JPWO2014155630A1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

回転電機において、1以上のコイルのそれぞれは、スロット内部において固定子鉄心の径方向にm段(mは2以上の整数)に配置された第1の導体線群と、コイルエンド部において前記第1の導体線群が固定子鉄心の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換された第2の導体線群と、前記スロット内部及び前記コイルエンド部の境界において前記第1の導体線群と前記第2の導体線群とが180°より小さい角度θをなすように折り曲げられた第1の折り曲げ部と、前記コイルエンド部において固定子鉄心の径方向の1段目からn段目までに配置された前記第2の導体線群が、固定子鉄心の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換された第3の導体線群と、前記コイルエンド部において前記第2の導体線群と前記第3の導体線群とが180°より小さい角度θ’をなすように折り曲げられた第2の折り曲げ部とを有し、段数mおよびnは、n/m ≦ 1/2を満たす。

Description

本発明は、回転電機に関する。
現在、資源高騰の影響や国際的な地球温暖化防止の動きを背景に、二酸化炭素の発生源であるエネルギー使用量の抑制に対する意識が高まりつつある。中でも、世界総発電量の約40%を消費する回転電機が注目されており、その効率改善が急務になっている。
回転電機の固定子巻線には、大きく分けて集中巻と分布巻とがある。分布巻は、トルクリップルや騒音が小さくできるなどのメリットがある反面、コイルエンド部の高さが高くなるため導線長さが長くなり、巻線抵抗の増大、すなわち銅損増大および効率低下というデメリットがある。
特許文献1には、三相モータのステータにおいて、スロット内で最も内側の第1コイル配置相、中間の第2コイル配置相、最も外側の第3コイル配置相に配置された3つのu相の導線をコイルエンド部において最も内側の第1外部延長層に積層配置し、3つのv相の導線をコイルエンド部において中間の第2外部延長層に積層配置し、3つのw相の導線をコイルエンド部において最も外側の第3外部延長層に積層配置することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、コイルエンド部において各相の巻線が互いに異なる外部延長層に積層配置されるので、互いに干渉することがなく、コイルエンド部の外径が小さくなるとされている。
特開平8−084448号公報
特許文献1に記載の技術は、コイルエンド部の外径を小さくするために、各相(U相、V相、W相)の巻線を互いに異なる形状にすることが前提となっている。そのために、各相ごとの巻線長さに大きな差が出るため、巻線抵抗値のアンバランスが許容範囲を超えて大きくなる可能性がある。巻線抵抗値のアンバランスが許容範囲を超えて大きくなると、回転電機の電流アンバランスにつながり、トルクリプルや振動などの発生要因となる。
また、特許文献1に記載の技術は、コイルエンド部の外径を小さくするために、スロット内及びコイルエンド部の両方において径方向に3層で形成することが前提となっている。このため、各相の巻線を3群にしか分けることができず、多種多様な回転電機に応用することが難しい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コイルエンド部の外径を小さくでき、各相の巻線抵抗値のアンバランスを許容範囲内に抑制できる回転電機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる回転電機は、環状のコアバック、前記コアバックから径方向に延在して周方向に配列された複数のティース、および周方向に隣り合う前記ティース間にそれぞれ配置された複数のスロットを有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心のスロットに格納されて巻回される固定子巻線とを備え、前記固定子巻線は、各相毎に、複数の導体線の束としてコイルが形成されており、各相の巻線は、スロット内部に配置される1以上のコイルにより形成されており、前記1以上のコイルのそれぞれは、前記スロット内部において固定子鉄心の径方向にm段(mは2以上の整数)に配置された第1の導体線群と、前記コイルエンド部において前記第1の導体線群が固定子鉄心の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換された第2の導体線群と、前記スロット内部及び前記コイルエンド部の境界において前記第1の導体線群と前記第2の導体線群とが180°より小さい角度θをなすように折り曲げられた第1の折り曲げ部と、前記コイルエンド部において固定子鉄心の径方向の1段目からn段目までに配置された前記第2の導体線群が、固定子鉄心の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換された第3の導体線群と、前記コイルエンド部において前記第2の導体線群と前記第3の導体線群とが180°より小さい角度θ’をなすように折り曲げられた第2の折り曲げ部とを有し、段数mおよびnは、n/m ≦ 1/2を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、各相の巻線を形成する各コイルにおいて、例えば、導体線をスロット内部とコイルエンド部とで配列変更でき、導体線をコイルエンド部の途中で固定子鉄心の径方向に配置変換できる。例えば、コイルエンド部の左半分の導体線を、スロット内部の1段目に相当する領域に集めることができ、コイルエンド部の右半分の導体線を、スロット内部の2段目に相当する領域に集めることができる。これにより、各相の巻線に同様の形状のコイルを用いた場合に、コイルエンド部において1つの相の巻線が他の相の巻線と干渉しにくくなるようにすることができ、コイルエンド部の高さを低くすることができる。すなわち、コイルエンド部における各相の巻線の機械的な干渉を低減でき、各相ごとの巻線長さを均等に(例えば、同じに)できる。この結果、コイルエンド部の外径を小さくでき、各相の巻線抵抗値のアンバランスを許容範囲内に抑制できる。
図1は、実施の形態1に関わる回転電機の固定子の構成図である。 図2は、実施の形態1に関わる固定子巻線を成すコイルの構成図である。 図3は、実施の形態1による回転電機の断面図を示す図である。 図4は、実施の形態1に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図5は、実施の形態1に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図6は、実施の形態1に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図7は、実施の形態1に関わるコイルを形成する導体線の折り曲げ角度について説明した図である。 図8は、実施の形態1における固定子鉄心にコイルを挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図である。 図9は、実施の形態2に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図10は、実施の形態2に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図11は、実施の形態2に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図12は、実施の形態2に関わるコイルを形成する導体線の折り曲げ角度について説明した図である。 図13は、実施の形態2における固定子鉄心にコイルを挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図である。 図14は、実施の形態3に関わる固定子巻線を成すコイルの構成図である。 図15は、実施の形態3に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図16は、実施の形態3に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図17は、実施の形態3に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図18は、実施の形態3に関わるコイルを形成する導体線の折り曲げ角度について説明した図である。 図19は、実施の形態3に関わる回転電機の固定子巻線を構成するために固定子鉄心にコイルを挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図である。 図20は、実施の形態4に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図21は、実施の形態4に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図22は、実施の形態4に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図23は、実施の形態4に関わるコイルを形成する導体線の折り曲げ角度について説明した図である。 図24は、実施の形態4に関わる回転電機の固定子巻線を構成するために固定子鉄心にコイルを挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図である。 図25は、実施の形態5に関わる固定子巻線を成すコイルの構成図である。 図26は、実施の形態5に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図27は、実施の形態5に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図28は、実施の形態5に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図29は、実施の形態5に関わるコイルを形成する導体線の折り曲げ角度および寸法について説明した図である。 図30は、実施の形態5に関わる回転電機の固定子巻線を構成するために固定子鉄心にコイルを挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図である。 図31は、実施の形態6に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図32は、実施の形態6に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図33は、実施の形態6に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図34は、実施の形態7に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図35は、実施の形態7に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の下面から見た図である。 図36は、実施の形態7に関わる固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の側面から見た図である。 図37は、実施の形態1〜7の変形例における固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図38は、実施の形態1〜7の変形例における固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図39は、実施の形態1〜7の変形例における固定子鉄心にコイルを挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図40は、実施の形態1〜7の変形例における固定子巻線を成すコイル束の構成図である。 図41は、実施の形態1〜7の変形例における固定子鉄心にコイル束を挿入した状態を固定子鉄心の上面から見た図である。 図42は、実施の形態1〜7の変形例における固定子巻線を成すコイル群の構成図である。
以下に、本発明にかかる回転電機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかる回転電機1について説明する。
回転電機1は、固定子及び回転子を有し、固定子に対して回転子が回転し、回転子に固定されたシャフト(図示せず)を介して回転動力を機械装置(図示せず)に伝達し、機械装置を稼働する。回転電機1は、例えば、永久磁石型回転電機又は誘導型回転電機である。回転電機1では、例えば、固定子3における巻線構造に工夫が施されている。
具体的には、回転電機1は、図1〜図3に示す構成を有している。図1は、回転電機1における固定子鉄心及び固定子巻線の構成を示す斜視図である。図2は、固定子巻線におけるコイルの構成を示す斜視図である。図3は、回転子及び固定子鉄心を回転軸RA方向から見た場合の構成を示す図である。図1〜3には、例えば、回転電機1として、極数が4、スロット数が24、相数が3、毎極毎相のスロット数qが2の回転電機について例示的に示されている。また、図3では、図示の簡略化のため、固定子巻線の図示を省略している。
回転電機1は、図1及び図3に示すように、回転子2及び固定子3を有する。回転子2は、回転子鉄心2a及び複数の永久磁石2bを有する。回転子鉄心2aは、シャフトと同心になるように構成されており、例えば、シャフトに沿った回転軸RAを有する略円柱形状を有している。複数の永久磁石2bは、例えば、回転子鉄心2aの周面に沿って配置されている。なお、図3では、回転子2が永久磁石型ロータである場合について例示しているが、回転子2は、銅などの導体でかご形に形成されたかご型ロータであってもよい。
固定子3は、回転子2に離間しながら、回転子2を収容するように構成されている。例えば、固定子3は、固定子鉄心5及び固定子巻線6を有する。
固定子鉄心5は、シャフトと同心になるように構成されており、例えば、シャフトに沿った回転軸RAを有する略円筒形状を有している。固定子鉄心5は、例えば、積層された電磁鋼板等により形成されている。
例えば、固定子鉄心5は、図3に示すように、コアバック7、複数のティース8、及び複数のスロット9を有する。コアバック7は、環状であり、例えば、略円筒形状を有している。複数のティース8のそれぞれは、コアバック7から径方向に沿って回転軸RA側に延在している。複数のティース8は、コアバック7の回転軸RA側において、コアバック7の周面7aに沿った方向(すなわち、周方向)に配列されている。周方向に隣り合うティース8間には、それぞれ、スロット9が形成されている。
固定子巻線6は、固定子鉄心5に対して、同相のコイルが2スロットごとに組み込まれている。固定子巻線6は、例えば、絶縁紙などで周囲を保護してスロット9に挿入されている。固定子巻線6では、導体線11の束としてコイル17が形成されており、そのコイル17がスロット9内部に1以上配置される。そして、コイル17の端末が溶接などの方法で接続されることによって、固定子巻線6が形成されている。
固定子巻線6では、各相毎に、同様な形状を有するコイル17で形成されており、例えば図2に示すコイル17が形成されている。コイル17は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5のスロット9に挿入される。コイル17は導体線11の束として形成される。
具体的には、コイル17は、第1の導体線群17a、第2の導体線群17b、第1の折り曲げ部17d、第3の導体線群17c、第2の折り曲げ部17e、第4の導体線群17f、及び第3の折り曲げ部17gを有する。
第1の導体線群17aでは、スロット内部SIにおいて固定子鉄心5の径方向に導体線11がm段(mは2以上の整数)に配置されている。
第2の導体線群17bは、コイルエンド部CE1において第1の導体線群17aが固定子鉄心5の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換されたものである。第2の導体線群17bでは、例えば、コイルエンド部CE1において導体線11が固定子鉄心5の径方向の1段目からn段目までに配置されている。
第1の折り曲げ部17dでは、スロット内部SI及びコイルエンド部CE1の境界において第1の導体線群17aと第2の導体線群17bとが角度θ(90°<θ<180°)をなすように折り曲げられている。すなわち、第1の折り曲げ部17dを含む配列変更部10dは、スロット内部SIの第1の導体線群17aの配列からコイルエンド部CE1の第2の導体線群17bの配列への変更を行っている。
第3の導体線群17cは、コイルエンド部CE1において第2の導体線群17bが固定子鉄心5の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換されたものである。第3の導体線群17cでは、コイルエンド部CE1において導体線11が固定子鉄心5の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置されている。
第2の折り曲げ部17eでは、コイルエンド部CE1において第2の導体線群17bと第3の導体線群17cとが角度θ’(=360°−(θ+θ”))をなすように折り曲げられている。すなわち、第2の折り曲げ部17eを含む通過領域変更部13aは、コイルエンド部CE1の第2の導体線群17bの配列(径方向の通過領域)からコイルエンド部CE1の第3の導体線群17cの配列(径方向の通過領域)への変更を行っている。
第4の導体線群17fでは、スロット内部SIにおいて固定子鉄心5の径方向に導体線11がm段(mは2以上の整数)に配置されている。
第3の折り曲げ部17gでは、コイルエンド部CE1及びスロット内部SIの境界において第3の導体線群17cと第4の導体線群17fとが角度θ”(90°<θ”<180°)をなすように折り曲げられている。すなわち、第3の折り曲げ部17gを含む配列変更部10aは、コイルエンド部CE1の第3の導体線群17cの配列からスロット内部SIの第4の導体線群17fの配列への変更を行っている。
ここで、段数m,nは、次の数式1を満たす。
n/m ≦ 1/2・・・数式1
例えば図2では、コイル17が、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本(固定子鉄心5の周方向)の導体線11から構成されている。例えば、径方向の数および周方向の数は、次のように決定することができる。
例えば、図2に示す場合、コイル17は、スロット内部SIからコイルエンド部CE1で、巻線配列の変更を行っている(第1の折り曲げ部17dを含む配列変更部10d)。これにより、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線11の束は、コイルエンド部CE1で1段(固定子鉄心5の径方向)×16本分(固定子鉄心5の周方向)に整列される。またこのときに、第1の折り曲げ部17dにおいて、角度θ(例えば、図2では120°)で折り曲げられている。
次に、コイルエンド部CE1において、例えば、固定子鉄心5の径方向の1段目に整列された導体線11は、他の相の巻線(他の相のコイル17)と干渉しないように、例えば、固定子鉄心5の径方向の2段目に配置変換される(第2の折り曲げ部17eを含む通過領域変更部13a)。またこのときも、配置変換する前と後とで、すなわち第2の折り曲げ部17eにおいて、角度θ’(例えば、図2では120°)で折り曲げられている。
その後、再びコイルエンド部CE1からスロット内部SIに戻るときに、巻線配列の変更が行なわれている(第3の折り曲げ部17gを含む配列変更部10a)。これにより、コイルエンド部CE1で1段(固定子鉄心5の径方向)×16本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線11の束は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本分(固定子鉄心5の周方向)に整列される。またこのときにも、角度θ”(例えば、図2では120°)で折り曲げられている。
このようにコイル17を構成することで、コイルエンド部CE1のコイル形状が3角形状になっている。また、説明は省略するが、コイル17の下半分も同じように導体線11の配列変更が行われており、全体として、コイルエンド部CE1の3角形状とスロット内部SIの4角形状とコイルエンド部CE2の3角形状とを含む6角形状となっている。
次に、図4から図6を用いて、コイル17の巻線配列の変更の部分をより詳細に説明する。図4は、固定子鉄心5にコイル17を挿入した状態を固定子鉄心5の上面(回転軸RAの方向)から見た図である。図5は、固定子鉄心5にコイル17を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図である。図6は、固定子鉄心5にコイル17を挿入した状態を固定子鉄心5の側面(回転軸RAを向く面)から見た図である。
図4から図6は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル11を1個挿入した状態を例示しているが、このとき導体線11がどのように巻かれてコイル17を形成しているかを、位置12aから位置12rを使って例示的に説明する。
コイル17は、2つのスロット9a,9bの中間付近から導体線11を巻き始め(位置12a)、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通ってスロット9aに近づく。その後、配列変更されて(配列変更部10a)、スロット内部SIの2段目の位置12b(図4参照)に入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線11は角度θ”で折り曲げられている(図6、図7参照)。
スロット内部SIを通り位置12c(図5参照)から出てきた導体線11は、配列変更されて(配列変更部10b)、コイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線11は角度θで折り曲げられている(図6、図7参照)。
導体線11は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、今度はコイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bを通るように、配列変更される(通過領域変更部13b)。この部分を側面から見ると、導体線11は角度θ’で折り曲げられている(図6、図7参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部10c)、スロット内部SIの1段目の位置12dに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線11は角度θ”で折り曲げられている(図6、図7参照)。
スロット内部SIを通り位置12eから出てきた導体線は、配列変更されて(配列変更部10d)、コイルエンド部CE1(図2参照)におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bに出る。この部分を側面から見ると、導体線11は角度θで折り曲げられている。
導体線11は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、再び、コイルエンド部CE1(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部13a)。この部分を側面から見ると、導体線11は角度θ’で折り曲げられている。
以上がコイル17を形成する導体線11の1巻回分であるが、引き続き同じように、位置12f→位置12g→位置12h→・・・→位置12p→位置12qの順で導体線が巻かれていく。なお側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線11は4本が横並びに整列することになるが、例えば、図6に示すように導体線11の2周目、3周目となるにつれ、内側に配置されていく。
また、配列変更部10a〜10dは、導体線11の1周目、3周目のときは、スロット内部SIに入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線の2周目、4周目のときは、実際に配列変更は行われていない。2周目、4周目のときは、例えば、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aから来た導体線11が、スロット内部SIの1段目の位置12f,12nにそのまま入る場合がある。あるいは、例えば、スロット内部SIの1段目の位置12o,12gから来た導体線11が、コイルエンド部CE2におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る場合がある。あるいは、例えば、コイルエンド部CE2におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bから来た導体線11が、スロット内部SIの2段目の位置12h,12pにそのまま入る場合がある。あるいは、例えば、スロット内部SIの2段目の位置12q,12iから来た導体線11が、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bに出る場合がある。
最後に、導体線11は、2つのスロット9aと9bの中間付近で巻き終わる(位置12r)。このようにして、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで導体線11の配列が異なるコイル17を形成することが可能になる。
なお、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで導体線11の配列が異なるコイル17を実現するには、上述した方法は1つの例示であり、必ずしもこの手順でコイル17を形成する必要はない。また本説明では、コイル17を2つのスロット9aとスロット9bの中間付近から巻き始め(位置12a)、同じような位置で巻き終わる(位置12r)方法を述べたが、必ずしもこの位置から巻き始めたり巻き終わる必要はない。ただし後述するが、スロット9aとスロット9bとの中間付近は側面から見た図で、三角形状になったコイルエンド部CE1,CE2の頂点付近になるため、コイル17を複数連結するときに、コイル17を結線する線が他の相の巻線と容易に干渉しにくいという効果がある。
また、通過領域変更部13a,13bは、図4,5中では導体線11の配列が変わるときに略直角のクランク形状として示しているが、コイルエンド部CE1の導体線11が通過する領域CE1a,CE1bを変更するという目的が達せられれば、必ずしも略直角のクランク形状である必要はない。例えば、クランクが付いていない直線状として、緩やかに領域が変更するようにしても良い。同様に、配列変更部10a〜10dは、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで導体線11の配列が変わるときに略直角のクランク形状としているが、導体線11の配列を変更するという目的が達せられれば、必ずしも略直角のクランク形状である必要はない。
図7は、コイル17を形成する導体線11の折り曲げ角度について説明した図である。
例えば、配列変更部10aでの折り曲げ角度θ”は、第3の導体線群17cの延在方向DR17cと第4の導体線群17fの延在方向DR17fとのなす角度であってコイル17の内側を向く角度である。コイル17は側面から見たときに6角形状となっているため、この角度θ”は、例えば、次の数式2の条件を満たす。
90°<θ”<180°・・・数式2
数式2を満たす角度θ”は、例えば、120°である。
例えば、配列変更部10dでの折り曲げ角度θは、第1の導体線群17aの延在方向DR17aと第2の導体線群17bの延在方向DR17bとのなす角度であってコイル17の内側を向く角度である。この角度θは、次の数式3の条件を満たす。
90°<θ<180°・・・数式3
数式3を満たす角度θは、例えば、120°である。
例えば、通過領域変更部13aでの折り曲げ角度θ’は、第2の導体線群17bの延在方向DR17bと第3の導体線群17cの延在方向DR17cとのなす角度であってコイル17の内側を向く角度である。この角度θ’は、次の数式4の条件を満たす。
θ’=360°−(θ+θ”)・・・数式4
例えば、コイル17が図6、図7に示すように左右対称な形状である場合、次の数式5が成り立つ。
θ=θ”・・・数式5
数式5を数式4に代入すると、次の数式6が得られる。
θ’=360°−2θ・・・数式6
例えば、角度θ=θ”=120°である場合、角度θ’は120°である。
図8は、回転電機1の固定子巻線6を構成するために、固定子鉄心5にコイル17を挿入した固定子3の各相ごとの巻線構成図を示している。図8は、毎極毎相のスロット数=2(8極48スロット)において、同相のコイルが2スロットごとに組み込まれている場合を示しており、コイル17は、近接する同相にコイル17を挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5の4スロットずつ離れた間隔でスロット9に組み込まれている。なお図8の固定子鉄心5は、説明しやすいように直線形状で図示しており、また途中の部分を一部省略している。
例えば、V相の巻線V8は、U相の巻線U8のコイル17を、周方向に沿って図8の右方向に2スロット分シフトさせたコイル17を有している。例えば、W相の巻線W8は、V相の巻線V8のコイル17を、周方向に沿って図8の右方向に2スロット分シフトさせたコイル17を有している。すなわち、図8中のコイル17の右端で見た場合、2スロットピッチで分布させたU相、V相、W相のコイル17の配置パターンが、6スロット周期で繰り返されている。各コイル17は、コイルエンド部CE1において、6スロットに跨っており、左の3スロットで1段目の領域を通過し、右の3スロットで2段目の領域を通過している。
上述したような方法で固定子巻線6を形成する理由は、スロット9間の距離を短く(例えば、最短に)できるので、コイル17の周長を短くできるからである。周長の短いコイル17を使って固定子巻線6を形成すると、固定子巻線6全体の周長も短くでき、巻線抵抗値の低減によるモータ損失低減やモータ運転効率の向上につながるという大きなメリットがある。
仮に、コイルエンド部CE1,CE2においてスロット9間を周方向に平行に略直線的に接続するコイルを上記のように周期的に配置して巻線回路を作ろうとすると、U相・V相・W相の各相の巻線が干渉する箇所が多くなる。これを回避するために固定子巻線を迂回させたりすると、結果的に固定子巻線全体の周長が長くなったり、コイルエンド部の高さが高くなってしまう。すなわち、コイルエンド部の高さが高くなりやすいため、導線長さが長くなり、巻線抵抗の増大、すなわち銅損増大および効率低下が発生する可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、上記のコイル17を使うことにより、コイルエンド部CE1の左半分の導体線11は、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1a(図4参照)に集めることができ、コイルエンド部CE1の右半分の導体線11は、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1b(図4参照)に集めることができる。これにより、U相・V相・W相の巻線が干渉しにくい。図8を見る限りでは、U相・V相・W相に挿入されるコイル17が重複する領域があるように見えるが、実際のコイルエンド部CE1,CE2におけるコイル17は三角形状になっており、コイル17の中心付近(通過領域変更部13a,13bでクランク形状になっている部分)は、三角形状の頂点である。このため、U相・V相・W相の巻線が機械的に干渉しにくくなっている。このようにして、コイルエンド部CE1,CE2の高さを低減でき、周長の短いコイル17を使った固定子巻線6を形成することが可能になる。
次に、実施の形態1による作用効果について例示的に説明する。
例えば、第1の効果として、例えば、導体線11はスロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで配列変更され(配列変更部10a〜10d)、導体線11はコイルエンド部CE1,CE2で固定子鉄心5の径方向に配置変換される(通過領域変更部13a,13b)ようにしている。これにより、コイルエンド部CE1,CE2において1つの相の巻線が他の相の巻線と干渉しにくくなり、コイルエンド部CE1,CE2の高さを低くすることができる。
なお、図2に例示するようにスロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)であった導体線11の束を、コイルエンド部CE1,CE2で1段(固定子鉄心5の径方向)に配列変更し、コイル17全体が6角形状になるように折り曲げ部が付いている場合は、コイルエンド部CE1,CE2において導体線11が配置されない無駄な空間を(例えば、実質的に存在しない程度に)低減でき、導体線11の配置密度(占積率)を効果的に(例えば、最も密に導体線11が配置されるように)向上できる。これにより、コイルエンド部CE1,CE2全体を小型化できる。
また、第2の効果として、例えば、固定子巻線5において、U相、V相、W相のすべてに対して同じ形状のコイル17を用いることができる。そのために、巻線の形成作業の効率を向上できるとともに、各相ごとの巻線長さを均等に(例えば、同じに)できるため、各相ごとで巻線抵抗値のアンバランスを許容範囲内に抑制できる。したがって、トルクリプルを低減でき、振動を低減できる。
以上のように、実施の形態1では、回転電機1において、固定子巻線6の各相の巻線を1以上のコイル17により形成する。各コイル17では、第1の導体線群17aが、スロット内部SIにおいて固定子鉄心5の径方向にm段(mは2以上の整数)に配置されている。第2の導体線群17bは、コイルエンド部CE1において第1の導体線群17aが固定子鉄心5の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換されている。第1の折り曲げ部17dは、スロット内部SI及びコイルエンド部CE1の境界において第1の導体線群17aと第2の導体線群17bとが180°より小さい角度θをなすように折り曲げられている。第3の導体線群17cは、コイルエンド部CE1において固定子鉄心5の径方向の1段目からn段目までに配置された第2の導体線群17bが、固定子鉄心5の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換されている。第2の折り曲げ部13aは、コイルエンド部CE1において第2の導体線群17bと第3の導体線群17cとが180°より小さい角度θ’をなすように折り曲げられている。そして、段数mおよびnは、
n/m ≦ 1/2
を満たす。これにより、各相の巻線を形成する各コイル17において、例えば、導体線11をスロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで配列変更でき(配列変更部10a〜10d)、導体線11をコイルエンド部CE1,CE2の途中で固定子鉄心5の径方向に配置変換できる(通過領域変更部13a,13b)。例えば、コイルエンド部CE1の左半分の導体線11を、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1a(図4参照)に集めることができ、コイルエンド部CE1の右半分の導体線11を、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1b(図4参照)に集めることができる。これにより、各相の巻線に同様の形状のコイル17を用いた場合に、コイルエンド部CE1,CE2において1つの相の巻線が他の相の巻線と干渉しにくくなるようにすることができ、コイルエンド部CE1,CE2の高さを低くすることができる。すなわち、コイルエンド部CE1,CE2における各相の巻線の機械的な干渉を低減でき、各相ごとの巻線長さを均等に(例えば、同じに)できる。この結果、コイルエンド部の外径を小さくでき、各相の巻線抵抗値のアンバランスを許容範囲内に抑制できる。
また、実施の形態1では、各相の巻線に同様の形状のコイル17を用いることができるので、結線作業を簡素化でき、回転電機1の製造コストを低減できる。
また、実施の形態1では、第2の折り曲げ部17eは、例えば、回転軸RAの方向から見た場合に、第2の導体線群17bと第3の導体線群17cとの間で径方向における配置を変更するクランク形状を有する。これにより、例えば、コイルエンド部CE1の左半分の導体線11を、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1a(図4参照)に集めることができ、コイルエンド部CE1の右半分の導体線11を、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1b(図4参照)に集めることができる。この結果、各相の巻線に同様の形状のコイル17を用いた場合に、コイルエンド部CE1,CE2において1つの相の巻線が他の相の巻線と干渉しにくくなるようにすることができる。
また、実施の形態1では、各相の巻線を形成する各コイル17において、第4の導体線群17fが、スロット内部SIにおいて固定子鉄心5の径方向にm段(mは2以上の整数)に配置されている。第3の折り曲げ部17gは、コイルエンド部CE1及びスロット内部SIの境界において第3の導体線群17cと第4の導体線群17fとが180°より小さい角度θをなすように折り曲げられている。そして、角度θ”は、
90°<θ”<180°
を満たし、
角度θは、
90°<θ<180°
を満たし、
角度θ’は、
θ’=360°−(θ+θ”)
を満たす。これにより、各相の巻線を形成する各コイル17を例えば6角形状にすることができる。この結果、各相の巻線に同様の形状のコイル17を用いながらコイルエンド部CE1,CE2における各相の巻線の機械的な干渉を低減できるようにコイル17を構成することが容易である。
また、実施の形態1では、例えば、角度θと角度θ”とは、互いに均等であり、角度θ’は、
θ’=360°−2θ
を満たす。これにより、各相の巻線を形成する各コイル17を例えばティース8の側面に垂直な方向から見た場合に左右対称な6角形状にすることができる(図6参照)。この結果、各相の巻線抵抗値のアンバランスをさらに抑制できる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる回転電機200について説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、スロット内部SIで径方向に2段であった導体線11をコイルエンド部CE1,CE2において径方向に1段に配列変更するコイルについて例示的に説明を行っている。実施の形態2では、スロット内部SIで径方向に3段であった導体線21をコイルエンド部CE1,CE2において径方向に1段に配列変更するコイルについて例示的に説明を行う。
具体的には、回転電機200の固定子203の固定子巻線206において、各相の巻線を形成する各コイル217の構成が、図9〜図11に示すように、次の点で実施の形態1と異なる。図9は、固定子鉄心5にコイル217を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図である。図10は、固定子鉄心5にコイル217を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図である。図11は、固定子鉄心5にコイル217を挿入した状態を固定子鉄心5の側面(回転軸RAを向く面)から見た図である。
図9から図11は、スロット内部SIで3段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル217を1個挿入した状態を示しているが、このとき導体線がどのように巻かれてコイル217を形成しているかを、位置22aから位置22zの符号を使って例示的に説明する。
コイル217は、2つのスロット9a,9bの中間付近から導体線21を巻き始め(位置22a)、コイルエンド部CE1(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通ってスロット9aに近づく。その後、配列変更されて(配列変更部20a)、スロット内部SIの3段目の位置22b(図9参照)に入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線21は角度θ”で折り曲げられている(図11、図12参照)。
スロット内部SIを通り位置22c(図10参照)から出てきた導体線21は、配列変更されて(配列変更部20b)、コイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線21は角度θで折り曲げられている(図11、図12参照)。
導体線21は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、今度はコイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの3段目に相当する領域CE2cを通るように、配列変更される(通過領域変更部23b)。この部分を側面から見ると、導体線21は角度θ’で折り曲げられている(図11、図12参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部20c)、スロット内部SIの1段目の位置22d(図10参照)に入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線21は角度θ”で折り曲げられている(図11、図12参照)。
スロット内部SIを通り位置22e(図9参照)から出てきた導体線21は、配列変更されて(配列変更部20d)、コイルエンド部CE1(図2参照)におけるスロット内部3段目に相当する領域CE1cに出る。この部分を側面から見ると、導体線21は角度θで折り曲げられている(図11、図12参照)。
導体線21は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、再び、コイルエンド部CE1(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部23a)。この部分を側面から見ると、導体線21は角度θ’で折り曲げられている。
以上がコイル217を形成する導体線21の1巻回分であるが、引き続き同じように、位置22f→位置22g→位置22h→・・・→位置22x→位置22yの順で導体線21が巻かれていく。なお側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線21は6本が横並びに整列することになるが、図11に示すように導体線21の2周目、3周目となるにつれ、内側に配置されていく。
また、配列変更部20a〜20dは、導体線21の1周目、2周目、4周目、5周目のときは、スロット内部SIに入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線21の3周目、6周目のときは、実際に配列変更は行われていない。例えば、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aから来た導体線21が、スロット内部SIの1段目の位置22j,22vにそのまま入る場合がある。あるいは、例えば、スロット内部SIの1段目の位置22w,22kから来た導体線21が、コイルエンド部CE2におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る場合がある。あるいは、例えば、コイルエンド部CE2におけるスロット内部SIの3段目に相当する領域CE2cから来た導体線21が、スロット内部SIの3段目の位置22l,22xにそのまま入る場合がある。あるいは、例えば、スロット内部SIの3段目の位置22y,22mから来た導体線21が、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの3段目に相当する領域CE1cに出る場合がある。
最後に、導体線21は、2つのスロット9aとスロット9bとの中間付近で巻き終わる(位置22z)。このようにして、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで導体線21の配列が異なるコイル217を形成することが可能になる。
図12は、コイル217を形成する導体線21の折り曲げ角度について説明した図である。
例えば、配列変更部20aでの折り曲げ角度θ”は、第3の導体線群17cの延在方向DR17cと第4の導体線群17fの延在方向DR17fとのなす角度であってコイル217の内側を向く角度である。コイル217は側面から見たときに6角形状となっているため、この角度θ”は、例えば、上記の数式2の条件を満たす。
数式2を満たす角度θ”は、例えば、120°である。
例えば、配列変更部20dでの折り曲げ角度θは、第1の導体線群17aの延在方向DR17aと第2の導体線群17bの延在方向DR17bとのなす角度であってコイル217の内側を向く角度である。この角度θは、上記の数式3の条件を満たす。
数式3を満たす角度θは、例えば、120°である。
例えば、通過領域変更部23aでの折り曲げ角度θ’は、第2の導体線群17bの延在方向DR17bと第3の導体線群17cの延在方向DR17cとのなす角度であってコイル217の内側を向く角度である。この角度θ’は、上記の数式4の条件を満たす。
例えば、コイル217が図11、図12に示すように左右対称な形状である場合、上記の数式5が成り立つ。上記の数式5を数式4に代入すると、上記の数式6が得られる。
図13は、回転電機200の固定子巻線206を構成するために、固定子鉄心5にコイル217を挿入した固定子203の各相ごとの巻線構成図を示している。図13は、毎極毎相のスロット数=2(8極48スロット)において、同相のコイル217が2スロットごとに組み込まれている場合を示しており、コイル217は、近接する同相にコイル217を挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5の4スロットずつ離れた間隔でスロット9に組み込まれている。なお図13の固定子鉄心5は、説明しやすいように直線形状で図示しており、また途中の部分を一部省略している。
例えば、V相の巻線V8は、U相の巻線U8のコイル217を、周方向に沿って図13の右方向に2スロット分シフトさせたコイル217を有している。例えば、W相の巻線W8は、V相の巻線V8のコイル217を、周方向に沿って図13の右方向に2スロット分シフトさせたコイル217を有している。すなわち、図13中のコイル217の右端で見た場合、2スロットピッチで分布させたU相、V相、W相のコイル217の配置パターンが、6スロット周期で繰り返されている。各コイル217は、コイルエンド部において、6スロットに跨っており、左の3スロットで1段目の領域を通過し、右の3スロットで3段目の領域を通過している。
以上のように、実施の形態2では、スロット内部SIで径方向に3段であった導体線21をコイルエンド部CE1,CE2において径方向に1段に配列変更する。例えば、導体線21をコイルエンド部CE1,CE2の途中でクランク形状にすれば、コイルエンド部CE1の左半分の導体線21を、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1a(図9参照)に集めることができ、コイルエンド部CE1の右半分の導体線21を、スロット内部SIの3段目に相当する領域CE1c(図9参照)に集めることができる。これにより、各相の巻線に同様の形状のコイル217を用いた場合に、コイルエンド部CE1,CE2において1つの相の巻線が他の相の巻線と干渉しにくくなるようにすることができ、コイルエンド部CE1,CE2の高さを低くすることができる。すなわち、コイルエンド部CE1,CE2における各相の巻線の機械的な干渉を低減でき、各相ごとの巻線長さを均等に(例えば、同じに)できる。この結果、スロット内部SIで径方向に3段に導体線21が配置されている場合に、コイルエンド部の外径を小さくでき、各相の巻線抵抗値のアンバランスを許容範囲内に抑制できる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる回転電機300について説明する。以下では、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態2では、スロット内部SIで3段であった導体線21をコイルエンド部CE1,CE2では1段に配列変更するコイル217について説明を行っているが、図13を見ても分かるようにコイルエンド部CE1,CE2の導体線21は、スロット内部SIの1段目か3段目に相当する領域を通っており、コイルエンド部において、スロット内部の2段目に相当する領域が使われていない。
そこで、実施の形態3では、コイルエンド部CE1,CE2におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域にも導体線が通るようになる方法について説明を行う。
具体的には、回転電機300の固定子303の固定子巻線306において、各相の巻線を形成するコイル317は、例えば図14に示す構成を有する。図14は、固定子巻線306を成すコイルの構成図である。
コイル317は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5のスロット9に挿入される。コイル317は導体線24の束として形成される。
具体的には、コイル317は、図14に示すように、第2の折り曲げ部17e及び第3の導体線群17c(図2参照)に代えて、第5の導体線群317h、第4の折り曲げ部317j、第6の導体線群317n、第5の折り曲げ部317kを有する。
第5の導体線群317hは、コイルエンド部CE1において第2の導体線群17bが固定子鉄心5の径方向の(n+1)段目から(m−n)段目までに配置変換されたものである。第5の導体線群317hでは、コイルエンド部CE1において導体線24が固定子鉄心5の径方向の(n+1)段目から(m−n)段目までに配置されている。
第4の折り曲げ部317jでは、コイルエンド部CE1において第2の導体線群17bと第5の導体線群317hとが角度θ’(=360°−(θ+θ”))をなすように折り曲げられている。すなわち、第4の折り曲げ部317jを含む通過領域変更部26bは、コイルエンド部CE1の第2の導体線群17bの配列(径方向の通過領域)からコイルエンド部CE1の第5の導体線群317hの配列(径方向の通過領域)への変更を行っている。
第6の導体線群317nは、コイルエンド部CE1において第5の導体線群317hが固定子鉄心5の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換されたものである。第6の導体線群317nでは、コイルエンド部CE1において導体線24が固定子鉄心5の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置されている。
第5の折り曲げ部317kでは、コイルエンド部CE1において第5の導体線群317hと第6の導体線群317nとが角度θ’(=360°−(θ+θ”))をなすように折り曲げられている。すなわち、第5の折り曲げ部317kを含む通過領域変更部26aは、コイルエンド部CE1の第5の導体線群317hの配列(径方向の通過領域)からコイルエンド部CE1の第6の導体線群317nの配列(径方向の通過領域)への変更を行っている。
ここで、段数m,nは、次の数式7を満たす。
n/m ≦ 1/3・・・数式7
例えば、図14では、コイル317が、スロット内部SIで3段(固定子鉄心5の径方向)×5本(固定子鉄心5の周方向)の導体線24から構成されている。例えば、径方向の数および周方向の数は、次のように決定することができる。
例えば、図14に示す場合、コイル317は、スロット内部SIからコイルエンド部CE1にかけて、巻線配列の変更を行っている(第1の折り曲げ部17dを含む配列変更部39d)。これにより、スロット内部SIで3段(固定子鉄心5の径方向)×5本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線24の束は、コイルエンド部CE1で1段(固定子鉄心5の径方向)×15本分(固定子鉄心の周方向)に整列される。またこのときに、角度θ(例えば、図14では90°)で折り曲げられている。
次に、コイルエンド部CE1において、例えば、固定子鉄心5の径方向の1段目に整列された導体線24は、他の相の巻線(他の相のコイル317)と干渉しないように、例えば、固定子鉄心5の径方向の2段目に配置変換される(第4の折り曲げ部317jを含む通過領域変更部26b)。またこのときも、配置変換する前と後とで、すなわち第4の折り曲げ部317jにおいて、角度θ’(例えば、図14では180°)で折り曲げられている。
さらに、固定子鉄心5の径方向の2段目に整列された導体線24は、固定子鉄心5の径方向の3段目に配置変換される(第5の折り曲げ部317kを含む通過領域変更部26a)。またこのときも、配置変換する前と後とで、すなわち第5の折り曲げ部317kにおいて、角度θ’(例えば、図14では180°)で折り曲げられている。
その後、再びコイルエンド部CE1からスロット内部SIに戻るときに、巻線配列の変更が行なわれている(第3の折り曲げ部17gを含む配列変更部39a)。これにより、コイルエンド部CE1で1段(固定子鉄心5の径方向)×15本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線24の束は、スロット内部SIで3段(固定子鉄心5の径方向)×5本分(固定子鉄心5の周方向)に整列される。またこのときにも、角度θ”(例えば、図14では90°)で折り曲げられている。
このようにコイル317を構成することで、コイルエンド部CE1のコイル形状が4角形状になっている。また、説明は省略するが、コイル317の下半分も同じように導体線24の配列変更が行われており、全体として、コイルエンド部CE1の4角形状とスロット内部SIの4角形状とコイルエンド部CE2の4角形状とを含む4角形状となっている。
次に、図15から図17を用いて、コイル317の巻線配列の変更の部分をより詳細に説明する。図15は、固定子鉄心5にコイル317を挿入した状態を固定子鉄心5の上面(回転軸RAの方向)から見た図である。図16は、固定子鉄心5にコイル317を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図である。図17は、固定子鉄心5にコイル317を挿入した状態を固定子鉄心5の側面(回転軸RAを向く面)から見た図である。
図15から図17は、スロット内部SIで3段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル317を1個挿入した状態を例示しているが、このとき導体線24がどのように巻かれてコイル317を形成しているかを、位置25aから位置25zを使って例示的に説明する。
コイル317は、2つのスロット9a,9bとの中間付近から導体線24を巻き始め(位置25a)、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bを通ってスロット9aに向かう。途中、スロット9aとスロット9bとの間をおおよそ3等分するような位置に来たら、導体線24は、コイルエンド部CE1におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部26a)。この部分を側面から見ると、導体線24は角度θ’(例えば、180°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
その後、配列変更されて(配列変更部39a)、スロット内部SIの3段目の位置25b(図15参照)に入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線は角度θ”(例えば、90°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
スロット内部SIを通り位置25c(図16参照)から出てきた導体線24は、配列変更されて(配列変更部39b)、コイルエンド部CE2(図14参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線24は角度θ(例えば、90°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
導体線24は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bとの間をおおよそ3等分するような位置に来たら、コイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bを通るように、配列変更される(通過領域変更部26d)。この部分を側面から見ると、導体線24は角度θ’(例えば、180°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
さらにその先にあるもう1つのスロット9aとスロット9bとの間をおおよそ3等分するような位置に来たら、今度は、コイルエンド部CE2(図14参照)におけるスロット内部SIの3段目に相当する領域CE2cを通るように、配列変更される(通過領域変更部26c)。この部分を側面から見ると、導体線24は角度θ’(例えば、180°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部39c)、スロット内部SIの1段目の位置25dに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線は角度θ”(例えば、90°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
スロット内部SIを通り位置25e(図15参照)から出てきた導体線24は、配列変更されて(配列変更部39d)、コイルエンド部CE1(図14参照)におけるスロット内部SIの3段目に相当する領域CE1cに出る。この部分を側面から見ると、導体線は角度θ(例えば、90°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
導体線24は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bとの間をおおよそ3等分するような位置に来たら、コイルエンド部CE1(図14参照)におけるスロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bを通るように、配列変更される(通過領域変更部26b)。この部分を側面から見ると、導体線24は角度θ’(例えば、180°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
さらにその先にあるもう1つのスロット9aとスロット9bとの間をおおよそ3等分するような位置に来たら、今度は、コイルエンド部CE1(図14参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部26a)。この部分を側面から見ると、導体線24は角度θ’(例えば、180°)で折り曲げられている(図17、図18参照)。
以上がコイル317を形成する導体線の1巻回分であるが、引き続き同じように、位置25f→位置25g→位置25h→・・・→位置25x→位置25yの順で導体線24が巻かれていく。なお側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線24は6本が横並びに整列することになるが、図17に示すように導体線の2周目、3周目となるにつれ、内側に配置されていく。
また、配列変更部39aから39dは、導体線24の1周目、2周目、4周目、5周目のときは、スロット内部SIに入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線24の3周目、6周目のときは、実際に配列変更は行われていない。
図18は、コイル317を形成する導体線24の折り曲げ角度について説明した図である。これまで述べてきたように、コイル317は側面(回転軸RAに垂直な方向)から見たときに4角形状となっているため、配列変更部において角度θ,θ”(例えば、90°)で折り曲げられている。また、通過領域変更部26a,26bは、すなわち角度θ’(=360°−(θ+θ”)、例えばθ=θ”=90°のとき、180°)折り曲げられている。通過領域変更部26a,26bは、例えば角度θ’=180°で折り曲げられている場合、回転軸RAに垂直な方向に関しては実質的に折れ曲がりがないと見なすこともできる。なお、通過領域変更部26a,26bは、回転軸RAの方向から見た場合には、クランク形状を有していてもよい(図15、図16参照)。
図19は、回転電機300の固定子巻線306を構成するために、固定子鉄心5にコイル317を挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図を示している。図19は、毎極毎相のスロット数=2(8極48スロット)において、同相のコイルが2スロットごとに組み込まれている場合を示しており、コイル317は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5の4スロットずつ離れた間隔でスロット9に組み込まれている。なお図19の固定子鉄心5は、説明しやすいように直線形状で図示しており、また途中の部分を一部省略している。
例えば、V相の巻線V8は、U相の巻線U8のコイル317を、周方向に沿って図19の右方向に2スロット分シフトさせたコイル317を有している。例えば、W相の巻線W8は、V相の巻線V8のコイル317を、周方向に沿って図19の右方向に2スロット分シフトさせたコイル317を有している。すなわち、図19中のコイル317の右端で見た場合、2スロットピッチで分布させたU相、V相、W相のコイル317の配置パターンが、6スロット周期で繰り返されている。各コイル317は、コイルエンド部において、6スロットに跨っており、左の2スロットで1段目の領域を通過し、中間の2スロットで2段目の領域を通過し、右の2スロットで3段目の領域を通過している。
以上のように、実施の形態3では、固定子巻線306の各相の巻線を形成する各コイル317において、第2の導体線群17bが、コイルエンド部CE1において第1の導体線群17aが固定子鉄心5の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換されたものである。第5の導体線群317hは、コイルエンド部CE1において固定子鉄心5の径方向の1段目からn段目までに配置された第2の導体線群17bが、固定子鉄心5の径方向の(n+1)段目から(m−n)段目までに配置変換されたものである。第4の折り曲げ部317jは、コイルエンド部CE1において第2の導体線群17bと第5の導体線群317hとが180°以下の角度θ’(例えば、略180°)をなすように折り曲げられている。第6の導体線群317nは、コイルエンド部CE1において固定子鉄心5の径方向の(n+1)段目から(m−n)段目までに配置された第5の導体線群317hが、固定子鉄心5の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換されたものである。第5の折り曲げ部317kは、コイルエンド部CE1において第5の導体線群317hと第6の導体線群317nとが180°以下の角度θ’(例えば、略180°)をなすように折り曲げられている。段数mおよびnは、
n/m ≦ 1/3
を満たす。これにより、例えば、図19に示すように、2スロットピッチで分布させたU相、V相、W相のコイル317を分布させた場合に、各コイル317において左の2スロットで1段目の領域を通過し中間の2スロットで2段目の領域を通過し右の2スロットで3段目の領域を通過するように構成できるので、各相のコイル317が機械的に干渉しにくい。このため、例えば、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで導体線24を折り曲げる角度θ,θ”を90°とすることができ、コイルエンド部CE1,CE2のコイル形状を4角形状にすることができるようになる。この結果、回転軸RAに沿った方向におけるコイル317の高さをさらに低減でき、(図17、図18参照)、固定子巻線をさらに効率的に(例えば、最も密に)配置できる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかる回転電機400について説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、スロット内部SIで径方向に2段であった導体線をコイルエンド部CE1,CE2で1段に配列変更するコイルについて例示的に説明を行っている。実施の形態4では、スロット内部SIで径方向に5段であった導体線をコイルエンド部CE1,CE2で2段に配列変更するコイルについて例示的に説明を行う。
具体的には、回転電機400の固定子403の固定子巻線406において、各相の巻線を形成する各コイル417の構成が、図20〜図22に示すように、次の点で実施の形態1と異なる。図20は、固定子鉄心5にコイル417を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図である。図21は、固定子鉄心5にコイル417を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図である。図22は、固定子鉄心5にコイル417を挿入した状態を固定子鉄心5の側面(回転軸RAを向く面)から見た図である。
図20から図22は、スロット内部SIで5段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル417を1個挿入した状態を示しているが、このとき導体線31がどのように巻かれてコイル417を形成しているかを、位置32aから位置32zおよび位置33aから位置33pの符号を使って例示的に説明する。
コイル417は、2つのスロット9a,9bの中間付近から巻き始め(位置32a)、コイルエンド部CE1(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通ってスロット9aに近づく。その後、配列変更されて(配列変更部30a)、スロット内部SIの5段目の位置32bに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線は角度θ”で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット内部SIを通り位置32c(図21参照)から出てきた導体線31は、配列変更されて(配列変更部30b)、コイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線は角度θで折り曲げられている(図22、図23参照)。
導体線31は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、今度はコイルエンド部CE2(図2参照)におけるスロット内部SIの4段目に相当する領域CE2dを通るように、配列変更される(通過領域変更部34b)。この部分を側面から見ると、導体線は角度θ’で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部30c)、スロット内部SIの1段目の位置32dに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線は角度θ”で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット内部SIを通り位置32e(図20参照)から出てきた導体線31は、配列変更されて(配列変更部30d)、スロット内部SIの4段目に相当する領域CE1dに出る。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θで折り曲げられている(図22、図23参照)。
導体線31は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、再びスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部34a)。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θ’で折り曲げられている(図22、図23参照)。
このようにコイル417を形成する導体線の1巻回分を巻く。引き続き同じように、位置32f→位置32g→位置32h→・・・→位置32t→位置32uの順で導体線31が巻かれていく。ここまでのコイルエンド部CE1,CE2の導体線31は、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1a,CE2aとスロット内部SIの4段目に相当する領域CE1d,CE2dを通ることになり、側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線は5本が横並びに整列することになるが、図22に示すように導体線の2周目、3周目となるにつれ、内側に配置されていく。
また、配列変更部30aから30dは、導体線31の1周目、2周目、3周目、4周目のときは、スロット内部SIに入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線31の5周目のときは、実際に配列変更は行われていない。
さらに引き続き、位置32u(図20参照)から出た導体線31はスロット内部SIの4段目に相当する領域CE1dを通って、反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bの中間付近に来たら、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bを通るように、配列変更される(通過領域変更部34a)。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θ’で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット9aに近づいたら配列変更されて(配列変更部30a)、スロット内部SIの5段目の位置32vに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θ”で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット内部SIを通り位置32w(図21参照)から出てきた導体線31は、配列変更されて(配列変更部30b)、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bに出る。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θで折り曲げられている(図22、図23参照)。
導体線31は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bの中間付近に来たら、今度はスロット内部SIの5段目に相当する領域CE2eを通るように、配列変更される(通過領域変更部34b)。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θ’で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部30c)、スロット内部SIの1段目の位置32xに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θ”で折り曲げられている(図22、図23参照)。
スロット内部SIを通り位置32y(図20参照)から出てきた導体線は、配列変更されて(配列変更部30d)、スロット内部SIの5段目に相当する領域CE1eに出る。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θで折り曲げられている(図22、図23参照)。
導体線31は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bの中間付近に来たら、再びスロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bを通るように、配列変更される(通過領域変更部34a)。この部分を側面から見ると、導体線31は角度θ’で折り曲げられている(図22、図23参照)。
このようにコイル417を形成する導体線31の1巻回分を巻く。引き続き同じように、位置32z→位置33a→位置33b→位置33c→・・・→位置33n→位置33oの順で導体線31が巻かれていく。ここまでのコイルエンド部CE1,CE2の導体線31は、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1b,CE2bとスロット内部SIの5段目に相当する領域CE1e,CE2eを通ることになり、側面から見た図では、コイルエンド部において、導体線31は5本が横並びに整列することになるが、図22に示すように導体線の2周目、3周目となるにつれ、内側に配置されていく。
また、配列変更部30aから30dは、導体線の1周目、2周目、3周目、4周目のときは、スロット内部に入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線の5周目のときは、実際に配列変更は行われていない。
図23は、コイル417を形成する導体線31の折り曲げ角度について説明した図である。
例えば、配列変更部30aでの折り曲げ角度θ”は、第3の導体線群17cの延在方向DR17cと第4の導体線群17fの延在方向DR17fとのなす角度であってコイル217の内側を向く角度である。コイル417は側面から見たときに6角形状となっているため、この角度θ”は、例えば、上記の数式2の条件を満たす。
数式2を満たす角度θ”は、例えば、120°である。
例えば、配列変更部30dでの折り曲げ角度θは、第1の導体線群17aの延在方向DR17aと第2の導体線群17bの延在方向DR17bとのなす角度であってコイル417の内側を向く角度である。この角度θは、上記の数式3の条件を満たす。
数式3を満たす角度θは、例えば、120°である。
例えば、通過領域変更部34aでの折り曲げ角度θ’は、第2の導体線群17bの延在方向DR17bと第3の導体線群17cの延在方向DR17cとのなす角度であってコイル417の内側を向く角度である。この角度θ’は、上記の数式4の条件を満たす。
例えば、コイル417が図22、図23に示すように左右対称な形状である場合、上記の数式5が成り立つ。上記の数式5を数式4に代入すると、上記の数式6が得られる。
図24は、回転電機400の固定子巻線406を構成するために、固定子鉄心5にコイル417を挿入した固定子の各相ごとの巻線構成図を示している。図24は、毎極毎相のスロット数=2(8極48スロット)において、同相のコイルが2スロットごとに組み込まれている場合を示しており、コイル417は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5の4スロットずつ離れた間隔でスロットに組み込まれている。なお図24の固定子鉄心5は、説明しやすいように直線形状で図示しており、また途中の部分を一部省略している。
例えば、V相の巻線V8は、U相の巻線U8のコイル417を、周方向に沿って図24の右方向に2スロット分シフトさせたコイル417を有している。例えば、W相の巻線W8は、V相の巻線V8のコイル417を、周方向に沿って図24の右方向に2スロット分シフトさせたコイル417を有している。すなわち、図24中のコイル417の右端で見た場合、2スロットピッチで分布させたU相、V相、W相のコイル417の配置パターンが、6スロット周期で繰り返されている。各コイル417は、コイルエンド部において、6スロットに跨っており、左の3スロットで1段目と2段目の領域を通過し、右の3スロットで4段目と5段目の領域を通過している。
以上のように、実施の形態4では、コイル417を使うことにより、コイルエンド部CE1,CE2の左半分の導体線31を、スロット内部SIの1段目と2段目に相当する領域CE1a,CE1b,CE2a,CE2b(図20,21参照)に集めることができ、コイルエンド部CE1,CE2の右半分の導体線31を、スロット内部SIの4段目と5段目に相当する領域CE1d,CE1e,CE2d,CE2eに集めることができる。これにより、U相・V相・W相の巻線が互いに干渉しにくい。図24を見る限りでは、U相・V相・W相に挿入されるコイル417が重複する領域があるように見えるが、実際のコイルエンド部CE1,CE2のコイル417は三角形状になっており、コイル417の中心付近(通過領域変更部でクランク形状になっている部分)は、三角形状の頂点であるため、U相・V相・W相の巻線が互いに干渉しにくい。このようにして、コイルエンド部の高さを高くすることなく、周長の短いコイルを使った固定子巻線を形成することが可能になる。
すなわち、導体線31はスロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで配列変更され(配列変更部30a〜30d)、導体線31はコイルエンド部CE1,CE2で固定子鉄心5の径方向に配置変換される(通過領域変更部34a,34b)ようにしている。これにより、コイルエンド部CE1,CE2において1つの相の巻線が他の相の巻線と干渉しにくくなり、コイルエンド部の高さを低くすることができる。
また、実施の形態4では、U相、V相、W相すべてに対して同じ形状のコイルを用いることができる。そのために、巻線の形成作業の効率を向上できるとともに、各相ごとの巻線長さが同じであるため、各相ごとの巻線抵抗値のアンバランスを許容範囲内に抑制できる。したがって、トルクリプルや振動などを低減できる。
実施の形態5.
次に、実施の形態5にかかる回転電機500について説明する。以下では、実施の形態1,2,4と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1,2,4では、スロット内部とコイルエンド部で配列変更するコイルのうち、コイルエンド部のコイル形状が三角形状であるものについて説明を行っている。実施の形態5では、コイルエンド部において導体線の1巻回ごとに、通過領域変更部を固定子鉄心の周方向に対し後述の距離Xでずらして配置し、コイルエンド部の三角形状の頂点が導体線の1巻回ごとに距離Xでずれるようにする方法について説明を行う。
具体的には、回転電機500の固定子503の固定子巻線506において、各相の巻線を形成するコイル517は、例えば図25に示す構成を有する。図25は、固定子巻線506を成すコイルの構成図である。
コイル517は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5のスロットに挿入される。コイル517は導体線41の束として形成される。
具体的には、コイル517は、図25に示すように、第2の折り曲げ部17e(図2参照)に代えて、第2の折り曲げ部517eを有する。
第2の折り曲げ部517eでは、導体線41の1巻回ごとに固定子鉄心5の周方向に対して距離Xでずらしながら各導体線41を配置している。すなわち、第2の折り曲げ部517eを含む通過領域変更部43aは、導体線41の1巻回ごとに固定子鉄心5の周方向に対して距離Xでずらしながら、コイルエンド部CE1の第2の導体線群17bの配列(径方向の通過領域)からコイルエンド部CE1の第3の導体線群17cの配列(径方向の通過領域)への変更を行う。この距離Xは、例えば角度θと角度θ”とが互いに均等であり、導体線の幅をWとすると、上記の数式5が成り立つとき、次の数式8で得られる。
X = W/(−cosθ)・・・数式8
例えば、図25では、コイル517が、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本(固定子鉄心5の周方向)の導体線41から構成されている。例えば、径方向の数および周方向の数は、次のように決定することができる。
例えば、図25に示す場合、コイル517は、スロット内部SIからコイルエンド部CE1にかけて、巻線配列の変更を行っている(配列変更部40d)。これにより、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線41の束は、コイルエンド部CE1で1段(固定子鉄心5の径方向)×16本分(固定子鉄心5の周方向)に整列される。またこのときに、角度θ(例えば、図25では135°)で折り曲げられている。
次に、コイルエンド部CE1において、例えば、固定子鉄心5の径方向の1段目に整列された導体線41は、他の相の巻線(他の相のコイル517)と干渉しないように、例えば、固定子鉄心5の径方向の2段目に配置変換される(第2の折り曲げ部517eを含む通過領域変更部43a)。またこのときも、配置変換する前と後とで、すなわち第2の折り曲げ部517eにおいて、角度θ’(例えば、図25では90°)で折り曲げられている。
その後、再びコイルエンド部CE1からスロット内部SIに戻るときに、巻線配列の変更が行なわれている(配列変更部40a)。これにより、コイルエンド部CE1で1段(固定子鉄心5の径方向)×16本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線41の束は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本分(固定子鉄心5の周方向)に整列される。またこのときに、角度θ”(例えば、図25では135°)で折り曲げられている。
このようにコイル517を構成することで、コイルエンド部CE1のコイル形状が三角形状になっている。また、説明は省略するが、コイル517の下半分も同じように導体線41の配列変更が行われており、全体として6角形状となっている。
なお、今回の実施の形態である図25が、すでに説明した実施の形態1の図2と違う点は、コイルエンド部において導体線の1巻回ごとに、導体線通過領域変更部49を固定子鉄心の周方向に対し距離Xでずらして配置している点である。このようにすることで、コイルエンド部の三角形状の頂点が導体線の1巻回ごとに距離Xでずれるようになり、頂点の位置が周方向に揃っている図2に比較して、さらにコイルエンド部の高さを低くすることができる。
図26から図28を用いて、コイル517の巻線配列の変更の部分をより詳細に説明する。図26は、固定子鉄心5にコイル517を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図である。図27は、固定子鉄心5にコイル517を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図である。図28は、固定子鉄心5にコイル517を挿入した状態を固定子鉄心5の側面(回転軸RAを向く面)から見た図である。
図26から図28は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル517を1個挿入した状態を示しているが、このとき導体線がどのように巻かれてコイル517を形成しているかを、位置42aから位置42rを使って例示的に説明する。
コイル517は、2つのスロット9a,9bの中間付近から巻き始め(位置42a)、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通ってスロット9aに近づく。その後、配列変更されて(配列変更部40a)、スロット内部SIの2段目の位置42bに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線41は角度θ”で折り曲げられている(図28、図29参照)。
スロット内部SIを通り位置42c(図27参照)から出てきた導体線41は、配列変更されて(配列変更部40b)、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線41は角度θで折り曲げられている(図28、図29参照)。
導体線41は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、今度はスロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bを通るように、配列変更される(通過領域変更部43b)。この部分を側面から見ると、導体線41は角度θ’で折り曲げられている(図28、図29参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部40c)、スロット内部SIの1段目の位置42dに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線41は角度θ”で折り曲げられている(図28、図29参照)。
スロット内部SIを通り位置42e(図26参照)から出てきた導体線41は、配列変更されて(配列変更部40d)、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bに出る。この部分を側面から見ると、導体線41は角度θで折り曲げられている(図28、図29参照)。
導体線41は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bの中間付近に来たら、再びスロット内部1段目に相当する領域を通るように、配列変更される(通過領域変更部43a)。この部分を側面から見ると、導体線は所定の角度で折り曲げられている。
以上がコイルを形成する導体線41の1巻回分であるが、引き続き同じように、位置42f→位置42g→位置42h→・・・→位置42p→位置42qの順で導体線41が巻かれていく。ただし導体線41の2周目以降は、通過領域変更部43a、43bの位置が導体線41の1巻回ごとに固定子鉄心5の周方向に対して距離Xでずらして配置される。通過領域変更部43a、43bは、側面から見た図で、三角形状になったコイルエンド部CE1,CE2の頂点付近であり、言い換えると三角形状になったコイルエンド部CE1,CE2における導体線41の頂点が導体線41の1巻回ごとに固定子鉄心5の周方向に対して距離Xでずらして配置されているとも言える。
なお側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線41は例えば4本が横並びに整列することになるが、図28に示すように導体線41の1周目が4本のうち常に一番左側に来るように配置され、2周目、3周目となるにつれ、1本ずつ右側に配置されていく(実施の形態1で説明した図6とは、巻き方が異なる)。
また、配列変更部40aから40dは、導体線の1周目、3周目のときは、スロット内部に入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線の2周目、4周目のときは、実際に配列変更は行われていない。
最後にコイル517は、2つのスロット9a,9bの中間付近で導体線41を巻き終わる(位置42r)。
図29は、コイルを形成する導体線の折り曲げ角度および寸法について説明した図である。
例えば、配列変更部40aでの折り曲げ角度θ”は、第3の導体線群17cの延在方向DR17cと第4の導体線群17fの延在方向DR17fとのなす角度であってコイル517の内側を向く角度である。コイル517は側面から見たときに6角形状となっているため、この角度θ”は、例えば、上記の数式2の条件を満たす。
数式2を満たす角度θ”は、例えば、135°である。
例えば、配列変更部40dでの折り曲げ角度θは、第1の導体線群17aの延在方向DR17aと第2の導体線群17bの延在方向DR17bとのなす角度であってコイル517の内側を向く角度である。この角度θは、上記の数式3の条件を満たす。
数式3を満たす角度θは、例えば、135°である。
例えば、通過領域変更部43aでの折り曲げ角度θ’は、第2の導体線群17bの延在方向DR17bと第3の導体線群17cの延在方向DR17cとのなす角度であってコイル517の内側を向く角度である。この角度θ’は、上記の数式4の条件を満たす。
例えば、コイル517が図28、図29に示すように左右対称な形状である場合、上記の数式5が成り立つ。上記の数式5を数式4に代入すると、上記の数式6が得られる。
また、通過領域変更部43aの位置は、導体線41の1巻回ごとに固定子鉄心5の周方向に対しての距離Xでずらして配置されている。その距離Xは、導体線の幅をW、(上記の数式5が成り立つ場合)配列変更部での折り曲げ角度をθとすると、上記の数式8で与えられる。
図30は、回転電機500の固定子巻線506を構成するために、固定子鉄心5にコイル517を挿入した固定子503の各相ごとの巻線構成図を示している。図30は、毎極毎相のスロット数=2(8極48スロット)において、同相のコイル517が2スロットごとに組み込まれている場合を示している。コイル517は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心5の4スロットずつ離れた間隔でスロットに組み込まれている。なお図30の固定子鉄心5は、説明しやすいように直線形状で図示しており、また途中の部分を一部省略している。
例えば、V相の巻線V8は、U相の巻線U8のコイル517を、周方向に沿って図30の右方向に2スロット分シフトさせたコイル517を有している。例えば、W相の巻線W8は、V相の巻線V8のコイル517を、周方向に沿って図30の右方向に2スロット分シフトさせたコイル517を有している。すなわち、図30中のコイル517の右端で見た場合、2スロットピッチで分布させたU相、V相、W相のコイル517の配置パターンが、6スロット周期で繰り返されている。各コイル517は、コイルエンド部において、6スロットに跨っており、左の3スロットで1段目の領域を通過し、右の3スロットで2段目の領域を通過している。
以上のように、実施の形態5では、導体線41をコイルエンド部CE1,CE2で固定子鉄心5の径方向に配置変換する通過領域変更部43aを、導体線41の1巻回ごとに固定子鉄心5の周方向に対して距離Xでずらして配置させる。具体的には、導体線の幅をW、(上記の数式5が成り立つ場合)配列変更部での折り曲げ角度をθとすると、上記の数式8で与えられる距離Xでずらして導体線41の通過領域変更部を配置させる(図26、図27参照)。これにより、コイルエンド部CE1,CE2におけるコイル517の高さをさらに低くすることができる。
実施の形態6.
次に、実施の形態6にかかる回転電機600について説明する。以下では、実施の形態1から5と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1〜5において、スロット内部とコイルエンド部とで導体線の配列が異なるコイルを実現するには、記載した方法は1つの事例であり、必ずしもこの手順でコイルを形成する必要はないものとされている。
そこで、実施の形態6では、これまでと異なるコイルの形成手順について例示的に説明を行う。
具体的には、回転電機600の固定子603の固定子巻線606において、各相の巻線を形成する各コイル617の構成が、図31〜図33に示すように、次の点で実施の形態1〜5と異なる。図31は、固定子鉄心5にコイル617を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図である。図32は、固定子鉄心5にコイル617を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図、図33は、固定子鉄心5にコイル617を挿入した状態を固定子鉄心5の側面(回転軸RAを向く面)から見た図である。
図31から図33は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル617を1個挿入した状態を示しているが、このとき導体線がどのように巻かれてコイル617を形成しているかを、位置82aから位置82rを使って例示的に説明する。
コイル617は、2つのスロット9a,9bの中間付近から巻き始め(位置82a)、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通ってスロット9aに近づく。その後、配列変更されて(配列変更部80a)、スロット内部SIの2段目の位置82bに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線81は角度θ”で折り曲げられている(図33参照)。
スロット内部SIを通り位置82c(図32参照)から出てきた導体線81は、配列変更されて(配列変更部80b)、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線81は角度θで折り曲げられている(図33参照)。
導体線81は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bの中間付近に来たら、今度はスロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bを通るように、配列変更される(通過領域変更部83b)。この部分を側面から見ると、導体線81は角度θ’で折り曲げられている(図33参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部80c)、スロット内部SIの1段目の位置82dに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線81は角度θ”で折り曲げられている(図33参照)。
スロット内部SIを通り位置82e(図31参照)から出てきた導体線81は、配列変更されて(配列変更部80d)、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bに出る。この部分を側面から見ると、導体線81は角度θで折り曲げられている(図33参照)。
導体線81は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、再びスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部83a)。この部分を側面から見ると、導体線81は角度θ’で折り曲げられている(図33参照)。
以上がコイル617を形成する導体線81の1巻回分であるが、引き続き同じように、位置82f→位置82g→位置82h→・・・→位置82p→位置82qの順で導体線81が巻かれていく。なお側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線81は4本が横並びに整列することになるが、図33に示すように導体線の2周目、3周目となるにつれ、内側に配置されていく。
実施の形態1におけるコイルの形成手順では、配列変更部10aから10dは、導体線の1周目、3周目のときは、スロット内部SIに入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線11の2周目、4周目のときは、実際には配列変更が行われていない(図4〜図6参照)。
それに対して、本実施の形態6では、コイル617の形成手順において、配列変更部80aから80dは、導体線の1周目、2周目のときは、スロット内部に入るときや出るときに配列変更を行っているが、導体線の3周目、4周目のときは、実際に配列変更が行われない(スロット内部1段目に相当する領域から来た導体線が、スロット内部1段目にそのまま入る場合など)。本実施の形態のほうが、導体線81の巻回ごとに実際に配列変更する、しないということが続くので、配列変更のための折れ曲がり(直角クランク形状)が揃うようになり、コイルエンド部の配列変更部をよりコンパクトにできる。
以上のように、実施の形態6では、導体線の巻回ごとに実際に配列変更する、しないということが続くようにしたので、配列変更のための折れ曲がり(直角クランク形状)が揃うようになり、コイルエンド部の配列変更部をよりコンパクトにできる。
なお、この実施の形態6は、実施の形態1と対比する形で記載をしたが、実施の形態2から5に対しても、同じ技術を適用することは可能である。また、この実施の形態6の技術は、後述の実施の形態7に対しても適用可能である。
実施の形態7.
次に、実施の形態7にかかる回転電機700について説明する。以下では、実施の形態1〜5と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1〜5において、スロット内部とコイルエンド部とで導体線の配列が異なるコイルを実現するには、記載した方法は1つの事例であり、必ずしもこの手順でコイルを形成する必要はないものとされている。
そこで、実施の形態7では、実施の形態1〜5と異なるコイルの形成手順について例示的に説明を行う。
具体的には、回転電機700の固定子703の固定子巻線706において、各相の巻線を形成する各コイル717の構成が、図34〜図36に示すように、次の点で実施の形態1と異なる。図34は、固定子鉄心5にコイル717を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図である。図35は、固定子鉄心5にコイル717を挿入した状態を固定子鉄心5の下面から見た図である。図36は、固定子鉄心5にコイル717を挿入した状態を固定子鉄心5の側面から見た図である。
図34から図36は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であるコイル717を1個挿入した状態を示しているが、このとき導体線がどのように巻かれてコイル717を形成しているかを、位置92aから位置92rを使って例示的に説明する。
コイル717は、2つのスロット9a,9bの中間付近から導体線91を巻き始め(位置92a)、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通ってスロット9aに近づく。その後、配列変更されて(配列変更部90a)、スロット内部SIの2段目の位置92bに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線91は角度θ”で折り曲げられている(図36参照)。
スロット内部SIを通り位置92c(図35参照)から出てきた導体線91は、配列変更されて(配列変更部90b)、スロット内部SIの1段目に相当する領域CE2aに出る。この部分を側面から見ると、導体線91は角度θで折り曲げられている(図36参照)。
導体線91は反対側のスロット9bに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、今度はスロット内部SIの2段目に相当する領域CE2bを通るように、配列変更される(通過領域変更部93b)。この部分を側面から見ると、導体線91は角度θ’で折り曲げられている(図36参照)。
スロット9bに近づいたら配列変更されて(配列変更部90c)、スロット内部SIの1段目の位置92dに入るようにする。この部分を側面から見ると、導体線91は角度θ”で折り曲げられている(図36参照)。
スロット内部SIを通り位置92e(図34参照)から出てきた導体線91は、配列変更されて(配列変更部90d)、スロット内部SIの2段目に相当する領域CE1bに出る。この部分を側面から見ると、導体線91は角度θで折り曲げられている(図36参照)。
導体線91は反対側のスロット9aに向かうが、スロット9aとスロット9bとの中間付近に来たら、再びスロット内部SIの1段目に相当する領域CE1aを通るように、配列変更される(通過領域変更部93a)。この部分を側面から見ると、導体線91は角度θ’で折り曲げられている。
以上がコイル717を形成する導体線91の1巻回分であるが、引き続き同じように、位置92f→位置92g→位置92h→・・・→位置92p→位置92qの順で導体線が巻かれていく。側面から見た図では、コイルエンド部CE1,CE2において、導体線91は4本が横並びに整列することになる。
実施の形態1では、図6に示すように導体線11の2周目、3周目となるにつれ、導体線11は内側に配置されていく。したがって、コイル17において、導体線11の巻き始めが上部に、導体線11の巻き終わりが下部に存在する。
それに対して、本実施の形態では、図36に示すように導体線91の2周目、3周目となるにつれ、導体線91は外側に配置されていく。したがって、コイル717において、導体線91の巻き始めが下部に、導体線91の巻き終わりが上部に存在する。
詳しい方法は後述するが、固定子巻線706は、スロット内部SIにコイル717を複数配置して、それらの端末を溶接などの方法で接続することで形成されることになる。コイル717は同じ形状のものを複数使って良い。
実施の形態1では、例えば図6のコイル17を連結しようとすると、導体線11の巻き始めが上部に、導体線11の巻き終わりが下部に存在するために、その連結線が少し長く必要になる。
一方、本実施の形態では、例えば、図6のコイル17と図36のコイル717との2種類を用意しておき、それらを交互に使えば、図6のコイル17は導体線11の巻き始めが上部、導体線11の巻き終わりが下部にあり、図36のコイル717は導体線91の巻き始めが下部、導体線91の巻き終わりが上部に存在するために、両者を短い距離(例えば、最短距離)の連結線でつなぐことが可能になる。
以上のように、実施の形態7では、コイルを複数連結するときに、巻回方法が違う2種類のコイルを併用することにより、両者を短い距離(例えば、最短距離)の連結線でつなぐことが可能になる。
なお、この実施の形態7は、実施の形態1と対比する形で記載をしたが、実施の形態2から6に対しても、同じ技術を適用することは可能である。
なお、実施の形態1、2、4では、コイルは側面から見たときに6角形状となっている場合について説明している。このコイルが成立するための導体線の段数や折り曲げ角度に関する条件は、
・ mは2以上の整数
・ nは1以上の整数
・ 折り曲げ角度θ,θ”が数式2,3を満たす
・ 段数m,nが数式1を満たす
ことである。
補足しておくと、数式1で得られるn/mの最大値(1/2)のときに、コイルエンド部において導体線が配置されない無駄な空間が実質的に存在しない程度に効率的に(例えば、最も密に)導体線を配置できる。例えば、実施の形態1で説明したスロット内部SIで固定子鉄心5の径方向に2段に配置された導体線が、コイルエンド部CE1,CE2では固定子鉄心5の径方向に1段に配置変換される場合が、これに相当する。
一方、n/mの値が1/2よりも小さい場合である実施の形態2(スロット内部SIで固定子鉄心5の径方向に3段に配置された導体線が、コイルエンド部CE1,CE2では固定子鉄心5の径方向に1段に配置変換される場合)や実施の形態4(スロット内部SIで固定子鉄心5の径方向に5段に配置された導体線が、コイルエンド部CE1,CE2では固定子鉄心5の径方向に2段に配置変換される場合)では、コイルエンド部CE1,CE2で導体線がまったく通らない無駄な空間が存在する。回転電機の固定子巻線を構成する場合、理想的には前者(1/2)の条件でコイルを作るのが良いが、現実的にはスロット内部の幅や高さおよび導体線の線径によって段数の制約が起きるため、後者(1/2よりも小さい)を混ぜながら作ることもある。
また、実施の形態3では、コイルは側面から見たときに4角形状となっている場合について説明している。このコイルが成立するための導体線の段数や折り曲げ角度に関する条件は、
・ mは3以上の整数
・ nは1以上の整数
・ 折り曲げ角度θ,θ”がともに90°
・ 段数m,nが数式7を満たす
ことである。
補足しておくと、数式7で得られるn/mの最大値(1/3)のときに、コイルエンド部CE1,CE2において導体線が配置されない無駄な空間が実質的に存在しない程度に効率的に(例えば、最も密に)導体線を配置できる。例えば、実施の形態3で説明したスロット内部SIで固定子鉄心5の径方向に3段に配置された導体線が、コイルエンド部CE1,CE2では固定子鉄心5の径方向に1段に配置変換される場合が、これに相当する。一方、実施の形態として挙げていないが、1/3よりも小さい場合では、コイルエンド部CE1,CE2で導体線がまったく通らない無駄な空間が存在する。回転電機の固定子巻線を構成する場合、理想的には前者(1/3)の条件でコイルを作るのが良いが、現実的にはスロット内部の幅や高さおよび導体線の線径によって段数の制約が起きるため、後者(1/3よりも小さい)を混ぜながら作ることもある。
以上、実施の形態1〜7の説明を行っているが、このすべての事例に対して、以下のようにすることも可能である。
例えば、図37は、固定子鉄心5にコイル817を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図である。導体線51に丸線を使用する場合、図37に示すようにスロット内部SIのコイル817を形成している導体線51を俵積みすることも可能である。これは、巻線の線占率を向上させる目的で行われる。ただし、導体線51を俵積みすることによって、スロット内部SIのコイルの高さが等価的に低くなる。
もし、コイルエンド部CE1,CE2の導体線51も俵積みで構成するのであれば、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2でコイル817に必要な高さが変わらないので、上記の数式1の条件のままコイル817を成形することが可能である。
しかし、コイルエンド部CE1,CE2の導体線51を俵積みしない場合は、スロット内部SIのコイル817の高さだけが等価的に低くなり、スロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2でコイル817に必要な高さが違うため、数式1の条件が成立しなくなる。この場合、スロット内部SIで固定子鉄心5の径方向に俵積みでm段に配置された導体線51の高さが、普通の積み方でm’段に配置された導体線の高さと同じになるとした場合、mとm’との関係は次の数式9で表現される。
m’ = 1+√3/2・(m−1) (mは2以上の整数)・・・数式9
このように、スロット内部SIで固定子鉄心5の径方向にm段に配置された導体線51が、コイルエンド部CE1,CE2では固定子鉄心の径方向にn段に配置変換され、かつ導体線51はスロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで角度θ,θ”で折り曲げられ、コイルエンド部で固定子鉄心の径方向の1段目からn段目までに配置された導体線が、固定子鉄心の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換され、かつ配置変換する前と後とで角度θ’(=360−(θ+θ”))で折り曲げられているコイル817において、スロット内部SIの導体線51を俵積みできる条件は、
・ mは2以上の整数
・ nは1以上の整数
・ 折り曲げ角度θ,θ”が数式2,3を満たす
・ 段数m,nが数式10を満たす
ことである。
n/{1+√3/2・(m−1)} ≦ 1/2・・・数式10
これにより、スロット内部SIの導体線51の占積率を向上できる。
あるいは、例えば、図38は、固定子鉄心5にコイル917を挿入した状態を固定子鉄心5の上面から見た図を示している。ここまでの説明では、固定子鉄心5のスロット内部SIにコイルを1つだけ入れた例を説明しているが、回転電機の固定子巻線は、スロット内部に複数のコイルを配置し、これらを連結することで構成されることが多い。図38は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線53が、コイルエンド部CE1,CE2で1段(固定子鉄心5の径方向)×4本分(固定子鉄心5の周方向)に整列されているコイルを2個(コイル917−1および917−2)挿入した状態を示している。このような場合、1つ目のコイル917−1における導体線52の巻き終わり522と2つ目のコイル917−2における導体線53の巻き始め531とを連結することで、固定子巻線を形成していく。もちろん挿入するコイルの数がさらに増えた場合でも、コイルにおける導体線の巻き終わりと次のコイルにおける導体線の巻き始めとを結線(連結)することで、スロット内部で固定子鉄心の径方向に対して段数が多い固定子巻線を構成することが可能になる。
あるいは、例えば、図39は、固定子鉄心5にコイル1017を挿入した状態を上面から見た図を示している。図1に示すような丸形状の固定子鉄心5の場合、スロット形状は長方形ではなく台形になることが多い。これは、ティース幅を一定にするために、固定子鉄心5の内周ほどスロット幅を狭く、固定子鉄心5の外周ほどスロット幅を広くすることが多いためである。図39は、固定子鉄心5のスロット内部SIに3個のコイル1017−1〜1017−3を挿入した状態を示している。
これらのコイル1017−1〜1017−3は、スロット内部SIの幅や高さに合わせてコイル1017−1〜1017−3における導体線54,55,56の巻数を変えている。このようにスロット9a,9bの形状が長方形でない場合でも、その形状に合わせて導体線54,55,56の巻数が違うコイル1017−1〜1017−3を何種類か用意しておき、それらを連結することで、どんなスロット形状にも対応することが可能になる。なおこれらのコイル1017−1〜1017−3は、前述したように1つ目のコイル1017−1における導体線54の巻き終わり542と2つ目のコイル1017−2における導体線55の巻き始め551とを連結し、2つ目のコイル1017−2における導体線55の巻き終わり552と3つ目のコイル1017−3における導体線56の巻き始め561とを連結することで、固定子巻線を形成する。
なお、図38や図39において、固定子鉄心5のスロット内部SIにコイルを複数入れておき、これらの巻きはじめと巻き終わりを連結する方法について説明したが、このような場合、あらかじめコイルを連結線によってつなげておいても良い。
あるいは、例えば、図40は、固定子巻線を成すコイル束の構成図である。これは、図2に示した固定子巻線を成すコイルを、あらかじめ連結線によってつなげたものである。コイル束61は、近接する同相にコイルを挿入する重ね巻きとして、固定子鉄心のスロットに挿入される。コイル束61は、コイル63a、コイル63b、コイル63cの3個が連結したものであり、それぞれが連結線62によってつながっている。図40において、コイル63a、コイル63b、コイル63cは、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×8本(固定子鉄心5の周方向)の導体線から構成されているが、径方向の数および周方向の数は、任意に決定することができる。
あるいは、例えば、図41は、固定子鉄心5にコイル1117を挿入した状態を上面から見た図を示している。図41は、スロット内部SIで2段(固定子鉄心5の径方向)×2本分(固定子鉄心5の周方向)であった導体線64が、コイルエンド部CE1,CE2で1段(固定子鉄心5の径方向)×4本分(固定子鉄心5の周方向)に整列されているコイル1117−1〜1117−3を3個連結したコイル束1161が、挿入された状態を示している。図38と比べると、あらかじめコイル1117−1〜1117−3が連結されているので、挿入したコイルごとに結線作業をする必要がなくなり、作業工数の削減につながる。
実施の形態の中でも説明したが、コイルの巻き始めと巻き終わりの位置は、任意である。ただし、コイルの巻き始めと固定子鉄心の中心とを結んだ線上にコイルの巻き終わりを配置する(固定子鉄心の周方向に対して、巻き始めと巻き終わりの位置を揃えておく)ことで、複数のコイルを結線したり、あらかじめ連結しておくときに、結線作業を楽にしたり、連結線を短くできるといった効果が生まれる。
特に、側面から見たときに6角形状であるコイルの場合、コイルの巻き始めと固定子鉄心の中心とを結んだ線上にコイルの巻き終わりを配置し、その位置が三角形状になったコイルエンド部の頂点にしておく(固定子鉄心の周方向に対して、巻き始めと巻き終わりの位置をコイルエンド部の頂点で揃えておく)と良い。こうすることで、複数のコイルを結線したり、あらかじめ連結しておくときに、コイルを結線する線が他の相の固定子巻線と干渉しないという効果が生まれる。
図40では、スロット内部に挿入される固定子巻線を成すコイル束について説明したが、回転電機の固定子巻線を構成するためには、最終的にはすべてのスロットに挿入されているコイル束を、さらに結線していく必要がある。したがって、コイル束をさらに連結線によってつなげ、各相ごとの固定子巻線に相当する大きなコイル群にしても良い。
例えば、図42は、固定子巻線を成すコイル群の構成図である。これは、図40に示した固定子巻線を成すコイル束を、あらかじめ連結線によってつなげたものである。図42のコイル群71は、コイル束72a〜72hが連結線73によって直列につながれた状態を示している。回転電機の固定子巻線では、各スロットの巻線を全部直列につなげたり、半分ずつに分けて並列につなぐなど、様々なパターンが存在し、図42では各スロットの巻線を全部直列につないだ場合を示しているが、例えばコイル束72a〜72dとコイル束72e〜72hをそれぞれ連結線でつないでおき、この2つを並列につなげるようにしておけば、2並列の固定子巻線にすることができる。以上のように、あらかじめコイル束を連結したコイル群を用意しておくことで、結線作業の回数を大幅に減らすことができ、作業工数の削減につながる。
また、実施の形態の中では、毎極毎相のスロット数=2(8極48スロット)の場合を中心に説明してきた。しかし、極数・スロット数には特に制約がなく、他の組み合わせにおいても本発明を適用することは可能である。
また、実施の形態の中で、導体線は丸線として説明を行っている。しかし本発明において、導体線の断面形状に対する制約はないので、丸線以外にも四角線などを使っても良い。なお、四角線はスロット内部で巻線の占積率が上げられる反面、加工性が悪く、逆に丸線は加工性が良い代わりに、スロット内部で巻線の占積率が上げられないという特徴がある。両者の良いところを生かすため、加工性の良い丸線でコイルを作っておき、スロット内部に相当する導体線だけを加圧形成し、断面形状を略正方形状にすることで、占積率を上げるという方法もある。
ただし、スロット内部に相当する導体線の断面形状だけを略正方形状にすることによって、スロット内部のコイルの高さが等価的に低くなる。もし、コイルエンド部の導体線の断面形状も略正方形状にするのであれば、スロット内部とコイルエンド部でコイルに必要な高さが変わらないので、上記の数式1の条件のままコイルを成形することが可能である。しかし、コイルエンド部の導体線の断面形状を略正方形状にしない場合は、スロット内部のコイルの高さだけが等価的に低くなり、スロット内部とコイルエンド部でコイルに必要な高さが違うため、数式1の条件が成立しなくなる。
スロット内部で固定子鉄心の径方向にm段に配置された断面形状を略正方形状にした導体線の高さが、丸線の導体線を使ってm’段に配置された導体線の高さと同じになるとした場合、mとm’との関係は次の数式11で表現される。
m’ = √(π/4)・m (mは2以上の整数)・・・数式11
このように、スロット内部SIで固定子鉄心5の径方向にm段に配置された導体線51が、コイルエンド部CE1,CE2では固定子鉄心の径方向にn段に配置変換され、かつ導体線51はスロット内部SIとコイルエンド部CE1,CE2とで角度θ,θ”で折り曲げられ、コイルエンド部で固定子鉄心の径方向の1段目からn段目までに配置された導体線が、固定子鉄心の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換され、かつ配置変換する前と後とで角度θ’(=360−(θ+θ”))で折り曲げられているコイルにおいて、スロット内部に相当する導体線の断面形状だけを略正方形状にできる条件は、
・ mは2以上の整数
・ nは1以上の整数
・ 折り曲げ角度θ,θ”が数式2,3を満たす
・ 段数m,nが、数式12を満たす
ことである。
n/{√(π/4)・m} ≦ 1/2・・・数式12
これにより、スロット内部SIの導体線の占積率を向上できる。
また、これまで述べてきたすべての事例において、スロット内部とコイルエンド部とで導体線の配列を変更するようなコイルをあらかじめ作っておき、それらをスロット内部に挿入するような手順で説明を行っている。しかし、固定子鉄心に導体線を巻回しながら、スロット内部とコイルエンド部とで固定子巻線の配列が変更するようなコイルを形成し、固定子巻線を完成させる手順でも良い。
なお、本明細書では回転電機として説明を行ったため、固定子鉄心は丸形状としてきたが、直線形状の固定子鉄心にも本発明を適用することができる。したがって回転電機だけでなく、リニアモータなどの直動機にも、適用することが可能である。
以上のように、本発明にかかる回転電機は、分布巻に有用である。
1,200,300,400,500,600,700 回転電機、3,203,303,403,503,603,703 固定子、6,206,306,406,506,606,706 固定子巻線、11,21,24,31,41,81,91 導体線、17,63a,62b,63c,217,317,417,517,617,717,817,917,1017,1117 コイル。

Claims (13)

  1. 環状のコアバック、前記コアバックから径方向に延在して周方向に配列された複数のティース、および周方向に隣り合う前記ティース間にそれぞれ配置された複数のスロットを有する固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心のスロットに格納されて巻回される固定子巻線と、
    を備え、
    前記固定子巻線は、各相毎に、複数の導体線の束としてコイルが形成されており、
    各相の巻線は、スロット内部に配置される1以上のコイルにより形成されており、
    前記1以上のコイルのそれぞれは、
    前記スロット内部において固定子鉄心の径方向にm段(mは2以上の整数)に配置された第1の導体線群と、
    コイルエンド部において前記第1の導体線群が固定子鉄心の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換された第2の導体線群と、
    前記スロット内部及び前記コイルエンド部の境界において前記第1の導体線群と前記第2の導体線群とが180°より小さい角度θをなすように折り曲げられた第1の折り曲げ部と、
    前記コイルエンド部において固定子鉄心の径方向の1段目からn段目までに配置された前記第2の導体線群が、固定子鉄心の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換された第3の導体線群と、
    前記コイルエンド部において前記第2の導体線群と前記第3の導体線群とが180°より小さい角度θ’をなすように折り曲げられた第2の折り曲げ部と、
    を有し、
    段数mおよびnは、
    n/m ≦ 1/2
    を満たす
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記第2の折り曲げ部は、回転軸の方向から見た場合に、前記第2の導体線群と前記第3の導体線群との間で径方向における配置を変更するクランク形状を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記1以上のコイルのそれぞれは、
    前記スロット内部において固定子鉄心の径方向にm段(mは2以上の整数)に配置された第4の導体線群と、
    前記コイルエンド部及び前記スロット内部の境界において前記第3の導体線群と前記第4の導体線群とが180°より小さい角度θ”をなすように折り曲げられた第3の折り曲げ部と、
    をさらに有し、
    角度θは、
    90°<θ<180°
    を満たし、
    角度θ”は、
    90°<θ”<180°
    を満たし、
    角度θ’は、
    θ’=360°−(θ+θ”)
    を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  4. 角度θと角度θ”とは、互いに均等であり、
    角度θ’は、
    θ’=360°−2θ
    を満たす
    ことを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記固定子巻線における各導体線の線径をWとするとき、前記第2の折り曲げ部は、導体線の1巻回ごとに固定子鉄心の周方向に対して距離Xでずらして導体線を配置し、
    距離Xは、
    X = W/(−cosθ)
    を満たす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  6. 段数mおよびnは、
    n/m = 1/3
    を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  7. 段数mおよびnは、
    n/{1+√(3)/2・(m−1)} ≦ 1/2
    を満たし、
    前記スロット内部で固定子鉄心の径方向に配置される各導体線は、スロット内部の各段ごとに俵積みで配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  8. 前記スロット内部に配置される複数のコイルは連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  9. 同一のスロット内部に配置される複数のコイルは、導体線の巻き始めと固定子鉄心の中心とを結んだ線上に導体線の巻き終わりが配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  10. 同一のスロット内部に配置される複数のコイルは、導体線の巻き始めと固定子鉄心の中心とを結んだ線上に導体線の巻き終わりと前記第2の折り曲げ部とが配置される
    ことを特徴とする請求項9に記載の回転電機。
  11. 段数mおよびnは、
    n/{√(π/4)・m} ≦ 1/2
    を満たし、
    前記スロット内部に配置される前記導体線の断面は、略正方形状とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  12. 環状のコアバック、前記コアバックから径方向に延在して周方向に配列された複数のティース、および周方向に隣り合う前記ティース間にそれぞれ配置された複数のスロットを有する固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心のスロットに格納されて巻回される固定子巻線と、
    を備え、
    前記固定子巻線は、各相毎に、複数の導体線の束としてコイルが形成されており、
    各相の巻線は、スロット内部に配置される1以上のコイルにより形成されており、
    前記1以上のコイルのそれぞれは、
    前記スロット内部において固定子鉄心の径方向にm段(mは3以上の整数)に配置された第1の導体線群と、
    コイルエンド部において前記第1の導体線群が固定子鉄心の径方向にn段(nは1以上の整数)に配置変換された第2の導体線群と、
    前記スロット内部及び前記コイルエンド部の境界において前記第1の導体線群と前記第2の導体線群とが180°より小さい角度θをなすように折り曲げられた第1の折り曲げ部と、
    前記コイルエンド部において固定子鉄心の径方向の1段目からn段目までに配置された前記第2の導体線群が、固定子鉄心の径方向の(n+1)段目から(m−n)段目までに配置変換された第5の導体線群と、
    前記コイルエンド部において前記第2の導体線群と前記第5の導体線群とが略180°である角度θ’をなすように折り曲げられた第4の折り曲げ部と、
    前記コイルエンド部において固定子鉄心の径方向の(n+1)段目から(m−n)段目までに配置された前記第5の導体線群が、固定子鉄心の径方向の(m−n+1)段目からm段目までに配置変換された第6の導体線群と、
    前記コイルエンド部において前記第5の導体線群と前記第6の導体線群とが略180°である角度θ’をなすように折り曲げられた第5の折り曲げ部と、
    を有し、
    段数mおよびnは、
    n/m ≦ 1/3
    を満たす
    ことを特徴とする回転電機。
  13. 前記第4の折り曲げ部は、回転軸の方向から見た場合に、前記第2の導体線群と前記第5の導体線群との間で径方向における配置を変更するクランク形状を有し、
    前記第5の折り曲げ部は、前記回転軸の方向から見た場合に、前記第5の導体線群と前記第6の導体線群との間で径方向における配置を変更するクランク形状を有する
    ことを特徴とする請求項12に記載の回転電機。
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