JPWO2013141127A1 - アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1−アダマンタンカルボン酸エステル又は2−アダマンタノンと、有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法であり、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを効率的に製造する方法を提供する。

Description

本発明はアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法に関し、さらに詳しくは、フォトレジスト原料として有用なアダマンチル(メタ)アクリレート類を効率よく製造する方法に関する。
アダマンタンは、シクロヘキサン環が4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が高く、安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原料や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られている。例えばアダマンチル(メタ)アクリレートは、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過性などを利用して、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして、近年注目されている。
アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール等の第3級アルコール、アダマンタンカルボン酸アルキルエステル又はアダマンタンカルボン酸ハライドを、有機金属化合物及び(メタ)アクリル酸ハライドと反応させてエステル化する方法により行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−161070号公報 特開2002−173466号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に記載の方法では、目的とするアダマンチル(メタ)アクリレートの収率が満足できるものではなく、さらに高収率で効率的に製造する方法の開発が望まれている。
本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを高収率で効率的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、原料に用いるアダマンタン誘導体と有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加した後に、さらに酸無水物を反応させることによって前記課題が解決することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、下記[1]〜[4]を提供するものである。
[1]下記一般式(1)
Figure 2013141127
(式中、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルと下記一般式(2)又は(3)
1MgX1 (2)
1Li (3)
(式中、X1はハロゲン原子を示し、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で表される有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させる、下記一般式(4)
Figure 2013141127
(式中、R3は水素原子又はメチル基である。R1は前記と同じである。)
で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
[2]1−アダマンタンカルボン酸エステルが蒸留したものである、前記[1]に記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
[3]下記一般式(5)
Figure 2013141127
で表される2−アダマンタノンと、下記一般式(6)又は(7)
4MgX2 (6)
4Li (7)
(式中、R4は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜4のシアノアルキル基、X2はハロゲン原子を示す。)
で表される有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させる、下記一般式(8)
Figure 2013141127
(式中、R5は水素原子又はメチル基である。R4は前記と同じである。)
で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
[4]カルボン酸エステル化合物が、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、フェニル酢酸エステル、安息香酸エステル、及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
本発明によれば、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを高収率で効率的に製造する方法が提供される。
本発明のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法は、下記一般式(4)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方法(以下、本発明1という)及び下記一般式(8)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートを製造する方法(以下、本発明2という)のいずれかの態様からなる。本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
Figure 2013141127
Figure 2013141127
前記一般式(4)において、R1は炭素数1〜3のアルキル基である。R3は水素原子又はメチル基である。
前記一般式(8)において、R4は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜4のシアノアルキル基である。R5は水素原子又はメチル基である。
1及びR4における炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R4における炭素数2〜4のシアノアルキル基としては、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基等が挙げられる。
前記一般式(4)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートとしては、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−エチルプロピル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−プロピルブチル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−イソプロピル−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−(1−アダマンチル)−1−エチルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記一般式(8)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートとしては、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(本発明1)
本発明1のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法における反応式は、具体的に下記式で示される。
Figure 2013141127
式中、R1〜R3及びX1は、前記と同じである。前記一般式(9)で示される金属アルコキシド体は、1−アダマンタンカルボン酸エステルと有機金属化合物との反応で生成する反応中間体である。前記一般式(10)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールは、前記反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応における副生物(未反応物)である。なお、前記一般式(10)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールに(メタ)アクリル酸無水物を反応させることにより、前記一般式(4)で示されるアダマンチル(メタ)アクリレートを製造することもできる。
本発明1の方法は、前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルと前記一般式(2)又は(3)で示される金属有機化合物とを反応させ、次いで、生成した前記一般式(9)で示される反応中間体を含む反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させることにより実施される。これらの反応は、通常、有機溶媒中で実施される。
本発明1は、前記一般式(9)で示される反応中間体を含む反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させることを特徴とする。
前記反応混合物にカルボン酸エステル化合物を添加することにより、過剰の有機金属化合物を失活させることができるために、副生物である前記一般式(10)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールの生成を抑え、目的物の選択率を向上させ、目的物を高収率で得ることができる。
本発明1で使用する1−アダマンタンカルボン酸エステルは、下記一般式(1)で表される。
Figure 2013141127
前記一般式(1)において、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、前記R1及びR4において述べたものと同じものが例示できる。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルとしては、1−アダマンタンカルボン酸メチル、1−アダマンタンカルボン酸エチル、1−アダマンタンカルボン酸n−プロピル、1−アダマンタンカルボン酸イソプロピル等が挙げられ、反応性の観点から、1−アダマンタンカルボン酸メチルが好ましい。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルは、酸触媒存在下、アダマンチルカルボン酸とアルコールとの通常のエステル化反応により得ることができる。
本発明1において、原料に用いる1−アダマンタンカルボン酸エステルとしては、蒸留したものを用いることが好ましい。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルは、その製造工程の設備やその製造原料である1−アダマンタンカルボン酸に由来する不純物を含有していることがある。したがって、前記1−アダマンタンカルボン酸エステルを有機金属化合物との反応に供する前に蒸留することにより、不純物として含まれる金属成分を除去することができる。その結果、得られるアダマンチル(メタ)アクリレートの金属不純物含有量を低減することができ、高純度のアダマンチル(メタ)アクリレートを得ることができる。
蒸留した1−アダマンタンカルボン酸エステルとしては、例えば、前記したエステル化反応により合成した生成物を蒸留により精製したもの、あるいは市販の1−アダマンタンカルボン酸エステルを蒸留により精製したもの等を用いることができる。
蒸留の方法としては、常圧蒸留でも減圧蒸留でもよいが、熱による分解等を防ぐ観点から、減圧蒸留が好ましい。減圧蒸留は、単蒸留、精留、分子蒸留等一般的な方法で行うことができる。蒸留温度は、蒸留する化合物の沸点にもよるが、通常20〜180℃、好ましくは30〜150℃である。蒸留圧力は、0.1〜10mmHg(0.013〜1.33kPa)が好ましく、0.2〜5mmHg(0.027〜0.667kPa)がより好ましい。蒸留の方式はバッチ式でも連続式でもよい。
本発明1で使用する有機金属化合物は、下記一般式(2)又は(3)で表される。
1MgX1 (2)
1Li (3)
前記一般式(2)及び(3)において、X1はハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子である。R1は前記と同じである。
前記一般式(2)及び(3)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物(Grignard試薬など);メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウムなどの有機リチウム化合物等が挙げられる。このうち、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、メチルリチウム、及びエチルリチウムが好ましい。有機マグネシウム化合物はハロゲン化銅と組み合わせて用いることもできる。
有機金属化合物の使用量は、前記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル1モルに対して、通常2〜6モル、好ましくは2〜4モル、より好ましくは2〜3モルである。
カルボン酸エステル化合物としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル等の酢酸エステル;プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル等のプロピオン酸エステル;フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル等のフェニル酢酸エステル;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の安息香酸エステル、及び(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等の等(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの中で、反応物への残留性の観点から、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、及びメタクリル酸メチルが好ましく、酢酸エチルがより好ましい。これらのカルボン酸エステル化合物は、1種単独でも、又は2種以上を混合して用いてもよい。
カルボン酸エステル化合物の使用量は、副生成物の生成を抑え、目的物の選択率を向上させる観点から、前記一般式(2)又は(3)で表される有機金属化合物のモル数から、前記一般式(1)で表される1−アダマンチルカルボン酸エステルの2倍等量のモル数を差し引いたモル数に対して、0.1〜5.0倍モルの範囲が好ましく、1.0〜1.5倍モルの範囲がより好ましい。
カルボン酸エステル化合物の添加方法としては液体の場合、シリンジや送液ポンプなどで直接反応器に導入できる。固体の場合は、粉体または顆粒状態で直接反応器に添加できれば問題ないが、一般には反応溶媒で溶解させた後、液体と同様に送液する方法により添加することができる。
有機溶媒としては、n−ヘキサン,n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。中でも、トルエン及びテトラヒドロフランが好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。テトラヒドロフランを用いた場合には、反応中間体を安定化する効果が高いため、高収率で目的物を得ることができる。これらの溶媒は、1種単独でも、又は2種以上を混合して用いてもよい。
(メタ)アクリル酸無水物は、本発明においてエステル化剤として用いる。(メタ)アクリル酸無水物しては、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、又はこれらの混合酸無水物を用いることができる。
(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、前記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル1モルに対して、通常1〜5モル程度である。
本発明1における反応温度は、反応成分の種類により適宜選択できるが、−200〜200℃の範囲が好ましい。本発明1における反応温度は、低すぎると反応速度が低下し、高すぎると(メタ)アクリル基が重合してしまうことから、0℃〜50℃の範囲がより好ましい。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜0.1MPaの範囲である。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。圧力が高すぎると、(メタ)アクリル基が重合してしまう可能性がある為に、0.1MPa付近の圧力で実施することが好ましい。
本発明1における反応時間は、1−アダマンタンカルボン酸エステルと金属有機化合物との反応、及び前記反応により得られる反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応において、それぞれ通常、1分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲である。
反応終了後、水洗により塩を除き、その後、塩基性水溶液で洗浄する。この操作により、未反応の酸無水物が除去される。塩基性水溶液としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基化合物の水溶液、エチレンジアミン、アニリン、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基化合物の水溶液等が挙げられる。
目的化合物の精製分離については、蒸留、晶析、カラム分離などが可能であり、生成物の性状と不純物の種類により選択できるが、特に水及び水溶性溶媒を用いた再結晶又は晶析を用いれば、所望するアダマンチル(メタ)アクリレートを高純度かつ高収率で製造することが可能である。具体的な操作方法は、後処理を行なった反応液から溶媒を留去した後、水及び水溶性溶媒を加えて、必要に応じて、冷却することで高純度のアダマンチル(メタ)アクリレートを析出させる。析出物は濾過、遠心分離などの方法により分離することができる。水溶性溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトンなどを挙げることができる。中でもメタノールを用いるのが好ましい。得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、核磁気共鳴分光法(NMR),赤外分光法(IR),融点測定装置などを用いて行うことができる。
(本発明2)
本発明2のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法における反応式は、具体的に下記式で示される。
Figure 2013141127
式中、R4、R5及びX2は、前記と同じである。前記一般式(11)で示される金属アルコキシド体は、2−アダマンタノンと有機金属化合物との反応で生成する反応中間体である。前記一般式(12)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールは、前記反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応における副生物(未反応物)である。なお、前記一般式(12)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールに(メタ)アクリル酸無水物を反応させることにより、前記一般式(8)で示されるアダマンチル(メタ)アクリレートを製造することもできる。
本発明2の方法は、前記一般式(5)で表される2−アダマンタノンと前記一般式(6)又は(7)で示される金属有機化合物とを反応させ、次いで、生成した前記一般式(11)で示される反応中間体を含む反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させることにより実施される。これらの反応は、通常、有機溶媒中で実施される。
本発明2は、前記一般式(11)で示される反応中間体を含む反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させることを特徴とする。
カルボン酸エステル化合物を添加することにより、過剰の有機金属化合物を失活させることができるために、副生物である前記一般式(12)で示される2−アダマンチルアルコールの生成を抑え、目的物の選択率を向上させ、目的物を高収率で得ることができる。
本発明2で使用する2−アダマンタノンは、下記一般式(5)で表される。
Figure 2013141127
前記一般式(5)で表される2−アダマンタノンは、アダマンタンを、硫酸中で酸化することにより得ることができる。
前記一般式(5)で表される2−アダマンタノンは、その製造工程の設備や製造原料等に由来する不純物を含有していることがある。したがって、前記2−アダマンタノンを有機金属化合物との反応に供する前に昇華精製することにより、不純物として含まれる金属成分を除去することができる。その結果、得られるアダマンチル(メタ)アクリレートの金属不純物の含有量を低減することができ、高純度のアダマンチル(メタ)アクリレートを得ることができる。
昇華精製する際の温度は、常圧である場合には200℃付近の高温を必要とする。減圧下である場合、通常20〜180℃、好ましくは30〜150℃である。圧力は、0.1〜100mmHg(0.013〜13.3kPa)が好ましく、5〜50mmHg(0.65〜6.5kPa)がより好ましい。例えば、2.7kPaの減圧条件であれば100℃付近で実施できる。
本発明2で使用する有機金属化合物は、下記一般式(6)又は(7)で表される。
4MgX2 (6)
4Li (7)
前記一般式(6)及び(7)において、X2はハロゲン原子を示し、前記で述べたX1の具体例及び好適例と同じものが挙げられる。R4は前記と同じである。
前記一般式(6)及び(7)で表される有機金属化合物の具体例は、前記で述べた前記一般式(2)及び(3)で表される有機金属化合物と同じである。このうち、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド、メチルリチウム、エチルリチウム、及びイソプロピルリチウムが好ましい。
有機金属化合物の使用量は、前記一般式(5)で表される2−アダマンタノン1モルに対して、通常1〜3モル、好ましくは1〜2モル、より好ましくは1〜1.5モルである。
カルボン酸エステル化合物の具体例、好適例及び添加方法は、本発明1で述べた説明と同じである。カルボン酸エステル化合物の使用量は、副生成物の生成を抑え、目的物の選択率を向上させる観点から、前記一般式(6)又は(7)で表される有機金属化合物のモル数から、前記一般式(5)で表される2−アダマンタノンのモル数を差し引いたモル数に対して、0.1〜5.0倍モルの範囲が好ましく、1.0〜1.5倍モルの範囲がより好ましい。
有機溶媒の具体例及び好適例は、本発明1で述べた説明と同じである。
(メタ)アクリル酸無水物の具体例は、本発明1で述べた説明と同じである。
(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、前記一般式(5)で表される2−アダマンタノン1モルに対して、通常1〜5モル程度である。
本発明2における反応温度は、反応成分の種類により適宜選択できるが−200〜200℃の範囲が好ましい。本発明2における反応温度は、低すぎると反応速度が低下し、高すぎると(メタ)アクリル基が重合してしまうことから、0℃〜50℃の範囲がより好ましい。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜0.1MPaの範囲である。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。圧力が高すぎると、(メタ)アクリル基が重合してしまう可能性がある為に、0.1MPa付近の圧力で実施することが好ましい。
本発明2における反応時間は、2−アダマンタノンと金属有機化合物との反応、及び前記反応により得られる反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応において、それぞれ通常、1分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲である。
本発明2における反応終了後の後処理の具体的様態は、本発明1に記載したものと同様である。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(金属分析)
金属分析は、誘導結合プラズマ質量分析装置「ICP−MS 7500cs」(Agilent製)により分析を行った。
(GC純度)
生成物の純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)によりを測定した。GC分析には、島津製作所製装置「GC−14A」を使用し、分析を行った。
製造例1
1−アダマンタンカルボン酸50g(277mmol)に、メタノール,トルエン,硫酸を加え、66℃で3時間反応させた。この時点で、残存原料は1.5質量%であった。反応液を冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮した。この反応混合物を90〜92℃/3mmHgで蒸留し、目的の1−アダマンタンカルボン酸メチル50gを得た。得られた1−アダマンタンカルボン酸メチルの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.1ppm以下であった。
また、蒸留前の反応混合物の金属分析の結果、Al=3.5ppm,Ca=4.4ppm,Fe=20.5ppm,K=0.4ppm,Na132.2ppmが検出された。
実施例1
製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル40g(206mmol)に、トルエン40gを加え窒素置換し、冷媒で冷却した。10℃以下を保持したまま、メチルマグネシウムクロライドの2M テトラヒドロフラン(THF)溶液 247g(494mmol)を4.5時間かけて滴下し、その後、自然昇温させながら、15時間反応させた。ここで、酢酸エチル9g(102mmol)を添加し、室温で0.5時間反応させた。再び冷媒で冷却し、10℃以下を保持したまま、メタクリル酸無水物82.3g(534mmol)を3.3時間かけて滴下した。その後、自然昇温させながら、15時間反応させた。この時点(粗反応液)でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.3%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.6%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.1%
粗反応液は25℃以下を保持したまま、塩酸水溶液でマグネシウムを分解し、水層を分液した。続いて、10質量%水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄の後、濃縮した。濃縮液はメタノールから晶析することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 41gを得た(単離収率:76%,GC純度:99.7%)。
得られた1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例2
酢酸エチル 9gの代わりに、プロピオン酸メチル 10gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施したところ、粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.4%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.6%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.0%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 43gを得た(単離収率:80%,GC純度:99.4%)。
得られた1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例3
酢酸エチル 9gの代わりに、安息香酸メチル 14gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施したところ、粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.3%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.9%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:96.8%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 40gを得た(単離収率:74%,GC純度:99.8%)。
この1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例4
酢酸エチル 9gの代わりに、フェニル酢酸エチル 16gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.2%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.8%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.0%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 42gを得た(単離収率:78%,GC純度:99.8%)。
この1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例5
酢酸エチル 9gの代わりに、メタクリル酸メチル 10gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.1%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.3%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.6%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 45gを得た(単離収率:83%,GC純度:99.9%)。
この1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
比較例1
実施例1において、酢酸エチルを添加しない以外は、実施例1と同様に行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートを得た。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.5%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:7.3%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:91.2%
最終的に得られた目的物は27g(単離収率:50%,GC純度:98.3%)であった。
比較例2
1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール 194mg(1.0mmol)に、THF 20mLを加えて溶解し、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol),メタクリル酸クロライド 0.12mL(1.2mmol)の順に加え、室温で反応開始した。1時間後と2時間後にサンプリングした後、60℃に加熱しその1時間後にもサンプリングし、GC分析した。いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
比較例3
1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール 194mg(1.0mmol)に、N,N−ジメチルアミノ−4−ピリジン 12mg(0.1mmol)を加え、THF 20mLで溶解し、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol),メタクリル酸無水物 0.18mL(1.2mmol)の順に加え、室温で反応開始した。1時間後と2時間後にサンプリングした後、60℃に加熱しその1時間後にもサンプリングし、GC分析した。いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
比較例4
比較例2において、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol)の代わりに、ピリジン 0.12mL(1.5mmol)を使用したこと以外は、比較例2と同様に実施したところ、いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのGCピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのGCピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
比較例5
比較例3において、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol)の代わりに、ピリジン 0.12mL(1.5mmol)を使用したこと以外は、比較例3と同様に実施したところ、いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのGCピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのGCピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
比較例6
1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール 984mg(5.1mmol)に、トルエン 20mLを加えて溶解し、メタクリル酸0.86mL(10.1mmol)の順に加え、加熱した。還流が始まったところで、濃硫酸1滴を加えた。30分後,1時間後,2時間後にサンプリングし、GC分析したところ、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールは全て、2−プロペニル−1−アダマンタンに転化し、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのピークは見られず、副反応のみ進行した。
実施例6
リチウム 4g(600mmol)にTHF 150gを加え、5℃以下に冷却した。ここに、2−アダマンタノン 30g(200mmol)/イソプロピルクロライド 31g(400mmol)/THF 300gで調整した溶液を、1時間かけて滴下し、その後、20℃以下を保持したまま、さらに1時間反応した。ここで、酢酸エチル 18g(204mmol)を添加し、20℃以下を保持したまま、さらに1時間反応した。引き続いて、メタクリル酸無水物 46g(300mmol)を30分かけて滴下し、その後、20℃以下を保持したまま、さらに1時間反応した。この時点(粗反応液)でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:0.7%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.9%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.4%
粗反応液は25℃以下を保持したまま、10質量%水酸化ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄の後、濃縮した。濃縮液はメタノールから晶析することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 42gを得た(単離収率:80%,GC純度:99.8%)。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例7
酢酸エチル 18gの代わりに、プロピオン酸メチル 20gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:0.8%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:2.0%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.2%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 43g(単離収率:82%,GC純度:99.5%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例8
酢酸エチル 18gの代わりに、安息香酸メチル 28gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:1.1%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.8%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.1%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 42g(単離収率:80%,GC純度:99.5%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例9
酢酸エチル 18gの代わりに、フェニル酢酸エチル 32gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:1.5%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.7%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:96.8%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 40g(単離収率:76%,GC純度:99.1%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例10
酢酸エチル 18gの代わりに、メタクリル酸メチル 20gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:0.9%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.6%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.5%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 44g(単離収率:84%,GC純度:99.5%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
比較例7
実施例6において、酢酸エチルを添加しない以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:1.1%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:6.8%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:92.1%
粗反応液の精製は実施例6と同様に行い、最終的に得られた目的物は29g(単離収率:55%,GC純度:99.0%)であった。
比較例8
比較例7において、メタクリル酸無水物 46gの代わりに、メタクリル酸クロライド 31gを使用したこと以外は、比較例7と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:9.4%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:8.5%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:82.1%
最終的に得られた目的物は24g(単離収率:46%,GC純度:98.8%)であった。
比較例9
2−イソプロピル−2−アダマンタノール 1312mg(5.0mmol)に、トルエン 20mLを加えて溶解し、メタクリル酸0.86mL(10.1mmol)を加え、加熱した。還流が始まったところで、濃硫酸1滴を加えた。30分後,1時間後,2時間後にサンプリングし、GC分析したところ、原料2−イソプロピル−2−アダマンタノールは全て、2−プロピリデンアダマンタンに転化し、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートのピークは見られず、副反応のみ進行した。
以上の結果から、実施例1〜10と比較例1〜9とを対比すると、本発明のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法は、目的物を高収率で得ることができることが分かる。また、蒸留した1−アダマンタンカルボン酸エステルを用いると、得られるアダマンチル(メタ)アクリレートに含まれる金属含有量を低減することができることが分かる。したがって、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを効率的に製造することが可能となる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2013141127
    (式中、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルと下記一般式(2)又は(3)
    1MgX1 (2)
    1Li (3)
    (式中、X1はハロゲン原子を示し、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    で表される有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させる、下記一般式(4)
    Figure 2013141127
    (式中、R3は水素原子又はメチル基である。R1は前記と同じである。)
    で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. 1−アダマンタンカルボン酸エステルが蒸留したものである、請求項1に記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  3. 下記一般式(5)
    Figure 2013141127
    で表される2−アダマンタノンと、下記一般式(6)又は(7)
    4MgX2 (6)
    4Li (7)
    (式中、R4は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜4のシアノアルキル基、X2はハロゲン原子を示す。)
    で表される有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させる、下記一般式(8)
    Figure 2013141127
    (式中、R5は水素原子又はメチル基である。R4は前記と同じである。)
    で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. カルボン酸エステル化合物が、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、フェニル酢酸エステル、安息香酸エステル、及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
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