《構成》
以下、本発明に係る貨幣処理装置、貨幣処理システム及び在高表示方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図25は本発明の実施の形態を説明するための図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」、「紙幣」又は「硬貨」及び「紙幣」の両方のことを意味する。したがって、本願の「貨幣処理装置」は、「硬貨処理装置100」、「紙幣処理装置200」、又は、「硬貨処理装置100」及び「紙幣処理装置200」の両方のことを意味する。なお、以下では、貨幣処理装置が硬貨処理装置100及び紙幣処理装置200の両方を含む態様を用いて説明する。
本願の貨幣処理システムは、硬貨を処理する硬貨処理装置100の他に、紙幣を処理する紙幣処理装置200及び/又は棒金を収納するための棒金ドロア506を有する棒金管理装置500を備えていてもよい(図1乃至図4参照)。また、本願の貨幣処理システムは、硬貨処理装置100、紙幣処理装置200及び棒金管理装置500のいずれか1つ以上に接続されたPOSレジスタ300、パソコン、サーバ400等を備えてもよい。硬貨処理装置100の他に、紙幣を処理する紙幣処理装置200及び/又は棒金を収納するための棒金管理装置500を備えている場合には、硬貨処理装置100と、紙幣処理装置200及び/又は棒金管理装置500とは、別体となっていてもよいし一体となっていてもよい。なお、外部装置とは、対象となっている装置以外の装置のことを意味し、例えば硬貨処理装置100から見た場合には硬貨処理装置100以外のあらゆる装置が外部装置に該当し、上述した例で言うと、紙幣処理装置200、棒金管理装置500、POSレジスタ300、パソコン、サーバ400等が外部装置に該当する。また、紙幣処理装置200から見た場合には紙幣処理装置200以外のあらゆる装置が外部装置に該当し、上述した例で言うと、硬貨処理装置100、棒金管理装置500、POSレジスタ300、パソコン、サーバ400等が外部装置に該当する。また、例えば硬貨処理装置100及び紙幣処理装置200を含む貨幣処理装置から見た場合には貨幣処理装置以外のあらゆる装置が外部装置に該当し、上述した例で言うと、棒金管理装置500、POSレジスタ300、パソコン、サーバ400等が外部装置に該当する。
本実施の形態では、硬貨処理装置100、紙幣処理装置200、棒金管理装置500、POSレジスタ300及びサーバ(例えば店舗サーバ)400を備えた貨幣処理システムを用いて説明する。なお、図2乃至図4は、本実施の形態の貨幣処理システムの構成を示すための図面である。
図2乃至図4に示すように、本実施の形態のPOSレジスタ300はサーバ400に通信接続されている。そして、POSレジスタ300からサーバ400に売上金情報等の情報が送信されるようになっている。また、各種設定情報等の情報が、サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
図3及び図4に示すように、硬貨処理装置100は、後述する操作表示部152を含む硬貨処理装置100の一部や紙幣処理装置200の一部等を制御する上位制御部101と、硬貨処理装置100を制御する硬貨制御部102を有しており、これらの上位制御部101及び硬貨制御部102は通信接続されている。また、紙幣処理装置200は、紙幣処理装置200を制御する紙幣制御部202を有しており、この紙幣制御部202は硬貨処理装置100の上位制御部101に通信接続されている。また、棒金管理機500は、棒金管理機500を制御する棒金制御部502を有しており、この棒金制御部502は硬貨処理装置100の上位制御部101に通信接続されている。また、図4に示すように、POSレジスタ300は、POSレジスタ300を制御するPOS制御部302を有しており、このPOSレジスタ300のPOS制御部302は硬貨処理装置100の上位制御部101に通信接続されている。
そして、硬貨処理装置100において硬貨の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等の様々な処理を行うと、硬貨処理装置100の硬貨識別部150で識別された結果は硬貨処理装置100からPOSレジスタ300に出力されて、当該結果が後述するPOS表示部351で表示される。また、紙幣処理装置200において紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等の様々な処理を行うと、紙幣処理装置200の紙幣識別部250で識別された結果も紙幣処理装置200から上位制御部101を介してPOSレジスタ300に出力されて、当該結果がPOS表示部351で表示される。また、棒金管理機から出力される棒金の有無に関する情報、棒金の金種に関する情報等も棒金管理機500から上位制御部101を介してPOSレジスタ300に出力されて、当該情報がPOS表示部351で表示される。
以下、紙幣処理装置200、硬貨処理装置100、棒金管理機500及びPOSレジスタ300の構成について、説明する。
《紙幣処理装置200》
まず、本実施の形態の紙幣処理装置200の構成について説明する。ちなみに、本実施の形態の紙幣処理装置200は、スーパー、コンビニエンスストア、ショッピングモール、百貨店等の様々な場所で利用され、紙幣の入出金処理を行う紙幣釣銭機となっている。ところで、紙幣処理装置200としてはこのような紙幣釣銭機には限られることはなく、例えば紙幣入金機、紙幣出金機、券売機、自動販売機等も含まれる。
図2に示すように、紙幣処理装置200は、略直方体形状の紙幣筐体203と、紙幣を紙幣筐体203の外部から入金するための紙幣受入部210と、紙幣受入部210から入金された紙幣を搬送する紙幣搬送部220と、紙幣受入部210から入金された紙幣の金種等を識別して計数する紙幣識別部250と、紙幣搬送部220で搬送された紙幣を収納するとともに収納された紙幣を繰り出す紙幣収納部260と、リジェクト紙幣や紙幣収納部260に収納されていた紙幣を出金するための紙幣払出部290と、を備えている。なお、紙幣搬送部220は、図2に示すように、紙幣筐体203内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部220aと、紙幣受入部210、紙幣収納部260、紙幣払出部290等と、周回搬送部220aとの間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部220bとを有している。ちなみに、周回搬送部220aに紙幣識別部250が設けられている。また、本実施の形態の紙幣収納部260は金種別に紙幣を収納する3つの金種別紙幣収納部261(261a,261b,261c)を有している。
紙幣受入部210は、紙幣が入金されると自動で又は操作表示部152、ボタン式操作部153、POS操作部352等からの入力信号を受けて駆動されて当該紙幣を紙幣筐体203内に繰り出す入金紙幣操出部(図示せず)を有している。また、紙幣収納部260は、必要に応じて紙幣収納部260から紙幣を繰り出す出金紙幣繰出部(図示せず)を有している。
また、図2に示すように、紙幣搬送部220には、回収処理を行う際に紙幣収納部260から繰り出された紙幣を収納する回収カセット235が連結されている。なお、紙幣識別部250で識別された紙幣の金種を収納するための紙幣収納部260がフル(満杯)状態又はニアフル(ほぼ満杯)状態である場合には、この紙幣はオーバーフロー紙幣として、回収カセット235に収納される。
また、図2に示すように、紙幣搬送部220には、紙幣収納部260から繰り出された紙幣が紙幣識別部250によって識別できない場合に、当該紙幣(出金リジェクト紙幣)を収納する出金リジェクト部230が連結されている。
紙幣処理装置200の各金種に関する在高は、対象となる金種別紙幣収納部261に収納された紙幣の枚数から当該金種別紙幣収納部261から繰り出された紙幣の枚数を差し引くことで算出可能となる。より具体的には、各金種別紙幣収納部261に対応して設けられた検知センサ225からの情報に基づいて対象となる金種別紙幣収納部261内に紙幣が収納されたことが検出され、他方、当該検知センサ225からの情報に基づいて対象となる金種別紙幣収納部261から紙幣が繰り出されたことが検出される。
なお、金種別紙幣収納部261の各々に、金種別紙幣収納部261内に収納されている紙幣の残量を検知する収容量検知センサ262(図4参照)が設けられてもよい。このような収容量検知センサ262が設けられている場合には、当該収容量検知センサ262からの情報を受けて金種別紙幣収納部261内において紙幣が、ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ(ほぼ空)状態なのか、エンプティ(空)状態なのかが紙幣制御部202で判断されるようにしてもよい。
各金種別紙幣収納部261内に収納されている紙幣の在高情報(紙幣の枚数)や紙幣の収納状態(ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ状態なのか、エンプティ状態なのか)は、硬貨処理装置100の上位記憶部155に送られて当該上位記憶部155で記憶されることとなる。
各金種別紙幣収納部261は紙幣を例えば100枚〜200枚収納することができるようになっている。具体的な例を持ち出して説明すると、金種別紙幣収納部261は千円紙幣を200枚収納することができ、金種別紙幣収納部261は五千円紙幣を100枚収納することができ、金種別紙幣収納部261は一万円紙幣を200枚収納することができるようになっている。ちなみに、オーバーフローした紙幣は、例えば200枚までであれば回収カセット235に収納可能となる。
また、図2に示すように、検知センサ225は、出金リジェクト部230及び回収カセット235の各々に対応するようにも設けられており、当該検知センサ225からの情報に基づいて、出金リジェクト部230及び回収カセット235の各々に収納されている紙幣の枚数も検出できるようになっている。これら出金リジェクト部230及び回収カセット235の各々に収納されている紙幣の枚数に関する情報も、硬貨処理装置100の上位記憶部155に送られて当該上位記憶部155で記憶されてもよい。ちなみに、本実施の形態では、紙幣受入部210及び紙幣払出部290にも対応して検知センサ225が設けられているが、この検知センサ225は紙幣受入部210で受け入れられた紙幣が当該検知センサ225を通過したか、また、紙幣払出部290から払い出されるべき紙幣が当該検知センサ225を通過したかを検知するために用いられる。
図4に示すように、紙幣処理装置200の紙幣制御部202には、インターフェース232、紙幣受入部210、紙幣搬送部220、出金リジェクト部230、紙幣識別部250、紙幣収納部260、紙幣払出部290、収容量検知センサ262、検知センサ225等がそれぞれ接続されている。そして、紙幣制御部202は、紙幣受入部210、紙幣搬送部220、出金リジェクト部230、紙幣識別部250、紙幣収納部260、紙幣払出部290、収容量検知センサ262、検知センサ225等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。なお、紙幣制御部202には、様々な情報を記憶する紙幣記憶部205と、カードに記録された情報を読み取るカードリーダ270と、紙幣収納部260、出金リジェクト部230、回収カセット235等の所定のユニットをロックしたり、紙幣収納部260、出金リジェクト部230、回収カセット235等の所定のユニットを解錠したりする電磁ロック部275も接続されており、これらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
一例としては、本実施の形態の紙幣処理装置200における紙幣の入金速度は2.5枚/秒であり、他方、紙幣の出金速度は2.0枚/秒である。また、一例として、紙幣受入部210に一度に投入可能な紙幣の枚数は20枚であり、紙幣払出部290で一度に出金可能な紙幣の枚数は10枚である。
また、本実施の形態の紙幣処理装置200は自動精査すなわち自動在高確認動作ができるようになっていてもよい。つまり、操作表示部152、POS操作部352等から実行指示の入力を受けたり所定の設定時刻になったりすることで、紙幣処理装置200は各金種別紙幣収納部261内に収納されている紙幣の計数を開始し、実際の紙幣の在高が紙幣記憶部205等に記憶されている紙幣の在高と合致しているかを確認できるようなってもよい。
《硬貨処理装置100》
次に、本実施の形態の硬貨処理装置100の構成について説明する。ちなみに、本実施の形態の硬貨処理装置100は、スーパー、コンビニエンスストア、ショッピングモール、百貨店等の様々な場所で利用され、硬貨の入出金処理を行う硬貨釣銭機となっている。ところで、硬貨処理装置100としてはこのような硬貨釣銭機には限られることはなく、例えば硬貨入金機、硬貨出金機、券売機、自動販売機等も含まれる。
図4に示すように、本実施の形態の硬貨処理装置100の上位制御部101には、インターフェース132と、操作表示部152と、物理的なボタン等からなるボタン式操作部153と、様々な情報を記憶する上位記憶部155が接続されており、これらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。また、硬貨制御部102には、後述する、インターフェース133、硬貨受入部110、入金硬貨搬送部120、硬貨識別部150、硬貨収納部160、振分部127,129、出金硬貨搬送部180、硬貨払出部190、硬貨が通過したことを検知する検知センサ124,125,165及び様々な情報を記憶する硬貨記憶部105等が接続されている。そして、上位制御部101は、操作表示部152、ボタン式操作部153及び上位記憶部155等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。また、硬貨制御部102は、硬貨受入部110、入金硬貨搬送部120、硬貨識別部150、硬貨収納部160、振分部127,129、出金硬貨搬送部180、硬貨払出部190、検知センサ124,125,165及び硬貨記憶部105等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。なお、硬貨制御部102には、カードに記録された情報を読み取るカードリーダ170と、硬貨収納部160等の所定のユニットをロックしたり、硬貨収納部160等の所定のユニットを解錠したりする電磁ロック部175も接続されており、これらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
本実施の形態の硬貨処理装置100は、図2に示すように、硬貨筐体103と、硬貨を硬貨筐体103の外部から入金するための硬貨受入部110と、硬貨筐体103内に設けられ、硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出す硬貨収納部160と、硬貨筐体103内において、硬貨受入部110から投入された硬貨を1枚ずつ硬貨収納部160まで入金経路に沿って搬送する入金硬貨搬送部120と、入金経路に沿って設けられ、入金硬貨搬送部120で搬送される硬貨を識別して計数する硬貨識別部150と、を備えている。また、図5に示すように、硬貨筐体103の上面には、操作者が操作信号を入力したり操作者に所定の情報を表示したりするための操作表示部152が設けられている。本実施の形態の操作表示部152はタッチパネルとなっており、操作表示部152に直接触れることで、操作者が操作信号を入力することができる。また、図5に示すように、硬貨入金口111には開閉自在のシャッター115が設けられてもよい。なお、操作表示部152は液晶ディスプレイ(LCD)等からなってもよい。
図2に示すように、入金経路には、後述する金種別硬貨収納部161(つまり金種別硬貨収納部161a〜161f)の各々に対応した検知センサ125と、当該検知センサ125からの情報を受けて各金種別硬貨収納部161に対応する金種の硬貨を振り分ける複数(本実施の形態では6つ)の入金振分部127が設けられている。各検知センサ125は、対応する金種別硬貨収納部161の上流位置に対応して設けられている。
また、図2に示すように、硬貨識別部150の下流位置であって硬貨収納部160の上流位置には、硬貨識別部150で金種等を識別することができなかった硬貨をリジェクト硬貨として振り分けるためのリジェクト振分部129が設けられている。本実施の形態では、図2に示すように、リジェクト振分部129は、硬貨識別部150の下流側であって入金振分部127の上流側に位置している。
図2に示すように、リジェクト振分部129の直前の上流位置には検知センサ124が設けられている。そして、硬貨識別部150でリジェクト硬貨であると判断され、かつ、検知センサ124から硬貨が到達又は通過した旨の検知情報を受けた段階で、硬貨制御部102がリジェクト振分部129を開状態とし、リジェクト硬貨をリジェクト振分部129で取り込むようにしてもよい。なお、当然、硬貨識別部150でリジェクト硬貨であると判断された際にリジェクト振分部129を開状態のまま維持し、リジェクト硬貨をリジェクト振分部129で取り込む態様も採用することができる。なお、リジェクト振分部129が開状態となって当該リジェクト振分部129に取り込まれることで、硬貨は入金経路から外れ、リジェクト搬送経路(図示せず)を落下した後、後述する出金硬貨搬送部180によって硬貨払出部190まで送られることとなる。
図2に示すように、本実施の形態の硬貨処理装置100は、硬貨収納部160から繰り出された硬貨を出金経路に沿って搬送する出金硬貨搬送部180と、出金経路に繰り出されて出金硬貨搬送部180で搬送された硬貨を出金する硬貨払出部190も備えている。
一例としては、本実施の形態の硬貨処理装置100における硬貨の入金速度は6枚/秒であり、他方、999円の硬貨(500円1枚、100円4枚、50円1枚、10円4枚、5円1枚及び1円4枚)を出金するのに2.7秒かかる。また、一例として、硬貨受入部110に一度に投入可能な硬貨の枚数は50枚であり、硬貨払出部190で一度に出金可能な硬貨の枚数は50枚である。
本実施の形態の硬貨収納部160は、金種別に硬貨を収納する複数(本実施の形態では6つ)の金種別硬貨収納部161を有しており、各金種別硬貨収納部161が水平方向で並列に配置されている。金種別硬貨収納部161は、図2の下から順番に、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨及び1円硬貨を収納するようになっている。各金種別硬貨収納部161は、対応する硬貨を例えば100枚〜200枚程度収納することができる。より具体的な例を持ち出して説明すると、金種別硬貨収納部161aは500円硬貨を105枚収納することができ、金種別硬貨収納部161bは100円硬貨を160枚収納することができ、金種別硬貨収納部161cは50円硬貨を120枚収納することができ、金種別硬貨収納部161dは10円硬貨を160枚収納することができ、金種別硬貨収納部161eは5円硬貨を120枚収納することができ、金種別硬貨収納部161fは1円硬貨を160枚収納することができるようになっている。
なお、金種別硬貨収納部161の各々は、硬貨を収納する金種別繰出収納庫と、金種別繰出収納庫内に収納された硬貨を出金経路に繰り出すための繰出部(図示せず)と、繰出部で繰り出される硬貨の枚数を検知する検知センサ165(図4参照)と、所定枚数の硬貨が繰り出された際にそれ以上の硬貨が繰り出されないように硬貨の繰り出しをストップさせるためのストッパ(図示せず)と、を有している。
本実施の形態では、硬貨処理装置100の各金種に関する在高は、対象となる金種別硬貨収納部161に収納された硬貨の枚数から当該金種別硬貨収納部161から繰り出された硬貨の枚数を差し引くことで算出可能となる。金種別硬貨収納部161に収納された硬貨の枚数を算出する際には、具体的には、各金種別硬貨収納部161に対応して設けられた入金振分部127の上流位置の検知センサ125で硬貨の通過が確認されたが当該入金振分部127の下流位置の検知センサ125で硬貨の通過が確認されなかった場合に、当該入金振分部127で硬貨が取り込まれて、当該入金振分部127に対応する金種別硬貨収納部161に硬貨が収納されたと判断されて算出される。ただし、最も下流側に位置する金種別硬貨収納部161fに関しては、当該金種別硬貨収納部161fの直前に位置する検知センサ125を通過した硬貨の枚数が当該金種別硬貨収納部161fに収納された硬貨の枚数となる。他方、各金種別硬貨収納部161から繰り出された硬貨の枚数は検知センサ165からの情報に基づいて算出される。
なお、金種別硬貨収納部161の各々に、金種別硬貨収納部161内に収納されている硬貨の残量を検知する収容量検知センサ162が設けられてもよい。このような収容量検知センサ162が設けられている場合には、当該収容量検知センサ162からの情報を受けて金種別硬貨収納部161内において硬貨が、ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ状態なのか、エンプティ状態なのかが硬貨制御部102や上位制御部101で判断されるようにしてもよい。
各金種別硬貨収納部161内に収納されている硬貨の在高情報(硬貨の枚数)や硬貨の収納状態(ニアフル状態なのか、フル状態なのか、ニアエンプティ状態なのか、エンプティ状態なのか)は、硬貨処理装置100の上位記憶部155に送られて当該上位記憶部155で記憶されることとなる。
また、本実施の形態の硬貨処理装置100は自動精査すなわち自動在高確認動作ができるようになっていてもよい。つまり、操作表示部152、POS操作部352等から実行指示の入力を受けたり所定の設定時刻になったりすることで、硬貨処理装置100は各金種別硬貨収納部161内に収納されている硬貨の計数を開始し、実際の硬貨の在高が硬貨記憶部105等に記憶されている硬貨の在高と合致しているかを確認できるようなってもよい。精査処理を行う場合には、例えば、対象となっている金種別硬貨収納部161から硬貨が繰り出されて出金硬貨搬送部180によって硬貨払出部190まで送られ、このように硬貨払出部190に送られた硬貨を硬貨受入部110に投入して、硬貨識別部150で各硬貨を識別計数させればよい。
なお、図6に示すような補助収納部199を備えた硬貨処理装置100を採用することもできる。このように補助収納部199を備えた硬貨処理装置100であれば、操作表示部152、POS操作部352等からの入力を受けず、所定の時間になると自動で精査処理を開始することもできる。この補助収納部199は入金経路の下方に配置されており、補助収納部199から硬貨を硬貨受入部110に繰り出すことができるようになっている。
補助収納部199は、出金経路に繰り出された硬貨のうち硬貨出金部190で出金されない硬貨を収納するために用いられる。そして、自動精査が行われる際の一例を示すと、硬貨収納部160のある金種別硬貨収納部161から硬貨が繰り出され(図7の(1)参照)、出金硬貨搬送部180で搬送された硬貨が補助収納部199内に取り込まれる(図7の(2)参照)。このように補助収納部199内に取り込まれた硬貨は、補助収納部199から硬貨受入部110に送られ(図7の(3)参照)、この硬貨受入部110から入金経路に繰り出され(図7の(4)参照)、硬貨識別部150で識別された後(図7の(5)参照)、元々繰り出された金種別硬貨収納部161に戻される(図7の(6)参照)。
ちなみに、上述したような補助収納部199を採用した場合には、ある金種別硬貨収納部161がフル状態又はニアフル状態となっており当該ある金種別硬貨収納部161に収納することができない硬貨(オーバーフロー硬貨)を当該補助収納部199に収納することもでき、例えば70枚のオーバーフロー硬貨を補助収納部199で収納することができる。オーバーフロー処理が行われる際の一例を示すと、まず、硬貨受入部110から入金経路に硬貨が繰り出され(図8(a)の(1)参照)、硬貨識別部150で識別されてフル状態又はニアフル状態の金種の硬貨であると判断されると(図8(a)の(2)参照)、図6及び図8に示す入金振分部126が開状態となり(図8(a)の(3)参照)、当該金種の硬貨は入金振分部126で補助収納部199内に取り込まれ(図8(a)の(4)参照)、補助収納部199内に収納される。そして、このようにして補助収納部199内に取り込まれたオーバーフロー硬貨を対象となる金種別硬貨収納部161に戻すときには、補助収納部199から硬貨入金部110に硬貨が送られ(図8(b)の(1)参照)、当該硬貨は、この硬貨入金部110から入金経路に繰り出され(図8(b)の(2)参照)、硬貨識別部150で識別された後(図8(b)の(3)参照)、対応する金種別硬貨収納部161に振り分けられる(図8(b)の(4)参照)。
上述した上位記憶部155は、特許請求の範囲に記載された「記憶部」に含まれており、在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶している。そして、本実施の形態の操作表示部152は、特許請求の範囲に記載された「表示部」に含まれており、硬貨記憶部105の記憶内容に基づいて在高情報を表示し、ある一つの金種に関する在高情報と別の一つの金種に関する在高情報とを異なる態様で表示するようになっている。
一例としては、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種に対する在高情報が操作表示部152で表示されない態様を採用することができる。図9に示した態様では、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種である1万円、5千円及び千円に関しては、在高を示すバロメータ(又はインジケータ。図9中で四角(□)で示された棒グラフ。)は示されているものの、これら1万円、5千円及び千円の在高枚数は操作表示部152で表示されていない。他方、低額金種である500円、100円、50円、10円、5円及び1円に関しては、在高を示すバロメータだけではなく、これら500円、100円、50円、10円、5円及び1円の在高枚数(それぞれ、50枚、80枚、35枚、45枚、34枚及び45枚)も操作表示部152で表示されている。つまり、図9で示す態様では、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種(高額金種)に対する在高情報の「一部」を構成する在高枚数が操作表示部152で表示されない態様となっている。なお、図9に示す態様は、別の捉え方とすると、通常表示からなる第一表示状態において、所定額面(図9で示す態様では千円)以上の金種に対する在高情報が当該金種の枚数を含まないようになっている。
なお、このような態様に限られることはなく、図10に示すように、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種(例えば高額金種)に対する在高情報の「全て」が操作表示部152で表示されない態様となっていてもよい。図10に示す態様では、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種である1万円、5千円及び千円に関しては、これら1万円、5千円及び千円の在高枚数だけでなく在高を示すバロメータも一切、操作表示部152で表示されないようになっている。
また、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量は、高額金種よりも低額な低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっていてもよい。図9で示す態様では、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種である1万円、5千円及び千円に関しては、在高を示すバロメータは示されているものの、これら1万円、5千円及び千円の在高枚数は操作表示部152で表示されていない。他方、低額金種である500円、100円、50円、10円、5円及び1円に関しては、在高を示すバロメータだけではなく、これら500円、100円、50円、10円、5円及び1円の在高枚数も操作表示部152で表示されている。したがって、図9で示す態様では、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種(すなわち、1万円、5千円及び千円)に関して操作表示部152で表示される情報量は、高額金種よりも低額な低額金種(すなわち、500円、100円、50円、10円、5円及び1円)に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっている。また、図10で示す態様では、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種(すなわち、1万円、5千円及び千円)に関して操作表示部152で表示される情報量は「0(ゼロ)」となっているのに対して、高額金種よりも低額な低額金種(すなわち、500円、100円、50円、10円、5円及び1円)に関して操作表示部152で表示される情報量は在高を示すバロメータと低額金種に関する在高枚数となっていることから、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量は、高額金種よりも低額な低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっている。また、図18で示す態様では、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種(すなわち、1万円、5千円及び千円)に関して操作表示部152で表示される情報量は在高枚数のみとなっているのに対して、高額金種よりも低額な低額金種(すなわち、500円、100円、50円、10円、5円及び1円)に関して操作表示部152で表示される情報量は在高を示すバロメータと低額金種に関する在高枚数となっていることから、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量は、高額金種よりも低額な低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっている。
ところで、上記では、操作表示部152で表示される高額金種の情報量と操作表示部152で表示される低額金種の情報量とが異なるものとして説明したが、これに限られることはなく、任意のある金種に関して操作表示部152で表示される情報量が、当該ある金種以外の他の金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくすることができる。例えば、入出金量が少ない金種の在高情報を操作表示部152で表示しないようにしてもよいし、入出金量が少ない金種に関して操作表示部152で表示される情報量がその他の金種に関して操作表示部152で表示される情報量よりも少なくなっていてもよいし、入出金量が少ない金種に対する在高情報が当該金種の枚数を含まないようになっていてもよい。
また、ある金種に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高に応じて切り替えられるようになっていてもよい。より具体的には、ある金種に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第一閾値未満の場合には通常表示からなる第一表示状態となり、当該ある金種の在高が第一閾値以上の場合には過剰表示からなる第二表示状態となってもよい。また、ある金種に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第二閾値より大きい場合には通常表示からなる第一表示状態となり、当該ある金種の在高が第二閾値以下の場合には不足表示からなる第三表示状態となってもよい。ちなみに、第一閾値>第二閾値となっている。
より詳細には、ある金種(例えば1万円、5千円及び千円といった高額金種)に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第一閾値未満であって第二閾値より大きい場合には通常表示からなる第一表示状態となり、図9に示すように、高額金種である1万円、5千円及び千円に関しては、在高を示すバロメータは示されているものの、これら1万円、5千円及び千円の在高枚数は操作表示部152で表示されていないが、他方、低額金種である500円、100円、50円、10円、5円及び1円に関しては、在高を示すバロメータだけではなく、これら500円、100円、50円、10円、5円及び1円の在高枚数も操作表示部152で表示される態様を採用することができる。また、別の例としては、ある金種(例えば高額金種)に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第一閾値未満であって第二閾値より大きい場合には通常表示からなる第一表示状態となり、ある金種(例えば高額金種)に対する在高情報の全てが操作表示部152で表示されない態様となり、例えば、図10に示すように、高額金種に関しては在高枚数だけでなく在高を示すバロメータも一切、操作表示部152で表示されなくてもよい。さらに別のとしては、ある金種(例えば高額金種)に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第一閾値未満であって第二閾値より大きい場合には通常表示からなる第一表示状態となり、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量は、高額金種よりも低額な低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっていてもよい。この際の例としては、図9、図10及び図18に示す態様を挙げることができる。
他方、ある金種(例えば1万円、5千円及び千円といった高額金種)に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第一閾値以上となった場合には、過剰表示からなる第二表示状態となり、図11に示すように、当該ある金種(図11では千円)の在高に関して在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示されるようになってもよいし、在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示(又は拡大表示)されるようになってもよい。また、第一表示状態において、高額金種に関しては在高枚数だけでなく在高を示すバロメータも一切、操作表示部152で表示されていない場合には(図10参照)、段階的に表示態様が変わってもよく、例えばある金種(図12では一万円)の在高が第一閾値以上となりニアフルの段階では在高を示すバロメータのみが表示され、当該ある金種(図13では一万円)の在高が第三閾値(第三閾値>第一閾値)以上となり例えばフルより10枚程度少ないだけの段階では在高を示すバロメータと在高枚数の両方が表示されるようになってもよいし、在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示(又は拡大表示)されるようになってもよい。
また、同様に、ある金種(例えば1万円、5千円及び千円といった高額金種)に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種(図14では千円)の在高が第二閾値以下となった場合には、不足表示からなる第三表示状態となり、当該ある金種の在高に関して在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示されるようになってもよいし、在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示(又は拡大表示)されるようになってもよい。また、第一表示状態において、高額金種に関しては在高枚数だけでなく在高を示すバロメータも一切、操作表示部152で表示されていない場合には(図10参照)、段階的に表示態様が変わってもよく、例えばある金種(図15では千円)の在高が第二閾値以下となりニアエンプティの段階では在高を示すバロメータのみが表示され、当該ある金種(図16では千円)の在高が第四閾値(第四閾値<第二閾値)以下となり例えば在高が10枚程度の段階では在高を示すバロメータと在高枚数の両方が表示されるようになってもよいし、在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示(又は拡大表示)されるようになってもよい。
また、ある金種に対する在高情報の表示態様は、貨幣を回収する回収モード又は貨幣を補充する補充モードとなっている場合には第四表示状態となり(図17参照)、貨幣の入金処理や出金処理といった貨幣を通常に処理する通常モードとなっている場合には通常表示からなる第一表示状態となってもよい(図9、図10及び図18参照)。
より具体的には、貨幣の入金処理や出金処理といった貨幣を通常に処理する通常モードとなっている場合には、第一表示状態となり、ある金種に対する在高情報の「一部」又は「全部」が操作表示部152で表示されない態様とすることができる。一例を示すならば、通常モードとなっている場合には第一表示状態となり、図9に示すように、ある金種(例えば高額金種)に関しては、在高を示すバロメータのみが示され、他方、その他の金種(例えば低額金種)に関しては、在高を示すバロメータと在高枚数の両方が操作表示部152で表示される態様を採用することができる。また、別の例としては、通常モードとなっている場合には第一表示状態となり、図10に示すように、ある金種(例えば高額金種)に対する在高情報の全てが操作表示部152で表示されない態様となり、他方、その他の金種(例えば低額金種)に関しては、在高を示すバロメータと在高枚数の両方が操作表示部152で表示される態様を採用することができる。さらに別のとしては、通常モードとなっている場合には第一表示状態となり、図9、図10及び図18に示すように、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量は、高額金種よりも低額な低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっていてもよい。
他方、貨幣を回収する回収モード又は貨幣を補充する補充モードとなっている場合には第四表示状態となり、例えば、全金種に対する在高情報が操作表示部152で表示されることとなる(図17参照)。より具体的には、貨幣の入金処理や出金処理といった貨幣を通常に処理する通常モードとなっている場合には、第一表示状態となり、高額金種に関して在高を示すバロメータは示されているものの高額金種の在高枚数は操作表示部152で表示されていない場合や(図9参照)、高額金種に関して在高情報の全てが操作表示部152で表示されない場合や(図10参照)、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量が低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と比較して少なくなっている場合であっても(図9、図10及び図18参照)、貨幣を回収する回収モード又は貨幣を補充する補充モードとなっている場合には第四表示状態となり(図17参照)、高額金種の在高情報の全て、より具体的に、高額金種に関しても在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示されるようになり、その結果、高額金種に関して操作表示部152で表示される情報量が低額金種に関して操作表示部152で表示される情報量と同じ情報量となってもよい。操作者は、この表示を見て、補充や回収の要否を判断したり、補充作業や回収作業の進捗状況を確認したりすることができる。
また、本実施の形態では、上位記憶部155に記憶された在高情報に対する複数の表示態様の中から、ある金種に対する在高情報の表示態様を切り替え表示可能となっている。より具体的には、通常表示からなる第一表示状態、過剰表示からなる第二表示状態、不足表示からなる第三表示状態並びに回収モード及び補充モードにおいて表示される第四表示状態の各々において、各金種の在高情報について、在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方を表示しないのか(図10の千円以上の金種を参照)、在高を示すバロメータ及び在高枚数の一方のみを表示するのか(図9及び図18の千円以上の金種を参照)、又は、在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方を表示するのか(図9、図10及び図18の500円以下の金種を参照)を、操作表示部152やPOS操作部352から入力して選択できるようにしてもよい。なお、本実施の形態の操作表示部152及びPOS操作部352は、特許請求の範囲に記載された「操作部」に含まれている。
ところで、ある金種に対する在高情報の表示態様は、過剰表示からなる第二表示状態、不足表示からなる第三表示状態又は回収モード及び補充モードにおいて表示される第四表示状態となった場合でも、所定の時間が経過するか又は操作表示部152やPOS操作部352からの入力を受けて通常表示からなる第一表示状態に戻るようになってもよい。なお、ある金種の在高が過剰状態でなくなったり不足状態でなくなったりした場合には、当該ある金種の在高は通常表示である第一表示状態で表示されることとなる。
また、本実施の形態による貨幣処理装置は、表示態様が切り替えられる在高の値を例えば金種毎に変更するための変更モードに切替可能となっていてもよい。この場合には、上位制御部101等の処理モードを変更モードに切り替えることで、操作表示部152における表示が過剰表示からなる第二表示状態に切り替えられる第一閾値の値を各金種に対して設定することができ、また、操作表示部152における表示が不足表示からなる第三表示状態に切り替えられる第二閾値の値を各金種に対して設定することができる。また、上述した第三閾値の値も各金種に対して設定することができるようになってもよく、また、上述した第四閾値の値も各金種に対して設定することができるようになってもよい。
ところで、後述するPOSレジスタ300のPOS表示部351や図示していないが外付けの表示部は、特許請求の範囲に記載された「表示部」に含まれる。上記では、操作表示部152における表示態様を中心に説明してきたが、これらPOSレジスタ300のPOS表示部351や外付けの表示部についても、操作表示部152について説明してきた内容と同様の表示態様を採用することができる。
また、上記では上位記憶部155が在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶しているとして説明したが、これに限られることはない。例えば、硬貨記憶部105が在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶していてもよいし、紙幣記憶部205が在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶していてもよいし、POS記憶部305が在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶していてもよいし、さらには、図示していないが外付けの記憶部が在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶していてもよい。そして、このように在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶しているものは、特許請求の範囲に記載された「記憶部」に含まれることとなる。
《棒金管理機500》
次に、本実施の形態の棒金管理機500について説明する。
図2に示すように、本実施の形態の棒金管理機500は、棒金筐体503と、棒金筐体503に対して引き出し自在に設けられ、棒金を1本ずつ収納する棒金収納部520を複数個有する棒金ドロア506と、を備えている。なお、この棒金ドロア506内には、棒金以外にもバラ硬貨、紙幣、商品券等も収納することができる補助収納領域530が設けられていてもよい。
また、棒金ドロア506と棒金筐体503との間には、棒金制御部502に接続されたロータリエンコーダ(変位検出手段)(図示せず)が設けられており、棒金ドロア506の棒金筐体503に対する位置を検知することができるようになっている。そして、センサとロータリエンコーダ(変位検出手段)によって、棒金の直径を検知することで、棒金の有無を検知するだけでなく、棒金の金種の判定することができるようになっており、これらセンサとロータリエンコーダ(変位検出手段)によって、棒金検知部580(図4参照)が構成されている。ちなみに、本実施の形態では、棒金ドロア506の底面にスリット525が形成されており(図2参照)、このスリット525をセンサからの光が透過することで、棒金の直径や棒金の有無を検知することができるようになっている。なお、棒金収納部520内の棒金の有無及び金種を検知する手段としては、この方式に限定されず、各棒金収納部520に有無や金種(材質)を検知するセンサを配置してもよい。また、棒金筐体503には、棒金ドロア506を棒金筐体503に対して閉鎖位置に固定するロック部560(図4参照)が設けられている。また、本実施の形態の棒金管理機500は、棒金筐体503に対して棒金ドロア506が開状態になっているか閉状態になっているかを検知する開閉検知部570(図4参照)も備えている。
図4に示すように、棒金管理機500の棒金制御部502には、インターフェース532、棒金検知部580、開閉検知部570、ロック部560等がそれぞれ接続されている。そして、棒金制御部502は、棒金検知部580、開閉検知部570、ロック部560等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。なお、棒金制御部502には、様々な情報を記憶する棒金記憶部505も接続されている。ちなみに、棒金ドロア506の棒金収納部520に収納されている棒金の在高情報(棒金の本数)は、硬貨処理装置100の上位記憶部155に送られて当該上位記憶部155で記憶されることとなる。
《POSレジスタ300》
次に、本実施の形態のPOSレジスタ300の構成について説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨処理装置100や紙幣処理装置200に対して指令を入力して、硬貨や紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等を行わせるようになっている。
図4に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部302は、硬貨処理装置100の上位制御部101に通信接続されるとともに、サーバ400にも通信接続されている。そして、このPOS制御部302は、硬貨処理装置100の上位制御部101を介して硬貨制御部102、紙幣制御部202及び棒金制御部502に指令を送り、この結果、硬貨処理装置100に対して硬貨の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等を行わせ、紙幣処理装置200に対して紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等を行わせ、棒金管理機500の棒金ドロア506のロックを解除させたりするようになっている。また、POS制御部302は、硬貨制御部102、紙幣制御部202及び棒金制御部502から、上位制御部101を介して、硬貨処理装置100、紙幣処理装置200及び棒金制御部502における硬貨、紙幣及び棒金の処理状況や在高に係る情報を受け取るようになっている。
図1に示すように、POSレジスタ300は、店員等の操作者が操作することのできるPOS操作部352と、商品の取引状況、硬貨処理装置100における硬貨の処理状況、紙幣処理装置200における紙幣の処理状況、硬貨処理装置100の内部に収納された硬貨の在高、紙幣処理装置200の内部に収納された紙幣の在高、棒金管理機500の内部に収納された棒金の在高等を表示するPOS表示部351と、を備えている。そして、操作者は、POS操作部352を介してPOS制御部302(図5参照)に対して様々な指令を与えることができるようになっている。なお、上述したPOS表示部351には、購入客に対して商品の購入代金を示したりするための購入客用表示部351a(図1参照)が含まれている。
図4に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部302は、インターフェース332を介して、硬貨処理装置100の上位制御部101やサーバ400に対して信号の送受信を行うようになっている。また、POS記憶部305には、硬貨処理装置100における硬貨の処理状況、硬貨処理装置100の内部に収納された硬貨の在高、紙幣処理装置200における紙幣の処理状況、紙幣処理装置200の内部に収納された紙幣の在高、棒金管理機500の内部に収納された棒金の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
なお、POSレジスタ300は、クレジットカード等の各種カードを読み取るカードリーダ360と、プリンタ等からなる印字部370も有している。なお、POS表示部351で表示されるあらゆる情報やPOS記憶部305で記憶されているあらゆる情報は、当該印字部370で印字することができるようになっている。
図4に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部302には、カードリーダ360、プリンタ等からなる印字部370、POS表示部351、POS操作部352、POS記憶部305、インターフェース332等がそれぞれ接続されている。そして、POS制御部302は、カードリーダ360、印字部370、POS表示部351、POS操作部352、POS記憶部305等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
《方法》
次に、本実施の形態の貨幣処理装置及び/又は貨幣処理システムにおいて、貨幣処理装置内の在高を表示する在高表示方法について説明する。なお、以下では、操作表示部152、POS表示部351及び外付けの表示部(図示せず)の少なくとも1つ以上を示す用語として「表示部40」を用いて説明する。また、上位記憶部155、硬貨記憶部105、紙幣記憶部205、棒金記憶部505、POS記憶部305及び外付けの記憶部(図示せず)の少なくとも1つ以上を示す用語として「記憶部60」を用いて説明する。また、操作表示部152、POS操作部352及びボタン式操作部153の少なくとも1つ以上を示す用語として「操作部50」を用いて説明する。
本実施の形態の貨幣処理装置及び/又は貨幣処理システムにおいて貨幣処理装置内の在高を表示する場合には、まず、記憶部60からその記憶内容が読み出される。より具体的には、記憶部60から、金種情報に紐付けられた在高情報の表示態様が読み出される。この記憶部60で記憶されている情報は、既に説明したとおりであることから、ここでは簡単に説明するに留める。
記憶部60に記憶されている情報としては、一態様として、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に対する在高情報の一部又は全部を表示部40に表示しないようになっている(図9及び図10参照)。また、別の態様として、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して表示部40で表示される情報量は、当該ある金種以外の他の金種に関して表示部40で表示される情報量と比較して少なくなっている(図9、図10及び図18参照)。
そして、記憶部60から読み出された記憶内容に基づいて、表示部40によって在高情報が表示される結果、ある一つの金種に関する在高情報と別の一つの金種に関する在高情報とを異なる態様で表示されることとなる(図9、図10及び図18参照)。
在高に応じて表示態様が切り替えられることが記憶部60に記憶されていてもよく、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に対する在高情報の表示態様が、当該ある金種の在高が第一閾値未満の場合には通常表示からなる第一表示状態となり(図9、図10及び図18参照)、当該ある金種の在高が第一閾値以上の場合には過剰表示からなる第二表示状態となる(図11乃至図13参照)ことが記憶部60に記憶されていてもよい。また、ある金種に対する在高情報の表示態様が、当該ある金種の在高が第二閾値より大きい場合には通常表示からなる第一表示状態となり(図9、図10及び図18参照)、当該ある金種の在高が第二閾値以下の場合には不足表示からなる第三表示状態となる(図14乃至図16参照)ことが記憶部60に記憶されていてもよい。
また、モードに応じて表示態様が切り替えられることが記憶部60に記憶されていてもよく、ある金種(例えば高額金種)に対する在高情報の表示態様は、貨幣を回収する回収モード又は貨幣を補充する補充モードとなっている場合には第四表示状態となり(図17参照)、貨幣の入金処理や出金処理といった貨幣を通常に処理する通常モードとなっている場合には通常表示からなる第一表示状態となる(図9、図10及び図18参照)ことが記憶部60に記憶されていてもよい。
上述したように記憶部60から読み出された記憶内容に基づいて表示部40によって在高情報が表示されこととなる結果、ある金種に関して在高に応じて表示態様が切り替えられたり、モードに応じてある金種の表示態様が切り替えられたりすることとなる。
なお、過剰表示からなる第二表示状態、不足表示からなる第三表示状態又は回収モード及び補充モードにおいて表示される第四表示状態となる態様を採用した場合には、所定の時間が経過するか又は操作部50からの入力を受けて、表示部40における表示態様が通常表示からなる第一表示状態に戻るようになってもよい。
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果であって、まだ述べていない効果又はとりわけ重要な効果について説明する。
本実施の形態では、表示部40が、在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶した記憶部60の記憶内容に基づいて在高情報を表示し、ある一つの金種に関する在高情報と別の一つの金種に関する在高情報とを異なる態様で表示する。このため、表示部40で全金種の在高情報が画一的に表示されることによる不都合を解消することができる。
例を挙げるとすると、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種に対する在高情報が表示部40で表示されない態様を採用した場合には、当該ある金種の在高を購入客等の第三者が認識できないようにすることができる。この際、ある金種に対する在高情報の「全て」が表示部40で表示されない態様を採用した場合には(図10参照)、当該ある金種の在高を購入客等の第三者が全く認識できないようにすることができる。より具体的な例を用いて説明すると、図10に示すように、例えば通常表示からなる第一表示状態において高額金種に関して在高枚数だけでなく在高を示すバロメータも一切、表示部40で表示されないようにし、他方、低額金種に関して在高枚数と在高を示すバロメータの両方を示すようにすることが考えられる。このような態様を採用することで、低額金種に関しては、在高を示すバロメータで直感的に在高を確認することができるだけではなくその具体的な枚数を操作者及び第三者が把握することができるのに対して、1万円、5千円及び千円の在高を操作者及び購入客等の第三者が全く認識できないようにすることができる。したがって、ある金種(図10に示す態様では高額金種)に関して、購入客等の第三者がある金種の在高情報を把握することができなくなり、その結果、セキュリティ性を向上させることができる。また、このような態様を採用することで、第一表示状態において在高情報が表示されている金種の在高を目立たせることができ、操作者が当該金種に関する補充の必要性や回収の必要性をいち早く気づくことができる。
なお、操作者がこれらの金種の在高を全く把握できないことは問題になりえることから、これらの金種の在高が第一閾値以上となり過剰な状態となった場合や在高が第二閾値以下となり不足した状態となった場合には、警告ランプ601(図4参照)が点灯・点滅したり、警告アラーム602(図4参照)が鳴ったり、表示部40でその旨が報知されたりしてもよい。また、これらの金種の在高が第一閾値以上となり過剰な状態となった場合には表示部40での表示態様が第二表示状態となったり、これらの金種の在高が第二閾値以下となり不足な状態となった場合には表示部40での表示態様が第三表示状態となったりする態様を採用することもできる。なお、上述した警告ランプ601及び警告アラーム602は図4に示す警告部600に含まれている。この警告部600は図4に示すように貨幣処理装置とは別体に設けられてもよいが、貨幣処理装置に組み込まれていてもよい。
ある金種に対する在高情報の「一部」が表示部40で表示されない態様を採用した場合には(図9及び図18参照)、当該ある金種の在高を購入客等の第三者が認識しづらくすることができるのに対して、操作者は当該ある金種の在高をある程度把握することができ、貨幣を補充する必要があるタイミングや貨幣を回収する必要があるタイミングをある程度把握することができる。また、このような態様を採用することで、第一表示状態において在高情報の全てが表示されている金種の在高を目立たせることができ、操作者が当該金種に関する補充の必要性や回収の必要性をいち早く気づくことができる。ところで、ある金種の在高を購入客等の第三者が認識しづらくするという意味で言うと、図18に示す態様のように、ある金種の在高を示すバロメータが表示されずある金種の在高枚数のみが表示される態様よりも、図9に示す態様のように、ある金種の在高枚数が表示されずある金種の在高を示すバロメータのみが表示される態様の方が好ましい。
また、図9、図10及び図18に示すように、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種に関して表示部40で表示される情報量が、当該ある金種以外の他の金種に関して表示部40で表示される情報量と比較して少なくなる態様を採用した場合には、当該ある金種の在高を購入客等の第三者が認識しづらくすることができる。また、このような態様を採用することで、情報量の多い金種の在高を目立たせることができ、操作者が当該金種に関する補充の必要性や回収の必要性をいち早く気づくことができる。ちなみに、100円均一ショップ等の取引単価が低い店舗では硬貨の入出金量が多く紙幣の入出金量が少ないことから、紙幣の在高を継続的に認識する必要性は低い。このため、このように取引単価が低い店舗では、図9、図10及び図18に示すように、第一表示状態において、硬貨の情報量が紙幣の情報量よりも多くなっている態様を採用することが考えられる。このような態様を採用することで、入出金量が多い硬貨の在高の過不足を目立たせることができ、操作者が硬貨に関する補充の必要性や回収の必要性をいち早く気づくことができる。
また、通常表示からなる第一表示状態において、ある金種(例えば所定額面以上の金種)に関する表示部40で表示される在高情報は当該金種の枚数を含まない態様を採用することもできる。この場合には、ある金種(例えば所定額面以上の金種)からなる貨幣の在高情報を一目見ただけでは購入客は把握することができないこととなる。そして、このようにある金種(例えば所定額面以上の金種)に対する在高情報は当該金種の枚数を含まない場合において、ある金種(例えば所定額面以上の金種)に対する在高情報が在高を示すバロメータを含む場合には、操作者はある金種(例えば所定額面以上の金種)の在高をある程度把握することができる。より具体的な例を用いて説明すると、図9に示すように、通常表示からなる第一表示状態において、高額金種に関しては在高を示すバロメータは示されているものの在高枚数は表示部40で表示されないが、低額金種に関しては在高を示すバロメータと在高枚数の両方が表示部40で表示されるようにすることができる。このような態様を採用することで、低額金種に関しては、在高を示すバロメータで直感的に在高を確認することができるだけではなくその具体的な枚数を操作者及び第三者が把握することができるのに対して、高額金種の在高はバロメータで把握されることとなる。この点、操作者は貨幣処理装置の取り扱いに従事していることから、在高を示すバロメータの意味するところを容易に把握することができるのに対して、購入客等の第三者は在高を示すバロメータの意味するところを容易には把握することができない。したがって、購入客等の第三者がある金種(例えば所定額面以上の金種)の在高情報を把握することが困難となり、その結果、セキュリティ性を向上させることができる。
このような態様でも、ある金種(例えば所定額面以上の金種)の在高が第一閾値以上となり過剰な状態となった場合やある金種の在高が第二閾値以下となり不足した状態となった場合には、警告ランプ601が点灯・点滅したり、警告アラーム602が鳴ったり、表示部40でその旨が報知されたりしてもよい。また、ある金種(例えば所定額面以上の金種)の在高が第一閾値以上となり過剰な状態となった場合には表示部40での表示態様が第二表示状態となったり、ある金種の在高が第二閾値以下となり不足な状態となった場合には表示部40での表示態様が第三表示状態となったりする態様を採用することもできる。
ところで、例えば飲食店等のように所定の低額金種(例えば1円や5円)の入出金量が少ない店舗では、このような所定の低額金種の在高を継続的に認識する必要性は低い。このように所定の低額金種(例えば1円や5円)の入出金量が少ない店舗では、ある金種として低額金種(例えば1円や5円)を選択し、図19及び図20で示すように、低額金種(例えば1円や5円)に対する在高情報の「全て」又は「一部」が表示部40で表示されないようにすればよい。このような態様を採用することで、「所定の低額金種」以外の金種の在高の過不足を目立たせることができ、操作者が「所定の低額金種」以外の金種に関する補充の必要性や回収の必要性をいち早く気づくことができる。
また、ある金種に対する在高情報の表示態様が、当該ある金種の在高に応じて切り替えられる態様を採用した場合には、在高に応じた状況を操作者に把握させることができる。ちなみに、この態様においては「ある金種」以外の金種については、在高に応じて表示態様が変わらないこととなる。
具体的な例を用いて説明すると、ある金種に対する在高情報の表示態様が、当該ある金種の在高が第一閾値未満の場合には通常表示からなる第一表示状態となり(図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種の在高が第一閾値以上の場合には過剰表示からなる第二表示状態となる態様を採用した場合には(図11の千円を参照)、ある金種の在高が過剰な状態となり、例えば回収処理を行う必要があることを操作者に注意喚起することができる。
さらに具体的には、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示部40で表示されていないが(図10の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第二表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方(図13の一万円参照)又はいずれか一方が表示部40で表示される態様を採用した場合(図12の一万円参照)や、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方又はいずれか一方が表示部40で表示されていないが(図10及び図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第二表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示部40で表示される態様を採用した場合には(図13の一万円参照)、当該ある金種の在高が過剰な状態になった時点で、当該ある金種の在高を詳細に操作者が把握することができることになる。この結果、回収処理等を行う必要があることを早いタイミングで気づくことができる。なお、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータしか表示されていないが(図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第二表示状態においては在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示部40で表示される態様を採用することもでき、この場合にも回収処理等を行う必要があることを早いタイミングで気づかせることができる。
ちなみに、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)の表示態様が段階的に変わる態様を採用することもでき、例えばある金種の在高が第一閾値以上となりニアフルの段階では在高を示すバロメータのみが表示され(図12の一万円参照)、当該ある金種の在高が第三閾値(第三閾値>第一閾値)以上となり例えばフルより10枚程度少ないだけの段階では在高を示すバロメータと在高枚数の両方が表示される(図13の一万円参照)か、在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示部40で表示されるようになってもよい。このような態様によれば、回収処理等を行う必要があるタイミングを操作者に段階的に報知することができる。また、このような態様の代わりに又はこのような態様に加えて、当該ある金種の在高が第三閾値(第三閾値>第一閾値)以上となったときには、警告ランプ601が点灯・点滅したり、警告アラーム602が鳴ったり、表示部40でその旨が報知されたりしてもよい。これらの態様を採用することで、回収処理等を行う必要があることを操作者により確実に気づかせることができる。
また、ある金種に対する在高情報の表示態様は、当該ある金種の在高が第二閾値より大きい場合には通常表示からなる第一表示状態となり(図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種の在高が第二閾値以下の場合には不足表示からなる第三表示状態となる態様を採用した場合には(図14の千円を参照)、ある金種の在高が不足した状態となり、例えば補充処理を行う必要があることを操作者に注意喚起することができる。
そして、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示部40で表示されていないが(図10の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第三表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方(図16の千円参照)又はいずれか一方が表示部40で表示される態様を採用した場合(図15の千円参照)や、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方又はいずれか一方が表示部40で表示されていないが(図10及び図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第三表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示部40で表示される態様を採用した場合には(図16の千円参照)、当該ある金種の在高が不足した状態になった時点で、当該ある金種の在高を詳細に操作者が把握することができることになる。この結果、補充処理等を行う必要があることを早いタイミングで気づくことができる。なお、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータしか表示されていないが(図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第三表示状態においては在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示部40で表示される態様を採用することもでき、この場合にも補充処理等を行う必要があることを早いタイミングで気づかせることができる。
ちなみに、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)の表示態様が段階的に変わってもよく、例えばある金種の在高が第二閾値以下となりニアエンプティの段階では在高を示すバロメータのみが表示され(図15の千円参照)、当該ある金種の在高が第四閾値(第四閾値<第二閾値)以下となり例えば在高が10枚程度の段階では在高を示すバロメータと在高枚数の両方が表示される(図16の千円参照)か、在高を示すバロメータの代わりに在高枚数が表示部40で表示されるようになってもよい。このような態様によれば、補充処理等を行う必要があるタイミングを操作者に段階的に報知することができる。また、このような態様の代わりに又はこのような態様に加えて、当該ある金種の在高が第四閾値(第四閾値<第二閾値)以下となったときには、警告ランプ601が点灯・点滅したり、警告アラーム602が鳴ったり、表示部40でその旨が報知されたりしてもよい。これらの態様を採用することで、補充処理等を行う必要があることを操作者により確実に気づかせることができる。
なお、ある金種の在高が第一閾値以上となりニアフルとなった場合や、ある金種の在高が第二閾値以下となりニアエンプティとなった場合には、当該ある金種を点灯・点滅したり強調色(例えば赤色)で表示したりして、当該金種を強調表示してもよい(図21の五千円参照)。このような態様を採用することで、当該ある金種に関して回収処理や補充処理等を行う必要があることを操作者にさらに確実に気づかせることができる。なお、このような強調表示は、ある金種の在高が第一閾値未満となりニアフル状態が解消されたり、ある金種の在高が第二閾値よりも大きくなりニアエンプティ状態が解消されたりした時点で通常表示に切り替わってもよいし、所定の時間が経過した時点で通常表示に切り替わってもよいし、操作部50からの入力を受けて通常表示に切り替わってもよい。
また、ある金種に対する在高情報の表示態様は、貨幣を回収する回収モード又は貨幣を補充する補充モードとなっている場合には第四表示状態となるが(図17参照)、貨幣の入金処理や出金処理といった貨幣を通常に処理する通常モードとなっている場合には通常表示からなる第一表示状態となる態様を採用した場合には(図9、図10及び図18参照)、回収モードや補充モードになった段階でこれらの処理に必要な表示態様にすることができる。
より具体的な例を用いて説明すると、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示部40で表示されていないが(図10の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第四表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方(図17参照)又はいずれか一方が表示部40で表示される態様を採用した場合や、ある金種(例えば高額金種や入出金量の少ない金種)に関して第一表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方又はいずれか一方が表示部40で表示されていないが(図10及び図9の千円以上の金種を参照)、当該ある金種に関して第四表示状態においては在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示部40で表示される態様を採用した場合には(図17参照)、通常表示においてはセキュリティ性の向上や入出金量の多い金種を目立たせたりすることを実現しつつ、回収モードや補充モードにおいて必要な情報を表示部40で表示させることができる。
また、記憶部60に記憶された在高情報に対する複数の表示態様の中から、ある金種に対する在高情報の表示態様を切り替え表示可能となっていてもよい。このような態様を採用することで、必要に応じて表示態様を切り替えることができる。より具体的には、通常表示からなる第一表示状態、過剰表示からなる第二表示状態、不足表示からなる第三表示状態並びに回収モード及び補充モードにおいて表示される第四表示状態の各々において、各金種の在高情報について、在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方を表示しないのか(図10の千円以上の金種を参照)、在高を示すバロメータ及び在高枚数の一方のみを表示するのか(図9及び図18の千円以上の金種を参照)、又は、在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方を表示するのか(図9、図10及び図18の500円以下の金種を参照)を、操作部50から入力して選択できるようにしてもよい。このような態様を採用することで、各表示状態における表示態様を、金種毎に適宜変更することができ、利用者のニーズに広く対応することができる。ちなみに、このような表示態様は、利用者の種類に応じて替えられるだけではなく、貨幣処理装置及びPOSレジスタ300の設置場所等に応じても替えられることとなる。
また、過剰表示からなる第二表示状態、不足表示からなる第三表示状態又は回収モード及び補充モードにおいて表示される第四表示状態となった場合でも、所定の時間が経過するか又は操作部50からの入力を受けて通常表示からなる第一表示状態に戻るようになってもよい。所定の時間が経過すると通常表示からなる第一表示状態に戻る態様を採用した場合には、操作者がある金種の在高が過剰になっているのか不足しているのかを認識するのに必要な時間が経過した後で、また、回収モード及び補充モードにおいてある金種の在高を確認するのに必要な時間が経過した後で、表示部40の表示を自動で通常表示に戻すことができる。他方、操作部50からの入力を受けて通常表示からなる第一表示状態に戻る態様を採用した場合には、操作者がある金種の在高が過剰になっているのか不足しているのかを実際に確認したり、回収モード及び補充モードにおいてある金種の在高を実際に確認したりした後で、操作部50から入力を行うことで、表示部40の表示を通常表示に戻すことができる。
なお、表示部40は、貨幣処理装置を起動した時点や操作者が交代した時点では第五表示態様となり、所定の時間が経過した時点で通常表示である第一表示状態に切り替わってもよいし、操作部50からの入力を受けて通常表示である第一表示状態に切り替わってもよい。なお、この第五表示態様では、例えば、各金種に関して在高を示すバロメータ及び在高枚数の両方が表示される態様を挙げることができる(図17参照)。
また、本実施の形態による貨幣処理装置は、表示態様が切り替えられる在高の値を例えば金種毎に変更するための変更モードに切替可能となっていてもよい。このような態様を採用した場合には、表示が切り替えられる在高を金種毎に適宜変更することができ、利用者のニーズに広く対応することができる。より具体的には、表示部40における表示が過剰表示からなる第二表示状態に切り替えられる第一閾値の値を各金種に対して設定できるようになってもよく、また、表示部40における表示が不足表示からなる第三表示状態に切り替えられる第二閾値の値を各金種に対して設定できるようになってもよい。また、第三閾値の値も各金種に対して設定できるようになってもよく、また、第四閾値の値も各金種に対して設定できるようになってもよい。このように第一閾値の値、第二閾値の値、第三閾値の値及び第四閾値の値の各々を適宜変更することで、利用者のニーズにより広く対応することができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、図22に示すように、表示部40が硬貨収納部160で補充可能な硬貨の枚数に対応する棒金の本数を表示する態様となっている。より具体的には、表示部40が「各」金種別硬貨収納部161で補充可能な硬貨の枚数に対応する棒金の本数を表示する態様となっている。
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。第1の実施の形態で詳細に説明したことから、本実施の形態における効果については適宜省略しながら説明する。
従来であれば、硬貨処理装置100に硬貨を補充しようとして、棒金管理機500から棒金を取り出して、棒金をバラして硬貨を硬貨処理装置100に投入していたが、金種別硬貨収納部161に入りきらない硬貨は硬貨払出部190から繰り出されて返却されており、このように返却された硬貨の取り扱いに困る場面があった。つまり、このようなバラ硬貨は棒金管理機500の棒金収納部520に戻すことができず、仮に補助収納領域530にこのようなバラ硬貨を収納したとしても、このバラ硬貨は「死に金」(利用できない硬貨)となってしまう。一方、100枚以上補充が可能であるにも関わらず、棒金を1本(50枚)だけ取り出して硬貨処理装置100に補充した後に、さらに補充可能であることに気付いて、再び棒金管理機から棒金を取り出して硬貨処理装置100に補充するというのは、作業効率が悪い。
これに対して、本実施の形態によれば、図22に示すように、表示部40が各金種別硬貨収納部161で補充可能な硬貨の枚数に対応する棒金の本数を表示する態様となっていることから、予め収納可能な棒金の本数を操作者は把握することができ、従来のように棒金をバラして硬貨処理装置100に投入した結果、金種別硬貨収納部161に入りきらない硬貨が発生することを未然に防止することができる。したがって、取り扱いに困るバラ硬貨が発生することを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、2本以上の棒金に含まれる硬貨を対象となる金種別硬貨収納部161で収納できるときには、一度に2本以上の棒金を棒金管理機500から取り出して硬貨処理装置100に投入することができることから、作業効率を高めることができる。
なお、各金種別硬貨収納部161で収納可能な硬貨の枚数は決まっており、例えば、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨及び1円硬貨を収納する各金種別硬貨収納部161は、対応する硬貨を例えば100枚〜200枚程度収納することができるようになっている。他方、一本の棒金は50枚であったり20枚であったり定まった枚数の硬貨からなっている。典型的には、500円硬貨は50枚で一本の棒金とされることもあるが、20枚で一本の棒金とされることもある。このため、本実施の形態では、操作部50から棒金に含まれる硬貨の枚数を金種毎に設定することができるようになってもよい。例えば、500円硬貨を80枚補充できる場合を例に取って説明すると、操作部50から棒金収納部520で収納されている500円硬貨の棒金の枚数が50枚であると入力された場合には表示部40は1本の500円の棒金を補充できることを表示し、他方、操作部50から棒金収納部520で収納されている500円硬貨の棒金の枚数が20枚であると入力された場合には表示部40は4本の500円の棒金を補充できることを表示する。
また、棒金管理機500が各棒金の取出を制御する取出ロック部590(図4参照)を有しており、補充可能な棒金の本数以上には対応する棒金を取り出せないようにしてもよい。また、このような取出ロック部590を設ける代わりに又は取出ロック部590に加えて、補充可能な棒金の本数以上の棒金が棒金管理機500から取り出された際には、表示部40でその旨が表示されたり、警告ランプ601が点灯・点滅したり、警告アラーム602が鳴ったりしてもよい。これらの態様によれば、棒金をバラして硬貨処理装置100に投入した結果、金種別硬貨収納部161に入りきらない硬貨が発生することをより確実に防止することができ、ひいては、取り扱いに困るバラ硬貨が発生することをより確実に防止することができる。
また、表示部40は、ある金種に関して補充可能な棒金の本数と、当該ある金種に関して棒金収納部520に収納されている在高本数を比較して、棒金収納部520内に収納されている棒金の本数が不足しているか否かを表示するようになっていてもよい(図22参照)。一例としては、ある金種に関して棒金収納部520に収納されている在高本数が、当該ある金種に関して補充可能な棒金の本数よりも少ないときには、表示部40が、当該金種を点灯・点滅したり強調色(例えば赤色)で表示したりして、当該金種を強調表示してもよい。
また、このようにある金種に関して棒金収納部520に収納されている在高本数が当該ある金種に関して補充可能な棒金の本数よりも少ないときには、硬貨処理装置100やPOSレジスタ等から管理者のパソコンやタブレット等の所定の端末(外部装置)に、ある金種の棒金が不足している旨の通知がされてもよい。
また、表示部40は、ある金種に関して当該ある金種を収納する金種別硬貨収納部161に棒金1本分以上の枚数を補充できるときに当該ある金種に関して補充可能な棒金の本数を表示し、当該ある金種を収納する金種別硬貨収納部161に棒金1本分以上の枚数を補充できないときには当該ある金種に関して補充可能な棒金の本数を表示しないようにしてもよい。また、図23に示すように、ある金種に関して当該ある金種を収納する金種別硬貨収納部161に棒金の所定本数(例えば2本)以上の枚数を補充できるときに当該ある金種に関して補充可能な棒金の本数を表示し、当該ある金種を収納する金種別硬貨収納部161に棒金の所定本数(例えば2本)以上の枚数を補充できないときには当該ある金種に関して補充可能な棒金の本数を表示しないようにしてもよい。
ちなみに、上記では「ある金種」としたが、上記の「ある金種」を「各金種」に置き換えた態様も本願には含まれている。
ところで、上記では、第2の実施の形態が、第1の実施の形態と略同一の態様となっているとして説明したが、これに限られることはない。つまり、第2の実施の形態は第1の実施の形態から独立した態様となっていてもよい。このため、貨幣処理装置及び/又は貨幣処理システムは、「在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶した記憶部60の記憶内容に基づいて在高情報を表示する表示部40であって、ある一つの金種に関する在高情報と別の一つの金種に関する在高情報とを異なる態様で表示する表示部40」を備える必要は必ずしもなく、例えば、(1)ある金種に関して(又は各金種に関して)硬貨収納部160に収納可能な硬貨の枚数を棒金の本数に換算して表示可能な表示部40を備えた硬貨処理装置100となっていたり、(2)硬貨処理装置100と、棒金収納部520を含む棒金管理機500とを備えた貨幣処理システムにおいて、ある金種に関して(又は各金種に関して)硬貨処理装置100の硬貨収納部160に収納可能な硬貨の枚数を棒金収納部520に収納された棒金の本数に換算して表示可能な表示部40を備えた貨幣処理システムとなっていたりすればよい。
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、表示部40で表示されるある金種の在高情報の表示位置を変更できる態様となっている(図24(a)(b)及び図25(a)(b)参照)。より具体的には、表示部40で表示される「各金種」の在高情報の表示位置を変更できる態様となっている。
第3の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。第1の実施の形態で詳細に説明したことから、本実施の形態における効果については適宜省略しながら説明する。
本実施の形態によれば、表示部40で表示される各金種の在高情報の表示位置を適宜変更できるようになっている。このため、利用者の要求に応じて表示部40における表示態様を適宜変更することができる。
例えば、入出金量が多く、補充作業や回収作業を行う頻度が高い金種(例えば「1」を含む金種:100円、10円及び1円)を一つの領域、例えば縦一列又は横一列にまとめてやることが考えられる。図24(b)に示した態様では、右端の縦一列に上から順に100円、10円及び1円の在高が表示されるようになっている。このような態様によれば、これらの金種の在高を操作者がチェックしやすくすることができる。
また、別の態様では、硬貨処理装置100及び紙幣処理装置200の配置に合わせて、各金種の在高を表示させるようにすることも考えられる。図1に示した態様では、紙幣処理装置200が正面から見て左側に位置し硬貨処理装置100が右側に位置していることから、図25(a)に示すように、紙幣の金種である1万円、5千円及び千円は表示部40の左端の一列で表示され、硬貨の金種である500円、100円、50円、10円、5円及び1円は表示部40の中央部と右端の二列で表示されるようになっている。他方、図1に示した態様とは異なり紙幣処理装置200が正面から見て右側に位置し硬貨処理装置100が左側に位置している場合には、図25(b)に示すように、紙幣の金種である1万円、5千円及び千円は表示部40の右端の一列で表示され、硬貨の金種である500円、100円、50円、10円、5円及び1円は表示部40の中央部と左端の二列で表示されるようにしてもよい。
ところで、上記では、第3の実施の形態が、第1の実施の形態と略同一の態様となっているとして説明したが、これに限られることはない。つまり、第2の実施の形態は第1の実施の形態から独立した態様となっていてもよい。このため、貨幣処理装置及び/又は貨幣処理システムは、「在高情報の表示態様を金種情報に紐付けて記憶した記憶部60の記憶内容に基づいて在高情報を表示する表示部40であって、ある一つの金種に関する在高情報と別の一つの金種に関する在高情報とを異なる態様で表示する表示部40」を備える必要は必ずしもなく、例えば、(1)ある金種(又は各金種)の在高情報の相対的な表示位置を自在に変更できる表示部40を備えた硬貨処理装置100となっていたり、(2)硬貨処理装置100と、表示部40を有する外部装置とを備えた硬貨処理システムであって、外部装置の表示部40はある金種(又は各金種)の在高情報の相対的な表示位置を自在に変更できるようになっていたりすればよい。
最後になったが、上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。