料として用いた。
[物性1]
(イソシアネート基(NCO)含有率)
イソシアネート基(NCO)含有率は以下の方法を用いて求めた。なお、ポリイソシアネート成分においてブロックポリイソシアネートを含む場合には、加熱等によりブロック剤を解離させた後、測定試料として用いた。
まず、フラスコにポリイソシアネート成分2g以上3g以下を精秤した(Wg)。次いで、トルエン20mLを添加し、ブロック剤解離後のポリイソシアネート成分を溶解した。次いで、2規定のジ-n-ブチルアミンのトルエン溶液20mLを添加し、混合後、15分間室温放置した。次いで、イソプロピルアルコール70mLを加え、混合した。次いで、この液を1規定塩酸溶液(ファクターF)で、指示薬に滴定した。得られた滴定値をV2mLとした。次いで、同様の操作をポリイソシアネート成分なしで行い、得られた滴定値をV1mlとした。次いで、下記式からブロック剤解離後のポリイソシアネート成分のイソシアネート基(NCO)含有率(イソシアネート基(NCO)含有率)X1(質量%)を算出した。
「イソシアネート基(NCO)含有率X1(質量%)」
= (V1-V2)×F×42/(W×1000)×100
= (V1-V2)×F×42/(W×1000)×100
[物性2]
(固形分)
アルミニウム製カップの質量を精秤(W0g)し、ポリイソシアネート成分(試料)約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量を精秤した(W1g)。上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で1時間加熱した。上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した(W2g)。精秤した各質量を用いて、下記式から試料中の乾燥残分の質量%を固形分として算出した。
(固形分)
アルミニウム製カップの質量を精秤(W0g)し、ポリイソシアネート成分(試料)約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量を精秤した(W1g)。上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で1時間加熱した。上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した(W2g)。精秤した各質量を用いて、下記式から試料中の乾燥残分の質量%を固形分として算出した。
「固形分(質量%)」 = (W2-W0)/(W1-W0)×100
[物性3]
(粘度)
E型粘度計を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりで設定した。
(粘度)
E型粘度計を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりで設定した。
(回転数)
100r.p.m.( 128mPa・s未満の場合)
50r.p.m.( 128mPa・s以上 256mPa・s未満の場合)
20r.p.m.( 256mPa・s以上 640mPa・s未満の場合)
10r.p.m.( 640mPa・s以上 1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m.( 1280mPa・s以上 2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m.( 2560mPa・s以上 5120mPa・s未満の場合)
1.0r.p.m.( 5120mPa・s以上10240mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m.(10240mPa・s以上20480mPa・s未満の場合)
100r.p.m.( 128mPa・s未満の場合)
50r.p.m.( 128mPa・s以上 256mPa・s未満の場合)
20r.p.m.( 256mPa・s以上 640mPa・s未満の場合)
10r.p.m.( 640mPa・s以上 1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m.( 1280mPa・s以上 2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m.( 2560mPa・s以上 5120mPa・s未満の場合)
1.0r.p.m.( 5120mPa・s以上10240mPa・s未満の場合)
0.5r.p.m.(10240mPa・s以上20480mPa・s未満の場合)
[物性4]
(数平均分子量)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量及び重量平均分子量である。ポリイソシアネート成分の数平均分子量を測定するために、ブロック剤によるブロック化前のポリイソシアネートを測定試料として用いた。測定条件を以下に示す。
(数平均分子量)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量及び重量平均分子量である。ポリイソシアネート成分の数平均分子量を測定するために、ブロック剤によるブロック化前のポリイソシアネートを測定試料として用いた。測定条件を以下に示す。
(測定条件)
装置:東ソー(株)製、HLC-802A
カラム:東ソー(株)製、G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
装置:東ソー(株)製、HLC-802A
カラム:東ソー(株)製、G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラヒドロフラン
検出方法:示差屈折計
[物性5]
(BL/XH及びNCO/YH)
(1)BL/XH
BL/XHは、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)及び架橋構造を形成していない活性水素基のモル量(XH)をそれぞれ測定して、BLをXHで除することで算出した。
具体的には、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)は、部分ブロックポリイソシアネートのブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、ブロック剤のモル数をガスクロマトグラフィー質量分析測定することにより定量することができる。
(BL/XH及びNCO/YH)
(1)BL/XH
BL/XHは、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)及び架橋構造を形成していない活性水素基のモル量(XH)をそれぞれ測定して、BLをXHで除することで算出した。
具体的には、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)は、部分ブロックポリイソシアネートのブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、ブロック剤のモル数をガスクロマトグラフィー質量分析測定することにより定量することができる。
架橋構造を形成していない活性水素基のモル量(XH)は、原料であるポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基が全て、活性水素含有化合物の活性水素基と架橋構造を形成するものと仮定して、原料である活性水素含有化合物の活性水素基のモル量(YH)から、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)を差し引くことで、算出した。YH及びNCOの算出方法はそれぞれ後述するとおりである。
(2)NCO/YH
NCO/YHは、例えば、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)及び樹脂硬化物中の架橋構造を形成している活性水素基のモル量(YH)をそれぞれ測定して、NCOをYHで除することで算出した。
NCO/YHは、例えば、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)及び樹脂硬化物中の架橋構造を形成している活性水素基のモル量(YH)をそれぞれ測定して、NCOをYHで除することで算出した。
具体的には、ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量(NCO)は、例えば、原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の総モル量(全NCO)から、上記ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量(BL)を差し引くことで算出した。
なお、原料ポリイソシアネートのイソシアネート基の総モル量(全NCO)は、以下の式により算出した。式中、「NCO含有率」は、原料ポリイソシアネートの全質量に対するイソシアネート基の含有率(質量%)である。すなわち、上記「物性1」において算出されたX1(質量%)を用いた。NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「42」はイソシアネートの式量(g/mol)である。
「全NCO」
= {(原料ポリイソシアネートの数平均分子量)×(NCO含有率)×0.01)}/42
= {(原料ポリイソシアネートの数平均分子量)×(NCO含有率)×0.01)}/42
活性水素含有化合物の活性水素基のモル量(YH)は、例えば、以下の式により算出することができる。式中、「OH含有率」は、活性水素含有化合物の全質量に対する水酸基の含有率(質量%)である。OH含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率に乗じている。「17」は水酸基の式量(g/mol)である。
「YH」
= {(活性水素含有化合物の数平均分子量)×(OH含有率)×0.01}/17
= {(活性水素含有化合物の数平均分子量)×(OH含有率)×0.01}/17
[物性6]
(ブロック化率)
ポリイソシアネート成分におけるブロック化率は以下の式より求めた。
(ブロック化率)
ポリイソシアネート成分におけるブロック化率は以下の式より求めた。
「ブロック化率」 = (ブロック剤モル数)/(イソシアネート基モル数)×100
なお、上記式中の、「イソシアネート基モル数」は、加熱処理にてブロック剤を解離させた後のポリイソシアネート成分における単位質量あたりのイソシアネート基モル数であり、上記「物性1」で算出されたNCO含有率(X1)及び上記「物性4」で測定されたポリイソシアネート成分の数平均分子量(Mn)を用いて、以下の式にて定量した。ここで、NCO含有率を百分率から小数に換算するために「0.01」をNCO含有率(X1)に乗じている。「42」はイソシアネートの式量である。
「イソシアネート基モル数」 = (Mn×X1×0.01)/42
また、上記式中の、「ブロック剤モル数」は、ブロック剤解離時のブロック剤をトラップし、ブロック剤のモル数をガスクロマトグラフィー質量分析測定により定量した。
[評価1]
(常温での樹脂の成形性)
成形性評価用の各樹脂硬化物の製造時に、当該樹脂硬化物を成形できるかを、以下の評価基準に従い、評価した。
(常温での樹脂の成形性)
成形性評価用の各樹脂硬化物の製造時に、当該樹脂硬化物を成形できるかを、以下の評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
○:タックなし、樹脂硬化物成形可能
×:タック有、樹脂硬化物成形不可能
○:タックなし、樹脂硬化物成形可能
×:タック有、樹脂硬化物成形不可能
[樹脂膜Fの作製]
アクリルポリオール(Allnex社製、商品名「Setalux1767」、樹脂固形分65質量%、OH%(水酸基含有率):4.5質量%)とイソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「デュラネートTPA-100」)とを、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が0.5となるように混合した液を、膜厚20μmとなるようポリプロピレン板上に塗付し、120℃で30分間焼き付け乾燥させた。その後、23℃、50%湿度環境下で1日間乾燥して、樹脂膜Fを作製した。
アクリルポリオール(Allnex社製、商品名「Setalux1767」、樹脂固形分65質量%、OH%(水酸基含有率):4.5質量%)とイソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「デュラネートTPA-100」)とを、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が0.5となるように混合した液を、膜厚20μmとなるようポリプロピレン板上に塗付し、120℃で30分間焼き付け乾燥させた。その後、23℃、50%湿度環境下で1日間乾燥して、樹脂膜Fを作製した。
[評価2]
(固形樹脂との密着性)
固形樹脂との密着性評価用の各樹脂硬化物と樹脂膜Fとを、500gの重りを載せた状態で、140℃で30分間焼き付けを行った。焼き付け後の各樹脂硬化物と固形樹脂との密着性について以下の評価基準に従い、評価した。
(固形樹脂との密着性)
固形樹脂との密着性評価用の各樹脂硬化物と樹脂膜Fとを、500gの重りを載せた状態で、140℃で30分間焼き付けを行った。焼き付け後の各樹脂硬化物と固形樹脂との密着性について以下の評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
○:手で強く引いた際に剥がれ無し
△:手で強く引いた際に剥がれる程度の付着
×:樹脂同士が付着しない
○:手で強く引いた際に剥がれ無し
△:手で強く引いた際に剥がれる程度の付着
×:樹脂同士が付着しない
[評価3]
(耐衝撃性)
耐衝撃性評価用の各樹脂硬化物の上に、イソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「デュラネートTPA-100」)とアクリルポリオール(Setalux1767)とを、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が0.5となるように混合した液を、膜厚20μmとなるよう塗付し、120℃で30分間焼き付け乾燥させて、樹脂膜を形成させて、鋼板、樹脂硬化物、及び樹脂膜がこの順に積層された積層体を製造した。得られた積層体について、デュポン式衝撃試験機(測定条件:重さ500g、落下高さ30cm、激震R1/4)を用いて、以下の評価基準に従い、耐衝撃性を評価した。
(耐衝撃性)
耐衝撃性評価用の各樹脂硬化物の上に、イソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「デュラネートTPA-100」)とアクリルポリオール(Setalux1767)とを、水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が0.5となるように混合した液を、膜厚20μmとなるよう塗付し、120℃で30分間焼き付け乾燥させて、樹脂膜を形成させて、鋼板、樹脂硬化物、及び樹脂膜がこの順に積層された積層体を製造した。得られた積層体について、デュポン式衝撃試験機(測定条件:重さ500g、落下高さ30cm、激震R1/4)を用いて、以下の評価基準に従い、耐衝撃性を評価した。
(評価基準)
○:樹脂硬化物及び樹脂膜の間や鋼板及び樹脂硬化物の間で割れや浮き無し
×:樹脂硬化物及び樹脂膜の間又は鋼板及び樹脂硬化物の間での割れや浮き有り
○:樹脂硬化物及び樹脂膜の間や鋼板及び樹脂硬化物の間で割れや浮き無し
×:樹脂硬化物及び樹脂膜の間又は鋼板及び樹脂硬化物の間での割れや浮き有り
<原料ポリイソシアネートの合成>
[合成例1]
(ポリイソシアネート前駆体A-1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部を添加後、反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、反応液のイソシアネート含有率が38.7質量%となった時点で、燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-1のイソシアネート基含有率は21.7質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は2,700mPa・sであった。
[合成例1]
(ポリイソシアネート前駆体A-1の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部を添加後、反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、反応液のイソシアネート含有率が38.7質量%となった時点で、燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-1のイソシアネート基含有率は21.7質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は2,700mPa・sであった。
[合成例2]
(ポリイソシアネート前駆体A-2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:700質量部、IPDI:300質量部、及び3価アルコールであるポリカプロラクトンポリオール系ポリエステルポリオール(ダイセル化学社製、「プラクセル303」(商品名)、分子量300):30質量部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、反応液のイソシアネート含有率が36.2質量%となった時点で、燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-2のイソシアネート基含有率は18.7質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は180,000mPa・sであった。
(ポリイソシアネート前駆体A-2の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:700質量部、IPDI:300質量部、及び3価アルコールであるポリカプロラクトンポリオール系ポリエステルポリオール(ダイセル化学社製、「プラクセル303」(商品名)、分子量300):30質量部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を80℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、反応液のイソシアネート含有率が36.2質量%となった時点で、燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-2のイソシアネート基含有率は18.7質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は180,000mPa・sであった。
[合成例3]
(ポリイソシアネート前駆体A-3の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部、及び3価アルコールであるポリカプロラクトンポリオール系ポリエステルポリオール(ダイセル化学社製、「プラクセル303」(商品名)、分子量300):30質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、所定の収率になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-3のイソシアネート基含有率は19.2質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は9,500mPa・sであった。
(ポリイソシアネート前駆体A-3の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部、及び3価アルコールであるポリカプロラクトンポリオール系ポリエステルポリオール(ダイセル化学社製、「プラクセル303」(商品名)、分子量300):30質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、所定の収率になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-3のイソシアネート基含有率は19.2質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は9,500mPa・sであった。
[合成例4]
(ポリイソシアネート前駆体A-4の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部、及び2-エチル-1-ヘキサノール:60質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に2時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を90℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、所定の収率になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-4のイソシアネート基含有率は17.8質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は400mPa・sであった。
(ポリイソシアネート前駆体A-4の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600質量部、及び2-エチル-1-ヘキサノール:60質量部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃に2時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を90℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、所定の収率になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。反応生成物の数平均分子量をGPCで測定し、イソシアネート基含有率を滴定で測定することにより、ポリイソシアネートの生成を確認した。得られたポリイソシアネート前駆体A-4のイソシアネート基含有率は17.8質量%、固形分は100質量%、25℃における粘度は400mPa・sであった。
合成した各ポリイソシアネート前駆体の物性を表1に示す。
<ポリイソシアネート成分の製造>
[製造例1]
(ポリイソシアネート成分P-1の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、合成例1にて得られたポリイソシアネート前駆体A-1:100gを仕込んで、攪拌下80℃に加温し、ブロック剤として、3,5-ジメチルピラゾール(以下、「Pz」と略記する場合がある)を、ポリイソシアネート前駆体p-1中のイソシアネート基のモル数に対して0.33倍モル量、徐々に加えた。すべて加えた後で、さらに1時間攪拌することで、ポリイソシアネート成分P-1を得た。
[製造例1]
(ポリイソシアネート成分P-1の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、合成例1にて得られたポリイソシアネート前駆体A-1:100gを仕込んで、攪拌下80℃に加温し、ブロック剤として、3,5-ジメチルピラゾール(以下、「Pz」と略記する場合がある)を、ポリイソシアネート前駆体p-1中のイソシアネート基のモル数に対して0.33倍モル量、徐々に加えた。すべて加えた後で、さらに1時間攪拌することで、ポリイソシアネート成分P-1を得た。
[製造例2~6、9、及び11]
(ポリイソシアネート成分P-2~P-6、P-9、及びP-11の製造)
使用するポリイソシアネート前駆体及びブロック剤の種類、並びに、得られるポリイソシアネート成分中においてブロック剤によりブロックされたイソシアネート基の含有量(モル%)及びブロック化剤でブロックされていないイソシアネート基の含有量(モル%)が表2~表3に記載のとおりとなるようにした以外は、製造例1と同様の方法を用いて、各ポリイソシアネート成分を製造した。
(ポリイソシアネート成分P-2~P-6、P-9、及びP-11の製造)
使用するポリイソシアネート前駆体及びブロック剤の種類、並びに、得られるポリイソシアネート成分中においてブロック剤によりブロックされたイソシアネート基の含有量(モル%)及びブロック化剤でブロックされていないイソシアネート基の含有量(モル%)が表2~表3に記載のとおりとなるようにした以外は、製造例1と同様の方法を用いて、各ポリイソシアネート成分を製造した。
[製造例7~8]
(ポリイソシアネート成分P-7~P-8)
ポリイソシアネート前駆体A-1及びA-2をそのままポリイソシアネート成分P-7及びP-8として使用した。
(ポリイソシアネート成分P-7~P-8)
ポリイソシアネート前駆体A-1及びA-2をそのままポリイソシアネート成分P-7及びP-8として使用した。
[製造例10]
(ポリイソシアネート成分P-10の製造)
製造例7で得られたポリイソシアネート成分P-7:100g及び製造例9で得られたポリイソシアネート成分P-9:97.5を混合することで、ポリイソシアネート成分P-10を調製した。
(ポリイソシアネート成分P-10の製造)
製造例7で得られたポリイソシアネート成分P-7:100g及び製造例9で得られたポリイソシアネート成分P-9:97.5を混合することで、ポリイソシアネート成分P-10を調製した。
各ポリイソシアネート成分の組成及び物性を以下の表2~表3に示す。
なお、表2~表3中、「Pz」とは、3,5-ジメチルピラゾールであり、「Ox」とは、メチルエチルケトオキシムである。
なお、表2~表3中、「Pz」とは、3,5-ジメチルピラゾールであり、「Ox」とは、メチルエチルケトオキシムである。
<樹脂硬化物の製造>
[実施例1]
(1)樹脂組成物S-a1の製造
アクリルポリオール樹脂(Allnex社製、商品名「Setalux1152」、樹脂固形分61質量%、OH%(水酸基含有率):4.2質量%):100質量部に対して、ポリイソシアネート成分P-1:45.83質量部を加えて、樹脂組成物S-a1を製造した。
[実施例1]
(1)樹脂組成物S-a1の製造
アクリルポリオール樹脂(Allnex社製、商品名「Setalux1152」、樹脂固形分61質量%、OH%(水酸基含有率):4.2質量%):100質量部に対して、ポリイソシアネート成分P-1:45.83質量部を加えて、樹脂組成物S-a1を製造した。
(2)樹脂硬化物C-a1-1の製造
樹脂組成物S-a1を、樹脂硬化物としたときの厚さが150μmとなるようポリプロピレン上に積層した。その後、23℃、50%湿度の条件下、10日間乾燥させて、成形性及び固形樹脂との密着性を評価するための樹脂硬化物C-a1-1を製造した。
樹脂組成物S-a1を、樹脂硬化物としたときの厚さが150μmとなるようポリプロピレン上に積層した。その後、23℃、50%湿度の条件下、10日間乾燥させて、成形性及び固形樹脂との密着性を評価するための樹脂硬化物C-a1-1を製造した。
(3)樹脂硬化物C-a1-2の製造
樹脂組成物S-a1を、樹脂硬化物としたときの厚さが100μmとなるよう鋼板上に積層した。その後、23℃、50%湿度環境下で7日間乾燥してさせて、耐衝撃性を評価するための樹脂硬化物C-a1-2を製造した。
樹脂組成物S-a1を、樹脂硬化物としたときの厚さが100μmとなるよう鋼板上に積層した。その後、23℃、50%湿度環境下で7日間乾燥してさせて、耐衝撃性を評価するための樹脂硬化物C-a1-2を製造した。
[実施例2~7及び比較例1~6]
(1)樹脂組成物S-a2~S-a7及びS-b1~S-b6の製造
ポリイソシアネート成分の種類及び配合量を表4及び表5に示すとおりとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、各樹脂組成物を製造した。
(1)樹脂組成物S-a2~S-a7及びS-b1~S-b6の製造
ポリイソシアネート成分の種類及び配合量を表4及び表5に示すとおりとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、各樹脂組成物を製造した。
(2)樹脂硬化物C-a2-1~C-a7-1及びC-b1-1~C-b6-1の製造
各樹脂組成物について、実施例1と同様の方法を用いて、成形性及び固形樹脂との密着性を評価するための各樹脂硬化物を製造した。
各樹脂組成物について、実施例1と同様の方法を用いて、成形性及び固形樹脂との密着性を評価するための各樹脂硬化物を製造した。
(2)樹脂硬化物C-a2-2~C-a7-2及びC-b1-2~C-b6-2の製造
各樹脂組成物について、実施例1と同様の方法を用いて、耐衝撃性を評価するための各樹脂硬化物を製造した。
各樹脂組成物について、実施例1と同様の方法を用いて、耐衝撃性を評価するための各樹脂硬化物を製造した。
実施例及び比較例で製造した各樹脂硬化物の組成、物性及び評価結果を以下の表4及び表5に示す。なお、表5において、樹脂硬化物を形成できず、評価自体が出来ない場合を「評価不可」とした。
表4及び表5に示すように、部分ブロックポリイソシアネートを用いており、BL/XHが1.01以上である樹脂硬化物C-a1-1~C-a7-1及び物C-a1-2~C-a7-2(実施例1~7)では、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性が良好であった。
また、全NCO/YHが1.35以上である樹脂硬化物C-a1-1~C-a4-1及びC-a6-1~C-a7-1(実施例1~4及び6~7)では、固形樹脂との密着性が特に良好であった。
また、全NCO/YHが1.35以上である樹脂硬化物C-a1-1~C-a4-1及びC-a6-1~C-a7-1(実施例1~4及び6~7)では、固形樹脂との密着性が特に良好であった。
一方で、部分ブロックポリイソシアネートを用いているものの、BL/XHが1.01未満である樹脂硬化物C-b1-1及びC-b1-2(比較例1)では、成形性及び耐衝撃性は良好であったが、固形樹脂との密着性が不良であった。
また、ブロック化されていないポリイソシアネート(未ブロック化ポリイソシアネート)を用いた樹脂硬化物C-b2-1~C-b3-1及びC-b2-2~C-b3-2(比較例2及び3)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
また、全体ブロックポリイソシアネートを樹脂硬化物C-b4-1及びC-b6-1、並びに、C-b4-2及びC-b6-2(比較例4及び6)では、成形性が不良であり、樹脂硬化物を形成できないことから、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性は評価できなかった。
また、未ブロック化ポリイソシアネートと全体ブロックポリイソシアネートとを組み合わせて用いた樹脂硬化物C-b5-1及びC-b5-2(比較例5)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
また、ブロック化されていないポリイソシアネート(未ブロック化ポリイソシアネート)を用いた樹脂硬化物C-b2-1~C-b3-1及びC-b2-2~C-b3-2(比較例2及び3)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
また、全体ブロックポリイソシアネートを樹脂硬化物C-b4-1及びC-b6-1、並びに、C-b4-2及びC-b6-2(比較例4及び6)では、成形性が不良であり、樹脂硬化物を形成できないことから、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性は評価できなかった。
また、未ブロック化ポリイソシアネートと全体ブロックポリイソシアネートとを組み合わせて用いた樹脂硬化物C-b5-1及びC-b5-2(比較例5)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
<湿気硬化物の製造>
[参考例1]
(湿気硬化物D-a1の製造)
ポリイソシアネート成分P-1を用いて、スズ触媒を固形分に対して300質量ppm加え、樹脂の厚さが150μmとなるようポリプロピレン上に混合液を調整した。その混合液を23℃、50%湿度の条件下、10日間乾燥させて、湿気硬化物D-a1を製造した。
[参考例1]
(湿気硬化物D-a1の製造)
ポリイソシアネート成分P-1を用いて、スズ触媒を固形分に対して300質量ppm加え、樹脂の厚さが150μmとなるようポリプロピレン上に混合液を調整した。その混合液を23℃、50%湿度の条件下、10日間乾燥させて、湿気硬化物D-a1を製造した。
[参考例2~11]
(湿気硬化物D-a2~6及びD-b1~D-b5の製造)
ポリイソシアネート成分の種類を表6及び7に示すとおりとした以外は、参考例1と同様の方法を用いて、各湿気硬化物を製造した。
(湿気硬化物D-a2~6及びD-b1~D-b5の製造)
ポリイソシアネート成分の種類を表6及び7に示すとおりとした以外は、参考例1と同様の方法を用いて、各湿気硬化物を製造した。
表6及び表7に示すように、部分ブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分を用いた湿気硬化物D-a1~D-a6(参考例1~6)では、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性が良好であった。
一方で、ブロック化されていないポリイソシアネート(未ブロック化ポリイソシアネート)を用いた湿気硬化物D-b1~D-b2(参考例7及び8)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
また、全体ブロックポリイソシアネートを湿気硬化物D-b3及びD-b5(参考例9及び11)では、成形性が不良であり、湿気硬化物を形成できないことから、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性は評価できなかった。
また、未ブロック化ポリイソシアネートと全体ブロックポリイソシアネートとを組み合わせて用いた湿気硬化物D-b4(参考例10)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
また、全体ブロックポリイソシアネートを湿気硬化物D-b3及びD-b5(参考例9及び11)では、成形性が不良であり、湿気硬化物を形成できないことから、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性は評価できなかった。
また、未ブロック化ポリイソシアネートと全体ブロックポリイソシアネートとを組み合わせて用いた湿気硬化物D-b4(参考例10)では、成形性は良好であったが、固形樹脂との密着性及び耐衝撃性が不良であった。
本実施形態の樹脂硬化物及びその製造方法によれば、成形性、固形樹脂との密着性、及び耐衝撃性に優れる樹脂硬化物を得ることができる。
Claims (4)
- イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を含む樹脂組成物を硬化させてなり、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する、樹脂硬化物であって、
前記樹脂硬化物中において、架橋構造を形成していない活性水素基のモル量に対する、ブロック剤でブロックされているイソシアネート基のモル量の比が1.01以上である、樹脂硬化物。 - 前記ブロックイソシアネートが、脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物と、ブロック剤と、から誘導される、請求項1又は2に記載の樹脂硬化物。
- イソシアネート基の一部がブロック剤でブロックされているブロックポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、活性水素含有化合物と、を混合して、樹脂組成物を得る工程1と、
前記樹脂組成物を硬化させて、ウレタン基及びウレア基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有する樹脂硬化物を得る工程2と、
を含み、
前記工程1において、前記活性水素含有化合物の活性水素基のモル量に対する、前記ポリイソシアネート成分中のブロック剤でブロックされていないイソシアネート基のモル量の比が、0.91以上となるように、前記ポリイソシアネート成分と、前記活性水素含有化合物と、を混合する、樹脂硬化物の製造方法。
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