JPWO2013137290A1 - 化粧料組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、安定で使用時のべたつきが無く、しっとり感、すべすべ感に優れて、その効果が洗浄や汗によっても低減せず長時間継続する化粧料組成物を提供する。具体的には、本発明は、(i)ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、及び(ii)水又は低級アルコール水溶液を含み、前記ポリアルキレンオキシド変性物が0.3質量%以上含まれる、化粧料組成物を提供する。

Description

本発明は、化粧料組成物に関する。さらに詳しくはポリアルキレンオキシド変性物を含み、肌や毛髪に塗布、乾燥後の優れたすべり性が継続する化粧料組成物に関する。
近年、肌への刺激が少なく、使用感に優れべたつきが無くしっとり感、すべすべ感、さらさら感といった感触を訴求した化粧料が増えている。これまでに、このような感触の向上を図った化粧料として有機粉体とアルコールを含有した化粧料が提案されている(特許文献1)。
しかし、そのようにして得られた化粧料は長時間保管すると、有機粉体の沈降や凝集が生じるため、使用前に有機粉体を再分散させる必要があった。また、有機粉体の沈降防止のために、増粘剤を併用し分散状態を維持する方法も提案されている(特許文献2)。しかし、その方法では増粘剤が有機粉体の周囲を覆ってしまうため、さらさら感が減少するという問題があった。
また、使用する有機粉体は肌への刺激が少ない球形状の一般的な熱可塑性樹脂が用いられており、このような有機粉体は水とのなじみが少ないため、化粧料が塗布され乾燥した後に、有機粉体が皮膚からの汗等の水分を吸収することなく脱離しやすく、そのさらさらとした効果が長続きしない等の問題があった。
さらさらとした効果を継続させるために、含水しやすく、且つべたつかない粉末として、トウモロコシデンプンのような多孔質で吸水性の粉末を使用することも提案されている(特許文献3、4)。しかしながら、このような粉体であっても、塗布された粉体は塗布対象の肌や毛髪の表面上に乗った状態であるため、水洗浄した際には、粉体が剥がれ落ちてその効果が低減するという問題があった。また、有機粉体として特定の高吸水性樹脂を用いた化粧料も提案されている(特許文献5)。この場合、水の量を任意に変更して化粧料とするのであるが、使用される高吸水性樹脂の吸水能が高く、吸水した大きなゲルが皮膚、毛髪等の表面に付着してしまい、すべすべした感触が得られにくく、また、その耐久性にも問題があった。
また、特定のポリアルキレンオキシド変性物を化粧料として用いる整髪剤組成物も提案されている(特許文献6)。しかし、使用されているポリアルキレンオキシド変性物が汗等で流れ落ちて、その効果が長続きしないという問題があった。
特開平6−271419号公報 特開2005−171145号公報 特開平9−48721号公報 特開平9−48722号公報 特開平10−316531号公報 特開平8−283128号公報
本発明は、安定で使用時のべたつきが無く、しっとり感及びすべすべ感に優れて、その効果が洗浄や汗によっても低減せず長時間継続する化粧料組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリアルキレンオキシド変性物及び水又は低級アルコール水溶液を含んでなる組成物を、肌や毛髪等に塗布乾燥した場合、表面のすべりにくさの指標である平均摩擦係数(MIU)が小さく、表面のざらつき感の指標である平均摩擦係数の変動(MMD)が小さく、安定性に優れること(従って、べたつきが無くしっとり感及びすべすべ感が継続すること)を見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
(i)ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、及び
(ii)水又は低級アルコール水溶液
を含み、
前記ポリアルキレンオキシド変性物が0.3質量%以上(好ましくは0.3〜7.5質量%)含まれる、
化粧料組成物。
項2−1.
前記ポリアルキレンオキシド化合物が、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1に記載の化粧料組成物。
項2−2.
前記ポリアルキレンオキシド化合物が、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の化粧料組成物。
項3−1.
前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び1,9−ノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1〜2−2のいずれかに記載の化粧料組成物。
項3−2.
前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び1,9−ノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜2−2のいずれかに記載の化粧料組成物。
項4−1.
前記ジイソシアネート化合物が、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ−ト(HMDI)、3−イソシアナ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、及び2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1〜3−2のいずれかに記載の化粧料組成物。
項4−2.
前記ジイソシアネート化合物が、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ−ト(HMDI)、3−イソシアナ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、及び2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)からなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜3−2のいずれかに記載の化粧料組成物。
項5.
前記ポリアルキレンオキシド変性物の中位径が30〜150μmである項1〜4−2のいずれかに記載の化粧料組成物。
項6.
前記ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能力が10〜40g/gである、項1〜5のいずれかに記載の化粧料組成物。
項7.
前記ポリアルキレンオキシド変性物の水溶出分が10〜40質量%である、項1〜6のいずれかに記載の化粧料組成物。
項8.
項1〜7のいずれか1項記載の化粧料組成物を用いて得られる化粧品。
項9.
(i)ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、及び
(ii)水又は低級アルコール水溶液
を含み、
前記ポリアルキレンオキシド変性物が0.3質量%以上(好ましくは0.3〜7.5質量%)含まれる、組成物の
化粧料としての使用。
本発明の化粧料組成物は安定性、使用感に優れ、肌や毛髪等への塗布時のべたつきが無く、乾燥するとすべすべ感を有し、水洗浄後もその効果が安定に継続する。その特長を活かして、顔、手、首、毛髪、又はその他の全身の、洗浄、賦活、整肌、整髪、又は保護等を目的に使用される化粧料に好ましく利用できる。
摩擦係数のモニターの概要図を示す。10mm/secで左右に動く移動台の上に測定用サンプルをのせ、ピアノワイヤセンサーにより測定してることを示す。 摩擦係数のモニター結果から平均摩擦係数(MIU)を求める概略図を示す。 摩擦係数のモニター結果から平均摩擦係数の変動(MMD)を求める概略図を示す。 本発明のすべり性評価に用いた人工皮革の表面の拡大図を示す。白棒線は1000μmを示す。 本発明の化粧料組成物を塗布乾燥させた人工皮革の表面の拡大図を示す。白棒線は1000μmを示す。
本発明の化粧料組成物は、ポリアルキレンオキシド変性物、及び、水又は低級アルコール水溶液を含む。当該ポリアルキレンオキシド変性物は、ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応(重合)させて得られる化合物である。本発明の化粧料組成物は、当該ポリアルキレンオキシド変性物が水又は低級アルコール水溶液中に含まれてなる化粧料組成物を包含する。本発明の化粧料組成物は、例えば液状、ゲル状、クリーム状等であり得るが、液状化粧料組成物であることが好ましい。
本発明の化粧料組成物には、ポリアルキレンオキシド変性物は、0.3質量%以上含まれる。好ましくは0.3〜7.5質量%程度、より好ましくは0.4〜7.0質量%程度、さらに好ましくは0.4〜6.0質量%程度、よりさらに好ましくは0.5〜5.0質量%程度、特に好ましくは0.5〜4.0質量%程度含まれる。ポリアルキレンオキシド変性物の含有量が0.3質量%未満の場合、得られる化粧料組成物を用いた際に好ましい感触(特にすべすべ感)が得られなくなるおそれがある。なお、ここでのポリアルキレンオキシド変性物の含有量の単位「質量%」は「mass/mass %」である。
ポリアルキレンオキシド変性物は、吸水性である(つまり、吸水能を有する)ことが好ましい。ポリアルキレンオキシド変性物が吸水性ポリアルキレンオキシド変性物である場合、その吸水能は、好ましくは10〜40g/g、より好ましくは15〜35g/gである。吸水性ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能が10g/g以上であることで、塗布乾燥後のすべすべ感が好ましく得られうる。また、ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能が40g/g以下であることで、得られる化粧料の塗布後の耐久性がより向上する。なお、本発明において吸水能とは、1gのポリアルキレンオキシド変性物を秤量(A[g])した後、100mLのイオン交換水に、室温下(22℃)で、24時間浸漬してゲル化させ、200mesh(孔径:75μm)の金網にてゲルを濾過した後の、濾物(残渣)である当該ゲルの質量(B[g])を測り、次式により、算出される値(Aが1なので、つまるところ、B)である。
吸水能(g/g)=B/A=B/1=B
ポリアルキレンオキシド変性物の水溶出分は、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは15〜35%である。ポリアルキレンオキシド変性物の水溶出分が10質量%以上であることで、得られる化粧料の塗布乾燥後のすべすべ感がより良好になり得る。ポリアルキレンオキシド変性物の水溶出分が40質量%以下であることで、水洗浄時における持続性がより向上し得る。なお、本発明における水溶出分とは、上記吸水能測定後のゲルを、50℃の熱風乾燥機にて8時間乾燥させた後の質量を秤量し(C[g])、次式により求められる値である。
水溶出分(質量%)={(A−C)/A}×100=100(1−C)
前記ポリアルキレンオキシド化合物としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体等を例示できる。ポリアルキレンオキシド化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの「/」は各オキシドの共重合体であることを示すため用いた記号である。例えば、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体を表す。
特に制限はされないが、数平均分子量5000〜50000のポリアルキレンオキシド化合物が好ましく、数平均分子量10000〜30000のポリアルキレンオキシド化合物がより好ましい。数平均分子量が5000以上であると、得られる化粧料組成物を塗布乾燥した後のすべすべ感がより向上しえる。また、数平均分子量が50000以下であると、得られる化粧料組成物の耐久性がより向上しえる。
なお、ここでの数平均分子量の値は、次の記載の測定方法により求められる値である。数平均分子量測定方法:ポリアルキレンオキシド変性物の濃度が1質量%のジメチルホルムアミド溶液を調整し、高速液体クロマトグラフを用いて測定する。そして、分子量が既知の分子量マーカー(ポリエチレンオキシド)を同一条件で測定し、較正曲線を作成して、数平均分子量(Mn)を算出する。なお測定条件は以下の通りである。
測定機:HLC−8220(東ソー株式会社製)
カラム:東ソー株式会社製 TSK GEL Multipore HXL−M
カラム温度:40℃
溶出液:ジメチルホルムアミド
流速:0.6ml/min
また、エチレンオキシド基を90質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物が好ましく、エチレンオキシド基を95質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物がより好ましい。エチレンオキシド基が90質量%以上であると、得られる化粧料組成物の塗布乾燥後のべたつき感が、好ましく抑制され得る。
前記ジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び1,9−ノナンジオール等が例示できる。これらのジオール化合物の中でも、得られるポリアルキレンオキシド変性物を用いた化粧料組成物が肌、毛髪等へのなじみが良くなるという観点から、エチレングリコール及び/又は1,4−ブタンジオールが好適に用いられる。これらのジオール化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記ジオール化合物の使用割合は、前記ポリアルキレンオキシド化合物1モルに対して、好ましくは0.8〜2.5モル、より好ましくは1.0〜2.0モルである。なお、ポリアルキレンオキシド化合物のモル数は、その質量を数平均分子量で除することにより求めることができる。
前記ジイソシアネート化合物としては、同一分子内にイソシアネート基(−NCO)を2個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ−ト(HMDI)、3−イソシアナ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、及び2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物の中でも、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ−ト(HMDI)および1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好適に用いられる。これらのジイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物のそれぞれの使用割合は、ポリアルキレンオキシド化合物の末端水酸基およびジオール化合物の水酸基の合計モル数に対する、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル数の比[R値=(−NCO基/−OH基)]が、好ましくは0.7〜1.2程度、より好ましくは0.8〜1.05程度である。R値が0.7以上であると、得られるポリアルキレンオキシド変性物を含む化粧料組成物の耐久性がより向上しえる。また、R値が1.2以下であると、得られるポリアルキレンオキシド変性物の吸水能が高まり、当該ポリアルキレンオキシド変性物を含む化粧料組成物のすべすべ感がより向上しえる。
ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させる方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、これらをトルエン、キシレン、又はジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解あるいは分散させて反応させる方法;粉末状または固体状のこれらを均一に混合した後、所定の温度に加熱して反応させる方法;等が挙げられる。工業的実施の見地からは、各原料を溶融状態で連続的に供給し多軸押出機中で混合して反応させる方法が好ましい。この場合、前記反応の温度としては、70〜210℃であることが好ましい。
また、ポリアルキレンオキシド変性物を製造する際、反応を促進させる観点から、反応系内に、触媒を添加してもよい。例えば、触媒として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ、トリエチレンジアミン等を適当量添加することができる。
このような方法により、ポリアルキレンオキシド変性物を得ることができる。このような方法によれば、ポリアルキレンオキシド変性物は、通常、例えばペレット、シート、又はフィルム等の形態で得られる。これらを粉砕機等により粉砕してから、本発明の化粧料組成物に用いることが好ましい。粉砕方法は、特に限定されないが、粉砕時の剪断発熱による融着を防ぐために冷凍粉砕することが好ましい。例えば液体窒素を用いて冷凍粉砕することができる。
粉砕されたポリアルキレンオキシド変性物の粒子の中位径(メディアン径又は50%粒子径ともいう)は、好ましくは30〜150μm、より好ましくは50〜100μmである。つまり、ポリアルキレンオキシド変性物は、好ましくは当該範囲の中位径を有する粉体として、本発明の化粧料組成物に好適に用いられる。中位径が30μm以上である場合、耐久性がより向上しえる。また、中位径が150μm以下である場合、塗布時の抵抗が大きくなりにくく、より好ましくすべすべ感を奏しえる。なお、本発明において中位径とは、乾式篩分け法(JIS Z8815)により求められる中位径をいう。具体的には、ポリアルキレンオキシド変性物50gを秤量し、これをJIS標準篩(JIS Z8801)を使用して篩分けした後に篩毎に秤量して求められる中位径をいう。
前記低級アルコール水溶液としては、低級アルコールと水の混合溶液が挙げられる。低級アルコールの含有割合は特に制限されないが、例えば0〜95質量%(より具体的には例えば5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90質量%)含有するものが例示できる。本発明の化粧料組成物に低級アルコールを用いない場合(すなわち、水を用いる場合)は、皮膚・毛髪等への塗布時の乾燥速度が若干遅くなるが、刺激性が少なくなる利点がある。一方、本発明の化粧料組成物に低級アルコール水溶液を用いる場合は、特に低級アルコール水溶液中に低級アルコールが50質量%以上含まれると、得られる化粧料組成物の乾燥速度がより早くなる傾向があり、この点では好ましい。
低級アルコールとしては、炭素数1〜6のアルキルアルコールやベンジルアルコールが例示でき、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等の一価のアルコールが挙げられる。安全性と揮発性に優れる点から、エタノール、プロパノール、イソプロパノールがより好ましい。低級アルコールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の化粧料組成物を製造する方法としては、前記ポリアルキレンオキシド変性物(粉体)を所定量の水もしくは低級アルコール水溶液に室温下で混合し、分散(及び、ポリアルキレンオキシド変性物が吸水性ポリアルキレンオキシド変性物である場合は吸液)させて製造する方法が挙げられる。また、加熱することでポリアルキレンオキシド変性物が溶解するので、より透明な化粧料組成物を得ることができる。混合方法としては、公知の方法を採用すればよく、特に限定されない。たとえば、プロペラミキサー、ハイスピードミキサー、ホモジナイザー等を用いて混合することができる。
本発明の効果を損なわない限り、本発明の化粧料組成物は、その他の成分を含ませることもできる。その他の成分としては、通常化粧品に用いられる成分を用いることができる。例えばグリセリン、グリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を加えることができる。これらは、特に保湿剤として本発明の化粧料組成物を用いる場合に好適である。また、アルミニウムヒドロキシクロリド、タンニン酸、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等、着色剤、界面活性剤(アニオン性、ノニオン性、両性またはカチオン性)、その他香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、植物抽出エキス等を加えることができる。これらは、特に制汗剤として本発明の化粧料組成物を用いる場合に好適である。
本発明の化粧料組成物は、そのまま化粧料として用いてもよいし、さらに通常化粧品に用いることが許容される担体等を組み合わせて、化粧料(化粧品)として用いてもよい。化粧品としては、具体的には、スキンケア化粧品、メークアップ化粧品、ヘアケア化粧品、ボディケア化粧品、フレグランス化粧品等が例示できる。特に制限されないが、化粧品のより具体的な形態としては、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、乳液、化粧水、液状化粧料、パック、洗顔フォーム、シャンプー、リンス、ヘアーセット剤、エモリエントクリーム等を例示することができる。これらの化粧品の製造は、常法に従って行うことができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
[評価方法]
下記製造例に記載のポリアルキレンオキシド変性物およびポリアクリル酸塩架橋物について、(1)吸水能、(2)水溶出分、及び(3)中位径を次の方法に従って測定した。また、下記実施例に用いた化粧料について、その塗布時の(4)すべり性、及び(5)安定性を、次の方法に従って測定した。
(1)吸水能
ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能については、以下の方法により測定した。
1gのポリアルキレンオキシド変性物を秤量(A[g])した後、200mL容のビーカーに計りとった100mLのイオン交換水に、室温下(22℃)で、24時間浸漬してゲル化させた。その後、200mesh(孔径:75μm)の金網にてゲルをろ過し、その質量(B[g])を測り、次式により、吸水能を算出した。
吸水能(g/g)=B/A=B
(2)水溶出分
上記吸水能測定後のゲルを、50℃の熱風乾燥機にて8時間乾燥させた後の質量を秤量し(C[g])、次式により水溶出分を求めた。
水溶出分(質量%)={(A−C)/A}×100=100(1−C)
(3)中位径
乾式篩分け法(JIS Z8815)により中位径を求めた。具体的には、得られたサンプル50gを秤量し、これをJIS標準篩(JIS Z8801)を使用して篩分けした後に篩毎に秤量し、その結果に基づいて積算質量が50%になる中位径を求めた。
(4)すべり性
実施例および比較例により得られた化粧料を、2cm(W)×5cm(L)に切断した人工皮革(出光テクノファイン製 サプラーレ)の上に0.1mL滴下して、指の腹にて全体に塗りこんだ後、乾燥させた。その後、摩擦感テスター(カトーテック株式会社製、型式:KES−SE)を用いて、以下の試験条件下、摩擦係数μをモニターした。そして、平均摩擦係数(MIU)、及び、平均摩擦係数の変動(MMD)を求めた。
<摩擦感テスター条件>
センサー:10mm角ピアノワイヤー
荷重 :50[g]
速度 :10[mm/秒]
摩擦係数のモニターの概要図を図1に示す。
(i)平均摩擦係数(MIU)
平均摩擦係数は、表面をこする時に感じるすべりにくさ(逆にいえばすべりやすさ)と相関性がある。この値が大きくなるほどすべりにくくなる。
摩擦係数μのモニター結果から平均摩擦係数(MIU)を求める概略図を、図2に示す。
図2に示すように、測定サンプルの表面をスキャンして、表面の摩擦係数μをモニターする。次に、20mmのモニター幅において、摩擦係数μについて積分する(図2の斜線部分)。積分値をモニター幅(20mm)で除することによって、平均摩擦係数(MIU)を求める。
MIUの値が0.3以下のとき、滑り性が良好といえる。人工皮革そのもののMIUを測定したところ、0.37であった。
(ii)平均摩擦係数の変動(MMD)
平均摩擦係数は、表面をこする時に感じるざらつき感(逆にいえばなめらかさ)と相関性がある。この値が大きいほど表面がざらざらしている。
摩擦係数のモニター結果から平均摩擦係数の変動(MMD)を求める概略図を、図3に示す。
図3に示すように、20mmのモニター幅において、平均摩擦係数(MIU)と摩擦係数μとの差異の絶対値について積分する(図3の斜線部分)。積分値をモニター幅(20mm)で除することによって、平均摩擦係数の変動(MMD)を求める。当該求め方から明らかなように、MMDはMIUのばらつき加減を示す指標ということができる。よって、MMDは表面のなめらかさを示す指標といえるのである。
特にMMDの値が0.015以下のとき、表面のなめらかさが良好といえる。なお、人工皮革そのもののMMDを測定したところ、0.02であった。
さらに、すべり性に関し、下記条件で流水下実験(耐久性試験)も行った。
(iii)流水下実験(耐久性試験)
0.1mLの化粧料を塗りこんだ人工皮革を、「水平面に対して30度傾けて、100mL/分の速度にて直下に流れ落ちる水道水の下に2分間置いた後に、ペーパータオルにて表面の水を拭き取り、シートを50℃に設定したオーブンに1時間入れて乾燥する」という操作を5回繰り返した後、上記と同様の条件にて、摩擦係数をモニターし、平均摩擦係数(MIU)、及び、平均摩擦係数の変動(MMD)を求めた。
(5)安定性
実施例及び比較例で作製した化粧料100gを硬質ガラス製サンプルビンに充填し、建屋2階屋上の暴露台の南面に設置して10日間晴天下で日光に暴露させ、暴露前後の粘度を下記条件で測定した。
<粘度測定条件>
使用機器:B型粘度計(芝浦セムテック株式会社製 VDH2)
測定温度:25℃
ロータ:No.6
回転数:20rpm
以下製造例について記載する。製造例において、R値は(−NCO基のモル数/−OH基のモル数)を示す。また、押出機に関して、L/Dはスクリューの有効長(L)とスクリュー直径(D)との比を示す。
製造例1:ポリアルキレンオキシド変性物の製造
80℃に保温された攪拌機を備えた貯蔵タンクAに、十分に脱水した数平均分子量20000のポリエチレンオキシド100質量部、1,4−ブタンジオール0.9質量部およびジオクチルスズジラウレート0.1質量部の割合で投入し、窒素ガス雰囲気下で攪拌して均一な混合物とした。これとは別に、30℃に保温された貯蔵タンクBにジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを投入し、窒素ガス雰囲気下で貯蔵した。
定量ポンプを用いて、貯蔵タンクAの混合物を500g/分の速度にて、貯蔵タンクBのジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを19.4g/分の速度にて、110〜140℃に設定した2軸押出機に連続的に供給し(R値=1.00)、押出機中で混合して反応を行い、押出機出口からストランドを出し、ペレタイザーによりペレット化して、ポリアルキレンオキシド変性物を得た。
得られたポリアルキレンオキシド変性物の吸水能は25g/g、水溶出分は19質量%であった。得られたペレットを液体窒素に浸漬した後に、中位径が60μmになるように粉砕して粉体にした。
製造例2:ポリアルキレンオキシド変性物の製造
数平均分子量15000のエチレンオキシド/プロピレンオキシド(質量比:90/10)共重合体を250g/分の速度にて、また、40℃に加熱したエチレングリコールを2.1g/分の速度にて、それぞれ40mmφ単軸押出機(L/D=40、設定温度:90℃)に供給して両者を溶融混合した。なお、φはスクリューの直径を意味する。
吐出口から得られる混合物(均一な溶融状態で吐出されており、HPLCにて分析して仕込み比で混合されていることを確認した)を、30mmφの2軸押出機(L/D=41.5)のホッパー口(設定温度:80℃)へ連続的に供給した。同時に2軸押出機のホッパー口にはジオクチルスズジラウレートを0.5g/分の速度にて供給した。
さらに、前記2軸押出機のホッパー口の下流側に位置するスクリューバレル部に、30℃に調整したジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートをも12.4g/分の速度にて供給し(R値=0.95)、窒素雰囲気下で連続的に反応させた(設定温度:180℃)。2軸押出機出口から得られるストランドを冷却後、ペレタイザーによりペレット化してポリアルキレンオキシド変性物を得た。
得られたポリアルキレンオキシド変性物の吸水能は20g/g、水溶出分は15質量%であった。得られたペレットを液体窒素に浸漬した後に、中位径100μmになるように粉砕して粉体にした。
製造例3:アクリル酸塩系水溶性ポリマーの製造
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管ならびに撹拌機および撹拌羽根を備えた1000ml容の5つロ円筒型丸底フラスコを準備した。このフラスコに、n−ヘプタン340gを入れ、HLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、リョートーシュガーエステルS−370)0.92gおよび無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社製、ハイワックス1105A)0.92gを添加し、撹拌しながら80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、55℃まで冷却した。
一方、500ml容の三角フラスコに、80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)を入れ、外部より冷却しながら、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液54.5g(0.41モル)を滴下して40モル%の中和を行った後、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩の2.0質量%水溶液1.15g、次亜リン酸ナトリウム1水和物の1.0質量%水溶液0.92g、およびイオン交換水60gを加えて溶解し、単量体水溶液を調製した。
この単量体水溶液の全量を、前記円筒型丸底フラスコに添加した。フラスコを60℃の水浴に浸漬して58℃まで昇温し、系内を窒素置換して重合反応を行った。30分後にピーク温度79℃に達し、そこから0.5時間、60℃の水浴に浸漬させた状態を保持し、反応を継続させた。0.5時間後の内液温度は59℃であった。得られた重合スラリー液を30℃まで冷却してサンプリングし、HPLCにより残存モノマー量を求めて、重合率を算出した。重合率は、96モル%であった。
重合終了後、125℃の油浴で重合スラリー液を昇温し、n−ヘプタンと水との共沸蒸留により、n−ヘプタンを還流しながら106gの水を系外へ除去した。さらに、系内のn−ヘプタンを蒸留により除去して、乾燥させることにより、アクリル酸塩系水溶性ポリマー86.1gを得た。得られたアクリル酸塩系ポリマーの中位径が50μmになるように分級した。得られたアクリル酸塩系ポリマーは水溶性であり、吸水性は示さなかった。すなわち、当該ポリマーはアクリル酸塩系水溶性ポリマーであった。
製造例4:アクリル酸塩系吸水性ポリマーの製造
攪拌機、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた1L容の四つ口円筒型丸底フラスコにn−ヘプタン550mLを加えた。これにHLBが13.1のヘキサグリセリルモノベヘレート(界面活性剤;日本油脂株式会社製のノニオンGV−106)を1.38g添加して分散させ、50℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後30℃まで冷却した。
一方、500mL容の三角フラスコを別に用意し、これに80質量%のアクリル酸水溶液92gを加えた。これを外部から冷却しつつ、20.1質量%の水酸化ナトリウム水溶液152.6gを滴下して75モル%の中和を行い、その後、過硫酸カリウム0.11gと、架橋剤としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.019gとを、さらに加えて溶解させた。これによりアクリル酸部分中和物水溶液が得られた。
次に、前記アクリル酸部分中和物水溶液の全量を前記四つ口円筒型丸底フラスコに加えて分散させ、系内を窒素で置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して3時間かけて重合反応を行った。
重合反応終了後、得られたアクリル酸塩系吸水性ポリマーを含むスラリーを、120℃で2時間乾燥してアクリル酸塩系吸水性ポリマー191.2gを得た。
得られたアクリル酸塩系吸水性ポリマーを分級して中位径が100μmになるように調整した。また、当該アクリル酸塩系吸水性ポリマーの吸水能は550[g/g]であった。
実施例1
製造例1で得たポリアルキレンオキシド変性物の粉体を常温にて3質量%になるように、水中に分散させ化粧料組成物とした。
実施例2
製造例1で得たポリアルキレンオキシド変性物の粉体を20℃にて3質量%になるように、90質量%エタノール水溶液に分散させ化粧料組成物とした。
実施例3
製造例2で得たポリアルキレンオキシド変性物の粉体を常温にて0.5質量%になるように、65質量%イソプロパノール水溶液に分散させ化粧料組成物とした。
実施例4
製造例2で得たポリアルキレンオキシド変性物の粉体を20℃にて1.5質量%になるように、80質量%プロパノール水溶液に分散させ化粧料組成物とした。
比較例1
製造例1で得たポリアルキレンオキシド変性物の粉体を20℃にて0.1質量%になるように、水中に分散させ化粧料組成物とした。
比較例2
製造例3で得られたアクリル酸塩系水溶性ポリマーを20℃にて3質量%になるように、90質量%エタノール水溶液に分散させ化粧料組成物とした。
比較例3
製造例4で得られたアクリル酸塩系吸水性ポリマーを20℃にて3質量%になるように、水中に分散させ化粧料組成物とした。
以上の実施例1〜4及び比較例1〜3について、各性能を評価した結果を表1に示す。なお、ここでのポリアルキレンオキシド変性物の含有量の単位「質量%」は「mass/mass %」である。また、検討に用いた人工皮革そのものの表面の拡大写真(×100倍)を図4aに示す。さらに、当該人工皮革表面に実施例2の化粧料組成物を塗りこんだ後、乾燥させた際の拡大写真(×100倍)を図4bに示す。図4bから、人工皮革の表面の溝が当該化粧料組成物により埋まり、なめらかになっていることが見てとれる。
Figure 2013137290
表1に示された結果から明らかなように、ポリアルキレンオキシド変性物を0.3質量%以上含む化粧料組成物であれば、塗布後のべたつきも無く良好なすべり性を有する表面状態が得られる。つまり、これら化粧料組成物を用いることで、良好なさらさら感、すべすべ感を得ることができる。また、当該良好なすべり性は、水洗浄後も安定して継続し得る。

Claims (8)

  1. (i)ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、及び
    (ii)水又は低級アルコール水溶液
    を含み、
    前記ポリアルキレンオキシド変性物が0.3質量%以上含まれる、
    化粧料組成物。
  2. 前記ポリアルキレンオキシド化合物が、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の化粧料組成物。
  3. 前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び1,9−ノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
  4. 前記ジイソシアネート化合物が、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ−ト(HMDI)、3−イソシアナ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、及び2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料組成物。
  5. 前記ポリアルキレンオキシド変性物の中位径が30〜150μmである請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料組成物。
  6. 前記ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能力が10〜40g/gである、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料組成物。
  7. 前記ポリアルキレンオキシド変性物の水溶出分が10〜40質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の化粧料組成物を用いて得られる化粧品。
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