JPWO2014192128A1 - 紙葉類取扱装置及び紙葉類取扱機構 - Google Patents

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Abstract

紙葉類の固有情報を取得できたか否かによらず、搬送路上の残留紙葉類の正確な位置を検出し、係員に残留紙葉類の位置情報を提供する。入金口と、判別部と、一時保管庫と、収納庫と、前記入金口と、前記一時保管庫と、前記判別部と、前記収納庫とを接続する搬送路と、前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の存在を検出する複数の検出部と、前記搬送路を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動量に基づいて算出された、前記複数の検出部のうち一つの検出部を基準とした前記紙葉類の搬送距離を取得する計測部と、前記紙葉類を検出した前記検出部の情報及び前記搬送距離に基づく前記紙葉類の位置情報の取得と、搬送障害の発生の判断と、を実行する制御部と、搬送障害が発生した場合に、前記位置情報に基づく位置に紙葉類の残留に関する情報を表示し、前記判別部により判別情報を取得できた紙葉類については、さらに該紙葉類の判別情報を前記紙葉類の残留に関する情報と合わせて表示する表示部と、を有することを特徴とする紙葉類取扱装置。

Description

本発明は、紙葉類取扱装置及び紙葉類取扱機構に関する。
紙葉類取扱装置において、紙葉類の搬送中に搬送障害が発生したことにより、紙葉類が搬送路上に残留した場合、係員が搬送路上に残留した紙葉類(残留紙葉類)を確実に取り除くことで、障害からの復旧時間を短くすることが可能となる。係員が残留紙葉類を確実に取り除くためには、紙葉類取扱装置における搬送障害の発生した位置を正確に把握する必要がある。
従来より、紙葉類の搬送中に搬送障害が発生した場合に、残留紙葉類の判別情報と位置情報を表示することが知られている。例えば、特許文献1には、紙葉類の判別情報と紙葉類の位置情報とを対応させて記憶し、それらを表示部に表示することで、残留紙葉類の位置、種類を特定することが開示されている。
また、特許文献2には、障害発生後に残留紙葉類の位置情報を表示部に表示すると共に、残留紙葉類の除去の際にも搬送路上の検出センサを用いて残留紙葉類の移動を検出することが開示されている。
特開2012−141863号公報 特開平5−73757号公報
残留紙葉類が隣接する検出センサ間の区間に存在するという情報だけでは、確実に残留紙葉類を除去できない場合がある。開閉できない搬送路等、目視確認しにくい場所に残留している場合があるからである。このとき、残留紙葉類の除去に時間が掛かることにより、装置の停止時間が長くなり、装置の回転効率が低下するおそれがあった。また、利用者に返却すべき残留紙葉類を返却せずに装置内に残したままとなり、その残留紙葉類が他の利用者に渡ってしまい、現金トラブルとなるおそれもあった。
特に、紙葉類の固有情報を取得できていた場合は、残留紙葉類が隣接する検出センサ間の区間に存在するという情報と紙葉類の固有情報とを参照することにより、残留紙葉類の除去忘れを防止することが可能であったが、残留紙葉類が目視確認しにくい場所に残留した場合や、係員が装置の搬送路を手動で動かしたことにより、残留紙葉類が目視確認しにくい場所に移動してしまったことにより、残留紙葉類を見失い、残留紙葉類の除去に時間がかかってしまう可能性があった。
また、紙葉類の固有情報を取得する前や取得できなかった場合は、実際の残留紙葉類の位置を正確に提供する必要がある。例えば、紙葉類が2枚以上重なって搬送されたことにより、紙葉類の固有情報が取得できなかった場合で、かつ、当該紙葉類が目視確認しにくい場所に残留した場合等に、残留紙葉類の一部を除去し忘れるのを防ぐためである。
本発明は、紙葉類の固有情報を取得できたか否かによらず、また、手動で搬送路を動かした場合であっても、搬送路上の残留紙葉類の正確な位置を検出し、係員に残留紙葉類の位置情報を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、外部から紙葉類が投入される入金口と、前記紙葉類の判別情報を取得する判別部と、前記紙葉類を一時的に集積する一時保管庫と、前記一時保管庫から放出された前記紙葉類を収納する収納庫と、前記入金口と、前記一時保管庫と、前記判別部と、前記収納庫とを接続する搬送路と、前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の存在を検出する複数の検出部と、前記搬送路を駆動する駆動部と、前記駆動部の駆動量に基づいて算出された、前記複数の検出部のうち一つの検出部を基準とした前記紙葉類の搬送距離を取得する計測部と、前記紙葉類を検出した前記検出部の情報及び前記搬送距離に基づく前記紙葉類の位置情報の取得と、搬送障害の発生の判断と、を実行する制御部と、搬送障害が発生した場合に、前記位置情報に基づく位置に紙葉類の残留に関する情報を表示し、前記判別部により判別情報を取得できた紙葉類については、さらに該紙葉類の判別情報を前記紙葉類の残留に関する情報と合わせて表示する表示部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、紙葉類の固有情報を取得できたか否かによらず、また、手動で搬送路を動かした場合であっても、搬送路上の残留紙葉類の正確な位置を検出し、係員に残留紙葉類の位置情報を提供することが可能となる。
ATMの外観斜視図である。 ATMの制御関係を示すブロック図である。 紙葉類取扱機構の内部構成を示す側面図である。 紙葉類取扱機構の制御関係を示すブロック図である。 搬送路駆動部から出力されるパルス信号を示す図である。 入金計数処理を示すフローチャートである。 記憶部に格納される情報を示したテーブルである。 障害発生時の残留紙葉類の位置表示について示すフローチャートである。 障害情報画面を示す図である。 残留箇所表示画面を示す図である。 記憶部に格納される情報を示したテーブルである。 紙葉類取扱機構の内部構成を示す側面図である。 残留箇所表示画面を示す図である。 残留紙葉類の位置更新を示すフローチャートである。 障害情報画面を示す図である。 障害情報画面を示す図である。 紙葉類の部分画像情報及び紙葉類全体の画像情報を示す図である。 紙葉類取扱機構の内部構成を示す側面図である。
最初に、本実施例に係る特徴について説明する。本実施例に係る紙葉類取扱装置は、外部から紙葉類が投入される入金口(入出金口2)と、前記紙葉類の判別情報を取得する判別部(判別部3)と、前記紙葉類を一時的に集積する一時保管庫(一時保管庫4)と、前記一時保管庫から放出された前記紙葉類を収納する収納庫(還流庫6〜9)と、前記入金口と、前記一時保管庫と、前記判別部と、前記収納庫とを接続する搬送路(搬送路10a〜10f)と、前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の存在を検出する複数の検出部(搬送路センサ11a〜11l)と、前記搬送路を駆動する駆動部(搬送路駆動部10X)と、前記駆動部の駆動量に基づいて算出された、前記複数の検出部のうち一つの検出部を基準とした前記紙葉類の搬送距離を取得する計測部(計測部13)と、前記紙葉類を検出した前記検出部の情報及び前記搬送距離に基づく前記紙葉類の位置情報の取得と、搬送障害の発生の判断と、を実行する制御部(制御部14)と、搬送障害が発生した場合に、前記位置情報に基づく位置に紙葉類の残留に関する情報を表示し、前記判別部により判別情報を取得できた紙葉類については、さらに該紙葉類の判別情報を前記紙葉類の残留に関する情報と合わせて表示する表示部(係員操作/表示部107)と、を有することを特徴とする。
このように、紙葉類の金種などの判別情報と、紙葉類の搬送距離である計測情報とを対応付けて表示部に表示することにより、係員が搬送路上の残留紙葉類の種別と位置とを正確に把握することが可能となる。また、残留紙葉類が判別部を通過していた場合、判別部で取得した画像を表示部に表示することにより、係員が残留紙葉類の除去を忘れることを防止している。
A1.紙葉類取扱装置及び紙葉類取扱機構
以下、本実施例について、図1〜図7を用いて説明する。なお、以下の実施例は一例に過ぎず、例えば、後述する変形例で説明するような構成にしても良い。
まず、紙葉類取扱装置(以下、ATMとする)について説明する。図1は、ATMの外観斜視図である。ATM101は、カード/明細票処理機構102、通帳処理機構103、筐体104、利用者操作/表示部105、紙葉類取扱機構1を備えている。
カード/明細票処理機構102は、カード挿入口/明細票発券口102aを介して、取引時に使用されるキャッシュカードなどの挿入及び排出や、取引明細が印字された明細票の排出を実行する。また、カードに付加された磁気ストライプの情報の読取・磁気ストライプへの情報の書込、取引明細の印字を実行する。
通帳処理機構103は、通帳挿入口103aを介して、取引時に使用される通帳の挿入及び排出を実行する。また、挿入された通帳への印字を実行する。さらに、通帳に貼付された磁気ストライプの情報の読取や、磁気ストライプへの情報の書込を実行する。
利用者操作/表示部105は、取引情報を表示すると共に利用者の操作により取引情報の入力を受け付ける。また、利用者操作/表示部105は、金融機関などの係員の利用にも供される物であり、ATM101の運用に関する情報を表示すると共に、係員の操作により入力を受け付ける。なお、利用者操作/表示部105と別途に備えられる係員操作/表示部(図2参照)は、筐体104の内部に備えられる。
紙葉類取扱機構1は、入出金口2を介して、紙葉類の入金処理、出金処理、鑑別処理などを実行する。紙葉類取扱機構1の詳細な構成については、後述する。
なお、ATM101は、硬貨の入出金処理、鑑別処理などを実行する硬貨処理部や、視覚障害者、高齢者などの利用に供するハンドセットや、生体認証用の生体情報読取装置などを備えても良い。
図2は、ATM101の制御関係を示すブロック図である。ATM101は、カード/明細票処理機構102と、通帳処理機構103と、利用者操作/表示部105と、インタフェース部106と、係員操作/表示部107と、外部記憶装置108とを備えている。これらのカード/明細票処理機構102と、通帳処理機構103と、利用者操作/表示部105と、インタフェース部106と、係員操作/表示部107と、外部記憶装置108とは、バス109を介して本体制御部110と接続されており、本体制御部110の制御の下に必要な動作を行う。また、上記各機構及び構成部分は、電源部111により電力を供給される。
利用者操作/表示部105は、タッチパネル等の操作部と、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部とから構成されており、ATM101の利用者に対して、取引内容の選択画面や各種取引の実行画面等を表示し、利用者の選択を受け付ける。なお、本実施例では、利用者操作/表示部105は、タッチパネルとLCDとを重ね合わせた構造であるが、例えば、ボタン式の操作部をLCD(表示部)の外部に配置した構造としても良い。
係員操作/表示部107は、タッチパネル等の操作部と、LCD(Liquid Crystal Display Liquid Crystal Display)などの表示部とから構成されており、係員に対して、保守画面等を表示し、係員の選択を受け付ける。なお、本実施例では、係員操作/表示部107は、タッチパネルとLCDとを重ね合わせた構造であるが、例えば、ボタン式の操作部をLCD(表示部)の外部に配置した構造としても良い。
外部記憶装置108は、例えば、HDD(Hard Disk)、SSD(Solid State Disk)、DVDなどである。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などのハードウェア構成と、ATM101の制御プログラム等のソフトウェア構成とを総称したものであり、ATM101の各部を制御する機構である。
続いて、紙葉類取扱機構1について説明する。図3は、紙葉類取扱機構1の内部構成を示す側面図である。紙葉類取扱機構1の上部には、その前面側(利用者に面する側:図3の上部右側)に入出金口2が配置される。当該入出金口2は、前面側(図3の右側)に設けられ、外部から投入された紙葉類を受け付ける入金部2aと、背面側(前面側の反対側:図3の左側)に設けられ、外部に放出する紙葉類が収納される出金部2bとを備える。 本実施例では、入出金口2は、少なくとも入金部2aを備えた入金口であれば足り、後述する入金処理時に発生した異常紙葉類を入金部2aに収納する構成とすれば、本発明を実現することは可能である。ここで、異常紙葉類とは、判別部3により金種の判別が不能であったり、紙葉類の寸法が適切でない等、紙葉類取扱機構1の内部に収納することが不適切と判別された紙葉類のことである。
なお、出金処理においても本発明を適用することは容易であるため、図3に示す通り出金部2bを備え、入金処理時に発生した異常紙葉類を出金部2bに収納しても良い。本実施例では、出金部2bを備えた構成について説明するものとする。
紙葉類取扱機構1の中央部には、搬送された紙葉類の判別情報を取得する判別部3が配置される。ここで、紙葉類の判別情報とは、例えば、紙葉類の金種情報、真偽情報(真性であるか、偽造であるか、又は偽造と疑わしいか等)、紙葉類の状態情報(破れがあるか、しわがあるか等)を含む情報である。
また、判別部3は、上記判別情報とは異なる、各々の紙葉類の固有情報(例:紙葉類に印刷された記番号など)を読み取ることにより、同一の金種、真偽若しくは状態の紙葉類が複数であっても、別個の紙葉類として認識することが可能である。
紙葉類取扱機構1の背面側(図3の上部左側)の上側には、入金された紙葉類を取引成立までの間、一時的に保管する一時保管庫4が配置される。ここで、「入金された紙葉類」とは、本実施例の場合、入出金口2の入金部2aに投入された紙葉類の内、判別部3での判別後に出金部2bに搬送される紙葉類以外の紙葉類のことである。なお、判別部3での判別後に出金部2bに搬送される紙葉類を、一時保管庫4に一時的に保管しても良い。 紙葉類取扱機構1の下部には、その前面側から背面側に向かって、紙葉類の収納のみを行う入金庫5と、紙葉類の収納及び放出を行う還流庫6、7、8、9とが配置される。
入金庫5は、入金処理時に発生したリジェクト紙葉類を収納する収納庫である。ここで、「リジェクト紙葉類」とは、判別部3で、紙葉類取扱機構1の内部に収納することは適切であるが、例えば折れや破れ等により、出金処理時の搬送に適さないと判断された紙葉類のことである。
還流庫6〜9は、入金された紙葉類であって出金に適した紙葉類、すなわち、上記異常紙葉類及び上記リジェクト紙葉類以外の紙葉類を収納する収納庫である。還流庫6〜9には、入金処理時に金種別に紙葉類が収納され、出金処理時に指定された枚数の紙葉類が放出される。
なお、ソフトウェアによる設定や、ディップスイッチ(図示せず)の設定等により、入金庫5、還流庫6〜9の設定を変更することは可能であり、例えば、入金庫5を還流庫としたり、還流庫6を入金庫として運用しても良い。また、還流庫6〜9に収納する紙葉類の金種も、ソフトウェアによる設定や、ディップスイッチの設定等により可能であり、複数の還流庫に同一金種の紙葉類を収納しても良い。例えば、還流庫6、7、8、9にそれぞれ10ユーロ札、50ユーロ札、100ユーロ札、200ユーロ札を収納しても良く、また、還流庫6、7、8、9に50ユーロ札、50ユーロ札、100ユーロ札、100ユーロ札を収納しても良い。
上記入出金口2と、判別部3と、一時保管庫4と、入金庫5と、還流庫6〜9とは、紙葉類を搬送する搬送路10(10a〜10f)により接続される。これらの搬送路10a〜10fは、図4に示す搬送路駆動部10Xにより駆動される。なお、搬送路駆動部10Xは単一の駆動源であるが、各搬送路10a〜10fの駆動源を別個の駆動源としたり、搬送路10a〜10fの内、複数の搬送路を纏めて一つの駆動源により駆動しても良い。 搬送路10aは、入出金口2の入金部2aと判別部3との間で紙葉類を搬送する搬送路である。搬送路10b、10cは、判別部3と一時保管庫4との間で紙葉類を搬送する搬送路であって、搬送路10bは判別部3側に配置され、搬送路10cは一時保管庫4側に配置される。搬送路10dは、搬送路10bから分岐され、入出金口2の出金部2bに紙葉類を搬送する搬送路である。搬送路10eは、搬送路10aと搬送路10dとの間で紙葉類を搬送する搬送路である。搬送路10fは、搬送路10aと入金庫5、還流庫6〜9との間で紙葉類を搬送する搬送路である。
搬送路10a〜10fのうち、搬送路10aの内、搬送路10fとの分岐点から判別部3までの区間と、搬送路10bと、搬送路10cと、搬送路10fとは、紙葉類を双方向に搬送する双方向搬送路である。一方、搬送路10aのうち、入出金口2の入金部2aから搬送路10fとの分岐点までの区間と、搬送路10dとは、紙葉類を一方向に搬送する一方向搬送路である。
なお、一方向搬送路は、構造上一方向にしか紙葉類を搬送できない搬送路としても、構造上は双方向に搬送可能であるが、一方向にしか紙葉類を搬送しない設定とした搬送路でも良い。また、後者の場合、搬送路10a〜10fを全て双方向搬送路にしても良い。
搬送路10上には、紙葉類の存在を検出するための搬送路センサ(検出部)11(11a〜11l)を備えている。搬送路センサ11a〜11lは、例えば赤外光発光部と赤外光発光部に対向する位置に設けられた赤外光受光部とから構成され、赤外光受光部のダーク/ライトを検出することにより、紙葉類の存在を検出する。なお、搬送路センサ11a〜11lは、図3に示す配置に限られるものではない。
図4(a)は、紙葉類取扱機構1の制御関係を示すブロック図である。紙葉類取扱機構1は、入出金口2と、判別部3と、一時保管庫4と、入金庫5と、還流庫6〜9と、搬送路10(10a〜10f)を駆動する搬送路駆動部10Xと、搬送路センサ11(11a〜11l)と、記憶部12と、計測部13とを備えている。これらの各機構及び構成部分は、制御部14と接続されており、制御部14の制御の下に必要な動作を行う。すなわち、制御部14は、本体制御部110からの指令をATM101のバス109を介して受信し、当該指令に基づき各機構及び構成部分を制御する。
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)等であり、判別部3により判別された紙葉類の判別情報(金種情報、真偽情報、状態情報)や、各々の紙葉類に固有の情報(例:紙葉類に印刷された記番号など)がテーブル形式として格納される。
記憶部12の記憶領域は、図4(b)に示す通り、搬送位置情報記憶エリア12aと、判別情報記憶エリア12bと、対応関係情報記憶エリア12cとから構成される。
搬送位置情報記憶エリア12aには、搬送路駆動部10Xの駆動量および駆動方向より、計測部13によって計測情報として取得された紙葉類の搬送順序を示す搬送順序情報と、紙葉類の搬送距離と、紙葉類の搬送位置を示す位置情報とを格納する。
また、判別情報記憶エリア12bには、上記搬送順序情報と、判別部3が取得した判別情報(紙葉類の金種情報、真偽情報、状態情報)、固有情報とを格納する。なお、搬送位置情報記憶エリア12aの搬送順序情報と、判別情報記憶エリア12bの搬送順序情報とを共通のデータとすることにより、データの管理が容易となる。
また、対応関係情報記憶エリア12cには、搬送路センサ及び搬送路センサからの移動距離と、紙葉類の搬送区間との対応関係情報を格納する。
計測部13は、搬送路駆動部10Xの駆動量を基に、紙葉類の搬送距離及び駆動方向を計測情報として取得する。
搬送路駆動部10Xの駆動量は、以下のように取得される。例えば、搬送路駆動部10Xが時計回り(図5のA方向)に回転する場合、搬送路駆動部10Xからパルス信号150a、150bが出力される。また、搬送路駆動部10Xが反時計回り(図5のB方向)に回転する場合、搬送路駆動部10Xからパルス信号150c、150dが出力される。 搬送路駆動部10Xが時計回り(図5のA方向)に回転する場合、二種類のパルス信号150a、150bが出力されるが、これらのうち、パルス信号150aは、パルス信号150bよりも1/4周期位相が進んだ状態で出力される。これは、計測部13がパルス信号150a及びパルス信号150bの信号の状態「0」および「1」の組合せとして「0」&「0」、「0」&「1」、「1」&「0」、「1」&「1」の四種類の状態を測定することが可能となり、詳細な駆動量を測定するためである。
また、搬送路駆動部10Xが反時計回り(図5のB方向)に回転する場合、二種類のパルス信号150c、150dが出力されるが、これらのうち、パルス信号150cは、パルス信号150dよりも1/4周期位相が遅れた状態で出力される。パルス信号150cの位相を相対的に遅らせた理由は、搬送路駆動部10Xの回転方向を判断するためである。すなわち、パルス信号150bおよび150dが「0」から「1」に変化したときに、パルス信号150aは「0」であり、パルス信号150cは「1」であり、これらのパルス信号の違いから搬送路駆動部10Xの回転方向を判断する。
制御部14は、図4(c)に示す通り、判別部3が取得した判別情報に基づいて搬送路駆動部10Xを制御する搬送路駆動制御部14aと、記憶部12に格納された判別情報及び計測部13が取得した計測情報に基づき、紙葉類の位置情報を取得する位置情報取得部14bと、判別部3が取得した判別情報、計測部13が取得した計測情報、及び紙葉類の位置情報を記憶部12に格納する記憶制御部14cと、搬送路センサ11a〜11lの状態を監視する搬送路センサ監視部14dと、本体制御部との通信制御部14eを含む構成である。なお、搬送路駆動制御部、位置情報取得部、記憶制御部、搬送路センサ監視部、通信制御部を別個のハードウェア構成としても良い。
A2.紙葉類取扱装置を用いた代表的な取引
次に、紙葉類取扱機構1を用いた代表的な取引について説明する。紙葉類取扱機構1を用いた代表的な取引として、紙葉類取扱機構1の内部に利用者から投入された紙葉類を収納する入金取引と、紙葉類取扱機構1の内部に収納された紙葉類を利用者に対して放出する出金取引とがある。
入金取引時は、利用者により入出金口2の入金部2aに投入された紙葉類は、判別部3にて紙葉類の判別情報(紙葉類の金種情報、真偽情報、状態情報)及び固有情報が取得された後、一時保管庫4へ一時的に収納されると共に、利用者操作/表示部105に判別結果が表示され、利用者に確認が促される。そして、利用者によって判別結果が確認されると、一時保管庫4に収納された紙葉類は、入金庫5又は還流庫6〜9へ収納され、一連の入金取引が実行される。また、利用者操作/表示部105に判別結果が表示された際に、利用者によって入金取引が取り消された場合、一時保管庫4に収納された紙葉類は入出金口2の出金部2bに搬送される。
上記の動作のうち、判別部3にて紙葉類の判別情報及び固有情報を取得された紙葉類を一時保管庫4に収納する動作を「入金計数動作」と称し、一時保管庫4から入金庫5又は還流庫6〜9へ紙葉類を収納する動作を「入金収納処理」と称し、入金取引が取り消された場合における紙葉類の返却処理を「入金返却処理」と称する。
また、出金取引時は、出金金額に応じて、還流庫6〜9から所定の枚数ずつ繰り出された紙葉類について、判別部3にて紙葉類の判別情報(紙葉類の金種情報、真偽情報、状態情報)及び固有情報が取得された後、入出金口2の出金部2bに搬送される。なお、判別部3にて取得された紙葉類の判別情報から、出金に適さないと判定されたリジェクト紙葉類は、利用者には払い出さないように一時保管庫4へ収納し、出金取引の終了後に一時保管庫4から入金庫5に搬送される。
A3.入金計数処理における紙葉類の搬送処理
以下、入金計数処理における紙葉類の搬送処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。利用者により入出金口2の入金部2aに紙葉類が投入されると、入出部2aから紙葉類を1枚ずつ分離し、搬送路10a上に搬出する(S1001)。搬送路10aを通過した紙葉類について、判別部3によって判別情報(紙葉類の金種情報、真偽情報、状態情報)及び固有情報が取得されると共に、記憶制御部14cは、記憶部12の搬送位置情報記憶エリア12aにこれらの情報を格納する(S1003)。
(S1003)の後、搬送路駆動制御部14aは、判別部3にて取得された判別情報に基づき、紙葉類の搬送先を設定し、紙葉類を一時保管庫4又は入出金口2の出金部2bに搬送する。紙葉類が異常紙葉類でない場合(S1004:No)、当該紙葉類の搬送先を一時保管庫4に設定する(S1005)。また、(S1005)において、搬送路駆動制御部14aは、当該紙葉類の最終搬送先を入金庫5又は還流庫6〜9のいずれかに設定する。記憶制御部14cは、記憶部12の搬送位置情報記憶エリア12aに(S1005)で設定された情報を格納される(S1006)。その後、搬送路駆動制御部14aは、当該紙葉類を一時保管庫4に搬送する(S1007)。
例えば、還流庫9に10ユーロ札を収納するように事前に設定されていた場合において、判別部3にて紙葉類の金種情報が10ユーロであるとき、搬送路駆動制御部14aは、当該紙葉類の搬送先を一時保管庫4、最終搬送先を還流庫9にそれぞれ決定し、最終搬送先である還流庫9に紙葉類を搬送する前に、一時保管庫4に紙葉類を搬送する。
また、判別部3により金種情報の取得ができなかった場合や、状態情報が不適切(例えば、紙葉類の寸法が適切でない)であった場合等、紙葉類が異常紙葉類である場合(S1004:Yes)、搬送路駆動制御部14aは、当該紙葉類の搬送先を入出金口2に設定し(S1008)、記憶制御部14cは、設定された情報が記憶部12の搬送位置情報記憶エリア12aに格納する(S1009)。その後、搬送路駆動制御部14aは、当該紙葉類を入出金口2の出金部2bに搬送する(S1010)。
これらの紙葉類の搬送処理のうち、入出金口2の入金口2aから繰出された紙葉類を一時保管庫4又は入出金口2の出金口2bに搬送するまで、搬送路センサ監視部14dは、搬送路センサ11a〜11lを用いて紙葉類の存在を検出する。
入金計数処理において、通常、紙葉類は搬送路センサ11a〜11gを通過する。この内、搬送路センサ11a〜11d、11fで紙葉類を検出した場合(S1011又はS1012:Yes)、紙葉類が搬送路10a〜10dのいずれかに存在しており、入金計数処理が正常に行われていると判断される。
一方、入金計数処理において、紙葉類は搬送路センサ11h〜11lを通過することはない。これらの搬送路センサ11h〜11lで紙葉類を検出した場合(S1013又はS1014:Yes)、搬送路10f上の残留紙葉類を検出したことになる。そのため、搬送路センサ11h〜11lで紙葉類を検出した場合、入金計数処理が異常であると判断され、処理を中止する(S1015)。
搬送路センサ11e又は11gで紙葉類を検出した場合(S1016又はS1017:Yes)、当該紙葉類が一時保管庫4又は入出金口2の出金部2bに搬送されたと判断され、当該紙葉類の搬送を終了する。
上記(S1001)〜(S1017)の処理は、入出金口2の入金部2aに収納された複数の紙葉類に対して並行して処理されるものであり、全ての紙葉類について(S1015)の処理を実行しなかった場合、入金計数処理を正常終了とする。
A4.入金計数処理において記憶部に格納される情報
以下、入金計数処理において、記憶制御部14cにより記憶部12に格納される情報について説明する。図7は、記憶部12に格納される情報を示したテーブルである。この内、図7(a)は搬送位置情報記憶エリア12aに格納される情報を示したテーブルであり、図7(b)は判別情報記憶エリア12bに格納される情報を示したテーブルであり、図7(c)は対応関係情報記憶エリア12cに格納される情報を示したテーブルである。
搬送位置情報記憶エリア12aに格納される情報は、紙葉類の搬送順序を示す搬送順序情報201と、紙葉類が通過した搬送路センサ11の情報を示す通過センサ情報202と、紙葉類が搬送路センサ11を通過した後の紙葉類の搬送距離を示す移動距離情報203と、紙葉類の位置情報である搬送区間情報204(下記搬送区間情報224に対応)と、紙葉類の搬送方向を示す搬送方向情報205と、紙葉類の搬送先を示す搬送先情報206とから構成される。
判別情報記憶エリア12bに格納される情報は、紙葉類の搬送順序を示す搬送順序情報211(搬送位置情報記憶エリア12aの搬送順序情報201と同一の情報である)と、判別部3で取得した紙葉類の金種情報212と、判別部3で取得した紙葉類の真偽情報213と、判別部3で取得した紙葉類の状態情報214と、紙葉類の固有情報215とから構成される。
対応関係情報記憶エリア12cに格納される情報は、紙葉類が通過した搬送路センサ11の情報を示す通過センサ情報221と、紙葉類の搬送先を示す搬送先情報222と、紙葉類が搬送路センサ11を通過した後の紙葉類の搬送距離を示す移動距離情報223と、通過センサ情報221、搬送先情報222、及び移動距離情報223から特定される紙葉類の位置情報である搬送区間情報224とから構成される。
続いて、搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納される情報について詳細に説明する。
(1)搬送路センサ11fから搬送路センサ11gの区間に存在する紙葉類について
搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された情報の内、一番目に搬送された紙葉類(搬送路センサ11fから搬送路センサ11gの区間に存在する紙葉類)の情報200a、210aについて説明する。
情報200aにおいて、通過センサ情報202には「搬送路センサ11f」が、移動距離情報203には、搬送路10dに設けられた紙葉類の搬送ローラの駆動量を基に計測部13で取得された紙葉類の搬送距離(搬送路センサ11fの位置を基点とする)が、搬送区間情報204には「分岐部〜入出金口2」が、搬送方向情報205には「正方向」が、搬送先情報206には「入出金口2」がそれぞれ格納される。
ここで、搬送方向情報205の「正方向」とは、紙葉類が入出金口2の入金部2aから一時保管庫4(又は入出金口の出金部2b)に搬送される方向(入金計数処理の方向)であり、「逆方向」とは、紙葉類が一時保管庫4から入金庫5又は還流庫6〜9に搬送される方向(入金収納処理の方向)である。すなわち、入金計数処理において、搬送方向情報205には、必ず「正方向」が格納されることになる。
情報210aにおいて、金種情報212、真偽情報213、状態情報214、固有情報215には、それぞれ「不明」が格納される。入金計数処理において、入出金口2に搬送される紙葉類は異常紙葉類であり、これらの紙葉類は、判別部3で金種情報、真偽情報、状態情報、固有情報を取得できないからである。
なお、金種情報212、真偽情報213、状態情報214、固有情報215の全てを取得できない場合に異常紙葉類とする場合、判別部3で判別情報及び固有情報の一部を取得できたときは、取得できた情報のみ格納され、他の情報に「不明」が格納されても良い。(2)搬送路センサ11dから搬送路センサ11eの区間に存在する紙葉類について
搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された情報の内、二番目に搬送された紙葉類(搬送路センサ11fから搬送路センサ11gの区間に存在する紙葉類)の情報200b、210bについて説明する。
情報200bにおいて、通過センサ情報202には「搬送路センサ11d」が、移動距離情報203には、搬送路10cに設けられた紙葉類の搬送ローラの駆動量を基に計測部13で取得された紙葉類の搬送距離(搬送路センサ11dの位置を基点とする)が、搬送区間情報204には「分岐部〜一時保管庫4」が、搬送方向情報205には「正方向」が、搬送先情報206には「一時保管庫4」がそれぞれ格納される。
情報210bにおいて、金種情報212には判別部3で取得した判別情報(金種情報)が、真偽情報213には判別部3で取得した判別情報(真偽情報)が、状態情報214には判別部3で取得した判別情報(状態情報)が、固有情報215には判別部3で取得した固有情報(紙葉類に印刷された記番号など)が、それぞれ格納される。
図7(b)に示した情報210bの場合、金種情報212には「100Euro」が、真偽情報213には真券であることを示す「真」が、状態情報214には出金に適した正券であることを示す「正」が、固有情報215には「S12345678901」がそれぞれ格納される。
(3)搬送路センサ11cから搬送路センサ11d(又は11f)の区間に存在する紙葉類について
搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された情報の内、三〜五番目に搬送された紙葉類(搬送路センサ11cから搬送路センサ11d(又は11f)の区間に存在する紙葉類)の情報200c〜e、210c〜eについて説明する。ここで、三番目に搬送された紙葉類を出金に適さない紙葉類とし、四番目に搬送された紙葉類を異常紙葉類とし、五番目に搬送された紙葉類を出金に適した紙葉類とする。
情報200c〜eにおいて、通過センサ情報202には「搬送路センサ11c」が、移動距離情報203には、搬送路10b又は10dに設けられた紙葉類の搬送ローラの駆動量を基に計測部13で取得された紙葉類の搬送距離(搬送路センサ11cの位置を基点とする)が、搬送区間情報204には「分岐部〜一時保管庫4」「分岐部〜入出金口2」「判別部3〜分岐部」のいずれかが、搬送方向情報205には「正方向」が、搬送先情報206には「一時保管庫4」「入出金口2」のいずれかがそれぞれ格納される。
搬送区間情報204の「分岐部〜一時保管庫4」「分岐部〜入出金口2」「判別部3〜分岐部」は、移動距離情報203の値によって決定され、所定の閾値以上である場合、紙葉類の搬送先に応じて、搬送区間情報204を「分岐部〜一時保管庫4」「分岐部〜入出金口2」とし、当該閾値未満である場合、搬送区間情報204を「判別部3〜分岐部」とする。また、搬送先情報206の「一時保管庫4」「入出金口2」は、判別部3で判別情報及び固有情報を取得できた場合、搬送先情報206を「一時保管庫4」とし、判別部3で判別情報及び固有情報を取得できなかった場合、搬送先情報206を「入出金口2」とする。
図7(a)に示した情報200c(三番目:出金に適さない紙葉類の情報)の場合、搬送区間情報204には「分岐部〜一時保管庫4」が、搬送先情報206には「一時保管庫4」がそれぞれ格納される。また、図7(a)に示した情報200d(四番目:異常紙葉類の情報)の場合、搬送区間情報204には「分岐部〜入出金口2」が、搬送先情報206には「入出金口2」がそれぞれ格納される。また、図7(a)に示した情報200e(五番目:出金に適した紙葉類の情報)の場合、搬送区間情報204には「分岐部〜一時保管庫4」が、搬送先情報206には「一時保管庫4」がそれぞれ格納される。
情報210c〜eにおいて、金種情報212には判別部3で取得した判別情報(金種情報)が、真偽情報213には判別部3で取得した判別情報(真偽情報)が、状態情報214には判別部3で取得した判別情報(状態情報)が、固有情報215には判別部3で取得した固有情報(紙葉類に印刷された記番号など)が、それぞれ格納される。
図7(b)に示した情報210c(三番目:出金に適さない紙葉類の情報)の場合、金種情報212には「500Euro」が、真偽情報213には真券であることを示す「真」が、状態情報209には出金に適さない損券であることを示す「損」が、固有情報210には「T23456789012」がそれぞれ格納される。また、図7(b)に示した情報210d(四番目:異常紙葉類の情報)の場合、情報210aの場合と同様に、金種情報212、真偽情報213、状態情報214、固有情報215には、それぞれ「不明」が格納される。また、図7(b)に示した情報210e(五番目:出金に適した紙葉類の情報)の場合、金種情報212には「100Euro」が、真偽情報213には真券であることを示す「真」が、状態情報209には出金に適した正券であることを示す「正」が、固有情報210には「S34567890123」がそれぞれ格納される。
(4)搬送路センサ11bから搬送路センサ11cの区間に存在する紙葉類について
搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された情報の内、六〜八番目に搬送された紙葉類(搬送路センサ11bから搬送路センサ11cの区間に存在する紙葉類)の情報200f〜h、210f〜hについて説明する。ここで、六番目に搬送された紙葉類を、判別部3で判別情報及び固有情報を取得し、出金に適した紙葉類とし、七番目に搬送された紙葉類を、判別部3内に存在するが判別情報及び固有情報を取得する前の紙葉類とし、八番目に搬送された紙葉類を判別部3に到達していない紙葉類とする。
情報200f〜hにおいて、通過センサ情報202には「搬送路センサ11b」が、移動距離情報203には、搬送路10aに設けられた紙葉類の搬送ローラの駆動量を基に計測部13で取得された紙葉類の搬送距離(搬送路センサ11bの位置を基点とする)が、搬送区間情報204には「判別部3上」「入出金口2〜分岐部」のいずれかが、搬送方向情報205には「正方向」が、搬送先情報206には「一時保管庫4」「入出金口2」「不明」のいずれかがそれぞれ格納される。
搬送区間情報204の「判別部3上」「入出金口2〜分岐部」は、移動距離情報203の値によって決定され、所定の閾値以上である場合、搬送区間情報204を「判別部3上」とし、当該閾値未満である場合、搬送区間情報204を「入出金口2〜判別部3」とする。また、搬送先情報206の「一時保管庫4」「入出金口2」「不明」は、判別部3で判別情報及び固有情報を取得できた場合、搬送先情報206を「一時保管庫4」とし、判別部3で判別情報及び固有情報を取得できなかった場合、搬送先情報206を「入出金口2」とし、判別部3で判別情報及び固有情報を取得する前である場合、搬送先情報206を「不明」とする。
図7(a)に示した情報200f(六番目:判別部3で判別情報及び固有情報を取得し、出金に適した紙葉類の情報)の場合、搬送区間情報204には「判別部3上」が、搬送先情報206には「一時保管庫4」がそれぞれ格納される。また、図7(a)に示した情報200g(七番目:判別部3で判別情報及び固有情報を取得する前の紙葉類の情報)の場合、搬送区間情報204には「判別部3上」が、搬送先情報206には「不明」がそれぞれ格納される。また、図7(a)に示した情報200h(八番目:判別部3に到達していない紙葉類の情報)の場合、搬送区間情報204には「入出金口2〜判別部3」が、搬送先情報206には「不明」がそれぞれ格納される。
情報210fにおいて、金種情報212には判別部3で取得した判別情報(金種情報)が、真偽情報213には判別部3で取得した判別情報(真偽情報)が、状態情報214には判別部3で取得した判別情報(状態情報)が、固有情報215には判別部3で取得した固有情報(紙葉類に印刷された記番号など)が、それぞれ格納される。
図7(b)に示した情報210fの場合、金種情報212には「50Euro」が、真偽情報213には真券であることを示す「真」が、状態情報214には出金に適した正券であることを示す「正」が、固有情報215には「V45678901234」がそれぞれ格納される。
情報210g、hにおいて、これらの紙葉類は、判別部3で判別情報及び固有情報を取得する前であるため、金種情報212に、真偽情報213、状態情報214、固有情報215には、それぞれ「no data」が格納される(又は何も格納されない)。
(5)搬送路センサ11aから搬送路センサ11bの区間に存在する紙葉類について
搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された情報の内、九番目に搬送された紙葉類(搬送路センサ11fから搬送路センサ11gの区間に存在する紙葉類)の情報200i、210iについて説明する。
情報200hにおいて、通過センサ情報202には「搬送路センサ11a」が、移動距離情報203には、搬送路10dに設けられた紙葉類の搬送ローラの駆動量を基に計測部13で取得された紙葉類の搬送距離(搬送路センサ11aの位置を基点とする)が、搬送区間情報204には「入出金口2〜判別部3」が、搬送方向情報205には「正方向」が、搬送先情報206には「不明」がそれぞれ格納される。
情報210hにおいて、判別部3で判別情報及び固有情報を取得する前であるため、金種情報212に、真偽情報213、状態情報214、固有情報215には、それぞれ「no data」が格納される(又は何も格納されない)。
(6)搬送路センサ11e又は搬送路センサ11eを通過した紙葉類について
紙葉類を搬送路センサ11eで検知した場合、紙葉類が一時保管庫4に収納されたと判断し、紙葉類情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された当該紙葉類の情報を削除する。また、紙葉類を搬送路センサ11gで検知した場合、紙葉類が入出金口2の出金部2bに収納されたと判断し、紙葉類情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された当該紙葉類の情報を削除する。
このように、記憶制御部14cにより紙葉類情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納された情報により、紙葉類の正確な位置を把握することが可能となる。A5.障害発生時の残留紙葉類の位置表示
次に、本実施例の特徴である、障害発生時の残留紙葉類の位置表示について、図8〜図11を用いて説明する。
図8は、障害発生時の残留紙葉類の位置表示について示すフローチャートである。隣接する搬送路センサの間(11a−11b間、11b−11c間、11c−11d間、11d−11e間、11c−11f間、11f−11g間)には、一方の搬送路センサ11で紙葉類を検出してから、他方の搬送路センサ11で紙葉類を検出するまでに、予定される搬送路駆動部10Xの駆動量(予定駆動量)が予め定められている。所定の区間において、一方の搬送路センサ11で紙葉類を検出してから、他方の搬送路センサ11で紙葉類を検出するまでの駆動量と上記予定駆動量との差分が所定の閾値未満である場合(S2001:Yes)、搬送路駆動制御部14aは、搬送路の駆動が正常であると判断し、隣接する区間において同様の処理を行う。一方、当該差分が所定値以上である場合(S2001:No)、搬送路駆動制御部14aは、搬送障害が発生したと判断する。
搬送障害が発生した場合、通信制御部14eは、搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bの情報を、バス109を介して本体制御部110に送信する(S2002)。また、(S2002)において、通信制御部14eは、判別部3で取得した画像情報又は搬送路センサ11a〜11d、11fで取得した情報を基に作成したダミー紙葉類の画像情報を併せて本体制御部110に送信する。
本体制御部110は、障害発生日時、障害内容を示す障害コード、障害内容、残留紙葉類について、判別部3で取得した紙葉類の判別情報、固有情報等を含む障害情報画面300を係員操作/表示部107に表示する(S2003)。また、残留紙葉類の位置を示す残留箇所表示画面400を係員操作/表示部107に表示する(S2004)。(S2003)及び(S2004)の順序は任意であり、全ての残留紙葉類について位置を表示する処理を行うが、フローチャートでは当該処理を省略する。
また、本体制御部110は、残留紙葉類の位置を示す残留箇所表示画面500を係員操作/表示部107に表示する(S2005〜S2008)。(S2005〜S2008)の一連の処理と、(S2003)及び(S2004)の順序とは任意であるが、(S2005〜S2008)の処理は連続して行われる。
残留紙葉類の情報が判別部3で取得した画像情報である場合(S2005:Yes)、当該判別部3で取得した画像情報を残留箇所表示画面500に表示する(S2006)。また、残留紙葉類の情報が判別部3で取得した画像情報又は搬送路センサ11a〜11d、11fで取得した情報を基に作成したダミー紙葉類の画像情報(紙葉類の仮想画像情報)である場合(S2005:No)、当該ダミー紙葉類の画像情報を残留箇所表示画面500に表示する(S2007)。(S2005)〜(S2007)の処理を全ての残留紙葉類に対して実行する(S2008)。
次に、係員操作/表示部107に表示する画面について説明する。図9に示す障害情報画面300には、障害発生日時、障害内容を示す障害コード、障害内容を示す障害詳細情報301と、残留紙葉類について、判別部3で取得した紙葉類の判別情報、固有情報等を示す取得結果情報302と、矢印キー303及び304と、紙葉類画像表示エリア305と、障害履歴タブ306〜308とが表示される。
矢印キー303又は304は、残留紙葉類が複数存在する際に選択可能に表示され、矢印キー303又は304が選択されることにより、係員操作/表示部107表示する残留紙葉類の情報が切り替わる。
紙葉類画像表示エリア305は、判別部3で取得した紙葉類の画像が表示される。判別部3は、紙葉類の表面の画像と裏面の画像とを取得するため、紙葉類表示エリア305が選択される毎に、表面の画像と裏面の画像とを切り替えられるようにしてもよい。また、紙葉類表示エリア305には、障害発生時の紙葉類の搬送方向を矢印で示しても良い。
障害履歴タブ306〜308は、過去に搬送障害が発生した場合に選択可能に表示され、障害履歴タブ306〜308が選択されることにより、過去の障害に関する履歴を係員操作/表示部107に表示する。
図10(a)に示す残留箇所表示画面400には、残留紙葉類401a〜401fが表示される。残留紙葉類401a〜401fは、搬送位置情報記憶エリア12aの搬送位置情報記憶エリア12aに格納される情報は、通過センサ情報202と、移動距離情報203と、搬送区間情報204とに基づいて算出される。
図10(b)に示す残留箇所表示画面500には、残留紙葉類501a〜501fが表示される。残留紙葉類501a〜501fは、それぞれ残留紙葉類401a〜401fに対応する。また、残留紙葉類501a〜501fでは、判別部3で取得した紙葉類の画像情報又は搬送路センサ11a〜11d、11fで取得した情報を基に作成したダミー紙葉類の画像情報を併せて表示する。
また、判別部3にて固有情報を取得できた紙葉類については、紙葉類の固有情報を表示する。例えば、図10(b)に示す残留箇所表示画面500の場合、残留紙葉類501a及び501cの固有情報を取得できており、残留紙葉類501aの固有情報502a「S34567890123」、及び残留紙葉類501cの固有情報502c「V45678901234」を表示している。
残留詳細箇所表示画面500には、搬送路センサ11a〜11gを表示することにより、各搬送路センサ11と残留紙葉類と501a〜fとの位置関係を容易に把握することが可能となる。また、残留詳細箇所表示画面500には、搬送路10bと10cとの分岐点に対応させた位置で画面を分岐して表示する構成としている。
続いて、残留箇所表示画面400、500における残留紙葉類の表示処理について説明する。
図11は、図10(a)に示す残留箇所表示画面400、及び図10(b)に示す残留箇所表示画面500を表示する際に記憶部12に格納されている情報を示したテーブルである。この内、図11(a)は搬送位置情報記憶エリア12aに格納される情報を示したテーブルであり、図11(b)は判別情報記憶エリア12bに格納される情報を示したテーブルである。
入出金口2の入金部2aから搬送された紙葉類の内、一番目〜三番目に搬送された紙葉類は、一時保管庫4又は入出金口2の出金部2bに搬送された紙葉類(搬送路センサ11e又は11gを通過した紙葉類)であるため、搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bから削除されている。
以下、入出金口2の入金部2aから搬送された紙葉類の内、四番目〜九番目に搬送された紙葉類について説明する。
四番目に搬送された紙葉類(情報200j、210j参照)は、一時保管庫4に搬送される紙葉類であり、搬送路10c上に残留している紙葉類である。図10(a)に示す残留箇所表示画面400では残留紙葉類401aに対応し、図10(b)に示す残留箇所表示画面500では、残留紙葉類501aに対応する。
情報200jにおいて、移動距離情報203には「100」が格納されている。搬送路センサ11dから搬送路センサ11eまでの距離をL1とした場合、残留紙葉類401a(残留紙葉類501a)は、搬送路センサ11dの位置から残留紙葉類401a(残留紙葉類501a)までの距離と、搬送路センサ11eの位置から残留紙葉類401a(残留紙葉類501a)の距離とが、100:(L1−100)となるような位置に表示される。
また、残留箇所表示画面500では、紙葉類の画像情報を表示することを可能としているため、判別部3で取得された四番目に搬送された紙葉類の画像情報を、残留紙葉類501aに重ね合わせて表示する。
五番目に搬送された紙葉類(情報200k、210k参照)は、入出金口2に搬送される異常紙葉類であり、搬送路10d上に残留している紙葉類である。図10(a)に示す残留箇所表示画面400では残留紙葉類401bに対応し、図10(b)に示す残留箇所表示画面500では、残留紙葉類501bに対応する。
情報200kにおいて、移動距離情報203には「70」が格納されている。搬送路センサ11fから搬送路センサ11gまでの距離をL2とした場合、残留紙葉類401b(残留紙葉類501b)は、搬送路センサ11fの位置から残留紙葉類401b(残留紙葉類501b)までの距離と、搬送路センサ11gの位置から残留紙葉類401b(残留紙葉類501b)の距離とが、70:(L2−70)となるような位置に表示される。
また、残留箇所表示画面500では、判別部3で取得された五番目に搬送された紙葉類の画像情報を、残留紙葉類501bに重ね合わせて表示する。なお、五番目に搬送された紙葉類は異常紙葉類であるため、判別部3で金種情報、真偽情報、状態情報、固有情報を取得できないが、紙葉類の画像情報を取得することは可能である。そのため、紙葉類の画像情報を残留紙葉類501bに重ね合わせて表示することは可能である。
六番目に搬送された紙葉類(情報200l、210l参照)は、一時保管庫4に搬送される紙葉類であり、搬送路10b上に残留している紙葉類である。図10(a)に示す残留箇所表示画面400では残留紙葉類401cに対応し、図10(b)に示す残留箇所表示画面500では、残留紙葉類501cに対応する。
情報200lにおいて、移動距離情報203には「180」が格納されている。搬送路センサ11cから搬送路センサ11dまでの距離をL3とした場合、残留紙葉類401c(残留紙葉類501c)は、搬送路センサ11cの位置から残留紙葉類401c(残留紙葉類501c)までの距離と、搬送路センサ11dの位置から残留紙葉類401c(残留紙葉類501c)の距離とが、180:(L3−180)となるような位置に表示される。
また、残留箇所表示画面500では、判別部3で取得された六番目に搬送された紙葉類の画像情報を、残留紙葉類501cに重ね合わせて表示する。
七番目に搬送された紙葉類(情報200m、210m参照)は、入出金口2に搬送される異常紙葉類であり、搬送路10d上に残留している紙葉類である。図10(a)に示す残留箇所表示画面400では残留紙葉類401dに対応し、図10(b)に示す残留箇所表示画面500では、残留紙葉類501dに対応する。
情報200mにおいて、移動距離情報203には「50」が格納されている。残留紙葉類401d(残留紙葉類501d)は、搬送路センサ11cの位置から残留紙葉類401d(残留紙葉類501d)までの距離と、搬送路センサ11dの位置から残留紙葉類401d(残留紙葉類501d)の距離とが、50:(L3−50)となるような位置に表示される。
また、残留箇所表示画面500では、判別部3で取得された七番目に搬送された紙葉類の画像情報を、残留紙葉類501dに重ね合わせて表示する。
八番目に搬送された紙葉類(情報200n、210n参照)は、判別部3上に残留する紙葉類であり、判別情報及び固有情報が取得されていない紙葉類である。図10(a)に示す残留箇所表示画面400では残留紙葉類401eに対応し、図10(b)に示す残留箇所表示画面500では、残留紙葉類501eに対応する。
情報200nにおいて、移動距離情報203には「50」が格納されている。搬送路センサ11bから搬送路センサ11cまでの距離をL4とした場合、残留紙葉類401e(残留紙葉類501e)は、搬送路センサ11bの位置から残留紙葉類401e(残留紙葉類501e)までの距離と、搬送路センサ11cの位置から残留紙葉類401e(残留紙葉類501e)の距離とが、50:(L4−50)となるような位置に表示される。
また、残留箇所表示画面500では、紙葉類の先端が搬送路センサ11bを通過してから、紙葉類の後端が搬送路センサ11bを通過するまでの搬送路駆動部10Xの駆動量(=紙葉類の搬送距離)を紙葉類の搬送方向の長さとした、ダミー紙葉類の画像情報を残留紙葉類501eに重ね合わせて表示する。なお、判別部3上に存在する紙葉類であって、紙葉類の画像情報が取得されている場合は、判別部3で取得された八番目に搬送された紙葉類の画像情報を残留紙葉類501eに重ね合わせて表示する。
九番目に搬送された紙葉類(情報200o、210o参照)は、判別情報及び固有情報が取得されていない紙葉類であり、搬送路10a上に残留している紙葉類である。図10(a)に示す残留箇所表示画面400では残留紙葉類401fに対応し、図10(b)に示す残留箇所表示画面500では、残留紙葉類501fに対応する。
情報200oにおいて、移動距離情報203には「70」が格納されている。搬送路センサ11aから搬送路センサ11bまでの距離をL5とした場合、残留紙葉類401f(残留紙葉類501f)は、搬送路センサ11aの位置から残留紙葉類401f(残留紙葉類501f)までの距離と、搬送路センサ11bの位置から残留紙葉類401f(残留紙葉類501f)の距離とが、70:(L5−70)となるような位置に表示される。
また、残留箇所表示画面500では、紙葉類の先端が搬送路センサ11aを通過してから、紙葉類の後短が搬送路センサ11aを通過するまでの搬送路駆動部10Xの駆動量(=紙葉類の搬送距離)を紙葉類の搬送方向の長さとした、ダミー紙葉類の画像情報を残留紙葉類501fに重ね合わせて表示する。
A6.本実施例の効果
本実施例により、紙葉類の固有情報を取得できたか否かによらず、搬送路上の残留紙葉類の正確な位置を検出することが可能となるという効果を有する。
また、搬送路センサの数を増やすことなく、残留紙葉類の正確な位置を検出することが可能となるという効果も有する。特に、隣接する搬送路センサ間(例えば、搬送路センサ11b−11c間)の搬送路10(例えば、搬送路10b)が湾曲した構成であり、複数の搬送路センサを近付けて配置できないにも拘わらず、隣接する搬送路センサ間の搬送路が上下方向に複数の層に重なる場合において、本実施例を採用することにより、係員は、残留紙葉類の位置が搬送路10のいずれの層に存在するかを容易に把握することが可能となる。例えば、図11に示した場合、残留紙葉類は、搬送路10bの上側の層に存在することが表示されており、係員は搬送路10b全体を探す必要が無くなる。
残留紙葉類を除去する場合、当該残留紙葉類を露出させるために、搬送路を動かす必要がある。このとき、搬送路と共に残留紙葉類が動いてしまい、係員表示部に表示された位置と異なる位置に残留紙葉類が移動する可能性がある。この場合、係員が残留紙葉類を発見するまでの時間が長くなる。
本実施例は、実施例1において解決しようとする課題に加え、上記の課題を解決する紙葉類取扱装置について説明する。
B1.紙葉類取扱装置及び紙葉類取扱機構
以下、本実施例について、図1〜図14を用いて説明する。なお、ATM101の構成については、実施例1(図1、2)と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。 紙葉類取扱機構1の構成については、実施例1(図1、2)と異なる部分があるため、以下、実施例1と異なる部分について説明する。本実施例における紙葉類取扱機構1は、図12に示す通り、実施例1における紙葉類取扱機構1の他に、搬送路10を手動で駆動させるためのノブ(搬送路操作部)15a〜15eを備えている。これらのノブ15a〜15eは、それぞれ搬送路10a、10b、10c、10d、10fの搬送路駆動部10X(本実施例の場合、搬送路駆動部10Xは、それぞれの搬送路10a、10b、10c、10d、10fに備えられている)に接続されており、ノブ15a〜15eを回転させることにより、搬送路駆動部10Xを駆動可能としている。
ノブ15a〜15eの回転量は、搬送路駆動部10Xの駆動量として計測部13で判断される。なお、計測部13での搬送路駆動部10Xの駆動量の判断方法は、実施例1(図5)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
B2.残留紙葉類の位置更新
残留紙葉類の除去処理において、係員がノブ15a〜15eを手動で駆動させることにより、搬送路駆動部10Xが駆動した場合、搬送位置情報記憶エリア12aの移動距離情報203が更新される。通信部14eは、更新された搬送位置情報記憶エリア12aを、バス109を介して本体制御部110に送信する。本体制御部110は、残留箇所表示画面400及び残留詳細箇所表示画面500を更新し、係員操作/表示部107に表示する。
図13(a)に示す残留箇所表示画面410は、図10(a)に示す残留箇所表示画面400の内、残留紙葉類401fの位置が更新された画面である。更新後の残留紙葉類411a〜411fの位置は、実施例1で述べたように算出される。これらの内、位置が変更された紙葉類(残留紙葉類401f、411f)について、図10(a)に示す残留箇所表示画面400の残留紙葉類401fの位置には、更新前の残留紙葉類412fを表示する。また、残留紙葉類の移動を示す矢印413fを表示する。
図13(b)に示す残留箇所表示画面510は、図10(b)に示す残留箇所表示画面500の内、残留紙葉類501fの位置が更新された画面である。更新後の残留紙葉類511a〜511fの位置の算出や、残留紙葉類511a、511cの固有情報512a、512cの表示は、実施例1と同様である。これらの内、位置が変更された紙葉類(残留紙葉類501f、511f)について、図10(b)に示す残留箇所表示画面500の残留紙葉類501fの位置には、更新前の残留紙葉類513fを表示する。また、残留紙葉類の移動を示す矢印514fを表示する。
図14は、残留紙葉類の位置更新を示すフローチャートである。最初に、ノブ15a〜15eが駆動されることにより、搬送路駆動部10Xが駆動した場合、計測部13は搬送路駆動部10Xの駆動量から紙葉類の移動距離を計測する(S2501)。次に、記憶制御部14cは、紙葉類の移動距離を搬送位置情報記憶エリア12aに格納し、紙葉類の移動距離に基づき、搬送位置情報記憶エリア12aを更新する(S2502)。
搬送路駆動部10Xが駆動した場合、判別部3で紙葉類の画像情報を新たに取得することが可能な場合がある。判別部3で紙葉類の画像情報を新たに取得した場合(S2503:Yes)、通信制御部14eは、更新した搬送位置情報記憶エリア12aの情報及び判別部3で取得した紙葉類の画像情報を、バス109を介して本体制御部110に送信する(S2504)。一方、判別部3で紙葉類の画像情報を新たに取得できなかった場合(S2503:No)、通信制御部14eは、更新した搬送位置情報記憶エリア12aの情報及び搬送路センサ11a〜11d、11fで取得した情報を基に作成したダミー紙葉類の画像情報を本体制御部110に送信する(S2505)。
(S2505)の後、本体制御部110は、障害処理情報画面300、残留箇所表示画面400及び500の表示を更新する(S2506)。障害処理情報画面300、残留箇所表示画面400及び500の表示処理は、実施例1(図8)の(S2003)〜(S2008)と同様の処理である。
上記の処理の後、更に搬送路駆動部10Xが駆動した場合、再び(S2501)以降の処理を行い、障害処理情報画面300、残留箇所表示画面400及び500の表示を更新する。(S2501)〜(S2506)の処理を実行する間隔を短くすることにより、紙葉類の画像情報の更新頻度が高くなる。
なお、(S2501)の前に、搬送位置情報記憶エリア12aの情報及び判別部3で取得した紙葉類の画像情報(又は搬送位置情報記憶エリア12aの情報及びダミー紙葉類の画像情報)を本体制御部110に送信しても良い。
また、搬送路駆動部10Xが駆動したか否かに拘わらず、所定の時間毎に、搬送位置情報記憶エリア12aの情報及び判別部3で取得した紙葉類の画像情報(又は搬送位置情報記憶エリア12aの情報及びダミー紙葉類の画像情報)を本体制御部110に送信しても良い。このとき、(S2506)の処理の前に、本体制御部110は、受信した搬送位置情報記憶エリア12aの情報が変化しているか否かを判断し、変化していなければ(S2506)の処理を実行しなくても良い。
B3.本実施例の効果
本実施例の効果として、手動で搬送路を駆動した際にも、紙葉類の画像情報の表示を更新することにより、残留紙葉類の除去処理中においても、搬送路の残留紙葉類を正確に把握することが可能である。これにより、効率良く正確に残留紙葉類の除去を行うこと可能となる。
なお、本実施例は、上記に限定されるものではなく、例えば、以下の変形例を適用することが可能である。
(1)変形例1:障害情報画面300の表示内容
図15(a)は、障害情報画面310を示した図である。図8に示した障害情報画面300との違いは、障害詳細情報311(障害詳細情報301に対応)、取得結果情報312(取得結果情報302に対応)、矢印キー313及び314(矢印キー303及び304に対応)、紙葉類画像表示エリア315(紙葉類画像表示エリア305に対応)、障害履歴タブ316〜318(障害履歴タブ306〜308)の他に、残留紙葉類の除去方法を表示させる除去方法ボタン319と、残留紙葉類の除去が完了した際に選択される除去確認ボタン320とが追加されたことである。除去確認ボタン320は、障害詳細情報311に表示された残留紙葉類の固有情報と、実際に除去した残留紙葉類の固有情報とを係員が目視で確認し、これらの固有情報が一致した際に選択される。
除去方法ボタン319が選択されると、残留紙葉類の残留位置に応じた残留紙葉類の除去方法が表示される。なお、残留紙葉類の除去方法は残留位置によって異なるので、各残留位置に対応した確認箇所および確認手順は、予め本体制御部110に格納されるものとする。
除去確認ボタン320が選択されると、紙葉類画像表示エリア315に表示された残留紙葉類の画像情報を、図15(a)のように破線表示にしたり、半透明にしたり、削除したりして、残留紙葉類が除去されたことが明確となるように表示する。また、除去確認ボタン320が選択された場合、本体制御部110は、除去された紙葉類に関する情報を記憶部12から削除する指令を、バス109を介して通信制御部14eに送信する。当該指令を通信制御部14eで受信後、記憶制御部14cは、除去された紙葉類に関する情報を送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bから削除する。
障害情報画面310では、一旦除去された残留紙葉類の情報を、除去されていない残留紙葉類の情報と区別することが可能となる。そのため、除去忘れによるトラブルを防止することが可能となる。
図15(b)は、障害情報画面330を示した図である。図8に示した障害情報画面300との違いは、紙葉類画像表示エリア331の領域が紙葉類画像表示エリア305より広い点である。
障害情報画面330は、紙葉類画像表示エリア331に表示される領域をシフトすることが可能である。係員表示/操作部107は、紙葉類画像表示エリア331に接触された指の移動方向を検出し、検出された指の移動方向より紙葉類画像表示エリア331に表示される領域をシフトする。例えば、紙葉類画像表示エリア331に接触された指が左方向に移動したことを検出した場合、紙葉類画像表示エリア331の表示領域は右側にシフトする。
また、係員表示/操作部107は、紙葉類画像表示エリア331に接触された指が2本であることを検出した場合、2つの接触点の距離が短くなったときは、紙葉類画像表示エリア331の表示領域を拡大(画像を縮小表示)し、2つの接触点の距離が長くなったときは、紙葉類画像表示エリア331の表示領域を縮小(画像を拡大表示)することも可能である。
また、紙葉類画像表示エリア331の背景をグリッド表示にすることにより、紙葉類の寸法の詳細を把握することが可能である。背景のグリッド表示は、表示/非表示を切り替えられるようにしても良い。
また、紙葉類画像表示エリア331には、残留紙葉類と合わせて、搬送路センサ11や紙葉類取扱機構1の各部位の名称を表示しても良い。このとき、紙葉類取扱機構1の各部位の境界を表示したり、各部位の境界で紙葉類画像表示エリア331の背景色を変更しても良い。
また、障害情報画面330には距離計測ボタン332が表示されており、当該距離計測ボタン332が選択されると、紙葉類画像表示エリア305に表示された残留紙葉類の間隔や寸法が表示される。距離計測ボタン311が選択された後に、紙葉類画像表示エリア305上の計測したい2点を選択することにより、選択された2点間の距離を表示する形式としても良い。
図16は、障害情報画面340を示した図である。図15(b)に示した障害情報画面330との違いは、紙葉類画像表示エリア341の背景を搬送路の画像とした点である。紙葉類画像表示エリア341は、紙葉類画像表示エリア341a及び341bからなるが、それぞれ搬送路10a〜10fの下からの撮像画像と上からの撮像画像である。
なお、実施例2で説明したように、ノブ15a〜15eを手動で駆動した場合、搬送路駆動部10Xの駆動量及び駆動方向に応じて、紙葉類画像表示エリア341a及び341bの表示領域をシフトすることが可能である(図16(b)参照)。
(2)搬送位置情報記憶エリア12aの更新
係員がノブ15a〜15eを手動で駆動した場合、搬送路センサ11a〜11iがダークになったとしても、搬送路センサ11a〜11lで紙葉類を検出できない場合や、搬送路センサ11a〜11l上に紙葉類が滞留し続けた場合、搬送位置情報記憶エリア12aの通過センサ202の変更、及び通過センサ202の変更に伴う移動距離情報を「0」にする処理を行わなくても良い。
また、残留紙葉類を除去しやすくするために、搬送路を開閉可能にして、それぞれの搬送路に一対の光学式センサの発光部および受光部を設けた場合は、搬送路が閉状態でないときに、受光部が発光部の光を受光できなくなり、紙葉類を誤検知する可能性がある。そのため、開閉可能な搬送路の場合は、搬送路閉を検知する検知手段を設けて、搬送路が閉でないときは、搬送位置情報記憶エリア12aの通過センサ202の変更、及び通過センサ202の変更に伴う移動距離情報を「0」にする処理を行わなくても良い。
(3)紙葉類の画像情報の取得
係員がノブ15a〜15eを手動で駆動した場合、残留紙葉類が判別部3を通過する場合がある。このとき、判別部3は、搬送路駆動部10Xの駆動量に基づき、図17に示すように、紙葉類の部分画像情報1001〜1012を取得し、記憶部12に格納する。部分画像情報1001〜1012は、所定時間毎に取得される画像であり、部分画像情報1001〜1012の紙葉類の搬送方向の幅は、所定時間における搬送路駆動部10Xの駆動量である。なお、紙葉類が判別部3を通過している途中で、搬送路を逆転させ、既に部分画像情報を取得済みの場合は、改めて部分画像情報を取得しないようにしても良いし、部分画像情報を更新しても良い。
判別部3は、取得された紙葉類の全ての部分について、部分画像情報1001〜1012を取得し、これらの部分画像情報1001〜1012を連結するように合成することにより、紙葉類全体の全体画像情報1013を取得する。紙葉類全体の全体画像情報1013を取得した後、全体画像情報1013から紙葉類の判別情報及び固有情報を取得し、搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bに格納する。その後、通信制御部14eは、搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bの情報を本体制御部110に送信する。搬送位置情報記憶エリア12a及び判別情報記憶エリア12bの情報受信した後、本体制御部110は、係員操作/表示部107の残留紙葉類の画像情報を、判別部3が取得した紙葉類全体の画像情報に更新する。
(4)紙葉類の移動距離の算出
上記の実施例では、計測部13は、搬送路駆動部10Xの駆動量を紙葉類の移動距離として取得いるが、紙葉類の摩擦力を考慮して、搬送路駆動部10Xの駆動量から所定の値を減算した値を紙葉類の移動距離として取得しても良い。
(5)紙葉類取扱機構1の構成
図18に示すように、一時保管庫4の下側に、出金処理の完了後に、入出金口2の出金部2bに取り忘れられた紙葉類を収納する取忘れ回収庫20を設けても良い。この場合、取忘れ回収庫20は、搬送路10bから分岐された搬送路10fに接続される。また、取忘れ回収庫20の入口に搬送路センサ11mを設けても良い。
(6)係員操作/表示部107に画面を表示するタイミング
障害情報画面300(310、330、340)、残留箇所表示画面400(410)、残留箇所表示画面510を係員操作/表示部107に表示するタイミングは、障害時だけでなく、取引中や保守時でも良い。
(7)記憶部12
記憶部12は、制御部14の一部としても良い。また、記憶部12に記憶する搬送位置情報記憶エリア12aは、紙葉類の搬送先に応じて別々のテーブルとしても良い。
(8)利用者操作/表示部105への画面表示
係員操作/表示部107に表示される各種画面は、利用者操作/表示部105で表示しても良い。
1…紙葉類取扱機構、2…入出金口、3…判別部、4…一時保管庫、5…入金庫、6〜9…還流庫、10a〜10f…搬送路、10X:搬送路駆動部、11a〜11m:搬送路センサ、12…記憶部、12a…搬送位置情報記憶エリア、12b…判別情報記憶エリア、12c…対応関係情報記憶エリア、13…計測部、14…制御部、14a…搬送路駆動制御部、14b…位置情報取得部、14c…記憶制御部、14d…搬送路センサ監視部、14e…通信制御部、15a〜15e…ノブ、300、310、330、340…障害情報画面、400、410…残留箇所表示画面、500、510…残留詳細箇所表示画面

Claims (10)

  1. 外部から紙葉類が投入される入金口と、
    前記紙葉類の判別情報を取得する判別部と、
    前記紙葉類を一時的に集積する一時保管庫と、
    前記一時保管庫から放出された前記紙葉類を収納する収納庫と、
    前記入金口と、前記一時保管庫と、前記判別部と、前記収納庫とを接続する搬送路と、
    前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の存在を検出する複数の検出部と、
    前記搬送路を駆動する駆動部と、
    前記駆動部の駆動量に基づいて算出された、前記複数の検出部のうち一つの検出部を基準とした前記紙葉類の搬送距離を取得する計測部と、
    前記紙葉類を検出した前記検出部の情報及び前記搬送距離に基づく前記紙葉類の位置情報の取得と、搬送障害の発生の判断と、を実行する制御部と、
    搬送障害が発生した場合に、前記位置情報に基づく位置に紙葉類の残留に関する情報を表示し、前記判別部により判別情報を取得できた紙葉類については、さらに該紙葉類の判別情報を前記紙葉類の残留に関する情報と合わせて表示する表示部と、
    を有することを特徴とする紙葉類取扱装置。
  2. 請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記判別部は、前記紙葉類に固有の情報である固有情報を取得し、
    前記表示部は、前記固有情報を表示する紙葉類取扱装置。
  3. 請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記判別部は、前記紙葉類の画像情報を取得し、
    前記表示部は、前記紙葉類の残留に関する情報の表示位置に、前記紙葉類の画像情報を表示する紙葉類取扱装置。
  4. 請求項3記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の存在を検出する複数の検出部を備え、
    前記表示部は、前記判別部で前記紙葉類の画像情報を取得できない、又は取得されていない場合、前記紙葉類の先端が前記検出部を通過してから、前記紙葉類の後端が前記検出部通過するまでの前記紙葉類の搬送距離を基に作成された前記紙葉類の仮想画像情報を、前記紙葉類の残留に関する情報の表示位置に表示する紙葉類取扱装置。
  5. 請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記計測情報として取得される紙葉類の搬送距離は、前記駆動部の駆動量である紙葉類取扱装置。
  6. 請求項5記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記駆動部に接続され、前記搬送路を手動で操作可能な搬送路操作部を備え、
    前記計測部は、前記搬送路操作部の動作に伴う前記駆動部の駆動量に基づき、前記紙葉類の搬送距離を計測情報として取得し、
    前記制御部は、前記紙葉類の位置情報の再取得を行う紙葉類取扱装置。
  7. 請求項6記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記判別部は、
    前記搬送路操作部の動作に伴う前記駆動部の駆動量に基づき、前記紙葉類の部分画像情報を取得し、
    前記紙葉類の全ての部分について前記部分画像情報を取得した後に、該部分画像情報より前記紙葉類全体の全体画像情報を取得し、
    前記全体画像情報から前記判別情報を取得する紙葉類取扱装置。
  8. 請求項1記載の紙葉類取扱装置であって、
    前記表示部は、前記記憶部に記憶された前記位置情報に対応した、前記紙葉類の除去方法に関する情報を表示する紙葉類取扱装置。
  9. 紙葉類取扱装置に搭載される紙葉類取扱機構であって、
    外部から紙葉類が投入される入金口と、
    前記紙葉類の判別情報を取得する判別部と、
    前記紙葉類を一時的に集積する一時保管庫と、
    前記一時保管庫から放出された前記紙葉類を収納する収納庫と、
    前記入金口と、前記一時保管庫と、前記判別部と、前記収納庫とを接続する搬送路と、
    前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の存在を検出する複数の検出部と、
    前記搬送路を駆動する駆動部と、
    前記駆動部の駆動量に基づいて算出された、前記複数の検出部のうち一つの検出部を基準とした前記紙葉類の搬送距離を取得する計測部と、
    前記紙葉類を検出した前記検出部の情報及び前記搬送距離に基づく前記紙葉類の位置情報の取得と、搬送障害の発生の判断と、を実行する制御部と、
    を有することを特徴とする紙葉類取扱機構。
  10. 請求項9記載の紙葉類取扱機構であって、
    前記制御部は、搬送障害の発生を判断し、前記位置情報に基づく位置に紙葉類の残留に関する情報を表示し、前記判別部により判別情報を取得できた紙葉類については、さらに該紙葉類の判別情報を前記紙葉類取扱装置に送信する紙葉類取扱機構。
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