JP5314843B2 - 水分散スラリー塗料、その製造方法、及び塗膜 - Google Patents

水分散スラリー塗料、その製造方法、及び塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、水分散スラリー塗料、その製造方法及び塗膜に関し、詳細には、貯蔵安定性に優れる水分散スラリー塗料及びその製造方法、並びにこれによって得られる塗膜に関する。
水分散スラリー塗料に用いる樹脂粒子の作製において、硬化剤で樹脂の架橋を行う場合、通常は樹脂と硬化剤とを混合して作製している。したがって、1つの樹脂粒子の中には、樹脂と硬化剤とが共存している。この場合、架橋反応の進行を抑制するために、比較的低温で分散処理を実施する必要があるので、樹脂粒子を微細化し難く、所望の大きさの樹脂粒子を得ることが困難である。
また、貯蔵時の熱付加により架橋反応が進行し、塗膜外観、塗膜物性が低下するという問題も生じる。
これらを防ぐために、樹脂と硬化剤とを別々に粒子化するという方法が考えられる(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では、それぞれの粒子の安定性が充分でなければ、貯蔵時に樹脂粒子と硬化剤粒子とが合着して架橋反応が進行し、同様に塗膜外観、塗膜物性の低下を引き起こしてしまう。したがって、樹脂と硬化剤とを別々に粒子化する方法においても、貯蔵時に別々の粒子が合着しないことが優れた貯蔵安定性の大前提である。
また、着色した水分散スラリー塗料を得る場合、目的の塗色が得られるように樹脂に複数の着色剤を混合した後、水に分散する必要があるので、目的の塗色毎にこの作業が必要であり、非常に煩雑で、高コストであった。
それを克服するための手段として、原色の水分散スラリー塗料を用意しておいて、それを混合して調色するという方法が考えられる(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この場合でも、原色の水分散スラリー塗料の貯蔵安定性が充分でなければ、色安定性の低下、色再現性の低下、塗膜外観の低下を引き起こすことになり、水分散スラリー塗料に充分な貯蔵安定性が必要となる。
水分散スラリー塗料の安定性のためには、通常、界面活性剤が用いられる。用いられる界面活性剤としては、アニオン性の界面活性剤、片末端に疎水部を有する非ブロック型の非イオン性の界面活性剤等が挙げられる(例えば、特許文献3〜5参照。)。しかし、アニオン性の界面活性剤、非イオン性の界面活性剤、いずれの場合も、貯蔵時の分散状態における安定性が充分ではないという課題があった。
また、貯蔵時の分散状態を安定化させるために、ヒドロキシル基により官能化されている炭素数9〜16のアルカンを含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開平11−80602号公報 特開平11−279444号公報 特開2001−220544号公報 特開2004−530026号公報 特開2003−160755号公報 特表2002−531608号公報
本発明は、上記問題点を解決し、貯蔵安定性に優れる、2種類以上の粒子を成分とする水分散スラリー塗料、その製造方法および塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に達した。すなわち本発明は、
<1> 水性溶媒中に、
異なる組成を有する2種類以上の粒子(A)と、各粒子(A)に対応する1種又は2種以上の粒子(B)を分散してなり、粒子(B)の体積平均粒径は、対応する粒子(A)の体積平均粒子径に対して0.01〜0.2倍であり
前記粒子(A)は粒度分布において単一のピークを有し、体積平均粒径が1μm〜5μmであり、
前記2種類以上の粒子(A)が、特定の官能基を有するポリマーを含有する粒子(A)と、前記特定の官能基と硬化反応する硬化剤を含有する粒子(A)と、を含み、
前記硬化剤の官能基がカルボン酸基であって前記特定の官能基がエポキシ基である、又は前記硬化剤の官能基がイソシアネート基であって前記特定の官能基が水酸基である、水分散スラリー塗料である。
前記<1>に記載の発明によれば、異なる組成を有する2種類以上の粒子(A)に加えて、粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)を水性溶媒に含有させることで、貯蔵時に粒子(A)が合着し難くなるので、得られる水分散スラリー塗料は優れた貯蔵安定性を示す。
また、硬化剤を別に粒子化し、且つ粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)を含有するので、特定の官能基を有する粒子(A)と、硬化剤を含有する粒子(A)とが、貯蔵時に合着せず、その結果、特定の官能基と硬化剤とによる架橋反応を阻止することができる。
したがって、前記<>に記載の発明によれば、貯蔵時の硬化反応が抑えられた優れた貯蔵安定性を示す水分散スラリー塗料を得ることができる。
<2> 前記2種類以上の粒子(A)が、無色又は異なる色を呈する2種類以上の粒子(A)を含むことを特徴とする前記<1>に記載の水分散スラリー塗料である。
前記<2>に記載の発明によれば、無色又は異なる色を呈する2種類以上の粒子(A)を水性溶媒に分散させる場合であっても、貯蔵時にこれら粒子(A)が合着し難くなるので、色安定性、色再現性、塗膜外観が向上する。
この場合、色の異なる着色剤を別々に粒子化しているので、目的の塗色を得るために、樹脂に複数の着色剤を混合してから水に分散して塗色を確認する、という操作を繰り返すような煩雑な作業を経なくとも、原色の水分散スラリー塗料を用意しておいて、この水分散スラリー塗料の配合比を調整することで、目的の塗色を得ることができる。したがって、着色剤を含有する粒子の種類が少なくて済み、製造コストを下げることができる。また、目的の塗色を得るためにおいて多数の試行を必要とせず、煩雑な操作を省略することができる。
> 前記粒子(A)が、イエロー着色剤を含有する粒子、シアン着色剤を含有する粒子、マゼンタ着色剤を含有する粒子、ホワイト着色剤を含有する粒子、ブラック着色剤を含有する粒子、光輝性着色剤を含有する粒子、着色剤を含有しない粒子、からなる群より選択される少なくとも2種であることを特徴とする前記<>に記載の水分散スラリー塗料である。
前記<>に記載の発明では、粒子(A)が、各々「イエロー」、「シアン」、「マゼンタ」、「ホワイト」、「ブラック」、「光輝性」、「無色」を呈する。これら7色のうち2色以上を任意に組み合わせて調色することで、広範囲の色を発現させることができる。
> 前記粒子(B)の添加量が、前記粒子(A)の総添加量に対して、0.5〜50質量%であることを特徴とする前記<1>乃至<>のいずれか1項に記載の水分散スラリー塗料である。
前記<>の発明によれば、粒子(B)の添加量を上記範囲内とすることで、より効果的に粒子どうしの合着を防ぐことができる。
<5> 前記粒子(B)の体積平均粒径が、0.05μm〜0.2μmであることを特徴とする前記<1>乃至<4>のいずれか1項に記載の水分散スラリー塗料である。
粒子(A)の体積平均粒径が上記範囲内にあると、粒子を製造し易く、且つ水性溶媒中に安定的に分散させることができる。このような粒子径に対して、粒子(B)の体積平均粒径を上記範囲内とすれば、より効果的に粒子どうしの合着を防ぐことができる。
したがって、前記<>の発明によれば、製造し易い粒径の粒子を、水性溶媒中に安定的に分散させることができ、且つ、水性溶媒中での合着を防ぐことができる。
<6> 粒度分布において単一のピークを有し体積平均粒径が1μm〜5μmの少なくとも1種類の粒子(A)と、該粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)と、を水性溶媒中に分散して、水性分散体を調製する工程と、
2種類以上の前記水性分散体を混合する工程と、
を有し、
前記2種類以上の前記水性分散体のうち一方の水性分散体が、特定の官能基を有するポリマーを含有する粒子(A)を含み、他方の水分散体が、前記特定の官能基と硬化反応する硬化剤を含有する粒子(A)を含み、
前記硬化剤の官能基がカルボン酸基であって前記特定の官能基がエポキシ基である、又は前記硬化剤の官能基がイソシアネート基であって前記特定の官能基が水酸基である水分散スラリー塗料の製造方法である。
前記<>の発明では、粒子(A)と粒子(B)とを分散させた水性分散体を調製するので、貯蔵時に粒子(A)が合着し難くな、優れた貯蔵安定性を示す水分散スラリー塗料を製造することができる。
また、前記<>の発明では、前記水分散体を複数調製しておき、これら水性分散体を混合するので、色の微調整が容易である。
更に、前記<>の発明では、硬化剤を別に粒子化して水性分散体を調製するので、造粒時に温度を上げることも可能であり、粒子を微細化したり、所望の大きさの粒子としたりすることができる。
> 前記<1>乃至<>のいずれか1項に記載の水分散スラリー塗料を塗布し、乾燥することによって得られる塗膜である。
前記<>の発明では、本発明の水分散スラリー塗料を用いるので、貯蔵時においても分散させた粒子が合着してより大きな粒子となることを防ぎ、更には沈殿を生じさせ難いために、塗膜としたときには、平滑性が低下しない。また異なる色の粒子が合着するのを防ぐことができるので、塗膜表面が斑模様にならない。
したがって、前記<>に記載の本発明の塗膜は、色安定性、色再現性、塗膜外観に優れる。
本発明によれば、貯蔵安定性に優れる、2種類以上の粒子を成分とする水分散スラリー塗料、その製造方法および塗膜を提供することができる。
1.水分散スラリー塗料
本発明の水分散スラリー塗料は、(I)水性溶媒中に、(II)異なる組成を有する2種類以上の粒子(A)と、(III)該粒子(A)の体積平均粒径に対して、0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)と、を分散してなる。
以下、本発明の水分散スラリーを構成する物質について詳細に説明を行った後、水分散スラリーの製造方法について説明し、更に得られる塗膜について説明を行う。
1.水分散スラリー塗料
本発明の水分散スラリー塗料は、複数種の粒子(A)を含有し、これらの粒子(A)が貯蔵時において安定的に分散するように、この粒子の体積平均粒径の0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)を含有させる。
このとき、粒子(A)の分散を安定化させるメカニズムについては明らかとなっていないが、粒子(A)間に粒径の小さい粒子(B)が入り込むことで、粒子(A)どうしが接触するのを防いでいるものと推測されるが、本発明ではこのようなメカニズムに限定されない。
貯蔵時の合着の防止が望まれる複数種の粒子(A)の組み合わせとしては、第一に、発色の異なる2種類以上の粒子(A)を含むような組み合わせを挙げることができる。貯蔵保存中に粒子(A)どうしが合着すると、大きな粒子となってしまい、更には沈殿を生じる場合もあるので、塗膜としたときに平滑性が低下する。また異なる色の粒子が合着するので、塗膜表面が斑模様になる場合があり、色安定性、色再現性、塗膜外観が低下する。しかし、粒子(B)を含有させることで、粒子どうしの合着を防ぐことができ、これらの問題を解決することができる。
なお、色の異なる粒子を二種類以上含む水分散スラリー塗料を調製することの利点としては、水分散スラリー塗料中の各々の粒子をその特定の色に着色する方法に比べて、少ない種類の原色スラリー塗料を準備すればよく、その少数の原色スラリー塗料を任意の組合せで調色し、広範囲の色を容易に発現させることができるという点である。また、水分散スラリー塗料の色が目的の色から多少ずれた場合の微調整が簡易であるという点である。粒子をその特定の色に着色しておく方法では、多数の試行を要するので、色調を調整するのに煩雑な作業を要する。
貯蔵時の合着の防止が望まれる複数種の粒子(A)の組み合わせとしては、第二に、特定の官能基を有する粒子(A)と、前記特定の官能基と硬化反応する硬化剤を含有する粒子(A)とを含む組み合わせを挙げることができる。硬化剤を別に粒子化することで、貯蔵中に、粒子(A)中の樹脂と硬化剤との硬化反応が進行するのを防ぐことができるが、本発明では更に、粒子(A)どうしが貯蔵時に合着しないように、粒子(B)が添加されているので、より硬化反応の進行を阻止することができる。
なお、硬化剤を別の粒子として粒子化しない方法では、造粒時に架橋反応してしまわないように比較的低温で分散処理することが必要なために、粒子を微細化したり、所望の大きさの粒子を作製したりすることが困難であるが、硬化剤を別に粒子化する方法では、造粒時に温度を上げることも可能であるため、粒子を微細化したり、所望の大きさの粒子とすることができる。
このように、本発明の水分散スラリー塗料は、着色剤を含有させた粒子や硬化剤を含有する粒子などの粒子のほかに、第3成分としての粒子(本発明でいう粒子(B))を添加するが、従来の水分散スラリー塗料は、第3成分としての粒子(本発明でいう粒子(B))を添加するものではない。
したがって、本発明の水分散スラリー塗料は、これまでの水分散スラリー塗料と比べると、第3成分としての粒子(B)を含有する点において特徴を有し、且つその粒子(B)の体積平均粒径は、着色剤を含有させた粒子や硬化剤を含有する粒子などの粒子の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍の小ささである点でも特徴を有する。
以下、水分散スラリー塗料を構成する物質について詳細に説明を行う。
1−1.水性溶媒
水性溶媒とは、水、または水混和性溶媒と水との混合溶媒をいう。
水混和性溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の短炭素鎖アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF、アセトン等が挙げられる。
水溶性溶液が、水と水混和性溶媒との混合液からなる場合には、水性溶媒中の水混和性溶媒の含有量は1質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましい。
また、水混和性溶媒はイオン交換水と混合するだけでなく、後述の樹脂溶液中に添加して使用しても構わない。
1−2.粒子(A)
本発明における粒子(A)は、樹脂成分としてポリマーを含有する。
樹脂成分としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂、ABS樹脂を単独で又はそれらを混合して、或いはアロイ化して使用することができる。
−アクリル樹脂−
アクリル樹脂は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合法により製造され、重量平均分子量は、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000である。
−ポリエステル樹脂−
ポリエステル樹脂は、例えば、低分子ポリオール及び/又はポリアルキレンエーテルジオールと、ポリカルボン酸と、を反応させて得られる。
ポリアルキレンエーテルジオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
また、ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルなど]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ;ラクトンとしてはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
ポリエステルは、通常の方法によって製造することができる。
ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリカプロラクトンジオールまたはトリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどを挙げることができる。
−ポリウレタン樹脂−
ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールとジイソシアネートの重付加物などが挙げられる。
ジイソシアネートの具体例としては、例えば、
(1)炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート[例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等];
(2)炭素数4〜15の脂環族ジイソシアネート[例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等];
(3)炭素数6〜14の芳香族ジイソシアネート[例えば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート等];
(4)炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート[例えば、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];
(5)これらのジイソシアネートの変性物[例えば、カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基等を有するジイソシアネート変性物等];
(6)およびこれら(1)〜(5)の2種以上の混合物等、
が挙げられる。
これらのうち好ましいものはHDI、TDIおよびIPDIである。
ポリオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖などの3〜8価の多価アルコールなどが挙げられる。
多価フェノール類としては、例えば、ピロガロール、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノールのほかビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類などが挙げられる。
ポリオールの不飽和度は少ない方が好ましく、好ましくは0.1meq/g以下、より好ましくは0.05meq/g以下、さらに好ましくは0.02meq/g以下である。
ポリオールとジイソシアネートの比率は、水酸基[OH]とイソシアネート基[NCO]のモル比[OH]/[NCO]として、好ましくは2/1〜1/1、より好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の構成成分の場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。重量平均分子量は好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは2,000〜20,000、さらに好ましくは3,000〜15,000である。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ポリエポキシドとポリカルボン酸との付加縮合物などが挙げられる。この付加重合の際、活性水素を含有する水酸基が発生する。
ポリカルボン酸としては、上記に例示のものが挙げられる。
また、ポリエポキシドは、脂肪族系、脂環族系、複素環系あるいは芳香族系のいずれであってよい。
芳香族系のポリエポキシドとしては、例えば、多価フェノールのグリシジルエーテル体が挙げられ、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールAの2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、またはホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体が挙げられる。
さらに、本発明において前記芳香族系のポリエポキシドとして、例えば、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマーおよびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。
複素環系のポリエポキシドとしては、例えば、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。
脂環族系のポリエポキシドとしては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、およびビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミンが挙げられる。また、脂環族系としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む。
脂肪族系のポリエポキシドとしては、例えば、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。
多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテルが挙げられる。
多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、例えば、ジグリシジルアジペートが挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
また、本発明において脂肪族系としては、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。
これらのうち、好ましいのはビスフェノールAジグリシジルエーテルとアジピン酸との縮合物である。
本発明において、好適な樹脂としてのポリマーは、硬化剤によって硬化するように、硬化剤と反応する特定の官能基を有することが好ましい。水分散スラリー塗料を塗布した後に、溶媒を除去し、加熱することで、塗膜が硬化剤によって硬化し、硬化塗膜を得ることができる。このような硬化塗膜は、樹脂が高分子化することで、耐水性や耐傷性などが向上する。
上記特定の官能基は、硬化剤の有する官能基と架橋反応するものであれば特に限定される、硬化剤の官能基によって異なる。例えば、硬化剤はカルボン酸基を有する場合、上記特定の官能基は、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等であることが好ましく、硬化剤が、イソシアネート基を有する場合、上記特定の官能基は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等であることが好ましい。
なお本発明において前記硬化剤の官能基と前記特定の官能基との組み合わせは、前記硬化剤の官能基がカルボン酸基であって前記特定の官能基がエポキシ基であるか、又は前記硬化剤の官能基がイソシアネート基であって前記特定の官能基が水酸基、組み合わせである。
上記特定の官能基が活性水素基である場合も好適であり、活性水素基としては、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボン酸基、リン酸基、チオール基などを挙げることができる。
活性水素基を含有する樹脂における活性水素当量は、好ましくは50〜50,000、より好ましくは100〜10,000、さらに好ましくは200〜5,000である。
アクリル樹脂の活性水素としては、アルコール性水酸基、カルボン酸基の活性水素が挙げられる。
ポリエステル樹脂の活性水素としては、例えば、アルコールとカルボン酸の重縮合末端のアルコール性水酸基やカルボン酸基が挙げられる。反応(縮合)させるときの一方の構成成分であるポリオールを過剰に用いることで活性水素を末端に残存させることができる。
ポリウレタン樹脂の活性水素としては、例えば、活性水素原子含有化合物由来のウレタン化されていない活性水素や、ウレタン結合中の水素が挙げられる。
エポキシ樹脂の活性水素としては例えば、エポキシ化により生成するアルコール性活性水素が挙げられる。
硬化剤を別に粒子化せず、粒子(A)中に硬化剤を含有させる場合、適用する硬化剤としては、粒子(A)のポリマーと反応するような官能基を有する必要があり、ポリマーの種類によって異なる。例えば硬化剤としては、例えばポリカルボン酸(ドデカン二酸、トリメリット酸等)、アミノ樹脂やブロックポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリオール等が挙げられる。
粒子(A)のポリマーが特定の官能基として前記活性水素を有する場合には、硬化剤としては、活性水素と反応し得る官能基が1分子中に2個以上含有された化合物であることが好ましく、例えば、上記に例示のイソシアネート基含有化合物、これらの変性物、ブロック化されていてもよいイソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、メラミン樹脂、シリルエーテル基含有化合物、(ヘミ)アセタール基含有化合物等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、イソシアネート基含有化合物、及びブロック化されていてもよいイソシアネート基含有化合物であり、さらに好ましくは、ブロック化されていてもよいイソシアネート基含有化合物である。
特に好ましいものは、室温では硬化反応しないようにブロック化されたHDIイソシアヌレート(トリマー)、及びブロック化されたIPDIイソシアヌレート(トリマー)である。
有機ジイソシアネート及び有機ポリイソシアネートのブロック化剤としては、例えば、ラクタム類(ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール等)、オキシム類(メチルエチルケトンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノールシクロヘキサノール等)、ジケトン類(マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等)、メルカプタン類(ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等)、ウレトジオン類(イソホロンジイソシアネートダイマー、ヘキサメチレンジイソシアネートダイマー等)、アミド類(アセトアニリド、酢酸アミド等)、イミド類(コハク酸イミド、マレイン酸イミド等)及び亜硫酸塩類(重亜硫酸ソーダ等)、及び上記の2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、好ましいものとしては、アルコール類、ラクタム類、オキシム類、フェノール類が好ましく、特にメタノール、エタノール、メチルエチルケトンオキシムが好ましい。
ブロック化されていてもよいイソシアネート基含有化合物としては、例えば、上記に例示の有機ジイソシアネート、並びに、これらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物など)、HDIイソシアヌレート、HDIビューレット、IPDIイソシアヌレート、IPDIビューレット、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物]、ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)、およびこれらのブロックイソシアネート化合物が挙げられる。
これらのうちで好ましいものはHDIイソシアヌレートおよびIPDIイソシアヌレートである。
粒子(A)中、ポリマー中の前記特定の官能基と、硬化剤中の官能基との含有比率は、モル比として、1:1以上2:1未満、好ましくは1.2:1以上1.8:1未満、さらに好ましくは1.3:1以上1.6:1未満である。
粒子(A)中に硬化剤を含有させる場合には、硬化剤の官能基がブロック化されていることが好ましいので、硬化触媒を併用することが好ましい。
硬化触媒としては、ジアザビシクロオクタン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミン化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、オクチル酸ジルコニウムなどの金属含有化合物が挙げられる。
硬化触媒の配合量は、粒子(A)中、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
等が挙げられる。
<異なる色を呈する粒子(A)>
粒子(A)は、必要により着色剤を含有することができる。着色剤としては特に限定されないが、例えば、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロム、フェライト等が挙げられる。有機顔料としては、アゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ系等のアゾ顔料、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キノフタロン系、アンスラキノン系等の多環式顔料が挙げられる。
染料としてはニグロシン系、アニリン系が挙げられる。
水分散スラリー塗料に、異なる色を呈する2種類以上の粒子(A)を分散する場合には、粒子(A)には、イエロー着色剤、シアン着色剤、マゼンタ着色剤、ホワイト着色剤、ブラック着色剤、光輝性着色剤を含有させるか、着色剤を含有させずに無色とすることが好ましい。これら7色の組み合わせにより、広範な所望の塗色を得ることができる。
イエロー着色剤としては、黄色酸化鉄、チタン黄、ナフトールイエローS、ハンザイエロー10G;5G;3G;G;GR;A;RN;R、ピグメントエローL、ベンジジンエロー、ベンジジンエローG;GR、パーマネントエローNCG、バルカンファーストエロー5G;R、タートラジンレーキ、キノリンエローレーキ、アンスラゲンエロー6GL、パーマネントエローFGL;H10G;HR、アンスラピリジンエロー、ノバパームイエローH2G、ハンザエロー3R等を挙げることができる。
シアン着色剤としては、郡青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ファナントーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルーRS;BC、インジド等を挙げることができる。
マゼンタ着色剤としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R;F2R;F4R;F5R;FRL;FRLL;F4RH;FGR;BL;F5RK、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファーストスカーレットG、ブリリアントファーストスカーレット、ブリリアントファーストスカーレットG、ブリリアントカーミンBS;6B、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB、バルカンファストピンクG、ライトファーストレッドトーナーB;R、パーマネントカーミンFB;FBB、ピラゾロンレッド、リソールレッド、レーキレッドC;D、アンソシンB、リソールルビンGK、ピグメントスカーテット3B、ボルドー5B;10B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2R、ヘリオボルドーBL、ポンマルーンライト、ポンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB;Y、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、PVカーミン;HF3C;HF4C;HF4B、HRカーミン、Watchung Red Mn、クロモフタールレッドBR、モノライトファストレッドYS、PVレッドHF2B、パリオゲンレッド3910等を挙げることができる。
ホワイト着色剤としては、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白、硫化亜鉛、酸化アンチモン等を挙げることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック等を挙げることができる。
光輝性着色剤としては、アルミニウム顔料、マイカ顔料、ブロンズ粉、銅粉、ステンレス粉や、金属コーティングした硝子粉、金属コーティングしたマイカ粉、金属コーティングしたプラスチック粉等を挙げることができる。
<硬化剤を含有する粒子(A)>
硬化剤を別に含有させた粒子(A)を水分散スラリー塗料に含有させる場合、造粒時に、前記特定の官能基を有するポリマーと硬化剤とを分けて加熱、溶融できるので、樹脂等と硬化剤の各々の軟化点以上の温度に容易に加熱、溶融できる。その結果、超微粒子のスラリーを得られ、塗膜の外観が向上する。
このような硬化剤としては、粒子(A)のポリマーと反応するような官能基を有する必要があり、合成樹脂の種類によって異なる。例えば、粒子(A)のポリマーが水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等を有する場合、硬化剤はカルボン酸基を有することが好ましく、粒子(A)のポリマーが水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等を有する場合、硬化剤はイソシアネート基を有することが好ましい。
硬化剤を別に含有させた粒子(A)において、硬化剤が有する官能基としては、上述の粒子(A)中に硬化剤を共存させる場合の硬化剤の官能基と同様のものを挙げることができ、好適な官能基についても同様である。
ポリマー中の前記特定の官能基と、硬化剤を含有する粒子(A)中の硬化剤の官能基との含有比率は、モル比として、0.5:1以上2:1未満、好ましくは0.6:1以上1.8:1未満、さらに好ましくは0.8:1以上1.6:1未満である。
<添加剤>
その他、粒子(A)には添加剤として、必要に応じて充填剤、防錆剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、流動調整剤、ハジキ防止剤等を配合することが好ましい。
<形状>
本発明のスラリー塗料において、粒子(A)の粒子形状は不定形であっても球状であってもよいが、塗膜の平滑性、均一性の点で球状の方が好ましい。ここで球状とは、粒子の長径/短径の比率が1.0〜1.5の範囲にあるものを指す。好ましくは、粒子の長径/短径の比率が1.0〜1.2である。
長径/短径比率は光学顕微鏡を用いて粒子を観察し、Heywoodの定義により、粒子の平面図について輪郭に接する二つの平行線の最短距離を短径、それに直角方向の平行線の最大距離を長径とし、測定される値の長径と短径の比率を計算して求める。
粒子(A)の体積平均粒径は、本発明のスラリー塗料中、好ましくは1μm〜5μmであり、より好ましくは1〜3μmであり、さらに好ましくは1〜2μmである。粒子(A)の体積平均粒径が上記範囲内であると、水中での粒子の沈降が抑えられ、塗膜形成時の水分揮発および粘度調整が容易となる。
粒子(A)の粒径の測定法は、電子顕微鏡測定、沈降法、エレクトロゾーン法、動的光散乱法等があるが、測定粒度範囲の適合性より、上記粒径は動的光散乱法で測定した値とする。
<製造方法>
粒子(A)は、例えば、前記樹脂としてのポリマー(硬化剤であるポリマーを含む。)や、更に必要に応じて硬化剤や着色剤を有機系溶剤に溶解させたものを、水性媒体中に分散させ、その後、必要により加熱しながら減圧して、水を残存させつつ有機系溶剤を除くという、いわゆる転相乳化法により好適に調製することができる。
また、粒子(A)は、前記樹脂としてのポリマー(硬化剤であるポリマーを含む。)や、更に必要に応じて硬化剤や着色剤を溶融混練し、冷却、粉砕するという、いわゆる混練粉砕法によっても調製することができる。
これら調整法の中でも、粒子の粒径や形状の調節のしやすさから、転相乳化法で調整することが好ましい。
粒子(A)の調製方法については、後述の水分散スラリー塗料の製造方法で詳細に説明する。
1−3.粒子(B)
本発明の水分散スラリー塗料は、前記粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)を含有する。
粒子(B)の体積平均粒径は、粒子(A)どうしの合着を防ぐために、極めて重要な因子である。粒子(B)の体積平均粒径は、粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍であり、好ましくは、0.03〜0.2倍であり、より好ましくは、0.05〜0.2倍である。
粒子(B)の体積平均粒径が、粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01倍未満であると、粒子(B)を製造し難く、また取り扱い難い粒子となる。一方、粒子(B)の体積平均粒径は、粒子(A)の体積平均粒径に対して0.2倍よりも大きいと、粒子(A)の分散状態を安定化させ難くなり、粒子(A)どうしが合着し易くなる。この理由は明らかではないが、0.2倍よりも大きな粒径の粒子(B)では粒子(A)の表面に付着し難く、或いは粒子(A)間に粒子(B)が入り込み難くなるためであると推測されるが、本発明ではこのようなメカニズムに限定されない。
粒子(B)の体積平均粒径は、0.05μm〜0.2μmであることが好ましく、0.1μm〜0.2μmであることがより好ましい。体積平均粒径がこのような範囲にあると、粒子(B)を製造し易く、且つ本発明の効果を得やすい。
粒子(B)の粒径の測定法は、電子顕微鏡測定、沈降法、エレクトロゾーン法、動的光散乱法等があるが、測定粒度範囲の適合性より、上記粒径はフロー法で測定した値とする。
粒子(B)としては、上記体積平均粒径を有するものであれば、無機粒子、有機粒子のいずれであってもよい。
本発明の水分散スラリー塗料中の粒子(B)の添加量は、前記粒子(A)の総添加量に対して、0.5〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが更に好ましい。上記範囲内の場合には、粒子(A)どうしでの合着を効果的に防ぐことができ、また塗装性が良好なために、塗膜の平滑性に優れる。
1−4.その他の成分
本発明のスラリー塗料には、目的とする用途に応じて必要により公知の添加剤(例えば粘弾性調整剤、反応促進剤、動的表面張力調整剤、充填剤、増粘剤、耐熱もしくは耐候安定剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、防腐剤、着色料など)を任意に含有させることができる。
動的表面張力調整剤としては、例えばアセチレングリコール系動的表面張力調整剤、フッ素系動的表面張力調整剤やシリコーン系動的表面張力調整剤等が挙げられる。配合量はスラリー塗料に対して好ましくは0.05質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
耐候安定剤としては、例えばフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、オクチル化ジフェニルアミン、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート等のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。配合量はスラリー塗料に対して好ましくは0.05質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下である。
レベリング剤としては特に限定されないが、例えば低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル共重合体、エチレン−メタクリル共重合体などのオレフィン共重合体、(メタ)アクリル共重合体、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。配合量はスラリー塗料に対して好ましくは0.2質量%以上6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下である。
粒子同士の合着や沈降を抑制し、微粒子を水中で安定に分散させたり、塗装時の作業性を確保したりするためにレオロジーコントロール剤を用いることができる。
レオロジーコントロール剤としては、特に制限無く適用することができるが、アニオン性レオロジーコントロール剤や非イオン性レオロジーコントロール剤を適用することが好ましい。
アニオン性レオロジーコントロール剤は、アニオン性基を有し、かつ特に一部又は完全に中和されていてもよい酸基を有するアクリル樹脂が挙げられる。酸基としては、特に限定されずカルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が用いられるが耐水性の観点からカルボキシル基が好ましい。
酸基を有するアクリル樹脂としては以下に例示する酸基を含有するモノマーとその他のモノマーからなるアクリル樹脂が挙げられる。酸基を含有するモノマーの共重合比率は40モル%以上が好ましく、50モル%以上がさらに好ましい。酸基を含有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基を有するモノマー:ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホ基を有するモノマー:モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェートなどのリン酸基を有するモノマーが含まれる。また、これらのモノマーの、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩が挙げられる。ただし、アルカリ可溶性モノマーユニットの原料としてのモノマーはこれらに限定されるものではなく、重合性であり、かつ酸性の官能基またはその塩を有していればよい。また、使用される原料としてのモノマーは、1種でも、2種以上でもよい。これらの内、カルボキシル基を有するモノマーが好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。重量平均分子量としては1,000〜2,000,000が好ましく、さらに好ましくは100,000〜1,000,000である。
中和率としては塗工時のタレ性の観点から50%以上が好ましく、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは100%である。
中和剤としては、特に限定されないがアミノ基を有する化合物、アルカリ性水酸基を有する化合物が挙げられるが、耐水性の観点でアミノ基を有する化合物が好ましい。アミノ基を有する化合物としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール等が挙げられるが、これらの内、耐水性の観点からジメチルアミノエタノール、トリエチルアミンが好ましい。
非イオン性レオロジーコントロール剤としては、ウレタン結合等の水素結合を利用した会合型レオロジーコントロール剤と水溶性高分子からなる水溶性高分子型レオロジーコントロール剤が挙げられる。これらの内塗工性の観点から会合型レオロジーコントロール剤が好ましい。会合型レオロジーコントロール剤としては、水溶性ポリオキシエチレン、若しくは水溶性ポリオキシエチレンとジイソシアネートの重付加物と水酸基含有の疎水性基との反応生成物等が挙げられる。上記の内、耐水性の観点から水溶性ポリオキシエチレンとジイソシアネートの重付加物と水酸基含有の疎水性基との反応生成物が好ましい。重量平均分子量としては1,000〜300,000が好ましく、さらに好ましくは10,000〜100,000である。
これらのレオロジーコントロール剤は、2種類以上を併用することもできる。
1−5.水分散スラリーの物性
水分散スラリーの25℃における粘度は、塗装性の観点から好ましくは10〜100,000mPa・sであり、さらに好ましくは50〜5,000mPa・sである。粘度が上記範囲内であるとき、塗料として取り扱い易い。
2.水分散スラリー塗料の製造方法
本発明の水分散スラリー塗料の製造方法は、前記粒子(A)のうちの少なくとも1種類と、前記粒子(B)と、を水性溶媒中に分散して、水性分散体を調製する工程と、2種類以上の水性分散体を混合する工程と、を有する。
以下、工程毎に説明を行う。
2−1.水性分散体の調製工程
水性分散体の調製工程では、前記粒子(A)のうち少なくとも1種類と、前記粒子(B)と、を水性溶媒中に分散する。粒子(A)を水性溶媒中に分散に分散させる方法としては、下記の方法が例示できるが、これらに限定されない。
(1)転相乳化法
粒子(A)を構成する上記ポリマー(硬化剤であるポリマーを含む。以下同様。)と、必要に応じて硬化剤や着色剤を有機系溶剤に溶解させたものを水性媒体中に分散させ、必要により加熱しながら減圧して、水を残存させつつ有機系溶剤を除去して、粒子(A)を水中に分散させる。
(2)粉砕粒子分散法
粒子(A)を構成する上記ポリマーと、必要に応じて硬化剤や着色剤などの添加剤を溶融混練し、冷却、粉砕によって得た粒子(A)を、ディスパーサー等を用いて水性媒体中で分散させる。
これら調整法の中でも、粒子の粒径や形状の調節のしやすさから、転相乳化法で調整することが好ましい。
転相乳化法における系内温度は、好ましくは−5〜100℃であり、より好ましくは30〜80℃である。有機系溶剤の除去のための減圧条件は、0.1〜15Torr(13.3Pa〜2.0×10Pa)であることが好ましく、加熱する場合には、最高100℃までであることが水性媒体を残存させる観点から好ましい。また、有機系溶剤の除去時間は、0.1〜50時間であることが好ましく、より好ましくは2〜10時間である。
転相乳化法では、まず、前記ポリマーを有機溶剤を用いて溶解し、適宜、着色剤や硬化剤などの添加剤を加えて投入して樹脂溶液を得る。このようにして得られた樹脂溶液を水性溶媒に滴下していくことにより転相を生じさせて乳化した分散液を得る。分散させる水性溶媒中には、予め粒子(B)を分散させておくことが好ましい。
次に、この乳化した分散液から有機溶剤を減圧下で留去して粒子分散液とする。このとき、必要に応じて分散安定剤を投入しても良い。
転相乳化法で用いる分散機としては、例えば、ホモミキサー、高圧ホモミキサー、ディスパーサー、高圧ホモジナイザー、スタティックミキサー、膜乳化機、フィルミックス、超音波分散機等が挙げられる。このうち好ましいのはホモミキサーである。
転相乳化法で用いる前記有機溶剤としては、例えば、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が挙げられる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等エステル類、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、MPK(メチルプロピルケトン)、MIPK(メチルイソプロピルケトン)、MBK(メチルブチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)等のメチルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の複素環置換体類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能であるが、入手し易さや留去時の回収容易性、環境への配慮の点から、低沸点の酢酸エステル類やメチルケトン類、エーテル類が通常好ましく用いられる。
上記の転相乳化法において、樹脂油滴が形成された分散液を得るために樹脂溶液に添加される水性溶媒は、上述のものを適用する。
樹脂溶液の液滴及び有機溶剤を留去した後の水分散体中の粒子が安定した分散状態を保つよう、必要に応じて分散安定化剤および分散安定補助剤を添加してもよい。
分散安定化剤としては、水溶性溶液中で親水性コロイドを形成するもので、特にヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ等のセルローズ誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩等の高分子型分散剤、ゼラチン、アラビアゴム、寒天等が挙げられる。これらの分散安定剤は通常、水溶性溶液中の濃度が0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%となるよう添加される。
高分子型分散剤としては、ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダなどのカルボキシル基含有(共)重合体、並びに特開平07−133423号公報および特開平08−120041号公報に記載のウレタン結合もしくはエステル結合を有する高分子型分散剤など[例えば、ポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたものなど]が使用できる。
これらの高分子型分散剤の数平均分子量は通常3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000である。
分散安定補助剤としては、通常界面活性剤が用いられ、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸またはその塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有する硫酸エステルもしくはエーテル硫酸エステルまたはそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウムなど]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンするホン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を1個もしくは2個有するスルホコハク酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステルもしくはエーテルリン酸エステルまたはそれらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等]および炭素数8〜24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グルセリン、モノラウリン酸ソルビタン等]、脂肪酸(炭素数8〜24)アルカノードアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミンおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキサイド[ラウリルジメチルアミンオキサイド等]等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、アミン塩型[ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
高分子型分散剤としては、ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダなどのカルボキシル基含有(共)重合体、並びに特開平07−133423号公報および特開平08−120041号公報に記載のウレタン結合もしくはエステル結合を有する高分子型分散剤など[例えば、ポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたものなど]が使用できる。
これらの高分子型分散剤の数平均分子量は通常3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000である。
これらの通常の界面活性剤のうちで好ましいものは、高分子型分散剤およびノニオン性界面活性剤であり、さらに好ましいものはカルボキシル基含有(共)重合体である。
2−2.水性分散体の混合工程
この工程では、上記工程で調製した2種類以上の前記水性分散体を混合させる。
水分散スラリー塗料に、異なる色を呈する2種類以上の粒子を含有させる場合には、「イエロー」、「シアン」、「マゼンタ」、「ホワイト」、「ブラック」、「光輝性」、「無色」の水分散体を別個に調製し、これらのうちの2つ以上の水分散体を任意に組み合わせて調色することが好ましい。このように、異なる色の水分散体を調製し、この水分散体を複数種組み合わせて混合させることで、広範囲の色を発現させることができる。また、この方法は、色調を調製することも容易であり、少量で多数の色数を必要とする用途においても好適である。
異なる色の水分散体を混合するときの混合比率は特に制限されず、目的の色調に応じて適宜調整する。
水分散スラリー塗料に、硬化剤を別に粒子化した粒子(A)を含有させる場合には、硬化剤を別に粒子化した粒子(A)を含有する水分散体と、硬化剤と架橋反応する特定の官能基を有するポリマーの粒子(A)を含有する水分散体をそれぞれ別個に調製し、これらを混合させる方法を採用することで、水分散体の調製時の加熱によって硬化触媒により硬化反応が進行するという状況を回避することができる。したがって、この方法では、水分散スラリー塗料の分散状態が安定しやすい。
特定の官能基を有するポリマーを含有する粒子(A)を含む水分散体と、硬化剤を含有する粒子(A)を含む水分散体との混合比率も特に制限されず、粒子(A)に含まれるポリマーの種類や、硬化剤の種類などによって適宜調整する。
なお、調製したそれぞれの水分散体には、前記粒子(B)を含有させるので、各々の水分散体に含有する粒子どうしが合着するのを防止している。
この工程により、2種類以上の水分散体を混合することによって水分散スラリー塗料が得られる。このとき、水性溶媒や上述のレオロジーコントロール剤などを添加して、得られた水分散スラリー塗料の濃度や粘度を調整する。必要に応じて、適宜、レベリング剤などの上記添加剤を添加する。
3.塗膜
本発明の水分散スラリー塗料は、通常の水系塗料用の塗装機を用いて塗装することができ、塗装機としては、例えば、エアースプレー塗装機や静電気ブロックした静電塗装機、エアレス塗装機等を挙げることができる。
スプレー塗装機による塗膜形成方法では、被塗装物に対して、該塗料を、ウェット膜厚、好ましくは10以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下となるようにスプレー塗布する。塗料がスプレーノズルから被塗装物まで浮遊する間に、塗料中の水分が揮発して樹脂分が増加する。被塗装物に塗着時の塗料樹脂分(質量%)は、塗着塗料量と加熱後の塗膜重量との差を塗着塗料量で除した値と100との差で表すことができ、好ましくは50質量%以上95質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上90質量%以下であり、塗着した塗料中の樹脂分が50質量%以上であると、塗料のタレが発生せず、平滑な塗膜が作成できる。
塗装された被塗装物を、好ましくは100℃以上200℃以下、より好ましくは120℃以上180℃以下の温度で、好ましくは5分以上60分以下、より好ましくは5分以上30分以下、さらに好ましくは5分以上20分以下の時間加熱することで塗膜を形成することができる。
本発明の水分散スラリー塗料を塗布し、焼き付けることによって得られる塗膜の被塗装物の膜厚は、好ましくは10μm以上150μm以下、より好ましくは15μm以上50μm以下である。
本発明の塗膜は、上記本発明の水分散スラリー塗料を用いて形成されるので、貯蔵時の塗料中において分散させた粒子(A)が合着して大きな粒子を発生させ難く、更には沈殿を生じさせ難いために、塗膜としたときには、平滑性が低下せず、塗膜外観に優れる。また異なる色の粒子(A)が合着するのを防いでいるため、塗膜表面が斑模様にならず、色安定性、色再現性に優れる。
本発明の水分散スラリー塗料は、特に自動車用トップコートとして、あるいは建築物や家電製品等、種々の製品の塗装に用いることができる。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明は、下記実施例により何ら限定されるものではない。以下において「部」は重量部を示し、「%」は質量%を示す。
−界面活性剤(D−1)の作製−
攪拌装置、滴下ロート、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に4−α−クミルフェノール53部、およびルイス酸触媒(水澤化学工業社製、GalleonEarth)23部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換し、90℃に昇温した。同温度にてスチレン181部を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて5時間反応させた。これを30℃に冷却後、触媒を濾別することにより、スチレン7モルが4−αクミルフェノール1モルに付加したもの(Mw:900)(C0−1)を220部得た。C0−1にEO(エチレンオキサイド)を付加したもの(EO含量45%);Mw1700)16.9部、ポリエチレングリコール(Mw:4000)79.7部、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)3.4部を80℃で3時間反応させ、ポリオキシエチレン鎖Mw3600、オキシエチレン単位含量87%、Mw24,000、疎水部の炭化水素木の炭素数62、HLB17.2の界面活性剤(D−1)100部を得た。
−有機粒子(B)分散液(BL−2及び3)の調製−
耐圧反応容器に、イオン交換水、界面活性剤、過硫酸アンモニウム、を仕込み、反応容器内の空気を窒素で置換した後、反応容器を密閉して攪拌を開始し、80℃まで上昇した。ついで、表1に示す比率(重量比)で混合したモノマー200部を2時間かけて滴下した。更に、同温度で2時間熟成し、粒子(B)分散液(BL−2及び3)を得た。表1に組成比(重量比)と体積平均粒径を示す。ここでの粒子(B)水分散液(BL−2及び3)中の粒子(B)の体積平均粒径は、動的光散乱粒子径測定法[測定装置は、大塚電子社製:DLS−7000、試料は粒子水分散液をイオン交換水で400倍に希釈して調整した。]で測定することができる。
Figure 0005314843
−無機粒子(B)分散液(BL−4)の調製−
イオン交換水790部にドデシル硫酸ナトリウムを10部加え、攪拌して均一化した後、アエロジル50(日本アエロジル社製)を加え、攪拌により均一化した。この分散液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス社製)で12時間分散することにより、無機粒子(B)分散液(BL−4)を得た。
無機粒子(B)分散液(BL−4)中の粒子(B)の体積平均粒径は、動的光散乱粒子径測定法[測定装置は、大塚電子社製:DLS−7000、試料は粒子水分散液をイオン交換水で400倍に希釈して調整した。]で測定することができる。無機粒子(B)分散液(BL−4)中の粒子(B)の体積平均粒径は、0.05μmであった。
[実施例1]
表2に示す配合比に従い、イオン交換水435部、前記有機粒子(B)分散液(BL−2)100部、前記界面活性剤(D−1)5部を配合し、よく攪拌した。
そこに、アルフォンUG−4010(エポキシ基含有アクリル系ポリマー、東亞合成株式会社製)450部を酢酸エチル100部に溶解した溶液を加えた後、得られた混合溶液を60℃に加熱しながら、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、10,000rpmで2分間攪拌した。
その後、耐圧反応容器に移し、40℃まで昇温しながら減圧で脱溶剤し、レオロジーコントロール剤としてAcrysol RM−8W(ウレタン変性会合型レオロジーコントロール剤、ローム アンド ハース社製)を加えよく攪拌することにより、水分散体(E1)を得た。
更に、表2に示す配合比に従い、イオン交換水435部、前記無機粒子(B)分散液(BL−4)100部、前記界面活性剤(D−1)5部を配合し、よく攪拌した。
そこに、アルフォンUC−3910(カルボン酸含有アクリル系ポリマー、東亞合成株式会社製)450部と酢酸エチル100部の混合溶液を加えた後、得られた混合溶液を60℃に加熱しながら、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、10,000rpmで2分間攪拌した。
その後、耐圧反応容器に移し、40℃まで晶オンしながら減圧で脱溶剤氏、レオロジーコントロール剤としてAcrysol RM−8W(ウレタン変性会合型レオロジーコントロール剤、ローム アンド ハース社製)を加えよく攪拌することにより、水分散体(E2)を得た。
次に、表2に示す混合量で水分散体(E1)と水分散体(E2)を混合し、濃度調整及び粘度調整のために、イオン交換水20部、レオロジーコントロール剤2部を添加し、水分散スラリー塗料(FL−1)を得た。
[実施例2]
表2に示す配合比に従い、イオン交換水535部、前記有機粒子(B)分散液(BL−3)100部、前記界面活性剤(D−1)5部を配合し、よく攪拌した。
そこに、デスモフェンA575X(水酸基含有アクリル系ポリマー、スミトモバイエルウレタン株式会社製)235部、デュラネートTPA−B80E(硬化剤;HDIイソシアヌレート型ブロック化物、旭化成工業株式会社)112部、ジブチル錫ジラウレート3部、ヘイオゲン BLUE L7080(フタロシアニン顔料、ビーエーエスエフ社製)5部と酢酸エチル100部の混合溶液を加えた後、得られた混合溶液を室温で、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、10,000rpmで2分間攪拌した。
その後、耐圧反応容器に移し、40℃まで昇温しながら減圧で脱溶剤し、レオロジーコントロール剤としてAcrysol RM−8W(ウレタン変性会合型レオロジーコントロール剤、ローム アンド ハース社製)を加えよく攪拌することにより、水分散体(E3)を得た。
更に、上記水分散体(E3)の調整方法と同様にして、但し、ヘリオゲン BLUE L7080(フタロシアニン顔料、ビーエーエスエフ社製)5部の代わりに、イリオジン 103SW(酸化チタン被覆マイカ顔料、メルク社製)10部を加えて、水分散体(E4)を得た。
また、上記水分散体(E3)の調整方法と同様にして、但し、ヘリオゲン BLUE L7080(フタロシアニン顔料、ビーエーエスエフ社製)5部を加えずに、水分散体(E5)を得た。
次に、表2に示す混合量で、水分散体(E3)、水分散体(E4)及び水分散体(E5)を混合し、濃度調整及び粘度調整のために、イオン交換水30部、レオロジーコントロール剤3部を添加し、水分散スラリー塗料(FL−2)を得た。
[比較例1]
上記水分散体(E1)の調整方法と同様にして、但し、有機粒子(B)分散液(BL−2)を添加せず、且つ樹脂濃度を低くし、TKホモミキサーによる攪拌温度を室温として、水分散体(E6)を得た。
また、上記水分散体(E2)の調整方法と同様にして、但し、有機粒子(B)分散液(BL−2)を添加せず、且つ樹脂濃度を低くし、TKホモミキサーによる攪拌温度を室温として、水分散体(E7)を得た。
次に、表2に示す混合量で、水分散体(E6)と水分散体(E7)を混合して、濃度調整及び粘度調整のために、イオン交換水25部、レオロジーコントロール剤2部を添加し、水分散スラリー塗料(GL−1)を得た。
[比較例2]
表2に示す配合比に従い、無機粒子(B)分散液(BL−3)を添加しないこと以外は、水分散体(E3)、水分散体(E4)、水分散体(E5)の調製方法と同様の方法で、水分散体(E8)、水分散体(E9)、水分散体(E10)を得た。
次に、表2に示す混合量で、水分散体(E8)、水分散体(E9)及び水分散体(E10)を混合して、濃度調整及び粘度調整のために、イオン交換水30部、レオロジーコントロール剤3部を添加し、水分散スラリー塗料(GL−2)を得た。
Figure 0005314843
<水分散スラリー塗料の評価>
(1)体積平均粒径比の測定
−粒子(B)の体積平均粒径の測定−
水分散スラリー塗料(FL−1,FL−2)及び(GL−1,GL−2)中の粒子(B)の体積平均粒径は、動的光散乱法で測定した。
測定装置としては、大塚電子社製:DLS−7000を用い、測定試料は、水分散スラリー塗料を高速冷却遠心機 GRX−220(TOMY社製)ロータNo.4IIを用いて1000rpmで58分間遠心分離し、上澄みをイオン交換水で400倍に希釈して調製した。
測定結果を下記表3に示す。
−粒子(A)の体積平均粒径の測定−
水分散スラリー塗料(FL−1,FL−2)及び(GL−1,GL−2)中の粒子(A)の体積平均粒径は、フロー式粒子画像解析装置で測定した。
測定装置は、シスメックス社製:FPIA−2100を用い、測定試料は、水分散スラリー塗料をイオン交換水で400倍に希釈して調製した。
測定結果を下記表3に示す。
−体積平均粒径比の算出−
測定により得られた粒子(B)の体積平均粒径(以下「(B)値」と称する。)と、粒子(A)の体積平均粒径(以下「(A)値」と称する。」から、「(B)値/(A)値」を算出した。算出結果を下記表3に示す。
(2)貯蔵安定性の評価
水分散スラリー塗料20gを高さ20cm、直径3cmの円筒状のガラス容器に入れ、40℃の恒温槽中に10日間静置し、粒子間のブロッキング(合着)の状態を目視により下記の基準にて評価した。評価結果を下記表3に示す。
−評価基準−
○:均一に分散している。
×:容器を振っても沈殿物が再分散しない。
Figure 0005314843

表中、「−」は、該当しないことを示す。
前記表3に示すように、実施例では、貯蔵安定性に優れていることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 水性溶媒中に、
    異なる組成を有する2種類以上の粒子(A)と、各粒子(A)に対応する1種又は2種以上の粒子(B)を分散してなり、粒子(B)の体積平均粒径は、対応する粒子(A)の体積平均粒子径に対して0.01〜0.2倍であり
    前記粒子(A)は粒度分布において単一のピークを有し、体積平均粒径が1μm〜5μmであり、
    前記2種類以上の粒子(A)が、特定の官能基を有するポリマーを含有する粒子(A)と、前記特定の官能基と硬化反応する硬化剤を含有する粒子(A)と、を含み、
    前記硬化剤の官能基がカルボン酸基であって前記特定の官能基がエポキシ基である、又は前記硬化剤の官能基がイソシアネート基であって前記特定の官能基が水酸基である、水分散スラリー塗料。
  2. 前記2種類以上の粒子(A)が、無色又は異なる色を呈する2種類以上の粒子(A)を含むことを特徴とする請求項1に記載の水分散スラリー塗料。
  3. 前記粒子(A)が、イエロー着色剤を含有する粒子、シアン着色剤を含有する粒子、マゼンタ着色剤を含有する粒子、ホワイト着色剤を含有する粒子、ブラック着色剤を含有する粒子、光輝性着色剤を含有する粒子、着色剤を含有しない粒子、からなる群より選択される少なくとも2種であることを特徴とする請求項2に記載の水分散スラリー塗料。
  4. 前記粒子(B)の添加量が、前記粒子(A)の総添加量に対して、0.5〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水分散スラリー塗料。
  5. 前記粒子(B)の体積平均粒径が、0.05μm〜0.2μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の水分散スラリー塗料。
  6. 粒度分布において単一のピークを有し体積平均粒径が1μm〜5μmの少なくとも1種類の粒子(A)と、該粒子(A)の体積平均粒径に対して0.01〜0.2倍の体積平均粒径を有する粒子(B)と、を水性溶媒中に分散して、水性分散体を調製する工程と、
    2種類以上の前記水性分散体を混合する工程と、
    を有し、
    前記2種類以上の前記水性分散体のうち一方の水性分散体が、特定の官能基を有するポリマーを含有する粒子(A)を含み、他方の水分散体が、前記特定の官能基と硬化反応する硬化剤を含有する粒子(A)を含み、
    前記硬化剤の官能基がカルボン酸基であって前記特定の官能基がエポキシ基である、又は前記硬化剤の官能基がイソシアネート基であって前記特定の官能基が水酸基である水分散スラリー塗料の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の水分散スラリー塗料を塗布し、乾燥することによって得られる塗膜。
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