JP2002226328A - 毛髪処理剤および毛髪処理方法 - Google Patents

毛髪処理剤および毛髪処理方法

Info

Publication number
JP2002226328A
JP2002226328A JP2001023444A JP2001023444A JP2002226328A JP 2002226328 A JP2002226328 A JP 2002226328A JP 2001023444 A JP2001023444 A JP 2001023444A JP 2001023444 A JP2001023444 A JP 2001023444A JP 2002226328 A JP2002226328 A JP 2002226328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
resin
resins
acid
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001023444A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Tomioka
冨岡正哉
Toshihiko Kano
金生敏彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001023444A priority Critical patent/JP2002226328A/ja
Publication of JP2002226328A publication Critical patent/JP2002226328A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない毛髪の自然な感じを損なうことの
ない毛髪処理剤を提供する。 【解決手段】 平均粒子径が1〜500μm、かつWa
dellの実用球形度が0.7〜1である合成樹脂微粒
子(A)、および皮膜形成性樹脂(B)からなる毛髪処
理剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は毛髪処理剤に関す
る。さらに詳しくは毛髪染毛剤、髪質改質剤および整髪
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、好みの色への染毛、マット感の発
現、セット性の発現等の目的で用いる毛髪処理剤として
は、(メタ)アクリル系樹脂もしくはポリウレタン系樹
脂などに必要により顔料などを配合した処理剤が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
毛髪処理剤では、処理後の風合いが悪く自然な感じが損
なわれる、マット感が少ない、べたつき感があるなどの
問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、従来にない毛髪の自然
な感じを損なうことのない毛髪処理剤を見出し、本発明
に到達した。すなわち本発明は、平均粒子径が1〜50
0μm、かつWadellの実用球形度が0.7〜1で
ある合成樹脂微粒子(A)、および皮膜形成性樹脂
(B)からなる毛髪処理剤、並びに該毛髪処理剤を用い
た毛髪処理方法である。
【0005】本発明における微粒子(A)の平均粒子径
は、通常1〜500μmであり、毛髪表面の平滑感、な
めらかさ、マット感の観点から、好ましくは1.2〜5
0μm、更に好ましくは1.5〜30μm、特に好まし
くは2〜20μmである。なお、平均粒子径は光散乱法
で測定される数平均粒子径である。また、(A)は、通
常はビーズ状である。(A)のWadellの実用球形
度は、通常0.7〜1、好ましくは0.8〜1、さらに
好ましくは0.9〜1である。Wadellの実用球形
度が0.7未満であると、毛髪表面の自然感が損なわれ
易い。本発明においては、全微粒子個々の実用球形度が
上記の範囲にある必要はなく、平均値として上記範囲内
であればよい。Wadellの実用球形度とは、(粒子
の投影面積に等しい円の直径)÷(粒子の投影像に外接
する最小面積の円の直径)で表される値であり、粒子を
電子顕微鏡観察し画像処理することで測定できる。
【0006】また、(A)は毛髪処理剤中で溶解せずに
微粒子状を保つことが出来るものであり、毛髪処理剤中
で不溶なものである。この場合、「不溶」とは、微粒子
を5重量%含有する毛髪処理剤を30℃で10日間静置
後、濾過した残査を130℃で90分乾燥し、乾燥した
微粒子の重量が静置前に比べて98%以上であることを
いう。また、(A)の熱軟化点は通常50〜250℃
か、またはこの温度範囲で溶融しない。
【0007】(A)を構成する合成樹脂の組成は、皮膜
形成性樹脂(B)にも分散媒(水および/または親水性
有機溶媒)にも溶解しないものであれば特に限定され
ず、例えば、重付加系樹脂、ビニル重合系樹脂、縮合系
樹脂および開環重合系樹脂などが使用できる。
【0008】上記の重付加系樹脂としてはポリウレタン
樹脂などが挙げられ、ビニル重合系樹脂としては、(メ
タ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、酢酸ビニル系樹脂および(メタ)アクリルアミ
ド系樹脂などが挙げられる。また、縮合系樹脂として
は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコー
ン系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂、フェノール
樹脂、メラミン樹脂および尿素樹脂などが挙げられ、開
環重合系樹脂としては、ポリエーテル系樹脂、ポリアセ
タール系樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられる。
【0009】これらのうちで好ましいものは、ポリウレ
タン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテル樹脂およびエポキ
シ樹脂である。さらに好ましいものは、処理後の毛髪に
ソフト感を与える点でポリウレタン樹脂およびポリエス
テル樹脂であり、処理後の毛髪にマット感を与える点で
(メタ)アクリル系樹脂である。
【0010】ポリウレタン樹脂は、通常、ポリイソシア
ネート(a1)と活性水素含有化合物を重付加反応して
得られる樹脂である。
【0011】(a1)には、ジイソシアネートおよび3
官能またはそれ以上の多官能イソシアネートが含まれ;
例えば、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)
6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18
の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜15の脂環式
ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリ
イソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変
性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート
基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン
基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物
など)およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
【0012】上記芳香族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えば1,3−および/または1,4−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−および/または2,6
−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、
2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナ
トビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソ
シアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジイソシアナトジフェニルメタン、 粗製MDI[粗製
ジアミノジフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族
アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;
ジアミノジフェニルメタンと少量の(例えば5〜20重
量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲ
ン化物;ポリアリールポリイソシアネート]、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソ
シアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられ
る。
【0013】上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプ
ロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2
−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサ
ノエートが挙げられる。
【0014】上記脂環式ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス
(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または
2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
【0015】上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体
例としては、例えばm−および/またはp−キシリレン
ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル
キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0016】また、上記ポリイソシアネートの変性物と
しては、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイ
ミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性
MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HD
I、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変
性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこ
れらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン
変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との
併用]が含まれる。
【0017】これらのうちで好ましいものは経日変化に
よる変色が少ないという点で良好な脂肪族および脂環式
ポリイソシアネート、特に、HDI、IPDI、水添M
DIである。
【0018】活性水素含有化合物には、低分子多官能活
性水素含有化合物(a2)および高分子ポリオール(a
3)が含まれる。
【0019】(a2)には、低分子ポリオール(a2
1)および低分子ポリアミン(a22)が含まれる。
【0020】(a21)としては、OH当量[水酸基当
たりの数平均分子量(GPC測定による。以下同様)]
が300未満(好ましくは30〜250)の2〜10価
またはそれ以上(好ましくは2〜3価)のポリオールが
使用できる。(a21)の具体例としては、2価アルコ
ール、例えば脂肪族ジオール[直鎖ジオール(エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を
有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2
−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)な
ど]、および環状基を有するジオール[たとえば特公昭
45−1474号公報記載のもの;1,4−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリ
レングリコール、2価フェノール[ビスフェノールAな
どの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(アルキレン基
の炭素数2〜4)など];3価〜10価またはそれ以上
の多価アルコール、例えばアルカンポリオール(グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトールなど、およびそれらの分子間もしくは
分子内脱水物[ジペンタエリスリトール、ポリグリセリ
ン(重合度2〜8)、ソルビタンなど]、糖類およびそ
の誘導体(配糖体)(蔗糖、メチルグルコシドなど);
およびこれらのアルキレンオキサイド[以下AOと略
記。炭素数2〜10またはそれ以上、例えば後述の(a
32)の製造において挙げるもの]低モル付加物;並び
にこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのう
ち好ましいものは脂肪族ジオールであり、さらに好まし
いものは1,4−ブタンジオールおよびネオペンチルグ
リコールである。
【0021】(a22)には、アミン当量(活性水素原
子含有アミノ基当たりの数平均分子量)が300未満
(好ましくは30〜250)のジアミンおよび3官能ま
たはそれ以上の多官能アミンが含まれ;(a1)に相当
する[(a1)のイソシアネート基がアミノ基に置き換
わった]ポリアミンが含まれる。具体的には、ジアミ
ン、例えば脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミンなど]、脂環式ジアミン[4,4’−
ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロ
ヘキシル、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ンなど]、芳香族ジアミン[ジエチルトルエンジアミン
など]、芳香脂肪族ジアミン[キシリレンジアミン、
α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン
等]、複素環ジアミン(ピペリジンなど);3〜6価ま
たはそれ以上の多官能アミン、例えばポリアルキレン
(炭素数2〜6)ポリアミン(ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミンなど)、ポリフェニルメタンポ
リアミン(ホルムアルデヒドとアニリンとの縮合生成物
など);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは脂環式ジアミンおよび
脂肪族ジアミンであり、特に好ましいものはイソホロン
ジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。
【0022】高分子ポリオール(a3)としては、OH
当量[水酸基当たりの数平均分子量]が300以上(好
ましくは300〜10,000)の2〜4価またはそれ
以上(好ましくは2〜3価)のポリオールが使用でき
る。(a3)には、ポリエステルポリオール(a3
1)、ポリエーテルポリオール(a32)、およびこれ
ら2種以上の混合物が含まれる。
【0023】(a31)としては、例えば、縮合系ポリ
エステルポリオール(a311)(ポリオールとポリカ
ルボン酸類との重縮合によるもの)、ポリラクトンポリ
オール(a312)(ポリオールを開始剤としてラクト
ンモノマーを開環重合したもの)、ポリカーボネートポ
リオール(a313)[ポリオールとアルキレン(炭素
数2〜4)カーボネート(エチレンカーボネートなど)
との反応、ホスゲン化またはジフェニルカーボネートと
のエステル交換によるもの];およびこれらの2種以上
の混合物が挙げられる。
【0024】(a311)、(a312)および(a3
13)におけるポリオールとしては低分子ポリオール
[例えば、前述の(a21)]および/またはポリエー
テルポリオール[例えば(a32)]の1種以上が使用
できる。
【0025】(a311)におけるポリカルボン酸類に
はポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体が含
まれる。具体例としては、脂肪族ポリカルボン酸[官能
基数2〜6、炭素数3〜30のポリカルボン酸、例えば
コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル
酸など]、芳香族ポリカルボン酸[官能基数2〜6、炭
素数8〜30のポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、テトラブロムフタル酸、テト
ラクロルフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸な
ど];これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級
アルキル(炭素数1〜4)エステル(ジメチルエステ
ル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライ
ド等)など:例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、テ
レフタル酸ジメチルなど];およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。これらの内で好ましいのは、脂肪
族ポリカルボン酸である。
【0026】(a312)におけるラクトンモノマーと
しては、炭素数3〜17(好ましくは4〜12)のラク
トン、例えばγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクト
ン、γ−バレロラクトンおよびこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。
【0027】(a32)には、2個以上の活性水素原子
を有する化合物にAOが付加した構造のものが含まれ
る。
【0028】活性水素原子を有する化合物としては、低
分子ポリオール[例えば前記(a21)];2価のフェ
ノール類[例えばビスフェノール類(ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)、単環
フェノール類(カテコール、ハイドロキノンなど)];
アミン類[1級モノアミン例えばアルキルもしくはアル
ケニルアミン(炭素数1〜20)、アニリン、アルカノ
ールアミン(ヒドロキシルアルキル基の炭素数2〜4)
(後述の停止剤に挙げるものなど)、ポリアミン例えば
前記(a22)、複素環ポリアミン例えばピペラジン、
アミノアルキル(炭素数2〜4)ピペラジン(アミノエ
チルピペラジンなど)]などが挙げられる。
【0029】AOとしては、エチレンオキサイド(以下
EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下POと略
す)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブ
チレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜1
0またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピク
ロルヒドリンおよびこれらの2種以上の組み合わせ(ブ
ロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。
【0030】これらのうち好ましいものは、低分子ポリ
オール(特に脂肪族ジオール)にAO(特にPO)が付
加したものである。
【0031】この場合の(a3)のOH当量は、風合い
の観点から、好ましくは300〜10,000、さらに
好ましくは500〜5,000、特に好ましくは1,0
00〜3,000である。
【0032】ポリウレタン樹脂の製造は、通常の方法で
行うことができ、活性水素含有化合物と(a1)を全て
一括して反応させる方法(ワンショット法)、およびこ
れらの反応成分の一部を予め反応させてイソシアネート
基もしくは水酸基末端ウレタンプレポリマー(a)を経
由して多段反応させる方法(プレポリマー法)などが挙
げられる。好ましいのはプレポリマー法、特にイソシア
ネート基末端ウレタンプレポリマー(a)と(a2)
(伸長剤および/または架橋剤)および/または停止剤
を反応させる方法である。
【0033】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ー(a)は、好ましくは(a1)と(a3)および必要
により(a2)との反応により形成される。その際の
(a1)と(a2)および(a3)の当量比は、(a
1)1当量に対し、(a2)は通常0〜0.2当量、好
ましくは0.05〜0.10当量、(a3)は通常0.
1〜0.6当量、好ましくは0.2〜0.5当量であ
る。また、(a)のイソシアネート基含量は通常0.5
〜10重量%、好ましくは1.5〜6重量%である。
【0034】伸長剤としては、前述の(a21)で挙げ
たジオール、(a22)で挙げたジアミン、それらのケ
チミン化合物、例えば上記アミンと炭素数3〜8のケト
ン類[アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン(以下MIBKと略記)など]とのケチミン、
および水が挙げられる。好ましくはケチミン化合物であ
る。
【0035】架橋剤としては、(a21)で挙げた多価
アルコール、および(a22)で挙げた多官能アミン
(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンな
ど)が挙げられる。
【0036】停止剤としては、炭素数2〜4のヒドロキ
シアルキル基を1個もしくは2個有するモノアミン、及
びヒドロキシル基を有しない脂肪族系モノアミンが挙げ
られる。
【0037】ヒドロキシアルキル基を1個もしくは2個
有するモノアミンとしては、モノアルカノールアミン
[モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン
等];ジアルカノールアミン[ジエタノールアミン、ジ
プロパノールアミン等]およびこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。これらのうち好ましいものはジアルカ
ノールアミンであり、特に好ましいものはジエタノール
アミンおよびジプロパノールアミンである。[場合によ
り、アミノ基に対してイソシアネート基が過剰当量に存
在する場合は、ヒドロキシル基もイソシアネート基との
反応に関与して、伸長剤および架橋剤として作用す
る。]
【0038】ヒドロキシル基を有しない脂肪族系モノア
ミンとしては、脂環式モノアミン[(モノ−およびジ−
シクロアルキル(炭素数5〜18)アミン、例えばシク
ロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等]、脂肪族
モノアミン[モノ−およびジ−アルキルもしくはアルケ
ニル(炭素数1〜20)アミン、例えばメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチ
ルアミン、2−エチルへキシルアミン、ノニルアミン、
オレイルアミン、N−メチルブチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン等]およびこれらの2種以上の混
合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはヒドロ
キシル基を有しない脂肪族モノアミンであり、特に好ま
しいものはブチルアミン、オクチルアミン、2−エチル
へキシルアミン、ジブチルアミンである。
【0039】ウレタンプレポリマー(a)に対する伸長
剤、停止剤および架橋剤の仕込み比率は、所定の数平均
分子量のポリウレタン樹脂を形成する範囲で適宜選択さ
れる。例えば、(a)のイソシアネート基1当量に対す
る伸長剤の当量比は、好ましくは0.05〜1.5当
量、さらに好ましくは0.1〜1.2当量である。ま
た、停止剤の当量比は、通常0〜0.4当量、好ましく
は0.05〜0.3当量であり、架橋剤の当量比は、通
常0〜0.4当量、好ましくは0.02〜0.2当量で
ある。また、(a)のイソシアネート基1当量に対す
る、伸長剤+停止剤+架橋剤の合計の当量比は好ましく
は0.1〜2.3当量、さらに好ましくは0.27〜
1.7当量である。
【0040】ポリウレタン樹脂の数平均分子量は通常1
0,000以上、好ましくは15,000〜1,00
0,000である。また、ポリウレタン樹脂の末端基は
通常水酸基もしくはアミノ基であり、イソシアネート基
ではない。
【0041】合成樹脂を微粒子状(ビーズ状)で得る方
法としては、(1)樹脂の生成反応工程中に微粒子を形
成させて樹脂の分散体を得る方法、(2)樹脂溶液から
樹脂を沈殿させる方法、(3)樹脂を粉砕する方法など
が挙げられる。
【0042】(A)がポリウレタン樹脂微粒子の場合
の、その微粒子の製造方法としては、 分散剤を含有した水中で、ポリウレタン樹脂の水分散
体を形成させ、該水分散体から微粒子(A)を分離乾燥
して粉体を得る方法(例えば特開平07−133423
号および特開平08−120041号各公報に記載の方
法)。 ポリウレタン樹脂を溶解しない有機溶剤(n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなど)中でポリウレ
タン樹脂の非水分散体を形成させ、該非水分散体から微
粒子(A)を分離乾燥して粉体を得る方法(例えば特開
平04−255755号公報に記載の方法)。 ブロック状またはペレット状のポリウレタン樹脂を冷
凍粉砕法、氷結粉砕法等の方法で粉砕し、粉体(A)を
得る方法、などが挙げられる。これらのうちでは、多量
の有機溶剤を使用せずしかも所望の形状・粒径の粉体が
容易に得られる点での方法が好ましい。
【0043】の方法には、分散剤存在下、水系媒体中
で、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)
と、伸長剤および必要により停止剤、架橋剤を反応させ
ることにより樹脂微粒子を得る方法が含まれる。
【0044】例えば、 −1;(a)と伸長剤を、分散剤を含有する水中で分
散機で分散させる製造法、 −2;(a)と伸長剤と停止剤を、分散剤を含有する
水中で分散機で分散させる製造法、−3;(a)を、
分散剤と伸長剤および必要により停止剤を含有する水中
で分散機で分散させる製造法などが挙げられる。
【0045】使用される分散剤としてはアニオン性、カ
チオン性、ノニオン性および両性の界面活性剤、高分子
型分散剤、およびこれらの併用が挙げられる。
【0046】アニオン性界面活性剤としては、炭素数8
〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸または
その塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜
24の炭化水素基を有する硫酸エステルもしくはエーテ
ル硫酸エステルまたはそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリ
ウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)
ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重
合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミ
ン、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ヤ
シ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウムな
ど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸
塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、炭素
数8〜24の炭化水素基を1個もしくは2個有するスル
ホコハク酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有するリ
ン酸エステルもしくはエーテルリン酸エステルまたはそ
れらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシ
エチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン
酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有す
る脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエ
タノールアミン等]および炭素数8〜24の炭化水素基
を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウ
リンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、
ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤ
シ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールア
ミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナト
リウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム
等]等が挙げられる。
【0047】ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族ア
ルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭
素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、多価(2
価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数
8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モ
ノラウリン酸ソルビタン等]、脂肪酸(炭素数8〜2
4)アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタ
ノールアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド
等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合
度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニル
エーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、
重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミ
ンおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素
数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオ
キシド等]等が挙げられる。
【0048】カチオン性界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪
酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、ア
ミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳
酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩
等]等が挙げられる。
【0049】両性界面活性剤としては、ベタイン型両性
界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミ
ノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロ
キシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロ
キシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキ
シエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピル
リン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β
−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げら
れる。
【0050】高分子型分散剤としては、ポリビニルアル
コール、デンプンおよびその誘導体、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ
などのカルボキシル基含有(共)重合体、並びに特開平
07−133423号公報および特開平08−1200
41号公報に記載のウレタン結合もしくはエステル結合
を有する高分子型分散剤など[例えば、ポリカプロラク
トンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシア
ネートで連結させたものなど]が使用できる。これらの
高分子型分散剤の数平均分子量は通常3,000〜1,
000,000、好ましくは5,000〜100,00
0である。
【0051】これらの分散剤のうちで好ましいものは、
高分子型分散剤およびノニオン性界面活性剤であり、さ
らに好ましいものは上記公報に記載のウレタン結合もし
くはエステル結合を有する高分子型分散剤である。
【0052】分散剤の使用量は、樹脂の固形分に対して
通常0.1〜5%(以下、特に断りのない限り%は重量
%を表す)、好ましくは0.2〜4%である。また、分
散剤は、水の重量に対し好ましくは0.01〜5%、さ
らに好ましくは0.1〜3%である。0.01〜5%で
あれば好ましい平均粒径の樹脂微粒子が得られ易い。ま
た、(a)の重量に対する、分散剤と水からなる分散剤
溶液の使用量は、好ましくは50〜1,000%、さら
に好ましくは100〜1,000%である。50〜1,
000%であれば(a)の分散状態が良好になりやす
く、好ましい平均粒径の樹脂微粒子が得られ易い。必要
により(a)を低粘度化するために40〜100℃に加
温してもよい。また、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢
酸ブチルなど)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチ
ルケトン、MIBKなど)、塩素系溶剤(ジクロルメタ
ン、ジクロルエタン、トリクロルエタンなど)および/
または芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)などを
(a)に対して50重量%以下添加してもよい。
【0053】分散剤を含有する水中への(a)の分散の
方法としては、好ましくは、高速せん断式、摩擦式、高
圧ジェット式、超音波式等の公知の分散機が使用でき
る。これらのうちさらに好ましい方式は高速せん断式で
ある。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は、
好ましくは1,000〜30,000rpm、さらに好
ましくは2,000〜10,000rpmである。分散
時間は、好ましくは0.1〜5分である。回転数や分散
時間がこれらの範囲内であれば好ましい平均粒径の樹脂
微粒子が得られ易い。
【0054】(a)と、伸長剤および停止剤との反応時
間は特に限定はなく、それらの反応性および反応温度な
どに応じて適宜採択される。例えば、反応温度が30℃
の場合は、通常1時間〜40時間、好ましくは5時間〜
20時間である。本発明の製法において、反応温度は通
常0〜80℃、好ましくは20〜60℃である。
【0055】この分散体をフィルタープレス、スパクラ
ーフィルター、遠心分離機等の公知の設備を使用して濾
過または分離し、得られた微粒子を乾燥することにより
ポリウレタン樹脂微粒子が得られる。得られた微粒子を
乾燥するには、循風乾燥機、スプレードライヤー、流動
層式乾燥機等の公知の設備を用いて行うことができる。
【0056】(A)としては、市販のポリウレタン系樹
脂微粒子(大日本インキ化学工業社製バーノックCFB
300Bなど)を使用してもよい。
【0057】本発明の微粒子(A)のうちのビニル重合
系樹脂としては、以下のビニル系単量体(d1)〜(d
4)の1種または2種以上から構成される(共)重合
体、およびさらに架橋されたこれらの(共)重合体
[(d1)〜(d4)の1種以上と(d5)との共重合
体]が挙げられる。
【0058】(d1)ノニオン性ビニル単量体 (d11)アミド基含有ビニル単量体;例えば、非置換
もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)ア
クリルアミド、[(メタ)アクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、N
−n−およびi−ブチル(メタ)アクリルアミドな
ど];ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリ
ルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
n−ブチル(メタ)アクリルアミド];N−ビニルカル
ボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルア
セトアミド、N−ビニル−n−およびi−プロピオニル
アミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]。
【0059】(d12)ヒドロキシル基含有ビニル単量
体;例えば、ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体
[p−ヒドロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル
(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなど]、モノ−または
ジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)
アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルアルコール
(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素
数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1
−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4
〜12のアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、
2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオー
ルなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケ
ニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチ
ルプロペニルエーテルなど]。
【0060】(d13)ポリオキシアルキレン鎖含有ビ
ニル単量体;例えば、ポリオキシアルキレングリコール
(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、も
しくはポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価
のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキ
ル基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、またはそ
れらのアルキル(炭素数1〜6)エーテルの(メタ)ア
クリレート[ポリエチレングリコール(分子量100〜
300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコール(分子量130〜500)モノ(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(分子量11
0〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコー
ルエチレンオキシド付加物(2〜30モル)(メタ)ア
クリレート、モノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレ
ン(分子量150〜230)ソルビタン等]。
【0061】(d14)エポキシ基含有ビニル単量体;
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アリルエーテル等。
【0062】(d15)ハロゲン含有ビニル単量体;例
えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化
(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノおよびジク
ロルスチレンなど)等。
【0063】(d16)ビニルエステル、ビニルエーテ
ル、ビニルケトン類;例えば、炭素数2〜12の飽和脂
肪酸のビニルエステル[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、オクタン酸ビニルなど]、炭素数1〜
12のアルキル、アリールもしくはアルコキシアルキル
のビニルエーテル[メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニル
ビニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、
ビニル2−ブトキシエチルエーテルなど]、および炭素
数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン
[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニル
ビニルケトンなど]。
【0064】(d17)不飽和カルボン酸のエステル;
例えば、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、
クロトン酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロ
アルキルもしくはアラルキルエステルが挙げられ、この
うち炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキル(メ
タ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロ
ピル(メタ)アクリレート、n−、i−およびt−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エ
イコシル(メタ)アクリレートなど、および不飽和ジカ
ルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]
の炭素数1〜8のアルキルジエステル[ジメチルマレエ
ート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート、ジオ
クチルマレエートなど]。
【0065】(d18)脂肪族炭化水素系ビニル単量
体;オレフィン系単量体、例えば、炭素数2〜20のア
ルケン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレ
ン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、
ドデセン、オクタデセンなど]、および炭素数4〜12
のアルカジエン[ブタジエン、イソプレン、1,4−ペ
ンタジエン、1,6ヘプタジエン、1,7−オクタジエ
ンなど]。 (d19)脂環式炭化水素系ビニル単量体;炭素数6〜
20のもの、例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペ
ンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシク
ロヘキセン、およびエチリデンビシクロヘプテンなど。 (d110)芳香族炭化水素系ビニル単量体;炭素数8
〜20のスチレン系単量体[スチレンおよびその誘導
体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,
4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソ
プロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニル
スチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジル
スチレン、4−クロチルベンゼン]、ならびにナフタレ
ン系単量体例えば2−ビニルナフタレンなど。 (d111)ニトリル基またはニトロ基含有ビニル単量
体;例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレ
ン、および4−ニトロスチレンなど。
【0066】(d2)アニオン性ビニル単量体; (d21)カルボキシル基含有ビニル単量体;モノカル
ボン酸基含有ビニル単量体、例えば、不飽和モノカルボ
ン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸
のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸
モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステ
ル、イタコン酸モノアルキルエステルなど];ジカルボ
ン酸基含有ビニル単量体、例えば、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸など。
【0067】(d22)スルホン酸基含有ビニル単量体 例えば、炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルス
ルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数6
〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチルス
チレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)ア
クリルエステル系単量体[スルホプロピル(メタ)アク
リレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスル
ホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミ
ド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸など]、スルホン酸基と水酸基を含
有するビニル単量体[3−(メタ)アクリルアミド−2
−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2
−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸な
ど]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク
酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エステルな
ど]。
【0068】(d23)硫酸エステル基含有ビニル単量
体 例えば、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチ
レン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロッ
クでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステ
ル、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレ
ン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロック
でもよい)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレート
の硫酸エステルなど。
【0069】(d24)燐酸基含有ビニル単量体 例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数
2〜6)燐酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキ
シエチルホスフェートなど]、(メタ)アクリロイルオ
キシアルカン(炭素数2〜4)ホスホン酸[2−アクリ
ロイルオキシエタンホスホン酸など]。
【0070】(d25)これらのアニオン性ビニル単量
体の1価金属(例えば、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属)塩、2価金属(例えば、カルシウム、マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛など)塩、アミン
[例えば、モノ−、ジ−もしくはトリ−のアルキル(炭
素数1〜8)アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミンなど)、モノ−、ジ−もしくはト
リ−のアルカノール(炭素数1〜8)アミン(モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミンなど)、複素環アミン(ピリジン、モルホリン
など)]塩、およびアンモニウム塩。
【0071】(d3)カチオン性ビニル単量体
【0072】(d31)1〜3級アミノ基含有ビニル単
量体;1級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、炭素数
3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン、ク
ロチルアミンなど]、アミノアルキル(炭素数2〜6)
(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレ
ートなど]、2級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、
アルキル(炭素数1〜6)アミノアルキル(炭素数2〜
6)(メタ)アクリレート[t−ブチルアミノエチルメ
タクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トなど]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ
(メタ)アリルアミンなど]、3級アミノ基含有ビニル
単量体、例えば、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノア
ルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートなど、ジアルキル(炭素数
1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アク
リルアミド[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドな
ど]、3級アミノ基含有芳香族ビニル系単量体[N,N
−ジメチルアミノスチレンなど]、含窒素複素環含有ビ
ニル系単量体[モルホリノエチル(メタ)アクリレー
ト、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビ
ニルピロール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオ
ピロリドンなど]、およびこれらの塩酸塩、硫酸塩、燐
酸塩、低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸塩
(例えば、酢酸、プロピオン酸など)。
【0073】(d32)第4級アンモニウム塩基含有ビ
ニル単量体;例えば、前述の(c1)に記載した3級ア
ミノ基含有ビニル単量体を、4級化剤(炭素数1から1
2のアルキルクロライド、ジアルキル硫酸、ジアルキル
カーボネート、およびベンジルクロライド等)を用いて
4級化したものなどが挙げられる。具体的には、アルキ
ル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩として
は、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオ
キシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチル
メチルモルホリノアンモニウムクロライドなど;アルキ
ル(メタ)アクリルアミド系第4級アンモニウム塩とし
ては、例えば、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイル
アミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メ
タ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライドなど;その他の第4級アンモニウム塩
基含有ビニル系単量体としては、例えば、ジメチルジア
リルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニ
ルフェニルアンモニウムクロライドなど。
【0074】(d4)両性ビニル単量体
【0075】(d41)N−(メタ)アクリロイルオキ
シ(もしくはアミノ)アルキル(炭素数1〜10)N,
N−ジアルキル(炭素数1〜5)アンモニウム−N−ア
ルキル(炭素数1〜5)カルボキシレート(もしくはサ
ルフェート);例えば、N−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカル
ボキシレート、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピ
ルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカルボキシ
レート、およびN−(メタ)アクリロイルオキシエチル
N,N−ジメチルアンモニウムプロピルサルフェートな
ど、が挙げられる。なお、本発明においては、前記アニ
オン性ビニル単量体とカチオン性ビニル単量体を単量体
成分の一部に含む共重合体についても、両性ビニル単量
体を含む本発明の(共)重合体の範囲に含まれる。
【0076】(d5)架橋性単量体 (d51)ジビニル系単量体[ジビニルスチレンな
ど]、多価(3〜8価)アルコール(アルカンポリオー
ル、その分子内もしくは分子間脱水物、糖類、例えばグ
リセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソル
ビタン、ジグリセリン、蔗糖)のモノおよびポリアルケ
ニル(炭素数3〜10)エーテル[蔗糖(メタ)アリル
エーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、
テトラアリルオキシエタンなど]、これらの多価アルコ
ールのモノおよびポリ(メタ)アクリレート[多官能
(メタ)アクリレート、例えばエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリもし
くはテトラ(メタ)アクリレートなど]、並びに多官能
(メタ)アクリルアミド[メチレンビスアクリルアミド
など]。
【0077】これらのビニル単量体から構成されるビニ
ル重合系樹脂のうち、好ましいものは、ノニオン性単量
体の単独重合体、およびノニオン性単量体とアニオン
性、カチオン性もしくは両性単量体との共重合体であ
る。共重合体の場合のノニオン性単量体に対するイオン
単量体の共重合比率は、好ましくは30重量%以下、さ
らに好ましくは0.1〜10重量%である。
【0078】また、架橋された共重合体の場合、単量体
合計重量に対する(d5)の共重合比率は、好ましくは
10重量%以下、さらに好ましくは0.1〜8重量%で
ある。10重量%以下であれば樹脂微粒子が硬くなりす
ぎず風合いが良い傾向になる。
【0079】共重合体の場合、水不溶性ビニル単量体
(水への25℃での溶解度が10%未満のもの)[例え
ば(d14)、(d15)、(d16)、(d18)、
(d19)、(d110)および(d111)など]に
対する、水溶性ビニル単量体(水への25℃での溶解度
が10%以上のもの)[例えば(d11)、(d21)
の不飽和モノもしくはジカルボン酸、および(d22)
のアルケンスルホン酸など]の共重合比率は、好ましく
は30%以下、さらに好ましくは0.1〜10%であ
る。30%以下であれば、樹脂微粒子が毛髪処理剤中で
溶解しにくいためビーズ状を保ち易い傾向になる。
【0080】ビニル重合系樹脂のうちで好ましいもの
は、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂として
は、(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸、
その誘導体(エステル、アミド、ニトリルなど)]の
(共)重合体および(メタ)アクリル系単量体30%以
上(特に50%以上)と他の単量体との共重合体、スチ
レン系樹脂としてはスチレン系単量体の(共)重合体お
よびスチレン30%以上(特に50%以上)と他の単量
体との共重合体、ポリオレフィン系樹脂としてはオレフ
ィン系単量体の(共)重合体およびオレフィン30%以
上(特に50%以上)と他の単量体との共重合体が挙げ
られる。具体例としては、例えば、メチル(メタ)アク
リレート/アクリル酸共重合体(70〜99.9/30
〜0.1重量比)、エチル(メタ)アクリレート/メタ
アクリル酸共重合体(70〜99.9/30〜0.1重
量比)、ブチル(メタ)アクリレート/スチレン/(メ
タ)アクリル酸共重合体(30〜70/30〜70/
0.1〜10重量比)、ポリスチレン、スチレン/ブタ
ジエン/(メタ)アクリル酸共重合体(30〜70/3
0〜70/0.1〜10重量比)、ABS樹脂(10〜
60/5〜60/10〜80重量比)、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエンなどが挙げられる。
【0081】ビニル重合系樹脂の数平均分子量は通常1
0,000以上、好ましくは15,000以上であり、
非架橋タイプの場合は通常10,000〜5,000,
000、好ましくは15,000〜1,000,000
である。ただし、単量体として(d5)を使用した場合
は数平均分子量は測定困難であるが、前述のように熱軟
化点は通常50〜250℃である。
【0082】(A)がビニル重合系樹脂微粒子の場合
の、その製造方法は、前記(1)のように樹脂の生成反
応工程中に微粒子を形成させる方法が好ましく、例え
ば、 :水中で分散剤(上述の界面活性剤、高分子型分散剤
等)の存在下に、上記のビニル単量体および油溶性ラジ
カル重合開始剤(アゾビスブチロニトリル、アゾビスバ
レロニトリル等)の液滴を形成させながらラジカル重合
を行う懸濁重合法、 :水中で乳化剤(上述の界面活性剤等)および水溶性
ラジカル重合開始剤(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナト
リウムなど)の存在下に、上記のビニル単量体の液滴を
形成させながらラジカル重合を行う乳化重合法、 :上記の水に代えてビニル単量体が溶解しない有機溶
剤(シクロヘキサン等)を使用した非水系懸濁重合法
(例えば特開平3−200976号公報)、 :ビニル単量体、油溶性ラジカル開始剤、水不溶の有
機溶剤(トルエン等)の混合物を分散剤存在下の水中で
分散させ、ラジカル重合させる分散重合法、 :懸濁重合法によって得られた微細粒子を溶剤及びラ
ジカル重合性ビニル単量体にて膨潤させ、その膨潤した
粒子内でさらに重合させるシード重合法(例えば特開昭
58−106554号公報)等が挙げられる。
【0083】ビニル重合系樹脂の微粒子としては、市販
のものを使用してもよい。例えばスチレン系(花王社製
PB−200Hなど)、ポリエチレン系(住友精化社製
フロービーズLE−1080など)、アクリル系(積水
化成品工業社製テクポリマーMBなど)が挙げられる。
【0084】本発明おける微粒子(A)がポリエステル
樹脂の場合、ポリカルボン酸類とポリオールとの重縮合
物、カルボキシル基と水酸基を同一分子内にもつ化合物
またはその無水物の重縮合物などがあげられる。ポリカ
ルボン酸類としては、前述の(a311)に記載のもの
が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、脂肪族
ポリカルボン酸類(特にコハク酸、マレイン酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸)および芳香族ポリカ
ルボン酸類(特にフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチルなど)であ
る。これらのポリカルボン酸類は1種または2種以上の
混合物として使用することができる。また、ポリエステ
ル化反応工程中で架橋させる場合は、3官能以上のポリ
カルボン酸類(例えばトリメリット酸、ピロメリット酸
など)を併用することができる。
【0085】ポリオールとしては、低分子ポリオールお
よび/またはポリエーテルポリオールが使用できる。低
分子ポリオールとしては、前述の(a2)が挙げられ
る。好ましいものは2価アルコール、例えば脂肪族ジオ
ール(特にエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ルなど)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAの
(ポリ)オキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭
素数2〜4)などである。
【0086】ポリエーテルポリオールとしては、前述の
(a32)が挙げられる。好ましいものは低分子ポリオ
ール(特に脂肪族ジオール)にAO(特にPO)が付加
したものである。
【0087】これらのポリエーテルポリオールの数平均
分子量は好ましくは1,000〜20,000である。
また、これらの低分子およびポリエーテルポリオール
は、1種または2種以上の混合物で使用することができ
る。
【0088】ポリエステル化反応工程中で架橋させる場
合は、3官能以上のポリオール[例えば、前述の(a2
1)で記載したもののうち3〜10価の多価アルコール
など)を併用すればよい。
【0089】カルボキシル基と水酸基を同一分子内にも
つ化合物またはその無水物としては、前述の(a31
2)が挙げられる。好ましいものはγ−ブチロラクト
ン、ε−カプロラクトン、およびこれらの混合物が挙げ
られる。
【0090】また、ポリカルボン酸類および/またはポ
リオールとして3官能以上のものを使用する場合は、ポ
リカルボン酸類とポリオールの合計重量に対して通常
0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%
である。
【0091】ポリエステル樹脂の重縮合時の温度は通常
100〜300℃、好ましくは130〜220℃であ
る。重合中の雰囲気は窒素などの不活性ガスの存在下で
行うことが望ましい。重合時のポリカルボン酸類とポリ
オール類の当量比はカルボン酸/水酸基の当量比で、好
ましくは1/0.7〜1/1.1である。重縮合後の酸
価は好ましくは10以下である。
【0092】本発明の微粒子(A)がポリアミド樹脂の
場合、ポリカルボン酸類とポリアミンの重縮合物、カル
ボキシル基とアミノ基を同一分子内にもつ化合物または
その無水物の重縮合物などがあげられる。ポリカルボン
酸類としては、前述の(a311)で記載されたポリカ
ルボン酸類が挙げられる。これらのうちで好ましいの
は、脂肪族ポリカルボン酸類(特に、マレイン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸)および芳香族ポリカルボン酸類
(特にフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル
など)である。これらのポリカルボン酸類は1種または
2種以上の混合物として使用することができる。ポリア
ミンとしては、前述の(a22)に記載のものが挙げら
れる。これらのうち好ましいものは、脂肪族ジアミン
(ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン
など)、芳香脂肪族族ジアミン(キシリレンジアミン、
など)である。これらのポリアミンは、1種または2種
以上の混合物で使用することができる。カルボン酸基と
アミノ基を同一分子内にもつ化合物またはその無水物の
具体例としては、ε−アミノウンデカン酸などの炭素数
2〜30のアミノ酸類、ラウリルラクタム、エナントラ
クタム、ε−カプロラクタムなどの炭素数4〜10のラ
クタム類などがあげられる。
【0093】ポリアミド化反応工程中で架橋させる場合
は、3官能以上のポリカルボン酸類(例えばトリメリッ
ト酸、ピロメリット酸など)を併用することができる。
【0094】ポリアミド化反応工程中で架橋させる場合
は、3官能以上のポリアミン[例えば、前述の(a2
2)で記載したもののうち3〜6価またはそれ以上の多
官能アミン]を併用すればよい。
【0095】また、ポリカルボン酸類および/またはポ
リアミンとして3官能以上のものを使用する場合は、ポ
リカルボン酸類とポリアミンの合計重量に対して通常
0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%
である。
【0096】微粒子(A)を構成するポリアミド樹脂
は、上記のポリカルボン酸類とポリアミン類を重縮合す
ることで得ることができる。重縮合時の温度は通常12
0〜300℃、好ましくは150〜220℃である。重
合中の雰囲気は窒素などの不活性ガスの存在下で行うこ
とが望ましい。重合時のポリカルボン酸類とポリアミン
類の当量比はアミン/水酸基の当量比で、好ましくは1
/0.7〜1/1.1である。縮合重合後のアミン価は
好ましくは10以下である。
【0097】シリコーン樹脂としては、例えば、アミノ
変性シリコーン樹脂[側鎖または末端にアミノ基をアミ
ノ当量として600〜80,000当量含むものな
ど]、カルボキシル変性シリコーン樹脂[側鎖または末
端にカルボキシル当量で750〜35,000当量含む
もの]、アミド変性シリコーン樹脂[上記アミノ変性シ
リコーン樹脂をさらにカルボン酸類で変性させたも
の]、およびポリエーテル変性シリコーン樹脂[側鎖ま
たは末端に5〜80重量%のポリエーテル鎖を含むも
の]などがあげられる。その他、市販のシリコーン系樹
脂(東レ社製トレフィルE−850など)を使用しても
よい。
【0098】(A)を構成する樹脂がポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂またはシリコーン樹脂の場合、数平
均分子量50,000〜5,000,000の樹脂が好
ましい。
【0099】これらのポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、シリコーン系樹脂の微粒子の作製法としては前
述の(2)の製造法、即ち、上記有機溶剤溶液に貧溶剤
(シクロヘキサン、石油エーテル等)を徐々に混合し、
不溶化した微粒子を沈殿させる方法、および樹脂の有機
溶剤(トルエン、エチレングリコール等)溶液を温度差
(例えば高温の有機溶剤溶液を徐々に冷却する)を利用
して微粒子を沈殿させる方法などが挙げられる。
【0100】(A)を構成する樹脂がポリカーボネート
系樹脂の場合、例えばビスフェノールA/ジフェニルカ
ーボネートのエステル交換法により得られるもの、ビス
フェノールA/塩化メチレンの界面重合法により得られ
るものなどが挙げられる。
【0101】(A)を構成する樹脂がフェノール樹脂の
場合、フェノール類(フェノール、クレゾール、カテコ
ールなど)のホルマリン縮合物(ノボラック型またはレ
ゾール型:核体数4〜18またはそれ以上)が挙げられ
る。また、市販のフェノール樹脂系微粒子(鐘紡社製ベ
ルパールR−900など)を使用してもよい。
【0102】(A)を構成する樹脂がメラミン樹脂また
は尿素樹脂の場合、メラミンまたは尿素のホルマリン縮
合物(トリメチロールメラミン、メチロール尿素などの
初期縮合物)をアルカリ触媒で硬化させたものなどが挙
げられる。また、市販品のメラミン系樹脂微粒子(ホー
ネンコーポレーション社製ホーネンミクロスフィアMB
−903等)なども挙げられる。(A)を構成する樹脂
がポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、メラミン
樹脂または尿素樹脂の場合、それらの熱軟化点は通常5
0℃以上である。またその製造方法としては、好ましく
は前述の(2)または(3)の方法である。
【0103】(A)を構成する樹脂が、開環重合系樹脂
の場合、ポリエーテル系樹脂(ポリオキシアルキレンポ
リオールなど)、およびエポキシ樹脂などが挙げられ
る。
【0104】ポリオキシアルキレンポリオールとして
は、前述の活性水素原子含有多官能化合物にAOが付加
した構造の化合物およびこれらの2種以上の混合物が挙
げられ、具体的には前述のポリウレタン樹脂の項で挙げ
た高分子ポリオールのうちのポリエーテルポリオール
で、数平均分子量が20,000を越えるものが挙げら
れる。
【0105】また、ポリオキシアルキレンポリオールに
は、さらに末端の水酸基のうちの1個以上が変性された
構造のものも含まれる。例えば、エーテル化物[アルキ
ル(炭素数1〜18)エーテル化物、アリルエーテル化
物、グリシジルエーテル化物など]、エステル化物
[(炭素数1〜12)の脂肪族カルボン酸類によるエス
テル化物]などが挙げられる。
【0106】ポリオキシアルキレンポリオールの当量
(水酸基もしくはその変性基当りの分子量)は、通常1
0,000〜500,000、好ましくは25,000
〜300,000である。また、該ポリオキシアルキレ
ンポリオールの官能基数は、好ましくは2〜8、さらに
好ましくは2〜5である。
【0107】エポキシ樹脂には芳香族系、複素環系、脂
環族系および脂肪族系のポリエポキシド(エポキシ基の
数は2〜4、エポキシ当量は70〜4,000eq/
g)の重合物および硬化物があげられる。
【0108】芳香族系ポリエポキシドとしては、多価フ
ェノールのグリシジルエーテル体およびグリシジル芳香
族ポリアミンが挙げられる。多価フェノールのグリシジ
ルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジル
エーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノール
ADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシ
ジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジ
ル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエー
テル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−
ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒド
ロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ
−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエー
テル、フェノールまたはクレゾールノボラック樹脂のグ
リシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピク
ロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエ
ーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールア
ルデヒド、またはホルムアルデヒドの縮合反応によって
得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、
およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られ
るポリフェノールのポリグリシジルエーテル体が挙げら
れる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−
ジグリシジルアニリンおよびN,N,N’,N’−テト
ラグリシジルジフェニルメタンジアミンが挙げられる。
さらに、本発明において前記芳香族系として、トリレン
ジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネ
ートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリ
シジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反
応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プ
レ)ポリマーおよびビスフェノールAのアルキレンオキ
シド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付
加物のジグリシジルエーテル体も含む。
【0109】複素環系としては、トリスグリシジルメラ
ミンが挙げられる。
【0110】脂環族系としては、ビニルシクロヘキセン
ジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエ
ンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチ
ル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシク
ロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペー
ト、およびビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシルメチル)ブチルアミンが挙げられる。また、脂
環族系としては、前記芳香族系ポリエポキシドの核水添
化物も含む。
【0111】脂肪族系としては、多価アルコールのポリ
グリシジルエーテル体、ポリカルボン酸のポリグリシジ
ルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げら
れる。多価アルコールのポリグリシジルエーテル体とし
ては、前記(a21)のポリグリシジルエーテル、例え
ばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテ
ルが挙げられる。ポリカルボン酸のポリグリシジルエス
テル体としては、前記(a311)のポリグリシジルエ
ステル、例えばジグリシジルアジペート、グリシジル
(メタ)アクリレートの(共)重合体が挙げられる。グ
リシジル脂肪族アミンとしては、前記(a22)のポリ
グリシジル化物、例えばN,N,N’,N’−テトラグ
リシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
【0112】エポキシ樹脂の製造方法としては、上記の
ポリエポキシドを触媒(水酸化アルカリなどのアルカリ
性無機化合物、四級アンモニウム塩、ルイス酸など)を
使用して開環重合する方法、および、硬化剤としてポリ
アミン[前述の(a22)の脂肪族ポリアミンもしくは
芳香族ポリアミンなど]を用いて、開環とともに架橋を
行わせて硬化させる方法などがある。
【0113】これらの開環重合系の樹脂の微粒子の作製
法としては上記(2)の方法、即ち、有機溶剤(トルエ
ン、エチレングリコール等)溶液を温度差(例えば高温
の有機溶剤溶液を徐々に冷却する)を利用して微粒子を
沈殿させる方法、上記有機溶剤溶液に貧溶剤(シクロヘ
キサン、石油エーテル等)を徐々に混合し、不溶化した
微粒子を沈殿させる方法などが挙げられる。
【0114】(A)としては、その他に、ポリアセター
ル樹脂、例えばホルムアルデヒドの単独重合体、トリオ
キサンの開環重合体、トリオキサンと炭素数2〜6のア
ルキレンオキサイドとの共重合体などが挙げられる。
【0115】微粒子(A)は、前述のように、皮膜形成
性樹脂(B)にも分散媒(水および/または親水性有機
溶媒)にも溶解せず、50℃以上の熱軟化点を有するも
のであるが、そのための方法として前述のように重合反
応工程中に架橋剤を併用する方法、並びに、重合後の各
樹脂に、さらに架橋剤を添加して架橋する方法も挙げら
れる。重合後の架橋剤としては公知のものが使用でき、
例えば樹脂中に官能基としてカルボキシル基が存在する
場合はポリエポキシド[例えば前述のポリエポキシド、
好ましくはビスフェノールAジグリシジルエーテル等の
芳香族系、トリスグリシジルメラミン等の複素環系、ビ
ニルシクロヘキセンジオキシド等の脂環族系およびポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジル
(メタ)アクリレートの(共)重合体等の脂肪族系]お
よびメラミン樹脂[トリメチロールメラミン、ヘキサメ
チロールメラミン、メトキシトリメチロールメラミンお
よびこれらの混合物]等が挙げられる。反応性官能基が
水酸基の場合は、前述のポリカルボン酸類、ポリイソシ
アネート(a1)および上記メラミン樹脂等が挙げられ
る。反応性官能基がエポキシ基の場合は、前述のポリカ
ルボン酸類などが挙げられる。
【0116】本発明における毛髪処理剤で毛髪の全体も
しくは一部をムラなく処理するためには、微粒子(A)
に加えて、皮膜形成性樹脂(B)を必要とする。(B)
としては、非水系のもの、例えば、液状およびワックス
状など;並びに、水性系のもの、例えば水性溶液状、水
性エマルション状および水性ペースト状のものが使用で
きる。これらのうち水性系のものが好ましい。また、
(B)は(A)を実質的に溶解しないものであり、さら
に、上記の(B)の水性液においても実質的に(A)を
溶解しないものである。
【0117】また、(B)は、微粒子(A)を毛髪に結
着もしくは固定させる樹脂であり、毛髪染毛剤の場合に
は、樹脂微粒子(A)を強固に結着させる必要があるた
め、染毛処理・乾燥後には(B)が皮膜を形成し連続層
を形成するものが用いられる。また、髪質改質剤もしく
は整髪剤の場合においても、処理および必要により行わ
れる乾燥後には(B)が皮膜を形成し連続層を形成する
か、もしくは少なくとも(B)が毛髪の表面上で流動せ
ず、微粒子(A)を固定させるための連続層を形成する
ものが用いられる。
【0118】(B)またはその水性液に(A)が溶解し
ないように、(B)を選択する方法としては、(ア);
(B)が液状またはワックス状の場合は、(A)と
(B)を異なる組成とし、これらの溶解度パラメーター
(SP値)に差を持たせる方法(SP値の差は通常0.
5以上、好ましくは1〜3またはそれ以上)、(イ);
(B)が水性液の場合は、(B)の水性媒体として
(A)が溶解しないような組成を選択する方法[(A)
のSP値よりも(B)のSP値に近いSP値の水性媒体
を選択する。]などが挙げられる。
【0119】ここでいう溶解度パラメータ(SP値)と
は、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表さ
れ、それらの値は「Polymer Engineer
ingand Science,Vol.14,No.
2,p147〜154(1974)」記載の方法により
計算される値である。
【0120】樹脂(B)の組成としては、上記のよう
に、微粒子(A)を溶解しない組成、または、(B)の
水性液に微粒子(A)が溶解しないものであれば特に限
定されないが、例えば、前述の(A)で挙げた樹脂の種
類と同様の重付加系樹脂、ビニル重合系樹脂、縮合系樹
脂および開環重合系樹脂など、並びに天然系樹脂が使用
できる。また、(B)としては、前述の高分子型分散剤
として挙げられたものも含まれる。
【0121】天然系樹脂としては、以下のものが例示さ
れる。天然系アニオン性樹脂としては、多糖類系のアニ
オン性樹脂、例えばカルボキシル基含有樹脂[カルボキ
シメチルセルロース(置換度0.5〜3.0)、カルボ
キシエチルセルロース(置換度0.5〜2.4)、アル
ギン酸(塩)、カルボキシメチルキチンなど]、硫酸基
含有樹脂[コンドロイチン硫酸、硫酸化キトサン、ヒア
ルロン酸および硫酸セルロースなど]、燐酸デンプン、
セルロースの無機酸エステル[硝酸セルロースなど];
および、タンパク質系のアニオン性樹脂、例えばポリア
スパラギン酸(塩)等が挙げられる。その他、「高分子
凝集剤」(大森英三著、高分子刊行会昭和50年1月1
0日発行)60〜90頁に記載のアニオン性凝集剤が使
用できる。
【0122】天然系ノニオン系樹脂としては、多糖類系
のノニオン性樹脂、例えば水溶性デンプン、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロースおよびエチルセルロース等のセルロース
誘導体が挙げられる。また、天然系カチオン性樹脂とし
ては、多糖類系のカチオン性樹脂、例えばカチオン化デ
ンプン、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガ
ム、キトサンなどが挙げられる。 その他、「高分子
凝集剤」(大森英三著、高分子刊行会昭和50年1月1
0日発行)35〜59頁に記載のカチオン性凝集剤が使
用できる。天然系両性樹脂としてはゼラチン、ニカワな
どの水溶性タンパク質が挙げられる。
【0123】(B)のうちで好ましいものは、ポリウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびそ
れら2種以上の混合物等が挙げられ、ソフトな応力と強
靱な樹脂強度を両立できるポリウレタン樹脂が好まし
い。
【0124】(B)の樹脂成分がポリウレタン樹脂の場
合、(B)としては、それぞれ(A)で例示したポリイ
ソシアネート(a1)、低分子ポリオール(a2)およ
び高分子ポリオール(a3)などを反応させることによ
り得られるもののうち、(a2)または/及び(a3)
としてその一部にイオン性基を有するものを用いたポリ
ウレタン樹脂の水性エマルジョンが好ましい。
【0125】ポリオール(a2)の一部として分子内に
イオン性基と活性水素基とを含有する化合物(e)を含
有させることにより、自己乳化型のポリウレタン樹脂水
性エマルジョンとすることができる。該(e)として
は、たとえば、アニオン性化合物{親水性基としてカル
ボキシル基を有する化合物(乳酸、ジメチロールプロピ
オン酸など)、スルホン酸基を有する化合物[アミノエ
チルスルホン酸、3−(2.3−ジヒドロキシプロポキ
シ)プロパンスルホン酸など]、リン酸基を有する化合
物[ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなど]
など、またはこれらのアミン類(トリエチルアミン、モ
ルホリンなど)および/またはアルカリ金属水酸化物
(水酸化ナトリウムなど)などによる中和物};カチオ
ン性化合物{N−メチルジエタノールアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミンなどの酸類(酢酸など)によ
る中和物または4級化剤(ジメチル硫酸など)による4
級化物}などが挙げられる。その他、特公昭43−90
76号公報に記載の塩型の基または塩形成性の基を有す
る化合物および水性ポリウレタンラテックス製造方法が
使用できる。自己乳化型のポリウレタン樹脂水性エマル
ジョンにおける該(e)の含有量は、ポリウレタン樹脂
中のイオン性基の量が通常0.3〜10重量%、好まし
くは0.5〜5重量%となる量である。
【0126】(B)として使用される自己乳化型ポリウ
レタン樹脂水性エマルジョンの製造方法は、通常、前述
と同様にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを
製造し、次いで、該プレポリマーを塩基[(e)がアニ
オン性化合物の場合]または酸もしくは4級化剤
[(e)がカチオン性化合物の場合]で親水化(中和ま
たは4級化)するか、あるいは親水化しながら、通常1
0℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で、伸長剤
(例えば、前述のもの)および必要により前記停止剤を
含む水溶液と混合して水性エマルジョンとなし、NCO
基がなくなるまで伸長反応を行い、必要により有機溶剤
を留去する方法が例示できる。
【0127】この場合のエマルジョンの粒子径は、好ま
しくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下であ
る。また、通常、これらのエマルジョンは乾燥後に皮膜
を形成するものであり、具体的には、アニオン性ポリウ
レタン樹脂(特開平10−203937号公報記載のも
の)、ならびにカチオン性ウレタン樹脂および両性ポリ
ウレタン樹脂(特開平10−259115号公報記載の
もの)などが挙げられる。
【0128】(B)の樹脂成分がビニル樹脂の場合、
(B)としては、前述のビニル単量体から構成される液
状樹脂および樹脂水性液が例示される。これらのうち、
好ましいものは、カチオン性ビニル単量体を組成の一部
に含むビニル樹脂、両性ビニル単量体を組成の一部に含
むビニル樹脂、およびアニオン性ビニル単量体とカチオ
ン性ビニル単量体を単量体成分の一部に含む樹脂の水性
液、特に水系の乳化重合で有られるエマルジョンであ
る。これらのイオン性ビニル単量体の含量は樹脂の重量
に基づいて0.5〜70%、特に2〜40%が好まし
い。
【0129】カチオン性ビニル単量体のうち好ましいも
のは、前記の3級アミノ基含有ビニル単量体、含窒素複
素環含有ビニル系単量体およびこれらの塩酸塩、硫酸
塩、燐酸塩、低級カルボン酸塩(炭素数1〜8)、第4
級アンモニウム塩基含有ビニル単量体である。
【0130】両性ビニル単量体のうち好ましいものは、
前記のN−(メタ)アクリロイルオキシ(もしくはアミ
ノ)アルキル(炭素数1〜10)N,N−ジアルキル
(炭素数1〜5)アンモニウム−N−アルキル(炭素数
1〜5)カルボキシレート(もしくはサルフェート)で
ある。
【0131】(B)の樹脂成分がポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂の場
合、(B)としては、前記のこれらの樹脂の液状のも
の、および水性液が挙げられ、好ましいものはエマルジ
ョンであり、該エマルジョンは通常、予め合成されたこ
れらの樹脂を前記の界面活性剤を用いて乳化したもので
ある。
【0132】(B)の樹脂成分がポリエーテル樹脂の場
合、(B)としては、前記のこれらの樹脂の液状のも
の、および水性液が挙げられ、好ましいものは水性溶液
およびエマルジョンであり、該水性溶液およびエマルジ
ョンは通常、予め合成されたこれらの樹脂を水性溶媒に
溶解するか、もしくは前記の界面活性剤を用いて乳化し
たものである。
【0133】(B)には、増粘剤、分散剤および/また
は枝毛防止剤などとしても作用する前述の(B)で挙げ
た組成に含まれるポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ビニル重合系樹脂(ポリアクリル酸塩など)、天然
系樹脂なども含まれる。
【0134】(B)が水性液の場合、その水性媒体(溶
媒もしくは分散媒)としては、水または水と親水性有機
溶剤との混合物(重量比100/0〜10/90)を用
いることができる。溶剤としては、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなど
のエステル系またはエステルエーテル系溶剤;エチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系溶剤;メタノール、エタノール、n−およびi−プ
ロパノール、n−、i−およびt−ブタノール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコールなどのアルコ
ール系溶剤;N−メチルピロリドンなどの複素環式化合
物系溶剤ならびにこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0135】これらのうち、好ましいものは、水および
アルコール系化合物、特に好ましいものは水、エタノー
ルおよび水/エタノールの混合物(好ましくは、水が1
0%以上)である。これらの水性媒体は(B)の樹脂分
との合計量に対して通常0〜99%、好ましくは30〜
95%、さらに好ましくは50〜90%含有させること
ができる。
【0136】(A)と(B)の組み合わせとしては、前
述の(ア)の場合は、例えば(A)SP値=12.0の
ポリウレタン樹脂/SP値=9.5のポリエチレンオキ
サイド、(A)SP値=8.5のポリエチレン樹脂/S
P値=10.0のポリエステル樹脂;前述の(イ)の場
合は、(A)SP値10.0のポリウレタン樹脂/SP
値20.0のポリウレタン樹脂のエマルジョン(水/エ
タノール8/2重量比:SP値=22.4)、(A)S
P値12.0のポリウレタン樹脂/SP値16.0のポ
リメタアクリル系樹脂の水性溶液(水/エタノール7/
3重量比:SP値=21.8)などが挙げられる。
【0137】本発明の毛髪処理剤において(A)と
(B)の合計の固形分重量のうちの微粒子(A)の重量
%は特に限定されないが、好ましくは1〜90%、さら
に好ましくは10〜90%である[なお、(A)を製造
する際に前述の高分子型分散剤を使用した場合は、
(B)には高分子型分散剤も含まれる]。(A)が1%
以上であれば、マット感、意匠性などが発揮されやす
く、90%以下であれば(B)の被膜が形成されやす
い。
【0138】(A)および/または(B)には着色料を
含有させることができる。意匠性を発揮し易い点で
(A)に含有させた方が好ましい。着色料の量は用途、
目的に応じて種々変えることができるが、(A)および
/または(B)の全重量に対して通常0〜10重量%で
ある。毛髪染毛剤の場合は、0.5〜10重量%、特に
1〜7重量%が好ましい。髪質改質剤および整髪剤の場
合は、好ましくは0〜3重量%である。使用できる着色
料としては特に限定されず、例えば無機顔料、有機顔
料、染料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、白
色顔料(酸化チタン、リトポン、鉛白、亜鉛華など);
コバルト化合物(オーレオリン、コバルトグリーン、セ
ルリアンブルー、コバルトブルー、コバルトバイオレッ
トなど);鉄化合物(酸化鉄、紺青など);クロム化合
物(酸化クロム、クロム酸鉛、クロム酸バリウムな
ど);硫化物(硫化カドミウム、カドミウムイエロー、
ウルトラマリンなど)が挙げられる。有機顔料としては
アゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ
系等のアゾ顔料、ベンジイミダゾロン系、フタロシアニ
ン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリ
ノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キノフタロン
系、アンスラキノン系等の多環式顔料が挙げられる。染
料としてはアゾ系、アントラキノン系、インジゴイド
系、硫化系、トリフェニルメタン系、ピラゾロン系、ス
チルベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン系、アリ
ザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール
系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系、アニリン系など
が挙げられる。
【0139】着色料の添加は、樹脂の製造工程(重合工
程)で添加[樹脂の前駆体(単量体、プレポリマー、伸
長剤、硬化剤など)と混合しておく、もしくは重合途中
で添加する]してもよく、また、重合後に添加して混合
してもよい。重合後に添加する場合は樹脂を溶融混練
(ニーダー、3本ロールなど)しながら添加する方法、
樹脂の溶媒溶液に添加して溶媒を除去する方法、微粒子
化の工程で添加する方法、微粒子化後に添加する方法、
毛髪処理剤調製の工程で添加する方法などが挙げられ
る。
【0140】(A)および/または(B)に着色料を添
加する場合は、顔料分散剤を含有させることができる。
その量は、着色料の全重量に対して0〜10重量%、好
ましくは0.1〜7重量%、さらに好ましくは0.5〜
5重量%である。使用できる顔料分散剤としては、上述
のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン
界面活性剤などの界面活性剤(例えば米国特許第433
1447号明細書に記載のもの)が挙げられる。該顔料
分散剤は樹脂に結合していてもよい。これら顔料分散剤
のうち、溶剤との相溶性の観点で非イオン界面活性剤が
好ましく、顔料分散性の観点でラウリルアミンのEO付
加物(10〜30モル)が、更に好ましい。
【0141】(A)には、補強剤を(A)の全重量に対
して0〜3重量%、好ましくは0〜1重量%、さらに好
ましくは0〜0.5重量%含有させることができ、使用
できる補強剤としては、無機系繊維(ガラス繊維、炭素
繊維など)、有機系繊維(テレフタル酸/p−フェニレ
ンジアミンのポリアミドなど)が挙げられる。
【0142】(A)には、艶消し剤を(A)の全重量に
対して0〜30重量%、好ましくは0〜15重量%、さ
らに好ましくは0〜10重量%含有させることができ
る。艶消し剤としては、例えば、無機系(タルク、シラ
スパウダーなど)、有機系(プロテインパウダーなど)
が挙げられる。(A)には、ブロッキング防止剤を
(A)の全重量に対して0〜5重量%、好ましくは0〜
3重量%、さらに好ましくは0〜2重量%含有させるこ
とができる。ブロッキング防止剤としては、例えば、無
機系粉末(シリカ系微粉末など)などが挙げられる。
【0143】本発明の毛髪処理剤には、アニオン性、非
イオン性、カチオン性および両性界面活性剤を併用して
もよい。これらとしては前述の分散剤として挙げたもの
が使用できる。
【0144】本発明の毛髪処理剤には、乳化安定剤、保
湿剤、シリコーン、キレート剤、香料、防腐剤、紫外線
吸収剤などの添加剤が併用できる。乳化安定剤として、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルア
ルコール等の高級アルコール;保湿剤としてグリセリ
ン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等;シリコーンと
してジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン
のメチル基の一部に各種の有機基を導入した変性シリコ
ン、環状ジメチルシロキサン等;キレート剤として、エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウム、1−ヒドロキシエタ
ン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム等;防腐剤として
は、安息香酸類、ソルビン酸類、トリブロムサランな
ど;紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン誘導体、p
−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体などがあげ
られる。これらの添加量は毛髪処理剤全重量に対して0
〜30重量%、好ましくは0〜15重量%含有させるこ
とができる。
【0145】また、(B)が水性液の場合に例示した親
水性溶媒をさらに添加して希釈剤として用いることがで
きる。このようなものとしてエタノール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコールなどの低級アルコー
ルが挙げられる。
【0146】本発明の毛髪処理剤の使用形態は、通常、
ヘアフォーム、ヘアスプレー、ヘアリキッド、ヘアクリ
ーム、ヘアジェルおよびヘアワックス等、特に限定され
ないが、ヘアフォーム、ヘアスプレー、ヘアリキッドお
よびヘアジェルが好ましい。
【0147】ヘアフォームまたはヘアスプレーの場合は
噴射剤を使用することができる。噴射剤としては、LP
G(液化天然ガス)、DME(ジメチルエーテル)およ
び圧縮窒素などが挙げられる。この場合の水性媒体およ
び噴射剤の重量割合は特に限定されないが、好ましく
は、毛髪処理剤の合計重量のうち、水性媒体が10〜9
8%、噴射剤は1〜30%である。また(A)は1〜2
0%、(B)は2〜60%が好ましい。
【0148】ヘアリキッドの場合の、水性媒体の重量割
合は特に限定されないが、好ましくは、毛髪処理剤の合
計重量のうちの10〜99%である。また(A)は1〜
20%、(B)は2〜60%が好ましい。ヘアリキッド
の場合は手押しスプレー(噴射剤は使用しなくてもよ
い)または手でふりかけることにより毛髪を処理でき
る。
【0149】ヘアクリームまたはヘアジェルの場合の、
水性媒体の重量割合は特に限定されないが、好ましく
は、毛髪処理剤の合計重量のうちの5〜95%である。
また(A)は1〜50%、(B)は5〜85%が好まし
い。ヘアワックスの場合の、水性媒体の重量割合は特に
限定されないが、好ましくは、毛髪処理剤の合計重量の
うちの1〜70%である。また(A)は1〜50%、
(B)は5〜95%が好ましい。
【0150】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されない。以下において、部及
び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
【0151】製造例1;<ポリウレタン樹脂微粒子「P
U1」の製造> a)分散剤の製造;撹拌棒および温度計を備えた反応容
器に、ポリカプロラクトンジオール(数平均分子量2,
000)787部、ポリエーテルジオール(分子量40
00、EO含量50重量%、PO含量50重量%)80
0部を仕込み、120℃で減圧脱水した。脱水後の水分
は0.05%であった。次いでHDI55.5部、水添
MDI65.5部およびジブチル錫ジラウレート0.6
部を添加し80℃で5時間反応を行った。得られた生成
物を[分散剤1]とする。
【0152】b)ウレタンプレポリマーの製造; a)と同様の反応容器に、ポリカプロラクトンジオール
(数平均分子量2,000)2,000部を投入し、3
mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行
った。続いてIPDI457部を投入し、110℃で1
0時間反応を行い、イソシアネート基含量3.6%のイ
ソシアネート基末端ウレタンプレポリマー[プレポリマ
ー1]を得た。
【0153】c)伸長剤の製造; a)と同様の反応容器に、エチレンジアミン50部とM
IBK50部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。
得られたケチミン化合物を[鎖伸長剤1]とする。
【0154】d)ポリウレタン樹脂微粒子の製造; [プレポリマー1]50部、[鎖伸長剤1]0.6部お
よび黄酸化鉄2部を混合しておき、[分散剤1]2部を
水250部に希釈した液を添加した後、ウルトラディス
パーザー(ヤマト科学製)を使用し、回転数9000r
pmで1分間混合した。混合後、a)と同様の反応容器
に混合液を投入し、50℃で10時間反応を行った。次
いでブロッキング防止剤[「サイロイド978」、富士
デヴィソン化学製]1部を加え、濾別、乾燥を行いビー
ズ状のポリウレタン樹脂微粒子「PU−1」を得た。
「PU−1」の数平均分子量は50,000、熱軟化点
は80℃、光散乱法で測定された数平均粒子径は8μm
であり、電子顕微鏡による画像処理で測定されたWad
ellの実用球形度は0.93であった。
【0155】製造例2;<ポリウレタン樹脂微粒子「P
U−2」の製造> ポリエチレンアジペート(数平均分子量2,000、酸
価0.2)650部に、1,000部のトルエンを添加
し、さらに142部のIPDIを添加し、トルエン還流
下に120℃で5時間反応を行った(イソシアネート基
含量3.2%)後、室温まで冷却し、45部のジエタノ
ールアミンを添加し60℃で5時間反応を行った後、ト
ルエンを減圧下に留去し、両末端に水酸基を持ちウレタ
ンおよびウレア結合を有するポリウレタン樹脂を得た。
得られた樹脂400部、黄酸化鉄12部、酢酸エチル4
42部を混合し、あらかじめ作成したポリビニルアルコ
ール0.5%水溶液2000部に滴下しながら分散し
た。その後40℃にて酢酸エチルを留去し、得られた樹
脂を濾紙濾過にて水中より取り出し、40℃の順風乾燥
機にて乾燥した。本球状体を音波式分級機により分級
し、黄色透明ビーズ状のポリウレタン樹脂微粒子「PU
−2」を得た。「PU−2」の熱軟化点90℃、数平均
粒子径11μmであり、Wadellの実用球形度は
0.90であった。
【0156】製造例3<皮膜形成性合成樹脂溶液B1の
製造> 製造例2と同様の反応容器に、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート63部、エチルメタクリレート6部、ラウ
リルメタクリレート31部およびエタノールを150部
を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.6部投入し
窒素気流下78℃で10時間重合させた。次にモノクロ
ロ酢酸カリウム82部を加え24時間78℃で両性化を
行った。得られた重合溶液を加圧ろ過器を用いて副生物
をろ過後30%エタノール溶液に調整し、樹脂溶液「B
1」(数平均分子量30,000)を得た。
【0157】実施例1 下記の配合量で、各成分を混合し、毛髪処理剤(ヘアリ
キッド)を製造した。 「PU−1」 ・・・ 20部 「B1」 ・・・ 10部 精製水 ・・・ 35部 エタノール ・・・ 35部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合 計 100部
【0158】実施例2 下記の配合量で、各成分を混合し、毛髪処理剤(ヘアリ
キッド)を製造した。 「PU−2」 ・・・ 20部 「B1」 ・・・ 10部 精製水 ・・・ 35部 エタノール ・・・ 35部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合 計 100部
【0159】比較例1 下記の配合量で、各成分を混合し、毛髪処理剤(ヘアリ
キッド)を製造した。 黄酸化鉄 ・・・ 0.5部 「B1」 ・・・ 10.0部 精製水 ・・・ 44.8部 エタノール ・・・ 44.7部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合 計 100部
【0160】実施例1、2および比較例1の毛髪処理剤
(ヘアリキッド)を、手押しスプレー容器に入れ、以下
の試験法で評価した。
【0161】パネラー10人が各毛髪処理剤を一時染毛
剤として頭髪にふりかけ、自然乾燥して、ゴワツキ感、
くし通り性、マット感、意匠性を官能評価し、下記の点
数で示した。それらの結果を表1に示す。 ゴワツキ感 ゴワツキ感がまったく無いと判断 : 2点 ゴワツキ感がほとんどないと判断 : 1点 ゴワツキ感がかなりあると判断 : 0点 くし通り性 くし通り性が非常に良いと判断 : 2点 くし通り性が普通と判断 : 1点 くし通り性が悪いと判断 : 0点 マット感 マット感があると判断 : 2点 マット感がややあると判断 : 1点 マット感がほとんどないと判断 : 0点 意匠性 意匠性が非常にあると判断 : 2点 意匠性がややあると判断 : 1点 意匠性がほとんどないと判断 : 0点 注)本発明の意匠性は見る角度によって、色の濃淡が発
現することである。
【0162】
【表1】
【0163】
【発明の効果】本発明は、従来用いられている毛髪処理
剤に比べ、毛髪に使用した際に、自然感を損なわず、ま
た、べたつき感も無く、マット感および意匠性を付与す
るなどの特長を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AC072 AD011 AD012 AD021 AD022 AD071 AD072 AD091 AD092 AD111 AD112 AD151 AD152 BB53 CC32 CC33 CC36 DD23 DD27 EE06 EE26 EE28 EE29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が1〜500μm、かつWad
    ellの実用球形度が0.7〜1である合成樹脂微粒子
    (A)、および皮膜形成性樹脂(B)からなる毛髪処理
    剤。
  2. 【請求項2】微粒子(A)の平均粒子径が2〜20μm
    である請求項1記載の毛髪処理剤。
  3. 【請求項3】微粒子(A)のWadellの実用球形度
    が0.8〜1である請求項1または2記載の毛髪処理
    剤。
  4. 【請求項4】樹脂(B)が水溶液状、水性エマルジョン
    状または水性ペースト状である請求項1〜3のいずれか
    記載の毛髪処理剤。
  5. 【請求項5】微粒子(A)がさらに着色料(C)を含有
    する請求項1〜4のいずれか記載の毛髪処理剤。
  6. 【請求項6】微粒子(A)が、ポリウレタン樹脂、(メ
    タ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン
    系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコー
    ン樹脂、ポリエーテル樹脂およびエポキシ樹脂からなる
    群より選ばれる1種以上の樹脂からなる請求項1〜5の
    いずれか記載の毛髪処理剤。
  7. 【請求項7】(B)が、ポリウレタン樹脂、(メタ)ア
    クリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹
    脂、シリコーン樹脂およびポリエーテル樹脂からなる群
    より選ばれる1種以上の樹脂からなる請求項1〜6のい
    ずれか記載の毛髪処理剤。
  8. 【請求項8】(A)と(B)の合計の固形分重量に基づ
    いて(A)を1〜95重量%含有する請求項1〜7のい
    ずれか記載の毛髪処理剤。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか記載の毛髪染毛
    剤、髪質改質剤または整髪剤。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれか記載の毛髪処理
    剤を用いて毛髪表面に塗布して(A)を含有する(B)
    の皮膜を形成することを特徴とする毛髪の処理方法。
JP2001023444A 2001-01-31 2001-01-31 毛髪処理剤および毛髪処理方法 Pending JP2002226328A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001023444A JP2002226328A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 毛髪処理剤および毛髪処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001023444A JP2002226328A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 毛髪処理剤および毛髪処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002226328A true JP2002226328A (ja) 2002-08-14

Family

ID=18888730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001023444A Pending JP2002226328A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 毛髪処理剤および毛髪処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002226328A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254469A (ja) * 2006-03-21 2007-10-04 L'oreal Sa ミクロスフィアを含む化粧品又は皮膚外用組成物
JP2008115124A (ja) * 2006-11-07 2008-05-22 Nippon Menaade Keshohin Kk 毛髪着色料
JPWO2013137290A1 (ja) * 2012-03-13 2015-08-03 住友精化株式会社 化粧料組成物
JP2017114773A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 ロレアル 特定のフィラーの組合せ及び皮膜形成性ポリマーを含む、持続効果を向上させるための化粧用組成物
WO2022054601A1 (ja) * 2020-09-14 2022-03-17 株式会社マンダム エアゾールスプレー毛髪化粧料

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05310533A (ja) * 1992-05-08 1993-11-22 Toshiba Silicone Co Ltd 毛髪化粧料
JPH08230132A (ja) * 1995-02-28 1996-09-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 意匠性複合シート
WO1998031329A1 (fr) * 1997-01-20 1998-07-23 L'oreal Composition cosmetique comprenant comme agent de revetement des fibres keratiniques un melange filmogene constitue de particules de polymere filmifiables et de particules non-filmifiables
JPH11193222A (ja) * 1997-12-26 1999-07-21 Kose Corp 頭髪着色料
JP2000159638A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Kao Corp 毛髪化粧料
JP2000296362A (ja) * 1999-02-12 2000-10-24 Sanyo Chem Ind Ltd 塗装物および塗装方法
JP2002087943A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Arimino Kagaku Kk 頭髪化粧料及び頭髪処理法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05310533A (ja) * 1992-05-08 1993-11-22 Toshiba Silicone Co Ltd 毛髪化粧料
JPH08230132A (ja) * 1995-02-28 1996-09-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 意匠性複合シート
WO1998031329A1 (fr) * 1997-01-20 1998-07-23 L'oreal Composition cosmetique comprenant comme agent de revetement des fibres keratiniques un melange filmogene constitue de particules de polymere filmifiables et de particules non-filmifiables
JP2002501481A (ja) * 1997-01-20 2002-01-15 ロレアル 皮膜形成ポリマー粒子と非皮膜形成粒子からなる皮膜形成混合物をケラチン繊維被覆剤として含有する化粧品組成物
JPH11193222A (ja) * 1997-12-26 1999-07-21 Kose Corp 頭髪着色料
JP2000159638A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Kao Corp 毛髪化粧料
JP2000296362A (ja) * 1999-02-12 2000-10-24 Sanyo Chem Ind Ltd 塗装物および塗装方法
JP2002087943A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Arimino Kagaku Kk 頭髪化粧料及び頭髪処理法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254469A (ja) * 2006-03-21 2007-10-04 L'oreal Sa ミクロスフィアを含む化粧品又は皮膚外用組成物
JP2008115124A (ja) * 2006-11-07 2008-05-22 Nippon Menaade Keshohin Kk 毛髪着色料
JPWO2013137290A1 (ja) * 2012-03-13 2015-08-03 住友精化株式会社 化粧料組成物
JP2017114773A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 ロレアル 特定のフィラーの組合せ及び皮膜形成性ポリマーを含む、持続効果を向上させるための化粧用組成物
US11771631B2 (en) 2015-12-21 2023-10-03 L'oreal Cosmetic composition comprising a specific filler combination and a film-forming polymer to increase long-lasting effects
WO2022054601A1 (ja) * 2020-09-14 2022-03-17 株式会社マンダム エアゾールスプレー毛髪化粧料
CN115802999A (zh) * 2020-09-14 2023-03-14 株式会社漫丹 气溶胶喷雾毛发化妆料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2003037964A1 (ja) 複合樹脂粒子
WO2005005522A1 (ja) 樹脂粒子及びその製造法
WO2007144984A1 (ja) 樹脂分散体の製造方法及び樹脂粒子
US20100221655A1 (en) Resin Particle
JP7266045B2 (ja) 複合樹脂水性分散体及び複合樹脂水性分散体の製造方法
US7271216B2 (en) Polyurethane resin aqueous dispersion and sheet material obtained from the same
WO2003064534A1 (fr) Dispersion aqueuse de resine synthetique
JP2013227528A (ja) ポリウレタン系樹脂水性分散体
JP2004182791A (ja) 水性分散体およびそれを用いた塗料、接着剤または繊維加工処理剤
JP3984596B2 (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体及びそれを用いたシート材料
JP2002226328A (ja) 毛髪処理剤および毛髪処理方法
JP5032024B2 (ja) 樹脂粒子
JP2018070878A (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体
JP3962366B2 (ja) 樹脂粒子
JP2002194234A (ja) 樹脂粒子組成物および製造方法
JP3967596B2 (ja) 合成樹脂水性分散体
JP4832775B2 (ja) 水分散スラリー塗料
JP5020529B2 (ja) 着色樹脂粒子
JP2007182512A (ja) 塗装性に優れる水分散スラリー塗料
JP4377173B2 (ja) 中空樹脂微粒子
JP2008285631A (ja) 樹脂粒子分散体
JP5314843B2 (ja) 水分散スラリー塗料、その製造方法、及び塗膜
JP2003321648A (ja) 塗料、接着剤および繊維加工処理剤組成物
JP2003089974A (ja) 合成繊維用処理剤
JP4567980B2 (ja) 熱膨張性マイクロカプセルおよび中空樹脂粒子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071226

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100326

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100803

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02