JPWO2013141127A1 - アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、このような状況下でなされたもので、フォトレジスト用樹脂のモノマーとして好適なアダマンチル(メタ)アクリレートを高収率で効率的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、下記[1]〜[4]を提供するものである。
[1]下記一般式(1)
で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルと下記一般式(2)又は(3)
R1MgX1 (2)
R1Li (3)
(式中、X1はハロゲン原子を示し、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で表される有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させる、下記一般式(4)
で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
[2]1−アダマンタンカルボン酸エステルが蒸留したものである、前記[1]に記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
[3]下記一般式(5)
R4MgX2 (6)
R4Li (7)
(式中、R4は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜4のシアノアルキル基、X2はハロゲン原子を示す。)
で表される有機金属化合物との反応で得られた反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させる、下記一般式(8)
で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
[4]カルボン酸エステル化合物が、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、フェニル酢酸エステル、安息香酸エステル、及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
前記一般式(8)において、R4は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜4のシアノアルキル基である。R5は水素原子又はメチル基である。
R1及びR4における炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R4における炭素数2〜4のシアノアルキル基としては、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基等が挙げられる。
前記一般式(8)で表されるアダマンチル(メタ)アクリレートとしては、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明1のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法における反応式は、具体的に下記式で示される。
本発明1は、前記一般式(9)で示される反応中間体を含む反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させることを特徴とする。
前記反応混合物にカルボン酸エステル化合物を添加することにより、過剰の有機金属化合物を失活させることができるために、副生物である前記一般式(10)で示される1−アダマンチルアルキルアルコールの生成を抑え、目的物の選択率を向上させ、目的物を高収率で得ることができる。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルとしては、1−アダマンタンカルボン酸メチル、1−アダマンタンカルボン酸エチル、1−アダマンタンカルボン酸n−プロピル、1−アダマンタンカルボン酸イソプロピル等が挙げられ、反応性の観点から、1−アダマンタンカルボン酸メチルが好ましい。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルは、酸触媒存在下、アダマンチルカルボン酸とアルコールとの通常のエステル化反応により得ることができる。
前記一般式(1)で表される1−アダマンタンカルボン酸エステルは、その製造工程の設備やその製造原料である1−アダマンタンカルボン酸に由来する不純物を含有していることがある。したがって、前記1−アダマンタンカルボン酸エステルを有機金属化合物との反応に供する前に蒸留することにより、不純物として含まれる金属成分を除去することができる。その結果、得られるアダマンチル(メタ)アクリレートの金属不純物含有量を低減することができ、高純度のアダマンチル(メタ)アクリレートを得ることができる。
蒸留した1−アダマンタンカルボン酸エステルとしては、例えば、前記したエステル化反応により合成した生成物を蒸留により精製したもの、あるいは市販の1−アダマンタンカルボン酸エステルを蒸留により精製したもの等を用いることができる。
蒸留の方法としては、常圧蒸留でも減圧蒸留でもよいが、熱による分解等を防ぐ観点から、減圧蒸留が好ましい。減圧蒸留は、単蒸留、精留、分子蒸留等一般的な方法で行うことができる。蒸留温度は、蒸留する化合物の沸点にもよるが、通常20〜180℃、好ましくは30〜150℃である。蒸留圧力は、0.1〜10mmHg(0.013〜1.33kPa)が好ましく、0.2〜5mmHg(0.027〜0.667kPa)がより好ましい。蒸留の方式はバッチ式でも連続式でもよい。
R1MgX1 (2)
R1Li (3)
前記一般式(2)及び(3)において、X1はハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子である。R1は前記と同じである。
前記一般式(2)及び(3)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物(Grignard試薬など);メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウムなどの有機リチウム化合物等が挙げられる。このうち、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、メチルリチウム、及びエチルリチウムが好ましい。有機マグネシウム化合物はハロゲン化銅と組み合わせて用いることもできる。
有機金属化合物の使用量は、前記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル1モルに対して、通常2〜6モル、好ましくは2〜4モル、より好ましくは2〜3モルである。
カルボン酸エステル化合物の添加方法としては液体の場合、シリンジや送液ポンプなどで直接反応器に導入できる。固体の場合は、粉体または顆粒状態で直接反応器に添加できれば問題ないが、一般には反応溶媒で溶解させた後、液体と同様に送液する方法により添加することができる。
(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、前記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル1モルに対して、通常1〜5モル程度である。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜0.1MPaの範囲である。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。圧力が高すぎると、(メタ)アクリル基が重合してしまう可能性がある為に、0.1MPa付近の圧力で実施することが好ましい。
本発明1における反応時間は、1−アダマンタンカルボン酸エステルと金属有機化合物との反応、及び前記反応により得られる反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応において、それぞれ通常、1分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲である。
本発明2のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法における反応式は、具体的に下記式で示される。
本発明2は、前記一般式(11)で示される反応中間体を含む反応混合物に、カルボン酸エステル化合物を添加したのちに、(メタ)アクリル酸無水物を反応させることを特徴とする。
前記一般式(5)で表される2−アダマンタノンは、その製造工程の設備や製造原料等に由来する不純物を含有していることがある。したがって、前記2−アダマンタノンを有機金属化合物との反応に供する前に昇華精製することにより、不純物として含まれる金属成分を除去することができる。その結果、得られるアダマンチル(メタ)アクリレートの金属不純物の含有量を低減することができ、高純度のアダマンチル(メタ)アクリレートを得ることができる。
昇華精製する際の温度は、常圧である場合には200℃付近の高温を必要とする。減圧下である場合、通常20〜180℃、好ましくは30〜150℃である。圧力は、0.1〜100mmHg(0.013〜13.3kPa)が好ましく、5〜50mmHg(0.65〜6.5kPa)がより好ましい。例えば、2.7kPaの減圧条件であれば100℃付近で実施できる。
R4MgX2 (6)
R4Li (7)
前記一般式(6)及び(7)において、X2はハロゲン原子を示し、前記で述べたX1の具体例及び好適例と同じものが挙げられる。R4は前記と同じである。
前記一般式(6)及び(7)で表される有機金属化合物の具体例は、前記で述べた前記一般式(2)及び(3)で表される有機金属化合物と同じである。このうち、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド、メチルリチウム、エチルリチウム、及びイソプロピルリチウムが好ましい。
有機金属化合物の使用量は、前記一般式(5)で表される2−アダマンタノン1モルに対して、通常1〜3モル、好ましくは1〜2モル、より好ましくは1〜1.5モルである。
有機溶媒の具体例及び好適例は、本発明1で述べた説明と同じである。
(メタ)アクリル酸無水物の具体例は、本発明1で述べた説明と同じである。
(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、前記一般式(5)で表される2−アダマンタノン1モルに対して、通常1〜5モル程度である。
反応圧力については、通常、絶対圧力で0.01〜0.1MPaの範囲である。この範囲であれば、特別な耐圧の装置は必要ではなく、経済的である。圧力が高すぎると、(メタ)アクリル基が重合してしまう可能性がある為に、0.1MPa付近の圧力で実施することが好ましい。
本発明2における反応時間は、2−アダマンタノンと金属有機化合物との反応、及び前記反応により得られる反応中間体と(メタ)アクリル酸無水物との反応において、それぞれ通常、1分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲である。
本発明2における反応終了後の後処理の具体的様態は、本発明1に記載したものと同様である。
金属分析は、誘導結合プラズマ質量分析装置「ICP−MS 7500cs」(Agilent製)により分析を行った。
生成物の純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)によりを測定した。GC分析には、島津製作所製装置「GC−14A」を使用し、分析を行った。
1−アダマンタンカルボン酸50g(277mmol)に、メタノール,トルエン,硫酸を加え、66℃で3時間反応させた。この時点で、残存原料は1.5質量%であった。反応液を冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮した。この反応混合物を90〜92℃/3mmHgで蒸留し、目的の1−アダマンタンカルボン酸メチル50gを得た。得られた1−アダマンタンカルボン酸メチルの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.1ppm以下であった。
また、蒸留前の反応混合物の金属分析の結果、Al=3.5ppm,Ca=4.4ppm,Fe=20.5ppm,K=0.4ppm,Na132.2ppmが検出された。
製造例1で得た1−アダマンタンカルボン酸メチル40g(206mmol)に、トルエン40gを加え窒素置換し、冷媒で冷却した。10℃以下を保持したまま、メチルマグネシウムクロライドの2M テトラヒドロフラン(THF)溶液 247g(494mmol)を4.5時間かけて滴下し、その後、自然昇温させながら、15時間反応させた。ここで、酢酸エチル9g(102mmol)を添加し、室温で0.5時間反応させた。再び冷媒で冷却し、10℃以下を保持したまま、メタクリル酸無水物82.3g(534mmol)を3.3時間かけて滴下した。その後、自然昇温させながら、15時間反応させた。この時点(粗反応液)でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.3%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.6%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.1%
粗反応液は25℃以下を保持したまま、塩酸水溶液でマグネシウムを分解し、水層を分液した。続いて、10質量%水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄の後、濃縮した。濃縮液はメタノールから晶析することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 41gを得た(単離収率:76%,GC純度:99.7%)。
得られた1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 9gの代わりに、プロピオン酸メチル 10gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施したところ、粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.4%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.6%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.0%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 43gを得た(単離収率:80%,GC純度:99.4%)。
得られた1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 9gの代わりに、安息香酸メチル 14gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施したところ、粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.3%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.9%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:96.8%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 40gを得た(単離収率:74%,GC純度:99.8%)。
この1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 9gの代わりに、フェニル酢酸エチル 16gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.2%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.8%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.0%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 42gを得た(単離収率:78%,GC純度:99.8%)。
この1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 9gの代わりに、メタクリル酸メチル 10gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.1%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:1.3%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:97.6%
さらに実施例1と同様に精製することにより、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート 45gを得た(単離収率:83%,GC純度:99.9%)。
この1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例1において、酢酸エチルを添加しない以外は、実施例1と同様に行い、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートを得た。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=1−アダマンタンカルボン酸メチル:1.5%
副生物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール:7.3%
目的物=1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレート:91.2%
最終的に得られた目的物は27g(単離収率:50%,GC純度:98.3%)であった。
1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール 194mg(1.0mmol)に、THF 20mLを加えて溶解し、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol),メタクリル酸クロライド 0.12mL(1.2mmol)の順に加え、室温で反応開始した。1時間後と2時間後にサンプリングした後、60℃に加熱しその1時間後にもサンプリングし、GC分析した。いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール 194mg(1.0mmol)に、N,N−ジメチルアミノ−4−ピリジン 12mg(0.1mmol)を加え、THF 20mLで溶解し、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol),メタクリル酸無水物 0.18mL(1.2mmol)の順に加え、室温で反応開始した。1時間後と2時間後にサンプリングした後、60℃に加熱しその1時間後にもサンプリングし、GC分析した。いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
比較例2において、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol)の代わりに、ピリジン 0.12mL(1.5mmol)を使用したこと以外は、比較例2と同様に実施したところ、いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのGCピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのGCピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
比較例3において、トリエチルアミン 0.21mL(1.5mmol)の代わりに、ピリジン 0.12mL(1.5mmol)を使用したこと以外は、比較例3と同様に実施したところ、いずれのサンプリングでも、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールのGCピークのみで、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのGCピークは見られず、反応は全く進行しなかった。
1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノール 984mg(5.1mmol)に、トルエン 20mLを加えて溶解し、メタクリル酸0.86mL(10.1mmol)の順に加え、加熱した。還流が始まったところで、濃硫酸1滴を加えた。30分後,1時間後,2時間後にサンプリングし、GC分析したところ、原料1−(1−アダマンチル)−1−メチルエタノールは全て、2−プロペニル−1−アダマンタンに転化し、目的の1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル メタクリレートのピークは見られず、副反応のみ進行した。
リチウム 4g(600mmol)にTHF 150gを加え、5℃以下に冷却した。ここに、2−アダマンタノン 30g(200mmol)/イソプロピルクロライド 31g(400mmol)/THF 300gで調整した溶液を、1時間かけて滴下し、その後、20℃以下を保持したまま、さらに1時間反応した。ここで、酢酸エチル 18g(204mmol)を添加し、20℃以下を保持したまま、さらに1時間反応した。引き続いて、メタクリル酸無水物 46g(300mmol)を30分かけて滴下し、その後、20℃以下を保持したまま、さらに1時間反応した。この時点(粗反応液)でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:0.7%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.9%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.4%
粗反応液は25℃以下を保持したまま、10質量%水酸化ナトリウム水溶液,飽和食塩水で洗浄の後、濃縮した。濃縮液はメタノールから晶析することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 42gを得た(単離収率:80%,GC純度:99.8%)。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 18gの代わりに、プロピオン酸メチル 20gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:0.8%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:2.0%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.2%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 43g(単離収率:82%,GC純度:99.5%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 18gの代わりに、安息香酸メチル 28gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:1.1%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.8%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.1%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 42g(単離収率:80%,GC純度:99.5%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 18gの代わりに、フェニル酢酸エチル 32gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:1.5%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.7%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:96.8%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 40g(単離収率:76%,GC純度:99.1%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
酢酸エチル 18gの代わりに、メタクリル酸メチル 20gを使用したこと以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:0.9%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:1.6%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:97.5%
さらに実施例6と同様に精製することにより、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート 44g(単離収率:84%,GC純度:99.5%)を得た。
この2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートの金属分析の結果、Al,Ca,Fe,K,Naの検出量は、いずれも0.01ppm以下であった。
実施例6において、酢酸エチルを添加しない以外は、実施例6と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:1.1%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:6.8%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:92.1%
粗反応液の精製は実施例6と同様に行い、最終的に得られた目的物は29g(単離収率:55%,GC純度:99.0%)であった。
比較例7において、メタクリル酸無水物 46gの代わりに、メタクリル酸クロライド 31gを使用したこと以外は、比較例7と同様に実施した。粗反応液でのGC純度は次の通りであった。
残存原料=2−アダマンタノン:9.4%
副生物=2−イソプロピル−2−アダマンタノール:8.5%
目的物=2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレート:82.1%
最終的に得られた目的物は24g(単離収率:46%,GC純度:98.8%)であった。
2−イソプロピル−2−アダマンタノール 1312mg(5.0mmol)に、トルエン 20mLを加えて溶解し、メタクリル酸0.86mL(10.1mmol)を加え、加熱した。還流が始まったところで、濃硫酸1滴を加えた。30分後,1時間後,2時間後にサンプリングし、GC分析したところ、原料2−イソプロピル−2−アダマンタノールは全て、2−プロピリデンアダマンタンに転化し、目的の2−イソプロピル−2−アダマンチル メタクリレートのピークは見られず、副反応のみ進行した。
Claims (4)
- 1−アダマンタンカルボン酸エステルが蒸留したものである、請求項1に記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
- カルボン酸エステル化合物が、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、フェニル酢酸エステル、安息香酸エステル、及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のアダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法。
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