JP2023139738A - 露光装置および露光位置測定方法 - Google Patents

露光装置および露光位置測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光変調素子アレイを備えた露光装置において、より高精度で露光位置を測定可能する。【解決手段】格子状光透過部Mを設けた露光位置測定用のマスク29を露光装置10に設置し、DMD22に対する制御によって格子状パターン光を形成し、マスク29へ投影する。そして、撮像部31において取得されるモアレ像の画像データに基づいて、露光位置をモアレ法により測定する。【選択図】図2

Description

本発明は、DMD(Digital Micro-mirror Device)などの光変調素子アレイを用いてパターンを形成する露光装置に関し、特に、露光位置の検出に関する。
マスクレス露光装置では、基板を搭載したステージを移動させながら、DMDなどの光変調素子アレイによってパターンの光を基板に投影する。このような露光動作では、ステージの移動に応じて基板の位置を検出し、パターン光の投影対象エリア(露光エリア)の位置に応じたパターン光を投影するように、マイクロミラーなどの光変調素子を制御する。
例えばミクロンオーダーによる微細なパターンを基板などに形成する場合、基板の位置を正確に検出する必要がある。しかしながら、DMDなどの温度変化、露光動作を重ねることによる露光光学系の固定位置変動などにより、パターン光の投影位置にずれが生じ、パターン形成に誤差が生じることがある。
このような露光位置のずれを補正するため、複数のバー状の位置検出用パターン光を走査させ、露光位置のずれを検出する方法が知られている(特許文献1参照)。そこでは、描画面の傍にスリットを形成し、スリット幅より大きな幅をもつ複数のバー状のパターン光を連ねて走査させる。そして、スリットを通過するパターン光を受光するフォトセンサから時系列で出力される光量分布に基づいて、露光位置を測定(算出)し、露光位置のずれを補正する。
特開2015-142036号公報
近年、マスクレス露光装置においても、パターンの微細化がより一層要求されている。しかしながら、フォトセンサの感度特性やステージの送り精度などに起因して、パターン光の走査によって計測される露光位置の精度には限界がある。
したがって、光変調素子アレイを備えた露光装置において、より高精度で露光位置を測定可能にすることが求められる。
本発明の露光装置は、格子状に区切ることによって1次元または2次元配列した複数の光透過部を有する露光位置測定用のマスクと、1次元または2次元格子状パターン光を、光変調素子アレイからマスクに投影し、1次元または2次元のモアレ像を形成する露光部と、複数の光透過部を透過した光を受光する撮像部またはフォトセンサからの出力信号に基づき、モアレ法によって露光位置を測定する位置測定部とを備える。
露光位置測定用のマスクは、格子状の遮光部を形成することによって1次元または2次元マトリクス状に配列させた複数の光透過部を形成することができる。1次元または2次元格子状パターン光は、露光位置測定用のマスクに投影される光(光束)が1次元または2次元的に間隔をもったパターンの光として構成され、例えば、パターン光投影対象となる複数の変調素子群を規則的間隔で定め、矩形状の光が1次元または2次元的に投影される格子状パターン光を形成することができる。露光位置測定用のマスクと、格子状パターン光のピッチに差をつけることにより、モアレ像を形成することが可能である。なお、「モアレ像」は、1次元または2次元干渉縞(モアレ)が少なくとも縞として認識される像だけでなく、ピントが外れている、あるいは平滑化処理などによってボヤけた像などについても、モアレ法により位相の変化、ずれなどを測定可能な像であれば、モアレ像として含まれるものとする。
露光部は、1周期未満の1次元または2次元干渉縞が現れるモアレ像を形成する1次元または2次元格子状パターン光を、マスクに投影することができる。あるいは、露光部が、1周期以上の干渉縞が現れるモアレ像を形成する1次元または2次元格子状パターン光を、マスクに投影することも可能である。
位置測定部は、露光部とマスクとを相対的に静止させている状態で、露光位置を測定することができる。位置測定部は、例えば、モアレ像における波形状の輝度分布または複数箇所の輝度値に基づいて、露光位置を算出することが可能である。また、位置測定部は、撮像部によって取得される画像データに対して平滑化処理が施された画像データに基づいて、露光位置を測定するように構成することができる。
例えば、マスクが、2次元マトリクス状に配列した複数の光透過部を有し、露光部は、2次元格子状パターン光をマスクに投影することが可能である。あるいは、露光部が、1次元格子状パターン光をマスクに投影することも可能である。
本発明の他の一態様であるマスクレス露光装置の露光位置測定方法は、1次元または2次元格子状パターン光を、光変調素子アレイから、格子状に区切ることによって1次元または2次元配列した複数の光透過部を有する露光位置測定用のマスクに投影することによって、1次元または2次元のモアレ像を形成し、1次元または2次元配列した複数の光透過部を透過した光を受光する撮像部またはフォトセンサからの出力信号に基づき、モアレ法によって露光位置を測定する。
本発明の一態様である露光位置測定マスクは、光変調素子アレイを備えた露光装置に装備可能であり、光変調素子アレイによって形成される1次元または2次元格子状パターン光に対して1次元又は2次元の現れるモアレ像を形成可能なように、1次元または2次元配列した複数の光透過部を有する。
このような露光位置測定用マスクの交換方法として、対象となる露光装置にあらかじめ設置されていた露光位置測定用マスクと交換する方法を提供することができる。ここでの「あらかじめ設定されていた露光位置測定用マスク」は、上記モアレ像を形成可能なマスクや、モアレ像を形成せず、ガラスマスクなどにスリットなどが形成された露光位置測定用マスクも含まれる。
本発明によれば、光変調素子アレイを備えた露光装置において、より高精度で露光位置を測定可能することができる。
第1の実施形態である露光装置のブロック図である。 DMDにおいて位置測定用のパターン光を形成するマイクロミラーの配列と、ガラスマスクの光透過部の配列を示した図である。 撮像部によって捉えられるモアレ像を例示した図である。 図3のモアレ像の一部について平滑化処理を施した画像を示した図である。 図4に相当するモアレ像に対して、基準位置からの露光位置のずれを位相で示した図である。 第2の実施形態におけるマスクおよび格子状パターン光を形成するDMDのミラー配列を示した図である。 フォトセンサの受光面に形成される部分的モアレ像を一例として示した図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態である露光装置のブロック図である。
露光装置10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布、あるいは貼り付けた基板Wへ光を照射することによってパターンを形成するマスクレス露光装置であり、コントローラ30は、露光装置10の動作を制御する。
露光装置10は、パターン光を投影する複数の露光ヘッドを備えている(ここでは1つの露光ヘッド18のみ図示)。露光ヘッド18は、照明光学系17、DMD22、結像光学系19を備え、露光部を構成する。照明光を発光する光源20は、例えばLED、レーザダイオード、放電ランプなどによって構成可能であり、光源駆動部21により駆動される。
ベクタデータなどにより構成されるCAD/CAMデータが露光装置10に入力されるのに従い、ラスタ変換回路26は、ベクタデータをラスタデータに変換する。生成されたラスタデータは、バッファメモリ(図示せず)に一時的に格納された後、DMD駆動回路24へ送られる。
DMD22は、微小マイクロミラーを2次元配列させた光変調素子アレイとして構成され、各マイクロミラーは、姿勢を変化させることによって光の反射方向を選択的に切り替える。DMD駆動回路24からの露光データ(ON/OFFデータ)に応じて各ミラーが姿勢制御されることにより、パターンに応じた光が、結像光学系19を通って基板Wの表面に投影される。
基板Wを搭載するステージ12は、ステージ駆動機構15によって、主走査方向X、副走査方向Y(以下、X方向、Y方向ともいう)に移動可能である。ステージ駆動機構15は、不図示のリニアエンコーダを備え、ステージ12の位置を測定するとともに、コントローラ30からの制御信号に従ってステージ12を移動させる。
露光動作中、ステージ12が走査方向Xに沿って一定速度で移動するのに伴い、DMD22全体による投影エリア(以下、露光エリアという)は、基板Wの移動に伴って基板W上を相対的に移動する。DMD22の各マイクロミラーは、露光エリアの相対位置に従ってON/OFF制御され、露光エリアの位置に応じたパターン光が投影される。露光動作は、所定の露光ピッチに従って実行され、複数の露光ヘッドにより基板W全体を描画する。
露光方式としては、一定速度で移動する連続移動方式だけでなく、間欠的に移動するステップ&リピートも可能である。また、露光ショット時の投影エリアを部分的に重ねる多重露光(オーバラップ露光)も可能である。一方、露光エリアが主走査方向Xに対して微小角度傾斜するように、複数の露光ヘッドをステージ12に対して位置決めすることで、高精度のパターンを形成することが可能である。
例えば、ロットの切り替え、一定時間経過などのとき、露光動作を始める前段階において、パターンを正確な位置に形成するため、露光開始位置に関する補正処理が行われる。具体的には、露光ヘッド18が位置検出部28に対して露光位置検出用のパターン光を投影する。そして位置算出部27が、位置検出部28からの出力信号に基づいて、露光位置、すなわち露光ヘッド18に対する基板W(ステージ12)の相対位置を算出する。なお、露光開始位置に関する補正処理では、位置検出用のベクタデータあるいはラスタデータが使用される。
位置測定部を構成する位置検出部28、位置算出部27によって露光位置が求められると、コントローラ30は、位置算出部27から送られてくる露光位置情報に基づき、露光開始位置を補正する。例えば、ベクタデータに対する補正処理を施す。ラスタデータに対する補正処理を行ってもよい。
位置検出部28は、マスク29、撮像部31を備え、ステージ12の所定位置に設置、位置決めされている。マスク29は、格子状の区切りを設けることにより形成された複数の光透過部を有し、露光ヘッド18からマスク29に向けてモアレを生じさせるパターン光を投影することにより、干渉縞が現れる像(以下、モアレ像という)が形成される。そして、撮像部31によって取得されるモアレ像の画像データから、露光位置を測定する。以下、これについて詳述する。
図2は、DMD22において位置測定用のパターン光を形成するためのマイクロミラーのON/OFF配列(以下、ミラー配列という)と、ガラスマスク29の光透過部の配列を示した図である。初めにモアレ法について簡単に説明し、その後、本実施形態におけるモアレ像の生成手法について説明する。
モアレ像は、規則的な周期パターンが重なった際に干渉縞の現れる像を表す。例えば、1組の細かい平行格子を重ね合わせたとき、重ね合わせ具合に応じて、光の通過が妨げられた場所に暗部となる縞、反対に位相の一致した場所に明るい縞が生じ、位相のずれが明暗の縞として現れる。視覚的には、位相のずれから生じる透明部分の間と不透明部分の間の割合が明暗の縞として識別されるものであり、個々の波形ではなく、位相差によって生じるうなりが知覚される。
このようなモアレ像を利用することによって、変位やずれを測定することが可能となり、モアレ法と呼ばれている。干渉縞(モアレ)が生じるのは、幾何学的干渉に起因するものであって、モアレ像における変位測定時の目盛りに相当するものは、干渉縞の周期となる。これは、波長のオーダー(ナノメートル)よりも大きく、周期パターンのピッチに依存する。また、モアレ法において、その測定の仕方等に起因して必ずしも干渉縞が縞模様とし現れないモアレ像を対象としても変位やずれを測定することが可能である(以下では、モアレ法の適用可能なより広義、広範囲のモアレ像について、モアレが生じているという)。
1組の格子それぞれのピッチに差を設けることによりモアレが生じるが、この差の大きさ、すなわち単位距離当たりの格子数の差によって、モアレの周期が一義的に定まる。したがって、1組の格子ピッチの差を調整することにより、干渉縞の周期を調整することが可能となる。
この単位距離当たりの格子数の差をできる限り小さくすることにより、格子のピッチに対してより大きな周期をもつモアレを発生させることができる。このことは、モアレ像において、実際の変位量と比べて非常に大きな拡大率(例えば数十倍~数百倍)で、変位量を表示し、測定できることを意味する。
本実施形態では、従来のモアレ法のように1組の格子を重ね合わせる構成ではなく、DMD22から投影する2次元に形成される周期パターンの光(以下、格子状パターン光という)と、2次元に配列された周期パターンの光透過部を設けたマスク29との組み合わせにより、モアレ像を形成する。ここでは、2次元のモアレ像を形成するため、2次元整列状(マトリクス状)に光透過部を形成したマスク29を配置し、DMD22によって2次元格子状のパターン光を形成し、マスク29の光透過部形成領域に向けて投影する。
図2では、マスク29における光透過部の一部配列を示している。マスク29は、互いに直交する2方向に沿って2次元方向にモアレの現れるモアレ像を発生させる2次元格子として構成される。マスク29の光透過部Mは、ここでは方形状であって縦横同じ長さであり、ステージ12の移動方向(X方向、Y方向)に対し、定められたピッチPで規則的に複数配列させた格子構造となっている。
マスク29は、その表面の位置(高さ)が基板W(図1)の感光材表面の位置に合わせて設置されている。また、マスク29では、隣り合う光透過部Mの隙間から光が透過しない、あるいは光透過部Mと比べて透過率が相対的に低くなるように構成されている。例えば、マスク29は、ガラスマスクで構成し、光透過部M周囲をクロムなどで遮光する構成にすることが可能である。
一方、DMD22からマスク29へ投影される格子状パターン光は、その投影像が、ステージの移動方向(X方向、Y方向)に沿ってピッチ(K×P)で格子状に配列するパターン光になる。各マイクロミラーは方形状であり、格子状パターン光の像は、マスク29の光透過部Mの配列と同様、X、Y方向に規則的に配列した方形状の格子像が並ぶパターンとなる一方、マスク29とは異なるピッチでX、Y方向に並ぶ。
格子状パターン光の像におけるピッチは、光透過部のピッチPに係数Kを乗じることで求められる(K×P)。2次元のモアレを形成するため、係数Kは1以外の値に定められる(K≠1)。また、撮像部31の視野範囲、モアレ像の2次元モアレの周期、拡大率などを考慮して、係数Kの値が定められる。
例えば、露光位置(基準位置からのずれ)を10倍~100倍以上の拡大率で検出することを考慮し、ピッチPおよび係数Kの値を定めることができる。ピッチPは、マイクロミラーのサイズ、結像光学系19の倍率などに応じて、数μm~数百μmの範囲に定めることが可能である。
拡大率をできるだけ大きな値に設定すること考慮すると、係数Kの値を比較的1に近い値に定めればよい。例えば、K<2、K<1.5、あるいはK<1.2の範囲に定めることができる。ここでは、Kが1より大きい値(K>1)に設定されているが、1未満(K<1)であってもよい。
ここでは、結像光学系19の倍率が1に定められており、DMD22において各格子の光を形成するためにON状態に設定するマイクロミラーのブロックBのサイズMSは、光透過部MのサイズSに合わせて定められている。
そして、ブロックBのサイズMSに合わせて、ブロックBを形成するマイクロミラーの縦および横のミラー数が定められる。結像光学系19の倍率が1以外(拡大、縮小倍率)に設定されている場合、倍率に合わせてブロックBを構成するマイクロミラー数を定めればよい。
DMD22に対するマスク29の位置、すなわちステージ12の位置は、撮像部31の受光面(視野領域)において、2次元にモアレの現れるモアレ像が形成される位置に定められている。そして、撮像部31の受光面において、X、Y両方向に1周期以上のモアレが現れるモアレ像を形成することが可能なように、DMD22による格子状パターン光がマスク29に投影される。
図3は、撮像部31によって捉えられるモアレ像を例示した図である。ここでは、撮像部31の受光面(視野領域)の中心部に暗部、4隅付近に明部が現れる2次元干渉縞のモアレ像が形成されている。なお、格子状パターン光は、マスク29の表面(=描画面)に結像するため、撮像部31の受光面ではピントが外れているが、露光位置の検出に対して実質的な影響はない。
マスク29のピッチPと、マイクロミラーをON状態にするブロックBのピッチK×Pとが、いずれもX、Y両方向同じピッチであるため、2次元モアレのX方向の周期Tx、Y方向の周期Tyは等しい。2次元モアレの周期Tx、Tyは設計値から求まる既知の値である。
図4は、図3のモアレ像の一部について平滑化処理を施した画像を示した図である。このような平滑化処理により、X、Y両方向の明暗変化を、波形状の輝度分布として表することができる。これは、2次元モアレの周期を精度よく検出することを可能にする。ただし、図4に示すようなピントのずれが生じたモアレ像を取得できるように、撮像部31の撮像面の位置を調整してもよい。
図3、4に示すモアレ像から、ステージ12におけるX、Y方向の露光位置(露光開始位置のずれ)を、モアレ法に従って測定することができる。モアレ法による測定手法としては、様々な手法を適用することが可能である。例えば、(出荷前などに)あらかじめ定められた基準位置と、モアレ像に現れる2次元モアレの特徴的な位置との間の距離あるいは位相との相関関係を見出し、露光位置を測定することが可能である。
図5は、図4に相当するモアレ像の基準位置からのずれを示した図である。上述したモアレ像の画像データに対して平滑化処理を行うことで、2次元モアレのX、Y方向の輝度変化が波形状(積算波形)となって表れている。そして、波形から、基準位置と2次元干モアレの特徴点との間の位相を算出することにより、基準位置からのずれを求める。
具体的には、モアレ像における2次元モアレの特徴点(例えば、最も輝度値の高い画素位置)と、(出荷前などに)あらかじめ基準位置として定めた位置(ここでは、撮像部31の受光面の中心位置)のX方向、Y方向の位相差を、基準位置からの位相θx、θyとして求めることができる。図5では、撮像部31の撮像領域中心位置である基準位置から、位相θx、θyだけ露光位置のずれがモアレ像において生じていることを示している。
X、Y方向に沿った基準位置からの位相θx、θyを求めると、露光位置(露光位置のずれ)を演算によって求めることができる。具体的には、モアレ位相θx、θyに基づき、モアレ像における基準位置からのずれ量を算出する。そして、算出された基準位置のずれ量から、ステージ12上における実際の基準位置からのずれ量、すなわち露光位置を測定することができる。
例えば、図5に示す位相θx、θyを求めたとき、モアレ像におけるずれ量Dmを以下の(1)式により算出する。

Dm=((K×P)/(K-1))×(θ/2π) ・・・・(1)
上述したように、2次元モアレの現れるモアレ像は、実際の露光位置のずれを拡大して写し出すものであることから、実際の露光位置のずれを以下の(2)式により求める。そして、算出されたDmに基づき、露光開始位置が補正される。

d=-Dm(K-1)=-KP(θ/2π) ・・・・(2)
露光位置は、上述したようなX方向、Y方向の波形状輝度分布の位相から求める方法以外によっても、測定することが可能である。例えば、撮像部31によって捉えられるモアレ像の中で複数の特定点(特定画素)を、X方向、Y方向に沿ってそれぞれ定め、特定点の輝度値を検出する。
そして、あらかじめ定められた基準位置の輝度値と、検出された特定点の輝度値との相関関係に基づいて、モアレ像における露光位置のずれを表す2次元モアレの位相を求めてもよい。2次元モアレは、X方向、Y方向いずれも周期性のある、すなわち波形状の明暗変化を生じさせた像であることから、適当な数の特定画素の輝度値を検出することにより、図5に示すような2次元モアレの基準点からのずれを求めることが可能である。
このように本実施形態によれば、格子状光透過部Mを設けた露光位置測定用のマスク29を露光装置10に設置し、DMD22に対する制御によって格子状パターン光を形成し、マスク29へ投影する。そして、撮像部31において取得されるモアレ像の画像データに基づいて、露光位置をモアレ法により測定する。
モアレ法として、マスク29に2次元状格子の光透過部Mを形成し、相補的な格子状パターン光をDMD22から投影するとともに、格子状パターン光の格子ピッチ(=K×P)をマスクの格子ピッチPを基準にして定め、実際の露光位置のずれを、所望する拡大率によってモアレ像に現すことが可能となるため、露光位置のずれがミクロンオーダーレベルを超えたサブミクロンオーダーであっても、精度よく測定することが可能となる。
特に、DMD22において、ON状態のマイクロミラーで構成するブロックBのサイズ、およびそのブロック位置が任意に設定可能である。そのため、互いに異なるピッチの光透過部を有する複数のマスクを用意、設置し、それに合わせてDMD22から格子状パターン光を投影することが可能である。
あるいは、単一のマスク29に対し、互いに異なるピッチPの光透過部を異なるエリアに形成し、使用される基板の種類や要求されるパターン精度等に適したピッチで配列している光透過部の形成エリアを選択し、それに合わせたピッチ(K×P)に従う格子状パターン光をDMD22によって形成し、マスク29に投影することも可能である。
撮像部31は、X、Y方向に関して1周期以上のモアレの現れるモアレ像を視野領域内に捉えている。そのため、1つの画像データから、X、Y両方向に関する露光位置のずれを一度に求めることができる。少なくとも1周期分の2次元モアレが現れるモアレ像を撮像可能なように、マスク29の光透過部MのピッチPおよび格子状パターン光のピッチ(K×P)を定めればよい。
次に、図6、7を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、格子状パターン光を形成するマイクロミラーへの露光データを変換して格子状パターン光をマスク29に対して移動させることで2次元干渉縞の像を移動させる。そして、定点観察によって、位相をシフトさせたモアレ像、すなわち移動分だけ画像がシフトしたモアレ像の画像データを複数回取得し、露光位置を測定する。
図6は、第2の実施形態におけるマスク29’および格子状パターン光を形成するDMD22のミラー配列を示した図である。第2の実施形態では、CCDやCMOSなど画像データとしてモアレ画像を取得可能な撮像部の代わりに、光量あるいは照度を輝度値として検出可能なフォトセンサ31’が用意され、マスク29’の下方に設置されている。マスク29’では、フォトセンサ31’の受光面サイズに合わせて光透過部Mの形成領域が定められている。
DMD22では、第1の実施形態と同様に2次元モアレが現れるモアレ像(例えば図5で示すモアレ像)を形成する格子状パターンを、マスク29’へ投影する。一方、マスク29’に光透過部Mの形成領域(符号R参照)は、フォトセンサ31’の受光面サイズとモアレ周期に従って定められており、その形成領域Rのサイズは、DMD22から投影される格子状パターン光の投影領域よりも狭い。
そのため、フォトセンサ31’の受光面に形成されるモアレ像は、X、Y方向それぞれ1周期未満の2次元モアレの現れるモアレ像となる(以下、部分的モアレ像という)。部分的モアレ像は、第1の実施形態で示した1周期以上の2次元モアレが現れるモアレ像の一部とみなすことができる
部分的モアレ像は、1周期未満の2次元モアレしか現れないため、その画像だけから露光位置のずれを求めることはできない。しかしながら、フォトセンサ31’の受光面(マスク29’)に対して2次元モアレを移動させる露光動作(ここでは、ミラー配列変更動作という)を行うことによって、1周期以上の2次元のモアレ像の画像情報を、フォトセンサ31’によって取得することができる。
具体的には、格子状パターン光を形成するブロックBのマイクロミラーへの露光データを、2次元モアレの定められた位相だけシフトした部分的モアレ画像に変換するように、データの切り替え(データシフト)を実行する。これによって、フォトセンサ31’の受光面上には、シフトさせた位相分だけ移動した部分的モアレ像が形成される。
このような格子状パターン光を形成するマイクロミラーに対する露光データのシフト(画像シフト)をX、Y方向へそれぞれ所定回数だけ行って露光する一方、フォトセンサ31’によって定点観察を行うことにより、第1の実施形態と同じ1周期以上の2次元のモアレ像の画像情報を取得することが可能となる。
図7は、フォトセンサ31’の受光面に形成される部分的モアレ像を一例として示した図である。図7に示す部分的モアレ像は、図4に示す1周期以上の2次元モアレが現れるモアレ像の一部の光量情報に相当する。光透過部Mの形成領域が相対的に小さいため、フォトセンサ31’の受光面上では、略同じ位置にモアレが生じる一方、格子状パターン光のマスク29に対する相対移動に応じて、順次光量の変化が生じる。
例えば、ガラスマスク29’を透過した格子状パターン光によって、図7に示す部分的モアレ像が形成される場合、2次元モアレの1/4周期(π/2)に合わせて、露光ミラーのデータシフトをX、Y方向にそれぞれ行えばよい。4回のミラー配列変更動作を行うことにより、図4に示したモアレ像と同等の光量情報を取得することができる。
なお、フォトセンサ31’は、撮像機能を有しておらず、画像データを取得する代わりに輝度値を検出する。そのため、露光位置の測定手段としては、上述した複数の特定点(画素位置)を定め、フォトセンサ31’の受光面中心位置に特定点が定まるように、露光データをシフトさせて格子状パターン光を投影すればよい。各ミラー配列変更動作においてフォトセンサ31’により検出される輝度値から、モアレ像における基準位置からのずれを求めることができる。
このように第2の実施形態によれば、1周期未満の2次元モアレの現れる部分的モアレ像を形成し、2次元モアレの位相(周期)に合わせて、順次位相シフトさせた部分的モアレ像を形成しながらミラー配列変更動作を複数回行う。このようなモアレ法では、1周期以上の2次元モアレのモアレ像を形成する必要がないため、第1の実施形態と比べてより拡大率の大きいモアレ像を形成することが可能となり、露光位置をより一層精度よく検出することができる。特に、定点観測によるため、露光位置測定のタクト負担とならない。
また、輝度値を検出するフォトセンサ31’を設置することによって、カメラのような解像度の制限に依存することなく、露光位置を測定することができる。また、回路構成が簡素化するとともに、処理スピードを向上させることができる。
第2の実施形態では、DMD22によって形成される格子状パターン光は、第1の実施形態と同様、2次元モアレの現れるモアレ像を形成し、マスク29’の格子形成領域をフォトセンサ31’の受光面サイズとモアレの周期から設定することによって部分的モアレ像を形成している。しなしながら、その逆の構成にしてもよい。
すなわち、第1の実施形態と同じように光透過部を形成した2次元格子状マスク29を設ける一方、DMD22によって形成する格子状パターン光の領域を制限することによって、上述した1周期未満の2次元モアレが現れる部分的モアレ像を形成することも可能である。また、このような部分的モアレ像を形成する格子状パターン光に対し、上述したマスク29’を配置してもよい。
また、フォトセンサ31’の代わりに撮像部31を設ける構成にしてもよい。露光データシフトを伴う複数回のミラー配列変更動作を行い、撮像部31の受光面中心位置の輝度値を検出することによって、部分的モアレ像から露光位置を測定することが可能である。
さらに、1周期以上の2次元モアレの現れるモアレ像を撮像部31で取得しながら、マイクロミラーへの露光データシフトを行うことも可能である。この場合、1周期以上の2次元モアレの現れるモアレ像を露光データ受光面において移動させることになるが、例えば、ミラー配列変更動作を複数回行って平均値などを算出することによって、露光位置をより精度よく測定することが可能となる。
すなわち、第2実施形態で説明したモアレ法は、1周期未満の2次元モアレが現れる部分的モアレ像だけでなく、1周期以上の2次元モアレの現れるモアレ像に対しても適用することが可能である。
第1、第2の実施形態では、X方向およびY方向両方に沿った2次元モアレの現れるモアレ像を形成しているが、X方向またはY方向にのみモアレの現れるモアレ像を形成してもよい。この場合、X方向、Y方向別々にモアレ法を適用し、露光位置を測定することが可能である。
例えば、X方向に延びるバー状の光をY方向にピッチKPで並べた1次元格子状パターン光を、第1の実施形態あるいは第2の実施形態で用いたマスク29あるいはマスク29’に投影することにより、Y方向に沿った露光位置をモアレ法によって測定することができる。
同様に、Y方向に延びるバー状の光をX方向にピッチKPで並べた1次元格子状パターン光をマスク29あるいはマスク29’に投影することによって、Y方向に沿った露光位置をモアレ法によって測定することができる。
あるいは、2次元格子状光透過部Mを形成したガラスマスク29の一部領域に対し、X方向に沿った露光位置を測定する1次元格子状パターン光を投影し、他の領域に対してY方向に沿った露光位置を測定する1次元格子状パターン光を投影してもよい。
一方で、X方向あるいはY方向に沿って光透過部が並ぶ1次元格子状マスク(あるいは1つのマスクの異なる領域に形成したマスク)を配置し、2次元格子状パターン光を投影してもよい。この場合においても、第2の実施形態のような露光データシフトを行うことにより、X方向あるいはY方向に対して露光位置を精度よく検出することができる。
第1、第2の実施形態では、マスク29、29’は一度設置されるとそのまま使用されることを前提としているが、様々なマスクを着脱自在、交換可能に設置してもよい。これにより、従来の露光装置に対しても、モアレ法による露光位置測定が可能となる。
10 露光装置
22 DMD(光変調素子アレイ)
28 位置検出部
29 29’ マスク
31 撮像部
31’ フォトセンサ

Claims (8)

  1. 格子状に区切ることによって1次元または2次元配列した複数の光透過部を有する露光位置測定用のマスクと、
    1次元または2次元格子状パターン光を、光変調素子アレイから前記マスクに投影し、1次元または2次元のモアレ像を形成する露光部と、
    前記複数の光透過部を透過した光を受光する撮像部またはフォトセンサからの出力信号に基づき、モアレ法によって露光位置を測定する位置測定部と
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 前記露光部が、1次元または2次元のモアレ像の位相に応じて、1次元または2次元格子状パターン光を形成するマイクロミラーに対する露光データをシフトさせ、1次元または2次元モアレを、前記撮像部またはフォトセンサの受光面に対して相対移動させることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記マスクが、2次元マトリクス状に配列した複数の光透過部を有し、
    前記露光部が、2次元格子状パターン光を前記マスクに投影することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 前記マスクが、2次元マトリクス状に配列した複数の光透過部を有し、
    前記露光部が、1次元格子状パターン光を前記マスクに投影することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  5. 格子状に区切ることによって複数の光透過部を形成した露光位置測定用のマスクと、
    格子状パターン光を、光変調素子アレイから前記マスクに投影する露光部と、
    前記マスクを透過した光を受光する受光部からの出力に基づいて、露光位置を測定する位置測定部と
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  6. 1次元または2次元格子状パターン光を、光変調素子アレイから、格子状に区切ることによって1次元または2次元配列した複数の光透過部を有する露光位置測定用のマスクに投影することによって、1次元または2次元のモアレ像を形成し、
    前記1次元または2次元配列した複数の光透過部を透過した光を受光する撮像部またはフォトセンサからの出力信号に基づき、モアレ法によって露光位置を測定することを特徴とするマスクレス露光装置の露光位置測定方法。
  7. 光変調素子アレイを備えた露光装置の露光位置測定用マスクであって、
    前記光変調素子アレイによって形成される1次元または2次元格子状パターン光に対して1次元又は2次元の現れるモアレ像を形成可能なように、1次元または2次元配列した複数の光透過部を有することを特徴とする露光位置測定用マスク。
  8. 請求項7に記載された露光位置測定用マスクを、対象となる露光装置にあらかじめ設置されていた露光位置測定用マスクと交換することを特徴とする露光位置測定用マスクの交換方法。
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