JPWO2014174352A1 - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、マスクレス露光装置において、正確にパターン形成位置を検出する方法である。主走査方向に対し、それぞれ逆方向に傾斜配置された第1、第2フォトセンサ群を有する位置検出部を備え、複数の光変調素子を制御することで、当該位置検出部上に、第1及び第2位置検出パターン列の光を投影しつつ走査することで位置を検出する。第1及び第2位置検出パターン列の光は、第1及び第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、第1及び第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きいものである。そして、位置検出部上に当該位置検出パターンを走査して、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置及び第2の一連の露光位置について時系列に検出するものである。
Description
本発明は、光変調素子アレイを用いてパターンを形成するマスクレス露光装置に関し、特に、基板等に投影されるパターンの位置検出に関する。
マスクレス露光装置では、基板が搭載されるステージを走査方向に沿って移動させながら、DMD(Digital Micro−mirror Device)などの光変調素子アレイによってパターン光を基板に投影する。そこでは、ステージに載せられた基板上における投影エリア(露光エリア)の位置を検出し、その位置に応じたパターン光を投影するように、2次元状に配列されたマイクロミラーなど光変調素子を制御する。
マイクロメータのオーダーで微細パターンを形成する場合、基板の位置を正確に検出し、パターン光を位置ずれなく投影する必要がある。しかしながら、DMDの温度変化などに起因して、パターン光の投影位置にずれが生じ、パターン形成位置に誤差が生じることがある。
これを防ぐため、フォトダイオードなどの光センサをステージ脇に複数配置し、ステージを走査しながら位置検出用のパターンを光センサに投影する。検出される露光位置と、あらかじめ用意された基準となる位置情報とを比較することで、露光位置を補正する(例えば、特許文献1参照)。
一方、ステージなどの可動体の位置を精度よく検出するため、2つの光センサの光量変化から基準位置を検出する方法が知られている(特許文献2参照)。そこでは、エンコーダの原点位置、すなわち基準位置を検出するため、走査方向に沿って対称的に位置をずらした1対のフォトダイオードが配置される。
スリットの形成されたスケールを移動させることによって、位置検出用のスリット光がトダイオード対の上を通過する。このとき検出される光量変化において、2つのフォトセンサの光量が互いに等しくなる位置を、基準位置として検出する。
マイクロメータのオーダーで微細パターンを形成する場合、基板の位置を正確に検出し、パターン光を位置ずれなく投影する必要がある。しかしながら、DMDの温度変化などに起因して、パターン光の投影位置にずれが生じ、パターン形成位置に誤差が生じることがある。
これを防ぐため、フォトダイオードなどの光センサをステージ脇に複数配置し、ステージを走査しながら位置検出用のパターンを光センサに投影する。検出される露光位置と、あらかじめ用意された基準となる位置情報とを比較することで、露光位置を補正する(例えば、特許文献1参照)。
一方、ステージなどの可動体の位置を精度よく検出するため、2つの光センサの光量変化から基準位置を検出する方法が知られている(特許文献2参照)。そこでは、エンコーダの原点位置、すなわち基準位置を検出するため、走査方向に沿って対称的に位置をずらした1対のフォトダイオードが配置される。
スリットの形成されたスケールを移動させることによって、位置検出用のスリット光がトダイオード対の上を通過する。このとき検出される光量変化において、2つのフォトセンサの光量が互いに等しくなる位置を、基準位置として検出する。
フォトダイオードのサイズは、パターン分解能に比べて大きい。また、フォトダイオードの感光特性にはそれぞれ個体差がある。したがって、同じ光強度でパターンを投影しても、検出される光量は微妙に相違する。また、照度ムラなどによって投影する光が瞬間的に不安定になることもあり、高精度に露光位置を検出することが難しい。
また、露光装置においては、主走査方向とともに副走査方向にも基板の位置ずれが生じる。そのため、露光エリアが通過する走査バンドの位置が主走査方向および副走査方向に関して誤差が生じ、パターン精度が低下する。
したがって、マスクレス露光装置において、フォトダイオードなどのフォトセンサを用いて正確な2次元の位置検出が求められる。
また、露光装置においては、主走査方向とともに副走査方向にも基板の位置ずれが生じる。そのため、露光エリアが通過する走査バンドの位置が主走査方向および副走査方向に関して誤差が生じ、パターン精度が低下する。
したがって、マスクレス露光装置において、フォトダイオードなどのフォトセンサを用いて正確な2次元の位置検出が求められる。
本発明の露光装置は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイと、光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させる走査部と、主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、第1フォトセンサ群とは主走査方向に対して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを有する位置検出部を備える。ここで、逆回転方向とは、移動方向もしくは走査方向に沿ったラインを基準としたとき、第1フォトセンサ群を一方の回転方向へ傾斜させたとき、その反対方向を表す。
また、露光装置は、複数の光変調素子を制御することにより、第1および第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、第1および第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きい第1および第2位置検出パターン列の光を、第1及び第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影する露光動作制御部を備える。
ステージ移動などによって露光エリアが相対移動すると、1つの位置検出パターンがフォトセンサを通過するとき、輝度信号レベルが増加、一定、減少をたどる。それとともに、1つの位置検出パターンの光が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される互いの輝度信号レベルのグラフにおいて、交差する部分が生じる。
そして、位置検出部は、第1、第2位置検出パターン列の通過に伴い、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置を時系列に検出する。これによって、位置検出部は、検出された第1および第2の一連の露光位置から、2次元露光位置を算出することが可能である。ここで、2次元露光位置は、例えば、主走査方向、副走査方向に沿って規定される2次元座標に基づいて規定することができる。
本発明の位置検出部は、1つの位置検出パターンの光が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を検出し、位置検出パターン列の光の通過に伴って一連の露光位置を時系列に検出する。なお、ここでの露光位置は、所定の位置検出パターンのステージ上での相対位置を表し、例えば、ステージに規定された走査方向に沿う位置座標で表される。
複数の露光位置を検出することにより、照度ムラ、フォトセンサの個体差などに影響されない位置補正を行うことが可能である。例えば、露光装置に、検出される一連の露光位置と、あらかじめ定められた標準露光位置とに基づいて、露光基準位置を補正する補正部を備えればよい。ここで、標準露光位置は、例えば描画データ上で定められた位置座標によって表すことが可能である。また、露光基準位置としては、例えば、描画開始位置などが定められる。
さらに、2次元的に露光位置を検出するため、描画開始位置のみならず、副走査方向に沿った露光位置についても露光データ補正し、描画領域が一部重複するようなことがなく、精度あるパターンを形成することができる。2次元露光位置の算出については、第1および第2の一連の露光位置について、あらかじめセンサ配列方向に沿った露光位置としてベクトル表現によって検出し、それぞれのフォトセンサ群において代表的な露光位置(平均値)などを演算した後、主走査方向、副走査方向に沿った2次元露光位置座標を求めることができる。
フォトセンサの配置間隔、パターン列のパターン間隔などは、任意に設定可能である。例えば、第1フォトセンサ群の移動方向あるいは主走査方向に対する傾斜配置角度αが、30°≦α≦60°の範囲であり、第2フォトセンサ群の傾斜配置角度βが、−60°≦β≦−30°の範囲に収められる。特に、第1、第2フォトセンサ群を+45°、−45°にそれぞれ傾斜配置し、移動方向もしくは主走査方向に関して対称的に配置することが可能である。ただし、移動方向は、基板など被描画体の移動方向(主走査方向とは逆方向)を表す。また、複数のフォトセンサを、走査方向に沿って一定間隔に配置し、位置検出パターン列を、一定間隔で並んだ位置検出パターンで構成することが可能である。
パターン列の各パターンの形状も任意であり、フォトセンサが各位置検出パターンの通過を個別に検知可能な形状であればよい。具体的には、1つの位置検出パターンがフォトセンサ間を通過するとき、隣り合うフォトセンサ両方にパターン光が投影されるように、パターン幅、傾斜角度などを定めればよい。例えば、バー状のパターンを主走査方向に並べたパターン列の光を投影可能である。
検出される露光位置の数は、フォトセンサの数、パターン列のパターン個数に従う。例えば、2つ以上のフォトセンサを設置し、位置検出パターン列を、2つ以上の位置検出パターンによって構成することが可能である。この場合、各位置検出パターンが複数の隣接センサ間で検出されるとともに、同じ隣接センサ間で、パターン列通過により複数の露光位置が検出される。
第1、第2フォトセンサ群の配置については、1つの走査バンド領域内において、副走査方向に沿って並べ、あるいは主走査方向に沿って並べることが可能である。第1、第2フォトセンサ群を副走査方向に沿って配置する場合、露光動作制御部は、第1、第2位置検出パターン列の光を副走査方向に沿って同時に投影すればよい。これにより、パターンの切り替えなく、近接する領域で露光位置を検出することができる。一方、主走査方向に沿って第1、第2フォトセンサ群を配置する場合、露光動作制御部は、露光エリアが第1フォトセンサ群を通過するとき、第1位置検出パターン列の光を投影し、露光エリアが第2フォトセンサ群を通過するとき、第2位置検出パターン列の光を投影する。これによって、同じ主走査ライン上で一連の第1、第2の露光位置を検出することができる。
位置補正については、検出されるそれぞれの露光位置と目標となる標準露光位置との差を求め、加算/加重平均値などの代表的な補正値を算出することが可能である。あるいは、検出される一連の露光位置から代表的な露光位置を算出することも可能である。
位置検出部は様々な構成を採用することが可能であり、複数のフォトセンサからの輝度信号を露光装置の制御部で検出してもよく、あるいは、その前段階で位置検出部、位置算出部を設けてもよい。輝度信号レベルが一致するタイミングを正確に検出するため、例えば位置検出部は、輝度信号の等しくなるタイミングでパルス信号を発生するパルス信号生成部と、検出されたパルス信号に応じて露光位置を算出する位置算出部を備える。
パルス信号生成部、位置検出部の配置構成は様々な構成が可能である。例えば、複数の露光ヘッドを設け、各露光ヘッドに対し位置補正を行う場合、パルス信号生成部をステージに設けることが可能である。
一連の露光位置をパルス信号によって検出する場合、パルス信号が同時に発生することを防ぐのが好ましい。したがって、検出露光動作制御部は、検出される一連のパルス信号を互いに異なるタイミングで発生させるように、位置検出パターン列の光を投影させてもよい。例えば、露光動作制御部が、ほぼ一定の時間間隔で一連のパルス信号が発生するように、所定のパターンピッチで位置検出パターン列の光を投影することができる。
本発明の他の態様における露光方法は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させ、主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、第1フォトセンサ群とは主走査方向に関して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを配置し、第1および第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、第1および第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きい第1および第2位置検出パターン列の光を、第1及び第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影し、第1および第2フォトセンサ群において、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置として時系列に検出する。
また、露光装置は、複数の光変調素子を制御することにより、第1および第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、第1および第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きい第1および第2位置検出パターン列の光を、第1及び第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影する露光動作制御部を備える。
ステージ移動などによって露光エリアが相対移動すると、1つの位置検出パターンがフォトセンサを通過するとき、輝度信号レベルが増加、一定、減少をたどる。それとともに、1つの位置検出パターンの光が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される互いの輝度信号レベルのグラフにおいて、交差する部分が生じる。
そして、位置検出部は、第1、第2位置検出パターン列の通過に伴い、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置を時系列に検出する。これによって、位置検出部は、検出された第1および第2の一連の露光位置から、2次元露光位置を算出することが可能である。ここで、2次元露光位置は、例えば、主走査方向、副走査方向に沿って規定される2次元座標に基づいて規定することができる。
本発明の位置検出部は、1つの位置検出パターンの光が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を検出し、位置検出パターン列の光の通過に伴って一連の露光位置を時系列に検出する。なお、ここでの露光位置は、所定の位置検出パターンのステージ上での相対位置を表し、例えば、ステージに規定された走査方向に沿う位置座標で表される。
複数の露光位置を検出することにより、照度ムラ、フォトセンサの個体差などに影響されない位置補正を行うことが可能である。例えば、露光装置に、検出される一連の露光位置と、あらかじめ定められた標準露光位置とに基づいて、露光基準位置を補正する補正部を備えればよい。ここで、標準露光位置は、例えば描画データ上で定められた位置座標によって表すことが可能である。また、露光基準位置としては、例えば、描画開始位置などが定められる。
さらに、2次元的に露光位置を検出するため、描画開始位置のみならず、副走査方向に沿った露光位置についても露光データ補正し、描画領域が一部重複するようなことがなく、精度あるパターンを形成することができる。2次元露光位置の算出については、第1および第2の一連の露光位置について、あらかじめセンサ配列方向に沿った露光位置としてベクトル表現によって検出し、それぞれのフォトセンサ群において代表的な露光位置(平均値)などを演算した後、主走査方向、副走査方向に沿った2次元露光位置座標を求めることができる。
フォトセンサの配置間隔、パターン列のパターン間隔などは、任意に設定可能である。例えば、第1フォトセンサ群の移動方向あるいは主走査方向に対する傾斜配置角度αが、30°≦α≦60°の範囲であり、第2フォトセンサ群の傾斜配置角度βが、−60°≦β≦−30°の範囲に収められる。特に、第1、第2フォトセンサ群を+45°、−45°にそれぞれ傾斜配置し、移動方向もしくは主走査方向に関して対称的に配置することが可能である。ただし、移動方向は、基板など被描画体の移動方向(主走査方向とは逆方向)を表す。また、複数のフォトセンサを、走査方向に沿って一定間隔に配置し、位置検出パターン列を、一定間隔で並んだ位置検出パターンで構成することが可能である。
パターン列の各パターンの形状も任意であり、フォトセンサが各位置検出パターンの通過を個別に検知可能な形状であればよい。具体的には、1つの位置検出パターンがフォトセンサ間を通過するとき、隣り合うフォトセンサ両方にパターン光が投影されるように、パターン幅、傾斜角度などを定めればよい。例えば、バー状のパターンを主走査方向に並べたパターン列の光を投影可能である。
検出される露光位置の数は、フォトセンサの数、パターン列のパターン個数に従う。例えば、2つ以上のフォトセンサを設置し、位置検出パターン列を、2つ以上の位置検出パターンによって構成することが可能である。この場合、各位置検出パターンが複数の隣接センサ間で検出されるとともに、同じ隣接センサ間で、パターン列通過により複数の露光位置が検出される。
第1、第2フォトセンサ群の配置については、1つの走査バンド領域内において、副走査方向に沿って並べ、あるいは主走査方向に沿って並べることが可能である。第1、第2フォトセンサ群を副走査方向に沿って配置する場合、露光動作制御部は、第1、第2位置検出パターン列の光を副走査方向に沿って同時に投影すればよい。これにより、パターンの切り替えなく、近接する領域で露光位置を検出することができる。一方、主走査方向に沿って第1、第2フォトセンサ群を配置する場合、露光動作制御部は、露光エリアが第1フォトセンサ群を通過するとき、第1位置検出パターン列の光を投影し、露光エリアが第2フォトセンサ群を通過するとき、第2位置検出パターン列の光を投影する。これによって、同じ主走査ライン上で一連の第1、第2の露光位置を検出することができる。
位置補正については、検出されるそれぞれの露光位置と目標となる標準露光位置との差を求め、加算/加重平均値などの代表的な補正値を算出することが可能である。あるいは、検出される一連の露光位置から代表的な露光位置を算出することも可能である。
位置検出部は様々な構成を採用することが可能であり、複数のフォトセンサからの輝度信号を露光装置の制御部で検出してもよく、あるいは、その前段階で位置検出部、位置算出部を設けてもよい。輝度信号レベルが一致するタイミングを正確に検出するため、例えば位置検出部は、輝度信号の等しくなるタイミングでパルス信号を発生するパルス信号生成部と、検出されたパルス信号に応じて露光位置を算出する位置算出部を備える。
パルス信号生成部、位置検出部の配置構成は様々な構成が可能である。例えば、複数の露光ヘッドを設け、各露光ヘッドに対し位置補正を行う場合、パルス信号生成部をステージに設けることが可能である。
一連の露光位置をパルス信号によって検出する場合、パルス信号が同時に発生することを防ぐのが好ましい。したがって、検出露光動作制御部は、検出される一連のパルス信号を互いに異なるタイミングで発生させるように、位置検出パターン列の光を投影させてもよい。例えば、露光動作制御部が、ほぼ一定の時間間隔で一連のパルス信号が発生するように、所定のパターンピッチで位置検出パターン列の光を投影することができる。
本発明の他の態様における露光方法は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させ、主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、第1フォトセンサ群とは主走査方向に関して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを配置し、第1および第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、第1および第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きい第1および第2位置検出パターン列の光を、第1及び第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影し、第1および第2フォトセンサ群において、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置として時系列に検出する。
本発明によれば、マスクレス露光装置において、正確にパターン形成位置を検出することができる。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態である露光装置の概略的斜視図である。図2は、露光装置の概略的ブロック図である。
露光装置(描画装置)10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布、あるいは貼り付けた基板Wへ光を照射することによってパターンを形成するマスクレス露光装置であり、描画部13が基台14に搭載されている。
基台14には、基板Wを搭載するステージ12が走査方向に沿って移動可能に設置されている。ステージ駆動機構15は、主走査方向X、副走査方向Yに沿ってステージ12を移動させることができる。
露光装置10は、パターン光を投影する複数の露光ヘッドを備えており、ここでは1つの露光ヘッド18のみ図示している。露光ヘッド18は、DMD22、照明光学系、結像光学系(いずれも図示せず)を備えており、他の露光ヘッドも同様に構成されている。光源20は、例えば放電ランプ(図示せず)によって構成され、光源駆動部21によって駆動される。
ベクタデータなどで構成されるCAD/CAMデータが露光装置10へ入力されると、ベクタデータがラスタ変換回路26に送られ、ベクタデータがラスタデータに変換される。生成されたラスタデータは、バッファメモリ(図示せず)に一時的に格納された後、DMD駆動回路24へ送られる。
DMD22は、微小マイクロミラーを2次元配列させた光変調素子アレイ(光変調器)であり、各マイクロミラーは、姿勢を変化させることによって光の反射方向を選択的に切り替える。DMD駆動回路24によって各ミラーが姿勢制御されることにより、パターンに応じた光が、結像光学系を通じて基板Wの表面に投影される。
ステージ駆動機構15は、コントローラ30からの制御信号に従い、ステージ12を移動させる。位置検出部28は、ステージ12の端部付近に設置されており、複数のフォトセンサから構成されるフォトセンサ群PD、およびパルス信号発生部29を備えている。位置計算部27は、位置検出部28から送られてくる信号に基づき、露光位置、すなわち基板Wの位置を算出する。
露光動作中、描画テーブル12は、走査方向Xに沿って一定速度で移動する。DMD22全体による投影エリア(以下、露光エリアという)は、基板Wの移動に伴って基板W上を相対的に移動する。露光動作は所定の露光ピッチに従って行なわれ、露光ピッチに合わせてマイクロミラーがパターン光を投影するように制御される。
DMD22の各マイクロミラーの制御タイミングを露光エリアの相対位置に従って調整することにより、露光エリアの位置に描くべきパターンの光が順次投影される。そして、露光ヘッド18を含めた複数の露光ヘッドにより基板W全体を描画することによって、基板W全体にパターンが形成される。
なお、露光方式としては、一定速度で移動する連続移動方式だけでなく、間欠的に移動するステップ&リピートも可能である。また、露光ショット時の投影エリアを部分的に重ねる多重露光(オーバラップ露光)も可能である。
露光動作を始める前段階においては、パターンを正確な位置に形成するため、露光開始位置に関する補正処理が行われる。ステージ12を一定速度で移動させながら、位置検出用のパターンの光を投影する。コントローラ30は、位置算出部27から送られてくる位置情報に基づき、露光開始位置を補正する。
以下、図3〜7を用いて、露光位置の検出および補正について説明する。
図3は、フォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。図4は、フォトセンサとパターンの幅を示した図である。図5は、フォトセンサに入射する光の光量変化を示した図である。
フォトセンサ群PDは、N個のフォトセンサP1、P2、・・・、PNから構成されており、配列ピッチTの等間隔で走査方向に配列されている。一方、位置検出パターン列LPは、走査方向に関して垂直な一連のバー状パターンL1、L2、L3、・・・LMから構成される。M個のパターンL1、L2、L3、・・・LMは、パターンピッチJで等間隔に並ぶ。
パターンL1、L2、L3、・・LMそれぞれのパターン幅Kは、フォトセンサ幅Zよりも短い。そのため、1つの先頭位置にあるパターンL1がフォトセンサP1、P2と通過するとき、フォトセンサP1とフォトセンサP2から出力される輝度信号のレベル、すなわちフォトセンサの受光量は、図5に示すように増加、一定、減少を順次辿る。
詳述すると、1つのパターンL1の移動によってパターンL1の一部がフォトセンサP1上に移動するのに伴い、フォトセンサP1の光量は増加していく。パターンL1全体がフォトセンサP1上に位置する間、フォトセンサP1の検出する光量は最大光量で一定となる。そして、パターンL1の移動先端側がフォトセンサP1を超え、フォトセンサP1、P2の間へ移動するのに伴い、フォトセンサP1の光量は低下していく。
走査方向に関してフォトセンサP1の隣に位置するフォトセンサP2においても、同じように光量は増加、一定、減少を辿る。この光量変化は、フォトセンサP1に対し、パターンピッチTに応じた期間だけ遅れて生じる。一方、パターンL1の幅Kは、隣り合うフォトセンサ間隔Bよりも大きい。そのため、パターンL1がフォトセンサP1、P2の間を通過する間、フォトセンサP1の光量減少、フォトセンサP2の光量増加が重なる期間Qが生じる(図5参照)。
そして、この期間QにおいてフォトセンサP1、P2の光量が一致する位置、地点を、露光位置として検出する。具体的には、パルス信号発生部29において、光量一致のタイミングでパルス信号が発生し、パターンL1の位置、すなわち基板Wの位置が検出される。これによって、フォトセンササイズ幅Z以下であるオーダーを要求される露光位置を検知することができる。
パターンL1が通過するときに光量一致点を検出した後、続いて順次通過するパターンL2、L3、・・LMに対しても、光量一致点を検出する。その結果、フォトセンサP1、Pの2間では、M回の露光位置が検出される。
さらに、フォトセンサP1、P2だけでなく、隣接するフォトセンサPj、Pj+1(1≦j≦N−1)の間においても、光量一致点を露光位置として検出する。したがって、N個のフォトセンサP1、P2、・・・、PN上を、M個のパターンL1、L2、・・LMが通過するとき、(N−1)×M回露光位置が検出される。すなわち、(N−1)個あるフォトセンサの隙間において、それぞれM回露光位置が検出される。
図6は、隣接するフォトセンサP1、P2の光量変化を示した図である。図7は、パルス信号の出力タイミングを時系列的に示した図である。
位置検出パターン列LのパターンピッチJは、以下の式を満たすように定められている。ただし、Tはフォトセンサピッチ、SAは検出される総パルス数、Mはパターン数、Nはフォトセンサ数Nを表す。
J=T/M+T
SA=(N−1)M ・・・・(1)
このようにパターンピッチJを設定することにより、互いに隣り合うフォトセンサ間で出力される一連のパルス信号の出力タイミングが重ならず、ほぼ一定間隔で時系列的に出力される。図6には、パルスピッチPSで出力されるパルス信号が図示されている。
そして、出力される一連のパルス信号に基づき、露光位置の演算、露光開始位置の補正が実行される。パルスカウンタ、ラッチ回路などを含む位置計算部27では、ステージ12の移動速度、エンコーダ信号等に基づき、時系列的に順次出力される一連のパルス信号から、各パターンの露光位置、すなわち基板上におけるX位置座標が算出される。
コントローラ30では、各パルス信号から算出される露光位置に対し、あらかじめ設定された標準露光位置との差を順次算出する。標準露光位置としては、(N−1)個ある隣接フォトセンサ間の中間地点の位置座標が、あらかじめ記憶、設定されている。
検出されるすべての露光位置座標に対して補正値を算出した後、その平均値が求められる。この平均値によって、露光位置が補正される。実際の描画処理を行うとき、露光位置を補正値だけシフトさせて描画を開始する。ここでは、複数の露光ヘッドそれぞれに対し、露光位置が基板Wの基準位置として補正される。
このように第1の実施形態によれば、複数のフォトセンサP1〜PNを走査方向Xに沿って等間隔に配列させた位置検出部28がステージ12に設置されており、走査方向Xに沿って等間隔で配列したバー状/スリット状パターンL1〜LMから成る位置検出パターン列Lが、走査時に投影される。そして、パターン列通過の間、互いに隣接するフォトセンサの受光量が等しくなる位置が露光位置として時系列に検出され、検出される(N−1)×M個の露光位置に基づき、基準位置が補正される。
走査方向に並ぶ複数のフォトセンサにパターン列を投影することによって、多数の場所で露光位置を検出するとともに、同一地点においても多数の露光位置を検出する。これにより、パターン光の照度ムラ、外乱による光量変動の影響、あるいは、フォトセンサの個体差(フォトセンサの出力特性の相違)、経時変化などといった影響を受けることなく、正確な露光位置の検出を、一度の走査で行うことができる。また、フォトセンササイズ、フォトセンサ間隔の極小化などデバイス構造上困難であってコストのかかる構成を用いなくても、精度ある露光位置を検出することができる。
パルス信号発生によって露光位置を検出するため、ステージ上において検出部の構成を簡素化できる。特に、複数の露光ヘッドを配置させた場合、各露光ヘッドにおいてパルス信号を発生させ、位置計算部を単一回路として設けることが可能であり、位置検出部の構成を簡素化できる。さらに、時系列的に出力されるパルス信号が同時、もしくは重なって出力しないようにパターンピッチ等を設定しているため、数多くの露光位置を検出することが可能となる。
パターン列のパターン数、パターン形状、フォトセンサ数は任意である。異なるフォトセンサ間で複数回露光位置を検出することを考慮すれば、2つ以上のパターンから成るパターン列を構成し、3つ以上のフォトセンサでフォトセンサ群を構成すればよい。また、フォトセンサについては、取り外し可能に配置する構成にしてもよい。
位置検出パターンの形状、パターンピッチ、フォトセンサピッチ、フォトセンサ幅、パターン幅においても、各パターン通過時において、隣り合うフォトセンサの間で光量変化が生じ、光量一致点が抽出できるように設定すればよい。すなわち、パターン幅がフォトセンサ幅よりも小さく、隣接フォトセンサ間の距離よりも大きくなるようにすればよい。
露光位置の算出については、検出される一連の露光位置から平均値などの代表的露光位置を先に算出し、平均値と標準値との差に基づいて露光開始位置を補正するように構成してもよい。パルス信号発生以外の構成によって光量が等しくなる露光位置を検出するように構成することも可能である。
次に、図8〜11を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、主走査方向(X方向)、副走査方向(Y方向)に関して2次元の露光位置を検出する。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
図8は、第2の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターンを示した図である。図8を用いて、第2の実施形態におけるフォトセンサ群の配置および位置検出パターンについて説明する。
位置検出部128は、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bを備え、ステージ12の端付近に副走査方向に沿って並んで配置されている。第1フォトセンサ群128Aでは、移動方向(主走査方向とは逆方向)に対し+45°だけ傾斜した方向に沿って複数のフォトセンサが等間隔で配列されている。
一方、第2フォトセンサ群128Bでは、複数のフォトセンサが、移動方向に対し−45°傾斜した方向に沿って等間隔で配列されている。第2フォトセンサ群128Bのセンサ配列方向は、移動方向/主走査方向に関し、第1フォトセンサ群128Aとは逆回転方向に相当する。図8では、第1フォトセンサ群128Aが移動方向から反時計周りの回転方向に傾斜する一方、第2フォトセンサ群128Bは時計周りの回転方向に傾斜する。
また、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Aは、同一の走査バンド(露光エリアが走査中に通過する領域)内に配置されており、ここでは、副走査方向に沿って並列するように、隣接する走査バンドにそれぞれ離間配置される。
露光位置を検出する場合、第1フォトセンサ群128Aに対しては第1位置検出パターン列HPが投影され、第2フォトセンサ群128Bに対しては第2位置検出パターンIPが投影される。したがって、第1、第2位置検出パターンは、副走査方向に沿って並んで投影される。第1位置検出パターン列HPは、バー状の4つの位置検出パターンH1〜H4から成る。また、位置検出パターンH1〜H4は、第1フォトセンサ群128Aの配列方向(+45°)に垂直な方向に沿って傾斜し、互いに等間隔で移動方向/主走査方向に沿って並ぶ。
同様に、第2位置検出パターン列IPは、バー状の4つの位置検出パターンI1〜I4から成り、位置検出パターンI1〜I4は、第2フォトセンサ群128Bの配列方向(−45°)に垂直な方向に沿って傾斜し、互いに等間隔で移動方向/主走査方向に沿って並ぶ。
第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bは、それぞれパターンの異なる第1位置検出パターン列HP、第2位置検出パターンIPをそれぞれ通過させるように、副走査方向に所定間隔離れて配置されている。位置検出パターンH1〜H4、I1〜I4各々は、それぞれフォトセンサ群128A、128Bを通過するときにすべてのフォトセンサと交差する長さを有する。
なお、図8に示す主走査方向と基板の移動方向を逆に定めた場合においても、同様にフォトセンサ群を傾斜配置させた構成にすることが可能であり、それに合わせて第1、第2位置検出パターンHP、IPの投影パターン形状を定めればよい。
図9は、第1フォトセンサ群における位置検出パターンとフォトセンサとの位置関係を示した図である。図10は、第2フォトセンサ群における位置検出パターンとフォトセンサとの位置関係を示した図である。図9、10を用いて、第2の実施形態における露光位置検出について説明する。
図9に示すように、隣り合うフォトセンサPN、PN−1を1つの位置検出パターンH1が通過するとき、位置検出パターンH1とフォトセンサPN、PN−1が主走査方向に対して45°傾いているため、パターン移動方向は主走査方向に対し傾斜している。ここでは、微小変位した位置検出パターンH1を破線で示している。
位置検出パターン幅K、フォトセンサ幅Z、フォトセンサピッチTの関係は、第1の実施形態と同様の関係を満たす。したがって、フォトセンサ間で検出される光量分布の中で光量一致点が検出される。なお、位置検出パターンH1は、フォトセンサPN、PN−1の配列方向に対し斜め方向に相対移動していくが、位置検出パターンH1はフォトセンサの長軸方向長さよりも十分な長さを有する。したがって、光量変化のある領域全体をパターンが通過していく。
第1フォトセンサ群128AのフォトセンサPN、PN−1に関し、フォトセンサ配列方向に沿った露光位置を検出する場合、その成分はX成分とY成分とを合成したベクトルによって表される。センサ配列方向が移動方向に関して+45°傾斜しているため、配列方向に沿った露光位置のベクトルをS1、X成分、Y成分のベクトルの大きさをそれぞれdX、dYと表すと、以下の式が成り立つ。
S1=(dX+dY)/√2 ・・・・(2)
ただし、移動方向(−X方向)に対し反時計まわりに傾斜する方向を正としている。また、便宜上、上記式はベクトル符号(→)を用いないで表している。
同様に、第2フォトセンサ群128BのフォトセンサPM、PM−1に関に関し、フォトセンサ配列方向に沿った露光位置を検出する場合、その成分はX成分とY成分とを合成したベクトルによって表される。配列方向に沿った露光位置のベクトルをS2、X成分、Y成分のベクトルの大きさをそれぞれdX、dYと表すと、以下の式が成り立つ。
S2=(dX−dY)/√2 ・・・・(3)
よって、上記(1)、(2)式から、露光位置のX成分dX、Y成分dYは、以下の式によって求められる。
dX=(S1+S2)/√2
dY=(S1−S2)/√2
・・・・(4)
第1の実施形態と同様、第1位置検出パターン列HP、第2位置検出パターン列IPが通過する中で、互いに隣り合うフォトセンサの光量分布からその輝度レベルが一致するとき、パルス信号が時系列的に出力される。検出される一連のパルス信号の時間間隔は、フォトセンサの配列方向(+/−45°)に沿った距離間隔に対応する。
したがって、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bそれぞれにおいて一連のパルス信号が検出されると、それぞれセンサ配列方向に沿った露光位置S1、S2が3つずつ算出される。算出された一連の露光位置から、S1、S2に関する代表値(平均値など)が算出され、上記(4)式により、露光位置のX成分、Y成分が算出される。
算出された代表値は、参照露光位置のX成分、Y成分と比較され、X成分、Y成分の補正値が求められる。そして、補正値に基づき、露光開始位置が主走査方向、副走査方向について補正される。あるいは、補正値に基づいて露光データを補正し、露光動作を実行してもよい。
このように第2の実施形態によれば、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bが、それぞれ主走査方向に対し+45°/−45°傾斜するように配置され、傾斜方向が互いに逆方向に向いている。そして、第1フォトセンサ群128Aに対しては、第1フォトセンサ群128Aのセンサ配列直交方向に傾斜した第1位置検出パターン列HPを投影し、第2フォトセンサ群128Bに対しては、第1フォトセンサ群128Aのセンサ配列直交方向に傾斜した第2位置検出パターン列IPを投影する。
2つのフォトセンサ群を、互いに別方向に並べ、そのセンサ配列方向に合わせて傾斜させた位置検出パターン列を投影することにより、走査中、一連の露光位置が検出される。そして、2つのフォトセンサ群からのセンサ配列方向に沿った位置情報に基づき、主走査方向、副走査方向に沿った(X,Y座標)の露光位置が算出されるとともに、補正値が求められる。これにより、描画開始位置とともに、ステージの副走査方向に沿った移動距離が補正されるか、もしくは、露光データが補正される。特に、副走査方向に沿って露光位置を調整することにより、走査バンドが重なって投影領域に段差が生じることを防ぐことができる。
なお、2つのフォトセンサ群のパルス信号から容易に露光位置を算出することを考慮すれば、センサ配列方向は、45°が好ましいがそれ以外にしてもよく、例えば30°から60°の範囲で適宜選択すると、実用上十分な精度で露光位置を検出することができる。また、その傾斜角度の大きさが互いに異なってもよい。
具体的には、第1、第2フォトセンサ群第1フォトセンサ群128Aが移動方向に対し、0°<α<90°を満たす角度αで傾斜配置される一方、第2フォトセンサ群128Bは、移動方向に対し、−90°<β<0°を満たす角度βで傾斜配置するようにすればよい。また、主走査方向に対しても同様に傾斜配置させることが可能である。
その場合、上記(4)式において、センサ配列方向を表す三角関数を用いて2次元の露光位置算出式を導くことができる。ただし、主走査方向、副走査方向を二次元座標軸として規定し、第1フォトセンサ群、第2フォトセンサ群の配置方向をそれぞれベクトルで表した場合、隣接し、かつ異なる象限内にそれぞれベクトルが存在するように、2つの配列方向を定める必要がある。
次に、図11を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1フォトセンサ群と第2フォトセンサ群が同一の走査バンド内に配置される一方、主走査方向に沿って間隔をあけて配置される。
図11は、第3の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。
位置検出部228は、第1フォトセンサ群228A、第2フォトセンサ群228Bを備え、第1フォトセンサ群228Aは、主走査方向に対して正方向に傾斜し、第2フォトセンサ群228Bは、それとは逆回転方向に傾斜している。第1フォトセンサ群228A、第2フォトセンサ群228Bは、露光エリアが1つの走査バンドに沿って移動するとき両方のフォトセンサ群を通過するように、所定間隔を空けて同一走査バンド内に主走査方向に沿って配置されている。
走査時において、露光エリアが第1フォトセンサ群228Aを通過する間、位置検出パターン列HPが投影される。そして、露光エリアが第2フォトセンサ群228Bを通過する間、位置検出パターン列HPから位置検出パターン列IPに切り替わって投影される。これにより、第3実施形態と同様に一連のパルス信号が検出され、2次元の露光位置算出および露光開始位置補正が行われる。
本発明に関しては、添付されたクレームによって定義される本発明の意図および範囲から離れることなく、様々な変更、置換、代替が可能である。さらに、本発明では、明細書に記載された特定の実施形態のプロセス、装置、製造、構成物、手段、方法およびステップに限定されることを意図していない。当業者であれば、本発明の開示から、ここに記載された実施形態がもたらす機能と同様の機能を実質的に果たし、又は同等の作用、効果を実質的にもたらす装置、手段、方法が導かれることを認識するであろう。したがって、添付した請求の範囲は、そのような装置、手段、方法の範囲に含まれることが意図されている。
本願は、日本出願(特願2013−086730号、2013年4月17日出願)を基礎出願として優先権主張する出願であり、基礎出願の明細書、図面およびクレームを含む開示内容は、参照することによって本願全体に組み入れられている。
図1は、第1の実施形態である露光装置の概略的斜視図である。図2は、露光装置の概略的ブロック図である。
露光装置(描画装置)10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布、あるいは貼り付けた基板Wへ光を照射することによってパターンを形成するマスクレス露光装置であり、描画部13が基台14に搭載されている。
基台14には、基板Wを搭載するステージ12が走査方向に沿って移動可能に設置されている。ステージ駆動機構15は、主走査方向X、副走査方向Yに沿ってステージ12を移動させることができる。
露光装置10は、パターン光を投影する複数の露光ヘッドを備えており、ここでは1つの露光ヘッド18のみ図示している。露光ヘッド18は、DMD22、照明光学系、結像光学系(いずれも図示せず)を備えており、他の露光ヘッドも同様に構成されている。光源20は、例えば放電ランプ(図示せず)によって構成され、光源駆動部21によって駆動される。
ベクタデータなどで構成されるCAD/CAMデータが露光装置10へ入力されると、ベクタデータがラスタ変換回路26に送られ、ベクタデータがラスタデータに変換される。生成されたラスタデータは、バッファメモリ(図示せず)に一時的に格納された後、DMD駆動回路24へ送られる。
DMD22は、微小マイクロミラーを2次元配列させた光変調素子アレイ(光変調器)であり、各マイクロミラーは、姿勢を変化させることによって光の反射方向を選択的に切り替える。DMD駆動回路24によって各ミラーが姿勢制御されることにより、パターンに応じた光が、結像光学系を通じて基板Wの表面に投影される。
ステージ駆動機構15は、コントローラ30からの制御信号に従い、ステージ12を移動させる。位置検出部28は、ステージ12の端部付近に設置されており、複数のフォトセンサから構成されるフォトセンサ群PD、およびパルス信号発生部29を備えている。位置計算部27は、位置検出部28から送られてくる信号に基づき、露光位置、すなわち基板Wの位置を算出する。
露光動作中、描画テーブル12は、走査方向Xに沿って一定速度で移動する。DMD22全体による投影エリア(以下、露光エリアという)は、基板Wの移動に伴って基板W上を相対的に移動する。露光動作は所定の露光ピッチに従って行なわれ、露光ピッチに合わせてマイクロミラーがパターン光を投影するように制御される。
DMD22の各マイクロミラーの制御タイミングを露光エリアの相対位置に従って調整することにより、露光エリアの位置に描くべきパターンの光が順次投影される。そして、露光ヘッド18を含めた複数の露光ヘッドにより基板W全体を描画することによって、基板W全体にパターンが形成される。
なお、露光方式としては、一定速度で移動する連続移動方式だけでなく、間欠的に移動するステップ&リピートも可能である。また、露光ショット時の投影エリアを部分的に重ねる多重露光(オーバラップ露光)も可能である。
露光動作を始める前段階においては、パターンを正確な位置に形成するため、露光開始位置に関する補正処理が行われる。ステージ12を一定速度で移動させながら、位置検出用のパターンの光を投影する。コントローラ30は、位置算出部27から送られてくる位置情報に基づき、露光開始位置を補正する。
以下、図3〜7を用いて、露光位置の検出および補正について説明する。
図3は、フォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。図4は、フォトセンサとパターンの幅を示した図である。図5は、フォトセンサに入射する光の光量変化を示した図である。
フォトセンサ群PDは、N個のフォトセンサP1、P2、・・・、PNから構成されており、配列ピッチTの等間隔で走査方向に配列されている。一方、位置検出パターン列LPは、走査方向に関して垂直な一連のバー状パターンL1、L2、L3、・・・LMから構成される。M個のパターンL1、L2、L3、・・・LMは、パターンピッチJで等間隔に並ぶ。
パターンL1、L2、L3、・・LMそれぞれのパターン幅Kは、フォトセンサ幅Zよりも短い。そのため、1つの先頭位置にあるパターンL1がフォトセンサP1、P2と通過するとき、フォトセンサP1とフォトセンサP2から出力される輝度信号のレベル、すなわちフォトセンサの受光量は、図5に示すように増加、一定、減少を順次辿る。
詳述すると、1つのパターンL1の移動によってパターンL1の一部がフォトセンサP1上に移動するのに伴い、フォトセンサP1の光量は増加していく。パターンL1全体がフォトセンサP1上に位置する間、フォトセンサP1の検出する光量は最大光量で一定となる。そして、パターンL1の移動先端側がフォトセンサP1を超え、フォトセンサP1、P2の間へ移動するのに伴い、フォトセンサP1の光量は低下していく。
走査方向に関してフォトセンサP1の隣に位置するフォトセンサP2においても、同じように光量は増加、一定、減少を辿る。この光量変化は、フォトセンサP1に対し、パターンピッチTに応じた期間だけ遅れて生じる。一方、パターンL1の幅Kは、隣り合うフォトセンサ間隔Bよりも大きい。そのため、パターンL1がフォトセンサP1、P2の間を通過する間、フォトセンサP1の光量減少、フォトセンサP2の光量増加が重なる期間Qが生じる(図5参照)。
そして、この期間QにおいてフォトセンサP1、P2の光量が一致する位置、地点を、露光位置として検出する。具体的には、パルス信号発生部29において、光量一致のタイミングでパルス信号が発生し、パターンL1の位置、すなわち基板Wの位置が検出される。これによって、フォトセンササイズ幅Z以下であるオーダーを要求される露光位置を検知することができる。
パターンL1が通過するときに光量一致点を検出した後、続いて順次通過するパターンL2、L3、・・LMに対しても、光量一致点を検出する。その結果、フォトセンサP1、Pの2間では、M回の露光位置が検出される。
さらに、フォトセンサP1、P2だけでなく、隣接するフォトセンサPj、Pj+1(1≦j≦N−1)の間においても、光量一致点を露光位置として検出する。したがって、N個のフォトセンサP1、P2、・・・、PN上を、M個のパターンL1、L2、・・LMが通過するとき、(N−1)×M回露光位置が検出される。すなわち、(N−1)個あるフォトセンサの隙間において、それぞれM回露光位置が検出される。
図6は、隣接するフォトセンサP1、P2の光量変化を示した図である。図7は、パルス信号の出力タイミングを時系列的に示した図である。
位置検出パターン列LのパターンピッチJは、以下の式を満たすように定められている。ただし、Tはフォトセンサピッチ、SAは検出される総パルス数、Mはパターン数、Nはフォトセンサ数Nを表す。
J=T/M+T
SA=(N−1)M ・・・・(1)
このようにパターンピッチJを設定することにより、互いに隣り合うフォトセンサ間で出力される一連のパルス信号の出力タイミングが重ならず、ほぼ一定間隔で時系列的に出力される。図6には、パルスピッチPSで出力されるパルス信号が図示されている。
そして、出力される一連のパルス信号に基づき、露光位置の演算、露光開始位置の補正が実行される。パルスカウンタ、ラッチ回路などを含む位置計算部27では、ステージ12の移動速度、エンコーダ信号等に基づき、時系列的に順次出力される一連のパルス信号から、各パターンの露光位置、すなわち基板上におけるX位置座標が算出される。
コントローラ30では、各パルス信号から算出される露光位置に対し、あらかじめ設定された標準露光位置との差を順次算出する。標準露光位置としては、(N−1)個ある隣接フォトセンサ間の中間地点の位置座標が、あらかじめ記憶、設定されている。
検出されるすべての露光位置座標に対して補正値を算出した後、その平均値が求められる。この平均値によって、露光位置が補正される。実際の描画処理を行うとき、露光位置を補正値だけシフトさせて描画を開始する。ここでは、複数の露光ヘッドそれぞれに対し、露光位置が基板Wの基準位置として補正される。
このように第1の実施形態によれば、複数のフォトセンサP1〜PNを走査方向Xに沿って等間隔に配列させた位置検出部28がステージ12に設置されており、走査方向Xに沿って等間隔で配列したバー状/スリット状パターンL1〜LMから成る位置検出パターン列Lが、走査時に投影される。そして、パターン列通過の間、互いに隣接するフォトセンサの受光量が等しくなる位置が露光位置として時系列に検出され、検出される(N−1)×M個の露光位置に基づき、基準位置が補正される。
走査方向に並ぶ複数のフォトセンサにパターン列を投影することによって、多数の場所で露光位置を検出するとともに、同一地点においても多数の露光位置を検出する。これにより、パターン光の照度ムラ、外乱による光量変動の影響、あるいは、フォトセンサの個体差(フォトセンサの出力特性の相違)、経時変化などといった影響を受けることなく、正確な露光位置の検出を、一度の走査で行うことができる。また、フォトセンササイズ、フォトセンサ間隔の極小化などデバイス構造上困難であってコストのかかる構成を用いなくても、精度ある露光位置を検出することができる。
パルス信号発生によって露光位置を検出するため、ステージ上において検出部の構成を簡素化できる。特に、複数の露光ヘッドを配置させた場合、各露光ヘッドにおいてパルス信号を発生させ、位置計算部を単一回路として設けることが可能であり、位置検出部の構成を簡素化できる。さらに、時系列的に出力されるパルス信号が同時、もしくは重なって出力しないようにパターンピッチ等を設定しているため、数多くの露光位置を検出することが可能となる。
パターン列のパターン数、パターン形状、フォトセンサ数は任意である。異なるフォトセンサ間で複数回露光位置を検出することを考慮すれば、2つ以上のパターンから成るパターン列を構成し、3つ以上のフォトセンサでフォトセンサ群を構成すればよい。また、フォトセンサについては、取り外し可能に配置する構成にしてもよい。
位置検出パターンの形状、パターンピッチ、フォトセンサピッチ、フォトセンサ幅、パターン幅においても、各パターン通過時において、隣り合うフォトセンサの間で光量変化が生じ、光量一致点が抽出できるように設定すればよい。すなわち、パターン幅がフォトセンサ幅よりも小さく、隣接フォトセンサ間の距離よりも大きくなるようにすればよい。
露光位置の算出については、検出される一連の露光位置から平均値などの代表的露光位置を先に算出し、平均値と標準値との差に基づいて露光開始位置を補正するように構成してもよい。パルス信号発生以外の構成によって光量が等しくなる露光位置を検出するように構成することも可能である。
次に、図8〜11を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、主走査方向(X方向)、副走査方向(Y方向)に関して2次元の露光位置を検出する。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
図8は、第2の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターンを示した図である。図8を用いて、第2の実施形態におけるフォトセンサ群の配置および位置検出パターンについて説明する。
位置検出部128は、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bを備え、ステージ12の端付近に副走査方向に沿って並んで配置されている。第1フォトセンサ群128Aでは、移動方向(主走査方向とは逆方向)に対し+45°だけ傾斜した方向に沿って複数のフォトセンサが等間隔で配列されている。
一方、第2フォトセンサ群128Bでは、複数のフォトセンサが、移動方向に対し−45°傾斜した方向に沿って等間隔で配列されている。第2フォトセンサ群128Bのセンサ配列方向は、移動方向/主走査方向に関し、第1フォトセンサ群128Aとは逆回転方向に相当する。図8では、第1フォトセンサ群128Aが移動方向から反時計周りの回転方向に傾斜する一方、第2フォトセンサ群128Bは時計周りの回転方向に傾斜する。
また、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Aは、同一の走査バンド(露光エリアが走査中に通過する領域)内に配置されており、ここでは、副走査方向に沿って並列するように、隣接する走査バンドにそれぞれ離間配置される。
露光位置を検出する場合、第1フォトセンサ群128Aに対しては第1位置検出パターン列HPが投影され、第2フォトセンサ群128Bに対しては第2位置検出パターンIPが投影される。したがって、第1、第2位置検出パターンは、副走査方向に沿って並んで投影される。第1位置検出パターン列HPは、バー状の4つの位置検出パターンH1〜H4から成る。また、位置検出パターンH1〜H4は、第1フォトセンサ群128Aの配列方向(+45°)に垂直な方向に沿って傾斜し、互いに等間隔で移動方向/主走査方向に沿って並ぶ。
同様に、第2位置検出パターン列IPは、バー状の4つの位置検出パターンI1〜I4から成り、位置検出パターンI1〜I4は、第2フォトセンサ群128Bの配列方向(−45°)に垂直な方向に沿って傾斜し、互いに等間隔で移動方向/主走査方向に沿って並ぶ。
第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bは、それぞれパターンの異なる第1位置検出パターン列HP、第2位置検出パターンIPをそれぞれ通過させるように、副走査方向に所定間隔離れて配置されている。位置検出パターンH1〜H4、I1〜I4各々は、それぞれフォトセンサ群128A、128Bを通過するときにすべてのフォトセンサと交差する長さを有する。
なお、図8に示す主走査方向と基板の移動方向を逆に定めた場合においても、同様にフォトセンサ群を傾斜配置させた構成にすることが可能であり、それに合わせて第1、第2位置検出パターンHP、IPの投影パターン形状を定めればよい。
図9は、第1フォトセンサ群における位置検出パターンとフォトセンサとの位置関係を示した図である。図10は、第2フォトセンサ群における位置検出パターンとフォトセンサとの位置関係を示した図である。図9、10を用いて、第2の実施形態における露光位置検出について説明する。
図9に示すように、隣り合うフォトセンサPN、PN−1を1つの位置検出パターンH1が通過するとき、位置検出パターンH1とフォトセンサPN、PN−1が主走査方向に対して45°傾いているため、パターン移動方向は主走査方向に対し傾斜している。ここでは、微小変位した位置検出パターンH1を破線で示している。
位置検出パターン幅K、フォトセンサ幅Z、フォトセンサピッチTの関係は、第1の実施形態と同様の関係を満たす。したがって、フォトセンサ間で検出される光量分布の中で光量一致点が検出される。なお、位置検出パターンH1は、フォトセンサPN、PN−1の配列方向に対し斜め方向に相対移動していくが、位置検出パターンH1はフォトセンサの長軸方向長さよりも十分な長さを有する。したがって、光量変化のある領域全体をパターンが通過していく。
第1フォトセンサ群128AのフォトセンサPN、PN−1に関し、フォトセンサ配列方向に沿った露光位置を検出する場合、その成分はX成分とY成分とを合成したベクトルによって表される。センサ配列方向が移動方向に関して+45°傾斜しているため、配列方向に沿った露光位置のベクトルをS1、X成分、Y成分のベクトルの大きさをそれぞれdX、dYと表すと、以下の式が成り立つ。
S1=(dX+dY)/√2 ・・・・(2)
ただし、移動方向(−X方向)に対し反時計まわりに傾斜する方向を正としている。また、便宜上、上記式はベクトル符号(→)を用いないで表している。
同様に、第2フォトセンサ群128BのフォトセンサPM、PM−1に関に関し、フォトセンサ配列方向に沿った露光位置を検出する場合、その成分はX成分とY成分とを合成したベクトルによって表される。配列方向に沿った露光位置のベクトルをS2、X成分、Y成分のベクトルの大きさをそれぞれdX、dYと表すと、以下の式が成り立つ。
S2=(dX−dY)/√2 ・・・・(3)
よって、上記(1)、(2)式から、露光位置のX成分dX、Y成分dYは、以下の式によって求められる。
dX=(S1+S2)/√2
dY=(S1−S2)/√2
・・・・(4)
第1の実施形態と同様、第1位置検出パターン列HP、第2位置検出パターン列IPが通過する中で、互いに隣り合うフォトセンサの光量分布からその輝度レベルが一致するとき、パルス信号が時系列的に出力される。検出される一連のパルス信号の時間間隔は、フォトセンサの配列方向(+/−45°)に沿った距離間隔に対応する。
したがって、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bそれぞれにおいて一連のパルス信号が検出されると、それぞれセンサ配列方向に沿った露光位置S1、S2が3つずつ算出される。算出された一連の露光位置から、S1、S2に関する代表値(平均値など)が算出され、上記(4)式により、露光位置のX成分、Y成分が算出される。
算出された代表値は、参照露光位置のX成分、Y成分と比較され、X成分、Y成分の補正値が求められる。そして、補正値に基づき、露光開始位置が主走査方向、副走査方向について補正される。あるいは、補正値に基づいて露光データを補正し、露光動作を実行してもよい。
このように第2の実施形態によれば、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bが、それぞれ主走査方向に対し+45°/−45°傾斜するように配置され、傾斜方向が互いに逆方向に向いている。そして、第1フォトセンサ群128Aに対しては、第1フォトセンサ群128Aのセンサ配列直交方向に傾斜した第1位置検出パターン列HPを投影し、第2フォトセンサ群128Bに対しては、第1フォトセンサ群128Aのセンサ配列直交方向に傾斜した第2位置検出パターン列IPを投影する。
2つのフォトセンサ群を、互いに別方向に並べ、そのセンサ配列方向に合わせて傾斜させた位置検出パターン列を投影することにより、走査中、一連の露光位置が検出される。そして、2つのフォトセンサ群からのセンサ配列方向に沿った位置情報に基づき、主走査方向、副走査方向に沿った(X,Y座標)の露光位置が算出されるとともに、補正値が求められる。これにより、描画開始位置とともに、ステージの副走査方向に沿った移動距離が補正されるか、もしくは、露光データが補正される。特に、副走査方向に沿って露光位置を調整することにより、走査バンドが重なって投影領域に段差が生じることを防ぐことができる。
なお、2つのフォトセンサ群のパルス信号から容易に露光位置を算出することを考慮すれば、センサ配列方向は、45°が好ましいがそれ以外にしてもよく、例えば30°から60°の範囲で適宜選択すると、実用上十分な精度で露光位置を検出することができる。また、その傾斜角度の大きさが互いに異なってもよい。
具体的には、第1、第2フォトセンサ群第1フォトセンサ群128Aが移動方向に対し、0°<α<90°を満たす角度αで傾斜配置される一方、第2フォトセンサ群128Bは、移動方向に対し、−90°<β<0°を満たす角度βで傾斜配置するようにすればよい。また、主走査方向に対しても同様に傾斜配置させることが可能である。
その場合、上記(4)式において、センサ配列方向を表す三角関数を用いて2次元の露光位置算出式を導くことができる。ただし、主走査方向、副走査方向を二次元座標軸として規定し、第1フォトセンサ群、第2フォトセンサ群の配置方向をそれぞれベクトルで表した場合、隣接し、かつ異なる象限内にそれぞれベクトルが存在するように、2つの配列方向を定める必要がある。
次に、図11を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1フォトセンサ群と第2フォトセンサ群が同一の走査バンド内に配置される一方、主走査方向に沿って間隔をあけて配置される。
図11は、第3の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。
位置検出部228は、第1フォトセンサ群228A、第2フォトセンサ群228Bを備え、第1フォトセンサ群228Aは、主走査方向に対して正方向に傾斜し、第2フォトセンサ群228Bは、それとは逆回転方向に傾斜している。第1フォトセンサ群228A、第2フォトセンサ群228Bは、露光エリアが1つの走査バンドに沿って移動するとき両方のフォトセンサ群を通過するように、所定間隔を空けて同一走査バンド内に主走査方向に沿って配置されている。
走査時において、露光エリアが第1フォトセンサ群228Aを通過する間、位置検出パターン列HPが投影される。そして、露光エリアが第2フォトセンサ群228Bを通過する間、位置検出パターン列HPから位置検出パターン列IPに切り替わって投影される。これにより、第3実施形態と同様に一連のパルス信号が検出され、2次元の露光位置算出および露光開始位置補正が行われる。
本発明に関しては、添付されたクレームによって定義される本発明の意図および範囲から離れることなく、様々な変更、置換、代替が可能である。さらに、本発明では、明細書に記載された特定の実施形態のプロセス、装置、製造、構成物、手段、方法およびステップに限定されることを意図していない。当業者であれば、本発明の開示から、ここに記載された実施形態がもたらす機能と同様の機能を実質的に果たし、又は同等の作用、効果を実質的にもたらす装置、手段、方法が導かれることを認識するであろう。したがって、添付した請求の範囲は、そのような装置、手段、方法の範囲に含まれることが意図されている。
本願は、日本出願(特願2013−086730号、2013年4月17日出願)を基礎出願として優先権主張する出願であり、基礎出願の明細書、図面およびクレームを含む開示内容は、参照することによって本願全体に組み入れられている。
10 露光装置
22 DMD(光変調素子アレイ)
28 位置検出部
30 コントローラ
22 DMD(光変調素子アレイ)
28 位置検出部
30 コントローラ
Claims (11)
- 複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイと、
前記光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させる走査部と、
主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、前記第1フォトセンサ群とは主走査方向に関して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを有する位置検出部と、
前記複数の光変調素子を制御することにより、前記第1および第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、前記第1および第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きい第1および第2位置検出パターン列の光を、前記第1及び第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影する露光動作制御部とを備え、
前記位置検出部が、走査中、前記第1および第2フォトセンサ群において、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置として時系列に検出することを特徴とする露光装置。 - 前記位置検出部が、検出された第1および第2の一連の露光位置から、2次元露光位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記第1および第2フォトセンサ群が、副走査方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の露光装置。
- 前記第1および第2フォトセンサ群が、主走査方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の露光装置。
- 前記位置検出部が、
輝度信号の等しくなるタイミングでパルス信号を発生するパルス信号生成部と、
検出されたパルス信号に応じて露光位置を算出する位置算出部と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の露光装置。 - 前記パルス信号生成部が、前記ステージに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
- 前記露光動作制御部が、検出される一連のパルス信号を互いに異なるタイミングで発生させるように、前記第1及び第2位置検出パターン列の光を投影することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の露光装置。
- 前記露光動作制御部が、ほぼ一定の時間間隔で一連のパルス信号が発生するように、所定のパターンピッチで前記第1および第2位置検出パターン列の光を投影することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
- 前記第1および第2フォトセンサ群が、前記被描画体の搭載されるステージに一体的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の露光装置。
- 前記第1フォトセンサ群の移動方向あるいは主走査方向に対する傾斜配置角度αが、30°≦α≦60°の範囲であり、
前記第2フォトセンサ群の移動方向あるいは主走査方向に対する傾斜配置角度βが、−60°≦β≦−30°の範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の露光装置。 - 複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させ、
主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、前記第1フォトセンサ群とは主走査方向に関して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを配置し、
前記第1および第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜し、前記第1および第2フォトセンサ群の配列方向に沿った各パターン幅が、フォトセンサ幅よりも小さく、フォトセンサ間隔よりも大きい第1および第2位置検出パターン列の光を、前記第1及び第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影し、
前記第1および第2フォトセンサ群において、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置として時系列に検出することを特徴とする露光方法。
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