JP2000159638A - 毛髪化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 整髪性と油性感のない良好な感触とを有し、
かつその感触が持続する毛髪化粧料の提供。 【解決手段】 （Ａ）両親媒性高分子、（Ｂ）粉体、及
び（Ｃ）室温でペースト状の油剤を含有し、更にジメチ
ルポリシリキサンを含有してもよい毛髪化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は整髪性と油性感のな
い良好な感触とを有し、かつその感触が持続する毛髪化
粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】両親媒性高分子は、水溶液の状態では整
髪するのに適した粘ちょうさを持ち、かつ、乾燥後は皮
膜を形成するため整髪したスタイルが保たれる特長を持
つ。よって頭髪用ジェル、クリーム等の整髪基剤として
優れている。しかし、これ自身の感触は好ましいもので
はなく、きしむ、さらさら感がない、しっとり感がない
といった欠点がある。そこで、感触向上剤を添加する必
要が生じる。エステル油、流動パラフィン等といった液
状油剤を配合すると、きしみは解消されるが、一方、油
性感が生じる。これに対し、粉体を配合するときしみが
改善する上に油性感のない非常にさらさらした良好な感
触を付与することができる。しかし、この感触は持続性
がないのが難点であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は整髪性
が良く、毛髪の感触も良好で、かつ当該良好な感触が持
続する毛髪化粧料の提供にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、両親媒性高
分子に粉体を配合し、これに室温でペースト状の油剤を
添加することで、粉体の持つ油性感のないさらさらした
感触が損なわれることなく、油剤の適度な粘着力により
粉体の落下が防がれ、この良好な感触が長時間維持され
ることを見出した。

【０００５】すなわち、本発明は、（Ａ）両親媒性高分
子、（Ｂ）粉体、及び（Ｃ）室温でペースト状の油剤を
含有する毛髪化粧料を提供するものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明に用いられる（Ａ）両親媒
性高分子としては、水性媒体及び油性媒体の両者に親和
性を有し、皮膜形成性のある高分子であれば制限され
ず、例えば（メタ）アクリル酸・（メタ）アクリル酸ア
ルキル共重合体〔例えばアクリル酸・メタクリル酸アル
キル共重合体（カーボポール１３８２、ペムレンＴＲ−
１、ペムレンＴＲ−２（グッドリッチ製））など〕、水
溶性セルロース誘導体第４級アンモニウムエーテル〔例
えば、ヒドロキシエチルセルロース塩化ヒドロキシプロ
ピルラウリルジメチルアンモニウムエーテル（クォータ
リーソフトＬＭ−２００（ユニオンカーバイド製））な
ど〕、アクリル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキル
・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸のポリオキシエ
チレンアルキルエーテルエステル共重合体〔例えば、ア
クリル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキル・メタク
リル酸アルキル・メタクリル酸のポリオキシエチレン
（２０）ステアリルエーテルエステル共重合体（アキュ
リン２２（ＩＳＰ製））など〕、アクリル酸アルキル共
重合体エマルション（アキュリン３３（ＩＳＰ製）な
ど）が挙げられる。これらの両親媒性高分子は１種以上
を選んで用いることができる。このうち、特にアクリル
酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキル・メタクリル酸
アルキル・メタクリル酸のポリオキシエチレンアルキル
エーテルエステル共重合体が、更にアクリル酸・メタク
リル酸・アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・
メタクリル酸のポリオキシエチレン（２０）ステアリル
エーテルエステル共重合体が、乳化分散性、安定性及び
皮膜形成性の点から好ましい。

【０００７】これら成分（Ａ）の配合量は毛髪化粧料中
０．１〜１０重量％（以下、単に％で示す）、特に０．
５〜５％が整髪性及び使用性の良好な粘度となる点で好
ましい。

【０００８】（Ｂ）粉体としては、例えばタルク、金属
石鹸等の無機粉末；ポリアミド樹脂粉末（ナイロンパウ
ダー）、ポリエチレン粉末、ポリアクリル酸アルキル粉
末、ポリメタクリル酸メチル粉末、スチレンとアクリル
酸との共重合体、ポリメチルシルセスキオキサン粉末等
の有機粉末；その他シリコーンゴム粉末、カーボンブラ
ック等が挙げられる。このうち特に、球状粉体、更にそ
の平均粒径が５μｍ以上、更に５〜２０μｍのものがさ
らさら感が特に顕著となり好ましい。粉体は１種類以上
を用いることができ、配合量は毛髪化粧料中、０．１〜
１０％、特に０．５〜５％が十分な整髪性及び良好な感
触を得るのに好ましい。

【０００９】（Ｃ）室温でペースト状（半固体）の油剤
とは、室温（１５〜２５℃）の範囲を超える温度に融点
をもち、かつこの範囲で完全に固化しない点で液体油、
固体脂と区別される油剤であり、公定書（粧原基等）で
軟こう様、ワセリン様等と示されるものを指す。また、
水に水溶、難溶のものである。例えば、ラノリン、トリ
ラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセ
リン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリ
ル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル（ヘキサオキ
システアリン酸ジペンタエリトリット等）などが挙げら
れる。このうち、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸の
コレステリルエステル（高含水性のペースト状油脂）、
例えばイソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステ
アリン酸コレステリル等を用いると油性感のないさらさ
らした感触でありながら顕著なしっとり感を併せ持つ、
非常に良好な感触となるため特に好ましい。ペースト状
（半固体）油剤は１種類以上配合でき、配合量は毛髪化
粧料中０．１〜１０％、特に０．３〜５％の範囲が、整
髪性を損なわず、感触良好となるため好ましい。

【００１０】また、本発明においては、前記成分（Ａ）
〜（Ｃ）に加えて（Ｄ）ジメチルポリシロキサンを配合
すれば、毛髪に滑らかさが付与され、飛躍的に感触が向
上する。（Ｄ）ジメチルポリシロキサンとしては、種々
の粘度（粧原基第１法に基づく）のものを１種類以上選
択、組み合わせて用いることができるが、１０００から
１００００００ｍＰａ・ｓまでのものが感触の持続性及
び滑らかさに優れるため好ましい。成分（Ｄ）の配合量
は毛髪化粧料中、０．０５〜８％が、整髪性及び感触と
もに良好な点で好ましい。

【００１１】本発明毛髪化粧料には、上記の成分以外
に、性能の損なわれない範囲で、化粧品に一般的に用い
られる各種成分を加えることができる。例えば、粘度調
整、起泡、乳化・分散助剤等の為の界面活性剤；滑らか
さ等感触向上のためポリエーテルシリコーン、メチルフ
ェニルシリコーン等の変性シリコーン油；このほかに
も、エステル油、流動パラフィン、流動イソパラフィ
ン、ロウ類、固体パラフィン等の油剤、防腐剤、紫外線
吸収剤、ポリオール類、アミノ酸及びその塩類といった
保湿剤、溶剤、各種エキス等を加えることができる。

【００１２】本発明毛髪化粧料は、スタイリングの目的
で用いられ、その形態は可溶化系、乳化系等いずれでも
良く、剤型についても、ローション、ジェル、クリー
ム、ワックス、エアゾールフォーム等いずれにも制限さ
れない。

【００１３】

【実施例】実施例１〜２及び比較例１〜５ 表１に示す組成の頭髪用ミルクローションを製造し、ウ
ィッグにローション２ｇを手で塗布し、ブラシで整髪
後、ドライヤーで乾燥させて仕上げたものについて評価
した。評価はすべて、専門パネラー１０人による官能評
価で判定は１から５までの５段階評価とした。全員の平
均値が２以下を×（よくない）、２から３以下を△（ど
らちともいえない）、３から４以下を○（良い）、４を
超えるものを◎（非常に良い）として表１に示した。

【００１４】（１）整髪性 ：ウィッグに塗布した
際の髪のまとまりの良さ、肉眼判定 （２）きしみの無さ：仕上がりの髪を官能評価 （３）油性感の無さ：仕上がりの髪を官能評価 （４）滑らかさ ：仕上がりの髪を官能評価 （５）感触の持続性：仕上げたウィッグを半日風乾放置
後、再度官能評価（きしみがなく、油性感のない良好な
感触かどうか）

【００１５】

【表１】

【００１６】その結果、成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）
のうちのいずれかの成分を配合しない組成物、あるいは
成分（Ａ）及び（Ｂ）に液体油であるミリスチン酸オク
チルドデシルやジメチルシリコーンを配合した組成物に
おいては十分な効果が得られなかったのに対し、成分
（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）を組み合わせた組成物は、整
髪力、感触及びその持続性のすべてに満足できるもので
あった。また、これに成分（Ｄ）を配合すると更に感触
及びその持続性が向上した。

【００１７】 実施例３（頭髪用スタイリングジェル） アクリル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキル・メ タクリル酸アルキル・メタクリル酸のポリオキシエ チレン(20)ステアリルエーテルエステル共重合体 （アキュリン２２（ＩＳＰ製）） １．８％ ＰＶＰ（ルビスコールＫ−３０ ＢＡＳＦ製） ０．５％ ＰＭＭＡ微粒子（平均粒径６μｍ） （テクポリマーＭＳＴ−０５３０Ａ 積水化成製） ０．８％ ヒドロキシステアリン酸コレステリル ０．２％ ジメチルシリコーン（５０００ｍＰａ・ｓ） ０．５％ ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム （ＳＰＥ−１０４ＮＢ 花王製） ０．２５％ 水酸化ナトリウム水溶液（４８％） ０．２５％ パラオキシ安息香酸メチル ０．２％ 政府所定変性エタノール ５．０％ 精製水 バランス

【００１８】以上を常法に従い配合した頭髪用スタイリ
ングジェルは、整髪性及び油性感のないしっとり感、さ
らさら感を併せ持ち、かつその持続性のよい性能性を有
していた。

【００１９】 実施例４（ヘアワックス） アクリル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキル・メ タクリル酸アルキル・メタクリル酸のポリオキシエ チレン(20)ステアリルエーテルエステル共重合体 （アキュリン２２（ＩＳＰ製）） ２．５％ ステアリン酸 １．０％ 流動パラフィン ２．０％ 高重合ポリエチレングリコール（ユニオン・カーバイド製 ポリオックス水溶性樹脂Ｎ６０ＫＣＧ） ０．０５％ ポリアクリル酸アルキル末（平均粒径１０〜２０μｍ） （松本油脂製 マツモトマイクロスフィアＨ−１００） １．５％ 精製ラノリン １．０％ ジメチルシリコーン（３０００００ｍＰａ・ｓ） ０．５％ ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム （ＳＰＥ−１０４ＮＢ花王製） ０．３％ 水酸化ナトリウム水溶液（４８％） ０．３％ パラオキシ安息香酸メチル ０．２％ パラオキシ安息香酸ブチル ０．１％ 政府所定変性エタノール ５．０％ 精製水 バランス

【００２０】以上を常法に従い配合したヘアワックス
は、整髪性及び油性感のないしっとり感、さらさら感を
併せ持ち、かつその持続性のよい性能性を有していた。

【００２１】 実施例５（ヘアフォーム） ヒドロキシエチルセルロース塩化ヒドロキシプロピルラウリル ジメチルアンモニウムエーテル（クォータリーソフト ポリマーＬＭ−２００ ユニオン・カーバイド製） ０．３％ 高重合ポリエチレングリコール（ユニオン・カーバイド製 ポリオックス水溶性樹脂Ｎ６０ＫＣＧ） ０．０５％ ナイロン末（平均粒径８μｍ） （ナイロンパウダーＨＫ−５０００ シオノケミカル製） ０．５％ イソステアリン酸コレステリル ０．５％ ジメチルシリコーン（５０００ｍＰａ・ｓ） ０．５％ ポリオキシエチレントリデシルエーテル （ソフタノール９０ 日本触媒製） １．０％ 水酸化ナトリウム水溶液（４８％） ０．２５％ パラオキシ安息香酸メチル ０．１％ 政府所定変性エタノール ５．０％ 精製水 バランス ＬＰＧガス（４．５kg／cm² ） 液：ガス＝９０：１０

【００２２】以上を常法に従い配合したヘアフォーム
は、整髪性及び油性感のないしっとり感、さらさら感を
併せ持ち、かつその持続性のよい性能性を有していた。

【００２３】

【発明の効果】本発明の毛髪化粧料を用いれば、頭髪を
良好にスタイリング（整髪）でき、スタイリング後の頭
髪に油性感のないしっとり、さらさらした感触を長時間
付与できる。

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１２年１月２８日（２０００．１．２
８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】すなわち、本発明は、（Ａ）（メタ）アク
リル酸・（メタ）アクリル酸アルキル共重合体、水溶性
セルロース誘導体第４級アンモニウムエーテル、アクリ
ル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキル・メタクリル
酸アルキル・メタクリル酸・メタクリル酸のポリオキシ
エチレンアルキルエーテルエステル共重合体及びアクリ
ル酸アルキル共重合体エマルションから選ばれる両親媒
性高分子０．１〜１０重量％、（Ｂ）平均粒径が５〜２
０μｍの球状粉体０．１〜１０重量％、（Ｃ）ラノリ
ン、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪
酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレ
ステリル及びジペンタエリトリット脂肪酸エステルから
選ばれる室温でペースト状の油剤０．１〜１０重量％を
含有する水で洗い落さない整髪化粧料を提供するもので
ある。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明に用いられる（Ａ）両親媒
性高分子は、水性媒体及び油性媒体の両者に親和性を有
し、皮膜形成性のある高分子であり、（メタ）アクリル
酸・（メタ）アクリル酸アルキル共重合体〔例えばアク
リル酸・メタクリル酸アルキル共重合体（カーボポール
１３８２、ペムレンＴＲ−１、ペムレンＴＲ−２（グッ
ドリッチ製））など〕、水溶性セルロース誘導体第４級
アンモニウムエーテル〔例えば、ヒドロキシエチルセル
ロース塩化ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモ
ニウムエーテル（クォータリーソフトＬＭ−２００（ユ
ニオンカーバイド製））など〕、アクリル酸・メタクリ
ル酸・アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メ
タクリル酸のポリオキシエチレンアルキルエーテルエス
テル共重合体〔例えば、アクリル酸・メタクリル酸・ア
クリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メタクリル
酸のポリオキシエチレン（２０）ステアリルエーテルエ
ステル共重合体（アキュリン２２（ＩＳＰ製））な
ど〕、アクリル酸アルキル共重合体エマルション（アキ
ュリン３３（ＩＳＰ製）など）が挙げられる。これらの
両親媒性高分子は１種以上を選んで用いることができ
る。このうち、特にアクリル酸・メタクリル酸・アクリ
ル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸の
ポリオキシエチレンアルキルエーテルエステル共重合体
が、更にアクリル酸・メタクリル酸・アクリル酸アルキ
ル・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸のポリオキシ
エチレン（２０）ステアリルエーテルエステル共重合体
が、乳化分散性、安定性及び皮膜形成性の点から好まし
い。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００９】（Ｃ）室温でペースト状（半固体）の油剤
は、室温（１５〜２５℃）の範囲を超える温度に融点を
もち、かつこの範囲で完全に固化しない点で液体油、固
体油脂と区別される油剤であり、公定書（粧原基等）で
軟こう様、ワセリン様等と示されるものであり、ラノリ
ン、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪
酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレ
ステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル（ヘキ
サオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等）が挙げ
られる。このうち、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸
のコレステリルエステル（高含水性のペースト状油
脂）、例えばイソステアリン酸コレステリル、ヒドロキ
システアリン酸コレステリル等を用いると油性感のない
さらさらした感触でありながら顕著なしっとり感を併せ
持つ、非常に良好な感触となるため特に好ましい。ペー
スト状（半固体）油剤は１種類以上配合でき、配合量は
毛髪化粧料中０．１〜１０％、特に０．３〜５％の範囲
が、整髪性を損なわず、感触良好となるため好ましい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4C083 AB032 AC022 AC102 AC182 AC242 AC352 AC482 AC902 AD042 AD072 AD091 AD092 AD132 AD151 AD152 AD492 AD512 BB12 BB26 BB35 CC32 DD08 DD22 DD41 EE06 4J002 AB03W AE03Y BB03X BC04X BG01W BG04W BG04X BG05W BG06X CF10W CL00X CP03X CP03Z DA036 DJ046 EG016 EH157 GB00

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （Ａ）両親媒性高分子、（Ｂ）粉体、及
   び（Ｃ）室温でペースト状の油剤を含有する毛髪化粧
   料。
2. 【請求項２】 更に（Ｄ）ジメチルポリシロキサンを含
   有する請求項１記載の毛髪化粧料。
3. 【請求項３】 成分（Ａ）が、アクリル酸・メタクリル
   酸・アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メタ
   クリル酸のポリオキシエチレンアルキルエーテルエステ
   ル共重合体である請求項１又は２記載の毛髪化粧料。
4. 【請求項４】 成分（Ｂ）が、球状粉体である請求項１
   〜３のいずれか１項記載の毛髪化粧料。