JP6904689B2 - 露光装置および露光装置用遮光部材 - Google Patents

露光装置および露光装置用遮光部材 Download PDF

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Description

本発明は、パターンを形成する露光装置に関し、特に、基板等への投影像の位置検出に関する。
DMD(Digital Micro-mirror Device)などの光変調素子アレイを用いてパターンを形成するマスクレス露光装置では、基板が搭載されるステージを走査方向に沿って相対移動させながら、光変調素子アレイによってパターン光を基板に投影する。そこでは、ステージに載せられた基板の投影エリア(露光エリア)の位置を検出し、その位置に応じたパターン光を投影するように、2次元配列された複数の光変調素子(マイクロミラーなど)を制御する。
精度よく微細パターンを形成する場合、基板の位置を正確に検出し、パターン光を位置ずれなく投影する必要がある。しかしながら、DMDの温度変化、基板の温度変化、照明光学系あるいは結像光学系の歪み特性などに起因して、パターン光の投影位置にずれが生じ、パターン形成位置に誤差が生じてしまう。
これを防ぐため、基板を搭載するテーブルなどにスリットを形成し、スリットを透過した光を受光するフォトセンサを設ける。テーブルを移動させながら所定のパターン像(スポット像やバー状パターン像)を投影し、スリットを通過したときの露光位置を測定する。そして、あらかじめメモリなどに記憶された基準となる露光位置との差に応じて、露光データの補正、あるいは取り付け位置の調整などを行う(例えば、特許文献1参照)。
投影像の位置検出に関しては、V字状(“く”の字型)のスリットをテーブル端部に複数並べて投影像(描画位置)の位置を測定する方法が提案されている(特許文献2参照)。そこでは、V字状スリットの頂部を副走査方向に向けて配列し、その下方にフォトセンサを配置する。そして、主走査方向に沿ってテーブルを移動させながらスポット像を投影し、V字状スリットの各直線状傾斜スリットを通過したときの露光位置を検出し、特定画素(マイクロミラー)によるスポット像の位置を算出する。
特開2015−142036号公報 特開2007−271867号公報
投影像のずれは様々な要因で生じ、そのずれは、露光エリア内の場所によっても相違する。例えば、複数の露光ヘッドを装備し、描画エリアを分けてパターンを形成する場合、露光ヘッドの取り付け誤差等に起因して、隣接する露光ヘッドのパターン繋目部分、すなわち露光エリアの境界付近に投影像のずれが生じ、パターン精度に影響を与える。
しかしながら、特許文献2のようなスリットの形成では、投影像の位置ずれがスリットの形成場所に制限される。特に、V字状スリットの向き、並びの構成は、レンズ光学系の歪みに基づく投影像のずれ検出を目的としたものであるため、露光エリア境界付近など、様々な箇所において露光位置のずれを検出することが困難である。
したがって、主走査方向および副走査方向の両方に関し、所望する箇所において投影像の位置ずれを検出できることが求められる。
本発明の露光装置は、パターン光を露光対象物に投影して露光する露光部と、露光対象物の露光面に沿って複数の折れ線状スリットを形成した遮光部と、パターン光を遮光部に投影したときに複数の折れ線状スリットを透過する光を受光する受光部と、パターン光を遮光部上で主走査方向に走査させたときに受光部の信号出力からパターン光の位置ずれを検出する検出部とを備える。
ここで、「折れ線状スリット」は、折り返しのある線状のスリットを示し、折れ線を描くようなスリットであればよく、端から端まで繋がるスリット、あるいは、折り返し部分などに遮光部を形成し、線分を繰り返し交互に向きを変えるような折れ線状スリットであってもよい。例えば複数の折れ線状スリットは、それぞれ、長さの等しい2つの直線部をもつ山型もしくは谷型の基本折れ線スリットを副走査方向に繰り返した波形状スリットで構成することができる。
検出部は、所定位置に対するパターン光の像の位置ずれを検出可能であり、例えば、設計位置、前回測定した位置、あるいはメンテナンスなどに調整して測定した位置を基準として、実際測定された位置との差に基づいた露光位置のずれを検出することが可能である。パターン光としては、例えばスポット状の光を投影することが可能である。
本発明では、所定の折れ線状スリットの直線部に対し、副走査方向に関し鏡像となる直線部を有する他の折れ線状スリットが存在するように、複数の折れ線状スリットが形成されている。これによって、その幾何学的形状に基づいて露光位置のずれを検出することができる。
例えば、各折れ線状スリットを、その繰り返しパターンの数を増やす、あるいは直線部の長さを延ばすなど、副走査方向に沿って延びるスリットを形成することによって、主走査方向に沿ってパターン光を走査させたとき、副走査方向に関して様々な箇所について露光位置を検出することが可能となり、露光エリア内の中心だけでなくエリア端部付近における露光位置のずれなども検出することが可能となる。
検出部は、副走査方向に関して互いに鏡像となる直線部をもつ一対の折れ線状スリットごとに、露光位置のずれを検出(算出)することが可能である。例えば、検出部は、受光部からの時系列的出力から、副走査方向に関して互いに鏡像となる直線部をもつ一対の折れ線状スリットごとに露光位置を算出すればよい。
複数の折れ線状スリットを、副走査方向に沿って互いに位置をずらしながら、主走査方向に沿って並べて形成することが可能である。例えば、複数の折れ線状スリットが、副走査方向に第1のピッチでずれるように並び、また、複数の折れ線状スリットが、主走査方向に第2のピッチで並ぶように形成することができる。
これにより、折り返し部分において副走査方向にずれが生じるため、あらゆる箇所で露光位置のずれを検出することが可能となる。また、スリット領域の副走査方向幅を限りなく大きくしても主走査方向長さが一定となるため、スリット領域をコンパクトに形成することが可能となるとともに、折れ線状スリット副走査方向に沿って計測可能な範囲を広げることが可能となる。
特に、ピッチを定めて規則的に並べることによって、露光位置のずれを検出することが容易となる。例えば、複数の折れ線状スリットが、副走査方向にピッチPで互いにずれながら主走査方向に2n個並び、ピッチPは、以下の式を満たすようにすればよい。ただし、Lは基本折れ線スリットの副走査方向幅を示し、nは2以上の自然数を表す。

P=L/2n
折れ線状スリットは、副走査方向に同じパターンを繰り返すことになるため、同一レベルの信号が複数の位置で検出される場合が生じる。そこで、遮光部には、複数の折れ線状スリットを、基本折れ線スリットに応じたエリアごと区分するスリットパターンである、エリア識別スリットを形成すればよい。
本発明の他の態様における露光装置用遮光部材は、遮光面に沿って形成された複数の折れ線状スリットを備え、所定の折れ線状スリットの直線部に対し、所定方向に関し鏡像となる直線部を有する他の折れ線状スリットが存在するように、複数の折れ線状スリットが形成されている。この所定方向は、露光装置用遮光部材を露光装置に設置したときに副走査方向となる方向であり、例えば、基板の一方に辺に沿った方向に対応する。
本発明によれば、露光装置において、所望する箇所において投影像の位置(露光位置)のずれを検出することができる。
本実施形態である露光装置のブロック図である。 遮光部を示した図である。 遮光部とフォトセンサの配置構成を示した図である。 基本スリットパターンの形成過程を示した図である。 基本スリットパターンを示した図である。 スポット状パターン光を遮光部に対し主走査方向に走査させたときにフォトセンサによって検出される光量信号を示した図である。 ペアセットの折れ線状スリットを示した図である。 折れ線状スリットの露光位置ずれを示した図である。 主走査方向(X方向)、副走査方向(Y方向)の露光位置のずれを示した図である。 傾きがaのときの露光位置のずれを示した図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態である露光装置のブロック図である。
露光装置(描画装置)10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布、あるいは貼り付けた基板Wへ光を照射することによってパターンを形成するマスクレス露光装置であり、基板Wを搭載するステージ12が走査方向に沿って移動可能に設置されている。ステージ駆動機構15は、主走査方向X、副走査方向Yに沿ってステージ12を移動させることができる。
露光装置10は、パターン光を投影する複数の露光ヘッド(露光部)を備えており(図1では1つの露光ヘッド18のみ図示)、露光ヘッド18は、DMD22、照明光学系、結像光学系(いずれも図示せず)を備える。光源20は、例えば放電ランプ(図示せず)によって構成され、光源駆動部21によって駆動される。
ベクタデータなどで構成されるCAD/CAMデータが露光装置10へ入力されると、ベクタデータがラスタ変換回路26に送られ、ベクタデータがラスタデータに変換される。生成されたラスタデータは、バッファメモリ(図示せず)に一時的に格納された後、DMD駆動回路24へ送られる。
DMD22は、微小マイクロミラーを2次元配列させた光変調素子アレイ(光変調器)であり、各マイクロミラーは、姿勢を変化させることによって光の反射方向を選択的に切り替える。DMD駆動回路24から送られてくる露光データに従って各ミラーが姿勢制御されることにより、パターンに応じた光が、結像光学系を通じて基板Wの表面に投影される。
ステージ駆動機構15は、コントローラ30からの制御信号に従い、ステージ12を移動させる。ステージ駆動機構15には不図示のリニアエンコーダが備わっており、ステージ12の位置を測定し、コントローラ30にフィードバックする。
位置検出部28は、ステージ12の端部付近に設置されており、フォトセンサPD、および不図示のパルス信号発生部を備えている。フォトセンサPDはここでは単一のセンサで構成される。位置検出部28の上方には、部分的に光を通す遮光部40が設けられており、ステージ12に固定されている。位置算出部27は、位置検出部28から送られてくる信号に基づき、露光位置、すなわち露光ヘッドに対する基板W(ステージ12)の位置を算出する。
露光動作中、ステージ12は、走査方向Xに沿って一定速度で移動する。DMD22全体による投影エリア(以下、露光エリアという)は、基板Wの移動に伴って基板W上を相対的に移動する。露光動作は所定の露光ピッチに従って行なわれ、露光ピッチに合わせてマイクロミラーがパターン光を投影するように制御される。
DMD22の各マイクロミラーの制御タイミングを露光エリアの相対位置に従って調整することにより、露光エリアの位置に描くべきパターンの光が順次投影される。そして、露光ヘッド18を含めた複数の露光ヘッドにより基板W全体を描画することによって、基
板W全体にパターンが形成される。
なお、露光方式としては、一定速度で移動する連続移動方式だけでなく、間欠的に移動するステップ&リピートも可能である。また、露光ショット時の投影エリアを部分的に重ねる多重露光(オーバラップ露光)も可能である。
露光動作を始める前段階、生産ロット開始時などにおいては、パターンを正確な位置に形成するため、露光位置に関する補正処理が行われる。ステージ12を一定速度で移動させながら、位置検出用のパターン光を投影する。ここでは、スポット状のパターン光を投影する。例えば、複数の露光ヘッド間で隣り合う走査バンドの境界付近でパターン光を走査させることが可能である。コントローラ30は、位置算出部27から送られてくる露光位置情報に基づき、露光位置を補正する。具体的には、露光位置のずれに応じて露光データを補正する。なお、露光ヘッド18の組み付け調整などを行ってもよい。
以下、図2〜図9を用いて、遮光部の構成および露光位置の検出について説明する。
図2は、遮光部を示した図である。図3は、遮光部とフォトセンサの配置構成を示した図である。
単一の矩形状フォトセンサPDの光源側上方に配置された遮光部40には、その表面(遮光面)上にスリットSSが形成されている。スリットSSは、副走査方向に沿って波形(コルゲート状)になっているスリット(以下、折れ線状スリットという)Smを主走査方向に並べたスリット構造になっている。ただし、X方向を主走査方向、Y方向を副走査方向とする。また、X−Y座標は、ステージ12に対して規定されており、ラスタ変換されるベクタデータはX−Y座標に基づいている。
遮光部40は、フォトセンサPDの受光面と基板Wの描画面に平行であり、ステージ12を移動させることによって露光エリアを遮光部40まで移動させることが可能である。露光動作開始前、投影像測定用のパターン光を遮光部40上で走査させる。図3に示すように、スリットSSは微細なパターン形状であり、フォトセンサPDの受光エリアに収まるサイズに構成されている。
スリットSSを構成する複数の折れ線状スリットSmは、主走査方向(X方向)に所定ピッチPxで並ぶ一方、副走査方向(Y方向)にそって所定ピッチPyだけずれて(つまり、互いに隣り合うスリットとの間では、副走査方向に位相差となるピッチPyをもって)並んで形成されている。
一方、図2に示すスリットSSは、基本スリットパターンSPを副走査方向に沿って連続的に(間を空けることなく)繰り返すことでその形状が実現される。基本スリットパターンSPは、2つの直線部K1、K2との交差(折れ線)部分が挟角90°の山(あるいは谷)型スリット部分(以下、単位スリットという)Aを、副走査方向幅AWエリア内で位相を循環的にシフトさせながら並べることで形成される。ここではエリア1〜エリア5(エリア5は一部のみ図示)に渡って繰り返される基本スリットパターンSPを図示している。
図4は、基本スリットパターンの形成過程を示した図である。図5は、基本スリットパターンを示した図である。図4では、スリットSSの中で最初にスポット状パターン光が通過する折れ線状スリットS0と、その次に光が通過する折れ線状スリットS1を対象としている。
折れ線状スリットS0の単位スリットAと同じ形状のスリットを、主走査方向にピッチPx、副走査方向にピッチPyだけ移動させた位置に形成した場合、基本スリットパターンSPの副走査方向幅AWから右端部分がはみ出すことになる(符号A’で示す)。この副走査方向幅AWから外れた端部を反対側の左端部へそのまま移動させることによって、副走査方向幅AWに収まるスリットA1が形成される。
このように単位スリットAを循環的に位相シフトさながら主走査方向に並べていくことで、図5に示す基本スリットパターンSPが形成される。このとき、スリット数を2n(nは1以上の整数)として基本スリットパターンSPを形成する。
折れ線状スリットS0の単位スリットAに対し、n番目の折れ線状スリットSn−1には、鏡像的な単位スリットAtが形成されている。すなわち、折れ線状スリットS0、Sn−1の中間点を通る副走査方向に沿った直線に対し、単位スリットA、Atは線対称的であり、単位スリットAtは単位スリットAに対して反転した形状になっている。
このように鏡像的な位置にある折れ線状スリットS0、Sn−1をペアスリットとして定めると、折れ線状スリットS1、S2、・・・Sn−2に対しても、それぞれ鏡像的なスリットSn、Sn+1、・・・S2n−1が形成されているため、ペアスリットを定めることができる。スリット数が2nであることから、任意の折れ線状スリットは、いずれもペアとなる他の折れ線状スリットを有し、ペアスリット間の距離間隔は、主走査方向に関していずれも同じ距離間隔となる。
n個の折れ線状スリット対の組合せで基本スリットパターンSPを構成するため、副走査方向のピッチPyは、以下の式に従った値に定められている。

Py=AW/2n ・・・(1)
このような基本スリットパターンSPに対し、パターン光SLを主走査方向に沿って走査させる。そして、ペアセットの折れ線状スリット対ごとに、パターン光SLの透過位置、すなわち露光位置を測定する。パターン光SLのサイズおよび投影像の形は、測定対象などに合わせて任意に設定可能である。ここでは、基本スリットパターンSPの副走査方向幅AW乃至エリアサイズよりも十分小さく、各折れ線状スリットの幅に応じたサイズに定められている。
図6は、パターン光を遮光部40に対し主走査方向に走査させたときにフォトセンサPDによって検出される光量信号を示した図である。ここでは、光量信号の立ち上がりと立下りにおいて閾値を跨いだときの位置平均を、スリット位置として検出する。これを、各ペアセットの折れ線状スリットに対して行う。例えば、ペアセットとなる折れ線状スリットS0、Sn−1に対し、検出された立ち上がり、立下り時間の平均値(dt0+dt1)/2、(dtn−1+dtn)/2に基づき、スリット位置PS0、PSnを求めることができる。
露光ヘッドの組み付け誤差などが生じている場合、測定されるスリット位置とあらかじめ定められた基準スリット位置との間にずれが生じる。すなわち、本来測定されるべきタイミングでパターン光が光を透過しない。そこで、実際測定されたスリット位置、すなわち露光位置と基準となる露光位置との差を、ずれ量として算出する。
以下、図7〜9を用いて、露光位置のずれ量算出について説明する。図7は、ペアセットの折れ線状スリットS0、Sn−1を示した図である。図8は、折れ線状スリットS0、Sn−1の露光位置ずれを示した図である。図9は、主走査方向(X方向)、副走査方向(Y方向)の露光位置のずれを示した図である。
ペアセットの折れ線状スリットS0、Sn−1の位置を主走査方向に関して平均化して中間位置を求めると、図7に示すように、パターン光SLがY方向に沿ってどの位置にあっても変わらない。したがって、この平均値APVを算出し、あらかじめメモリなどに記憶されている基準値とずれが生じている場合、このずれが露光位置の主走査方向(X方向)に沿ったずれ量に相当する。
一方、図8に示すように、ペアセットの折れ線状スリットS0、Sn−1の任意のY座標における差分を取ると、X方向のずれ量に関係なく、折れ線状スリットS0、Sn−1間の距離と、露光位置ずれが生じたときの折れ線状スリットS0’、S’n−1間の距離は変わらない。
したがって、図9に示す測定方法により、X方向、Y方向に沿った露光位置のずれ量dx、dyを、以下の式によって求めることができる。

dx=(d1+d2)/2、dy=(d1−d2)/2 ・・・(2)

ただし、d1、d2は、パターン光SLを走査させたときの基準となるペアセットの折れ線状スリットそれぞれの位置と、実際の測定値との主走査方向に沿った差分を示す。各折れ線状スリットが挟角90°をもつことから、(2)式はY方向成分のずれdyをX方向成分に関係づけることで求められる。ただし、スリット傾斜方向によってY方向成分のずれ方向が変わる。
上述したように、基本スリットパターンSPには、ペアセットの折れ線状スリットがn個存在する。したがって、各ペアに対してずれ量dx、dyを算出し、その平均値をとることによって、基本スリットパターンSPに対する露光位置の平均的ずれ量を算出することができる。
以上の露光位置ずれ量算出は、エリア1〜5いずれの基本スリットパターンSPに対して適用可能である。上述したように、スリットSSは基本スリットパターンSPのエリアごとに区分されており(図2参照)、パターン光SLがどのエリアを通過してもずれ量を算出することが可能である。
ところで、フォトセンサPDの受光エリアは、スリットSSのサイズよりも大きい(図3参照)。また、折れ線状スリットSmは、副走査方向に沿って同じパターンを周期的に繰り替えしたものである。そのため、スリットSSよりもサイズの小さいパターン光SLを走査させたとき、副走査方向に関し、同じ信号が出力される位置がスリットSS内で複数存在する。そのため、露光位置測定には、スリットSSのどのエリアを測定しているのかを識別する必要がある。このエリア識別用に、スリットSSの上方にエリア識別用パターンDPが形成されている。エリア識別用パターンDPは、主走査方向の幅がエリアごとに異なる2つのパターンDP1、DP2によって構成されている。これにより、任意のY座標で主走査方向に移動するパターン光SLがどのエリアを通過しているか判断することができる。
このように本実施形態によれば、折れ線状スリットをピッチPxに従って主走査方向に複数並べる一方、副走査方向に沿ってピッチPyずつずらしたスリットSSが、遮光部40に形成されている。露光位置の測定のとき、ステージ12を移動させてパターン光SLを遮光部40上に走査させ、ペアセットの折れ線状スリットごとにスリットを透過したパターン光に基づいて露光位置を検出し、露光位置のずれ量を算出する。
任意のエリアで、任意のY座標位置でパターン光SLを主走査方向に走査させたとき、ペアセットの折れ線状スリットごとに露光位置を測定することが可能となり、基本スリットパターンSP内の任意箇所に対し、露光位置を測定することができる。このときX、Y座標を独立して測定することが可能となり、他の座標影響を受けずに済む。さらに、スリットSSをエリアごとに区分してパターン光の通過するエリアを識別するため、スリットSS全体の任意の位置に対して露光位置を測定することができる。
その結果、例えば隣り合う走査バンドの境界付近における局所的な箇所についても露光位置を測定し、露光位置のずれを算出することが可能となり、バンド繋ぎ目においても高精度のパターンを形成することができる。一方、複数の折れ線状スリット対(ここではn個)から露光位置を測定することができるため、平均化することによって露光位置にずれ量を精度よく算出することができる。
単位スリットAの折れ線部分をパターン光SLが透過すると、そのペアセットの折れ線状スリットでは露光位置およびずれ量を求めることができない。しかしながら、折れ線状スリットをピッチPyずつずらして配置しているため、いずれかの折れ線状スリット対によって露光位置を測定することができる。
また、隣り合う折れ線状スリットがずれているため、スリットSSの主走査方向長さを大きくとる必要がなく、副走査方向に沿ったスリットSSの幅をいくらでも大きくしても、その主走査方向長さを変える必要がないため、コンパクトなスリットSSを形成しながら、任意の箇所の位置ずれを検出することができる。
なお、スリットSSを1つの基本スリットパターンSPで構成することも可能であり、折れ線状スリットの配列数も2n以外に設定することが可能である。また、90°以外の挟角をもつ折れ線状スリットで構成してもよい。
図10は、傾きがaのときの露光位置のずれを示した図である。傾きがaの場合、測定値は実際のY方向のずれの1/aとなる。したがって、露光位置のずれdx、dyは以下の式によって求められる。

dx=(d1+d2)/2、dy=a(d1−d2)/2 ・・・(3)
本実施形態では遮光部40がステージ12に対して一体的に形成されているが、上記スリットSSを形成した遮光部材を露光装置10に対して取り外し可能なように構成してもよい。また、専用の遮光部材を取り外しできないように露光装置10へ装着させてもよい。
折れ線状スリットに関しては、ここでは端から端まで連続的に透光部が形成された一繋がりのスリットとして構成されているが、折り返し部分については光を透過せないようにした折れ線状スリットを形成してもよく、副走査方向に沿って線分が規則的に向きを交互に変えるようなスリットについても、折れ線状スリットとして形成することが可能である。
また、隣り合う折れ線状スリットを互いにずらさないようにすることも可能である。この場合、例えば上述した折り返し部分を透過部としない折れ線状スリットを形成し、折り返し部分に対して対称的な両側のエリアを識別できるように識別パターンをスリット端部に形成することで、同程度に露光位置ずれを検出することができる。
10 露光装置
22 DMD(光変調素子アレイ)
27 位置算出部
28 位置検出部(受光部)
30 コントローラ
40 受光部
PD フォトセンサ
Sm 折れ線状スリット
SP 基本スリットパターン
K1、K2 直線部



Claims (9)

  1. パターン光を露光対象物に投影して露光する露光部と、
    前記露光対象物の露光面に沿って複数の折れ線状スリットを形成した遮光部と、
    パターン光を前記遮光部に投影したときに前記複数の折れ線状スリットを透過する光を受光する受光部と、
    パターン光を前記遮光部上で主走査方向に走査させたときに前記受光部の信号出力からパターン光の位置ずれを検出する検出部とを備え、
    所定の折れ線状スリットの直線部に対し、副走査方向に関し鏡像となる直線部を有する他の折れ線状スリットが存在するように、前記複数の折れ線状スリットが形成されていることを特徴とする露光装置。
  2. 前記複数の折れ線状スリットが、副走査方向に沿って互いに位置をずらしながら、主走査方向に沿って並んでいることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記複数の折れ線状スリットが、副走査方向に第1のピッチでずれていることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記複数の折れ線状スリットが、主走査方向に第2のピッチで並んでいることを特徴とする請求項2又は3に記載の露光装置。
  5. 前記複数の折れ線状スリットそれぞれが、長さの等しい2つの直線部をもつ山型もしくは谷型の基本折れ線スリットを副走査方向に繰り返した波形状スリットで構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の露光装置。
  6. 前記複数の折れ線状スリットが、副走査方向にピッチPでずれながら主走査方向に2n個並び、
    前記ピッチPは、以下の式を満たすことを特徴とする請求項5に記載の露光装置。

    P=L/2n

    ただし、Lは基本折れ線スリットの副走査方向幅を示し、nは2以上の自然数を表す。
  7. 前記遮光部が、前記複数の折れ線状スリットを、前記基本折れ線スリットに応じたエリアごと区分するエリア識別スリットを有することを特徴とする請求項5又は6に記載の露光装置。
  8. 前記検出部が、副走査方向に関して互いに鏡像となる直線部をもつ一対の折れ線状スリットごとに、露光位置のずれを検出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の露光装置。
  9. 前記検出部が、前記受光部からの時系列的信号出力から、副走査方向に関して互いに鏡像となる直線部をもつ一対の折れ線状スリットごとに露光位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
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